説明

被包装物充填装置

【課題】比較的サイズの小さい袋54に複数の棒状物13からなる被包装物を充填する場合に、被包装物を袋内底部に確実に充填し、かつ部材の劣化、異物の混入がなく、被包装物を傷つけることがないようにする。
【解決手段】昇降部材1に形成した縦穴11の周縁に沿って、支点軸21を中心として内外径方向に揺動自在とされた複数個の挟持片3を設置し、揺動機構により内外径方向に同時に揺動可能とする。各挟持片3は板ばねにより形成された挟持部18を有する。縦穴11を通して挟持片3の内側に供給された被包装物は、支持板6によって支持され、内径方向に揺動した挟持片3により周囲から圧縮状態で挟持される。続いて支持板6を退避させ、昇降部材1を下降させ、挟持片3及び被包装物を袋口が開口した袋54内に挿入し、挟持片3を外径方向に揺動させて被包装物を開放する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦型袋詰め包装機(袋の両側縁部を左右一対のグリッパーで把持して袋を吊り下げ状に保持し、当該袋に順次包装操作を施す包装機)における被包装物充填装置に関し、特に被包装物が複数の棒状物(スティック包装された砂糖、ソーセージ、菓子等)からなり、当該被包装物を縦向き整列状態で袋内底部に充填するような場合に用いて好適な被包装物充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
比較的サイズ(幅寸法)の小さい袋に、複数の棒状物からなる被包装物を充填して、タイトな包装製品を得る場合、従来のようなホッパーを介しての落下充填では、充填不良が生じる。例えば、いくつかの棒状物が他の棒状物に引っ掛かって袋内底部に到達せず、棒状物が上下方向にずれた状態となって包装製品の見栄えが悪くなったり、引っ掛かった棒状物が袋口シール部に噛み込んで不良製品となったりする。このような充填不良の防止に関連する従来技術として、下記特許文献1〜4に示す技術が存在する。
【0003】
特許文献1の技術は、内部を凹円弧断面形にした整形板の内面に、凹円弧断面形に湾曲した可撓性板材の両側の端縁を接触させ、両者により構成される筒形中空部に被包装物を投入し、続いて両者を相対的に移動させて可撓性板材の端縁を整形板の内面で滑らせ、可撓性板材をほぼ円筒状に圧縮し(内部の被包装物は圧縮状態で挟持される)、その状態で可撓性板材を下降させて被包装物と共に袋内に挿入するというものである。しかし、この技術では、被包装物を圧縮する際、整形板と可撓性板材が強く擦れ合い、摩耗による部品の劣化や袋内への異物(金属粉)混入のおそれがある。また、可撓性板材が整形板の内面を滑って円筒状に圧縮される過程で、可撓性板材の表面が被包装物の外周面に擦れ、あるいは可撓性板材の端縁が被包装物の外周面を引っ掛け、被包装物を傷つけるおそれがある。さらに、この装置は多くの駆動源を必要として構造が複雑となる。
【0004】
特許文献2の技術は、2枚の半円筒形状部材からなる物品載置板を横倒しして開き、その状態で被包装物を物品載置板内に供給し、物品載置板を閉じて被包装物を圧縮状態で挟持し、続いて物品載置板を起立させ、上方からピストンで押して被包装物を物品載置板から押し出し、被包装物を袋内に落下させるというものである。しかし、この技術では、被包装物を袋の上方から落下させるため、被包装物が多数の棒状物からなるような場合、先に述べたような充填不良が生じるおそれがある。また、物品載置板の内部で圧縮状態で挟持された被包装物を、摩擦抵抗に抗してピストンで押し出すことから、被包装物が変形したり傷つくおそれがあり、さらに、被包装物全体の径が変わると(例えば棒状物の数を増減させた場合など)、全ての半円筒形状部材やピストンの径を変更する必要があり、生産性の低下が避けられない。
【0005】
特許文献3の技術は、環状体の開口周縁に複数個の袋保持爪を回動自在に設け、環状体の外側に回転リングを設け、回転リングを回転させて、袋保持爪押下機構を介して袋保持爪を外径方向に向けて回動させ、これにより袋口をいっぱいに開口させるというものである。また、特許文献4の技術は、中央に開口を有する投入枠の内縁に沿って、上部を折曲した複数のシュート板を回動自在に吊り下げ、シュート板の下端を中心方向に縮めた状態で袋内に挿入し、挿入後に広げて袋をいっぱいに開口するというものである。これらの技術は、いずれも袋を大きく開口して被包装物を投入しやすくし、タイトな包装製品が得られるようにする効果はあるが、被包装物が多数の棒状物からなる場合の前述した充填不良の発生を防止する効果はない。
【0006】
【特許文献1】特公昭58−24339号公報
【特許文献2】特許第3218013号公報
【特許文献3】特許第2753939号公報
【特許文献4】登録実用新案第3055815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、比較的サイズの小さい袋に例えば複数の棒状物からなる被包装物を充填する場合でも、被包装物を袋内底部に確実に充填できるようにすると共に、部材の劣化、異物の混入がなく、被包装物を傷つけることもない充填装置を得ることを主たる目的とする。また、簡単な構造でその目的を達成することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る被包装物充填装置は、被包装物が通過する縦穴が形成された昇降部材と、前記昇降部材を昇降させる昇降機構と、前記昇降部材の縦穴の周縁に沿って略円形に配置され、前記昇降部材に水平な支点軸を介して支持されて下方に延び、前記支点軸を中心として内外径方向に揺動自在とされた複数個の挟持片からなり、前記昇降部材と共に上方の待機位置と下方の供給位置の間で昇降する挟持部材と、前記複数の挟持片を同時に揺動させる揺動機構と、待機位置にある前記挟持部材の直下でかつ被包装物を充填する袋の上方に設定された支持位置と前記待機位置から下降する挟持部材と干渉しない退避位置の間を移動し、前記支持位置において上方から前記挟持部材の内側に供給された被包装物の下端を上面で支持する支持板と、前記支持板を前記支持位置と退避位置の間で移動させる移動機構を備え、さらに、前記挟持部材の各挟持片は、板面が揺動方向を向く可撓性の板からなる挟持部をほぼ全長にわたって有し、各挟持片が内径方向に揺動して前記挟持部材が縮径したとき前記挟持部が被包装物を挟持し、前記挟持部は前記供給位置において袋内に所定長さ挿入されることを特徴とする。
上記充填装置において、前記挟持片は、最も外径方向に揺動したとき前記挟持部が略鉛直姿勢となるように揺動範囲が設定されていることが望ましい。
【0009】
上記充填装置において、例えば、各挟持片の上端に外径方向に延びる屈曲部を形成し、前記揺動機構により前記屈曲部を前記昇降部材に対して上下移動させ、これにより各挟持片を半径方向に揺動させることができる。
この場合、上記充填装置は揺動機構として、例えば、所定の隙間を置いて水平に設置された上下一対の環状体とこれらを連結する梁部材からなり、前記昇降部材に回動自在にかつ回動に伴い前記昇降部材に対して上下移動するように支持された環状部材と、前記屈曲部に取り付けられ前記環状部材の隙間内に水平面内で摺動自在に配置された摺動駒と、前記昇降部材に設置されて前記環状部材を回動させる回転駆動機構を備える。この揺動機構によれば、前記環状部材の回転及び上下移動に伴って前記摺動駒が上下移動し、これにより前記屈曲部が前記昇降部材に対して上下移動する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る充填装置によれば、各挟持片を内径方向に揺動(挟持部材が縮径)させることにより、可撓性を有する挟持部で被包装物を周囲から圧縮状態で挟持し、挟持したままで袋内に挿入し、袋内で各挟持片を外径方向に揺動(挟持部材が拡径)することにより被包装物を開放し、袋内に充填することができるので、比較的サイズの小さい袋にでも被包装物を容易に充填することができる。特に複数の棒状物からなる被包装物を充填する場合は、これらの棒状物を挟持部材で周囲から圧縮状態で挟持し、見かけ上の平面視占有面積を減らした状態で袋内に挿入するので、充填不良を防止して、棒状物全部を袋内底部に確実に充填でき、タイトな包装製品を得ることができる。
【0011】
また、挟持部材は半径方向内側に揺動することにより縮径して、被包装物に面接触して該被包装物を挟持するので、挟持の過程で被包装物に擦れたり、引っ掛かったりすることがなく、被包装物を傷つけるおそれがない。そして、被包装物を挟持する挟持部が可撓性を有する板(板ばね)からなることから、被包装物を挟持したときの当たりがソフトであり、挟持部は被包装物の外形に沿った形状に撓むから、剛体の挟持部と異なり被包装物に無理な変形が生じない。
また、被包装物を挟持する挟持部が可撓性を有する板からなり、挟持部が撓んだ状態で被包装物を周囲から挟持する構成であるため、被包装物の径が変更になった場合(被包装物が複数の棒状物からなるときに個数や径が変更されるなど)にもある程度対応できる。
さらに、昇降機構、揺動機構及び移動機構のそれぞれについて駆動源は1つずつで済むため、例えば特許文献1の装置に比べて構造が簡略化でき、清掃性、メンテナンス性が向上し、装置の小型化、コスト低減も図れる。特許文献1の装置のように挟持部材同士の擦れ合いもなく、挟持部材の劣化や異物混入が防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図1〜図11を参照して、本発明に係る被包装物充填装置について詳細に説明する。この充填装置は、先に述べた縦型袋詰め包装機において、グリッパーに把持され袋口を開口された袋に、複数の棒状物からなる被包装物を充填するための装置である。この充填装置は前記包装機の充填工程位置に設置され、該位置に停止した袋に対し、前記被包装物を供給・充填する。
まず図1〜図4に示すように、この充填装置は、昇降部材1と、その昇降機構2と、昇降部材1の下面側に支持されて下方に延びる8個の挟持片3からなる挟持部材4と、8個の挟持片3を同時に揺動させる揺動機構5と、挟持部材4の下に配置された支持板6と、その移動機構7からなる。
【0013】
前記昇降部材1は、中心部に円形の縦穴11が形成され、外周は略円形で4箇所に4つの平面部12(鉛直面)を有する環状の板からなる。縦穴11は、上方から例えばホッパー等を介して同時に落下供給される複数個の棒状物13の束が容易に通過する径を有する。
前記昇降機構2は、図示しない第1駆動源と、下部が前記第1駆動源に連結されて昇降する昇降軸14と、前記縦型袋詰め包装機の機台上面に立設し昇降軸14を昇降自在に支持するスタンド15と、一端が昇降軸14の上端に固定され他端が昇降部材1の上面に固定された取付部材16からなる。前記第1駆動源が作動して昇降軸14が昇降すると、取付部材16を介して昇降部材1が昇降する。昇降部材1が昇降することにより、挟持部材4が上方の待機位置(図7参照)と下方の供給位置(下方に位置する袋内へ挿入される位置;図8参照)の間で昇降する。
【0014】
前記挟持部材4を構成する各挟持片3は、昇降部材1の縦穴11の周縁に沿って円形に(円陣を組むように)配置され、それぞれL字形の基部17と、基部17に固定され可撓性の平板(板ばね)からなる挟持部18からなる。基部17は全体として略L字形をなし、下方に延びる取付部17aと、外径方向に延びる屈曲部17bからなり、取付部17aに挟持部18の上端部が固定され下方に延びている。各挟持片3に対応して、昇降部材1の縦穴11の周縁の下面側に一対の支持部材19が固定され、これに水平な支点軸21が固定され、支点軸21が各挟持片3の基部17のコーナー部に形成された穴(軸受部)に嵌入している。これにより、各挟持片3は、支点軸21を支点として前記円形の内外径方向に揺動自在とされている。挟持部18の板面は揺動方向(内外径方向)を向いている。
【0015】
前記揺動機構5は、昇降部材1の下方位置に配置された環状部材22と、環状部材22を回動自在に支持する複数個のガイドローラ23と、環状部材22を回動させる回動駆動機構24と、環状部材22の回動に伴って該環状部材22を昇降部材1に対し上下移動させる上下移動機構25と、環状部材22の上下移動を挟持片3に伝達する摺動駒26からなる。下記に詳細に説明するように、回転駆動機構24の駆動源(第2駆動源)が作動すると、環状部材22が回動し、上下移動機構25及び摺動駒26を介して各挟持片3が同時に内外径方向に揺動する。各挟持片3が最も外側(外径方向)に揺動したとき(開放位置)、挟持部材4は拡径した開放状態となって、複数個の棒状物13からなる被包装物を受け入れ又は開放し(図5参照)、各挟持片3が最も内側(内径方向)に揺動したとき(挟持位置)、挟持部材4は縮径した挟持状態となって、前記被包装物を周囲から挟持し得る(図6参照)。この例では、挟持部材4が開放状態(挟持片3が開放位置)のとき挟持片3が略鉛直姿勢となるように、各挟持片3の揺動範囲が設定されている。
【0016】
環状部材22は、上下に配置された2個の板状の環状体27,28と、環状体27,28を一体的に接続するとともに両者の間に所定間隔を保つ5個の梁部材(等間隔に配置された4個の梁部材29と、2つの梁部材29,29の間に配置された1個の梁部材31)からなる。梁部材29は昇降部材1の平面部12の近傍に配置されている。各環状体27,28の中心部に、昇降部材1に形成された縦穴11と同心でそれより大径の円形の穴32,33が形成され、その穴32,33の内径側に、前記支持部材19、支点軸21及び挟持片3の大部分が配置される。
【0017】
ガイドローラ23は、昇降部材1の下面に軸心を鉛直に向けて回転自在に取り付けられ、環状体27の穴32の内周面に接するように配置されている。これにより環状部材22は穴32の中心を軸心として回動する。
回転駆動機構24は、昇降部材1の上面に固定された支持部材34,35と、後端が支持部材34に連結されたエアシリンダ36(第2駆動源)と、支持部材35に支持され一端がエアシリンダ36のピストンロッド37の先端に連結されたL字形レバー38と、梁部材31から環状部材22の外径側に突出した連結部材39と、L字形レバー38の他端と連結部材39の間を連結する連結ロッド40からなる。エアシリンダ36が作動すると、ピストンロッド37、L字形レバー38及び連結ロッド40を介して環状部材22が回動する。
【0018】
上下移動機構25は、昇降部材1の平面部12に固定された板状の環状部材支持部材41と、環状部材22の各梁29に固定されて外径方向に突出し、対応する環状部材支持部材41に斜めに形成された長穴42に嵌る係合ピン43からなる。環状部材22が回動するのに伴って係合ピン43が回動し、このとき係合ピンは長穴42の傾斜に沿って上下方向に移動するので、環状部材22は昇降部材1に対し上下移動する(図5〜7参照)。
摺動駒26は、環状部材22の2つの環状体27,28の隙間に配置され、挟持片3の基部17の屈曲部17bの二股に形成された端部に、水平な連結ピン44を介して連結されている。環状部材22が上下移動すると、それに伴って摺動駒26が上下移動し(このとき環状体27,28の隙間で少し摺動する)、これにより全部の挟持片3がそれぞれ支点軸21を中心として、前記開放位置から挟持位置へ又は挟持位置から開放位置へ向けて同時に揺動する。
【0019】
前記支持板6は、挟持部材4の下方位置に配置され、上方から落下供給される複数個の棒状物13を支持するもので、拡径した開放状態の挟持部材4に囲まれた範囲(平面視)をほぼカバーし得る面積及び形状(この例では昇降部材1に形成した縦穴11の平面視形状に沿った形状)を有する。
前記移動機構7は、スタンド15に固定された支持プレート45と、支持プレート45上に設置されたエアシリンダ支持軸46と、後端がエアシリンダ支持軸46に連結されたエアシリンダ47(第3駆動源)と、エアシリンダ47の駆動力を支持板6に伝達する伝達部材48からなる。伝達部材48は、支持プレート45上に立設する支持軸49に回動自在に嵌る筒状部51と、それぞれ一端が筒状部51に固定された連結アーム52及び揺動アーム53からなり、連結アーム52の他端はピストンロッド54の先端に連結され、揺動アーム53の他端に支持板6が固定されている。エアシリンダ47が作動してピストンロッド54が伸縮すると、連結アーム52、筒状部51及び揺動アーム53を介して、支持板6が待機位置にある挟持部材4の直下の支持位置と、挟持部材4が下降するときに該挟持部材4と干渉しない退避位置(図1の仮想線参照)の間を水平に移動する。
【0020】
次に、前記充填装置の一連の作動を、図5〜11を参照して説明する。
(図5)包装機の充填工程位置では、挟持部材4が上方の待機位置に停止し、支持板6が支持位置(挟持部材4の直下位置)に停止し、かつ各挟持片3が開放位置(挟持部材4が開放状態)に揺動した状態となっている。この状態で、複数の棒状物13からなる被包装物が縦穴11を通して、挟持部材4内に落下供給される。供給された棒状物13は、挟持部材4内の略円筒状の空間(挟持片3により囲繞された空間)において、支持板6上に落下しその上面に支持される。このとき複数の棒状物13は多少ばらけた状態となっていて、全体の見かけ上の専有面積(平面視)が比較的大きい。
【0021】
(図6)エアシリンダ36が作動して環状部材22が平面視反時計方向に回動し、これにより環状部材22が下方に移動し、各挟持片3が挟持位置に向けて内径方向に揺動して、挟持部材4が縮径し(挟持部材4内の略円筒状の空間が狭まり)挟持状態となる。その結果、複数の棒状物13からなる被包装物は、挟持部18の板面によって周囲を囲繞され、かつ撓んだ挟持部18の弾性により周囲から圧縮状態で挟持され、見かけ上の専有面積が減少する。このとき、一対のグリッパ53により両縁部を挟持され袋口が開口された袋54が移送されてきて、挟持部材4(及び支持板6)の直下位置に停止する。なお、袋移送のタイミングはこれに限定されず、例えば図5の時点又はそれ以前に移送されてきてもよい。
【0022】
(図7)エアシリンダ47が作動して支持板6が支持位置から退避位置に移動する。
(図8)昇降機構2の駆動源が作動して昇降部材1が下降し、それに伴い、挟持部材4が待機位置から供給位置に下降し、挟持片3及び複数の棒状物13からなる被包装物が袋54内の底部付近まで挿入される。
(図9)エアシリンダ36が作動して環状部材22が平面視時計方向に回動し、これにより環状部材22が上方に移動し、各挟持片3が開放位置に向けて外径方向に揺動し、挟持部材4が拡径した開放状態となる。これにより複数の棒状物13が袋底に落下し、袋54内に充填される。
【0023】
(図10)昇降機構2の駆動源が作動して昇降部材1が上昇し、それに伴い、挟持部材4が供給位置から待機位置に上昇して袋54から抜け出す。
(図11)エアシリンダ47が作動して支持板6が退避位置から挟持部材4の直下の支持位置に移動する。また、複数の棒状物13が充填された袋54が次の工程に向けて移動を開始する。
【0024】
なお、以上示した充填装置において、例えば次に示すように、本発明の技術思想の範囲内で種々の改変が可能である。
(1)上記の例では挟持部材を構成する挟持片の数が8個であったが、これより少なくても多くてもよい。例えば6個以上であれば一応の目的は達成できる。
(2)上記の例では各挟持片が同時に1つの駆動源により揺動したが、個々の挟持片毎又は複数個の挟持片毎に独立した駆動源を割り当ててもよい。
(3)上記の例では支持板を支持位置から退避位置に水平に移動させたが、この退避位置は、待機位置から下降する挟持部材と干渉しないのであれば、例えば支持板の面に垂直な面に沿って下方に揺動させるのでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る被包装物充填装置の平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図2のB−B断面図である。
【図4】挟持片の揺動機構の構造を説明する一部断面展開図である。
【図5】本発明に係る充填装置の一連の作動を経時的に説明する図である。
【図6】本発明に係る充填装置の一連の作動を経時的に説明する図である。
【図7】本発明に係る充填装置の一連の作動を経時的に説明する図である。
【図8】本発明に係る充填装置の一連の作動を経時的に説明する図である。
【図9】本発明に係る充填装置の一連の作動を経時的に説明する図である。
【図10】本発明に係る充填装置の一連の作動を経時的に説明する図である。
【図11】本発明に係る充填装置の一連の作動を経時的に説明する図である。
【符号の説明】
【0026】
1 昇降部材
2 昇降機構
3 挟持片
4 挟持部材
5 揺動機構
6 支持板
7 移動機構
13 棒状体(被包装物)
17b 屈曲部
18 挟持部
21 支点軸
22 環状部材
26 摺動駒
27,28 環状体
29,31 梁部材
42 長穴
43 係合ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物が通過する縦穴が形成された昇降部材と、前記昇降部材を昇降させる昇降機構と、前記昇降部材の縦穴の周縁に沿って略円形に配置され、前記昇降部材に水平な支点軸を介して支持されて下方に延び、前記支点軸を中心として内外径方向に揺動自在とされた複数個の挟持片からなり、前記昇降部材と共に上方の待機位置と下方の供給位置の間で昇降する挟持部材と、前記複数の挟持片を同時に揺動させる揺動機構と、待機位置にある前記挟持部材の直下でかつ被包装物を充填する袋の上方に設定された支持位置と前記待機位置から下降する挟持部材と干渉しない退避位置の間を移動し、前記支持位置において上方から前記挟持部材の内側に供給された被包装物の下端を上面で支持する支持板と、前記支持板を前記支持位置と退避位置の間で移動させる移動機構を備え、さらに、前記挟持部材の各挟持片は、板面が揺動方向を向く可撓性の板からなる挟持部をほぼ全長にわたって有し、各挟持片が内径方向に揺動して前記挟持部材が縮径したとき前記挟持部が被包装物を挟持し、前記挟持部は前記供給位置において袋内に所定長さ挿入されることを特徴とする被包装物充填装置。
【請求項2】
前記挟持片は、最も外径方向に揺動したとき前記挟持部が略鉛直姿勢となるように揺動範囲が設定されていることを特徴とする請求項2に記載された被包装物充填装置。
【請求項3】
各挟持片の上端に外径方向に延びる屈曲部が形成され、前記揺動機構により前記屈曲部が前記昇降部材に対して上下移動することで、各挟持片が前記支点軸を中心として揺動することを特徴とする請求項1又は2に記載された被包装物充填装置。
【請求項4】
前記揺動機構として、所定の隙間を置いて水平に設置された上下2個の環状体とこれらを連結する梁部材からなり、前記昇降部材に回動自在にかつ回動に伴い前記昇降部材に対して上下移動するように支持された環状部材と、前記屈曲部に取り付けられ前記隙間内に水平面内で摺動自在に配置された摺動駒と、前記昇降部材に設置されて前記環状部材を回動させる回転駆動機構を備え、前記環状部材の回転及び上下移動に伴って前記摺動駒が上下移動し、これにより前記屈曲部が前記昇降部材に対して上下移動することを特徴とする請求項3に記載された被包装物充填装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−143629(P2010−143629A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−325007(P2008−325007)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000222727)東洋自動機株式会社 (91)
【Fターム(参考)】