説明

被噴射体噴射装置及び被噴射体噴射方法

【課題】基板に形成されたレジストを除去する際のレジストの残渣の発生を抑える一方で、基板を洗浄する際の洗浄能力の低下を図る。
【解決手段】被噴射体噴射装置は、回転軸41を有し、回転軸41の回転によって基板を回転させるスピンナー40と、基板に相対する位置であってスピンナー40の回転軸41からずれて配置され、被噴射体を噴射するノズル24及びノズル25と、を備え、スピンナー40の回転軸41の方向に見て、ノズル24の噴射口24Aがスピンナー40の回転軸41が回転する向きと向き合っており、ノズル25の噴射口25Aが第一ノズル24の噴射口24Aの向きとは逆向きである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被噴射体噴射装置及び被噴射体噴射方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置又はプリント基板等の製造工程の中には、配線及び端子等の導体パターンを形成する工程がある。導体パターンの形成方法として、基板に形成されたレジストの露光・現像を行った後に、レジストに形成された開口や溝内に金属メッキを析出させる方法がある。その後、レジスト剥離装置を用いてレジストを剥離する。また、レジストを剥離後、基板洗浄装置を用いて、基板の洗浄を行う。
【0003】
レジスト剥離装置や基板洗浄装置はスピンナー及びノズル等を備える。基板がスピンナーによって回転している時に、ノズルから噴射された剥離液が基板に付着したレジストに当たる。この際、レジストが剥離液によって膨潤して、更に剥離液の噴射力によって吹き飛ばされる。また、ノズルから噴射されたリンス液や純水を基板に当てることによって、レジスト剥離後の基板を洗浄する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−31780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上述の金属メッキのような構造物は、その厚みが比較的厚いので、噴射された剥離液が金属メッキによって遮断されて、金属メッキの下部の周囲にあるレジストに剥離液が当たらないことがある。そうすると、金属メッキの下部の周囲にはレジストが残留してしまう。特に、金属メッキが厚いと、レジストの残渣が多くなってしまう。また、このような厚い金属メッキを洗浄する際にも、噴射されたリンス液や純水が金属メッキによって遮断されて、基板を洗浄する能力が低下するおそれがある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、厚みが比較的厚い構造物が形成された基板を取り扱うに当たり、該基板に形成されたレジストを除去する際のレジストの残渣の発生を抑える一方で、該基板を洗浄する際の洗浄能力の低下を抑制できる被噴射体噴射装置及び被噴射体噴射方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するための本発明に係る被噴射体噴射装置は、
回転軸を有し、該回転軸の回転によって基板を回転させるスピンナーと、
前記基板に相対する位置であって前記スピンナーの回転軸からずれて配置され、被噴射体を噴射する第一ノズル及び第二ノズルと、を備え、
前記スピンナーの前記回転軸の方向に見て、前記第一ノズルの噴射口が前記スピンナーの前記回転軸が回転する向きと向き合っており、前記第二ノズルの噴射口が前記第一ノズルの噴射口の向きとは逆向きである。
【0007】
以上の課題を解決するための本発明に係る被噴射体噴射方法は、
基板を回転させるスピンナーと、前記基板に相対する位置であって前記スピンナーの回転軸からずれて配置され、被噴射体を噴射する第一ノズル及び第二ノズルと、を備える被噴射体噴射装置を用いた被噴射体噴射方法であって、
前記基板を回転させながら、前記スピンナーの前記回転軸の方向に見て、前記第一ノズルからは前記スピンナーの前記回転軸の回転の向きに被噴射体を噴射させる一方で、前記第二ノズルからは前記スピンナーの前記回転軸の回転の逆向きに被噴射体を噴射させる方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、厚みが比較的厚い構造物が形成された基板を取り扱うに当たり、該基板に形成されたレジストを除去する際のレジストの残渣の発生を抑える一方で、該基板を洗浄する際の洗浄能力の低下を抑制できる被噴射体噴射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る被噴射体噴射装置の縦断面図。
【図2】被噴射体噴射装置の平面図。
【図3】複数のノズルの噴射流量及び噴射圧力の関係を示したグラフ。
【図4】ノズル及びそれに接続される流体機器を示したブロック図。
【図5】基板の一部を拡大して示した模式図。
【図6】半導体装置を製造するのに用いる半導体ウエハの一部の断面図。
【図7】図6に示された半導体ウエハを用いた半導体装置の製造方法の一工程における断面図。
【図8】図7の後の工程における断面図。
【図9】図8の後の工程における断面図。
【図10】図9の後の工程における断面図。
【図11】図10の後の工程における断面図。
【図12】図11の後の工程における断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0011】
図1は、被噴射体噴射装置1を示した縦断面図である。図2は、被噴射体噴射装置1を一部破断した状態で示した平面図である。
【0012】
この被噴射体噴射装置1は、レジスト剥離装置である。被噴射体噴射装置1は、筐体2、処理カップ5、整流板15、廃液管16、排気管17、ノズル21〜27、スピンナー40及びコントローラ50等を備える。
筐体2は、内部空間3を有する。筐体2の側面には、開閉可能な搬送扉4が設けられている。
【0013】
筐体2内には処理カップ5が配置されている。処理カップ5は、内部空間たる処理室6を有する。処理カップ5の径は上になるほど短くなり、処理対象物たる円盤状の基板90を覆うようになっている。処理カップ5は、架台等によって筐体2内の底面の上方に支持されている。処理カップ5の側面には、開閉可能な開閉扉7が設けられている。開閉扉7と搬送扉4が相対向する。基板90が、開いた搬送扉4及び開閉扉7を通って搬送される。搬送扉4及び開閉扉7が駆動源を有し、それらの駆動源がコントローラ50によって制御される。
【0014】
スピンナー40は、露光・現像済みの感光性レジスト91が形成された基板90を回転させる。スピンナー40は、回転軸41、チャック42及びスピンドルモータ43を有する。回転軸41、チャック42及びスピンドルモータ43をユニット化したものが、スピンナー40である。
【0015】
回転軸41は、上下に延びて、処理カップ5の底に取り付けられている。具体的には、回転軸41が処理カップ5の底を上下に貫通し、回転軸41の上部が処理カップ5の底から処理カップ5内に突き出ており、回転軸41の下部が処理カップ5の底から処理カップ5の下方に突き出ている。回転軸41は、処理カップ5に対して相対的に回転可能に設けられている。回転軸41は、水平面に対して直交することが好ましい。回転軸41およびチャック42は、スピンドルモータ43の回転に従って、図1において一点鎖線Aで示す軸を中心として、スピンナー40の回転軸の方向に見て、時計回りまたは反時計回りに回転する。
【0016】
チャック42は、処理カップ5内に配置されている。チャック42は、回転軸41に取り付けられている。チャック42は、基板90を固定する。好ましくは、チャック42は、基板90を水平に固定する。チャック42は、基板90を爪等によって機械的に固定するものでもよいし、基板90を例えば磁気又は真空によって吸引することでその基板90を固定するものでもよい。
【0017】
スピンドルモータ43は、筐体2内であって処理カップ5の下方に配置されている。回転軸41は、スピンドルモータ43に連結されている。スピンドルモータ43は、回転軸41、チャック42及び基板90を回転させる。スピンドルモータ43の回転速度がコントローラ50によって制御されるとともに、スピンドルモータ43の回転開始、回転停止及び回転速度変化のタイミングがコントローラ50によって制御される。
【0018】
筐体2の内部空間3の上側には、互いに平行な2本の支持梁10が配置されている。支持梁10は筐体2に固定されている。具体的には、支持梁10の一端が、筐体2のうち搬送扉4側の内壁に固定され、支持梁10の他端が、筐体2のうち搬送扉4の反対側の内壁に固定されている。支持梁10は水平になっている。なお、支持梁10の数は1でもよいし、3以上でもよい。
【0019】
複数のアーム12が支持梁10に連結されている。アーム12は、支持梁10から支持梁10に対して直交する方向に延び出ている。固定ブロック11が支持梁10とアーム12の連結部に設けられ、アーム12が固定ブロック11によって支持梁10ロックされている。固定ブロック11のロックを緩めると、固定ブロック11及びアーム12が支持梁10に沿って移動可能となり、固定ブロック11及びアーム12の位置が調整可能である。アーム12が支持梁10に固定された状態では、アーム12が水平になっているとともに、アーム12が支持梁10に対して垂直である。なお、図2では、3本のアーム12が一方の支持梁10に連結され、2本のアーム12が他方の支持梁10に連結されているが、1本の支持梁10に連結されるアーム12の数は任意である。
【0020】
吊り棒14がアーム12から垂下している。吊り棒14とアーム12の連結部に固定ブロック13が設けられている。固定ブロック13は、吊り棒14をアーム12にロックする。固定ブロック13のロックを緩めると、固定ブロック13及び吊り棒14がアーム12に沿って移動可能となり、固定ブロック13及び吊り棒14の位置が調整可能である。なお、図2では、中央に配置された1本のアーム12に連結された吊り棒14の数が3本であり、両側に配置された4本のアーム12のそれぞれに連結された吊り棒14の数が1本であるが、各アーム12に連結される吊り棒14の数は任意である。
【0021】
ノズル21〜27が吊り棒14にそれぞれ取り付けられており、これらノズル21〜27はそれぞれの吊り棒14によって吊り下げられている。これらノズル21〜27は、基板90に相対する位置に配置されている。具体的には、ノズル21〜27は処理カップ5内であってチャック9及び基板90の上方に配置されている。
【0022】
ノズル21は剥離液、リンス液及び不活性ガス(例えば、N2)を基板90に向けて噴射するが、何れか一つを選択して噴射する。ノズル22〜27も同様である。
ノズル21から噴射される被噴射体は、比較的大きな粒径の液体であるか、又は連続的に噴射される液体である。ノズル22〜27についても同様である。
ノズル21〜27から被噴射体を噴射させる場合、必ずしも、全てのノズル21〜27から同時に被噴射体を噴射させる必要はなく、各ノズルから交互に被噴射体を噴射させるようにしてもよい。基板90上に形成された感光性レジスト91を除去する際には、全てのノズル21〜27から同時に被噴射体を噴射させることによって、感光性レジスト91の除去能力をより高めることができる。
尚、剥離液と不活性ガスとを同時に噴射してもよい。また、リンス液と不活性ガスとを同時に噴射してもよい。不活性ガスを同時に吐出させることで、剥離液やリンス液の流量を抑えたまま、剥離液やリンス液をより強く吐出させることができるので、剥離するべき対象物をより剥離しやすくすることができる。
【0023】
ノズル21〜27の位置について説明する。以下の説明で、ノズル21〜27の高さは、チャック9又は基板90を基準とする。
ノズル21〜27は互いに離れていて、噴射した被噴射体を互いに干渉させないように配置されている。
ノズル21が、回転軸41上に配置されている。ノズル21は、ノズル21〜27の中で最も高い位置に配置されている。
ノズル22〜27は、回転軸41から径方向外側にずれて配置されている。
回転軸41の方向に見て、ノズル22とノズル23の両方は回転軸41を中心とした同一の円上に配置され、ノズル22からノズル21までの距離とノズル23からノズル21までの距離が等しい。回転軸41の方向に見て、ノズル21がノズル22とノズル23の間に配置されている。ノズル22,23は、等しい高さに配置されている。ノズル22,23は、ノズル21よりも低い位置に配置されている。
回転軸41の方向に見て、ノズル24とノズル25の両方は回転軸41を中心とした同一の円上に配置され、ノズル24からノズル21までの距離とノズル25からノズル21までの距離が等しい。回転軸41の方向に見て、ノズル24からノズル21までの距離は、ノズル22からノズル21までの距離よりも長い。回転軸41の方向に見て、ノズル21がノズル24とノズル25の間に配置されている。ノズル24,25は、等しい高さに配置されている。ノズル24,25は、ノズル22,23よりも低い位置に配置されている。
回転軸41の方向に見て、ノズル26とノズル27の両方は回転軸41を中心とした同一の円上に配置され、ノズル26からノズル21までの距離とノズル27からノズル21までの距離が等しい。回転軸41の方向に見て、ノズル26からノズル21までの距離は、ノズル24からノズル21までの距離よりも長い。回転軸41の方向に見て、ノズル21がノズル26とノズル27の間に配置されている。ノズル26,27は、等しい高さに配置されている。ノズル26,27は、ノズル24,25よりも低い位置に配置されている。
従って、ノズル21〜27は、回転軸41により近いほど基板90からより離れて配置されている。
【0024】
ノズル21〜27の噴射方向及び噴射範囲について説明する。
ノズル21は噴射口21Aを有し、その噴射口21Aが真下に向けられている。つまり、ノズル21の噴射方向は真下である。
ノズル22〜27はそれぞれ噴射口22A〜27Aを有し、これら噴射口22A〜27Aが斜め下に向けられている。具体的には、ノズル22〜27の噴射方向は、回転軸41を中心とした円の接線方向斜め下向きである。回転軸41の方向に見て、ノズル22とノズル23のどちらか一方の噴射方向が回転軸41の回転の向きであり、他方の噴射方向が回転軸41の回転の逆向きである。本実施形態では、スピンナー40の回転軸の方向に見て、ノズル22の噴射口22Aがスピンナー40の回転軸41が回転する向き(図2に示す回転の向きR)と向き合っており、ノズル23の噴射口23Aがノズル22の噴射口22Aの向きとは逆向きである。
回転軸41の方向に見て、ノズル24とノズル25のどちらか一方の噴射方向が回転軸41の回転の向きであり、他方の噴射方向が回転軸41の回転の逆向きである。本実施形態では、スピンナー40の回転軸の方向に見て、ノズル24の噴射口24Aがスピンナー40の回転軸41が回転する向きと向き合っており、ノズル25の噴射口25Aがノズル24の噴射口24Aの向きとは逆向きである。
回転軸41の方向に見て、ノズル26とノズル27のどちらか一方の噴射方向が回転軸41の回転の向きであり、他方の噴射方向が回転軸41の回転の逆向きである。本実施形態では、スピンナー40の回転軸の方向に見て、ノズル26の噴射口26Aがスピンナー40の回転軸41が回転する向きと向き合っており、ノズル27の噴射口27Aがノズル26の噴射口26Aの向きとは逆向きである。
【0025】
回転軸41に直交する径方向に沿ったノズル21の噴射範囲は、回転軸41に直交する径方向に沿ったノズル22及びノズル23の噴射範囲と一部重複している。回転軸41に直交する径方向に沿ったノズル22及びノズル23の噴射範囲は、回転軸41に直交する径方向に沿ったノズル24及びノズル25の噴射範囲と一部重複している。回転軸41に直交する径方向に沿ったノズル24及びノズル25の噴射範囲は、回転軸41に直交する径方向に沿ったノズル26及びノズル27の噴射範囲と一部重複している。ノズル26,27の噴射範囲は、基板90の外周よりも2〜3mm程度外側に広がっている。
【0026】
回転軸41の方向に見て、ノズル22〜27の平面的な位置を適宜変更してもよい。但し、ノズル22〜27からノズル21(又は回転軸41)までの距離とノズル22〜27の噴射方向は、上述した通りである。
【0027】
ノズル21〜27の噴射流量及び噴射圧力について説明する。図3のグラフに示すように、ノズル21は、ノズル21〜27の中で最も噴射流量が少なく、且つ噴射圧力が低い。ノズル22,23は、ノズル21〜27の中で2番目に噴射流量及び噴射圧力が低い。ノズル24,25は、ノズル21〜27の中で3番目に噴射流量が少なく、且つ噴射圧力が低い。ノズル26,27は、ノズル21〜27の中で最も噴射流量が多く、且つ噴射圧力が高い。従って、ノズル21〜27は、回転軸41からより遠いほど噴射流量が多く、且つ噴射圧力がより高い。
【0028】
図1に示すように、処理カップ5の底であって外周寄り部分には、整流板15が設けられている。整流板15は、外側に向かって下りに傾斜している。整流板15は、処理カップ5内の雰囲気の気流を制御する。
【0029】
処理カップ5の底には、処理室6内の廃液を排出する複数の廃液管16が連結されている。処理カップ5の底には、処理室6内のガスを排出する排気管17が連結されている。これら廃液管16及び排気管17は、処理カップ5内の処理室6まで通じている。
【0030】
処理カップ5の底であって回転軸41の周囲には、複数の洗浄ノズル18が配置されている。洗浄ノズル18が上に向けられている。洗浄ノズル18が洗浄液を上方に噴射し、基板90の裏面が洗浄液によって洗浄される。
【0031】
図4に示すように、剥離液供給装置31がノズル21に接続され、逆止弁32が剥離液供給装置31からノズル21までの流路の中途部に設けられている。ノズル22〜27についても同様である。
リンス液供給装置33がノズル21に接続され、逆止弁34がリンス液供給装置33からノズル21までの流路の中途部に設けられている。ノズル22〜27についても同様である。
不活性ガス供給源35がノズル21に接続され、流量調整弁36が不活性ガス供給源35からノズル21までの流路37に設けられている。ノズル22〜27についても同様である。
【0032】
剥離液供給装置31はタンク及びポンプ等を備え、剥離液をノズル21〜27に供給する。逆止弁32は、剥離液供給装置31からノズル21〜27に向かう剥離液の流れを許容し、ノズル21〜27から剥離液供給装置31に向かう流体の流れを阻止する。剥離液供給装置31はコントローラ50によって制御される。剥離液供給装置31によって供給されてノズル21〜27から噴射される剥離液は、有機溶剤、水酸化ナトリウム水溶液、アミン添加有機アルカリ(有機アルカリにアミンを添加したもの)又はテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド添加有機アルカリ(有機アルカリにテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)を添加したもの)である。レジスト91がポジ型である場合には、剥離液が有機溶剤であることが好ましい。レジスト91がネガ型である場合には、剥離液がアミン添加有機アルカリ又はテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド添加有機アルカリであることが好ましい。レジスト91がドライフィルムレジストである場合には、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液が好ましい。
【0033】
リンス液供給装置33はタンク及びポンプ等を備え、リンス液をノズル21〜27に供給する。逆止弁34は、リンス液供給装置33からノズル21〜27に向かうリンス液の流れを許容し、ノズル21〜27からリンス液供給装置33に向かう流体の流れを阻止する。リンス液供給装置33はコントローラ50によって制御される。
【0034】
不活性ガス供給源35は、不活性ガスを貯留したボンベである。流量調整弁36は、不活性ガス供給源35からノズル21〜27までの流路37を開閉したり、不活性ガス供給源35からノズル21〜27に流れる不活性ガスの流量を調整したりする。流量調整弁36はコントローラ50によって制御される。
【0035】
被噴射体噴射装置1の動作について説明するとともに、被噴射体噴射装置1を用いた被噴射体噴射方法及びレジストの剥離方法について説明する。
搬送扉4及び開閉扉7がコントローラ50の指令によって開いた後、レジスト91付きの基板90が搬送機によって搬送扉4及び開閉扉7を通って処理カップ5内のチャック42まで搬送される。そして、基板90がチャック42に固定される。
【0036】
次に、搬送扉4及び開閉扉7がコントローラ50の指令によって閉じる。次に、コントローラ50がスピンドルモータ43を駆動し、スピンドルモータ43が回転し始める。スピンドルモータ43が作動すると、チャック42及び基板90が回転軸41を中心にして回転する。図2に回転の向きRを示す。回転の向きは、スピンナー40の回転軸41の方向に見て、逆向きであってもよい。
【0037】
スピンドルモータ43の回転中、洗浄ノズル18が基板90の裏側の面に向けて洗浄液を噴射し、基板90の裏面が洗浄液によって洗浄される。
【0038】
また、スピンドルモータ43が回転したら、コントローラ50が剥離液供給装置31を作動させ、剥離液がノズル21〜27に供給される。ノズル21〜27に供給された剥離液がノズル21〜27からレジスト91へ噴射される。レジスト91が剥離液によって膨潤する。膨潤したレジストは、剥離液の噴射力等によって基板90から吹き飛ばされる。図5の模式図に示すように、基板90の表面に形成されたメッキ等のパターン92が厚い場合には、レジスト91がパターン92の裏に隠れて、ノズル22から噴射した剥離液がレジスト91に当たらないことがある。しかし、回転軸41の方向に見て、ノズル22とノズル23のどちらか一方の噴射方向が回転軸41の回転の向きであり、他方の噴射方向が回転軸41の回転の逆向きであるから、ノズル23から噴射した剥離液がレジスト91に当たる。そのため、レジスト91の残渣が発生しにくい。ノズル24とノズル25について、ノズル26とノズル27についても同様である。
【0039】
また、回転軸41に直交する径方向に沿ったノズル21〜27の噴射範囲が少しずつ重なっているから、ノズル21〜27から噴射した剥離液が基板90の表側の面全体にわたってレジスト91に当たる。そのため、レジスト91の残渣の発生を防止することができるとともに、基板90の面内で均一にレジスト91を除去することができる。
【0040】
また、ノズル21〜27は、噴射した剥離液が互いに干渉しないように配置されている。そのため、ノズル21〜27から噴射した剥離液が勢いよくレジスト91に当たる。よって、レジスト91の残渣が発生しにくいうえ、基板90の面内で均一にレジスト91を除去することができる。
【0041】
基板90の中心に噴射された剥離液は、基板90の回転によって外周へ流れる。そのため、基板90の外周寄りでは、ノズル26,27で噴射された剥離液が、基板90の表側の面を流れた剥離液と干渉する。そうすると、基板90の外周寄りでは、噴射された剥離液の液滴の密度が低くなる傾向にある。しかし、本実施形態では、ノズル21〜27は回転軸41からより遠いほど噴射流量が多く、且つ噴射圧力がより高いうえ、ノズル21〜27は回転軸41により近いほどより高い位置に配置されている。そのため、噴射された剥離液の液滴密度が基板90の面内で均一になる。基板90の面内で均一にレジスト91を除去することができる。
【0042】
噴射された剥離液及び洗浄液が廃液管16に流れ込んで、廃液管16によって処理カップ5から排出される。
【0043】
レジスト91が全体的に剥離されたら、コントローラ50が剥離液供給装置31を停止させた後に、リンス液供給装置33を作動させ、リンス液がノズル21〜27に供給される。ノズル21〜27に供給されたリンス液がノズル21〜27から基板90へ噴射される。基板90は、噴射したリンス液によって洗浄される。
【0044】
その後、コントローラ50がリンス液供給装置33を停止させる。更に、洗浄ノズル18からの洗浄液の噴射も停止する。次に、コントローラ50が流量調整弁36を開く。そうすると、不活性ガスがノズル21〜27に供給されて、ノズル21〜27から噴射される。ノズル21〜27内等に残存したリンス液も不活性ガスとともにノズル21〜27から排出されるので、その後、ノズル21〜27からリンス液が滴下しない。
【0045】
流量調整弁36が開いている時間は任意であるが、1秒であることが好ましい。ノズル21〜27から噴射した不活性ガスは排気管17によって排出される。
【0046】
リンス液の噴射停止後も、スピンドルモータ43の回転が継続する。そのため、基板90に付着したリンス液が振り払われ、基板90が乾燥する。ノズル21〜27からリンス液が滴下しないので、基板90が乾燥しやすい。
【0047】
基板90の乾燥後、コントローラ50がスピンドルモータ43を停止させる。次に、搬送扉4及び開閉扉7が開いた後、基板90が搬送機によってチャック42から外される。そして、基板90が、搬送機によって処理カップ5及び筐体2から搬送扉4及び開閉扉7を通って搬出される。
【0048】
この実施の形態によれば、以下のような効果が得られる。
(1) 基板90の表面に形成されたメッキパターン等の間の部分にレジスト91の残渣が発生しにくい。
(2) 基板90の面内で均一にレジスト91を除去することができる。
(3) レジスト91の剥離後に基板90を速乾することができる。
(4) アディティブ法によって金属メッキパターンを形成した場合、レジスト91の残渣発生防止に有効である。アディティブ法は、メッキ工程を行う前にレジスト91の露光・現像を行い、レジスト91に形成された開口や溝内に金属メッキを析出させる方法である。その後、レジスト91を剥離する際に、金属メッキの下部の周囲でレジスト91が残留しやすい。しかし、本実施形態では、ノズル21〜27の噴射方向や位置が上述のように工夫されているので、金属メッキの下部の周囲全体に剥離液が当たり、金属メッキの下部の周囲でもレジスト91が残留しにくい。勿論、金属メッキ膜を形成した後にその金属メッキ膜の上にレジスト91を形成し、レジスト91の露光・現像後に金属メッキ膜を部分的に除去する方法(サブトラクト法)でも、被噴射体噴射装置1によってレジスト91を剥離することができる。
(5) 上述のような金属メッキパターンが形成された基板を取り扱うに当たって、金属メッキの下部の周囲全体にリンス液が当たるので、該基板をリンス液によって洗浄する際の洗浄能力の低下を抑制することができる。
【0049】
〔応用例〕
半導体装置の製造方法について説明する。
半導体装置の製造方法は幾つかの工程からなり、これらの工程の中には1回又は複数回のレジスト剥離工程がある。そのようなレジスト剥離工程に上述の被噴射体噴射装置1を用いる。
【0050】
図6に示された半導体ウエハ100から半導体装置を製造する。半導体ウエハ100は基板である。半導体ウエハ100は、基層101、集積回路層104、パッシベーション膜105及び複数の端子109等を有する。集積回路層104が基層101の表面に形成されている。複数の端子109が集積回路層104の表面に形成されている。半導体ウエハ100は、分割予定線としての格子状の境界線102によって複数のチップ領域103に区画されている。これらチップ領域103がマトリクス状に配列されている。集積回路層104には、チップ領域103ごとに集積回路が形成されている。端子109は、集積回路層104に形成された集積回路の配線の一部であったり、その集積回路の構成要素である各種電気素子(例えば、ダイオード、トランジスタ、抵抗、コンデンサ等)の電極であったりする。集積回路層104がパッシベーション膜105によって覆われている。パッシベーション膜105は、無機材料(例えば、酸化シリコン若しくは窒化シリコン又はこれらの両方)を含有する。パッシベーション膜105のうち端子109に重なる位置には、開口106が形成されている。
【0051】
まず、絶縁膜107をパッシベーション膜105の上にパターニングすることで、絶縁膜107のうち端子109に重なる位置に開口108を形成する。具体的には、成膜工程、レジストの形成工程、露光現像工程、エッチング工程及び剥離工程をこれらの順に行う。成膜工程は、開口108の無い状態の絶縁膜107を成膜する工程である。次のレジストの形成工程は、絶縁膜107の上にレジストを形成する工程である。次の露光現像工程は、絶縁膜107上のレジストの露光及び現像を行う工程である。次のエッチング工程は、絶縁膜107を部分的にエッチングすることによって絶縁膜107に複数の開口108を形成する工程である。次の剥離工程は、上述の被噴射体噴射装置1を用いて絶縁膜107上のレジストを剥離する工程である。
【0052】
絶縁膜107は、例えばポリイミド、エポキシ、フェノール、ビスマレイミド、アクリル、合成ゴム若しくはポリベンゾオキサイド又はこれらのうち2以上の組合せを主成分とした有機材料を含有する。なお、絶縁膜107が無くてもよいし、絶縁膜107が予め形成されていてもよい。
【0053】
次に、図7に示すように、無電解メッキ法若しくは気相成長法(例えば、スパッタ法)又はこれらの組合せによって、絶縁膜107(絶縁膜107が無い場合には、パッシベーション膜105)の上全体や開口106,108内にシード層110を成長させる。
【0054】
次に、図8に示すように、感光材であるレジスト111をシード層110の上全体に形成した後、レジスト111の露光・現像を行う。これにより、レジスト111に所定形状の溝112が形成される。
次に、シード層110を電極として電解メッキを行う。これにより、レジスト111の溝112内であってシード層110の上に所定形状の導体層(導体パターン)113を成長させる。導体層113は、シード層110よりも厚く成長させる。導体層113は、銅その他の金属からなる。
次に、図1に示された被噴射体噴射装置1を用いてレジスト111を剥離する。被噴射体噴射装置1を用いたので、レジスト111の残渣が発生しにくい。
【0055】
次に、図9に示すように、シード層110及び導体層113の上全体にドライフィルムレジスト115を貼り付けた後、ドライフィルムレジスト115の露光・現像を行うことによってドライフィルムレジスト115に複数の開口116を形成する。ここで、上から平面視した場合、開口116は円形状又は多角形状であることが好ましい。開口116の形成位置は導体層113の一部114の上である。その部分114はランドである。
次に、シード層110及び導体層113を電極として電解メッキを行う。これにより、開口116内であって導体層113の上に柱状電極117を成長させる。柱状電極117の高さ(厚さ)は、導体層113の厚さよりも充分に高くする。柱状電極117は、銅その他の金属からなる。
次に、図1に示された被噴射体噴射装置1を用いてドライフィルムレジスト115を剥離する。被噴射体噴射装置1を用いたので、ドライフィルムレジスト115の残渣が発生しにくい。特に、柱状電極117が高くても(厚くても)、柱状電極117の根本部分の周囲にドライフィルムレジスト115が残留しない。
【0056】
次に、シード層110のうち導体層113及び柱状電極117に重なっていない部分をエッチングにより除去することにより、シード層110を形状加工する。シード層110のうちエッチングされずに残留した部分が導体下地118(図10参照)である。シード層110のエッチングの際には、導体層113及び柱状電極117の表面が一部エッチングされるが、導体層113及び柱状電極117がシード層110と比較して充分に厚いため、導体層113及び柱状電極117が残留する。
次に、図10に示すように、印刷法、液滴吐出法(インクジェット法)、スピンコート法、滴下法その他の塗布法によって封止樹脂を絶縁膜107(絶縁膜107が無い場合には、パッシベーション膜105)上に塗布し、その封止樹脂によって導体層113、柱状電極117及び絶縁膜107を覆って、その封止樹脂を硬化させる。これにより、封止層119を形成する。封止層119は、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂その他の絶縁性樹脂を含有し、好ましくは、絶縁性樹脂(エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂等)にフィラー(例えば、ガラスフィラー、シリカフィラー)又は繊維(例えば、ガラス繊維)を配合した強化樹脂からなる。なお、プリプレグを絶縁膜107に貼り付けて、そのプリプレグを硬化させて、そのプリプレグから封止層119を形成してもよい。
【0057】
次に、図11に示すように、封止層119の表面を研削し、柱状電極117の頭頂面を露出させる。柱状電極117の頭頂面も研削される。必要に応じて、半導体ウエハ100の裏側も研削し、柱状電極117の頭頂面を軽くエッチングする。
【0058】
次に、図12に示すように、半田バンプ120を柱状電極117の頭頂面に形成した後、半導体ウエハ100(基層101、集積回路層104及びパッシベーション膜105)、絶縁膜107及び封止層119の積層体を境界線102に沿って切断する。これにより、複数の半導体装置130が完成する。なお、個片化処理はDBG(Dicing Before Grinding)処理であってもよい。つまり、半導体ウエハ100の裏側の研削を行う前に、封止層119の表面から半導体ウエハ100の基層101の中途部まで境界線102に沿って切り込んで、その後半導体ウエハ100の裏側を表側の切り込みの底まで研削する。
【0059】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0060】
〔付記〕
<請求項1>
回転軸を有し、該回転軸の回転によって基板を回転させるスピンナーと、
前記基板に相対する位置であって前記スピンナーの回転軸からずれて配置され、被噴射体を噴射する第一ノズル及び第二ノズルと、を備え、
前記スピンナーの前記回転軸の方向に見て、前記第一ノズルの噴射口が前記スピンナーの前記回転軸が回転する向きと向き合っており、前記第二ノズルの噴射口が前記第一ノズルの噴射口の向きとは逆向きであることを特徴とする被噴射体噴射装置。
<請求項2>
前記スピンナーの前記回転軸の方向に見て、前記第一ノズル及び前記第二ノズルが前記スピンナーの前記回転軸を中心とした同一円周上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の被噴射体噴射装置。
<請求項3>
前記基板に相対する位置であって前記スピンナーの回転軸からずれて配置された第三ノズルをさらに備え、
前記第三ノズルは前記第一ノズルよりも前記スピンナーの前記回転軸に対してより近くに配置されるとともに前記ウエハからより離れて配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の被噴射体噴射装置。
<請求項4>
前記第一のノズルは前記第三ノズルよりも噴射圧力がより高く、且つ噴射流量がより多いことを特徴とする請求項3に記載の被噴射体噴射装置。
<請求項5>
前記第一ノズル、前記第二ノズル及び前記第三ノズルに前記被噴射体としての剥離液を供給する剥離液供給装置と、
前記第一ノズル、前記第二ノズル及び前記第三ノズルに前記被噴射体としてのリンス液を供給するリンス液供給装置と、
前記第一ノズル、前記第二ノズル及び前記第三ノズルに前記被噴射体としての不活性ガスを供給する不活性ガス供給源と、
前記不活性ガス供給源から前記第一ノズル、前記第二ノズル及び前記第三ノズルまでの流路に設けられ、前記不活性ガス供給源から前記第一ノズル、前記第二ノズル及び前記第三ノズルまでの流路を開閉する弁と、を更に備え、
前記スピンナーを作動させた状態で、前記剥離液供給装置を作動させた後に前記剥離液供給装置を停止し、次に前記リンス液供給装置を作動させた後に前記リンス液供給装置を停止し、次に前記弁を開くコントローラと、を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の被噴射体噴射装置。
<請求項6>
前記第一ノズル及び前記第二ノズルに前記被噴射体としての剥離液を供給する剥離液供給装置と、
前記第一ノズル及び前記第二ノズルに前記被噴射体としてのリンス液を供給するリンス液供給装置と、
前記第一ノズル及び前記第二ノズルに前記被噴射体としての不活性ガスを供給する不活性ガス供給源と、
前記不活性ガス供給源から前記第一ノズル及び前記第二ノズルまでの流路に設けられ、前記不活性ガス供給源から前記第一ノズル及び前記第二ノズルまでの流路を開閉する弁と、を更に備え、
前記スピンナーを作動させた状態で、前記剥離液供給装置を作動させた後に前記剥離液供給装置を停止し、次に前記リンス液供給装置を作動させた後に前記リンス液供給装置を停止し、次に前記弁を開くコントローラと、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の被噴射体噴射装置。
<請求項7>
基板を回転させるスピンナーと、前記基板に相対する位置であって前記スピンナーの回転軸からずれて配置され、被噴射体を噴射する第一ノズル及び第二ノズルと、を備える被噴射体噴射装置を用いた被噴射体噴射方法であって、
前記基板を回転させながら、前記スピンナーの前記回転軸の方向に見て、前記第一ノズルからは前記スピンナーの前記回転軸の回転の向きに被噴射体を噴射させる一方で、前記第二ノズルからは前記スピンナーの前記回転軸の回転の逆向きに被噴射体を噴射させることを特徴とする被噴射体噴射方法。
<請求項8>
前記被噴射体噴射装置は、前記基板に相対する位置であって前記スピンナーの回転軸からずれて配置され、且つ前記第一ノズルよりも前記スピンナーの前記回転軸に対してより近くに配置されるとともに前記ウエハからより離れて配置された第三ノズルをさらに備え、
前記基板を回転させながら、前記第三ノズルから、前記第一ノズルよりも低い圧力で被噴射体を噴射させるとともに、該第一ノズルよりも少ない流量の被噴射体を噴射させることを特徴とする請求項7に記載の被噴射体噴射方法。
【符号の説明】
【0061】
1 被噴射体噴射装置
21〜27 ノズル
21A〜27A 噴射口
31 剥離液供給装置
33 リンス液供給装置
35 不活性ガス供給源
36 流量調整弁
40 スピンナー
41 回転軸
50 コントローラ
90 基板
91、111、115 レジスト
100 半導体ウエハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を有し、該回転軸の回転によって基板を回転させるスピンナーと、
前記基板に相対する位置であって前記スピンナーの回転軸からずれて配置され、被噴射体を噴射する第一ノズル及び第二ノズルと、を備え、
前記スピンナーの前記回転軸の方向に見て、前記第一ノズルの噴射口が前記スピンナーの前記回転軸が回転する向きと向き合っており、前記第二ノズルの噴射口が前記第一ノズルの噴射口の向きとは逆向きであることを特徴とする被噴射体噴射装置。
【請求項2】
前記スピンナーの前記回転軸の方向に見て、前記第一ノズル及び前記第二ノズルが前記スピンナーの前記回転軸を中心とした同一円周上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の被噴射体噴射装置。
【請求項3】
前記基板に相対する位置であって前記スピンナーの回転軸からずれて配置された第三ノズルをさらに備え、
前記第三ノズルは前記第一ノズルよりも前記スピンナーの前記回転軸に対してより近くに配置されるとともに前記ウエハからより離れて配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の被噴射体噴射装置。
【請求項4】
前記第一のノズルは前記第三ノズルよりも噴射圧力がより高く、且つ噴射流量がより多いことを特徴とする請求項3に記載の被噴射体噴射装置。
【請求項5】
前記第一ノズル、前記第二ノズル及び前記第三ノズルに前記被噴射体としての剥離液を供給する剥離液供給装置と、
前記第一ノズル、前記第二ノズル及び前記第三ノズルに前記被噴射体としてのリンス液を供給するリンス液供給装置と、
前記第一ノズル、前記第二ノズル及び前記第三ノズルに前記被噴射体としての不活性ガスを供給する不活性ガス供給源と、
前記不活性ガス供給源から前記第一ノズル、前記第二ノズル及び前記第三ノズルまでの流路に設けられ、前記不活性ガス供給源から前記第一ノズル、前記第二ノズル及び前記第三ノズルまでの流路を開閉する弁と、を更に備え、
前記スピンナーを作動させた状態で、前記剥離液供給装置を作動させた後に前記剥離液供給装置を停止し、次に前記リンス液供給装置を作動させた後に前記リンス液供給装置を停止し、次に前記弁を開くコントローラと、を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の被噴射体噴射装置。
【請求項6】
前記第一ノズル及び前記第二ノズルに前記被噴射体としての剥離液を供給する剥離液供給装置と、
前記第一ノズル及び前記第二ノズルに前記被噴射体としてのリンス液を供給するリンス液供給装置と、
前記第一ノズル及び前記第二ノズルに前記被噴射体としての不活性ガスを供給する不活性ガス供給源と、
前記不活性ガス供給源から前記第一ノズル及び前記第二ノズルまでの流路に設けられ、前記不活性ガス供給源から前記第一ノズル及び前記第二ノズルまでの流路を開閉する弁と、を更に備え、
前記スピンナーを作動させた状態で、前記剥離液供給装置を作動させた後に前記剥離液供給装置を停止し、次に前記リンス液供給装置を作動させた後に前記リンス液供給装置を停止し、次に前記弁を開くコントローラと、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の被噴射体噴射装置。
【請求項7】
基板を回転させるスピンナーと、前記基板に相対する位置であって前記スピンナーの回転軸からずれて配置され、被噴射体を噴射する第一ノズル及び第二ノズルと、を備える被噴射体噴射装置を用いた被噴射体噴射方法であって、
前記基板を回転させながら、前記スピンナーの前記回転軸の方向に見て、前記第一ノズルからは前記スピンナーの前記回転軸の回転の向きに被噴射体を噴射させる一方で、前記第二ノズルからは前記スピンナーの前記回転軸の回転の逆向きに被噴射体を噴射させることを特徴とする被噴射体噴射方法。
【請求項8】
前記被噴射体噴射装置は、前記基板に相対する位置であって前記スピンナーの回転軸からずれて配置され、且つ前記第一ノズルよりも前記スピンナーの前記回転軸に対してより近くに配置されるとともに前記ウエハからより離れて配置された第三ノズルをさらに備え、
前記基板を回転させながら、前記第三ノズルから、前記第一ノズルよりも低い圧力で被噴射体を噴射させるとともに、該第一ノズルよりも少ない流量の被噴射体を噴射させることを特徴とする請求項7に記載の被噴射体噴射方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−169509(P2012−169509A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30408(P2011−30408)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(311014314)株式会社テラミクロス (42)
【Fターム(参考)】