説明

被搬送物積み下ろし搬送設備及び搬送方法

【課題】吊下搬送ラインと床側の支持搬送ラインとの間で自動車ドアなどを効率よく搬送するのに活用できる搬送設備を提供する。
【解決手段】ドアDを支持するパレットPを吊下ハンガー3で支持して搬送する吊下搬送ライン1と、床側の被搬送物積み下ろし位置P3との間の被搬送物積み下ろし搬送設備であって、被搬送物積み下ろし位置P3の上方のパレット移載位置P2とハンガー停止位置P1との間でパレットPを搬送する水平搬送装置部6と、被搬送物積み下ろし位置P3とパレット移載位置P2との間でパレットPを上下方向に搬送する昇降搬送装置部7とから成り、昇降搬送装置部7は、複数のパレット載置台10A…を正立姿勢に保持しながら無端循環昇降経路11において回動させるものであり、パレット載置台10A…は、上下両位置P2,P3間の距離と同一間隔で等間隔に配列された構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭上の吊下搬送ラインと床側の被搬送物積み下ろし位置との間で被搬送物を搬送するための搬送設備と、当該搬送設備を使用する搬送方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車の製造ラインでは、台車式コンベヤやスラットコンベヤなどで構成された床側の支持搬送ラインで搬送される未塗装自動車車体に、トロリーコンベヤなどで構成された頭上の吊下搬送ラインでハンガーに支持されて搬送されてくる未塗装ドアを組み付けて、塗装ラインに搬送する場合や、塗装済みドア付き車体から再びドアを外して車体とドアとを別々のラインに搬送するために、前記支持搬送ラインで搬送されてくるドア付き車体から外されたドアを前記吊下搬送ラインに積み込んで搬送する場合がある。このような場合に利用される被搬送物積み下ろし搬送設備としては、例えば特許文献1に記載されるように、被搬送物(ドア)を支持するパレットを吊下ハンガーで支持して搬送する吊下搬送ラインと、この吊下搬送ラインの下側で被搬送物(車体)を支持して搬送する支持搬送ラインと、吊下搬送ラインのハンガー停止位置と支持搬送ラインの横側方の被搬送物積み下ろし位置との間で前記パレットを搬送する被搬送物積み下ろし搬送設備であって、前記被搬送物積み下ろし位置の上方のパレット移載位置と吊下搬送ラインにおけるハンガー停止位置との間で前記パレットを略水平に搬送する水平搬送装置部と、前記被搬送物積み下ろし位置と前記パレット移載位置との間で前記パレットを上下方向に搬送する昇降搬送装置部とから成る被搬送物積み下ろし搬送設備が知られている。
【特許文献1】特許第2890216号公報(特開平5−685号公報)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記特許文献1に記載されたような従来の搬送設備は、昇降ガイドレールの片側を直線的に往復昇降運動する1台のパレット載置台を備えた、所謂ドロップリフターと称されるタイプの昇降搬送装置部を利用するものであった。従って、頭上の吊下搬送ラインで搬送されてきたドアを床側の支持搬送ラインで搬送される車体に組み付ける場合、床側の支持搬送ライン脇の被搬送物積み下ろし位置に搬出されたドア搭載パレットからドアを作業者が手作業で取り出した後、空パレットを昇降搬送装置部と水平搬送装置部とで、ドア搭載パレットが搬出されて空の状態で待機している吊下搬送ラインのハンガーに戻さない限り、吊下搬送ラインの後続のドア搭載パレットをそのまま待機させておかなければならない。即ち、吊下搬送ラインで所定位置(ハンガー停止位置)まで送られてきたハンガーからドア搭載パレットを所定位置(被搬送物積み下ろし位置)まで下ろしてドアを取り出し、空になったパレットを停止待機している元の吊下搬送ラインのハンガーに戻し、後続のドア搭載パレットを所定位置(ハンガー停止位置)まで送り込むまでの1サイクルタイムが非常に長くなり、作業者がドア搭載パレットから取り出したドアを床側の支持搬送ライン上の車体に組み付ける作業をいくら速やかに行っても、搬送設備全体の作業効率を高めることができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記のような従来の問題点を解消し得る被搬送物積み下ろし搬送設備を提供することを目的とするものであって、請求項1に記載の本発明では、後述する実施形態の参照符号を付して示すと、被搬送物(自動車ドアD)を支持するパレットPを吊下ハンガー3で支持して搬送する吊下搬送ライン1と、パレットPに対する被搬送物の積み下ろしを行うために床側に設定された被搬送物積み下ろし位置P3との間の被搬送物積み下ろし搬送設備であって、前記被搬送物積み下ろし位置P3の上方のパレット移載位置P2と吊下搬送ライン1におけるハンガー停止位置P1との間で前記パレットPを略水平に搬送する水平搬送装置部6と、前記被搬送物積み下ろし位置P3と前記パレット移載位置P2との間で前記パレットPを上下方向に搬送する昇降搬送装置部7とから成る被搬送物積み下ろし搬送設備において、
前記昇降搬送装置部7は、前記パレットPを支持する複数のパレット載置台10A〜10Cと、このパレット載置台10A〜10Cの無端循環昇降経路11と、当該無端循環昇降経路11において各パレット載置台10A〜10Cを正立姿勢に保持しながら回動させる駆動手段12とから成り、前記パレット載置台10A〜10Cは、前記被搬送物積み下ろし位置P3とその上方の前記パレット移載位置P2との間の距離と同一間隔で等間隔に配列された構成となっている。
【0005】
上記構成の本発明を実施するについて、具体的には請求項2に記載のように、前記昇降搬送装置部7のパレット載置台10A〜10Cは、必要最小限の3台とすることができる。又、請求項3に記載のように、各パレット載置台10A〜10Cには、パレットPの左右両側辺を前後水平に移動自在に支持する左右一対のローラーレール54a,54bを設けることができる。この場合、請求項4に記載のように、前記パレットPは、左右一対の側枠85と、両側枠85を互いに連結する連結部材86と、左右両側枠85の上辺から外向きに張り出した左右一対の張出板部87とを備えた構造とし、この左右一対の張出板部87が前記左右一対のローラーレール54a,54bで支持されるように構成することができる。
【0006】
又、請求項5に記載のように、前記水平搬送装置部6には、前記パレット移載位置P2に停止したパレット載置台10A〜10Cの被係合部73に係脱自在で、当該被係合部73に係合することにより、当該パレット載置台10A〜10Cを定停止レベルに保持するパレット載置台位置決め手段74を設けることができる。この場合、請求項6に記載のように、前記水平搬送装置部6には、この水平搬送装置部6上から前記パレット移載位置P2側へのパレット落下防止用のストッパー(ストッパーピン78)を設け、このストッパー(ストッパーピン78)は制止位置に付勢保持し、前記パレット載置台位置決め手段74には、先端に前記被係合部73に係脱自在な嵌合部76aを備え且つ前記被係合部73に対して遠近方向に移動自在な可動棒状体76を設け、この可動棒状体76が進出移動したときに当該可動棒状体76によって操作されるレバー80を前記ストッパー(ストッパーピン78)に設け、可動棒状体76が進出移動して先端の嵌合部76aが前記被係合部73に嵌合したとき、前記レバー80を介して前記ストッパー(ストッパーピン78)が制止解除位置に切り換えられるように構成することができる。
【0007】
前記吊下搬送ライン1の吊下ハンガー3は、請求項7に記載のように、パレットPを上下方向嵌脱自在に支持するパレット嵌合支持部18を備えた構造とし、前記水平搬送装置部6は、ハンガー停止位置P1で停止したハンガー3に対する昇降運動で当該ハンガー3との間でパレットPの積み下ろしを行うパレット積み下ろし用コンベヤ8と、このパレット積み下ろし用コンベヤ8と前記パレット移載位置P2に停止したパレット載置台10A〜10Cとの間でパレットPを移載するパレット移載手段9とから構成することができる。
【0008】
上記請求項7に記載の構成を採用する場合、請求項8に記載のように、前記水平搬送装置部6のパレット移載手段9は、ハンガー停止位置P1で停止したハンガー3に対する上位置にある前記パレット積み下ろし用コンベヤ8と接続するパレット搬送用コンベヤ24と、パレット搬送方向に往復移動する第一可動体25aに設けられて、前記パレット搬送用コンベヤ24上から前記パレット移載位置P2に停止したパレット載置台10A〜10C上へパレットPを推進させるパレット押出用係合片26aと、パレット搬送方向に往復移動する第二可動体27aに設けられて、前記パレット移載位置P2に停止したパレット載置台10A〜10C上から前記パレット搬送用コンベヤ24上へパレットPを推進させるパレット引込み用係合片28aとを備えた構造とすることができる。更にこの場合、請求項9に記載のように、前記パレット載置台10A〜10Cには、前記パレット押出用係合片26aにより当該パレット載置台10A〜10C上に乗り移ったパレットPと自動係合して当該パレットPの後退移動を阻止するパレット係止手段57を設け、前記第二可動体27aには、そのパレット載置台10A〜10C側への進出移動により前記パレット係止手段57を係止解除姿勢に切り換える操作部61を設けることができる。
【0009】
又、上記請求項8や9に記載の構成を採用する場合、請求項10に記載のように、前記パレット移載手段9のパレット搬送用コンベヤ24には、このコンベヤ24上から前記パレット積み下ろし用コンベヤ8側へのパレット落下防止用のストッパー32を設け、このストッパー32は制止位置に付勢保持しておき、前記パレット積み下ろし用コンベヤ8には、これが前記ハンガー停止位置P1に停止したハンガー3に対する上位置まで上昇して前記パレット搬送用コンベヤ24に接続したとき、前記ストッパー32を付勢力に抗して解除位置に切り換える操作部35を設けることができる。
【0010】
尚、本発明は、上記請求項1〜10の何れか1項に記載の搬送設備を使用する搬送方法も提案している。即ち、請求項11に記載の搬送方法は、吊下搬送ライン1から床側の被搬送物積み下ろし位置P3へ被搬送物(自動車ドアD)を搬送する搬送方法であって、吊下搬送ライン1のハンガー3から下ろした被搬送物搭載の実パレットPを水平搬送装置部6から昇降搬送装置部7に移載して前記被搬送物積み下ろし位置P3へ搬送するときの当該昇降搬送装置部7の動作により、先に被搬送物積み下ろし位置P3で被搬送物が下ろされた空パレットPを同時に前記パレット移載位置P2へ搬送し、この空パレットPを昇降搬送装置部7から水平搬送装置部6に移載して、実パレットPを下ろして待機している吊下搬送ライン1の空ハンガー3に積み込むことを特徴とする。
【0011】
又、請求項12に記載の搬送方法は、床側の被搬送物積み下ろし位置P3から吊下搬送ライン1へ被搬送物(自動車ドアD)を搬送する搬送方法であって、吊下搬送ライン1のハンガー3から下ろした空パレットPを水平搬送装置部6から昇降搬送装置部7に移載して前記被搬送物積み下ろし位置P3へ搬送するときの当該昇降搬送装置部7の動作により、先に被搬送物積み下ろし位置P3で被搬送物が搭載された実パレットPを同時に前記パレット移載位置P2へ搬送し、この実パレットPを昇降搬送装置部7から水平搬送装置部6に移載して、空パレットPを下ろして待機している吊下搬送ライン1のハンガー3に積み込むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の本発明に係る被搬送物積み下ろし搬送設備によれば、水平搬送装置部との間のパレット移載位置とこの下方に位置する床側の被搬送物積み下ろし位置との間で被搬送物搭載パレットを上下方向に搬送する昇降搬送装置部が、前記パレットを支持する複数のパレット載置台を無端循環昇降経路において回動昇降させる構成であって、しかも当該パレット載置台は、前記被搬送物積み下ろし位置とその上方の前記パレット移載位置との間の距離と同一間隔で等間隔に配列された構成であるから、請求項10に記載の搬送方法や請求項11に記載の搬送方法を容易に実施することができるに至ったのである。
【0013】
即ち、パレット移載位置から被搬送物積み下ろし位置へ被搬送物搭載パレットを降下搬送すると同時に、先に被搬送物が取り出されて空になった状態で昇降搬送装置部に残されている空パレットが前記パレット移載位置に搬送されるので、被搬送物積み下ろし位置に被搬送物搭載パレットが到着した時点から、先に空になったパレットを水平搬送装置部を利用して、被搬送物搭載パレットが搬出されてハンガー停止位置に待機している空のハンガーに積み込む作業を行うことができる。換言すれば、被搬送物積み下ろし位置でパレット上から被搬送物が取り出された空のパレットを昇降搬送装置部でパレット移載位置に戻すのに要する時間が不要になる。
【0014】
従って、吊下搬送ラインでハンガー停止位置まで送られてきたハンガーから被搬送物搭載パレットを床側の被搬送物積み下ろし位置まで下ろして被搬送物を取り出し、空になったパレットを停止待機している元の吊下搬送ラインのハンガーに戻し、後続のドア搭載パレットをハンガー停止位置まで送り込むまでの1サイクルタイムを大巾に短縮させ、搬送設備全体の作業効率を高めることができるのである。勿論、請求項11に記載の搬送方法を採用して、上記とは逆に吊下搬送ラインから供給されたパレットを利用して、床側の被搬送物積み下ろし位置から吊下搬送ラインへ被搬送物を搬送する場合でも、昇降搬送装置部で被搬送物積み下ろし位置に搬送された空パレットに被搬送物を積み込み、これを上方のパレット移載位置に上昇搬送させるときに、先に吊下搬送ラインのハンガーから降ろされて水平搬送装置部によりパレット移載位置において昇降搬送装置部に搬入された空パレットを床側の被搬送物積み込み位置に降下搬送させることができるので、同作業における1サイクルタイムを大巾に短縮させ、搬送設備全体の作業効率を高めることができるのである。
【0015】
尚、請求項2に記載の構成によれば、昇降搬送装置部のパレット載置台が必要最小限の3台となるので、搬送設備全体のコストを抑えることができるだけではなく、この昇降搬送装置部での被搬送物や空パレットの無駄な滞留時間を最小限に抑えることができる。
【0016】
又、請求項3に記載の構成によれば、パレット移載位置での昇降搬送装置部のパレット載置台に対するパレットの移載を、当該パレットの上げ下げ動作を伴うことなく、単なる水平スライド動作のみで実行することができ、水平搬送装置部の構成が容易になる。この場合に請求項4に記載の構成によれば、パレットの構造をシンプルにしてコストを抑えながら、昇降搬送装置部側のパレット載置台の左右一対のローラーレール間にパレット側の左右一対の側枠が嵌まり込むことになるので、移載されるパレットの左右横方向の位置が大きく変動する恐れが無くなり、安全にパレットの移載動作を行わせることができる。
【0017】
又、請求項5に記載の構成によれば、水平搬送装置部と昇降搬送装置部のパレット載置台との間のパレットの移載時に、当該パレット載置台の位置を所定レベルに固定することができるので、当該パレット移載動作を安全確実に実行させることができる。この場合、請求項6に記載の構成によれば、水平搬送装置部と昇降搬送装置部のパレット載置台とが接続状態にないときに当該水平搬送装置部上から昇降搬送装置部側へのパレットの不測の落下事故を未然に防止できるのであるが、このためのストッパーの制止解除操作のために専用のアクチェーターや制御が不要であり、設備コストを抑えることができる。
【0018】
尚、吊下搬送ラインの吊下ハンガーが、パレットを上下方向嵌脱自在に支持するパレット嵌合支持部を備えた構成である場合には、請求項7に記載の構成を採用することにより、昇降動作が必要なパレット積み下ろし用コンベヤをパレット移載位置まで達する搬送経路の長い大型のコンベヤに構成する必要がなく、本発明を容易に実施することができるが、この場合に請求項8に記載の構成によれば、前記パレット積み下ろし用コンベヤと組み合わせられるパレット移載手段は、パレットを昇降搬送装置部側のパレット載置台に対して水平に押し引き動作して積み下ろしできるので、請求項11に記載の本発明搬送方法や請求項12に記載の本発明搬送方法を容易に実施することができる。更にこの場合、請求項9に記載の構成によれば、昇降搬送装置部のパレット載置台に載せられたパレットを当該パレット載置台に固定して安全に昇降搬送することができるにもかかわらず、パレット載置台からパレットを水平搬送装置部に戻す場合に、当該パレット載置台に対するパレット固定を解除する操作や専用のアクチェーターが不要になる。
【0019】
又、請求項10に記載の構成によれば、水平搬送装置部を構成するパレット移載手段のパレット搬送用コンベヤがパレット積み下ろし用コンベヤと接続状態にないときに、当該パレット搬送用コンベヤ上からパレットがパレット積み下ろし用コンベヤ側へ落下する事故を未然に防止できるのであるが、このためのストッパーを、パレット積み下ろし用コンベヤとパレット搬送用コンベヤとが接続状態になったときに解除位置に切り換えるための専用のアクチェーターや制御が不要であり、設備コストを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明の具体的実施例を添付図に基づいて説明すると、図1において、1は頭上の吊下搬送ラインであって、ガイドレール2に沿って移動するトロリーコンベヤのトロリーにハンガー3を吊り下げたもので、吊下搬送ライン1に設定されたハンガー停止位置P1でハンガー3を自動停止させることができる従来周知のものであって、被搬送物である自動車ドアDを搭載したパレットPがハンガー3に支持されて搬送される。4は吊下搬送ライン1の真下の床側の支持搬送ラインであって、台車5を搬送ラインに沿って走行させる台車式コンベヤから構成された従来周知のもので、被搬送物である自動車車体Bが台車5に搭載されて定速で搬送される。前記吊下搬送ライン1におけるハンガー停止位置P1の横側方位置にはパレット移載位置P2が設定され、このパレット移載位置P2の真下の床側には、被搬送物であるドアDの積み下ろしのための被搬送物積み下ろし位置P3が設定されている。
【0021】
パレット停止位置P1とパレット移載位置P2との間には、この両位置P1,P2間でパレットPを水平に搬送する水平搬送装置部6が設けられ、パレット移載位置P2と被搬送物積み下ろし位置P3との間には、この両位置P2,P3間でパレットPを昇降搬送する昇降搬送装置部7が設けられている。尚、図1では、この種の被搬送物積み下ろし搬送設備において従来周知のように、パレット停止位置P1、パレット移載位置P2、及び被搬送物積み下ろし位置P3は、吊下搬送ライン1及び支持搬送ライン4の左右両側に対称状に設定され、従って、水平搬送装置部6及び昇降搬送装置部7も又、吊下搬送ライン1及び支持搬送ライン4の左右両側に対称状に配設されているが、これら水平搬送装置部6及び昇降搬送装置部7は同一構造のものであって、作用及び使用方法も同一であるから、以下の説明では、片側の水平搬送装置部6及び昇降搬送装置部7に基づいて説明する。
【0022】
水平搬送装置部6は、ハンガー停止位置P1で停止したハンガー3に対する昇降運動で当該ハンガー3との間でパレットPの積み下ろしを行うパレット積み下ろし用コンベヤ8と、このパレット積み下ろし用コンベヤ8と前記パレット移載位置P2との間でパレットPを搬送移載するパレット移載手段9とから構成されている。又、昇降搬送装置部7は、パレットPを載置する3台のパレット載置台10A〜10Cと、これらパレット載置台10A〜10Cの無端循環昇降経路11と、当該無端循環昇降経路11において各パレット載置台10A〜10Cを正立姿勢に保持しながら回動させる駆動手段12とから構成され、前記パレット載置台10A〜10Cは、前記被搬送物積み下ろし位置P3とその上方の前記パレット移載位置P2との間の距離と同一間隔で等間隔に配列されている。
【0023】
図2〜図4に示すように、水平搬送装置部6のパレット積み下ろし用コンベヤ8は、パンタグラフリンク機構13によって平行昇降移動自在に支持され且つ昇降駆動用シリンダーユニット14a,14bによって昇降駆動される左右一対の昇降フレーム15にそれぞれローラーチエン16a,16bを掛張すると共に、この左右一対のローラーチエン16a,16bを正逆回転駆動するモーター17を併設したものであって、図2に示す下位レベルに降下した状態では、吊下搬送ライン1のハンガー3がこのパレット積み下ろし用コンベヤ8の上を通過移動することができ、ハンガー3がハンガー停止位置P1に停止した状態でこのパレット積み下ろし用コンベヤ8が図3に示す上位レベルに上昇することにより、当該ハンガー3上に支持されているパレットPがパレット積み下ろし用コンベヤ8の左右一対のローラーチエン16a,16bの後半部によりハンガー3から所定高さまで持ち上げられる。
【0024】
尚、ハンガー3は、図2及び図5に示すように、パレットPを上下方向嵌脱自在に支持するパレット嵌合支持部18をそれぞれ備えた左右一対の支持アーム19を前後一対の支柱部20の下端に水平横向きに突出するように片持ち状に連設したもので、パレットPの四隅が左右一対の支持アーム19の各パレット嵌合支持部18に嵌合することにより、当該パレットPを水平方向に移動できない状態に安定的に支持することができる。而して、パレット積み下ろし用コンベヤ8が図3に示す上位レベルに上昇するとき、左右一対の昇降フレーム15とローラーチエン16a,16bは、図4に示すように、前記左右一対の支持アーム19及び支柱部20間を上昇し、パレットPをパレット嵌合支持部18から上方に離脱させる。
【0025】
水平搬送装置部6のパレット移載手段9は、図4〜図8に示すように、図3に示す上位レベルまで上昇したパレット積み下ろし用コンベヤ8の左右一対のローラーチエン16a,16bと同一レベルで接続するように、左右一対の側枠21a,21bにそれぞれ掛張されたローラーチエン22a,22bと、これを正逆回転駆動するモーター23とから構成されたパレット搬送用コンベヤ24と、パレット搬送方向に往復移動する左右一対の第一可動体25a,25bに設けられて、前記パレット搬送用コンベヤ24上から前記パレット移載位置P2に停止したパレット載置台10A〜10C上へパレットPを推進させるパレット押出用係合片26a,26bと、パレット搬送方向に往復移動する左右一対の第二可動体27a,27bに設けられて、前記パレット移載位置P2に停止したパレット載置台10A〜10C上から前記パレット搬送用コンベヤ24上へパレットを推進させるパレット引込み用係合片28a,28bとを備えている。
【0026】
更に詳細に説明すると、パレット搬送用コンベヤ24のパレット移載位置P2側の端部近傍には、パレット移載位置P2側へ搬送されてきたパレットPを所定位置で受け止める第一ストッパー29が支軸29aにより起伏自在に軸支され、この第一ストッパー29を、図5に示す制止位置と図6Bに示す解除位置とに、リンク機構30を介して切り換えるシリンダーユニット31が併設されている。又、パレット搬送用コンベヤ24のパレット積み下ろし用コンベヤ8側の端部には、このパレット積み下ろし用コンベヤ8側へのパレットPの落下防止用に左右一対の第二ストッパー32が、図2に示すようにパレット搬送用コンベヤ24の側枠21a,21bの端部に支軸33により起伏自在に軸支されている。この第二ストッパー32は、パレット積み下ろし用コンベヤ8側へ延出され且つ遊端に水平軸ローラー34aを備えた被操作レバー34に作用する重力で、パレットPを受け止める制止位置(図2参照)に付勢保持されたもので、パレット積み下ろし用コンベヤ8が図3に示す上位レベルまで上昇したとき、当該パレット積み下ろし用コンベヤ8の左右一対の昇降フレーム15の端部上側辺に設けられた水平板状の操作部35により前記水平軸ローラー34aを介して被操作レバー34が押し上げられ、この結果、第二ストッパー32が、パレットPの通過を許す解除位置に切り換えられるように構成している。
【0027】
第一可動体25a,25bは、連結板25cによって互いに連結一体化され、固定基板36上に付設されたスライドガイド37により、パレット搬送方向前後に水平移動自在に支持されると共に、固定基板36の下側に軸受部材38を介して支持されたシリンダーユニット39のピストンロッド39aの先端が片側の可動体25aの先端(パレット移載位置P2側の端部)下側に付設された軸受部材40に連結され、このシリンダーユニット39のピストンロッド39aの出退駆動により、第一可動体25a,25bが、図4、図5A、及び図7Aに示す後退限位置と、図6に示す進出限位置との間を水平に往復移動することができる。而して、パレット押出用係合片26a,26bは、この第一可動体25a,25bの先端より少し手前位置で当該第一可動体25a,25bの上側に突設された軸受部材41に支軸41aにより起伏自在に軸支され、捩じりスプリングの付勢力で、図6Bに示す起立作用姿勢に保持されている。そして第一可動体25a,25bが前記後退限位置まで後退したときには、固定基板36上に突設されたカムレール42a,42bが各パレット押出用係合片26a,26bに軸支されたカム従動ローラー43a,43bを介してこれらパレット押出用係合片26a,26bを、図5Aに示す倒伏姿勢に切り換え、このパレット押出用係合片26a,26bの上をパレットPが通過移動できるように構成している。
【0028】
第二可動体27a,27bは、連結板部27cによって互いに連結一体化され、固定基板36上に付設されたスライドガイド44により、パレット搬送方向前後に水平移動自在に支持されると共に、固定基板36の下側に軸受部材45を介して支持されたシリンダーユニット46のピストンロッド46aの先端が片側の可動体27bの先端(パレット移載位置P2側の端部)下側に付設された軸受部材47に連結され、このシリンダーユニット46のピストンロッド46aの出退駆動により、第二可動体27a,27bが、図4、図5B、及び図6Aに示す後退限位置と、図7に示す進出限位置との間を水平に往復移動することができる。而して、パレット引込み用係合片28a,28bは、この第二可動体27a,27bの先端部上側に突設された軸受部材47に支軸47aにより起伏自在に軸支され、捩じりスプリングの付勢力で、図7Bに示す起立作用姿勢に保持されている。そして第二可動体27a,27bが前記後退限位置まで後退したときには、固定基板36から連設されたカムレール48a,48bが各パレット引込み用係合片28a,28bに軸支されたカム従動ローラー49a,49bを介してこれらパレット引込み用係合片28a,28bを、図5Bに示す倒伏姿勢に切り換え、このパレット引込み用係合片28a,28bの上をパレットPが通過移動できるように構成している。
【0029】
尚、添付図では、1つのパレットPを搬送する水平搬送装置部6を示しているが、自動車車体Bが片側前後2枚ドア構造のものである場合、ハンガー3で吊下搬送されるパレットPも片側前後2つとなり、これに伴って、水平搬送装置部6も同一構造のものが左右2列並設される。而して図12及び図13に示す昇降搬送装置部7のパレット載置台10A〜10Cは、2つのパレット載置部50を並設して2つのパレットPを並列状態で載置できるようにした構造で示している。
【0030】
昇降搬送装置部7のパレット載置台10A〜10Cは、図1、図10、図12、及び図13に示すように、2つのパレット載置部50に共通の左右水平向きの吊下軸51を備え、パレット載置部50は、この吊下軸51に固着されて垂下する左右一対の支柱材52a,52bと、両支柱材52a,52bの下端部から水平横向きに連設された左右一対の水平アーム材53a,53bと、これら左右一対の水平アーム材53a,53bの内側に、パレット移載方向に沿って等間隔おきに軸支された複数個の水平軸ローラー54で構成された左右一対のローラーレール54a,54bとから構成されたもので、両ローラーレール54a,54bには、パレット移載方向と平行なパレットガイド55a,55bとパレット当て止めストッパー56a,56bとが併設されている。又、パレット載置部50は、吊下軸51に固着されて垂下する中央支柱材52cの下端部に設けられたパレット係止手段57を備えている。尚、並列する左右2つのパレット載置部50の隣接側に位置する支柱材52b,52aと水平アーム材53b,53aとは、それぞれ1つの共通支柱材及び共通水平アーム材で構成され、吊下軸51に固着されて垂下する5本の支柱材52a〜52cは、その下端部を互いに連結する連結材52dにより一体化されている。
【0031】
パレット係止手段57は、図9及び図11に示すように、中央支柱材52cの下端部に取り付けられた軸受部材58に左右水平向きの支軸59aにより上下揺動自在に軸支された可動片59と、重力で下方に回倒する可動片59を図9に示す待ち受け姿勢で受け止める制止具60と、当該可動片59の下辺に形成されたパレット嵌合係止凹部59bと、この可動片59の先端(遊端)に形成された斜めの被操作辺59cとから構成されている。又、この係止手段57を係止解除するために、図6A及び図7に示すように、パレット移載手段9の第二可動体27a,27bの一方の可動体27bには、この第二可動体27a,27bが進出限位置まで進出移動したときに、前記可動片59の基部に軸支されたカム従動ローラー59dを介して当該可動片59を係止解除姿勢まで上動させるカム板から成る操作部61が、可動体27bの先端部の横側部において付設されている。
【0032】
上記構成のパレット載置台10A〜10Cを無端循環昇降経路11に沿って回動昇降させる駆動手段12は、図1、図10、図12、及び図13に示すように、左右一対の下側歯輪62と左右一対の上側歯輪63とに掛張された左右一対の無端駆動チエン64と、左右一対の下側歯輪62にそれぞれ連動チエン65を介して連動連結された駆動軸66と、この駆動軸66を回転駆動するモーター67とから構成され、各パレット載置台10A〜10Cは、その吊下軸51の両端近傍位置を支承するそれぞれ2つの支承部材68a,68bが無端駆動チエン64に連結されることにより、当該吊下軸51の周りに前後揺動自在に吊り下げられている。そして無端循環昇降経路11に沿って回動昇降する各パレット載置台10A〜10Cを、そのパレット載置部50が吊下搬送ライン1及び支持搬送ライン4のある側に向かって水平に延出する正立姿勢に保持するために、無端循環昇降経路11に沿って左右一対の無端状溝形カムレール69,70が設けられ、一方の溝形カムレール69には、各パレット載置台10A〜10Cの吊下軸51の一端から斜め下向きに固着連設されたカム従動レバー71の先端部に軸支されているローラー71aが嵌合し、他方のカムレール70には、各パレット載置台10A〜10Cの吊下軸51の他端から斜め上向きに固着連設されたカム従動レバー72の先端部に軸支されているローラー72aが嵌合するように構成されている。
【0033】
上記構成の昇降搬送装置部7によれば、モーター67を稼働させて左右一対の無端駆動チエン64を回動させることにより、各パレット載置台10A〜10Cが無端循環昇降経路11に沿って回動昇降することになるが、このとき各パレット載置台10A〜10Cの吊下軸51の回転は、当該吊下軸51に固着されている斜め下向きのカム従動レバー71のローラー71aが一方のカムレール69に嵌合すると共に、当該吊下軸51に固着されている斜め上向きのカム従動レバー72のローラー72aが他方のカムレール70に嵌合していることにより阻止されており、各パレット載置台10A〜10Cは、そのパレット載置部50が吊下搬送ライン1及び支持搬送ライン4のある側に向かって水平に延出する正立姿勢に保持されながら、無端循環昇降経路11に沿って回動昇降することになる。換言すれば、このような状態で各パレット載置台10A〜10Cが無端循環昇降経路11に沿って回動昇降するように、左右一対の無端状カムレール69,70の形状が決められているのである。
【0034】
更に、各パレット載置台10A〜10Cには、図10〜図14に示すように、そのパレット載置部50の左右両側辺を構成している水平アーム材53a,53bに、左右水平支軸で軸支されたローラーから成る被係合部73が設けられ、パレット移載位置P2に隣接する水平搬送装置部6側には、図4に示すようにパレット載置台位置決め手段74が設けられている。このパレット載置台位置決め手段74は、パレット移載位置P2に停止したパレット載置台10A〜10Cの前記被係合部73のそれぞれに対応して設けられたもので、前記被係合部73に対して遠近水平方向(パレット移載方向)に往復移動自在にガイドローラーユニット75により支持された可動棒状体76と、この可動棒状体76を往復移動させるシリンダーユニット77とから構成され、可動棒状体76の先端には、前記被係合部(ローラー)73に嵌合してパレット載置台10A〜10Cの上下移動を阻止するコ字形嵌合部76aが形成されている。
【0035】
又、各パレット載置台位置決め手段74には、水平搬送装置部6を構成するパレット移載手段9におけるパレット搬送用コンベヤ24のパレット移載位置P2側の端部に位置する左右一対の第三ストッパー78が併設されている。この第三ストッパー78は、図16〜図18に示すように、可動棒状体76の往復移動経路とパレット搬送用コンベヤ24との間に配設されたもので、固定支持板79上に垂直支軸80aにより折曲部付近が水平揺動自在に軸支された、平面視がL字形のレバー80と、このL字形レバー80の一方の腕部の遊端に垂直に立設されたストッパーピン81と、このストッパーピン81が垂直支軸79の後方やや内側に位置する状態で当該ストッパーピン81を受け止める制止板82と、この制止板82にストッパーピン81が当接する制止作用位置にL字形レバー80を付勢保持する捩じりバネ83と、L字形レバー80が制止作用位置にあるときに横外向きに延出するL字形レバー80の他方の腕部の遊端に垂直支軸で軸支された被操作ローラー84とから構成されている。而して、図16に示すように、パレット載置台位置決め手段74の可動棒状体76が後退限位置にあるとき、前記被操作ローラー84が可動棒状体76の先端のコ字形嵌合部76a内に入り込むことにより、L字形レバー80が制止作用位置まで捩じりバネ83の付勢力で回動できるように構成されている。従って、可動棒状体76が進出移動したとき、図16の仮想線で示すように、前記被操作ローラー84が可動棒状体76の側面によって押し出され、L字形レバー80が捩じりバネ83の付勢力に抗する方向に回転してストッパーピン81が制止解除位置に切り換えられる。
【0036】
パレットPは、図14及び図15に示すように、左右一対の側枠85と、両側枠85を後端寄り位置で互いに連結する連結部材86と、左右両側枠85の上辺から外向きに張り出した左右一対の張出板部87と、当該左右両側枠85の底面に張設されて連結部材86の側に張り出す左右一対の帯状底板88とから構成されたもので、上側には、取り扱う被搬送物(自動車ドアD)の形態などに適合する支持用アタッチメントが付設されるが、図ではこの被搬送物支持用アタッチメントは省略している。
【0037】
而して、このパレットPは、昇降搬送装置部7のパレット載置台10A〜10Cに搭載されるとき、左右一対の張出板部87がパレット載置台10A〜10Cの左右一対のローラーレール54a,54bによってパレット移載方向前後に滑動自在に支持される。又、水平搬送装置部6のパレット積み下ろし用コンベヤ8やパレット移載手段9のパレット搬送用コンベヤ24で搬送されるときは、各コンベヤ8,24の左右一対のローラーチエン16a,16b、22a,22b上に左右一対の帯状底板88が載置される。吊下搬送ライン1のハンガー3は、パレットPの四隅に位置する左右一対の張出板部87の前後両角部がパレット嵌合支持部18に嵌合する状態で、パレットPを支持する。パレット移載手段9のパレット押出用係合片26a,26bやパレット引込み用係合片28a,28bは、パレットPの連結部材86に係合してこのパレットPを押し引き駆動する。パレット移載手段9が備える第一ストッパー29は、パレットPの連結部材86に対して作用し、左右一対の第二ストッパー32と第三ストッパー78は、パレットPの左右一対の張出板部87の前後方向(パレット移載方向)の端辺に対して作用する。又、昇降搬送装置部7のパレット載置台10A〜10Cに設けられたパレット係止手段57は、図11に示すように、その可動片59のパレット嵌合係止凹部59bがパレットPの連結部材86に対して上から嵌合することにより、パレットPをパレット載置部50に係止する。
【0038】
以上の構成の搬送設備において、吊下搬送ライン1のハンガー3で送られてくる自動車ドアDを床側の支持搬送ライン4で搬送されている自動車ボディーBに組み付ける作業の手順について説明すると、吊下搬送ライン1のハンガー3がハンガー停止位置P1で停止したならば、水平搬送装置部6のパレット積み下ろし用コンベヤ8を、昇降駆動用シリンダーユニット14a,14bの作動により図2に示す下位レベルから図3に示す上位レベルまで平行上昇移動させ、ハンガー3のパレット嵌合支持部18に四隅が嵌合して支持されているドア搭載パレット(以下、実パレットという)Pを、当該ハンガー3の左右両支持アーム19間を上昇するローラーチエン16a,16bの後半部で掬い上げる。このときパレット積み下ろし用コンベヤ8の前端の操作部35が、パレット移載手段9のパレット搬送用コンベヤ24の後端にある左右一対の第二ストッパー32を制止解除位置に切り換える。
【0039】
次にパレット積み下ろし用コンベヤ8のローラーチエン16a,16bとパレット搬送用コンベヤ24のローラーチエン22a,22bとをそれぞれモーター17,23により
正回転方向に駆動し、ハンガー3から掬い上げた実パレットPを積み下ろし用コンベヤ8上からパレット搬送用コンベヤ24上へ搬送し、図5Aに示すように制止位置にある第一ストッパー29で所定位置に位置決めする。このとき、図5Aに示すように、パレット移載手段9のパレット押出用係合片26a,26bは、第一ストッパー29で位置決めされる実パレットPの連結部材86よりも実パレット搬送方向の後方の後退待機位置にあるが、カムレール42a,42bにより倒伏姿勢に切り換えられており、パレット移載手段9のパレット引込み用係合片28a,28bは、図5Bに示すように、第一ストッパー29で位置決めされる実パレットPの連結部材86の真下の後退待機位置にあるが、カムレール48a,48bにより倒伏姿勢に切り換えられているので、第一ストッパー29で位置決めされる停止位置までの実パレットPの搬送は支障なく行われる。
【0040】
一方、図1に示すように、昇降搬送装置部7では、その駆動手段12の無端駆動チエン64が停止している状態では、3台のパレット載置台10A〜10Cの内の2台がパレット移載位置P2と被搬送物積み下ろし位置P3とで停止した状態にあるから、例えばパレット載置台10Aがパレット移載位置P2で停止待機した状況において、図4に示す左右一対のパレット載置台位置決め手段74を作動させる。即ち、シリンダーユニット77により可動棒状体76を後退限位置から進出限位置まで進出移動させ、その先端のコ字形嵌合部76aを、図10及び図11に示すように、パレット移載位置P2で停止待機し手いるパレット載置台10Aの左右一対の被係合部(ローラー)73に嵌合させ、当該パレット載置台10Aの上下方向の位置を固定する。このときの可動棒状体76の進出移動により、図16の実線で示すように可動棒状体76によって制止位置に切り換えられていた第三ストッパー78のストッパーピン81が、捩じりバネ83の付勢力で制止解除位置(パレットPの移動経路脇に離れた位置)に自動的に復帰するので、パレット搬送用コンベヤ24上から昇降搬送装置部7のパレット移載位置P2へのパレットPの送り出しが可能な状態になる。
【0041】
上記のパレット移載準備が完了した時点で、パレット移載手段9のパレット押出用係合片26a,26bを作動させる。即ち、図6に示すように、第一ストッパー29をシリンダーユニット31により制止解除位置に倒伏させた状態で、シリンダーユニット39により左右一対の第一可動体25a,25bをパレット移載位置P2の方へ進出移動させる。而して、カムレール42a,42bから前方に離れたパレット押出用係合片26a,26bは、付勢力で自動的に起立してパレット搬送用コンベヤ24上で停止待機していた実パレットPを、その連結部材86の左右2箇所を後押しして、パレット移載位置P2で停止待機しているパレット載置台10Aのパレット載置部50上に押し出すことになる。
【0042】
パレット載置台10Aのパレット載置部50上に乗り移る実パレットPは、図14に示すように、その左右両側の張出板部87がパレット載置台10A側のパレットガイド55a,55b間で位置規制されながら左右一対のローラーレール54a,54b上を滑動し、図10の仮想線及び図14に示すように、当該実パレットPの前端左右2箇所がパレット当て止めストッパー56a,56bに当接する位置まで送り込まれる。このとき、当該実パレットPの連結部材86が、パレット載置台10A側のパレット係止手段57の可動片59の位置を、図9の仮想線で示すように、被操作辺59cを利用して当該可動片59を重力に抗して押し上げながら通過し、実パレットPがパレット当て止めストッパー56a,56bに当接する位置に達したとき、図11に示すように重力で降下復帰する可動片59のパレット嵌合係止凹部59bが当該実パレットPの連結部材86に上から嵌合し、実パレットPをパレット載置部50上に固定する。
【0043】
実パレットPを昇降搬送装置部7のパレット載置台10A上に移載し終わったならば、パレット載置台位置決め手段74の可動棒状体76をシリンダーユニット77で、図16〜図18に示す後退限位置に復帰させ、その先端のコ字形嵌合部76aをパレット載置台10A側の被係合部73から離間させると共に、第三ストッパー78のストッパーピン81を元の制止位置に復帰させる。
【0044】
この後、昇降搬送装置部7の駆動手段12のモーター67を稼働させ、左右一対の無端駆動チエン64を、パレット移載位置P2の実パレットPが無端循環昇降経路11の前側昇降経路部を真下に降下する向きに、各パレット載置台10A〜10C間の単位ピッチ長さ分だけ回動させる。このとき、全てのパレット載置台10A〜10Cは、カム従動レバー71,72と無端状カムレール69,70との働きにより、そのパレット載置部50(水平アーム材53a,53b)が吊下搬送ライン1や支持搬送ライン4のある側へ水平片持ち状に延出する正立姿勢に保持された状態で回動する。この結果、パレット移載位置P2で実パレットPが移載されたパレット載置台10Aが真下の被搬送物積み下ろし位置P3に到着して停止する。このとき、無端循環昇降経路11の後側昇降経路部で停止待機していたパレット載置台10Cがパレット移載位置P2に到着して停止すると共に、被搬送物積み下ろし位置P3にあったパレット載置台10Bが無端循環昇降経路11の後側昇降経路部中間の待機位置で停止待機することになる。
【0045】
実パレットPが移載されたパレット載置台10Aが被搬送物積み下ろし位置P3に到着して停止したならば、作業者は当該パレット載置台10A上のパレットPから自動車ドアDを取り上げて、支持搬送ライン4の台車5上に搭載されている自動車車体Bに組み付ける作業を行うことができる。従って、被搬送物積み下ろし位置P3のパレット載置台10Aは空パレットPを搭載している状況になる。
【0046】
上記手順の実パレットPの搬送サイクルを後2回繰り返せば、パレット移載位置P2から実パレットPを被搬送物積み下ろし位置P3に搬送するサイクルにおいて、無端循環昇降経路11の後側昇降経路部で停止待機していた空パレットPを搭載したパレット載置台10Aがパレット移載位置P2に到着して停止するので、そのときパレット移載位置P2のパレット載置台10Cに移載した実パレットPを搬送してきた吊下搬送ライン1の空ハンガー3をハンガー停止位置P1でそのまま待機させると共に、パレット積み下ろし用コンベヤ8も上位レベルで停止待機させ、第一ストッパー29も制止解除位置に切り換えたままの状況で、次の空パレット戻しサイクルを実施する。
【0047】
即ち、パレット押出用係合片26a,26bは、シリンダーユニット39により第一可動体25a,25bを後退移動させて、図5Aに示す元の後退限位置に復帰させてカムレール42a,42bにより倒伏姿勢に切り換え、前記のようにパレット載置台位置決め手段74を作動させて、パレット移載位置P2に到着停止したパレット載置台10Aの上下方向の位置を固定すると共に、第三ストッパー78のストッパーピン81を制止解除位置に復帰させる。この状況で、パレット移載手段9の第二可動体27a,27bをシリンダーユニット46により、図5Bに示す後退限位置から図7に示す進出限位置まで進出移動させる。而して、第二可動体27a,27b上のパレット引込み用係合片28a,28bは、カムレール48a,48bから前方に離れることにより、付勢力により自動的に起立姿勢に復帰した状態でパレット移載位置P2側へ移動する。
【0048】
パレット引込み用係合片28a,28bは、パレット移載位置P2で停止しているパレット載置台10A上の空パレットPの下側を通過するとき、当該空パレットPの連結部材86によって付勢力に抗して倒伏させられ、図7に示すように、当該空パレットPの連結部材86の位置を通過し終わって再び付勢力で起立姿勢に復帰した状態で進出限位置に達して停止する。このとき、第二可動体27aの先端側部に付設されている操作部61が、図11に仮想線で示すように、パレット載置台10A側のパレット係止手段57を、その可動片59をカム従動ローラー59dを介して重力に抗して押し上げることにより、係止解除状態に切り換えるので、当該可動片59のパレット嵌合係止凹部59bが空パレットPの連結部材86から上方に離脱し、パレット載置台10Aに対する空パレットPの固定が自動的に解除される。
【0049】
次に、進出限位置に達した第二可動体27a,27bをシリンダーユニット46により、図5Bに示す後退限位置まで後退移動させる。この結果、パレット移載位置P2にあるパレット載置台10A上の空パレットPは、第二可動体27a,27b上のパレット引込み用係合片28a,28bが連結部材86の左右2箇所を引き込むことにより、パレット載置台10A上からパレット移載手段9側のパレット搬送用コンベヤ24上に搬送される。このとき、前記のように第三ストッパー78のストッパーピン81は、パレット移動経路脇の制止解除位置に切り換えられ、第一ストッパー29は図6Bに示す倒伏姿勢に切り換えられ、そしてパレット押出用係合片26a,26bは図5A二示す倒伏姿勢に切り換えられているので、これらがパレット移載位置P2からパレット搬送用コンベヤ24上に引き込まれる空パレットPと干渉することはない。
【0050】
上記のパレット引込み用係合片28a,28bによる空パレットPの引き込み作用は、図5Bに示すように、当該パレット引込み用係合片28a,28bがカムレール48a,48bによって倒伏姿勢に切り換えられる後退限位置に達したときに終了するが、このときには空パレットPの全体がパレット搬送用コンベヤ24の左右一対のローラーチエン22a,22b上に乗り移っている。従って、この後、若しくはパレット引込み用係合片28a,28bによる空パレットPの引き込み作用開始以後の適当時期に、パレット搬送用コンベヤ24のローラーチエン22a,22bと、これに同一レベルで接続する上位レベルにあるパレット積み下ろし用コンベヤ8のローラーチエン16a,16bとを、モーター23,17により逆回転方向に駆動することにより、パレット搬送用コンベヤ24上の空パレットPを、当該両コンベヤ24,8により、吊下搬送ライン1のハンガー停止位置P1で停止待機している空ハンガー3の真上位置まで搬送することができる。この後、パレット積み下ろし用コンベヤ8を、図3に示す上位レベルから図2に示す下位レベルまで降下させることにより、当該パレット積み下ろし用コンベヤ8上の空パレットPを降下させて、ハンガー停止位置P1で停止待機している空ハンガー3の支持アーム19上のパレット嵌合支持部18に空パレットPの四隅を嵌合させ、移載することができる。
【0051】
以上の説明から明らかなように、上記本発明の搬送設備によれば、吊下搬送ライン1から床側の被搬送物積み下ろし位置P3へ自動車ドアDを搬送する場合に、吊下搬送ライン1のハンガー2から下ろした自動車ドアD搭載の実パレットPを水平搬送装置部6から昇降搬送装置部7に移載して被搬送物積み下ろし位置P3へ搬送するときの当該昇降搬送装置部7の動作により、先に被搬送物積み下ろし位置P3で自動車ドアDが下ろされた空パレットPを同時にパレット移載位置P2へ搬送し、この空パレットPを昇降搬送装置部7から水平搬送装置部6に移載して、実パレットPを下ろしてハンガー停止位置P1で待機している吊下搬送ライン1の空ハンガー3に積み込むという、一連の搬送方法を実施することができるのである。
【0052】
勿論、上記搬送設備を上記とは逆の手順で動作させることにより、床側の被搬送物積み下ろし位置P3から吊下搬送ライン1へ自動車ドアDを搬送する場合に、吊下搬送ライン1のハンガー3から下ろした空パレットPを水平搬送装置部6から昇降搬送装置部7に移載して被搬送物積み下ろし位置P3へ搬送するときの当該昇降搬送装置部7の動作により、先に被搬送物積み下ろし位置P3で自動車ドアDが搭載された実パレットPを同時にパレット移載位置P2へ搬送し、この実パレットPを昇降搬送装置部7から水平搬送装置部6に移載して、空パレットPを下ろしてハンガー停止位置P1で待機している吊下搬送ライン1のハンガー3に積み込むという、一連の搬送方法を実施することもできることは、明白である。
【0053】
尚、上記の説明は、自動車車体Bの片側の1枚のドアDを、吊下搬送ライン1のハンガー停止位置P1から床側の支持搬送ライン4の横側方の被搬送物積み下ろし位置P3へ(又はその逆に)搬送する場合について説明しているが、図示の上記実施形態では、搬送設備が吊下搬送ライン1の両側に左右対称形に構成され、且つ各別にパレットPに搭載された前後2枚のドアDを同時に搬送できるように構成しているので、自動車車体Bの左右両側の合計4枚のドアDを、吊下搬送ライン1のハンガー停止位置P1から床側の支持搬送ライン4の左右両側の被搬送物積み下ろし位置P3へ(又はその逆に)搬送することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】設備全体を示す概略正面図である。
【図2】吊下搬送ラインから水平搬送装置部への被搬送物の移載直前の状態を示す正面図である。
【図3】吊下搬送ラインから水平搬送装置部への被搬送物の移載直後の状態を示す正面図である。
【図4】水平搬送装置部の全体を示す平面図である。
【図5】A図は水平搬送装置部のパレット移載手段の所定位置までパレットを搬送した状態を示す一部縦断側面図、B図はそのときのパレットパレット引込み用係合片の状態を示す縦断側面図である。
【図6】A図はパレットを昇降搬送装置部側へ押し出した状態でのパレット移載手段の要部の平面図、B図は同状態での一部縦断側面図である。
【図7】A図は昇降搬送装置部側からのパレット引き込み開始状態でのパレット移載手段の要部の平面図、B図は同状態での一部縦断側面図である。
【図8】パレット移載手段要部の正面図である。
【図9】昇降搬送装置部のパレット載置台に設けられたパレット係止手段を示す縦断側面図である。
【図10】昇降搬送装置部のパレット載置台の吊下構造とパレット載置台位置決め構造とを示す側面図である。
【図11】昇降搬送装置部のパレット載置台にパレットが移載された状態を示す縦断側面図である。
【図12】昇降搬送装置部の横断平面図である。
【図13】昇降搬送装置部のパレット載置台を示す正面図である。
【図14】昇降搬送装置部のパレット載置台にパレットが支持された状態を示す要部の正面図である。
【図15】パレットの平面図である。
【図16】パレット移載手段に設けられた第三ストッパー部分を示す一部横断平面図である。
【図17】同第三ストッパー部分を示す側面図である。
【図18】同第三ストッパー部分を示す一部縦断背面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 頭上の吊下搬送ライン
3 ハンガー
4 床側の支持搬送ライン
5 台車
6 水平搬送装置部
7 昇降搬送装置部
8 パレット積み下ろし用コンベヤ
9 パレット移載手段
10A〜10C パレット載置台
11 無端循環昇降経路
12 駆動手段
13 パンタグラフリンク機構
14a,14b 昇降駆動用シリンダーユニット
16a,16b,22a,22b ローラーチエン
17,23,67 モーター
18 パレット嵌合支持部
24 パレット搬送用コンベヤ
25a,25b 第一可動体
26a,26b パレット押出用係合片
27a,27b 第二可動体
28a,28b パレット引込み用係合片
29 第一ストッパー
31,39,46,77 シリンダーユニット
32 第二ストッパー
34 被操作レバー
35 操作部
37,44 スライドガイド
42a,42b,48a,48b カムレール
43a,43b,49a,49b カム従動ローラー
50 パレット載置部
51 吊下軸
53a,53b 水平アーム材
54a,54b ローラーレール
57 パレット係止手段
59b パレット嵌合係止凹部
59c 被操作辺
59d カム従動ローラー
61 操作部
62 下側歯輪
63 上側歯輪
64 無端駆動チエン
66 駆動軸
69,70 無端状カムレール
71,72 カム従動レバー
73 被係合部
74 パレット載置台位置決め手段
76 可動棒状体
76a コ字形嵌合部
78 第三ストッパー
80 L字形レバー
81 ストッパーピン
84 被操作ローラー
85 パレットの左右一対の側枠
86 パレットの連結部材
87 パレットの左右一対の張出板部
88 パレットの左右一対の帯状底板
P パレット
D 自動車ドア
B 自動車車体
P1 ハンガー停止位置
P2 ハンガー移載位置
P3 被搬送物積み下ろし位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被搬送物を支持するパレットを吊下ハンガーで支持して搬送する吊下搬送ラインと、パレットに対する被搬送物の積み下ろしを行うために床側に設定された被搬送物積み下ろし位置との間の被搬送物積み下ろし搬送設備であって、前記被搬送物積み下ろし位置の上方のパレット移載位置と吊下搬送ラインにおけるハンガー停止位置との間で前記パレットを略水平に搬送する水平搬送装置部と、前記被搬送物積み下ろし位置と前記パレット移載位置との間で前記パレットを上下方向に搬送する昇降搬送装置部とから成る被搬送物積み下ろし搬送設備において、
前記昇降搬送装置部は、前記パレットを支持する複数のパレット載置台と、このパレット載置台の無端循環昇降経路と、当該無端循環昇降経路において各パレット載置台を正立姿勢に保持しながら回動させる駆動手段とから成り、前記パレット載置台は、前記被搬送物積み下ろし位置とその上方の前記パレット移載位置との間の距離と同一間隔で等間隔に配列されている、被搬送物積み下ろし搬送設備。
【請求項2】
前記昇降搬送装置部のパレット載置台は、3台設けられている、請求項1に記載の被搬送物積み下ろし搬送設備。
【請求項3】
前記昇降搬送装置部の各パレット載置台は、パレットの左右両側辺を前後水平に移動自在に支持する左右一対のローラーレールを備えている、請求項1又は2に記載の被搬送物積み下ろし搬送設備。
【請求項4】
前記パレットは、左右一対の側枠と、両側枠を互いに連結する連結部材と、左右両側枠の上辺から外向きに張り出した左右一対の張出板部とを備え、この左右一対の張出板部が前記左右一対のローラーレールで支持される、請求項3に記載の被搬送物積み下ろし搬送設備。
【請求項5】
前記水平搬送装置部には、前記パレット移載位置に停止したパレット載置台の被係合部に対して係脱自在で、当該被係合部に係合することにより、当該パレット載置台を定停止レベルに保持するパレット載置台位置決め手段が設けられている、請求項1〜4の何れか1項に記載の被搬送物積み下ろし搬送設備。
【請求項6】
前記水平搬送装置部には、この水平搬送装置部上から前記パレット移載位置側へのパレット落下防止用のストッパーが設けられ、このストッパーは制止位置に付勢保持され、前記パレット載置台位置決め手段には、先端に前記被係合部に係脱自在な嵌合部を備え且つ前記被係合部に対して遠近方向に移動自在な可動棒状体が設けられ、この可動棒状体が進出移動したときに当該可動棒状体によって操作されるレバーが前記ストッパーに設けられ、可動棒状体が進出移動して先端の嵌合部が前記被係合部に嵌合したとき、前記レバーを介して前記ストッパーが制止解除位置に切り換えられるように構成された、請求項5に記載の被搬送物積み下ろし搬送設備。
【請求項7】
前記吊下搬送ラインの吊下ハンガーは、パレットを上下方向嵌脱自在に支持するパレット嵌合支持部を備え、前記水平搬送装置部は、ハンガー停止位置で停止したハンガーに対する昇降運動で当該ハンガーとの間でパレットの積み下ろしを行うパレット積み下ろし用コンベヤと、このパレット積み下ろし用コンベヤと前記パレット移載位置に停止したパレット載置台との間でパレットを移載するパレット移載手段とから成る、請求項1〜6の何れか1項に記載の被搬送物積み下ろし搬送設備。
【請求項8】
前記水平搬送装置部のパレット移載手段は、ハンガー停止位置で停止したハンガーに対する上位置にある前記パレット積み下ろし用コンベヤと接続するパレット搬送用コンベヤと、パレット搬送方向に往復移動する第一可動体に設けられて、前記パレット搬送用コンベヤ上から前記パレット移載位置に停止したパレット載置台上へパレットを推進させるパレット押出用係合片と、パレット搬送方向に往復移動する第二可動体に設けられて、前記パレット移載位置に停止したパレット載置台上から前記パレット搬送用コンベヤ上へパレットを推進させるパレット引込み用係合片とを備えている、請求項7に記載の被搬送物積み下ろし搬送設備。
【請求項9】
前記パレット載置台には、前記パレット押出用係合片により当該パレット載置台上に乗り移ったパレットと自動係合して当該パレットの後退移動を阻止するパレット係止手段が設けられ、前記第二可動体には、そのパレット載置台側への進出移動により前記パレット係止手段を係止解除姿勢に切り換える操作部が設けられている、請求項8に記載の被搬送物積み下ろし搬送設備。
【請求項10】
前記パレット移載手段のパレット搬送用コンベヤには、このコンベヤ上から前記パレット積み下ろし用コンベヤ側へのパレット落下防止用のストッパーが設けられ、このストッパーは制止位置に付勢保持され、前記パレット積み下ろし用コンベヤには、これが前記ハンガー停止位置に停止したハンガーに対する上位置まで上昇して前記パレット搬送用コンベヤに接続したとき、前記ストッパーを付勢力に抗して解除位置に切り換える操作部が設けられている、請求項8又は9に記載の被搬送物積み下ろし搬送設備。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか1項に記載の搬送設備を使用して、吊下搬送ラインから床側の被搬送物積み下ろし位置へ被搬送物を搬送する搬送方法であって、吊下搬送ラインのハンガーから下ろした被搬送物搭載の実パレットを水平搬送装置部から昇降搬送装置部に移載して前記被搬送物積み下ろし位置へ搬送するときの当該昇降搬送装置部の動作により、先に被搬送物積み下ろし位置で被搬送物が下ろされた空パレットを同時に前記パレット移載位置へ搬送し、この空パレットを昇降搬送装置部から水平搬送装置部に移載して、実パレットを下ろして待機している吊下搬送ラインの空ハンガーに積み込むことを特徴とする、搬送方法。
【請求項12】
請求項1〜10の何れか1項に記載の搬送設備を使用して、床側の被搬送物積み下ろし位置から吊下搬送ラインへ被搬送物を搬送する搬送方法であって、吊下搬送ラインのハンガーから下ろした空パレットを水平搬送装置部から昇降搬送装置部に移載して前記被搬送物積み下ろし位置へ搬送するときの当該昇降搬送装置部の動作により、先に被搬送物積み下ろし位置で被搬送物が搭載された実パレットを同時に前記パレット移載位置へ搬送し、この実パレットを昇降搬送装置部から水平搬送装置部に移載して、空パレットを下ろして待機している吊下搬送ラインのハンガーに積み込むことを特徴とする、搬送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−74570(P2008−74570A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−256596(P2006−256596)
【出願日】平成18年9月22日(2006.9.22)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】