被検体の超音波無破壊試験のための方法及び回路装置
本発明は被検体(12、24)例えば管又は板の無破壊試験で、被検体(12、24)の構造の欠陥(20、AF)での超音波反射によって生じる信号の処理のための、以下の手順、すなわち多数の独立の送信素子(EL1−ELN)による被検体(12、24)の少なくとも1つの被検部分への全波面の送出と、被検体の構造から反射された波の多数の互いに独立な受信素子(EL1−ELN)による受信と、受信素子(EL1−ELN)が受信した信号のデジタル化と、デジタル化された信号の振幅及び走行時間の記憶素子(SP)への記憶と、からなる方法及び回路装置に関する。被検体の構造の欠陥を高い速度及び改善された信号雑音比で検出するために、記憶された振幅値を走行時間に沿って位相同期加算することにより欠陥(20)を認識するように構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1の上位概念部分に記載の構成に基づく信号処理方法及び請求項16の上位概念部分に記載の構成に基づく回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
材料の構造の認識と分析を行うために、構造により伝送又は屈折された反射波に相当する信号を処理する方法が欧州特許EP0825453B1に記載されている。上記の方法では、被検体の各点が反射波を生じることが利用される。この反射波は、各点と探触子の距離及び各素子の放射パターンに依存する特性を持つ放物弧の形で分布した記憶装置の位置で記憶される。周知の方法では、直線状に形成され、小さな寸法の複数の送受信素子からなる試験ヘッドが使用される。その場合送信と受信に同じ試験ヘッドが使用される。まず波面が被検体に送出され、構造から反射される波を受信する。
【0003】
続いてセンサ素子から放出される情報がデジタル化され、各センサ素子ごとに1つの行を有する記憶素子に記憶される。
【0004】
続いて記憶素子に保存された情報に基づき被検体の構造の再構成及び/又は解析が行われる。その場合被検体の各点ごとに記憶素子の位置が計算される。この位置は、センサ素子によって探知された、上記の点からの反射又は伝送波に相当する信号を含む。アドレス指定規則によりこの位置が計算される。規則のパラメータはセンサ素子に対するこの点の位置に関係する。またあらかじめこの点について計算された当該の位置で、フィールドメモリーの行が各点ごとに読み取られる。その際波の範囲を代表する結果を得るために、この点について読み取られた値に対して数学的操作が適用される。計算のために、所属の各アドレス記憶装置でこの点に関して示された位置で、この点に関して平行なメモリーフィールドのすべての行が読み取られる。
【0005】
記憶装置の読み出しのための各読み取り規則の計算は、これを実時間で行うにはあまりに長い時間がかかるので、この計算を事前に行って、「フィールドメモリー」の各行に割り当てられた特殊な「アドレスメモリー」に結果を記憶する。
【0006】
その結果、上記の方法は特定の、即ち既定の構造の認識にしか適さない。フィールドメモリーの内容は数学的操作を行った後にイメージメモリーに保存され、その際場所と走行時間の情報が考慮される。この方法では、例えば医学診断で慣用のように、計算されたB表示が評価される。ところが自動材料試験ではB表示は解析のために長い解析時間が必要なので、採用すべきでない。
【0007】
また垂直音波放射の場合は、欠陥の位置しか認識できないから、欠陥検出に制約があることを指摘しなければならない。さらに欠陥の決定には場所情報が必要なため、試験ヘッドと被検物の間に固定的な幾何学的関係が前提となるから、欠陥の評価に不確実性が生じる。従って周知の方法は慣用の試験ヘッドの調節不良に対してすこぶる敏感である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題、その解決手段及び発明の効果】
【0008】
以上に基づき、本発明の課題は、被検体の構造の欠陥を高い速度かつ改善された信号雑音比で検出することができるように、周知の種類の方法及び回路装置を改良することにある。さらにこの方法は試験ヘッドの万一の調節不良に対して不感でなければならない。
【0009】
上記課題とする方法は、本発明に基づき、とりわけ請求項1の特徴によって解決される。
【0010】
ここにおいては、等しい走行時間で受信され記憶された振幅値の位相同期加算によって欠陥を検出するように構成されている。この場合フェイズドアレイ・トランスデューサとして形成された試験ヘッドにより被検体を照射したとき、即ち全波面を放出したとき、同時に受信に切換えられる試験ヘッドの各受信素子にエコーが受信され、受信エコーの振幅値は同じ走行時間で受信されることが利用される。これによって受信信号の振幅値を走行時間に沿って加算する可能性が開かれ、構造の欠陥を特徴づける最大振幅が増幅され、個々の受信素子が受信したその他の信号は互いにほぼ相殺されるという利点がある。
【0011】
こうして本発明に基づく方法は、一方では全波面の送出に基づき先行技術で慣用の逐次法が回避されるから、欠陥認識の速度が極めて高いのが特徴であり、他方では先行技術に比して改善された信号雑音比が得られる。この方法には場所情報が入ってこないから、本方法は例えば試験ヘッドの調節不良に対して不感である。
【0012】
特に管の超音波無破壊試験で被検体の外側表面にある欠陥(外側欠陥)を認識するために、被検体の外側欠陥での反射に基づく点状波信号の評価が行われる。その場合、記憶装置に保存された振幅値の加算が同じ走行時間に沿ってではなく、外側欠陥AFの点状波の受信された振幅値の干渉じまに対して垂直又はおおむね垂直な方向に行われる。
【0013】
走行時間に沿った振幅値の位相同期加算によって、一般に欠陥を認識することができるが、外側欠陥であるか内側欠陥であるかについての言明を和信号から導き出すことはできない。前述のように、外側欠陥から出る点状波の干渉じまに垂直又はおおむね垂直に振幅値を加算することによって、外側欠陥を認識することができる。最後に、記憶された振幅値の走行時間沿いの位相同期加算で決定された信号と、干渉じまの振幅値の加算で決定された信号との比較が一致回路によって行われ、2つの信号が1つの欠陥を指示するときは、外側欠陥が存在する。
【0014】
測定条件、例えば欠陥の種類(縦欠陥、斜め欠陥)、材料の性状及び被検体の形状に適応した入射角αの整定のために、フェイズドアレイ・トランスデューサの個々の送信素子を時間的にずらせて駆動することができる。すなわち位相整合である。例えば管の試験では、欠陥の状態(斜め欠陥、縦欠陥)に応じて選択的に縦方向又は周方向に音波放射を行うことができる。
【0015】
また欠陥部位の決定のために、加算で決定された和信号を走行時間に応じて振幅補正し、その際受信された和信号と基準値を比較するように構成されている。
【0016】
さらにデータ整理を行うために、デジタル化の直後に、とりわけウェーブレット・フィルタにより受信信号を濾波するように構成されている。
【0017】
記憶装置に保存された振幅値の位相同期加算のために加算装置を設けた、請求項16の特徴部分の特徴構成に基づく回路装置によって、課題が解決される。
【0018】
また本発明は被検体の輪郭、例えば辺縁部、屈曲部又は湾曲部の無破壊試験方法に関する。
【0019】
先行技術によれば、辺縁部の形の上記の種類の輪郭は、おおむね平坦な波面でこれを照射することによって試験される。その場合被検体の輪郭におおむね相当する干渉じまが受信されるが、この干渉じまは被検体の構造の欠陥の評価には不適当である。
【0020】
以上に基づき本発明の課題は、被検体の輪郭区域の構造の欠陥の改善された認識を可能にする被検体の輪郭の超音波無破壊試験方法を提供することである。
【0021】
上記の課題解決のために、被検体の被検部分の表面輪郭を検出して記憶し、送出される波面が表面輪郭に平行又はほぼ平行になるように、独立の送信素子を時間的にずらせて駆動し、被検体から反射された波を時間的にずらせて受信し、おおむね平坦な干渉じまを生じることを提案する。
【0022】
好ましい方法においては、送信平面に関して平坦な波面を被検輪郭に向けて送出し、被検体の輪郭から反射された波を多数の互いに独立な受信素子によって受信し、デジタル化し、デジタル化した信号を少なくとも走行時間の後に記憶素子に記憶し、試験ヘッドと被検体の所定の間隔A及び受信信号の様々な走行時間から被検体の輪郭を計算することによって被検体の輪郭を決定するように構成されている。
【0023】
本方法は、独立の送信素子を時間的にずらせて駆動することによって、波面が被検体の構造の表面に平行又はおおむね平行になるようにして、波面を送出するのが特徴である。
【0024】
被検体の輪郭から反射された波を受信するときも、被駆動受信素子により時間的にずらせた受信が行われるから、被検体の輪郭の表面と平行又はおおむね平行な干渉じまを生じる信号が受信される。次にこの干渉じまで被検体の構造の欠陥を簡単に決定することができる。
【0025】
製造の際の変動ないし誤差により被検体の輪郭に不規則が生じることがある。そこで別の好ましい方法によれば、被検体の輪郭がとりわけオンラインで、即ち測定過程の間に決定されるように構成されている。そのために平坦な波面を被検輪郭に向けて送出し、被検体の輪郭から反射された波を多数の互いに独立の受信素子によって受信し、デジタル化し、デジタル化された信号を少なくとも走行時間の後に記憶素子に記憶し、試験ヘッドと被検体の所定の間隔及び受信信号の様々な走行時間から被検体の輪郭を計算するように構成されている。
【0026】
被検体の変化する輪郭へのオンラインの追従又は適応によって、欠陥に対して常に同等の評価が可能である。
【0027】
被検体の表面輪郭と平行又はおおむね平行な受信干渉じまと基準パターンを比較することによって、追従が可能になる。その場合受信干渉じまが基準パターンと異なるならば、被検体の現在の輪郭を反射波から計算するために、送信素子の平面に対して平行又はおおむね平行な波面を送出する。
【0028】
発明のその他の細部、利点及び特徴は特許請求の範囲及び特許請求の範囲に見られる特徴−単独で及び/又は組合せとして−だけでなく、図面に見られる好ましい実施例の下記の説明からも明らかである。
【発明の実施のための最良の形態】
【0029】
図1は試験ヘッド14から出て、液状媒質18例えば水を経て入射される超音波波面16による、図示の実施例で鋼板として示された被検体12の無破壊試験のための装置10のごく概要を示す。この試験によって被検体12の構造の欠陥20が検出されることになっている。
【0030】
試験ヘッド14は多数の送受信素子EL1ないしELNからなる。これらの送受信素子はそれぞれ送信素子として、とりわけ同時に受信素子として、とりわけ同時に又は位相をずらせて操作される。
【0031】
図2はフェイズドアレイ・トランスデューサにより入射角α=18°で記録した平坦な被検体の外側欠陥の慣用のBスコープを無彩色画像で示す。被検体12に向けて放出された波面は、すべての送信素子の同時接続によって発生された。
【0032】
個々の受信素子EL1−ELNを水平軸に取り、個々の受信素子が受信した信号は垂直軸に取った走行時間に従って、垂直方向に逐次示されている。
【0033】
図示した信号の強さは明るさによって規定される。図2のBスコープないしスキャンによって、被検体の異なる構造が異なる信号パターンを生じることが分かる。被検体12の表面は表面エコーOEを発生する。これを図2では斜めに走る実線で示した。個々の受信素子EL1−ELNに割り当てられた欠陥エコーFE1−FE12を水平の線として示した。例えば受信素子ELXによって欠陥エコーFE1ないしFE4が、別の受信素子ELX1、ELX2によって欠陥エコーFE5ないしFE8又は欠陥エコーFE9ないしFE12が示される。フェイズドアレイ・トランスデューサの個々の送信素子の波面の間の干渉によって発生する干渉エコーIEがBスコープの上左側の区域に認められる。
【0034】
また図2に示したBスコープは、複数の受信素子の欠陥エコー、例えば欠陥エコーFE2、FE5及びFE3、FE6、FE9並びにFE4、FE7、FE10がそれぞれ等しい走行時間で受信されることを示す。例えば欠陥エコーFE2とFE5及び欠陥エコーFEとFE6の走行時間が等しいことを図3に基づいて説明する。
【0035】
図3には図1に基づく構成が示され、信号経路aないしiのごく概要が示されている。鋼板の厚さをsで、被検体12の内部の音波経路をtで示す。
【0036】
欠陥エコーFE2の走行時間は区間d+2t+e、欠陥エコーFE5の走行時間は区間又は走行時間e+2t+dからなり、それぞれ同じ走行時間をなすことが明らかである。欠陥エコーFE3と欠陥エコーFE6の走行時間も同じであるが、これは異なる受信素子で受信されることを指摘しておこう。
【0037】
受信素子ELXが受信した信号の振幅と時間の関係を示すこともできる。当該の図(Aスコープないしスキャン)を図4に示す。この場合個々のエコーOE、即ちFE1ないしFE4が種々の走行時間での振幅の振れとして示されている。本発明に基づく方法によれば同じ走行時間で受信された信号、例えばFE2、FE5及びFE3、FE6、FE9又はFE4、FE7、FE10の振幅値が走行時間に沿って加算され、図5に時間に関して示した信号が得られる。この信号は被検体12の欠陥20に関する情報を、1桁の範囲の振幅増加により極めて明瞭に特徴づける。
【0038】
種々の素子ELX、ELX1又はELX2によって受信された欠陥エコーは同じ走行時間を有するから、振幅値が加算され、和信号が増大する。図4のAスコープに含まれる雑音信号は確率的に互いに打ち消し合うから、信号雑音比が改善される。
【0039】
図6は管の周囲に沿って配置された試験ヘッド26、28による管壁24の無破壊試験のための測定構造22を示す。試験ヘッド26、28は管24の表面に整合する適当に湾曲した表面30、32を有し、送受信素子EL1ないしELN(Nは例えば128である)の各素子を送信器としても、受信器としても操作することができる。素子の空間的広がりは使用する超音波周波数fに合わせて調整される。周波数fは0.2MHz≦f≦20MHz、とりわけf=6MHzである。
【0040】
試験ヘッド26、28はフェイズドアレイ・トランスデューサとも呼ばれ、データ回線34、36を介してそれぞれ第1の信号処理装置38、40に接続される。信号処理装置38、40は試験ヘッド26、28の送受信素子ELを制御し、受信した信号を増幅し、デジタル化する。信号処理装置38、40は例えばFSL(Fast Serial Link「高速直列リンク」)として形成されたデータ回線42、44を介してそれぞれ信号評価装置46、48に接続される。また回路装置は外部パソコン52との接続のためのインタフェース50並びに装置46及び48の情報の処理及び評価(選別、マーキング)のためのマイクロプロセッサ54を含む。
【0041】
図7は図6の回路装置22の部品の詳しいブロック構成図を示す。信号処理装置38は、本例で128個の素子からなる送受信素子EL1−EL128の制御のためのパルス発生器PEを備えている。その場合送信素子は固定的時間パターン(位相整合)に従って制御される。続いて受信素子が同時受信に切換えられ、受信したアナログ信号は次にマルチプレクサMUXを介して適当なアナログ・デジタル変換器AD、本例では32個のアナログ・デジタル変換器に送られる。受信したアナログ信号はアナログ・デジタル変換器ADによってデジタル化され、記憶素子SPにいわゆるA表示又はAスコープとして保存される。記憶素子SPに保存された図4の例えば32個のAスコープは、次に加算素子SUMで本発明に基づき振幅値の位相同期加算により走行時間に沿って加算され、図5に示すAスコープとなる。その場合最大振幅が加算されるから、欠陥がはっきり浮かび上がり、雑音信号が互いに相殺されるという利点が生じる。
【0042】
こうして加算素子SUMの出力に、図5に示す信号がAスコープとして与えられる。この信号はインタフェースIを経て、同じくインタフェースIを有する別の信号評価装置46に送られる。次に信号評価装置46では、さらに信号処理を行うために、Bスコープが単数又は複数の評価ユニットF1、F2に送られる。回路ユニット38、46の個々の部品の制御はデジタル信号処理装置DSPによって行なわれる。デジタル信号処理装置DSPはバスカップラBK及びインタフェース50を介してパソコン52及びマイクロプロセッサ54に接続される。信号処理の結果は映像スクリーンに表示される。
【0043】
アナログ・デジタル変換器AD1−AD32に印加される信号を記憶する前にデータ整理を行うために、この信号を記憶の前に濾波し、とりわけウェーブレット・フィルタで濾波するように構成することができる。
【0044】
以上述べた方法は一般に被検体の欠陥の迅速かつ効果的な認識のために利用される。同じ走行時間に沿った振幅値の加算で欠陥の場所情報が失われるから、外側欠陥の認識を可能にするために、別の処置が必要である。このために超音波の照射の際に被検体の欠陥から反射される点状波信号を評価することを提案する。
【0045】
図8は外側表面56に欠陥AFを有する管24に音波を照射したときの音波経路のごく概要を示す。図9は内側表面58に欠陥IFを有する管24に音波を照射したときの音波経路を示す。図8の外側欠陥AFから出る点状波信号も図2に示したBスコープで、即ち欠陥エコーFE1ないしFE4及びその干渉じまとして認識することができる。外側欠陥の認識のために「斜め」加算、即ち所定の走行時間沿いでなく、受信される振幅値の干渉じまに垂直又はほぼ垂直に加算を行うことができるから、外側欠陥AFについての指示を含む最大振幅がこの方向に生じる。
【0046】
内側欠陥があるか、外側欠陥があるかについて言明するために、一致法により例えば評価ユニットF1、F2の1つで同じ走行時間の振幅値の和信号と、点状波信号から受信した振幅値の干渉じまに垂直又はほぼ垂直の方向の振幅値の和信号との評価を行ない、2つの信号が1つの欠陥を示すならば、外側欠陥が存在する。ところが走行時間に沿った振幅値の位相同期加算で欠陥が認識されるが、干渉じまに垂直又はほぼ垂直な振幅値加算で欠陥が検出されないときは、内側欠陥が存在する。
【0047】
本発明に基づく方法の特別な利点として、欠陥の評価のために得られる信号が先行技術に比して改善された信号雑音比を有し、従って自動的に評価するのに好都合であることに触れなければならない。フェイズドアレイ方式の試験ヘッドを使用した被検体の平面音波照射、即ち波面の同時送出及び信号の同時読み取りによって、先行技術で周知の逐次方式による方法と比較して、大きな時間的利点が得られる。
【0048】
また位相同期加算によってデータ整理が行われるから、その後の信号処理も速められ、簡素化される。
【0049】
図10の(a)は、構造が上記の試験ヘッド14に相当する試験ヘッド60の概略図を示す。送信素子が張る平面と平行又はおおむね平行な波面64が試験ヘッド60から送出される。波面64は輪郭、例えば辺縁部、屈曲部又は湾曲部を有する被検体66に入射する。本例では被検体66は第2の面70に対して角αで広がる面68を有する。
【0050】
被検体60の輪郭の決定のために、表面68、70から反射された波を受信してデジタル化し、図7の回路配列に従って記憶素子SPに記憶する。次に被検体66の基準点の所定の間隔A及び検出され記憶された信号走行時間に基づき、被検体66の輪郭を算出することができる。被検体66の輪郭におおむね相当する当該の干渉じま(Bスコープ)72を図10の(b)に示す。
【0051】
次に被検体66の計算された輪郭から出発して、本来の測定過程で試験ヘッド60から出る波面74が被検体60の輪郭即ち表面68、70と平行又はおおむね平行になるように、送信素子EL1−ELNを時間的にずらせて駆動する。その波面の概要図を図11の(a)に示す。被検体66から反射された波も時間的にずらせて受信され、こうして受信された信号から図11の(b)に示す干渉じま76が生じる。その波面は1つの平面にある。
【0052】
この干渉じまのデータから欠陥を簡単に発見することができる。
【0053】
被検体の変化する輪郭への適応を可能にするために、受信された干渉じま76を基準パターンと比較し、受信された干渉じま76が基準パターンと異なるときは、再度の輪郭測定を行って以後の測定の基礎とするために、−測定過程中も−試験ヘッド60から例えば平坦な波面64を被検体66に向けて放出することによって、被検体66の現在の輪郭が再び検出されるように構成する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】試験ヘッド(フェイズドアレイ・トランスデューサ)から出て媒質例えば水を経て被検体例えば鋼板に至る波面の概略図を示す。
【図2】試験ヘッドの個々の受信素子EL1−ELNによって受信され、種々の走行時間を有する振幅の振幅値の図を示す(典型的なBスコープ)。
【図3】図1の超音波波面の特定の音波経路の図を示す。
【図4】図2の個々の受信素子ELXの振幅の経過と走行時間の関係図を示す。
【図5】欠陥の評価のための種々の受信素子の等走行時間振幅値の和の振幅曲線図を示す。
【図6】管の無破壊試験のための基本的測定構造を示す。
【図7】受信した信号の処理のための回路装置のブロック構成概略図を示す。
【図8】外側表面にある欠陥への音波経路の原理図を示す。
【図9】内側表面にある欠陥への音波経路の原理図を示す。
【図10】被検体の輪郭の決定のための、試験ヘッドから出る波面の概略図を(a)に示すとともに被検体の輪郭の受信干渉じま(Bスコープ)の概略図を(b)に示す。
【図11】試験ヘッドから出て、被検体の輪郭の表面と平行又はおおむね平行に広がる波面の概略図を(a)に示すとともに欠陥の簡単な評価のための、おおむね平坦な干渉じまの概略図を(b)に示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1の上位概念部分に記載の構成に基づく信号処理方法及び請求項16の上位概念部分に記載の構成に基づく回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
材料の構造の認識と分析を行うために、構造により伝送又は屈折された反射波に相当する信号を処理する方法が欧州特許EP0825453B1に記載されている。上記の方法では、被検体の各点が反射波を生じることが利用される。この反射波は、各点と探触子の距離及び各素子の放射パターンに依存する特性を持つ放物弧の形で分布した記憶装置の位置で記憶される。周知の方法では、直線状に形成され、小さな寸法の複数の送受信素子からなる試験ヘッドが使用される。その場合送信と受信に同じ試験ヘッドが使用される。まず波面が被検体に送出され、構造から反射される波を受信する。
【0003】
続いてセンサ素子から放出される情報がデジタル化され、各センサ素子ごとに1つの行を有する記憶素子に記憶される。
【0004】
続いて記憶素子に保存された情報に基づき被検体の構造の再構成及び/又は解析が行われる。その場合被検体の各点ごとに記憶素子の位置が計算される。この位置は、センサ素子によって探知された、上記の点からの反射又は伝送波に相当する信号を含む。アドレス指定規則によりこの位置が計算される。規則のパラメータはセンサ素子に対するこの点の位置に関係する。またあらかじめこの点について計算された当該の位置で、フィールドメモリーの行が各点ごとに読み取られる。その際波の範囲を代表する結果を得るために、この点について読み取られた値に対して数学的操作が適用される。計算のために、所属の各アドレス記憶装置でこの点に関して示された位置で、この点に関して平行なメモリーフィールドのすべての行が読み取られる。
【0005】
記憶装置の読み出しのための各読み取り規則の計算は、これを実時間で行うにはあまりに長い時間がかかるので、この計算を事前に行って、「フィールドメモリー」の各行に割り当てられた特殊な「アドレスメモリー」に結果を記憶する。
【0006】
その結果、上記の方法は特定の、即ち既定の構造の認識にしか適さない。フィールドメモリーの内容は数学的操作を行った後にイメージメモリーに保存され、その際場所と走行時間の情報が考慮される。この方法では、例えば医学診断で慣用のように、計算されたB表示が評価される。ところが自動材料試験ではB表示は解析のために長い解析時間が必要なので、採用すべきでない。
【0007】
また垂直音波放射の場合は、欠陥の位置しか認識できないから、欠陥検出に制約があることを指摘しなければならない。さらに欠陥の決定には場所情報が必要なため、試験ヘッドと被検物の間に固定的な幾何学的関係が前提となるから、欠陥の評価に不確実性が生じる。従って周知の方法は慣用の試験ヘッドの調節不良に対してすこぶる敏感である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題、その解決手段及び発明の効果】
【0008】
以上に基づき、本発明の課題は、被検体の構造の欠陥を高い速度かつ改善された信号雑音比で検出することができるように、周知の種類の方法及び回路装置を改良することにある。さらにこの方法は試験ヘッドの万一の調節不良に対して不感でなければならない。
【0009】
上記課題とする方法は、本発明に基づき、とりわけ請求項1の特徴によって解決される。
【0010】
ここにおいては、等しい走行時間で受信され記憶された振幅値の位相同期加算によって欠陥を検出するように構成されている。この場合フェイズドアレイ・トランスデューサとして形成された試験ヘッドにより被検体を照射したとき、即ち全波面を放出したとき、同時に受信に切換えられる試験ヘッドの各受信素子にエコーが受信され、受信エコーの振幅値は同じ走行時間で受信されることが利用される。これによって受信信号の振幅値を走行時間に沿って加算する可能性が開かれ、構造の欠陥を特徴づける最大振幅が増幅され、個々の受信素子が受信したその他の信号は互いにほぼ相殺されるという利点がある。
【0011】
こうして本発明に基づく方法は、一方では全波面の送出に基づき先行技術で慣用の逐次法が回避されるから、欠陥認識の速度が極めて高いのが特徴であり、他方では先行技術に比して改善された信号雑音比が得られる。この方法には場所情報が入ってこないから、本方法は例えば試験ヘッドの調節不良に対して不感である。
【0012】
特に管の超音波無破壊試験で被検体の外側表面にある欠陥(外側欠陥)を認識するために、被検体の外側欠陥での反射に基づく点状波信号の評価が行われる。その場合、記憶装置に保存された振幅値の加算が同じ走行時間に沿ってではなく、外側欠陥AFの点状波の受信された振幅値の干渉じまに対して垂直又はおおむね垂直な方向に行われる。
【0013】
走行時間に沿った振幅値の位相同期加算によって、一般に欠陥を認識することができるが、外側欠陥であるか内側欠陥であるかについての言明を和信号から導き出すことはできない。前述のように、外側欠陥から出る点状波の干渉じまに垂直又はおおむね垂直に振幅値を加算することによって、外側欠陥を認識することができる。最後に、記憶された振幅値の走行時間沿いの位相同期加算で決定された信号と、干渉じまの振幅値の加算で決定された信号との比較が一致回路によって行われ、2つの信号が1つの欠陥を指示するときは、外側欠陥が存在する。
【0014】
測定条件、例えば欠陥の種類(縦欠陥、斜め欠陥)、材料の性状及び被検体の形状に適応した入射角αの整定のために、フェイズドアレイ・トランスデューサの個々の送信素子を時間的にずらせて駆動することができる。すなわち位相整合である。例えば管の試験では、欠陥の状態(斜め欠陥、縦欠陥)に応じて選択的に縦方向又は周方向に音波放射を行うことができる。
【0015】
また欠陥部位の決定のために、加算で決定された和信号を走行時間に応じて振幅補正し、その際受信された和信号と基準値を比較するように構成されている。
【0016】
さらにデータ整理を行うために、デジタル化の直後に、とりわけウェーブレット・フィルタにより受信信号を濾波するように構成されている。
【0017】
記憶装置に保存された振幅値の位相同期加算のために加算装置を設けた、請求項16の特徴部分の特徴構成に基づく回路装置によって、課題が解決される。
【0018】
また本発明は被検体の輪郭、例えば辺縁部、屈曲部又は湾曲部の無破壊試験方法に関する。
【0019】
先行技術によれば、辺縁部の形の上記の種類の輪郭は、おおむね平坦な波面でこれを照射することによって試験される。その場合被検体の輪郭におおむね相当する干渉じまが受信されるが、この干渉じまは被検体の構造の欠陥の評価には不適当である。
【0020】
以上に基づき本発明の課題は、被検体の輪郭区域の構造の欠陥の改善された認識を可能にする被検体の輪郭の超音波無破壊試験方法を提供することである。
【0021】
上記の課題解決のために、被検体の被検部分の表面輪郭を検出して記憶し、送出される波面が表面輪郭に平行又はほぼ平行になるように、独立の送信素子を時間的にずらせて駆動し、被検体から反射された波を時間的にずらせて受信し、おおむね平坦な干渉じまを生じることを提案する。
【0022】
好ましい方法においては、送信平面に関して平坦な波面を被検輪郭に向けて送出し、被検体の輪郭から反射された波を多数の互いに独立な受信素子によって受信し、デジタル化し、デジタル化した信号を少なくとも走行時間の後に記憶素子に記憶し、試験ヘッドと被検体の所定の間隔A及び受信信号の様々な走行時間から被検体の輪郭を計算することによって被検体の輪郭を決定するように構成されている。
【0023】
本方法は、独立の送信素子を時間的にずらせて駆動することによって、波面が被検体の構造の表面に平行又はおおむね平行になるようにして、波面を送出するのが特徴である。
【0024】
被検体の輪郭から反射された波を受信するときも、被駆動受信素子により時間的にずらせた受信が行われるから、被検体の輪郭の表面と平行又はおおむね平行な干渉じまを生じる信号が受信される。次にこの干渉じまで被検体の構造の欠陥を簡単に決定することができる。
【0025】
製造の際の変動ないし誤差により被検体の輪郭に不規則が生じることがある。そこで別の好ましい方法によれば、被検体の輪郭がとりわけオンラインで、即ち測定過程の間に決定されるように構成されている。そのために平坦な波面を被検輪郭に向けて送出し、被検体の輪郭から反射された波を多数の互いに独立の受信素子によって受信し、デジタル化し、デジタル化された信号を少なくとも走行時間の後に記憶素子に記憶し、試験ヘッドと被検体の所定の間隔及び受信信号の様々な走行時間から被検体の輪郭を計算するように構成されている。
【0026】
被検体の変化する輪郭へのオンラインの追従又は適応によって、欠陥に対して常に同等の評価が可能である。
【0027】
被検体の表面輪郭と平行又はおおむね平行な受信干渉じまと基準パターンを比較することによって、追従が可能になる。その場合受信干渉じまが基準パターンと異なるならば、被検体の現在の輪郭を反射波から計算するために、送信素子の平面に対して平行又はおおむね平行な波面を送出する。
【0028】
発明のその他の細部、利点及び特徴は特許請求の範囲及び特許請求の範囲に見られる特徴−単独で及び/又は組合せとして−だけでなく、図面に見られる好ましい実施例の下記の説明からも明らかである。
【発明の実施のための最良の形態】
【0029】
図1は試験ヘッド14から出て、液状媒質18例えば水を経て入射される超音波波面16による、図示の実施例で鋼板として示された被検体12の無破壊試験のための装置10のごく概要を示す。この試験によって被検体12の構造の欠陥20が検出されることになっている。
【0030】
試験ヘッド14は多数の送受信素子EL1ないしELNからなる。これらの送受信素子はそれぞれ送信素子として、とりわけ同時に受信素子として、とりわけ同時に又は位相をずらせて操作される。
【0031】
図2はフェイズドアレイ・トランスデューサにより入射角α=18°で記録した平坦な被検体の外側欠陥の慣用のBスコープを無彩色画像で示す。被検体12に向けて放出された波面は、すべての送信素子の同時接続によって発生された。
【0032】
個々の受信素子EL1−ELNを水平軸に取り、個々の受信素子が受信した信号は垂直軸に取った走行時間に従って、垂直方向に逐次示されている。
【0033】
図示した信号の強さは明るさによって規定される。図2のBスコープないしスキャンによって、被検体の異なる構造が異なる信号パターンを生じることが分かる。被検体12の表面は表面エコーOEを発生する。これを図2では斜めに走る実線で示した。個々の受信素子EL1−ELNに割り当てられた欠陥エコーFE1−FE12を水平の線として示した。例えば受信素子ELXによって欠陥エコーFE1ないしFE4が、別の受信素子ELX1、ELX2によって欠陥エコーFE5ないしFE8又は欠陥エコーFE9ないしFE12が示される。フェイズドアレイ・トランスデューサの個々の送信素子の波面の間の干渉によって発生する干渉エコーIEがBスコープの上左側の区域に認められる。
【0034】
また図2に示したBスコープは、複数の受信素子の欠陥エコー、例えば欠陥エコーFE2、FE5及びFE3、FE6、FE9並びにFE4、FE7、FE10がそれぞれ等しい走行時間で受信されることを示す。例えば欠陥エコーFE2とFE5及び欠陥エコーFEとFE6の走行時間が等しいことを図3に基づいて説明する。
【0035】
図3には図1に基づく構成が示され、信号経路aないしiのごく概要が示されている。鋼板の厚さをsで、被検体12の内部の音波経路をtで示す。
【0036】
欠陥エコーFE2の走行時間は区間d+2t+e、欠陥エコーFE5の走行時間は区間又は走行時間e+2t+dからなり、それぞれ同じ走行時間をなすことが明らかである。欠陥エコーFE3と欠陥エコーFE6の走行時間も同じであるが、これは異なる受信素子で受信されることを指摘しておこう。
【0037】
受信素子ELXが受信した信号の振幅と時間の関係を示すこともできる。当該の図(Aスコープないしスキャン)を図4に示す。この場合個々のエコーOE、即ちFE1ないしFE4が種々の走行時間での振幅の振れとして示されている。本発明に基づく方法によれば同じ走行時間で受信された信号、例えばFE2、FE5及びFE3、FE6、FE9又はFE4、FE7、FE10の振幅値が走行時間に沿って加算され、図5に時間に関して示した信号が得られる。この信号は被検体12の欠陥20に関する情報を、1桁の範囲の振幅増加により極めて明瞭に特徴づける。
【0038】
種々の素子ELX、ELX1又はELX2によって受信された欠陥エコーは同じ走行時間を有するから、振幅値が加算され、和信号が増大する。図4のAスコープに含まれる雑音信号は確率的に互いに打ち消し合うから、信号雑音比が改善される。
【0039】
図6は管の周囲に沿って配置された試験ヘッド26、28による管壁24の無破壊試験のための測定構造22を示す。試験ヘッド26、28は管24の表面に整合する適当に湾曲した表面30、32を有し、送受信素子EL1ないしELN(Nは例えば128である)の各素子を送信器としても、受信器としても操作することができる。素子の空間的広がりは使用する超音波周波数fに合わせて調整される。周波数fは0.2MHz≦f≦20MHz、とりわけf=6MHzである。
【0040】
試験ヘッド26、28はフェイズドアレイ・トランスデューサとも呼ばれ、データ回線34、36を介してそれぞれ第1の信号処理装置38、40に接続される。信号処理装置38、40は試験ヘッド26、28の送受信素子ELを制御し、受信した信号を増幅し、デジタル化する。信号処理装置38、40は例えばFSL(Fast Serial Link「高速直列リンク」)として形成されたデータ回線42、44を介してそれぞれ信号評価装置46、48に接続される。また回路装置は外部パソコン52との接続のためのインタフェース50並びに装置46及び48の情報の処理及び評価(選別、マーキング)のためのマイクロプロセッサ54を含む。
【0041】
図7は図6の回路装置22の部品の詳しいブロック構成図を示す。信号処理装置38は、本例で128個の素子からなる送受信素子EL1−EL128の制御のためのパルス発生器PEを備えている。その場合送信素子は固定的時間パターン(位相整合)に従って制御される。続いて受信素子が同時受信に切換えられ、受信したアナログ信号は次にマルチプレクサMUXを介して適当なアナログ・デジタル変換器AD、本例では32個のアナログ・デジタル変換器に送られる。受信したアナログ信号はアナログ・デジタル変換器ADによってデジタル化され、記憶素子SPにいわゆるA表示又はAスコープとして保存される。記憶素子SPに保存された図4の例えば32個のAスコープは、次に加算素子SUMで本発明に基づき振幅値の位相同期加算により走行時間に沿って加算され、図5に示すAスコープとなる。その場合最大振幅が加算されるから、欠陥がはっきり浮かび上がり、雑音信号が互いに相殺されるという利点が生じる。
【0042】
こうして加算素子SUMの出力に、図5に示す信号がAスコープとして与えられる。この信号はインタフェースIを経て、同じくインタフェースIを有する別の信号評価装置46に送られる。次に信号評価装置46では、さらに信号処理を行うために、Bスコープが単数又は複数の評価ユニットF1、F2に送られる。回路ユニット38、46の個々の部品の制御はデジタル信号処理装置DSPによって行なわれる。デジタル信号処理装置DSPはバスカップラBK及びインタフェース50を介してパソコン52及びマイクロプロセッサ54に接続される。信号処理の結果は映像スクリーンに表示される。
【0043】
アナログ・デジタル変換器AD1−AD32に印加される信号を記憶する前にデータ整理を行うために、この信号を記憶の前に濾波し、とりわけウェーブレット・フィルタで濾波するように構成することができる。
【0044】
以上述べた方法は一般に被検体の欠陥の迅速かつ効果的な認識のために利用される。同じ走行時間に沿った振幅値の加算で欠陥の場所情報が失われるから、外側欠陥の認識を可能にするために、別の処置が必要である。このために超音波の照射の際に被検体の欠陥から反射される点状波信号を評価することを提案する。
【0045】
図8は外側表面56に欠陥AFを有する管24に音波を照射したときの音波経路のごく概要を示す。図9は内側表面58に欠陥IFを有する管24に音波を照射したときの音波経路を示す。図8の外側欠陥AFから出る点状波信号も図2に示したBスコープで、即ち欠陥エコーFE1ないしFE4及びその干渉じまとして認識することができる。外側欠陥の認識のために「斜め」加算、即ち所定の走行時間沿いでなく、受信される振幅値の干渉じまに垂直又はほぼ垂直に加算を行うことができるから、外側欠陥AFについての指示を含む最大振幅がこの方向に生じる。
【0046】
内側欠陥があるか、外側欠陥があるかについて言明するために、一致法により例えば評価ユニットF1、F2の1つで同じ走行時間の振幅値の和信号と、点状波信号から受信した振幅値の干渉じまに垂直又はほぼ垂直の方向の振幅値の和信号との評価を行ない、2つの信号が1つの欠陥を示すならば、外側欠陥が存在する。ところが走行時間に沿った振幅値の位相同期加算で欠陥が認識されるが、干渉じまに垂直又はほぼ垂直な振幅値加算で欠陥が検出されないときは、内側欠陥が存在する。
【0047】
本発明に基づく方法の特別な利点として、欠陥の評価のために得られる信号が先行技術に比して改善された信号雑音比を有し、従って自動的に評価するのに好都合であることに触れなければならない。フェイズドアレイ方式の試験ヘッドを使用した被検体の平面音波照射、即ち波面の同時送出及び信号の同時読み取りによって、先行技術で周知の逐次方式による方法と比較して、大きな時間的利点が得られる。
【0048】
また位相同期加算によってデータ整理が行われるから、その後の信号処理も速められ、簡素化される。
【0049】
図10の(a)は、構造が上記の試験ヘッド14に相当する試験ヘッド60の概略図を示す。送信素子が張る平面と平行又はおおむね平行な波面64が試験ヘッド60から送出される。波面64は輪郭、例えば辺縁部、屈曲部又は湾曲部を有する被検体66に入射する。本例では被検体66は第2の面70に対して角αで広がる面68を有する。
【0050】
被検体60の輪郭の決定のために、表面68、70から反射された波を受信してデジタル化し、図7の回路配列に従って記憶素子SPに記憶する。次に被検体66の基準点の所定の間隔A及び検出され記憶された信号走行時間に基づき、被検体66の輪郭を算出することができる。被検体66の輪郭におおむね相当する当該の干渉じま(Bスコープ)72を図10の(b)に示す。
【0051】
次に被検体66の計算された輪郭から出発して、本来の測定過程で試験ヘッド60から出る波面74が被検体60の輪郭即ち表面68、70と平行又はおおむね平行になるように、送信素子EL1−ELNを時間的にずらせて駆動する。その波面の概要図を図11の(a)に示す。被検体66から反射された波も時間的にずらせて受信され、こうして受信された信号から図11の(b)に示す干渉じま76が生じる。その波面は1つの平面にある。
【0052】
この干渉じまのデータから欠陥を簡単に発見することができる。
【0053】
被検体の変化する輪郭への適応を可能にするために、受信された干渉じま76を基準パターンと比較し、受信された干渉じま76が基準パターンと異なるときは、再度の輪郭測定を行って以後の測定の基礎とするために、−測定過程中も−試験ヘッド60から例えば平坦な波面64を被検体66に向けて放出することによって、被検体66の現在の輪郭が再び検出されるように構成する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】試験ヘッド(フェイズドアレイ・トランスデューサ)から出て媒質例えば水を経て被検体例えば鋼板に至る波面の概略図を示す。
【図2】試験ヘッドの個々の受信素子EL1−ELNによって受信され、種々の走行時間を有する振幅の振幅値の図を示す(典型的なBスコープ)。
【図3】図1の超音波波面の特定の音波経路の図を示す。
【図4】図2の個々の受信素子ELXの振幅の経過と走行時間の関係図を示す。
【図5】欠陥の評価のための種々の受信素子の等走行時間振幅値の和の振幅曲線図を示す。
【図6】管の無破壊試験のための基本的測定構造を示す。
【図7】受信した信号の処理のための回路装置のブロック構成概略図を示す。
【図8】外側表面にある欠陥への音波経路の原理図を示す。
【図9】内側表面にある欠陥への音波経路の原理図を示す。
【図10】被検体の輪郭の決定のための、試験ヘッドから出る波面の概略図を(a)に示すとともに被検体の輪郭の受信干渉じま(Bスコープ)の概略図を(b)に示す。
【図11】試験ヘッドから出て、被検体の輪郭の表面と平行又はおおむね平行に広がる波面の概略図を(a)に示すとともに欠陥の簡単な評価のための、おおむね平坦な干渉じまの概略図を(b)に示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体(12、24)例えば管又は板の無破壊試験で被検体(12、24)の構造の欠陥(20、AF)の超音波反射によって生じる信号の処理のための、下記の手順:
−多数の独立の送信素子(EL1−ELN)による被検体(12、24)の少なくとも1つの被検部分への全波面の送出、
−被検体の構造から反射された波の多数の互いに独立の受信素子(EL1−ELN)による受信、
−受信素子(EL1−ELN)が受信した信号のデジタル化、
−デジタル化された信号の振幅及び走行時間の記憶素子(SP)への記憶
からなる方法において、記憶された振幅値の、走行時間に沿った位相同期加算により欠陥(20)を認識することを特徴とする方法。
【請求項2】
被検体(12、24)の外側表面(54)にある欠陥(外側欠陥)の認識のために、欠陥(20、AF)から出る点状波信号を評価することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
外側欠陥から出る点状波信号から導き出され、記憶ユニット(SP)に保存された振幅値を加算することによって、被検体(12、24)の外側の、即ち試験ヘッド(14、26、28)に面した表面にある欠陥(AF)が判明することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
外側欠陥(AF)の点状波の受信された振幅値の干渉じまに対して垂直又はおおむね垂直に加算が行われることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項5】
記憶された振幅値の走行時間沿いの位相同期加算で決定された和信号と、干渉じまの振幅値の加算で決定された和信号との比較によって外側欠陥(AF)が判明し、その際2つの和信号が1つの欠陥を指示すれば、外側欠陥(AF)が存在することを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の方法(一致法)。
【請求項6】
測定条件、例えば欠陥の種類、欠陥の大きさ、材料の種類、材料の形状に適応した入射角αの整定のために、個々の送信素子(EL1−ELN)を時間的にずらせて駆動することを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の方法(位相整合)。
【請求項7】
欠陥部位の決定のために、加算で決定された和信号を走行時間に応じて振幅補正することを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項8】
受信した信号をデジタル化の後にデータ整理のために濾波し、とりわけウェーブレット・フィルタで濾波することを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項9】
被検体(12、24)の表面(68、70)の輪郭を検出して記憶し、送出される波面(74)が被検体(66)の表面(68、70)の輪郭に平行又はほぼ平行であるように、独立の送信素子(EL1−ELN)を時間的にずらせて駆動し、被検体(66)から反射された波が時間的にずらせて受信され、おおむね平坦な干渉じま(76)を生じることを特徴とする上記請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
被検体(12、24、)の構造の欠陥(20、AF)の超音波反射によって発生する信号波を処理することによる被検体(12、24、66)の輪郭の無破壊試験のための、下記の手順:
−多数の独立の送信素子(EL1−ELN)による被検体(12、24、66)の少なくとも1つの被検輪郭への全波面の送出、
−被検体の構造から反射された波の多数の互いに独立な受信素子(EL1−ELN)による受信、
−受信素子(EL1−ELN)が受信した信号のデジタル化、
−デジタル化された信号の振幅及び走行時間の記憶素子(SP)への記憶
からなる方法において、被検体(12、24、66)の表面(68、70)の輪郭を検出して記憶し、送出される波面(74)が被検体(66)の表面(68、70)の輪郭に平行又はほぼ平行になるように、独立の送信素子(EL1−ELN)を時間的にずらせて駆動し、被検体(66)から反射された波が時間的にずらせて受信され、おおむね平坦な干渉じま(76)を生じることを特徴とする方法。
【請求項11】
例えば平坦な波面(64)を被検輪郭に向けて送出することによって、被検体(66)の輪郭を検出し、被検体(66)の輪郭から反射された波を多数の互いに独立な受信素子(EL1−ELN)によって受信し、デジタル化し、デジタル化された信号を少なくとも走行時間の後に記憶素子(SP)に記憶し、試験ヘッドと被検体(66)の所定の間隔(A)及び受信した信号の種々の走行時間から被検体の輪郭を計算することを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項12】
受信信号から決定された干渉じま(76)と基準パターンとを比較し、基準パターンと異なるときは再度の輪郭測定を行うことを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項13】
被検体の輪郭の再決定を測定過程の間に行うことを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項14】
音響パルスを時間的にずらせて送出することによって、被検体(66)の輪郭と平行又はおおむね平行な波面(74)を生じることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項15】
互いに独立な受信素子(EL1−ELN)を記憶装置に保存された輪郭値に応じて時間的にずらせて駆動することによって、平坦な受信干渉じま(76)を受信することを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項16】
全波面を送出する送受信素子(EL1−ELN)の駆動及び送受信素子(EL1−ELN)の受信への切換えのためのパルス発生器(PE)を有する信号検出装置(38)を具備し、受信素子に印加されるアナログ信号をアナログ・デジタル変換器(AD1−ADN)に送るマルチプレクサ(MUX)が設けられ、その出力がデジタル化信号の記憶のための記憶素子(SP)に接続されている、被検体例えば管、板の無破壊試験で被検体の構造の欠陥の超音波反射によって生じる信号の処理のための回路装置(22)において、デジタル化した信号の振幅と走行時間が記憶素子(SP)に記憶され、記憶素子(SP)に保存された振幅値の位相同期加算のための加算素子(SUM)が記憶素子(SP)に後置され、欠陥に関して評価可能な信号が加算回路(SUM)の出力に現れることを特徴とする回路装置。
【請求項17】
加算素子(SUM)の出力がとりわけインタフェースIを介して評価回路(46)に接続され、評価回路(46)で加算回路(SUM)の出力が信号処理回路(46)と結合され、加算素子(SUM)がその出力に現れる信号の再評価及び評価のための単数又は複数の評価ユニット(F1、F2)を有することを特徴とする請求項16に記載の回路装置。
【請求項18】
評価ユニット(F1、F2)が振幅値の走行時間沿いの位相同期加算の和信号と、外側欠陥の点状波信号の振幅値の加算の和信号との比較のための一致回路を有することを特徴とする請求項16又は17に記載の回路装置。
【請求項19】
試験ヘッド(14、26、28)がフェイズドアレイ・トランスデューサーとして形成されていることを特徴とする請求項16ないし18に記載の回路装置。
【請求項20】
送受信素子(EL1−ELN)が同時に又は移相して(位相整合)駆動されることを特徴とする請求項16ないし19に記載の回路装置。
【請求項21】
送受信素子(EL1−ELN)が1つのユニットとして形成されていることを特徴とする請求項16ないし20に記載の回路装置。
【請求項22】
送信素子と受信素子が別個のユニットとして形成されていることを特徴とする請求項16ないし21に記載の回路装置。
【請求項1】
被検体(12、24)例えば管又は板の無破壊試験で被検体(12、24)の構造の欠陥(20、AF)の超音波反射によって生じる信号の処理のための、下記の手順:
−多数の独立の送信素子(EL1−ELN)による被検体(12、24)の少なくとも1つの被検部分への全波面の送出、
−被検体の構造から反射された波の多数の互いに独立の受信素子(EL1−ELN)による受信、
−受信素子(EL1−ELN)が受信した信号のデジタル化、
−デジタル化された信号の振幅及び走行時間の記憶素子(SP)への記憶
からなる方法において、記憶された振幅値の、走行時間に沿った位相同期加算により欠陥(20)を認識することを特徴とする方法。
【請求項2】
被検体(12、24)の外側表面(54)にある欠陥(外側欠陥)の認識のために、欠陥(20、AF)から出る点状波信号を評価することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
外側欠陥から出る点状波信号から導き出され、記憶ユニット(SP)に保存された振幅値を加算することによって、被検体(12、24)の外側の、即ち試験ヘッド(14、26、28)に面した表面にある欠陥(AF)が判明することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
外側欠陥(AF)の点状波の受信された振幅値の干渉じまに対して垂直又はおおむね垂直に加算が行われることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項5】
記憶された振幅値の走行時間沿いの位相同期加算で決定された和信号と、干渉じまの振幅値の加算で決定された和信号との比較によって外側欠陥(AF)が判明し、その際2つの和信号が1つの欠陥を指示すれば、外側欠陥(AF)が存在することを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の方法(一致法)。
【請求項6】
測定条件、例えば欠陥の種類、欠陥の大きさ、材料の種類、材料の形状に適応した入射角αの整定のために、個々の送信素子(EL1−ELN)を時間的にずらせて駆動することを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の方法(位相整合)。
【請求項7】
欠陥部位の決定のために、加算で決定された和信号を走行時間に応じて振幅補正することを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項8】
受信した信号をデジタル化の後にデータ整理のために濾波し、とりわけウェーブレット・フィルタで濾波することを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項9】
被検体(12、24)の表面(68、70)の輪郭を検出して記憶し、送出される波面(74)が被検体(66)の表面(68、70)の輪郭に平行又はほぼ平行であるように、独立の送信素子(EL1−ELN)を時間的にずらせて駆動し、被検体(66)から反射された波が時間的にずらせて受信され、おおむね平坦な干渉じま(76)を生じることを特徴とする上記請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
被検体(12、24、)の構造の欠陥(20、AF)の超音波反射によって発生する信号波を処理することによる被検体(12、24、66)の輪郭の無破壊試験のための、下記の手順:
−多数の独立の送信素子(EL1−ELN)による被検体(12、24、66)の少なくとも1つの被検輪郭への全波面の送出、
−被検体の構造から反射された波の多数の互いに独立な受信素子(EL1−ELN)による受信、
−受信素子(EL1−ELN)が受信した信号のデジタル化、
−デジタル化された信号の振幅及び走行時間の記憶素子(SP)への記憶
からなる方法において、被検体(12、24、66)の表面(68、70)の輪郭を検出して記憶し、送出される波面(74)が被検体(66)の表面(68、70)の輪郭に平行又はほぼ平行になるように、独立の送信素子(EL1−ELN)を時間的にずらせて駆動し、被検体(66)から反射された波が時間的にずらせて受信され、おおむね平坦な干渉じま(76)を生じることを特徴とする方法。
【請求項11】
例えば平坦な波面(64)を被検輪郭に向けて送出することによって、被検体(66)の輪郭を検出し、被検体(66)の輪郭から反射された波を多数の互いに独立な受信素子(EL1−ELN)によって受信し、デジタル化し、デジタル化された信号を少なくとも走行時間の後に記憶素子(SP)に記憶し、試験ヘッドと被検体(66)の所定の間隔(A)及び受信した信号の種々の走行時間から被検体の輪郭を計算することを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項12】
受信信号から決定された干渉じま(76)と基準パターンとを比較し、基準パターンと異なるときは再度の輪郭測定を行うことを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項13】
被検体の輪郭の再決定を測定過程の間に行うことを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項14】
音響パルスを時間的にずらせて送出することによって、被検体(66)の輪郭と平行又はおおむね平行な波面(74)を生じることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項15】
互いに独立な受信素子(EL1−ELN)を記憶装置に保存された輪郭値に応じて時間的にずらせて駆動することによって、平坦な受信干渉じま(76)を受信することを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項16】
全波面を送出する送受信素子(EL1−ELN)の駆動及び送受信素子(EL1−ELN)の受信への切換えのためのパルス発生器(PE)を有する信号検出装置(38)を具備し、受信素子に印加されるアナログ信号をアナログ・デジタル変換器(AD1−ADN)に送るマルチプレクサ(MUX)が設けられ、その出力がデジタル化信号の記憶のための記憶素子(SP)に接続されている、被検体例えば管、板の無破壊試験で被検体の構造の欠陥の超音波反射によって生じる信号の処理のための回路装置(22)において、デジタル化した信号の振幅と走行時間が記憶素子(SP)に記憶され、記憶素子(SP)に保存された振幅値の位相同期加算のための加算素子(SUM)が記憶素子(SP)に後置され、欠陥に関して評価可能な信号が加算回路(SUM)の出力に現れることを特徴とする回路装置。
【請求項17】
加算素子(SUM)の出力がとりわけインタフェースIを介して評価回路(46)に接続され、評価回路(46)で加算回路(SUM)の出力が信号処理回路(46)と結合され、加算素子(SUM)がその出力に現れる信号の再評価及び評価のための単数又は複数の評価ユニット(F1、F2)を有することを特徴とする請求項16に記載の回路装置。
【請求項18】
評価ユニット(F1、F2)が振幅値の走行時間沿いの位相同期加算の和信号と、外側欠陥の点状波信号の振幅値の加算の和信号との比較のための一致回路を有することを特徴とする請求項16又は17に記載の回路装置。
【請求項19】
試験ヘッド(14、26、28)がフェイズドアレイ・トランスデューサーとして形成されていることを特徴とする請求項16ないし18に記載の回路装置。
【請求項20】
送受信素子(EL1−ELN)が同時に又は移相して(位相整合)駆動されることを特徴とする請求項16ないし19に記載の回路装置。
【請求項21】
送受信素子(EL1−ELN)が1つのユニットとして形成されていることを特徴とする請求項16ないし20に記載の回路装置。
【請求項22】
送信素子と受信素子が別個のユニットとして形成されていることを特徴とする請求項16ないし21に記載の回路装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2007−500340(P2007−500340A)
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521466(P2006−521466)
【出願日】平成16年7月19日(2004.7.19)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008048
【国際公開番号】WO2005/012941
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(506031052)ゲーイー・インスペクチオン・テクノロジーズ・ゲーエムベーハー (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月19日(2004.7.19)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008048
【国際公開番号】WO2005/012941
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(506031052)ゲーイー・インスペクチオン・テクノロジーズ・ゲーエムベーハー (2)
【Fターム(参考)】
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