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被検成分の定量方法、分析用デバイス、及び分析装置
説明

被検成分の定量方法、分析用デバイス、及び分析装置

【課題】チオール基を反応活性部位に有するデヒドロゲナーゼ酵素を用い、また検出色素としてテトラゾリウム塩化合物を用いることにより被検体に含まれる分析物を光学的に定量する方法において、ブランク値の上昇を抑制することのできる定量方法の提供。
【解決手段】分析すべき被検体に含有される被検成分と、その被検成分に対する特異性を有し、かつ反応部位にチオール基を有するデヒドロゲナーゼと、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)と、ジアホラーゼと、テトラゾリウム塩と、バッファーとを含む酵素反応系により生成されるホルマザン色素濃度を光学的に測定して、前記被検体に含有される被検成分を定量する被検成分の定量方法であって、前記バッファーは、第2級、または第3級アミンを有する化合物からなるバッファーであるTricine、Bicine、TAPS、TAPSOのうちの少なくとも1つであるもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体の特定の成分に特異性を有する反応活性部位にチオール基を有するデヒドロゲナーゼとテトラゾリウム塩化合物との酵素反応系を用いた被検成分の定量方法、該定量方法で使用する分析用デバイス、及び分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、1台の装置により血液等の生物学的試料と分析試薬とを反応させ、生物学的試料中の様々な成分を定量可能な大型の自動分析装置が実用化されており、医療分野においては無くてはならない存在となっている。しかしながら、すべての病院においてそのような装置が導入されているわけではなく、特に診療所等の小規模な医療機関においては、運用コスト等の様々な理由により、試料の分析を外部委託するという形態をとる病院も少なくない。分析を外部委託する形態をとる場合、分析結果を得るまでに時間を要し、その結果、患者は検査結果に基づく適切な治療を受けるために、必然的に再来院を余儀なくされるという不便さや、急患等の緊急を要する場合の迅速対応が難しい等の問題がある。そのような背景の中、近年市場からは、低コスト、試料液の少量化、装置の小型化、短時間測定など、より高精度で、運用の自由度が高い分析装置(POCT)の登場が望まれている。
【0003】
このようなPOCT機器の特徴として、検体を希釈しない、あるいは低希釈での測定が必要な条件として要求される。大型の自動分析装置は、多くの場合、酸素を触媒とするオキシダーゼ酵素を用いた反応系を用いているが、POCT機器においては、測定用のセンサが空気中の酸素を取り込みにくい仕組みになっているため、特に被検体が高濃度である場合、酸素不足を起こしてしまい、高濃度の被検体においては十分な感度が得られないことがある。そこで酸素を必要としないデヒドロゲナーゼ酵素を用いることで酸素不足の問題は解決する。しかし、デヒドロゲナーゼ酵素の反応系でNADHを用いて定量する方法では、NADHの吸収波長が紫外光340nmで検出するため、光源のサイズが大きくなってしまい、装置の肥大化および高コスト化してしまい、POCT機器の長所がなくなってしまう。
【0004】
そこで、NADHからジアホラーゼのような電子伝達物質を介して、テトラゾリウム塩をホルマザン色素に変換する反応系を追加することで、可視光での検出が可能となり、LEDなどの安価で小さいサイズの光源を用いることができ、POCT機器として非常に有用な反応系といえる。
【0005】
一般に、多くの臨床化学検査において、生物学的試料中の任意の物質を定量する場合、上述のように、希釈された生物学的試料を、所定の測定試薬と反応させ、その反応結果を光学的に検出する方法が広く用いられている。具体的には、測定試薬として、呈色効果させる効果がある呈色色素が使用されるのであるが、この呈色色素の呈色強度は、一般に測定する被検体の濃度と相関関係にある。その呈色色素の中でもテトラゾリウム塩化合物は酸化還元電位が低く、還元されるとホルマザン化合物を生じ橙色〜青色を呈するので、特に、デヒドロゲナーゼの酵素反応系の測定用試薬として適しており、広く用いられている。
【0006】
本願発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、コレステロールの検出方法としてコレステロールデヒドロゲナーゼ、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、ジアホラーゼ、およびテトラゾリウム塩を用いた反応系が非特許文献1の中で紹介されている。図7に示すように、コレステロールデヒドロゲナーゼがコレステロールをコレステノンに分解し、その分解反応に応じて、NAD+をNADHに還元する。このNADHはジアホラーゼを触媒酵素とし、テトラゾリウム塩を還元し、生成されたホルマザン色素が青色に呈色し、このホルマザン色素の吸光度を測定することで、コレステロール量を定量することができる。
【0007】
また、特許文献1において、コレステロール定量法のより詳細な先行技術文献情報が示されている。図8に示すように、コレステロールの検出方法としてコレステロールデヒドロゲナーゼ、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、フェナジンメトサルフェート、テトラゾリウム塩を用いた反応系が公開されている。ここで用いているフェナジンメトサルフェートは非特許文献1のジアホラーゼと同様の働きを示す電子伝達物質である。
【0008】
前記手法において生物学的試料中の任意の物質を精度良く定量する場合、前記ホルマザンの呈色度を正確に知ることは、高精度に分析を行うという点で非常に重要な要素となる。
【非特許文献1】Clinical Chemistry,Vol.29,No.6,1983
【特許文献1】特開平8−86782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、還元される前のテトラゾリウム塩は、一般的に単独で水溶液中に存在する際は安定であるが、水溶液中に、チオール基を有する化合物などの還元物質等が存在すると不安定化し、時間が経過すると徐々に着色してしまう欠点が存在していた。
【0010】
また、NAD+からNADHを生成する反応は可逆反応であり、この可逆反応の平衡状態をNADH生成側に偏った状態を安定に維持するためのpHの領域が、中性からアルカリ性領域であるため、NAD+を補酵素とするデヒドロゲナーゼの最適なpHはほとんどがアルカリ性である。このアルカリ性のpHは、テトラゾリウム塩を不安定化する要因の1つであり、還元物質と共存することで時間経過による自然着色はより促進されてしまう。つまり、生成されたホルマザン色素の吸光度を測定することでは、正確な測定結果が得られないという問題を有していた。
【0011】
前記チオール基(−SH基)を有する化合物を含んだ酵素反応系として、例えば、非特許文献1において、コレステロールデヒドロゲナーゼを用いた反応系が紹介されている。この反応系では、図7に示すように、基質であるコレステロールを、コレステロールデヒドロゲナーゼによってコレステノンに分解する。その際、コレステロールデヒドロゲナーゼの補酵素であるNAD+がNADHに酸化される。このNADHと電子受容体であるテトラゾリウム塩とが存在する状態で、NADHと特異的に反応するジアホラーゼによってNADHを還元し、同時にテトラゾリウム塩が酸化されホルマザン色素となり、比色定量が可能となる。
【0012】
しかしながら、非特許文献1の中で用いられているコレステロールデヒドロゲナーゼは反応活性部位がチオール基(−SH基)であり、このチオール基はテトラゾリウム塩を不安定化させる性質を持っている。また、コレステロールデヒドロゲナーゼの至適pHがアルカリ性であるため、このアルカリ性pHがテトラゾリウム塩の不安定性を促進させる。それにより、テトラゾリウム塩が主反応とはまったく無関係な反応によってホルマザン化合物に変換し、反応液を着色してしまい、ブランク値が上昇することで測定結果に誤差が生じてしまうという課題を有していた。
【0013】
また、特許文献1においても、コレステロールデヒドロゲナーゼを用いた反応系が紹介されている。図8に示すように、この特許文献1においては非特許文献1のジアホラーゼに代わってフェナジンメトサルフェートという化合物を用いているが、基本的な反応系における働きはジアホラーゼと同じである。この場合も、コレステロールデヒドロゲナーゼは反応活性部位にチオール基(−SH基)を有しているので、このチオール基により、テトラゾリウム塩を不安定化させる性質を持っているので、生成されるホルマザン色素のブランク値を上昇させてしまい、測定結果に誤差が生じてしまうという課題を有していた。さらに、特許文献1の中で用いられているバッファーはトリスヒドロキシアミノメタン塩酸塩であり、このバッファーは、ブランクの上昇をより促進させるという性質があることがわかっている。
【0014】
このように、テトラゾリウム塩の不安定性が原因によって、主反応とは異なったテトラゾリウム塩のホルマザン化合物への変換が反応液を着色し、ホルマザンの反応液のブランク値を上昇させてしまうので、例え、反応液の吸光度を正確に検出できたとしても、測定結果にどうしても誤差が生じてしまう。
【0015】
また、理論上生物学的試料の作用を全く受けない反応環境にすればよいが、デヒドロゲナーゼ酵素の至適pHがアルカリ性であることと、および被検体に特異的に作用するデヒドロゲナーゼ酵素の反応活性部位がチオール基であるという性質上、単に、至適pHを酸性から中性にするだけでは、主反応の活性低下が生じさせることになり、また酵素自体が決まった被検体に特異的に作用するという性質上、酵素に関しても代替物がないということになり、反応環境だけを変えることは難しい状況にある。
【0016】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、反応活性部位にチオール基を有するデヒドロゲナーゼによるテトラゾリウム塩の不安定化を抑制し、これによりテトラゾリウム塩の自然着色による呈色を抑制可能にすることで、生物学的試料中の定量すべき成分の測定結果の誤差を最小限に抑えることのできる被検物の定量方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る被検成分の定量方法は、分析すべき被検体に含有される被検成分と、その被検成分に対する特異性を有し、かつ反応部位にチオール基を有するデヒドロゲナーゼと、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)と、ジアホラーゼと、テトラゾリウム塩と、バッファーとを含む酵素反応系により生成されるホルマザン色素濃度を光学的に測定して、前記被検体に含有される被検成分を定量する被検成分の定量方法であって、前記バッファーは、第2級、または第3級アミンを有する化合物からなるバッファーであるTricine、Bicine、TAPS、TAPSOのうちの少なくとも1つである、ことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項2に係る被検成分の定量方法は、請求項1に記載の被検成分の定量方法において、前記被検体と、前記デヒドロゲナーゼと、前記ジアホラーゼと、前記バッファーとを混合する第1混合工程と、前記第1混合工程で調整された検体溶液と、前記NAD+とを混合する第2混合工程と、前記第2混合工程で調整された検体溶液と、前記テトラゾリウム塩とを混合する第3混合工程と、前記第3混合工程で調整された検体溶液に含まれるホルマザン色素濃度を光学的に測定する測定工程と、を有することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項3に係る被検成分の定量方法は、請求項1に記載の被検成分の定量方法において、前記被検体と、前記デヒドロゲナーゼと、前記ジアホラーゼと、前記バッファーと、前記NAD+とを混合する第4混合工程と、前記第4混合工程で調整された検体溶液と、前記テトラゾリウム塩とを混合する第5混合工程と、前記第5混合工程で調整された検体溶液に含まれるホルマザン色素濃度を光学的に測定する測定工程と、を有することを特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項4に係る被検成分の定量方法は、請求項1に記載の被検成分の定量方法において、前記被検体と、前記デヒドロゲナーゼと、前記ジアホラーゼと、前記バッファーとを混合する第1混合工程と、前記第1混合工程で調整された検体溶液と、前記NAD+と、前記テトラゾリウム塩とを混合する第6混合工程と、前記第6混合工程で調整された検体溶液に含まれるホルマザン色素濃度を光学的に測定する測定工程と、を有することを特徴とする。
【0021】
また、本発明の請求項5に係る被検成分の定量方法は、請求項1に記載の被検成分の定量方法において、前記被検体と、前記デヒドロゲナーゼと、前記ジアホラーゼと、前記バッファーと、前記NAD+と、前記テトラゾリウム塩とを混合する第7混合工程と、前記第7混合工程で調整された検体溶液に含まれるホルマザン色素濃度を光学的に測定する測定工程と、を有することを特徴とする。
【0022】
また、本発明の請求項6に係る被検成分の定量方法は、請求項1ないし5のいずれかに記載の被検成分の定量方法において、前記バッファー、前記デヒドロゲナーゼ、前記ジアホラーゼ、前記NAD+、及び前記テトラゾリウム塩は乾燥試薬であり、前記被検体を含有する被検体溶液によりそれぞれ溶解される、ことを特徴とする。
【0023】
また、本発明の請求項7に係る被検成分の定量方法は、請求項2に記載の被検成分の定量方法において、前記第1混合工程は、前記バッファー、前記デヒドロゲナーゼ、及び前記ジアホラーゼをあらかじめ混合したバッファー溶液と、前記被検体とを混合する、ことを特徴とする。
【0024】
また、本発明の請求項8に係る被検成分の定量方法は、請求項4に記載の被検成分の定量方法において、前記第6混合工程は、前記NAD+と、前記テトラゾリウム塩とをあらかじめ混合したテトラゾリウム塩溶液と、前記第1混合工程で調整された検体溶液とを混合する、ことを特徴とする。
【0025】
また、本発明の請求項9に係る被検成分の定量方法は、請求項3に記載の被検成分の定量方法において、前記第4混合工程は、前記デヒドロゲナーゼ、前記ジアホラーゼ、前記バッファー、及び前記NAD+をあらかじめ混合した第2のバッファー溶液と、前記被検体とを混合する、ことを特徴とする。
【0026】
また、本発明の請求項10に係る被検成分の定量方法は、請求項4に記載の被検成分の定量方法において、前記第1混合工程は、前記バッファー、前記デヒドロゲナーゼ、及び前記ジアホラーゼを混合したバッファー溶液を自然乾燥させたバッファー試薬を、前記被検体を含む検体溶液に溶解するものであり、前記第6工程は、前記NAD+と、前記テトラゾリウム塩とを混合したテトラゾリウム塩溶液を自然乾燥させたテトラゾリウム塩試薬を、前記第1混合工程で調整された検体溶液に溶解する、ことを特徴とする。
【0027】
また、本発明の請求項11に係る被検成分の定量方法は、請求項5に記載の被検成分の定量方法において、前記第7工程は、前記バッファー、前記デヒドロゲナーゼ、及び前記ジアホラーゼを混合した第1のバッファー溶液を自然乾燥させたバッファー試薬と、前記NAD+と、前記テトラゾリウム塩とを混合したテトラゾリウム塩溶液を自然乾燥させたテトラゾリウム塩試薬とを、前記被検体を含む検体溶液に同時に溶解する、ことを特徴とする。
【0028】
また、本発明の請求項12に係る被検成分の定量方法は、請求項10または11に記載の被検成分の定量方法において、前記バッファー試薬、及び前記テトラゾリウム塩試薬は、凍結乾燥により作成されたものである、ことを特徴とする。
【0029】
また、本発明の請求項13に係る被検成分の定量方法は、請求項1に記載の被検成分の定量方法において、Tricine化合物のモル濃度は、0.l〜0.5Mである、ことを特徴とする。
【0030】
また、本発明の請求項14に係る被検成分の定量方法は、請求項1に記載の被検成分の定量方法において、Bicine化合物のモル濃度は、0.l〜0.5Mである、ことを特徴とする。
【0031】
また、本発明の請求項15に係る被検成分の定量方法は、請求項1に記載の被検成分の定量方法において、TAPS化合物のモル濃度は、0.l〜0.5Mである、ことを特徴とする。
【0032】
また、本発明の請求項16に係る被検成分の定量方法は、請求項1に記載の被検成分の定量方法において、TAPSO化合物のモル濃度は、0.l〜0.5Mである、ことを特徴とする。
【0033】
また、本発明の請求項17に係る被検成分の定量方法は、請求項1に記載の被検成分の定量方法において、前記酵素反応系のpHは、7.5〜8.5である、ことを特徴とする。
【0034】
また、本発明の請求項18に係る被検成分の定量方法は、請求項1に記載の被検成分の定量方法において、前記テトラゾリウム塩は水溶性である、ことを特徴とする。
【0035】
また、本発明の請求項19に係る被検成分の定量方法は、請求項1に記載の被検成分の定量方法において、前記テトラゾリウム塩は、WST−1、WST−3、WST−4、WST−8またはWST−9のいずれかである、ことを特徴とする。
【0036】
また、本発明の請求項20に係る被検成分の定量方法は、請求項1に記載の被検成分の定量方法において、前記被検成分はコレステロールであり、前記デヒドロゲナーゼはコレステロールデヒドロゲナーゼである、ことを特徴とする。
【0037】
また、本発明の請求項21に係る分析用デバイスは、分析すべき被検体が注入される注入口と、前記被検体に含有される被検成分を分析するための反応試薬を保持する複数の試薬収容室と、前記試薬収容室同士を連結する流路と、前記被検体と全ての前記反応試薬とが混合された反応液を収容する分析室と、を有する分析用デバイスにおいて、分析すべき被検体に含有される被検成分に対する特異性を有し、かつ反応部位にチオール基を有するデヒドロゲナーゼと、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)と、ジアホラーゼと、テトラゾリウム塩とが、前記反応試薬として前記複数の試薬収容室のいずれかに保持されており、第2級、または第3級アミンを有する化合物からなるバッファーである、Tricine、Bicine、TAPS、TAPSOのうちの少なくとも1つが、前記反応試薬のいずれかに含有されている、ことを特徴とする。
【0038】
また、本発明の請求項22に係る分析用デバイスは、請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、前記バッファーは、前記デヒドロゲナーゼに接触、または混合されている、ことを特徴とする。
【0039】
また、本発明の請求項23に係る分析用デバイスは、請求項21または22に記載の分析用デバイスにおいて、前記デヒドロゲナーゼと、前記ジアホラーゼとが混合された第1の反応試薬と、前記NAD+と、前記テトラゾリウム塩とが混合された第2の反応試薬とが、異なる前記試薬収容室にそれぞれ保持されている、ことを特徴とする。
【0040】
また、本発明の請求項24に係る分析用デバイスは、請求項22に記載の分析用デバイスにおいて、前記バッファーと前記デヒドロゲナーゼを保持する前記試料収容室は、前記テトラゾリウム塩を保持する試料収容室より上流側に位置し、前記バッファーと前記デヒドロゲナーゼは、前記テトラゾリウム塩よりも先に、前記被検体と混合されることを特徴とする。
【0041】
また、本発明の請求項25に係る分析用デバイスは、請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、前記バッファーと、前記デヒドロゲナーゼと、前記テトラゾリウム塩とが、同一の試薬収容室に保持されている、ことを特徴とする。
【0042】
また、本発明の請求項26に係る分析用デバイスは、請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、Tricine化合物のモル濃度は、0.l〜0.5Mである、ことを特徴とする。
【0043】
また、本発明の請求項27に係る分析用デバイスは、請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、Bicine化合物のモル濃度は、0.l〜0.5Mである、ことを特徴とする。
【0044】
また、本発明の請求項28に係る分析用デバイスは、請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、TAPS化合物のモル濃度は、0.l〜0.5Mである、ことを特徴とする。
【0045】
また、本発明の請求項29に係る分析用デバイスは、請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、TAPSO化合物のモル濃度は、0.l〜0.5Mである、ことを特徴とする。
【0046】
また、本発明の請求項30に係る分析用デバイスは、請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、当該分析用デバイス内の酵素反応系のpHが7.5〜8.5である、ことを特徴とする。
【0047】
また、本発明の請求項31に係る分析用デバイスは、請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、前記テトラゾリウム塩は水溶性である、ことを特徴とする。
【0048】
また、本発明の請求項32に係る分析用デバイスは、請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、前記テトラゾリウム塩は、WST−1、WST−3、WST−8またはWST−9のいずれかである、ことを特徴とする。
【0049】
また、本発明の請求項33に係る分析用デバイスは、請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、前記被検成分はコレステロールであり、前記デヒドロゲナーゼはコレステロールデヒドロゲナーゼである、ことを特徴とする。
【0050】
また、本発明の請求項34に係る分析用デバイスは、請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、前記デヒドロゲナーゼ、NAD+、ジアホラーゼ、及びテトラゾリウム塩は、溶液である、ことを特徴とする。
【0051】
また、本発明の請求項35に係る分析用デバイスは、請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、前記デヒドロゲナーゼ、NAD+、ジアホラーゼ、及びテトラゾリウム塩は、それぞれの液体試薬を自然乾燥させた反応試薬である、ことを特徴とする。
【0052】
また、本発明の請求項36に係る分析用デバイスは、請求項35に記載の分析用デバイスにおいて、前記反応試薬が、凍結乾燥させた反応試薬である、ことを特徴とする。
【0053】
また、本発明の請求項37に係る分析用デバイスは、請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、前記注入口から注入された前記被検体は、少なくとも、当該分析デバイスを所定の軸心周りに回転させることにより生じる遠心力、振動、及び前記流路に発生する毛細管力とにより、前記試料収容室まで移送され、反応試薬と混合される、ことを特徴とする。
【0054】
また、本発明の請求項38に係る分析装置は、分析すべき被検体が注入される注入口と、前記被検体に含有される被検成分を分析するための反応試薬を保持する複数の試薬収容室と、前記試薬収容室同士を連結する流路と、前記被検体と全ての前記反応試薬とが混合された反応液を収容する分析室とを有し、分析すべき被検体に含有される被検成分に対する特異性を有し、かつ反応部位にチオール基を有するデヒドロゲナーゼと、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)と、ジアホラーゼと、テトラゾリウム塩とが、前記複数の試薬収容室のいずれかに保持されており、第2級、または第3級アミンを有する化合物からなるバッファーである、Tricine、Bicine、TAPS、TAPSOのうちの少なくとも1つが、前記反応試薬のいずれかに含有されている分析用デバイス、が装着される分析装置であって、前記分析用デバイスを軸心回りに回転させる回転駆動手段と、前記分析用デバイスの前記分析室内にある前記被検成分を光学的に検知する光学的検知手段と、を備え、前記分析用デバイスを軸心回りに回転させて前記分析デバイス内の被検体に遠心力を加え、該遠心力と、前記流路に発生する毛細管力とにより、前記注入口より注入された前記被検体を、前記複数の試料収容室、及び前記分析室に移送し、前記分析室内の前記被検成分を、前記光学的検知手段により検知する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0055】
本発明によれば、分析すべき被検体に含有される被検成分と、その被検成分に対する特異性を有し、かつ反応部位にチオール基を有するデヒドロゲナーゼと、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)と、ジアホラーゼと、テトラゾリウム塩と、バッファーとを混合し、当該酵素反応系により生成されるホルマザン色素濃度を光学的に測定して、前記被検体に含有される被検成分を定量する被検成分の定量方法において、反応バッファーとして、Tricine,Bicine,TAPS,TAPSOのような第2級または、第3級のアミンを有する化合物の少なくともいずれかを用いることとしたので、前記酵素反応系において、反応活性部位にチオール基を有するデヒドロゲナーゼによるテトラゾリウム塩の不安定化を抑制し、テトラゾリウム塩の自然着色を抑制することが可能となる。この結果、測定結果の誤差を最小限に抑えることができ、従来の定量方法よりも高い精度で、生物学的試料中の定量すべき成分の正確な測定結果を導き出すことが可能となる。
【0056】
また、酵素反応系において、バッファー、デヒドロゲナーゼ、ジアホラーゼ、NAD+、及びテトラゾリウム塩のうち、所定の試薬同士を組み合わせてあらかじめ混合した反応試薬を用いることとしたので、反応試薬の数を少なくすることができ、これにより、酵素反応時の反応試薬の取り扱いのわずらわしさを解消できる。また、センサデバイスなどに試薬担持する際、試薬の担持面積を小さくできるので、前記センサデバイスの小型化が可能になる。
【0057】
また、前記バッファーの濃度を、0.1〜0.5Mの範囲とすることで、pHが中性またはアルカリ性であっても、テトラゾリウム塩のpHによる不安定化を最小限に抑えることができ、かつデヒドロゲナーゼの活性が低下するのを防止することができる。
【0058】
また、前記酵素反応系における好ましいpHの範囲を7.5〜8.5とすることで、より優れたブランク値の抑制効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
以下に、本発明の実施の形態であるテトラゾリウム塩を用いた被検体の測定方法について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
まず、本実施の形態1によるテトラゾリウム塩を用いた測定方法に使用する、被検体内の特定の成分濃度を測定するための試薬組成物、及び前記試薬組成物同士をあらかじめ組み合わせて混合した反応試薬について説明する。下記(1)〜(5)は、本実施の形態1で使用する、被検体内の特定の成分濃度を測定するための試薬組成物である。
【0060】
(1)テトラゾリウム塩
(2)ジアホラーゼ等の電子伝達物質
(3)コレステロールデヒドロゲナーゼのような反応活性部位にチオール基を有するデヒドロゲナーゼ
(4)NAD依存型のデヒドロゲナーゼの補酵素であるNAD+
(5)第2級、または第3級アミンを有する、Tricine、Bicine、TAPS、TAPSO等のバッファー
【0061】
これら(1)〜(5)の試薬組成物については、それぞれの試薬組成物が単独で、被検体と順次混合反応してもよいが、主反応である酵素反応が正しく行われる限りにおいては、あらかじめ所定の試薬組成物同士を組み合わせて混合した反応試薬を用いてもよいし、例えば後述するような分析用デバイスの酵素反応が行われる過程の中で、所定の試薬同士とを接触させるように混合させるようにしてもよい。
【0062】
前記試薬組成物の好ましい組み合わせの例を、図3を用いて説明する。図3は、上記試薬組成物の組み合わせに応じてた反応系a〜cを表したものであり、被検体と、各試薬組成物(1)〜(5)との反応の流れ、あるいは被検体と、前記試薬組成物同士をあらかじめ組み合わせて混合した反応試薬との反応の流れを示した図である。以下に、図3におけるa〜cの反応の流れの詳細を示す。
【0063】
a)第2級、または第3級アミンを有するTricine、Bicine、TAPS、TAPSO等のバッファー(5)と、ジアホラーゼ等の電子伝達物質(2)と、コレステロールデヒドロゲナーゼのような反応活性部位にチオール基を有するデヒドロゲナーゼ(3)と、NAD依存型のデヒドロゲナーゼの補酵素であるNAD+(4)とを、順次接触または混合し、その後テトラゾリウム塩(1)と混合させる。
【0064】
この場合、各試薬組成物を接触または混合する順番は問わない。また、接触または混合した各反応試薬は、この反応試薬が被検体によって完全に溶解されるまでは、その他の反応試薬とは被接触または混合しない。
【0065】
b)ジアホラーゼ等の電子伝達物質(2)と、コレステロールデヒドロゲナーゼのような反応活性部位にチオール基を有するデヒドロゲナーゼ(3)と、NAD依存型のデヒドロゲナーゼの補酵素であるNAD+(4)と、第2,3級アミンを有するTricine、Bicine、TAPS、TAPSOなどのバッファー(5)とがあらかじめ接触または混合した反応試薬(反応液A)を用いる。
【0066】
この場合、反応試薬(反応液A)が被検体によって完全に溶解された後、該検体溶液と、テトラゾリウム塩(1)とを混合させる。
【0067】
c)ジアホラーゼ等の電子伝達物質(2)と、コレステロールデヒドロゲナーゼのような反応活性部位にチオール基を有するデヒドロゲナーゼ(3)と、第2、3級アミンを有するTricine、Bicine、TAPS、TAPSOなどのバッファー(5)とがあらかじめ接触または混合した反応試薬(反応液B)と、テトラゾリウム塩(1)とNAD依存型のデヒドロゲナーゼの補酵素であるNAD+(4)とがあらかじめ接触または混合した反応試薬(反応液C)を用いる。
【0068】
この場合、反応試薬(反応液B)が被検体によって完全に溶解された後、該検体溶液と、テトラゾリウム塩(1)、及びNAD+(4)が接触または混合した反応試薬(反応液C)と、を混合させる構成にする。なお、図3cにおいては、反応液Cを使用するのではなく、反応液Bが被検体によって完全に溶解された後に、該被検溶液とNAD+(4)とを接触または混合させ、その後これをテトラゾリウム塩(1)と接触または混合するようにしてもよい。
【0069】
これらの反応系aないしcのうち、ジアホラーゼ等の電子伝達物質(2)と、コレステロールデヒドロゲナーゼのような反応活性部位にチオール基を有するデヒドロゲナーゼ(3)と、第2、3級アミンを有するTricine、Bicine、TAPS、TAPSOなどのバッファー(5)とが接触または混合した反応試薬(反応液B)と、テトラゾリウム塩(1)とNAD依存型のデヒドロゲナーゼの補酵素であるNAD+(4)とがあらかじめ接触または混合した反応試薬(反応液C)とを順次混合、接触させる上記反応系cが最も好ましい。
【0070】
これは、前記(1)〜(5)に示される5種類の試薬組成物を、あらかじめ図3のcのように組み合わせておき、反応試薬の数を2種類にすることで、酵素反応時の反応試薬の取り扱いのわずらわしさを解消でき、さらにセンサデバイスなどに試薬を担持する際、試薬の担持面積を小さくできるので、前記センサデバイスを小型化にできるという利点がある。
【0071】
また、テトラゾリウム塩試薬(1)は、NADHにより還元されるとホルマザン色素を生成するが、テトラゾリウム塩の中には、生成したホルマザン色素の水溶性が低いものがあり、この場合、生成したホルマザン色素が分析装置の反応環境に付着し汚染してしまう。それゆえ、テトラゾリウム塩試薬(1)は水溶性のテトラゾリウム塩が望ましい。水溶性のテトラゾリウム塩としては、2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム,ナトリウム塩(WST−1)、2−(4−ヨードフェニル)−3−(2,4−ジニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム,ナトリウム塩(WST−3)、2−ベンゾチアゾリル−3−(4−カルボキシ−2−メトキシフェニル)−5−[4−(2−スルホエチルカルバモイル)フェニル]−2Hテトラゾリウム(WST−4)、4−[3−(2−メトキシ−4−ニトロフェニル)−2−(4−ニトロフェニル)−2H−5−テトラゾリル]−1,3−ベンゼンジスルホン酸ナトリウム(WST−8)、2−(4−ニトロフェニル)−5−フェニル−3−[4−(4−スルホフェニルアゾ)−2−スルホフェニル]−2H−テトラゾリウム,ナトリウム塩(WST−9)などがある。この中でも、テトラゾリウム塩自体の安定性および水への溶解性という面で、WST−1、WST−8、WST−9が特に望ましい。
【0072】
(実施例1)
次に、本発明の実施の形態1によるテトラゾリウム塩を用いた被検体の測定方法において、被検体と、前記試薬組成物(1)〜(5)とを混合し、その反応過程において生成されるホルマザン色素のブランク値が、バッファー(5)の種類によりどれだけ抑制されるのかについて説明する。
【0073】
本実施例1では、各種のバッファーを用いた場合の純粋なホルマザン色素のブランク値上昇の抑制効果を確認するために、被検体として、血液の代わりに、緩衝液(PBS溶液)を用いて、反応試薬である、テトラゾリウム塩溶液、酵素液、及び各種のバッファーとを、プラスチック製のキュベット上で、それぞれ反応させた。反応試薬の試薬組成物の構成、及び反応条件を以下に示す。なお、本発明は本実施例1で示す条件に限定されるものではない。
【0074】
テトラゾリウム塩溶液(1):WST−9(同仁化学社製) 50mM
酵素液(3):コレステロールデヒドロゲナーゼ(天野製薬社製) 771u/mL
HEPESバッファー(pH7.5)(同仁化学社製)20mM
α−クリスタリン(天野製薬社製) 0.4%
EDTA・2Na(ナカライテスク社製) 0.02mM
バッファー(5):(i)トリスヒドロキシアミノメタン塩酸塩(ナカライテスク社製)
(ii)Tricine(同仁化学社製)
(iii)Bicine(同仁化学社製)
(iv)TAPS(同仁化学社製)
【0075】
条件1:前記(i)〜(iv)の各種のバッファー(5)のpHとモル濃度は、pH8.2、モル濃度200mMとし、TritonX−100を0.5%含有している。
【0076】
条件2:本実施の形態1においては、ブランク上昇に直接的に関係のある試薬に関してのみの評価を行うため、NAD+(4)およびジアホラーゼ(2)は用いずに評価を行った。
【0077】
なお、下記に示す表1では、比較例を(i)、本発明の実施例を(ii)、(iii)、(iv)で表す。また、比較例として、トリスヒドロキシアミノメタン塩酸塩をバッファーとして用いているがこれは、特許文献1で用いられているものである。
【0078】
本実施例1における実験手順としては、光路長1mmのプラスチック製キュベットに、緩衝液(PBS)を100μL添加し、バッファー溶液、及び酵素溶液を上記濃度となるように添加する。37℃で60秒間インキュベートした後、テトラゾリウム塩を上記濃度になるように添加して37℃で600秒間、波長650nmで時間変化測定をする。600秒後の吸光度値をそれぞれの反応溶液のブランク値とする。
【0079】
図1は、被検体として用いられた緩衝液(PBS溶液)と、上記試薬との反応後における、溶液の吸光度のブランク値を表したものであり、波長650nmにおいて、600秒間の変化を示したものである。
【0080】
図1に示すように、トリスヒドロキシアミノメタン塩酸塩(Tris/HCl)をバッファーとして用いるよりも、Tricine、Bicine、TAPSをバッファーとして用いた方が、ブランク吸光度が低い値となり、ブランク吸光度の上昇度が明らかに抑制できているのがわかる。また、表1に示すように、600秒後の結果においても、Tricine、Bicine、TAPSの3種類のバッファーを用いる方が、トリスヒドロキシアミノメタン塩酸塩(Tris/HCl)をバッファーとして用いるより、吸光度が明らかに低くなり、少なくとも反応開始から600秒後までの期間において、ブランク値の上昇が抑えられていることが明らかになった。中でもTricineバッファーが、特に効果的にブランク反応を抑制していることが判明した。
【0081】
なお、pHを効果的な範囲外にすると、高pH側では、ブランクの上昇が顕著になり、また中性側では主反応自体の反応性が低くなってしまう。このことから、前記pHは、主反応の活性を維持しながら、なおかつ前記ホルマザン色素のブランクの抑制が可能となる最も効果的な条件は、pH7.5〜8.5であり、より好ましくはpH7.8〜8.2である。
【0082】
【表1】

【0083】
このように、表1、及び図1に示すように、Tricine、Bicine、TAPSなどのバッファーを用いることで、緩衝液(PBS溶液)のブランク吸光度を抑制することが判明し、特に、Tricineを使った場合が、一番効果が顕著に現われることを見出した。
【0084】
(実施例2)
次に、実施例2として、各種のバッファー(5)を用いた場合の、ホルマザン色素のブランク値の抑制効果を確認するために、分析用デバイス内に、あらかじめ反応試薬である、テトラゾリウム塩溶液(1)、酵素液(3)、及びバッファー((i)または(ii))を、それぞれ以下のような試薬構成で担持させておき、被検体として人血漿を用いてこれと反応させ、人血漿中に含まれる総コレステロール(TC)の濃度を測定した。試薬構成の詳細、及び反応条件は、以下に示すとおりである。なお、本発明は本実施例2で示す条件に限定されるものではない。
【0085】
テトラゾリウム塩溶液(1):WST−9(同仁化学社製) 80mM
NAD+(オリエンタル酵母社製) 50mM
酵素液(3):コレステロールエステラーゼ(旭化成社製) 1000u/mL
コレステロールデヒドロゲナーゼ(天野製薬社製) 771u/mL
下記(i)または(ii)のバッファー(pH7.5)(ナカライテスク社製) 90mM
α−クリスタリン(天野製薬社製) 0.4%
EDTA・2Na(ナカライテスク社製) 0.2mM
バッファー(5):(i)トリスヒドロキシアミノメタン塩酸塩(ナカライテスク社製)
(ii)Tricine(同仁化学社製)
【0086】
条件1:各バッファーにおいて、pHとモル濃度は、pH8.2,モル濃度300mMとし、各バッファーは、TritonX−100 0.5%含有している。
【0087】
なお、下記に示す表2では、比較例を(i)、本発明の実施例を(ii)で表す。また、比較例(i)として、トリスヒドロキシアミノメタン塩酸塩バッファーを用いているがこれは、特許文献1で用いられているものである。
【0088】
図2は、総コレステロール(TC)の濃度を測定する酵素反応過程で生成されるホルマザン色素の吸光度を示したもので、比較例および本実施例2のTC濃度の依存性をグラフで表したものである。
【0089】
図3は、本発明における生物学的試料中の総コレステロール(TC)の成分を定量するための混合過程を表したステップ図であり、本実施例2においては、図3に示すcの試薬構成での溶解方法を用いた。
【0090】
図4は、本実施例2において使用する分析用デバイス、及び分析用装置の側面図であり、図5はその斜視図である。
【0091】
分析用デバイス13は、回転駆動手段10に装着されており、回転駆動手段10により分析用デバイス13を軸心周りに回転させることにより、分析用デバイス13に遠心力をかけ、この遠心力と、分析用デバイス内に配置された連絡流路に働く毛細管力とを利用することで、分析用デバイス13内に収容される流体の移動を制御することができる。分析デバイス13内の流体の流れの状態、または化学的な状態は、光発生手段21より照射される光12の流体による吸収を、光学的検知手段11で測定することにより検知することができる。
【0092】
図6は、分析用デバイス13の上面図である。
図6において、分析すべき成分を含有する液体試料を収容する液体試料収容室14と、第1試薬収容室15とは、サイホン流路16aで連結されており、第1試薬収容室15と、第2試薬収容室17とは、サイホン流路16bで連結されている。また、第2試薬収容室17と、分析室18とはサイホン流路19で連結されている。分析室18は、液体試料が第1試薬収容室15、及び第2試薬収容室17で試薬を順次溶解した後の検体溶液より、被検体量に応じて反応したテトラゾリウム塩のホルマザン色素への変換率を、吸光度により測定するためのものである。
【0093】
また、液体試料収容室14、第1試薬収容室15、第2試薬収容室17、及び分析室18は、分析用デバイス13の回転軸から外周方向に向かって、次第に遠い位置になるように配置され、特に、第1試薬収容室15は、液体試料収容室14よりも前記軸心より遠くに配置され、第1試薬収容室15は、第2試薬収容室17よりも遠い位置に配置されている。なお、第1試薬収容室15は、被検体を定量する機能も有している。
【0094】
第1試薬収容室15には、トリスヒドロキシアミノメタン塩酸塩(ナカライテスク社製)(i)、またはTricine(同仁化学社製)(ii)のバッファー試薬(5)と、コレステロールエステラーゼ(旭化成社製)、及びコレステロールデヒドロゲナーゼ(天野製薬社製)の酵素試薬(3)とをそれぞれ自然乾燥して担持し、第2試薬収容室17には、テトラゾリウム塩溶液(1)を自然乾燥して担持する。
【0095】
なお、被検体として、全血を遠心分離等をさせることにより、血球成分を取り除いた後の人血漿(4検体)を用い、ブランク測定としてはPBS溶液(緩衝液)を用いた。
【0096】
以下に、本実施例2による、回転駆動手段10を制御することで、分析デバイス13内の流体を制御し、被検体を各試薬と反応させながら移送し、光発生手段21と光学的検知手段11とにより、被検体中のコレステロール濃度を測定する方法を具体的に説明する。
【0097】
まず、被検体を、分析用デバイス中心付近にある注入口22より、10μL〜12μL注入し、軸心を中心に3000rpmで5秒間回転させる。回転を5秒間停止させ、被検体を第1試薬収容室15の手前の流路まで毛細管力で移動させる。再び、分析用デバイスを3000rpmで10秒間回転させ、第1試薬収容室15に被検体を移動させる。その際、第1試薬収容室15で、被検体10μLの容量分が正確に定量され、余った被検体はオーバーフローされ、分析用デバイス外周の液だめ20aにて保持される。
【0098】
第1試薬収容室15に担持したバッファー試薬(5)、及びコレステロールエステラーゼ(旭化成社製)、及びコレステロールデヒドロゲナーゼ(天野製薬社製)の酵素試薬(3)は、被検体によって溶解され、検体溶液Aとなる。次に、回転を5秒間停止させ、反応液Aを第2試薬収容室17の手前の流路まで移動させ、再び、分析用デバイスを3000rpmで10秒間回転させ、検体溶液Aを第2試薬収容室17に移動させる。
【0099】
第2試薬収容室17に担持したテトラゾリウム塩試薬(1)は、検体溶液液Aにより溶解されて検体溶液Bとなり被検体量の濃度に応じて、テトラゾリウム塩(1)がホルマザン色素に変換され、呈色を始める。
【0100】
その後、回転を5秒間停止させ、検体溶液Bを分析室18の手前の流路まで移動させた後、再び分析用デバイスを3000rpmで10秒間回転させ、分析室18に反応液Bを移動させる。その後、回転数を1000rpmに変換して、600秒維持しながら、波長650nmの光源を用いて反応液Bの吸光度を測定する。そして、被検体量の濃度に応じて反応したテトラゾリウム塩のホルマザン色素への変換率を吸光度で測定する。
【0101】
【表2】

【0102】
表2は、バッファー(5)として、Tris・HClバッファー(i)を用い、被検体として、PBS溶液と3種類の人血漿を用いた際の、被検体中の各総コレステロール(TC)の濃度を測定したもので、吸光度値とそのCV値を結果として示したものである。
【0103】
PBS溶液または人血漿の濃度を、0mg/dl、113mg/dl、183mg/dl、266mg/dlにそれぞれ変化させた場合、吸光度はTCの各濃度域において、それぞれ0.195、0.473、0.653、0.831となり、その場合の分析装置のCV値はそれぞれ、5.8%、5.5%、4.8%となり、TC全濃度域における平均CV値は5.3%である。
【0104】
【表3】

【0105】
表3は、バッファー(5)として、Tricineバッファー(ii)を用い、被検体として、PBS溶液と4種類の各人血漿を用いた際の、被検体中の各総コレステロール(TC)の濃度を測定したもので、吸光度値とそのCV値を結果とで示したものである。
【0106】
PBS溶液または人血漿の濃度を、0mg/dl、119mg/dl、151mg/dl、199mg/dl、315mg/dlにそれぞれ変化させた場合、吸光度はTCの各濃度域において、それぞれ0.086、0.348、0.399、0.473、0.739となり、その場合の分析装置のCV値はそれぞれ、3.3%、4.6%、4.5%、2.5%となり、TC全濃度域における平均CV値は3.7%であった。
【0107】
このように、表2の比較例と、表3の実施例とを比較してわかるように、Tris/HClをバッファーとして用いるよりも、Tricineをバッファーとして用いた方が、ホルマザン色素のブランク値の抑制効果が顕著に現われることが判明した。
【0108】
図2は、表1と表2の結果をグラフに表したもので、総コレステロール(TC)の濃度を測定する酵素反応過程で生成されるホルマザン色素の吸光度を示したものである。図2より、明らかに、Tricineをバッファーとして用いた方が、従来技術のTris/HCl(トリスヒドロキシアミノメタン塩酸塩)をバッファーとして用いたよりも、吸光度が低くなっているのがわかる。
【0109】
これは、上述した従来の課題である、反応活性部位にチオール基を有するデヒドロゲナーゼによるテトラゾリウム塩の不安定化作用、いわゆる、テトラゾリウム塩の自然着色の呈色化にともなう吸光度のブランク値を上昇させるという悪影響に対して、これを抑制できたからだと考えられる。また、このブランク値の抑制により、総コレステロール(TC)の濃度の算出時の測定精度CVも大幅に良化し改善されており、生物学的試料中の定量すべき成分の測定結果の測定誤差を最小限に抑えることが可能となった。
【0110】
このように、本発明の大きな特徴は、反応活性部位にチオール基を有するデヒドロゲナーゼ糖の酵素反応系において、バッファーとしてTricine等の第2級または、第3級のアミンを有する化合物を所定量添加することにより、生成されるホルマザン色素のブランク反応を抑制することが可能となることを見出したことであり、特に、各被検体濃度が低濃度である臨床学的な分野で有用であると考えられる。
【0111】
以上のように、本実施の形態1によるテトラゾリウム塩を用いた被検体の測定方法によれば、チオール基を反応活性部位に有するデヒドロゲナーゼ酵素を用い、検出色素としてテトラゾリウム塩化合物を用いることにより被検体に含まれる分析物を工学的に定量する方法において、反応バッファーとして、Tricine,Bicine,TAPS,TAPSOのような第2級または、第3級のアミンを有する化合物を用いるものとしたので、反応活性部位にチオール基を有するデヒドロゲナーゼを有する酵素反応系において、生物学的試料中の特定の成分を定量する場合、ブランク吸光度をできる限り抑制することができ、被検体を高精度に定量することが可能となる。
【0112】
なお、本実施の形態1における実験は、日本分光製顕微紫外可視分光光度計(MSV−350)により行った。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明によれば、チオール基を持つデヒドロゲナーゼ、およびテトラゾリウム塩を使用する臨床検査測定において、テトラゾリウム塩に対して、被検体とは無関係な反応を抑制でき、これにより測定ブランクを低減でき、測定結果の誤差を最小限に抑えることができる点において有用である。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の実施の形態1における、各種バッファを用いた場合のPBS(緩衝液)のブランク吸光度の時間変化を表したグラフ(600秒間、波長650nmの吸光度)である。
【図2】本発明における、比較例と実施例の総コレステロール濃度依存性を比較したグラフである。
【図3】本発明における生物学的試料中の任意の成分を定量するための試薬の組合せを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1における分析装置の側面図である。
【図5】本発明の実施の形態1における分析装置の斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態1における分析用デバイスの上面図である。
【図7】従来の酵素反応系を説明するための図である。
【図8】従来の酵素反応系を説明するための図である。
【符号の説明】
【0115】
10 回転駆動手段
11 光学的検知手段
12 光
13 分析用デバイス
14 液体試料収容室
15 第1試薬収容室
16a,b サイホン流路
17 第2試薬収容室
18 分析室
19 サイホン流路
20a,b 液だめ
21 光発生手段
22 注入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析すべき被検体に含有される被検成分と、その被検成分に対する特異性を有し、かつ反応部位にチオール基を有するデヒドロゲナーゼと、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)と、ジアホラーゼと、テトラゾリウム塩と、バッファーとを含む酵素反応系により生成されるホルマザン色素濃度を光学的に測定して、前記被検体に含有される被検成分を定量する被検成分の定量方法であって、
前記バッファーは、第2級、または第3級アミンを有する化合物からなるバッファーであるTricine、Bicine、TAPS、TAPSOのうちの少なくとも1つである、
ことを特徴とする被検成分の定量方法。
【請求項2】
請求項1に記載の被検成分の定量方法において、
前記被検体と、前記デヒドロゲナーゼと、前記ジアホラーゼと、前記バッファーとを混合する第1混合工程と、
前記第1混合工程で調整された検体溶液と、前記NAD+とを混合する第2混合工程と、
前記第2混合工程で調整された検体溶液と、前記テトラゾリウム塩とを混合する第3混合工程と、
前記第3混合工程で調整された検体溶液に含まれるホルマザン色素濃度を光学的に測定する測定工程と、を有する、
ことを特徴とする被検成分の定量方法。
【請求項3】
請求項1に記載の被検成分の定量方法において、
前記被検体と、前記デヒドロゲナーゼと、前記ジアホラーゼと、前記バッファーと、前記NAD+とを混合する第4混合工程と、
前記第4混合工程で調整された検体溶液と、前記テトラゾリウム塩とを混合する第5混合工程と、
前記第5混合工程で調整された検体溶液に含まれるホルマザン色素濃度を光学的に測定する測定工程と、を有する、
ことを特徴とする被検成分の定量方法。
【請求項4】
請求項1に記載の被検成分の定量方法において、
前記被検体と、前記デヒドロゲナーゼと、前記ジアホラーゼと、前記バッファーとを混合する第1混合工程と、
前記第1混合工程で調整された検体溶液と、前記NAD+と、前記テトラゾリウム塩とを混合する第6混合工程と、
前記第6混合工程で調整された検体溶液に含まれるホルマザン色素濃度を光学的に測定する測定工程と、を有する、
ことを特徴とする被検成分の定量方法。
【請求項5】
請求項1に記載の被検成分の定量方法において、
前記被検体と、前記デヒドロゲナーゼと、前記ジアホラーゼと、前記バッファーと、前記NAD+と、前記テトラゾリウム塩とを混合する第7混合工程と、
前記第7混合工程で調整された検体溶液に含まれるホルマザン色素濃度を光学的に測定する測定工程と、を有する、
ことを特徴とする被検成分の定量方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の被検成分の定量方法において、
前記バッファー、前記デヒドロゲナーゼ、前記ジアホラーゼ、前記NAD+、及び前記テトラゾリウム塩は乾燥試薬であり、前記被検体を含有する被検体溶液によりそれぞれ溶解される、
ことを特徴とする被検成分の定量方法。
【請求項7】
請求項2に記載の被検成分の定量方法において、
前記第1混合工程は、
前記バッファー、前記デヒドロゲナーゼ、及び前記ジアホラーゼをあらかじめ混合したバッファー溶液と、前記被検体とを混合する、
ことを特徴とする被検成分の定量方法。
【請求項8】
請求項4に記載の被検成分の定量方法において、
前記第6混合工程は、
前記NAD+と、前記テトラゾリウム塩とをあらかじめ混合したテトラゾリウム塩溶液と、前記第1混合工程で調整された検体溶液とを混合する、
ことを特徴とする被検成分の定量方法。
【請求項9】
請求項3に記載の被検成分の定量方法において、
前記第4混合工程は、
前記デヒドロゲナーゼ、前記ジアホラーゼ、前記バッファー、及び前記NAD+をあらかじめ混合した第2のバッファー溶液と、前記被検体とを混合する、
ことを特徴とする被検成分の定量方法。
【請求項10】
請求項4に記載の被検成分の定量方法において、
前記第1混合工程は、
前記バッファー、前記デヒドロゲナーゼ、及び前記ジアホラーゼを混合したバッファー溶液を自然乾燥させたバッファー試薬を、前記被検体を含む検体溶液に溶解するものであり、
前記第6工程は、
前記NAD+と、前記テトラゾリウム塩とを混合したテトラゾリウム塩溶液を自然乾燥させたテトラゾリウム塩試薬を、前記第1混合工程で調整された検体溶液に溶解する、
ことを特徴とする被検成分の定量方法。
【請求項11】
請求項5に記載の被検成分の定量方法において、
前記第7工程は、
前記バッファー、前記デヒドロゲナーゼ、及び前記ジアホラーゼを混合した第1のバッファー溶液を自然乾燥させたバッファー試薬と、前記NAD+と、前記テトラゾリウム塩とを混合したテトラゾリウム塩溶液を自然乾燥させたテトラゾリウム塩試薬とを、前記被検体を含む検体溶液に同時に溶解する、
ことを特徴とする被検成分の定量方法。
【請求項12】
請求項10または11に記載の被検成分の定量方法において、
前記バッファー試薬、及び前記テトラゾリウム塩試薬は、凍結乾燥により作成されたものである、
ことを特徴とする被検成分の定量方法。
【請求項13】
請求項1に記載の被検成分の定量方法において、
Tricine化合物のモル濃度は、0.l〜0.5Mである、
ことを特徴とする被検成分の定量方法。
【請求項14】
請求項1に記載の被検成分の定量方法において、
Bicine化合物のモル濃度は、0.l〜0.5Mである、
ことを特徴とする被検成分の定量方法。
【請求項15】
請求項1に記載の被検成分の定量方法において、
TAPS化合物のモル濃度は、0.l〜0.5Mである、
ことを特徴とする被検成分の定量方法。
【請求項16】
請求項1に記載の被検成分の定量方法において、
TAPSO化合物のモル濃度は、0.l〜0.5Mである、
ことを特徴とする被検成分の定量方法。
【請求項17】
請求項1に記載の被検成分の定量方法において、
前記酵素反応系のpHは、7.5〜8.5である、
ことを特徴とする被検成分の定量方法。
【請求項18】
請求項1に記載の被検成分の定量方法において、
前記テトラゾリウム塩は水溶性である、
ことを特徴とする被検成分の定量方法。
【請求項19】
請求項1に記載の被検成分の定量方法において、
前記テトラゾリウム塩は、WST−1、WST−3、WST−4、WST−8またはWST−9のいずれかである、
ことを特徴とする被検成分の定量方法。
【請求項20】
請求項1に記載の被検成分の定量方法において、
前記被検成分はコレステロールであり、前記デヒドロゲナーゼはコレステロールデヒドロゲナーゼである、
ことを特徴とする被検成分の定量方法。
【請求項21】
分析すべき被検体が注入される注入口と、前記被検体に含有される被検成分を分析するための反応試薬を保持する複数の試薬収容室と、前記試薬収容室同士を連結する流路と、前記被検体と全ての前記反応試薬とが混合された反応液を収容する分析室と、を有する分析用デバイスにおいて、
分析すべき被検体に含有される被検成分に対する特異性を有し、かつ反応部位にチオール基を有するデヒドロゲナーゼと、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)と、ジアホラーゼと、テトラゾリウム塩とが、前記反応試薬として前記複数の試薬収容室のいずれかに保持されており、
第2級、または第3級アミンを有する化合物からなるバッファーである、Tricine、Bicine、TAPS、TAPSOのうちの少なくとも1つが、前記反応試薬のいずれかに含有されている、
ことを特徴とする分析用デバイス。
【請求項22】
請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、
前記バッファーは、前記デヒドロゲナーゼに接触、または混合されている、
ことを特徴とする分析用デバイス。
【請求項23】
請求項21または22に記載の分析用デバイスにおいて、
前記デヒドロゲナーゼと、前記ジアホラーゼとが混合された第1の反応試薬と、前記NAD+と、前記テトラゾリウム塩とが混合された第2の反応試薬とが、異なる前記試薬収容室にそれぞれ保持されている、
ことを特徴とする分析用デバイス。
【請求項24】
請求項22に記載の分析用デバイスにおいて、
前記バッファーと前記デヒドロゲナーゼを保持する前記試料収容室は、前記テトラゾリウム塩を保持する試料収容室より上流側に位置し、前記バッファーと前記デヒドロゲナーゼは、前記テトラゾリウム塩よりも先に、前記被検体と混合される、
ことを特徴とする分析用デバイス。
【請求項25】
請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、
前記バッファーと、前記デヒドロゲナーゼと、前記テトラゾリウム塩とが、同一の試薬収容室に保持されている、
ことを特徴とする分析用デバイス。
【請求項26】
請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、
Tricine化合物のモル濃度は、0.l〜0.5Mである、
ことを特徴とする分析用デバイス。
【請求項27】
請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、
Bicine化合物のモル濃度は、0.l〜0.5Mである、
ことを特徴とする分析用デバイス。
【請求項28】
請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、
TAPS化合物のモル濃度は、0.l〜0.5Mである、
ことを特徴とする分析用デバイス。
【請求項29】
請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、
TAPSO化合物のモル濃度は、0.l〜0.5Mである、
ことを特徴とする分析用デバイス。
【請求項30】
請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、
当該分析用デバイス内の酵素反応系のpHが7.5〜8.5である、
ことを特徴とする分析用デバイス。
【請求項31】
請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、
前記テトラゾリウム塩は水溶性である、
ことを特徴とする分析用デバイス。
【請求項32】
請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、
前記テトラゾリウム塩は、WST−1、WST−3、WST−8またはWST−9のいずれかである、
ことを特徴とする分析用デバイス。
【請求項33】
請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、
前記被検成分はコレステロールであり、前記デヒドロゲナーゼはコレステロールデヒドロゲナーゼである、
ことを特徴とする分析用デバイス。
【請求項34】
請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、
前記デヒドロゲナーゼ、NAD+、ジアホラーゼ、及びテトラゾリウム塩は、溶液である、
ことを特徴とする分析用デバイス。
【請求項35】
請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、
前記デヒドロゲナーゼ、NAD+、ジアホラーゼ、及びテトラゾリウム塩は、それぞれの液体試薬を自然乾燥させた反応試薬である、
ことを特徴とする分析用デバイス。
【請求項36】
請求項35に記載の分析用デバイスにおいて、
前記反応試薬が、凍結乾燥させた反応試薬である、
ことを特徴とする分析用デバイス。
【請求項37】
請求項21に記載の分析用デバイスにおいて、
前記注入口から注入された前記被検体は、少なくとも、当該分析デバイスを所定の軸心周りに回転させることにより生じる遠心力、振動、及び前記流路に発生する毛細管力とにより、前記試料収容室まで移送され、反応試薬と混合される、
ことを特徴とする分析用デバイス。
【請求項38】
分析すべき被検体が注入される注入口と、
前記被検体に含有される被検成分を分析するための反応試薬を保持する複数の試薬収容室と、
前記試薬収容室同士を連結する流路と、
前記被検体と全ての前記反応試薬とが混合された反応液を収容する分析室と、を有し、
分析すべき被検体に含有される被検成分に対する特異性を有し、かつ反応部位にチオール基を有するデヒドロゲナーゼと、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)と、ジアホラーゼと、テトラゾリウム塩とが、前記複数の試薬収容室のいずれかに保持されており、
第2級、または第3級アミンを有する化合物からなるバッファーである、Tricine、Bicine、TAPS、TAPSOのうちの少なくとも1つが、前記反応試薬のいずれかに含有されている分析用デバイス、が装着される分析装置であって、
前記分析用デバイスを軸心回りに回転させる回転駆動手段と、
前記分析用デバイスの前記分析室内にある前記被検成分を光学的に検知する光学的検知手段と、を備え、
前記分析用デバイスを軸心回りに回転させて前記分析デバイス内の被検体に遠心力を加え、該遠心力と、前記流路に発生する毛細管力とにより、前記注入口より注入された前記被検体を、前記複数の試料収容室、及び前記分析室に移送し、前記分析室内の前記被検成分を、前記光学的検知手段により検知する、
ことを特徴とする分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−106182(P2009−106182A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−281075(P2007−281075)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】