説明

被検液の充填方法

【課題】異物の混入を防止して、低コストで精度良くかつ確実に被検液を簡便な方法にて分注できる被検液の充填方法を提供する。
【解決手段】第1ウェルと、第1ウェルと分離した、試薬を含む複数の第2ウェルとを基板の第1の面に備えたバイオチップの第1ウェル及び第2ウェルが被覆部材で覆われるように、配置された状態で、被覆部材と基板との接合面のうち第1ウェル及び第2ウェルを取り囲むループ状の領域において前記被覆部材と前記基板とを密着させ、第2ウェルから回転軸までの距離が第1ウェルから回転軸までの距離よりも長くなるようにバイオチップが配置された状態で、回転軸を中心としてバイオチップを回転させることにより、遠心力を利用して、ループ状の領域より内側の領域において被覆部材と基板との間に設けられた空間を介して被検液を第1ウェルから第2ウェルに移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検液の充填方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス基板等に微細流路が設けられたマイクロ流体チップを使用して、化学分析や化学合成、あるいはバイオ関連の分析等を行う方法が注目されている。マイクロ流体チップは、マイクロTotal Analytical System(マイクロTAS)や、ラボオンチップ(Lab-on-a-chip)等とも呼ばれ、従来の装置に比較して試料や試薬の必要量が少ない、反応時間が短い、廃棄物が少ない等のメリットがあり、医療診断、環境や食品のオンサイト分析、医薬品や化学品等の生産等、広い分野での利用が期待されている(特許文献1)。試薬の量が少なくてよいことから、検査のコストを下げることが可能となり、また、試料及び試薬の必要量が少ないため、反応時間も大幅に短縮でき、検査の効率化を図ることができる。特に、医療診断に使用する場合には、試料となる血液等の検体の必要量を少なくすることができるため、患者の負担を軽減できるというメリットがある。
【0003】
一方、試料や試薬等の被検液の量が少なくなると、分注精度が低下したり、被検液の蒸発量が試料の量に及ぼす影響が大きかったりすることに起因して、測定結果がばらつきやすい。また、被検液の分注作業は一般に煩雑であり、作業時間が長くなるうえ、ピペットやチップなどの消耗品を大量に消費するため、検査のコストが高くなる。さらに、人手による被検液の分注作業はミスが発生しやすく、望ましくない物質が被検液に混入する可能性が高い。このような背景から、被検液を正確にかつ確実に分注する技術が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2006−509199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、異物の混入を防止して、低コストで精度良くかつ確実に被検液を簡便な方法にて分注できる被検液の充填方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る被検液の検査方法は、
第1ウェルと、前記第1ウェルと分離した、試薬を含む複数の第2ウェルとを基板の第1の面に備えたバイオチップの前記第1ウェルに被検液を供給する工程と、
前記第1ウェル及び前記第2ウェルが被覆部材で覆われるように、前記基板上に被覆部材が配置された状態で、前記被覆部材と前記基板との接合面のうち前記第1ウェル及び前記第2ウェルを取り囲むループ状の領域において前記被覆部材と前記基板とを密着させる工程と、
前記第2ウェルから回転軸までの距離が前記第1ウェルから前記回転軸までの距離よりも長くなるように前記バイオチップが配置された状態で、前記回転軸を中心として前記バイオチップを回転させることにより、遠心力を利用して、前記ループ状の領域より内側の領域において前記被覆部材と前記基板との間に形成された空間を介して前記被検液を前記第1ウェルから前記第2ウェルに移動させる工程と、
前記被覆部材を前記基板に密着させて、前記第1ウェル及び前記第2ウェルを密閉する工程と、
を含む。
【0007】
本発明において、「第1ウェルと分離した第2ウェル」とは、第2ウェルが第1ウェルと独立して設けられていることをいい、例えば、第1ウェルと第2ウェルとが流路を介して接続されていないことをいう。また、本発明において、「密着」とは、「溶着:複数の部材の接合部を溶融させて密着させること」及び「接着:接着剤を用いて複数の部材を密着させること」の両方を含む概念である。
【0008】
前記被検液の検査方法において、前記被検液を前記第1ウェルから前記第2ウェルに移動させる工程において、前記バイオチップを回転させる際に、前記第1の面が前記回転軸と対向するように前記バイオチップを配置することができる。ここで、「対向する」という語は、第1の面が回転軸と平行に向き合う場合だけでなく、例えば第1の面と回転軸の成す角のうちの鋭角の角度θが0<θ<90の場合を含む概念である。
【0009】
この場合、前記被検液を前記第1ウェルから前記第2ウェルに移動させる工程において、前記バイオチップを回転させる際に、前記第1の面から前記回転軸までの前記回転軸に対して垂直方向の距離が、前記第1の面と対向する第2の面から前記回転軸までの前記回転軸に対して垂直方向の距離よりも短くなるように前記バイオチップを配置することができる。ここで、「対向する」という語は、第1の面が第2の面と平行に向き合う場合だけでなく、例えば第1の面と第2の面の成す角のうちの鋭角の角度θが0<θ<90の場合を含む概念である。
【0010】
前記被検液の検査方法において、前記被覆部材は、接着剤が配置された表面を有し、前記ループ状の領域において前記被覆部材と前記基板とを密着させる工程において、前記ループ状の領域を加圧して、前記ループ状の領域において前記基板と前記被覆部材とを接着させることができる。
【0011】
また、前記被検液の検査方法において、前記基板及び前記被覆部材は、熱により溶融する性質を有し、前記ループ状の領域において前記被覆部材と前記基板とを密着させる工程において、前記ループ状の領域に超音波を照射して、前記ループ状の領域において前記基板と前記被覆部材とを溶着させることができる。
【0012】
前記被検液の検査方法において、前記第2ウェルの上端部はそれぞれ、凸部で構成され、前記第1ウェル及び前記第2ウェルを密閉する工程において、前記バイオチップの凸部と前記被覆部材とが密着されることができる。
【0013】
前記被検液の検査方法において、前記被覆部材は、弾性変形する性質を有することができる。
【0014】
前記被検液の検査方法によれば、前記バイオチップの前記第1ウェルに前記被検液を供給する工程と、前記第1ウェル及び前記第2ウェルが被覆部材で覆われるように、前記基板上に被覆部材が配置された状態で、前記被覆部材と前記基板との接合面のうち前記第1ウェル及び前記第2ウェルを取り囲むループ状の領域において前記被覆部材と前記基板とを密着させる工程と、前記第2ウェルから回転軸までの距離が前記第1ウェルから前記回転軸までの距離よりも長くなるように前記バイオチップが配置された状態で、前記回転軸を中心として前記バイオチップを回転させることにより、遠心力を利用して、前記ループ状の領域より内側の領域において前記被覆部材と前記基板との間に形成された空間を介して前記被検液を前記第1ウェルから前記第2ウェルに移動させる工程と、前記被覆部材を前記基板に密着させて、前記第1ウェル及び前記第2ウェルを密閉する工程とを含むことにより、前記被検液を前記第2ウェルに簡便な方法にて充填させることができる。また、異物の混入を防止して、低コストで精度良くかつ確実に前記被検液を分注することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態に係る被検液の検査方法の一工程を説明する図(上図は平面図、下図は上図に対応する断面図、図2、図5、図7及び図9においても同様)。
【図2】本発明の第1実施形態に係る被検液の検査方法の一工程を説明する図。
【図3】本発明の第1実施形態に係る被検液の検査方法の一工程を説明する図。
【図4】図3に示される加圧部材を模式的に示す斜視図。
【図5】本発明の第1実施形態に係る被検液の検査方法の一工程を説明する断面図。
【図6】本発明の第1実施形態に係る被検液の検査方法の一工程を説明する図。
【図7】本発明の第1実施形態に係る被検液の検査方法の一工程を説明する図。
【図8】本発明の第1実施形態に係る被検液の検査方法の一工程を説明する断面図。
【図9】本発明の第1実施形態に係る被検液の検査方法の一工程を説明する図。
【図10】本発明の第2実施形態に係る被検液の検査方法の一工程を説明する図(上図は平面図、下図は上図に対応する断面図、図11及び図13においても同様)。
【図11】本発明の第2実施形態に係る被検液の検査方法の一工程を説明する図。
【図12】図10に示されるバイオチップと被覆部材とを超音波溶着装置を用いて溶着させる工程を説明する図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係る被検液の検査方法の一工程を説明する図。
【図14】図11に示されるバイオチップと被覆部材とを超音波溶着装置を用いて溶着させる工程を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の一実施形態に係る被検液の検査方法について具体的に説明する。
【0017】
1.第1実施形態(被検液の検査方法)
図1〜図3及び図5〜図9は、本発明の第1実施形態に係る被検液の検査方法の一工程を説明する図である(図1、図2、図5、図7及び図9において上図は平面図、下図は上図に対応する断面図である)。図4は、図3に示される加圧部材を模式的に示す斜視図である。
【0018】
本発明の第1実施形態に係る被検液の検査方法は、第1ウェル12と、第1ウェル12と分離した、試薬を含む複数の第2ウェル14とを基板10の第1の面10aに備えたバイオチップ100の第1ウェル12に被検液20を供給する工程(図1及び図2)と、第1ウェル12及び第2ウェル14が被覆部材16で覆われるように、基板10上に被覆部材16が配置された状態で、被覆部材16と基板10との接合面のうち第1ウェル12及び第2ウェル14を取り囲むループ状の領域18(以下単に「領域」ともいう。)において被覆部材16と基板10とを密着させる工程(図3〜図5)と、第2ウェル14から回転軸Aまでの距離が第1ウェル12から回転軸Aまでの距離よりも長くなるようにバイオチップ100が配置された状態で、回転軸Aを中心としてバイオチップ100を回転させることにより、遠心力を利用して、ループ状の領域18より内側の領域において被覆部材16と基板10との間に形成された空間17を介して被検液20を第1ウェル12から第2ウェル14に移動させる工程(図6及び図7)と、被覆部材16をバイオチップ100に密着させて、第1ウェル12及び第2ウェル14を密閉する工程(図8及び図9)とを含む。本実施形態では、バイオチップ100が被検液20に対してPCR(Polymerase Chain Reaction:ポリメラーゼ連鎖反応)を行うために用いられる場合について説明する。
【0019】
1.1.被検液20を供給する工程
本実施形態に係る被検液の検査方法で用いられるバイオチップ100は、図1に示されるように、第1ウェル12と、第1ウェル12と分離した、試薬を含む複数の第2ウェル14とを基板10の第1の面10aに備えている。図1に示されるように、第1ウェル12及び第2ウェル14は、基板10に設けられた凹部(くぼみ)であり、これらの凹部は基板10を貫通しない。また、基板10において、第1ウェル12は、複数の第2ウェル14から独立して設けられており、第1ウェル12と第2ウェル14とは流路等を介して接続されていない。
【0020】
1.1.1.基板
本実施形態において、第1の面10aとは、基板10において第1ウェル12及び第2ウェル14が設けられている面である。
【0021】
第1ウェル12には被検液20が収容される(図2参照)。第2ウェル14に含まれる試薬は例えば、被検液20に対する検査に使用されるものである。また、第2ウェル14に含まれる試薬は、第2ウェル14の内壁面に配置させることができる。この場合、試薬を含む液を第2ウェル14に注入した後、該液中の溶媒を乾燥させることにより、第2ウェル14の内壁面に試薬を配置させることができる。
【0022】
第1ウェル12及び第2ウェル14の容積はそれぞれ、検査対象及び検査方法等の条件に応じて適宜決定される。後述する工程において複数の第2ウェル14のすべてを充填させるために十分な被検液20の量を収容できる点で、第1ウェル12の容積は、複数の第2ウェル14の総容積よりも大きいことが好ましい。
【0023】
複数の第2ウェル14は、図1に示されるように、複数の列及び行をなすように配置させることができる。複数の第2ウェル14はそれぞれ独立して設けられており、第2ウェル14同士は流路等を介して接続されていない。例えば、複数の第2ウェル14は同じ容積を有する凹部であることができる。
【0024】
バイオチップ100を用いてPCRを行う場合、例えば、第1ウェル12は試薬を含まず、第2ウェル14は、検体に含まれる標的核酸を増幅するための蛍光プローブを含む試薬を含むことができる。この場合、バイオチップ100の複数の第2ウェル14において、それぞれ異なる標的核酸を増幅するためのプライマーを含有させて、第2ウェル14内の試薬を各第2ウェル14内の被検液20に溶出させてからPCRを行うことにより、バイオチップ100を用いて一度に2種以上の核酸の増幅及び解析を行うことができる。
【0025】
基板10の材質は特に限定されないが、基板10は、被検液20に含まれる成分にダメージを及ぼさない材質からなることが好ましく、例えば無機材料(例えば単結晶シリコン、パイレックス(登録商標)ガラス)、有機材料(例えばポリカーボネート等の樹脂)からなることができる。例えば、基板10が無機材料からなる場合、フォトリソグラフィー法を用いたドライエッチングにより、基板10に第1ウェル12及び第2ウェル14を形成することができる。また、例えば、基板10が樹脂からなる場合、鋳型成形、射出成形またはホットエンボス加工によって基板10に第1ウェル12及び第2ウェル14を形成することができる。本実施形態では、基板10がポリカーボネートからなる場合について説明する。
【0026】
1.1.2.被覆部材16
被覆部材16の材質は特に限定されないが、被覆部材16は、被検液20に含まれる成分にダメージを及ぼさない材質からなることが好ましく、後述するバイオチップ100を回転させる工程(図6参照)において、空間17を確実に発生させるためには、被覆部材16は弾性変形する性質を有することがより好ましい。このような被覆部材16としては例えば樹脂やゴムが挙げられる。
【0027】
また、バイオチップ100を蛍光強度の測定に用いる場合、少なくとも被覆部材16が透明でかつ低自家蛍光の材質からなるのが好ましく、基板10及び被覆部材16がいずれも透明でかつ低自家蛍光の材質からなるのが好ましい。また、バイオチップ100をPCRに用いる場合、基板10及び被覆部材16はPCRにおける加熱に耐えられる材質であることが好ましく、このような材質としては、透明でかつ低自家蛍光の樹脂(例えばポリカーボネート)が挙げられる。
【0028】
被覆部材16は、接着剤が配置された表面16aを有することができる。接着剤が配置された表面16aを有する被覆部材16は、接着剤が配置された表面16aを対象物(本実施形態では基板10の第1の面10a)に強く押し当てることで対象物と密着することができる。このような被覆部材16としては、例えば、商品名:LightCycler 480 Sealing Foil・型名:04 729 757 001・ロシュ・ダイアグノスティクス社製、商品名:ポリオレフィン マイクロプレートシーリングテープ・型名:9793・3M社製、商品名:アンプリフィケーションテープ96・型名:232702・Nunc社製が挙げられる。また、加圧しない状態では接着力を発揮せず、加圧により接着力を発揮できる点で、被覆部材16の接着剤が配置された表面16aは多孔質であってもよい。あるいは、被覆部材16の表面16aに配置される接着剤は、例えば、エネルギー(例えば電子線)の付加によって接着力を発揮するものであってもよい。
【0029】
1.1.3.被検液20
図2に示されるように、被検液20は第1ウェル12に供給される。被検液20は例えば、人手(例えばピペットを用いて)または機械によって第1ウェル12に収容させることができる。バイオチップ100が例えばPCRに用いられる場合、被検液20は、標的核酸を含み得る検体、標的核酸を増幅するためのプライマー、増幅産物量を測定するための蛍光試薬(例えばSYBR GREEN(商標))、およびPCRマスターミックスをそれぞれ適度な濃度含むものであることができる。
【0030】
被検液20の量は、第1ウェル12及び第2ウェル14の容積に応じて適宜決定されるが、例えば複数の第2ウェル14の総容積と同じかまたは前記総容積より多いことが好ましく、複数の第2ウェル14により確実に被検液20を充填できる点で、被検液20の量は、複数の第2ウェル14の総容積より多いことがより好ましい。
【0031】
被検液20は検体から調製されたものである。被検液20がPCRの対象である場合、測定対象となる標的核酸としては、例えば、血液、尿、唾液、髄液等の検体から抽出されたDNA、または該検体から抽出したRNAから逆転写したcDNA等が挙げられる。
【0032】
1.2.ループ状の領域18において被覆部材16と基板10とを密着させる工程
次に、図3に示されるように、バイオチップ100の上に被覆部材16を配置して、第1ウェル12及び第2ウェル14を被覆部材16で覆う。この状態にて、基板10と被覆部材16とが接する状態で、バイオチップ100において第1ウェル12及び第2ウェル14を取り囲むループ状の領域18(図5において斜線で示した領域)を加圧して、領域18において基板10と被覆部材16とを密着(接着)させる。
【0033】
領域18は図5に示されるように、第1ウェル12及び第2ウェル14をループ状に取り囲むものであり、加圧部材40を被覆部材16の上に配置して図3の矢印の方向に加圧して基板10と被覆部材16とを密着させることにより形成される。
【0034】
加圧部材40は例えば図4に示されるように、空洞部42と、空洞部42の入口に位置するループ状の端面44とを有する。加圧部材40の端面44が被覆部材16と接する状態で、加圧部材40をバイオチップ100に加圧する。すなわち、被覆部材16が端面44と接した状態で図3の矢印の方向に加圧することにより、被覆部材16が基板10と接着して、ループ状の領域18が形成される。
【0035】
したがって、領域18では基板10と被覆部材16とが接着されているが、領域18の内側及び外側の領域では、基板10と被覆部材16とが単に接しているだけで接着されていない。すなわち、領域18より内側の領域では、基板10と被覆部材16とが接着されておらず、基板10の上に被覆部材16が単に接しているにすぎないため、領域18より内側の領域では、遠心力により基板10と被覆部材16との間に被検液が入り込むことによって空間が形成される。
【0036】
1.3.被検液20を第1ウェル12から第2ウェル14に移動させる工程
次いで、図6に示されるように、第2ウェル14から回転軸Aまでの距離が第1ウェル12から回転軸Aまでの距離よりも長くなるようにバイオチップ100が配置された状態で、回転軸Aを中心としてバイオチップ100を回転させることにより、図7に示されるように、遠心力を利用して、ループ状の領域18より内側の領域において被覆部材16と基板10との間に形成された空間17を介して被検液20を第1ウェル12から第2ウェル14に移動させる。これにより、第2ウェル14に被検液20が充填される。ここで、第1ウェル12(第2ウェル14)から回転軸Aまでの距離とは、図6に示されるように、バイオチップ100の回転状態において第1ウェル12(第2ウェル14)の上端部d(d)から回転軸Aまでの距離をいう。回転軸Aを中心としてバイオチップ100を回転させる装置としては、例えば市販の遠心分離装置を用いることができる。
【0037】
すなわち、領域18より内側の領域では、基板10と被覆部材16とは接しているに過ぎないため、バイオチップ100を上述したように回転させると、回転軸Aと垂直な面において回転軸Aから遠ざかる方向に遠心力が被検液20に加わるため、図7に示されるように、空間17を介して第1ウェル12から第2ウェル14へと被検液20が移動する。一方、領域18では基板10と被覆部材16とが密着されているため、領域18より外側の領域には被検液20が漏れることなく、被検液20は領域18より内側に留まる。
【0038】
より具体的には、被検液20の液圧および被覆部材16に加わる遠心力により、被覆部材16が弾性変形し、被覆部材16に歪みが生じる結果、被覆部材16と基板10との間に空間17が形成される。この空間17を介して被検液20が第1ウェル12から第2ウェル14へと移動する。
【0039】
なお、バイオチップ100を回転させる際、図6に示されるように、バイオチップ100の第1の面10aが回転軸に対向するようにバイオチップを配置する。より具体的には、第1の面10aから回転軸までの回転軸に対して垂直方向の距離が、第1の面10aと対向する第2の面10bから回転軸までの回転軸に対して垂直方向の距離よりも短くなるようにバイオチップ100を配置することができる。
【0040】
1.4.第1ウェル12及び第2ウェル14を密閉する工程
次いで、被覆部材16を基板10に密着させて、第1ウェル12及び第2ウェル14を密閉する。これにより、基板10と被覆部材16との接合面がすべて接着される(図9参照)。
【0041】
被覆部材16を基板10に密着する方法としては、例えば図8に示されるように、ローラー30を被覆部材16の上を矢印の方向(第2ウェル14から第1ウェル12に向かう方向)に回転させながら加圧する方法が挙げられる。この方法により、基板10と被覆部材16との間の空間17に存在する被検液20が第1ウェル12に移動するとともに、被覆部材16と基板10との接合面が接着される。この結果、第1ウェル12及び第2ウェル14が被覆部材16によって密閉される。なお、ローラー30の代わりにブレード(図示せず)を用いて同様の加圧操作を行ってもよい。
【0042】
1.5.バイオチップ100の用途
本実施形態に係る被検液の検査方法によって、第2ウェル14に被検液20が充填されたバイオチップ100に対して各種の検査を行うことができる。このバイオチップ100を用いてPCRを行う場合、第2ウェル14に被検液20が充填されたバイオチップ100を、平坦なヒートブロック(図示せず)を備えたサーマルサイクラー(図示せず)にセットして、PCRを行うことができる。
【0043】
この場合、バイオチップ100の第2ウェル14は被覆部材16で密閉されているため、PCRの温度サイクル処理における被検液20の蒸発を防ぐことができる。また、被覆部材16が透明でかつ低自家蛍光の材質からなるため、増幅と同時に蛍光輝度を測定することにより、標的核酸の定量(リアルタイムPCR)が可能である。また、このバイオチップ100を用いて、SNPなどの遺伝子の変異やDNAのメチル化等、PCRの原理を用いた様々な核酸(DNA、RNA)の解析を行うことができる。
【0044】
1.6.特徴
本実施形態に係る被検液の検査方法によれば、第1ウェル12と、第1ウェル12と分離した、試薬を含む複数の第2ウェル14とを基板10の第1の面10aに備えたバイオチップ100の第1ウェル12に被検液20を供給する工程と、第1ウェル12及び第2ウェル14が被覆部材16で覆われるように、第1の面10a上に被覆部材16が配置された状態で、被覆部材16と基板10との接合面のうち第1ウェル12及び第2ウェル14を取り囲むループ状の領域18において被覆部材16と基板10とを密着させる工程と、第2ウェル14から回転軸Aまでの距離が第1ウェル12から回転軸Aまでの距離よりも長くなるようにバイオチップ100が配置された状態で、回転軸Aを中心としてバイオチップ100を回転させることにより、遠心力を利用して、ループ状の領域18より内側の領域において被覆部材16と基板10との間に設けられた空間17を介して被検液20を第1ウェル12から第2ウェル14に移動させる工程と、被覆部材16をバイオチップ100に密着させて、第1ウェル12及び第2ウェル14を密閉する工程と、を含むことにより、第1ウェル12に供給された被検液20を、遠心という簡便な方法にて第2ウェル14に充填させることができる。その際、第1ウェル12及び第2ウェル14を囲むループ状の領域18について被覆部材16と基板10とが密着しているため、被検液20を第2ウェル14に充填するにあたって、、外部から異物が混入することがない。さらに、被覆部材16と基板10との間の空間17を介して被検液20を第1ウェル12から第2ウェル14に移動させることができるため、第1ウェル12と第2ウェル14とを接続する流路を基板10に製造する必要がなく、低コストで精度良くかつ確実に被検液20を簡便な方法にて分注することができる。
【0045】
また、本実施形態に係る被検液の検査方法によれば、例えば、ピペットを用いて人手によって被検液を分注する場合に困難である、微少量の被検液の分注が可能である。
【0046】
さらに、本実施形態に係る被検液の検査方法によれば、バイオチップ100の複数の第2ウェル14がそれぞれ第1ウェル12と分離した状態で第1ウェル12及び第2ウェル14が密閉されていることにより、第2ウェル14から第1ウェル12へと被検液20の逆流を防止することができる。これにより、被検液の正確な測定が可能となる。
【0047】
加えて、本実施形態に係る被検液の検査方法によれば、試薬の調製及び被検液の分注工程を大幅に削減することができ、例えば自動分注装置のような高価な設備を用いる必要がないため、低コストにて被検液を分注することができる。
【0048】
そのうえ、基板10及び被覆部材16がいずれも透明でかつ低自家蛍光の材質からなる場合、本実施形態に係る被検液の検査方法によって第2ウェル14に被検液20が充填されたバイオチップ100を用いて蛍光測定することができる。このため、簡便な測定が可能である。
【0049】
なお、被検液20を第1ウェル12から第2ウェル14に移動させる工程において、バイオチップ100を回転させる際に、図6に示されるように、第1の面10aが回転軸と対向し、かつ、第2ウェル14から回転軸までの回転軸に対して垂直方向の距離が第1ウェル12から回転軸までの回転軸に対して垂直方向の距離よりも長くなるようにバイオチップを100を配置してもよい。
【0050】
また、被覆部材16は、接着剤が配置され、ループ状の領域18について被覆部材16と基板10とを密着させる工程において、ループ状の領域18を加圧して、ループ状の領域18について基板10と被覆部材16とを接着させるようにしてもよい。この方法によれば、ループ状の領域18を加圧することにより被覆部材16に配置された接着剤にて基板10と被覆部材16とが接着されるため、簡便かつ低コストで基板10と被覆部材16とを密着させることができる。また、密着させる工程においてはループ状の領域18を加圧させるだけなので、熱が発生することがなく、バイオチップ200の温度の上昇を抑制することができ、被検液20に与えるダメージを少なくすることができる。
【0051】
また、被覆部材16は、弾性変形する性質を有することが好ましい。この方法によれば、被検液20の液圧および被覆部材16に加わる遠心力により、被覆部材16が弾性変形し、被覆部材16に歪みが生じる結果、被覆部材16と基板10との間に空間17が形成されやすくすることができる。そして、この空間17を介して被検液20が第1ウェル12から第2ウェル14へと移動させることができる。
【0052】
本実施形態では、バイオチップ100がPCRに用いられる場合について説明したが、本実施形態に係る被検液の検査方法により得られたバイオチップ100は例えば、ウイルス、細菌、タンパク質、低分子〜高分子化合物、細胞、粒子、コロイド、例えば花粉等のアレルギー物質、毒物、有害物質、環境汚染物質の検査に使用することができる。なお、本実施形態では、バイオチップ100の第2ウェル14が試薬を含む場合について説明したが、検査内容によっては、第2ウェル14は試薬を含まなくてもよい。
【0053】
2.第2実施形態
図10、図11及び図13は、本発明の第2実施形態に係る被検液の検査方法の一工程を説明する図である(図10、図11及び図13において上図は平面図、下図は上図に対応する断面図である)。図12は、図10に示されるバイオチップ200と被覆部材26とを超音波溶着装置300を用いて溶着させる工程を説明する図であり、図14は、図11に示されるバイオチップ200と被覆部材26とを超音波溶着装置300を用いて密着(溶着)させる工程を説明する図である。
【0054】
本実施形態に係る被検液の検査方法では、図10に示されるバイオチップ200を用いる。すなわち、バイオチップ200は、複数の第2ウェル24の上端部24aがそれぞれ凸部11で構成されている点で、凸部11が設けられていない第1実施形態のバイオチップ100と異なる。なお、バイオチップ200を第1実施形態に係る被検液の検査方法で用いてもよいし、あるいは、第1実施形態に係る被検液の検査方法で用いたバイオチップ100を本実施形態に係る被検液の検査方法で用いてもよい。なお、バイオチップ200の第1ウェル22及び第2ウェル24は、第1実施形態のバイオチップ100の第1ウェル12及び第2ウェル14と同様の構成及び機能を有する。
【0055】
本実施形態に係る被検液の検査方法において、上述の第1実施形態に係る被検液の検査方法と同様の構成成分については同じ符号を付して示し、詳しい説明は省略する。したがって、本実施形態に係る被検液の検査方法の構成成分において、上述の第1実施形態に係る被検液の検査方法と同じ符号で示された構成成分は同様の構成及び機能を有する。
【0056】
本実施形態に係る被検液の検査方法では、基板110と被覆部材26とを密着させる手段が超音波照射による溶着である点で、接着によって基板10と被覆部材16とを密着させる第1実施形態に係る被検液の検査方法と異なる。よって、本実施形態に係る被検液の検査方法では、第1実施形態に係る被検液の検査方法と共通する工程については説明を省略し、第1実施形態に係る被検液の検査方法とは異なる工程について主に説明する。
【0057】
被覆部材26は、上述した第1実施形態における被覆部材16と同様に、透明でかつ低自家蛍光の材質からなるのが好ましい。さらに、バイオチップ200では、基板110及び被覆部材26がいずれも、熱により溶融する性質を有する。この場合、基板110及び被覆部材26を確実に溶着させることができる点で、基板110及び被覆部材26は同じ材質からなることがより好ましい。また、バイオチップ200をPCRに用いる場合、基板110及び被覆部材26はPCRにおける加熱に耐えられる材質であることが好ましく、このような材質としては、透明でかつ低自家蛍光の樹脂(例えばポリカーボネート)が挙げられる。
【0058】
まず、第1実施形態に係る被検液の検査方法(上記1.1.参照)と同様の方法にて、第1ウェル22に被検液20を供給する。
【0059】
次に、図10に示されるように、第1ウェル22及び第2ウェル24が被覆部材26で覆われるように基板110上に被覆部材26が配置された状態で、図11に示されるように、被覆部材26と基板110との接合面のうち第1ウェル22及び第2ウェル24を取り囲むループ状の領域(以下単に「領域」ともいう。)28に超音波を照射して、領域28において基板110及び被覆部材26を溶着させる。これにより、領域28においては基板110と被覆部材26とが密着されているが、領域28より内側及び外側の領域では、基板110及び被覆部材26が単に接している。このため、領域28より内側の領域では、基板110と被覆部材26との間を被検液20が移動できる隙間(図示せず)が存在する。
【0060】
ここで、超音波の照射は例えば、図12に示される超音波溶着装置300を用いることができる。超音波溶着装置300では、超音波振動子304にて電気エネルギーを機械的振動エネルギー(超音波)に変換し、ホーン302から超音波を照射する。ここで、照射される超音波は、例えば20kHzである。
【0061】
超音波溶着装置300は、図12に示されるように、超音波振動子304と、超音波振動子304に取り付けられたホーン302とを備える。ホーン302は、図12に示されるように、空洞部305を有する。ホーン302は、図4に示される加圧部材40と同様の形状を有する。すなわち、ホーン302は空洞部305及び端面306を有し、この空洞部305及び周縁部306はそれぞれ、図4に示される加圧部材40の空洞部42及び端面44と同様の構造を有する。
【0062】
ホーン302の端面306をバイオチップ200上の被覆部材26に押し当てた状態で、バイオチップ200に対して図12の矢印の方向に加圧するとともに、端面306から超音波が集中して放出される。その結果、端面306と接する領域28(図11参照)に超音波が集中的に照射されて摩擦熱が発生し、領域28にて基板110及び被覆部材26が溶融して基板110と被覆部材26とが密着(溶着)する。
【0063】
次いで、第1実施形態に係る被検液の検査方法(上記1.3.参照)と同様の方法にて、遠心力を利用して、ループ状の領域28より内側の領域において被覆部材26と基板110との間に形成された空間(図示せず)を介して被検液20を第1ウェル22から第2ウェル24に移動させる。
【0064】
続いて、被覆部材26全体に対して超音波を照射することにより、図13に示されるように、基板110と被覆部材26との接合面全体を密着(溶着)させる。これにより、第1ウェル22及び第2ウェル24を密閉する。
【0065】
ここで、超音波の照射は例えば、図14に示される超音波溶着装置300を用いることができる。超音波溶着装置300は、図14に示されるように、超音波振動子304と、超音波振動子304に取り付けられたホーン303とを備える。ホーン303は、内部に空洞部305が設けられていない点以外は、図12に示されるホーン302と同様の構成を有する。
【0066】
図14に示されるように、バイオチップ200に積層された被覆部材26の上方から、被覆部材26全体に対して、超音波溶着装置300によって超音波を照射する。ホーン303の端面307を被覆部材26に押し当てた状態でバイオチップ200に対して図14の矢印の方向に加圧するとともに、ホーン303の端面307と被覆部材26との接合面に超音波を照射する。これにより、基板110と被覆部材26との接合面が密着(溶着)する。これにより、第1ウェル22及び第2ウェル24が密閉される。
【0067】
本実施形態に係る被検液の検査方法によれば、第1実施形態に係る被検液の検査方法と同様の作用効果を有する。さらに、本実施形態に係る被検液の検査方法によれば、基板110と被覆部材26とを超音波照射によって密着(溶着)させるため、被検液20への熱の付加を抑えることができるため、被検液20に与えるダメージが少ない。このため、第2ウェル24に含まれる試薬の活性を維持することができる。さらに、溶着による基板110と被覆部材26との接合力は強いため、第2ウェル24からの液漏れを確実に防止することができる。
【0068】
また、本実施形態に係る被検液の検査方法で用いるバイオチップ200は、第2ウェル24の上端部24aがそれぞれ凸部11で構成されているため、凸部11と被覆部材26とを超音波照射により溶着させる際に、超音波が凸部11と被覆部材26との接合面に集中しやすいため、凸部11と被覆部材26とをより確実に溶着させることができる。また、超音波照射による溶着は、バイオチップ200の温度の上昇を抑制することができるため、被検液20に与えるダメージが少ない。
【0069】
本発明に係る実施の形態の説明は以上である。本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び結果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0070】
10,110…基板、10a…第1の面、10b…第2の面、11…凸部、12,22…第1ウェル、14,24…第2ウェル、24a…上端部、16,26…被覆部材、16a…表面、17…空間、18,28…領域、20…被検液、30…ローラー、40…加圧部材、42,305…空洞部、44,306…端面、100,200…バイオチップ、300…超音波溶着装置、302,303…ホーン、304…超音波振動子、307…端面、A…回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ウェルと、前記第1ウェルと分離した、試薬を含む複数の第2ウェルとを基板の第1の面に備えたバイオチップの前記第1ウェルに被検液を供給する工程と、
前記第1ウェル及び前記第2ウェルが覆われるように、前記基板上に被覆部材が配置された状態で、前記被覆部材と前記基板との接合面のうち前記第1ウェル及び前記第2ウェルを囲むループ状の領域について前記被覆部材と前記基板とを密着させる工程と、
前記第2ウェルから回転軸までの前記回転軸に対して垂直方向の距離が前記第1ウェルから前記回転軸までの前記回転軸に対して垂直方向の距離よりも長くなるように前記バイオチップが配置された状態で、前記回転軸を中心として前記バイオチップを回転させることにより、前記被覆部材と前記基板との間の空間を介して前記被検液を前記第1ウェルから前記第2ウェルに移動させる工程と、
前記被覆部材を前記基板に密着させることによって、前記第1ウェル及び前記第2ウェルを密閉する工程と、
を含む、被検液の充填方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記被検液を前記第1ウェルから前記第2ウェルに移動させる工程において、前記バイオチップを回転させる際に、前記第1の面が前記回転軸と対向するように前記バイオチップを配置する、被検液の充填方法。
【請求項3】
請求項2において、
前記被検液を前記第1ウェルから前記第2ウェルに移動させる工程において、前記バイオチップを回転させる際に、前記第1の面から前記回転軸までの前記回転軸に対して垂直方向の距離が、前記第1の面と対向する第2の面から前記回転軸までの前記回転軸に対して垂直方向の距離よりも短くなるように前記バイオチップを配置する、被検液の充填方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかにおいて、
前記被覆部材は、接着剤が配置され、
前記ループ状の領域について前記被覆部材と前記基板とを密着させる工程において、前記ループ状の領域を加圧して、前記ループ状の領域について前記基板と前記被覆部材とを接着させる、被検液の充填方法。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかにおいて、
前記基板及び前記被覆部材は、熱により溶融する性質を有し、
前記ループ状の領域において前記被覆部材と前記基板とを密着させる工程において、前記ループ状の領域に超音波を照射して、前記ループ状の領域において前記基板と前記被覆部材とを溶着させる、被検液の充填方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかにおいて、
前記基板の表面は、凸部を有し、
前記第1ウェル及び前記第2ウェルを密閉する工程において、前記凸部と前記被覆部材とが密着される、被検液の充填方法。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかにおいて、
前記被覆部材は、弾性変形する性質を有する、被検液の充填方法。

【図1】
image rotate

【図4】
image rotate

【図12】
image rotate

【図14】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2011−123013(P2011−123013A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282931(P2009−282931)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】