説明

被測定水中の被検成分濃度の測定方法

【課題】 呈色反応を利用して被測定水中の被検成分濃度を測定するにあたり、呈色試薬の薬注誤差を考慮した上で、呈色試薬が適正量薬注されたか否かを判断する方法を提供すること。
【解決手段】 あらかじめ、呈色試薬と色素を含む薬液の薬注量のばらつきを考慮した許容最大薬注量と許容最小薬注量を設定し、前記色素の光吸収波長で呈色反応液の発色度合を測定することで、基準水中の被検成分濃度と呈色反応液の発色度合との関係について、発色度合の大きい検量線と発色度合の小さい検量線をそれぞれ作成し、該検量線で囲まれる領域を薬注判定領域として設定しておき、被測定水の測定プロセスにおいて、前記色素の光吸収波長で呈色反応液の発色度合を測定し、得られた発色度合が、前記薬注判定領域の被検成分濃度のうち、被測定水中の被検成分濃度に対応した発色度合の領域内にあるか否かを判定する薬注判定ステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定水中の被検成分濃度の測定方法に関し、特に呈色反応を利用して被測定水中の被検成分濃度を測定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水道水や井戸水などの生活用水,あるいはプール水には、次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素剤が添加されている。この塩素剤は、酸化作用による殺菌や消毒などの効果を有するが、水中に懸濁物,有機物,あるいは金属イオンなどが存在すると、これらの物質との反応によって、その効果が低減する場合がある。また、前記塩素剤は、貯水タンクやプールなどの開放系において、大気中への拡散によって、その効果が経時的に失われる場合もある。このため、水中の残留塩素濃度を定期的に測定し、所定の濃度が維持されているか否かを確認する必要がある。
【0003】
一方、精密濾過膜,限外濾過膜,逆浸透膜,あるいはナノ濾過膜などの各種濾過膜を使用する水処理システムにおいては、被処理水中に前記塩素剤が存在すると、前記濾過膜が酸化を受けて劣化しやすい。前記濾過膜が劣化すると、被処理水の水質が悪化するため、通常、前記濾過膜の上流側に活性炭フィルタ装置や重亜硫酸ナトリウム(SBS)の添加装置を設置し、前記塩素剤を除去している。この場合、前記活性炭フィルタ装置を通過した被処理水や重亜硫酸ナトリウムが添加された被処理水の残留塩素濃度を定期的に測定し、前記塩素剤が確実に除去されているか否かを確認する必要がある。
【0004】
従来、水中の残留塩素濃度の測定には、o−トリジンやDPD(N,N−ジエチルフェニレンジアミン)などの呈色試薬を使用した測定法が広く利用されており、現場で被測定水の採水および測定を自動で行うことのできる光学式の測定装置も実用化されている。さらに、近年では、DPDよりも安全性に優れたジアルキルベンジジン化合物やテトラアルキルベンジジン化合物を呈色試薬に用いる測定法も提案されており、たとえば特許文献1には、ジアルキルベンジジン化合物のスルホアルキル誘導体の呈色試薬への適用が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−350416号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、呈色反応を利用して被測定水中の被検成分濃度を自動化された測定装置を用いて測定する場合、装置そのものが有する誤差要因や前記呈色反応に起因する誤差要因など、様々な誤差要因を考慮して測定システムを設計する必要がある。このうち、被測定水に対する呈色試薬の薬注量は呈色反応の反応当量に直接影響を与える。このため、呈色試薬を適正量薬注することは、測定された被検成分濃度の信頼性を確保する上で重要である。一方、呈色試薬を薬注する場合には、ある程度の誤差が生じるのは技術的に避けられない面もある。このため、かかる薬注誤差を考慮した上で、呈色試薬が適正量薬注されたか否かを判断する必要がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、呈色反応を利用して被測定水中の被検成分濃度を測定するにあたり、呈色試薬の薬注誤差を考慮した上で、呈色試薬が適正量薬注されたか否かを判断する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、被測定水を着色させるため、呈色試薬とともに色素を含む薬液を薬注し、該色素の光吸収波長で呈色反応液の発色度合を測定することで、前記薬液の薬注量が適正か否かを判定する手法を検討したところ、呈色反応物も前記色素の光吸収波長に吸収を示すこと、さらにこの吸収の大きさは呈色反応物の濃度などに依存することが判明した。本発明は、これらの事実を考慮して完成されたものであり、新規な薬注判定領域を設定し、これを利用した薬注判定ステップを有するものである。
【0009】
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
〔1〕 被測定水と、呈色試薬および色素を含有する薬液とを反応させ、得られた呈色反応液の発色度合を検出することで被測定水中の被検成分濃度を測定するにあたり、あらかじめ、前記薬液の薬注量のばらつきを考慮した許容最大薬注量と許容最小薬注量を設定し、前記色素の光吸収波長で呈色反応液の発色度合を測定することで、基準水中の被検成分濃度と呈色反応液の発色度合との関係について、発色度合の大きい検量線と発色度合の小さい検量線をそれぞれ作成し、該検量線で囲まれる領域を薬注判定領域として設定しておき、被測定水の測定プロセスにおいて、前記色素の光吸収波長で呈色反応液の発色度合を測定し、得られた発色度合が、前記薬注判定領域の被検成分濃度のうち、被測定水中の被検成分濃度に対応した発色度合の領域内にあるか否かを判定する薬注判定ステップを含むことを特徴とする被測定水中の被検成分濃度の測定方法、
〔2〕 前記薬注判定領域が、水温,Mアルカリ度および測定波長から選択される1種以上の発色に影響する因子を選択して、発色度合として許容可能な高発色条件と低発色条件を設定し、薬液の薬注量が許容最大薬注量のときは高発色条件を組み合わせ、薬液の薬注量が許容最小薬注量のときは低発色条件を組み合わせて、発色度合の大きい検量線と発色度合の小さい検量線をそれぞれ作成して設定されたものである、前記〔1〕記載の方法、
〔3〕 前記被検成分が残留塩素であり、前記呈色試薬がジアルキルベンジジン化合物である、前記〔1〕または〔2〕記載の方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、あらかじめ薬液の薬注量のばらつきを考慮した許容最大薬注量と許容最小薬注量を設定し、前記色素の光吸収波長で呈色反応液の発色度合を測定することで、基準水中の被検成分濃度と呈色反応液の発色度合との関係について、発色度合の大きい検量線と発色度合の小さい検量線をそれぞれ作成し、該検量線で囲まれる領域を薬注判定領域として設定しておき、被測定水の測定プロセスにおいて、前記色素の光吸収波長で呈色反応液の発色度合を測定し、得られた発色度合が、前記薬注判定領域の被検成分濃度のうち、被測定水の被検成分濃度に対応した発色度合の領域内にあるか否かを判定する薬注判定ステップを含んでいるので、呈色反応物が前記色素の光吸収波長に吸収を示したり、この吸収の大きさが呈色反応物の濃度に依存する場合であっても、薬注誤差を考慮しつつ、呈色試薬が適正量薬注されたか否かを判断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明に係る被検成分濃度の測定装置を残留塩素濃度測定装置に適用した概略構成図を示している。図1において、残留塩素濃度測定装置1は、測定セル2と、薬注部3と、投受光部4と、水温検出部5と、制御器6とを主に備えている。
【0012】
前記測定セル2は、不透明樹脂材料で形成された円筒状の容器であり、その側壁に一対
の光透過窓部7,7が対向して形成されている。これらの各光透過窓部7には、ガラスや
アクリル樹脂などの透明材料を平板状に成形した窓板8,8がそれぞれ装着されている。
前記各窓板8は、とくに後述する薬液に酸,アルカリ,あるいは有機溶媒などが含まれる
場合、その材料に石英ガラスを使用すると、材質劣化による破損のおそれがなく、好適で
ある。
【0013】
前記薬注部3は、薬液貯蔵容器9とローラポンプ10とを主に備えている。前記薬液貯
蔵容器9は、その内部に被測定水中の残留塩素と反応して発色する呈色試薬が配合された
薬液が貯蔵されており、前記測定セル2の上部と薬液供給経路11で接続されている。こ
の薬液供給経路11には、前記ローラポンプ10が設けられており、このローラポンプ1
0の下流側には、逆止弁12が設けられている。前記薬液供給経路11は、たとえば弾性
材料で形成されたチューブであって、このチューブを前記ローラポンプ10で扱くことに
より、前記薬液貯蔵容器9から前記測定セル2内へ呈色試薬を含む薬液が吐出される。
【0014】
前記投受光部4は、発光波長の異なる第一発光素子13および第二発光素子14が装着
された発光回路基板15と、それぞれ透過光を検出する第一受光素子16および第二受光
素子17が装着された受光回路基板18とを備えている。ここで、前記各発光素子13,
14は、たとえばLEDであり、また前記各受光素子16,17は、たとえばフォトダイ
オードである。前記発光回路基板15は、前記各発光素子13,14が一方の前記光透過
窓部7へ臨むように、前記測定セル2の外側に配置されている。そして、前記受光回路基
板18は、前記各受光素子16,17が他方の前記光透過窓部7へ臨むように、前記測定
セル2の外側に配置されている。すなわち、この実施形態における前記投受光部4は、所
定の発光波長に設定された光を前記各発光素子13,14から照射するとともに、前記測
定セル2を透過した光を前記各受光素子16,17で検出するように構成されている。
【0015】
前記測定セル2の底部には、撹拌装置19が設けられており、この撹拌装置19は、撹拌子20およびステータ21を備えている。前記撹拌子20は、前記測定セル2の底部において、回転可能に配置されている。前記ステータ21は、前記撹拌子20を取り囲むように、前記測定セル2の外側に配置されており、電磁誘導コイル(図示省略)を備えている。そして、この電磁誘導コイルヘ電流を供給すると、前記撹拌子20が回転する。
【0016】
前記測定セル2において、前記各光透過窓部7よりも下方の側壁には、採水口22が設
けられており、この採水口22は、給水配管や貯水タンクなどの監視対象水系(図示省略
)と採水経路23で接続されている。この採水経路23には、前記採水口22側から順に
電磁弁24,定流量弁25およびフィルタ26が設けられている。一方、前記測定セル2において、前記各光透過窓部7よりも上方の側壁には、排水口27が設けられており、こ
の排水口27には、排水ピット(図示省略)へ延びる排水経路28が接続されている。
【0017】
前記水温検出部5は、前記フィルタ26の上流側において、前記採水経路23に設けら
れている。この実施形態において、前記水温検出部5は、いわゆる温度センサであって、
その検出部位が前記採水経路23中の被測定水と接触するように取り付けられている。こ
こにおいて、前記採水経路23を構成するパイプやチューブなどの肉厚が比較的薄い(た
とえば、3mm以下)場合、前記水温検出部5は、前記採水経路23の外周面の温度を検出
するように構成してもよい。あるいは、前記水温検出部5は、前記測定セル2内に貯留さ
れた被測定水や前記排水経路28からの排水の水温を検出するように構成してもよい。
【0018】
前記制御器6は、前記残留塩素濃度測定装置1の動作を制御するものであり、図2に示
すように、演算部29と入出力ポート30とを主に備えている。前記演算部29は、中央
処理装置31(以下、「CPU31」と云う。),読取り専用記憶装置32(以下、「ROM32」と云う。)および読み書き可能な記憶装置33(以下、「RAM33」と云う。)を主に備えている。
【0019】
前記入出力ポート30の入力側には、操作者が動作条件などを入力するスイッチ34お
よび前記受光回路基板18などの入力機器が接続されている。一方、前記入出力ポート3
0の出力側には、測定結果などを表示する液品ディスプレイ35(以下、「LCD35」
と云う。),前記ローラポンプ10,前記発光回路基板15,前記ステータ21および前
記電磁弁24などの出力機器が接続されている。
【0020】
前記制御器6は、前記ROM32に記憶させたプログラムにしたがって、前記演算部2
9が前記入出力ポート30を介して入力された各種の情報を前記RAM33に適宜保存し
ながら演算処理する。そして、前記演算部29は、得られた演算結果に基づいて、前記入
出力ポート30を介して各種の動作指令を前記出力機器に対して出力する。
【0021】
前記プログラムには、測定プロセスにおいて、あらかじめ前記ROM32に記憶された
基準検量線に基づいて、被測定水中の被検成分濃度を1次判定する判定処理が組み込まれている。ここで、基準検量線とは、基準水と、呈色試薬および色素を含有する薬液とを反応させ、基準水中の被検成分と薬液中の呈色試薬との反応により得られた呈色反応物の吸収極大付近の波長で呈色反応液の吸光度(または、透過率)を測定することで、基準水中の被検成分濃度と呈色反応液の吸光度(または、透過率)との関係を求めたものをいう。ここで、基準水とは、被検成分を水中に溶解させて所定の濃度範囲に調整したもの(例えば、被検成分が残留塩素の場合、Cl換算で0〜2.5ppm)をいい、さらに所定のMアルカリ度を有するように調整したものを用いることもできる。
【0022】
また、前記プログラムには、測定プロセスにおいて、あらかじめ前記ROM32に記憶された薬注判定領域に基づいて、前記薬液が適正量薬注された否かを判定する薬注判定処理が組み込まれている。ここで、薬注判定領域とは、前記薬液の薬注量のばらつきを考慮した許容最大薬注量と許容最小薬注量を設定し、前記色素の光吸収波長で呈色反応液の吸光度(または、透過率)を測定することで、前記基準水中の被検成分濃度と呈色反応液の吸光度(または、透過率)との関係をグラフ化し、吸光度(または、透過率)の変化率の大きい検量線と吸光度(または、透過率)の変化率が小さい検量線とで囲まれる領域をいう。
【0023】
ここで、前記薬注判定領域は、水温,Mアルカリ度および測定波長から選択される1種以上の発色に影響する因子を選択して、吸光度(または、透過率)として許容可能な高発色条件と低発色条件を設定し、薬液の薬注量が許容最大薬注量のときは高発色条件を組み合わせ、薬液の薬注量が許容最小薬注量のときは低発色条件を組み合わせて、吸光度(または、透過率)の変化率が大きい検量線と吸光度(または、透過率)の変化率が小さい検量線をそれぞれ作成して設定することもできる。
【0024】
さらに、前記プログラムには、測定プロセスにおいて、あらかじめ前記ROM32に記憶された濃度補正式に基づいて、被測定水中の被検成分濃度として求められた1次判定値を補正する濃度補正処理が組み込まれている。
【0025】
つぎに、前記薬液貯蔵容器9内の薬液について説明する。この実施形態に係る薬液は、
残留塩素濃度を測定するための一液型の組成物であり、表1に示す配合例のように、呈色
試薬として、ジアルキルベンジジン化合物を含んでいる。ここで、利用可能なジアルキル
ベンジジン化合物としては、たとえばN,N’−ビス(2−スルホエチル)−3,3’−
ジメチルベンジジン;N,N’−ビス(3−スルホプロピル)−3,3’−ジメチルベン
ジジン;N,N’−ビス(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,3’−ジメチル
ベンジジン;N,N’−ビス(4−スルホブチル)−3,3’−ジメチルベンジジン;N
,N’−ビス(3−スルホプロピル)−N,N’−ジエチル−3,3’−ジメチルベンジ
ジン;N,N’−ビス(2,4−ジスルホベンジル)−3,3’−ジメチルベンジジンおよびこれらのアルカリ金属塩などを挙げることができる。
【0026】
【表1】

【0027】
また、薬液は、その注入の有無を確認するために、被測定水を着色させる色素として、
ニューコクシン(食用赤色102号)を含んでいる。また、薬液は、前記色素の溶剤として、プロパン−1,2−ジオールおよび界面活性剤を含んでいる。これらの溶剤は、前記残留塩素濃度測定装置1が使用される5℃の低温条件において、薬液内で前記色素が析出することを防止する作用を有しており、薬液の安定注入に寄与している。同時に、界面活性剤は、被測定水中の汚れ成分が前記窓板8,8へ付着することを抑制する洗浄剤としての作用も有している。さらに、薬液は、前記残留塩素濃度測定装置1が使用される5〜50℃の温度条件で約1年問保存した場合に、呈色試薬が発色したときの吸収極大付近における吸光度のバックグラウンドの上昇が抑制されるように、硫酸およびリン酸−リン酸ナトリウム系の緩衝剤を使用してpH0.6に調節されている。ここで、リン酸は、被測定水中の六価クロムイオンや第二鉄イオンなどの酸化性金属イオンと錯体を形成することが可能であり、マスキング剤としての作用も有している。また、溶媒である水には、通常、蒸留水やイオン交換水などを使用する。
【0028】
ところで、ジアルキルベンジジン化合物は、酸性領域で残留塩素と反応したときに、波
長360〜380nm付近,450〜470nm付近および640〜660nm付近に吸収極大を示して黄〜青緑色に発色する酸化発色性の呈色試薬である。前記第一発光素子13は、これらの吸収極大のうち、640〜660nmを測定波長とする透過光強度を測定するために、たとえば発光波長が655nmに設定された赤色LEDを使用している。一方、ニューコクシンは、波長505nm付近に吸収極大を示し、測定波長として選択した640〜660nmと異なる波長領域に吸収を示す色素である。前記第二発光素子14は、505nm付近の透過光強度を測定するために、たとえば発光波長が470nmに設定された青色LEDを使用している。
【0029】
つぎに、図3〜図5に示す動作フローチャートにしたがって、前記残留塩素濃度測定装置1における一連の測定プロセスを詳細に説明する。
【0030】
前記残留塩素濃度測定装置1の電源が投入されると、前記演算部29に記憶されたプロ
グラムは、まずステップS1において、前記ステータ21の電磁誘導コイル(図示省略)
への通電を停止し、前記電磁弁24を閉状態にするなどの初期設定動作を実施する。
【0031】
プログラムは、ステップS2において、前記演算部29の内部タイマーの経過時間tを
ゼロに設定し、つぎのステップS3において、経過時間tが所定時間tに到達したか否
かを判断する。経過時間tが所定時間tになると、プログラムはステップS4へ移行し
、経過時間tを再びゼロにリセットする。ここにおいて、所定時間tは、前記残留塩素
濃度測定装置1の測定間隔時間に相当し、通常、0.1〜24時問の範囲である。
【0032】
洗浄動作
つぎに、プログラムは、ステップS5において、前記第二発光素子14を点灯したのち
、ステップS6へ移行し、前記測定セル2の洗浄を実施する。前記電磁弁24を開状態に
すると、被測定水が洗浄水として、前記採水経路23を経由して前記採水口22から前記
測定セル2内へ流入する。このとき、被測定水に含まれるゴミや濁質などの夾雑物は、前
記フィルタ26により除去される。また、前記測定セル2内へ流入する被測定水の流量は
、前記定流量弁25により制御される。前記測定セル2内へ連続的に流入する被測定水は
、前回の測定に係る着色,もしくは発色した被測定水を押し出しながら前記測定セル2内
を満たし、前記排水経路28から系外へ連続的に排出される。このとき、前記電磁誘導コ
イルが通電され、それによって生じる磁場を前記撹拌子20内の磁石(図示省略)が受け
る。これにより、前記撹拌子20が回転し、前記測定セル2内へ流入した被測定水が撹拌
される。この結果、前記測定セル2内は、連続的に流入する新たな被測定水により置換さ
れるとともに洗浄される。
【0033】
この過程において、洗浄を開始したときから前記測定セル2を透過する青色光を前記第
二受光素子17で検出し、その透過光強度が所定値(たとえば、前記測定セル2内に蒸留
水を貯留した場合の青色光の透過光強度に対して、その10〜90%に相当する範囲にお
いて任意に設定される値)になるまでの時間を測定する。つぎに、この時間に基づいて、
被測定水の流量をあらかじめ前記ROM32に記憶されたデータから推定し、この推定さ
れた流量に応じて、一定量の被測定水が供給される所定時問を決定する。そして、この所
定時間が経過するまで洗浄状態を保持する。
【0034】
前記測定セル2の洗浄を開始して所定時間が経過すると、プログラムは、ステップS7
へ移行し、洗浄確認準備を実施する。ここでは、前記電磁誘導コイルの通電を止め、被測
定水の撹拌を停止する。
【0035】
洗浄確認動作
前記洗浄動作が終了すると、プログラムは、ステップS8へ移行し、前記測定セル2を
透過する青色光を前記第二受光素子17で検出し、その透過光強度(A)を測定する。続
いて、ステップS9では、ステップS8で測定した透過光強度(A)が、基準値(B)を
超えるか否かを判断する。ここで、基準値(B)は、前記測定セル2内に蒸留水を貯留し
た場合の青色光の透過光強度に対して、たとえばその90%以上に相当する範囲において
任意に設定される値である。
【0036】
ここで、透過光強度(A)が基準値(B)以下のときは、前記測定セル2内に前回の測
定に係る前記色素で赤色に着色された被測定水が残留しているか,もしくは前記測定セル
2に青色光の透過を妨げる汚れがあると判断し、プログラムは、ステップS5へ戻り、前記洗浄動作から改めて実施する。一方、透過光強度が基準値(B)を超えるときは、前記
測定セル2内が新たな被測定水で置換され,かつ前記測定セル2に汚れがないと判断し、
プログラムは、ステップS10へ移行する。
【0037】
ステップS10では、前記第二発光素子14を消灯するとともに、前記第一発光素子1
3を点灯する。そして、つぎのステップS11おいて、前記測定セル2を透過する赤色光
を前記第一受光素子16で検出し、その透過光強度(C)を測定する。続いて、ステップ
S12において、ステップS11で測定した赤色光の透過光強度(C)が、基準値(D)
を超えるか否かを判断する。ここで、基準値(D)は、前記容器2内に蒸留水を貯留した
場合の赤色光の透過光強度に対して、たとえばその90%以上に相当する範囲において任
意に設定される値である。
【0038】
ここで、透過光強度(C)が基準値(D)以下のときは、前記測定セル2に赤色光の透
過を妨げる汚れがあるか,もしくは被測定水に濁りがあると判断し、プログラムは、ステ
ップS5へ戻り、前記洗浄動作から改めて実施する。一方、透過光強度(C)が基準値(
D)を超えるときは、前記測定セル2に汚れがなく,かつ被測定水に濁りがないと判断し
、プログラムは、ステップS13へ移行する。
【0039】
貯留動作
つぎに、ステップS13において、プログラムは、被測定水の貯留動作を実施する。こ
の動作では、前記電磁弁24は、ステップS6〜S12に引き続いて開状態のまま維持さ
れており、被測定水が前記採水経路23を経由して前記採水口22から前記測定セル2内
へ流入する。このとき、被測定水に含まれるゴミや濁質などの來雑物は、前記フィルタ2
6により除去される。また、前記測定セル2内へ流入する被測定水の流量は、前記定流量
弁25により制御される。前記測定セル2内へ連続的に流入する被測定水は、前記測定セ
ル2内を満たしながら、前記排水経路28から系外へ連続的に排出される。そして、この
状態で前記電磁弁24を閉状態にすると、前記測定セル2内への被測定水の流入が遮断さ
れ、前記測定セル2内に所定量(通常、4ミリリットル)の被測定水が貯留される。所定
量の被測定水が貯留されると、プログラムは、ステップS14へ移行する。
【0040】
ステップS14では、前記第一発光素子13を消灯するとともに、前記第二発光素子1
4を点灯する。そして、つぎのステップS15において、前記測定セル2を透過する青色
光を前記第二受光素子17で検出し、その透過光強度(E)を測定する。この透過光強度
(E)は、被測定水のブランク値として前記RAM33に記憶され、プログラムは、ステ
ップS16へ移行する。
【0041】
ステップS16では、前記第二発光素子14を消灯するとともに、前記第一発光素子1
3を点灯する。そして、つぎのステップS17において、前記測定セル2を透過する赤色
光を前記第一受光素子16で検出し、その透過光強度(F)を測定する。この透過光強度
(F)は、被測定水のブランク値として前記RAM33に記憶され、プログラムは、ステ
ップS18へ移行する。
【0042】
薬注動作
ステップS18において、プログラムは、前記第一発光素子13を消灯するとともに、薬液の注入を実施する。ここでは、前記電磁誘導コイルが通電され、前記測定セル2内に貯留された被測定水が撹拌される。そして、この状態を継続しながら、前記ローラポンプ10を駆動させ、前記薬液供給経路11を構成するチューブを所定回数扱くことにより、前記薬液貯蔵容器9から前記測定セル2内へ所定量の薬液を吐出させる。このようにして注入された薬液は、前記色素によって被測定水を赤色に着色させる。また、注入された薬液は、前記呈色試薬が残留塩素により酸化を受けると、被測定水を青緑色に発色させる。ここにおいて、薬液の全注入量は、表1に示した薬液を利用する場合、たとえば2.5ppm以下の残留塩素濃度(Cl換算)を測定可能な0.03gに設定されている。薬液の注入を終了すると、前記ローラポンプ10を停止させ、プログラムは、ステップS19へ移行する。
【0043】
ステップS19では、前記水温検出部5により、前記採水経路23内の水温,すなわち前記測定セル2内へ流入させた被測定水の水温(T)を検出する。ここにおいて、被測定水の貯留動作が完了してから、水温(T)を検出するまでの時間は非常に短時間(せいぜい10分以下)であるので、前記測定セル2内と前記採水経路23内に温度差が生じたとしても、その差は微小であり、測定に影響を及ぼすことはない。水温(T)の検出が終了すると、プログラムは、ステップS20へ移行する。
【0044】
測定動作
ステップS20では、前記第一発光素子13を点灯する。そして、つぎのステップS21において、前記測定セル2を通過する赤色光を前記第一受光素子16で検出し、その透過光強度(G),すなわち呈色反応液の発色度合を測定する。ここにおいて、透過光強度(G)を検出するタイミングは、呈色反応の速度が被測定水の水温により影響を受けることから、冬季などの低温条件(たとえば、5℃)においても、被測定水と薬液の反応が完結するタイミングに設定されている。具体的には、前記ローラポンプ10を停止させてからの経過時間をカウントし、この経過時間が所定時間(たとえぱ、1〜5分の範囲から選択される時間)に達したとき、透過光強度(G)を検出する。続いて、ステップS22において、透過光強度(G)と前記RAM33に記憶されている透過光強度(F)から、吸光度(log(F/G))を計算する。
【0045】
つぎに、ステップS23において、プログラムは、ステップS22で求めた吸光度(log(F/G))から、あらかじめ前記ROM33に記憶された前記基準検量線に基づいて、前記演算部29で被測定水中の残留塩素濃度を判定する。この残留塩素濃度は、1次判定値として前記RAM33に記憶され、プログラムは、ステップS24へ移行する。
【0046】
薬注判定
ステップS24において、プログラムは、前記第一発光素子13を消灯するとともに、
前記第二発光素子14を点灯する。そして、つぎのステップS25において、前記測定セ
ル2を透過する青色光を前記第二受光素子17で検出し、その透過光強度(H),すなわ
呈色反応液の発色度合を測定する。続いて、ステップS26において、透過光強度(H)と前記RAM33に記憶されている透過光強度(E)から、吸光度(log(E/H))を計算する。この吸光度(log(E/H))は前記RAM33に記憶されるとともに、前記第二発光素子14を消灯して、ステップS27へ移行する。
【0047】
ステップS27において、プログラムは、ステップS26で記憶された吸光度(log(E/H))が、前記薬注判定領域の被検成分濃度のうち、ステップS23で記憶された残留塩素濃度の1次判定値に対応した吸光度の領域内にあるか否かを判断する。
【0048】
ここで、吸光度(log(E/H))が、前記薬注判定領域の被検成分濃度のうち、ステップS23で記憶された残留塩素濃度の1次判定値に対応した吸光度の領域内にないときは、前記薬液が適正量薬注されていないと判断する。すなわち、ステップS18において、薬液の注入量が許容範囲よりも少ないか、若しくは多いと判断する。このとき、プログラムは、ステップS28へ移行し、前記LCD35に異常が発生した旨を表示するとともに、ブザー(図示省略)を鳴動させる。続くステップS29においては、操作者が確認スイッチ(図示省略)を押下したか否かを判断する。操作者が前記確認スイッチを押下したことを認識すると、プログラムは、ステップS5へ戻り、前記洗浄動作から改めて実施する。
【0049】
一方、ステップS27において、吸光度(log(E/H))が、前記薬注判定領域の被検成分濃度のうち、ステップS23で記憶された残留塩素濃度の1次判定値に対応した吸光度の領域内にあるときは、被測定水が前記色素により正常に赤く着色されたと判断する。すなわち、ステップS18において、前記ローラポンプ10が正常に作動し、薬液が適正量注入されたと判断する。このときは、プログラムは、ステップS30へ移行する。
【0050】
つぎに、ステップS30において、プログラムは、ステップS23で求めた残留塩素濃度の1次判定値、ステップS19で検出した水温(T)、及びあらかじめディップスイッチ(図示省略)で設定された被測定水のMアルカリ度から、あらかじめ前記ROM33に記憶された前記濃度補正式に基づいて、前記演算部29で被測定水中の残留塩素濃度を判定する。続いて、ステップS31では、その判定された測定値を前記LCD35に表示する。そして、プログラムは、ステップS3へ戻る。
【0051】
以上説明したように、この実施形態によれば、呈色反応物が前記色素の光吸収波長に吸収を示したり、この吸収の大きさが呈色反応物の濃度に依存する場合であっても、薬注誤差を考慮しつつ、薬液が適正量薬注されたか否かを判断することができる。この結果、とくに白動化された被検成分濃度の測定装置,たとえば残留塩素濃度の測定装置において、測定値の信頼性を確保することができる。また、薬液が適正量薬注されなかった場合でも、薬注量が多すぎたのか、あるいは少なすぎたのかの判断が容易に行えるので、機器のメンテナンスを迅速に行うことができる。
【実施例】
【0052】
以下、試験例などにより本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらによりなんら限定されるものではない。
【0053】
1.基準条件における検量線の作成
60ppmのMアルカリ度を有し、残留塩素濃度が0ppm,1ppmおよび2.5ppm(それぞれCl換算)に設定された3種類の基準水を調製した。これらの基準水40ミリリットルへ表1に記載した薬液0.03gを撹拌しながら2回添加し、室温で1分間静置して呈色反応を完結させたのち、発色した基準水の4ミリリットルを分光光度計用セルに移した。つぎに、前記分光光度計用セルを分光光度計(株式会社日立製作所製U−2010,石英セル長:10mm)にセットし、25℃における波長470nmの吸光度を測定した。基準水中の残留塩素濃度に対して吸光度をプロットして得られた検量線を基準検量線として以下の試験に用いた。上述した呈色反応条件と吸光度の測定条件をまとめて基準条件といい、各条件を簡略化すれば次のように表記される。
(基準条件)
波長:470nm
薬注量:0.03g×2回
水温:25℃
Mアルカリ度:60ppm
【0054】
2.薬注誤差を考慮した薬注判定領域の作成
薬液の薬注量のばらつきを考慮した薬注判定領域を作成することを目的として、前記基準条件のうち、薬注誤差としての許容値を基準薬注量±20%(最大薬注量:0.036g×2回,最小薬注量:0.024g×2回)とし、これ以外の条件は前記「1.基準条件における検量線の作成」と同様にして呈色反応および吸光度測定を行った。得られた検量線を前記基準検量線とともに図6に示す。図6より、薬注量が増加した場合、傾きは一定で、切片は増加することが分かった。また、薬注誤差を考慮した薬注判定領域は、実線で示した2つの検量線で囲まれた領域となる。
【0055】
3.呈色反応液の吸光度に及ぼす波長の影響
呈色反応液の吸光度に及ぼす波長の影響をみるため、前記基準条件のうち、波長誤差としての許容値を基準波長±5nm(長波長:475nm,短波長:465nm)とし、これ以外の条件は前記「1.基準条件における検量線の作成」と同様にして呈色反応および吸光度測定を行った。得られた検量線を前記基準検量線とともに図7に示す。図7より、波長は発色に影響する因子であり、測定波長が長波長側へシフトした場合、傾きが減少し、切片は増加することが分かった。すなわち、本試験では、長波長条件が高発色条件に相当し、短波長条件が低発色条件に相当するといえる。しかし、本試験で設定した条件では、それぞれの検量線にわずかな違いが認められるだけであり、発色への影響がそれほど大きいとは認められなかった。
【0056】
4.呈色反応液の吸光度に及ぼす水温の影響
呈色反応液の吸光度に及ぼす水温の影響をみるため、前記基準条件のうち、水温変化としての許容値を高温側で40℃,低温側で15℃とし、これ以外の条件は前記「1.基準条件における検量線の作成」と同様にして呈色反応および吸光度測定を行った。得られた検量線を前記基準検量線とともに図8に示す。図8より、水温は発色に影響する因子であり、呈色反応を高温で行った場合、傾きは増加するが、切片は一定であることが分かった。すなわち、本試験では、高温条件が高発色条件に相当し、低温条件が低発色条件に相当するといえる。
【0057】
5.呈色反応液の吸光度に及ぼすMアルカリ度の影響
呈色反応液の吸光度に及ぼすMアルカリ度の影響をみるため、前記基準条件のうち、Mアルカリ度の変化としての許容値を高濃度側で500ppm,低濃度側で0ppmとし、これ以外の条件は前記「1.基準条件における検量線の作成」と同様にして呈色反応および吸光度測定を行った。得られた検量線を前記基準検量線とともに図9に示す。図9より、Mアルカリ度は発色に影響する因子であり、基準水中のMアルカリ度が増加した場合、傾きは減少するが、切片は一定であることが分かった。すなわち、本試験では、高濃度条件が低発色条件に相当し、低濃度条件が高発色条件に相当するといえる。
【0058】
6.薬注誤差と各種の発色に影響する因子の変化とを考慮した薬注判定領域の作成
薬注誤差と、発色に影響する因子としての波長,水温およびMアルカリ度の各変化とを考慮した薬注判定領域を作成することを目的として、以下の2つの条件で呈色反応および吸光度測定を行った。得られた検量線を前記基準検量線とともに図10に示す。図10の薬注判定領域は、図6の薬注判定領域に比べて、上限側と下限側がともに大きくなることが確認された。
【0059】
(最大薬注条件+高発色条件)
波長:475nm
吐出量:0.036g×2回
水温:40℃
Mアルカリ度:0ppm
【0060】
(最小薬注条件+低発色条件)
波長:465nm
吐出量:0.024g×2回
水温:15℃
Mアルカリ度:500ppm
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】残留塩素濃度測定装置の概略構成を示す縦断面図。
【図2】残留塩素濃度測定装置における制御器の概略構成を示すブロック図。
【図3】残留塩素濃度測定装置の動作を示すフローチャート。
【図4】残留塩素濃度測定装置の動作を示すフローチャート。
【図5】残留塩素濃度測定猿置の動作を示すフローチャート。
【図6】薬注誤差を考慮した薬注判定領域を示す図。
【図7】許容できる範囲で波長を変化させて得られた検量線。
【図8】許容できる範囲で水温を変化させて得られた検量線。
【図9】許容できる範囲でMアルカリ度を変化させて得られた検量線。
【図10】薬注誤差と各種の発色に影響する因子の変化とを考慮した薬注判定領域を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定水と、呈色試薬および色素を含有する薬液とを反応させ、得られた呈色反応液の発色度合を検出することで被測定水中の被検成分濃度を測定するにあたり、
あらかじめ、前記薬液の薬注量のばらつきを考慮した許容最大薬注量と許容最小薬注量を設定し、前記色素の光吸収波長で呈色反応液の発色度合を測定することで、基準水中の被検成分濃度と呈色反応液の発色度合との関係について、発色度合の大きい検量線と発色度合の小さい検量線をそれぞれ作成し、該検量線で囲まれる領域を薬注判定領域として設定しておき、
被測定水の測定プロセスにおいて、前記色素の光吸収波長で呈色反応液の発色度合を測定し、得られた発色度合が、前記薬注判定領域の被検成分濃度のうち、被測定水中の被検成分濃度に対応した発色度合の領域内にあるか否かを判定する薬注判定ステップ
を含むことを特徴とする被測定水中の被検成分濃度の測定方法。
【請求項2】
前記薬注判定領域が、水温,Mアルカリ度および測定波長から選択される1種以上の発色に影響する因子を選択して、発色度合として許容可能な高発色条件と低発色条件を設定し、薬液の薬注量が許容最大薬注量のときは高発色条件を組み合わせ、薬液の薬注量が許容最小薬注量のときは低発色条件を組み合わせて、発色度合の大きい検量線と発色度合の小さい検量線をそれぞれ作成して設定されたものである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記被検成分が残留塩素であり、前記呈色試薬がジアルキルベンジジン化合物である、請求項1または2記載の方法。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−57996(P2008−57996A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−231959(P2006−231959)
【出願日】平成18年8月29日(2006.8.29)
【出願人】(000175272)三浦工業株式会社 (1,055)
【出願人】(504143522)株式会社三浦プロテック (488)
【Fターム(参考)】