説明

被災状況判定システム、被災況判定装置、被災状況判定方法

【課題】携帯電話機等の移動機を使い、災害の発生時に所定のエリアの被災状況を早急に、かつ正確に判定できる被災状況判定装置を提供する。
【解決手段】移動機に関する移動機情報に基づいて移動機のユーザの状況を判定する被災状況判定装置を、災害発生エリア内に位置する移動機の移動に関する移動情報に基づいて、移動機が災害発生時刻の前後で移動したか否かを判定する加入者プロファイル保持部301、加入者位置情報保持部303、被災エリア内加入者プロファイル送信部304と、移動機が災害発生時刻の前後で移動していない判定された場合に、この移動機のユーザが被災している可能性があると判定する安否状態判定部308と、によって構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被災状況判定装置、被災状況判定方法にかかり、特に携帯可能な通信端末装置を利用して被災情報を判定する被災状況システム、被災状況判定装置、被災状況判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現代社会において携帯電話機の普及率は非常に高く、携帯電話機を通話やメールの送受信以外の目的に使用するサービスも多く提案されている。このようなサービスの1つに、災害発生時に携帯電話機ユーザの安否を判定するものがある。
ユーザの安否を判定するシステムの従来技術としては、例えば、特許文献1が挙げられる。特許文献1には、自機における操作の有無を知らせるメールを自動的に管理側に送信させる機能を持つ携帯電話機が記載されている。このような特許文献1によれば、災害発生時にも特定のユーザの安否を判定することが可能である。
【0003】
また、特許文献2には、災害発生時、所定のエリアに位置する携帯電話機に対してメール等によって緊急災害情報を送信する。そして、携帯電話機のユーザに、規制率が低い伝送ルート(例えばショートメッセージ)を使ってメールに返信させる。メールに返信したユーザは、伝言掲示板に登録される。このような特許文献2によれば、ユーザの伝言掲示板への登録を促し、ユーザの安否を第三者に知らせることができる。
さらに、ユーザの安否を判定するシステムの他の従来技術としては、例えば、特許文献3が挙げられる。特許文献3では、携帯電話機の位置登録の情報等を利用してユーザの安否情報が生成される。
【0004】
図14は、特許文献3の安否情報を例示した図である。図示した安否情報では、携帯電話機の利用者ID、ユーザの携帯電話機の位置が記録された日時及びその位置(エリア)、エリアの被災レベルが対応付けられている。このような特許文献3によれば、例えば利用者ID「id0000001」のユーザが2002年、7月15日、11:05にエリア「Z112地区」にいて、地震によるエリア「Z112地区」の被災レベルは高いことが分かる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−098744号公報
【特許文献2】特開2007−243247号公報
【特許文献3】特開2005−080211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した特許文献1、特許文献2、特許文献3は、いずれも特定のユーザの安否を判定するシステムであって、所定の地域の被災状況を判定するものではない。このため、特許文献3に記載された発明では、図14に示したエリアの被災レベルを、管理者または消防庁や政府等の関係機関から取得していた。
管理者や関係機関から提供される被災レベルに関する情報は、関係機関等の調査等によって収集される。このため、携帯電話機の位置登録等の情報を使って収集される情報に比べて収集に時間がかかるという欠点がある。また、被災状況によっては交通機関の混乱や安全性の観点から調査すべきエリアに立ち入ることができない場合もある。このため、従来技術では、所定の地域の被災状況の収集にかかる時間をさらに短縮することが要求されていた。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、携帯電話機等の移動機を使い、災害の発生時に所定のエリアの被災状況を早急に、かつ正確に判定できる被災状況システム、被災状況判定装置、被災状況判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の被災状況判定システムは、移動機に関する移動機情報を管理する移動機管理サーバ装置(例えば図1に示した加入者管理サーバ101)と、前記移動機情報に基づいて移動機のユーザの状況を判定するユーザ状況判定サーバ装置(例えば図1に示した安否状態管理サーバ102)と、を含み、前記移動情報が移動機の移動に関する移動情報を含み、前記移動機管理サーバ装置は、前記移動機情報のうち、所定のエリアに位置する移動機の前記移動機情報を特定する移動機情報特定手段(例えば図3に示した加入者プロファイル保持部301、加入者位置情報保持部303、被災エリア内加入者プロファイル送信部304)を備え、前記ユーザ状況判定サーバ装置は、前記移動機情報特定手段によって特定された前記移動機情報に含まれる前記移動情報に基づいて、移動機が所定の時刻の前後で移動したか否かを判定する移動判定手段(例えば図3に示した位置情報履歴DB作成部307、安否状態判定部308)と、前記移動判定手段によって移動機が所定の時刻の前後で移動していないと判定された場合に、当該移動機のユーザが被災している可能性があると判定する安否判定手段(例えば図3に示した安否状態判定部308)と、を備えることを特徴とする。このような発明によれば、所定のエリアに位置する移動機を特定して移動を検出することができる。また、移動機が移動していない場合、移動機のユーザが自力で移動できない可能性があると判定することができる。このため、災害の発生後直ちに所定のエリアにいるユーザの状況を推定することができるので、携帯電話機等の移動機を使い、災害の発生時に所定のエリアの被災状況を早急に、かつ正確に判定できる被災状況判定システムを提供することができる。
【0008】
本発明の請求項2に記載の被災状況判定システムは、移動機に関する移動機情報を管理する移動機管理サーバ装置(例えば図1に示した加入者管理サーバ101)と、前記移動機情報に基づいて移動機のユーザの状況を判定するユーザ状況判定サーバ装置(例えば図1に示した安否状態管理サーバ102)と、を含み、前記移動情報が移動機において実行された操作に関する操作情報を含み、前記移動機管理サーバ装置は、前記移動機情報のうち、所定のエリアに位置する移動機の前記移動機情報を特定する移動機情報特定手段(例えば図3に示した加入者プロファイル保持部301、加入者位置情報保持部303、被災エリア内加入者プロファイル送信部304)を備え、前記ユーザ状況判定サーバ装置は、前記移動機情報特定手段によって特定された前記移動機情報に含まれる前記操作情報に基づいて、移動機が所定の時刻の後に操作されたか否かを判定する操作判定手段(例えば図10に示したサービス利用履歴DB作成部902、安否状態判定部308)と、前記操作判定手段によって移動機が所定の時刻の後に操作されていないと判定された場合に、当該移動機のユーザが被災している可能性があると判定する安否判定手段(例えば図10に示した安否状態判定部308)と、を備えることを特徴とする。このような発明によれば、所定のエリアに位置する移動機を特定して移動機の操作の有無を検出することができる。また、移動機が操作されていない場合、移動機のユーザが移動機を操作できない可能性があると判定することができる。このため、災害の発生後直ちに所定のエリアにいるユーザの状況を推定することができるので、携帯電話機等の移動機を使い、災害の発生時に所定のエリアの被災状況を早急に、かつ正確に判定できる被災状況判定システムを提供することができる。
【0009】
請求項3に記載の被災状況判定システムは、請求項1または2において、前記安否判定手段によって判定されたユーザの状況を集計することにより、前記所定のエリアの状況を判定するエリア状況判定サーバ装置(例えば図1に示した地図DB103)をさらに含むことを特徴とする。このような発明によれば、災害の発生後直ちに推定された所定のエリアにいるユーザの状況を集計し、所定のエリアの被災状況を判定することができる。
【0010】
請求項4に記載の被災状況判定装置は、移動機に関する移動機情報に基づいて当該移動機のユーザの状況を判定する被災状況判定装置であって、前記移動情報が移動機の移動に関する移動情報を含み、所定のエリア内に位置する移動機の前記移動機情報に含まれる前記移動情報に基づいて、移動機が所定の時刻の前後で移動したか否かを判定する移動判定手段(例えば図3に示した加入者プロファイル保持部301、加入者位置情報保持部303、被災エリア内加入者プロファイル送信部304)と、前記移動判定手段によって移動機が所定の時刻の前後で移動していない判定された場合に、当該移動機のユーザが被災している可能性があると判定する安否判定手段(例えば図3に示した安否状態判定部308)と、を備えることを特徴とする。このような発明によれば、所定のエリアに位置する移動機を特定して移動を検出することができる。また、移動機が移動していない場合、移動機のユーザが自力で移動できない可能性があると判定することができる。このため、災害の発生後直ちに所定のエリアにいるユーザの状況を推定することができるので、携帯電話機等の移動機を使い、災害の発生時に所定のエリアの被災状況を早急に、かつ正確に判定できる被災状況判定装置を提供することができる。
【0011】
請求項5に記載の災被災状況判定装置は、請求項4において、前記移動情報が、移動機の位置登録に関する情報、または移動機が有する測位装置によって得られた情報であることを特徴とする。このような発明によれば、移動機において通常行われる処理によって得られる位置登録に関する情報や、移動機において比較的普及率の高い測位装置を使って移動情報を取得することができる。
【0012】
請求項6に記載の被災状況判定装置は、請求項5に記載の発明において、前記安否判定手段が、ユーザが被災している可能性があると判定された場合、前記所定の時刻後における移動機の移動速度、移動時間、移動履歴、停止時間、停止位置の少なくとも1つに基づいてユーザの被災の可能性の大きさを判定することを特徴とする。このような発明によれば、ユーザの被災状況をより正確に判定することができる。
【0013】
請求項7に記載の被災状況判定装置は、移動機に関する移動機情報に基づいて当該移動機のユーザの状況を判定する被災状況判定装置であって、前記移動情報が移動機において実行された操作に関する移動情報を含み、所定のエリア内に位置する移動機の前記移動機情報に含まれる前記操作情報に基づいて、移動機が所定の時刻の後に操作されたか否かを判定する操作判定手段(例えば図10に示したサービス利用履歴DB作成部902、安否状態判定部308)と、前記操作判定手段によって移動機が所定の時刻の後で操作されていないと判定された場合に、当該移動機のユーザが被災している可能性があると判定する安否判定手段(例えば図10に示した安否状態判定部308)と、を備えることを特徴とする。このような発明によれば、所定のエリアに位置する移動機を特定して操作の有無を検出することができる。また、移動機が操作されていない場合、移動機のユーザが移動機を操作できない可能性があると判定することができる。このため、災害の発生後直ちに所定のエリアにいるユーザの状況を推定することができるので、携帯電話機等の移動機を使い、災害の発生時に所定のエリアの被災状況を早急に、かつ正確に判定できる被災状況判定装置を提供することができる。
【0014】
請求項8に記載の被災状況判定装置は、請求項7において、前記操作情報が、移動機における通話に関する発着信、メールの発着信、ネットワーク利用に関する操作の少なくとも1つに関する情報を含むことを特徴とする。このような発明によれば、通話、メール、ネットワークの利用といった移動機において一般的に行われる操作を対象にしてユーザの安否を判定することができる。このため、一般的な移動機に汎用的に適用することができる。
請求項9に記載の被災状況判定装置は、請求項8において、前記ユーザ状況判定手段が、ユーザが被災している可能性があると判定された場合、前記操作情報に含まれる操作の内容に基づいてユーザの被災の可能性の大きさを判定することを特徴とする。このような発明によれば、ユーザの被災状況をより正確に判定することができる。
【0015】
請求項10に記載の被災状況判定方法は、移動機に関する移動機情報に基づいて移動機のユーザの状況を判定する被災状況判定方法であって、前記移動機情報のうち、所定のエリアに位置する移動機の前記移動機情報を特定する移動機情報特定ステップ(例えば図6に示したステップS602、S603、S604)と、前記移動機情報特定ステップにおいて特定された前記移動機情報に含まれる前記移動情報に基づいて、移動機が所定の時刻の前後で移動したか否かを判定する移動判定ステップ(例えば図7に示したステップS706)と、前記移動判定ステップにおいて移動機が所定の時刻の前後で移動していないと判定された場合に、当該移動機のユーザが被災している可能性があると判定する安否判定ステップ(例えば図7に示したステップS707)と、を含むことを特徴とする。このような発明によれば、所定のエリアに位置する移動機を特定して移動を検出することができる。また、移動機が移動していない場合、移動機のユーザが自力で移動できない可能性があると判定することができる。このため、災害の発生後直ちに所定のエリアにいるユーザの状況を推定することができるので、携帯電話機等の移動機を使い、災害の発生時に所定のエリアの被災状況を早急に、かつ正確に判定できる被災状況判定方法を提供することができる。
【0016】
請求項11に記載の被災状況判定方法は、移動機に関する移動機情報に基づいて移動機のユーザの状況を判定する被災状況判定方法であって、前記移動情報が移動機において実行された操作に関する操作情報を含み、前記移動機情報のうち、所定のエリアに位置する移動機の前記移動機情報を特定する移動機情報特定ステップ(例えば図12に示したステップS1202、1203、1204)と、前記移動機情報特定ステップにおいて特定された前記移動機情報に含まれる前記操作情報に基づいて、移動機が所定の時刻の後に操作されたか否かを判定する操作判定ステップ(例えば図13に示したステップS1306)と、前記操作判定ステップにおいて移動機が所定の時刻の後に操作されていないと判定された場合に、当該移動機のユーザが被災している可能性があると判定する安否判定ステップ(例えば図13に示したステップS1307、S1309)と、を含むことを特徴とする。このような発明によれば、所定のエリアに位置する移動機を特定して移動機の操作の有無を検出することができる。また、移動機が操作されていない場合、移動機のユーザが移動機を操作できない可能性があると判定することができる。このため、災害の発生後直ちに所定のエリアにいるユーザの状況を推定することができるので、携帯電話機等の移動機を使い、災害の発生時に所定のエリアの被災状況を早急に、かつ正確に判定できる被災状況判定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態1、実施形態2の被災状況判定システムの概要を説明するための図である。
【図2】実施形態1の被災状況判定システムを説明するための模式図である。
【図3】実施形態1における図1に示した各構成の機能を説明するための機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施形態1のマップデータを例示する図である。
【図5】実施形態1の被災状況判定システムにおける各構成の連携を説明するためのシーケンス図である。
【図6】図5に示した加入者管理サーバの動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】図5に示した安否状態管理サーバの動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】図7のステップS707において登録された安否情報を例示した図である。
【図9】本発明の実施形態2の被災状況判定システムを説明するための模式図である。
【図10】実施形態2における図1に示した各構成の機能を説明するための機能ブロック図である。
【図11】実施形態2の被災状況判定システムにおける各構成の連携を説明するためのシーケンス図である。
【図12】図11に示した加入者管理サーバの動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】図11に示した安否状態管理サーバの動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の従来技術に記載された安否情報を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明に係る被災状況判定システム、被災状況判定装置、被災状況判定方法の実施形態1、実施形態2を説明する。
(共通のシステムの概要)
図1は、本発明の実施形態1、実施形態2の被災状況判定システムの概要を説明するための図である。図示した被災状況判定システムは、移動機1a、1bにかかる情報(移動機情報)を管理する加入者管理サーバ101と、移動機情報に基づいて移動機のユーザの状況を判定する安否状態管理サーバ102と、を含んでいる。なお、加入者管理サーバ101、安否状態管理サーバ102の構成については後に詳述する。
【0019】
安否状態管理サーバ102は、情報伝達装置2aを介して基地局装置3a、3bと接続し、情報伝達装置2bを介して基地局装置3cと接続する。基地局装置3a〜3cは、移動機1a、または移動機1bと無線通信し、移動機1a、1bの位置登録を行っている。また、通話やメールの発着信及びIPネットワーク網Nの利用に関する処理を行っている。
【0020】
さらに、図示した被災状況判定システムは、地図データベース(以下、データベースを全てDBと記す)103、災害管理サーバ104を含んでいる。そして、IPネットワーク網Nを介して気象庁管理DB105、市町村管理DB106といった関係機関のDBと接続されている。
地図DB103は、安否状態管理サーバ102において判定されたユーザの状況の判定結果を集計し、エリアごとに人的被災状況を示すデータを生成する。そして、生成されたデータを地図データと合成し、被災状況のマップを作成する。このような実施形態1、実施形態2では、地図データDB103がエリア状況判定サーバ装置として機能する。
【0021】
ただし、実施形態1、実施形態2は、このような構成に限定されるものではなく、安否状態管理サーバ102がユーザの安否の判定結果を、IPネットワーク網Nを介して気象庁管理DB105や市町村管理DB106に送信するようにしてもよい。このように構成した場合、気象庁管理DB105や市町村管理DB106が判定結果を集計し、エリアごとに人的被災状況を示すデータを生成する。このとき、気象庁管理DB105や市町村管理DB106がエリア状況判定サーバ装置として機能する。
【0022】
(実施形態1)
図2は、実施形態1の被災状況判定システムを説明するための模式図である。実施形態1では、加入者管理サーバ101に移動機の位置に関する情報を保存しておく。そして、災害発生前の移動機の位置に関する情報と災害発生後の移動機の位置に関する情報とを比較する。そして、災害が発生した所定の時刻の前後で移動機が移動していないことが検出された場合、移動機のユーザuが被災している可能性があると判定する。
このような実施形態1は、移動機が移動していない場合にはユーザuが自力で移動できない状態になった可能性があり、移動機1aが移動している場合にはユーザuが移動可能であると推定できることに基づいている。
【0023】
1 構成
図3は、実施形態1における図1に示した各構成の機能を説明するための機能ブロック図である。以下、図3に示した各構成について説明する。
1.1 加入者管理サーバ
加入者管理サーバ101は、電話サービスの加入者に関するプロファイル情報を保持する加入者プロファイル保持部301、移動機の個体識別番号を保持する移動機識別番号保持部302を備えている。加入者プロファイル保持部301に保持されるプロファイル情報は、ユーザが契約した移動機の電話番号やメールアドレス、ユーザを特定する氏名や住所の情報を含んでいる。移動機識別番号保持部302は、移動機の個体識別番号を保存する構成である。
【0024】
また、加入者管理サーバ101は、ユーザの位置に関する情報を保持する加入者位置情報保持部303、被災エリア内加入者プロファイル送信部304を備えている。加入者位置情報保持部303は、基地局装置から送信された移動機の在圏情報を保持するものである。
すなわち、一般的に、移動機は、起動時や通信セルの切替り時に基地局装置に位置登録を要求する。基地局装置は、位置登録の要求に応じて移動機が位置する通信セルを特定し、移動機が特定された通信セルの範囲内に位置する(在圏する)ことを登録する。なお、図1に示した基地局装置3a〜3cは、位置登録を実現するため、移動機位置特定部310を備えている。加入者管理サーバ101は、移動機位置特定部310によって登録された在圏情報を受信し、加入者位置情報保持部303に保持している。
【0025】
さらに、実施形態1では、災害の発生時、加入者管理サーバ101が移動機に設けられた測位装置から測位情報を取得するものとする。このため、実施形態1では、移動機が、位置情報測位部315として、GPS(Global Positioning System)等の測位装置を備えている。GPSの測位情報は、在圏情報と同様に、基地局装置に送信される。災害発生時、基地局装置は、測位情報を加入者管理サーバ101に送信する。送信された測位情報は、災害発生直前の移動機の位置に関する情報とみなされる。
【0026】
そして、以降、基地局は、測位情報を安否状態管理サーバ102に送信する。送信された測位情報は、災害発生後の移動機の位置に関する情報とみなされる。
被災エリア内加入者プロファイル送信部304は、加入者位置情報保持部303に保持されている在圏情報から、指定された所定のエリア(以降、被災エリアと記す)に位置する移動機を特定する。そして、特定された移動機の測位情報を、プロファイル情報や識別番号と共に安否状態管理サーバ102に送信する。
【0027】
1.2 安否状態管理サーバ
安否状態管理サーバ102は、緊急災害情報受信部305、被災エリア内加入者情報受信部306を備えている。緊急災害情報受信部305は、災害の発生に関する情報や被災状況の判定を行うべき被災エリアに関する情報を含む緊急災害情報を、加入者管理サーバ101を介して受信する。緊急災害情報の受信は、安否状態管理サーバ102における被災状況判定処理開始のトリガーとなっている。
【0028】
被災エリア内加入者情報受信部306は、被災エリア内加入者プロファイル送信部304によって送信されたプロファイル情報や測位情報を受信する。
また、安否状態管理サーバ102は、プロファイル情報と、GPSの測位情報とを使って位置情報履歴DBを作成する位置情報履歴DB作成部307、位置情報履歴DBに基づいてユーザの安否状態を判定する安否状態判定部308、安否状態の判定結果を、IPネットワーク網Nを介して外部に送信する安否状態送信部309を備えている。
【0029】
位置情報履歴DB作成部307は、被災エリア内加入者プロファイル送信部304によって送信された測位情報を、災害が発生した所定の時刻(以降災害発生時刻と記す)以前の移動機の位置として位置情報履歴DBに記録する。また、基地局装置から送信されたGPSの測位情報を、所定の時刻後の移動機の位置として位置情報履歴DBに記録する。このとき、移動機に対応するプロファイル情報が合わせて記録される。
【0030】
安否状態判定部308は、災害発生時刻の前後で移動機の位置を比較し、移動機が移動したか否かを判断する。そして、移動機が移動していないと判断された場合に、この移動機のユーザが被災している可能性があると判定する。一方、実施形態1は、移動機が移動していると判断された場合、この移動機のユーザが被災していない状態にあると判定することもできる。
さらに、実施形態1の安否状態判定部308は、被災エリアに位置する移動機の全てについて、上記した手順でユーザの安否を判定する。そして、安否の判定結果(以下、安否判定結果と記す)を集計し、地図データと合わせてマップデータを作成する。図4に、マップデータを例示する。マップデータは、安否状態送信部309によって外部に送信される。
【0031】
1.3 災害管理サーバ
災害管理サーバ104は、気象庁管理DB105や市町村管理DB106から災害の発生や、被災状況を判定すべきエリアについての情報を受信する。被災エリア特定部312は、受信された情報から、被災状況を判定すべき被災エリアを特定する。緊急災害情報送信部311は、特定された被災エリアと、災害発生の情報とを緊急災害情報として加入者管理サーバ101に送信する。
【0032】
1.4 地図DB
地図DB103は、被災者位置情報マッピング部313と、被災地状況提供部314とを備えている。被災者位置情報マッピング部313は、安否判定結果を使って図4に例示されたマップを作成するためのプログラムである。被災地状況提供部314は、気象庁や消防署等、他の機関によって収集された被災地の状況を示すデータが蓄積されるDBである。地図DB103では、被災者位置情報マッピング部313によってマップを作成し、被災地状況提供部314に蓄積された情報をマップに付加することも可能である。
【0033】
2 動作
次に、以上述べた各構成の動作を説明する。
図5は、実施形態1の被災状況判定システムにおける各構成の連携を説明するためのシーケンス図である。また、図6は、図5に示した加入者管理サーバ101の動作を説明するためのフローチャートである。図7は、図5に示した安否状態管理サーバ102の動作を説明するためのフローチャートである。
図5に示したように、実施形態1の被災状況管理システムの動作は、災害管理サーバ104が加入者管理サーバ101に対して緊急災害情報を送信した時点で開始する(S1)。
【0034】
ここで、図6により、加入者管理サーバ101の動作を説明する。加入者管理サーバは、緊急災害情報受信の有無に関わらず、基地局装置から移動機の在圏情報を受信し、保存している。そして、緊急災害情報を受信すると(ステップS601)、緊急災害情報に含まれる被災エリアに関する情報を抽出する(ステップS602)。そして、保存されている在圏情報に基づいて、被災エリアに位置する移動機を特定し、この移動機(ユーザ)のプロファイル情報を抽出し(ステップS603)、抽出されたプロファイル情報を安否状態管理サーバ102に送信する(ステップS604)。
【0035】
次に、加入者管理サーバ101は、基地局装置に対して被災エリアに位置する移動機の測位情報を要求して受信し(ステップS605)、受信された測位情報を安否状態管理サーバ102に送信する(ステップS606)。
図5に示したように、図6に示した動作によって、加入者管理サーバ101は緊急災害情報を安否状態管理サーバ102に転送し(S2)、被災エリア内にいるユーザのプロファイルを安否状態管理サーバ102に送信する(S3)。また、基地局装置から測位情報を受信し(S4、S5)、安否状態管理サーバ102に送信する(S6)。
【0036】
また、安否状態管理サーバ102は、緊急災害情報を受信すると、基地局装置3aから直接測位情報の受信を開始する(S7、S8)。そして、測位情報に基づいてユーザの状況を判定し、判定の結果を地図DB103に送信する(S9)。地図DB103は、送信された判定結果を使って被災エリアにいるユーザの状況を示すマップを作成する。
ここで、図7により、安否状態管理サーバ102の動作を説明する。安否状態管理サーバ102は、緊急災害情報を受信すると(ステップS701)、ユーザの状況(図中に安否情報と記す)を判定する処理を開始する(ステップS702)。そして、被災エリアに位置する移動機のプロファイル情報を受信し(ステップS703)、加入者管理サーバ101から送信された測位情報を受信する(ステップS704)。
【0037】
次に、安否状態管理サーバ102は、基地局装置から直接測位情報を受信して移動機の位置を検出し(ステップS705)、この測位情報を加入者管理サーバ101から送信された測位情報と比較する。比較の結果、移動機が災害の発生直前から現在までに移動したか否かが判断できる(ステップS706)。
判断の結果、移動機が移動していない場合、移動機を携帯しているユーザが移動不可能な状態である可能性があるから、安否状態管理サーバ102は、ユーザが被災している可能性があると判定する(ステップS707:Yes)。そして、「被災の可能性あり」との判定結果に加入者管理サーバ101から送信された測位情報を付加し(ステップS708)、安否状態として登録する(ステップS710)。
【0038】
一方、ステップS707において、ユーザが被災していないと判定された場合(ステップS707:No)、基地局装置から直接受信された測位情報を「被災の可能性なし」との判定結果に付加する(ステップS709)。測位情報が付加された判定結果は、安否状態として登録される(ステップS710)。登録された安否情報は、結果に関わらず地図DB103に送信される(ステップS711)。
【0039】
図8は、ステップS710において登録された安否情報を例示した図である。図示した例では、安否状態管理サーバ102が加入者管理サーバ101から取得した災害発生前の測位情報801と、基地局装置から直接受信した測位情報802とが座標で示されている。測位情報802が測位情報801に対して変化した場合、変化後の測位情報802が「被災の可能性なし(図中では被災:NOと記す)」の判定結果に付加されて登録される。
登録は、所定の時間ごとに行われ、前の判定結果が後の判定結果によって更新される。このため、図示したユーザBのように、災害発生直後に測位情報802が変化しない場合であっても、複数回の更新の後に測位情報801に対して変化すれば「被災の可能性なし」と判定される。
【0040】
(被災の有無の可能性の大きさの判定例)
なお、以上述べた図7のステップS707の判定は、移動機が移動していない場合直ちに「被災の可能性あり」、移動している場合直ちに「被災の可能性なし」と判定するものに限定されるものではない。すなわち、図3に示した安否状態判定部308は、ユーザが被災していない、または被災していない可能性があると判定された場合、災害発生時刻後における移動機の移動速度、移動時間、移動履歴、停止時間、停止位置の少なくとも1つに基づいてユーザの被災の可能性の大きさを判定することができる。
【0041】
以下、被災の可能性の大きさの判定について、具体的な例を挙げて説明する。
移動機が移動している場合
a 移動機の移動速度が徒歩の程度である場合、ユーザが徒歩で移動していると判定することができる。このとき、ユーザは自力で移動できると考えられるから、ユーザが被災していない可能性は比較的高いと判定することができる。
b 移動機の移動速度が徒歩よりも明らかに速い場合、移動の履歴が公共の交通機関のルートに合致していれば、ユーザは公共の交通機関を利用することができる状態であると推定できる。このため、ユーザが被災していない可能性は比較的高いと判定することができる。
【0042】
移動機が移動していない場合
c 移動機の停止時間が長くなるにつれ、ユーザが被災している可能性は高くなると考えられる。特に停止時間が複数日にわたる場合、被災の可能性は高いと判定される。
d ユーザの停止位置が自宅である場合、ユーザが自宅にいることも考えられるから、ユーザが被災している可能性は比較的低いと考えられる。また、反対に、ユーザの停止位置が病院や避難所である場合、ユーザが病院や避難所にいると考えられるから、ユーザが被災している可能性は比較的高いと考えられる。
【0043】
なお、実施形態1は、以上述べた構成に限定されるものではない。すなわち、実施形態1は、測位装置によって移動機の移動を検出する構成に限定されるものではない。移動を検出する他の構成としては、例えば、移動機と通信する基地局装置の切り替わりを用いることができる。このような構成によれば、移動機の移動を検出する精度は低下するものの、在圏情報を使うので測位装置を備えていない移動機についても適用することができる。
さらに、移動機の移動を検出する他の構成としては、例えば、移動機に設けられた加速度センサや万歩計(登録商標)機能が考えられる。加速度センサの出力や万歩計(登録商標)機能の出力を基地局装置に送信する機能を移動機に付加すれば、移動機の移動を検出することが可能になる。
【0044】
(実施形態2)
図9は、実施形態2の被災状況判定システムを説明するための模式図である。実施形態2では、加入者管理サーバ101に移動機1aにおいて行われた操作に関する情報を保存しておく。そして、災害発生後の操作に関する情報に基づいて、災害が発生した所定の時刻の後で移動機1aにおいて操作がされていないことが検出された場合、移動機1aのユーザuが被災している可能性があると判定する。
すなわち、このような実施形態2は、移動機1aが操作されない場合にユーザuが被災して移動機を操作できない状態になった可能性があり、移動機1aが操作された場合にはユーザuが移動機を操作可能であると推定できることに基づいている。
【0045】
1 構成
図10は、実施形態2における図1に示した各構成の機能を説明するための機能ブロック図である。以下、図10に示した各構成について説明する。なお、実施形態2の各構成は、実施形態1で説明した構成と同様のものを多く含んでいる。同様の構成については同様の符号を付し、説明を一部略すものとする。
1.1 加入者管理サーバ
加入者管理サーバ101は、加入者サービス履歴保持部903及び被災エリア内加入者サービス履歴送信部904を備えている。加入者サービス履歴保持部903は、移動機における通話に関する発着信、メールの発着信、ネットワーク利用に関する情報の少なくとも1つに関する履歴情報をサービス履歴として保持している。実施形態2では、このようなサービス履歴を移動機における操作に関する操作履歴情報として使用する。
被災エリア内加入者サービス履歴送信部904は、加入者サービス履歴保持部903に保持されている操作履歴情報のうち、被災エリア内に位置すると特定された移動機の操作履歴情報を抽出して安否状態管理サーバ102に送信する。
【0046】
1.2 安否状態管理サーバ
安否状態管理サーバ102は、被災エリア内加入者サービス履歴受信部901、サービス利用履歴DB作成部902を備えている。被災エリア内加入者サービス履歴受信部901は、加入者管理サーバ101から送信された操作履歴情報を受信する構成である。サービス利用履歴DB作成部902は、受信された操作履歴情報に基づいて、災害発生時刻後の操作履歴情報を記録したサービス利用履歴DBを作成する。安否状態判定部308は、サービス利用履歴DBに基づいて災害発生時刻後に移動機が操作されているか否か判断する。そして、操作がされていない場合、移動機のユーザが被災している可能性があると判定する。
【0047】
2 動作
次に、以上述べた各構成の動作を説明する。
図11は、実施形態2の被災状況判定システムにおける各構成の連携を説明するためのシーケンス図である。また、図12は、図11に示した加入者管理サーバ101の動作を説明するためのフローチャートである。図13は、図11に示した安否状態管理サーバ102の動作を説明するためのフローチャートである。
図11に示したように、実施形態2の被災状況管理システムは、災害管理サーバ104が加入者管理サーバ101に対して緊急災害情報を送信した時点で開始する(S11)。
【0048】
ここで、図12により、加入者管理サーバ101の動作を説明する。加入者管理サーバは、緊急災害情報受信の有無に関わらず、基地局装置から移動機の在圏情報を受信し、保存している。そして、緊急災害情報を受信すると(ステップS1201)、緊急災害情報に含まれる被災エリアに関する情報を抽出する(ステップS1202)。そして、保存されている在圏情報に基づいて、被災エリアに位置する移動機を特定し、この移動機(ユーザ)のプロファイル情報を抽出し(ステップS1203)、抽出されたプロファイル情報を安否状態管理サーバに送信する(ステップS1204)。
【0049】
次に、加入者管理サーバは、基地局装置に対して被災エリアに位置する移動機の測位情報を要求して受信し(ステップS1205)、受信された測位情報を安否状態管理サーバに送信する(ステップS1206)。また、加入者管理サーバ101は、被災エリアに位置する移動機のサービス利用情報を順次蓄積し、サービス利用履歴を作成する(ステップS1207)。そして、蓄積されたサービス利用履歴を、安否状態管理サーバに送信する(ステップS1208)。
【0050】
以上の動作により、図11に示したように、加入者管理サーバ101は緊急災害情報を安否状態管理サーバ102に転送し(S12)、被災エリア内にいるユーザのプロファイル情報を安否状態管理サーバ102に送信する(S13)。また、基地局装置3aから測位情報を受信し(S14、15)、安否状態管理サーバ102に送信する(S16)。さらに、サービス利用履歴を安否状態管理サーバ102に送信する(S17)。
【0051】
また、実施形態2では、実施形態1と同様に、緊急災害情報の受信により、安否状態管理サーバ102が、基地局装置3aから測位情報の受信を開始する(S18、19)。測位情報は、後述するように、安否状態の登録時に利用される。安否状態管理サーバ102は、サービス利用履歴情報に基づいてユーザの状況を判定し、判定の結果を地図DB103に送信する(S20)。地図DB103は、送信された判定結果を使って被災エリアにいるユーザの状況を示すマップを作成する。
【0052】
ここで、図13により、安否状態管理サーバの動作を説明する。安否状態管理サーバは、緊急災害情報を受信すると(ステップS1301)、ユーザの状況(図中に安否情報と記す)を判定する処理を開始する(ステップS1302)。そして、被災エリアに位置する移動機のプロファイル情報を受信する(ステップS1303)、
次に、安否状態管理サーバは、基地局装置から測位情報を受信する(ステップS1304)。また、加入者管理サーバから送信されたサービス利用履歴を受信する(ステップS1305)。サービス利用履歴からは、移動機が災害の発生後に操作されたか否かが判断できる(ステップS1306)。
【0053】
判断の結果、移動機が操作されていない場合(ステップS1306:No)、移動機を携帯しているユーザが操作不可能な状態であると推定できるから、安否状態管理サーバ102は、ユーザが被災している可能性があると判定する(ステップS1307)。そして、「被災の可能性あり」との判定結果に基地局装置から送信された測位情報を付加し(ステップS1308)、安否状態として登録する(ステップS1312)。
【0054】
一方、ステップS1306において、移動機が操作されていると判定された場合(ステップS1307:Yes)、基地局装置から受信された測位情報を「被災の可能性なし」との判定結果に付加する(ステップS1311)。測位情報が付加された判定結果は、安否状態として登録される(ステップS1312)。登録された安否情報は、結果に関わらず地図DB103に送信される(ステップS1313)。
【0055】
(被災の可能性の大きさの判定例)
なお、以上述べた図13のステップS1309の判定は、移動機が操作されている場合直ちに「被災の可能性あり」と判定するものに限定されるものではない。すなわち、図3に示した安否状態判定部308は、ユーザが被災している可能性がないと判定された場合であっても、災害が発生した時刻後における移動機の通話に関する発着信、メールの発着信、ネットワーク利用といった操作の内容の少なくとも1つに基づいてユーザが被災していない可能性の大きさを判定することができる。
【0056】
以下、被災の可能性の大きさの判定について、具体的な例を挙げて説明する。
a 移動機が操作されている場合であっても、操作がメールやネットワークの利用を目的とするものであれば、少なくともユーザは移動機を操作できる状態にあると考えられる。このため、ユーザが被災していない可能性は比較的高いと考えられる。
b 一方、移動機の操作が通話を目的とするものである場合、ユーザは急いで他者に連絡をとろうとしている可能性がある。このため、ユーザが被災していない可能性は比較的低いと考えられる。
なお、基地局装置は、通信の輻輳により例えば、通話が規制されている場合であっても、ユーザが移動機を操作して発呼したことを検出することができる。このため、実施形態2は、通信の状態によらず、移動機の操作からユーザの状況を判定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、広範囲にわたる災害の発生時に所定のエリアごとの被災状況を判定するシステムに適用することができる。特に、道路の遮断や安全性の観点から、立ち入ることが困難なエリアの被災状況を早急に判定する必要がある場合、特に効果的である。
【符号の説明】
【0058】
1a、1b 移動機
2a、2b 情報伝達装置
3a、3b、3c 基地局装置
101 加入者管理サーバ
102 安否状態管理サーバ
103 地図DB
104 災害管理サーバ
105 気象庁管理DB
106 市町村管理DB
301 加入者プロファイル保持部
302 移動機識別番号保持部
303 加入者位置情報保持部
304 被災エリア内加入者プロファイル送信部
305 緊急災害情報受信部
306 被災エリア内加入者情報受信部
307 位置情報履歴DB作成部
308 安否状態判定部
309 安否状態送信部
310 移動機位置特定部
311 緊急災害情報送信部
312 被災エリア特定部
313 被災者位置情報マッピング部
314 被災地状況提供部
315 位置情報測位部
801、802 測位情報
901 被災エリア内加入者サービス履歴受信部
902 サービス利用履歴DB作成部
903 加入者サービス履歴保持部
904 被災エリア内加入者サービス履歴送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動機に関する移動機情報を管理する移動機管理サーバ装置と、前記移動機情報に基づいて移動機のユーザの状況を判定するユーザ状況判定サーバ装置と、を含み、
前記移動情報が移動機の移動に関する移動情報を含み、
前記移動機管理サーバ装置は、
前記移動機情報のうち、所定のエリアに位置する移動機の前記移動機情報を特定する移動機情報特定手段を備え、
前記ユーザ状況判定サーバ装置は、
前記移動機情報特定手段によって特定された前記移動機情報に含まれる前記移動情報に基づいて、移動機が所定の時刻の前後で移動したか否かを判定する移動判定手段と、
前記移動判定手段によって移動機が所定の時刻の前後で移動していないと判定された場合に、当該移動機のユーザが被災している可能性があると判定する安否判定手段と、
を備えることを特徴とする被災状況判定システム。
【請求項2】
移動機に関する移動機情報を管理する移動機管理サーバ装置と、前記移動機情報に基づいて移動機のユーザの状況を判定するユーザ状況判定サーバ装置と、を含み、
前記移動情報が移動機において実行された操作に関する操作情報を含み、
前記移動機管理サーバ装置は、
前記移動機情報のうち、所定のエリアに位置する移動機の前記移動機情報を特定する移動機情報特定手段を備え、
前記ユーザ状況判定サーバ装置は、
前記移動機情報特定手段によって特定された前記移動機情報に含まれる前記操作情報に基づいて、移動機が所定の時刻の後に操作されたか否かを判定する操作判定手段と、
前記操作判定手段によって移動機が所定の時刻の後に操作されていないと判定された場合に、当該移動機のユーザが被災している可能性があると判定する安否判定手段と、
を備えることを特徴とする被災状況判定システム。
【請求項3】
前記安否判定手段によって判定されたユーザの状況を集計することにより、前記所定のエリアの状況を判定するエリア状況判定サーバ装置をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の被災状況判定システム。
【請求項4】
移動機に関する移動機情報に基づいて当該移動機のユーザの状況を判定する被災状況判定装置であって、
前記移動情報が移動機の移動に関する移動情報を含み、
所定のエリア内に位置する移動機の前記移動機情報に含まれる前記移動情報に基づいて、移動機が所定の時刻の前後で移動したか否かを判定する移動判定手段と、
前記移動判定手段によって移動機が所定の時刻の前後で移動していない判定された場合に、当該移動機のユーザが被災している可能性があると判定する安否判定手段と、
を備えることを特徴とする被災状況判定装置。
【請求項5】
前記移動情報が、移動機の位置登録に関する情報、または移動機が有する測位装置によって得られた情報であることを特徴とする請求項4に記載の被災状況判定装置。
【請求項6】
前記安否判定手段は、
ユーザが被災している可能性があると判定された場合、前記所定の時刻後における移動機の移動速度、移動時間、移動履歴、停止時間、停止位置の少なくとも1つに基づいてユーザの被災の可能性の大きさを判定することを特徴とする請求項5に記載の被災状況判定装置。
【請求項7】
移動機に関する移動機情報に基づいて当該移動機のユーザの状況を判定する被災状況判定装置であって、
前記移動情報が移動機において実行された操作に関する移動情報を含み、
所定のエリア内に位置する移動機の前記移動機情報に含まれる前記操作情報に基づいて、移動機が所定の時刻の後に操作されたか否かを判定する操作判定手段と、
前記操作判定手段によって移動機が所定の時刻の後で操作されていないと判定された場合に、当該移動機のユーザが被災している可能性があると判定する安否判定手段と、
を備えることを特徴とする被災状況判定装置。
【請求項8】
前記操作情報が、移動機における通話に関する発着信、メールの発着信、ネットワーク利用に関する操作の少なくとも1つに関する情報を含むことを特徴とする請求項7に記載の被災状況判定装置。
【請求項9】
前記ユーザ状況判定手段は、
ユーザが被災している可能性があると判定された場合、前記操作情報に含まれる操作の内容に基づいてユーザの被災の可能性の大きさを判定することを特徴とする請求項8に記載の被災状況判定装置。
【請求項10】
移動機に関する移動機情報に基づいて移動機のユーザの状況を判定する被災状況判定方法であって、
前記移動機情報のうち、所定のエリアに位置する移動機の前記移動機情報を特定する移動機情報特定ステップと、
前記移動機情報特定ステップにおいて特定された前記移動機情報に含まれる前記移動情報に基づいて、移動機が所定の時刻の前後で移動したか否かを判定する移動判定ステップと、
前記移動判定ステップにおいて移動機が所定の時刻の前後で移動していないと判定された場合に、当該移動機のユーザが被災している可能性があると判定する安否判定ステップと、
を含むことを特徴とする被災状況判定方法。
【請求項11】
移動機に関する移動機情報に基づいて移動機のユーザの状況を判定する被災状況判定方法であって、
前記移動情報が移動機において実行された操作に関する操作情報を含み、
前記移動機情報のうち、所定のエリアに位置する移動機の前記移動機情報を特定する移動機情報特定ステップと、
前記移動機情報特定ステップにおいて特定された前記移動機情報に含まれる前記操作情報に基づいて、移動機が所定の時刻の後に操作されたか否かを判定する操作判定ステップと、
前記操作判定ステップにおいて移動機が所定の時刻の後に操作されていないと判定された場合に、当該移動機のユーザが被災している可能性があると判定する安否判定ステップと、
を含むことを特徴とする被災状況判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−29748(P2011−29748A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−170988(P2009−170988)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】