被給電ユニット、像保持体ユニットおよび画像形成装置
【課題】給電部材を有する給電部材支持体の作製を容易にすること。
【解決手段】像保持体(Pk)と、前記像保持体(Pk)の表面を帯電させる帯電器(CRk)と、前記像保持体(Pk)および前記帯電器(CRk)を支持する樹脂製の被給電部材支持体(41)と、前記帯電器(CRk)への給電路(61+62+46)を形成し且つ前記帯電器(CRk)に一体的に成形された導電樹脂製の給電部材(61)と、を備えたことを特徴とする像保持体ユニット(UK)。
【解決手段】像保持体(Pk)と、前記像保持体(Pk)の表面を帯電させる帯電器(CRk)と、前記像保持体(Pk)および前記帯電器(CRk)を支持する樹脂製の被給電部材支持体(41)と、前記帯電器(CRk)への給電路(61+62+46)を形成し且つ前記帯電器(CRk)に一体的に成形された導電樹脂製の給電部材(61)と、を備えたことを特徴とする像保持体ユニット(UK)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被給電ユニット、像保持体ユニットおよび画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の複写機やプリンタ等の画像形成装置では、像保持体表面を帯電器で帯電させ、帯電した表面に潜像を形成し、現像装置から供給される現像剤により潜像を可視像化して画像形成を行っている。前記像保持体や帯電器、現像装置等は、使用に伴って経時的に損耗するため、交換、修理を容易とするために、交換可能なユニットとされていることが多い。前記帯電器や現像装置には、所定の帯電電圧や現像電圧が印加されており、これらが交換可能なユニットで構成されている場合、装着時に給電部材を介して電流、電圧が供給される。
給電部材を使用して給電が必要な被給電部材に電流、電圧を供給するための技術として、下記の特許文献1記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1(特開2001−242767号公報)には、画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジ(U2)を構成する像保持体ユニット(U3)および現像ユニット(U4)において、像保持体ユニット(U3)の帯電ロール(CR)に給電するための帯電ロール用給電プレート(PL1)と、現像ユニット(U4)の現像ロール(Ga)に給電するための現像ロール用給電プレート(PL2)とが記載されている。特許文献1記載の技術では、導電金属製の給電プレート(PL1,PL2)は、給電部材支持体(トナー回収容器(T)や現像容器(V))とは別体の別部材により構成されており、複数の折り曲げ部や湾曲形状を有すると共に、自動組み立てが困難な給電プレート(PL1,PL2)に形成された被装着部が、給電部材支持体の装着部に装着されることで、給電部材(給電プレート)が枠体に組付けられている。
【0004】
また、画像形成装置の分野において、給電部材とは機能、用途が異なり、通電されないシール部材を成形する技術として、下記の特許文献2,3記載の技術が知られている。
特許文献2(特開平7−121085号公報)には、給電部材とは異なり、クリーニング手段(13)を構成する上枠体(14)に、弾性を有するシール部(14b1〜14b4)を、いわゆる、二色成形により一体的に成形する技術が記載されている。
特許文献3(特開2004−170803号公報)には、給電部材とは異なり、現像装置本体(19)を構成するフレーム部(16,17,18)において、フレーム部(16〜18)の結合箇所をシールするためのシール部材(22)を、フレーム部(17)に一体成形する技術が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−242767号公報(「0018」〜「0026」、図3〜図5)
【特許文献2】特開平7−121085号公報(「0051」〜「0061」)
【特許文献3】特開2004−170803号公報(要約書)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、給電部材を有する給電部材支持体の作製を容易にすることを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の被給電ユニットは、
給電される被給電部材を支持する樹脂製の被給電部材支持体と、
前記被給電部材への給電路を形成し且つ前記被給電部材支持体に一体的に成形された導電樹脂製の給電部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の被給電ユニットにおいて、
表面が帯電される像保持体に対向して配置された帯電器により構成された前記被給電部材、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の被給電ユニットにおいて、
円筒状の帯電部材により構成された前記帯電器と、
前記帯電部材を前記像保持体表面に押し当てる力を作用させ且つ前記帯電部材に給電を行う給電路の一部を構成する導電性の付勢部材と、
前記付勢部材の一端を支持すると共に、前記付勢部材を位置決めした状態で固定する固定部を有する前記給電部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の被給電ユニットにおいて、
前記被給電部材支持体の前記給電部材が一体成形された面に形成され、前記被給電部材を前記被給電部材支持体から剥離させるための剥離部、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
前記技術的課題を解決するために、請求項5に記載の発明の像保持体ユニットは、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電器と、
前記像保持体および前記帯電器を支持する樹脂製の被給電部材支持体と、
前記帯電器への給電路を形成し且つ前記帯電器に一体的に成形された導電樹脂製の給電部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
前記技術的課題を解決するために、請求項6に記載の発明の画像形成装置は、
画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体に着脱可能な請求項1ないし4のいずれかに記載の被給電ユニットと、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、給電部材支持体に給電部材を一体的に形成することで、別体の給電部材を加工、取り付けする作業を省略することができ、給電部材を有する給電部材支持体の作製を容易にすることができる。すなわち、材料コストや加工コストを含む生産コストを低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、帯電器に給電する給電部材を容易に作成することができる。
請求項3に記載の発明によれば、付勢部材を固定する固定部を一体的に形成できる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、剥離部を介して給電部材を被給電部材支持体から容易に剥離することができ、給電部材や被給電部材支持体の再利用を容易に行うことができる。
請求項5に記載の発明によれば、像保持体ユニットの帯電器に給電を行う給電部材を有する被給電部材支持体を容易に作製することができる。
請求項6に記載の発明によれば、画像形成装置本体に着脱される被給電ユニットを容易に作成することができ、コストを低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0016】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2は本発明の実施例1の画像形成装置の開閉部が開放された状態の説明図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置の一例としてのプリンタUは、画像が記録される媒体の一例としての記録媒体Sが収容される給紙容器TR1が下部に収容されており、上面には排紙部TRhが設けられている。また、プリンタUの上部には操作部UIが設けられている。
図1、図2において、実施例1のプリンタUは、画像形成装置本体U1と、画像形成装置本体U1の右側下端部に設けられた回転中心U2aを中心として開閉可能な開閉部U2を有する。前記開閉部U2は、現像剤の補給や故障した部材の交換や紙詰まりした記録媒体Sを除去するために画像形成装置本体U1の内部を開放する開放位置(図2の実線参照)と、画像形成動作が実行される通常時に保持される閉塞位置(図1、図2の二点鎖線参照)との間を移動可能に構成されている。
【0017】
プリンタUは、プリンタUの各種制御を行う制御部Cと、制御部Cにより作動を制御される画像処理部GS、像書込装置駆動回路DL、および電源装置E等を有している。電源装置Eは、後述の帯電器の一例としての帯電ローラCRy〜CRk、現像剤保持体の一例としての現像ローラG1y〜G1kおよび転写器の一例としての転写ローラT1y〜T1k等に電圧を印加する。
【0018】
前記画像処理部GSは、外部の画像情報送信装置等から入力された印刷情報を、K(黒),Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン)の4色の画像に対応した潜像形成用の画像情報に変換して、所定のタイミングで像書込装置駆動回路DLに出力する。像書込装置駆動回路DLは、入力された各色の画像情報に応じて駆動信号を潜像書込装置ROSに出力する。前記潜像書込装置ROSは、駆動信号に応じて、各色の画像書き込み用の画像書込光の一例としてのレーザビームLy、Lm,Lc,Lkを出射する。
図1において、前記潜像書込装置ROSの右方(+Y方向)にはY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(黒)の各色の可視像の一例としてのトナー像を形成する可視像形成装置UY,UM,UC,UKが配置されている。
【0019】
図3は本発明の実施例1の着脱体の一例である可視像形成装置の説明図であり、図3Aは使用時の説明図、図3Bは初期現像剤収容室が開放される前の状態の説明図である。
図3において、K(黒)の可視像形成装置UKは回転する像保持体の一例としての感光体Pkを有する。前記感光体Pkの周囲には、被給電部材および帯電器の一例としての帯電ロールCRk、感光体表面の静電潜像を可視像に現像する現像装置Gk、感光体Pk表面を除電する除電部材Jk、感光体Pk表面に残留した現像剤を除去する像保持体清掃器の一例としての感光体クリーナCLk等が配置されている。また、前記帯電ロールCRkには、帯電器清掃部材の一例として、帯電ロールCRkに接触して回転し、帯電器CRk表面を清掃する帯電器クリーナCRLkが配置されている。
【0020】
前記感光体Pkは、帯電部材の一例としての帯電ロールCRkと対向する帯電領域Q1kで帯電ロールCRkにより表面を一様に帯電された後、潜像形成領域Q2kでレーザビームLkにより潜像が書き込まれる。書き込まれた静電潜像は被給電部材の一例としての現像装置Gkと対向する現像領域Qgkにおいて静電潜像が可視像化される。
実施例1の黒色の可視像形成装置UKは、感光体Pk、帯電器CRk、帯電器クリーナCRLk、現像装置Gk、除電部材Jk、感光体クリーナCLk、現像剤補給容器(11+16+18)等が一体的に構成された着脱体、いわゆるプロセスカートリッジUKにより構成されており、図2に示すように、開閉部U2を開放位置に移動した状態で画像形成装置本体U1に対して着脱可能に構成されている。
他の色の可視像形成装置UY,UM,UCも、黒色の可視像形成装置UKと同様に構成されており、画像形成装置本体U1に対して着脱可能な着脱体、いわゆる、プロセスカートリッジUY,UM,UCにより構成されている。
【0021】
図1、図2において、前記感光体Py〜Pkの右方には、開閉部U2に支持された記録媒体搬送装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、記録媒体保持搬送部材の一例としての媒体搬送ベルトBと、媒体搬送ベルトBを支持する駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、従動部材の一例としての従動ロールRjを含む保持搬送部材支持系の一例としてのベルト支持ロール(Rd+Rj)と、各感光体Py〜Pkに対向して配置された転写器の一例としての転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kと、画像濃度検出部材の一例としての画像濃度センサSN1と、保持搬送部材清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbと、前記従動ロールRjに対向して配置されて記録媒体Sを媒体搬送ベルトBに吸着させる記録媒体吸着部材の一例としての媒体吸着ロールRkとを有する。前記媒体搬送ベルトBは、前記ベルト支持ロール(Rd+Rj)により回転可能に支持されている。なお、前記画像濃度センサSN1は、所定の時期に、制御部Cの図示しない画像濃度調整手段により形成される濃度検出用の画像、いわゆるパッチ画像の濃度を検出するためのものであり、画像濃度調整手段は、前記画像濃度検出部材で検出された画像濃度に基づいて、帯電器CRy〜CRkや現像装置Gy〜Gk、転写ロールT1y〜T1kへ印加する電圧の調整、潜像書込光Ly〜Lkの強度の調整を行うことにより、画像濃度の調整や補正、いわゆる、プロセスコントロールを行う。
【0022】
媒体搬送ベルトBの下方に配置された給紙容器TR1の記録媒体Sは、給紙部材Rpにより取り出され、記録媒体搬送路SHに搬送される。
記録媒体搬送路SHの記録媒体Sは、記録媒体搬送部材の一例としての媒体搬送ロールRaにより搬送され、給紙時期調整部材の一例としてのレジロールRrに送られる。レジロールRrは、所定のタイミングで、従動ロールRjと媒体吸着ロールRkとの対向領域である記録媒体吸着位置Q6に前記記録媒体Sを搬送する。前記記録媒体吸着位置Q6に搬送された記録媒体Sは、前記媒体搬送ベルトBに静電吸着される。
手差し給紙部TR0から給紙される場合、手差し給紙部材Rp1により給紙された記録媒体Sは、媒体搬送ロールRaにより前記レジロールRrに搬送され、媒体搬送ベルトBに搬送される。
【0023】
前記媒体搬送ベルトBに吸着された記録媒体Sは、前記感光体Py〜Pkと接触する前記転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kを順次通過する。
前記転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて媒体搬送ベルトBの裏面側に配置された転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから所定のタイミングでトナーの帯電極性と逆極性の転写電圧が印加される。
多色画像の場合、前記各感光体Py〜Pk上のトナー像は前記転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより媒体搬送ベルトB上の記録媒体Sに重ねて転写される。また、単色画像、いわゆる、モノクロ画像の場合、感光体Pk上にK(黒)のトナー像のみが形成され、このK(黒)のトナー像のみが転写器T1kにより記録媒体Sに転写される。
トナー像転写後の感光体Py〜Pkは、除電領域Qjy〜Qjkで除電部材Jy〜Jkにより除電された後、清掃領域Q4y〜Q4kにおいて感光体クリーナCLy〜CLkにより表面に残留したトナーが回収されて清掃され、再び帯電ロールCRy〜CRkにより帯電される。
【0024】
前記トナー像が転写された記録媒体Sは、定着装置Fの加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpとが圧接して形成する定着領域Q5で定着される。画像が定着された記録媒体Sは、案内部材の一例としてのガイドコロRgkにより案内されて、媒体排出部材の一例としての排出ローラRhから媒体排出部TRhに排出される。
記録媒体Sが離隔した後の前記媒体搬送ベルトBは、前記ベルトクリーナCLbにより清掃される。
両面印刷が行われる場合には、排紙ローラRhが逆回転駆動して、切替部材GT1により媒体反転路SH2に記録媒体Sが搬送され、表裏が反転した状態でレジロールRrに再送される。
なお、実施例1の定着装置F、排紙ロールRhの下側の駆動ロール、切替部材GT1、媒体反転路SH2の下側のガイド面は、一体化された交換可能な定着装置、いわゆる、定着ユニットU3により構成されている。また、排紙ロールRhの上側の従動部材は、開閉部U2に支持されている。
【0025】
(可視像形成装置の説明)
図4は図3のIV−IV線断面図である。
以下、可視像形成装置UY〜UKの詳細な説明をするが、各色の可視像形成装置UY〜UKは同様に構成されているため、黒色の可視像形成装置UKについてのみ説明し、その他の可視像形成装置UY,UM,UCについては説明を省略する。
図3,図4において、被給電ユニットの一例としての可視像形成装置UKは、現像装置Gkを有する現像部Uk1と、感光体Pkや帯電ロールCRk、感光体クリーナCLk、除電ロールJkを有する被給電ユニットおよび像保持体ユニットの一例としての像保持体部Uk2と、が組付けられて構成されており、現像部Uk1と像保持体部Uk2との間にはレーザビームLkが通過する書込光通過路Uk3が形成されている。
前記現像部Uk1は、現像剤が収容される現像剤収容容器1を有する。前記現像剤収容容器1は、下側の現像容器本体1aと、現像容器本体1aの上面を閉塞する蓋部材1bと、前記現像容器本体1aの左右方向中央部を仕切って後述する現像剤搬送室を形成するための中央仕切部材1cとを有する。
【0026】
前記現像剤収容容器1には、感光体Pkに対向する現像剤保持体の一例としての現像ロールG1kが支持される現像剤保持体収容室2と、現像剤保持体収容室2の左側に隣接し現像剤が収容される第1撹拌搬送室3と、第1撹拌搬送室3の左側に隣接する第2撹拌搬送室4とを有する。また、前記現像剤保持体収容室2には、現像ロールG1kに対向して配置され、現像ロールG1k表面に担持された現像剤の厚みである層厚を規制する層厚規制部材SKが配置されている。
現像剤収容室の一例としての前記第1撹拌搬送室3と第2撹拌搬送室4との間は、仕切壁6により仕切られており、第1撹拌搬送室3と第2撹拌搬送室4は前後両端部の流出部6aおよび流入部6bで現像剤が移動可能に構成されている。
実施例1の現像剤収容容器1には、前記現像剤として、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤が収容されている。また、第1撹拌搬送室3および第2撹拌搬送室4により循環搬送室(3+4)が構成され、前記現像剤保持体収容室2および循環搬送室(3+4)により現像剤収容室(2〜4)が構成されている。
【0027】
前記第1撹拌搬送室3および第2撹拌搬送室4には、現像剤を撹拌しながら互いに逆方向に搬送する現像剤搬送部材の一例としての撹拌搬送部材7,8が配置されている。実施例1の撹拌搬送部材7,8は、回転軸7a,8aと、前記回転軸7a,8aに固定支持された螺旋状の搬送羽根7b,8bとを有する撹拌搬送部材、いわゆるオーガにより構成されている。前記一対の撹拌搬送部材7,8により実施例1の循環搬送部材(7+8)が構成されている。
なお、実施例1の撹拌搬送部材7,8は、回転軸が直径4mm、搬送羽根7b,8bの外形の直径である螺旋径は8mm、搬送羽根7b,8bの螺旋が一回転する間に軸方向に進む距離であるピッチが15mm、回転数が408.39rpmに設定されている。なお、これらの値は、設計に応じて任意に変更可能である。
【0028】
図3において、前記蓋部材1bには、第2撹拌搬送室4の上方に配置される初期現像剤収容室9が形成されている。図4の破線で示すように、前記初期現像剤収容室9の下端部には前後方向に延びる開口9aが形成されている。
前記第2撹拌搬送室4の左側には、現像剤搬送室の一例としての円筒状のトナー搬送室11が形成されている。前記トナー搬送室11の前端部には第2撹拌室4に接続する現像剤補給部の一例としてのトナー補給口11aが形成されており、この位置が現像剤補給位置の一例としてのトナー補給位置に設定されている。前記トナー搬送室11の後端部には現像剤流入口の一例としてのトナー流入口11bが形成されている。前記トナー搬送室11には、トナー搬送室11内の現像剤をトナー補給口11a側に搬送する現像剤補給部材の一例としてのトナー補給部材12が配置されている。
なお、実施例1のトナー補給部材12は、回転軸12aが直径4mm、搬送羽根12bの外形の直径である螺旋径は8mm、搬送羽根12bの螺旋が一回転する間に軸方向に進む距離であるピッチが8mm、回転数が100rpmに設定されている。なお、これらの値は、設計に応じて任意に変更可能である。
【0029】
前記トナー搬送室11の左側には、第1現像剤補給室の一例としての第1トナー補給室16が形成されており、第1トナー補給室16の上方には、前後方向端部に形成された現像剤落下路の一例としてのトナー落下路17を介して接続された第2現像剤補給室の一例としての第2トナー補給室18が配置されている。前記第1トナー補給室16には、第1トナー補給室16のトナーをトナー流入口11bに搬送する現像剤補給部材の一例としての第1トナー搬送部材21および第2トナー搬送部材22が配置されている。
前記第1トナー搬送部材21は、回転軸部21aと、前記回転軸部21aに支持されたPET(ポリエチレンテレフタレート)等の可撓性のある樹脂薄膜により構成された搬送薄膜部21bとを有する。搬送薄膜部21bには、軸方向に対して傾斜した切込21cが形成されており、搬送薄膜部21bのトナー流入口11bに対向する位置には強度を高めてトナー流入口11bへトナーを流入しやすくするための補助薄膜23が貼り付けられている。したがって、第1トナー搬送部材21の回転時に、切込21cが形成された搬送薄膜部21bにより、後側のトナー流入口11b側にトナーが搬送され、補助薄膜23の部分でトナーがトナー搬送室11に搬送される。
【0030】
前記第2トナー搬送部材22は前記第1トナー搬送部材21側にトナーを搬送する。前記第2トナー補給室18内に配置された現像剤補給部材の一例としての第3トナー搬送部材24、第4トナー搬送部材26は、第2トナー補給室18内のトナーをトナー落下路17側に搬送する。
前記トナー搬送室11、第1トナー補給室16および第2トナー補給室18により実施例1の現像剤補給容器の一例としてのトナー補給容器(11+16+18)が構成され、符号12,21,22,24,26を付した部材により現像剤補給部材の一例としてのトナー補給部材が構成されている。
前記第2トナー補給室18の右側には、前記感光体クリーナCLkが配置されており、感光体クリーナCLkは感光体Pk表面に接触する板状の像保持体清掃部材、いわゆる、クリーニングブレード31と、クリーニングブレード31により掻き取られたトナーや紙粉、放電生成物等を、回収現像剤収容室の一例としての回収トナー収容室32に搬送する回収現像剤搬送部材の一例としての回収トナー搬送部材33とを有する。
【0031】
図3Bにおいて、前記可視像形成装置UKには、仕切部材兼開口閉塞部材の一例としてのフィルムシールFSが設けられている。前記フィルムシールFSは、外端側が可視像形成装置Ukの図示しない貫通孔を介して外部に導き出されており、内端側は二又状に分かれており、一方は、前記開口9aの下面に貼り付けられている。また、図4に示すように、フィルムシールFSの内端側の他方は、前記トナー搬送室11のトナー補給口11aを閉塞するように貼り付けられる。
したがって、開口9aはフィルムシールFSにより閉塞され、初期現像剤収容室9は密封されると共に、トナー搬送室11と現像剤収容室(2〜4)との間も封がされる。
【0032】
なお、実施例1では、フィルムシールFSが取付けられた可視像形成装置UKにおいて、密封された初期現像剤収容室9には、トナーとキャリアとが予め設定された所定の割合で混合された二成分現像剤、いわゆる初期現像剤が収容され、現像剤補給容器(11+16+18)には、補給用の現像剤としてトナーが収容されている。そして、現像剤収容室(2〜4)には、現像剤が無い状態で保持される。したがって、フィルムシールFSが装着された状態では、現像剤収容室(2〜4)に現像剤が存在せず、封もされているため、倉庫での保管や輸送中に現像剤が漏れることが防止され、可視像形成装置UKを画像形成装置本体U1に装着する前に、フィルムシールFSを可視像形成装置UKから取り外すことにより、現像剤収容室(2〜4)に初期現像剤収容室9の現像剤が流入すると共にトナー補給容器(11+16+18)からトナーが補給可能になる。
前記符号1〜26やFSが付された各部材等により、実施例1の現像剤搬送装置が構成されている。
【0033】
図5は実施例1のプロセスカートリッジの斜視説明図である。
図6は給電部材が省略された状態の像保持体支持部材の説明図である。
図7は実施例1の帯電ロールを付勢する付勢部材の一例としてのコイルスプリング部分の要部説明図である
図3〜図6において、プロセスカートリッジにより構成された前記可視像形成装置UKの像保持体部Uk2は、可視像形成装置UKの上面および側面を構成する被給電部材支持体の一例としての枠体41を有する。図6において、実施例1の枠体41は、絶縁性のABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂で作製されており、上壁42と、前記上壁42の前後両端部から下方に延びる前端壁43および後端壁44とが一体的に形成されている。前記前端壁43および後端壁44の右端部には、図示しない軸受を介して前記感光体Py〜Pkの前後両端を回転可能に支持する丸穴状の像保持体支持部43a,44aが形成されている。図6、図7において前記像保持体支持部43a,44aの左方の内側には、軸受支持部43b,44bが形成されている。図7において、前記軸受支持部43b,44bには、帯電ロールCRkおよび帯電器クリーナCRLkの両端部を回転可能に支持する前後一対の導電性の軸受部材46が装着されている。前記軸受部材46は、支持する帯電ロールCRkが像保持体Pkに対して接近・離隔する方向に沿って、前記軸受支持部43b,44bにスライド移動して装着可能に支持されている。また、前記軸受部材46には、付勢部材他端側固定部の一例として、突起状のスプリング位置決め部46aが形成されている。
【0034】
図6において、前記前端壁43の軸受支持部43bの左方には、給電部材支持部47が形成されている。前記給電部材支持部47は、前端壁43の前側外表面に形成された端子接続側支持面48と、前記端子接続側支持部48の下方で内側に凹んだ形状に形成され、軸受部材46に対向して形成された軸受対向側支持面49とを有する。前記各支持面48,49には、それぞれ、剥離部の一例として、貫通孔により構成された剥離孔48a,49aが形成されている。なお、実施例1の給電部材支持部47には、前記端子接続側支持面48の左右両側に、内側に延びる爪状の給電部材脱落防止部50が形成されている。
【0035】
図6において、前記前後両端壁43、44には、第3トナー搬送部材24、第4トナー搬送部材26および回収トナー搬送部材33を回転可能に支持する搬送部材回転支持部51,52,53が形成されている。図5において、前記搬送部材回転支持部51〜53に支持された各搬送部材24,26,33の前端には、ギア24a,26a,33aが支持されており、ギア24a,26a,33aには、可視像形成装置UKの前端部に回転可能に支持された被駆動ギア54から回転が伝達される。前記被駆動ギア54は、可視像形成装置UKが画像形成装置本体U1に装着された状態で、画像形成装置本体U1に設けられた図示しない駆動ギアに噛合って回転駆動される。なお、実施例1の被駆動ギア54は、現像部Uk1のトナー補給部材12、第1トナー搬送部材21および第2トナー搬送部材22にも回転を伝達して駆動する。図5において、前記前端壁43の前側には、前記被駆動ギア54やギア24a,26a,33aを保護する保護部材の一例としての保護カバー56が支持されている。前記保護カバー56には、画像形成装置本体U1に設けられた図示しない駆動ギアを被駆動ギア54にガイドするためのガイド凹部56aが形成されている。
【0036】
図8は給電部材が剥離された状態における像保持体支持部材の剥離部の要部拡大説明図である。
図9は実施例1のプロセスカートリッジの像保持体支持部材の給電部材部分の要部拡大図である。
図5、図7、図9において、前記前端壁43の給電部材支持部47には、帯電用の給電部材61が一体的に成形されている。実施例1の給電部材61は、導電性のPOM(ポリアセタール、poly-oxy-methylene)樹脂で構成されており、いわゆる、二色成形により、ABS樹脂製の給電部材支持部47に一体的に成形されている。なお、材料はABSやPOMに限定されず、例えば、POMに替えて、熱可塑性エラストマーに導電性カーボンを添加して導電性を付与した材料を使用することも可能である。
前記給電部材61は、前記端子接続側支持面48の表面に沿って一体的に成形される板状の端子接続部61aと、前記軸受対向側支持面49の表面に一体的に成形される板状の軸受接続部61bとを有する。実施例1給電部材61では、前記端子接続部61aと軸受接続部61bとは互いに交差する板状体が連結された形状に形成されている。また、図8、図9に示すように、前記各接続部61a,61bは、前記剥離孔48a,49aを閉塞するように成形されている。
【0037】
図10は図9に示す剥離部のX−X線断面図であり、図10Aは給電端子が接触して給電可能な状態の説明図、図10Bは治具を使用して給電部材が剥離される状態の説明図である。
図10Aにおいて、前記端子接続部61aは、可視像形成装置UKが画像形成装置本体U1に装着された状態で、画像形成装置本体U1から延びる突起状の帯電用給電端子U1aに外表面が接触して、帯電ロールCRkへの帯電電圧の給電が行われる。
図7〜図9において、前記軸受接続部61bには、前記軸受部材46のスプリング位置決め部46aに対向して、付勢部材一端側固定部の一例として、突起状、いわゆる、ボス状のスプリング位置決め部61cが一体的に形成されている。図7において、前記軸受部材46のスプリング位置決め部46aと、給電部材のスプリング位置決め部61cとの間には、付勢部材の一例として、帯電ロールCRkを感光体Pyに押し当てるコイルスプリング62が装着されている。前記コイルスプリング62は、導電性の金属材料により構成されており、一端側および他端側が、スプリング位置決め部46a、61cに嵌って、位置決めされた状態で保持されている。
【0038】
したがって、実施例1の像保持体部Uk2では、帯電用の給電部材61と、コイルスプリング62と、軸受部材46とが、導電性の材料で電気的に接続されており、これらの部材により、帯電ロールCRkに給電する給電路(61+62+46)が構成されている。よって、画像形成装置本体U1の給電端子U1aから端子側接続部61aに供給された帯電電圧は、給電部材61の端子接続部61aから軸受接続部61bと通じ、コイルスプリング62および軸受部材46を介して、帯電ロールCRkに供給、印加される。
図5において、前記給電部材61の下方の現像部Uk1には、現像ロールG1kに現像バイアスを供給するための現像用の給電部材63が外部に露出して配置されている。前記給電部材63は、現像ロールG1kに電気的に接続されており、帯電用の給電部材61と同様に、可視像形成装置UKが画像形成装置本体U1に装着された状態で、画像形成装置本体U1の図示しない現像用の給電端子に外表面が接触して、現像電圧が供給される。
【0039】
(成形方法の説明)
図11は給電部材を一体的に成形する方法の概略説明図であり、図11Aは第1金型に枠体を装着する場合の説明図、図11Bは図11Aの状態から第2金型を装着する場合の説明図、図11Cは第1金型および第2金型が装着された状態から給電部材を形成する樹脂を射出する状態の説明図、図11Dは枠体に給電部材が二色成型された状態の説明図である。
実施例1では、前記枠体41に帯電用の給電部材61を二色成形により一体的に成形する場合、先ず、従来公知の成形方法で成形された剥離孔48a,49a付の枠体41を成形する。
【0040】
次に、図11A、図11Bにおいて、成形された剥離孔48a,49a付の枠体41を第1金型71に装着する。図11Bにおいて、このとき、第1金型71と枠体41との間には、給電部材61に対応する給電部材形成空間71aが形成される。
次に、図11B、図11Cにおいて、第1金型71と対向する第2金型72で、枠体41を挟み込む。このとき、第2金型72には、樹脂射出用の射出口72aが形成されており、前記射出口72aは、枠体41の剥離孔48aに嵌った状態となるように設定されている。
次に、図11C、図11Dにおいて、射出孔72aから給電部材61を形成する樹脂を給電部材形成空間71aに射出し(流し込み)、固めて給電部材61を形成する。
【0041】
(剥離方法の説明)
図12は給電部材を剥離する際のたわみの説明図であり、図12Aは最大たわみの説明図、図12Bは撓んでいない状態に対するズレの大きさの説明図である。
実施例1の可視像形成装置UKにおいて、使用終了や故障等で回収された可視像形成装置UKを再利用、いわゆる、リサイクルする場合、枠体41とは材料の異なる給電部材61を枠体41から剥離することで効率的なリサイクルが可能となる。図10B、図12において、実施例1の給電部材61は、前記剥離孔48a,49aから棒状の治具76を挿入して押すことで、給電部材61を容易に剥離することができる。このとき、図12Aに示すように、給電部材61の変形量、すなわち、たわみは、中央集中荷重を受ける両端支持はりと、同等とみなすことができる(近似できる)。したがって、治具76による荷重をWとし、縦弾性係数(ヤング率)をEとし、給電部材の長さ(X軸方向の長さ)をL、給電部材の幅(Z軸方向の幅)をbとし、断面二次モーメントをI(=bh3/12)とし、長さLに沿った方向(X軸方向)の変位をx、治具76に押される方向(Y軸方向)の変位(たわみ)をyとした場合に、中央集中荷重を受ける両端支持はりにおけるたわみの式より、以下の式(1)が得られる。
y=−W・x3/(12・E・I)+W・L2・x/(16・E・I) …式(1)
この式から、中央部(x=L/2の位置)で発生する最大のたわみymaxは、式(2)で表現される。
ymax=W・L3/(48・E・I) …式(2)
【0042】
ここで、図12Bにおいて、給電部材61を撓ませた場合に、撓んでいない状態に対する両端部の位置のX軸方向のズレ(長さ)をΔLとし、たわみの中心に対するなす角をθ、たわみの中心から中立面までの半径をrとした場合に、以下の式(3)〜式(5)が得られる。
r・θ=L …式(3)
(r+h/2)・cos(θ/2)=(r−ymax+h/2) …式(4)
ΔL=L/2−(r−ymax+h/2)tan(θ/2) …式(5)
式(3)、式(4)からrを消去して整理すると、式(6)が得られる。
ymax=(L/θ+h/2){1−cos(θ/2)} …式(6)
また、式(5)において、θを微小として、tan(θ/2)=θ/2と近似し、式(3)を適用して整理すると、式(7)が得られる。
ΔL=(θ/2)・(ymax−h/2) …式(7)
したがって、ΔLが給電部材脱落防止部50の長さになると給電部材61が枠体41から取り外せるので、式(2)、式(6)から、荷重Wを、ある程度の衝撃でも外れず、且つ人が治具76を使用した場合に簡単に外れるような荷重とした場合のθを導出でき、導出されたθと式(7)から、ΔLを導出できる。この結果、荷重Wがある程度の衝撃でも外れず、且つ人が治具76を使用した場合に簡単に外れるように、脱落防止用の爪の長さΔLを設定することができる。
【0043】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の画像形成装置Uでは、給電部材61が枠体41に二色成形により一体的に形成されており、前記従来技術に比べて、給電部材61をプレスしたり、折り曲げたり、湾曲させたり、枠体に取付けるための取付け部や穴等を形成する加工をする必要が無くなる。すなわち、加工や加工後の取付け作業が省略され、コストが低減され、取付け誤差等の発生も低減できる。
また、実施例1の画像形成装置Uでは、リサイクル等で、給電部材61を枠体41から取り外す場合、剥離孔48a,49aに治具76を挿入することで、給電部材61が枠体41から少ない力で容易に取り外される。また、実施例1では、前記給電部材脱落防止部50により、通常の使用状態では、二色成形されて固定されて剥がれにくい給電部材61が仮に剥がれても脱落することが防止される。さらに、実施例1の画像形成装置Uでは、給電部材61を二色成形する際に、剥離孔48aを通じて樹脂が射出されて成形され、剥離孔48aが確実に形成される。また、前記剥離孔48aの形成により環境に対する配慮を視覚的に訴えられる。
【0044】
図13は従来の給電部材の一例の説明図であり、実施例1の図9に対応する図である。
図14は図13に示す従来の給電部材のカシメ部の要部拡大説明図であり、図14Aは取付けられた状態の説明図、図14Bは給電部材を取り外す場合の説明図である。
図13において、従来の可視像形成装置01では、枠体02に取付けられた板金等で構成された給電部材03は、被取付け部03aと、被取付け部03aに形成された一対のカシメ部03bとを有し、図14Aに示すように、カシメ部03bが枠体02に形成された突起02aにカシメられることで、給電部材03が枠体02に取付けられていた。
これに対して、図9に示すように、実施例1の可視像形成装置UKでは、枠体41に給電部材61が一体的に形成されている。すなわち、従来技術のように被取付け部03aやカシメ部03bを形成したり、剛性を高めるためのリブを形成するために折り曲げたりする必要が無くなり、被取付け部03aの省略による小型化や、カシメ部03b形成時の廃材の省略による省資源化がされ、さらに、被取付け部03aやカシメ部03bを折り曲げたりして加工する加工作業や廃材処理の省略による低コスト化もされる。
【0045】
また、実施例1の給電部材61では、カシメる作業を省略でき、取付けが容易になり、可視像形成装置UKを製造装置により自動的に組み立てることが可能となる。
さらに、リサイクル等で、従来のカシメられた給電部材03を取り外そうとしても、図14Bに示すようにカシメ部03bが引っ掛かり、取外しを妨げる方向の力を作用させる。このため、給電部材03を取り外すためには、矢印に示すようにカシメ部03bをピンセット等の治具で外側に折り曲げる必要があり、取外しに手間がかかり、ピンセット等の治具も必要となり、リサイクルに手間とコストがかかっていた。これに対して、実施例1の給電部材61では、剥離孔48a,49aと治具76で容易に剥離され、速やかにリサイクル作業が実行される。
また、従来のように板金製の給電部材03では、組み付ける際に、手を切ったりして負傷する恐れがあったが、実施例1の給電部材61では、組付け作業時の負傷を防止できる。
【0046】
図15は実施例1の図7に対応する説明図であって、図13に示す従来の給電部材と帯電ロールとの接続部分の説明図であり、図15Aは給電部材が取付けられる前の状態の説明図、図15Bは給電部材が取付けられた状態の説明図、図15Cは給電部材と軸受部材との間にコイルスプリングが装着された状態の説明図である。
図15Aにおいて、従来の可視像形成装置01では、実施例1の可視像形成装置UKとは異なり、ボス状のスプリング位置決め部02bが、給電部材03ではなく、枠体02に形成されていた。そして、図15Bに示すように、給電部材03には、位置決め部貫通孔03cが形成されており、位置決め部貫通孔03cがスプリング位置決め部02bに嵌り合うことで、給電部材03の帯電ロール04側が枠体02に位置決め、固定されていた。そして、前記スプリング位置決め部02bと軸受部材06との間にコイルスプリング07が装着されており、前記スプリング位置決め部02bは、給電部材03の位置決めとコイルスプリング06の一端側の位置決めを兼用していた。
【0047】
これに対して、図7に示す実施例1の給電部材61では、給電部材61自体にスプリング位置決め部61cが一体形成されており、従来技術の給電部材03のように位置決め部貫通孔03cを形成する加工をしたり、位置決め部貫通孔03cをスプリング位置決め孔02bに貫通させて位置決めする取付け作業を省略できる。また、実施例1の給電部材61では、給電機能と、付勢部材の固定機能とを有する給電部材61が同時に形成される。
また、実施例1の給電部材61では、前記スプリング位置決め部61cにより、コイルスプリング62の位置がずれず、給電部材61と帯電ロールCRy〜CRkとが確実に電気的に接続される。
【実施例2】
【0048】
図16は本発明の実施例2の被給電ユニットにおいて給電部材を一体的に成形する方法の概略説明図であって、実施例1の図11に対応する成形方法の説明図であり、図16Aは第1金型に枠体を装着する場合の説明図、図16Bは図16Aの状態から第2金型を装着する場合の説明図、図16Cは第1金型および第2金型が装着された状態から給電部材を形成する樹脂を射出する状態の説明図、図16Dは枠体に給電部材が二色成型された状態の説明図である。
次に本発明の実施例2の画像形成装置および画像形成装置に装着される被給電ユニットの一例としての可視像形成装置の説明を行うが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0049】
図16A、図16Bにおいて、実施例2では、前記枠体41に帯電用の給電部材61を二色成形により一体的に成形する場合、先ず、予め成形された枠体41を第1金型71′に装着する。このとき、図11Bに示すように、第1金型71′の剥離部進入部の一例としての剥離孔進入部71b′は、枠体41の剥離孔48aに進入して剥離孔48aを塞いだ状態で装着される。
次に、図16B、図16Cにおいて、第1金型71′と対向する第2金型72′で、枠体41を挟み込む。このとき、第2金型72′には、樹脂射出用の射出口72a′が形成されている。そして、第2金型72′と、枠体41との間には、給電部材61に対応する給電部材形成空間71a′が形成される。
次に、図16C、図16Dにおいて、射出孔72a′から給電部材61を形成する樹脂を給電部材形成空間71a′に射出し(流し込み)、固めて給電部材61を形成する。
【0050】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の画像形成装置Uでは、二色成形時に剥離孔48aが剥離孔進入部71a′により塞がれることで、剥離孔48aが容易且つ確実に形成される。
その他、実施例2の給電部材61は実施例1と同様の作用効果を有する。
【0051】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H06)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置としてのプリンタを例示したが、これに限定されず、FAXや複写機あるいはこれらすべてまたは複数の機能を備えた複合機とすることも可能である。また、多色現像の画像形成装置に限定されず、単色、いわゆる、モノクロの画像形成装置により構成することも可能である。
【0052】
(H02)前記実施例において、使用する材料は、実施例に例示した材料に限定されず、設計や仕様等に応じて、使用可能な任意の材料を採用可能である。
(H03)前記実施例において、給電部材61として、帯電器用の給電部材を例示したが、これに限定されず、給電が必要な被給電部材用の給電部材に適用可能である。例えば、現像部材の一例としての現像ロールG1y〜G1k用の給電部材や、転写器の一例としての転写ロールT1y〜T1k用の給電部材、除電器Jk用の給電部材に適用可能である。この他にも、清掃器に電圧を印加して静電的に除去する機種や、中間転写体および二次転写器等を備えた機種における給電にも適用可能である。また、前記帯電器として、帯電ロールCRy〜CRkを例示したが、これに限定されず、コロナ放電型の帯電器、いわゆる、コロトロンやスコロトロンにも適用可能である。
【0053】
(H04)前記実施例において、給電部材脱落防止部50は設けることが望ましいが、省略することも可能である。
(H05)前記実施例において、被給電ユニットとして、像保持体部Uk2と現像部Uk1とがユニット化された可視像形成装置UKを例示したが、これに限定されず、像保持体部Uk2のみで着脱可能な被給電ユニットとすることも可能である。このほかにも、現像部Uk1のみで着脱可能な被給電ユニットとしたり、転写器T1y〜T1kのみで着脱可能な被給電ユニットとしたりすることも可能である。
【0054】
図17は本発明の変更例の説明図であり、図17Aは給電部材の変更例1の説明図、図17Bは給電部材の変更例2の説明図、図17Cは給電部材の変更例3の説明図、図17Dは給電部材の変更例4の説明図である。
(H06)図17において、前記実施例の給電部材の形状は、実施例1,2に例示した形状に限定されず、任意の形状に変更可能である。例えば、図17Aに示すように、前記剥離孔48aの内部に給電部材61の被剥離部61dが進入した形状とし、実施例1,2と同様に、被剥離部61dを治具76等で押すことで剥離するように構成することも可能である。また、図17Bに示すように、剥離孔48aの一部に被剥離部61eが進入するように形成することも可能である。さらに、図17Cに示すように、被剥離部61fが剥離孔48aを貫通して外部に突出するように形成することも可能である。この場合、治具76を使用せず、作業者が被剥離部61fを押すことで給電部材61を剥離孔48aから剥離することができる。また、図17Dに示すように、給電部材脱落防止部50の内側に進入する進入部61gを形成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は本発明の実施例1の画像形成装置の開閉部が開放された状態の説明図である。
【図3】図3は本発明の実施例1の着脱体の一例である可視像形成装置の説明図であり、図3Aは使用時の説明図、図3Bは初期現像剤収容室が開放される前の状態の説明図である。
【図4】図4は図3のIV−IV線断面図である。
【図5】図5は実施例1のプロセスカートリッジの斜視説明図である。
【図6】図6は給電部材が省略された状態の像保持体支持部材の説明図である。
【図7】図7は実施例1の帯電ロールを付勢する付勢部材の一例としてのコイルスプリング部分の要部説明図である。
【図8】図8は給電部材が剥離された状態における像保持体支持部材の剥離部の要部拡大説明図である。
【図9】図9は実施例1のプロセスカートリッジの像保持体支持部材の給電部材部分の要部拡大図である。
【図10】図10は図9に示す剥離部のX−X線断面図であり、図10Aは給電端子が接触して給電可能な状態の説明図、図10Bは治具を使用して給電部材が剥離される状態の説明図である。
【図11】図11は給電部材を一体的に成形する方法の概略説明図であり、図11Aは第1金型に枠体を装着する場合の説明図、図11Bは図11Aの状態から第2金型を装着する場合の説明図、図11Cは第1金型および第2金型が装着された状態から給電部材を形成する樹脂を射出する状態の説明図、図11Dは枠体に給電部材が二色成型された状態の説明図である。
【図12】図12は給電部材を剥離する際のたわみの説明図であり、図12Aは最大たわみの説明図、図12Bは撓んでいない状態に対するズレの大きさの説明図である。
【図13】図13は従来の給電部材の一例の説明図であり、実施例1の図9に対応する図である。
【図14】図14は図13に示す従来の給電部材のカシメ部の要部拡大説明図であり、図14Aは取付けられた状態の説明図、図14Bは給電部材を取り外す場合の説明図である。
【図15】図15は実施例1の図7に対応する説明図であって、図13に示す従来の給電部材と帯電ロールとの接続部分の説明図であり、図15Aは給電部材が取付けられる前の状態の説明図、図15Bは給電部材が取付けられた状態の説明図、図15Cは給電部材と軸受部材との間にコイルスプリングが装着された状態の説明図である。
【図16】図16は本発明の実施例2の被給電ユニットにおいて給電部材を一体的に成形する方法の概略説明図であって、実施例1の図11に対応する成形方法の説明図であり、図16Aは第1金型に枠体を装着する場合の説明図、図16Bは図16Aの状態から第2金型を装着する場合の説明図、図16Cは第1金型および第2金型が装着された状態から給電部材を形成する樹脂を射出する状態の説明図、図16Dは枠体に給電部材が二色成型された状態の説明図である。
【図17】図17は本発明の変更例の説明図であり、図17Aは給電部材の変更例1の説明図、図17Bは給電部材の変更例2の説明図、図17Cは給電部材の変更例3の説明図、図17Dは給電部材の変更例4の説明図である。
【符号の説明】
【0056】
41…被給電部材支持体、
48a,49a…剥離部、
62…付勢部材、
61…給電部材、
61+62+46…給電路、
61c…固定部、
CRy,CRm,CRc,CRk…被給電部材,帯電器,帯電部材、
Py,Pm,Pc,Pk…像保持体、
U…画像形成装置、
U1…画像形成装置本体、
UY,UM,UC,UK…被給電ユニット。
【技術分野】
【0001】
本発明は、被給電ユニット、像保持体ユニットおよび画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の複写機やプリンタ等の画像形成装置では、像保持体表面を帯電器で帯電させ、帯電した表面に潜像を形成し、現像装置から供給される現像剤により潜像を可視像化して画像形成を行っている。前記像保持体や帯電器、現像装置等は、使用に伴って経時的に損耗するため、交換、修理を容易とするために、交換可能なユニットとされていることが多い。前記帯電器や現像装置には、所定の帯電電圧や現像電圧が印加されており、これらが交換可能なユニットで構成されている場合、装着時に給電部材を介して電流、電圧が供給される。
給電部材を使用して給電が必要な被給電部材に電流、電圧を供給するための技術として、下記の特許文献1記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1(特開2001−242767号公報)には、画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジ(U2)を構成する像保持体ユニット(U3)および現像ユニット(U4)において、像保持体ユニット(U3)の帯電ロール(CR)に給電するための帯電ロール用給電プレート(PL1)と、現像ユニット(U4)の現像ロール(Ga)に給電するための現像ロール用給電プレート(PL2)とが記載されている。特許文献1記載の技術では、導電金属製の給電プレート(PL1,PL2)は、給電部材支持体(トナー回収容器(T)や現像容器(V))とは別体の別部材により構成されており、複数の折り曲げ部や湾曲形状を有すると共に、自動組み立てが困難な給電プレート(PL1,PL2)に形成された被装着部が、給電部材支持体の装着部に装着されることで、給電部材(給電プレート)が枠体に組付けられている。
【0004】
また、画像形成装置の分野において、給電部材とは機能、用途が異なり、通電されないシール部材を成形する技術として、下記の特許文献2,3記載の技術が知られている。
特許文献2(特開平7−121085号公報)には、給電部材とは異なり、クリーニング手段(13)を構成する上枠体(14)に、弾性を有するシール部(14b1〜14b4)を、いわゆる、二色成形により一体的に成形する技術が記載されている。
特許文献3(特開2004−170803号公報)には、給電部材とは異なり、現像装置本体(19)を構成するフレーム部(16,17,18)において、フレーム部(16〜18)の結合箇所をシールするためのシール部材(22)を、フレーム部(17)に一体成形する技術が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−242767号公報(「0018」〜「0026」、図3〜図5)
【特許文献2】特開平7−121085号公報(「0051」〜「0061」)
【特許文献3】特開2004−170803号公報(要約書)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、給電部材を有する給電部材支持体の作製を容易にすることを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の被給電ユニットは、
給電される被給電部材を支持する樹脂製の被給電部材支持体と、
前記被給電部材への給電路を形成し且つ前記被給電部材支持体に一体的に成形された導電樹脂製の給電部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の被給電ユニットにおいて、
表面が帯電される像保持体に対向して配置された帯電器により構成された前記被給電部材、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の被給電ユニットにおいて、
円筒状の帯電部材により構成された前記帯電器と、
前記帯電部材を前記像保持体表面に押し当てる力を作用させ且つ前記帯電部材に給電を行う給電路の一部を構成する導電性の付勢部材と、
前記付勢部材の一端を支持すると共に、前記付勢部材を位置決めした状態で固定する固定部を有する前記給電部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の被給電ユニットにおいて、
前記被給電部材支持体の前記給電部材が一体成形された面に形成され、前記被給電部材を前記被給電部材支持体から剥離させるための剥離部、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
前記技術的課題を解決するために、請求項5に記載の発明の像保持体ユニットは、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電器と、
前記像保持体および前記帯電器を支持する樹脂製の被給電部材支持体と、
前記帯電器への給電路を形成し且つ前記帯電器に一体的に成形された導電樹脂製の給電部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
前記技術的課題を解決するために、請求項6に記載の発明の画像形成装置は、
画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体に着脱可能な請求項1ないし4のいずれかに記載の被給電ユニットと、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、給電部材支持体に給電部材を一体的に形成することで、別体の給電部材を加工、取り付けする作業を省略することができ、給電部材を有する給電部材支持体の作製を容易にすることができる。すなわち、材料コストや加工コストを含む生産コストを低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、帯電器に給電する給電部材を容易に作成することができる。
請求項3に記載の発明によれば、付勢部材を固定する固定部を一体的に形成できる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、剥離部を介して給電部材を被給電部材支持体から容易に剥離することができ、給電部材や被給電部材支持体の再利用を容易に行うことができる。
請求項5に記載の発明によれば、像保持体ユニットの帯電器に給電を行う給電部材を有する被給電部材支持体を容易に作製することができる。
請求項6に記載の発明によれば、画像形成装置本体に着脱される被給電ユニットを容易に作成することができ、コストを低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0016】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2は本発明の実施例1の画像形成装置の開閉部が開放された状態の説明図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置の一例としてのプリンタUは、画像が記録される媒体の一例としての記録媒体Sが収容される給紙容器TR1が下部に収容されており、上面には排紙部TRhが設けられている。また、プリンタUの上部には操作部UIが設けられている。
図1、図2において、実施例1のプリンタUは、画像形成装置本体U1と、画像形成装置本体U1の右側下端部に設けられた回転中心U2aを中心として開閉可能な開閉部U2を有する。前記開閉部U2は、現像剤の補給や故障した部材の交換や紙詰まりした記録媒体Sを除去するために画像形成装置本体U1の内部を開放する開放位置(図2の実線参照)と、画像形成動作が実行される通常時に保持される閉塞位置(図1、図2の二点鎖線参照)との間を移動可能に構成されている。
【0017】
プリンタUは、プリンタUの各種制御を行う制御部Cと、制御部Cにより作動を制御される画像処理部GS、像書込装置駆動回路DL、および電源装置E等を有している。電源装置Eは、後述の帯電器の一例としての帯電ローラCRy〜CRk、現像剤保持体の一例としての現像ローラG1y〜G1kおよび転写器の一例としての転写ローラT1y〜T1k等に電圧を印加する。
【0018】
前記画像処理部GSは、外部の画像情報送信装置等から入力された印刷情報を、K(黒),Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン)の4色の画像に対応した潜像形成用の画像情報に変換して、所定のタイミングで像書込装置駆動回路DLに出力する。像書込装置駆動回路DLは、入力された各色の画像情報に応じて駆動信号を潜像書込装置ROSに出力する。前記潜像書込装置ROSは、駆動信号に応じて、各色の画像書き込み用の画像書込光の一例としてのレーザビームLy、Lm,Lc,Lkを出射する。
図1において、前記潜像書込装置ROSの右方(+Y方向)にはY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(黒)の各色の可視像の一例としてのトナー像を形成する可視像形成装置UY,UM,UC,UKが配置されている。
【0019】
図3は本発明の実施例1の着脱体の一例である可視像形成装置の説明図であり、図3Aは使用時の説明図、図3Bは初期現像剤収容室が開放される前の状態の説明図である。
図3において、K(黒)の可視像形成装置UKは回転する像保持体の一例としての感光体Pkを有する。前記感光体Pkの周囲には、被給電部材および帯電器の一例としての帯電ロールCRk、感光体表面の静電潜像を可視像に現像する現像装置Gk、感光体Pk表面を除電する除電部材Jk、感光体Pk表面に残留した現像剤を除去する像保持体清掃器の一例としての感光体クリーナCLk等が配置されている。また、前記帯電ロールCRkには、帯電器清掃部材の一例として、帯電ロールCRkに接触して回転し、帯電器CRk表面を清掃する帯電器クリーナCRLkが配置されている。
【0020】
前記感光体Pkは、帯電部材の一例としての帯電ロールCRkと対向する帯電領域Q1kで帯電ロールCRkにより表面を一様に帯電された後、潜像形成領域Q2kでレーザビームLkにより潜像が書き込まれる。書き込まれた静電潜像は被給電部材の一例としての現像装置Gkと対向する現像領域Qgkにおいて静電潜像が可視像化される。
実施例1の黒色の可視像形成装置UKは、感光体Pk、帯電器CRk、帯電器クリーナCRLk、現像装置Gk、除電部材Jk、感光体クリーナCLk、現像剤補給容器(11+16+18)等が一体的に構成された着脱体、いわゆるプロセスカートリッジUKにより構成されており、図2に示すように、開閉部U2を開放位置に移動した状態で画像形成装置本体U1に対して着脱可能に構成されている。
他の色の可視像形成装置UY,UM,UCも、黒色の可視像形成装置UKと同様に構成されており、画像形成装置本体U1に対して着脱可能な着脱体、いわゆる、プロセスカートリッジUY,UM,UCにより構成されている。
【0021】
図1、図2において、前記感光体Py〜Pkの右方には、開閉部U2に支持された記録媒体搬送装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、記録媒体保持搬送部材の一例としての媒体搬送ベルトBと、媒体搬送ベルトBを支持する駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、従動部材の一例としての従動ロールRjを含む保持搬送部材支持系の一例としてのベルト支持ロール(Rd+Rj)と、各感光体Py〜Pkに対向して配置された転写器の一例としての転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kと、画像濃度検出部材の一例としての画像濃度センサSN1と、保持搬送部材清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbと、前記従動ロールRjに対向して配置されて記録媒体Sを媒体搬送ベルトBに吸着させる記録媒体吸着部材の一例としての媒体吸着ロールRkとを有する。前記媒体搬送ベルトBは、前記ベルト支持ロール(Rd+Rj)により回転可能に支持されている。なお、前記画像濃度センサSN1は、所定の時期に、制御部Cの図示しない画像濃度調整手段により形成される濃度検出用の画像、いわゆるパッチ画像の濃度を検出するためのものであり、画像濃度調整手段は、前記画像濃度検出部材で検出された画像濃度に基づいて、帯電器CRy〜CRkや現像装置Gy〜Gk、転写ロールT1y〜T1kへ印加する電圧の調整、潜像書込光Ly〜Lkの強度の調整を行うことにより、画像濃度の調整や補正、いわゆる、プロセスコントロールを行う。
【0022】
媒体搬送ベルトBの下方に配置された給紙容器TR1の記録媒体Sは、給紙部材Rpにより取り出され、記録媒体搬送路SHに搬送される。
記録媒体搬送路SHの記録媒体Sは、記録媒体搬送部材の一例としての媒体搬送ロールRaにより搬送され、給紙時期調整部材の一例としてのレジロールRrに送られる。レジロールRrは、所定のタイミングで、従動ロールRjと媒体吸着ロールRkとの対向領域である記録媒体吸着位置Q6に前記記録媒体Sを搬送する。前記記録媒体吸着位置Q6に搬送された記録媒体Sは、前記媒体搬送ベルトBに静電吸着される。
手差し給紙部TR0から給紙される場合、手差し給紙部材Rp1により給紙された記録媒体Sは、媒体搬送ロールRaにより前記レジロールRrに搬送され、媒体搬送ベルトBに搬送される。
【0023】
前記媒体搬送ベルトBに吸着された記録媒体Sは、前記感光体Py〜Pkと接触する前記転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kを順次通過する。
前記転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて媒体搬送ベルトBの裏面側に配置された転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから所定のタイミングでトナーの帯電極性と逆極性の転写電圧が印加される。
多色画像の場合、前記各感光体Py〜Pk上のトナー像は前記転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより媒体搬送ベルトB上の記録媒体Sに重ねて転写される。また、単色画像、いわゆる、モノクロ画像の場合、感光体Pk上にK(黒)のトナー像のみが形成され、このK(黒)のトナー像のみが転写器T1kにより記録媒体Sに転写される。
トナー像転写後の感光体Py〜Pkは、除電領域Qjy〜Qjkで除電部材Jy〜Jkにより除電された後、清掃領域Q4y〜Q4kにおいて感光体クリーナCLy〜CLkにより表面に残留したトナーが回収されて清掃され、再び帯電ロールCRy〜CRkにより帯電される。
【0024】
前記トナー像が転写された記録媒体Sは、定着装置Fの加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpとが圧接して形成する定着領域Q5で定着される。画像が定着された記録媒体Sは、案内部材の一例としてのガイドコロRgkにより案内されて、媒体排出部材の一例としての排出ローラRhから媒体排出部TRhに排出される。
記録媒体Sが離隔した後の前記媒体搬送ベルトBは、前記ベルトクリーナCLbにより清掃される。
両面印刷が行われる場合には、排紙ローラRhが逆回転駆動して、切替部材GT1により媒体反転路SH2に記録媒体Sが搬送され、表裏が反転した状態でレジロールRrに再送される。
なお、実施例1の定着装置F、排紙ロールRhの下側の駆動ロール、切替部材GT1、媒体反転路SH2の下側のガイド面は、一体化された交換可能な定着装置、いわゆる、定着ユニットU3により構成されている。また、排紙ロールRhの上側の従動部材は、開閉部U2に支持されている。
【0025】
(可視像形成装置の説明)
図4は図3のIV−IV線断面図である。
以下、可視像形成装置UY〜UKの詳細な説明をするが、各色の可視像形成装置UY〜UKは同様に構成されているため、黒色の可視像形成装置UKについてのみ説明し、その他の可視像形成装置UY,UM,UCについては説明を省略する。
図3,図4において、被給電ユニットの一例としての可視像形成装置UKは、現像装置Gkを有する現像部Uk1と、感光体Pkや帯電ロールCRk、感光体クリーナCLk、除電ロールJkを有する被給電ユニットおよび像保持体ユニットの一例としての像保持体部Uk2と、が組付けられて構成されており、現像部Uk1と像保持体部Uk2との間にはレーザビームLkが通過する書込光通過路Uk3が形成されている。
前記現像部Uk1は、現像剤が収容される現像剤収容容器1を有する。前記現像剤収容容器1は、下側の現像容器本体1aと、現像容器本体1aの上面を閉塞する蓋部材1bと、前記現像容器本体1aの左右方向中央部を仕切って後述する現像剤搬送室を形成するための中央仕切部材1cとを有する。
【0026】
前記現像剤収容容器1には、感光体Pkに対向する現像剤保持体の一例としての現像ロールG1kが支持される現像剤保持体収容室2と、現像剤保持体収容室2の左側に隣接し現像剤が収容される第1撹拌搬送室3と、第1撹拌搬送室3の左側に隣接する第2撹拌搬送室4とを有する。また、前記現像剤保持体収容室2には、現像ロールG1kに対向して配置され、現像ロールG1k表面に担持された現像剤の厚みである層厚を規制する層厚規制部材SKが配置されている。
現像剤収容室の一例としての前記第1撹拌搬送室3と第2撹拌搬送室4との間は、仕切壁6により仕切られており、第1撹拌搬送室3と第2撹拌搬送室4は前後両端部の流出部6aおよび流入部6bで現像剤が移動可能に構成されている。
実施例1の現像剤収容容器1には、前記現像剤として、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤が収容されている。また、第1撹拌搬送室3および第2撹拌搬送室4により循環搬送室(3+4)が構成され、前記現像剤保持体収容室2および循環搬送室(3+4)により現像剤収容室(2〜4)が構成されている。
【0027】
前記第1撹拌搬送室3および第2撹拌搬送室4には、現像剤を撹拌しながら互いに逆方向に搬送する現像剤搬送部材の一例としての撹拌搬送部材7,8が配置されている。実施例1の撹拌搬送部材7,8は、回転軸7a,8aと、前記回転軸7a,8aに固定支持された螺旋状の搬送羽根7b,8bとを有する撹拌搬送部材、いわゆるオーガにより構成されている。前記一対の撹拌搬送部材7,8により実施例1の循環搬送部材(7+8)が構成されている。
なお、実施例1の撹拌搬送部材7,8は、回転軸が直径4mm、搬送羽根7b,8bの外形の直径である螺旋径は8mm、搬送羽根7b,8bの螺旋が一回転する間に軸方向に進む距離であるピッチが15mm、回転数が408.39rpmに設定されている。なお、これらの値は、設計に応じて任意に変更可能である。
【0028】
図3において、前記蓋部材1bには、第2撹拌搬送室4の上方に配置される初期現像剤収容室9が形成されている。図4の破線で示すように、前記初期現像剤収容室9の下端部には前後方向に延びる開口9aが形成されている。
前記第2撹拌搬送室4の左側には、現像剤搬送室の一例としての円筒状のトナー搬送室11が形成されている。前記トナー搬送室11の前端部には第2撹拌室4に接続する現像剤補給部の一例としてのトナー補給口11aが形成されており、この位置が現像剤補給位置の一例としてのトナー補給位置に設定されている。前記トナー搬送室11の後端部には現像剤流入口の一例としてのトナー流入口11bが形成されている。前記トナー搬送室11には、トナー搬送室11内の現像剤をトナー補給口11a側に搬送する現像剤補給部材の一例としてのトナー補給部材12が配置されている。
なお、実施例1のトナー補給部材12は、回転軸12aが直径4mm、搬送羽根12bの外形の直径である螺旋径は8mm、搬送羽根12bの螺旋が一回転する間に軸方向に進む距離であるピッチが8mm、回転数が100rpmに設定されている。なお、これらの値は、設計に応じて任意に変更可能である。
【0029】
前記トナー搬送室11の左側には、第1現像剤補給室の一例としての第1トナー補給室16が形成されており、第1トナー補給室16の上方には、前後方向端部に形成された現像剤落下路の一例としてのトナー落下路17を介して接続された第2現像剤補給室の一例としての第2トナー補給室18が配置されている。前記第1トナー補給室16には、第1トナー補給室16のトナーをトナー流入口11bに搬送する現像剤補給部材の一例としての第1トナー搬送部材21および第2トナー搬送部材22が配置されている。
前記第1トナー搬送部材21は、回転軸部21aと、前記回転軸部21aに支持されたPET(ポリエチレンテレフタレート)等の可撓性のある樹脂薄膜により構成された搬送薄膜部21bとを有する。搬送薄膜部21bには、軸方向に対して傾斜した切込21cが形成されており、搬送薄膜部21bのトナー流入口11bに対向する位置には強度を高めてトナー流入口11bへトナーを流入しやすくするための補助薄膜23が貼り付けられている。したがって、第1トナー搬送部材21の回転時に、切込21cが形成された搬送薄膜部21bにより、後側のトナー流入口11b側にトナーが搬送され、補助薄膜23の部分でトナーがトナー搬送室11に搬送される。
【0030】
前記第2トナー搬送部材22は前記第1トナー搬送部材21側にトナーを搬送する。前記第2トナー補給室18内に配置された現像剤補給部材の一例としての第3トナー搬送部材24、第4トナー搬送部材26は、第2トナー補給室18内のトナーをトナー落下路17側に搬送する。
前記トナー搬送室11、第1トナー補給室16および第2トナー補給室18により実施例1の現像剤補給容器の一例としてのトナー補給容器(11+16+18)が構成され、符号12,21,22,24,26を付した部材により現像剤補給部材の一例としてのトナー補給部材が構成されている。
前記第2トナー補給室18の右側には、前記感光体クリーナCLkが配置されており、感光体クリーナCLkは感光体Pk表面に接触する板状の像保持体清掃部材、いわゆる、クリーニングブレード31と、クリーニングブレード31により掻き取られたトナーや紙粉、放電生成物等を、回収現像剤収容室の一例としての回収トナー収容室32に搬送する回収現像剤搬送部材の一例としての回収トナー搬送部材33とを有する。
【0031】
図3Bにおいて、前記可視像形成装置UKには、仕切部材兼開口閉塞部材の一例としてのフィルムシールFSが設けられている。前記フィルムシールFSは、外端側が可視像形成装置Ukの図示しない貫通孔を介して外部に導き出されており、内端側は二又状に分かれており、一方は、前記開口9aの下面に貼り付けられている。また、図4に示すように、フィルムシールFSの内端側の他方は、前記トナー搬送室11のトナー補給口11aを閉塞するように貼り付けられる。
したがって、開口9aはフィルムシールFSにより閉塞され、初期現像剤収容室9は密封されると共に、トナー搬送室11と現像剤収容室(2〜4)との間も封がされる。
【0032】
なお、実施例1では、フィルムシールFSが取付けられた可視像形成装置UKにおいて、密封された初期現像剤収容室9には、トナーとキャリアとが予め設定された所定の割合で混合された二成分現像剤、いわゆる初期現像剤が収容され、現像剤補給容器(11+16+18)には、補給用の現像剤としてトナーが収容されている。そして、現像剤収容室(2〜4)には、現像剤が無い状態で保持される。したがって、フィルムシールFSが装着された状態では、現像剤収容室(2〜4)に現像剤が存在せず、封もされているため、倉庫での保管や輸送中に現像剤が漏れることが防止され、可視像形成装置UKを画像形成装置本体U1に装着する前に、フィルムシールFSを可視像形成装置UKから取り外すことにより、現像剤収容室(2〜4)に初期現像剤収容室9の現像剤が流入すると共にトナー補給容器(11+16+18)からトナーが補給可能になる。
前記符号1〜26やFSが付された各部材等により、実施例1の現像剤搬送装置が構成されている。
【0033】
図5は実施例1のプロセスカートリッジの斜視説明図である。
図6は給電部材が省略された状態の像保持体支持部材の説明図である。
図7は実施例1の帯電ロールを付勢する付勢部材の一例としてのコイルスプリング部分の要部説明図である
図3〜図6において、プロセスカートリッジにより構成された前記可視像形成装置UKの像保持体部Uk2は、可視像形成装置UKの上面および側面を構成する被給電部材支持体の一例としての枠体41を有する。図6において、実施例1の枠体41は、絶縁性のABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂で作製されており、上壁42と、前記上壁42の前後両端部から下方に延びる前端壁43および後端壁44とが一体的に形成されている。前記前端壁43および後端壁44の右端部には、図示しない軸受を介して前記感光体Py〜Pkの前後両端を回転可能に支持する丸穴状の像保持体支持部43a,44aが形成されている。図6、図7において前記像保持体支持部43a,44aの左方の内側には、軸受支持部43b,44bが形成されている。図7において、前記軸受支持部43b,44bには、帯電ロールCRkおよび帯電器クリーナCRLkの両端部を回転可能に支持する前後一対の導電性の軸受部材46が装着されている。前記軸受部材46は、支持する帯電ロールCRkが像保持体Pkに対して接近・離隔する方向に沿って、前記軸受支持部43b,44bにスライド移動して装着可能に支持されている。また、前記軸受部材46には、付勢部材他端側固定部の一例として、突起状のスプリング位置決め部46aが形成されている。
【0034】
図6において、前記前端壁43の軸受支持部43bの左方には、給電部材支持部47が形成されている。前記給電部材支持部47は、前端壁43の前側外表面に形成された端子接続側支持面48と、前記端子接続側支持部48の下方で内側に凹んだ形状に形成され、軸受部材46に対向して形成された軸受対向側支持面49とを有する。前記各支持面48,49には、それぞれ、剥離部の一例として、貫通孔により構成された剥離孔48a,49aが形成されている。なお、実施例1の給電部材支持部47には、前記端子接続側支持面48の左右両側に、内側に延びる爪状の給電部材脱落防止部50が形成されている。
【0035】
図6において、前記前後両端壁43、44には、第3トナー搬送部材24、第4トナー搬送部材26および回収トナー搬送部材33を回転可能に支持する搬送部材回転支持部51,52,53が形成されている。図5において、前記搬送部材回転支持部51〜53に支持された各搬送部材24,26,33の前端には、ギア24a,26a,33aが支持されており、ギア24a,26a,33aには、可視像形成装置UKの前端部に回転可能に支持された被駆動ギア54から回転が伝達される。前記被駆動ギア54は、可視像形成装置UKが画像形成装置本体U1に装着された状態で、画像形成装置本体U1に設けられた図示しない駆動ギアに噛合って回転駆動される。なお、実施例1の被駆動ギア54は、現像部Uk1のトナー補給部材12、第1トナー搬送部材21および第2トナー搬送部材22にも回転を伝達して駆動する。図5において、前記前端壁43の前側には、前記被駆動ギア54やギア24a,26a,33aを保護する保護部材の一例としての保護カバー56が支持されている。前記保護カバー56には、画像形成装置本体U1に設けられた図示しない駆動ギアを被駆動ギア54にガイドするためのガイド凹部56aが形成されている。
【0036】
図8は給電部材が剥離された状態における像保持体支持部材の剥離部の要部拡大説明図である。
図9は実施例1のプロセスカートリッジの像保持体支持部材の給電部材部分の要部拡大図である。
図5、図7、図9において、前記前端壁43の給電部材支持部47には、帯電用の給電部材61が一体的に成形されている。実施例1の給電部材61は、導電性のPOM(ポリアセタール、poly-oxy-methylene)樹脂で構成されており、いわゆる、二色成形により、ABS樹脂製の給電部材支持部47に一体的に成形されている。なお、材料はABSやPOMに限定されず、例えば、POMに替えて、熱可塑性エラストマーに導電性カーボンを添加して導電性を付与した材料を使用することも可能である。
前記給電部材61は、前記端子接続側支持面48の表面に沿って一体的に成形される板状の端子接続部61aと、前記軸受対向側支持面49の表面に一体的に成形される板状の軸受接続部61bとを有する。実施例1給電部材61では、前記端子接続部61aと軸受接続部61bとは互いに交差する板状体が連結された形状に形成されている。また、図8、図9に示すように、前記各接続部61a,61bは、前記剥離孔48a,49aを閉塞するように成形されている。
【0037】
図10は図9に示す剥離部のX−X線断面図であり、図10Aは給電端子が接触して給電可能な状態の説明図、図10Bは治具を使用して給電部材が剥離される状態の説明図である。
図10Aにおいて、前記端子接続部61aは、可視像形成装置UKが画像形成装置本体U1に装着された状態で、画像形成装置本体U1から延びる突起状の帯電用給電端子U1aに外表面が接触して、帯電ロールCRkへの帯電電圧の給電が行われる。
図7〜図9において、前記軸受接続部61bには、前記軸受部材46のスプリング位置決め部46aに対向して、付勢部材一端側固定部の一例として、突起状、いわゆる、ボス状のスプリング位置決め部61cが一体的に形成されている。図7において、前記軸受部材46のスプリング位置決め部46aと、給電部材のスプリング位置決め部61cとの間には、付勢部材の一例として、帯電ロールCRkを感光体Pyに押し当てるコイルスプリング62が装着されている。前記コイルスプリング62は、導電性の金属材料により構成されており、一端側および他端側が、スプリング位置決め部46a、61cに嵌って、位置決めされた状態で保持されている。
【0038】
したがって、実施例1の像保持体部Uk2では、帯電用の給電部材61と、コイルスプリング62と、軸受部材46とが、導電性の材料で電気的に接続されており、これらの部材により、帯電ロールCRkに給電する給電路(61+62+46)が構成されている。よって、画像形成装置本体U1の給電端子U1aから端子側接続部61aに供給された帯電電圧は、給電部材61の端子接続部61aから軸受接続部61bと通じ、コイルスプリング62および軸受部材46を介して、帯電ロールCRkに供給、印加される。
図5において、前記給電部材61の下方の現像部Uk1には、現像ロールG1kに現像バイアスを供給するための現像用の給電部材63が外部に露出して配置されている。前記給電部材63は、現像ロールG1kに電気的に接続されており、帯電用の給電部材61と同様に、可視像形成装置UKが画像形成装置本体U1に装着された状態で、画像形成装置本体U1の図示しない現像用の給電端子に外表面が接触して、現像電圧が供給される。
【0039】
(成形方法の説明)
図11は給電部材を一体的に成形する方法の概略説明図であり、図11Aは第1金型に枠体を装着する場合の説明図、図11Bは図11Aの状態から第2金型を装着する場合の説明図、図11Cは第1金型および第2金型が装着された状態から給電部材を形成する樹脂を射出する状態の説明図、図11Dは枠体に給電部材が二色成型された状態の説明図である。
実施例1では、前記枠体41に帯電用の給電部材61を二色成形により一体的に成形する場合、先ず、従来公知の成形方法で成形された剥離孔48a,49a付の枠体41を成形する。
【0040】
次に、図11A、図11Bにおいて、成形された剥離孔48a,49a付の枠体41を第1金型71に装着する。図11Bにおいて、このとき、第1金型71と枠体41との間には、給電部材61に対応する給電部材形成空間71aが形成される。
次に、図11B、図11Cにおいて、第1金型71と対向する第2金型72で、枠体41を挟み込む。このとき、第2金型72には、樹脂射出用の射出口72aが形成されており、前記射出口72aは、枠体41の剥離孔48aに嵌った状態となるように設定されている。
次に、図11C、図11Dにおいて、射出孔72aから給電部材61を形成する樹脂を給電部材形成空間71aに射出し(流し込み)、固めて給電部材61を形成する。
【0041】
(剥離方法の説明)
図12は給電部材を剥離する際のたわみの説明図であり、図12Aは最大たわみの説明図、図12Bは撓んでいない状態に対するズレの大きさの説明図である。
実施例1の可視像形成装置UKにおいて、使用終了や故障等で回収された可視像形成装置UKを再利用、いわゆる、リサイクルする場合、枠体41とは材料の異なる給電部材61を枠体41から剥離することで効率的なリサイクルが可能となる。図10B、図12において、実施例1の給電部材61は、前記剥離孔48a,49aから棒状の治具76を挿入して押すことで、給電部材61を容易に剥離することができる。このとき、図12Aに示すように、給電部材61の変形量、すなわち、たわみは、中央集中荷重を受ける両端支持はりと、同等とみなすことができる(近似できる)。したがって、治具76による荷重をWとし、縦弾性係数(ヤング率)をEとし、給電部材の長さ(X軸方向の長さ)をL、給電部材の幅(Z軸方向の幅)をbとし、断面二次モーメントをI(=bh3/12)とし、長さLに沿った方向(X軸方向)の変位をx、治具76に押される方向(Y軸方向)の変位(たわみ)をyとした場合に、中央集中荷重を受ける両端支持はりにおけるたわみの式より、以下の式(1)が得られる。
y=−W・x3/(12・E・I)+W・L2・x/(16・E・I) …式(1)
この式から、中央部(x=L/2の位置)で発生する最大のたわみymaxは、式(2)で表現される。
ymax=W・L3/(48・E・I) …式(2)
【0042】
ここで、図12Bにおいて、給電部材61を撓ませた場合に、撓んでいない状態に対する両端部の位置のX軸方向のズレ(長さ)をΔLとし、たわみの中心に対するなす角をθ、たわみの中心から中立面までの半径をrとした場合に、以下の式(3)〜式(5)が得られる。
r・θ=L …式(3)
(r+h/2)・cos(θ/2)=(r−ymax+h/2) …式(4)
ΔL=L/2−(r−ymax+h/2)tan(θ/2) …式(5)
式(3)、式(4)からrを消去して整理すると、式(6)が得られる。
ymax=(L/θ+h/2){1−cos(θ/2)} …式(6)
また、式(5)において、θを微小として、tan(θ/2)=θ/2と近似し、式(3)を適用して整理すると、式(7)が得られる。
ΔL=(θ/2)・(ymax−h/2) …式(7)
したがって、ΔLが給電部材脱落防止部50の長さになると給電部材61が枠体41から取り外せるので、式(2)、式(6)から、荷重Wを、ある程度の衝撃でも外れず、且つ人が治具76を使用した場合に簡単に外れるような荷重とした場合のθを導出でき、導出されたθと式(7)から、ΔLを導出できる。この結果、荷重Wがある程度の衝撃でも外れず、且つ人が治具76を使用した場合に簡単に外れるように、脱落防止用の爪の長さΔLを設定することができる。
【0043】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の画像形成装置Uでは、給電部材61が枠体41に二色成形により一体的に形成されており、前記従来技術に比べて、給電部材61をプレスしたり、折り曲げたり、湾曲させたり、枠体に取付けるための取付け部や穴等を形成する加工をする必要が無くなる。すなわち、加工や加工後の取付け作業が省略され、コストが低減され、取付け誤差等の発生も低減できる。
また、実施例1の画像形成装置Uでは、リサイクル等で、給電部材61を枠体41から取り外す場合、剥離孔48a,49aに治具76を挿入することで、給電部材61が枠体41から少ない力で容易に取り外される。また、実施例1では、前記給電部材脱落防止部50により、通常の使用状態では、二色成形されて固定されて剥がれにくい給電部材61が仮に剥がれても脱落することが防止される。さらに、実施例1の画像形成装置Uでは、給電部材61を二色成形する際に、剥離孔48aを通じて樹脂が射出されて成形され、剥離孔48aが確実に形成される。また、前記剥離孔48aの形成により環境に対する配慮を視覚的に訴えられる。
【0044】
図13は従来の給電部材の一例の説明図であり、実施例1の図9に対応する図である。
図14は図13に示す従来の給電部材のカシメ部の要部拡大説明図であり、図14Aは取付けられた状態の説明図、図14Bは給電部材を取り外す場合の説明図である。
図13において、従来の可視像形成装置01では、枠体02に取付けられた板金等で構成された給電部材03は、被取付け部03aと、被取付け部03aに形成された一対のカシメ部03bとを有し、図14Aに示すように、カシメ部03bが枠体02に形成された突起02aにカシメられることで、給電部材03が枠体02に取付けられていた。
これに対して、図9に示すように、実施例1の可視像形成装置UKでは、枠体41に給電部材61が一体的に形成されている。すなわち、従来技術のように被取付け部03aやカシメ部03bを形成したり、剛性を高めるためのリブを形成するために折り曲げたりする必要が無くなり、被取付け部03aの省略による小型化や、カシメ部03b形成時の廃材の省略による省資源化がされ、さらに、被取付け部03aやカシメ部03bを折り曲げたりして加工する加工作業や廃材処理の省略による低コスト化もされる。
【0045】
また、実施例1の給電部材61では、カシメる作業を省略でき、取付けが容易になり、可視像形成装置UKを製造装置により自動的に組み立てることが可能となる。
さらに、リサイクル等で、従来のカシメられた給電部材03を取り外そうとしても、図14Bに示すようにカシメ部03bが引っ掛かり、取外しを妨げる方向の力を作用させる。このため、給電部材03を取り外すためには、矢印に示すようにカシメ部03bをピンセット等の治具で外側に折り曲げる必要があり、取外しに手間がかかり、ピンセット等の治具も必要となり、リサイクルに手間とコストがかかっていた。これに対して、実施例1の給電部材61では、剥離孔48a,49aと治具76で容易に剥離され、速やかにリサイクル作業が実行される。
また、従来のように板金製の給電部材03では、組み付ける際に、手を切ったりして負傷する恐れがあったが、実施例1の給電部材61では、組付け作業時の負傷を防止できる。
【0046】
図15は実施例1の図7に対応する説明図であって、図13に示す従来の給電部材と帯電ロールとの接続部分の説明図であり、図15Aは給電部材が取付けられる前の状態の説明図、図15Bは給電部材が取付けられた状態の説明図、図15Cは給電部材と軸受部材との間にコイルスプリングが装着された状態の説明図である。
図15Aにおいて、従来の可視像形成装置01では、実施例1の可視像形成装置UKとは異なり、ボス状のスプリング位置決め部02bが、給電部材03ではなく、枠体02に形成されていた。そして、図15Bに示すように、給電部材03には、位置決め部貫通孔03cが形成されており、位置決め部貫通孔03cがスプリング位置決め部02bに嵌り合うことで、給電部材03の帯電ロール04側が枠体02に位置決め、固定されていた。そして、前記スプリング位置決め部02bと軸受部材06との間にコイルスプリング07が装着されており、前記スプリング位置決め部02bは、給電部材03の位置決めとコイルスプリング06の一端側の位置決めを兼用していた。
【0047】
これに対して、図7に示す実施例1の給電部材61では、給電部材61自体にスプリング位置決め部61cが一体形成されており、従来技術の給電部材03のように位置決め部貫通孔03cを形成する加工をしたり、位置決め部貫通孔03cをスプリング位置決め孔02bに貫通させて位置決めする取付け作業を省略できる。また、実施例1の給電部材61では、給電機能と、付勢部材の固定機能とを有する給電部材61が同時に形成される。
また、実施例1の給電部材61では、前記スプリング位置決め部61cにより、コイルスプリング62の位置がずれず、給電部材61と帯電ロールCRy〜CRkとが確実に電気的に接続される。
【実施例2】
【0048】
図16は本発明の実施例2の被給電ユニットにおいて給電部材を一体的に成形する方法の概略説明図であって、実施例1の図11に対応する成形方法の説明図であり、図16Aは第1金型に枠体を装着する場合の説明図、図16Bは図16Aの状態から第2金型を装着する場合の説明図、図16Cは第1金型および第2金型が装着された状態から給電部材を形成する樹脂を射出する状態の説明図、図16Dは枠体に給電部材が二色成型された状態の説明図である。
次に本発明の実施例2の画像形成装置および画像形成装置に装着される被給電ユニットの一例としての可視像形成装置の説明を行うが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0049】
図16A、図16Bにおいて、実施例2では、前記枠体41に帯電用の給電部材61を二色成形により一体的に成形する場合、先ず、予め成形された枠体41を第1金型71′に装着する。このとき、図11Bに示すように、第1金型71′の剥離部進入部の一例としての剥離孔進入部71b′は、枠体41の剥離孔48aに進入して剥離孔48aを塞いだ状態で装着される。
次に、図16B、図16Cにおいて、第1金型71′と対向する第2金型72′で、枠体41を挟み込む。このとき、第2金型72′には、樹脂射出用の射出口72a′が形成されている。そして、第2金型72′と、枠体41との間には、給電部材61に対応する給電部材形成空間71a′が形成される。
次に、図16C、図16Dにおいて、射出孔72a′から給電部材61を形成する樹脂を給電部材形成空間71a′に射出し(流し込み)、固めて給電部材61を形成する。
【0050】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の画像形成装置Uでは、二色成形時に剥離孔48aが剥離孔進入部71a′により塞がれることで、剥離孔48aが容易且つ確実に形成される。
その他、実施例2の給電部材61は実施例1と同様の作用効果を有する。
【0051】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H06)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置としてのプリンタを例示したが、これに限定されず、FAXや複写機あるいはこれらすべてまたは複数の機能を備えた複合機とすることも可能である。また、多色現像の画像形成装置に限定されず、単色、いわゆる、モノクロの画像形成装置により構成することも可能である。
【0052】
(H02)前記実施例において、使用する材料は、実施例に例示した材料に限定されず、設計や仕様等に応じて、使用可能な任意の材料を採用可能である。
(H03)前記実施例において、給電部材61として、帯電器用の給電部材を例示したが、これに限定されず、給電が必要な被給電部材用の給電部材に適用可能である。例えば、現像部材の一例としての現像ロールG1y〜G1k用の給電部材や、転写器の一例としての転写ロールT1y〜T1k用の給電部材、除電器Jk用の給電部材に適用可能である。この他にも、清掃器に電圧を印加して静電的に除去する機種や、中間転写体および二次転写器等を備えた機種における給電にも適用可能である。また、前記帯電器として、帯電ロールCRy〜CRkを例示したが、これに限定されず、コロナ放電型の帯電器、いわゆる、コロトロンやスコロトロンにも適用可能である。
【0053】
(H04)前記実施例において、給電部材脱落防止部50は設けることが望ましいが、省略することも可能である。
(H05)前記実施例において、被給電ユニットとして、像保持体部Uk2と現像部Uk1とがユニット化された可視像形成装置UKを例示したが、これに限定されず、像保持体部Uk2のみで着脱可能な被給電ユニットとすることも可能である。このほかにも、現像部Uk1のみで着脱可能な被給電ユニットとしたり、転写器T1y〜T1kのみで着脱可能な被給電ユニットとしたりすることも可能である。
【0054】
図17は本発明の変更例の説明図であり、図17Aは給電部材の変更例1の説明図、図17Bは給電部材の変更例2の説明図、図17Cは給電部材の変更例3の説明図、図17Dは給電部材の変更例4の説明図である。
(H06)図17において、前記実施例の給電部材の形状は、実施例1,2に例示した形状に限定されず、任意の形状に変更可能である。例えば、図17Aに示すように、前記剥離孔48aの内部に給電部材61の被剥離部61dが進入した形状とし、実施例1,2と同様に、被剥離部61dを治具76等で押すことで剥離するように構成することも可能である。また、図17Bに示すように、剥離孔48aの一部に被剥離部61eが進入するように形成することも可能である。さらに、図17Cに示すように、被剥離部61fが剥離孔48aを貫通して外部に突出するように形成することも可能である。この場合、治具76を使用せず、作業者が被剥離部61fを押すことで給電部材61を剥離孔48aから剥離することができる。また、図17Dに示すように、給電部材脱落防止部50の内側に進入する進入部61gを形成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は本発明の実施例1の画像形成装置の開閉部が開放された状態の説明図である。
【図3】図3は本発明の実施例1の着脱体の一例である可視像形成装置の説明図であり、図3Aは使用時の説明図、図3Bは初期現像剤収容室が開放される前の状態の説明図である。
【図4】図4は図3のIV−IV線断面図である。
【図5】図5は実施例1のプロセスカートリッジの斜視説明図である。
【図6】図6は給電部材が省略された状態の像保持体支持部材の説明図である。
【図7】図7は実施例1の帯電ロールを付勢する付勢部材の一例としてのコイルスプリング部分の要部説明図である。
【図8】図8は給電部材が剥離された状態における像保持体支持部材の剥離部の要部拡大説明図である。
【図9】図9は実施例1のプロセスカートリッジの像保持体支持部材の給電部材部分の要部拡大図である。
【図10】図10は図9に示す剥離部のX−X線断面図であり、図10Aは給電端子が接触して給電可能な状態の説明図、図10Bは治具を使用して給電部材が剥離される状態の説明図である。
【図11】図11は給電部材を一体的に成形する方法の概略説明図であり、図11Aは第1金型に枠体を装着する場合の説明図、図11Bは図11Aの状態から第2金型を装着する場合の説明図、図11Cは第1金型および第2金型が装着された状態から給電部材を形成する樹脂を射出する状態の説明図、図11Dは枠体に給電部材が二色成型された状態の説明図である。
【図12】図12は給電部材を剥離する際のたわみの説明図であり、図12Aは最大たわみの説明図、図12Bは撓んでいない状態に対するズレの大きさの説明図である。
【図13】図13は従来の給電部材の一例の説明図であり、実施例1の図9に対応する図である。
【図14】図14は図13に示す従来の給電部材のカシメ部の要部拡大説明図であり、図14Aは取付けられた状態の説明図、図14Bは給電部材を取り外す場合の説明図である。
【図15】図15は実施例1の図7に対応する説明図であって、図13に示す従来の給電部材と帯電ロールとの接続部分の説明図であり、図15Aは給電部材が取付けられる前の状態の説明図、図15Bは給電部材が取付けられた状態の説明図、図15Cは給電部材と軸受部材との間にコイルスプリングが装着された状態の説明図である。
【図16】図16は本発明の実施例2の被給電ユニットにおいて給電部材を一体的に成形する方法の概略説明図であって、実施例1の図11に対応する成形方法の説明図であり、図16Aは第1金型に枠体を装着する場合の説明図、図16Bは図16Aの状態から第2金型を装着する場合の説明図、図16Cは第1金型および第2金型が装着された状態から給電部材を形成する樹脂を射出する状態の説明図、図16Dは枠体に給電部材が二色成型された状態の説明図である。
【図17】図17は本発明の変更例の説明図であり、図17Aは給電部材の変更例1の説明図、図17Bは給電部材の変更例2の説明図、図17Cは給電部材の変更例3の説明図、図17Dは給電部材の変更例4の説明図である。
【符号の説明】
【0056】
41…被給電部材支持体、
48a,49a…剥離部、
62…付勢部材、
61…給電部材、
61+62+46…給電路、
61c…固定部、
CRy,CRm,CRc,CRk…被給電部材,帯電器,帯電部材、
Py,Pm,Pc,Pk…像保持体、
U…画像形成装置、
U1…画像形成装置本体、
UY,UM,UC,UK…被給電ユニット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電される被給電部材を支持する樹脂製の被給電部材支持体と、
前記被給電部材への給電路を形成し且つ前記被給電部材支持体に一体的に成形された導電樹脂製の給電部材と、
を備えたことを特徴とする被給電ユニット。
【請求項2】
表面が帯電される像保持体に対向して配置された帯電器により構成された前記被給電部材、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の被給電ユニット。
【請求項3】
円筒状の帯電部材により構成された前記帯電器と、
前記帯電部材を前記像保持体表面に押し当てる力を作用させ且つ前記帯電部材に給電を行う給電路の一部を構成する導電性の付勢部材と、
前記付勢部材の一端を支持すると共に、前記付勢部材を位置決めした状態で固定する固定部を有する前記給電部材と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の被給電ユニット。
【請求項4】
前記被給電部材支持体の前記給電部材が一体成形された面に形成され、前記被給電部材を前記被給電部材支持体から剥離させるための剥離部、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の被給電ユニット。
【請求項5】
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電器と、
前記像保持体および前記帯電器を支持する樹脂製の被給電部材支持体と、
前記帯電器への給電路を形成し且つ前記帯電器に一体的に成形された導電樹脂製の給電部材と、
を備えたことを特徴とする像保持体ユニット。
【請求項6】
画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体に着脱可能な請求項1ないし4のいずれかに記載の被給電ユニットと、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
給電される被給電部材を支持する樹脂製の被給電部材支持体と、
前記被給電部材への給電路を形成し且つ前記被給電部材支持体に一体的に成形された導電樹脂製の給電部材と、
を備えたことを特徴とする被給電ユニット。
【請求項2】
表面が帯電される像保持体に対向して配置された帯電器により構成された前記被給電部材、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の被給電ユニット。
【請求項3】
円筒状の帯電部材により構成された前記帯電器と、
前記帯電部材を前記像保持体表面に押し当てる力を作用させ且つ前記帯電部材に給電を行う給電路の一部を構成する導電性の付勢部材と、
前記付勢部材の一端を支持すると共に、前記付勢部材を位置決めした状態で固定する固定部を有する前記給電部材と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の被給電ユニット。
【請求項4】
前記被給電部材支持体の前記給電部材が一体成形された面に形成され、前記被給電部材を前記被給電部材支持体から剥離させるための剥離部、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の被給電ユニット。
【請求項5】
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電器と、
前記像保持体および前記帯電器を支持する樹脂製の被給電部材支持体と、
前記帯電器への給電路を形成し且つ前記帯電器に一体的に成形された導電樹脂製の給電部材と、
を備えたことを特徴とする像保持体ユニット。
【請求項6】
画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体に着脱可能な請求項1ないし4のいずれかに記載の被給電ユニットと、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−292557(P2008−292557A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−135382(P2007−135382)
【出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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