説明

被覆化粧品組成物

【課題】単独の作業で被覆及び着色の双方を有するメークアップを得ることを可能にする、被覆率を提供し、且つ、比較的飽和した色を生じさせ得る組成物の利益を得る必要が存在する。加えて、得られるメークアップの質に不利益ではない消費者を惹きつけるような新規な効果が存在する化粧品組成物を使用するケラチン物質のメークアップの利益を得ることが望ましい。
【解決手段】本発明は、25、良好には30以上の被覆率の化粧品組成物であって、5以上の適用後の色の変化ΔEを前記組成物に与える量で、少なくとも1つの多層干渉顔料を化粧品として許容される媒体中に含む、化粧品組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品組成物、とりわけケラチン物質をメークアップするための化粧品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の発色団を使用する吸光減少によって色を生じさせるように、メークアップ用組成物に拡散顔料を導入することが知られている。
【0003】
連続的且つ十分な被覆である着色された背景の利益を受けるために必要とされる拡散顔料に対して、例えばハイライト又は真珠光沢面を生じさせるために有効な粒子が添加され得る。
【0004】
しかしながら、その様な組成物によって生じる色の強度は、完全に満足のいく結果を得るには不十分である。
【0005】
干渉現象によって色を生じさせるために都合良く選択される反射指数及び厚みを有する層の堆積を含む多層干渉顔料は、上述の拡散顔料の色の強度より大きな色の強度を生じさせることが可能である。
【0006】
本発明者の知る限り、市販されている組成物において、パウダーを除いて、その様な多層干渉顔料は、5重量%を超えない濃度で使用される。
【0007】
加えて、被覆を与える拡散顔料を含有する黒色のベースコートをケラチン物質に堆積させる第一の作業、次いで、多層干渉顔料によって色を与える組成物を前記ベースコートに堆積させる第二の作業において、適用されるメークアップによって被覆率及び色の強度の双方が与えられることは、LANCOMEによるCHRYSALIDEという商品名のアイシャドウから既知である。ベースコート無しでは、被覆力及び色を有さないためトップコートは実際には目に見えない。
【0008】
2つの連続する適用の必要が、メークアップの適用を複雑にし、且つ、包装を更に高価にする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
被覆組成物
単独の作業で被覆及び着色の双方を有するメークアップを得ることを可能にする、被覆率を提供し、且つ、比較的飽和した色を生じさせ得る組成物の利益を得る必要が存在する。
【0010】
加えて、得られるメークアップの質に不利益ではない消費者を惹きつけるような新規な効果が存在する化粧品組成物を使用するケラチン物質のメークアップの利益を得ることが望ましい。
【0011】
本発明は、特に、上述の必要性の全て又は幾つかを満足しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
1つの態様では、本発明は、25、良好には30以上の被覆率の化粧品組成物を提供し、前記組成物は、適用時に5以上の色の変化ΔEを前記組成物に与える量で、少なくとも1つの多層干渉顔料を化粧品として許容される水性媒体中に含む。
【0013】
1つの態様では、本発明は、25、良好には30以上の被覆率の化粧品組成物を提供し、前記組成物は、適用時に5以上の色の変化ΔEを前記組成物に与える量で、少なくとも1つの多層干渉顔料を化粧品として許容される無水媒体中に含む。
【0014】
ΔEを算出するために、適用後の色は、被覆率を測定する際のように、前記組成物をコントラストカードに広げた後に測定する。
【0015】
他の態様では、本発明は、25、良好には30以上の被覆率の化粧品組成物を提供し、前記組成物は、適用時に5以上の色の変化ΔEを前記組成物に与える量で、少なくとも1つの多層干渉顔料を化粧品として許容される媒体中に含み、前記多層干渉顔料は580ナノメートル(nm)から650nmの範囲の外側の波長の主要な色を生じる。
【0016】
適当な場合には、前記組成物の被覆率は、その多層干渉顔料の含有量のみに由来するものであって良い。
【0017】
他の態様では、本発明は、25、良好には30以上の被覆率の化粧品組成物も提供し、前記組成物は、適用時に5以上の色の差ΔEを前記組成物に与える量で、少なくとも1つの干渉顔料を化粧品として許容される媒体中に含み、前記組成物のバルクの色は白色である。
【0018】
前記組成物に依存して、色の変化ΔEは5から30の範囲であって良く、例えば、特にこの範囲の任意の整数より大きい値であって良い。
【0019】
前記被覆率は、30から70の範囲であって良く、特にこの範囲の任意の整数より大きい値であって良く、例えば、40以上であって良い。
【0020】
多層干渉顔料では、干渉現象による発色が、前記顔料の表面層による吸収現象による発色と競合する。
【0021】
かくして、顔料濃度が十分に増大している際には、干渉現象によって生じる色が低減し、吸収によって生じる色が増大する。
【0022】
この特性を利用することによって、本発明は、適用の間の前記組成物の色の変化を観察させることを可能にし、使用における面白い態様を与える。
【0023】
本発明は、その包装において適用前後の色における変化を利用することを可能にして、化粧品組成物の販売に関して新しい可能性をも提供する。
【0024】
前記多層干渉顔料の含量は、特にパウダーではない組成物、例えば液体又は成型されている組成物については7重量%から20重量%の範囲、良好には8重量%から15重量%であって良い。
【0025】
ルース又はコンパクトパウダー組成物については、前記多層干渉顔料の含量は、40%から95%、例えば、良好には50%から80%の範囲である。
【0026】
前記組成物のバルクの色は白色、すなわちCIEの意味おいて無色であって良い。
【0027】
そのバルクにおいて、前記組成物は、40以上の白色指数を有して良い。
【0028】
前記組成物は、前記多層干渉顔料以外のいずれの着色剤も含む必要が無い。
【0029】
前記多層干渉顔料は、例えば少なくとも4つの層を含んで良い。
【0030】
前記多層干渉顔料は、透明な原料からなる基材を含んで良い。
【0031】
前記多層干渉顔料は、多かれ少なかれ粗い物質からなる基材を含み、そのため前記組成物に多かれ少なかれ光沢を与え得る。
【0032】
前記基材は、例えば、比較的粗い天然マイカ;合成マイカ;アルミナ;シリカ;又は滑らかな表面のためのガラスからなる。
【0033】
ある実施態様では、前記組成物は、全重量の30%より大きい含量で油を含む。
【0034】
ある実施態様では、前記組成物は、全重量の10%より大きい含量でワックスを含む。
【0035】
前記組成物は、同じ原料からなる層を有し、異なる色を生じるように、1つの顔料の少なくとも1つの層が他の顔料の対応する層とは異なる厚みを有する、2つの多層干渉顔料を含んで良い。
【0036】
他の態様では、本発明は、パウダーではない化粧品組成物、例えば、液体(25℃)又は成型されている組成物も提供し、前記組成物は
-全重量の7重量%から20重量%の範囲、良好には8重量%から15重量%の範囲の含量で、1つ以上の多層干渉顔料であって、例えば、シリカ、マイカ、アルミナ、ガラス、又は金属からなる無機基材を有する顔料
を化粧品として許容される媒体中に含む。
【0037】
他の態様では、本発明は、パウダーである化粧品組成物も提供し、前記組成物は、
-全重量の40重量%から95重量%の範囲、良好には40重量%から80重量%の範囲の含量で、1つ以上の多層干渉顔料であって、例えば、シリカ、マイカ、アルミナ、ガラス、又は金属からなる無機基材を有する顔料
を化粧品として許容される媒体中に含む。
【0038】
他の態様では、本発明は、
-上述の組成物;及び
-ケラチン物質(唇、皮膚、睫毛、眉毛、毛髪、爪)に適用した後の組成物の色を使用者に知らせる手段
を含む包装も提供する。例えば、前記手段は、印刷されたインク若しくは塗料、組成物の薄層、又は前記多層干渉顔料を含む原料のモールド若しくはオーバーモールドであろう。
【0039】
1つの実施態様では、本発明は、少なくとも1つの多層干渉顔料を化粧品として許容される媒体に含み、少なくとも1つの多層干渉顔料が不透明体ではなく(non opaque)、且つ、バルクにおいて白色を生じ得る、25以上の被覆を有する化粧品組成物を提供する。
【0040】
本発明に係る「不透明体ではない」という表現は、いずれの光も通さないことを意味する。反対に、用語「不透明体」又は透明は、光を通すことを意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
バルクにおいて白色の組成物
1つの実施態様では、本発明は、バルクにおいて組成物に白色を与え、且つ、適用後において少なくとも5の色の変化ΔEを生じさせるために適切な少なくとも1つの多層干渉顔料を化粧品として許容される媒体中に含む、特にスティックの形態の固体の化粧品組成物を提供する。用語「スティック」は、一般的に、摩擦によってメークアップを移し得る、細長いブロックの形態の固体形態の組成物を意図して使用される。例えば、スティックは、モールディング又は押出成型によって得られて良い。
【0042】
ΔEを算出するために、適用後の色は、被覆率を測定するためのように、前記組成物をコントラストカードに広げた後に測定する。
【0043】
バルクにおいて、前記組成物は、40以上の白色指数を有して良い。
【0044】
前記組成物は、無水物又は含水物であって良い。
【0045】
前記組成物に依存して、ΔEの差が、例えば、5から30の範囲であって良く、特に、この範囲の任意の整数より大きい値であって良い。
【0046】
前記組成物の被覆率は、30から70の範囲であって良く、特に、前記範囲の任意の整数より大きい値であって良く、例えば、40以上であって良い。多層干渉顔料の量は、特にパウダーの形態ではなく、例えばスティックの形態の組成物については、7重量%から20重量%、良好には8重量%から15重量%の範囲であって良い。
【0047】
ルース又はコンパクトパウダー組成物については、前記多層干渉顔料の量は、例えば、40%から95%、良好には50%から80%であって良い。
【0048】
前記組成物は、前記多糖干渉顔料以外のいずれの着色剤も含まなくて良い。
【0049】
前記多層干渉顔料は、例えば、少なくとも4つの層を含んで良い。
【0050】
前記多層干渉顔料は、多かれ少なかれ光沢を組成物に与えることを可能にし得る程度と大なり小なりの程度で粗いものであって良い。
【0051】
例えば、前記基材は、比較的粗い天然マイカ、合成マイカ、アルミナ、シリカ、又はガラス若しくはより滑らかな表面のための金属から選択されて良い。
【0052】
前記組成物は、同じ原料からなる層を有する2つの多層干渉顔料を含んで良く、1つの顔料の少なくとも1つの層が、異なる色を生じさせるように、他の顔料の対応する層と異なる厚みを有する。
【0053】
1つの実施態様では、本発明は、大量の状態にある組成物に40以上の白色指数で白色を与えるために適切な少なくとも1つの多層干渉顔料を化粧品として許容される媒体中に含む化粧品組成物であって、前記多層干渉顔料の全量が、非パウダー組成物に関して7重量%から20重量%の範囲であり、パウダー組成物に関して40%から95%、好ましくは40%から80%の範囲である化粧品組成物を提供する。
【0054】
1つの実施態様では、本発明は
-上述のバルクにおいて白色の組成物;及び
-ケラチン物質(皮膚、唇、毛髪、爪、睫毛、眉毛)に適用した後の前記組成物の色について使用者に知らせる手段
を含む包装も提供する。例えば、それは、インク又は塗料の印刷によって、前記組成物の薄層によって、又は前記多層干渉顔料を含む物質のモールド若しくはオーバーモールドによって為されて良い。
【0055】
2つの被覆の適用のためのセット
1つの実施態様では、本発明は、
-少なくとも1つの多層干渉顔料を化粧品として許容される媒体中に含む、ケラチン物質に適用するための第一の化粧品組成物であって、前記第一の組成物は25、好ましくは30以上の被覆率を示し、前記多層干渉顔料の量が、少なくとも2、好ましくは5の、バルクの色とそのケラチン物質への適用後の色との間の色の変化ΔEを前記組成物与えるものである、第一の化粧品組成物;
-前記第一の組成物に適用するためのトップコートとして言及される第二の組成物;又は
-前記ケラチン物質に第一の組成物を適用する前のベースコートとして言及される第二の組成物
を含むセットを提供する。
【0056】
ΔEを算出するために、適用後の色が、前記組成物を以下に詳述するようにコントラストカードに広げた後に測定される。
【0057】
前記第二の組成物は好ましくは液体である。
【0058】
前記第二の組成物は、メークアップに光沢を与えるように脂肪相を含んで良い。
【0059】
前記第二の組成物は、前記第一の組成物によって生じる色の飽和度に影響を与えることを避けるように透明であって良い。
【0060】
前記第二の組成物は、前記第一の組成物によって反射される光を拡散することを避けるように、固形物を有さない必要がある。変形例において、前記第二の組成物は、少なくとも1つの効果的な顔料、特に金属の反射顔料、干渉顔料、光発色性、熱発色性、溶媒発色性、ピエゾクロミズム、トリボクロミズム、又はメカノルミネッセンス特性から選択される特性を有する化合物を含む。
【0061】
前記第一の組成物は、無水物又は含水物であって良い。
【0062】
前記第一の組成物に依存して、ΔEの差は、5から30の範囲の任意の整数より大きくて良い。
【0063】
前記第一の組成物又は前記ベースコートの被覆率が、30より大きく、特に30から70の間の任意の整数より大きく、例えば、40より大きくて良い。前記第一の組成物における多層干渉顔料の重量%は、特に、パウダー形態で無く、例えば液体又はスティック形態の第一の組成物に関しては7%から15%、良好には8%から15%であって良い。
【0064】
パウダー形態の第一の組成物については、前記多層干渉顔料の割合は、例えば40%から95%、好ましくは40%から80%の範囲であって良い。
【0065】
前記第一の組成物のバルクの色は、白色、すなわちCIEの意味において無色であって良い。前記ベースコート組成物のバルクの色は、40以上の白色指数を有して良い。
【0066】
前記第一の組成物は、前記多層干渉顔料以外のいずれの着色剤も含む必要がない。前記第一の組成物は、同じ原料からなる層を有する2つの多層干渉顔料を含んで良く、1つの顔料の少なくとも1つの層が、異なる色を生じるように、他の顔料の対応する層と異なる厚みを有する。
【0067】
前記セットは、適用後の第一の組成物の色、又はケラチン物質(皮膚、唇、爪、睫毛、眉毛、毛髪)に適用後の前記セットの双方の組成物の色を示す手段を含んで良い。
【0068】
例えば、それは、インク又は塗料の印刷によって、前記組成物の薄層によって、又は前記多層干渉顔料を含む物質のモールド若しくはオーバーモールドによって為されて良い。トップコートとしての第二の組成物は、化粧品として許容される媒体を含む。
【0069】
この媒体の処方は、第一の組成物に適用することを可能にするような様式、例えば光沢を与える目的、及び/又は定着を改善する目的、及び/又は第一の組成物によって与えられる光効果を遮る目的で選択されて良い。
【0070】
トップコートとしての前記第二の組成物は、液体脂肪物質又は皮膜形成剤を含んで良い。
【0071】
トップコートとしての前記第二の組成物は、着色剤又は多数の活性剤及び他の化合物を含んで良い。
【0072】
トップコートとしての前記第二の組成物は、前記第一の組成物への適用に適合する任意の形態で存在して良い。
【0073】
光沢が得られるのが望ましい際には、前記トップコート組成物は好ましくは透明液体であり、有利には脂肪相を含む。
【0074】
前記第二の組成物は、少なくとも1つの効果的な顔料を含んで良い。前記顔料は、前記ベースコート組成物がケラチン物質に適用されて生じる色の観察に影響を与えない量で存在すべきである。
【0075】
前記組成物は、任意の容器、又はこの目的のために提供される任意の支持体に包装されて良い。前記第一及び第二の組成物は、適当には、最初に使用する前に単独の包装器具(packaging device)の2つの区画、及び/又は単独の包装に含まれて良い。
【0076】
各組成物は、任意に集められたアプリケーター(optionally-flocked applicator)、例えば発泡剤、エンドピース、ペイントブラシ、フェルト、スパチュラ、焼結要素、ブラシ、くし、又は任意の織物を使用して適用されて良い。
【0077】
適用は、指を使用して、又はメークアップする素地に直接各組成物を配置することによって、例えばスティックをこすり付けるか、又はピエゾエレクトリック若しくは静電気的な器具の助けによってスプレーすることによって、又は中間素地に事前に堆積させた組成物の層を移すことによって実施しても良い。
【0078】
前記第一の組成物は、前記組成物のバルクの色を見ることを可能にする包装器具に包装されて良い。
【0079】
前記包装器具は、少なくとも部分的に透明の本体を有する容器、及び/又は少なくとも部分的に透明な栓の部材を含む包装器具であって良い。
【0080】
前記第一の組成物は、前記組成物のバルクの色及びケラチン物質に適用した後の前記組成物の色の双方を見ることを可能にする器具に包装されて良い。
【0081】
前記第一の組成物は、適用で明らかになる色を表わす手段、例えば、前記第一の組成物と同じ色を付ける着色剤を含む組成物あるいはインク又は塗料の層の堆積を含む器具に包装されて良い。
【0082】
適当な場合には、前記第一の組成物又は前記トップコートである第二の組成物は、前記顔料がゼロではない磁化率を示す際に、前記多層干渉顔料の粒子の配向を調節することを可能にする磁石と共に包装されて良い。
【0083】
固体化粧品
1つの実施態様では、本発明は、
-少なくとも1つの第一の多層干渉顔料を化粧品として許容される媒体に含有する第一の化身組成物の第一のブロック;
-前記第一の顔料とは異なる、少なくとも1つの第二の多層干渉顔料を化粧品として許容される媒体に含有する第二の化粧品組成物の第二のブロック;
を少なくとも含む固体化粧品を提供し、前記第一及び第二の組成物の少なくとも1つが、バルクにおける第一の色及び適用後における第二の色を示すために適切なものであり、前記第1及び第二の色が、2、良好には5以上のΔEの差によって異なる。
【0084】
ΔEを算出するために、適用後における色は、被覆率を測定するためのように、前記組成物をコントラストカードに広げた後に測定する。
【0085】
前記第一及び第二の組成物の各々が、バルクにおける第一の色及び適用後における第二の色をケラチン物質上で示すために適切なものであって良く、各組成物の第一及び第二の色は、5以上のΔEの差によって異なる。
【0086】
前記第一及び第二のブロックは、スティックの全長に亘って伸びてよく、または、成型されているか若しくはカップに詰められている際は化粧品の厚み全体に亘って伸びて良い。
【0087】
前記第一及び第二のブロックは同心円状であって良く、又はそうではないように処理されても良い。
【0088】
前記組成物に依存して、ΔEの差は、例えば5から30の範囲であって良い。
【0089】
前記組成物の被覆率は、25より大きい値、例えば30から70の範囲であって良い。各組成物の被覆率は、25、良好には30以上であって良い。好ましくは、各組成物の被覆率は、実質的に同じである。成型して、異なるブロックの組成物を一緒に混合するように広げた後の前記化粧品の被覆率は、25以上であって良く、例えば、30から70の範囲であって良い。
【0090】
多層干渉顔料では、干渉現象による発色は、前記顔料の表面層による吸収現象による発色と競合する。
【0091】
かくして、前記顔料の濃度が十分に増大している際には、干渉現象によって生じる色が減少し、吸収によって生じる色が優位となる。
【0092】
この特性を利用することによって、本発明は、適用において前記組成物の少なくとも1つの色における変化を観察させることを可能にし、かくして、前記化粧品を使用するのを面白いものとする。
【0093】
本発明は、包装によって適用前後の色の変化を利用させ得るために、化粧品組成物の販売について新規の可能性を提供するものでもある。
【0094】
本発明は、ある場合において、適用における多数の色を明らかにし得ることによって消費者を驚かす方法を提供する。
【0095】
前記組成物の少なくとも1つにおける多層干渉顔料の量は、7重量%から20重量%、良好には8重量%から15重量%の範囲であって良い。
【0096】
バルクにおける前記組成物の少なくとも1つの色は、白色であって良い。前記ブロックの全てが白色、すなわち、CIEの意味において無色であって良く、例えば、40以上の白色指数を有する。
【0097】
前記組成物の少なくとも1つは、前記多層干渉顔料以外のいずれの着色剤も含まなくて良い。この事は、前記化粧品の組成物の全てに適用されて良い。
【0098】
前記化粧品の組成物は、同じ原料からなる層を有する、2つの個々の多層干渉顔料を含んで良い。
【0099】
前記組成物の1つの顔料の少なくとも1つの層は、異なる色を生じるように、他の組成物の顔料の対応する層と異なる厚みを有して良い。
【0100】
他の態様では、本発明は、
-上述の化粧品;及び
-適用後の前記化粧品の組成物の少なくとも1つの色、又は適用後の前記組成物に重ね合わせることによって形成される色について使用者に知らせる手段
を含む包装も提供する。例えば、これは、インク又は塗料を印刷することによって、前記組成物の薄層によって、又は前記多層干渉顔料を含む原料をモールド若しくはオーバーモールドすることによって為されて良い。
【0101】
本発明の意味において、用語「固体の化粧品」は、通常の保存状態において、自重の影響下において流れる能力を欠いているという特性を有する化粧品を含めて使用される。
【0102】
固体の化粧品は、測定不可能な粘度の化粧品であって良い。
【0103】
適当な場合には、前記固体の化粧品は、環境温度(25℃)でペースト状態の外観を示して良い。
【0104】
前記ブロックの少なくとも1つが、25℃より大きい、特に25℃から85℃又は30℃から60℃の範囲、特に30℃から45℃の範囲の融点又は熱転移温度(例えば、軟化点)を示して良い。
【0105】
前記組成物のブロックの少なくとも1つの硬度は、例えば0.01メガパスカル(MPa)から0.5MPa、特に0.005MPaから0.4MPaの範囲であって良い。
【0106】
前記ブロックの硬度は、0.01ミリメーター/秒(mm/秒)の測定速度で動き、0.3mmの浸入深度までブロックの組成物に浸入する、2ミリメーター(mm)の直径を有するステンレススチールシリンダーを取り付けたRHEO社製の商品名TA-XT2i(登録商標)で販売されているテクスチャーメーターによって、20℃で圧縮力を測定することによって決定して良い。
【0107】
前記硬度の値は、前記組成物と接触したテクスチャーメーターのシリンダーの面積によって割った、測定された最大圧縮力である。
【0108】
特に、口紅の例では、硬度は、8.1mmの直径を有する口紅のスティックを切断すること、100ミリメーター/分(mm/分)の速度で動くIndelco-Chatillon社製のDFGHS 2 dynamometerによって、20℃で硬度を測定することからなる、いわゆる「チーズワイヤ」法によって測定されても良い。
【0109】
測定された硬度は、その様な条件下でスティックを切断するのに必要とされた剪断力(グラム重量をして表わされる)として表わされる。この方法において、本発明の固体化粧品の硬度は、例えば、50グラム(g)から300g(g)、例えば、100gから250gの範囲、例えば、120gから230gの範囲であって良い。
【0110】
被覆率の測定
液体組成物(25℃)
用語「液体組成物」は、測定され得る粘度の組成物を意味して使用される。液体組成物は、その自重の影響下で流れ得る。
【0111】
組成物の被覆率は、50マイクロメートル(μm)の最終的な厚みで測定され、前記液体組成物は、例えば、唇に適用するための組成物、特に液体口紅、液体リップグロス、及び液体リップクリーム;マニキュア;アイシャドウ;液体ファンデーション;マスカラ;及び口紅に適用しない他の液体メークアップである。
【0112】
前記組成物は、つや消しの黒色(マットブラック)及びつや消しの白色(マットホワイト)のコントラストカード(例えば、つや消しの黒色のカードに関しては商品名Leneta Form WP1、及びつや消しの白色のカードに関しては商品名Leneta 1A)に広げられる。
【0113】
適用は、自動スプレッダーを用いて実施して良い。
【0114】
前記測定は、この方法において組成物の広がりに対して実施される。
【0115】
固体組成物(25℃)
固体組成物は、測定し得ない粘度の組成物である。
【0116】
固体組成物は、スティックの形態に成型された組成物であるか、又はルース若しくはコンパクト形態のパウダーである。
【0117】
a)ルース又はコンパクトパウダー固体組成物に関しては、前記組成物は、上述と同じコントラストカードを使用して適用されるが、コントラストカードは個々に僅かに粗い透明接着細片(例えば、3M社によって販売され15025として参照される商品名BLENDERM(登録商標))に覆われ、前記細片は、前記コントラストカードに接着面を介して結合させる。
【0118】
前記組成物は、0.5マイクログラム/平方センチメートル(mg/cm2)±0.02 mg/cm2の均一な堆積を得るような様式で、接着細片上に堆積される。
【0119】
前記堆積を実施するために、事前に規定した動きの実施をスポンジに与えるスプレッダー器具に載せた、組成物を有するスポンジを使用して良い。例えば、前記スポンジは、その桃色側において使用される「LANCOME-Photogenic」タイプの使い捨てスポンジである。
【0120】
b)スティック形態の組成物は、例えば90℃で融解し、次いで液体状態において、例えば上述のつや消し黒色又はつや消し白色のコントラストカード上に、50μmの厚みで広げられるが、BLENDERM(登録商標)で覆われない。スプレッダーの棒は、いかなる熱ショックも避けるように組成物と同じ温度に維持する。
【0121】
測定及び計算
反射スペクトルは、白色及び黒色の背景に対してMINOLTA 3700-d分光比色計(measurement shape diffuse//8°及びobservation D65/10°、specular component mode excluded、small opening (CREISS))を使用して得て、コントラストカードは上述のBLENDERM(登録商標)に任意に覆われる。
【0122】
前記スペクトルは、推奨(recommendation)15:2004に従ってCIEの意味においてCIELab76空間における比色分析の座標で表わされる。
【0123】
被覆率又はコントラスト比は、黒色の背景におけるYの計算平均値を得て、白色の背景におけるYの平均値によって割り、100を掛けることによって算出する。
【0124】
前記組成物のバルクの色の測定
前記バルクの色は、組成物の厚みが測定の目的としてきわめて大きいと解され得るのに十分深い深さ(例えば、3mm以上の深さ)である容器を満たした後に測定される。
【0125】
L*、a*、及びb*座標は、分光比色計(例えば、表品名MINOLTA CM-2002(D65/10°,specular component mode excluded))を用いて測定される。
【0126】
適用後の色の測定
コントラストカードの暗い背景上で色を測定する。前記組成物は、被覆率の測定のために上述したように広げられるが、液体及び非パウダー組成物、例えばスティック形態の組成物に関しては50μmの代わりに150μmの厚みで広げた。
【0127】
色の差ΔEは、以下:
ΔE=[(a*バルク-a*適用後)2+(b*バルク-b*適用後)2+(L*バルク-L*適用後)2]1/2
のように計算する。
【0128】
ゴニオクロマティック剤の存在のために、色の差ΔEが観察角の関数として変化する際は、最大の差がΔEとして得られる。
【0129】
白色指数の測定
色の測定後に、ASTM E313-05基準に従って、極めて大きな厚みで白色指数を算出する。
【0130】
多層干渉顔料
「多層干渉顔料」という表現は、異なる屈折率の多数の重ね合わせた層、特に高低の屈折率の連続した層による反射光線の間の干渉現象によって色を生じ得る顔料を意味する。前記顔料は、異なる屈折率を有する唯一のコーティング、例えばTiO2のコーティングで覆われた基材、例えば、マイカを含んで良い。
【0131】
任意の多層干渉顔料が予測されて良い。
【0132】
例えば580 nmから650nmの範囲の主波長であってもよい任意の色が、前記多層干渉顔料によって生じて良い。
【0133】
前記組成物は、単独の多層干渉顔料のみを含んで良い。
【0134】
前記組成物は、少なくとも2つの多層干渉顔料を含んで良い。
【0135】
前記組成物は、単独の多層干渉顔料又は異なる主波長を有する多数の多層干渉顔料を含んで良い。
【0136】
前記多層干渉顔料は、干渉によって色が生じるように選択される原料及び厚みからなる1つ以上の層で、少なくとも1つの面が覆われた基材(核としても知られている)を含んで良い。
【0137】
前記干渉顔料の層は、任意に平面形状を示して良い基材の周りにあって良い。
【0138】
前記基材は、天然マイカ、合成マイカ、ガラス、アルミナ、シリカ、又は任意の金属、合金、あるいは金属酸化物を含んで良い。前記基材の種類は、所望の光沢に応じて選択されるであろう。例えば、非常に光沢のある結果物のためには、ガラス又は金属からなる基材が好ましいであろう。
【0139】
前記干渉顔料は、異なる屈折率の4つより多い層を含んで良い。
【0140】
多層干渉顔料の粒径は、集団の半分の平均粒径で与えられ、D50とも示され、1μmから2000μm、例えば5μmから2000μmの範囲である。
【0141】
多層干渉顔料の割合は、7%より大きく、例えばパウダーではない液体又は成型組成物、例えば、スティックの形態の組成物に関しては7%から20%、例えば好ましくは8%から15%の範囲であり、例えばルース又はコンパクトパウダー組成物に関しては40%から95%の範囲である。
【0142】
前記組成物の被覆率は、その多層干渉顔料の含量に本質的に起因するものであって良い。変形例では、少なくとも1つの拡散含量及び/又はフィラーが被覆率を与える。
【0143】
真珠光沢材は、例えば、適切な多層干渉含量である。
【0144】
真珠光沢材
用語「真珠光沢材」は、ある軟体動物の貝殻で生産されるような任意に虹色であって良く、又は合成されて、光干渉による「真珠光沢」着色効果を示す、任意の形態の着色された粒子を意味する。
【0145】
挙げられて良い真珠光沢材の例は、酸化鉄被覆マイカチタン、オキシ塩化ビスマス被覆マイカ、酸化クロム被覆マイカチタン、有機顔料被覆マイカチタンのような真珠光沢顔料、特に、オキシ塩化ビスマスに基づく真珠光沢顔料である。
【0146】
それらは、金属酸化物の少なくとも2つの連続した層、及び/又は有機着色物質が重ねあわされた表面にマイカの粒子が存在しても良い。
【0147】
前記真珠光沢材は、黄色、桃色、赤色、ブロンズ、橙色、茶色、金色、及び/又は銅色若しくは輝きを有して良い。
【0148】
多層干渉顔料として導入するために適切な真珠光沢材であって、金色の真珠光沢材として挙げられる代表例は、特に、ENGELHARD社によって市販されている商品名Brillant gold 20 212G (Timica)、Gold 222C (Cloisonne)、Sparkle gold (Timica)、Gold 4504 (Chromalite)、及びMonarch gold 233X (Cloisonne)のもの; ブロンズ色の真珠光沢材、特にMERCK社によって市販されている商品名Bronze fine (17384) (Colorona)及びBronze (17353) (Colorona)、及びENGELHARD社によって市販されている商品名Super bronze (Cloisonne)のもの; 橙色の真珠光沢材、特にENGELHARD社によって市販されている商品名Orange 363C (Cloisonne)及びOrange MCR 101 (Cosmica)、及びMERCK社によって市販されている商品名Passion orange (Colorona)及びMatte orange (17449) (Microna)のもの; 茶色に薄く色付けされた真珠光沢材、特にENGELHARD社による商品名Nu-antique copper 340XB (Cloisonne)及びBrown CL4509 (Chromalite)のもの; 銅色に輝く真珠光沢材、特にENGELHARD社によって市販されている商品名Copper 340A (Timica)のもの; 赤色に輝く真珠光沢材、特にMERCK社によって市販されている商品名Sienna fine (17386) (Colorona)のもの; 黄色に輝く真珠光沢材、特にENGELHARD社によって市販されている商品名Yellow (4502) (Chromalite)のもの; 赤色に薄く色付けされた金色に輝く真珠光沢材、特にENGELHARD社によって市販されている商品名Sunstone G012 (Gemtone)のもの; 桃色の真珠光沢材、特にENGELHARD社によって市販されている商品名Tan opale G005 (Gemtone)のもの; 黒色の金色に輝く真珠光沢材、特にENGELHARD社によって市販されている商品名Nu antique bronze 240 AB (Timica)のもの; 青色の真珠光沢材、特にMERCK社によって市販されている商品名Matte blue (17433) (Microna)のもの; 白色の銀色に輝く真珠光沢材、特にMERCK社によって市販されている商品名Xirona Silverのもの; 並びに橙色-桃色緑色-金色ハイライト真珠光沢材、特にMERCK社によって市販されている商品名Indian summer (Xirona)のもの;並びにそれらの混合物である。
【0149】
例えば、磁性を示す多層干渉顔料は、COLORONA BLACKSTAR BLUE、COLORONA BLACKSTAR GREEN、COLORONA BLACKSTAR GOLD、COLORONA BLACKSTAR RED、CLOISONNE NU ANTIQUE SUPER GREEN、MICRONA MATTE BLACK (17437)、MICA BLACK (17260)、COLORONA PATINA SILVER (17289)、及びCOLORONA PATINA GOLD (117288) (MERCK社); 又は実際には: FLAMENCO TWILIGHT RED、FLAMENCO 25 TWILIGHT GREEN、FLAMENCO TWILIGHT GOLD、FLAMENCO TWILIGHT BLUE、TIMICA NU ANTIQUE SILVER 110 AB、TIMICA NU ANTIQUE GOLD 212 GB、TIMICA NU-ANTIQUE COPPER 340 AB、TIMICA NU ANTIQUE BRONZE 240 AB、CLOISONNE NU ANTIQUE GREEN 828 CB、CLOISONNE NU ANTIQUE BLUE 626 CB、GEMTONE MOONSTONE G 004、CLOISONNE NU ANTIQUE RED 424、CHROMA-LITE BLACK (4498)、CLOISONNE NU ANTIQUE ROUGE FLAMBE (code 440 XB)、CLOISONNE NU ANTIQUE BRONZE (240 XB)、CLOISONNE NU ANTIQUE GOLD (222 CB)、及びCLOISONNE NU ANTIQUE COPPER (340 XB) (ENGELHARD社)という商品名で市販されているものである。
【0150】
前記各組成物の多層干渉顔料は、バルクの白色を前記組成物に与えるものから選択されて良く、例えばENGELHARD社によってSPARKLE 110P (Timica)、Flamenco blue (Flamenco)、Flamenco green (Flamenco)、Flamenco red (Flamenco)、Flamenco violet (Flamenco)、Flamenco orange (Flamenco)、Silkbalnc 110W (Timica)、Extra large sparkle (Timica)、Flamenco sparkle Gold (Flamenco)、Flamenco sparkle green (Flamenco)、Flamenco sparkle orange (Flamenco)、Flamenco sparkle blue (Flamenco)、Flamenco sparkle violet (Flamenco)、Flamenco sparkle red (Flamenco)、Flamenco summit gold (Flamenco)という商品名で市販されている真珠光沢材;MERK社によってSilk blue (Timiron)、Silk green (Timiron)、Silk red (Timiron)、Super red (Timiron)、Super green (Timiron)、Super blue (Timiron)、Artic Silver (Timiron),splendid copper (Timiron)、Splendid Violet (Timiron)という商品名で市販されている真珠光沢材;ECKART社によってPrestige Silver (Prestige)、Prestige Silver Star (Prestige)、Prestige Gold (Prestige)、Prestige soft gold (Prestige)、Prestige silk green (Prestige)、Prestige silk lilac (Prestige)、Prestige silk blue (Prestige)、Prestige silk red (Prestige)という商品名で市販され
ている真珠光沢材から選択されて良い。
【0151】
前記多層干渉顔料は、例えば、FeOOH、Fe2O3、Cr2O3、TiO2-x、TiOxNy、CrPO4、KFe[Fe(CN)6]、Fe3O4、TiO、TiN、FeTiO3、C、Ag、Au、Fe、Mo、Cr、Wから選択される着色された物質の層が乏しいものであって良い。
【0152】
前記多層干渉顔料は、たとえば、TiO2(ルチル又はアナターゼ)、ZrO2、SnO2、SiO2から選択される原料の1つ又は複数の層を基材に含むだけであって良い。
【0153】
前記多層干渉顔料は、反射干渉粒子から選択されても良い。
【0154】
反射干渉粒子
これらの粒子は、例えば酸化チタン、特にTiO2、酸化鉄、特にFe2O3、酸化スズ、又は酸化クロム、硫酸バリウム、及び以下の物質:MgF2、CrF3、ZnS、ZnSe、SiO2、Al2O3、MgO、Y2O3、SeO3、SiO、HfO2、ZrO2、CeO2、Nb2O5、Ta2O5、MoS2、及びそれらの混合物又は合金から選択される、少なくとも1つの金属酸化物の少なくとも1つの層で少なくとも部分的に覆われた合成基材の粒子から選択されて良い。
【0155】
挙げられて良いその様な粒子の例は、二酸化チタンで被覆された合成マイカの基材を含む粒子、又は茶色の酸化鉄、酸化チタン、酸化スズ、又はENGELHARD社によってREFLECKS(登録商標)という商品名で市販されているもののようなそれらの混合物のいずれかで被覆されたガラス粒子である。
【0156】
前記多層干渉顔料は、ゴニオクロマティック顔料であっても良い。
【0157】
ゴニオクロマティック顔料
本発明の背景において使用される用語「ゴニオクロマティック顔料」は、組成物が基材に広げられる際において、45°の入射角の光について0°から80°の範囲内で垂線に対して観察角が変化する際に、少なくとも20°の色相角h°の変化Dh°に相当する、1976CIE色空間のa*b*平面における色経路(color path)を得ることを可能にする顔料を意味する。
【0158】
例えば、前記色経路は、流動体の状態の前記組成物を自動スプレッダーで300μmの厚みにTyp 24/5と称されるERICHSEN社製のコントラストカード上に広げた後に、GON 360 GONIOMETERと称されるINSTRUMENT SYSTEMS社製の分光ゴニオリフレクトメーター(spectrogonioreflectometer)によって測定して良い。前記測定は黒色の背景のカード上で実施される。
【0159】
前記ゴニオクロマティック顔料は、例えば、多層干渉構造及び液晶着色剤から選択されて良い。
【0160】
例えば、多層構造は、例えば各々の層が、以下の原料:MgF2、CeF3、ZnS、ZnSe、Si、SiO2、Ge、Te、Fe2O3、Pt、Va、Al2O3、MgO、Y2O3、S2O3、SiO、HfO2、ZrO2、CeO2、Nb2O5、Ta2O5、TiO2、Ag、Al、Au、Cu、Rb、Ti、Ta、W、Zn、MoS2、氷晶石、合金、ポリマー、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの原料から作られる少なくとも2つの層を含んで良い。
【0161】
前記多層構造は、積層した層の化学的性質について中央の層に対して、任意に対称であって良い。
【0162】
各種の層の厚み及び性質に依存して、異なる効果が得られる。
【0163】
対称多層干渉構造の例は、以下:Fe2O3/SiO2/Fe2O3/SiO2/Fe2O3、BASF社によって商品名SICOPEARLで市販されている構造を有する顔料;MoS2/SiO2/マイカ-酸化物/SiO2/MoS2; Fe2O3/SiO2/マイカ-酸化物/SiO2/Fe2O3; TiO2/SiO2/TiO2 及び TiO2/Al2O3/TiO2、MERCK社(Darmstadt)によって商品名XIRONAで市販されている構造を有する顔料である。
【0164】
例えば、液晶着色剤は、シリコーン、又はメソモルフィック基がグラフトされたセルロースエーテルを含む。適切な液晶ゴニオクロマティック粒子の例は、CHENIX社によって市販されているもの、WACKER社によって商品名HELICONE(登録商標)で市販されているものである。
【0165】
適切なゴニオクロマティック顔料は、ある真珠光沢材;合成基材、特にアルミナ、シリカ、ボロシリケート、酸化鉄、又はアルミナタイプの基材上で効果を有する顔料;あるいはポリテレフタレート被膜からなる干渉薄片である。
【0166】
前記原料は、分散されたゴニオクロマティック繊維も含有して良い。その様な繊維は、例えば80μmより短い長さで存在するであろう。
【0167】
化粧品として許容される媒体
用語「化粧品として許容される媒体」は、ヒトのケラチン物質に対する適用に適切な被毒性の媒体を意味する。
【0168】
前記化粧品として許容される媒体は、適用しようとする組成物の基材の性質、及び包装しようとする組成物の形態に適合する。
【0169】
本発明の組成物は、水性媒体、及び/又は任意に無水の脂肪相を含んで良い。
【0170】
水相又は脂肪相
前記組成物は、水、又は水と親水性有機溶媒、例えばアルコール、特に2から5炭素原子を有する直鎖若しくは分枝の低級モノアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、又はn-プロパノール、ポリオール、例えばグリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、ペンチレングリコール、又はポリエチレングリコールとの混合物を含んで良い。
【0171】
前記親水性相は、親水性C2エーテル及びC2-C4アルデヒドを含んでも良い。
【0172】
前記水、又は水と親水性有機溶媒との混合物は、0から90重量%、特に組成物の全重量に対して0.1から90重量%、好ましくは0から60重量%、更に好ましくは0.1から60重量%の範囲の含量において、本発明の組成物に存在して良い。
【0173】
前記組成物は、特に、25℃で液体であって、環境温度で固体である可能性がある脂肪、例えばワックス、ペースト状の脂肪、ガム、及びそれらの混合物からなる脂肪層を含んでも良い。
【0174】
本発明で使用される、環境温度で液体である脂肪(通常「油」と称される)は、とりわけ、炭化水素含有植物油、例えば4から10の炭素原子を有する液体脂肪酸トリグリセリド、例えば、ヘプタン酸又はオクタン酸トリグリセリド、又はヒマワリ油、コーン油、ダイズ油、グレープシード油、ゴマ油、アプリコットカーネル油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、又はアボカド種油、カプリル/カプリン酸トリグリセリド、ホホバ油、シアナッツバター油;鉱物又は合成起源の直鎖若しくは分枝の炭化水素、例えばパラフィン油、特に、C8-C16イソパラフィン、例えばイソドデカン、イソデカン、イソヘキサデカン、ワセリン、ポリデセン、水素化ポリイソブテン、例えばパーリーム(登録商標);スクアラン;合成エステル及びエーテル、特に脂肪酸、例えば、ピュアセリン油、イソプロピルミリステート、2-エチルヘキシルパルミテート、2-オクチルドデシルステアレート、2-オクチルドデシルエルケート、イソステアリルイソステアレート;水酸化エステル、例えば、イソステアリルラクテート、オクチルヒドロキシステアレート、オクチルドデシルヒドロキシステアレート、ジイソステアリルマレート、トリイソセチルシトレート、脂肪アルコールヘプタノエート、オクタノエート、又はデカノエート;ポリオールエステル、例えば、プロピレングリコールジオクタノエート、ネオペンチルグリコールジヘプタノエート、ジエチレングリコールジイソノナノエート;及びペンタエリスリトールエステル;12から26の炭素原子を含有する脂肪アルコール、例えば、オクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール、又はオレインアルコール;フッ化炭化水素及び/又はシリコーン油;シリコーン油、例えば、環境温度で液体又はペースト状であって良い、揮発性若しくは不揮発性直鎖若しくは環状のポリメチルシロキサン(PDMS)、例えば、シクロメチコン又はジメチコン、任意にフェニル基を含むもの、例えば、フェニルトリメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルメチルジメチル-トリシロキサン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、ポリメチルフェニルシロキサン;及びそれらの混合物である。
【0175】
前記油は、組成物の全重量に対して0.01重量%から90重量%の範囲の含量で存在して良い。
【0176】
本発明の組成物は、1つ以上の生理学的に許容される有機溶媒を含んでも良い。親油性の溶媒は、組成物の全重量に対して、0から90重量%の範囲、好ましくは0から60重量%の範囲、更に好ましくは0.1重量%から30重量%の範囲の含量で存在して良い。
【0177】
前記媒体は、水が分散されているか又はエマルション化されている液体有機相を含んでも良い。
【0178】
前記組成物は、組成物の全重量に対して、5重量%未満の水、特に1重量%未満の水を含有しても良い連続する脂肪相を有しても良く、特に無水の形態であっても良い。
【0179】
皮膜形成剤
前記媒体は、皮膜形成剤、特に皮膜形成ポリマーを含んでも良い。
【0180】
用語「皮膜形成剤」は、それ自体又は任意の皮膜形成剤の存在下で、ケラチン物質に接着する巨視的に連続した皮膜、好ましくは粘着性の皮膜、より良好には粘着性、及び被膜を単離でき、且つ、テフロン(登録商標)若しくはシリコーン表面のような接着性ではない表面に皮膜を成形した際に単離して扱うことのできるような機械的性質を示す皮膜を形成するために適切な剤を意味して使用する。
【0181】
前記組成物は水相を含んで良く、前記皮膜形成ポリマーは前記水相に存在して良い。前記皮膜形成ポリマーは、分散物又は溶液中のポリマーであろう。
【0182】
前記組成物は油相を含んで良く、前記皮膜形成ポリマーは前記油相に存在して良い。かくして、前記ポリマーは、分散物又は溶液に存在するであろう。
【0183】
挙げられて良い適切な皮膜形成ポリマーは、合成ポリマー、ラジカルの合成ポリマー、又は重縮合タイプの天然のポリマー、及びそれらの混合物を含む。
【0184】
ラジカルタイプの皮膜形成ポリマーは、特に、ビニルポリマー又はコポリマー、特にアクリルポリマーであって良い。
【0185】
挙げられて良い皮膜形成重縮合物の例は、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルアミド、ポリアミド、エポキシエステル樹脂、及びポリウレアを含む。
【0186】
ポリエステルは、ポリオール、特にジオールとジカルボン酸の重縮合によって既知の様式で得られて良い。
【0187】
ポリエステルアミドは、ジアミン又はアミノアルコールと二塩基酸の重縮合によって、ポリエステルと類似の様式で得られて良い。
【0188】
脂溶性皮膜形成ポリマーの例は、ビニルエステル(ビニル基はエステル基の酸素原子に直接結合しており、ビニルエステルは、エステル基のカルボニルに結合した1から19の炭素原子の飽和、直鎖、又は分枝の炭化水素基を有する)と、ビニルエステル(既に挙げたビニルエステルとは異なる);8から28の炭素原子を有するα-オレフィン;アルキルビニルエーテル(アルキル基は2から18の炭素原子を有する);又はアリル又はメタリルエステル(エステル基のカルボニルに結合した1から19の炭素原子を有する飽和、直鎖、又は分枝の炭化水素基を有する)であって良い少なくとも1つの他のモノマーとのコポリマーが挙げられて良い。
【0189】
これらのコポリマーは、ビニルタイプ又はアリル若しくはメタリルタイプのいずれかであって良い剤、例えば:テトラアリルオキシエタン;ジビニルベンゼン;ジビニルオクタンジオエート;ジビニルドデカンジオエート;及びジビニルオクタデカンジオエートの助けによって架橋されて良い。
【0190】
これらのコポリマーの例として、以下のコポリマー:ビニルアセテートおよびアリルステアレート;ビニルアセテート及びビニルラウレート;ビニルアセテートおよびビニルステアレート;ビニルアセテート及びオクタデセン;ビニルアセテート及びオクタデシルビニルエーテル;ビニルプロピオネート及びアリルラウレート;ビニルプロピオネート及びビニルラウレート;ビニルステアレート及び1-オクタデセン;ビニルアセテート及び1-ドデセン;ビニルステアレート及びエチルビニルエーテル;ビニルプロピオネート及びセチルビニルエーテル;ビニルステアレート及びアリルアセテート;ビニルジメチル-2,2-オクタノエート及びビニルラウレート;アリルジメチル-2,2-ペンタノエート及びビニルラウレート;ビニルジメチルプロピオネート及びビニルステアレート;アリルジメチルプロピオネート及びビニルステアレート;0.2%ジビニルベンゼンで架橋されているビニルプロピオネート及びビニルステアレート;0.2%ジビニルベンゼンで架橋されているビニルジメチルプロピオネート及びビニルラウレート;0.2%テトラアリルオキシエタンで架橋されているビニルアセテート及びオクタデシルビニルエーテル;0.2%ジビニルベンゼンで架橋されているビニルアセテート及びアリルステアレート;0.2%ジビニルベンゼンで架橋されているビニルアセテート及び1-オクタデセン;並びに0.2%ジビニルベンゼンで架橋されているアリルプロピオネート及びアリルステアレートが挙げられて良い。
【0191】
前記皮膜形成ポリマーは、架橋ポリオルガノシロキサンポリマーから構成される、一般的にシリコーン油に可溶性又は膨潤性のシリコーン樹脂から選択されても良い。
【0192】
前記皮膜形成ポリマーは、一般的にはラテックス又はスードラテックスとして知られる、水相又は非水性溶媒相における分散物中の粒子の形態で前記組成物中に存在しても良い。その様な分散物を調製する技術は、当業者によく知られている。
【0193】
本発明の組成物は、前記皮膜形成ポリマーでの皮膜形成を促進する可塑剤を含んでも良い。その様な可塑剤は、所望の機能を満たすために適切なものとして、当業者に既知の任意の化合物から選択されて良い。
【0194】
当然ながら、このようなポリマーは包括的なものではない。
【0195】
他の着色剤
前記組成物は、ケラチン物質に適用された組成物の色に寄与する干渉現象を保存することを可能にする割合において、吸収減少によって色を生じさせる、1つ以上の拡散顔料を含んで良い。
【0196】
前記組成物は、前記多層干渉顔料以外の着色剤を含まなくても良く、例えば、酸化鉄を含む顔料又は吸光減少によって色を生じさせる他の顔料を含まなくて良い。
【0197】
前記組成物は、例えば、0.5重量%未満の、吸光減少によって色を生じさせる顔料、例えば0.5重量%以下、例えば0.2重量%以下の酸化鉄を有する顔料を含んで良い。
【0198】
拡散顔料が存在する際は、各種の拡散顔料が想定され、特に以下の原料:
-コチニールカルミン;
-アゾ、アントラキノン、インディゴ、キサンテン、ピレン、キノリン、トリフェニルメタン、又はフルオラン染料の有機顔料;並びに
-ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム、ジルコニウム、ストロンチウム、チタン、又はアゾ、アントラキノン、インディゴ、キサンテン、ピレン、キノリン、トリフェニルメタン、又はフルオリン染料のような酸染料(少なくとも1つのカルボン酸基又はスルホン酸基を含む)の不溶性の塩又は有機レーキ
及びそれらの混合物から選択される顔料又は有機レーキから選択される。
【0199】
挙げられて良い有機顔料は、以下:D&C Blue No.4、D&C Brown No.1、D&C Green No.5、D&C Green No.6、D&C Orange No.4、D&C Orange No.5、D&C Orange N10、D&C Orange No.11、D&C Red No.6、D&C Red No.7、D&C Red No.17、D&C Red No.21、D&C Red No.22、D&C Red No.27、D&C Red No.28、D&C Red No.30、D&C Red N31、D&C Red No.33、D&C Red No.34、D&C Red No.36、D&C Violet No.2、D&C Yellow No.7、D&C Yellow No.8、D&C Yellow No.10、D&C Yellow No.11、FD&C Blue No.1、FD&C Green No.3、FD&C Red No.40、FD&C Yellow No.5、FD&C Yellow No.6のものを含む。
【0200】
前記レーキは、例えばコロファン(colophane)又はアルミニウムベンゾエートのような有機支持体によって支持されても良い。
【0201】
特に挙げられて良い有機レーキは、以下:D&C Red No.2 アルミニウムレーキ、D&C Red No.3 アルミニウムレーキ、D&C Red No.4 アルミニウムレーキ、D&C Red No.6 アルミニウムレーキ、D&C Red No.6 バリウムレーキ、D&C Red No.6 バリウム/ストロンチウムレーキ、D&C Red No.6 ストロンチウムレーキ、D&C Red No.6 カリウムレーキ、D&C Red No.7 アルミニウムレーキ、D&C Red No.7 バリウムレーキ、D&C Red No.7 カルシウムレーキ、D&C Red No.7 カルシウム/ストロンチウムレーキ、D&C Red No.7 ジルコニウムレーキ、D&C Red No.8 ナトリウムレーキ、D&C Red No.9 アルミニウムレーキ、D&C Red No.9 バリウムレーキ、D&C Red No.9 バリウム/ストロンチウムレーキ、D&C Red No.9 ジルコニウムレーキ、D&C Red No.10 ナトリウムレーキ、D&C Red No.19 アルミニウムレーキ、D&C Red No.19 バリウムレーキ、D&C Red No.19 ジルコニウムレーキ、D&C Red No.21 アルミニウムレーキ、D&C Red No.21 ジルコニウムレーキ、D&C Red No.22 アルミニウムレーキ、D&C Red No.27 アルミニウムレーキ、D&C Red No.27 アルミニウム/チタン/ジルコニウムレーキ、D&C Red No.27 バリウムレーキ、D&C Red No.27 カルシウムレーキ、D&C Red No.27 ジルコニウムレーキ、D&C Red No.28 アルミニウムレーキ、D&C Red No.30レーキ、D&C Red No.31 カルシウムレーキ、D&C Red No.33 アルミニウムレーキ、D&C Red No.34 カルシウムレーキ、D&C Red No.36レーキ、D&C Red No.40 アルミニウムレーキ、D&C Blue No.1 アルミニウムレーキ、D&C Green No.3 アルミニウムレーキ、D&C Orange No.4 アルミニウムレーキ、D&C Orange No.5 アルミニウムレーキ、D&C Orange No.5 ジルコニウムレーキ、D&C Orange No.10 アルミニウムレーキ、D&C Orange No.17 バリウムレーキ、D&C Yellow No.5 アルミニウムレーキ、D&C Yellow No.5 ジルコニウムレーキ、D&C Yellow No.6 アルミニウムレーキ、D&C Yellow No.7 ジルコニウムレーキ、D&C Yellow No.10 アルミニウムレーキ、FD&C Blue No.1 アルミニウムレーキ、FD&C Red No.4 アルミニウムレーキ、FD&C Red No.40 アルミニウムレーキ、FD&C Yellow No.5 アルミニウムレーキ、FD&C Yellow No.6 アルミニウムレーキを含む。
【0202】
上述の有機着色物質の各々に相当する化学物質は、参照することによってその内容を本明細書に組み込む「The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association」によって発行された「International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook」という表題の文献371から386頁及び524から528頁においても言及されている。
【0203】
前記拡散顔料は、殻によって少なくとも部分的に被覆された核を含む複合顔料であって良い。特に、その様な複合顔料は、無機の核、及び少なくとも1つの有機着色物質の少なくとも1つの粒子コーティングを含む粒子からなって良い。少なくとも1つのバインダーが、前記無機の核に有機着色物質を固定化するために、有利に寄与する可能性がある。
【0204】
複合顔料の粒子は、各種の形態を有して良い。特に、前記粒子は細片の形態であって良いか、又は球形(globular)、特に球状(spherical)であって良く、中空であるか又は中空でなくて良い。用語「細片の形態」は、厚みに対する最も長い寸法の比率が5以上の粒子を意味する。複合顔料は、例えば、1平方メートル/グラム(m2/g)から1000m2/gの範囲、特に約10m2/gから約600m2/g、特に約20m2/gから約400m2/gの範囲の特定の表面積を有して良い。特定の表面積は、BET(Brunauer-Emmett-Teller)法を用いて測定される値である。核の重量割合は、複合顔料の全重量に対して50重量%を超えて良く、例えば、50重量%から70重量%、例えば60重量%から70重量%の範囲であって良い。
【0205】
前記着色剤は、コロラント(colorant)であっても良い。
【0206】
前記コロラントは、植物、動物、又は無機起源であって良く、特に植物又は無機起源であって良く、特に植物起源であって良い。前記コロラントは、非合成タイプであって良い。
【0207】
前記コロラントは、天然の水溶性又は脂溶性コロラントであって良い。
【0208】
例えば、本発明に使用するために挙げられて良い適切な天然の水溶性着色剤は、カラメル、ビートの根の絞り汁;カルミン;ベタニン(ビートの根);銅クロロフィリン;メチレンブルー;アントシアニン(エノシアニン、クロニンジン、ハイビスカス、ニワトコ);及びリボフラビンである。
【0209】
例えば、本発明に使用するために特に挙げられる適切な天然の脂溶性着色剤は、スーダンレッド;β-カロテン;カロテノイド;リコペン;パーム油;スーダンブラウン;キノリンイエロー;キサントフィル(カプサンチン、カプソルビン、ルテイン);及びクルクミンである。
【0210】
特に挙げられて良い他の適切な天然のコロラントは、アントシアニンの花又は果実又はその誘導体;天然又は発酵させた植物のフラボノイド及びタンニン抽出物;ジュグロン;ローソン;発酵させたダイズ、藻、マッシュルーム、微生物の抽出物;特許EP 1 172 091に記載のように3位で置換されていないフラビリウム塩;Gesneria Fulgens、Blechum Procerum、Saxifragaの抽出物;及びMonascusタイプのmonascusの微生物の培養培地から有機又は水-有機溶媒で抽出し得る顔料である。
【0211】
挙げられて良い適切な合成コロラントは、合成脂溶性コロラント、例えば、DC Red 17、DC Red 21、DC Red 27、DC Green 6、DC Yellow 11、DC Violet 2、及びDC Orange 5である。
【0212】
挙げられて良い適切な合成水溶性コロラントは、FDC Red 4、DC Red 6、DC Red 22、DC Red 28、DC Red 30、DC Red 33、DC Orange 4、DC Yellow 5、DC Yellow 6、DC Yellow 8、FDC Green 3、DC Green 5、及びFDC Blue 1である。
【0213】
フィラー
本発明の化粧品組成物はフィラーを含んで良い。
【0214】
用語「フィラー」は、組成物を製造する温度に関係なく組成物の媒体に不溶性の任意の形態の粒子を意味する。前記フィラーは、主に、前記組成物のレオロジー又は質感を調節するために働く。
【0215】
挙げられて良いフィラーの例は、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、及びポリアミド(Atochem社製のNylon(登録商標)又はOrgasol(登録商標))の粉末である。
【0216】
フィラーの含有量は、所望の結果を過度に妨げることが無い様な様式で選択される。
【0217】
活性成分及び他の化合物
本発明の化粧品組成物は、1つ以上の化粧品的、皮膚科学的、衛生学的、又は製薬学的な活性成分を含有しても良い。
【0218】
挙げられて良い本発明の組成物において使用するための適切な、化粧品的、皮膚科学的、衛生学的、又は製薬学的な活性成分は、保湿剤(グリセリンのようなポリオール)、ビタミン(C、A、E、F、B、又はPP)、必須脂肪酸、必須油、セラミド、スフィンゴ脂質、脂溶性若しくはナノ粒子のサンスクリーン剤、及び特定の皮膚処理活性成分(保護剤、抗菌剤、抗シワ剤など)である。前記活性成分は、例えば、前記組成物の全重量に対して0.001%から15%の範囲の濃度で使用して良い。
【0219】
前記化粧品組成物は、美容において日常的に使用されている成分、例えば、増粘剤、界面活性剤、オリゴエレメンツ、保湿剤、柔軟剤、金属イオン封鎖剤、芳香剤、アルカリ化若しくは酸性化剤、保存剤、抗酸化剤、UVフィルター、又はそれらの混合物も含有して良い。
【0220】
想定される適用に依存して、前記組成物は、関連する技術分野において従来使用されており、望ましい用量又は「剤形」に適当な量で存在する成分を含んでも良い。
【0221】
形態
前記化粧品組成物は、居所的な適用に通常使用される任意の形態、特に無水又は非無水の形態、ルース又はコンパクトパウダーとしての固体の形態;成型されている、例えばスティックの形態;油性又は水性の溶液としての液体の形態、油性又は水性のゲル、水中油型エマルション、油中水型エマルション、多層エマルション、油/水の界面に位置するベシクルによる水中油型の分散物、又はスプレーであって良い。
【0222】
用語「無水の組成物」は、5重量%未満、好ましくは3重量%未満、さらに好ましくは1重量%未満の水を有する組成物を意味する。無水の組成物は、組成物の調製の間に意図して添加された水を含む必要が無い。
【0223】
前記組成物は、特に、スティックの形状であって良い。
【0224】
前記化粧品組成物は、とりわけ、以下のメークアップ:液体又はスティックの形態の口紅;液体リップグロス;リップスティックペースト;ブラッシャー;眼の輪郭のための組成物;アイライナー;マスカラ;マニキュア;アイシャドウ;ファンデーション;及び更に一般的には身体若しくは毛髪のメークアップを構成して良い。
【0225】
本発明の組成物は、化粧品に従来使用されている製造方法に従って得られて良い。
【0226】
包装及び適用方法
前記組成物は、任意の容器に包装されて良く、又はこの目的のために提供される任意の支持体上に包装されて良い。
【0227】
前記組成物は、任意に集められたアプリケーター、例えば、発泡剤、エンドピース、ペイントブラシ、フェルト、スパチュラ、焼結要素、ブラシ、くし、又は任意の織物を用いて適用されて良い。
【0228】
適用は、指を使用して、又はメークアップする素地に直接組成物を配置することによって、例えばスティックをこすり付けるか、又はピエゾエレクトリック器具の助けによってスプレーすることによって、又は中間素地に事前に堆積させた組成物の層を移すことによって実施しても良い。
【0229】
適当な場合には、前記組成物は、例えば、光沢を与えるためにトップコートによって被覆されるベースコートとして適用されて良く、又はベースコート上のトップコートとして適用されて良く、あるいはベースコートとトップコートとの間に適用されて良い。
【0230】
前記組成物は、前記組成物のバルクの色を見ることを可能にする包装器具に包装されて良い。
【0231】
前記包装器具は、少なくとも部分的に透明な本体を有する容器であり、及び/又は少なくとも部分的に透明な栓の部材を含む。
【0232】
前記組成物は、ケラチン物質に適用した後の色と組成物のバルクの色の双方を見ることを可能にする器具に包装されて良い。
【0233】
前記組成物は、適用して明らかになる色を表わす手段、例えば、前記組成物の層の堆積又は前記組成物と同じ色を付ける着色剤を含むインク若しくは塗料の堆積を含む器具に包装されても良い。
【0234】
本発明は、この方法で包装される組成物も提供する。
【0235】
適当な場合には、前記組成物は、磁石と共に包装され、多層干渉顔料及び金属の反射顔料の少なくとも1つがゼロではない磁化率を示す際に、多層干渉顔料の粒子及び/又は金属の反射顔料の反射粒子の配向を調節することを可能にし得る。
【0236】
提供方法及びディスプレイスタンド
本発明の他の態様では、本発明は、以下:
-バルクの色を明らかにするように、散光で組成物サンプルの少なくとも第一の領域を照らすこと;及び
-干渉色を明らかにするように、直接光で組成物サンプルの少なくとも第二の領域を照らすこと
からなるステップをふくむ、本発明に係る化粧品組成物を提供する方法も提供する。
【0237】
前記第一及び第二の領域は、組成物の同一のサンプルの異なる領域であって良い。
【0238】
変形例では、前記第一の領域及び第二の領域は、異なるサンプルに属するものである。
【0239】
更なる変形例では、前記第一の領域及び第二の領域は同一の領域に相当し、散光及び直接光が交互に適用される。
【0240】
他の態様では、本発明は、
-直接光の光源、
-散光の光源、及び
-少なくとも1つの組成物サンプルを散光の光源に曝し、少なくとも1つの組成物サンプルを直接光の光源に曝すことを可能にする支持体
を含むディスプレイスタンドも提供する。
【0241】
メークアップの適用方法
本発明は、本発明の組成物を用いるケラチン物質のメークアップ方法も提供する。
【0242】
前記方法は、皮膚、唇、爪、睫毛、眉毛、又は毛髪をメークアップするためのものであって良い。
【0243】
キット
本発明は、
-本発明の第一の組成物;及び
-前記第一の組成物の下又は上に適用するための化粧品として許容される媒体を含む第二の組成物
を含む、メークアップキットを含んでも良い。
【0244】
例えば、前記第二の組成物は、前記第一の組成物の耐久性を改善し、及び/又はその外観を調節するためのものである。
【実施例】
【0245】
割合は、重量によって表わす。
【0246】
(実施例1)
リップグロス
【0247】
【表1】

【0248】
このリップグロスによって生じる効果は、多数の現象の結合によるものである。第1には、適用して、強く且つ被覆している色を与えることに関する。油/ポリマー系の存在による皮膜の光沢がそれに添加される。このリップグロスは、白色のバルクの色を示す。
【0249】
(実施例2)
口紅
【0250】
【表2】

【0251】
この口紅によって生じる効果は、多数の現象の結合によるものである。第1には、適用して強く且つ被覆している色を与えることに関する。油/ポリマー/ワックス系の存在による皮膜の質感がそれに添加される。このリップグロスは白色のバルクの色を示す。
【0252】
この口紅は、特に被覆に関して、完全に満足のいくメークアップ結果を生じ、その効果を明らかにするためにメークアップの他の層を適用する必要が無い。
【0253】
【表3】

【0254】
上表は、
a)左側の、実施例2の化粧品組成物を使用して得られた被覆率と、
b右側の、類似しているが、多層干渉顔料を3%しか含まない製剤を使用して得られた被覆率と
を比較することを可能にする
【0255】
(実施例3)
ブラッシャー
【0256】
【表4】

【0257】
このブラッシャーによって生じる効果は、多数の現象の結合によるものである。第1には、適用して強く且つ被覆している色を与えることに関する。水系の存在による皮膜の質感をそれに添加する。
【0258】
このブラッシャーは、白色のバルクの色を示す。
【0259】
特に被覆率に関して、メークアップの結果は完全に満足のいくものであり、その効果を明らかにするために他のメークアップの層を適用する必要が無い。このブラッシャーは、非常に強い青色で頬骨を強調することを可能にする。
【0260】
(実施例4)
水系マニキュア
【0261】
【表5】

【0262】
このマニキュアによって生じる効果は、多数の現象の結合によるものである。第1には、適用して強く且つ被覆している色を与えることに関する。水系の存在による皮膜の質感をそれに添加する。このマニキュアは、白色のバルクの色を示す。特に被覆率に関して、メークアップの結果は完全に満足のいくものであり、その効果を明らかにするために他のメークアップの層を適用する必要が無い。
【0263】
(実施例5)
無水のマニキュア
【0264】
【表6】

【0265】
このマニキュアによって生じる効果は、多数の現象の結合によるものである。第1には、適用して強く且つ被覆している色を与えることに関する。溶媒系の存在による皮膜の質感をそれに添加する。
【0266】
このマニキュアは、白色のバルクの色を示す。特に被覆率に関して、メークアップの結果は完全に満足のいくものであり、その効果を明らかにするために他のメークアップの層を適用する必要が無い。
【0267】
(実施例6)
パウダーアイシャドウ
【0268】
【表7】

【0269】
このパウダーアイシャドウによって生じる効果は、多数の現象の結合によるものである。第1には、適用して強く且つ被覆している色を与えることに関する。多層干渉顔料/フィラー/バインダー系の存在による堆積の質感をそれに添加する。このアイシャドウは、白色のバルクの色を示す。特に被覆率に関して、メークアップの結果は完全に満足のいくものであり、その効果を明らかにするために他のメークアップの層を適用する必要が無い。
【0270】
(実施例7)
液体アイシャドウ
【0271】
【表8】

【0272】
このアイシャドウによって生じる効果は、多数の現象の結合によるものである。第1には、適用して強く且つ被覆している色を与えることに関する。溶媒/ポリマー/ワックス/フィラー系の存在による皮膜の質感をそれに添加する。
【0273】
このアイシャドウは、白色のバルクの色を示す。特に被覆率に関して、メークアップの結果は完全に満足のいくものであり、その効果を明らかにするために他のメークアップの層を適用する必要が無い。
【0274】
このアイシャドウは、非常に強い青色で眼の輪郭を強調させることを可能にする。
【0275】
本発明に係る組成物は、トップコート又はベースコートと関連するものであって良い。実施例を以下に挙げる。
【0276】
(実施例8)
口紅
【0277】
【表9】

【0278】
【表10】

【0279】
前記第一の組成物は、非常に強い赤色を有するメークアップの均一な層を生じさせることを可能にする。前記第二の組成物は、メークアップの結果全体に輪郭を与える銀色のハイライトを伴う拡大ガラス効果(magnifying glass effect)を生じさせるために役立つ。
【0280】
(実施例9)
口紅
【0281】
【表11】

【0282】
【表12】

【0283】
前記ベースコートがまず適用されて、非常に強い黒色を有するメークアップの均一な層を生じさせるために役立つ。前記多層干渉顔料を含有する組成物がその上に適用されて、非常に強いメークアップ結果を与える色効果を生じさせるために役立つ。
【0284】
以下の記載は、本発明の他の実施態様に関する。
【0285】
固体化粧品
前記化粧品の被覆率の測定
前記化粧品の組成物を融解して共に混合し、次いで、被覆率を、単独の組成物について上述したように測定する。
【0286】
ペースト状の化合物
媒体は、例えば、
- ポリマー又は非ポリマーシリコーン化合物;
- ポリマー又は非ポリマーフッ化化合物;
- ビニルポリマー及び特に:
- オレフィンのホモポリマー
- オレフィンのコポリマー
- 水素化ジエンのホモポリマー及びコポリマー
- 好ましくはC8-C30アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートのホモ又はコポリマー直鎖又は分枝オリゴマー;
- C8-C30アルキル基を有するビニルエステルのホモ及びコポリマーオリゴマー;
- C8-C30アルキル基を有するビニルエーテルのホモ及びコポリマーオリゴマー;
- 1つ以上のC2-C100ジオール、好ましくはC2-C50ジオールの間のポリエーテル化による脂溶性ポリエーテル
- エステル;及び
-それらの混合物
から選択されるペースト状化合物を含んで良い。
【0287】
前記ペースト状化合物は、ポリマー、特に炭化水素である。
【0288】
ペースト状シリコーン及び/又はフッ化化合物
ペースト状シリコーン及び/又はフッ化化合物の例は、SHIN-ETSU社製の商品名X22-1088で製造されているポリメチルトリフルオロプロピルメチルアルキルジメチルシロキサンである。
【0289】
前記ペースト状化合物がシリコーン及び/又はフッ化ポリマーである際は、前記組成物は、有利には、イソデシルネオペンタノエートのような短鎖エステルのような親和剤(compatibility agent)を含む。
【0290】
ポリエーテルペースト状化合物
脂溶性ポリエーテルの中でも、特に好ましいものは、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドのC6-C30長鎖アルキレンオキシドとのコポリマーが挙げられ、更に好ましくは、前記コポリマー中のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドのアルキレンオキシドに対する重量比が5:95から70:30の範囲である。この種類では、長鎖アルキレンオキシドが1000から10,000の範囲の平均分子量を有するブロックに処理したコポリマー、例えば、ポリオキシエチレン及びポリドデシルグリコールのブロックコポリマー、例えば、Akzo Zobel社製の商品名ELFACOS ST9で市販されているドデカンジオールエーテル(22mol)とポリエチレングリコール(45OE)とのブロックコポリマーが特に挙げられる。
【0291】
これらのエステルの内、以下のもの:
- オリゴマーグリコールのエステル、特に、ジグリセロールのエステル、特にグリセロールの幾つかのヒドロキシル基がステアリン酸、カプリン酸、ステアリン酸及びイソステアリン酸、並びに12-ヒドロキシステアリン酸のような脂肪酸の混合物と反応させられている、アジピン酸及びグリセロールの重縮合物、特にSasol社によって商品名Softisan 649として市販されているもの;
- Alzo社によって商品名Waxenol 801で市販されているアラキジルプロピオネート;
- フィトステロースエステル
- 二塩基酸又はC4-C50直鎖又は分枝のポリカルボン酸とC2-C50ジオール又はポリオールとの間の重縮合による非架橋ポリエステル;
- 脂肪族ヒドロキシカルボン酸エステルの脂肪族カルボン酸によるエステル化による脂肪族エステルエステル;
及びそれらの混合物
が特に好ましい。
【0292】
前記脂肪族カルボン酸は、4から30、好ましくは8から30の炭素原子を含む。好ましくは、へキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、エチル-2へキサン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘキシルデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、イソステアリン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、イソアラキジン酸、オクチルドデカン酸、ヘンエイコサン酸、ドコサン酸、及びこれらの混合物から選択される。
【0293】
前記脂肪族カルボン酸は、好ましくは分枝状である。
【0294】
前記ヒドロキシ脂肪族カルボン酸エステルは、有利には、2から40炭素原子、好ましくは10から34炭素原子、良好には12から28炭素原子を有し、1から20ヒドロキシル基、好ましくは1から10ヒドロキシル基、良好には1から6ヒドロキシル基を有するヒドロキシル化脂肪族カルボン酸に由来する。前記ヒドロキシ脂肪族カルボン酸エステルは、
a)飽和の直鎖モノヒドロキシル化脂肪族モノカルボン酸の部分的又は完全なエステル;
b)不飽和モノヒドロキシル化脂肪族モノカルボン酸の部分的又は完全なエステル;
c)飽和モノヒドロキシル化脂肪族ポリカルボン酸の部分的又は完全なエステル;
d)飽和ポリヒドロキシル化脂肪族ポリカルボン酸の部分的又は完全なエステル;
e)モノ又はポリヒドロキシル化脂肪族モノカルボン酸又はポリカルボン酸と反応させたC2-C16脂肪族ポリオールの部分的又は完全なエステル;及び
それらの混合物
から選択される。
【0295】
前記脂肪族エステルエステルは、有利には、
- 1:1(1/1)の割合における、水素化ヒマシ油のイソステアリン酸とのエステル化反応に由来するエステル、又は水素化ヒマシ油モノイソステアレート;
- 1:2(1/2)の割合における、水素化ヒマシ油のイソステアリン酸とのエステル化反応に由来するエステル、又は水素化ヒマシ油ジイソステアレート;
- 1:3(1/3)の割合における、水素化ヒマシ油のイソステアリン酸とのエステル化反応に由来するエステル、又は水素化ヒマシ油トリイソステアレート;及び
- それらの混合物
から選択される。
【0296】
植物期限のペースト状化合物のうち、VEVY社によって商品名Lanolideで市販されているダイズステロール及びオキシプロピレン(5OP)オキシエチレン(5OE)ペンタエリスリトールの混合物を選択することが好ましい。
【0297】
前記ペースト状化合物は、好ましくは、前記固体化粧品の各組成物の重量に対して、1重量%から99重量%、好ましくは1重量%から60重量%、良好には2重量%から30重量%、更に良好には5重量%から15重量%を占める。
【0298】
特に、前記ペースト状化合物は、0.25から0.75、特に0.3から0.6の範囲にあるペースト状化合物とエステルとの間の重量比における化粧品組成物と関連して適切な上述したようなエステルである。
【0299】
本発明の化粧品組成物は、連続する脂肪相を示して良く、全重量に対して5%未満の水、特に1%未満の水を含有して良い。
【0300】
脂肪相
各組成物、特に唇に対する適用のための前記化粧品は、少なくとも1つの脂肪相、特に環境温度(25℃)及び大気圧で液体の少なくとも1つの脂肪、及び/又は環境温度及び大気圧で固体の1つの脂肪、例えばワックス、ガム、及びそれらの混合物を含んで良い。
【0301】
前記脂肪相は、有機的性質の油及び/又は親油性の有機溶媒をゲル化及び構造化するための薬剤を含有しても良い。
【0302】
液体脂肪として、本発明の組成物の脂肪相は、少なくとも1つの揮発又は不揮発油、又はそれらの混合物を含んで良い。
【0303】
用語「揮発油」は、皮膚に接触して1時間未満で環境温度及び大気圧で蒸発しやすい任意の油を意味して本発明で使用される。本発明の揮発油は、環境温度及び大気圧で0ではない蒸気圧、特に1.01ミリメートル水銀(mmHg)から300mmHg(1.33パスカル(Pa)から40,000Pa)、好ましくは0.3mmHg(30Pa)を超える蒸気圧を有する、環境温度で液体の美容用揮発油である。
【0304】
用語「不揮発油」は、特に0.01mmHg(1.33Pa)未満の蒸気圧を有する、少なくとも数時間、環境温度及び大気圧で皮膚の上で維持される油を意味して使用される。
【0305】
これらの揮発又は不揮発油は、炭化水素油、特に植物起源のもの、シリコーン油、又はそれらの混合物であって良い。用語「炭化水素油」は、おそらく酸素原子、窒素原子、硫黄原子、及び/又はリン原子とともに、主に炭素原子及び水素原子を含有する油を意味して使用される。
【0306】
前記揮発性炭化水素油は、8から16の炭素原子を有する炭化水素油、特にC8-C16の分枝アルカン、例えば、石油起源のC8-C16イソアルカン(イソパラフィンとしても知られている)、例えば、イソドデカン(2,2,4,4,6-ペンタメチルヘプタンとしても知られている)、イソデカン、イソヘキサデカン、及び例えばIsopars(登録商標)又はPermetyls(登録商標)という商品名で市販されている油、C8-C16の分枝エステル、例えば、イソヘキシルネオペンタノエート、及びそれらの混合物から選択されて良い。他の揮発性炭化水素油、例えば、石油蒸留物、特にShell社によってShell Solt(登録商標)という商品名で市販されているものが使用されても良い。
【0307】
揮発油として、揮発シリコーン、例えば、揮発性直鎖又は環式シリコーン油、特に8センチストーク(8×10-6m2/s)以下の粘度を有し、特に2から7のケイ素原子を有するものを使用しても良く、これらのシリコーンは、1から10炭素原子を有するアルキル又はアルコキシ基を任意に含む。本発明の使用のために適切な揮発性シリコーン油として、特に、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロテトラシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、及びそれらの混合物を挙げて良い。
【0308】
前記揮発油は、組成物の全重量に対して0.1重量%から98重量%、特に1重量%から65重量%、さらにとりわけ2重量%から50重量%の範囲の濃度で本発明の組成物に存在して良い。
【0309】
前記不揮発油は、特に、適当な場合にフッ素化された、炭化水素油、及び/又は不揮発性シリコーン油から選択されて良い。
【0310】
不揮発性炭化水素油として、以下のもの:
- 動物起源の炭化水素油;
- 植物起源の炭化水素油、例えば、脂肪酸エステル及びグリセロールからなるトリグリセリドであって、前記脂肪酸がC8からC24の範囲の各種の鎖長を有して良く、前記鎖が直鎖若しくは分枝の、飽和若しくは不飽和のものであって良い;これらの油は、特に、以下の油:麦芽油、ヒマワリ油、グレープシード油、ゴマ油、コーン油、アプリコット油、ヒマシ油、カリテ油、アボカド油、オリーブ油、ダイズ油、スイートアーモンド油、パーム油、セイヨウアブラナ油、綿実油、ヘーゼルナッツ油、マカダミア油、ホホバ油、アルファルファ油、ケシ油、北海道かぼちゃ油、ゴマ油、セイヨウカボチャ油、菜種油、黒スグリ油、マツヨイグサ油、キビ油、オオムギ油、キノア油、ライムギ油、ベニバナ油、キャンドルナッツ油、パッションフルーツ油、マスカットローズツリー(muscat rose tree)油、シアバター、カライト油、又はStearineries Dubois社によって市販されているもの又はDynamic Nobel社によってMiglyol 810(登録商標)、812(登録商標)、及び818(登録商標)という商品名で市販されているもののようなカプリル及びカプリン酸のトリグリセリドである;
- 10から40の炭素原子を有する合成エーテル;
- ワセリン、ポリデカン、水素化ポリイソブテン、例えばパーリーム、スクアレン、及びその混合物のような、鉱物又は合成起源の直鎖又は分枝状炭化水素;
- 式R1COOR2(式中、R1は1から40の炭素原子を有する直鎖又は分枝の脂肪酸の基を表わし、R2は炭化水素鎖、特にR1+R2が10以上という条件で1から40炭素原子を含有する分枝状の鎖を表わす)を有する油のような合成エステル、例えば、ピュアセリン油(セトステアリルオクタノエート)、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、C12からC15アルコールのベンゾエート、ヘキシルラウレート、ジイソプロピルアジペート、イソノニルイソノナノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、イソステアリルイソステアレート、ヘプタノエート、オクタノエート、デカノエート、又はアルコール又はポリアルコールのリシノレート、例えばプロピレングリコールジオクタノエート;ヒドロキシルエステル、例えば、イソステアリルラクテート、ジイソステアリルマレート;ポリオールエステル、及びペンタエリスリトールエステル;
- 分枝状であり及び/又は不飽和の12から26炭素原子の炭素鎖を有する、環境温度で液体の脂肪アルコール、例えば、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレインアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノール、及び2-ウンデシルペンタデカノール;及び
- 高級脂肪酸、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、及びそれらの混合物
が特に挙げられて良い。
【0311】
本発明の化粧品の組成物において使用可能な不揮発性のシリコーン油は、不揮発性のポリジメチルシロキサン(PDSM)、ペンダント及び/又はシリコーン鎖の末端に、2から24の炭素原子を有するアルキル又はアルコキシ基を含むポリジメチルシロキサン、フェニルシリコーン、例えば、フェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、及び2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート、及びそれらの混合物であって良い。
【0312】
前記不揮発油は、前記組成物の全重量に対して0.01重量%から90重量%、特に0.1重量%から85重量%、さらにとりわけ1重量%から70重量%の範囲の濃度で本発明の化粧品の組成物に存在して良い。
【0313】
前記油は、各組成物の全重量の0%から99%、好ましくは0.05%から60%、良好には1%から35%を占めて良い。
【0314】
前記油は、650グラム/モル(g/mol)から10,000g/molの範囲、好ましくは750g/molから7500g/molの範囲の分子量を有して良い。
【0315】
ある実施態様では、各組成物は、650g/molから10,000g/molの範囲、好ましくは750g/molから7500g/molの範囲の分子量を有する油を、少なくとも70重量%で含む油相を有する。有利には、前記油相は、650g/molから10,000g/mol、好ましくは750g/molから7500g/molの範囲の分子量の油を80重量%より多く、好ましくは85重量%より多く有する。
【0316】
高分子量の油は、親油性ポリマー:
- 35から70の範囲の総数の炭素原子を有する直鎖脂肪酸のエステル;
- ヒドロキシル化エステル;
- 芳香族エステル;
- 脂肪アルコールエステル又はC24-C28分枝状脂肪酸;
- シリコーン油;
- 植物起源の油;及び
- それらの混合物
から選択されて良い。
【0317】
高分子量の油は、ポリブチレン;水素化ポリイソブチレン;ポリデセン;水素化ポリデセン;ビニルピロリドン(PVP)のコポリマー、例えば、PVPとヘキサデセンのコポリマー;ペンタエリスリチルテトラペラルゴネート;2-ポリグリセロールトリイソステアレート;トリデシルトリメリテート;トリイソアラキジルシトレート;ペンタエリスリチルテトライソノナノエート;グリセリルトリイソステアレート;ペンタエリスリチルテトライソステアレート;グリセリルトリ2-デシルテトラデカノエート;ペンタエリスリチルテトラ2-デシルテトラデカノエート;フェニルシリコーン;ゴマ油;及びそれらの混合物から選択されて良い。
【0318】
各組成物は、環境温度及び大気圧で固体である脂肪物質を含んでも良く、例えば、ワックス、ガム、及びそれらの混合物から選択される。前記固体の脂肪物質は、前記脂肪相の全重量に対して、0.01重量%から50重量%、特に0.1重量%から40重量%、さらにとりわけ0.2重量%から30重量%を占めて良い。
【0319】
ワックス及びガム
各組成物は、少なくとも1つのワックスを含有して良い。
【0320】
用語「ワックス」は、状態の可逆的な固体/液体変化を有し、30℃を超え且つ200℃程高い可能性がある融点を示し、0.5MPaを超える硬度であって、固体状態において異方性結晶組織を示す、環境温度(25℃)で固体の親油性脂肪化合物を意味して使用される。その融点までワックスを加熱することによって、油と混和性にすることが可能であり、微視的に均一な混合物を形成することが可能であるが、その混合物の温度を環境温度まで戻すと、前記ワックスが混合物の油中で再結晶する。
【0321】
特にスティック形態において組成物を構造化するために適切なワックスは、環境温度で固体の化合物であり、それらは炭化水素、フッ素化されたもの、及び/又はシリコーンワックス、及び植物起源、鉱物起源、動物起源、及び/又は合成起源のものであって良い。特に、それらは、40℃より高い、良好には45℃より高い融点を示す。
【0322】
使用されて良いワックスは、特に化粧品の分野において一般的に使用されているものを含み、それらは、特に、ミツロウのような天然起源のもの;カルナウバワックス;カンデリラワックス;オーリクーリー(ouricoury)ワックス;日本ロウ;コルク繊維又はサトウキビワックス;ライスワックス;モンタンワックス;パラフィン;リグナイト又はマイクロクリスタリンワックス;セレジン(cerezin)又はオゾケライト;水素化油、例えばホホバ油;合成ワックス、例えばエチレンの重合又は共重合によって得られるポリエチレンワックス、及びFischer-Tropschワックス;又はオクタコサニルステアレートのような脂肪酸エステル;40℃、良好には45℃におけるグリセリド凝結物;シリコーンワックス、例えば、アルキル又はアルコキシ鎖が10から45の炭素原子を有するアルキル又はアルコキシジメチコン;エステル鎖が少なくとも10の炭素原子を有する40℃で固体のポリ(ジ)メチルシロキサンのエステル;及びそれらの混合物である。
【0323】
本発明で使用可能なガムは、一般的には、油に可溶性な形態で提供され、前記ポリマーは環境温度で固体であり、前記樹脂は環境温度で液体又は固体であって良い。
【0324】
用語「ガム」は、50,000から1,000,000の平均分子量を有する、環境温度で固体のポリマーの形態である脂肪物質を意図して使用される。ガムは、シリコーン油タイプの有機溶媒中の分散物の形態として多くの場合に市販されている。
【0325】
ガム又はワックスの性質及び量は、所望の質感及び機械特性に応じたものである。目安としては、前記ワックスは、前記化粧品の各組成物の全重量の0.01%から50%、好ましくは2%から40%、良好には5%から30%を占めて良い。
【0326】
特に、前記ワックスは、水中ワックス型のエマルションの形態で存在して良い。
【0327】
前記ワックスは、前記組成物の全重量に対して、0.01重量%から50重量%、特に0.1重量%から30重量%、さらにとりわけ0.2重量%から20重量%の範囲の量で各組成物に存在して良い。
【0328】
調製
各組成物は、化粧品又は皮膚科学において従来使用されている調製方法を用いて得られて良い。
【0329】
前記化粧品は、押出成型、圧縮成型、又は成型して、スティックを形成するか、又はカップに成型して良い。前記化粧品の組成物は、共に押出成型されて良い。
【0330】
とりわけ、前記化粧品は、唇に適用する化粧品、例えば、リップグロス、口紅、リップクリーム、ブラッシャー、ファンデーション、アイライナー、アイシャドウ、メークアップベース、身体又は毛髪をメークアップするための化粧品を構成して良い。
【0331】
包装及び適用方法
例えば、図1はスティックの全長に亘って伸びている2つのブロックA及びBを有するスティックSを示す。
【0332】
各ブロックA又はBは、例えば、スティックの半分を占め、2つのブロックは、例えば、スティックの直径に合わせられる。
【0333】
前記スティックSは、包装、及び例えばスティックを少なくとも部分的に図2に示されるように受ける本体C、及び前記本体Cに対してスティックを動かす働きをする駆動機構Mを含むディスペンサー器具に包装されて良い。
【0334】
前記包装及びディスペンサー器具は、スティック及び駆動機構Mを包装するために適合する任意のタイプのものであって良く、例えば、回転し得るノブを下端に含む。
【0335】
前記2つのブロックA及びBは、任意に、スティック内で等しい割合であって良い。
【0336】
前記ブロックの1つは、図3に示すように、他のブロックによって覆われても良い。
【0337】
前記ブロックA及びBの各々は、スティック内の色と、ケラチン物質に適用後の色との間の色の差ΔEを示して良い。
【0338】
前記ブロックA及びBの1つのみがこの特性を示す必要があり、他のブロックはこと特性を示さなくても良い。
【0339】
前記2つのブロックA及びBは、任意に、前記スティック内で実質的に同じ色、例えば白色であって良い。
【0340】
適当な場合には、前記スティックは、2つより多くのブロックを有して良く、例えば、図4に示すように3つのブロックを有して良い。前記第三のブロックEは、任意に、そのバルクにおけるスティック内の色と、ケラチン物質に適用後の色との間の色の差を示して良い。
【0341】
前記スティックは、各種のブロックを形成する組成物を共に押出成型、成型、又は圧縮成型することによって製造されて良い。
【0342】
図5の例のように、前記化粧品は、カップに成型又は圧縮成型された2つのブロックA及びBを含む。
【0343】
示されない変形例では、組成物のブロックは、クレヨンを形成するように覆いの中に含まれる。
【0344】
各ブロックA又はBは、化粧品の幅全体に従って一定の断面であって良い。変形例では、前記ブロックの1つが、少なくとも、前記化粧品の長さに従って変化する断面を示して良い。
【0345】
前記ブロックの1つが、円形の断面を示して良い。
【0346】
図6の縦方向断面によって示されるように、縦断面では、前記ブロックの1つが、1つの縦方向の末端に広がっている丸められた形状を示し、他のブロックも反対方向に広がっている丸められた形状を示す。
【0347】
前記メークアップは、例えば、適用するのに前記組成物を混合せずに適用して良い。
【0348】
例えば、前記スティックは、異なる色を有する少なくとも2つの着色された跡を残すように平行移動されて良く、各々の跡が組成物の1つのブロックの堆積に対応する。
【0349】
前記ブロックの組成物を生じるか、又は適用中に重ね合わせるように適用が実施されても良い。
【0350】
組成物のブロックがカップに含有される変形例では、前記組成物の各々を、例えばアプリケーター又は指で取って良い。
【0351】
(実施例)
含量は、重量%で記載する。
【0352】
(実施例10)
口紅
【0353】
【表13】

【0354】
【表14】

【0355】
前記2つの組成物は、適用して異なる色を生じる2つのブロックを形成するように共に押出成型されている。
【0356】
例えば、赤色の第一の組成物はスティックの中央を占め、一方で、青色の第二の組成物はその周囲を占めて、2つのブロックが同心性である。適用すると、青色の縞の間の中央に紫色が現れる。
【0357】
当然ながら、本発明は上述の実施例に限らない。用語「含む」は、用語「少なくとも含む」と同義であり、「の範囲の」は、範囲の上限及び下限を含むものとして理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0358】
【図1】図1はスティックの全長に亘って伸びている2つのブロックA及びBを有するスティックSを示す。
【図2】図2は、スティックを少なくとも部分的に受ける本体C、及び前記本体Cに対してスティックを動かす働きをする駆動機構Mを含むディスペンサー器具を示す。
【図3】図3は、ブロックの1つが、他のブロックによって覆われても良いことを示す。
【図4】図4は、3つのブロックを有して良いことを示す。
【図5】図5は、カップに成型又は圧縮成型された2つのブロックA及びBを示す。
【図6】図6は、ブロックの1つが、1つの縦方向の末端に広がっている丸められた形状を示し、他のブロックも反対方向に広がっている丸められた形状を示す縦断面を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
適用時に5以上の色の変化ΔEを組成物に与える量で、少なくとも1つの多層干渉顔料を化粧品として許容される水性媒体中に含む、25、良好には30以上の被覆率の化粧品組成物。
【請求項2】
適用時に5以上の色の変化ΔEを組成物に与える量で、少なくとも1つの多層干渉顔料を化粧品として許容される無水媒体中に含む、25、良好には30以上の被覆率の化粧品組成物。
【請求項3】
バルクの色が白色である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
バルクにおいて40以上の白色指数を有する、請求項13に記載の組成物。
【請求項5】
バルクにおいて40以上の白色指数で、白色を組成物に与えるために適切な少なくとも1つの多層干渉顔料を、化粧品として許容される媒体中に含む化粧品組成物であって、前記多層干渉顔料の全量が、非パウダー組成物については7重量%から20重量%、良好には8重量%から15重量%の範囲であり、パウダー組成物については40重量から95重量%であり、良好には40重量%から80重量%の範囲である、化粧品組成物。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物をケラチン物質に適用する工程を含む、ケラチン物質のメークアップ方法。
【請求項7】
- 請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物;及び
- ケラチン物質に適用後の組成物の色について使用者に知らせるために役立つ手段
を含む包装。
【請求項8】
-少なくとも1つの第一の多層干渉顔料を化粧品として許容される媒体に含有する、第一の化粧品組成物の第一のブロック;
-前記第一の多層干渉顔料とは異なる、少なくとも1つの第二の多層干渉顔料を化粧品として許容される媒体に含有する、第二の化粧品組成物の第二のブロック
を少なくとも含む、特にスティック形態の固体化粧品であって、前記第一及び第二の組成物の少なくとも1つが、バルクにおける第一の色及びケラチン物質への適用後の第二の色を示すために適切なものであり、前記第一及び第二の色が、2、良好には5以上のΔEの差によって異なる、固体化粧品。
【請求項9】
請求項8に記載の化粧品の少なくとも第一及び第二の組成物をケラチン物質に適用する工程を含む、ケラチン物質をメークアップする方法。
【請求項10】
- 請求項9に記載の化粧品;及び
- 少なくとも部分的に前記化粧品が収容される中空体
を含む、包装及びディスペンサー器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−127389(P2008−127389A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−298511(P2007−298511)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】