説明

被覆印刷基板

好ましくは、オフセットまたはインクジェット印刷用の被覆印刷基板は、水乳化接着剤と、炭酸カルシウムまたは硫酸カルシウムと、粉末又は微細砂の粒子寸法の粒子材料及び水から構成されるコーティングからなる。適切な製造方法により、低コストの工業レベルで製造できる製品を得ることができ、それは、絵画やフレスコ画のような写真や芸術作品の視覚及び触覚を与え、同時に高品質印刷を可能にするので、この種の芸術作品の複製に特に適する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙、ボール紙等からできた印刷に適した被覆基板に関する。
【0002】
本発明 被覆基板に適したフォーム印刷を行う方法及びその使用にも関する。
【背景技術】
【0003】
印刷機用の紙部門で、よい印刷のための基板特性を与えるための、又は特定の美的効果を得るための成分と厚さのコーティングを有する多くのタイプの被覆紙が知られており、多くの特許がこれに関して提出されてきた。
【0004】
例えば、それらは写真印刷用、及び特に、後に金属化される製品のために、特定の装飾効果を得るために望まれる基板に独特な輝度及び平坦性を与えるコーティングを備える既知の印刷基板である。例えば、特許文献米国特許第5,334,449号明細書、独国特許出願公告第1、233、248号明細書、米国特許第3,113,888号明細書は、特に、上記引用特性を有する印刷基板について記載する。
【0005】
別タイプの印刷基板は一様でない色などの表面視覚効果を有する。このタイプの基板、又はそれらの製造プロセスは、例えば欧州特許第1,439,263号明細書と欧州特許第1,239,077号明細書に記載される。
【0006】
独特の視覚効果を与えるコーティングを備える紙基板の中で、それらは、例えば、キャンバスの横糸又は粒状性、およびフレスコ画のマット外観を再生する表面硬化を有するので、絵画や壁画の再生に特に適した製品がある。
【0007】
それにも拘らず、インクジェットプロセスまたはオフセットプロセスなどの最も一般的な印刷プロセスを介して、印刷されるのに適した既知の基板は絵画、及び/又は壁画の視覚及び触覚感覚を全て略生成することができるので、高品質の芸術作品の再生を非常に簡単かつ費用効果的方法で印刷することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,334,449号明細書
【特許文献2】独国特許出願公告第1,233,248号明細書
【特許文献3】米国特許第3,113,888号明細書
【特許文献4】欧州特許第1,439,263号明細書
【特許文献5】欧州特許第1,239,077号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、絵画及び/又はフレスコ画の視覚的及び触覚的特性の再生に適した視覚的及び触覚的表面特性を有する被覆印刷基板を提案することである。
【0010】
本発明の更なる目的は、絵画印刷、フレスコ画又は写真再生用の低コスト被覆印刷基板を提案することである。
【0011】
本発明の別の目的は、コーティングの塗布が費用効果的な、かつ容易な被覆印刷基板を提案することである。
【0012】
本発明の別の目的は、絵画、フレスコ画又は写真再生の印刷に特に適した被覆印刷基板製造方法を提案することである。
【0013】
本発明の別の目的は、コーティングを破壊することなく、殆ど曲げることができない、かつ同時に壁画に類似した感触と一致する、印刷可能なコーティングを有する紙を提案することである。
【0014】
上記目的は少なくとも一面上に40〜400μの厚さを有するコーティングを有する印刷基板により達成される。
【0015】
それは、5〜40重量%の水乳化接着剤と、10〜60重量%のカルシウム塩と、1〜40重量%の平均粒子寸法20〜50μの粒状材料と、および20〜50重量%の水と、からなる混合物により形成される。
【0016】
コーティングの一致性は、印刷基板に絵画または壁画において独特な視角と触覚の特性を与え、及びそれらは混合物構成から容易に主張できるように、低コストで、工業レベルで作ることができる。
【0017】
特に、粒状材料は印刷基板に、絵画または壁画の一致の再生に適した特定の平坦性と粗度を与える。
【0018】
このコーティングは大きな機械的強度を有し、主に基板が紙キャンバスまたは他の多孔質材料でできている場合、コーティングは基板へ恒久的に付着する。
【0019】
上で規定したような印刷基板も、色の非常に良好な付着、及び色と分解能に関して高い印刷品質を示す。
【0020】
有利なことに、基板は絵であり、コーティングにおいて、カルシウム塩は炭化カルシウムおよび/または硫酸カルシウムであり、粒状材料はケイ酸質材料及び/又は炭酸カルシウム質材料であり、好ましくは、主として二酸化ケイ素から構成され、接着剤はアクリル樹脂である。
【0021】
炭酸カルシウムおよび二酸化ケイ素の使用は、それらが大きな拡散と低コストの物質であるので、印刷基板の低コスト化を可能にする。
【0022】
本発明の基板の好適実施例において、重量で、接着剤は20〜50重量%、カルシウム塩は5〜40重量%の、粒状材料は5〜40重量%、水は20〜50重量%である。
【0023】
上記範囲により、基板は、コーティングの弾性と機械的強度、および色の恒久固定能力に関して、最高の特性を確保する。
【0024】
コーティングを形成する混合物は、好ましくは、1.1〜2g/cmの密度を有する。
【0025】
有利なことに、コーティング表面上に、10〜500μの深さを有するテクスチャが得られる。
【0026】
上記特性は、オリジナルにできるだけ類似した絵画、フレスコ画、または写真の再生を印刷するために、印刷基板の特徴を強調するのに適する。
【0027】
上記目的は以下のステップを含む被覆印刷基板を作る方法によっても達成される。
【0028】
・5〜70重量%の水乳化接着剤、1〜60重量%のカルシウム塩、1〜60重量%の平均粒子寸法20〜1000μの粒状材料、及び10〜60重量%の水、からなる混合物の、25〜1000μの厚さを有する層を前記基板表面上へ塗布するステップと、
・前記混合物層を備える前記基板を柔軟な非平滑ローラを通すステップと、
・前記基板へ付着するコーティングが得られるまで、前記層を乾燥させるステップ。
【0029】
好ましくは、上記方法は、紙ウェッブの巻き戻し機、紙ウェッブ上へ混合物を塗布する機械、1つ以上の乾燥室、及び巻き取り機を含み、紙ウェッブへ混合物を塗布する段階と第一乾燥段階との間に、それらを複数のプレスローラ対を通過させることで、紙ウェッブ上に混合物をプレスする段階がある、紙ウェッブ上へ薄膜を塗布するプラントにおいて実施される。
【0030】
有利なことに、連続する2つのプレスローラ対の間で、被覆印刷基板は、乾燥プロセスを加速させるために、混合物表面に向かう空気ジェット下を通過する。
【0031】
なお有利なことに、混合物側のプレスローラは、開放及び/又は閉止セルを備えるポリウレタンから作られる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明のこれら及び他の特徴は、限定例としてではなく、同封図面を参照して、本発明の好適実施例に関する以下の記載からより容易に理解されるようになる。
【0033】
【図1】本発明による被覆印刷基板の製造用プラントの概略側面図である。
【図2】図1のプラントのいくつかの構成要素の概略図である。
【図3】本発明による被覆印刷基板の一部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
被覆基板、特にインクジェット又はオフセットプリンタでの印刷に適した被覆紙を得るための本発明の好適実施例を以下に記載する。
【0035】
本発明による被覆印刷基板を製造する一般的方法によると、それが含む粒状粒子が、それが基板上に拡散される場合、混合物の均質性を認めるのに十分長い時間、懸濁状態にとどまるように、1.5g/cmの密度を有する本発明による混合物が作られる。
【0036】
ある場合は、長期保存のため、混合物はその中の水を少量にして貯蔵することができ、使用直前にそれを希釈することができる。
【0037】
好ましくは、80〜450g/mの範囲の印刷紙であるが、特別な場合、ボール紙、キャンバス、木材または他の材料でもよく、混合物は、均等な厚さが得られるように、例えばローラ、パッド、ブレード等を使用する機械により、またはスプレ装置によっても塗布される。
【0038】
混合物が塗布された直後、基板は、コーティングの基板への接着を改善するのに適し、かつ主として前記接触手段が作られる材料により、及び混合物の成分と粘度によるランダムパターンの生成を促進するのにも役立つ。例えば、特定の実施例で、柔軟な非円滑ローラ、好ましくは、スポンジが混合物の表面を平坦にして、その深さとパターンがローラ表面のパターンにより、その弾性及び混合物との一致により、テクスチャを生成するために、混合物表面上を通過する。代わって、もし混合物が基板上へ噴霧されるならば、混合物が既に適当な粗さを有するので、スポンジローラは回避することができる。
【0039】
基板は、次に制御下の湿度の空気環境中で乾燥され、約5分後インクジェット又はオフセットプリンタでの印刷に適し、かつ絵画、フレスコ画又は写真などの芸術作品を再生させるのに適した被覆基板が得られる。
【0040】
実際、柔軟ローラによるパターンとコーティングの一致は、被覆基板に描かれたキャンバスまたは壁画へ視覚及び触覚の両観点で非常な類似性を与える。
【0041】
被覆表面の特定円滑性を得るため、被覆基板は、主に粒状材料から作られ、高円滑表面を生成しない表面のクレストを機械加工するのに適した特定ローラを通して実施される円滑プロセスを受けることができる。
【0042】
更に、従来の透明仕上げを輝度改良のために、被覆基板へ適用することができる。
【0043】
本発明による被覆印刷基板を実現する異なる特定方法を図1と図2を参照して、ここに記載し、それは色を保ち、良好な印刷性(主にオフセット及びインクジェットプリンタにより)及び紙からコーティングの潜行、または剥離の危険のない良好な接着性を保つすぐれた能力を有する製品を作るために利用され、白壁の特殊な感触と美的外観との一致を有する。この種の製品は、画像印刷に役立ち、そのため視覚と触覚の両観点の下に、たとえ紙の容易さで処理され、保存され及び取り扱われることができるシート紙上へ印刷される場合でも、白壁上に直接行われるようである。例えば、フレスコ画、写真または有名な壁画の再生品を実際寸法及び縮尺の両方で印刷することができ、それは、白壁上になされる画像の視覚と触覚の側面であるかを示すのに適したサンプルを作るためにも利用することができる。
【0044】
上記特性を備える製品は、紙または他の素材である基板上へプラスチックフィルム又は素材を接着するプラントに非常に類似したレイアウトを有するプラントで実現することができる。事実、本発明による被覆印刷基板を生成するプラントは、巻き戻し機10、ブレード型混合物塗布機20、1セットのプレスローラ対30、乾燥室40、および巻き取り機50からなる。
【0045】
紙材料101(図3参照)の紙ウェッブBは、巻き戻し機10へ装着され、基板の片面へコーティング102(図3参照)が塗布される。
【0046】
ウェッブから巻き戻される紙材料は混合物塗布機10へ供給され、ここでウェッブは円筒部材21の周りを回転し、混合物供給記22は、本発明による流体混合物を紙基板101の上面上へ塗布し、次にウェッブが円筒部材21の周辺を離れる点で、ブレード23は紙材101の表面上にとどまる流体混合物の量を調節する。基板上にとどまる流体混合物の量は非常に多い。実際、従来の被覆紙の製造で、基板上へ塗布される製品の量は、30g/m以下であるが、本発明の方法で、紙基板上にとどまる流体混合物の量は、120〜350g/mの範囲で変動する。次に、片面上に流体混合物を備える紙ウェッブは、基板上に流体混合物をプレスする1セットのプレスローラ対30を通過し、これによりそれはランダムパターンの接着と生成を促進する。実際、混合物の粘度とローラ表面は、2つの表面簡に接着力を発生させ、(混合物の成分、その粘度、ローラ表面の材料、およびローラ表面の形態の関数として変動する力)これにより表面移動がランダムな三次元パターンを生成するコーティングに起こる。上記効果は、混合物の粘度が低い一方、それが混合物が凝固する間は減少する場合、第1対のプレスローラでより大きい。各対のプレスローラ30は、概ね円滑は下ローラ31、ポリウレタン等からできた所望表面効果(表面粗度)の種類による閉止または開放セルを備える上ローラ32から構成される。それが紙上へ正しい圧力を与えるように、それが適切な紙接着係数とその材料の弾性を有するので、ポリウレタンの使用は非常に適している。1対のローラと続くローラ対との間には、乾燥を促進するため、流体混合物表面へ向かって圧縮空気ジェットの放射に適した、空気ノズル34を備える空気導入ダクト33が設置される。混合物表面に向かって放射される空気の圧力、温度及び湿度は、最良の乾燥条件を得るように適切に制御される。続いて、紙ウェッブは1組の乾燥室40を通過し、ここで制御された湿度と温度で、それは乾燥を終了する。一旦乾燥室40を出ると、紙ウェッブは巻き取り機50により巻き取られる。
【0047】
紙基板上へコーティングを塗布する従来プラントに関して、本発明による被覆印刷紙の製造用プラントはコーティングが正しく乾燥することができるように、相当低いウェッブ供給速度を有する。事実、従来の紙コーティングプラントは50〜600m/minの間のウェッブ供給速度を有するのに対して、本発明のプラントは4〜20m/minの速度を有する。
【0048】
図3で、本発明による乾燥済み混合物からできた紙材料101とコーティング層102のシートからなる、本発明による被覆印刷紙100の一部を示す。通常、製品100の紙の片面は概ね円滑である一方、コーティング側102はより大きい粗度を有し、ランダムパターンを特徴とし、それは典型的な白壁の視角と触覚の側面を有する。それは上記側面を有するが、本発明による製品100は、印刷紙の利点、特にその厚さ、コーティング内に裂けることのない曲げ性及びインクを凝固させる能力を保持する。
【0049】
以下に、本発明の単なる限定ではない例であると意図する被覆基板の例を詳細に記載する。
【0050】
例1:水インク又は樹脂性インクを使用するインクジェットプリンタ用の印刷基板
【0051】
例1:水インク又は樹脂製インクを使用したインクジェットプリンタ用の印刷基板。
重さ150g/mの紙基板上に、以下により構成される混合物の約250μの層を塗布する。
【0052】
・35重量%のアクリル樹脂
・28重量%の炭酸カルシウム
・6重量%の平均粒子寸法40ミクロンの石英粉末
・31重量%の水
・顔料としての微量の2酸化チタン
・微量の湿潤及び/又は流動化添加物
【0053】
乾燥前に、混合物は厚さ約100μのパターンを得るために、スポンジローラを通過する。
【0054】
例1:溶剤インクを使用するインクジェットプリンタ用の印刷基板
【0055】
250g/mの紙基板上に、以下により構成される混合物からなる約300μの層を塗布する。
【0056】
・40重量%のアクリル樹脂
・20重量%の炭酸カルシウム
・10重量%の平均粒子寸法100μの石英粉末
・30重量%の水
・顔料としての微量の二酸化チタン
・微量の湿潤及び/又は流動化添加物
【0057】
混合物の乾燥前に、150μの厚さのパターンを得るためのスポンジローラを通過する。
【0058】
平滑化プロセスはコーティングがたとえ見かけ上不規則でも触ると平滑なように実施される。
【0059】
当業者に明らかなように、上記のような混合物は被覆紙を製造する既知技術では使用されずに、それらは白壁物質または壁塗料の成分に類似する。実際、例えば、上記例で使用される接着剤は、壁塗料で使用されるアクリル樹脂である。アクリル樹脂も紙コーティングで使用されるが、本発明の紙製品に関して、非常に異なる使用目的を有する紙製品におけるものではない。ビニル及び/又は多目的樹脂も使用され、丁度、アクリル樹脂のように、それらは、オフセットまたはインクジェット印刷用の被覆紙を作るためには、通常使用しない。さらに、従来の被覆紙で使用されるカルシウム塩(主として炭酸カルシウム)は、粉末化を回避し、印刷インクの凝固における問題を防止するため、非常に僅かな量しか使用されず、上記例では20重量%を超え、壁塗料及び白壁物質の典型的値である40%へ到達し、それらは最終製品へこの最終製品との一致性を与える。石英粉末でもオフセットまたはインクジェット印刷紙用のコーティングには、通常使用されない一方、それは屋外壁塗料では、非常に一般的なものである。塗料では一般的なものである炭酸カルシウムや石英粉末のような物質の使用は、本発明の製品に、白壁との一致性と美的側面を与え、従って、本発明の製品上に印刷される画像は壁に直接なされるようである。壁塗料との上記類似性にもかかわらず、本発明のコーティングの他の成分とそれらの比率は、紙基板への良好な付着と良好な印刷特性を得るために非常に重要であり、それらは従って、製品が意図する印刷とインクの種類の関数である。
【0060】
確かに、上記例に関して、多くの変更が被覆基板製造プロセスとコーティングを形成する混合物成分の両方に対して実施することができる。
【0061】
例えば、水乳化接着剤は、ビニル、多目的ビニル、シロサニック樹脂、ケイ酸素ナトリウムまたは類似特性を有する他の製品でもよい。
【0062】
炭酸カルシウムは非常に安価で、かつ良好な性能を保証するが、硫酸カルシウムまたは両方の混合物など、異なるカルシウム塩も使用できる。
【0063】
粒子材料は、それがコーティングに適切な一致性を与えるような、粒子寸法を備える二酸化シリコンから主として構成される。例の石英粉末であるが、採掘及び合成の両方の如何なる粒子材料も使用できる。
【0064】
更なる構成要素をごく少量、混合物へ添加することができる。上記例で、二酸化チタンがコーティングの色を得るために添加されるが、明らかに、如何なるタイプの顔料も加えることができ、多糖類又は張力活性物質などの湿潤と流動性を改良する添加物を加えることができる。
【0065】
以下の特許請求範囲により規定される保護範囲になおとどまる、これらと、他の変更または修正を本発明又は関連する製造法による被覆印刷基板へ適用できる。
【符号の説明】
【0066】
10:巻き戻し機
20:ブレード型混合物塗布機
21:円筒部材
22:混合物供給機
23:ブレード
30:プレスローラ
31:下ローラ
32:上ローラ
33:空気導入ダクト
34:ノズル
40:乾燥室
50:巻き取り機
100:製品
101:紙材料
102:コーティング面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板が、少なくとも1つの表面上にコーティングを有する被覆印刷基板であって、前記コーティングは25〜400μの厚さを有し、
5〜40重量%の水乳化接着剤と、
10〜60重量%のカルシウム塩と、
20〜150μの範囲の平均粒子寸法を有する、1〜40重量%の粒状材料と、及び、
20〜40重量%の水と、
からなる混合物により形成されることを特徴とする被覆印刷基板。
【請求項2】
前記カルシウム塩は炭酸カルシウムおよび/または硫酸カルシウムであることを特徴とする、請求項1に記載の被覆印刷基板。
【請求項3】
前記粒状材料は、主として二酸化ケイ素から構成される、珪質材料及び/又は石灰質材料であることを特徴とする、請求項1または2に記載の被覆印刷基板。
【請求項4】
補助接着剤は、アクリル樹脂であることを特徴とする、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の被覆印刷基板。
【請求項5】
前記基板は80〜300g/mの範囲の重量を備える印刷紙であることを特徴とする、請求項1〜4のうちいずれか一項のうちいずれか一項に記載の被覆印刷基板。
【請求項6】
前記混合物において、前記接着剤は、5〜20重量%のビニル及び/又は多目的樹脂であり、前記カルシウム塩は15〜40重量%の炭酸カルシウムであり、前記粒状材料は30〜150μの平均粒子寸法を有し、量は5〜40重量%であり、及び、水は20〜60重量%であることを特徴とする、請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の被覆印刷基板。
【請求項7】
前記混合物は1.1〜2g/cmの密度を有することを特徴とする、請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の被覆印刷基板。
【請求項8】
前記コーティング表面上で、10〜500μの間の厚さを有するパターンが実現されることを特徴とする、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の被覆印刷基板。
【請求項9】
前記被覆基板はオフセットまたはインクジェットプリンタでの印刷に適した被覆紙であり、それは白壁の特徴である視覚的及び触覚的特性を有することを特徴とする、請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の被覆印刷基板。
【請求項10】
5〜40重量%の水乳化接着剤と、10〜60重量%のカルシウム塩と、20〜150μの平均粒子寸法を有する、1〜40重量%の粒状材料と、及び、20〜40重量%の水と、からなる、厚さ25〜400μの混合物を有する層を前記基板表面上に塗布するステップと、
前記混合物層を備える前記基板を、柔軟な非平坦ローラを通過させるステップと、
前記基板に付着するコーティングが得られるまで、前記層を乾燥させるステップと、
からなることを特徴とする被覆印刷基板の製造方法。
【請求項11】
紙ウェッブから作られる基板上で、以下のステップ、即ち、量において、
5〜40重量%の水乳化接着剤と、
10〜40重量%のカルシウム塩と、
30〜150μの平均粒子寸法を有する5〜40重量%の粒状材料と、および
20〜40重量%の水と、からなる流体混合物(102)の層を、前記紙ウェッブの片面上へ塗布するステップと、
−ランダムパターンの付着と生成を促進するために、前記流体混合物(102)を備える前記紙ウェッブ(101)を、前記紙基板上の流体混合物をプレスするプレスローラ対(30)を通過させるステップと、
−前記紙ウェッブを、制御された温度と湿度の1つ以上の乾燥室を通過させるステップと、
が実施されることを特徴とする、請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記流体混合物の片面上のプレスローラ(32)は、開放及び/又は閉止セルを備えるポリウレタンから作られることを特徴とする、請求項1〜11のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
1対のプレスローラ(30)と続く対との間に、圧縮空気のジェットが、乾燥を促進するために前記流体混合物の表面に向かって放射されることを特徴とする、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記圧縮空気は制御された圧力、温度及び/又は湿度にあることを特徴とする、請求項1〜13のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記流体混合物において、前記水乳化接着剤はビニル及び/又は多目的樹脂であり、前記カルシウム塩は炭酸カルシウムであることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
紙ウェッブ上に前記混合物を塗布する前記ステップにおいて、50〜350g/mの量の混合物が塗布されることを特徴とする、請求項10〜15のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記乾燥ステップの後、前記コーティングを平滑する1つ以上のステップが実施されることを特徴とする、請求項10〜16のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
紙ウェッブの巻き戻し機(10)と、前記紙ウェッブの片面上に流体混合物を塗布するブレード型混合物塗布機(20)と、乾燥室(40)、及び得られる製品を巻く巻き戻し機(50)と、からなる被覆印刷紙の製造プラントであって、それは、前記混合物塗布機(20)と前記乾燥室(40)の間に、片面に前記混合物を有する紙ウェッブが通過するプレスローラ対(30)を含むことを特徴とするプラント。
【請求項19】
前記混合物の片面上のプレスローラ(32)の外周が、開放及び/又は閉止セルを備えるプリウレタンから作られることを特徴とする、請求項1〜18のうちいずれか一項に記載の被覆紙の製造プラント。
【請求項20】
1対のプレスローラ(30)と続く対との間に、乾燥を促進するために、前記流体混合物表面に向かって圧縮空気のジェットを放射するのに適した空気ノズル(34)を備える空気導入ダクト(33)が設置されることを特徴とする、請求項18又は19に記載の被覆紙の製造プラント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−501155(P2013−501155A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522302(P2012−522302)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【国際出願番号】PCT/IB2010/053365
【国際公開番号】WO2011/013049
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(512016102)
【Fターム(参考)】