説明

被覆次亜塩素酸カルシウム組成物

本発明は、少なくとも1種の水和又は無水の塩からなる被覆物で被覆された水処理組成物に関する。本発明は、また、(a)次亜塩素酸カルシウムからなる内部コア層;(b)内部コア層の上に位置する選択された塩の1又はそれ以上の中間層;及び(c)中間層の上に位置する選択された塩の1又はそれ以上の外層からなる水処理組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取扱い、貯蔵及び輸送において低い反応性を有する被覆次亜塩素酸カルシウム組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、1又はそれ以上の水和又は無水の塩により被覆された次亜塩素酸カルシウム組成物に関する。また、本発明は、清澄剤、スケール防止剤、分散剤、軟水化剤、腐食防止剤、殺藻剤、殺菌剤、凝集剤、結合剤として少なくとも1種又はこれらの混合物の活性水処理成分でさらに被覆された次亜塩素酸カルシウム組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
水和次亜塩素酸カルシウムは、輸送又は貯蔵の目的には“危険物”とするディビジョン5.1酸化剤として分類されている。強力な酸化剤として、水和次亜塩素酸カルシウムは、可燃物の燃焼強さ及び燃焼速度を激しく増大させる。このように、水和次亜塩素酸カルシウムの存在での可燃物の燃焼は、極めて激しいものになることがある。国際的に認められた標準、すなわち、国際連合のプロトコル:危険物の輸送:テストマニュアル及び基準、セクション34;ディビジョン5.1の酸化性物質に関する分類手順、試験法及び基準により定められた“ディビジョン5.1酸化剤”として分類されない水和次亜塩素酸カルシウム含有製品を製造するための努力が多くなされてきた。
【0003】
酸化剤を分類するもう一つのシステムは、米国防火協会(NFPA)により提供されている。NFPA430、液体状及び固体状酸化剤の貯蔵に関するコード(2004年版)において、容易に酸素又は他の酸化性ガスを発生し、又は、容易に反応して可燃物の燃焼を起こさせ又は促進させ、異物混入又は熱を受けて、激しい自立性の分解を受けることが可能なあらゆる物質を酸化剤として定義している。さらに、酸化剤は、可燃物の燃焼速度を増加させる程度により、以下のように分けられる。
【0004】
クラス1:接触した可燃物の燃焼速度を穏やかにも増加させない酸化剤。
クラス2:接触した可燃物の燃焼速度を穏やかに増加させる酸化剤。
クラス3:接触した可燃物の燃焼速度を激しく増加させる酸化剤。
クラス4:異物混入又は熱又は物理的衝撃を受けたことにより爆発的な反応を起こすことが可能で、接触した可燃物の燃焼速度を激しく増加させる酸化剤。
【0005】
次亜塩素酸カルシウムは、NFPAの分類法によれば、クラス3の酸化剤である。
【0006】
最近では、米国特許第6,638,446号は、水和次亜塩素酸カルシウムと硫酸マグネシウム7水和物との混合物からなる非ディビジョン5.1次亜塩素酸カルシウムを記載している。この発明において、混合物全重量あたり70部の68%次亜塩素酸カルシウムと、30部の硫酸マグネシウム7水和物とからなる混合物で、少なくとも17%の全水分と47%の有効塩素を含む混合物を、市販品として、非ディビジョン5.1酸化剤として分類している。同様に、欧州特許第1464617A2号は、米国特許第6,638,446号に記載されたのと同様の、水和次亜塩素酸カルシウムと硫酸マグネシウム7水和物との組成を有するタブレット状非ディビジョン5.1酸化剤を開示している。これらの特許は、混合物の反応性を減じたことを論じているけれども、米国特許第6,638,446号も欧州特許第1464617A2号も、被覆された次亜塩素酸カルシウム組成物を記載していない。
【0007】
次亜塩素酸カルシウムと可燃物との接触を妨げ、次亜塩素酸カルシウムの反応性及び燃焼性を減ずるために、活性水和次亜塩素酸カルシウムを不活性水溶性物質で被覆又は包むやり方は知られている。その方法を幾つかの特許が記載し、水和次亜塩素酸カルシウムを種々の低反応性のための被覆材料で被覆した又は包んだ組成物を記載している。しかしながら、これらの組成物の貯蔵安定性、反応性、燃焼性のような化学的及び物理的性質、ディビジョン5.1酸化剤の分類は、十分には分かっていない。
【0008】
たとえば、米国特許第3,953,354号に開示された組成物は、粒子の重量で、混合物あたり約5〜約60%の次亜塩素酸カルシウム2水和物と、約0.1〜約15%のNaClやCaClのような水溶性で不活性な無機塩とからなる被覆物質で、コアの水和次亜塩素酸カルシウムを包んだカプセル化された次亜塩素酸カルシウム組成物を開示している。このカプセル化粒状製品は、微粉化及び固形化に耐性であるものとして要求されていた。100℃で2時間行われた貯蔵試験は、極めて高い温度と非常に短い時間のために真の貯蔵安定性を示していなかった。自立分解性の潜在力は、火のついたマッチでタバコを燃して着火することにより試験をしたが、試料が可燃物の燃焼速度を増加するかどうかについて測定する試験は行っていなかった。
【0009】
米国特許第4,146,676号及び第4,048,351号は、粒状水和次亜塩素酸カルシウムを、カプセル化次亜塩素酸カルシウムの全重量の約4〜46%の硫酸アルミニウム水和物のような低融点の無機塩でもって被覆するカプセル化又は被覆方法を開示している。貯蔵安定に関するデータを提供し、試料のいくつかを、部分加熱(すなわち、火のついたタバコで)又は化学品の異物混入(すなわち、グリセリン)により分解され易さについて評価した。しかしながら、試料が可燃物質の燃焼速度を増加させるかどうかを測定する試験は行っていなかった。被覆組成物のいずれもディビジョン−5.1燃焼試験プロトコルによる試験を行っていなかった。あるいは、被覆組成物が可燃物の燃焼速度を増加するかどうかが分かるように試験又は評価されていなかった。
【0010】
米国特許第4,201,756号及び第4,174,411号に開示された組成物は、無機塩の複数層で被覆された次亜塩素酸カルシウムを示し、その無機塩は、周期律表の第I族であるアルカリ金属(ナトリウム、カリウム、リチウム、ルビジウム、セシウム又はフランシウム)の塩化物、塩素酸塩、硝酸塩、臭化物、臭素酸塩、又は硫酸塩である。塩の層は、取り扱い中の粉化及び劣化に耐えることが求められている物理的障壁を形成し、マッチの火又は可燃性の有機物質に触れたときの発火性及び自立的分解を減ずる。しかしながら、これらの要求を裏付けるデータは殆どなく、これらの組成物いずれもが非ディビジョン5.1酸化剤であるかどうか、又は可燃物の燃焼速度を増加させるかどうかを示すデータもない。
【0011】
米国第4,276,349号は、次亜塩素酸カルシウムのコアを高い割合の水溶性無機塩と次亜塩素酸カルシウムとの混合物を含む複数の囲む層でカプセル状にする、次亜塩素酸カルシウムをカプセル化する方法を記載している。当業における方法から作られた組成物のいずれも、特に、ディビジョン−5.1酸化剤分類法により、貯蔵安定性及び燃焼性について特性付けも試験もなされていなかった。
【0012】
さらに、最近では、米国特許出願第2003/0038277号及びPCT出願WO/03/014013A2号は、高分子アルカリ塩と次亜塩素酸カルシウムからなる混合された又は被覆された次亜塩素酸カルシウムの方法及び組成物を記載している。その特許に開示された組成物は、ブレーキオイル試験による非可燃性のような改良された環境安定性を示している。しかしながら、有効塩素と水分を含む、当業で試験された組成物は、知られておらず、特定もされていなかった。これら組成物のいずれもディビジョン5.1燃焼試験プロトコルにより試験されておらず、これらの要求を裏付けるデータは存在しない。
【0013】
上記の先行技術文献における活性次亜塩素酸カルシウムを不活性水溶性無機塩で被覆する又は包む考えは、次亜塩素酸カルシウムと可燃物との接触を減らして、反応性及び燃焼性を抑えることであった。外層として無機塩の被覆を有する粒子は、火付きタバコによる発火、又は有機物質に接したときに起こる反応に対する抵抗の度合いが高い。しかしながら、発火試験は、上記酸化剤分類試験、及び既に発火が始まった後、可燃物の燃焼速度の増加を評価するNFPA分類システムとは原則的に全く異なる。前者は、マッチの火に触れたときの発火阻止の度合い試験であり、一方、UNの酸化剤分類試験は、製品と可燃性セルロースとを特定の容積比で完全に混合したときに、可燃性セルロースの燃焼速度又は燃焼の強さを増加させる潜在能力を測定するものである。発火試験には殆ど又は全く燃料が存在しないから、可燃性材料の燃焼速度を増加する酸化性又は能力を試験していない。多くの物質は、発火試験を通過するであろうが、ディビジョン5.1酸化剤として分類されることになる。
【0014】
米国特許第4,201,756号に記載された実施例の一つでは、組成物の全重量の約21%の塩化ナトリウムで包まれた次亜塩素酸カルシウムは、マッチの火に触れたとき物質の発火を防いだが、自立的分解を生じなかった。反対に、同じ重量組成の次亜塩素酸カルシウムと塩化ナトリウムとの混合物は、米国特許第6,638,446号に示されているように、実際に燃焼を促進した。
【0015】
それゆえ、先行技術におけるいかなる組成物も非ディビジョン5.1酸化剤として、又はNFPAのクラス1又はクラス2酸化剤として分類できるかどうかを予測するのは難しい。実際、非ディビジョン5.1、NFPAクラス1又はNFPAクラス2の、被覆粒状次亜塩素酸カルシウムは、市場又は文献の上でどちらにも見られない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、当業において、ディビジョン5.1酸化剤、又はNFPAクラス3酸化剤として分類されない、また、安全性の高められた(すなわち、火の発生の少ない)性質を持つ高い有効塩素量の次亜塩素酸カルシウムを生産する需要が増してきている。それゆえ、本発明は、この需要に対する解決策を提供することにより、特に、優れた貯蔵安定性を示すディビジョン5.1酸化剤又はNFPAクラス3でない、高い有効塩素を有し、水処理のためのさらなる効果を有する被覆次亜塩素酸カルシウム組成物を開示するものである。この被覆次亜塩素酸カルシウム組成物は、輸送及び貯蔵にとって危険物として認識されず、より大きな公共の安全を確保することになろう。
【0017】
さらに、本発明の被覆次亜塩素酸カルシウム組成物は、非ディビジョン5.1酸化剤又はNFPAクラス3酸化剤ではないが、相当する水処理及び清澄用混合物に比べてより高い有効塩素、より低い反応性及び多機能的な利点を持つ組成物を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、一面において、水和又は無水の塩で被覆された次亜塩素酸カルシウムからなる水処理組成物に関する。その組成物は、組成物の全重量に基づいて約20重量%〜約80重量%の有効塩素を含有し、組成物の全重量に基づいて約1重量%〜約50重量%の水和水を含有し、被覆は、組成物の全重量に基づいて約1%〜約80重量%を構成し、組成物は、非ディビジョン5.1酸化剤として又はNFPAクラス1又はNFPAクラス2酸化剤として分類される。
【0019】
本発明は、別の面において、(a)次亜塩素酸カルシウムからなる内部コア層;(b)内部コア層の上に位置する1又はそれ以上の中間層、この中間層は、1又はそれ以上の水和又は無水の無機塩、水和又は無水の有機塩、水和又は無水の高分子塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類水酸化物、及びこれらの組合せを含み、中間層は、組成物全重量の約1%〜約80重量%を構成し;(c)中間層の上に位置する少なくとも1種の水和又は無水の塩を含む1又はそれ以上の外層からなり、この外層は、組成物の全重量の約1%〜約35重量%を含み、この組成物は、組成物の全重量に基づいて約20重量%〜約80重量%の有効塩素を含有し、組成物は、組成物の全重量に基づいて約1%〜約50重量%の水和水を含有し、組成物は、非ディビジョン5.1酸化剤として又はNFPAクラス1又はNFPAクラス2酸化剤として分類される、水処理組成物に関する。
【0020】
本発明の上記面及び他の面は、以下の発明の詳細な説明を読めば明らかとなろう。
【0021】
本発明は、取扱い、貯蔵及び輸送において低い反応性で、プール、浴場、水及び他の工業用及び娯楽設備用水用の用途における微生物の処理のための改良された粒状被覆次亜塩素酸カルシウム組成物を提供する。本発明の被覆次亜塩素酸カルシウム組成物は、安定な非ディビジョン5.1酸化剤を与えるのに十分な量の1又はそれ以上の水和塩で被覆される。好ましい水和無機塩は、その乾燥に対して約45℃で少なくとも1日、比較的安定しているアルカリ金属及びアルカリ土類金属の、ハライド塩、硫酸塩、燐酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩である。好ましい有機塩及び高分子塩は、有機酸及び高分子酸のアルカリ金属塩、及びそれらの比較的安定な水和物である。
【0022】
本発明の一つの面は、粒状の次亜塩素酸カルシウムのコアを1又はそれ以上の水和塩で被覆してなる多層被覆次亜塩素酸カルシウム組成物である。この多層被覆組成物は、1)水和又は無水の次亜塩素酸カルシウム又はその混合物を含む内部コア層;2)1又はそれ以上の水和塩又はその混合物を含む1又はそれ以上の外層;及び3)アルカリ金属又はアルカリ土類金属いずれかの水酸化物、無機塩、有機塩又は高分子塩を、水和又は無水の塩のような形で、又はその混合物を含む1又はそれ以上の中間層からなる。これらの塩被覆物は、次亜塩素酸カルシウムと外層の水和塩含有物質との相互化学反応を妨げ、ひいては、次亜塩素酸カルシウムの劣化を妨げる。
【0023】
本発明の別の面は、高い有効塩素を含み、優れた貯蔵安定性、及び水その他の処理のための多機能用途を有する非ディビジョン5.1の被覆酸化剤組成物を製造することである。被覆された次亜塩素酸カルシウム組成物は、輸送及び貯蔵について危険なものとは認められず、より大きな公共の安全性をもたらすものである。
【0024】
本発明のさらなる面は、多層組成物の外層又は内層のいずれか一方、又は単層被覆組成物が水及び他の処理領域において均質性、制御配送性及び多機能の効果を達成するために、清澄剤、スケール防止剤、分散剤、軟水化剤、腐食防止剤、殺藻剤、殺菌剤又は結合剤を含む組成物を製造することである。
【0025】
好ましい多層被覆次亜塩素酸カルシウム組成物は、グリコール、セルロース、オイル、ブレーキ液及び高分子材料のような活性物質に対して反応性及び燃焼速度を減ずるよう水和水の全含有量及び有効塩素を得るために特定の無水又は水和塩を使用することができる。
【0026】
本発明の被覆次亜塩素酸カルシウム組成物は、被覆組成物全重量の、好ましくは、約20〜約80%の有効塩素及び約1〜約80%の被覆物質、及び約1〜約50%の水和水を含む。
【0027】
さらに、本発明の被覆次亜塩素酸カルシウム組成物は、非ディビジョン5.1酸化剤でない均質組成物を提供できるが、これに相当する水処理及び他の用途のための混合物に比べてより高い有効塩素及び多機能の利点を有する。
【0028】
本明細書及び特許請求の範囲で使用する用語“水和塩”は、水和された無機塩、有機塩、高分子塩及び無機塩基又はこれらの混合物として定義される。この文脈で使用される用語“水和された”は、1又はそれ以上の水和水、水和水の混合物などを含むような塩又は塩基などを意味する。
【0029】
本明細書及び特許請求の範囲において次亜塩素酸カルシウムと関連して使用される用語“水和された”は、次亜塩素酸カルシウムの少なくとも5重量%の水分量を有する次亜塩素酸カルシウムをいう。好ましくは、これらの組成物は、市販の“水和”(水5.5%〜16%)次亜塩素酸カルシウム、CASナンバー7778−54−3である。
【0030】
本明細書及び特許請求の範囲において、塩と関連して使用される用語“無水の”は、水和されていない無機塩、有機塩、高分子塩又は無機塩基、又はこれらの混合物であることを意味する。同用語は、次亜塩素酸カルシウムに関連して使用されるとき、次亜塩素酸カルシウムの5重量%よりも少ない水分量を有する次亜塩素酸カルシウムをいう。
【0031】
本発明に従えば、外層として水和又は無水の塩で被覆された次亜塩素酸カルシウム粒子は、火のついたタバコによる着火に対する抵抗性が増加し、次亜塩素酸亜カルシウムにより発生する燃焼速度を減じ、有機物質に触れたときに生じる反応を最小にすることとなる。
【0032】
さらに、本発明に従い、単層又は多層両方の被覆粒状次亜塩素酸カルシウム組成物を提供し、この組成物は、非ディビジョン5.1酸化剤として分類できる。ここで、本明細書及び特許請求の範囲で使用される“非ディビジョン5.1酸化剤組成物”という用語は、水和又は無水の無機塩、有機塩、高分子塩、塩基又はその水和物、及びこれらの混合物で被覆された次亜塩素酸カルシウム粒子の組成物を言い、現在有効な標準の試験手順によるUNディビジョン5.1酸化剤として分類されない。また、本発明の組成物は、NFPAクラス1又はクラス2酸化剤のどちらかに分類することができる。
【0033】
さらに、現行のUNの酸化剤分類試験を実施して、次亜塩素酸カルシウム製品及び可燃性セルロースが容積で1:1及び4:1の比で完全に混合したとき、次亜塩素酸カルシウムの、可燃性セルロースの燃焼速度及び燃焼強さを増す潜在能力を測定することができる。さらに、パッケージとして使用し得るペイル及びパウチのような、可燃物と接触する製品について燃焼試験を行って、次亜塩素酸カルシウム製品の、可燃物の燃焼速度を増す潜在能力を測定することもできる。
【0034】
次亜塩素酸カルシウム組成物の水分量が多いほど、安定でなくなることは通常知られている。それゆえ、高い有効塩素量を有する比較的安定な被覆次亜塩素酸カルシウム組成物を提供するために、被覆物質の適切かつバランスのとれた水和水分量を考慮しなければならない。
【0035】
本発明の被覆物質は、“不活性”かつ“水溶性”の水和及び無水の無機塩、有機塩、高分子塩、及び任意の“活性成分”を含む。ここで、“不活性”という用語は、激しい分解を起こし、より高い反応性を示す次亜塩素酸カルシウムに対して殆ど化学反応性がないことを意味し、“水和”という用語は、好ましくは、20%を超える水和水分量を含む水和塩を指す。“水溶性”という用語は、塩が水に約5〜約100%溶ける場合に使用する。“活性成分”という用語は、次亜塩素酸カルシウムと共存し得る既知の水処理化学物質をいう。また、本発明における“水和物”は、無機塩、有機塩、高分子塩の混合物、及びアルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物、及びこれらの混合物を含む。
【0036】
本発明の組成物は、好ましくは、水和又は無水の塩の1又はそれ以上の被覆物を含む次亜塩素酸カルシウムの粒状の被覆物を含む。本発明の内部コア層における次亜塩素酸カルシウム粒状物は、典型的には、約54%〜約80%の有効塩素、約0%〜約12%の水分を有し、粒子の大きさは、直径が約50〜約4000ミクロンの範囲にある。内部コア層の典型的な次亜塩素酸カルシウム粒子は、無水の、水和次亜塩素酸カルシウム又はこれらの混合物を含む。
【0037】
本発明の単一被覆次亜塩素酸カルシウム組成物は、ここに挙げられた任意の成分ばかりでなく、塩の1又はそれ以上の水和又は無水の形を含む単一の被覆層からなる。
【0038】
本発明の典型的な例は、硫酸ナトリウム、メタホウ酸リチウム、炭酸ナトリウム、オルト燐酸ナトリウム、オルト燐酸一水素ナトリウム、燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、メタケイ酸ナトリウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸亜鉛、硫酸銅、及びクエン酸ナトリウム、ポリ(アクリル酸−マレイン酸)ナトリウム塩のような20%を超える水和水量を含む高水和水を形成することが知られている塩である。これらの塩は、水溶液を被覆状態で噴霧乾燥したとき、高い水和水含有量を有する水和塩を形成するものと思われる。
【0039】
本発明の好ましい一つの態様によると、被覆物質は、水清澄剤、スケール防止剤、軟水化剤、腐食防止剤、殺藻剤、殺菌剤、結合剤、又はこれらの混合物のような、プール、浴場及び水処理用の追加の活性成分を任意に含むことができる。このような成分は、他の成分も含めて、当業者に知られている。特に、本発明における活性成分は、硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、クエン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、トリポリ燐酸ナトリウム(STPP)、ヘキサメタ燐酸ナトリウム(SHMP)、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(DCDMH)、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(DBDMH)、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(BCDMH)、1,3−ジクロロ−5−エチル−5−メチルヒダントイン(DCEMH)、1,3−ジブロモ−5−エチル−5−メチルヒダントイン(DBEMH)、1−ブロモ−3−クロロ−5−メチル−5−エチルヒダントイン(BCEMH)、トリクロロ−、ジクロロ−及びモノクロロトリアジン、ジクロロ−s−トリアジントリオン二塩化ナトリウム、これらの水和物、及びこれらの混合物のような、既知の機能性を有する活性成分を含む。これらの活性成分の量は、好ましくは、被覆組成物の全重量に基づいて約0.1〜約5重量%の範囲にある。
【0040】
本発明における好ましい被覆次亜塩素酸カルシウム組成物の被覆物質の全含有量は、被覆次亜塩素酸カルシウム組成物全重量に基づいて約1〜約80重量%であり、粒状次亜塩素酸カルシウムの全有効塩素は、約20%〜約80%である。被覆粒状次亜塩素酸カルシウムの全水分の含有量は、被覆次亜塩素酸カルシウム組成物の全重量に基づいて約1%〜約50%である。被覆物質の水和水の好ましい量は、被覆物質の15%、好ましくは、20重量%より多い。
【0041】
本発明における多層被覆次亜塩素酸カルシウム組成物は、図1に示されたような、1)無水の又は水和された次亜塩素酸カルシウム粒子を含む内部コア層;2)次亜塩素酸カルシウムと外層中の被覆物質との境界面での相互作用を防ぐ層として、無水の無機塩、有機塩、高分子塩、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩基又はその安定な水和物、又はこれらの混合物を含む中間層;3)水溶性の無水及び水和無機塩、有機塩又は高分子塩、活性水処理化学品、又はこれらの混合物を含む外層の少なくとも3層からなる。
【0042】
本発明の外層における被覆物質は、単層被覆次亜塩素酸カルシウムにおいて、被覆物質のための上記無水塩又は水和塩の少なくとも1つを含む。好ましい水和塩は、水に溶かしたとき、高い割合で水和水を含む水和物であり、その後、被覆状態で乾燥する。
【0043】
さらに好ましくは、本発明によると、外層における好ましい水和塩は、熱伝導性が低く、被覆時に最大の水和水重量を生じ、約200℃よりも低い温度で水和水の全部又は殆どを脱水するものである。これらの塩は、最も可能性の高い有効塩素を有する非ディビジョン5.1の多層被覆次亜塩素酸カルシウムを生成するものと思われる。
【0044】
多くの無機塩及びその水和物は、知られており、入手可能であり、本発明において、粒状の次亜塩素酸カルシウムを被覆する被覆溶液を製造するのに選ばれる。本発明における典型的な例は、単層被覆次亜塩素酸カルシウムのための被覆物質として記載されている高水和水を得ることが知られている塩である。
【0045】
外層被覆用の水溶液を作製するために、水和又は無水の塩のいかなる組合せも用いることができる。水和塩は、また、被覆溶液として相当する酸で相当する酸化物からその場で作製される。たとえば、20%硫酸マグネシウム水溶液は、室温で適当な量の水の中で約1:1モル比の酸化マグネシウムと硫酸から作製することができる。
【0046】
被覆溶液中の塩の濃度は、塩の溶解度及び被覆方法のための粘度、及び被覆物質中の含有量に応じて変わり、コストをより考慮すると高い濃度を用いることが好ましい。どの塩を選択するかは、当業者に知られている。
【0047】
本発明の最も好ましい態様において、外層被覆のための水溶液を生成するのに使用する無機塩及びその水和物は、硫酸マグネシウム、燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウム、硫酸銅、これらの塩の水和物、及びこれらの混合物を含む。そのような塩又はその水和物の水溶液は、被覆すると、被覆条件によって固体の水和物又は水和物の混合物を生じる。
【0048】
たとえば、溶液を硫酸マグネシウムから作るときには、硫酸マグネシウムの7水和物のような硫酸マグネシウムの水和形となり、酸化マグネシウムと硫酸から作るときには、異なる被覆条件の下で、3〜7の水和数の硫酸マグネシウム水和物となる。平均水和数が3〜4の硫酸マグネシウム4水和物を有する被覆粒状次亜塩素酸カルシウム組成物は、より大きい水和数の水和物に比べてより良い貯蔵安定性を与える。
【0049】
本発明による被覆次亜塩素酸カルシウム組成物の外層は、また、無水及び/又は水和のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の有機塩又は高分子塩を含む。有機塩及び高分子塩の例は、クエン酸、安息香酸、シュウ酸、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリ(アクリル酸−マレイン酸)、ポリエポキシ琥珀酸のナトリウム塩、及びその安定な水和物を含む。高分子塩は、一般的に、無水及び/又は水和無機塩とともに被覆物質の一部である。高分子塩の含有量は、全被覆物質の約0.5〜約15重量%である。
【0050】
本発明の好ましい態様における外層中の被覆物質の全含有量は、被覆次亜塩素酸カルシウム組成物の全重量当り約1〜約35%である。本発明において外層中の被覆物質の全水分量は、被覆物質の15重量%よりも多く、好ましくは20重量%よりも多い。
【0051】
本発明の被覆次亜塩素酸カルシウムの外層は、清澄剤、スケール防止剤、軟水化剤、腐食防止剤、殺藻剤、殺菌剤、結合剤、又はこれらの混合物のような活性成分を含むことができる。好ましい例は、単層被覆粒状次亜塩素酸カルシウムにおいて活性成分として記載された活性成分である。これらの追加活性成分の量は、好ましくは、被覆組成物の全重量に基づいて約0.1〜約5重量%の範囲にある。
【0052】
本発明における中間層の組成物は、無水及び/又は水和無機塩、有機塩及び高分子塩、又はアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、又はこれらの混合物を含む。本発明に記載の中間層におけるアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、及び無水塩、及びその水和物は、次亜塩素酸カルシウムと、貯蔵及び輸送の間の塩素の損失に抵抗する外層中の水和物及び他の成分との表面−表面相互反応から保護する層として用いる。
【0053】
本発明によると、中間層は、典型的には、無水及び/又はほとんど水和されていないアルカリ金属の塩化物、硫酸塩、燐酸塩、ケイ酸塩又はホウ酸塩、及びアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物を含む。好ましい塩及び塩基は、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、水酸化リチウム及び水酸化カルシウムである。中間層の成分は、活性成分でもあり得る。
【0054】
次亜塩素酸カルシウムは、酸の存在で急速に分解する。pH9以上でより安定である。それゆえ、中間層の組成物を酸性側のpH範囲から離しておくことが好ましい。中間層において金属水酸化物を使用することは、被覆次亜塩素酸カルシウムのpHを塩基に保つことになり、次亜塩素酸カルシウムを分解しないように安定化させ、また、貯蔵中に発生する塩素を吸収することになる。好ましい金属水酸化物は、水酸化カルシウムである。
【0055】
中間層における被覆物質の含有量は、被覆次亜塩素酸カルシウム組成物の全重量に基づいて約1〜約80%、好ましくは、約3〜約75%である。多層被覆次亜塩素酸カルシウムの全有効塩素は、被覆次亜塩素酸カルシウム全重量の約20〜約80%であり、全水分量は、約1〜約50%である。単層及び多層被覆次亜塩素酸カルシウムの厚さは、次亜塩素酸カルシウムの粒子径及び被覆のために用いられる被覆物質の量により制御される。典型的には、本発明によると、被覆の厚さは、10〜200μmである。
【0056】
本発明によると、SEM及び成分マップ技術を用いて、被覆の形状、層の均質性を測り、EDSを用いて、被覆の厚さを測定し、XRDを用いて次亜塩素酸カルシウム及び塩の水和形を決定する。
【0057】
被覆次亜塩素酸カルシウムの水分量は、次亜塩素酸カルシウム及び被覆次亜塩素酸カルシウム組成物中の水を測る標準の分析方法により測定できる。好ましい方法は、熱重量分析法(TGA)である。被覆物質の水和形態は、被覆物質の使用重量に対する被覆物質に関わる水分重量に基づいて表わされる。
【0058】
被覆次亜塩素酸カルシウムの有効塩素は、典型的な次亜塩素酸カルシウムの分析に用いられる標準の分析方法により測定される。ただし、その方法が被覆物質により干渉されないことが条件である。
【0059】
本発明における被覆粒状次亜塩素酸カルシウムは、被覆次亜塩素酸カルシウムの重量で、約1〜約50%、好ましくは、約4〜約30%の水和水分量、約20〜約80%、好ましくは、約30%〜約60%の有効塩素を含む。被覆された粒子の粒子径は、直径が、約40〜約5,000μm、好ましくは、約200〜5,000μmの範囲にある。
【0060】
本発明に基づき、被覆粒状次亜塩素酸カルシウム組成物は、相当する混合物を上回る多くの利点を与える。たとえば、約200〜約2000ミクロンの粒子径で68%の有効酸素を有する粒状次亜塩素酸カルシウムが、硫酸マグネシウムの水和物とともに被覆するために塗布されるとき、得られる被覆次亜塩素酸カルシウム組成物は、被覆次亜塩素酸カルシウム全体の約56%の有効塩素、約18%の水和硫酸マグネシウム及び14%より少ない水和水を含む。しかしながら、次亜塩素酸カルシウムを硫酸マグネシウム7水和物と混合して使用すると、次亜塩素酸カルシウム混合物は、混合物の全重量のわずか約47%の有効塩素、約30%の硫酸マグネシウム7水和物及び20.4%以下の水和水分を含むに過ぎない。
【0061】
最も重要なことは、本発明において特別に被覆された次亜塩素酸カルシウムは、より多く有効塩素を含むだけでなく、相当する混合物と比較して高い温度で優れた安定性を持つ。
【0062】
たとえば、組成物全重量あたり、有効塩素が約54%、水和物の大半が硫酸マグネシウム4水和物である硫酸マグネシウムが約21%、及び水和水が約10%である被覆粒状次亜塩素酸カルシウム組成物は、45℃で10日間、20日間及び30日間にわたり優れたオーブン熱安定性を有する非ディビジョン5.1の酸化剤として分類される。しかしながら、次亜塩素酸カルシウムの硫酸マグネシウム7水和物との混合物の最大有効塩素は、有効塩素がわずか47.8%であり、45℃での混合物のオーブン安定性は、その被覆組成物ほど良くなかった。
【0063】
さらに、約47%の有効塩素、約29%の硫酸マグネシウム4水和物、及び約10%の水和水を含み、68%の有効塩素を含む次亜塩素酸カルシウムからの内部コア層に無水次亜塩素酸カルシウムを有する被覆次亜塩素酸カルシウム組成物は、45〜50℃で30日間にわたり有効塩素を殆ど失うことなく優れた安定性を示す。
【0064】
同様に、約56%の有効塩素、約28%の硫酸マグネシウム4水和物、及び約10%の水和水を有し、内部コア層が78%の有効塩素を有する次亜塩素酸カルシウムからの無水次亜塩素酸カルシウムである被覆粒状次亜塩素酸カルシウム組成物について、45〜50℃で30日間にわたり有効塩素の損失が殆どない優れた安定性が見られた。この被覆粒状次亜塩素酸カルシウムは、硫酸マグネシウム7水和物を有する被覆されていない混合物に比べて非常に優れて安定である。
【0065】
さらに、本発明における被覆粒状次亜塩素酸カルシウムは、相当する混合物を超えるもう一つの利点がある。たとえば、68%の有効塩素を含み、粒子径が約200〜約2000ミクロンの粒状次亜塩素酸カルシウムを硫酸マグネシウムの水和物で被覆すると、生成する被覆次亜塩素酸カルシウム粒状物全重量の有効塩素が約52%、水和水分が約9.5%を有する被覆次亜塩素酸カルシウム組成物は、非ディビジョン5.1酸化剤及びNFPA−1酸化剤の両方に分類される。しかしながら、同じ有効塩素及び水和水分を含む次亜塩素酸カルシウムと硫酸マグネシウム水和物との混合物は、非ディビジョン5.1酸化剤でもNFPA−1酸化剤でもない。
【0066】
本発明における被覆次亜塩素酸カルシウム組成物は、典型的には、グラット エア テクノロジーズ社(Glatt Air Technologies,Inc.)のミニグラット(Mini−Glatt)及びGPCG−1、及び、アプライド ケミカル テクノロジー社(Applied Chemical Technology,Inc.)のACT100N及びACT300Nのような噴霧流動床被覆装置により製造される。被覆操作の変数及び条件により、次亜塩素酸カルシウム粒子の表面の最低湿分を持つように、また、水和塩との適切な混合物を得るように特別に制御する。多層被覆は、適切な被覆条件の下に予定の被覆物質を順次供給することにより達成される。被覆は、バッチ法又は連続法のいずれでも行うことができる。さらに、本発明により、被覆水溶液の連続供給を用いて、制御された単層又は多層の被覆粒状次亜塩素酸カルシウム組成物を製造する。
【0067】
有効塩素、被覆物質の水和形態、タイプ及び熱伝導性、水和物の脱水に対する安定性、水和水の総含有量、生じた被覆層のような、被覆次亜塩素酸カルシウム組成物の多くの因子は、グリコール、セルロース、ブレーキオイル、液体高分子物質のような活性物質に対する反応性及び燃焼速度を減少させるのに重要であり、水その他の処理のためにその貯蔵安定性及び能力を改良する。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の被覆粒状次亜塩素酸カルシウム組成物は、水等の処理に使用するために包装、保管、輸送に適している。特に、被覆粒状物は、水処理消毒剤(たとえば、水泳プールや浴場)、工業用水処理等として有用であり、特に、次亜塩素酸カルシウムそれだけに比べて輸送、貯蔵するのにより安全である。
【0069】
本発明によると、被覆次亜塩素酸カルシウムは、無機塩、有機塩及び高分子塩の水和物、清澄剤、スケール防止剤、凝集剤、腐食防止剤、殺藻剤、殺菌剤、及び他のプール、浴場及び水処理添加剤を含む他の添加物と、適当な割合で混合される。
【0070】
最後に、次亜塩素酸カルシウムの形状は、タブレット、ペレット、団子状物を含み、球状、形状不揃いで、どのような大きさもあり、上記の被覆物質で被覆することができ、相当する混合物を上回る利点を与える。
【0071】
本発明によると、被覆技術は、取扱い、貯蔵及び輸送の際の低い反応性及びより良い安定性のために、また、微生物の抑制のために、他のプール、浴場及び水処理用の添加剤を被覆するのに適している。
【0072】
以下の実施例は、さらに本発明の範囲を説明するためであるが、絶対に限定するものではない。特に断りのない限り、すべての割合は、重量に基づき、すべての温度は、摂氏温度である。
【0073】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある好ましい実施態様を説明する。これらの実施例は、単に例示説明の目的で挙げられており、範囲内で多くの変形が可能であるから、本発明を限定するものとして理解すべきでない。
【実施例】
【0074】
一般的手順
水分及び有効塩素の分析は、未被覆次亜塩素酸カルシウムの分析のために用いられる標準の方法用いて行われた。国連プロトコルのセクション34に記載の物質を酸化する燃焼試験法を用いて、下記の種々の被覆次亜塩素酸カルシウム製品の性質を測定した。詳細な試験方法は、危険物の輸送に関する国連指標:試験及び基準マニュアル第3改訂版:セクション34“ディビジョン5.1の酸化性物質に関する分類手順、試験方法及び基準”に記載されている。
【0075】
分類について、非ディビジョン5.1酸化剤は、4:1及び1:1の2つの試料対セルロース比(体積)で、発火、燃焼しない、又はホウ酸カリウムとセルロースの3:7混合物(体積)よりも長い平均燃焼時間を示さない物質であり、ここで、燃焼時間は、パワーを入れたときから、主たる反応(たとえば、炎が出る、白光が出る、又は燃焼が進む)が終わるときまでと考える。
【0076】
パッケージされた調合粒状次亜塩素酸カルシウム、パッケージされた塩、空のパッケージの基準スケール燃焼試験を用いて、46kWのプロパンの火に曝されたとき、パッケージされた粒状製品、パッケージされた塩及び空パッケージの熱放出の対流速度、放射熱線束、質量損失を測定、比較した。結果を用いて、粒状酸化剤の典型的な可燃性パッケージ材料の燃焼速度への貢献度を決定する。
【0077】
下記実施例における被覆次亜塩素酸カルシウムは、典型的には、グラット エア テクノロジーズ社(Glatt Air Technologies,Inc.)のミニグラット(Mini−Glatt)及びGPCG−1、及び、アプライド ケミカル テクノロジー社(Applied Chemical Technology,Inc.)のACT100N及びACT300Nのような噴霧流動床被覆装置により、入口空気温度50〜75℃、製品温度35〜55℃で製造される。多層被覆は、同じか又は異なる入口及び製品温度の条件の下で、被覆物質を逐次供給することにより行われた。被覆物質の送出速度を、有効塩素の損失を最小にするように粒子の湿潤及び乾燥を適切するよう特に制御した。当業で周知の通り、試料はバッチ法により作製されたけれども、試料の作製には連続法のような他の方法を使用することもできる。
【0078】
実施例1:被覆次亜塩素酸カルシウム組成物及び分類
表1は、次亜塩素酸カルシウム、有効塩素及び組成、被覆物質及び水分量、及びディビジョン5.1の分類分けの種別に分けて試料1から10の被覆次亜塩素酸カルシウムをまとめてある。未被覆の出発次亜塩素酸カルシウムの組成は、約68%の有効塩素及び約6.6%の水分量を含んだ。直径200〜2000μmの範囲の典型的な粒子径を有した。表1において、試料1〜9は、有効塩素が68%、粒子径が約200〜2000μmで、水分量が約6.6%の次亜塩素酸カルシウムであり、試料10は、有効塩素が78%、粒子径が約100〜2000μm、水分量が約10.2%であり、被覆に用いられた。成分の割合は、重量百分率である。
【表1】

【0079】
試料5〜8のXRD解析によると、内部コア層の次亜塩素酸カルシウムは、約70%の無水次亜塩素酸カルシウムと約30%の水和次亜塩素酸カルシウムとからなり、未被覆次亜塩素酸カルシウムは、少なくとも70%の次亜塩素酸カルシウム水和形を含み、試料9及び10の内部コア層は、殆どすべて無水次亜塩素酸カルシウムを含んだ。外層の硫酸マグネシウム水和物のXRD解析によると、大半は、4水和物であった。被覆された試料1〜4の水分分析によると、組成物中の硫酸マグネシウムの水和物は、約6の平均水和水を含んだ。
【0080】
表2のデータが示すように、被覆された試料6〜8は、45℃で10日、20日及び30日間にわたるオーブン安定性が未被覆次亜塩素酸カルシウムと同様であった。これは、通常の貯蔵条件で1、2及び3年の貯蔵期間を模していると考えられる。驚いたことに、被覆された試料9及び10は、45℃で30日間にわたって優れた安定性を示した。有効塩素の損失は殆ど見られなかった。
【表2】

【0081】
表3は、試料7とその相当する混合物とを、ディビジョン5.1分類に対する次亜塩素酸カルシウムのタイプ、有効塩素、組成、被覆物質及び水分量を含めて、比較した表である。原料の未被覆次亜塩素酸カルシウムは、69%の有効塩素、約9.2%の水分量を含み、平均粒子径は、直径が200〜2000μmであった。
【表3】

【0082】
表3に示したように、試料7と同等の有効塩素を有する、硫酸マグネシウム7水和塩との混合物試料は、非ディビジョン5.1酸化剤でない。
【0083】
表4は、有効塩素とディビジョン5.1分類についての被覆次亜塩素酸カルシウム対相当する混合物の利点を示す。表4において、試料2及び11は、約68%の有効塩素を含み、粒子径は、約200〜2000μmであった。試料12及び13は、約78%の有効塩素を含み、粒子径は、約100〜2000であった。
【表4】

【0084】
表4における結果は、被覆された非ディビジョン5.1の試料2及び13は、相当する混合されたディビジョン5.1の試料11及び12に比べて、被覆された試料が相当する混合された試料よりも水分量がかなり低い場合でさえも、よりも高い有効塩素量を与えることを示している。
【0085】
表5は、他の被覆物質で被覆した他の試料とそれに相当する混合物とを対比させた燃焼時間の効果を示している。同様の有効塩素で、被覆物質として同じ成分に基づく被覆次亜塩素酸カルシウム組成物について、その相当混合物に比べて水分含有量は少ないけれども、より長い燃焼時間が観察された。表5において、各試料は、次亜塩素酸カルシウムを含み、有効塩素が68%、粒子径が約200〜2000μmで、水分量が約6.6%であった。
【表5】

【0086】
たとえば、硫酸マグネシウム水和物で被覆された試料15は、硫酸マグネシウム7水和物が混合された試料14と比較して、有効塩素が多く、水和水含有量が少なくさえある中で、燃焼時間が19%長い。同様に、燐酸ナトリウム12水和物を有する被覆試料17と混合試料16との比較では、被覆試料17は、34%長い燃焼時間が観察された。
【0087】
さらに、燐酸ナトリウム、硫酸マグネシウム及び硫酸銅の水和物を有する多層被覆試料18、及び燐酸ナトリウムとポリ(アクリル酸−マレイン酸)ナトリウムの水和物を有する試料19は、燐酸ナトリウム12水和物を有する混合試料16と比較すると、30%よりも長い燃焼時間が観察された。
【0088】
被覆試料の性質を調べるために、SEM、EDS及びXRD解析及び成分マップ技術を用いる。
【0089】
図2は、被覆試料3の成分マップ解析を示し、内部コア層に次亜塩素酸カルシウム、中間層に塩化ナトリウム、及び外層に硫酸マグネシウム水和物を有する、粒子の多層均質被覆を示す。
【0090】
SEM及びEDS解析は、図3及び図4に、試料18の多層被覆を示す。図4は、試料18が中間層に硫酸マグネシウム水和物、外層に硫酸銅水和物で被覆されていることを示す。被覆物の粒子断面による顕微鏡図及びEDS解析は、図3及び図4に示される。図3において、青色の物質で示される被覆物は、硫酸銅水和物であり、厚さが約25μmで、粒子径が約1mmを超えている。成分マップ解析は、中間層における硫酸マグネシウム水和物と外層における硫酸銅水和物の2層をはっきりと示している。硫酸銅水和物被覆物は、かなり均質な約15〜20μmの厚さであることを示し、一方、硫酸マグネシウム水和物被覆物は、約7〜15μm厚さの比較的変化のある、薄い被覆物であった。
【0091】
本発明は、主に、コア物質として無水又は水和次亜塩素酸カルシウムをかつ被覆物質として水和塩を有するものに関するけれども、上記活性成分がコア物質の一部又は全部である他の態様も範囲とすることもできる。トリクロロシアヌル酸(TCCA)、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム(SDCC)、及びクロロヒダントイン及びブロモヒダントインのような他の消毒用酸化剤ばかりでなく、消毒用酸化剤の混合物も代わりのコア物質として有用でありうる。さらに、有機金属のような他の被覆物質を上記塩物質に代わりに代替被覆物質として使用することができよう。また、本発明は、コア−シェル粒子を用いて被覆組成物を製造するような他の公知の被覆技術を使用することも範囲に含む。そのようなコア−シェル粒子の組成は、10%の塩素(AvCl)含有量から80%の塩素(AVCl)含有量まで変化できた。
【0092】
本発明は、特定の態様に関して開示されてきたけれども、本明細書に開示した発明思想から外れることなく、多くの変更、改良をなすことができることは明らかである。したがって、併存する特許請求の範囲の精神及び広い範囲内に入るような発明の変更、改良すべてを包含するものとする。
【0093】
本発明は、次の図面を参照するとより理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】図1は、本発明により具体化された多層被覆次亜塩素酸カルシウムの模式図である。
【図2】図2は、本発明の試料3の成分マップ解析図である。
【図3】図3は、本発明の被覆された試料16のイメージ図である。
【図4】図4は、本発明の被覆された試料16の成分マップ解析図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の水和又は無水の塩を含む被覆物で被覆された次亜塩素酸カルシウムを含む水処理組成物であって、
該組成物は、組成物の全重量に基づいて約20重量%〜約80重量%の有効塩素を含有し、
該組成物は、組成物の全重量に基づいて約1重量%〜約50重量%の水和水を含有し、かつ
該被覆物は、組成物の全重量に基づいて約1重量%〜約80重量%を構成し、
該組成物は、非ディビジョン5.1酸化剤として、又はNFPAクラス1又はNFPAクラス2酸化剤として分類される、該組成物。
【請求項2】
該次亜塩素酸カルシウムは、該次亜塩素酸カルシウムの全重量に基づいて約0重量%〜約12重量%の水を含有する、請求項1に記載の水処理組成物。
【請求項3】
該次亜塩素酸カルシウムは、約40〜約5000ミクロンの範囲の径を有する粒子である、請求項1に記載の水処理組成物。
【請求項4】
該次亜塩素酸カルシウムは、約200〜約5000ミクロンの範囲の径を有する粒子である、請求項3に記載の水処理組成物。
【請求項5】
該塩は、水和又は無水の無機塩、水和又は無水の有機塩、水和又は無水の高分子塩及びこれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項1に記載の水処理組成物。
【請求項6】
該水和塩は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のハライド塩、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の硫酸塩、アルカリ塩及びアルカリ土類のリン酸塩、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のケイ酸塩、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のホウ酸塩、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、及びこれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項5に記載の水処理組成物。
【請求項7】
該水和塩は、硫酸ナトリウム、メタホウ酸リチウム、炭酸ナトリウム、オルト燐酸ナトリウム、オルト燐酸一水素ナトリウム、燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、メタケイ酸ナトリウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸亜鉛、硫酸銅、クエン酸ナトリウム、ポリ(アクリル酸−マレイン酸)ナトリウム塩、及びこれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項5に記載の水処理組成物。
【請求項8】
該被覆物は、さらに、水清澄剤、スケール防止剤、分散剤、軟水化剤、腐食防止剤、殺藻剤、殺菌剤、結合剤、及びこれらの組合せからなる群から選ばれる1又はそれ以上の追加成分を含み、該追加成分は、被覆組成物の全重量に基づいて0.1〜5重量%の範囲の量で存在する、請求項1に記載の水処理組成物。
【請求項9】
該追加成分は、硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、クエン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、トリポリ燐酸ナトリウム(STPP)、ヘキサメタ燐酸ナトリウム(SHMP)、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(DCDMH)、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(DBDMH)、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(BCDMH)、1,3−ジクロロ−5−エチル−5−メチルヒダントイン(DCEMH)、1,3−ジブロモ−5−エチル−5−メチルヒダントイン(DBEMH)、1−ブロモ−3−クロロ−5−メチル−5−エチルヒダントイン(BCEMH)、トリクロロ−、ジクロロ−及びモノクロロトリアジン、ジクロロ−s−トリアジントリオン二塩化ナトリウム、これらの水和物、及びこれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項8に記載の水処理組成物。
【請求項10】
該組成物は、該組成物の全重量に基づいて約30重量%〜約60重量%の有効塩素を含有する、請求項1に記載の水処理組成物。
【請求項11】
該組成物は、該組成物の全重量に基づいて約4重量%〜約30重量%の水和水を含有する、請求項1に記載の水処理組成物。
【請求項12】
該組成物は、タブレット又はブリケットに成形される、請求項1に記載の水処理組成物。
【請求項13】
該塩は、硫酸マグネシウム4水和物である、請求項1に記載の水処理組成物。
【請求項14】
(a)次亜塩素酸カルシウムを含む内部コア層;
(b)該内部コア層の上に位置する1又はそれ以上の中間層であって、該中間層は、1又はそれ以上の水和又は無水の無機塩、水和又は無水の有機塩、水和又は無水の高分子塩、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、及びこれらの組合せを含み、該中間層は水処理組成物全重量の約1%〜約80重量%を構成する、該中間層;及び
(c)該中間層の上に位置する1又はそれ以上の外層であって、該外層は、少なくとも1種の水和又は無水の塩を含み、該外層は水処理組成物の全重量の約1%〜約35重量%を構成する、該外層;
からなる水処理組成物であって、
該組成物は、該組成物の全重量に基づいて約20重量%〜約80重量%の有効塩素を含有し、
該組成物は、該組成物の全重量に基づいて約1重量%〜約50重量%の水和水を含有し、かつ
該組成物は、非ディビジョン5.1酸化剤として、又はNFPAクラス1又はNFPAクラス2酸化剤として分類される、前記組成物。
【請求項15】
該次亜塩素酸カルシウムは、該次亜塩素酸カルシウムの全重量に基づいて約0重量%〜約12重量%の水を含有する、請求項14に記載の水処理組成物。
【請求項16】
該次亜塩素酸カルシウムは、約40〜約5000ミクロンの範囲の径を有する粒子である、請求項14に記載の水処理組成物。
【請求項17】
該次亜塩素酸カルシウムは、約200〜約5000ミクロンの範囲の径を有する粒子である、請求項16に記載の水処理組成物。
【請求項18】
該外層における水和又は無水の塩は、水和又は無水の無機塩、水和又は無水の有機塩、水和又は無水の高分子塩、及びこれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項14に記載の水処理組成物。
【請求項19】
該水和塩は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のハライド塩、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の硫酸塩、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のリン酸塩、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のケイ酸塩、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のホウ酸塩、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、及びこれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項18に記載の水処理組成物。
【請求項20】
該水和塩は、硫酸ナトリウム、メタホウ酸リチウム、炭酸ナトリウム、オルト燐酸ナトリウム、オルト燐酸一水素ナトリウム、燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、メタケイ酸ナトリウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸亜鉛、硫酸銅、クエン酸ナトリウム、ポリ(アクリル酸−マレイン酸)ナトリウム塩、及びこれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項18に記載の水処理組成物。
【請求項21】
該1又はそれ以上の外層は、さらに、水清澄剤、スケール防止剤、分散剤、軟水化剤、腐食防止剤、殺藻剤、殺菌剤、結合剤、及びこれらの組合せからなる群から選ばれる追加成分を含み、該追加成分は、被覆組成物の全重量に基づいて0.1〜5重量%の範囲の量で存在する、請求項14に記載の水処理組成物。
【請求項22】
該外層は、さらに、硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、クエン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、トリポリ燐酸ナトリウム(STPP)、ヘキサメタ燐酸ナトリウム(SHMP)、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(DCDMH)、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(DBDMH)、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(BCDMH)、1,3−ジクロロ−5−エチル−5−メチルヒダントイン(DCEMH)、1,3−ジブロモ−5−エチル−5−メチルヒダントイン(DBEMH)、1−ブロモ−3−クロロ−5−メチル−5−エチルヒダントイン(BCEMH)、トリクロロ−、ジクロロ−及びモノクロロトリアジン、ジクロロ−s−トリアジントリオン二塩化ナトリウム、これらの水和物、及びこれらの組合せからなる群から選ばれる1又はそれ以上の追加成分を含み、該追加成分は、被覆組成物の全重量に基づいて0.1〜5重量%の範囲の量で存在する、請求項21に記載の水処理組成物。
【請求項23】
該中間層における該無機塩は、アルカリ金属塩化物、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属ホウ酸塩、及びこれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項14に記載の水処理組成物。
【請求項24】
中間層は、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、及びこれらの組合せからなる群から選ばれる塩である、請求項14に記載の水処理組成物。
【請求項25】
該組成物は、該組成物の全重量に基づいて約30重量%〜約60重量%の有効塩素を含有する、請求項14に記載の水処理組成物。
【請求項26】
該組成物は、該組成物の全重量に基づいて約4重量%〜約30重量%の水和水を含む、請求項14に記載の水処理組成物。
【請求項27】
該組成物は、タブレット又はブリケットに成形される、請求項14に記載の水処理組成物
【請求項28】
該塩は、硫酸マグネシウム4水和物である、請求項14に記載の水処理組成物。
【請求項29】
該外層は、該組成物の全重量の約0.5%〜約15重量%を構成する高分子塩を含む、請求項14に記載の水処理組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−517330(P2009−517330A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543409(P2008−543409)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/045645
【国際公開番号】WO2007/064681
【国際公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(500000175)アーチ ケミカルズ,インコーポレイテッド (19)
【Fターム(参考)】