説明

被診断装置、診断装置、診断システム、情報処理システム、および、診断方法

【課題】期待しない被診断装置からのリプライデータを抑止し、信頼性を向上させる。
【解決手段】診断に際し、診断装置100は、診断対象の各被診断装置200−1〜被診断装置200−nに、それぞれ、リクエストストローブ信号12S−1〜リクエストストローブ信号12S−nを出力し、診断の内容を示すリクエストデータ信号05Sを出力する。被診断装置被診断装置200−1〜被診断装置200−nは、ANDゲート19により診断装置100からの被診断装置選択信号10S−1〜被診断装置選択信号10S−nにより、診断結果であるリプライデータ信号15Sをマスクしバス300にリプライデータ信号23S−1〜リプライデータ信号23S−nとして出力する。診断装置100は、被診断装置選択信号10S−1〜被診断装置選択信号10S−nを順次、排他的に有効とし、バス300からのリプライデータ信号23Sを入力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被診断装置、診断装置、診断システム、情報処理システム、および、診断方法に関し、特に、信頼性を向上させる被診断装置、診断装置、診断システム、情報処理システム、および、診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
診断バスを使用して被診断装置を診断する技術が知られている。たとえば、特許文献1記載の技術は、「診断プロセッサとn台のプロセッサとが前記診断プロセッサから前記各プロセッサへのデータ送出用のデータバスと、前記各プロセッサから前記診断プロセッサへのデータ送出用のデータバスとにより接続されている」構成をとっている。しかし、特許文献1記載の技術は、n台のプロセッサが期待されないデータをデータ送出用のデータバスに出力することを防ぐ構成を備えておらず、診断プロセッサが、n台のプロセッサからの診断結果のデータを都合のよいタイミングで入力できる構成を備えていない。
【0003】
【特許文献1】特開平4−120646号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の技術の第1の問題点は、信頼性が低いことである。
【0005】
その理由は、n台のプロセッサが期待されないデータをデータ送出用のデータバスに出力することを防ぐ構成となっていないからである。
【0006】
第2の問題点は、診断プロセッサの制御がむずかしいことである。
【0007】
その理由は、診断プロセッサが、n台のプロセッサからの診断結果のデータを都合のよいタイミングで入力できる構成となっていないからである。
【0008】
本発明の目的は、上記いずれかの問題点を解決した被診断装置、診断装置、診断システム、情報処理システム、および、診断方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の被診断装置は、診断装置から出力された被診断装置選択信号が有効であれば、診断結果を含むリプライデータ信号を有効としてバスに出力するAND回路を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の被診断装置は、診断装置から出力された被診断装置選択信号が有効であれば、診断結果を含むリプライデータ信号を有効としてバスに出力する3ステート回路を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の第1の診断装置は、同時には有効とはならない被診断装置対応の被診断装置選択信号を1以上の前記被診断装置に出力する手段と、前記被診断装置選択信号が有効な時に対応する前記被診断装置からの診断結果を含むリプライデータ信号をバスから入力する手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第1の診断システムは、診断装置から出力された被診断装置選択信号が有効であれば、診断結果を含むリプライデータ信号を有効としてバスに出力するAND回路を備える1以上の被診断装置と、同時には有効とはならない前記被診断装置対応の被診断装置選択信号を1以上の前記被診断装置に出力する手段、および、前記被診断装置選択信号が有効な時に対応する前記被診断装置からの診断結果を含むリプライデータ信号を前記バスから入力する手段を備える診断装置と、を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の診断システムは、診断装置から出力された被診断装置選択信号が有効であれば、診断結果を含むリプライデータ信号を有効としてバスに出力する3ステート回路を備える1以上の被診断装置と、同時には有効とはならない前記被診断装置対応の被診断装置選択信号を1以上の前記被診断装置に出力する手段、および、前記被診断装置選択信号が有効な時に対応する前記被診断装置からの診断結果を含むリプライデータ信号を前記バスから入力する手段を備える診断装置と、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明の第3の被診断装置は、診断装置からリクエストストローブ信号を入力すると、内部の診断を実施し診断結果を含むリプライデータ信号を出力する診断インタフェース制御回路と、前記診断装置から出力された被診断装置選択信号が有効であれば、前記診断インタフェース制御回路からのリプライデータ信号を有効としてバスに出力するAND回路とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の第4の被診断装置は、診断装置からリクエストストローブ信号を入力すると、内部の診断を実施し診断結果を含むリプライデータ信号を出力する診断インタフェース制御回路と、前記診断装置から出力された被診断装置選択信号が有効であれば、前記診断インタフェース制御回路からのリプライデータ信号を有効としてバスに出力する3ステート回路とを備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の第2の診断装置は、同時には有効とはならない被診断装置対応の被診断装置選択信号を1以上の前記被診断装置に出力し、診断対象の前記被診断装置を示す1以上のリクエストデータ有効信号を出力する被診断装置選択回路と、診断を指示するリクエストストローブ信号を出力し、前記被診断装置選択信号が有効な時に対応する前記被診断装置からの診断結果を含むリプライデータ信号をバスから入力する診断制御部と、前記被診断装置選択回路からの1以上のリクエストデータ有効信号が有効であれば、前記診断制御部からのリクエストストローブ信号を有効として1以上の対応する前記被診断装置に出力する1以上のAND回路と、を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の第3の診断システムは、前記第3の1以上の被診断装置と、前記第2の診断装置とを有することを特徴とする。
【0018】
本発明の第4の診断システムは、前記第4の1以上の被診断装置と、前記第2の診断装置とを有することを特徴とする。
【0019】
本発明の第5の被診断装置は、診断装置からリクエストストローブ信号を入力すると、内部の診断を実施し診断結果を含むリプライデータ信号を出力し、リプライデータ信号を出力することを示すリプライストローブ信号を前記診断装置に出力する診断インタフェース制御回路と、前記診断装置から出力された被診断装置選択信号が有効であれば、前記診断インタフェース制御回路からのリプライデータ信号を有効としてバスに出力するAND回路と、を備えることを特徴とする。
【0020】
本発明の第6の被診断装置は、診断装置からリクエストストローブ信号を入力すると、内部の診断を実施し診断結果を含むリプライデータ信号を出力し、リプライデータ信号を出力することを示すリプライストローブ信号を前記診断装置に出力する診断インタフェース制御回路と、前記診断装置から出力された被診断装置選択信号が有効であれば、前記診断インタフェース制御回路からのリプライデータ信号を有効としてバスに出力する3ステート回路と、を備えることを特徴とする。
【0021】
本発明の第3の診断装置は、同時には有効とはならない被診断装置対応の被診断装置選択信号を1以上の前記被診断装置に出力し、診断対象の前記被診断装置を示す1以上のリクエストデータ有効信号を出力する被診断装置選択回路と、診断を指示するリクエストストローブ信号を出力し、リプライストローブ信号を入力し前記被診断装置選択信号が有効な時に対応する前記被診断装置からの診断結果を含むリプライデータ信号をバスから入力する診断制御部と、前記被診断装置選択回路からの1以上のリクエストデータ有効信号が有効であれば、前記診断制御部からのリクエストストローブ信号を有効として1以上の対応する前記被診断装置に出力する1以上の第1のAND回路と、被診断装置選択信号が有効であれば、1以上の対応する前記被診断装置からのリプライストローブ信号を有効とし前記診断制御部に出力する1以上の第2のAND回路と、を備えることを特徴とする。
【0022】
本発明の第5の診断システムは、前記第5の1以上の被診断装置と、前記第3の診断装置とを有することを特徴とする。
【0023】
本発明の第6の診断システムは、前記第6の1以上の被診断装置と、前記第3の診断装置とを有することを特徴とする。
【0024】
本発明の情報処理システムは、情報取得装置から出力された情報出力装置選択信号が有効であれば、情報を含むリプライデータ信号を有効としてバスに出力する3ステート回路を備える1以上の情報出力装置と、同時には、有効とはならない前記情報出力装置対応の1以上の情報出力選択信号を1以上の前記情報出力装置に出力する手段、および、前記情報出力選択信号が有効な時に対応する前記情報出力装置からのを含むリプライデータ信号を前記バスから入力する手段を備える情報取得装置と、を有することを特徴とする。
【0025】
本発明の第1の診断方法は、被診断装置が、診断装置から出力された被診断装置選択信号が有効時に、診断結果を含むリプライデータ信号を有効としてバスに出力する手順を含むことを特徴とする。
【0026】
本発明の第2の診断方法は、診断装置が、同時には有効とはならない被診断装置対応の被診断装置選択信号を1以上の前記被診断装置に出力する手順と、前記被診断装置選択信号が有効な時に対応する前記被診断装置からの診断結果を含むリプライデータ信号をバスから入力する手順とを含むことを特徴とする。
【0027】
本発明の第3の診断方法は、被診断装置が、診断装置から出力された被診断装置選択信号が有効時に、診断結果を含むリプライデータ信号を有効としてバスに出力する手順と、前記診断装置が、同時には有効とはならない被診断装置対応の被診断装置選択信号を1以上の前記被診断装置に出力する手順と、前記診断装置が、前記被診断装置選択信号が有効な時に対応する前記被診断装置からの診断結果を含むリプライデータ信号をバスから入力する手順と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明の効果は、診断時の信頼性が向上することである。
【0029】
その理由は、診断装置から出力された被診断装置選択信号が有効であれば、診断結果を含むリプライデータ信号を有効としてバスに出力する回路を備えているからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に、本発明を実施するための第1の最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明を実施するための第1の最良の形態の診断システムの構成を示すブロック図である。
【0032】
図1を参照すると、本発明の診断システムは、診断装置100と、1以上の被診断装置200−1,被診断装置200−2,…,被診断装置200−nと、診断装置100と、1以上の被診断装置200−1,被診断装置200−2,…,被診断装置200−nとを接続するバス300とから構成される。バス300は、論理的に接続される信号の論理和を生成する。すなわち、たとえば、バス300は、接続されている信号のいずれかが、“1”であれば、“1”を生成する。
【0033】
診断装置100は、診断の実行を制御する診断制御部102と、被診断装置200−i(i=1,…,n)を特定する被診断装置選択回路103と、バス300、被診断装置200−iと接続を行う第1インタフェース部104とから構成される。
【0034】
被診断装置200−i(i=1,…,n)は、診断インタフェースを制御する診断インタフェース制御回路201と、第2インタフェース部202とから構成される。
【0035】
診断装置100の第1インタフェース部104は、診断対象である被診断装置200−iへのリクエストストローブ信号07Sのみを有効とし出力するANDゲート11−1,ANDゲート11−2,…,ANDゲート11−nと、バス300からリプライデータ信号23Sを入力し保持するレジスタ27と、被診断装置200−i(i=1,…,n)からのリプライストローブ信号25S−1,リプライストローブ信号25S−2,…,リプライストローブ信号25S−nを入力し保持するレジスタ29−1,レジスタ29−2,…,レジスタ29−nと、レジスタ29−i(i=1,…,n)からのリプライストローブ信号30S−i(i=1,…,n)の論理和をリプライストローブ信号35Sとして出力するORゲート31とを含む。
【0036】
診断装置100は、被診断装置200−i(i=1,…,n)へ、リクエストストローブ信号12S−1,リクエストストローブ信号12S−2,…,リクエストストローブ信号12S−nと、被診断装置選択信号10S−1,被診断装置選択信号10S−2,…,被診断装置選択信号10S−nとを出力する。リクエストストローブ信号12S−i(i=1,…,n)は、診断装置100から被診断装置200−iへの診断信号である。被診断装置選択信号10S−i(i=1,…,n)は、被診断装置200−i(i=1,…,n)の有効無効を示す信号である。被診断装置200−i(i=1,…,n)は、診断装置100へ、リプライ信号であるリプライストローブ信号25S−1,リプライストローブ信号25S−2,…,リプライストローブ信号25S−nを出力する。
【0037】
リクエストストローブ信号12S−i(i=1,…,n)、被診断装置選択信号10S−i(i=1,…,n)、および、リプライストローブ信号25S−i(i=1,…,n)は、診断装置100と被診断装置200−iとの間を1対1で接続されている。
【0038】
また、診断装置100は、被診断装置200−i(i=1,…,n)へ、診断の内容を示すリクエストデータ信号05S(たとえば、pビット)を出力する。被診断装置200−i(i=1,…,n)は、診断装置100へ、バス300を介してリプライデータであるリプライデータ信号23S(たとえば、mビット)を出力する。
【0039】
診断制御部102は、被診断装置200−iに対し診断を実行する際に、診断装置100から被診断装置200−iへのデータ送信タイミングであるリクエストストローブ信号07S、リクエストデータ信号05S(p本)、および、被診断装置200−i(i=1,…,n)を特定するための被診断装置特定信号08Sを出力する。被診断装置選択回路103は、被診断装置特定信号08Sを入力し、診断対象である被診断装置200−i(i=1,…,n)のリクエストデータ有効信号09S−i(リクエストデータ有効信号09S−1,リクエストデータ有効信号09S−2,…,リクエストデータ有効信号09S−nのどれか)のみを有効にする。
【0040】
被診断装置200−iのみにリクエストストローブ信号12S−iを出すようマスクするためのANDゲート11−iは、診断制御部102から出力されたリクエストストローブ信号07Sと被診断装置選択回路103から出力されたリクエストデータ有効信号09S−iとの論理積であるリクエストストローブ信号12S−iを出力する。
【0041】
被診断装置200−i(i=1,…,n)の診断インタフェース制御回路201は、リクエストストローブ信号12S−iにより、リクエストデータ信号05S(p本)の入力制御を行う。診断インタフェース制御回路201は、診断装置100から送信されたリクエストストローブ信号12S−iと、リクエストデータ信号05S(p本)とを入力する。また、診断インタフェース制御回路201は、診断のためのリクエストに対するリプライであるリプライストローブ信号17Sと、リプライデータ信号15S(mビット)とを第2インタフェース部202に出力する。
【0042】
第2インタフェース部202は、ANDゲート19と、ANDゲート21とを含む。ANDゲート19は、診断装置100からの被診断装置選択信号10S−iと診断インタフェース制御回路201からのリプライデータ信号15S(mビット)との論理積を生成しバス300にリプライデータ信号23S−i(mビット)として出力する。ANDゲート21は、診断装置100からの被診断装置選択信号10S−iと診断インタフェース制御回路201からのリプライストローブ信号17Sとの論理積を生成しリプライストローブ信号25S−iとして診断装置100に出力する。
【0043】
バス300は、リプライデータ信号23S−1(mビット)〜リプライデータ信号23S−n(mビット)のビットごとの論理和を生成しリプライデータ信号23S(mビット)として出力する。バス300からのリプライデータ信号23S(mビット)は、診断装置100のレジスタ27(mビット)に入力され、診断制御部102に出力される。被診断装置200−iからのリプライストローブ信号25S−i(i=1,…,n)は、それぞれ、診断装置100のレジスタ29−i(i=1,…,n)に入力される。ORゲート31は、レジスタ29−1の出力であるリプライストローブ信号30S−1,レジスタ29−2の出力であるリプライストローブ信号30S−2,…,レジスタ29−nの出力であるリプライストローブ信号30S−nの論理和であるリプライストローブ信号35Sを生成し、診断制御部102へ出力する。
【0044】
次に、本発明を実施するための第1の最良の形態の動作について図面を参照して説明する。
【0045】
図2は、本発明を実施するための第1の最良の形態の動作を示すタイムチャートである。
【0046】
以下、被診断装置200−1が診断される場合の例について説明する。
【0047】
診断装置100の診断制御部102は、被診断装置200−1の診断を行うため、リクエストストローブ信号07S、および、被診断装置200−1を特定するための被診断装置特定信号08Sを出力する(図2サイクルT1)。さらに、診断制御部102は、リクエストデータ信号05S(p本)を出力する(サイクルT1)。
【0048】
被診断装置選択回路103は、被診断装置特定信号08Sを入力すると、リクエストデータ有効信号09S−1、および、被診断装置選択信号10S−1のみを有効(たとえば、“1”)に設定し、その他のリクエストデータ有効信号09S−2〜リクエストデータ有効信号09S−n、および、被診断装置選択信号10S−2〜被診断装置選択信号10S−nを被有効(“0”)に設定する(サイクルT2)。
【0049】
ANDゲート11−1は、リクエストストローブ信号07Sとリクエストデータ有効信号09S−1との論理積を生成しリクエストストローブ信号12S−1(“1”)として出力する(サイクルT2)。診断対象ではない被診断装置200−2〜被診断装置200−nへのリクエストストローブ信号12S−2〜リクエストストローブ信号12S−nは、ANDゲート11−2〜ANDゲート11−nにより非有効(“0”)とされる(サイクルT2)。
【0050】
被診断装置200−1の診断インタフェース制御回路201は、リクエストストローブ信号12S−1を入力し(サイクルT2)、リクエストストローブ信号12S−1が有効であるのでリクエストデータ信号05S(p本)を入力する(サイクルT3)。診断対象ではない被診断装置200−2〜被診断装置200−nは、ANDゲート11−2〜ANDゲート11−nからのリクエストストローブ信号12S−2〜リクエストストローブ信号12S−nが非有効なので、リクエストデータ信号05S(p本)を入力しない(サイクルT3)。
【0051】
次に、被診断装置200−1の診断インタフェース制御回路201は、リクエストデータ信号05Sにしたがって内部の診断を実行し、その後、診断結果を出力することを示すリプライストローブ信号17S、および、診断結果を示すリプライデータ信号15S(mビット)を出力する(サイクルTx)。被診断装置200−1のANDゲート19は、診断インタフェース制御回路201からのリプライデータ信号15Sと診断装置100からの被診断装置選択信号10S−1との論理積を生成しリプライデータ信号23S−1(mビット)としてバス300に出力する(サイクルTx)。また、ANDゲート21は、診断インタフェース制御回路201からのリプライストローブ信号17Sと診断装置100からの被診断装置選択信号10S−1との論理積を生成し有効なリプライストローブ信号25S−1(“1”)として診断装置100に出力する(サイクルTx)。
【0052】
診断対象でない被診断装置200−2〜被診断装置200−nからのリプライデータ信号15S、および、リプライストローブ信号17Sは、それぞれ、ANDゲート19、ANDゲート21でマスクされ非有効なリプライデータ信号23S−2〜リプライデータ信号23S−n(mビットすべて“0”)、および、リプライストローブ信号25S−2〜リプライストローブ信号25S−n(“0”)として出力される(サイクルTx)。
【0053】
したがって、診断対象でない被診断装置200−2〜被診断装置200−nから診断装置100への期待しない情報は削除される。
【0054】
次に、バス300は、リプライデータ信号23S−1〜リプライデータ信号23S−nのビットごとの論理和を生成しリプライデータ信号23Sとして出力する(サイクルTx)。
【0055】
次に、診断装置100のレジスタ29−1は、被診断装置200−1からのリプライストローブ信号25S−1を入力・保持し、リプライストローブ信号30S−1として出力する(サイクルTx+1)。レジスタ27(mビット)は、バス300からのリプライデータ信号23Sを入力・保持し、リプライデータ信号33Sとして出力する(サイクルTx+1)。次に、ORゲート31は、レジスタ29−1からのリプライストローブ信号30S−1〜レジスタ29−nからのリプライストローブ信号30S−nのすべての論理和を生成しリプライストローブ信号35Sとして出力する(サイクルTx+1)。
【0056】
次に、診断制御部102は、ORゲート31からのリプライストローブ信号35Sを入力し(サイクルTx+2)、さらに、レジスタ27からのリプライデータ信号33Sを入力する(サイクルTx+2)。次に、診断制御部102は、リプライデータ信号33Sを解析する。
【0057】
以上のように、ANDゲート19、または、ANDゲート21を設けることにより、期待しない被診断装置200−iからのリプライデータ23S−iを抑止できるので、信頼性が向上するという効果がある。
【0058】
次に、診断装置100が、複数(任意の台数)の被診断装置200−1〜被診断装置200−nを診断する場合について説明する。
【0059】
被診断装置特定信号08Sを複数の被診断装置200−iを指定する内容とすることが可能である。
【0060】
診断制御部102が複数の被診断装置200−iを指定する被診断装置特定信号08Sを出力すると、被診断装置選択回路103は、複数のリクエストデータ有効信号09S−iを有効にする。したがって、複数のリクエストストローブ信号12S−iが有効になる。複数の被診断装置被診断装置200−iは、平行して内部の診断を実施する。被診断装置選択回路103は、一定の時間、あるいは、診断制御部102からの指示(たとえば、診断制御部102が、リプライストローブ信号35Sを入力すると指示を出力する)等により、被診断装置特定信号08Sで指定された被診断装置200−iに対応する被診断装置選択信号10S−iを順次、1つずつ有効にする。診断装置100は、被診断装置選択信号10S−iにより有効とされた被診断装置200−iからのリプライデータ23Sを順次、入力する。
【0061】
このように、複数の被診断装置200−iが平行して診断を実行するので、全体の診断時間が短縮されるという効果がある。また、診断装置100が、被診断装置選択信号10S−iにより都合のよいタイミングで被診断装置200−iからのリプライデータ23Sを入力するので、診断装置100の制御が容易になるという効果がある。
【0062】
次に、本発明を実施するための第2の最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0063】
図3は、本発明を実施するための第2の最良の形態の診断装置100の構成を示すブロック図である。
【0064】
図3を参照すると、本発明を実施するための第2の最良の形態は、ANDゲート21を被診断装置200−1〜被診断装置200−n内に設ける替わりに、診断装置100内のレジスタ29−1〜レジスタ29−nの前段にANDゲート21−1,ANDゲート21−2,…,ANDゲート21−nを設ける構成である。本発明を実施するための第2の最良の形態は、本発明を実施するための第1の最良の形態に比べて、被診断装置200−1〜被診断装置200−nの構成が簡単になるという効果を持つ。
【0065】
次に、本発明を実施するための第3の最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0066】
図4は、本発明を実施するための第3の最良の形態の被診断装置200−1〜被診断装置200−nの構成を示すブロック図である。
【0067】
図4を参照すると、本発明を実施するための第3の最良の形態の被診断装置200−1〜被診断装置200−nは、ANDゲート19の替わりに3ステートゲート40を設ける。3ステートゲート40は、診断装置100からの被診断装置選択信号10S−iが有効であると、診断インタフェース制御回路201からのリプライデータ信号15Sを出力し、被診断装置選択信号10S−iが有効でないと、出力をハイインピーダンスとする。バス300は、ハイインピーダンスの出力は有効な信号ではないとする構成とすればよい。本発明を実施するための第3の最良の形態は、本発明を実施するための第1、第2の最良の形態に比べて、バス300の構成がより汎用的に構成できるという効果を持つ。
【0068】
また、以上説明したANDゲート19、ANDゲート21、および、ANDゲート11−iは、論理和を生成するAND回路でよく、また、3ステートゲート40は、3ステート回路でよい。
【0069】
また、以上は、診断に関して説明したが、診断装置100の替わりに、診断に関する情報とはかぎらない情報を取得するためのリクエストストローブ信号12S−i等を出力する情報取得装置を設け、さらに、情報被診断装置200−iの替わりに、前記情報取得装置からのリクエストストローブ信号12S−i等により、バス300に情報信号を出力する情報出力装置を設ける構成が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明を実施するための第1の最良の形態の診断システムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明を実施するための第1の最良の形態の動作を示すタイムチャート。
【図3】本発明を実施するための第2の最良の形態の診断装置の構成を示すブロック図。
【図4】本発明を実施するための第3の最良の形態の被診断装置の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0071】
100 診断装置
102 診断制御部
103 被診断装置選択回路
104 第1インタフェース部
200−1 被診断装置
200−2 被診断装置
200−i 被診断装置
200−n 被診断装置
201 診断インタフェース制御回路
202 第2インタフェース部
300 バス
11−1 ANDゲート
11−2 ANDゲート
11−i ANDゲート
11−n ANDゲート
19 ANDゲート
21 ANDゲート
21−1 ANDゲート
21−2 ANDゲート
21−n ANDゲート
31 ORゲート
27 レジスタ
29−1 レジスタ
29−2 レジスタ
29−i レジスタ
29−n レジスタ
40 3ステートゲート
05S リクエストデータ信号
07S リクエストストローブ信号
08S 被診断装置特定信号
09S−1 リクエストデータ有効信号
09S−2 リクエストデータ有効信号
09S−i リクエストデータ有効信号
09S−n リクエストデータ有効信号
10S−1 被診断装置選択信号
10S−2 被診断装置選択信号
10S−i 被診断装置選択信号
10S−n 被診断装置選択信号
12S−1 リクエストストローブ信号
12S−2 リクエストストローブ信号
12S−i リクエストストローブ信号
12S−n リクエストストローブ信号
15S リプライデータ信号
17S リプライストローブ信号
23S リプライデータ信号
23S−1 リプライデータ信号
23S−2 リプライデータ信号
23S−i リプライデータ信号
23S−n リプライデータ信号
25S−1 リプライストローブ信号
25S−2 リプライストローブ信号
25S−i リプライストローブ信号
25S−n リプライストローブ信号
30S−1 リプライストローブ信号
30S−2 リプライストローブ信号
30S−i リプライストローブ信号
30S−n リプライストローブ信号
33S リプライデータ信号
35S リプライストローブ信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
診断装置から出力された被診断装置選択信号が有効であれば、診断結果を含むリプライデータ信号を有効としてバスに出力するAND回路を備えることを特徴とする被診断装置。
【請求項2】
診断装置から出力された被診断装置選択信号が有効であれば、診断結果を含むリプライデータ信号を有効としてバスに出力する3ステート回路を備えることを特徴とする被診断装置。
【請求項3】
同時には有効とはならない被診断装置対応の被診断装置選択信号を1以上の前記被診断装置に出力する手段と、前記被診断装置選択信号が有効な時に対応する前記被診断装置からの診断結果を含むリプライデータ信号をバスから入力する手段とを備えることを特徴とする診断装置。
【請求項4】
診断装置から出力された被診断装置選択信号が有効であれば、診断結果を含むリプライデータ信号を有効としてバスに出力するAND回路を備える1以上の被診断装置と、
同時には有効とはならない前記被診断装置対応の被診断装置選択信号を1以上の前記被診断装置に出力する手段、および、前記被診断装置選択信号が有効な時に対応する前記被診断装置からの診断結果を含むリプライデータ信号を前記バスから入力する手段を備える診断装置と、
を有することを特徴とする診断システム。
【請求項5】
診断装置から出力された被診断装置選択信号が有効であれば、診断結果を含むリプライデータ信号を有効としてバスに出力する3ステート回路を備える1以上の被診断装置と、
同時には有効とはならない前記被診断装置対応の被診断装置選択信号を1以上の前記被診断装置に出力する手段、および、前記被診断装置選択信号が有効な時に対応する前記被診断装置からの診断結果を含むリプライデータ信号を前記バスから入力する手段を備える診断装置と、
を有することを特徴とする診断システム。
【請求項6】
診断装置からリクエストストローブ信号を入力すると、内部の診断を実施し診断結果を含むリプライデータ信号を出力する診断インタフェース制御回路と、前記診断装置から出力された被診断装置選択信号が有効であれば、前記診断インタフェース制御回路からのリプライデータ信号を有効としてバスに出力するAND回路とを備えることを特徴とする被診断装置。
【請求項7】
診断装置からリクエストストローブ信号を入力すると、内部の診断を実施し診断結果を含むリプライデータ信号を出力する診断インタフェース制御回路と、前記診断装置から出力された被診断装置選択信号が有効であれば、前記診断インタフェース制御回路からのリプライデータ信号を有効としてバスに出力する3ステート回路とを備えることを特徴とする被診断装置。
【請求項8】
同時には有効とはならない被診断装置対応の被診断装置選択信号を1以上の前記被診断装置に出力し、診断対象の前記被診断装置を示す1以上のリクエストデータ有効信号を出力する被診断装置選択回路と、
診断を指示するリクエストストローブ信号を出力し、前記被診断装置選択信号が有効な時に対応する前記被診断装置からの診断結果を含むリプライデータ信号をバスから入力する診断制御部と、
前記被診断装置選択回路からの1以上のリクエストデータ有効信号が有効であれば、前記診断制御部からのリクエストストローブ信号を有効として1以上の対応する前記被診断装置に出力する1以上のAND回路と、
を備えることを特徴とする診断装置。
【請求項9】
請求項6記載の1以上の被診断装置と、請求項8記載の診断装置とを有することを特徴とする診断システム。
【請求項10】
請求項7記載の1以上の被診断装置と、請求項8記載の診断装置とを有することを特徴とする診断システム。
【請求項11】
診断装置からリクエストストローブ信号を入力すると、内部の診断を実施し診断結果を含むリプライデータ信号を出力し、リプライデータ信号を出力することを示すリプライストローブ信号を前記診断装置に出力する診断インタフェース制御回路と、
前記診断装置から出力された被診断装置選択信号が有効であれば、前記診断インタフェース制御回路からのリプライデータ信号を有効としてバスに出力するAND回路と、
を備えることを特徴とする被診断装置。
【請求項12】
診断装置からリクエストストローブ信号を入力すると、内部の診断を実施し診断結果を含むリプライデータ信号を出力し、リプライデータ信号を出力することを示すリプライストローブ信号を前記診断装置に出力する診断インタフェース制御回路と、
前記診断装置から出力された被診断装置選択信号が有効であれば、前記診断インタフェース制御回路からのリプライデータ信号を有効としてバスに出力する3ステート回路と、
を備えることを特徴とする被診断装置。
【請求項13】
同時には有効とはならない被診断装置対応の被診断装置選択信号を1以上の前記被診断装置に出力し、診断対象の前記被診断装置を示す1以上のリクエストデータ有効信号を出力する被診断装置選択回路と、
診断を指示するリクエストストローブ信号を出力し、リプライストローブ信号を入力し前記被診断装置選択信号が有効な時に対応する前記被診断装置からの診断結果を含むリプライデータ信号をバスから入力する診断制御部と、
前記被診断装置選択回路からの1以上のリクエストデータ有効信号が有効であれば、前記診断制御部からのリクエストストローブ信号を有効として1以上の対応する前記被診断装置に出力する1以上の第1のAND回路と、
被診断装置選択信号が有効であれば、1以上の対応する前記被診断装置からのリプライストローブ信号を有効とし前記診断制御部に出力する1以上の第2のAND回路と、
を備えることを特徴とする診断装置。
【請求項14】
請求項11記載の1以上の被診断装置と、請求項13記載の診断装置とを有することを特徴とする診断システム。
【請求項15】
請求項12記載の1以上の被診断装置と、請求項13記載の診断装置とを有することを特徴とする診断システム。
【請求項16】
情報取得装置から出力された情報出力装置選択信号が有効であれば、情報を含むリプライデータ信号を有効としてバスに出力する3ステート回路を備える1以上の情報出力装置と、
同時には、有効とはならない前記情報出力装置対応の1以上の情報出力選択信号を1以上の前記情報出力装置に出力する手段、および、前記情報出力選択信号が有効な時に対応する前記情報出力装置からのを含むリプライデータ信号を前記バスから入力する手段を備える情報取得装置と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項17】
被診断装置が、診断装置から出力された被診断装置選択信号が有効時に、診断結果を含むリプライデータ信号を有効としてバスに出力する手順を含むことを特徴とする診断方法。
【請求項18】
診断装置が、同時には有効とはならない被診断装置対応の被診断装置選択信号を1以上の前記被診断装置に出力する手順と、前記被診断装置選択信号が有効な時に対応する前記被診断装置からの診断結果を含むリプライデータ信号をバスから入力する手順とを含むことを特徴とする診断方法。
【請求項19】
診断装置が、同時には有効とはならない被診断装置対応の被診断装置選択信号を1以上の被診断装置に出力する手順と、
前記被診断装置が、前記診断装置から出力された被診断装置選択信号の有効時に、診断結果を含むリプライデータ信号を有効としてバスに出力する手順と、
前記診断装置が、前記被診断装置選択信号が有効な時に対応する前記被診断装置からの診断結果を含むリプライデータ信号をバスから入力する手順と、
を含むことを特徴とする診断方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−178843(P2006−178843A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−373128(P2004−373128)
【出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)
【Fターム(参考)】