説明

装置の不正使用を防止するシステム及び方法

装置(114)の不正使用を防止するシステム(100)及び方法(200)である。システム(100)は、生体情報読取装置(110)と認証ユニット(112)とからなる。生体情報読取装置(110)が、生体特徴を測定し、測定した生体特徴を認証ユニット(112)へ通信リンク(118)を介して送信する。装置(114は衣服(116)に埋め込まれており、認証ユニット(112)がユーザを生体情報について識別したときに認証ユニット(112)が装置(114)へと認証信号を送信する。ある実施例では、認証ユニット(112)には、認証済み生体サンプルを保存する為のデータベース(134)がある。認証ユニット(112)は、測定した生体特徴を認証ユニット(112)が生体情報読取装置(110)から受信したときに、測定した生体特徴と認証済み生体サンプルとを比較する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に携帯型電子機器に関し、特に、そのような電子機器の安全に関する。
【背景技術】
【0002】
現在幾つかの会社が種々のタイプの電子機器を衣類の中に入れている。例えば、多数の製造者が、移動電話や全地球測位システム(GPS)追跡装置やビデオカメラなどの電子デバイスを、ジャケット又は他の上着に配置している。これらの携帯型電子機器には、機密情報を含んでいたり課金サービスへのアクセスを提供していたりするものがある。携帯型電子機器を備えた衣服について認証されていないユーザが、そのような情報にアクセスする恐れや、これらのサービスを用いて出費を招き衣服のオーナにその出費が請求されてしまう恐れがある。
【0003】
一例として、衣類には携帯電話を入れたものがある。認証されていない個人がこのような衣服を手に入れると、本来の所有者の携帯電話により供給されるサービスにこの人物がアクセスするのを阻止できない。更に悪いことに、このような個人が、携帯電話のメモリに保存されている機密情報にもアクセスできてしまう恐れさえある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、装置の不正使用を防止するシステムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本システムは生体情報読取装置と認証ユニットとからなる。この生体情報読取装置が生体特徴を測定し、測定した生体特徴を通信リンクを介して認証ユニットへ送信する。生体情報読取装置は衣服に埋め込まれており、認証ユニットがユーザを生体情報について識別したときに認証ユニットがその装置へと認証信号を送信する。
【0006】
一例では、この認証ユニットは、少なくとも一つの認証済み生体サンプルを保存する為のデータベースを含む。認証ユニットは、測定した生体特徴を認証ユニットが生体情報読取装置から受信したときに、測定した生体特徴と認証済み生体サンプルとを比較できる。更に、認証ユニットに保存されている認証済み生体サンプルの少なくとも一つと測定した生体特徴とが一致したとき、認証ユニットが装置へと認証信号を送信できる。認証信号に応えて、生体情報について識別されたユーザのアクセスを装置が許可できる。
【0007】
この生体情報読取装置には送受信器があり、認証ユニットにも送受信器がある。一例として、測定した生体特徴を、生体情報読取装置の送受信器が無線通信リンクを介して認証ユニットの送受信器へ送信できる。別例として、生体情報読取装置が指紋読取装置でもよい。
【0008】
本システムのある特定の実施形態では、生体情報読取装置が衣服開閉機構(garment opening mechanism)に組み込まれていてもよい。この生体情報読取装置は、ユーザが衣服開閉機構を操作しているときに生体特徴を測定できる。例えば、衣服開閉機構はジッパー又は少なくとも一つのスナップでよい。
【0009】
この生体情報読取装置には第1の電源があり、認証ユニットには第2の電源がある。第2の電源が第1の電源を充電できる。ある例では、衣服開閉機構には、一組の第1の電気接点を有する第1の部分と、それらに対応する一組の第2の電気接点を有する第2の部分とがある。第1の部分が第2の部分と接触しているとき、第2の電源は第2の電気接点と第1の電気接点とを通じて第1の電源を充電できる。
【0010】
本発明は、装置の不正使用を防止する別のシステムにも関する。本システムには、認証ユニットと、衣服に埋め込まれた制御装置とがある。この認証ユニットが認証済みユーザを識別し、認証ユニットが認証済みユーザを識別したときに制御装置へと第1の認証信号を送信する。加えて、装置が衣服に対して埋め込まれており、制御装置が第1の認証信号を受信したとき、制御装置が装置へと第2の認証信号を送信する。
【0011】
本発明は、装置の不正使用を防止する方法にも関する。本方法には、生体特徴を測定する工程と、測定した生体特徴が認証済みユーザのものであるかを判定する為に、測定した生体特徴と少なくとも一つの保存されている生体サンプルとを比較する工程と、測定した生体特徴が認証済みユーザのものである場合に、衣服に埋め込まれた装置へと認証信号を送信する工程とが含まれる。本方法は更に、測定した生体特徴を無線通信リンクを介して送信する工程と、上記の測定する工程を、ユーザが衣服開閉機構を操作しているときに行う工程と、送信する工程に応えてその装置へのアクセスを許可する工程とがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の特色を、添付の請求項で詳細に述べる。本発明は、その更なる目的及び利点と共に、以下の説明を参照し、添付の図面を併用することにより最も良く理解される。これらのうち幾つかの図では同じ参照数字が同じ要素を表している。
【0013】
本明細書には、本発明の特色を定義する請求項が添付されているが、図面を併用して以下の説明を検討することで、本発明がよりよく理解されると思われる。これらの図では同じ参照数字が継続して使われている。
【0014】
図1を参照すると、装置の不正使用を防止するシステム100が図示されている。システム100には、生体情報読取装置110と、認証ユニット112と、装置114とがある。ある配列では、生体情報読取装置110と、認証ユニット112と、装置114とが、衣服116に埋め込まれている。本発明の目的の為に、「衣服に埋め込まれた(embedded within a garment)」という句が意味するのは、人間や動物や機械等に着せたり巻きつけたりできる適当な服又は物品の、布地や他の材料又は構造などの内部又はその上に少なくとも部分的に配置されている、ということである。
【0015】
生体情報読取装置110が、ユーザの生体特徴を測定し、測定した生体特徴を通信リンク118を介して認証ユニット112へと送信する。認証ユニット112がユーザを生体情報について識別した場合、認証ユニット112は別の通信リンク117を介して装置114へと認証信号を送信できる。装置114が認証ユニット112から認証信号を受信し次第、装置114は、生体情報について識別されたユーザのアクセスを許可する。システム100には、電力を認証ユニット112から生体情報読取装置110へと選択的に転送する電力リンク119もある。
【0016】
装置114は、認証ユニット112からの認証信号を受信する能力と、認証信号に応えて生体情報について識別されたユーザに対し装置114の操作又は使用へのアクセスを許可する能力とを備えた機械又は構成要素であればよい。例えば、装置114は、携帯電話や、携帯情報端末(PDA)や、ビデオカメラなどである。
【0017】
ある配列では、生体情報読取装置110は、ジッパーなどの衣服開閉機構120に組み込まれている。ユーザが衣服開閉機構120を操作する際に、生体情報読取装置110はユーザの生体特徴を一つ以上測定する。例えば、衣服開閉機構120がジッパーの場合、生体情報読取装置110は、そのジッパーに内蔵された指紋読取装置である。ユーザが衣服116を閉じる為に自分の指をジッパー即ち衣服開閉機構120に置いたとき、指紋読取装置即ち生体情報読取装置110は、衣服116を閉じるべくユーザがジッパーを引っ張り上げる際にユーザの指紋を測定する。このプロセスは以下に詳細に記載される。
【0018】
システム100が衣服に組み込まれることに決して限定されていないことに留意することが重要である。具体的には、システム100を構成する要素の一つ以上が適当な物品又は装置に内蔵され、望ましくは、その物品又は装置の特定の要素又は構成要素へのアクセスが限定されている。例えば、システム100の一つ以上の要素がラップトップコンピュータ又は携帯電話に内蔵され、これにより、これらの装置の操作又はこれらの装置により保存された情報へのアクセスが防止される。
【0019】
図2を参照すると、システム100を図示するブロック図が示されている。この配列では、生体情報読取装置110と、認証ユニット112と、装置114との全てが、衣服116に埋め込まれている。しかし、前に述べたように、一つ以上のこれらの要素をその他の適当な物品又は装置に組み込んでもよい。
【0020】
生体情報読取装置110には、例えば、指紋スキャナ122と、アナログ‐デジタル(A/D)変換器124と、マイクロプロセッサ126と、送受信器128と、第1の電源130とがある。スキャナ122と送受信器128の操作及びこれらとのデータの交換の少なくとも一方をマイクロプロセッサ126が制御できるよう、制御及びデータのインタフェースが更に供給されている。更に、認証ユニット112には、マイクロプロセッサ132と、データベース134と、送受信器136と、第2の電源138とがある。生体情報読取装置110と同様に、認証ユニット112にも、データベース134と送受信器136の操作及びこれらとのデータの交換の少なくとも一方をマイクロプロセッサ132が制御できるよう、制御及びデータのインタフェースがある。加えて、マイクロプロセッサ132は、装置114へと認証信号を送信するために通信リンク117を通じて装置114に結合している。
【0021】
ある配列では、指紋スキャナ122は静電容量スキャナである。当該分野で既知の通り、静電容量スキャナは、人物の指の皮膚について部分的に静電容量の変動レベルを検出する。検出の際、静電容量スキャナは、要約すると、スキャンされた指紋の隆線及び谷に対応して異なる電圧を出力する。別の配列では、指紋スキャナ122は光学スキャナである。当該分野でやはり既知の通り、光学スキャナは、人物の指に光を当て、電荷結合素子を使い指から反射した光に応えて電気信号を生成する。これらの電気信号が指紋の画像となる。どちらの配列でも、集められたデータをA/D変換器124がデジタル化する。
【0022】
指紋のスキャンには他の好適なシステムをどれでも使用でき、指紋スキャナ122が前述の例に限定されていないことを、当業者は認識するであろう。なおまた、他の好適な生体特徴をどれでも測定でき、本発明は指紋のスキャンに限定されていない。例えば、生体情報読取装置110を、網膜又は虹彩のスキャンを行うように構成してもよいし、人物の声のサンプルを取り込むように構成してもよい。
【0023】
測定されデジタル化された生体特徴が、A/D変換器124からマイクロプロセッサ126へと転送される。その後、マイクロプロセッサ126がこのデジタル化されたデータを送受信器128へと転送し、送受信器128では、そのデータを送信用に処理し認証ユニット112の送受信器136へと通信リンク118を介して送信する。ある配列では、通信リンク118は無線通信リンクである。無線伝送規格の好適な例には、ブルートゥースやIEEE802.15.4などがある。もちろん、その他の好適な無線伝送規格も本発明に適用できる。しかし、通信リンクが配線通信リンクでもよく、通信リンク118が無線のリンクに限定されていないことが分かる。
【0024】
その生体データを認証ユニット112の送受信器136が生体情報読取装置110から受信し処理する。それから、このデータがマイクロプロセッサ132へと送信される。生体データをマイクロプロセッサ132が受信し次第、マイクロプロセッサ132は、測定した生体データとデータベース134に保存されている一つ以上の生体サンプルとを比較する。この比較工程を実行する好適なアルゴリズムでマイクロプロセッサ132がプログラムされている。
【0025】
一例として、データベース134に保存されている生体サンプルは、認証済みユーザの指紋画像である。マイクロプロセッサ132は、生体情報読取装置110から受信した測定指紋画像を比較でき、この指紋画像とデータベース134の指紋サンプルとを比較する。
【0026】
データベース134に保存されている生体サンプルと測定した生体特徴とが一致することをマイクロプロセッサ132が判定する、即ち、認証ユニット112がユーザを生体情報について識別すると、マイクロプロセッサ132が装置114へと通信リンク117を介して認証信号を送信できる。通信リンク117は、配線接続として図示されたが、任意の好適な操作用伝送規格を用いた無線通信リンクでもよいことが分かる。
【0027】
装置114が、認証信号を受信すると、生体特徴(単数又は複数)を測定されたユーザのアクセスを許可する。一例として、装置114が携帯電話の場合、その携帯電話が認証信号を受信すると、ユーザは、その電話機で電話をかけたり受けたりするアクセスを許可される。もちろん、一致しない場合は、マイクロプロセッサ132は装置114に認証信号を送信せず、装置114へのユーザのアクセスは許可されない。
【0028】
認証ユニット112のデータベース134は、認証済みユーザの生体サンプルの任意の好適な数及びタイプをロードできる。一例として、生体情報読取装置110のマイクロプロセッサ126と認証ユニット112のマイクロプロセッサ132とが、初期化プロセスを実行するようにプログラムされている。この初期化プロセスの間、認証済みユーザの関連生体特徴が測定され、マイクロプロセッサ126が送受信器128にこの測定値を送受信器136へと送信するよう指示する。送受信器136は生体データを受信しそれをマイクロプロセッサ132へと転送し、その後、マイクロプロセッサ132はそのデータをデータベース134にロードする。その後、これらのロードされたサンプルは、これまでの議論に従い、認証済みユーザを生体情報について識別する為に使用される。
【0029】
前に説明したように、生体情報読取装置110は衣服開閉機構120に組み込み可能である。衣服開閉機構120の例が図3に図示されている。衣服開閉機構120は衣服116の一部であってもよいが、衣服開閉機構120はこのような構造への組み込みに限定されていない。この例では、衣服開閉機構120はジッパーであり、生体情報読取装置110の指紋スキャナ122にユーザが楽にアクセスできる。
【0030】
図2及び図3を参照すると、衣服開閉機構120には、第1の部分140と第2の部分142とがある。第1の部分140には、一組の第1の電気接点144があり、第2の部分142には、それらに対応する一組の第2の電気接点146がある。図2に最も良く示されているように、第2の電気接点146は電力リンク119を通じて認証ユニット112の第2の電源138に結合しており、第1の電気接点144は生体情報読取装置110の第1の電源130に結合している。
【0031】
図4を参照すると、第1の部分140が第2の部分142に接触するまで押し下げられた際には、第1の電気接点144が第2の電気接点146に対向して位置する。図2を再度参照すると、第1の電気接点144が第2の電気接点146に対向して位置しているときに、認証ユニット112の第2の電源138が、電力リンク119と第2の電気接点146と第1の電気接点144とを通じて生体情報読取装置110の第1の電源130を充電する。ある配列では、第2の電源138が一つ以上の使い捨てのバッテリであり、第1の電源130が一つ以上の充電可能なバッテリである。しかし、第1の電源130と第2の電源138とがこれらの例に限定されていないことが分かる。その他の好適な電源が第1の電源130又は第2の電源138として機能してもよい。
【0032】
図5及び図6を参照すると、別の例として、衣服開閉機構120は、スナップボタン、即ち、通常ジャケットや衣類の他の物品に見られる留め具である。限定はなく、この衣服開閉機構120は衣服116の一部であってもよい。この例でも、この衣服開閉機構120に第1の部分140と第2の部分142とがあり、第1の部分140と第2の部分142とがスナップボタンのはまり合う2つの要素として機能する。
【0033】
図3及び図4に関して記載された実施形態と同様、生体情報読取装置110を衣服開閉機構120に組み込んであり、ユーザがアクセスしやすいよう指紋スキャナ122を第1の部分140に設置してある。図5に示されているように、第2の部分142には第2の電気接点146があり、この第2の電気接点146は電力リンク119に電気的に結合している。図6を参照すると、第1の部分140の裏面が図示され、第1の部分140が第1の電気接点144を備えていることが示されている。
【0034】
図7を参照すると、衣服開閉機構120の断面図が示され、第1の部分140と第2の部分142とが接触している、即ち、第1の部分140と第2の部分142とがスナップではめ合わされている。図2を再度参照すると、第1の部分140と第2の部分142とが接触しているときに、電力リンク119と第2の電気接点146と第1の電気接点144とを通じて、第2の電源138が第1の電源130を充電する。
【0035】
システム100の操作を図示する方法200が図8に示されている。方法200の工程を、前述されたシステム100の構成要素について論じる。とはいえ、方法200の工程はその他の好適なシステムでも実践でき、本発明はこの点に関し限定されていない。
【0036】
図2及び図8を参照すると、方法200が工程210で開始する。工程212では、ユーザが衣服開閉機構120をつかみ衣服開閉機構120を操作する。一例として、衣服開閉機構120が衣服116のジッパーの場合(図3〜図4参照)、ユーザがジッパーをつかみ引き上げて衣服116を閉じる。同様に、衣服開閉機構120が衣服のスナップボタンの場合(図4〜図7参照)も、ユーザが第1の部分140と第2の部分142とをつかみ第1の部分140と第2の部分142とをはめ合わせて衣服116を閉じ始める。
【0037】
操作する工程212の間、生体情報読取装置110が工程214に示されるようにユーザの生体特徴を測定する。工程216では、測定した生体特徴を生体情報読取装置110が認証ユニット112へと無線通信リンク等を介して送信する。工程218では、認証ユニット112が、測定した生体特徴と少なくとも一つの保存されている生体サンプルとを比較する。決定ブロック220では、測定した生体特徴が認証済みユーザのものであるかどうかが判定される。
【0038】
決定ブロック220で、測定した生体特徴が認証済みユーザのものであることを認証ユニット112が判定した場合、方法200は工程222で再開する。工程222では、認証ユニット112が、衣服116に埋め込まれた装置114へと認証信号を送信する。認証信号の受信に応えて、工程224で示されるように装置114が認証済みユーザのアクセスを許可する。立ち返って、決定ブロック220で、測定した生体特徴が認証済みユーザのものでないことを認証ユニット112が判定した場合は、方法200は工程214へと続く。最終的に、本方法200は工程226で終了する。
【0039】
図9を参照すると、装置の不正使用を防止するシステムの別の例が図示されている。この配列では、システム300には、認証ユニット310と、制御装置312と、装置114とがある。この例では、制御装置312と装置114とが衣服116に埋め込まれている。しかし、認証ユニット310の全て又は一部と、制御装置312と、装置114とが衣服116に埋め込まれてもよいことに留意すべきである。
【0040】
認証ユニット310には、指紋スキャナ314と、入出力装置316と、マイクロプロセッサ318と、送受信器320と、生体サンプルを保存する為のデータベース322とがある。加えて、認証ユニット312には、電源324とA/D変換器326とがある。制御装置312には、マイクロプロセッサ328と、送受信器330と、電源332とがある。
【0041】
図9の認証ユニット310の構成及び操作は、図2の生体情報読取装置110の構成及び操作と同様である。しかし、認証ユニット310には、指紋スキャナ314の他に、生体サンプルを保存する為のデータベース322もある。よって、マイクロプロセッサ318が適正な比較アルゴリズムでプログラムされていれば、生体サンプルを測定する工程及び測定した生体特徴と保存されている生体サンプルとを比較する工程が認証ユニット310で行われる。
【0042】
マイクロプロセッサ318が、測定した生体特徴の持ち主が認証済みユーザであると判定すると、マイクロプロセッサ318は送受信器320に、第1の認証信号を通信リンク118を介して制御装置312へと送信するよう指示する。先述の通り、通信リンク118は無線通信リンクである。送受信器330が、第1の認証信号を受信し、信号をマイクロプロセッサ328へと転送する。マイクロプロセッサ328が呼応して、ユーザのアクセスを許可する第2の認証信号を装置114へと送信する。
【0043】
システム300は、ユーザが認証されているかどうかを識別する他のやり方を用いてもよい。具体的には、ユーザが認証されているかを判定する為に、関連情報が入出力装置316に入力されマイクロプロセッサ318に伝達される。例えば、入出力装置316はキーパッドやキーボードなどであり、ユーザがパスワードを入力する。マイクロプロセッサ318がパスワードを認識した場合、マイクロプロセッサ318は送受信器320に、第1の認証信号を制御装置312へと送信するよう指示する。入出力装置316を通じ認証ユニット312に他の識別情報を供給することができ、本発明がこの特定の例に限定されていないことに留意すべきである。
【0044】
本発明の好適な実施形態が図示され記載されたが、本発明がそのように限定されてはいないことが明白である。添付の請求項により規定された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、非常に多くの、修正、変更、変形、代用、同等物が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の配列に係る装置の不正使用を防止するシステム。
【図2】本発明の配列に係る図1のシステムのブロック図。
【図3】本発明の配列に係る衣服開閉機構に組み込まれた生体情報読取装置の例。
【図4】本発明の配列に係る図3の衣服開閉機構の第2の部分と接触している衣服開閉機構の第1の部分。
【図5】本発明の配列に係る衣服開閉機構に組み込まれた生体情報読取装置の別の例。
【図6】本発明の配列に係る図5の衣服開閉機構の一部の背面図。
【図7】本発明の配列に係る図5の衣服開閉機構の第2の部分にはめ合わされた衣服開閉機構の第1の部分の断面図。
【図8】本発明の配列に係る図2のシステムを操作する方法。
【図9】本発明の配列に係る装置の不正使用を防止する別のシステム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の不正使用を防止するシステムであって、
生体特徴を測定する生体情報読取装置と、
測定した生体特徴を前記生体情報読取装置が通信リンクを介して送信する認証ユニットと、を備え、
前記装置が衣服に埋め込まれており、前記認証ユニットがユーザを生体情報によって識別したときに、前記認証ユニットが前記装置へと認証信号を送信する、システム。
【請求項2】
前記認証ユニットが、少なくとも一つの認証済み生体サンプルを保存する為のデータベースを備え、前記認証ユニットが、測定した生体特徴を前記生体情報読取装置から受信して、前記測定した生体特徴と前記認証済み生体サンプルとを比較する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記認証ユニットに保存されている前記認証済み生体サンプルの少なくとも一つと前記測定した生体特徴とが一致したとき、前記認証ユニットが前記装置へ前記認証信号を送信する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記生体情報読取装置が送受信器を備えており、前記認証ユニットが送受信器を備えており、前記測定した生体特徴を生体情報読取装置の送受信器が前記認証ユニットの送受信器へ無線通信リンクを介して送信する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記生体情報読取装置が指紋読取装置である請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記生体情報読取装置が衣服開閉機構に組み込まれており、ユーザが前記衣服開閉機構を操作しているとき前記生体情報読取装置が前記生体特徴を測定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
装置の不正使用を防止する方法であって、
生体特徴を測定する工程と、
前記測定した生体特徴が認証済みユーザのものであるかを判定する為に、前記測定した生体特徴と少なくとも一つの保存されている生体サンプルとを比較する工程と、
前記測定した生体特徴が認証済みユーザのものである場合に、衣服に埋め込まれた装置へ認証信号を送信する工程と、を含む方法。
【請求項8】
前記測定した生体特徴を無線通信リンクを介して送信する工程を更に含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記測定する工程を、ユーザが衣服開閉機構を操作しているときに行う工程を更に含む請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記送信する工程に応えて前記装置へのアクセスを許可する工程を更に含む請求項7に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2007−526545(P2007−526545A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517602(P2006−517602)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【国際出願番号】PCT/US2004/020213
【国際公開番号】WO2005/003868
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】