装置
本発明は、試料中の関心のある検体の存在及び/又は量を判定する分析装置に関する。分析装置は、液体を含み、前記液体内に試料を受け入れるように構成され、第1の開封可能な液体シールと、第2の開封可能な液体シールとを備える試料受け入れ液体容器と、第1の液体シールを開封することができる開封手段と、試料中の関心のある検体の存在及び/又は量を判定する分析手段とを備える。本発明はまた、本発明の分析装置を使用して、試料中の関心のある検体の存在及び/又は量を判定する方法、及び、分析装置の要素に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、関心のある検体の存在又は量を検出するための分析装置及びキットに関する。本発明は、さらに、流体シール開封手段を備える分析装置、流体容器を備える分析装置及び開封手段、並びに、分析装置とともに使用するのに適している液体容器に関する。
【背景技術】
【0002】
液体試料における検体を検出するための簡便な使い捨て分析装置が周知である。欧州特許第291194号明細書は、キャリヤを通る多孔質流れを備えるような装置を開示しており、ラベル付きの結合試薬は、関心のある液体試料と相互に作用させられ、装置を通って流れさせられる。検出領域の下流におけるラベル付きの結合試薬の検出は、試料における検体の量又は存在の表示を提供する。そのような装置は、多孔質母材を通過するのを可能とするために、試料が液体の形態であることを必要とする。したがって、尿等の液体試料は、そのような装置においてさらなる処理なしで直接使用されることができる。しかしながら、精液や唾液等の低粘度の固体又は半固体の試料、又は、咽頭スワブから採取される試料は、使用前に希釈されることを必要とすることがある。さらにまた、試料は、関心のある検体を露出するために流体を用いて前処理されることを必要とすることがある。
【0003】
米国特許出願公開第2006/0024843号明細書は、関心のある試料の検出用のユニットを含む試料とともに分析検査ストリップを備える側方流動分析装置を開示している。ユニットを含む試料は、検査ストリップに試料を導入する前に、任意の他の方法で試料を抽出、希釈、又は、処理する能力を提供する。この目的のために、ユニットは、抽出又は希釈溶液を含むことができる。適切な培養期間に続いて、検査ストリップから液体を分離するシールが、ユーザによるユニットを含む試料の回転によって破壊される。
【0004】
米国特許第4654127号明細書は、検査試料チャンバと、第1及び第2の破裂可能なシール手段内に設けられた較正用物質流体を含む分離チャンバとを備える流体容器を備える単一使用分析装置を開示している。シール手段の破裂は、較正用物質流体が分析手段に流れるのを可能とする。
【0005】
多くの流体容器は、その内部に含まれる液体にアクセスすることができるように開封される液密の開封可能なシールを含む。そのような容器の例には、飲料パック、化粧品容器、薬品容器等が挙げられる。液密のシールは、容器内の液体の保持や、液体の蒸発の防止又は最小化等、多くの有益な機能を果たす。シールは、容器の内容物を露出するように少なくとも部分的に剥離することによって取り除かれることができる。シールは、例えば、それを開封するために、ユーザによってネジが抜かれるような又は容器内に押下されるようなネジ蓋の形態とすることができる。あるいは、いくつかの飲料容器の場合のように、シールは、孔開け可能とされ、その内部に含まれる液体にアクセスするために、鋭尖ストロー等の鋭利な器具の使用によって孔開けされてもよい。
【0006】
米国特許第5079141号明細書は、化学的、特に免疫化学的解析を実施するための、予め満たされて予めシールされた装置を開示している。この装置は、問題になっている分析反応を行うのに必要な全ての試薬が内部に導入されるウェルを内部に含む検査ベースを備える。この装置は、さらに、分析される試料が吸着されることができる鋭尖反応先端を一端に有する試薬棒を備える。ベース及びウェルは、装置に含まれる検査棒の鋭尖反応先端を用いて容易に孔開けされることができる不浸透性箔層で被覆されている。
【0007】
要素又はサンプリング装置によって直接孔開けされるように設計されたそのような流体容器は、通常、シールを介して液体容器内にサンプリング装置を挿入するために、機械的力を加えることによって孔開けされる低弾性のシールを有する。蒸発を最小化するために、シールは、厚い金属箔であってもよい。しかしながら、この構成には多くの欠点がある。例えば、装置のユーザは、シールを介してサンプリング装置を押し込むのに必要な高い孔開け力に起因して、シールを孔開けするための十分な力を有しないことがある。あるいは、ユーザは、不適切に過度な力を使用して検査装置内にサンプリング装置を押し付けることもあり、これにより、検査装置及び/又はサンプリング装置を損傷し、及び/又は、液体が容器から排出されることもある。箔を孔開けするのに必要とされる力を低減するために、箔は、非常に薄く形成されることができ、又は、穿孔や細溝を含むことができる。しかしながら、これは、ピンホールの存在に起因して、液体が容器から蒸発する可能性や、シールがより強固でなくなる可能性を高める。シールを介した要素の直接挿入はまた、挿入される要素がシールを孔開けするのに十分なほど鋭利であることを必要とする。例えば、要素が身体の開口内への挿入用のサンプリング装置である場合に、鋭利な要素を設けることは必ずしも都合がよくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第291194号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0024843号明細書
【特許文献3】米国特許第4654127号明細書
【特許文献4】米国特許第5079141号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、液体容器内に容易且つ都合よく挿入されるサンプリング装置での使用に適切な液体を含むシールされた液体容器を備える分析装置を提供することが、本発明の目的である。
【0010】
ユーザが分析装置を操作する際に最小のステップ数を実行することが必要とされる、試料中の検体の存在又は量を判定するのに適切な分析装置を提供することも、本発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の態様において、本発明は、試料中の関心のある検体の存在及び/又は量を判定する分析装置であって、
液体を含み、前記液体内に試料を受け入れるように構成され、第1の開封可能な液体シールと、第2の開封可能な液体シールとを備える試料受け入れ液体容器と、
第1の液体シールを開封することができる開封手段と、
試料中の関心のある検体の存在及び/又は量を判定する分析手段とを備える、分析装置を提供する。
【0012】
用語「開封可能なシール」とは、容器内の液体にアクセスするために、部分的又は完全に取り除かれる又は開封される又は孔開けされることができるシールをいう。シールは、孔開け可能とすることができる。シールは、閉塞位置から開封位置まで移動するように作動されることができるバルブであってもよい。
【0013】
液体容器は、第1及び第2の液体シールによって容器内にシールされる液体を含む。液体は、事実上水性とすることができる。本発明は液体に関してここで記載されるものの、本発明は、流体にも同様に適用可能であることが理解される。
【0014】
用語「試料混合液体」とは、試料と相互に作用する液体をいう。液体の試料との相互作用は、希釈、反応、結合事象、又は、懸濁をもたらすことができる。
【0015】
第1のシールは、液体容器の第1の開口をシールし、開封手段に近接して設けられることができ、第2のシールは、液体容器を分析手段から流体的に分離している液体容器の第2の開口をシールする。第1のシールは、分析手段から遠い位置に設けられてもよく、第2のシールは、分析手段に近接した位置に設けられてもよい。第1及び第2のシールは、容器の対向する側に設けられてもよい。第1のシールは、液体容器の上端部に配置されてもよく、第2のシールは、液体容器の下端部に配置されてもよい。
【0016】
用語「開封手段」とは、直接的又は間接的に第1の開封可能なシールを開封することができる手段をいう。開封手段は、シールを開封する役目を果たす又はシールを孔開けする役目を果たすスイッチ又は他の機構とすることができる。好ましい実施形態において、開封手段は、孔開け手段であり、第1の開封可能なシールは、孔開け可能である。第2の開封可能なシールは、孔開け可能とすることができる。液体容器は、第2のシールを開封することができる開封手段を備えることができる。開封手段は、第1の開封手段に対する追加の開封手段であってもよい。
【0017】
液体容器は、単一の液体チャンバを備えることができる。あるいは、液体容器は、それぞれが液体を含む複数の液体チャンバ、又は、それらのうちの1つが液体高感度試薬を含み且つ残りのチャンバが液体を含む複数の液体チャンバを備えてもよい。複数の液体チャンバが設けられている場合には、それらは、液体容器内へのサンプリング装置の挿入が、液体チャンバとのサンプリング装置の相互作用をもたらし、液体チャンバのそれぞれに含まれる液体の混合物又は1つの液体チャンバにおける液体と他の液体チャンバにおける液体高感度試薬との混合物をもたらすように、1つ以上の開封可能な液体シールによって互いに分離されてもよい。
【0018】
第1の開封可能なシールが孔開け可能なシールであり、且つ、開封手段が孔開け手段である場合には、孔開け手段を備える分析装置の設置は、要素自体が直接孔開けシールを孔開けすることなく、ユーザが簡便に且つ容易に孔開け可能なシールを介して液体容器内に要素を挿入することを可能とする。したがって、シールされた流体容器内に設けられた流体と要素を接触させるために、過度な力を使用する必要性は最小化される。孔開け装置はまた、要素自体が開封可能なシールを直接開封しないような比較的切れ味が鈍い要素をユーザが使用することを可能とする。さらにまた、孔開け装置は、液体チャンバからの液体の蒸発に対して最適な保護を与える比較的厚い孔開け可能な材料が使用されるのを可能とする。
【0019】
第1及び/又は第2のシールは、金属、合金、又は、ポリマー層等の低い流体浸透性を有する材料から選択されることができる。層は、約15ミクロンから約50ミクロンの範囲の厚みを有することができる。15ミクロン未満の層は、ピンホールを有する傾向があり、50ミクロンを超える層は、シールを孔開けするために高すぎる孔開け力を必要とする傾向がある。好ましくは、孔開け可能なシールの場合には、シールの厚みは、20から30ミクロンに及ぶ。金属層は、アルミニウム箔とすることができる。層は、層が液体容器に接着されるのを可能とするように、さらに、ラッカーやラミネート等の接着可能な裏あて層を備えることができる。
【0020】
分析装置は、問題になっている分析に適切な1つ以上の試薬を備えることができる。試薬の例は、限定されないが、関心のある検体と結合することができる結合試薬、酵素、界面活性剤、緩衝剤、抽出試薬、塩、沈澱剤、粘度変更試薬、及び、溶解剤から選択されることができる。結合試薬は、検出可能なラベルでラベル付けされることができる。1つ以上の試薬が、液体容器内及び/又は分析手段内に設けられることができる。試薬は、乾燥状態で又は湿潤状態で設けられることができる。
【0021】
分析手段は、毛細管流路、マイクロ流体経路、又は、側方流動多孔質キャリヤ等のキャリヤを通る多孔質流れ等の液体経路を備えることができる。液体経路は、検出チャンバ又は領域に通じることができる。キャリヤを介した多孔質流れは、使用時に流体的に接続される1つ又は複数の多孔質キャリヤ材料を含むことができる。複数の多孔質キャリヤ材料は、同一であっても異なっていてもよい。複数の多孔質キャリヤは、線形又は積層配置で少なくとも部分的に互いに重複してもよい。分析手段は、例えば、欧州特許第291194号明細書に記載されているような側方流動キャリヤ材料を備えることができる。分析手段は、それぞれが検体の検出用の別個の流路を画定する複数の液体経路を備えることができる。検体は、同一であっても異なっていてもよい。複数の液体経路が設けられる場合には、それらは、液体容器からの液体が各流路に流れることができるような共通の試料受け入れ部を有してもよい。
【0022】
1つの実施形態において、分析手段は、分析反応の結合又は反応生成物が第2のキャリヤ材料に保持され且つ試料中の検体の存在又は量を判定するために検出されるように、第1の多孔率のキャリヤ材料が、第1のキャリヤ材料のものよりも小さい第2の多孔率のキャリヤ材料と流体的に接続しているキャリヤを介した流れを備える。
【0023】
分析手段は、問題になっている分析に適切な1つ以上の試薬を備えることができる。1つ以上の試薬は、関心のある検体に結合することができる結合剤、酵素等の関心のある検体と反応することができる試薬、相互に作用することができる試薬あるいは関心のある検体と他の試薬との間での任意の相互作用の生成物と反応することができる試薬から選択されることができる。分析手段は、関心のある検体と1つ以上の試薬との相互作用又は反応の生成物を検出することができる検出領域を備えることができる。
【0024】
1つの実施形態において、分析手段は、関心のある検体についてのラベル付けされた結合試薬を固定することができる検出領域を備える。検出領域は、固定された結合試薬を含んでもよい。さらなる実施形態において、分析手段は、少なくとも試薬と関心のある検体との間の反応から形成された化学的又は生化学的な生成物を固定することができる検出領域を備える。
【0025】
検出領域において固定された生成物の検出又は観察は、試料中に存在する検体の存在及び/又は量の指示を与える。
【0026】
さらなる実施形態において、分析手段は、関心のある検体についての酵素を備える。分析手段は、さらに、酵素又はカラー現像試薬及び/又は沈殿剤についての電子伝達体を備えてもよい。
【0027】
1つの実施形態によれば、分析手段は、免疫測定及び/又は酵素分析手段である。
【0028】
分析装置によって判定されることになる関心のある検体は、生物学的、工業的、又は、環境的性質からなることができる。検体は、特にヒト由来の哺乳動物由来のものであってもよい。関心のある検体は、毒素、有機化合物、タンパク質、ペプチド、微生物、バクテリア、ウィルス、アミノ酸、核酸、炭水化物、ホルモン、ステロイド、ビタミン、及び、薬物を含む任意の有意物であってよい。検体は、分析手段に露出される前に液体前処理ステップを必要とするものであってもよい。液体処理ステップは、限定されないが、希釈、液体懸濁、抽出、結合反応、生化学的反応、化学的反応、緩衝、界面活性剤を用いた処理のうちの1つ以上を含むことができる。前処理ステップは、液体容器内に関心のある検体を導入してそれが液体容器内で相互に作用するのを可能とすることによって実施されることができる。液体容器は、前処理ステップが実施されるのを可能とする1つ以上の試薬を含むことができる。特に、関心のある検体は、連鎖球菌A、カンジダ有機体、及び、細菌性膣炎有機体を含む。
【0029】
試料は、血液、血清、血漿、唾液、痰、眼球液、汗、尿、乳、腹水、粘液、滑液、腹膜液、経皮性滲出液、咽頭滲出液、気管支肺胞洗浄液、気管吸引、脳脊髄液、精液、頸管粘液、膣又は尿道分泌物、羊膜液等を含む生理学的液体等の任意のソースから得られることができる。
【0030】
結合試薬という用語は、結合対構成員、すなわち、一方の分子が化学的又は物理的手段を介して特に第2の分子と結合する2つの異なる分子をいう。2つの分子は、それらの互いの結合が、それらが同様の特性を有する他の分析成分からそれらの結合相手を区別することができるようなものである、という意味において関連している。特定の結合対構成員は、結合対構成員及び結合対パートナー等、リガンド及びレセプター(アンチリガンド)と称される。分子はまた、分子の集合体についての結合対構成員であってもよく、例えば、第2の抗体の免疫複合体に対する抗体及びその対応する抗原は、免疫複合体についての結合対構成員と考えられることができる。
【0031】
抗原及び抗体結合対構成員に加えて、他の結合対には、限定されない例として、ビオチン及びアビジン、炭水化物及びレクチン、相補的ヌクレオチド配列、相補的ペプチド配列、エフェクター及びレセプター分子、酵素補助因子及び酵素、酵素阻害因子及び酵素、ペプチド配列及びその配列又は全部のタンパク質についての特定の抗体、ポリマー酸及び塩基、染料及びタンパク質結合剤、ペプチド及び特定のタンパク質結合剤(例えば、リボヌクレアーゼ、S−ペプチド、及び、リボヌクレアーゼS−タンパク質)等が挙げられる。さらにまた、特定の結合対は、オリジナルの特定の結合員と類似する構成員を含むことができる。
【0032】
ラベル付けされた結合試薬の内容物において使用される場合の「ラベル」とは、視覚的な又は計測的な手段によって検出可能な信号を生成することができる任意の物質をいう。本発明における使用に適切な様々なラベルには、化学的又は物理的手段のいずれかを介した信号を生成するラベルが挙げられる。そのようなラベルには、酵素及び基質、色原体、触媒、蛍光化合物、化学発光化合物、電気活性種、及び、放射能ラベルが挙げられることができる。他の適切なラベルは、金等のコロイド金属粒子、セレン又はテルル等のコロイド非金属粒子、染色ポリマー等の染色又は着色粒子を含む。検体自体は、本質的に、検出可能な信号を生成することができてもよい。
【0033】
分析装置は、さらに、分析手段等、装置の1つ以上の要素を収容する役目を果たすハウジング手段を備えることができる。分析装置は、さらに、分析の生成物を検出する検出手段を備えることができる。検出手段は、光学的検出手段、電気化学的検出手段、質量検出手段、及び、周波数検出手段等、任意の適切な手段から選択されることができる。分析装置は、さらに、分析結果を表示する表示手段、患者の識別情報や日時等の他の情報とともに分析結果を格納する記憶手段、計算手段、信号変換手段、及び、電源等、1つ以上の手段を備えることができる。
【0034】
第1の態様に係る分析装置は、サンプリング手段が液体容器内に挿入されることができるように、使用時に、サンプリング装置が第1の開封可能な液体シールの開封をもたらす開封手段に接触するようなサンプリング装置との使用に適している。試料と液体容器内の液体との間の相互作用に続いて、第2の開封可能なシールは、液体容器から分析手段に液体が流れることができるように開封されることができる。第2の開封可能なシールは、サンプリング装置によって直接開封されることができる。あるいは、第2のシールは、第2の開封手段によって開封されてもよい。第2のシールは、液体容器内に設けられた孔開け手段によって孔開けされることができる。
【0035】
分析装置は、さらに、試料を分析装置の液体容器に送ることができるサンプリング装置を備えることができる。サンプリング装置は、例えば、スポンジやスワブから選択される吸収剤や多孔質材料等の任意の適切な要素とすることができる。あるいは、へら等の非吸収材料であってもよい。サンプリング装置は、分析装置に取り付けるように構成されることができ、及び/又は、その逆もしかりであり、これにより、分析装置の一体部品を形成することができる。
【0036】
サンプリング装置は、任意のソースから固体、半固体、又は、液体試料を採取するように設計された任意の装置とすることができる。例えば、サンプリング装置は、哺乳動物等の被験動物から身体試料を採取するように構成されている。好ましい実施形態において、サンプリング装置は、被験者から身体試料を採取するように構成されている。
【0037】
あるいは、サンプリング装置は、植物、液体物質、土壌、又は、他のソースから試料を採取するように構成されてもよい。
【0038】
サンプリング装置は、特に装置が試料を収集する効率を高めるように構成されたヘッド部を備えることができる。例えば、サンプリング装置のヘッド部は、ソースから試料材料を収集するサンプリング装置の可能性を高める特定の形状に形成されることができる。例えば、ヘッド部は、細長いシャフト、螺旋形状、円錐形状、又は、他の形状を形成することができる。ヘッド部は、試料材料を捕捉するための半径方向に突出した構造をさらに備えてもよい。例えば、ヘッド部は、放射剛毛、若しくは、弾性のある放射突起を備えることができ、又は、スポンジや集合材料等の多孔質材料を備えることができる。サンプリング装置の他の構成は、当業者にとって明らかである。例えば、サンプリング装置の形状は、試料が被験物から(例えば、身体の開口から)採取されるときの被験物に対する不快感を最小化するように構成されることができる。
【0039】
サンプリング装置は、さらに、ヘッド部に取り付けられた細長いシャフトを備えることができる。シャフトの直径は、ヘッド部の直径未満とすることができる。サンプリング装置はまた、試料の採取中にユーザが保持するための取っ手部を備えることができる。取っ手部は、より容易なサンプリング装置の使用をユーザに提供するように構成されることができる。例えば、取っ手部は、試料の採取中にサンプリング装置が滑るのを防止するために、ユーザの手と取っ手との間の摩擦力を増加させる突起を備えることができる。したがって、取っ手部は、リブが付けられているか又は取っ手とユーザの手との間の摩擦力を増加させる材料から構成されることができる。
【0040】
分析装置はまた、サンプリング装置を受け入れることができる中空頸部等の手段を備えることもできる。この手段は、液体容器の第1の液体シールを開封することができる開封手段の方にサンプリング装置を案内することができる。受け入れ手段は、液体容器を取り囲み且つ液体容器の上に垂直に延在してもよい。頸部は、サンプリング装置を開封手段に案内する役目を果たすフィン部等の1つ以上の突起を含んでもよい。突起は、頸部の孔内に垂直に且つ頸部の少なくとも一部に沿って長手方向に延在してもよい。突起が頸部の孔内に延在している距離は、サンプリング装置が突起の端部と接触して第1の液体シール及び第1の液体シールを開封することができる開封手段の中心に向かって案内されるように構成されることができる。好ましくは、突起の端部の表面積は、サンプリング装置と突起との間において最小の接触があるように最小化される。これは、試料材料が頸部の側壁に接触してそこに堆積される可能性を低減し、したがって、より多くの試料材料が分析装置の液体容器内に送られる可能性を増加させる。
【0041】
分析装置は、個々のユーザによる又は医療専門家による使用を対象としている。分析装置の使用の簡便化は、装置を家庭用に特に適したものとする。
【0042】
第2の態様において、本発明は、試料中の関心のある検体の存在及び/又は量を判定する方法であって、
試料を設けたサンプリング装置を第1の態様の分析装置と接触させるステップであって、分析装置の開封手段をサンプリング装置と接触させることにより、液体容器の第1の開封可能な液体シールの開封をもたらす、接触させるステップと、
液体を含む液体容器内にサンプリング装置を挿入するステップと、
第2の開封可能な液体シールを開封するステップと、
関心のある検体について分析されるように容器から分析手段に液体が流れるのを可能とするステップとを備える、方法を提供する。
【0043】
分析手段は、流体容器及び/又は開封手段と一体とすることができ、分析手段、容器、及び、開封手段は、ともに、分析装置を構成する。
【0044】
その後、分析結果は、関心のある検体の存在又は量を判定するために視覚的に読み取られることができる。
【0045】
サンプリング装置は、サンプリング装置と液体との間における任意の相互作用のための時間が生じるのを可能とするように、ある期間だけ液体容器内に存在することができる。この期間は、任意の期間とすることができ、通常、1秒未満から20分に及ぶことができる。サプリング装置は、試料の液体との混合又は移動を高めるために容器内で撹拌されることができる。
【0046】
1つの実施形態によれば、使用時に、ユーザは、サンプリング装置を開封手段と接触させ、流体容器内にサンプリング装置を垂直又は略垂直に挿入し、その後、第2の流体シールの孔開けをもたらすサンプリング装置の下向きの動きを継続する。このように、ユーザは、試料がサンプリング装置に供給された後に試料を分析するために単一ステップを実施することを要求されるのみである。
【0047】
第3の態様において、本発明は、1つ以上のサンプリング装置とともに第1の態様に係る分析装置を備える、分析キットを提供する。
【0048】
サンプリング装置は、へら、スプーン、又は、気泡パッド等の任意の適切な装置とすることができる。特定の実施形態において、サンプリング装置はスワブである。
【0049】
分析装置のさらなる要素は、試料が分析装置に成功裏に加えられているかどうか、及び/又は、分析装置が正確に機能しているかどうかを判定する分析制御手段を含むことができる。
【0050】
欧州特許第291194号明細書によって開示されたような分析装置は、流体試料が分析装置に添加された旨を示す分析制御手段を開示している。一例によれば、制御手段は、可動性のラベル付けされた結合試薬を結合することができる固定された結合試薬を備え、固定された結合試薬は、検出領域の下流の領域に設けられている。制御領域における固定されてラベル付けされた結合試薬の検出は、ラベル付けされた結合試薬が再懸濁されて液体試料によって検出領域を過ぎて制御領域まで送られる旨を示す。しかしながら、分析される試料が最初に流体と混合されその後に分析される分析用の、そのような分析制御手段の欠点は、分析装置が、液体試料がそれに加えられたことを示すことができるのみであり、試料がそれに添加されたかどうかを示すものではない、ということである。したがって、ユーザは、サンプルされないサンプリング装置を流体に加えることができる可能性があり、流体が分析されるのを可能とし、分析が実施された旨の確実な指示を提供することを可能とする者であるはずである。家庭における人等、訓練されていない人材によって使用されることができる分析装置のために、よりインテリジェントな分析制御手段を提供する必要がある。
【0051】
したがって、本発明は、第4の態様において、試料中の関心のある検体の存在及び/又は量を判定する分析装置であって、
液体を含むことができる液体容器と、
試料中の関心のある検体の存在及び/又は量を分析する分析手段とを備え、
分析手段が、さらに、由来特定(origin specific)分析制御手段を備える、分析装置を提供する。
【0052】
第5の態様において、本発明は、試料中の関心のある検体の存在及び/又は量を判定する方法であって、
流体混合物を形成するように関心のある試料を流体と混合するステップと、
流体混合物を分析手段に加え、関心のある検体についての分析を実施するステップとを備え、分析手段が、由来特定分析制御手段を備える、方法を提供する。
【0053】
分析装置は、サンプリングの由来において一般的な種に特有である制御試薬を備えることができる。サンプリングの由来は、例えば、ヒト等の動物からのものとすることができる。したがって、制御試薬は、ヒトに一般的な種に対する抗ヒト抗体とすることができる。種は、ヒトに存在するIgGの4つの亜類型とIgAの2つの亜類型とを含むIgA、IgD、IgE、IgG、及び、IgMから選択される免疫グロブリンとすることができる。例えば、IgAは、粘液を含む領域(例えば、腸内、気道内、又は、尿生殖路内)にみられ、IgEは、アレルゲンに結合し、マスト細胞からヒスタミン遊離を引き起こし(アレルギーの基本的な機構)、(その4つの形態における)IgGは、侵入病原体に対する抗体に基づく免疫の大部分を提供する。結合試薬は、抗ヒトIgG又は抗ヒトIgA抗体を含むことができる。結合試薬は、検出領域の下流に形成される制御領域又は検出領域に固定されることができる。分析手段は、本発明の第1の態様に係る液体経路を備えることができる。好ましい実施形態において、分析手段は、側方流動免疫測定手段である。
【0054】
第6の態様において、本発明は、
開口を画定する部材と、
1つ以上の孔開け要素とを備え、
各孔開け要素が、部材に取り付けられた第1の端部と、開口内に延在している第2の端部とを備え、第2の端部が、部材に対して移動可能であり、孔開け可能な材料を孔開けすることができる、孔開け装置を提供する。
【0055】
使用時に、要素は、孔開け装置の開口を介して挿入されることができ、要素が開口を介して進むのにともない、1つ、それ以上、又は、全ての孔開け要素に接触する。要素は、要素が開口を通過する場合に、要素が通るのと一般に同一方向に1つ以上の孔開け要素を移動させる。孔開け要素の移動は、孔開け要素の第2の端部を接触させ、各孔開け要素の第2の端部を越えて配置されることができる孔開け可能な材料を、孔開け要素の第2の端部に孔開けさせる。
【0056】
各孔開け要素は、好ましくは部材の内面(開口に面する面)に取り付けられる第1の端部を有するが、第1の端部は代わりに部材の外面(開口から離れて面する任意の面)に取り付けられてもよい。各孔開け要素はまた、開口内に延在し且つ孔開け可能な材料を孔開けすることができる第2の端部も有する。
【0057】
1つ以上の孔開け要素は、第2の端部の移動を可能とする適切な手段によってその第1の端部において部材に取り付けられることができる。第2の端部は、第1の位置と、使用時に孔開け可能な材料が孔開けされる第2の位置との間において移動可能とすることができる。第1及び第2の位置間における第2の端部の移動が、例えば、開口を介して挿入された要素によって開口を介して加えられた力によって生じることが好ましい。この力が解放された後、第2の端部は、第1の位置に戻ることができる。
【0058】
1つ以上の孔開け要素は、ヒンジによって部材に取り付けられることができ、弾性手段によって第1の位置に保持されることができる。例えば、孔開け要素は、バネ機構によって第1の位置に保持されることができる。開口を介して挿入された要素によって孔開け要素に加えられた力は、孔開け要素を第2の位置に移動させることができる。したがって、孔開け要素の移動は、部材に対する各孔開け要素の取り付け点まわりの回動移動であり得る。したがって、孔開け要素の第2の端部が孔開け材料の方に及び部材の側面の方に弧状移動で進むように、各孔開け要素の第2の端部は、部材に対する孔開け要素の取り付け点まわりに回転することができる。孔開け可能な材料が孔開けされるような且つ要素がさらに孔開け装置の開口を介して挿入されるような孔開け要素の継続した弧状移動は、要素が孔開け装置を介して徐々に挿入されるように要素の経路から孔開け可能な材料を取り除く。したがって、要素と孔開け可能な材料との間の接触は、要素が孔開け装置を介して、孔開け可能な材料を有する容器内に挿入されるのにともない最小化される。孔開け要素は、部材の一体部品を形成することができる。部材、孔開け要素、及び/又は、ヒンジは、同一材料又は異なる材料から形成されることができる。ヒンジは、孔開け要素と部材との間に薄い材料の部分を形成することによって形成されることができる。例えば、(限定されない例としての)ポリエチレン等の所定の材料は、薄い断面を有して形成される場合には柔軟性があり、大きな断面を有して形成される場合には柔軟性がない。そのような特性を有する他の材料は、当業者に公知である。材料の復元力は、孔開け要素を第1の位置に保持するのに十分とすることができるが、孔開け要素は、要素が開口を介して挿入されることによって第2の位置に移動するように付勢されてもよい。
【0059】
孔開け要素が第1の位置から第2の位置に移動するのを防止する抵抗レベルは、孔開け装置の開口を介して挿入されることになる要素の性質にしたがって選択されることができる。装置は、孔開け要素の移動に対する抵抗レベルを与える手段を含んでもよい。これは、例えば、開口を介して挿入されることになる要素が特に重い場合に有利である。抵抗レベルを与えることは、シールの孔開けが、要素が開口を介して挿入される際いかなる要素のきしみもなく又は装置に対するいかなる損傷もなく比較的滑らかに実施されることを可能とする。
【0060】
前記したように、孔開け要素は、部材に対する孔開け要素の取り付け点まわりの回動によって第1の位置から第2の位置まで移動することができる。あるいは、孔開け要素は、孔開け要素が軸まわりの回動なしで第2の位置に移動するのを可能とする手段によって部材に取り付けられてもよい。例えば、部材の内面は、各孔開け要素の第1の端部に係合する流路を備えることができ、流路は、挿入された要素の移動方向に、部材に沿って延在している。流路は、各孔開け要素を第1の位置に保持するように各孔開け要素の第1の端部に十分な抵抗を及ぼすことができる。要素が孔開け装置の開口を介して挿入される場合に、それは、各孔開け要素の第1の端部が保持される流路に沿って移動するように、1つ、それ以上、又は、全ての孔開け要素を付勢し、これにより、孔開け可能な材料を孔開けする。
【0061】
各孔開け要素を部材に取り付ける手段は、第1及び第2の位置にある時、孔開け要素が部材に好ましくは取り付けられたままとなるようなものである。あるいは、各孔開け要素は、第1の位置から第2の位置まで移動した場合に部材から取り外されることができる。
【0062】
孔開け要素は、孔開け可能な材料を容易に孔開けするように成形されることができ、これにより、材料を孔開けするためにユーザによって必要とされる力を最小化する。例えば、各孔開け要素の第2の端部は、孔開け要素と孔開け可能な材料との間の接触の第1の位置である鋭利な先端を形成することができる。各孔開け要素は、孔開け可能な材料を切断(これによって孔開け)することができる鋭利下面を備えることができる。
【0063】
各孔開け要素の(開口を介して挿入されることになる要素に面する)上面及び(上面の反対の)下面は、鋭利な先端を形成するように、各孔開け要素の第2の端部において一致することができる。先端は、開口を介して挿入されることになる要素が孔開け要素の上面に接触した場合に、要素よりも孔開け可能な材料に近くすることができる。これは、孔開け可能な材料が孔開けされ、要素が孔開け可能な材料に到達する前に、挿入された要素の経路から材料が取り除かれるのを保証する。
【0064】
各孔開け要素は、孔開け要素と孔開け装置の開口を介して挿入されることになる要素との間の接触面を画定する上側突起を含むことができる。好ましくは、上側突起は、挿入された要素との最小の接触面積を有する。挿入された要素が試料材料をそこに担持する場合(例えば挿入された要素がスワブ又は同様のものである場合)、これは、試料材料の最小量が孔開け要素に接触するのを保証し、したがって、試料材料が孔開け要素に吸着される可能性を低減する。
【0065】
各孔開け要素は、上側突起まで孔開け要素の反対側に配置され且つ孔開け可能な材料を孔開けするためのものである下側突起を含むことができる。下側突起は、刃先を形成することができる。下側突起は、孔開け可能な材料が孔開けされ、要素が材料に到達する前に、開口内に挿入された要素の経路から材料が取り除かれるのを保証するのに十分な距離だけ上側突起から分離されることができる。
【0066】
上側及び下側突起間において、孔開け要素の幅は、上側及び下側突起における幅を超えてもよい。これは、孔開け可能な材料の孔開け後に、孔開け要素の増加した幅が、挿入された要素の経路から強制的に材料を取り除くのを保証する。したがって、挿入された要素は、要素が開口を通過するときの孔開け可能な材料との最小の接触をもたらす。
【0067】
本発明の孔開け装置は、単一の孔開け要素を備えることができ、又は、複数の孔開け要素を備えることができる(例えば、孔開け装置は、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、又は、それ以上の孔開け要素を含むことができる)。用語「1つの孔開け要素」若しくは「複数の孔開け要素」、又は、単数及び複数に対応する用語が、孔開け装置の特定の実施形態に関してここに使用されているが、ここに定義された孔開け装置の任意の実施形態は、単一の孔開け要素又は複数の孔開け要素のいずれかを備えることができることは理解できる。
【0068】
孔開け要素は、孔開け可能な材料を孔開けするために十分な強度の任意の材料から構成されることができる。例えば、孔開け要素は、プラスチック材料、金属、又は、金属合金、セラミック、又は、非金属等の材料から構成されることができる。そのような例は、高密度ポリエチレン、PVC、ポリプロピレン、ナイロン、PTFE、ステンレス鋼、及び、チタンである。孔開け要素は、柔軟性があってもよく、柔軟性がなくてもよい。柔軟性がない場合には、孔開け要素は、例えば、部材に対してのヒンジでの取り付けによって部材に対して移動可能とすることができる。あるいは、各孔開け要素の第2の端部の少なくとも一部は柔軟性がなく、各孔開け要素の第1の端部の少なくとも一部は柔軟性があるように、孔開け要素は、2つ以上の材料から構成されることができる。したがって、孔開け要素は、柔軟性がない第2の端部を備えることができるが、部材に対する孔開け要素の取り付け点において、孔開け要素が柔軟性のある材料から形成されていることから、取り付け点まわりに依然として回動することができる。
【0069】
好ましくは、孔開け要素は、材料の厚みに応じてその柔軟性が変化する材料から構成されている。例えば、ポリエチレンは、薄い断面を有する形状に形成された場合には柔軟性があるが、厚い断面を有する形状に形成された場合には柔軟性がより小さい。したがって、孔開け要素の第2の端部が、孔開け装置の開口を介して挿入された要素によって偏向されるのを可能とするように、孔開け要素は、部材に対する孔開け要素の取り付け点において又は取り付け点の近くにおいて、薄い断面積を有することができる。孔開け要素が孔開け可能な材料を孔開けするのに十分なほど柔軟性がないことを保証するように、孔開け要素は、部材に対する取り付け点から離れて孔開け要素の本体に沿ってより厚い断面積を有することができる。好ましくは、孔開け要素は、高密度ポリエチレン又はポリプロピレンから構成される。
【0070】
孔開け要素は、その特性が、孔開け装置の開口を介して挿入されることになる要素の特性との比較に応じて選択される材料から構成されることができる。要素が装置の開口を介して挿入された場合の孔開け要素に対する損傷に耐えるように、孔開け要素は、適切に高い強度の材料から構成されることができる。
【0071】
孔開け要素は、後に部材に取り付けられる別個の要素として製造されることができる。あるいは、孔開け要素は、部材と一体であってもよい。例えば、本発明の孔開け装置は、プラスチックから形成されることができ、孔開け装置の全体を画定する型から製造されることができる。孔開け装置は、射出成形等の任意の便利な方法によって製造されることができる。
【0072】
孔開け装置の部材は、任意の形状をなすことができる。同様に、部材によって画定される開口は、任意の形状とすることができる。
【0073】
孔開け装置の「挿入端部」は、要素が孔開け装置を通過する場合に要素が最初に通る部材の端部を画定している。孔開け装置の「孔開け端部」は、装置が孔開けする対象である孔開け可能な材料に最も近接した部材の端部を画定している。本発明の1つの実施形態において、各孔開け要素の第2の端部は、孔開け装置のいずれかの端部の方に移動することができ、したがって、孔開け装置のどちらの端部が孔開け可能な材料を含む液体容器に接触するのかということは重要ではない。各孔開け要素が部材の1つの端部の方に移動することができるのみであるような実施形態において、この端部は、常に、装置の「孔開け端部」であり、孔開け要素が材料を孔開けすることができるように、孔開け可能な材料の最も近くに配置されなければならない。
【0074】
1つの実施形態において、孔開け要素が第1の位置にある場合には、各孔開け要素の第2の端部は、装置の孔開け端部を越えて延在しない。したがって、例えば、本発明の孔開け装置が平面的な液密のシールに配置されている場合には、装置の孔開け端部は、液密のシールと接触することができるが、各孔開け装置の第2の端部は、液密のシールと接触しない。要素が孔開け装置の開口を介して挿入される場合には、孔開け要素は、液密のシールと接触するように付勢され、挿入された要素を介してそれらに加えられた力によってシールを孔開けするように付勢される。この実施形態は、孔開け装置が取り付けられる液体容器とは別個に孔開け装置が製造される場合に、孔開け要素の第2の端部に受ける損傷の可能性を低減する。
【0075】
本発明の孔開け装置を介した挿入用の要素は、液体容器内に挿入されることが求められる任意の要素とすることができる。例えば、要素は、その機能が液体を液体容器から他の目的地まで送ることである導管とすることができる。例えば、要素は、パイプ又はストローとすることができる。したがって、孔開け装置は、飲料容器に使用されることができる。あるいは、要素は、その機能が要素に又は要素内に含まれる材料を液体容器内に送ることである装置であってもよい。例えば、要素は、スワブとすることができる。
【0076】
第7の態様において、本発明は、孔開け可能な材料から形成された液体シールを有する液体容器と組み合わせた第6の態様の孔開け装置を提供する。
【0077】
孔開け装置の部材は、部材が取り付けられる液体容器の必要性に応じて任意の形状とすることができる。例えば、部材は、円形、正方形、五角形、六角形、七角形、八角形、若しくは、楕円形、又は、任意の他の形状とすることができる。部材の形状は、孔開け装置に対して特徴のある外観を与えるように設計されることができる。
【0078】
孔開け装置の開口は、任意の形状とすることができ、開口を介して挿入されることになる要素の寸法に応じて構成されることができる。例えば、開口は、円形、正方形、五角形、六角形、七角形、八角形、楕円形、又は、任意の他の形状とすることができる。
【0079】
部材は、孔開け要素が第1の位置(液体容器にある液体シールに孔開け要素が接触しない位置)から第2の位置(孔開け要素が液体容器にある液体シールに接触して孔開けする位置)まで移動されることができるような方法で液体容器に取り付けることができる。したがって、部材は、液体容器に取り付けるための手段を備えることができる。孔開け装置は、任意の適切な手段によって液体容器に取り付けられることができる。例えば、液体容器がシリンダの一端の幅を横切って配置された液体シールを備えるシリンダである場合には、部材は、液体シールを有するシリンダの一端に取り付けられることができる円形キャップの形状に形成されることができる。部材は、摩擦嵌合によってシリンダに取り付けられてもよい。
【0080】
あるいは、部材は、孔開け装置がネジ付きの嵌合ネジを介して取り付けられることができるように、液体容器の対応するネジと係合することができるネジを備えてもよい。あるいは、別個の取り付け手段は、部材を液体容器に取り付けるために使用されることができる。例えば、ネジ、釘、鋲、接着剤、クリップ、又は、当分野において知られている他の取り付け手段が使用されることができる。部材はまた、任意の適切な手段によって液体容器に取り付けられることができる、開口から離れて延在している突起部を備えることもできる。そのような突起部の形状は、孔開け装置が取り付けられる液体容器の形状に一致するように構成されることができる。
【0081】
好ましくは、部材は、摩擦嵌合によって液体容器に取り付けられる。
【0082】
部材の正確な寸法は、部材が取り付けられる液体容器の寸法に応じて調整されることができるということが当業者によって理解される。
【0083】
液体容器は、それぞれが孔開け可能な材料から形成された複数の液体シールを備えることができる。第6の態様の孔開け装置は、1つ以上の液体シールを孔開けすることができる。
【0084】
液体容器は、複数の孔開け可能な液体シールと、容器内の孔開け手段とを含むことができ、孔開け手段は、少なくとも1つの液体シールを孔開けすることができる。第8の態様において、本発明は、そのような液体容器を提供する。好ましくは、液体容器は、液体容器の対向する端部に設けられた第1及び第2の液体シールと、第2の液体シールを孔開けすることができる容器内の孔開け手段とを備える。第6の態様の孔開け装置は、第1の液体シールを孔開けすることができるように液体容器に取り付けられることができる。
【0085】
第8の態様の容器内の孔開け手段は、本発明の第6の態様に係る孔開け装置とすることができ、又は、別の孔開け手段とすることができる。
【0086】
容器内の孔開け手段は、第1の端部において液体容器の内面に取り付けられた1つ以上の孔開け要素を備えることができ、各孔開け要素は、孔開け要素の第2の端部を形成するように、液体容器によって形成された間隙内に延在しており、第2の端部は、液体容器に対して移動可能であり、液体シールを孔開けすることができる。
【0087】
各孔開け要素は、孔開け要素の第1及び第2の端部を連結するアーム部を備えることができる。あるいは、各孔開け要素は、孔開け要素の第2の端部から出て且つ各アーム部の第1の端部において液体容器の内面に取り付ける複数のアーム部を備えることができる。例えば、孔開け要素は、2つのアーム部を備えることができる。
【0088】
アーム部の第1の端部は、別個の取り付け点において液体容器の内面に取り付けることができる。アーム部の1つの取り付け点において容器を通過する水平面に対して、同一の孔開け要素の第2の(又は各追加の)アーム部は、同一水平面において液体容器の内面に取り付けられることができる。
【0089】
要素が第1の液体シールを介して液体容器内に挿入される場合には、要素は、液体容器内の孔開け手段と接触して液体容器を介して移動するように付勢されることができる。第6の態様の孔開け装置は、第1の液体シールを介した液体容器内への要素の挿入を容易とするために使用されることができる。
【0090】
第1の液体シールが容器の上端部に配置され且つ第2の液体シールが容器の下端部に配置される場合には、液体は、重力によって且つ損傷を受けていない第2の液体シールによって容器内に保持されることができる。第2の液体シールは、要素が容器内にさらに挿入されるのにともない、第1の液体シールを介して容器内に挿入される細長い要素が第2の液体シールに近接した孔開け手段に接触するように、第1の液体シールと一直線上に容器内に配置されることができる。
【0091】
挿入された要素は、(孔開け要素が第2の液体シールに接触しない)第1の位置から、第2の液体シールが孔開け要素によって接触されて孔開けされる第2の位置まで移動するように、容器内の孔開け手段の孔開け要素を付勢することができる。第1の位置から第2の位置までの孔開け要素の移動は、孔開け要素に第2の液体シールを孔開けさせる。孔開け要素はまた、第2の液体シールによって予め被覆されている容器の開口を介して要素が挿入されるのにともない、要素の経路から液体シールの材料を取り除くことができる。孔開け装置が前記したような2つのアーム部を有する孔開け要素を備える場合には、要素が容器内にさらに挿入されるときの孔開け要素の横方向の移動についての可能性は、液体容器に対する2つのアーム部の取り付けのために低減される。したがって、2つのアーム部は、第1の位置から第2の位置まで移動するときの孔開け要素の移動方向のより大きな制御を可能とする。第2の液体シールが孔開けされると、液体は、第2の液体シールによって予め被覆されている開口を介して液体容器から流出することができる。
【0092】
1つ以上の孔開け要素の第2の端部は、容器内の液体シールに面する鋭尖先端と、容器内に挿入される要素に面する円錐形状の平坦な底部とを有する円錐形状に形成することができる。
【0093】
第6の態様の孔開け装置が取り付けられる他の液体容器が以下に記載される。容器は、容器の頂点に配置された第1の液体シールと、容器の底部において第1の液体シールとは反対側に配置された第2の液体シールとを備えることができる。容器は、2つの部分、すなわち、第1の液体シールに近接した上側部分と、第2の液体シールに近接した下側部分とを備えることができる。上側部分は、下側部分よりも大きな体積によって画定されることができる。容器が一般に円筒形状を有する場合には、下側部分は、容器内に挿入されることになる(サンプリング装置等の)要素の最大直径よりも僅かに大きい直径を有することができる。下側部分は、容器の底部に向かって外側に先細りすることができる。上側部分は、下側部分の直径よりも大きな直径を有することができる。上側部分の内壁は、より小さい直径の下側部分に向かって内側に先細りすることができる。したがって、サンプリング装置が第1のシールを介して液体容器内に挿入される場合には、サンプリング装置は、容器の上側部分に入る。サンプリング装置が容器の下側部分内にさらに進むのにともない、容器の下側部分にある液体は、サンプリング装置の周囲の上側に向かって上側部分内に移動される。したがって、下側部分の縮小した直径は、サンプリング装置(及びそこの任意の試料)と液体との間の接触が最大化されるのを保証する。この液体の移動は、(必ずしも円筒形状ではない)任意の形状の容器の上側及び下側部分の体積を合わせることによって達成されることができる。サンプリング装置は、第2の液体シールに接触して孔開けするように、液体容器内にさらに進められることができる。そして、液体は、容器の上側部分からサンプリング装置の周囲の下側部分内に流れ、孔開けされた第2のシールを介して容器から流出する。第2のシールは、要素によって、又は、例えば、第6の態様の孔開け装置である孔開け手段によって孔開けされることができる。
【0094】
液体容器は、さらに、1つ以上の孔開け可能な液体シールが取り付けられるフランジ部を備えることができる。例えば、容器は、第1及び第2のシールがそれぞれ取り付けられる上側及び下側フランジを備えることができる。
【0095】
液体シールは、容器内で液体を保持するのに適した不活性の孔開け可能な材料から形成されることができる。液体シールは、例えば、非多孔質フィルム又は金属製シール(例えば、アルミニウム箔)とすることができる。非多孔質フィルムの製造に適した材料には、単重合体、共重合体、三元重合体、及び、その混合物、すなわち、エチレンビニルアセテート、エチレンエチルアクリレート、エチレンアクリル酸、エチレンメチルアクリレート、エチレンn−ブチルアクリレート、ポリウレタン、ポリ(エーテル−エステル)、ポリ(アミド−エーテル)ブロック共重合体、及び、他の同様の材料を含む、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)等の熱可塑性ポリマーが挙げられる。
【0096】
シール材料の厚みは、シールの強度及び浸透性を変えるように変化させることができる。シールがアルミニウム箔から構成される場合には、容器内で液体を保持するのに適した厚みは、約15から50ミクロンから、好ましくは20から30ミクロンからの範囲とすることができる。
【0097】
好ましくは、第8の態様の液体容器は、射出成形プロセスによって製造される。好ましくは、液体容器は、高密度ポリエチレンから構成される。
【0098】
液体容器は、容器の内側壁から容器の内部空間内に延在している1つ以上の偏向可能な突起を備えることができる。第9の態様において、本発明は、液体容器の内側壁から容器の内部空間内に延在している複数の偏向可能な突起を備える容器を提供する。これらの突起は、容器内に挿入されたサンプリング装置に接触して、これにより、サンプリング装置に存在する試料を掻き乱し、サンプリング装置から液体への試料の移動に役立つ。
【0099】
突起は、第1の端部において容器の内壁に取り付けられており、各突起は、容器の内部空間内に延在している第2の端部を備える。突起は、任意の距離において液体容器の内部空間内に延在することができる。例えば、突起は、容器の内周周囲に間隔をあけて配置されることができ、且つ、一定長において液体容器の中央に向かってそれぞれ延在することができ、これにより、容器の中央において突起を介して開口を画定する。突起は、各指の細長いシャフトに沿った一定の幅を有する細長い「指」として成形されることができる。あるいは、各突起の幅は、突起の長手に沿って変化することができる。例えば、各突起の幅は、容器の内側壁に対する取り付け点において突起の先端よりも大きくすることができる。したがって、突起は、底部から突起の先端における点まで内側に先細りすることができる。あるいは、突起は、突起の先端に向かって外側に先細りすることができる。
【0100】
突起は、容器の内壁に対して垂直に容器内に延在することができる。あるいは、突起は、容器の壁面に対して90°以外の角度で容器内に延在することができる。例えば、突起は、容器の壁面に対して1°から90°までの範囲における角度で容器の内部空間内に上方に延在することができる。これは、サンプリング装置からの試料材料の掻き乱しを向上させることができ、これにより、サンプリング装置から液体へとより多くの試料材料を移動させる。突起は、前記した孔開け要素が第1の位置から第2の位置まで移動されるのと同様の方法で液体チャンバに入るサンプリング装置によって偏向される。突起は、孔開け要素を構成するのに適しているような前記した任意の材料から構成されることができる。突起は、ヒンジ機構によって容器の内側壁に取り付けられることができ、又は、液体容器と一体とすることができる。好ましくは、突起は、容器と一体となっている。好ましくは、突起は、柔軟性のある材料から形成される。突起は、好ましくは、容器に対する取り付け点に直接隣接した細い横断面と、突起の残りの全体を通る厚い横断面とを持つ領域を有する。これは、サンプリング装置が突起と接触するような細い横断面を有する領域において突起が曲がるのを可能とする。
【0101】
突起は、好ましくは、容器の内周周囲の同一水平面において容器に取り付けられ、これにより、突起の「リング」を形成する。あるいは、突起は、容器を介して異なる水平面において、又は、容器の内面の全長に沿って取り付けられてもよい。容器が、上側部分と、前記したようなより小さな体積の下側部分とを備える場合には、突起のリングは、好ましくは、下側部分の頂点に配置される。
【0102】
第9の態様の容器はまた、容器内に孔開け手段を含むこともでき、孔開け手段は、容器内に存在する液体シールを孔開けすることができる。したがって、第9の態様の容器は、第8の態様の容器の特徴を含むことができる。
【0103】
本発明の各態様の好ましい特徴は、他の態様のそれぞれに関して変更すべきところは変更される。ここで述べられた従来技術文献は、法律によって許容される最大限の範囲において組み込まれる。
【0104】
本発明の特定の実施形態は、図面を参照してここに記載される。図面は、本発明の例となる実施形態のみを示しており、本発明の範囲を限定するようにみなされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の孔開け装置の立面図である。
【図2】本発明の第8の態様に係る液体容器の斜視図である。
【図3a】本発明の第9の態様の液体容器の下側の斜視図である。
【図3b】本発明の第9の態様の液体容器の上側の斜視図である。
【図3c】本発明の第9の態様の液体容器の平面図である。
【図4a】本発明の第9の態様の液体容器の平面図である。
【図4b】図4aにおいて概略が描かれた領域Bにおける偏向可能な突起の配置構成を詳細に示す図である。
【図5a】本発明の第9の態様の液体容器の側面図である。
【図5b】図5aにおける線V−Vを通る横断面図である。
【図5c】図5bにおいて概略が描かれた領域Aにおける偏向可能な突起の配置構成を詳細に示す図である。
【図6】本発明の分析装置に配置された本発明の孔開け装置の横断面における側面図である。
【図7】本発明の孔開け装置を通る要素の段階的な前進を図示する一連の画像を横断面において示す図である。
【図8】本発明の分析装置に配置された本発明の孔開け装置の立面図である。
【図9】本発明の分析装置に配置された、本発明の孔開け装置を介して挿入されたサンプリング装置の立面図である。
【図10】分析装置内に挿入されたサンプリング装置を有する本発明の分析装置の横断面図である。
【図11】挿入されたサンプリング装置がない本発明の分析装置の横断面図である。
【図12】頸部の孔内に延在しているフィン部を有する本発明の分析装置の頸部の下側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0106】
図1は、部材2と、3つの孔開け要素3、3’、3’’とを備える本発明の孔開け装置を示している。各孔開け要素は、第1の端部において部材2の上端部に取り付けられ且つ部材2によって画定された開口の中心の方に半径方向に延在しているアーム部8を備える。各アーム8から垂直に延在しているものは、上側突起6及び下側突起7である。上側突起6は、装置を介して挿入される要素に最小の接触面を形成している。下側突起7は、液体シールを切断することができる(これによって孔開けすることができる)鋭利な切断面を備える。アーム8は、力が上側突起6に加えられたとき下方に移動することができるように柔軟性がある。
【0107】
図2は、容器9の底部に向かって液体容器9内に孔開け手段30を備える本発明の第8の態様に係る液体容器9を示している。孔開け手段30は、液体容器9の底部をシールする第2の液体シール(図示しない)を孔開けすることができる鋭尖先端を有する円錐状の第2の端部31を備える。孔開け手段30は、液体容器9の内面に取り付けられた2つのアーム部38、38’を備える。使用時に、要素は、要素が孔開け手段30に当接し、且つ、端部Bにおいて容器の底部をシールする孔開け可能な液体シール(図示しない)の方に移動してシールを孔開けするために円錐状端部31を押し込むように、端部Aにおいて液体容器内に挿入される。このような移動の間、孔開け手段30は、容器に対するアーム38、38’の取り付け点まわりに回動する。
【0108】
図3a及び図3bは、それぞれ、本発明の第9の態様の液体容器39の下側面図及び上側面図を示している。容器は、第1及び第2の液体シールがそれぞれ取り付けられることができる上側フランジ41及び下側フランジ40を含む。容器は、容器の中心へと半径方向に延在している偏向可能な突起60を備える。図3cは、容器39の平面図を示しており、上側部分の頂点で切り取られた横断面における容器の上側部分の内部の直径は12mmである。
【0109】
図4aは、本発明の第9の態様の容器39の平面図を示しており、上側フランジの外面の直径は16mmであり、容器の下側部分の内部の直径は、下側部分の頂点で切り取られた横断面において8mmであり、下側部分の底部で切り取られた横断面における直径は8.4mmである。したがって、下側部分の内壁は、容器の底部に向かって外側に先細りしている。容器39の上側及び下側部分が図5aにおいて示されている。図4bにおいてより詳細に示される突起のそれぞれの幅は0.75mmである。突起は、容器の中央に略円形状開口を画定している。開口の直径は2mmである。
【0110】
図5aは、本発明の第9の態様の容器39の側面図を示しており、下側部分43よりも大きい直径からなる上側部分42を示している。容器の全体の高さは20mmである。下側部分43の高さは9.8mmである。上側フランジ部の高さは1mmである。図5bは、図5aにおける線V−Vを通って切り取られた容器39の横断面図を示している。容器の底部から突起60の上端部までの距離は8mmである。図5bにおいて、上側部分42は、下側部分43よりも大きな内部体積を有し、且つ、上側部分の内壁が下側部分に向かって湾曲するように内側に先細りしていることがわかる。偏向可能な突起60は、下側部分43の頂点まわりにリングを形成している。図5cは、容器39の側壁に対する偏向可能な突起60の取り付けの詳細を示している。偏向可能な突起は、容器39と一体であり、且つ、容器の取り付け点の近くに厚みが縮小した領域を備える。この厚みが縮小した領域は、要素が容器39内に挿入されることによって偏向された場合に偏向可能な突起が曲がるのを可能とする。図5cにおいて示される例における厚みが縮小した領域は、突起の残りを通る0.4mmの断面厚みと比較して、0.3mmである。図3aから図5cにおいて示された容器はまた、図2において示された容器の特徴を備えることもでき、その逆もまた同様である。したがって、第8の態様の容器は、第9の態様の任意の特徴を含むことができる。
【0111】
図6は、孔開け装置1が第8の態様の液体容器9に取り付けられる分析装置を示している。分析装置はまた、第9の態様の容器、又は、第8及び第9の態様の特徴を組み合わせた容器を含むこともできる。液体容器9は、第1の液体シール10と、第2の液体シール20とを備える。孔開け装置1は、孔開け要素が第1の位置にある場合に、孔開け要素3、3’のそれぞれの下側突起7が第1の液体シール10と接触しないように配置されている。
【0112】
使用時に、要素(好ましくはスワブ等のサンプリング装置)は、孔開け装置1を介して挿入され、孔開け要素3、3’のそれぞれの上側突起6と接触し、孔開け要素の下側に配置された液体シールの位置の方に孔開け要素を下方に移動させる。孔開け要素3、3’のそれぞれの下側突起7は、液体シールを孔開けし、孔開け要素3、3’が徐々に下方に移動するのにともない、部材に対する取り付け点まわりに回動し(これによって容器9の側面の方に弧を描くように動かし)、アーム部8は、開口の中心から離れる方向にシールの材料を付勢し、これにより、要素が装置1を通過するときに挿入された要素がシールの材料と接触する可能性を低減する。
【0113】
サンプリング装置が液体容器9内に挿入された場合に、サンプリング装置に含まれる試料は、液体容器9内の液体と接触する。そして、サンプリング装置は、第2の液体シール20の方に液体容器9内にさらに挿入される。サンプリング装置は、孔開け手段30と接触し、第2の液体シール20と接触して孔開けするように孔開け手段30を付勢する。
【0114】
さらに、分析装置は、液体受容器50に対して高い位置に液体容器9を保持するスペース要素70を備える。スペース要素は、第2の液体シール20と液体受容器50との間に間隔71を形成する。この間隔71は、好ましくは、分析装置内に挿入されるサンプリング装置の先端全体を収容するのに十分に大きく、これにより、サンプリング装置の先端全体が液体容器9を通過するのを可能とする。スペース要素70の寸法は、サンプリング装置が分析装置内に完全に挿入された場合に液体受容器50と接触しないように構成されることができる。あるいは、完全に挿入されたサンプリング装置は、液体受容器50と直接接触してもよい。サンプリング装置と液体受容器50との間の接触は、液体受容器及び側方流動キャリヤ51に対する液体輸送を向上させることができる。直径がサンプリング装置の先端の最大直径未満であるシャフトをサンプリング装置が備える場合に、シール20を通っての、且つ間隙72内へのサンプリング先端全体の挿入は、容器9にある全ての液体が容器9の外であって液体受容器50に流れ出ることができることを保証する。したがって、液体は、サンプリング装置の先端による容器の下側部分の閉塞によって容器9内に閉じ込められない。また、図6において示されるものは、スペース要素71の底部と液体受容器50との間の任意の間隙72である。
【0115】
第2の液体シール20の孔開けにより、液体は、間隔71及び間隙72を介して容器9から液体受容器50に流れる。そして、液体は、液体受容器50から側方流動キャリヤ51に流れ、側方流動キャリヤ51に沿って検出手段53に向かって流れる。
【0116】
図7は、ヘッド部13と細長いシャフト14とを備えるサンプリング装置12が孔開け装置1を介して挿入されるときの孔開け装置1の動作を示している。図7(A)において、ヘッド部が孔開け要素3の上側突起6と接触するように(明確化のために、1つの孔開け要素のみが示されている)、サンプリング装置は、孔開け装置内に挿入される。孔開け要素3は、第1の位置に示されている。図7(B)において、孔開け要素3が第2の位置に移動されるように、サンプリング装置12は、孔開け装置1を介してさらに挿入されたように示されており、これにより、液体シール10を孔開けする。図7(C)は、液体容器に入るさらに進んだ位置におけるサンプリング装置12を示している。孔開け要素3は、さらに進んだ第2の位置に示されており、サンプリング装置12が液体容器内に通るとき、液体シール10の材料がサンプリング装置12の経路から取り除かれる。
【0117】
図8は、第8の態様の液体容器9に配置された孔開け装置1を備える本発明の分析装置の立面図を示している。分析装置は、さらに、液体容器9から液体を受け入れることができる2つの側方流動キャリヤストリップ51、51’を備える。分析装置は、さらに、試料中の関心のある検体の存在を検出する手段53を備える。
【0118】
図9は、液体容器9内に孔開け装置1を介して挿入されたサンプリング装置11を備える本発明の分析装置の立面図を示している。分析装置を収容する下側ケーシング80も示されている。
【0119】
図10は、分析装置内に挿入されたサンプリング装置11を有する本発明の分析装置の横断面を示している。分析装置の頸部81は、孔開け装置1及び液体容器9を取り囲み且つそこから垂直に延在しているように示されている。頸部の頂点は、サンプリング装置11を解放可能に係合することができる係合手段83を設けている。サンプリング装置は、当業者に公知の任意の適切な係合手段によって頸部と係合することができる。例えば、サンプリング装置のヘッド部は、頸部の頂点における嵌合窪み内にクリップする半径方向突起を備えることができる。あるいは、半径方向突起は、頸部の頂点にあり、窪みがサンプリング装置にあってもよい。あるいは、サンプリング装置は、頸部にある協働突出ネジを係合することができる(これにより、嵌合ネジを嵌合することによって係合する)突出したネジ部を備える。好ましくは、サンプリング装置は、サンプリング装置又は頸部を回転することを必要としない手段によって頸部と係合する。係合手段は、サンプリング装置が的確な深さに液体容器内に挿入されるのを保証する役目を果たし、サンプリング装置がこれ以上容器内に挿入されるのを防止する役目を果たす。
【0120】
頸部81は、さらに、サンプリング装置が分析装置内に挿入されたときに、孔開け装置1の開口の方にサンプリング装置を案内するフィン部82を備える。フィン部82は、孔開け装置1の孔開け要素と接触することができる。サンプリング装置が係合手段83において頸部を係合したときに、サンプリング装置11のヘッド13が分析装置の間隔71に配置されるように、頸部の長さは、サンプリング装置の長さに応じて構成されることができる。
【0121】
図11は、斜視図において、挿入されたサンプリング装置がない本発明の分析装置の横断面を示している。フィン部82は、頸部の孔内に延在しているように示されている。フィン部82は、頸部の鉛直な長手に沿って延在している。これにより、孔開け装置1の開口の方にサンプリング装置を導く案内ランナーとして動作する。フィン部82は、頸部の頂点から孔開け装置1まで頸部の孔内にさらに徐々に延在することができる。
【0122】
図12は、本発明の分析装置の上側ケーシング84の下側面図を示している。フィン部82は、頸部の孔内に延在しているように示されている。
【0123】
ここで述べられた従来技術の参考文献は、法律によって許容される最大限の範囲において組み込まれる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、関心のある検体の存在又は量を検出するための分析装置及びキットに関する。本発明は、さらに、流体シール開封手段を備える分析装置、流体容器を備える分析装置及び開封手段、並びに、分析装置とともに使用するのに適している液体容器に関する。
【背景技術】
【0002】
液体試料における検体を検出するための簡便な使い捨て分析装置が周知である。欧州特許第291194号明細書は、キャリヤを通る多孔質流れを備えるような装置を開示しており、ラベル付きの結合試薬は、関心のある液体試料と相互に作用させられ、装置を通って流れさせられる。検出領域の下流におけるラベル付きの結合試薬の検出は、試料における検体の量又は存在の表示を提供する。そのような装置は、多孔質母材を通過するのを可能とするために、試料が液体の形態であることを必要とする。したがって、尿等の液体試料は、そのような装置においてさらなる処理なしで直接使用されることができる。しかしながら、精液や唾液等の低粘度の固体又は半固体の試料、又は、咽頭スワブから採取される試料は、使用前に希釈されることを必要とすることがある。さらにまた、試料は、関心のある検体を露出するために流体を用いて前処理されることを必要とすることがある。
【0003】
米国特許出願公開第2006/0024843号明細書は、関心のある試料の検出用のユニットを含む試料とともに分析検査ストリップを備える側方流動分析装置を開示している。ユニットを含む試料は、検査ストリップに試料を導入する前に、任意の他の方法で試料を抽出、希釈、又は、処理する能力を提供する。この目的のために、ユニットは、抽出又は希釈溶液を含むことができる。適切な培養期間に続いて、検査ストリップから液体を分離するシールが、ユーザによるユニットを含む試料の回転によって破壊される。
【0004】
米国特許第4654127号明細書は、検査試料チャンバと、第1及び第2の破裂可能なシール手段内に設けられた較正用物質流体を含む分離チャンバとを備える流体容器を備える単一使用分析装置を開示している。シール手段の破裂は、較正用物質流体が分析手段に流れるのを可能とする。
【0005】
多くの流体容器は、その内部に含まれる液体にアクセスすることができるように開封される液密の開封可能なシールを含む。そのような容器の例には、飲料パック、化粧品容器、薬品容器等が挙げられる。液密のシールは、容器内の液体の保持や、液体の蒸発の防止又は最小化等、多くの有益な機能を果たす。シールは、容器の内容物を露出するように少なくとも部分的に剥離することによって取り除かれることができる。シールは、例えば、それを開封するために、ユーザによってネジが抜かれるような又は容器内に押下されるようなネジ蓋の形態とすることができる。あるいは、いくつかの飲料容器の場合のように、シールは、孔開け可能とされ、その内部に含まれる液体にアクセスするために、鋭尖ストロー等の鋭利な器具の使用によって孔開けされてもよい。
【0006】
米国特許第5079141号明細書は、化学的、特に免疫化学的解析を実施するための、予め満たされて予めシールされた装置を開示している。この装置は、問題になっている分析反応を行うのに必要な全ての試薬が内部に導入されるウェルを内部に含む検査ベースを備える。この装置は、さらに、分析される試料が吸着されることができる鋭尖反応先端を一端に有する試薬棒を備える。ベース及びウェルは、装置に含まれる検査棒の鋭尖反応先端を用いて容易に孔開けされることができる不浸透性箔層で被覆されている。
【0007】
要素又はサンプリング装置によって直接孔開けされるように設計されたそのような流体容器は、通常、シールを介して液体容器内にサンプリング装置を挿入するために、機械的力を加えることによって孔開けされる低弾性のシールを有する。蒸発を最小化するために、シールは、厚い金属箔であってもよい。しかしながら、この構成には多くの欠点がある。例えば、装置のユーザは、シールを介してサンプリング装置を押し込むのに必要な高い孔開け力に起因して、シールを孔開けするための十分な力を有しないことがある。あるいは、ユーザは、不適切に過度な力を使用して検査装置内にサンプリング装置を押し付けることもあり、これにより、検査装置及び/又はサンプリング装置を損傷し、及び/又は、液体が容器から排出されることもある。箔を孔開けするのに必要とされる力を低減するために、箔は、非常に薄く形成されることができ、又は、穿孔や細溝を含むことができる。しかしながら、これは、ピンホールの存在に起因して、液体が容器から蒸発する可能性や、シールがより強固でなくなる可能性を高める。シールを介した要素の直接挿入はまた、挿入される要素がシールを孔開けするのに十分なほど鋭利であることを必要とする。例えば、要素が身体の開口内への挿入用のサンプリング装置である場合に、鋭利な要素を設けることは必ずしも都合がよくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第291194号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0024843号明細書
【特許文献3】米国特許第4654127号明細書
【特許文献4】米国特許第5079141号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、液体容器内に容易且つ都合よく挿入されるサンプリング装置での使用に適切な液体を含むシールされた液体容器を備える分析装置を提供することが、本発明の目的である。
【0010】
ユーザが分析装置を操作する際に最小のステップ数を実行することが必要とされる、試料中の検体の存在又は量を判定するのに適切な分析装置を提供することも、本発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の態様において、本発明は、試料中の関心のある検体の存在及び/又は量を判定する分析装置であって、
液体を含み、前記液体内に試料を受け入れるように構成され、第1の開封可能な液体シールと、第2の開封可能な液体シールとを備える試料受け入れ液体容器と、
第1の液体シールを開封することができる開封手段と、
試料中の関心のある検体の存在及び/又は量を判定する分析手段とを備える、分析装置を提供する。
【0012】
用語「開封可能なシール」とは、容器内の液体にアクセスするために、部分的又は完全に取り除かれる又は開封される又は孔開けされることができるシールをいう。シールは、孔開け可能とすることができる。シールは、閉塞位置から開封位置まで移動するように作動されることができるバルブであってもよい。
【0013】
液体容器は、第1及び第2の液体シールによって容器内にシールされる液体を含む。液体は、事実上水性とすることができる。本発明は液体に関してここで記載されるものの、本発明は、流体にも同様に適用可能であることが理解される。
【0014】
用語「試料混合液体」とは、試料と相互に作用する液体をいう。液体の試料との相互作用は、希釈、反応、結合事象、又は、懸濁をもたらすことができる。
【0015】
第1のシールは、液体容器の第1の開口をシールし、開封手段に近接して設けられることができ、第2のシールは、液体容器を分析手段から流体的に分離している液体容器の第2の開口をシールする。第1のシールは、分析手段から遠い位置に設けられてもよく、第2のシールは、分析手段に近接した位置に設けられてもよい。第1及び第2のシールは、容器の対向する側に設けられてもよい。第1のシールは、液体容器の上端部に配置されてもよく、第2のシールは、液体容器の下端部に配置されてもよい。
【0016】
用語「開封手段」とは、直接的又は間接的に第1の開封可能なシールを開封することができる手段をいう。開封手段は、シールを開封する役目を果たす又はシールを孔開けする役目を果たすスイッチ又は他の機構とすることができる。好ましい実施形態において、開封手段は、孔開け手段であり、第1の開封可能なシールは、孔開け可能である。第2の開封可能なシールは、孔開け可能とすることができる。液体容器は、第2のシールを開封することができる開封手段を備えることができる。開封手段は、第1の開封手段に対する追加の開封手段であってもよい。
【0017】
液体容器は、単一の液体チャンバを備えることができる。あるいは、液体容器は、それぞれが液体を含む複数の液体チャンバ、又は、それらのうちの1つが液体高感度試薬を含み且つ残りのチャンバが液体を含む複数の液体チャンバを備えてもよい。複数の液体チャンバが設けられている場合には、それらは、液体容器内へのサンプリング装置の挿入が、液体チャンバとのサンプリング装置の相互作用をもたらし、液体チャンバのそれぞれに含まれる液体の混合物又は1つの液体チャンバにおける液体と他の液体チャンバにおける液体高感度試薬との混合物をもたらすように、1つ以上の開封可能な液体シールによって互いに分離されてもよい。
【0018】
第1の開封可能なシールが孔開け可能なシールであり、且つ、開封手段が孔開け手段である場合には、孔開け手段を備える分析装置の設置は、要素自体が直接孔開けシールを孔開けすることなく、ユーザが簡便に且つ容易に孔開け可能なシールを介して液体容器内に要素を挿入することを可能とする。したがって、シールされた流体容器内に設けられた流体と要素を接触させるために、過度な力を使用する必要性は最小化される。孔開け装置はまた、要素自体が開封可能なシールを直接開封しないような比較的切れ味が鈍い要素をユーザが使用することを可能とする。さらにまた、孔開け装置は、液体チャンバからの液体の蒸発に対して最適な保護を与える比較的厚い孔開け可能な材料が使用されるのを可能とする。
【0019】
第1及び/又は第2のシールは、金属、合金、又は、ポリマー層等の低い流体浸透性を有する材料から選択されることができる。層は、約15ミクロンから約50ミクロンの範囲の厚みを有することができる。15ミクロン未満の層は、ピンホールを有する傾向があり、50ミクロンを超える層は、シールを孔開けするために高すぎる孔開け力を必要とする傾向がある。好ましくは、孔開け可能なシールの場合には、シールの厚みは、20から30ミクロンに及ぶ。金属層は、アルミニウム箔とすることができる。層は、層が液体容器に接着されるのを可能とするように、さらに、ラッカーやラミネート等の接着可能な裏あて層を備えることができる。
【0020】
分析装置は、問題になっている分析に適切な1つ以上の試薬を備えることができる。試薬の例は、限定されないが、関心のある検体と結合することができる結合試薬、酵素、界面活性剤、緩衝剤、抽出試薬、塩、沈澱剤、粘度変更試薬、及び、溶解剤から選択されることができる。結合試薬は、検出可能なラベルでラベル付けされることができる。1つ以上の試薬が、液体容器内及び/又は分析手段内に設けられることができる。試薬は、乾燥状態で又は湿潤状態で設けられることができる。
【0021】
分析手段は、毛細管流路、マイクロ流体経路、又は、側方流動多孔質キャリヤ等のキャリヤを通る多孔質流れ等の液体経路を備えることができる。液体経路は、検出チャンバ又は領域に通じることができる。キャリヤを介した多孔質流れは、使用時に流体的に接続される1つ又は複数の多孔質キャリヤ材料を含むことができる。複数の多孔質キャリヤ材料は、同一であっても異なっていてもよい。複数の多孔質キャリヤは、線形又は積層配置で少なくとも部分的に互いに重複してもよい。分析手段は、例えば、欧州特許第291194号明細書に記載されているような側方流動キャリヤ材料を備えることができる。分析手段は、それぞれが検体の検出用の別個の流路を画定する複数の液体経路を備えることができる。検体は、同一であっても異なっていてもよい。複数の液体経路が設けられる場合には、それらは、液体容器からの液体が各流路に流れることができるような共通の試料受け入れ部を有してもよい。
【0022】
1つの実施形態において、分析手段は、分析反応の結合又は反応生成物が第2のキャリヤ材料に保持され且つ試料中の検体の存在又は量を判定するために検出されるように、第1の多孔率のキャリヤ材料が、第1のキャリヤ材料のものよりも小さい第2の多孔率のキャリヤ材料と流体的に接続しているキャリヤを介した流れを備える。
【0023】
分析手段は、問題になっている分析に適切な1つ以上の試薬を備えることができる。1つ以上の試薬は、関心のある検体に結合することができる結合剤、酵素等の関心のある検体と反応することができる試薬、相互に作用することができる試薬あるいは関心のある検体と他の試薬との間での任意の相互作用の生成物と反応することができる試薬から選択されることができる。分析手段は、関心のある検体と1つ以上の試薬との相互作用又は反応の生成物を検出することができる検出領域を備えることができる。
【0024】
1つの実施形態において、分析手段は、関心のある検体についてのラベル付けされた結合試薬を固定することができる検出領域を備える。検出領域は、固定された結合試薬を含んでもよい。さらなる実施形態において、分析手段は、少なくとも試薬と関心のある検体との間の反応から形成された化学的又は生化学的な生成物を固定することができる検出領域を備える。
【0025】
検出領域において固定された生成物の検出又は観察は、試料中に存在する検体の存在及び/又は量の指示を与える。
【0026】
さらなる実施形態において、分析手段は、関心のある検体についての酵素を備える。分析手段は、さらに、酵素又はカラー現像試薬及び/又は沈殿剤についての電子伝達体を備えてもよい。
【0027】
1つの実施形態によれば、分析手段は、免疫測定及び/又は酵素分析手段である。
【0028】
分析装置によって判定されることになる関心のある検体は、生物学的、工業的、又は、環境的性質からなることができる。検体は、特にヒト由来の哺乳動物由来のものであってもよい。関心のある検体は、毒素、有機化合物、タンパク質、ペプチド、微生物、バクテリア、ウィルス、アミノ酸、核酸、炭水化物、ホルモン、ステロイド、ビタミン、及び、薬物を含む任意の有意物であってよい。検体は、分析手段に露出される前に液体前処理ステップを必要とするものであってもよい。液体処理ステップは、限定されないが、希釈、液体懸濁、抽出、結合反応、生化学的反応、化学的反応、緩衝、界面活性剤を用いた処理のうちの1つ以上を含むことができる。前処理ステップは、液体容器内に関心のある検体を導入してそれが液体容器内で相互に作用するのを可能とすることによって実施されることができる。液体容器は、前処理ステップが実施されるのを可能とする1つ以上の試薬を含むことができる。特に、関心のある検体は、連鎖球菌A、カンジダ有機体、及び、細菌性膣炎有機体を含む。
【0029】
試料は、血液、血清、血漿、唾液、痰、眼球液、汗、尿、乳、腹水、粘液、滑液、腹膜液、経皮性滲出液、咽頭滲出液、気管支肺胞洗浄液、気管吸引、脳脊髄液、精液、頸管粘液、膣又は尿道分泌物、羊膜液等を含む生理学的液体等の任意のソースから得られることができる。
【0030】
結合試薬という用語は、結合対構成員、すなわち、一方の分子が化学的又は物理的手段を介して特に第2の分子と結合する2つの異なる分子をいう。2つの分子は、それらの互いの結合が、それらが同様の特性を有する他の分析成分からそれらの結合相手を区別することができるようなものである、という意味において関連している。特定の結合対構成員は、結合対構成員及び結合対パートナー等、リガンド及びレセプター(アンチリガンド)と称される。分子はまた、分子の集合体についての結合対構成員であってもよく、例えば、第2の抗体の免疫複合体に対する抗体及びその対応する抗原は、免疫複合体についての結合対構成員と考えられることができる。
【0031】
抗原及び抗体結合対構成員に加えて、他の結合対には、限定されない例として、ビオチン及びアビジン、炭水化物及びレクチン、相補的ヌクレオチド配列、相補的ペプチド配列、エフェクター及びレセプター分子、酵素補助因子及び酵素、酵素阻害因子及び酵素、ペプチド配列及びその配列又は全部のタンパク質についての特定の抗体、ポリマー酸及び塩基、染料及びタンパク質結合剤、ペプチド及び特定のタンパク質結合剤(例えば、リボヌクレアーゼ、S−ペプチド、及び、リボヌクレアーゼS−タンパク質)等が挙げられる。さらにまた、特定の結合対は、オリジナルの特定の結合員と類似する構成員を含むことができる。
【0032】
ラベル付けされた結合試薬の内容物において使用される場合の「ラベル」とは、視覚的な又は計測的な手段によって検出可能な信号を生成することができる任意の物質をいう。本発明における使用に適切な様々なラベルには、化学的又は物理的手段のいずれかを介した信号を生成するラベルが挙げられる。そのようなラベルには、酵素及び基質、色原体、触媒、蛍光化合物、化学発光化合物、電気活性種、及び、放射能ラベルが挙げられることができる。他の適切なラベルは、金等のコロイド金属粒子、セレン又はテルル等のコロイド非金属粒子、染色ポリマー等の染色又は着色粒子を含む。検体自体は、本質的に、検出可能な信号を生成することができてもよい。
【0033】
分析装置は、さらに、分析手段等、装置の1つ以上の要素を収容する役目を果たすハウジング手段を備えることができる。分析装置は、さらに、分析の生成物を検出する検出手段を備えることができる。検出手段は、光学的検出手段、電気化学的検出手段、質量検出手段、及び、周波数検出手段等、任意の適切な手段から選択されることができる。分析装置は、さらに、分析結果を表示する表示手段、患者の識別情報や日時等の他の情報とともに分析結果を格納する記憶手段、計算手段、信号変換手段、及び、電源等、1つ以上の手段を備えることができる。
【0034】
第1の態様に係る分析装置は、サンプリング手段が液体容器内に挿入されることができるように、使用時に、サンプリング装置が第1の開封可能な液体シールの開封をもたらす開封手段に接触するようなサンプリング装置との使用に適している。試料と液体容器内の液体との間の相互作用に続いて、第2の開封可能なシールは、液体容器から分析手段に液体が流れることができるように開封されることができる。第2の開封可能なシールは、サンプリング装置によって直接開封されることができる。あるいは、第2のシールは、第2の開封手段によって開封されてもよい。第2のシールは、液体容器内に設けられた孔開け手段によって孔開けされることができる。
【0035】
分析装置は、さらに、試料を分析装置の液体容器に送ることができるサンプリング装置を備えることができる。サンプリング装置は、例えば、スポンジやスワブから選択される吸収剤や多孔質材料等の任意の適切な要素とすることができる。あるいは、へら等の非吸収材料であってもよい。サンプリング装置は、分析装置に取り付けるように構成されることができ、及び/又は、その逆もしかりであり、これにより、分析装置の一体部品を形成することができる。
【0036】
サンプリング装置は、任意のソースから固体、半固体、又は、液体試料を採取するように設計された任意の装置とすることができる。例えば、サンプリング装置は、哺乳動物等の被験動物から身体試料を採取するように構成されている。好ましい実施形態において、サンプリング装置は、被験者から身体試料を採取するように構成されている。
【0037】
あるいは、サンプリング装置は、植物、液体物質、土壌、又は、他のソースから試料を採取するように構成されてもよい。
【0038】
サンプリング装置は、特に装置が試料を収集する効率を高めるように構成されたヘッド部を備えることができる。例えば、サンプリング装置のヘッド部は、ソースから試料材料を収集するサンプリング装置の可能性を高める特定の形状に形成されることができる。例えば、ヘッド部は、細長いシャフト、螺旋形状、円錐形状、又は、他の形状を形成することができる。ヘッド部は、試料材料を捕捉するための半径方向に突出した構造をさらに備えてもよい。例えば、ヘッド部は、放射剛毛、若しくは、弾性のある放射突起を備えることができ、又は、スポンジや集合材料等の多孔質材料を備えることができる。サンプリング装置の他の構成は、当業者にとって明らかである。例えば、サンプリング装置の形状は、試料が被験物から(例えば、身体の開口から)採取されるときの被験物に対する不快感を最小化するように構成されることができる。
【0039】
サンプリング装置は、さらに、ヘッド部に取り付けられた細長いシャフトを備えることができる。シャフトの直径は、ヘッド部の直径未満とすることができる。サンプリング装置はまた、試料の採取中にユーザが保持するための取っ手部を備えることができる。取っ手部は、より容易なサンプリング装置の使用をユーザに提供するように構成されることができる。例えば、取っ手部は、試料の採取中にサンプリング装置が滑るのを防止するために、ユーザの手と取っ手との間の摩擦力を増加させる突起を備えることができる。したがって、取っ手部は、リブが付けられているか又は取っ手とユーザの手との間の摩擦力を増加させる材料から構成されることができる。
【0040】
分析装置はまた、サンプリング装置を受け入れることができる中空頸部等の手段を備えることもできる。この手段は、液体容器の第1の液体シールを開封することができる開封手段の方にサンプリング装置を案内することができる。受け入れ手段は、液体容器を取り囲み且つ液体容器の上に垂直に延在してもよい。頸部は、サンプリング装置を開封手段に案内する役目を果たすフィン部等の1つ以上の突起を含んでもよい。突起は、頸部の孔内に垂直に且つ頸部の少なくとも一部に沿って長手方向に延在してもよい。突起が頸部の孔内に延在している距離は、サンプリング装置が突起の端部と接触して第1の液体シール及び第1の液体シールを開封することができる開封手段の中心に向かって案内されるように構成されることができる。好ましくは、突起の端部の表面積は、サンプリング装置と突起との間において最小の接触があるように最小化される。これは、試料材料が頸部の側壁に接触してそこに堆積される可能性を低減し、したがって、より多くの試料材料が分析装置の液体容器内に送られる可能性を増加させる。
【0041】
分析装置は、個々のユーザによる又は医療専門家による使用を対象としている。分析装置の使用の簡便化は、装置を家庭用に特に適したものとする。
【0042】
第2の態様において、本発明は、試料中の関心のある検体の存在及び/又は量を判定する方法であって、
試料を設けたサンプリング装置を第1の態様の分析装置と接触させるステップであって、分析装置の開封手段をサンプリング装置と接触させることにより、液体容器の第1の開封可能な液体シールの開封をもたらす、接触させるステップと、
液体を含む液体容器内にサンプリング装置を挿入するステップと、
第2の開封可能な液体シールを開封するステップと、
関心のある検体について分析されるように容器から分析手段に液体が流れるのを可能とするステップとを備える、方法を提供する。
【0043】
分析手段は、流体容器及び/又は開封手段と一体とすることができ、分析手段、容器、及び、開封手段は、ともに、分析装置を構成する。
【0044】
その後、分析結果は、関心のある検体の存在又は量を判定するために視覚的に読み取られることができる。
【0045】
サンプリング装置は、サンプリング装置と液体との間における任意の相互作用のための時間が生じるのを可能とするように、ある期間だけ液体容器内に存在することができる。この期間は、任意の期間とすることができ、通常、1秒未満から20分に及ぶことができる。サプリング装置は、試料の液体との混合又は移動を高めるために容器内で撹拌されることができる。
【0046】
1つの実施形態によれば、使用時に、ユーザは、サンプリング装置を開封手段と接触させ、流体容器内にサンプリング装置を垂直又は略垂直に挿入し、その後、第2の流体シールの孔開けをもたらすサンプリング装置の下向きの動きを継続する。このように、ユーザは、試料がサンプリング装置に供給された後に試料を分析するために単一ステップを実施することを要求されるのみである。
【0047】
第3の態様において、本発明は、1つ以上のサンプリング装置とともに第1の態様に係る分析装置を備える、分析キットを提供する。
【0048】
サンプリング装置は、へら、スプーン、又は、気泡パッド等の任意の適切な装置とすることができる。特定の実施形態において、サンプリング装置はスワブである。
【0049】
分析装置のさらなる要素は、試料が分析装置に成功裏に加えられているかどうか、及び/又は、分析装置が正確に機能しているかどうかを判定する分析制御手段を含むことができる。
【0050】
欧州特許第291194号明細書によって開示されたような分析装置は、流体試料が分析装置に添加された旨を示す分析制御手段を開示している。一例によれば、制御手段は、可動性のラベル付けされた結合試薬を結合することができる固定された結合試薬を備え、固定された結合試薬は、検出領域の下流の領域に設けられている。制御領域における固定されてラベル付けされた結合試薬の検出は、ラベル付けされた結合試薬が再懸濁されて液体試料によって検出領域を過ぎて制御領域まで送られる旨を示す。しかしながら、分析される試料が最初に流体と混合されその後に分析される分析用の、そのような分析制御手段の欠点は、分析装置が、液体試料がそれに加えられたことを示すことができるのみであり、試料がそれに添加されたかどうかを示すものではない、ということである。したがって、ユーザは、サンプルされないサンプリング装置を流体に加えることができる可能性があり、流体が分析されるのを可能とし、分析が実施された旨の確実な指示を提供することを可能とする者であるはずである。家庭における人等、訓練されていない人材によって使用されることができる分析装置のために、よりインテリジェントな分析制御手段を提供する必要がある。
【0051】
したがって、本発明は、第4の態様において、試料中の関心のある検体の存在及び/又は量を判定する分析装置であって、
液体を含むことができる液体容器と、
試料中の関心のある検体の存在及び/又は量を分析する分析手段とを備え、
分析手段が、さらに、由来特定(origin specific)分析制御手段を備える、分析装置を提供する。
【0052】
第5の態様において、本発明は、試料中の関心のある検体の存在及び/又は量を判定する方法であって、
流体混合物を形成するように関心のある試料を流体と混合するステップと、
流体混合物を分析手段に加え、関心のある検体についての分析を実施するステップとを備え、分析手段が、由来特定分析制御手段を備える、方法を提供する。
【0053】
分析装置は、サンプリングの由来において一般的な種に特有である制御試薬を備えることができる。サンプリングの由来は、例えば、ヒト等の動物からのものとすることができる。したがって、制御試薬は、ヒトに一般的な種に対する抗ヒト抗体とすることができる。種は、ヒトに存在するIgGの4つの亜類型とIgAの2つの亜類型とを含むIgA、IgD、IgE、IgG、及び、IgMから選択される免疫グロブリンとすることができる。例えば、IgAは、粘液を含む領域(例えば、腸内、気道内、又は、尿生殖路内)にみられ、IgEは、アレルゲンに結合し、マスト細胞からヒスタミン遊離を引き起こし(アレルギーの基本的な機構)、(その4つの形態における)IgGは、侵入病原体に対する抗体に基づく免疫の大部分を提供する。結合試薬は、抗ヒトIgG又は抗ヒトIgA抗体を含むことができる。結合試薬は、検出領域の下流に形成される制御領域又は検出領域に固定されることができる。分析手段は、本発明の第1の態様に係る液体経路を備えることができる。好ましい実施形態において、分析手段は、側方流動免疫測定手段である。
【0054】
第6の態様において、本発明は、
開口を画定する部材と、
1つ以上の孔開け要素とを備え、
各孔開け要素が、部材に取り付けられた第1の端部と、開口内に延在している第2の端部とを備え、第2の端部が、部材に対して移動可能であり、孔開け可能な材料を孔開けすることができる、孔開け装置を提供する。
【0055】
使用時に、要素は、孔開け装置の開口を介して挿入されることができ、要素が開口を介して進むのにともない、1つ、それ以上、又は、全ての孔開け要素に接触する。要素は、要素が開口を通過する場合に、要素が通るのと一般に同一方向に1つ以上の孔開け要素を移動させる。孔開け要素の移動は、孔開け要素の第2の端部を接触させ、各孔開け要素の第2の端部を越えて配置されることができる孔開け可能な材料を、孔開け要素の第2の端部に孔開けさせる。
【0056】
各孔開け要素は、好ましくは部材の内面(開口に面する面)に取り付けられる第1の端部を有するが、第1の端部は代わりに部材の外面(開口から離れて面する任意の面)に取り付けられてもよい。各孔開け要素はまた、開口内に延在し且つ孔開け可能な材料を孔開けすることができる第2の端部も有する。
【0057】
1つ以上の孔開け要素は、第2の端部の移動を可能とする適切な手段によってその第1の端部において部材に取り付けられることができる。第2の端部は、第1の位置と、使用時に孔開け可能な材料が孔開けされる第2の位置との間において移動可能とすることができる。第1及び第2の位置間における第2の端部の移動が、例えば、開口を介して挿入された要素によって開口を介して加えられた力によって生じることが好ましい。この力が解放された後、第2の端部は、第1の位置に戻ることができる。
【0058】
1つ以上の孔開け要素は、ヒンジによって部材に取り付けられることができ、弾性手段によって第1の位置に保持されることができる。例えば、孔開け要素は、バネ機構によって第1の位置に保持されることができる。開口を介して挿入された要素によって孔開け要素に加えられた力は、孔開け要素を第2の位置に移動させることができる。したがって、孔開け要素の移動は、部材に対する各孔開け要素の取り付け点まわりの回動移動であり得る。したがって、孔開け要素の第2の端部が孔開け材料の方に及び部材の側面の方に弧状移動で進むように、各孔開け要素の第2の端部は、部材に対する孔開け要素の取り付け点まわりに回転することができる。孔開け可能な材料が孔開けされるような且つ要素がさらに孔開け装置の開口を介して挿入されるような孔開け要素の継続した弧状移動は、要素が孔開け装置を介して徐々に挿入されるように要素の経路から孔開け可能な材料を取り除く。したがって、要素と孔開け可能な材料との間の接触は、要素が孔開け装置を介して、孔開け可能な材料を有する容器内に挿入されるのにともない最小化される。孔開け要素は、部材の一体部品を形成することができる。部材、孔開け要素、及び/又は、ヒンジは、同一材料又は異なる材料から形成されることができる。ヒンジは、孔開け要素と部材との間に薄い材料の部分を形成することによって形成されることができる。例えば、(限定されない例としての)ポリエチレン等の所定の材料は、薄い断面を有して形成される場合には柔軟性があり、大きな断面を有して形成される場合には柔軟性がない。そのような特性を有する他の材料は、当業者に公知である。材料の復元力は、孔開け要素を第1の位置に保持するのに十分とすることができるが、孔開け要素は、要素が開口を介して挿入されることによって第2の位置に移動するように付勢されてもよい。
【0059】
孔開け要素が第1の位置から第2の位置に移動するのを防止する抵抗レベルは、孔開け装置の開口を介して挿入されることになる要素の性質にしたがって選択されることができる。装置は、孔開け要素の移動に対する抵抗レベルを与える手段を含んでもよい。これは、例えば、開口を介して挿入されることになる要素が特に重い場合に有利である。抵抗レベルを与えることは、シールの孔開けが、要素が開口を介して挿入される際いかなる要素のきしみもなく又は装置に対するいかなる損傷もなく比較的滑らかに実施されることを可能とする。
【0060】
前記したように、孔開け要素は、部材に対する孔開け要素の取り付け点まわりの回動によって第1の位置から第2の位置まで移動することができる。あるいは、孔開け要素は、孔開け要素が軸まわりの回動なしで第2の位置に移動するのを可能とする手段によって部材に取り付けられてもよい。例えば、部材の内面は、各孔開け要素の第1の端部に係合する流路を備えることができ、流路は、挿入された要素の移動方向に、部材に沿って延在している。流路は、各孔開け要素を第1の位置に保持するように各孔開け要素の第1の端部に十分な抵抗を及ぼすことができる。要素が孔開け装置の開口を介して挿入される場合に、それは、各孔開け要素の第1の端部が保持される流路に沿って移動するように、1つ、それ以上、又は、全ての孔開け要素を付勢し、これにより、孔開け可能な材料を孔開けする。
【0061】
各孔開け要素を部材に取り付ける手段は、第1及び第2の位置にある時、孔開け要素が部材に好ましくは取り付けられたままとなるようなものである。あるいは、各孔開け要素は、第1の位置から第2の位置まで移動した場合に部材から取り外されることができる。
【0062】
孔開け要素は、孔開け可能な材料を容易に孔開けするように成形されることができ、これにより、材料を孔開けするためにユーザによって必要とされる力を最小化する。例えば、各孔開け要素の第2の端部は、孔開け要素と孔開け可能な材料との間の接触の第1の位置である鋭利な先端を形成することができる。各孔開け要素は、孔開け可能な材料を切断(これによって孔開け)することができる鋭利下面を備えることができる。
【0063】
各孔開け要素の(開口を介して挿入されることになる要素に面する)上面及び(上面の反対の)下面は、鋭利な先端を形成するように、各孔開け要素の第2の端部において一致することができる。先端は、開口を介して挿入されることになる要素が孔開け要素の上面に接触した場合に、要素よりも孔開け可能な材料に近くすることができる。これは、孔開け可能な材料が孔開けされ、要素が孔開け可能な材料に到達する前に、挿入された要素の経路から材料が取り除かれるのを保証する。
【0064】
各孔開け要素は、孔開け要素と孔開け装置の開口を介して挿入されることになる要素との間の接触面を画定する上側突起を含むことができる。好ましくは、上側突起は、挿入された要素との最小の接触面積を有する。挿入された要素が試料材料をそこに担持する場合(例えば挿入された要素がスワブ又は同様のものである場合)、これは、試料材料の最小量が孔開け要素に接触するのを保証し、したがって、試料材料が孔開け要素に吸着される可能性を低減する。
【0065】
各孔開け要素は、上側突起まで孔開け要素の反対側に配置され且つ孔開け可能な材料を孔開けするためのものである下側突起を含むことができる。下側突起は、刃先を形成することができる。下側突起は、孔開け可能な材料が孔開けされ、要素が材料に到達する前に、開口内に挿入された要素の経路から材料が取り除かれるのを保証するのに十分な距離だけ上側突起から分離されることができる。
【0066】
上側及び下側突起間において、孔開け要素の幅は、上側及び下側突起における幅を超えてもよい。これは、孔開け可能な材料の孔開け後に、孔開け要素の増加した幅が、挿入された要素の経路から強制的に材料を取り除くのを保証する。したがって、挿入された要素は、要素が開口を通過するときの孔開け可能な材料との最小の接触をもたらす。
【0067】
本発明の孔開け装置は、単一の孔開け要素を備えることができ、又は、複数の孔開け要素を備えることができる(例えば、孔開け装置は、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、又は、それ以上の孔開け要素を含むことができる)。用語「1つの孔開け要素」若しくは「複数の孔開け要素」、又は、単数及び複数に対応する用語が、孔開け装置の特定の実施形態に関してここに使用されているが、ここに定義された孔開け装置の任意の実施形態は、単一の孔開け要素又は複数の孔開け要素のいずれかを備えることができることは理解できる。
【0068】
孔開け要素は、孔開け可能な材料を孔開けするために十分な強度の任意の材料から構成されることができる。例えば、孔開け要素は、プラスチック材料、金属、又は、金属合金、セラミック、又は、非金属等の材料から構成されることができる。そのような例は、高密度ポリエチレン、PVC、ポリプロピレン、ナイロン、PTFE、ステンレス鋼、及び、チタンである。孔開け要素は、柔軟性があってもよく、柔軟性がなくてもよい。柔軟性がない場合には、孔開け要素は、例えば、部材に対してのヒンジでの取り付けによって部材に対して移動可能とすることができる。あるいは、各孔開け要素の第2の端部の少なくとも一部は柔軟性がなく、各孔開け要素の第1の端部の少なくとも一部は柔軟性があるように、孔開け要素は、2つ以上の材料から構成されることができる。したがって、孔開け要素は、柔軟性がない第2の端部を備えることができるが、部材に対する孔開け要素の取り付け点において、孔開け要素が柔軟性のある材料から形成されていることから、取り付け点まわりに依然として回動することができる。
【0069】
好ましくは、孔開け要素は、材料の厚みに応じてその柔軟性が変化する材料から構成されている。例えば、ポリエチレンは、薄い断面を有する形状に形成された場合には柔軟性があるが、厚い断面を有する形状に形成された場合には柔軟性がより小さい。したがって、孔開け要素の第2の端部が、孔開け装置の開口を介して挿入された要素によって偏向されるのを可能とするように、孔開け要素は、部材に対する孔開け要素の取り付け点において又は取り付け点の近くにおいて、薄い断面積を有することができる。孔開け要素が孔開け可能な材料を孔開けするのに十分なほど柔軟性がないことを保証するように、孔開け要素は、部材に対する取り付け点から離れて孔開け要素の本体に沿ってより厚い断面積を有することができる。好ましくは、孔開け要素は、高密度ポリエチレン又はポリプロピレンから構成される。
【0070】
孔開け要素は、その特性が、孔開け装置の開口を介して挿入されることになる要素の特性との比較に応じて選択される材料から構成されることができる。要素が装置の開口を介して挿入された場合の孔開け要素に対する損傷に耐えるように、孔開け要素は、適切に高い強度の材料から構成されることができる。
【0071】
孔開け要素は、後に部材に取り付けられる別個の要素として製造されることができる。あるいは、孔開け要素は、部材と一体であってもよい。例えば、本発明の孔開け装置は、プラスチックから形成されることができ、孔開け装置の全体を画定する型から製造されることができる。孔開け装置は、射出成形等の任意の便利な方法によって製造されることができる。
【0072】
孔開け装置の部材は、任意の形状をなすことができる。同様に、部材によって画定される開口は、任意の形状とすることができる。
【0073】
孔開け装置の「挿入端部」は、要素が孔開け装置を通過する場合に要素が最初に通る部材の端部を画定している。孔開け装置の「孔開け端部」は、装置が孔開けする対象である孔開け可能な材料に最も近接した部材の端部を画定している。本発明の1つの実施形態において、各孔開け要素の第2の端部は、孔開け装置のいずれかの端部の方に移動することができ、したがって、孔開け装置のどちらの端部が孔開け可能な材料を含む液体容器に接触するのかということは重要ではない。各孔開け要素が部材の1つの端部の方に移動することができるのみであるような実施形態において、この端部は、常に、装置の「孔開け端部」であり、孔開け要素が材料を孔開けすることができるように、孔開け可能な材料の最も近くに配置されなければならない。
【0074】
1つの実施形態において、孔開け要素が第1の位置にある場合には、各孔開け要素の第2の端部は、装置の孔開け端部を越えて延在しない。したがって、例えば、本発明の孔開け装置が平面的な液密のシールに配置されている場合には、装置の孔開け端部は、液密のシールと接触することができるが、各孔開け装置の第2の端部は、液密のシールと接触しない。要素が孔開け装置の開口を介して挿入される場合には、孔開け要素は、液密のシールと接触するように付勢され、挿入された要素を介してそれらに加えられた力によってシールを孔開けするように付勢される。この実施形態は、孔開け装置が取り付けられる液体容器とは別個に孔開け装置が製造される場合に、孔開け要素の第2の端部に受ける損傷の可能性を低減する。
【0075】
本発明の孔開け装置を介した挿入用の要素は、液体容器内に挿入されることが求められる任意の要素とすることができる。例えば、要素は、その機能が液体を液体容器から他の目的地まで送ることである導管とすることができる。例えば、要素は、パイプ又はストローとすることができる。したがって、孔開け装置は、飲料容器に使用されることができる。あるいは、要素は、その機能が要素に又は要素内に含まれる材料を液体容器内に送ることである装置であってもよい。例えば、要素は、スワブとすることができる。
【0076】
第7の態様において、本発明は、孔開け可能な材料から形成された液体シールを有する液体容器と組み合わせた第6の態様の孔開け装置を提供する。
【0077】
孔開け装置の部材は、部材が取り付けられる液体容器の必要性に応じて任意の形状とすることができる。例えば、部材は、円形、正方形、五角形、六角形、七角形、八角形、若しくは、楕円形、又は、任意の他の形状とすることができる。部材の形状は、孔開け装置に対して特徴のある外観を与えるように設計されることができる。
【0078】
孔開け装置の開口は、任意の形状とすることができ、開口を介して挿入されることになる要素の寸法に応じて構成されることができる。例えば、開口は、円形、正方形、五角形、六角形、七角形、八角形、楕円形、又は、任意の他の形状とすることができる。
【0079】
部材は、孔開け要素が第1の位置(液体容器にある液体シールに孔開け要素が接触しない位置)から第2の位置(孔開け要素が液体容器にある液体シールに接触して孔開けする位置)まで移動されることができるような方法で液体容器に取り付けることができる。したがって、部材は、液体容器に取り付けるための手段を備えることができる。孔開け装置は、任意の適切な手段によって液体容器に取り付けられることができる。例えば、液体容器がシリンダの一端の幅を横切って配置された液体シールを備えるシリンダである場合には、部材は、液体シールを有するシリンダの一端に取り付けられることができる円形キャップの形状に形成されることができる。部材は、摩擦嵌合によってシリンダに取り付けられてもよい。
【0080】
あるいは、部材は、孔開け装置がネジ付きの嵌合ネジを介して取り付けられることができるように、液体容器の対応するネジと係合することができるネジを備えてもよい。あるいは、別個の取り付け手段は、部材を液体容器に取り付けるために使用されることができる。例えば、ネジ、釘、鋲、接着剤、クリップ、又は、当分野において知られている他の取り付け手段が使用されることができる。部材はまた、任意の適切な手段によって液体容器に取り付けられることができる、開口から離れて延在している突起部を備えることもできる。そのような突起部の形状は、孔開け装置が取り付けられる液体容器の形状に一致するように構成されることができる。
【0081】
好ましくは、部材は、摩擦嵌合によって液体容器に取り付けられる。
【0082】
部材の正確な寸法は、部材が取り付けられる液体容器の寸法に応じて調整されることができるということが当業者によって理解される。
【0083】
液体容器は、それぞれが孔開け可能な材料から形成された複数の液体シールを備えることができる。第6の態様の孔開け装置は、1つ以上の液体シールを孔開けすることができる。
【0084】
液体容器は、複数の孔開け可能な液体シールと、容器内の孔開け手段とを含むことができ、孔開け手段は、少なくとも1つの液体シールを孔開けすることができる。第8の態様において、本発明は、そのような液体容器を提供する。好ましくは、液体容器は、液体容器の対向する端部に設けられた第1及び第2の液体シールと、第2の液体シールを孔開けすることができる容器内の孔開け手段とを備える。第6の態様の孔開け装置は、第1の液体シールを孔開けすることができるように液体容器に取り付けられることができる。
【0085】
第8の態様の容器内の孔開け手段は、本発明の第6の態様に係る孔開け装置とすることができ、又は、別の孔開け手段とすることができる。
【0086】
容器内の孔開け手段は、第1の端部において液体容器の内面に取り付けられた1つ以上の孔開け要素を備えることができ、各孔開け要素は、孔開け要素の第2の端部を形成するように、液体容器によって形成された間隙内に延在しており、第2の端部は、液体容器に対して移動可能であり、液体シールを孔開けすることができる。
【0087】
各孔開け要素は、孔開け要素の第1及び第2の端部を連結するアーム部を備えることができる。あるいは、各孔開け要素は、孔開け要素の第2の端部から出て且つ各アーム部の第1の端部において液体容器の内面に取り付ける複数のアーム部を備えることができる。例えば、孔開け要素は、2つのアーム部を備えることができる。
【0088】
アーム部の第1の端部は、別個の取り付け点において液体容器の内面に取り付けることができる。アーム部の1つの取り付け点において容器を通過する水平面に対して、同一の孔開け要素の第2の(又は各追加の)アーム部は、同一水平面において液体容器の内面に取り付けられることができる。
【0089】
要素が第1の液体シールを介して液体容器内に挿入される場合には、要素は、液体容器内の孔開け手段と接触して液体容器を介して移動するように付勢されることができる。第6の態様の孔開け装置は、第1の液体シールを介した液体容器内への要素の挿入を容易とするために使用されることができる。
【0090】
第1の液体シールが容器の上端部に配置され且つ第2の液体シールが容器の下端部に配置される場合には、液体は、重力によって且つ損傷を受けていない第2の液体シールによって容器内に保持されることができる。第2の液体シールは、要素が容器内にさらに挿入されるのにともない、第1の液体シールを介して容器内に挿入される細長い要素が第2の液体シールに近接した孔開け手段に接触するように、第1の液体シールと一直線上に容器内に配置されることができる。
【0091】
挿入された要素は、(孔開け要素が第2の液体シールに接触しない)第1の位置から、第2の液体シールが孔開け要素によって接触されて孔開けされる第2の位置まで移動するように、容器内の孔開け手段の孔開け要素を付勢することができる。第1の位置から第2の位置までの孔開け要素の移動は、孔開け要素に第2の液体シールを孔開けさせる。孔開け要素はまた、第2の液体シールによって予め被覆されている容器の開口を介して要素が挿入されるのにともない、要素の経路から液体シールの材料を取り除くことができる。孔開け装置が前記したような2つのアーム部を有する孔開け要素を備える場合には、要素が容器内にさらに挿入されるときの孔開け要素の横方向の移動についての可能性は、液体容器に対する2つのアーム部の取り付けのために低減される。したがって、2つのアーム部は、第1の位置から第2の位置まで移動するときの孔開け要素の移動方向のより大きな制御を可能とする。第2の液体シールが孔開けされると、液体は、第2の液体シールによって予め被覆されている開口を介して液体容器から流出することができる。
【0092】
1つ以上の孔開け要素の第2の端部は、容器内の液体シールに面する鋭尖先端と、容器内に挿入される要素に面する円錐形状の平坦な底部とを有する円錐形状に形成することができる。
【0093】
第6の態様の孔開け装置が取り付けられる他の液体容器が以下に記載される。容器は、容器の頂点に配置された第1の液体シールと、容器の底部において第1の液体シールとは反対側に配置された第2の液体シールとを備えることができる。容器は、2つの部分、すなわち、第1の液体シールに近接した上側部分と、第2の液体シールに近接した下側部分とを備えることができる。上側部分は、下側部分よりも大きな体積によって画定されることができる。容器が一般に円筒形状を有する場合には、下側部分は、容器内に挿入されることになる(サンプリング装置等の)要素の最大直径よりも僅かに大きい直径を有することができる。下側部分は、容器の底部に向かって外側に先細りすることができる。上側部分は、下側部分の直径よりも大きな直径を有することができる。上側部分の内壁は、より小さい直径の下側部分に向かって内側に先細りすることができる。したがって、サンプリング装置が第1のシールを介して液体容器内に挿入される場合には、サンプリング装置は、容器の上側部分に入る。サンプリング装置が容器の下側部分内にさらに進むのにともない、容器の下側部分にある液体は、サンプリング装置の周囲の上側に向かって上側部分内に移動される。したがって、下側部分の縮小した直径は、サンプリング装置(及びそこの任意の試料)と液体との間の接触が最大化されるのを保証する。この液体の移動は、(必ずしも円筒形状ではない)任意の形状の容器の上側及び下側部分の体積を合わせることによって達成されることができる。サンプリング装置は、第2の液体シールに接触して孔開けするように、液体容器内にさらに進められることができる。そして、液体は、容器の上側部分からサンプリング装置の周囲の下側部分内に流れ、孔開けされた第2のシールを介して容器から流出する。第2のシールは、要素によって、又は、例えば、第6の態様の孔開け装置である孔開け手段によって孔開けされることができる。
【0094】
液体容器は、さらに、1つ以上の孔開け可能な液体シールが取り付けられるフランジ部を備えることができる。例えば、容器は、第1及び第2のシールがそれぞれ取り付けられる上側及び下側フランジを備えることができる。
【0095】
液体シールは、容器内で液体を保持するのに適した不活性の孔開け可能な材料から形成されることができる。液体シールは、例えば、非多孔質フィルム又は金属製シール(例えば、アルミニウム箔)とすることができる。非多孔質フィルムの製造に適した材料には、単重合体、共重合体、三元重合体、及び、その混合物、すなわち、エチレンビニルアセテート、エチレンエチルアクリレート、エチレンアクリル酸、エチレンメチルアクリレート、エチレンn−ブチルアクリレート、ポリウレタン、ポリ(エーテル−エステル)、ポリ(アミド−エーテル)ブロック共重合体、及び、他の同様の材料を含む、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)等の熱可塑性ポリマーが挙げられる。
【0096】
シール材料の厚みは、シールの強度及び浸透性を変えるように変化させることができる。シールがアルミニウム箔から構成される場合には、容器内で液体を保持するのに適した厚みは、約15から50ミクロンから、好ましくは20から30ミクロンからの範囲とすることができる。
【0097】
好ましくは、第8の態様の液体容器は、射出成形プロセスによって製造される。好ましくは、液体容器は、高密度ポリエチレンから構成される。
【0098】
液体容器は、容器の内側壁から容器の内部空間内に延在している1つ以上の偏向可能な突起を備えることができる。第9の態様において、本発明は、液体容器の内側壁から容器の内部空間内に延在している複数の偏向可能な突起を備える容器を提供する。これらの突起は、容器内に挿入されたサンプリング装置に接触して、これにより、サンプリング装置に存在する試料を掻き乱し、サンプリング装置から液体への試料の移動に役立つ。
【0099】
突起は、第1の端部において容器の内壁に取り付けられており、各突起は、容器の内部空間内に延在している第2の端部を備える。突起は、任意の距離において液体容器の内部空間内に延在することができる。例えば、突起は、容器の内周周囲に間隔をあけて配置されることができ、且つ、一定長において液体容器の中央に向かってそれぞれ延在することができ、これにより、容器の中央において突起を介して開口を画定する。突起は、各指の細長いシャフトに沿った一定の幅を有する細長い「指」として成形されることができる。あるいは、各突起の幅は、突起の長手に沿って変化することができる。例えば、各突起の幅は、容器の内側壁に対する取り付け点において突起の先端よりも大きくすることができる。したがって、突起は、底部から突起の先端における点まで内側に先細りすることができる。あるいは、突起は、突起の先端に向かって外側に先細りすることができる。
【0100】
突起は、容器の内壁に対して垂直に容器内に延在することができる。あるいは、突起は、容器の壁面に対して90°以外の角度で容器内に延在することができる。例えば、突起は、容器の壁面に対して1°から90°までの範囲における角度で容器の内部空間内に上方に延在することができる。これは、サンプリング装置からの試料材料の掻き乱しを向上させることができ、これにより、サンプリング装置から液体へとより多くの試料材料を移動させる。突起は、前記した孔開け要素が第1の位置から第2の位置まで移動されるのと同様の方法で液体チャンバに入るサンプリング装置によって偏向される。突起は、孔開け要素を構成するのに適しているような前記した任意の材料から構成されることができる。突起は、ヒンジ機構によって容器の内側壁に取り付けられることができ、又は、液体容器と一体とすることができる。好ましくは、突起は、容器と一体となっている。好ましくは、突起は、柔軟性のある材料から形成される。突起は、好ましくは、容器に対する取り付け点に直接隣接した細い横断面と、突起の残りの全体を通る厚い横断面とを持つ領域を有する。これは、サンプリング装置が突起と接触するような細い横断面を有する領域において突起が曲がるのを可能とする。
【0101】
突起は、好ましくは、容器の内周周囲の同一水平面において容器に取り付けられ、これにより、突起の「リング」を形成する。あるいは、突起は、容器を介して異なる水平面において、又は、容器の内面の全長に沿って取り付けられてもよい。容器が、上側部分と、前記したようなより小さな体積の下側部分とを備える場合には、突起のリングは、好ましくは、下側部分の頂点に配置される。
【0102】
第9の態様の容器はまた、容器内に孔開け手段を含むこともでき、孔開け手段は、容器内に存在する液体シールを孔開けすることができる。したがって、第9の態様の容器は、第8の態様の容器の特徴を含むことができる。
【0103】
本発明の各態様の好ましい特徴は、他の態様のそれぞれに関して変更すべきところは変更される。ここで述べられた従来技術文献は、法律によって許容される最大限の範囲において組み込まれる。
【0104】
本発明の特定の実施形態は、図面を参照してここに記載される。図面は、本発明の例となる実施形態のみを示しており、本発明の範囲を限定するようにみなされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の孔開け装置の立面図である。
【図2】本発明の第8の態様に係る液体容器の斜視図である。
【図3a】本発明の第9の態様の液体容器の下側の斜視図である。
【図3b】本発明の第9の態様の液体容器の上側の斜視図である。
【図3c】本発明の第9の態様の液体容器の平面図である。
【図4a】本発明の第9の態様の液体容器の平面図である。
【図4b】図4aにおいて概略が描かれた領域Bにおける偏向可能な突起の配置構成を詳細に示す図である。
【図5a】本発明の第9の態様の液体容器の側面図である。
【図5b】図5aにおける線V−Vを通る横断面図である。
【図5c】図5bにおいて概略が描かれた領域Aにおける偏向可能な突起の配置構成を詳細に示す図である。
【図6】本発明の分析装置に配置された本発明の孔開け装置の横断面における側面図である。
【図7】本発明の孔開け装置を通る要素の段階的な前進を図示する一連の画像を横断面において示す図である。
【図8】本発明の分析装置に配置された本発明の孔開け装置の立面図である。
【図9】本発明の分析装置に配置された、本発明の孔開け装置を介して挿入されたサンプリング装置の立面図である。
【図10】分析装置内に挿入されたサンプリング装置を有する本発明の分析装置の横断面図である。
【図11】挿入されたサンプリング装置がない本発明の分析装置の横断面図である。
【図12】頸部の孔内に延在しているフィン部を有する本発明の分析装置の頸部の下側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0106】
図1は、部材2と、3つの孔開け要素3、3’、3’’とを備える本発明の孔開け装置を示している。各孔開け要素は、第1の端部において部材2の上端部に取り付けられ且つ部材2によって画定された開口の中心の方に半径方向に延在しているアーム部8を備える。各アーム8から垂直に延在しているものは、上側突起6及び下側突起7である。上側突起6は、装置を介して挿入される要素に最小の接触面を形成している。下側突起7は、液体シールを切断することができる(これによって孔開けすることができる)鋭利な切断面を備える。アーム8は、力が上側突起6に加えられたとき下方に移動することができるように柔軟性がある。
【0107】
図2は、容器9の底部に向かって液体容器9内に孔開け手段30を備える本発明の第8の態様に係る液体容器9を示している。孔開け手段30は、液体容器9の底部をシールする第2の液体シール(図示しない)を孔開けすることができる鋭尖先端を有する円錐状の第2の端部31を備える。孔開け手段30は、液体容器9の内面に取り付けられた2つのアーム部38、38’を備える。使用時に、要素は、要素が孔開け手段30に当接し、且つ、端部Bにおいて容器の底部をシールする孔開け可能な液体シール(図示しない)の方に移動してシールを孔開けするために円錐状端部31を押し込むように、端部Aにおいて液体容器内に挿入される。このような移動の間、孔開け手段30は、容器に対するアーム38、38’の取り付け点まわりに回動する。
【0108】
図3a及び図3bは、それぞれ、本発明の第9の態様の液体容器39の下側面図及び上側面図を示している。容器は、第1及び第2の液体シールがそれぞれ取り付けられることができる上側フランジ41及び下側フランジ40を含む。容器は、容器の中心へと半径方向に延在している偏向可能な突起60を備える。図3cは、容器39の平面図を示しており、上側部分の頂点で切り取られた横断面における容器の上側部分の内部の直径は12mmである。
【0109】
図4aは、本発明の第9の態様の容器39の平面図を示しており、上側フランジの外面の直径は16mmであり、容器の下側部分の内部の直径は、下側部分の頂点で切り取られた横断面において8mmであり、下側部分の底部で切り取られた横断面における直径は8.4mmである。したがって、下側部分の内壁は、容器の底部に向かって外側に先細りしている。容器39の上側及び下側部分が図5aにおいて示されている。図4bにおいてより詳細に示される突起のそれぞれの幅は0.75mmである。突起は、容器の中央に略円形状開口を画定している。開口の直径は2mmである。
【0110】
図5aは、本発明の第9の態様の容器39の側面図を示しており、下側部分43よりも大きい直径からなる上側部分42を示している。容器の全体の高さは20mmである。下側部分43の高さは9.8mmである。上側フランジ部の高さは1mmである。図5bは、図5aにおける線V−Vを通って切り取られた容器39の横断面図を示している。容器の底部から突起60の上端部までの距離は8mmである。図5bにおいて、上側部分42は、下側部分43よりも大きな内部体積を有し、且つ、上側部分の内壁が下側部分に向かって湾曲するように内側に先細りしていることがわかる。偏向可能な突起60は、下側部分43の頂点まわりにリングを形成している。図5cは、容器39の側壁に対する偏向可能な突起60の取り付けの詳細を示している。偏向可能な突起は、容器39と一体であり、且つ、容器の取り付け点の近くに厚みが縮小した領域を備える。この厚みが縮小した領域は、要素が容器39内に挿入されることによって偏向された場合に偏向可能な突起が曲がるのを可能とする。図5cにおいて示される例における厚みが縮小した領域は、突起の残りを通る0.4mmの断面厚みと比較して、0.3mmである。図3aから図5cにおいて示された容器はまた、図2において示された容器の特徴を備えることもでき、その逆もまた同様である。したがって、第8の態様の容器は、第9の態様の任意の特徴を含むことができる。
【0111】
図6は、孔開け装置1が第8の態様の液体容器9に取り付けられる分析装置を示している。分析装置はまた、第9の態様の容器、又は、第8及び第9の態様の特徴を組み合わせた容器を含むこともできる。液体容器9は、第1の液体シール10と、第2の液体シール20とを備える。孔開け装置1は、孔開け要素が第1の位置にある場合に、孔開け要素3、3’のそれぞれの下側突起7が第1の液体シール10と接触しないように配置されている。
【0112】
使用時に、要素(好ましくはスワブ等のサンプリング装置)は、孔開け装置1を介して挿入され、孔開け要素3、3’のそれぞれの上側突起6と接触し、孔開け要素の下側に配置された液体シールの位置の方に孔開け要素を下方に移動させる。孔開け要素3、3’のそれぞれの下側突起7は、液体シールを孔開けし、孔開け要素3、3’が徐々に下方に移動するのにともない、部材に対する取り付け点まわりに回動し(これによって容器9の側面の方に弧を描くように動かし)、アーム部8は、開口の中心から離れる方向にシールの材料を付勢し、これにより、要素が装置1を通過するときに挿入された要素がシールの材料と接触する可能性を低減する。
【0113】
サンプリング装置が液体容器9内に挿入された場合に、サンプリング装置に含まれる試料は、液体容器9内の液体と接触する。そして、サンプリング装置は、第2の液体シール20の方に液体容器9内にさらに挿入される。サンプリング装置は、孔開け手段30と接触し、第2の液体シール20と接触して孔開けするように孔開け手段30を付勢する。
【0114】
さらに、分析装置は、液体受容器50に対して高い位置に液体容器9を保持するスペース要素70を備える。スペース要素は、第2の液体シール20と液体受容器50との間に間隔71を形成する。この間隔71は、好ましくは、分析装置内に挿入されるサンプリング装置の先端全体を収容するのに十分に大きく、これにより、サンプリング装置の先端全体が液体容器9を通過するのを可能とする。スペース要素70の寸法は、サンプリング装置が分析装置内に完全に挿入された場合に液体受容器50と接触しないように構成されることができる。あるいは、完全に挿入されたサンプリング装置は、液体受容器50と直接接触してもよい。サンプリング装置と液体受容器50との間の接触は、液体受容器及び側方流動キャリヤ51に対する液体輸送を向上させることができる。直径がサンプリング装置の先端の最大直径未満であるシャフトをサンプリング装置が備える場合に、シール20を通っての、且つ間隙72内へのサンプリング先端全体の挿入は、容器9にある全ての液体が容器9の外であって液体受容器50に流れ出ることができることを保証する。したがって、液体は、サンプリング装置の先端による容器の下側部分の閉塞によって容器9内に閉じ込められない。また、図6において示されるものは、スペース要素71の底部と液体受容器50との間の任意の間隙72である。
【0115】
第2の液体シール20の孔開けにより、液体は、間隔71及び間隙72を介して容器9から液体受容器50に流れる。そして、液体は、液体受容器50から側方流動キャリヤ51に流れ、側方流動キャリヤ51に沿って検出手段53に向かって流れる。
【0116】
図7は、ヘッド部13と細長いシャフト14とを備えるサンプリング装置12が孔開け装置1を介して挿入されるときの孔開け装置1の動作を示している。図7(A)において、ヘッド部が孔開け要素3の上側突起6と接触するように(明確化のために、1つの孔開け要素のみが示されている)、サンプリング装置は、孔開け装置内に挿入される。孔開け要素3は、第1の位置に示されている。図7(B)において、孔開け要素3が第2の位置に移動されるように、サンプリング装置12は、孔開け装置1を介してさらに挿入されたように示されており、これにより、液体シール10を孔開けする。図7(C)は、液体容器に入るさらに進んだ位置におけるサンプリング装置12を示している。孔開け要素3は、さらに進んだ第2の位置に示されており、サンプリング装置12が液体容器内に通るとき、液体シール10の材料がサンプリング装置12の経路から取り除かれる。
【0117】
図8は、第8の態様の液体容器9に配置された孔開け装置1を備える本発明の分析装置の立面図を示している。分析装置は、さらに、液体容器9から液体を受け入れることができる2つの側方流動キャリヤストリップ51、51’を備える。分析装置は、さらに、試料中の関心のある検体の存在を検出する手段53を備える。
【0118】
図9は、液体容器9内に孔開け装置1を介して挿入されたサンプリング装置11を備える本発明の分析装置の立面図を示している。分析装置を収容する下側ケーシング80も示されている。
【0119】
図10は、分析装置内に挿入されたサンプリング装置11を有する本発明の分析装置の横断面を示している。分析装置の頸部81は、孔開け装置1及び液体容器9を取り囲み且つそこから垂直に延在しているように示されている。頸部の頂点は、サンプリング装置11を解放可能に係合することができる係合手段83を設けている。サンプリング装置は、当業者に公知の任意の適切な係合手段によって頸部と係合することができる。例えば、サンプリング装置のヘッド部は、頸部の頂点における嵌合窪み内にクリップする半径方向突起を備えることができる。あるいは、半径方向突起は、頸部の頂点にあり、窪みがサンプリング装置にあってもよい。あるいは、サンプリング装置は、頸部にある協働突出ネジを係合することができる(これにより、嵌合ネジを嵌合することによって係合する)突出したネジ部を備える。好ましくは、サンプリング装置は、サンプリング装置又は頸部を回転することを必要としない手段によって頸部と係合する。係合手段は、サンプリング装置が的確な深さに液体容器内に挿入されるのを保証する役目を果たし、サンプリング装置がこれ以上容器内に挿入されるのを防止する役目を果たす。
【0120】
頸部81は、さらに、サンプリング装置が分析装置内に挿入されたときに、孔開け装置1の開口の方にサンプリング装置を案内するフィン部82を備える。フィン部82は、孔開け装置1の孔開け要素と接触することができる。サンプリング装置が係合手段83において頸部を係合したときに、サンプリング装置11のヘッド13が分析装置の間隔71に配置されるように、頸部の長さは、サンプリング装置の長さに応じて構成されることができる。
【0121】
図11は、斜視図において、挿入されたサンプリング装置がない本発明の分析装置の横断面を示している。フィン部82は、頸部の孔内に延在しているように示されている。フィン部82は、頸部の鉛直な長手に沿って延在している。これにより、孔開け装置1の開口の方にサンプリング装置を導く案内ランナーとして動作する。フィン部82は、頸部の頂点から孔開け装置1まで頸部の孔内にさらに徐々に延在することができる。
【0122】
図12は、本発明の分析装置の上側ケーシング84の下側面図を示している。フィン部82は、頸部の孔内に延在しているように示されている。
【0123】
ここで述べられた従来技術の参考文献は、法律によって許容される最大限の範囲において組み込まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料中の関心のある検体の存在及び/又は量を判定する分析装置であって、
液体を含み、前記液体内に試料を受け入れるように構成され、第1の開封可能な液体シールと、第2の開封可能な液体シールとを備える試料受け入れ液体容器と、
第1の液体シールを開封することができる開封手段と、
試料中の関心のある検体の存在及び/又は量を判定する分析手段とを備える、分析装置。
【請求項2】
第2の液体シールが、液体容器を分析手段から流体的に分離している、請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
液体容器が、単一の液体チャンバを備える、請求項1又は2に記載の分析装置。
【請求項4】
分析手段が、液体経路を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項5】
液体経路が、母材を通る多孔質流れを含む、請求項4に記載の分析装置。
【請求項6】
母材を通る多孔質流れが、側方流動キャリヤを含む、請求項5に記載の分析装置。
【請求項7】
側方流動キャリヤが、複数の多孔質材料を含む、請求項6に記載の分析装置。
【請求項8】
側方流動キャリヤが、ニトロセルロースを含む、請求項6又は請求項7に記載の分析装置。
【請求項9】
開封手段が孔開け手段を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項10】
第1及び/又は第2の液体シールが孔開け可能である、請求項1から9のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項11】
サンプリング装置を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項12】
分析手段を包むハウジングを備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項13】
サンプリング装置を受け入れることができる手段を備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項14】
サンプリング装置を受け入れることができる手段が、液体容器から上方に延在している中空頸部である、請求項13に記載の分析装置。
【請求項15】
中空頸部が頸部の孔内に延在している1つ以上の突起を備える、請求項14に記載の分析装置。
【請求項16】
1つ以上の突起が1つ以上のフィンである、請求項15に記載の分析装置。
【請求項17】
2つ以上の液体経路を備える、請求項1から16のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項18】
免疫測定及び/又は酵素分析手段を備える、請求項1から17のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項19】
ヒトの身体試料中の細菌性膣炎及び/又はカンジダの検出用である、請求項1から18のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項20】
分析手段が由来特定分析制御手段を備える、請求項1から19のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項21】
分析制御手段が抗ヒトIg抗体を含む、請求項20に記載の分析装置。
【請求項22】
1つ以上のサンプリング装置とともに請求項1から21のいずれか一項に記載の分析装置を備える、分析キット。
【請求項23】
1つ以上のサンプリング装置が1つ以上のスワブである、請求項22に記載の分析キット。
【請求項24】
試料中の関心のある検体の存在及び/又は量を判定する方法であって、
試料を設けたサンプリング装置を請求項1から21のいずれか一項に記載の分析装置と接触させるステップであって、分析装置の開封手段をサンプリング装置と接触させることにより、液体容器の第1の開封可能な液体シールの開封をもたらす、接触させるステップと、
液体を含む液体容器内にサンプリング装置を挿入するステップと、
第2の開封可能な液体シールを開封するステップと、
関心のある検体について分析されるように容器から分析手段に液体が流れるのを可能とするステップとを備える、方法。
【請求項25】
開口を画定する部材と、
1つ以上の孔開け要素とを備え、
各孔開け要素が、部材に取り付けられた第1の端部と、開口内に延在している第2の端部とを備え、第2の端部が、部材に対して移動可能であり、孔開け可能な材料を孔開けすることができる、孔開け装置。
【請求項26】
さらに、液体シールを備える液体容器に取り付ける手段を備える、請求項25に記載の孔開け装置。
【請求項27】
各孔開け要素が、開口に面した面である部材の内面に取り付けられる、請求項25又は請求項26に記載の孔開け装置。
【請求項28】
各孔開け要素が、部材の一体部品を形成している、請求項25から27のいずれか一項に記載の孔開け装置。
【請求項29】
各孔開け要素が、弾性材料から形成されている、請求項25から28のいずれか一項に記載の孔開け装置。
【請求項30】
各孔開け要素の第2の端部が、孔開け可能な材料を孔開けすることができる鋭尖先端を備える、請求項25から29のいずれか一項に記載の孔開け装置。
【請求項31】
各孔開け要素が、孔開け要素と孔開け装置の開口を介して挿入される要素との間の接触面を画定する上側突起を備える、請求項25から30のいずれか一項に記載の孔開け装置。
【請求項32】
各孔開け要素が、上側突起まで孔開け要素の反対側に配置され且つ孔開け可能な材料の孔開け用の下側突起を備える、請求項31に記載の孔開け装置。
【請求項33】
下側突起が切断面を形成している、請求項32に記載の孔開け装置。
【請求項34】
各孔開け要素が、各孔開け要素の第1及び第2の端部を連結するアーム部を有し、アーム部の中央の幅が、装置を介して挿入される要素に面する面として画定されているアーム部の上面、及び、孔開け可能な材料に面する面として画定されているアーム部の下面の幅よりも大きい、請求項25から33のいずれか一項に記載の孔開け装置。
【請求項35】
孔開け可能な材料から形成された1つ又は複数の液体シールを有する液体容器と組み合わせた、請求項25から34のいずれか一項に記載の孔開け装置。
【請求項36】
第1の液体シールを開封することができる開封手段が、請求項25から34のいずれか一項に記載の孔開け装置を備える、請求項1から23のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項37】
複数の孔開け可能な液体シールと、液体シールのうちの1つを孔開けすることができる容器内の孔開け手段とを有する、液体容器。
【請求項38】
容器の上端部に第1の液体シールを備え、容器の下端部に第2の液体シールを備える、請求項37に記載の液体容器。
【請求項39】
孔開け手段が、容器の内面に取り付けられた1つ以上の孔開け要素を備える、請求項37又は38に記載の液体容器。
【請求項40】
1つ以上の孔開け要素のそれぞれが、液体シールを孔開けすることができる第2の端部と、第2の端部から出て容器の内面に取り付けられた1つ以上のアーム部とを備える、請求項39に記載の液体容器。
【請求項41】
孔開け手段が、請求項25から34のいずれか一項に記載の孔開け装置である、請求項37から40のいずれか一項に記載の液体容器。
【請求項42】
液体容器が、請求項37から41のいずれか一項に記載の液体容器である、請求項1から23のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項43】
容器の内側壁から液体容器の内部空間内に延在している複数の偏向可能な突起を備える、液体容器。
【請求項44】
偏向可能な突起が液体容器と一体である、請求項43に記載の液体容器。
【請求項45】
偏向可能な突起が、容器の内壁に対して90°から1°までの範囲の角度で容器の内部空間内に延在している、請求項43又は請求項44に記載の液体容器。
【請求項46】
偏向可能な突起が、弾性材料から形成されている、請求項43から45のいずれか一項に記載の液体容器。
【請求項47】
偏向可能な突起が、容器の内壁に直接隣接する断面厚みが縮小した領域を含む、請求項43から46のいずれか一項に記載の液体容器。
【請求項48】
請求項37から41のいずれか一項に記載の液体容器の特徴を備える、請求項43から47のいずれか一項に記載の液体容器。
【請求項49】
液体容器が、請求項43から48のいずれか一項に記載の液体容器である、請求項1から23のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項1】
試料中の関心のある検体の存在及び/又は量を判定する分析装置であって、
液体を含み、前記液体内に試料を受け入れるように構成され、第1の開封可能な液体シールと、第2の開封可能な液体シールとを備える試料受け入れ液体容器と、
第1の液体シールを開封することができる開封手段と、
試料中の関心のある検体の存在及び/又は量を判定する分析手段とを備える、分析装置。
【請求項2】
第2の液体シールが、液体容器を分析手段から流体的に分離している、請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
液体容器が、単一の液体チャンバを備える、請求項1又は2に記載の分析装置。
【請求項4】
分析手段が、液体経路を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項5】
液体経路が、母材を通る多孔質流れを含む、請求項4に記載の分析装置。
【請求項6】
母材を通る多孔質流れが、側方流動キャリヤを含む、請求項5に記載の分析装置。
【請求項7】
側方流動キャリヤが、複数の多孔質材料を含む、請求項6に記載の分析装置。
【請求項8】
側方流動キャリヤが、ニトロセルロースを含む、請求項6又は請求項7に記載の分析装置。
【請求項9】
開封手段が孔開け手段を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項10】
第1及び/又は第2の液体シールが孔開け可能である、請求項1から9のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項11】
サンプリング装置を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項12】
分析手段を包むハウジングを備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項13】
サンプリング装置を受け入れることができる手段を備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項14】
サンプリング装置を受け入れることができる手段が、液体容器から上方に延在している中空頸部である、請求項13に記載の分析装置。
【請求項15】
中空頸部が頸部の孔内に延在している1つ以上の突起を備える、請求項14に記載の分析装置。
【請求項16】
1つ以上の突起が1つ以上のフィンである、請求項15に記載の分析装置。
【請求項17】
2つ以上の液体経路を備える、請求項1から16のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項18】
免疫測定及び/又は酵素分析手段を備える、請求項1から17のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項19】
ヒトの身体試料中の細菌性膣炎及び/又はカンジダの検出用である、請求項1から18のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項20】
分析手段が由来特定分析制御手段を備える、請求項1から19のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項21】
分析制御手段が抗ヒトIg抗体を含む、請求項20に記載の分析装置。
【請求項22】
1つ以上のサンプリング装置とともに請求項1から21のいずれか一項に記載の分析装置を備える、分析キット。
【請求項23】
1つ以上のサンプリング装置が1つ以上のスワブである、請求項22に記載の分析キット。
【請求項24】
試料中の関心のある検体の存在及び/又は量を判定する方法であって、
試料を設けたサンプリング装置を請求項1から21のいずれか一項に記載の分析装置と接触させるステップであって、分析装置の開封手段をサンプリング装置と接触させることにより、液体容器の第1の開封可能な液体シールの開封をもたらす、接触させるステップと、
液体を含む液体容器内にサンプリング装置を挿入するステップと、
第2の開封可能な液体シールを開封するステップと、
関心のある検体について分析されるように容器から分析手段に液体が流れるのを可能とするステップとを備える、方法。
【請求項25】
開口を画定する部材と、
1つ以上の孔開け要素とを備え、
各孔開け要素が、部材に取り付けられた第1の端部と、開口内に延在している第2の端部とを備え、第2の端部が、部材に対して移動可能であり、孔開け可能な材料を孔開けすることができる、孔開け装置。
【請求項26】
さらに、液体シールを備える液体容器に取り付ける手段を備える、請求項25に記載の孔開け装置。
【請求項27】
各孔開け要素が、開口に面した面である部材の内面に取り付けられる、請求項25又は請求項26に記載の孔開け装置。
【請求項28】
各孔開け要素が、部材の一体部品を形成している、請求項25から27のいずれか一項に記載の孔開け装置。
【請求項29】
各孔開け要素が、弾性材料から形成されている、請求項25から28のいずれか一項に記載の孔開け装置。
【請求項30】
各孔開け要素の第2の端部が、孔開け可能な材料を孔開けすることができる鋭尖先端を備える、請求項25から29のいずれか一項に記載の孔開け装置。
【請求項31】
各孔開け要素が、孔開け要素と孔開け装置の開口を介して挿入される要素との間の接触面を画定する上側突起を備える、請求項25から30のいずれか一項に記載の孔開け装置。
【請求項32】
各孔開け要素が、上側突起まで孔開け要素の反対側に配置され且つ孔開け可能な材料の孔開け用の下側突起を備える、請求項31に記載の孔開け装置。
【請求項33】
下側突起が切断面を形成している、請求項32に記載の孔開け装置。
【請求項34】
各孔開け要素が、各孔開け要素の第1及び第2の端部を連結するアーム部を有し、アーム部の中央の幅が、装置を介して挿入される要素に面する面として画定されているアーム部の上面、及び、孔開け可能な材料に面する面として画定されているアーム部の下面の幅よりも大きい、請求項25から33のいずれか一項に記載の孔開け装置。
【請求項35】
孔開け可能な材料から形成された1つ又は複数の液体シールを有する液体容器と組み合わせた、請求項25から34のいずれか一項に記載の孔開け装置。
【請求項36】
第1の液体シールを開封することができる開封手段が、請求項25から34のいずれか一項に記載の孔開け装置を備える、請求項1から23のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項37】
複数の孔開け可能な液体シールと、液体シールのうちの1つを孔開けすることができる容器内の孔開け手段とを有する、液体容器。
【請求項38】
容器の上端部に第1の液体シールを備え、容器の下端部に第2の液体シールを備える、請求項37に記載の液体容器。
【請求項39】
孔開け手段が、容器の内面に取り付けられた1つ以上の孔開け要素を備える、請求項37又は38に記載の液体容器。
【請求項40】
1つ以上の孔開け要素のそれぞれが、液体シールを孔開けすることができる第2の端部と、第2の端部から出て容器の内面に取り付けられた1つ以上のアーム部とを備える、請求項39に記載の液体容器。
【請求項41】
孔開け手段が、請求項25から34のいずれか一項に記載の孔開け装置である、請求項37から40のいずれか一項に記載の液体容器。
【請求項42】
液体容器が、請求項37から41のいずれか一項に記載の液体容器である、請求項1から23のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項43】
容器の内側壁から液体容器の内部空間内に延在している複数の偏向可能な突起を備える、液体容器。
【請求項44】
偏向可能な突起が液体容器と一体である、請求項43に記載の液体容器。
【請求項45】
偏向可能な突起が、容器の内壁に対して90°から1°までの範囲の角度で容器の内部空間内に延在している、請求項43又は請求項44に記載の液体容器。
【請求項46】
偏向可能な突起が、弾性材料から形成されている、請求項43から45のいずれか一項に記載の液体容器。
【請求項47】
偏向可能な突起が、容器の内壁に直接隣接する断面厚みが縮小した領域を含む、請求項43から46のいずれか一項に記載の液体容器。
【請求項48】
請求項37から41のいずれか一項に記載の液体容器の特徴を備える、請求項43から47のいずれか一項に記載の液体容器。
【請求項49】
液体容器が、請求項43から48のいずれか一項に記載の液体容器である、請求項1から23のいずれか一項に記載の分析装置。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2010−513900(P2010−513900A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542210(P2009−542210)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【国際出願番号】PCT/GB2007/004885
【国際公開番号】WO2008/075044
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(302044591)インバーネス・メデイカル・スウイツツアーランド・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング (38)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【国際出願番号】PCT/GB2007/004885
【国際公開番号】WO2008/075044
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(302044591)インバーネス・メデイカル・スウイツツアーランド・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング (38)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]