説明

装身具兼襟巻き保持具

【課題】首周りに巻いた襟巻きの状態を保持させると共に、装身具として利用することができる装身具兼襟巻き保持具を提供する。
【解決手段】装身具兼襟巻き保持具1は、端部を繋ぎ合せることでリング形状を形成する複数のリング構成部材10、20と、二つのリング構成部材の端部を接続し、リング形状を閉じる方向の弾性力を備えるヒンジ部30と、リング構成部材の内周に、内向き方向に配設される突起部40とを備え、リング形状を保つために、二つのリング構成部材の端部を係止する係止部50、60を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装身具であって、首周りに巻いた襟巻きの状態を保持する器具の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
マフラー、スカーフ、ショールなど襟巻きは、首や肩周りに巻いて防寒性を高めると共に、装飾性を高める効果が有る。襟巻きは、通常、襟巻きの巻き方を工夫することによって、当該襟巻きの巻いた位置や形態を保持させる。
【0003】
一方で、バンダナやスカーフ等の装飾用布を首に巻いて使用する際、それら装飾用布の状態を保持する器具に関する提案が幾つかなされている。例えば、特許文献1では、首に巻いて使用する装飾用布の両端部を挿通させるための挿通孔を形成したリング状部材から成る装飾用布保持具であって、前記リング状部材を柔軟性を有する軟質部材で構成すると共に、前記リング状部材の周方向の一部を分断して全体として略C字型に形成した装飾用布保持具が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−142484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記技術においては、布を保持する器具が保持すべき装飾用布から容易に抜け落ちるため、装飾用布を首に巻き付けた状態を保持する機能が十分ではないという問題点がある。特に、上記器具が金属である場合や、表面に装飾を施すことで器具自体が重くなる場合など、当該器具は保持すべき装飾用布から抜け落ち易くなり、装飾用布を首に巻き付けた状態を保持する機能が十分に発揮されない。
【0006】
そこで、本発明では、上記問題点に鑑み、首周りに巻いた襟巻きの状態を保持させると共に、装身具としても利用することができる装身具兼襟巻き保持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示の装身具兼襟巻き保持具の一形態は、端部を繋ぎ合せることでリング形状を形成する複数のリング構成部材と、二つの前記リング構成部材の端部を接続し、前記リング形状を閉じる方向の弾性力を備えるヒンジ部と、前記リング構成部材の内周に、内向き方向に配設される突起部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、開示の装身具兼襟巻き保持具の他形態は、端部を繋ぎ合せることでリング形状を形成する複数のリング構成部材と、二つの前記リング構成部材の端部を接続するヒンジ部と、前記リング形状を保つために、二つの前記リング構成部材の端部を係止する係止部と、前記リング構成部材の内周に、内向き方向に配設される突起部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
開示の装身具兼襟巻き保持具は、首周りに巻いた襟巻きの状態を保持させると共に、装身具としても利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施の形態に係る装身具兼襟巻き保持具の正面図(閉じた状態)である。
【図2】本実施の形態に係る装身具兼襟巻き保持具の正面図(開いた状態)である。
【図3】本実施の形態に係る装身具兼襟巻き保持具の斜視図(開いた状態)である。
【図4】本実施の形態に係る装身具兼襟巻き保持具の使用例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
(本実施の形態に係る装身具兼襟巻き保持具の構造)
【0012】
図1乃至3を用いて、本実施の形態に係る装身具兼襟巻き保持具(以下、単に「襟巻き保持具」という。)1の構造について説明する。図1は、襟巻き保持具1が閉じた状態の正面図であり、図2は、襟巻き保持具1が開いた状態の正面図である。また、図3は、襟巻き保持具1が開いた状態の斜視図である。
【0013】
図1、2で示すように、襟巻き保持具1は、閉じた状態ではリング形状をしており、リング構成部材10、20、ヒンジ部30、突起部40、係止部50、60を有する。
【0014】
リング構成部材10、20は、当該部材の端部を繋ぎ合せることで、襟巻き保持具1のリング形状を形成する部材である。例えば、図1、2では、襟巻き保持具1は2つのリング構成部材10、20を有し、リング構成部材10、20は、各端部を繋ぎ合せることで円又は楕円を形成する。
【0015】
また、図3で示すリング構成部材10、20には装飾が施されていないが、襟巻き保持具1を装身具として使用する場合、リング構成部材10、20の外周表面に適宜装飾を施しても良いし、リング構成部材10、20に適宜装飾加工を施しても良い。また、リング構成部材10、20は、金属性のものであっても良く、例えばプラスチック樹脂のように非金属性のものであっても良い。
【0016】
ヒンジ部30は、リング構成部材10、20を接続する機構である。そして、リング構成部材10、20は、ヒンジ部30を軸にして可動となっているので、襟巻き保持具1のリング形状を開状態にしたり閉状態にすることができる。図3で示すように、ヒンジ部30は、ばね機構を備え、当該ばね機構が襟巻き保持具1のリング形状を閉状態にする方向の弾性力を有するようにしても良い。このようにすることで、襟巻き保持具1は、リング形状を閉状態に保つことができる。
【0017】
突起部40は、リング構成部材10の内周側に、襟巻き保持具1のリング形状の内向き方向に配設される部材である。図1乃至3で示すように突起部40は一つであっても良く、二つ以上の複数を備える構成であっても良い。また、突起部40の先端形状は、図示したように丸みを帯びていても良く、襟巻きの引っ掛かりを良くするために尖っていても良い。さらに、突起部40の側面は、図示したように直線形状であっても良く、襟巻きの引っ掛かりを良くするために凸凹形状であっても良い。このように襟巻き保持具1は、リング形状内に挿通させた襟巻き70を突起部40が抑え込む(挟み込む)ことによって、首周りに巻いた襟巻きの状態を保持させることができる。
【0018】
また、図1などにおいて、突起部40の長さは、襟巻き保持具1が形成するリング形状の短半径の長さと略同程度となっているが、突起部40の長さをそれより長く又は短くすることを何ら妨げるものではない。
【0019】
また、突起部40は、リング構成部材10の内周全体に配設され、ゴム、シリコン樹脂のように弾性素材で形成しても良く、リング形状内に挿通させた襟巻き70をその内周全体に配設された突起部40が抑え込む(挟み込む)ことによって、首周りに巻いた襟巻きの状態を保持させることができる。
【0020】
係止部50、60は、襟巻き保持具1のリング形状を閉状態に保つために、リング構成部材10、20の端部を係止する機構である。図3で示すように、係止部50、60は、一端が凸部、他端が凹部となり、互いが噛み合うことで、リング構成部材10、20が係止される形態であっても良い。また、係止部50、60は、一端を他端に引っ掛けるフック機構であっても良い(図示せず)。このように係止部50、60を備えることにより、襟巻き保持具1は、リング形状を閉状態に保つことができる。
(本実施の形態に係る装身具兼襟巻き保持具の使用方法)
【0021】
図4を用いて、本実施の形態に係る襟巻き保持具1の使用方法について説明する。図4は、襟巻き保持具1の使用例を説明するための図である。はじめに、マフラーなど襟巻き70を着用する人(以下、使用者という。)が、各自好きなように襟巻き70を着用する。
【0022】
そして、使用者は、襟巻き保持具1のリング形状を開状態にした後、襟巻き保持具1の開口部から襟巻き70を通し、襟巻き保持具1のリング形状内に襟巻き70を挿通させる。
【0023】
ヒンジ部30がばね機構を備える場合、使用者が襟巻き保持具1から手を放せば、ヒンジ部30のばね機構が備える弾性力によって襟巻き保持具1のリング形状は閉状態となる。また、ヒンジ部30がばね機構を備えていない場合、使用者は手で襟巻き保持具1のリング形状を閉状態とし、係止部50、60によりリング構成部材10、20の端部を係止させる。
【0024】
このようにすると、突起部40が襟巻き70を抑え込む(挟み込む)と共に、ヒンジ部30又は係止部50、60がリング形状の閉状態を保たせることにより、襟巻き保持具1は、首周りに巻いた襟巻きの状態を保持させることができる。また、リング構成部材10、20の外周表面に装飾を施し、襟巻き保持具1が重くなった場合でも、突起部40、ヒンジ部30、係止部50、60の作用により、襟巻き保持具1は、首周りに巻いた襟巻きの状態を保持させることができる。
【0025】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0026】
1 装身具兼襟巻き保持具
10、20 リング構成部材
30 ヒンジ部
40 突起部
50、60 係止部
70 襟巻き(マフラーなど)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部を繋ぎ合せることでリング形状を形成する複数のリング構成部材と、
二つの前記リング構成部材の端部を接続し、前記リング形状を閉じる方向の弾性力を備えるヒンジ部と、
前記リング構成部材の内周に、内向き方向に配設される突起部と、を備えることを特徴とする装身具兼襟巻き保持具。
【請求項2】
端部を繋ぎ合せることでリング形状を形成する複数のリング構成部材と、
二つの前記リング構成部材の端部を接続するヒンジ部と、
前記リング形状を保つために、二つの前記リング構成部材の端部を係止する係止部と、
前記リング構成部材の内周に、内向き方向に配設される突起部と、を備えることを特徴とする装身具兼襟巻き保持具。
【請求項3】
前記突起部が一つであり、
前記突起部の長さが、前記リング形状の短半径と略同じであることを特徴とする請求項1又は2に記載の装身具兼襟巻き保持具。
【請求項4】
前記突起部が複数であることを特徴とする請求項1又は2に記載の装身具兼襟巻き保持具。
【請求項5】
前記突起部が、前記リング構成部材の内周全体に配設され、弾力性を備える材料で形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の装身具兼襟巻き保持具。
【請求項6】
前記リング構成部材に装飾加工が施されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一に記載の装身具兼襟巻き保持具。
【請求項7】
前記係止部において、一の前記リング構成部材の端部が凸部を備え、該一のリング構成部材の端部に対応する他の前記リング構成部材の端部が凹部を備えていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一に記載の装身具兼襟巻き保持具。
【請求項8】
前記係止部が、ホック構造であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一に記載の装身具兼襟巻き保持具。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate