装身具用留め具及びこれを用いた装身具

【課題】デザイン性の自由度を保ちつつ、簡単な構成で着脱操作性の簡略化を実現する。
【解決手段】差込部品3と受け部品4とを備え、差込部品3は、受け部品4の方向に向かって突出する挿入突片5と、挿入突片5の先端側に対し設けられて受け部品4と係脱する係止部6と、挿入突片5のうち係止部6よりも基端側に巻装されて弾性変形する弾性体7とを有し、受け部品4は、挿入突片5が挿入される挿入孔9を有する受け部材8と、挿入孔9の一部に設けられ、係止部6が通過した位置で受け部材8を挿入突片回りに半回転未満で回転させることにより係止される被係止部10と、被係止部10に隣接した部位に設けられて当該被係止部10に前記係止部6を位置決め保持すると共に、弾性体7の弾性力に抗して受け部材8を挿入方向に移動させ且つ回転させることで係止部6と被係止部10とを係脱可能とする位置決め保持部11とを有する。
【解決手段】差込部品3と受け部品4とを備え、差込部品3は、受け部品4の方向に向かって突出する挿入突片5と、挿入突片5の先端側に対し設けられて受け部品4と係脱する係止部6と、挿入突片5のうち係止部6よりも基端側に巻装されて弾性変形する弾性体7とを有し、受け部品4は、挿入突片5が挿入される挿入孔9を有する受け部材8と、挿入孔9の一部に設けられ、係止部6が通過した位置で受け部材8を挿入突片回りに半回転未満で回転させることにより係止される被係止部10と、被係止部10に隣接した部位に設けられて当該被係止部10に前記係止部6を位置決め保持すると共に、弾性体7の弾性力に抗して受け部材8を挿入方向に移動させ且つ回転させることで係止部6と被係止部10とを係脱可能とする位置決め保持部11とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主としてネックレスやブレスレット等の装身具に用いられる装身具用留め具及びこれを用いた装身具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来におけるネックレスの留め具(所謂クラスプ)としては、例えば特許文献1,2に記載のものが既に知られている。
特許文献1は、装身用鎖の留め具に関するもので、一対の嵌合部材と、一方の嵌合部材に形成された筒状部と、この筒状部に形成された係止口と、他方の嵌合部材に形成されて前記筒状部内に嵌挿される突状部と、この突状部に形成されて前記係止口に係合する係合突部と、この係合突起の側面に形成され突条部と筒状部とが相対的に回動された時に前記係止口端部に対してスライドして前記係合突部と係止口との係合を解除するテーパ面とからなるものである。
特許文献2は、装身具の留め具に関するもので、係脱自在な第一の部品、第二の部品を有し、第一の部品には、挿入突片を設けると共にこの挿入突片に係止部を形成し、第二の部品には前記挿入突片が挿入される挿入受け部を設けると共に、挿入された挿入突片を弾性保持する弾性保持部材を設け、この弾性保持部材には挿入突辺挿入時に前記係止部と係合し且つ挿入突片離脱時には挿入突片の回転動作に伴って係止部との係合状態が解除される被係止部を設けるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭56−18716号公報(図1,考案の詳細な説明)
【特許文献2】特許第3083998号公報(課題を解決するための手段,図1〜図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にあっては、係合突部と係止口との係脱操作について、係脱操作力が軽くなるように係合突部の弾性作用を設定すると、その分、両者の係止状態が外れ易くなってしまい、逆に、両者の係止状態をより強固にすると、留め具の着脱操作性が悪くなるという懸念がある。
また、特許文献2については、留め具の着脱操作性は良好に保たれるものの、第二の部品側に第一の部品の挿入突片の係止部に係止可能な弾性保持部材を設けなければならず、その分、留め具の構成が複雑化する懸念がある。
本発明は、デザイン性の自由度を保ちつつ、簡単な構成で着脱操作性の簡略化を実現することができる装身具用留め具及びこれを用いた装身具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、装身具本体を着脱する装身具用留め具であって、装身具本体の端部に設けられる差込部品と、この差込部品が挿入係止される受け部品とを備え、前記差込部品は、前記受け部品の方向に向かって突出する挿入突片と、この挿入突片の先端側に対し当該挿入突片の挿入方向と交差する方向に突出するように設けられて前記受け部品と係脱する係止部と、前記挿入突片のうち前記係止部よりも基端側に巻装されて弾性変形する弾性体とを有し、前記受け部品は、前記挿入突片が挿入される挿入孔を有する受け部材と、前記挿入孔の一部に設けられ、前記係止部が通過した位置で前記受け部材を挿入突片回りに半回転未満で回転させることにより係止される被係止部と、この被係止部に隣接した部位に設けられて当該被係止部に前記係止部を位置決め保持すると共に、前記弾性体の弾性力に抗して前記受け部材を挿入方向に移動させ且つ回転させることで前記係止部と前記被係止部とを係脱可能とする位置決め保持部とを有することを特徴とする装身具用留め具である。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る装身具用留め具において、装身具本体の両端に設けられる一対の差込部品と、一対の差込部品が挿入係止される受け部品とを備えていることを特徴とする装身具用留め具である。
請求項3に係る発明は、装身具本体と、この装身具本体を着脱する請求項1又は2に係る装身具用留め具とを備えたことを特徴とする装身具である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に係る発明によれば、デザイン性の自由度を保ちつつ、簡単な構成で着脱操作性の簡略化を実現することができる。
請求項2に係る発明によれば、装身具本体から受け部品を切り離して構築することができ、装身具本体に対し受け部品のデザイン性の自由度をより向上させることができる。
請求項3に係る発明によれば、留め具のデザイン性の自由度を保ちつつ、簡単な構成で着脱操作性の簡略化を実現することが可能な装身具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】(a)は本発明が適用された装身具用留め具の実施の形態の概要を示す説明図、(b)は(a)に示す留め具の構成例を示す説明図、(c)(d)は留め具の着脱操作例を示す説明図である。
【図2】(a)は実施の形態1に係る装身具の全体構成を示す説明図、(b)は実施の形態1の留め具の要部を示す説明図である。
【図3】(a)は留め具の差込部品の取付例を示す説明図、(b)は(a)中Bで示す差込部品の構成を示す説明図、(c)は(b)中C方向から見た矢視図、(d)は(b)中D方向から見た矢視図、(e)は(b)中E−E線で切断した断面図である。
【図4】(a)は留め具の受け部品の断面説明図、(b)は内部ホルダを示す説明図、(c)は(b)中C方向から見た矢視図、(d)は(b)中D方向から見た矢視図、(e)は(c)中E−E線で切断した断面図である。
【図5】(a)は実施の形態1で用いられる留め具の装着前の状態を示す説明図、(b)は受け部品に差込部品を挿入した状態を示す説明図、(c)は(b)中C方向から見た矢視図、(d)は受け部品に対して差込部品が装着された状態を示す(c)と同様な説明図である。
【図6】(a)は比較の形態で用いられる留め具の構成例で装着前の状態を示す説明図、(b)は受け部品に差込部品を挿入した状態を示す説明図、(c)は受け部品に対して差込部品を装着する過程を示す(b)中C方向から見た矢視図である。
【図7】(a)は実施の形態2に係る装身具用留め具の受け部品を示す説明図、(b)は実施の形態2で用いられる受け部品の内部ホルダの全体構成を示す説明図、(c)は(b)中C方向から見た矢視図、(d)は(b)中D方向から見た矢視図、(e)は(b)中E−E線で切断した断面図である。
【図8】(a)は実施の形態3に係る装身具用留め具の受け部品を示す説明図、(b)は実施の形態3で用いられる受け部品の内部ホルダの全体構成を示す説明図、(c)は(b)中C方向から見た矢視図、(d)は(b)中D方向から見た矢視図、(e)は(b)中E−E線で切断した断面図である。
【図9】(a)は実施の形態4に係る装身具用留め具の受け部品を示す斜視図、(b)はその分解斜視図、(c)は(b)中C−C線で切断した断面図である。
【図10】(a)は実施の形態4に係る装身具用留め具の受け部品の変形形態4−1を示す説明図、(b)は(a)の分解斜視図、(c)は(b)の断面説明図、(d)は実施の形態4に係る装身具用留め具の受け部品の変形形態4−2を示す説明図、(e)は(d)の分解斜視図、(f)は(e)の断面説明図である。
【図11】(a)は実施の形態5に係る装身具用留め具の受け部品を示す斜視図、(b)はその分解説明図、(c)は(b)の組付け状態を示す説明図、(d)は実施の形態5に係る装身具用留め具の受け部品の変形形態5−1を示す説明図である。
【図12】(a)は実施の形態6に係る装身具用留め具の差込部品を示す説明図、(b)はその断面説明図、(c)は(a)中C方向から見た矢視図、(d)は(a)中D方向から見た矢視図、(e)は(a)中E方向から見た矢視図である。
【図13】(a)は実施の形態6に係る装身具用留め具の受け部品を示す断面説明図、(b)は(a)中B方向から見た矢視図、(c)は(a)中C方向から見た矢視図、(d)は(b)に示す受け部品を90°回転した状態を示す説明図、(e)は(d)中E−E線で切断した断面図である。
【図14】(a)は実施の形態7に係る装身具を示す説明図、(b)は実施の形態7に係る装身具用留め具の差込部品を示す(a)中B方向から見た矢視図、(c)は(b)中C方向から見た矢視図、(d)は(b)中D方向から見た矢視図、(e)は(b)中E方向から見た矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
◎実施の形態の概要
図1(a)は本発明が適用された装身具の実施の形態の概要を示す説明図である。
同図において、装身具は、ネックレスやブレスレットなどの装身具本体1と、この装身具本体1を着脱する留め具2とを備えている。
本実施の形態において、留め具2は、図1(a)(b)に示すように、装身具本体1の端部に設けられる差込部品3と、この差込部品3が挿入係止される受け部品4とを備え、前記差込部品3は、前記受け部品4の方向に向かって突出する挿入突片5と、この挿入突片5の先端側に対し当該挿入突片5の挿入方向と交差する方向に突出するように設けられて前記受け部品4と係脱する係止部6と、前記挿入突片5のうち前記係止部6よりも基端側に巻装されて弾性変形する弾性体7とを有し、前記受け部品4は、前記挿入突片5が挿入される挿入孔9を有する受け部材8と、前記挿入孔9の一部に設けられ、前記係止部6が通過した位置で前記受け部材8を挿入突片回りに半回転未満で回転させることにより係止される被係止部10と、この被係止部10に隣接した部位に設けられて当該被係止部10に前記係止部6を位置決め保持すると共に、前記弾性体7の弾性力に抗して前記受け部材8を挿入方向に移動させ且つ回転させることで前記係止部6と前記被係止部10とを係脱可能とする位置決め保持部11とを有するものである。
【0009】
このような技術的手段において、差込部品3は装身具本体1の端部に設けられ、受け部品4は装身具本体1から切り離して設けてもよいし、あるいは、装身具本体1の端部に直接設けるようにしてもよい。
例えば、装身具本体1の両端に一対の差込部品3を設ける態様にあっては、受け部品4を装身具本体1から切り離して設けるようにすればよく、また、複数の装身具本体1を共通の留め具で装着する場合には夫々の装身具本体1の両端に設けられた一対の差込部品3を一つの受け部品4に装着するようにすればよい。
また、係止部6は挿入突片5の先端側に設けられていればよく、必ずしも先端である必要はなく、先端から少し基端側にずれた位置に設けるようにしてもよい。
更に、弾性体7としては、挿入突片5の挿入方向に沿って弾性変形可能であれば適宜選定して差し支えなく、代表的にはコイルスプリングが採用される。
更にまた、受け部材8の挿入孔9は貫通したものでもよいし、有底のものでもよい。受け部材8の形状は球状、円柱状など適宜選定して差し支えなく、表面に対して適宜デザインを施すことが可能である。
また、被係止部10は挿入孔9の一部に設けられ、挿入突片5の係止部6が通過した位置で受け部材8を回転させることで係止部6と係止されるものであればよい。このとき、受け部材8の回転量は半回転未満の予め設定された係止位置に対応して選定すればよい。
更に、位置決め保持部11は被係止部10に係止部6を位置決め保持するものであればよく、係止部6と被係止部10との係脱操作力を軽減するという観点からすれば、位置決め保持部11にテーパ状、曲面状の案内面を形成するようにすればよい。
ここで、被係止部10、位置決め保持部11については受け部材8に一体的に形成しても差し支えないが、製造性を簡略化するという観点からすれば、被係止部10、位置決め保持部11を有する内装部品を予め成形しておき、これを受け部材8に組み込むようにすることが好ましい。
【0010】
本実施の形態に係る留め具を使用する場合には、図1(b)に示すように、受け部品4の挿入孔9に差込部品3の挿入突片5をX方向に挿入し、差込部品3の挿入突片5の係止部6が受け部品8の被係止部10を通過する位置まで移動させる。このとき、差込部品3の弾性体7は被係止部10位置にせき止められて弾性変形した状態にある。
そして、図1(c)(d)に示すように、前記受け部材8を挿入突片5回りに半回転未満で矢印M方向に回転させるようにすれば、差込部品3における挿入突片5の係止部6が受け部品4の被係止部10の係止位置に移動し、被係止部10に係止されると共に、差込部品3の係止部6は受け部品4の位置決め保持部11にて位置決め保持される。この状態において、差込部品3は受け部品4に装着される。
一方、留め具を取り外す場合には、弾性体7の弾性力に抗して受け部品4に対して差込部品3を少し押し込みながら半回転未満で回転させると、差込部品3の係止部6が位置決め保持部11を乗り越えて受け部品4の被係止部10から離脱する。この状態で、受け部品4の挿入孔9から差込部品3の挿入突片5を図1(b)のX方向と逆方向に引き抜くようにすればよい。
【0011】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2(a)は実施の形態1に係る装身具の概要を示す。
同図において、装身具20は、多数の真珠25を図示外のワイヤで連接した装身具本体21と、この装身具本体21を着脱する留め具22とを備えている。
本例では、留め具22は、図2(b)に示すように、装身具本体21の両端に設けられる一対の差込部品30と、これら一対の差込部品30を挿入装着する受け部品40とを備えている。
まず、差込部品30について説明すると、差込部品30は、図3(a)(b)に示すように、例えば金、銀、プラチナ、ステンレスにて一体成形されており、装身具本体21の両端に位置する真珠25に形成された取付孔(図示せず)に図示外の接着剤を介して挿入固着される略円柱状の取付片31と、前記真珠25の取付孔の入口縁部に当接するように取付片31の周囲に張り出す鍔部32と、この鍔部32の取付片31と反対側に突出する略円柱状の挿入突片33と、この挿入突片33の先端にて挿入突片33と略直交する方向に交差するように張り出す係止部34とを有している。尚、係止部34の両端部は円弧状に形成されており、受け部品40への挿入時における接触抵抗を最小限に抑えるようになっている。
【0012】
更に、差込部品30の取付片31、鍔部32、挿入突片33及び係止部34の略中心には図示外のワイヤが挿通する挿通孔35が形成されており、この挿通孔35は、取付片31側の内径に対し挿入突片33側の内径が大径になるように鍔部32の途中で段差部36を有している。この段差部36は、図示外のワイヤ端部を挿入突片33側の挿通孔35で瞬間接着剤などを用いて固着したときに、当該瞬間接着剤が差込部品30の挿通孔35を通じて真珠25側に流れ込まないように配慮したものである。
そして、本例では、差込部品30の挿入突片33にはコイルスプリングからなる弾性バネ37が巻装され、弾性バネ37の両端が係止部34と鍔部32とに当接した状態で配置されている。
【0013】
一方、受け部品40は、図4(a)に示すように、例えば金、銀、プラチナ、ステンレスにて成形された略楕円球状の受け部材41を有し、この受け部材41には一対の差込部品30の挿入突片33が夫々挿入される略円形挿入孔42を貫通した状態で形成したものである。
そして、この挿入孔42には一対の内部ホルダ43(具体的には43a,43b)が挿入固着されている。
ここで、内部ホルダ43は例えば金、銀、プラチナ、ステンレスにて一体成形されたものであり、例えば図4(b)〜(e)に示すように、両端が開口した円筒状のホルダ筒44を有し、このホルダ筒44の一端には差込部品30の挿入突片33が挿入可能な挿入スリット46を中央部に残して一対の被係止部45を形成し、一対の被係止部45の前記挿入スリット46の長手方向に沿った両側には略半球状の位置決め保持部47が形成されている。
尚、一対の内部ホルダ43間の寸法mは、差込部品30の係止部34の挿入突片33方向の厚さ寸法k(図5参照)の2倍より大きく設定され、受け部品40内で一対の差込部品30の挿入動作が干渉しないように考慮されている。
【0014】
次に、本実施の形態に係る留め具22の使用方法について説明する。
今、図5(a)に示すように、受け部品40に対し差込部品30を装着する場合には、先ず、受け部品40の挿入孔42な差込部品30の挿入突片33を矢印x方向に挿入し、図5(b)に示すように、挿入突片33の係止部34が内部ホルダ43の挿入スリット46を越える位置まで差込部品30を押し込む。このとき、差込部品30の弾性バネ37の一端が受け部品40の被係止部45の挿入孔42入口側面に当接し、挿入突片33の係止部34が挿入スリット46を越える位置まで押し込まれた分だけ、前記弾性バネ37が更に弾性圧縮変形する。
この後、図5(c)に示すように、差込部品30の挿入突片33回りに受け部品40を約90度矢印M方向に回転させると、図5(d)に示すように、弾性バネ37の弾性力に抗して差込部品30の係止部34が受け部品40の位置決め保持部47を乗り越え、受け部品40の被係止部45に係止されると共に、両側に位置する位置決め保持部47にて位置決め保持される。
この状態において、差込部品30の挿入突片33は受け部品40の挿入孔42内に挿入され、弾性バネ37の付勢力にて係止部34が被係止部45に押し付けられ、かつ、位置決め保持部47にて位置決め保持されていることから、差込部品30は受け部品40に対して回り止めされた状態で挿入された状態で装着される。
【0015】
一方、受け部品40から差込部品30を取り外す場合には、図5(b)〜(d)に示すように、弾性バネ37の付勢力に抗して差込部品30を少し押し込みながら図5(c)に示すM方向又はM方向とは逆方向に受け部品40を約90度回転させるようにすればよい。このとき、差込部品30の係止部34が受け部品40の被係止部45から位置決め保持部47を乗り越えながら移動していき、受け部品40の挿入スリット46に到達する。
この状態において、受け部品40の挿入孔42から差込部品30の挿入突片33を引き抜くようにようにすればよい。尚、差込部品30の係止部34が受け部品40の挿入スリット46位置に到達すると、弾性バネ37の付勢力が受け部品40の挿入孔42から差込部品30を引き抜く方向に押し出すため、差込部品30の離脱操作力は軽くてすむ。
【0016】
また、本実施の形態に係る留め具22の性能を評価するために、図6(a)に示す比較の形態に係る留め具22’の性能について検討する。
同図において、比較の形態に係る留め具は22’は、実施の形態に係る留め具22の弾性バネ37に代えて受け部品40’側に弾性バネ48’を組み込んだものである。
つまり、比較の形態に係る留め具22’は、差込部品30’と受け部品40’とを備えており、差込部品30’は実施の形態1に係る差込部品30の取付片31、鍔部32、挿入突片33及び係止部34に相当する機能部31’〜34’を有している。
一方、受け部品40’は、受け部材41’に挿入孔42’を貫通した状態で形成し、この挿入孔42’に内部ホルダ43’を組み込んだものであるが、この内部ホルダ43’は、挿入孔42’全体に挿入固着される円筒状のホルダ筒44’を有し、このホルダ筒44’の内部には一対の差込部品30’に対応した被係止部45’、挿入スリット46’を形成し、一対の差込部品30’に対応する被係止部45’間に弾性バネ48’を介在させると共に、弾性バネ48’の両端にはバネ受け皿49’を被係止部45’に当接させた状態で配置するようにしたものである。
【0017】
この比較の形態にあっては、図6(a)に示すように、受け部品40’のホルダ筒44’内に差込部品30’の挿入突片33’をX方向に挿入し、図6(b)に示すように、受け部品40’の挿入スリット46’を通過する位置まで挿入突片33’の係止部34’を押し込み、この状態で、図6(c)に示すように、約90°受け部品40’を回転させ、受け部品40’の被係止部45’に差込部品30’の係止部34’を係止させるようにすればよい。このとき、弾性バネ48’の付勢力によって係止部34’は被係止部’に押さえ付けられるため、差込部品30’は受け部品40’に挿入装着される。
しかしながら、このような比較の形態に係る留め具22’にあっては、内部ホルダ43’内に弾性バネ48’及びバネ受け皿49’を組み込む作業が極めて面倒であり、本例の場合には、受け部品40’に対して一方の差込部品30’を装着した後に、他方の差込部品30’を挿入装着する場合に弾性バネ48’の付勢力がより強く働くため、差込部品30’の挿入操作性が悪くなる虞れがある他、差込部品30’の係止部34’と受け部品40’の被係止部45’との係止状態をより安定にするために、実施の形態1に示すような位置決め保持部47に相当する機能部を付加すると、更に弾性バネ48’、バネ受け皿49’の組み込み作業が面倒になる懸念がある。
このように、実施の形態1に係る留め具22は、比較の形態に係る留め具22’に比べて、構成部品の組み込み性の点で優れていることが理解される。
【0018】
本発明は、上述した実施の形態に係る装身具用留め具、あるいは、装身具に限られるものではなく、例えば以下の実施の形態2〜7に示す装身具用留め具、装身具として適用してもよいことは勿論である。
◎実施の形態2
図7(a)は実施の形態2に係る装身具用留め具の受け部品を示す。
同図において、受け部品40は、実施の形態1と同様に一対の内部ホルダ43を備えているが、内部ホルダ43の構成が実施の形態1と異なる。尚、本例で用いられる差込部品30は実施の形態1と略同様である。
同図において、一対の内部ホルダ43は、図7(b)〜(e)に示すように、受け部材41の貫通した状態で開設された挿入孔42の両側の入口付近まで挿入装着され、ホルダ筒44の一端側に挿入スリット46を挟んで一対の対向壁部51を形成し、この対向壁部51の挿入スリット46の長手方向中央には凹部52を形成し、この凹部52の両側に段部53を残す構成にし、前記凹部52を被係止部45として機能させると共に、前記段部53を位置決め保持部47として機能させるようにしたものである。
このため、本実施の形態2では、受け部品40に差込部品30を挿入装着する場合には、対向壁部51の段部53からなる位置決め保持部47を乗り越える位置まで、弾性バネ37の付勢力に抗して差込部品30の係止部34を挿入した後に、差込部品30の挿入突片33回りに受け部品40を回転させ、受け部品40の凹部52からなる被係止部45に差込部品30の係止部34を係止させるようにすればよい。
一方、受け部品40から差込部品30を取り外す場合には、弾性バネ37の付勢力に抗して段部53からなる位置決め保持部47を乗り越える位置まで差込部品30の係止部34を押し込んだ後に、差込部品30の挿入突片33回りに受け部品40を約90°回転させて挿入スリット46から差込部品30の係止部34を引き抜くようにすればよい。
【0019】
◎実施の形態3
図8(a)は実施の形態3に係る装身具用留め具の受け部品を示す。
同図において、受け部品40は、実施の形態2と略同様に構成されているが、受け部品40の内部ホルダ43が実施の形態2と異なる。尚、本例で用いられる差込部品30は実施の形態1と略同様である。
つまり、内部ホルダ43は、図8(b)〜(e)に示すように、実施の形態2と同様に、ホルダ筒44の一端側に挿入スリット46を挟んで一対の対向壁部51を形成し、この対向壁部51の挿入スリット46の長手方向中央には凹部52を形成すると共に、前記凹部52を被係止部45として機能させるようにしたものであるが、実施の形態2と異なり、対向壁部51の凹部52を挟む一方側には対向壁部51の段部53をそのまま残し、前記凹部52の他方側には凹部52と段部53との中間に位置する切欠段部54として形成し、前記段部53及び切欠段部54を位置決め保持部47として機能させるようにしたものである。
更に、本実施の形態3では、内部ホルダ43の対向壁部51の挿入孔42入口側面は沿う挿入スリット46に向かって窄む方向に傾斜するテーパ部55が形成されている。
本実施の形態3によれば、受け部品40に差込部品30を挿入装着する場合には、対向壁部51の切欠段部54からなる位置決め保持部47を乗り越える位置まで、弾性バネ37の付勢力に抗して差込部品30の係止部34を挿入した後に、差込部品30の挿入突片33回りに受け部品40を回転させ、受け部品40の凹部52からなる被係止部45に差込部品30の係止部34を係止させるようにすればよい。
このとき、内部ホルダ43のテーパ部55は、受け部品40の挿入孔42に差込部品30の挿入突片33を挿入した時に、挿入スリット46に向けて挿入突片33の先端に設けられた係止部34を案内することから、差込部品30の挿入操作がし易い。
一方、受け部品40から差込部品30を取り外す場合には、弾性バネ37の付勢力に抗して切欠段部54からなる位置決め保持部47を乗り越える位置まで差込部品30の係止部34を押し込んだ後に、差込部品30の挿入突片33回りに受け部品40を約90°回転させて挿入スリット46から差込部品30の係止部34を引き抜くようにすればよい。
本実施の形態3では、実施の形態2に比べて、差込部品30の挿入量を少なくすることができ、かつ、差込部品30の挿入操作性を良好に保つ点で好ましい。
【0020】
◎実施の形態4
図9(a)は実施の形態4に係る装身具用留め具の受け部品を示す斜視図である。
同図において、受け部品40は、実施の形態1〜3と同様に、一対の内部ホルダ43を備えているが、内部ホルダ43の構成が実施の形態1〜3と異なる。尚、本例で用いられる差込部品30は実施の形態1と略同様である。
本実施の形態において、受け部品40は、図9(b)(c)に示すように、中空の立方体又は直方体状の受け部材41をろう付け、接着剤等で接合可能な二つの受けパーツ41a,41bに分割し、夫々の受けパーツ41a,41bの接合部の一部には夫々略円筒状の内部ホルダ43を一体的に形成し、夫々の受けパーツ41a,41bの内部ホルダ43に対応した部位に半円状の接合切欠部71を形成したものである。
ここで、内部ホルダ43は、例えば実施の形態2と略同様に、ホルダ筒44の一端側に挿入スリット46を挟んで一対の対向壁部51を形成すると共に、この対向壁部51の挿入スリット46の長手方向中央には凹部52を形成し、この凹部52の両側に段部53を残す構成にし、前記凹部52を被係止部45として機能させると共に、前記段部53を位置決め保持部47として機能させるようにしたものである。尚、位置決め保持部47として、実施の形態1や実施の形態3に示す態様に構成してもよいことは勿論である。
本実施の形態によれば、受け部品40に差込部品30を挿入装着する場合には、受け部品40に一体成形した内部ホルダ43に対し差込部品30を挿入係止するようにすればよく、受け部品40から差込部品30を取り外す場合には、受け部品40の内部ホルダ43に対する前記差込部品30の係止状態を解除した後、受け部品40から差込部品30を引き抜くようにすればよい。
尚、本例では、一対の受けパーツ41a,41bは点対称形状に構成されているため、同じ型にて成形することが可能である。
【0021】
本実施の形態で用いられる受け部品40については上述した態様に限られるものではなく、例えば以下のように構成しても差し支えない。
◎変形形態4−1
図10(a)は実施の形態4で用いられる受け部品40の変形形態4−1を示す。
同図において、受け部品40は、例えば図10(b)(c)に示すように、中空球体状の受け部材41をろう付け、接着剤等で接合可能な二つの受けパーツ41a,41bに分割し、夫々の受けパーツ41a,41bには両者の接合面から最も離間した部位に夫々内部ホルダ43を一体的に成形したものである。
◎変形形態4−2
図10(d)は実施の形態4で用いられる受け部品40の変形形態4−2を示す。
同図において、受け部品40は、例えば図10(e)(f)に示すように、中空の立方体又は直方体状の受け部材41をろう付け、接着剤等で接合可能な二つの受けパーツ41a,41bに分割し、夫々の受けパーツ41a,41bには両者の接合面から離間した面の略中央に夫々内部ホルダ43を一体的に成形したものである。
【0022】
◎実施の形態5
図11(a)は実施の形態5に係る装身具用留め具の受け部品を示す斜視図である。
同図において、受け部品40は、実施の形態1〜4と同様に、一対の内部ホルダ43を備えているが、内部ホルダ43の構成が実施の形態1〜4と異なる。尚、本例で用いられる差込部品30は実施の形態1と略同様である。
本実施の形態において、受け部品40は、図11(b)(c)に示すように、中空の立方体又は直方体状の受け部材41を有し、この受け部材41を、両端が開口する胴体部81と、この胴体部81の開口82を塞ぐ蓋部85,86とに分割し、この蓋部85,86の中央に内部ホルダ43を一体的に成形したものである。尚、胴体部81の開口82縁には蓋部85,86の周縁が載置される段付受部83が形成され、この段付受部83に対して蓋部85,86がろう付け、接着剤等にて接合される。
ここで、内部ホルダ43は、例えば実施の形態2と略同様に、蓋部85,86の中央部内側に突出する円筒状のホルダ筒44を有し、このホルダ筒44の一端側に挿入スリット46を挟んで一対の対向壁部51を形成すると共に、この対向壁部51の挿入スリット46の長手方向中央には凹部52を形成し、この凹部52の両側に段部53を残す構成にし、前記凹部52を被係止部45として機能させると共に、前記段部53を位置決め保持部47として機能させるようにしたものである。尚、本例でも、位置決め保持部47として、実施の形態1や実施の形態3に示す態様に構成してもよいことは勿論である。
従って、本実施の形態にあっては、受け部品40に差込部品30を挿入装着する場合には、受け部品40に一体成形した内部ホルダ43に対し差込部品30を挿入係止するようにすればよく、受け部品40から差込部品30を取り外す場合には、受け部品40の内部ホルダ43に対する前記差込部品30の係止状態を解除した後、受け部品40から差込部品30を引き抜くようにすればよい。
本実施の形態で用いられる受け部品40については上述した態様に限られるものではなく、例えば以下のように構成しても差し支えない。
◎変形形態5−1
図11(d)は実施の形態5で用いられる受け部品の変形形態5−1を示す。
同図において、受け部品40は、中空球体状の受け部材41を、両端が開口した胴体部81と、この胴体部81の開口82を塞ぐ蓋部85,86とに分割し、この蓋部85,86に内部ホルダ43を一体成形したものである。
【0023】
◎実施の形態6
図12(a)は実施の形態6で用いられる差込部品を示す説明図である。
同図において、差込部品30は、図12(a)〜(e)に示すように、実施の形態1と略同様に、装身具本体21の両端に位置する真珠25(図2参照)に形成された取付孔(図示せず)に図示外の接着剤を介して挿入固着される略円柱状の取付片31と、真珠25の取付孔の入口縁部に当接するように取付片31の周囲に張り出す鍔部32と、この鍔部32の取付片31と反対側に突出する略円柱状の挿入突片33と、この挿入突片33の先端にて挿入突片33と略直交する方向に交差するように張り出す係止部34と、取付片31,鍔部32,挿入突片33の略中心には図示外のワイヤを挿通させる挿通孔35とを有しているが、本例では、前記挿入突片33の外径d1が前記取付片31の外径d2よりも大きく形成されると共に、前記係止部34の幅寸法wよりも大きく形成されている。
一方、受け部品40は、実施の形態2と略同様に一対の内部ホルダ43を有するものであるが、この一対の内部ホルダ43は、図13(a)〜(e)に示すように、受け部材41の貫通した状態で開設された挿入孔(図示せず)の両側の入口付近まで挿入装着され、ホルダ筒44の一端側に挿入スリット46を挟んで一対の対向壁部51を形成し、この対向壁部51の挿入スリット46の長手方向中央には湾曲凹部92を形成し、この湾曲凹部92の両側に段部53を残す構成にし、前記湾曲凹部92を被係止部45として機能させると共に、前記段部53を位置決め保持部47として機能させるようにしたものである。
【0024】
特に、本例では、挿入スリット46を構成する対向壁部51は前記挿入突片33が挿入時に案内可能な湾曲状案内面93を有し、この湾曲状案内面93にて位置決めされた状態で挿入突片33が案内挿入されるようになっている。尚、挿入スリット46の湾曲状案内面93の両側は外側に向かって拡開するテーパ面94として形成されており、差込部品30挿入時に差込部品30の係止部34が挿入スリット46を通過し易いようになっている。
このため、本実施の形態7では、受け部品40に差込部品30を挿入装着する場合には、対向壁部51の段部53からなる位置決め保持部47を乗り越える位置まで、弾性バネ37の付勢力に抗して差込部品30の係止部34を挿入した後に、差込部品30の挿入突片33回りに受け部品40を回転させ、受け部品40の湾曲凹部92からなる被係止部45に差込部品30の係止部34を係止させるようにすればよい。
一方、受け部品40から差込部品30を取り外す場合には、差込部品30の係止部34が弾性バネ37の付勢力に抗して段部53からなる位置決め保持部47を乗り越える位置まで差込部品30の挿入突片33回りに受け部品40を回転させ、挿入スリット46から差込部品30の係止部34を引き抜くようにすればよい。このとき、受け部品40の被係止部45は湾曲凹部92で構成されているため、差込部品30を押さえた状態で受け部品40を回転させるようにすれば、差込部品30の係止部34は被係止部45の湾曲凹部92に沿って移動していき、段部53からなる位置決め保持部47を容易に乗り越えることが可能である。
【0025】
◎実施の形態7
図14(a)は実施の形態7に係る装身具を示す。
同図において、装身具20は、実施の形態1〜6と異なり、チェーン26を連接した装身具本体21と、これを着脱する留め具22とを備えたものである。
同図において、留め具22は、実施の形態1と同様な構成の受け部品40を有しているが、差込部品30が実施の形態1と異なる構成になっている。
つまり、本実施の形態7では、差込部品30は、装身具本体21の両端のチェーン26に連結されるチェーン状の連結片61と、この連結片61の一部に設けられる鍔部32と、この鍔部32の連結片61の反対側に突出する挿入突片33と、この挿入突片33の先端に設けられる係止部34とを有し、挿入突片33には弾性バネ37を巻装したものである。
尚、ワイヤを使用しなくてよいため、差込部品30の内部には挿通孔を開設していない構成になっている。
従って、本実施の形態7にあっても、実施の形態1と略同様に、受け部品40に対して差込部品30は着脱操作可能である。
【符号の説明】
【0026】
1…装身具本体,2…留め具,3…差込部品,4…受け部品,5…挿入突片,6…係止部,7…弾性体,8…受け部材,9…挿入孔,10…被係止部,11…位置決め保持部
【技術分野】
【0001】
本発明は、主としてネックレスやブレスレット等の装身具に用いられる装身具用留め具及びこれを用いた装身具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来におけるネックレスの留め具(所謂クラスプ)としては、例えば特許文献1,2に記載のものが既に知られている。
特許文献1は、装身用鎖の留め具に関するもので、一対の嵌合部材と、一方の嵌合部材に形成された筒状部と、この筒状部に形成された係止口と、他方の嵌合部材に形成されて前記筒状部内に嵌挿される突状部と、この突状部に形成されて前記係止口に係合する係合突部と、この係合突起の側面に形成され突条部と筒状部とが相対的に回動された時に前記係止口端部に対してスライドして前記係合突部と係止口との係合を解除するテーパ面とからなるものである。
特許文献2は、装身具の留め具に関するもので、係脱自在な第一の部品、第二の部品を有し、第一の部品には、挿入突片を設けると共にこの挿入突片に係止部を形成し、第二の部品には前記挿入突片が挿入される挿入受け部を設けると共に、挿入された挿入突片を弾性保持する弾性保持部材を設け、この弾性保持部材には挿入突辺挿入時に前記係止部と係合し且つ挿入突片離脱時には挿入突片の回転動作に伴って係止部との係合状態が解除される被係止部を設けるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭56−18716号公報(図1,考案の詳細な説明)
【特許文献2】特許第3083998号公報(課題を解決するための手段,図1〜図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にあっては、係合突部と係止口との係脱操作について、係脱操作力が軽くなるように係合突部の弾性作用を設定すると、その分、両者の係止状態が外れ易くなってしまい、逆に、両者の係止状態をより強固にすると、留め具の着脱操作性が悪くなるという懸念がある。
また、特許文献2については、留め具の着脱操作性は良好に保たれるものの、第二の部品側に第一の部品の挿入突片の係止部に係止可能な弾性保持部材を設けなければならず、その分、留め具の構成が複雑化する懸念がある。
本発明は、デザイン性の自由度を保ちつつ、簡単な構成で着脱操作性の簡略化を実現することができる装身具用留め具及びこれを用いた装身具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、装身具本体を着脱する装身具用留め具であって、装身具本体の端部に設けられる差込部品と、この差込部品が挿入係止される受け部品とを備え、前記差込部品は、前記受け部品の方向に向かって突出する挿入突片と、この挿入突片の先端側に対し当該挿入突片の挿入方向と交差する方向に突出するように設けられて前記受け部品と係脱する係止部と、前記挿入突片のうち前記係止部よりも基端側に巻装されて弾性変形する弾性体とを有し、前記受け部品は、前記挿入突片が挿入される挿入孔を有する受け部材と、前記挿入孔の一部に設けられ、前記係止部が通過した位置で前記受け部材を挿入突片回りに半回転未満で回転させることにより係止される被係止部と、この被係止部に隣接した部位に設けられて当該被係止部に前記係止部を位置決め保持すると共に、前記弾性体の弾性力に抗して前記受け部材を挿入方向に移動させ且つ回転させることで前記係止部と前記被係止部とを係脱可能とする位置決め保持部とを有することを特徴とする装身具用留め具である。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る装身具用留め具において、装身具本体の両端に設けられる一対の差込部品と、一対の差込部品が挿入係止される受け部品とを備えていることを特徴とする装身具用留め具である。
請求項3に係る発明は、装身具本体と、この装身具本体を着脱する請求項1又は2に係る装身具用留め具とを備えたことを特徴とする装身具である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に係る発明によれば、デザイン性の自由度を保ちつつ、簡単な構成で着脱操作性の簡略化を実現することができる。
請求項2に係る発明によれば、装身具本体から受け部品を切り離して構築することができ、装身具本体に対し受け部品のデザイン性の自由度をより向上させることができる。
請求項3に係る発明によれば、留め具のデザイン性の自由度を保ちつつ、簡単な構成で着脱操作性の簡略化を実現することが可能な装身具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】(a)は本発明が適用された装身具用留め具の実施の形態の概要を示す説明図、(b)は(a)に示す留め具の構成例を示す説明図、(c)(d)は留め具の着脱操作例を示す説明図である。
【図2】(a)は実施の形態1に係る装身具の全体構成を示す説明図、(b)は実施の形態1の留め具の要部を示す説明図である。
【図3】(a)は留め具の差込部品の取付例を示す説明図、(b)は(a)中Bで示す差込部品の構成を示す説明図、(c)は(b)中C方向から見た矢視図、(d)は(b)中D方向から見た矢視図、(e)は(b)中E−E線で切断した断面図である。
【図4】(a)は留め具の受け部品の断面説明図、(b)は内部ホルダを示す説明図、(c)は(b)中C方向から見た矢視図、(d)は(b)中D方向から見た矢視図、(e)は(c)中E−E線で切断した断面図である。
【図5】(a)は実施の形態1で用いられる留め具の装着前の状態を示す説明図、(b)は受け部品に差込部品を挿入した状態を示す説明図、(c)は(b)中C方向から見た矢視図、(d)は受け部品に対して差込部品が装着された状態を示す(c)と同様な説明図である。
【図6】(a)は比較の形態で用いられる留め具の構成例で装着前の状態を示す説明図、(b)は受け部品に差込部品を挿入した状態を示す説明図、(c)は受け部品に対して差込部品を装着する過程を示す(b)中C方向から見た矢視図である。
【図7】(a)は実施の形態2に係る装身具用留め具の受け部品を示す説明図、(b)は実施の形態2で用いられる受け部品の内部ホルダの全体構成を示す説明図、(c)は(b)中C方向から見た矢視図、(d)は(b)中D方向から見た矢視図、(e)は(b)中E−E線で切断した断面図である。
【図8】(a)は実施の形態3に係る装身具用留め具の受け部品を示す説明図、(b)は実施の形態3で用いられる受け部品の内部ホルダの全体構成を示す説明図、(c)は(b)中C方向から見た矢視図、(d)は(b)中D方向から見た矢視図、(e)は(b)中E−E線で切断した断面図である。
【図9】(a)は実施の形態4に係る装身具用留め具の受け部品を示す斜視図、(b)はその分解斜視図、(c)は(b)中C−C線で切断した断面図である。
【図10】(a)は実施の形態4に係る装身具用留め具の受け部品の変形形態4−1を示す説明図、(b)は(a)の分解斜視図、(c)は(b)の断面説明図、(d)は実施の形態4に係る装身具用留め具の受け部品の変形形態4−2を示す説明図、(e)は(d)の分解斜視図、(f)は(e)の断面説明図である。
【図11】(a)は実施の形態5に係る装身具用留め具の受け部品を示す斜視図、(b)はその分解説明図、(c)は(b)の組付け状態を示す説明図、(d)は実施の形態5に係る装身具用留め具の受け部品の変形形態5−1を示す説明図である。
【図12】(a)は実施の形態6に係る装身具用留め具の差込部品を示す説明図、(b)はその断面説明図、(c)は(a)中C方向から見た矢視図、(d)は(a)中D方向から見た矢視図、(e)は(a)中E方向から見た矢視図である。
【図13】(a)は実施の形態6に係る装身具用留め具の受け部品を示す断面説明図、(b)は(a)中B方向から見た矢視図、(c)は(a)中C方向から見た矢視図、(d)は(b)に示す受け部品を90°回転した状態を示す説明図、(e)は(d)中E−E線で切断した断面図である。
【図14】(a)は実施の形態7に係る装身具を示す説明図、(b)は実施の形態7に係る装身具用留め具の差込部品を示す(a)中B方向から見た矢視図、(c)は(b)中C方向から見た矢視図、(d)は(b)中D方向から見た矢視図、(e)は(b)中E方向から見た矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
◎実施の形態の概要
図1(a)は本発明が適用された装身具の実施の形態の概要を示す説明図である。
同図において、装身具は、ネックレスやブレスレットなどの装身具本体1と、この装身具本体1を着脱する留め具2とを備えている。
本実施の形態において、留め具2は、図1(a)(b)に示すように、装身具本体1の端部に設けられる差込部品3と、この差込部品3が挿入係止される受け部品4とを備え、前記差込部品3は、前記受け部品4の方向に向かって突出する挿入突片5と、この挿入突片5の先端側に対し当該挿入突片5の挿入方向と交差する方向に突出するように設けられて前記受け部品4と係脱する係止部6と、前記挿入突片5のうち前記係止部6よりも基端側に巻装されて弾性変形する弾性体7とを有し、前記受け部品4は、前記挿入突片5が挿入される挿入孔9を有する受け部材8と、前記挿入孔9の一部に設けられ、前記係止部6が通過した位置で前記受け部材8を挿入突片回りに半回転未満で回転させることにより係止される被係止部10と、この被係止部10に隣接した部位に設けられて当該被係止部10に前記係止部6を位置決め保持すると共に、前記弾性体7の弾性力に抗して前記受け部材8を挿入方向に移動させ且つ回転させることで前記係止部6と前記被係止部10とを係脱可能とする位置決め保持部11とを有するものである。
【0009】
このような技術的手段において、差込部品3は装身具本体1の端部に設けられ、受け部品4は装身具本体1から切り離して設けてもよいし、あるいは、装身具本体1の端部に直接設けるようにしてもよい。
例えば、装身具本体1の両端に一対の差込部品3を設ける態様にあっては、受け部品4を装身具本体1から切り離して設けるようにすればよく、また、複数の装身具本体1を共通の留め具で装着する場合には夫々の装身具本体1の両端に設けられた一対の差込部品3を一つの受け部品4に装着するようにすればよい。
また、係止部6は挿入突片5の先端側に設けられていればよく、必ずしも先端である必要はなく、先端から少し基端側にずれた位置に設けるようにしてもよい。
更に、弾性体7としては、挿入突片5の挿入方向に沿って弾性変形可能であれば適宜選定して差し支えなく、代表的にはコイルスプリングが採用される。
更にまた、受け部材8の挿入孔9は貫通したものでもよいし、有底のものでもよい。受け部材8の形状は球状、円柱状など適宜選定して差し支えなく、表面に対して適宜デザインを施すことが可能である。
また、被係止部10は挿入孔9の一部に設けられ、挿入突片5の係止部6が通過した位置で受け部材8を回転させることで係止部6と係止されるものであればよい。このとき、受け部材8の回転量は半回転未満の予め設定された係止位置に対応して選定すればよい。
更に、位置決め保持部11は被係止部10に係止部6を位置決め保持するものであればよく、係止部6と被係止部10との係脱操作力を軽減するという観点からすれば、位置決め保持部11にテーパ状、曲面状の案内面を形成するようにすればよい。
ここで、被係止部10、位置決め保持部11については受け部材8に一体的に形成しても差し支えないが、製造性を簡略化するという観点からすれば、被係止部10、位置決め保持部11を有する内装部品を予め成形しておき、これを受け部材8に組み込むようにすることが好ましい。
【0010】
本実施の形態に係る留め具を使用する場合には、図1(b)に示すように、受け部品4の挿入孔9に差込部品3の挿入突片5をX方向に挿入し、差込部品3の挿入突片5の係止部6が受け部品8の被係止部10を通過する位置まで移動させる。このとき、差込部品3の弾性体7は被係止部10位置にせき止められて弾性変形した状態にある。
そして、図1(c)(d)に示すように、前記受け部材8を挿入突片5回りに半回転未満で矢印M方向に回転させるようにすれば、差込部品3における挿入突片5の係止部6が受け部品4の被係止部10の係止位置に移動し、被係止部10に係止されると共に、差込部品3の係止部6は受け部品4の位置決め保持部11にて位置決め保持される。この状態において、差込部品3は受け部品4に装着される。
一方、留め具を取り外す場合には、弾性体7の弾性力に抗して受け部品4に対して差込部品3を少し押し込みながら半回転未満で回転させると、差込部品3の係止部6が位置決め保持部11を乗り越えて受け部品4の被係止部10から離脱する。この状態で、受け部品4の挿入孔9から差込部品3の挿入突片5を図1(b)のX方向と逆方向に引き抜くようにすればよい。
【0011】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2(a)は実施の形態1に係る装身具の概要を示す。
同図において、装身具20は、多数の真珠25を図示外のワイヤで連接した装身具本体21と、この装身具本体21を着脱する留め具22とを備えている。
本例では、留め具22は、図2(b)に示すように、装身具本体21の両端に設けられる一対の差込部品30と、これら一対の差込部品30を挿入装着する受け部品40とを備えている。
まず、差込部品30について説明すると、差込部品30は、図3(a)(b)に示すように、例えば金、銀、プラチナ、ステンレスにて一体成形されており、装身具本体21の両端に位置する真珠25に形成された取付孔(図示せず)に図示外の接着剤を介して挿入固着される略円柱状の取付片31と、前記真珠25の取付孔の入口縁部に当接するように取付片31の周囲に張り出す鍔部32と、この鍔部32の取付片31と反対側に突出する略円柱状の挿入突片33と、この挿入突片33の先端にて挿入突片33と略直交する方向に交差するように張り出す係止部34とを有している。尚、係止部34の両端部は円弧状に形成されており、受け部品40への挿入時における接触抵抗を最小限に抑えるようになっている。
【0012】
更に、差込部品30の取付片31、鍔部32、挿入突片33及び係止部34の略中心には図示外のワイヤが挿通する挿通孔35が形成されており、この挿通孔35は、取付片31側の内径に対し挿入突片33側の内径が大径になるように鍔部32の途中で段差部36を有している。この段差部36は、図示外のワイヤ端部を挿入突片33側の挿通孔35で瞬間接着剤などを用いて固着したときに、当該瞬間接着剤が差込部品30の挿通孔35を通じて真珠25側に流れ込まないように配慮したものである。
そして、本例では、差込部品30の挿入突片33にはコイルスプリングからなる弾性バネ37が巻装され、弾性バネ37の両端が係止部34と鍔部32とに当接した状態で配置されている。
【0013】
一方、受け部品40は、図4(a)に示すように、例えば金、銀、プラチナ、ステンレスにて成形された略楕円球状の受け部材41を有し、この受け部材41には一対の差込部品30の挿入突片33が夫々挿入される略円形挿入孔42を貫通した状態で形成したものである。
そして、この挿入孔42には一対の内部ホルダ43(具体的には43a,43b)が挿入固着されている。
ここで、内部ホルダ43は例えば金、銀、プラチナ、ステンレスにて一体成形されたものであり、例えば図4(b)〜(e)に示すように、両端が開口した円筒状のホルダ筒44を有し、このホルダ筒44の一端には差込部品30の挿入突片33が挿入可能な挿入スリット46を中央部に残して一対の被係止部45を形成し、一対の被係止部45の前記挿入スリット46の長手方向に沿った両側には略半球状の位置決め保持部47が形成されている。
尚、一対の内部ホルダ43間の寸法mは、差込部品30の係止部34の挿入突片33方向の厚さ寸法k(図5参照)の2倍より大きく設定され、受け部品40内で一対の差込部品30の挿入動作が干渉しないように考慮されている。
【0014】
次に、本実施の形態に係る留め具22の使用方法について説明する。
今、図5(a)に示すように、受け部品40に対し差込部品30を装着する場合には、先ず、受け部品40の挿入孔42な差込部品30の挿入突片33を矢印x方向に挿入し、図5(b)に示すように、挿入突片33の係止部34が内部ホルダ43の挿入スリット46を越える位置まで差込部品30を押し込む。このとき、差込部品30の弾性バネ37の一端が受け部品40の被係止部45の挿入孔42入口側面に当接し、挿入突片33の係止部34が挿入スリット46を越える位置まで押し込まれた分だけ、前記弾性バネ37が更に弾性圧縮変形する。
この後、図5(c)に示すように、差込部品30の挿入突片33回りに受け部品40を約90度矢印M方向に回転させると、図5(d)に示すように、弾性バネ37の弾性力に抗して差込部品30の係止部34が受け部品40の位置決め保持部47を乗り越え、受け部品40の被係止部45に係止されると共に、両側に位置する位置決め保持部47にて位置決め保持される。
この状態において、差込部品30の挿入突片33は受け部品40の挿入孔42内に挿入され、弾性バネ37の付勢力にて係止部34が被係止部45に押し付けられ、かつ、位置決め保持部47にて位置決め保持されていることから、差込部品30は受け部品40に対して回り止めされた状態で挿入された状態で装着される。
【0015】
一方、受け部品40から差込部品30を取り外す場合には、図5(b)〜(d)に示すように、弾性バネ37の付勢力に抗して差込部品30を少し押し込みながら図5(c)に示すM方向又はM方向とは逆方向に受け部品40を約90度回転させるようにすればよい。このとき、差込部品30の係止部34が受け部品40の被係止部45から位置決め保持部47を乗り越えながら移動していき、受け部品40の挿入スリット46に到達する。
この状態において、受け部品40の挿入孔42から差込部品30の挿入突片33を引き抜くようにようにすればよい。尚、差込部品30の係止部34が受け部品40の挿入スリット46位置に到達すると、弾性バネ37の付勢力が受け部品40の挿入孔42から差込部品30を引き抜く方向に押し出すため、差込部品30の離脱操作力は軽くてすむ。
【0016】
また、本実施の形態に係る留め具22の性能を評価するために、図6(a)に示す比較の形態に係る留め具22’の性能について検討する。
同図において、比較の形態に係る留め具は22’は、実施の形態に係る留め具22の弾性バネ37に代えて受け部品40’側に弾性バネ48’を組み込んだものである。
つまり、比較の形態に係る留め具22’は、差込部品30’と受け部品40’とを備えており、差込部品30’は実施の形態1に係る差込部品30の取付片31、鍔部32、挿入突片33及び係止部34に相当する機能部31’〜34’を有している。
一方、受け部品40’は、受け部材41’に挿入孔42’を貫通した状態で形成し、この挿入孔42’に内部ホルダ43’を組み込んだものであるが、この内部ホルダ43’は、挿入孔42’全体に挿入固着される円筒状のホルダ筒44’を有し、このホルダ筒44’の内部には一対の差込部品30’に対応した被係止部45’、挿入スリット46’を形成し、一対の差込部品30’に対応する被係止部45’間に弾性バネ48’を介在させると共に、弾性バネ48’の両端にはバネ受け皿49’を被係止部45’に当接させた状態で配置するようにしたものである。
【0017】
この比較の形態にあっては、図6(a)に示すように、受け部品40’のホルダ筒44’内に差込部品30’の挿入突片33’をX方向に挿入し、図6(b)に示すように、受け部品40’の挿入スリット46’を通過する位置まで挿入突片33’の係止部34’を押し込み、この状態で、図6(c)に示すように、約90°受け部品40’を回転させ、受け部品40’の被係止部45’に差込部品30’の係止部34’を係止させるようにすればよい。このとき、弾性バネ48’の付勢力によって係止部34’は被係止部’に押さえ付けられるため、差込部品30’は受け部品40’に挿入装着される。
しかしながら、このような比較の形態に係る留め具22’にあっては、内部ホルダ43’内に弾性バネ48’及びバネ受け皿49’を組み込む作業が極めて面倒であり、本例の場合には、受け部品40’に対して一方の差込部品30’を装着した後に、他方の差込部品30’を挿入装着する場合に弾性バネ48’の付勢力がより強く働くため、差込部品30’の挿入操作性が悪くなる虞れがある他、差込部品30’の係止部34’と受け部品40’の被係止部45’との係止状態をより安定にするために、実施の形態1に示すような位置決め保持部47に相当する機能部を付加すると、更に弾性バネ48’、バネ受け皿49’の組み込み作業が面倒になる懸念がある。
このように、実施の形態1に係る留め具22は、比較の形態に係る留め具22’に比べて、構成部品の組み込み性の点で優れていることが理解される。
【0018】
本発明は、上述した実施の形態に係る装身具用留め具、あるいは、装身具に限られるものではなく、例えば以下の実施の形態2〜7に示す装身具用留め具、装身具として適用してもよいことは勿論である。
◎実施の形態2
図7(a)は実施の形態2に係る装身具用留め具の受け部品を示す。
同図において、受け部品40は、実施の形態1と同様に一対の内部ホルダ43を備えているが、内部ホルダ43の構成が実施の形態1と異なる。尚、本例で用いられる差込部品30は実施の形態1と略同様である。
同図において、一対の内部ホルダ43は、図7(b)〜(e)に示すように、受け部材41の貫通した状態で開設された挿入孔42の両側の入口付近まで挿入装着され、ホルダ筒44の一端側に挿入スリット46を挟んで一対の対向壁部51を形成し、この対向壁部51の挿入スリット46の長手方向中央には凹部52を形成し、この凹部52の両側に段部53を残す構成にし、前記凹部52を被係止部45として機能させると共に、前記段部53を位置決め保持部47として機能させるようにしたものである。
このため、本実施の形態2では、受け部品40に差込部品30を挿入装着する場合には、対向壁部51の段部53からなる位置決め保持部47を乗り越える位置まで、弾性バネ37の付勢力に抗して差込部品30の係止部34を挿入した後に、差込部品30の挿入突片33回りに受け部品40を回転させ、受け部品40の凹部52からなる被係止部45に差込部品30の係止部34を係止させるようにすればよい。
一方、受け部品40から差込部品30を取り外す場合には、弾性バネ37の付勢力に抗して段部53からなる位置決め保持部47を乗り越える位置まで差込部品30の係止部34を押し込んだ後に、差込部品30の挿入突片33回りに受け部品40を約90°回転させて挿入スリット46から差込部品30の係止部34を引き抜くようにすればよい。
【0019】
◎実施の形態3
図8(a)は実施の形態3に係る装身具用留め具の受け部品を示す。
同図において、受け部品40は、実施の形態2と略同様に構成されているが、受け部品40の内部ホルダ43が実施の形態2と異なる。尚、本例で用いられる差込部品30は実施の形態1と略同様である。
つまり、内部ホルダ43は、図8(b)〜(e)に示すように、実施の形態2と同様に、ホルダ筒44の一端側に挿入スリット46を挟んで一対の対向壁部51を形成し、この対向壁部51の挿入スリット46の長手方向中央には凹部52を形成すると共に、前記凹部52を被係止部45として機能させるようにしたものであるが、実施の形態2と異なり、対向壁部51の凹部52を挟む一方側には対向壁部51の段部53をそのまま残し、前記凹部52の他方側には凹部52と段部53との中間に位置する切欠段部54として形成し、前記段部53及び切欠段部54を位置決め保持部47として機能させるようにしたものである。
更に、本実施の形態3では、内部ホルダ43の対向壁部51の挿入孔42入口側面は沿う挿入スリット46に向かって窄む方向に傾斜するテーパ部55が形成されている。
本実施の形態3によれば、受け部品40に差込部品30を挿入装着する場合には、対向壁部51の切欠段部54からなる位置決め保持部47を乗り越える位置まで、弾性バネ37の付勢力に抗して差込部品30の係止部34を挿入した後に、差込部品30の挿入突片33回りに受け部品40を回転させ、受け部品40の凹部52からなる被係止部45に差込部品30の係止部34を係止させるようにすればよい。
このとき、内部ホルダ43のテーパ部55は、受け部品40の挿入孔42に差込部品30の挿入突片33を挿入した時に、挿入スリット46に向けて挿入突片33の先端に設けられた係止部34を案内することから、差込部品30の挿入操作がし易い。
一方、受け部品40から差込部品30を取り外す場合には、弾性バネ37の付勢力に抗して切欠段部54からなる位置決め保持部47を乗り越える位置まで差込部品30の係止部34を押し込んだ後に、差込部品30の挿入突片33回りに受け部品40を約90°回転させて挿入スリット46から差込部品30の係止部34を引き抜くようにすればよい。
本実施の形態3では、実施の形態2に比べて、差込部品30の挿入量を少なくすることができ、かつ、差込部品30の挿入操作性を良好に保つ点で好ましい。
【0020】
◎実施の形態4
図9(a)は実施の形態4に係る装身具用留め具の受け部品を示す斜視図である。
同図において、受け部品40は、実施の形態1〜3と同様に、一対の内部ホルダ43を備えているが、内部ホルダ43の構成が実施の形態1〜3と異なる。尚、本例で用いられる差込部品30は実施の形態1と略同様である。
本実施の形態において、受け部品40は、図9(b)(c)に示すように、中空の立方体又は直方体状の受け部材41をろう付け、接着剤等で接合可能な二つの受けパーツ41a,41bに分割し、夫々の受けパーツ41a,41bの接合部の一部には夫々略円筒状の内部ホルダ43を一体的に形成し、夫々の受けパーツ41a,41bの内部ホルダ43に対応した部位に半円状の接合切欠部71を形成したものである。
ここで、内部ホルダ43は、例えば実施の形態2と略同様に、ホルダ筒44の一端側に挿入スリット46を挟んで一対の対向壁部51を形成すると共に、この対向壁部51の挿入スリット46の長手方向中央には凹部52を形成し、この凹部52の両側に段部53を残す構成にし、前記凹部52を被係止部45として機能させると共に、前記段部53を位置決め保持部47として機能させるようにしたものである。尚、位置決め保持部47として、実施の形態1や実施の形態3に示す態様に構成してもよいことは勿論である。
本実施の形態によれば、受け部品40に差込部品30を挿入装着する場合には、受け部品40に一体成形した内部ホルダ43に対し差込部品30を挿入係止するようにすればよく、受け部品40から差込部品30を取り外す場合には、受け部品40の内部ホルダ43に対する前記差込部品30の係止状態を解除した後、受け部品40から差込部品30を引き抜くようにすればよい。
尚、本例では、一対の受けパーツ41a,41bは点対称形状に構成されているため、同じ型にて成形することが可能である。
【0021】
本実施の形態で用いられる受け部品40については上述した態様に限られるものではなく、例えば以下のように構成しても差し支えない。
◎変形形態4−1
図10(a)は実施の形態4で用いられる受け部品40の変形形態4−1を示す。
同図において、受け部品40は、例えば図10(b)(c)に示すように、中空球体状の受け部材41をろう付け、接着剤等で接合可能な二つの受けパーツ41a,41bに分割し、夫々の受けパーツ41a,41bには両者の接合面から最も離間した部位に夫々内部ホルダ43を一体的に成形したものである。
◎変形形態4−2
図10(d)は実施の形態4で用いられる受け部品40の変形形態4−2を示す。
同図において、受け部品40は、例えば図10(e)(f)に示すように、中空の立方体又は直方体状の受け部材41をろう付け、接着剤等で接合可能な二つの受けパーツ41a,41bに分割し、夫々の受けパーツ41a,41bには両者の接合面から離間した面の略中央に夫々内部ホルダ43を一体的に成形したものである。
【0022】
◎実施の形態5
図11(a)は実施の形態5に係る装身具用留め具の受け部品を示す斜視図である。
同図において、受け部品40は、実施の形態1〜4と同様に、一対の内部ホルダ43を備えているが、内部ホルダ43の構成が実施の形態1〜4と異なる。尚、本例で用いられる差込部品30は実施の形態1と略同様である。
本実施の形態において、受け部品40は、図11(b)(c)に示すように、中空の立方体又は直方体状の受け部材41を有し、この受け部材41を、両端が開口する胴体部81と、この胴体部81の開口82を塞ぐ蓋部85,86とに分割し、この蓋部85,86の中央に内部ホルダ43を一体的に成形したものである。尚、胴体部81の開口82縁には蓋部85,86の周縁が載置される段付受部83が形成され、この段付受部83に対して蓋部85,86がろう付け、接着剤等にて接合される。
ここで、内部ホルダ43は、例えば実施の形態2と略同様に、蓋部85,86の中央部内側に突出する円筒状のホルダ筒44を有し、このホルダ筒44の一端側に挿入スリット46を挟んで一対の対向壁部51を形成すると共に、この対向壁部51の挿入スリット46の長手方向中央には凹部52を形成し、この凹部52の両側に段部53を残す構成にし、前記凹部52を被係止部45として機能させると共に、前記段部53を位置決め保持部47として機能させるようにしたものである。尚、本例でも、位置決め保持部47として、実施の形態1や実施の形態3に示す態様に構成してもよいことは勿論である。
従って、本実施の形態にあっては、受け部品40に差込部品30を挿入装着する場合には、受け部品40に一体成形した内部ホルダ43に対し差込部品30を挿入係止するようにすればよく、受け部品40から差込部品30を取り外す場合には、受け部品40の内部ホルダ43に対する前記差込部品30の係止状態を解除した後、受け部品40から差込部品30を引き抜くようにすればよい。
本実施の形態で用いられる受け部品40については上述した態様に限られるものではなく、例えば以下のように構成しても差し支えない。
◎変形形態5−1
図11(d)は実施の形態5で用いられる受け部品の変形形態5−1を示す。
同図において、受け部品40は、中空球体状の受け部材41を、両端が開口した胴体部81と、この胴体部81の開口82を塞ぐ蓋部85,86とに分割し、この蓋部85,86に内部ホルダ43を一体成形したものである。
【0023】
◎実施の形態6
図12(a)は実施の形態6で用いられる差込部品を示す説明図である。
同図において、差込部品30は、図12(a)〜(e)に示すように、実施の形態1と略同様に、装身具本体21の両端に位置する真珠25(図2参照)に形成された取付孔(図示せず)に図示外の接着剤を介して挿入固着される略円柱状の取付片31と、真珠25の取付孔の入口縁部に当接するように取付片31の周囲に張り出す鍔部32と、この鍔部32の取付片31と反対側に突出する略円柱状の挿入突片33と、この挿入突片33の先端にて挿入突片33と略直交する方向に交差するように張り出す係止部34と、取付片31,鍔部32,挿入突片33の略中心には図示外のワイヤを挿通させる挿通孔35とを有しているが、本例では、前記挿入突片33の外径d1が前記取付片31の外径d2よりも大きく形成されると共に、前記係止部34の幅寸法wよりも大きく形成されている。
一方、受け部品40は、実施の形態2と略同様に一対の内部ホルダ43を有するものであるが、この一対の内部ホルダ43は、図13(a)〜(e)に示すように、受け部材41の貫通した状態で開設された挿入孔(図示せず)の両側の入口付近まで挿入装着され、ホルダ筒44の一端側に挿入スリット46を挟んで一対の対向壁部51を形成し、この対向壁部51の挿入スリット46の長手方向中央には湾曲凹部92を形成し、この湾曲凹部92の両側に段部53を残す構成にし、前記湾曲凹部92を被係止部45として機能させると共に、前記段部53を位置決め保持部47として機能させるようにしたものである。
【0024】
特に、本例では、挿入スリット46を構成する対向壁部51は前記挿入突片33が挿入時に案内可能な湾曲状案内面93を有し、この湾曲状案内面93にて位置決めされた状態で挿入突片33が案内挿入されるようになっている。尚、挿入スリット46の湾曲状案内面93の両側は外側に向かって拡開するテーパ面94として形成されており、差込部品30挿入時に差込部品30の係止部34が挿入スリット46を通過し易いようになっている。
このため、本実施の形態7では、受け部品40に差込部品30を挿入装着する場合には、対向壁部51の段部53からなる位置決め保持部47を乗り越える位置まで、弾性バネ37の付勢力に抗して差込部品30の係止部34を挿入した後に、差込部品30の挿入突片33回りに受け部品40を回転させ、受け部品40の湾曲凹部92からなる被係止部45に差込部品30の係止部34を係止させるようにすればよい。
一方、受け部品40から差込部品30を取り外す場合には、差込部品30の係止部34が弾性バネ37の付勢力に抗して段部53からなる位置決め保持部47を乗り越える位置まで差込部品30の挿入突片33回りに受け部品40を回転させ、挿入スリット46から差込部品30の係止部34を引き抜くようにすればよい。このとき、受け部品40の被係止部45は湾曲凹部92で構成されているため、差込部品30を押さえた状態で受け部品40を回転させるようにすれば、差込部品30の係止部34は被係止部45の湾曲凹部92に沿って移動していき、段部53からなる位置決め保持部47を容易に乗り越えることが可能である。
【0025】
◎実施の形態7
図14(a)は実施の形態7に係る装身具を示す。
同図において、装身具20は、実施の形態1〜6と異なり、チェーン26を連接した装身具本体21と、これを着脱する留め具22とを備えたものである。
同図において、留め具22は、実施の形態1と同様な構成の受け部品40を有しているが、差込部品30が実施の形態1と異なる構成になっている。
つまり、本実施の形態7では、差込部品30は、装身具本体21の両端のチェーン26に連結されるチェーン状の連結片61と、この連結片61の一部に設けられる鍔部32と、この鍔部32の連結片61の反対側に突出する挿入突片33と、この挿入突片33の先端に設けられる係止部34とを有し、挿入突片33には弾性バネ37を巻装したものである。
尚、ワイヤを使用しなくてよいため、差込部品30の内部には挿通孔を開設していない構成になっている。
従って、本実施の形態7にあっても、実施の形態1と略同様に、受け部品40に対して差込部品30は着脱操作可能である。
【符号の説明】
【0026】
1…装身具本体,2…留め具,3…差込部品,4…受け部品,5…挿入突片,6…係止部,7…弾性体,8…受け部材,9…挿入孔,10…被係止部,11…位置決め保持部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装身具本体を着脱する装身具用留め具であって、
装身具本体の端部に設けられる差込部品と、この差込部品が挿入係止される受け部品とを備え、
前記差込部品は、前記受け部品の方向に向かって突出する挿入突片と、
この挿入突片の先端側に対し当該挿入突片の挿入方向と交差する方向に突出するように設けられて前記受け部品と係脱する係止部と、
前記挿入突片のうち前記係止部よりも基端側に巻装されて弾性変形する弾性体とを有し、
前記受け部品は、前記挿入突片が挿入される挿入孔を有する受け部材と、
前記挿入孔の一部に設けられ、前記係止部が通過した位置で前記受け部材を挿入突片回りに半回転未満で回転させることにより係止される被係止部と、
この被係止部に隣接した部位に設けられて当該被係止部に前記係止部を位置決め保持すると共に、前記弾性体の弾性力に抗して前記受け部材を挿入方向に移動させ且つ回転させることで前記係止部と前記被係止部とを係脱可能とする位置決め保持部とを有することを特徴とする装身具用留め具。
【請求項2】
請求項1記載の装身具用留め具において、
装身具本体の両端に設けられる一対の差込部品と、
一対の差込部品が挿入係止される受け部品とを備えていることを特徴とする装身具用留め具。
【請求項3】
装身具本体と、この装身具本体を着脱する請求項1又は2記載の装身具用留め具とを備えたことを特徴とする装身具。
【請求項1】
装身具本体を着脱する装身具用留め具であって、
装身具本体の端部に設けられる差込部品と、この差込部品が挿入係止される受け部品とを備え、
前記差込部品は、前記受け部品の方向に向かって突出する挿入突片と、
この挿入突片の先端側に対し当該挿入突片の挿入方向と交差する方向に突出するように設けられて前記受け部品と係脱する係止部と、
前記挿入突片のうち前記係止部よりも基端側に巻装されて弾性変形する弾性体とを有し、
前記受け部品は、前記挿入突片が挿入される挿入孔を有する受け部材と、
前記挿入孔の一部に設けられ、前記係止部が通過した位置で前記受け部材を挿入突片回りに半回転未満で回転させることにより係止される被係止部と、
この被係止部に隣接した部位に設けられて当該被係止部に前記係止部を位置決め保持すると共に、前記弾性体の弾性力に抗して前記受け部材を挿入方向に移動させ且つ回転させることで前記係止部と前記被係止部とを係脱可能とする位置決め保持部とを有することを特徴とする装身具用留め具。
【請求項2】
請求項1記載の装身具用留め具において、
装身具本体の両端に設けられる一対の差込部品と、
一対の差込部品が挿入係止される受け部品とを備えていることを特徴とする装身具用留め具。
【請求項3】
装身具本体と、この装身具本体を着脱する請求項1又は2記載の装身具用留め具とを備えたことを特徴とする装身具。
【図1】


【図2】


【図3】


【図4】


【図5】


【図6】


【図7】


【図8】


【図9】


【図10】


【図11】


【図12】


【図13】


【図14】




【図2】


【図3】


【図4】


【図5】


【図6】


【図7】


【図8】


【図9】


【図10】


【図11】


【図12】


【図13】


【図14】


【公開番号】特開2012−19946(P2012−19946A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159989(P2010−159989)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(594155229)株式会社パールスペンサー
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(594155229)株式会社パールスペンサー
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]
