説明

装身具

【課題】装身具に香料・香水を封入した樹脂袋を備え、芳香時ピン等による樹脂袋を破断することによる一度切りの使用に止まること、更には香料・香水が個人の趣向にて選択できないことへの課題を解決することとした。
【解決手段】合成樹脂、金属、或いは窯業材等にて形成された硬質ベースと、このベースの上面に装着されると共に、外部から注入された香料・香水を保香し、且つ逐次放香する多孔性吸放質の焼成セラミック装飾体とで成したから、購入者が焼成セラミック装飾体に適宜香料・香水を注入して保香することによって、その趣向、更には披露宴、パーティー等その場所に応じて香料・香水を任意に選択にでき、長期間に亘り使用できる装身具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イヤリング、ネックレス、ブレスレット、ペンダント、ロケット、メダル、指輪、更には携帯電話用ストラップ等の装身具に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、より豊で、而も感受性を高めるためにも多くの装身具が存在する。所で、これら装身具は表面の変化、即ちデザイン、色彩、クリスタル等の変化に止まっており、より感受性を高めるため、その表面の装飾体を購入後、個人の趣向に応じ簡単に取り換えるものとして、例えば下記技術文献1が存在する。
また、上記デザイン、色彩、クリスタル等の変化に止まらず、より感受性を高めるため、香料・香水を樹脂袋に封入して装飾体に具備し、適宜樹脂袋をピン等にて破断して開封し、芳香させるものが下記技術文献2としても存在する。
然しながら、この技術文献2においては、その芳香はピン等による樹脂袋の破断ということから、一度切りの使用に止まる。
特に、香料・香水は本来個人の趣向により選択されることが常であり、この様な観点からも未だ課題は残るものである。
【0003】
【特許文献】 特開2004−130013号・・・技術文献1 特開2004−16765号・・・技術文献2
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、装身具に香料・香水を封入した樹脂袋を備え、芳香時ピン等による樹脂袋を破断することによる一度切りの使用に止まること、更には香料・香水が個人の趣向にて選択できないことへの課題を解決することとした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の装身具は、上記課題を解決するために、合成樹脂、金属、或いは窯業材等にて形成された硬質ベースと、このベースの上面に装着されると共に、外部から注入された香料・香水を保香し、且つ逐次放香する多孔性吸放質の焼成セラミック装飾体とで成したことを特徴とするものである。
【0006】
更に本発明は、硬質ベースを金属製指輪リングと一体化したことを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明は、硬質ベースを吊紐にて吊下したことを特徴とするものである。
【0008】
更に本発明は、硬質ベースと焼成セラミック装飾体との間にてシリコーンゴム、セプトン等の軟質合成樹脂製の指輪リングを挟着したことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明は、硬質ベースを熱可塑性合成樹脂として、下方から突出した軸杆を指輪リングに挿入加熱し、偏平変形させて指輪リングを挟着したことを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明は、硬質ベースに上広状貫通孔を形成し、この貫通孔に人肌に接触する様、ゲルマニウム粒を載置させると共に焼成セラミック装飾体にて押込んだことを特徴とするものである。
【0011】
更に本発明は、硬質ベースにゲルマニウムパウダーを混成させたことを特徴とするものである。
【0012】
更に本発明は、硬質ベースの上面を釉薬処理装飾部とし、該硬質ベースの端面より香料・香水が注入さ様にしたことを特徴とするものである。
【0013】
特に本発明は、硬質ベースの周縁に適宜本数の放射状スリットを形成し、このスリットから注入された香料・香水が焼成セラミック装飾体の端部から含浸すると共に、該スリットから適放香することを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明は、硬質ベースの表面には、アクリル、シリコン等の撥水性被膜スポットを塗着すると共に、その撥水作用により当該部分には釉薬材が塗着しないままの状態で焼成し、被膜スポットの分解気化によって、硬質ベースの地肌が残存する様にしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
(1)請求項1により、購入者が焼成セラミック装飾体に適宜香料・香水を注入して保香することによって、その趣向、更には披露宴、パーティー等その場所に応じて香料・香水を任意に選択にできると共に、而も長期間に亘り装身具として使用できる。
反面、焼成セラミック装飾体は多孔性吸放質の弱点でもある機械的強度の問題については、下部の合成樹脂、金属、或いは窯業材等にて形成された硬質ベースにて裏打ちされた状態となって補完できる。
【0016】
(2)請求項2により、硬質ベースと金属製指輪リングと一体化すれば、指輪にも展開できる。
【0017】
(3)請求項3により、硬質ベースを吊紐にて吊下すれば、ネツクレス、ブレスレット、ペンダント、ロケット、更には携帯電話用ストラップ等と広範囲の装身具に展開できる。
【0018】
(4)請求項4により、指輪リングはシリコーンゴム、セプトン等の軟質合成樹脂製であるから、金属に比し柔軟性があり、手指先は勿論、素足の指先にファッション的に添えても、危険性はない。
【0019】
(5)請求項5により、硬質ベースの軸杆を挿入加熱して偏平変形させることより、指輪リングの挟着が容易に行え、特に指輪リングがシリコーンゴム、セプトン等であると、それらへのセラミック装飾体との接着が困難であり、極めて有効となる。
【0020】
(6)請求項6により、ゲルマニウム粒による所謂、筋肉の凝り、疲れ、痛みを緩和する免疫活性に加え、芳香と相俟って人体への癒し効果が促進される。
また、ゲルマニウム粒は単に硬質ベースの上広状貫通孔に載置せさるだけでよく、極めてシンプルな装填と言える。
【0021】
(7)請求項7により、ゲルマニウムをパウダー化して下方ベースに混成させることによって、ゲルマニウムの免疫活性に加え、芳香と相俟って人体への癒し効果が促進される。
また、ゲルマニウムはパウダー化して下方ベースに混成させているので、下方ベースの下面全体にほぼ均一に機能発揮すると共に、而も上方ベースとほぼ同一幅であるから、違和感もない。
【0022】
(8)請求項8により、硬質ベースの上面は多孔性吸放質の焼成セラミック装飾体であることから、その表面は粗面となっており、ゴミ等が付着し汚れが目立つことを軽減するため釉薬処理を施し、反面、多孔性が損なわれ、吸放質性能が低下することとなるが、釉薬処理が施されていないベース端面より香料・香水の注入が容易に行える。
【0023】
(9)請求項9により、釉薬処理を施すことによって、多孔性が損なわれ、吸放質性能が低下することとなるが、硬質ベース周縁の放射状スリットから香料・香水を注入することができる。
【0024】
(10)請求項10により、硬質ベースの表面に塗着された撥水性被膜スポットの該撥水作用により当該部分には釉薬材が塗着しないままの状態で焼成され、被膜スポットの分解気化によって、硬質ベースの地肌が残存し、その部分から香料・香水を注入することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下本発明を実施形態の図面に基づいて説明する。図1は装身具としての指輪リングの分解斜視図を示し、金属にて形成された硬質ベースと1と、指輪リング2とを一体化しており、このベース1の上面に装着されると共に、外部から注入される香料・香水を保香し、且つ逐次放香する多孔性吸放質の焼成セラミック装飾体3とで成している。
具体的には硬質ベース1に凹座1aを形成し、焼成セラミック装飾体3をエポキシ等の熱硬化性樹脂接着剤にて装着する。勿論、硬質ベース1を金属製とし、爪等にて保持装着してもよい。
【0026】
更に、図2に示す如く凹座1aに貫通孔4を設け、この貫通孔4と連なる上広状のテーパー孔5を指輪リング2に設けており、焼成セラミック装飾体3を装着する前にゲルマニウム粒6を嵌め込み、焼成セラミック装飾体3を装着して押え込んでいる。このゲルマニウム粒6が人肌に接触し焼成セラミック装飾体3からの香料・香水の芳香と相俟って人体への癒し効果が促進される。
而して、上記焼成セラミック装飾体3として、多孔性吸放質に優れた稚内珪藻土がより最適と言える。
【0027】
図3は硬質ベース1を吊紐7にて吊下げたものであってネツクレス、ブレスレット、ペンダント、ロケット、更には携帯電話用ストラップ等と広範囲の装身具に展開できる。
図4、5、6は硬質ベース1と焼成セラミック装飾体3との間にてシリコーンゴム、セプトン等の軟質合成樹脂製の指輪リング2を挟着したものであり、焼成セラミック装飾体3の表面に香料・香水を注入する。
尚、挟着が的確となる様、指輪リング2の厚み分の溝8を形成する。また、指輪リング2はシリコーンゴム、セプトン等の軟質合成樹脂製パイプを一定巾に切断して形成している。
【0028】
図7は硬質ベース1を熱可塑性合成樹脂として、下方から突出した軸杆9を指輪リング2の小孔10に挿入加熱し、偏平9aに変形させて指輪リングを挟着している。
図8は指輪リング2を、シリコーンゴム、セプトン等の軟質合成樹脂製の平板Tを一定長さに切断し、その両端を丸めて小孔10に軸杆9を圧入することも考えられる。勿論、シリコーンゴム、セプトン等の軟質合成樹脂製の指輪リング2に座板を添わせ、挟着がより確実なものとしてもよい。
【0029】
図9は、図2に示す実施例がゲルマニウム粒6を焼成セラミック装飾体3に装着して押え込んでいるに対し、硬質ベース1にゲルマニウムパウダーPを混成させたものである。
図10、11は硬質ベース1の周縁に適宜本数の放射状スリット11を形成し、このスリット11から注入された香料・香水が焼成セラミック装飾体3の端部から含浸すると共に、該スリット11から適宜放香する。
勿論、硬質ベース1の上面を釉薬処理装飾部12とし、該硬質ベース1の端面1bより香料・香水が注入さ様にしてもよい。
【0030】
図12は、焼成セラミック装飾体3の表面3cに釉薬材Xを塗着して焼成し、釉薬処理装飾部12を装飾したものである。
装飾方法の具体例として、図14の(イ)〜(ニ)に示している。
即ち、図13の(イ)は、図12の釉薬処理装飾部12の装飾をイメージし、(ロ)に示す如く、釉薬処理装飾部12を装飾しない部分にアクリル、シリコン等の撥水性被膜スポット13を塗着する。
【0031】
而して釉薬材は、例えば水ガラスであるから、例え被膜スポット13の領域に食み出したとしてもその撥水作用にて分解気化し、焼成セラミック装飾体3の釉薬処理装飾部12としては残存しなく、(ハ)の状態となる。
続いて、(ニ)に示す如く、焼成することにより、アクリル、シリコン等の撥水性被膜スポット13は気化し、焼成セラミック装飾体3の表面3cには、釉薬処理装飾部12が存在しない地肌3dがスポット的に残存する。
従って、このスポット的に残存した地肌3dから香料・香水を注入し、且つ芳香されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】 装身具としての指輪リングの分解斜視図
【図2】 同上の部分断面図
【図3】 他の装身具への展開図
【図4】 軟質合成樹脂製の指輪リングの断面図
【図5】 同上の分解斜視図
【図6】 同上の断面図
【図7】 異なる実施例を示す断面図
【図8】 異なる指輪リングの作製図
【図9】 他の実施例を示す断面図
【図10】 他の実施例を示す断面図
【図11】 同上の部品の斜視図
【図12】 釉薬処理装飾図
【図13】 同上の製造工程図
【符号の説明】
1 硬質ベース
2 指輪リング
3 セラミック装飾体
6 ゲルマニウム粒
7 吊紐
9 軸杆
11 放射状スリット
12 釉薬処理装飾部
13 撥水性被膜スポット
X 釉薬材
P ゲルマニウムパウダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂、金属、或いは窯業材等にて形成された硬質ベースと、このベースの上面に装着されると共に、外部から注入された香料・香水を保香し、且つ逐次放香する多孔性吸放質の焼成セラミック装飾体とで成したことを特徴とする装身具。
【請求項2】
硬質ベースを金属製指輪リングと一体化したことを特徴する請求項1記載の装身具。
【請求項3】
硬質ベースを吊紐にて吊下したことを特徴する請求項1記載の装身具。
【請求項4】
硬質ベースと焼成セラミック装飾体との間にてシリコーンゴム、セプトン等の軟質合成樹脂製の指輪リングを挟着したことを特徴とする請求項1記載の装身具。
【請求項5】
硬質ベースを熱可塑性合成樹脂として、下方から突出した軸杆を指輪リングに挿入加熱し、偏平変形させて指輪リングを挟着したことを特徴とする請求項1、3、4の何れか1記載の装身具。
【請求項6】
硬質ベースに上広状貫通孔を形成し、この貫通孔に人肌に接触する様、ゲルマニウム粒を載置させると共に焼成セラミック装飾体にて押込んだことを特徴とする請求項1〜5の何れか1記載の装身具。
【請求項7】
硬質ベースにゲルマニウムパウダーを混成させたことを特徴とする請求項1、3、5の何れか1記載の装身具。
【請求項8】
硬質ベースの上面を釉薬処理装飾部とし、該硬質ベースの端面より香料・香水が注入される様にしたことを特徴とする請求項1〜7の何れか1記載の装身具。
【請求項9】
硬質ベースの周縁に適宜本数の放射状スリットを形成し、このスリットから注入された香料・香水が焼成セラミック装飾体の端部から含浸すると共に、該スリットから適放香することを特徴とする請求項1〜8の何れか1記載の装身具。
【請求項10】
硬質ベースの表面にアクリル、シリコン等の撥水性被膜スポットを塗着すると共に、その撥水作用により当該部分には釉薬材が塗着しないままの状態で焼成し、被膜スポットの分解気化によって、硬質ベースの地肌が残存する様にしたことを特徴とする請求項1〜7の何れか1記載の装身具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−328(P2010−328A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−186537(P2008−186537)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【出願人】(504118276)株式会社遊気創健美倶楽部 (4)
【出願人】(506106866)株式会社自然素材研究所 (21)