装身具
【課題】貴金属製装身具として当該装身具による装飾効果を損なうことがなく、装飾としての価値と、それを使用することによって自然に遠赤外線とマイナスイオンが発生し、人体の健康を促進させるという価値を附加することができ、しかも、簡単な工程であり製造容易な装身具を提供する。
【解決手段】小径透孔3を複数穿設した貴金属製筒体2内にブラックシリカ粉末もしくはシリカ粉末を混合した柱状もしくは俵状の樹脂成形品4を収めて遠赤外線発光貴金属製ピース1を形成し、この貴金属製ピース1と玉状もしくは筒状の他の貴金属製ピース6、7、8とを並べて糸で数珠繋ぎにして貴金属製チェーンを形成した。
【解決手段】小径透孔3を複数穿設した貴金属製筒体2内にブラックシリカ粉末もしくはシリカ粉末を混合した柱状もしくは俵状の樹脂成形品4を収めて遠赤外線発光貴金属製ピース1を形成し、この貴金属製ピース1と玉状もしくは筒状の他の貴金属製ピース6、7、8とを並べて糸で数珠繋ぎにして貴金属製チェーンを形成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも身体と接するネックレスやイヤリングやブレスレットなどの、装身具の改良に関するもので、詳しくは遠赤外線やマイナスイオンを発生させる事が出来る装身具(アクセサリー)に関するものである。本発明におけるマイナスイオンとは、いわゆる一般的な空気イオン(OH-等)ではなく、電子(e- )であると定義するものとする。
【背景技術】
【0002】
血行を良くし、肩凝りを直すなどの健康に関係する装身具(アクセサリー)としては、微弱エネルギーとしての磁気や遠赤外線を発するものもある。
【0003】
下記特許文献1は、美容と健康の増進と、病気の治療などの目的に叶うものとしてシリカ(珪石)や、ブラックシリカ(黒鉛珪石)が最適であることを見出した結果、これらを各種装身具部材や装身具に利用した装身具の製造方法で、ポリウレタンのような合成樹脂に粉末状シリカ(珪石)、ブラックシリカ(黒鉛珪石)約5%を加え、よく撹拌混合させる行程と、この撹拌混合物を押出し機などで棒状に押出す行程と、押し出された棒状物を、各種形状に整形加工して装身具本体を造形する行程と、よりなることを特徴とした。
【特許文献1】特開2003−135115号公報
【0004】
この特許文献1によれば、シリカ(珪石)、ブラックシリカ(黒鉛珪石)は、6〜14ミクロンの遠赤外線を放射することが知られおり、これらは医療方面では癌の激痛緩和、ポリープ、肝炎、潰瘍痛等の治療に有効であり、また腰痛、肩凝り、リューマチ、関節炎、神経痛、アトピー性皮膚炎等の治療にも有効であることを見いだし、これらを各種装身具部材や装身具に利用し、当該装身具による装飾効果としての精神的効果に併せて、理学的効果をも奏して身体の健康と美容の増進を計れる。
【0005】
また、下記特許文献2は、装身具による装飾効果を発揮させながらも、理学的効果をも奏して身体の健康と美容の増進を計ろうとするもので、18金やプラチナやシルバーその他の液状貴金属材料の表面に1乃至複数の窪部を造形した装身具本体を造り、粒子径0.1〜50μmのシリカ原石粉末体と、熱硬化性樹脂を重量比1:2乃至1:5の割合で混合し、この混合物に熱約50℃を加え樹脂を軟化させ、この混合物の泡を取り除く為に振動を加えて撹伴しつつ前記造形された装身具本体の窪部に流し込み、然る後この装身具本体を120℃〜200℃の電気炉等焼結型に入れて20分から30分焼き固め、自然冷却後リューター等で研磨してシリカ焼結体を配備するようにした。
【特許文献2】特開2007−313040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1では、ブラックシリカとポリウレタン樹脂による棒状の混合物材料を必要に応じて研磨加工するなどした後、棒状部品や球状部品に仕上げてブレスレットなどにするが、貴金属ではないので、その間に金や銀などの貴金属部材を配したとしても貴金属装身具による装飾効果としての精神的効果に難をきたす。
【0007】
前記特許文献2は、装身具のピースとして、18金、プラチナ、シルバーその他の貴金属の窪部にとシリカ原石粉末体と熱硬化性樹脂の混合物流し込み一体化を図るもので、原型造りや型取りや成形および焼結など複雑な工程を経る必要があり、手間がかかり、コスト高となる。
【0008】
また、シリカ焼結体が外部に露出するので、貴金属製装身具による装飾効果を損なうおそれもある。
【0009】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、貴金属製装身具として当該装身具による装飾効果を損なうことがなく、装飾としての価値と、それを使用することによって自然に遠赤外線とマイナスイオン(e- /電子)が発生し、人体の健康を促進させるという価値を附加することができ、しかも、簡単な工程であり製造容易な装身具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、小径透孔を複数穿設した貴金属製筒体内にブラックシリカ粉末もしくはシリカ粉末を混合した柱状もしくは俵状の樹脂成形品を収めて遠赤外線発光貴金属製ピースを形成し、この貴金属製ピースと玉状もしくは筒状の他の貴金属製ピースとを並べて糸で数珠繋ぎにして貴金属製チェーンを形成したことを要旨とするものである。
【0011】
請求項1記載の本発明によれば、ブラックシリカ(黒鉛珪石)粉末もしくはシリカ粉末を混合した柱状もしくは俵状の樹脂成形品を貴金属製筒体内に収めて遠赤外線発光貴金属製ピースを形成したので、ブラックシリカ(黒鉛珪石)もしくはシリカ粉末(珪石)の発する遠赤外線やマイナスイオン(e- /電子)を貴金属製筒体の小径透孔を介して装着者の身体に及ぼすことができる。
【0012】
そして装身具の製作についても、遠赤外線発光貴金属製ピースを形成し、この貴金属製ピースと玉状もしくは筒状の他の貴金属製ピースとを並べて糸で数珠繋ぎにして貴金属製チェーンを形成するものであり、この遠赤外線発光貴金属製ピースは樹脂西経品を貴金属製筒体内に収めるだけで形成でき、型取りや成形加工、切削、焼き付け等の面倒な手間なしに行うことができる。
【0013】
請求項2記載の本発明は、小径透孔を複数穿設した貴金属製筒体は、貴金属にチタンまたはそれらの各酸化物、窒化物、炭化物をイオンプレーティングしてなることを要旨とするものである。
【0014】
請求項2記載の本発明によれば、チタンまたはそれらの各酸化物、窒化物、炭化物の中で(二)酸化チタン(TiO2 )での光触媒反応効果によるマイナスイオンの発生も期待できる。(二)酸化チタン(TiO2 )による光触媒反応は次のごときものである。光が酸化チタンに吸収されると、電子(e- )と正孔(h+ )という2つのキャリアができ、一般の物質ではこの両者はすぐに再結合してしまうが、(二)酸化チタン光触媒ではそれぞれがしばらく生き残ることになり、マイナスイオン(e- /電子)の放電(発生)につながる。
【0015】
請求項3記載の本発明は、小径透孔を複数穿設した貴金属製筒体の端部にこの貴金属製筒体の内径と同径の開口を有する球状の貴金属製ピースを開口同士を合わせて当接させ、小径透孔を複数穿設した貴金属製筒体から突出するブラックシリカ粉末もしくはシリカ粉末を混合した柱状もしくは俵状の樹脂成形品の端をこの球状の貴金属製ピース内に収めて、全体を両端が球状に膨らむ貴金属製ピースとして遠赤外線発光貴金属製ピースを形成したことを要旨とするものである。
【0016】
請求項3記載の本発明によれば、貴金属製チェーンを形成する場合に、遠赤外線発光貴金属製ピースを玉状もしくは筒状の他の貴金属製ピースとを並べて糸で数珠繋ぎにする場合の収まりを考慮したものであり、遠赤外線発光貴金属製ピースを両端が球状に膨らむものとすることで、貴金属製チェーンとしての屈曲性やピースの自転性を確保でき、貴金属製筒体からブラックシリカ粉末もしくはシリカ粉末を混合した柱状もしくは俵状の樹脂成形品の端を突出させてもこれを球状の貴金属製ピースで覆って露出させないことができる。
【0017】
請求項4記載の本発明は、プラスの電位を有する金属とマイナスの電位を有する金属の異なる種類の貴金属製ピースを並べることを要旨とするものである。
【0018】
請求項4記載の本発明によれば、マイナスイオン(e- /電子)の発生はブラックシリカ(黒鉛珪石)のみでなく、糸で数珠繋ぎにして貴金属製チェーンの全体でも行うことができる。すなわち、糸で数珠繋ぎにして貴金属製チェーンを形成する貴金属製ピースは、プラスの電位を有する金属とマイナスの電位を有する金属とを並べて形成してあり、その電位差によりアノード側からマイナスイオン(e- /電子)が発生し、これが皮膚に刺激を与える。すなわち、プラスの電位をもつ代表的な金属として、Au、Pt、Agのうちの1種または2種を使用し、マイナスの電位をもつ代表的な金属であるチタンまたはそれらの各酸化物、窒化物、炭化物とを組み合わせることで、マイナスイオン(e- /電子)の増幅発生を促すことができる。そして、貴金属製チェーンはネックレス、ブレスレット、指輪等の貴金属製アクセサリーとして身に付け、これが常に肌に触れ、マイナスイオン(e- /電子)の微弱な刺激を直接受け続ける事が可能となる。
【0019】
しかも、貴金属製ピースは糸で繋がれ、それ自体が自由に回転できる。また、ネックレス、ブレスレット等では体の動きに応じて貴金属製チェーン自体が移動する。このようなチェーンを構成するピースの転がり回転とチェーンとしての全体の移動が相乗的に作用して、皮膚との摩擦で静電気を発生させ、これが前記電位差によるアノード側からのマイナスイオン(e- /電子)の発生を増幅し、より一層効果的にする。
【発明の効果】
【0020】
以上述べたように本発明の装身具は、貴金属製装身具として当該装身具による装飾効果を損なうことがなく、装飾としての価値と、それを使用することによって自然に遠赤外線とマイナスイオン(e- /電子)が発生し、人体の健康を促進させるという価値を附加することができ、しかも、簡単な工程であり製造容易なものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面について詳細に説明する。図1は本発明の装身具(アクセサリー)の1実施形態を示す一部部分正面図、図2同上全体の正面図で、装身具(アクセサリー)ネックレスやブレスレットの場合である。
【0022】
図中1、5、6、7、8は貴金属製ピースで、これを糸11により数珠繋ぎにしてチェーン12を形成するが、このうち貴金属製ピース1は遠赤外線発光貴金属製ピースであり、小径透孔(ピンホール)3を複数穿設した貴金属製筒体2内にブラックシリカ粉末を混合した柱状もしくは俵状の樹脂成形品4を収めて形成した。
【0023】
貴金属製筒体2は、金合金、プラチナ(Pt)合金等他の貴金属合金で作製するもので、特にはその貴金属の種類を問わないが、一例として、例えば金(Au)合金で中空筒体を形成し、これに二酸化チタン(TiO2 )をイオンプレーティングにより被覆させたものである。このようにイオンプレーティングによる二酸化チタン(TiO2 )の被覆層で中空筒体の全体(内外周の両面)を覆う。
【0024】
この下地としての貴金属製筒体2は、その表面を単に美しく磨き上げるほか、波形やダイヤモンドカットのような作者の自由な模様や形状の彫刻を穿ってもよい。
【0025】
前記イオンプレーティングは減圧のプラズマ中でメッキしようとする物質を蒸発させ、これの一部をイオン化し、これに電界を加えて加速し、大きなエネルギーをもって被メッキ物へ蒸着させ、付着性や膜性質を向上させる手法である。このイオンプレーティングによれば、湿式メッキではできない化合物ができ、母材金属と皮膜との密着性がよく、処理温度が低く、母材の寸法精度を損なわない、有害物質がないため無公害であるとの特徴がある。
【0026】
なお、二酸化チタンの代わりに、チタン(Ti)もしくは炭化チタン(TiC)、窒化チタン(TiN)などの他のチタン化合物をイオンプレーティングにより蒸着させてもよい。
【0027】
二酸化チタンの場合は、貴金属製ピース1において黒色もしくは青色となるが、チタン(Ti)などは白色その他の色にすることができる。
【0028】
前記小径透孔(ピンホール)3は適宜の数とばらまきをもって穿設するが、イオンプレーティングを行ったあとで、イオンプレーティングにより二酸化チタン(TiO2 )を被覆させた上から穿設すると目詰まりがない。
【0029】
ブラックシリカ粉末を混合した柱状もしくは俵状の樹脂成形品4は、一液性エポキシ配合樹脂のような合成樹脂にブラックシリカ(黒鉛珪石)を加えよく撹拌混合させる行程と、この撹拌混合物を押出し機などで棒状に押出す行程と、押し出された棒状物を、各種形状に整形加工する行程を経る。粒子径が約3.5μmのシリカ原石粉末体と熱硬化性樹脂の一例として一液性エポキシ配合樹脂(20)を重量比1:2の割合で混合し、この混合物に熱(約50℃)を加え樹脂を軟化する。
【0030】
前記合成樹脂としては、前記エポキシ樹脂の他にフェノール系樹脂、シリコン樹脂等を用いることができる。
【0031】
図3に示すように、樹脂成形品4は横長で俵状の場合、両端が球形となるが、長さ方向で軸心部に糸11の挿通孔4aを形成する。そして、樹脂成形品4はその胴体径が貴金属製筒体2の内径とほぼ等しく、図5に示すように、貴金属製筒体2に収めた際に両端が突出する。
【0032】
図1において、5は貴金属製筒体2の内径と同径の開口5aを有する球状の貴金属製ピースであり、この貴金属製ピース5を貴金属製筒体2と開口同士を合わせて当接させ、前記貴金属製筒体2から突出する樹脂成形品4の端をこの球状の貴金属製ピース5内に収めて、全体を両端が球状に膨らむ貴金属製ピース1として遠赤外線発光貴金属製ピースを形成した。
【0033】
貴金属製ピース6、7、8は、図示の例では球体によるが、貴金属製ピース1がマイナスの電位を有する金属としてTiの酸化物である二酸化チタン(TiO2 )の面を有するものとすると、これに対して、プラスの電位を有する金属Au、Pt、Agまたはそれらの各合金のうちの1種または2種を選択する。チェーン12の端にはクラスプ10を設ける。
【0034】
図1に示すように、貴金属製ピース5は開口5aの反対側にも開口を形成し、ここに貴金属製ピース6の1部が嵌り込むようにした。貴金属製ピース6は中玉、貴金属製ピース7は小玉、貴金属製ピース8は大玉としたが、これに限定されるものでなく、種々の形状を選択できる。
【0035】
以上が柱状もしくは俵状の樹脂成形品4にブラックシリカ(黒鉛珪石)粉末を混合した例を説明したが、シリカ原石粉末体を用いるということであれば、シリカ(珪石)粉末でもよい。
【0036】
次に、使用時の作用について説明すると、本発明の装身具は、シリカ(珪石)、ブラックシリカ(黒鉛珪石)を利用できたもので、当該装身具による装飾効果としての精神的効果にあわせて、遠赤外線放射効果と磁力浴とマイナスイオン浴効果を装身具に利用し、貴金属装身による画期的な精神的効果にあわせて素材に基づく理学的効果をも奏して身体の健康と美容の増進をも計ることができる。
【0037】
ブラックシリカ(黒鉛珪石)は、日本国北海道の桧山郡上ノ国町天の川上流のみ産出さるもので、数億年の間海底の珪藻類が堆し,地表に隆起したと推定される天然鉱石であり多種の天然ミネラルをふんだんに含み、遠赤線をはじめとする様々な活性波動を放射発散するのが知られており、地表で生まれた物質の数倍という力で太陽エネルギーを吸収し、半永久的に放射する事を繰り返す。
【0038】
またこの遠赤外線は、遠赤外線の中でも常温で、生体細胞を活発にする4ミクロン〜14ミクロンの波長が強くこの波長の遠赤外線は、育成光線と言われ、生物の細胞分子に共鳴作用をし、血液や細胞そのものを活性化させることができる。
【0039】
前記貴金属製ピース1として遠赤外線発光貴金属製ピースは、ブラックシリカ粉末を混合した柱状もしくは俵状の樹脂成形品4の発する遠赤外線は、貴金属製筒体2の外側に小径透孔(ピンホール)3を介して発光されるものであり、その状態を確認するための測定結果を図10、図11に示す。また、図12は測定の概念図である。
【0040】
測定はフーリエ変換赤外分光光度計を用いて、図12に示すように行ったものであり、図10、図11における分光放射率及び分光放射出力測定は、試験品の中央部における値である。
【0041】
また、ブラックシリカ(黒鉛珪石)は、一般的に、遠赤外線だけでなく、異種金属間の電位差から生じるマイナスイオン電子とは異なる、空気マイナスイオンも発せられるとされ、空気マイナスイオンは、本発明の装身具をネックレス、イヤリング、ブレスレット、アンクレット、ピアスなどで用いた場合に、人の歩行などによって揺れ動く事により、特に多くの空気マイナスイオンが発せられ、これを装着する者の心を所謂「和ませ」、生活環境を改善して、生活環境病を和らげるなど、健康にも秀れた効果を発揮する事が期待出来るものである。
【0042】
一般論として、多くの科学的定義を踏まえれば、イオンは電気を帯びている小さな物質でその大きさは1/1000mmと言われ、肉眼ではもちろん一般の顕微鏡でさえ見ることの出来ない微粒子である。そしてこの極々小さな物質には、プラスの電気を帯びたもの(プラスイオン)とマイナスの電気を帯びたもの(マイナスイオン)の二種類があり、お互いに結びついてさまざまな物質を作っている。
【0043】
加えて、人間は細胞の新陳代謝によって生命を維持しているほかに、呼吸を通してイオンを摂取する機能を持っており、摂取されたイオンは細胞へ運ばれ、細胞膜を介してイオン交換が行われるのである。
【0044】
このイオン交換とは、すなわち細胞内の老廃物や炭酸ガスを出して、必要な酸素や栄養素を取り入れるシステムで、そのイオンのバランスによって体のコンディションは大いに左右されるのであるが、現代社会は様々な形でプラスイオンの多い環境を作り上げてしまったのである。具体的には、日々、自動車がまき散らす排気ガスがその代表であり、これはプラスイオンを増殖させる最たるものである。
【0045】
また、一般的なマイナスイオンの科学的定義から考慮すれば、この本発明の装身具がネックレスやブレスレットやイヤリングなどとして、人の歩行などによって揺れ動く事により、特に多くの空気マイナスイオンが発せられ、これを装着する者の心を所謂「和ませ」、生活環境を改善して、生活環境病を和らげるなど、健康にも秀れた効果を発揮するのである。
【0046】
本発明の装身具は、ブラックシリカ粉末を混合した柱状もしくは俵状の樹脂成形品4が空気マイナスイオンを発生させるだけでなく、糸で数珠繋ぎにして貴金属製チェーン12を形成する貴金属製ピース1、5、6、7、8は、は、プラスの電位を有する金属とマイナスの電位を有する金属とを並べてなり、その電位差によりアノード側からマイナスイオン(e- /電子)が発生し、これが皮膚に刺激を与える。すなわち、プラスの電位をもつ代表的な金属として、Au、Pt、Agのうちの1種または2種を使用し、マイナスの電位をもつ代表的な金属であるチタンまたはそれらの各酸化物、窒化物、炭化物とを組み合わせることで、マイナスイオンの増幅発生を促すことができる。そして、貴金属製チェーンはネックレス、ブレスレット、指輪等の貴金属製アクセサリーとして身に付け、これが常に肌に触れ、人体(本発明による装身具の使用者)に対し、いわゆるマイナスイオンの様々な好影響を、大いに与える事が出来る事が可能となる。
【0047】
しかも、貴金属製ピースは糸で繋がれ、それ自体が自由に回転できる。また、ネックレス、ブレスレット等では体の動きに応じて貴金属製チェーン自体が移動する。このようなチェーンを構成するピースの転がり回転とチェーンとしての全体の移動が相乗的に作用して、皮膚との摩擦で静電気を発生させ、これが前記電位差によるアノード側からのマイナスイオン(e- /電子)の発生を増幅し、より一層効果的にする。
【0048】
さらに、貴金属製ピース1にチタンまたはそれらの各酸化物、窒化物、炭化物の中で(二)酸化チタン(TiO2 )を使用した場合には、光触媒反応効果によるマイナスイオン(e- /電子)の発生も期待できる。
【0049】
(二)酸化チタン(TiO2 )による光触媒反応は次のごときものである。光が酸化チタンに吸収されると、電子(e- )と正孔(h+ )という2つのキャリアができ、一般の物質ではこの両者はすぐに再結合してしまうが、(二)酸化チタン光触媒ではそれぞれがしばらく生き残ることになり、マイナスイオン(e- /電子)の放電につながる。
【0050】
本発明の効果を確認するため、健常な成年男子(57才)と成年女子(52才)を被験者とし、10分間安静状態を保った後、まずコントロールとして未着用状態で2分間の脳波を測定した。次いで、本発明によるネックレスを30分間着用し、直後に2分間の脳波を測定した。国際脳波学会用語委員会により、定められた脳波の各周波数は次の如くである。
θ波:4Hz以上8Hz以下のもの
α波:8Hz以上で13Hz以下のもの
β波:13Hzより高いもの
測定機器は、生体信号処理装置 フットテクノ製 ALPHA MASTER
測定環境は、天候:曇 室温:20°C 湿度43%である。
【0051】
結果
測定した脳波スペクトル変化を図6〜図9のグラフに、数値を下記表1に示す。図6は前記成年男子の着用前の脳波測定結果を示すもの、図7は同上着用30分後を示すもの、図8は前記成年女子の着用前の脳波測定結果を示すもの、図9は同上着用30分後を示すものである。
【0052】
下記表1に示すように、本発明品のネックレスを着用することでリラックス状態を示すα波が増加していることからいやしの効果があるといえる。
【表1】
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の装身具の1実施形態を示す一部部分正面図である。
【図2】本発明の装身具の1実施形態を示す全体の正面図である。
【図3】樹脂成形品の正面図である。
【図4】貴金属製筒体の正面図である。
【図5】遠赤外線発光貴金属製ピースの斜視図である。
【図6】脳波スペクトル変化を示すグラフで、成年男子の着用前の脳波測定結果を示すものである。
【図7】脳波スペクトル変化を示すグラフで、成年男子の着用30分後を示すものである。
【図8】脳波スペクトル変化を示すグラフで、成年女子の着用前の脳波測定結果を示すものである。
【図9】脳波スペクトル変化を示すグラフで、成年女子の着用30分後を示すものである。
【図10】分光放射率を示すグラフである。
【図11】分光放射出力測定を示すグラフである。
【図12】測定の概念図である。
【符号の説明】
【0054】
1、5、6、7、8…貴金属製ピース
2…貴金属製筒体
3…小径透孔 4…樹脂成形品
4a…挿通孔 11…糸
12…チェーン
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも身体と接するネックレスやイヤリングやブレスレットなどの、装身具の改良に関するもので、詳しくは遠赤外線やマイナスイオンを発生させる事が出来る装身具(アクセサリー)に関するものである。本発明におけるマイナスイオンとは、いわゆる一般的な空気イオン(OH-等)ではなく、電子(e- )であると定義するものとする。
【背景技術】
【0002】
血行を良くし、肩凝りを直すなどの健康に関係する装身具(アクセサリー)としては、微弱エネルギーとしての磁気や遠赤外線を発するものもある。
【0003】
下記特許文献1は、美容と健康の増進と、病気の治療などの目的に叶うものとしてシリカ(珪石)や、ブラックシリカ(黒鉛珪石)が最適であることを見出した結果、これらを各種装身具部材や装身具に利用した装身具の製造方法で、ポリウレタンのような合成樹脂に粉末状シリカ(珪石)、ブラックシリカ(黒鉛珪石)約5%を加え、よく撹拌混合させる行程と、この撹拌混合物を押出し機などで棒状に押出す行程と、押し出された棒状物を、各種形状に整形加工して装身具本体を造形する行程と、よりなることを特徴とした。
【特許文献1】特開2003−135115号公報
【0004】
この特許文献1によれば、シリカ(珪石)、ブラックシリカ(黒鉛珪石)は、6〜14ミクロンの遠赤外線を放射することが知られおり、これらは医療方面では癌の激痛緩和、ポリープ、肝炎、潰瘍痛等の治療に有効であり、また腰痛、肩凝り、リューマチ、関節炎、神経痛、アトピー性皮膚炎等の治療にも有効であることを見いだし、これらを各種装身具部材や装身具に利用し、当該装身具による装飾効果としての精神的効果に併せて、理学的効果をも奏して身体の健康と美容の増進を計れる。
【0005】
また、下記特許文献2は、装身具による装飾効果を発揮させながらも、理学的効果をも奏して身体の健康と美容の増進を計ろうとするもので、18金やプラチナやシルバーその他の液状貴金属材料の表面に1乃至複数の窪部を造形した装身具本体を造り、粒子径0.1〜50μmのシリカ原石粉末体と、熱硬化性樹脂を重量比1:2乃至1:5の割合で混合し、この混合物に熱約50℃を加え樹脂を軟化させ、この混合物の泡を取り除く為に振動を加えて撹伴しつつ前記造形された装身具本体の窪部に流し込み、然る後この装身具本体を120℃〜200℃の電気炉等焼結型に入れて20分から30分焼き固め、自然冷却後リューター等で研磨してシリカ焼結体を配備するようにした。
【特許文献2】特開2007−313040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1では、ブラックシリカとポリウレタン樹脂による棒状の混合物材料を必要に応じて研磨加工するなどした後、棒状部品や球状部品に仕上げてブレスレットなどにするが、貴金属ではないので、その間に金や銀などの貴金属部材を配したとしても貴金属装身具による装飾効果としての精神的効果に難をきたす。
【0007】
前記特許文献2は、装身具のピースとして、18金、プラチナ、シルバーその他の貴金属の窪部にとシリカ原石粉末体と熱硬化性樹脂の混合物流し込み一体化を図るもので、原型造りや型取りや成形および焼結など複雑な工程を経る必要があり、手間がかかり、コスト高となる。
【0008】
また、シリカ焼結体が外部に露出するので、貴金属製装身具による装飾効果を損なうおそれもある。
【0009】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、貴金属製装身具として当該装身具による装飾効果を損なうことがなく、装飾としての価値と、それを使用することによって自然に遠赤外線とマイナスイオン(e- /電子)が発生し、人体の健康を促進させるという価値を附加することができ、しかも、簡単な工程であり製造容易な装身具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、小径透孔を複数穿設した貴金属製筒体内にブラックシリカ粉末もしくはシリカ粉末を混合した柱状もしくは俵状の樹脂成形品を収めて遠赤外線発光貴金属製ピースを形成し、この貴金属製ピースと玉状もしくは筒状の他の貴金属製ピースとを並べて糸で数珠繋ぎにして貴金属製チェーンを形成したことを要旨とするものである。
【0011】
請求項1記載の本発明によれば、ブラックシリカ(黒鉛珪石)粉末もしくはシリカ粉末を混合した柱状もしくは俵状の樹脂成形品を貴金属製筒体内に収めて遠赤外線発光貴金属製ピースを形成したので、ブラックシリカ(黒鉛珪石)もしくはシリカ粉末(珪石)の発する遠赤外線やマイナスイオン(e- /電子)を貴金属製筒体の小径透孔を介して装着者の身体に及ぼすことができる。
【0012】
そして装身具の製作についても、遠赤外線発光貴金属製ピースを形成し、この貴金属製ピースと玉状もしくは筒状の他の貴金属製ピースとを並べて糸で数珠繋ぎにして貴金属製チェーンを形成するものであり、この遠赤外線発光貴金属製ピースは樹脂西経品を貴金属製筒体内に収めるだけで形成でき、型取りや成形加工、切削、焼き付け等の面倒な手間なしに行うことができる。
【0013】
請求項2記載の本発明は、小径透孔を複数穿設した貴金属製筒体は、貴金属にチタンまたはそれらの各酸化物、窒化物、炭化物をイオンプレーティングしてなることを要旨とするものである。
【0014】
請求項2記載の本発明によれば、チタンまたはそれらの各酸化物、窒化物、炭化物の中で(二)酸化チタン(TiO2 )での光触媒反応効果によるマイナスイオンの発生も期待できる。(二)酸化チタン(TiO2 )による光触媒反応は次のごときものである。光が酸化チタンに吸収されると、電子(e- )と正孔(h+ )という2つのキャリアができ、一般の物質ではこの両者はすぐに再結合してしまうが、(二)酸化チタン光触媒ではそれぞれがしばらく生き残ることになり、マイナスイオン(e- /電子)の放電(発生)につながる。
【0015】
請求項3記載の本発明は、小径透孔を複数穿設した貴金属製筒体の端部にこの貴金属製筒体の内径と同径の開口を有する球状の貴金属製ピースを開口同士を合わせて当接させ、小径透孔を複数穿設した貴金属製筒体から突出するブラックシリカ粉末もしくはシリカ粉末を混合した柱状もしくは俵状の樹脂成形品の端をこの球状の貴金属製ピース内に収めて、全体を両端が球状に膨らむ貴金属製ピースとして遠赤外線発光貴金属製ピースを形成したことを要旨とするものである。
【0016】
請求項3記載の本発明によれば、貴金属製チェーンを形成する場合に、遠赤外線発光貴金属製ピースを玉状もしくは筒状の他の貴金属製ピースとを並べて糸で数珠繋ぎにする場合の収まりを考慮したものであり、遠赤外線発光貴金属製ピースを両端が球状に膨らむものとすることで、貴金属製チェーンとしての屈曲性やピースの自転性を確保でき、貴金属製筒体からブラックシリカ粉末もしくはシリカ粉末を混合した柱状もしくは俵状の樹脂成形品の端を突出させてもこれを球状の貴金属製ピースで覆って露出させないことができる。
【0017】
請求項4記載の本発明は、プラスの電位を有する金属とマイナスの電位を有する金属の異なる種類の貴金属製ピースを並べることを要旨とするものである。
【0018】
請求項4記載の本発明によれば、マイナスイオン(e- /電子)の発生はブラックシリカ(黒鉛珪石)のみでなく、糸で数珠繋ぎにして貴金属製チェーンの全体でも行うことができる。すなわち、糸で数珠繋ぎにして貴金属製チェーンを形成する貴金属製ピースは、プラスの電位を有する金属とマイナスの電位を有する金属とを並べて形成してあり、その電位差によりアノード側からマイナスイオン(e- /電子)が発生し、これが皮膚に刺激を与える。すなわち、プラスの電位をもつ代表的な金属として、Au、Pt、Agのうちの1種または2種を使用し、マイナスの電位をもつ代表的な金属であるチタンまたはそれらの各酸化物、窒化物、炭化物とを組み合わせることで、マイナスイオン(e- /電子)の増幅発生を促すことができる。そして、貴金属製チェーンはネックレス、ブレスレット、指輪等の貴金属製アクセサリーとして身に付け、これが常に肌に触れ、マイナスイオン(e- /電子)の微弱な刺激を直接受け続ける事が可能となる。
【0019】
しかも、貴金属製ピースは糸で繋がれ、それ自体が自由に回転できる。また、ネックレス、ブレスレット等では体の動きに応じて貴金属製チェーン自体が移動する。このようなチェーンを構成するピースの転がり回転とチェーンとしての全体の移動が相乗的に作用して、皮膚との摩擦で静電気を発生させ、これが前記電位差によるアノード側からのマイナスイオン(e- /電子)の発生を増幅し、より一層効果的にする。
【発明の効果】
【0020】
以上述べたように本発明の装身具は、貴金属製装身具として当該装身具による装飾効果を損なうことがなく、装飾としての価値と、それを使用することによって自然に遠赤外線とマイナスイオン(e- /電子)が発生し、人体の健康を促進させるという価値を附加することができ、しかも、簡単な工程であり製造容易なものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面について詳細に説明する。図1は本発明の装身具(アクセサリー)の1実施形態を示す一部部分正面図、図2同上全体の正面図で、装身具(アクセサリー)ネックレスやブレスレットの場合である。
【0022】
図中1、5、6、7、8は貴金属製ピースで、これを糸11により数珠繋ぎにしてチェーン12を形成するが、このうち貴金属製ピース1は遠赤外線発光貴金属製ピースであり、小径透孔(ピンホール)3を複数穿設した貴金属製筒体2内にブラックシリカ粉末を混合した柱状もしくは俵状の樹脂成形品4を収めて形成した。
【0023】
貴金属製筒体2は、金合金、プラチナ(Pt)合金等他の貴金属合金で作製するもので、特にはその貴金属の種類を問わないが、一例として、例えば金(Au)合金で中空筒体を形成し、これに二酸化チタン(TiO2 )をイオンプレーティングにより被覆させたものである。このようにイオンプレーティングによる二酸化チタン(TiO2 )の被覆層で中空筒体の全体(内外周の両面)を覆う。
【0024】
この下地としての貴金属製筒体2は、その表面を単に美しく磨き上げるほか、波形やダイヤモンドカットのような作者の自由な模様や形状の彫刻を穿ってもよい。
【0025】
前記イオンプレーティングは減圧のプラズマ中でメッキしようとする物質を蒸発させ、これの一部をイオン化し、これに電界を加えて加速し、大きなエネルギーをもって被メッキ物へ蒸着させ、付着性や膜性質を向上させる手法である。このイオンプレーティングによれば、湿式メッキではできない化合物ができ、母材金属と皮膜との密着性がよく、処理温度が低く、母材の寸法精度を損なわない、有害物質がないため無公害であるとの特徴がある。
【0026】
なお、二酸化チタンの代わりに、チタン(Ti)もしくは炭化チタン(TiC)、窒化チタン(TiN)などの他のチタン化合物をイオンプレーティングにより蒸着させてもよい。
【0027】
二酸化チタンの場合は、貴金属製ピース1において黒色もしくは青色となるが、チタン(Ti)などは白色その他の色にすることができる。
【0028】
前記小径透孔(ピンホール)3は適宜の数とばらまきをもって穿設するが、イオンプレーティングを行ったあとで、イオンプレーティングにより二酸化チタン(TiO2 )を被覆させた上から穿設すると目詰まりがない。
【0029】
ブラックシリカ粉末を混合した柱状もしくは俵状の樹脂成形品4は、一液性エポキシ配合樹脂のような合成樹脂にブラックシリカ(黒鉛珪石)を加えよく撹拌混合させる行程と、この撹拌混合物を押出し機などで棒状に押出す行程と、押し出された棒状物を、各種形状に整形加工する行程を経る。粒子径が約3.5μmのシリカ原石粉末体と熱硬化性樹脂の一例として一液性エポキシ配合樹脂(20)を重量比1:2の割合で混合し、この混合物に熱(約50℃)を加え樹脂を軟化する。
【0030】
前記合成樹脂としては、前記エポキシ樹脂の他にフェノール系樹脂、シリコン樹脂等を用いることができる。
【0031】
図3に示すように、樹脂成形品4は横長で俵状の場合、両端が球形となるが、長さ方向で軸心部に糸11の挿通孔4aを形成する。そして、樹脂成形品4はその胴体径が貴金属製筒体2の内径とほぼ等しく、図5に示すように、貴金属製筒体2に収めた際に両端が突出する。
【0032】
図1において、5は貴金属製筒体2の内径と同径の開口5aを有する球状の貴金属製ピースであり、この貴金属製ピース5を貴金属製筒体2と開口同士を合わせて当接させ、前記貴金属製筒体2から突出する樹脂成形品4の端をこの球状の貴金属製ピース5内に収めて、全体を両端が球状に膨らむ貴金属製ピース1として遠赤外線発光貴金属製ピースを形成した。
【0033】
貴金属製ピース6、7、8は、図示の例では球体によるが、貴金属製ピース1がマイナスの電位を有する金属としてTiの酸化物である二酸化チタン(TiO2 )の面を有するものとすると、これに対して、プラスの電位を有する金属Au、Pt、Agまたはそれらの各合金のうちの1種または2種を選択する。チェーン12の端にはクラスプ10を設ける。
【0034】
図1に示すように、貴金属製ピース5は開口5aの反対側にも開口を形成し、ここに貴金属製ピース6の1部が嵌り込むようにした。貴金属製ピース6は中玉、貴金属製ピース7は小玉、貴金属製ピース8は大玉としたが、これに限定されるものでなく、種々の形状を選択できる。
【0035】
以上が柱状もしくは俵状の樹脂成形品4にブラックシリカ(黒鉛珪石)粉末を混合した例を説明したが、シリカ原石粉末体を用いるということであれば、シリカ(珪石)粉末でもよい。
【0036】
次に、使用時の作用について説明すると、本発明の装身具は、シリカ(珪石)、ブラックシリカ(黒鉛珪石)を利用できたもので、当該装身具による装飾効果としての精神的効果にあわせて、遠赤外線放射効果と磁力浴とマイナスイオン浴効果を装身具に利用し、貴金属装身による画期的な精神的効果にあわせて素材に基づく理学的効果をも奏して身体の健康と美容の増進をも計ることができる。
【0037】
ブラックシリカ(黒鉛珪石)は、日本国北海道の桧山郡上ノ国町天の川上流のみ産出さるもので、数億年の間海底の珪藻類が堆し,地表に隆起したと推定される天然鉱石であり多種の天然ミネラルをふんだんに含み、遠赤線をはじめとする様々な活性波動を放射発散するのが知られており、地表で生まれた物質の数倍という力で太陽エネルギーを吸収し、半永久的に放射する事を繰り返す。
【0038】
またこの遠赤外線は、遠赤外線の中でも常温で、生体細胞を活発にする4ミクロン〜14ミクロンの波長が強くこの波長の遠赤外線は、育成光線と言われ、生物の細胞分子に共鳴作用をし、血液や細胞そのものを活性化させることができる。
【0039】
前記貴金属製ピース1として遠赤外線発光貴金属製ピースは、ブラックシリカ粉末を混合した柱状もしくは俵状の樹脂成形品4の発する遠赤外線は、貴金属製筒体2の外側に小径透孔(ピンホール)3を介して発光されるものであり、その状態を確認するための測定結果を図10、図11に示す。また、図12は測定の概念図である。
【0040】
測定はフーリエ変換赤外分光光度計を用いて、図12に示すように行ったものであり、図10、図11における分光放射率及び分光放射出力測定は、試験品の中央部における値である。
【0041】
また、ブラックシリカ(黒鉛珪石)は、一般的に、遠赤外線だけでなく、異種金属間の電位差から生じるマイナスイオン電子とは異なる、空気マイナスイオンも発せられるとされ、空気マイナスイオンは、本発明の装身具をネックレス、イヤリング、ブレスレット、アンクレット、ピアスなどで用いた場合に、人の歩行などによって揺れ動く事により、特に多くの空気マイナスイオンが発せられ、これを装着する者の心を所謂「和ませ」、生活環境を改善して、生活環境病を和らげるなど、健康にも秀れた効果を発揮する事が期待出来るものである。
【0042】
一般論として、多くの科学的定義を踏まえれば、イオンは電気を帯びている小さな物質でその大きさは1/1000mmと言われ、肉眼ではもちろん一般の顕微鏡でさえ見ることの出来ない微粒子である。そしてこの極々小さな物質には、プラスの電気を帯びたもの(プラスイオン)とマイナスの電気を帯びたもの(マイナスイオン)の二種類があり、お互いに結びついてさまざまな物質を作っている。
【0043】
加えて、人間は細胞の新陳代謝によって生命を維持しているほかに、呼吸を通してイオンを摂取する機能を持っており、摂取されたイオンは細胞へ運ばれ、細胞膜を介してイオン交換が行われるのである。
【0044】
このイオン交換とは、すなわち細胞内の老廃物や炭酸ガスを出して、必要な酸素や栄養素を取り入れるシステムで、そのイオンのバランスによって体のコンディションは大いに左右されるのであるが、現代社会は様々な形でプラスイオンの多い環境を作り上げてしまったのである。具体的には、日々、自動車がまき散らす排気ガスがその代表であり、これはプラスイオンを増殖させる最たるものである。
【0045】
また、一般的なマイナスイオンの科学的定義から考慮すれば、この本発明の装身具がネックレスやブレスレットやイヤリングなどとして、人の歩行などによって揺れ動く事により、特に多くの空気マイナスイオンが発せられ、これを装着する者の心を所謂「和ませ」、生活環境を改善して、生活環境病を和らげるなど、健康にも秀れた効果を発揮するのである。
【0046】
本発明の装身具は、ブラックシリカ粉末を混合した柱状もしくは俵状の樹脂成形品4が空気マイナスイオンを発生させるだけでなく、糸で数珠繋ぎにして貴金属製チェーン12を形成する貴金属製ピース1、5、6、7、8は、は、プラスの電位を有する金属とマイナスの電位を有する金属とを並べてなり、その電位差によりアノード側からマイナスイオン(e- /電子)が発生し、これが皮膚に刺激を与える。すなわち、プラスの電位をもつ代表的な金属として、Au、Pt、Agのうちの1種または2種を使用し、マイナスの電位をもつ代表的な金属であるチタンまたはそれらの各酸化物、窒化物、炭化物とを組み合わせることで、マイナスイオンの増幅発生を促すことができる。そして、貴金属製チェーンはネックレス、ブレスレット、指輪等の貴金属製アクセサリーとして身に付け、これが常に肌に触れ、人体(本発明による装身具の使用者)に対し、いわゆるマイナスイオンの様々な好影響を、大いに与える事が出来る事が可能となる。
【0047】
しかも、貴金属製ピースは糸で繋がれ、それ自体が自由に回転できる。また、ネックレス、ブレスレット等では体の動きに応じて貴金属製チェーン自体が移動する。このようなチェーンを構成するピースの転がり回転とチェーンとしての全体の移動が相乗的に作用して、皮膚との摩擦で静電気を発生させ、これが前記電位差によるアノード側からのマイナスイオン(e- /電子)の発生を増幅し、より一層効果的にする。
【0048】
さらに、貴金属製ピース1にチタンまたはそれらの各酸化物、窒化物、炭化物の中で(二)酸化チタン(TiO2 )を使用した場合には、光触媒反応効果によるマイナスイオン(e- /電子)の発生も期待できる。
【0049】
(二)酸化チタン(TiO2 )による光触媒反応は次のごときものである。光が酸化チタンに吸収されると、電子(e- )と正孔(h+ )という2つのキャリアができ、一般の物質ではこの両者はすぐに再結合してしまうが、(二)酸化チタン光触媒ではそれぞれがしばらく生き残ることになり、マイナスイオン(e- /電子)の放電につながる。
【0050】
本発明の効果を確認するため、健常な成年男子(57才)と成年女子(52才)を被験者とし、10分間安静状態を保った後、まずコントロールとして未着用状態で2分間の脳波を測定した。次いで、本発明によるネックレスを30分間着用し、直後に2分間の脳波を測定した。国際脳波学会用語委員会により、定められた脳波の各周波数は次の如くである。
θ波:4Hz以上8Hz以下のもの
α波:8Hz以上で13Hz以下のもの
β波:13Hzより高いもの
測定機器は、生体信号処理装置 フットテクノ製 ALPHA MASTER
測定環境は、天候:曇 室温:20°C 湿度43%である。
【0051】
結果
測定した脳波スペクトル変化を図6〜図9のグラフに、数値を下記表1に示す。図6は前記成年男子の着用前の脳波測定結果を示すもの、図7は同上着用30分後を示すもの、図8は前記成年女子の着用前の脳波測定結果を示すもの、図9は同上着用30分後を示すものである。
【0052】
下記表1に示すように、本発明品のネックレスを着用することでリラックス状態を示すα波が増加していることからいやしの効果があるといえる。
【表1】
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の装身具の1実施形態を示す一部部分正面図である。
【図2】本発明の装身具の1実施形態を示す全体の正面図である。
【図3】樹脂成形品の正面図である。
【図4】貴金属製筒体の正面図である。
【図5】遠赤外線発光貴金属製ピースの斜視図である。
【図6】脳波スペクトル変化を示すグラフで、成年男子の着用前の脳波測定結果を示すものである。
【図7】脳波スペクトル変化を示すグラフで、成年男子の着用30分後を示すものである。
【図8】脳波スペクトル変化を示すグラフで、成年女子の着用前の脳波測定結果を示すものである。
【図9】脳波スペクトル変化を示すグラフで、成年女子の着用30分後を示すものである。
【図10】分光放射率を示すグラフである。
【図11】分光放射出力測定を示すグラフである。
【図12】測定の概念図である。
【符号の説明】
【0054】
1、5、6、7、8…貴金属製ピース
2…貴金属製筒体
3…小径透孔 4…樹脂成形品
4a…挿通孔 11…糸
12…チェーン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小径透孔を複数穿設した貴金属製筒体内にブラックシリカ粉末もしくはシリカ粉末を混合した柱状もしくは俵状の樹脂成形品を収めて遠赤外線発光貴金属製ピースを形成し、この貴金属製ピースと玉状もしくは筒状の他の貴金属製ピースとを並べて糸で数珠繋ぎにして貴金属製チェーンを形成したことを特徴とする装身具。
【請求項2】
小径透孔を複数穿設した貴金属製筒体は、貴金属にチタンまたはそれらの各酸化物、窒化物、炭化物をイオンプレーティングしてなる請求項1記載の装身具。
【請求項3】
小径透孔を複数穿設した貴金属製筒体の端部にこの貴金属製筒体の内径と同径の開口を有する球状の貴金属製ピースを開口同士を合わせて当接させ、小径透孔を複数穿設した貴金属製筒体から突出するブラックシリカ粉末もしくはシリカ粉末を混合した柱状もしくは俵状の樹脂成形品の端をこの球状の貴金属製ピース内に収めて、全体を両端が球状に膨らむ貴金属製ピースとして遠赤外線発光貴金属製ピースを形成した請求項1または請求項2記載の装身具。
【請求項4】
プラスの電位を有する金属とマイナスの電位を有する金属の異なる種類の貴金属製の貴金属製ピースを並べる請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の装身具。
【請求項1】
小径透孔を複数穿設した貴金属製筒体内にブラックシリカ粉末もしくはシリカ粉末を混合した柱状もしくは俵状の樹脂成形品を収めて遠赤外線発光貴金属製ピースを形成し、この貴金属製ピースと玉状もしくは筒状の他の貴金属製ピースとを並べて糸で数珠繋ぎにして貴金属製チェーンを形成したことを特徴とする装身具。
【請求項2】
小径透孔を複数穿設した貴金属製筒体は、貴金属にチタンまたはそれらの各酸化物、窒化物、炭化物をイオンプレーティングしてなる請求項1記載の装身具。
【請求項3】
小径透孔を複数穿設した貴金属製筒体の端部にこの貴金属製筒体の内径と同径の開口を有する球状の貴金属製ピースを開口同士を合わせて当接させ、小径透孔を複数穿設した貴金属製筒体から突出するブラックシリカ粉末もしくはシリカ粉末を混合した柱状もしくは俵状の樹脂成形品の端をこの球状の貴金属製ピース内に収めて、全体を両端が球状に膨らむ貴金属製ピースとして遠赤外線発光貴金属製ピースを形成した請求項1または請求項2記載の装身具。
【請求項4】
プラスの電位を有する金属とマイナスの電位を有する金属の異なる種類の貴金属製の貴金属製ピースを並べる請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の装身具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−106875(P2013−106875A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255907(P2011−255907)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(592087256)株式会社ジュホウ (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(592087256)株式会社ジュホウ (3)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]