説明

装飾パネル及びその製造方法

【課題】装飾パネルに埋め込まれた各透光材に対して供給される光を個別に制御するとともに、照明器具の設置に伴う装飾パネルの厚さ増大を回避し又は抑制する。
【解決手段】装飾パネル(1)は、複数の透光材(3)をコンクリート製又はモルタル製のパネル(9)に一体的に埋め込み、透光材の断面(3a)をパネル表面に露出せしめた構造を有する。透光材の厚さ寸法(S)はパネルの厚さ(T)よりも小さい。透光材の背後には、中空部(14)が形成され、照明器具(10)の光照射部が中空部内に装着される。中空部は、光照射部が発光した光を透光材の背面に照射するための光路を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装飾パネル及びその製造方法に関するものであり、より詳細には、表層の透光材と透光材裏面の光源とを有する装飾パネル及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
透光性物質の礫等からなる透光材をコンクリート製パネル等に一体的に埋め込んだ構造を有する装飾パネルが知られている(例えば、特開平5−201755号公報、特開平1−122403号公報)。透光材は、コンクリートパネルの板厚と実質的に同一の厚さを有し、コンクリートパネルを貫通する。パネル本体のコンクリート部分は光を透過せず、他方、透光材は光を透過するので、裏面に照射する人工光又は自然光は、透光材の部分のみを透過し、この結果、パネル正面に視覚的変化又は視覚的効果が顕れる。
【0003】
このようなパネルは、照明器具の点灯・消灯と関連したパネル正面の視覚的変化又は視覚的効果によって装飾的又は意匠的効果を発揮することから、内外装建材、装飾品、家具、備品、表示具等に使用可能な装飾パネルとして使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−201755号公報
【特許文献2】特開平1−122403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の装飾パネルは、装飾パネルの背後に照明器具を別途に配置する構成のものであることから、照明器具が発光した光は、複数の透光材に同時に入射する。このため、各々の透光材に入射する光を透光材毎に個々に制御することはできない。
【0006】
これに対し、個々の透光材に対して個別に光を投射すべく、装飾パネルの裏面を遮光手段によって区画し、或いは、周囲に光が漏出しない形式の照明器具を各透光材の背後に個別に配設することも考慮し得る。しかし、このような構成を採用した場合、遮光手段を構成する部材や、各照明器具が装飾パネルの裏面に突設されるので、装飾パネルの厚さが全体的に増大する。このため、装飾パネルを内外装建材や、家具等に使用する場合、装飾パネル設置のために比較的大きな空間をパネルの背後に確保しなければならない。しかも、パネル背後に比較的大きく突出する遮光手段又は照明器具は、パネルの支持構造を複雑にする。このようなパネル背後の空間や、複雑な支持構造は、装飾パネルの用途を制約し、或いは、装飾パネルの使用形態又は使用条件を制限する要因となる。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、装飾パネルに埋め込まれた各透光材に対して供給される光を透光材毎に個別に制御するとともに、照明器具の設置に伴う装飾パネルの厚さ増大を回避し又は抑制することができる装飾パネル及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成すべく、複数の透光材をコンクリート製又はモルタル製パネルに一体的に埋め込み、該透光材の断面をパネル表面に露出せしめた構造を有する装飾パネルにおいて、
前記透光材の厚さ寸法(S)をコンクリート製又はモルタル製パネルの厚さ(T)よりも小さく設定して、前記透光材の背後に中空部を形成するとともに、照明器具の光照射部を前記中空部内に挿入し、前記光照射部が発光した光を前記透光材の背面に照射するための光路を前記中空部によって形成したことを特徴とする装飾パネルを提供する。
【0009】
本発明の上記構成によれば、照明器具の光照射部が挿入される中空部が透光材の裏面側に形成される。光照射部が照射した光は、中空部内の光路を介して透光材に入射し、透光材を透過する。中空部の周囲のコンクリート又はモルタルは光照射部の光を透過せず、従って、光照射部が発光した光は、その表面側に位置する透光材のみを透過する。光照射部の発光は、装飾パネルに埋め込まれた他の透光材の輝度、色彩等に影響せず、光照射部の表面側に位置する透光材の輝度、色彩等だけを変化させる。従って、照明器具を個別に制御することにより、パネル表面に点在又は分散した各透光材の輝度、色彩等を個別に制御し、パネル表面の透光材が演出する電飾効果を任意に制御することができる。
【0010】
また、中空部の周囲のコンクリート又はモルタルは、光照射部を保護する強固なケーシング又はハウジングを構成するので、光照射部の意図せぬ損傷等を未然に防止することができる。
【0011】
更に、光照射部が中空部内に挿入されるので、照明器具の設置に伴う装飾パネルの厚さ増大を回避し又は抑制することができる。
【0012】
好ましくは、照明器具の光照射部を取付けるための治具、或いは、照明器具の光照射部が上記中空部に一体的に埋め込まれる。更に好ましくは、光照射部は、LED(発光ダイオード)光源からなる。
【0013】
本発明の装飾パネルに埋設される透光材として、透明又は半透明の天然石、例えば、彩光石、瑪瑙(メノウ)、アラバスター、オニキス、水晶、石英、螢石等の礫を好適に使用し得る。所望により、透明又は半透明のアクリル等の合成樹脂成形品、或いは、透明又は半透明のガラス等を透光材として使用することも可能である。また、透光材として、最大寸法25mm〜80mm程度のものを好適に使用し得る。
【0014】
本発明は又、複数の透光材をコンクリート製又はモルタル製パネルに一体的に埋め込み、該透光材の断面をパネル表面に露出せしめる装飾パネルの製造方法において、
透光材を型枠内に位置決めするとともに、照明器具の光照射部を取付けるための治具、或いは、照明器具の光照射部を前記透光材に対して上下に直列に整列させて前記型枠内に位置決めし、
前記型枠内にコンクリート又はモルタルを打設して、前記治具又は光照射部を裏面側に一体的に埋め込んだ装飾パネルの原板を製作し、
前記原板の表面を研削・研磨して前記透光材の断面を前記原板の表面に露出せしめることを特徴とする装飾パネルの製造方法を提供する。
【0015】
本発明の上記構成によれば、照明器具の光照射部を中空部内に挿入し且つ光照射部の光の光路を中空部によって形成した装飾パネルを比較的容易に製造することができる。
【0016】
上記コンクリートの原料として、例えば、ホワイトセメント等の結合材、石灰石砕石、白玉石等の粗骨材、石灰石砕砂等の細骨材を好適に使用し得る。
【0017】
好ましくは、透光材は型枠の底面に配置され、治具又は光照射部は透光材の上に整列配置される。所望により、透光材は型枠の底面に仮固定され、治具又は光照射部は透光材に仮固定される。
【0018】
更に好ましくは、治具は、円筒状形態、或いは、中空且つ多角形断面の柱状形態を有する金属又は樹脂製部材からなり、照明器具又は光照射部を取付け可能な構造を有する。変形例として、照明器具又は光照射部の専用ハウジング又はケーシングが治具として使用される。
【0019】
本発明の好適な実施形態によれば、上記原板は、回転砥石によって原板の表面を研削・研磨する研ぎ出し処理、或いは、研磨材を原板の表面に衝突させるサンドブラスト処理等によって研削・研磨される。
【0020】
所望により、白色又は普通セメントをベースに天然骨材や無機質顔料を配合したアーキテクチュラルコンクリートによって原板を製作し、自然石に限りなく近い風合いを装飾パネルの表面に表出せしめることも可能である。例えば、装飾パネルの表面は、サンドブラスト処理等の作用と、骨材の種類及び配合等とを適切に組合せることにより、所望の色調又はテクスチャーを表出する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、装飾パネルに埋め込まれた各透光材に対して供給される光を透光材毎に個別に制御するとともに、照明器具の設置に伴う装飾パネルの厚さ増大を回避し又は抑制することができる装飾パネル及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の好適な実施形態に係る装飾パネルの全体構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す装飾パネルの縦断面図である。
【図3】図3は、図1及び図2に示す装飾パネルの製造方法を示す縦断面図であり、透光材の仮止め工程が示されている。
【図4】図4は、図1及び図2に示す装飾パネルの製造方法を示す縦断面図であり、取付治具仮止め工程及びコンクリート打設工程が示されている。
【図5】図5は、図1及び図2に示す装飾パネルの製造方法を示す縦断面図であり、コンクリート打設後の状態が示されている。
【図6】図6は、図1及び図2に示す装飾パネルの製造方法を示す縦断面図であり、研削・研磨工程が示されている。
【図7】図7は、図1及び図2に示す装飾パネルの製造方法を示す縦断面図であり、研削・研磨の範囲が破線で示されている。
【図8】図8は、図1及び図2に示す装飾パネルの製造方法を示す縦断面図であり、研削・研磨終了時の状態が示されている。
【図9】図9は、図1及び図2に示す装飾パネルの製造方法を示す縦断面図であり、照明器具取付工程が示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0024】
図1及び図2は、本発明の好適な実施形態に係る装飾パネルを示す斜視図及び縦断面図である。
【0025】
装飾パネル1は、コンクリート製又はモルタル製の平板からなり、厚さ約30〜60mm、幅約150〜600mm、長さ約150〜600mm程度の寸法を有する。装飾パネル1の表面2は平滑な平坦面であり、透光性物質の礫等からなる透光材3の断面3aが表面2に露出するとともに、砕石等の粗骨材4の断面4aが表面2に露出する。所望により、鋼製又はステンレス鋼製の組み鉄筋又は溶接金網等(図示せず)が平板内に埋設される。
【0026】
透光材3の厚さSは、装飾パネル1の厚さTよりも小さく、透光材3の背後(下側)には、照明器具10の取付治具11が装飾パネル1に一体的に埋め込まれている。照明器具10は、LED光源を有する。取付治具11は、照明器具10のLED光源を挿入可能な中空部14を装飾パネル1の裏面側に形成する。
【0027】
取付治具11の内端(上端)は透光材3に接触し又は近接し、取付治具11の外端(下端)は、装飾パネル1の裏面6から突出せず、装飾パネル1の裏面6と実質的に同じレベルに配置されている。所望により、取付治具11の外端を装飾パネル1の裏面6から外方(下方)に若干突出させても良い。
【0028】
分散した照明器具10は、給電用配線12によって相互に接続される。給電用配線12の基端部(図示せず)は、電源装置及び点灯制御装置(図示せず)に接続される。照明器具10のLED光源は、点灯制御装置の制御下に点灯・消灯する。
【0029】
図3〜図9は、装飾パネル1の製造方法を示す縦断面図である。
【0030】
図3に示す如く、装飾パネル1を成形するための型枠20が用意される。型枠20は成形空間を画成する縦枠21及び下型22からなる。型枠20の平面輪郭は、装飾パネル1の正面輪郭と一致する。縦枠21は、装飾パネル1の厚さTと実質的に同じ高さH、或いは、厚さTよりも若干大きい高さHを有する。複数の透光材3が下型22上の所定位置に間隔を隔てて配置される。透光材3は、粘着材、粘着テープ等の仮止め材24によって下型22の上面に仮固定される。透光材3は任意の断面を有し、例えば、天然石、砕石等の如く不定形の断面、或いは、円形、長円形、楕円形、卵形等の定形断面を有する。
【0031】
図4に示す如く、取付治具11が各透光材3の上側に装着される。取付治具11は、仮止め材(図示せず)によって透光材3の上部に垂直に取付けられ、透光材3と直列に整列する。取付治具11の頂部開口15が上方に向かって開口する。取付治具11は、中空の金属製又は樹脂製部品からなり、照明器具10を開口端部に装着可能な形態及び構造を有する。取付治具11として、照明器具10の専用ケーシング又はハウジングを使用しても良い。所望により、鋼製又はステンレス鋼製の組み鉄筋又は溶接金網等(図示せず)が、型枠20内に配設される。例えば、透光材3は、縦横に延びる鉄筋又は鋼線の間の領域に配置される。
【0032】
取付治具11は、照明器具10のLED光源が発光する光を透光材3に照射するための光路を形成し得る形態、例えば、円筒状の形態、或いは、中空且つ多角形断面の柱状形態を有する。取付治具11の下端部13と透光材3との間に間隙又は隙間が形成される場合には、間隙又は隙間は水密シール材(図示せず)によって閉塞される。
【0033】
図4に示す如く、コンクリート吐出管31から生コンクリート30が型枠20内に打設される。生コンクリート30は型枠20内を流動し、図5に示すように取付治具11の天端レベル(頂部開口15)まで型枠20内に充填される。取付治具11の外端(頂部開口15)を装飾パネル1の裏面6(図2)から若干突出させる場合には、取付治具11の天端レベル(頂部開口15)の若干下方のレベルまで生コンクリート30を型枠20内に充填すれば良い。
【0034】
バイブレータ(図示せず)による振動締め固めの後、所定の養生期間(例えば、1日)を経て、装飾パネル1の原板9(図6)が脱型される。所望により、テーブルバイブレータを下型22として使用しても良い。
【0035】
所定の養生期間を経てコンクリート30の所期の強度が発現した後、原板9は、図6に示す如く上下反転され、研削・研磨装置の回転砥石40によって研削・研磨される。研削・研削過程においては、回転砥石40の砥石は、研削・研磨の進行と関連して、適当な番手のものに順次交換される。図7に破線で示すコンクリートの範囲が回転砥石40によって研削・除去される。透光材3及び粗骨材4も又、回転砥石40によって研削・除去される。
【0036】
このような研削・研磨の結果、図8に示す如く、透光材3及び粗骨材4の断面3a、4aが原板9の表面に露出する。原板9の表面は、回転砥石40によって更に研磨され、かくして、透光材3及び粗骨材4の断面3a、4aが露出した平滑な表面2を有する装飾パネル1(図1及び図2)が製造される。
【0037】
図9は、図3〜8に示す製造工程によって製造された装飾パネル1の構成を示す縦断面図である。
【0038】
装飾パネル1の下面(裏面6)には、取付治具11の中空部14が開口しており、中空部14は、装飾パネル1の厚さTと透光材3の厚さSとの寸法差に相当する奥行(高さ)寸法Vを有する。LED光源を有する照明器具10が、各々の中空部14に挿入され、かくして、図1及び図2に示す如く照明器具10を取付治具11に装着した装飾パネル1が製造される。なお、照明器具10は、給電用配線12によって予め相互接続され、或いは、中空部14への挿入後に給電用配線12によって相互接続される。
【実施例1】
【0039】
本発明者は、本発明の実施例として、天然の彩光石を透光材3として使用するとともに、以下の配合のコンリクートを調合し、上記製造工程に従って装飾パネル1を製作した。
【0040】
ホワイトセメント:約370kg(16%)
水:約160kg(7%)
粗骨材(石灰石砕石):約940kg(40%)
細骨材(石灰石砕砂):約870kg(37%)
減水剤:適量
AE剤:適量
水セメント比:43%
単位容積質量、約2340kg/m3
【0041】
上記配合は、コンクリート1立方メートル当たりの重量(重量比)である。なお、コンクリートを着色する場合には、セメント重量に対して0.03〜5.0重量%程度の無機系顔料を更に添加すれば良い。
【0042】
本発明者は、このような原料によって製作された装飾パネル1に対し、LED光源を有する照明器具10を取付け、点灯制御装置(図示せず)の制御下に照明器具10を点灯・消灯させた。各々の透光材3(彩光石)は、各照明器具10の点灯・消灯に相応して輝度及び色彩を変化させ、装飾パネル1の表面2に所望の電飾効果(イルミネーション効果)を演出した。
【0043】
以上、本発明の好適な実施形態及び実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能であり、該変形例又は変更例も又、本発明の範囲内に含まれるものであることは、いうまでもない。
【0044】
例えば、上記実施形態においては、LED光源を有する光照射部を透光材の背後(中空部)に挿入したが、LED光源と同等の他の光源を有する光照射部を透光材の背後(中空部)に挿入し、或いは、光源に接続された光ケーブルの先端部を透光材の背後(中空部)に挿入することも可能である。
【0045】
また、原板を製造するための水、セメント、骨材、添加剤等の配合は、装飾パネルの使用目的等に相応して任意に設定することができ、また、研削・研磨の程度及び方法についても、装飾パネルの使用目的等に相応して任意に設定することができる。
【0046】
更には、装飾パネルの外形及び寸法や、透光材の形状・寸法等も又、装飾パネルの使用目的等に相応して任意に設定することができる。
【0047】
また、上記実施形態では、コンクリート製パネルからなる装飾パネルを例示したが、コンクリートに換えてセメントモルタル等を型枠内に打設したモルタル製パネルによって本発明の装飾パネルを製造しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の装飾パネルは、床材、壁材、天井材等の建築物の内外装建材、ベンチ、テーブル、プランタ等の家具・備品類、案内板等の標識類、或いは、様々な装飾品等の任意の用途に使用し得る。本発明の装飾パネルによれば、LED光源等の光源を個々に制御することにより、パネル表面に点在し又は分散した透光材の点灯・消灯を個々に制御し、これにより、文字や模様、或いは、移動パターン等の様々な電飾をパネル表面に表出することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 装飾パネル
2 表面
3 透光材
3a 透光材の断面
4 粗骨材
4a 粗骨材の断面
6 裏面
9 原板
10 照明器具
11 取付治具
12 給電用配線
14 中空部
15 頂部開口
20 型枠
30 コンクリート(又は生コンクリート)
40 回転砥石
S 透光材の厚さ
T 装飾パネルの厚さ
V 中空部の奥行(高さ)寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の透光材をコンクリート製又はモルタル製パネルに一体的に埋め込み、該透光材の断面をパネル表面に露出せしめた構造を有する装飾パネルにおいて、
前記透光材の厚さ寸法(S)をコンクリート製又はモルタル製パネルの厚さ(T)よりも小さく設定して、前記透光材の背後に中空部を形成するとともに、照明器具の光照射部を前記中空部内に挿入し、前記光照射部が発光した光を前記透光材の背面に照射するための光路を前記中空部によって形成したことを特徴とする装飾パネル。
【請求項2】
前記光照射部を取付けるための治具、或いは、前記光照射部自体が前記中空部に一体的に埋め込まれたことを特徴とする請求項1に記載の装飾パネル。
【請求項3】
前記光照射部は、LED光源を有し、前記透光材は、彩光石、瑪瑙、アラバスター、オニキス、水晶、石英又は蛍石の礫であることを特徴とする請求項1又は2に記載の装飾パネル。
【請求項4】
複数の透光材をコンクリート製又はモルタル製パネルに一体的に埋め込み、該透光材の断面をパネル表面に露出せしめる装飾パネルの製造方法において、
透光材を型枠内に位置決めするとともに、照明器具の光照射部を取付けるための治具、或いは、照明器具の光照射部を前記透光材に対して上下に直列に整列させて前記型枠内に位置決めし、
前記型枠内にコンクリート又はモルタルを打設して、前記治具又は光照射部を裏面側に一体的に埋め込んだ装飾パネルの原板を製作し、
前記原板の表面を研削・研磨して前記透光材の断面を前記原板の表面に露出せしめることを特徴とする装飾パネルの製造方法。
【請求項5】
前記透光材は前記型枠の底面に配置され、前記治具又は光照射部は前記透光材の上に整列配置されることを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記治具は、円筒状形態、或いは、中空且つ多角形断面の柱状形態を有する金属又は樹脂製部材からなり、前記照明器具又は光照射部を取付け可能な構造を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記治具は、前記照明器具又は光照射部のハウジング又はケーシングであることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−222163(P2011−222163A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−87386(P2010−87386)
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【出願人】(592095631)高橋カーテンウォール工業株式会社 (3)
【出願人】(501298214)カラーキネティクス・ジャパン株式会社 (1)
【Fターム(参考)】