説明

装飾体玩具

【課題】動物を模した玩具であって口部を所定の力で閉じることにより、「甘噛み」を模擬することを特徴とする装飾体玩具を提供する。
【解決手段】動物を模して形成された装飾体本体において、前記装飾体本体には、上唇部と作動可能な下唇部から構成される口部と、前記下唇部を作動させて前記口部を開閉させる口部駆動部と、前記下唇部を閉じる方向に所定の力で加圧する弾性体とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物を模して形成され、口部を作動させる装飾体玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来においては、内部にスイッチやセンサーなどを設け、撫でたり握ったりすることにより、手や足を動かすと共に音声で返事をするキャラクターの装飾体玩具が多くあった。また、本願出願人が出願した特許文献として、動物を模して形成され口部を作動させるぬいぐるみ玩具が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】登録実用新案第3035068号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
また、実際の動物(犬などを含む肉食動物)の子供の頃に見受けられる「甘噛み」と呼ばれる生きた獲物を捕らえて食料とするために、動くものに飛びついたり、噛みついたりする行為が見受けられるが、従来の動物を模した玩具には、このように、使用者の手などを「甘噛み」することを特徴とする装飾体玩具は提案されていない。
【0004】
そこで、本発明は、動物を模した玩具であって口部を所定の力で閉じることにより、「甘噛み」を模擬することを特徴とする装飾体玩具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、動物を模して形成された装飾体本体において、前記装飾体本体には、上唇部と作動可能な下唇部から構成される口部と、前記下唇部を作動させて前記口部を開閉させる口部駆動部と、前記下唇部を閉じる方向に所定の力で加圧する弾性体とを備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1において、前記弾性体は、前記口部駆動部の作動によって、口部の下唇部を開く方向に作動させる力よりも小さい所定の復元力とされていることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2において、前記口部駆動部は、モータと減速歯車群で構成され、前記モータの回転の制御を行う口部作動制御部を備え、前記口部作動制御部は、前記モータの正回転を間欠的に繰り返す駆動信号を出力することを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記装飾体本体には、作動スイッチ部と、スイッチ制御部とを備え、前記スイッチ制御部は、前記作動スイッチ部からの操作信号が入力されると、前記口部作動制御部から前記口部駆動部へ駆動信号を出力させることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項4において、前記作動スイッチ部は、圧電素子となるピエゾスイッチ又は音を検出するコンデンサマイクであることを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項において、前記装飾体本体には、予め音声情報を記憶した音声記憶部と、音声を出力する音声出力部と、前記音声記憶部から所定の音声情報を読み出し、前記音声出力部に音声信号を出力する音声出力制御部とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の発明は、請求項6において、前記音声出力制御部は、前記口部が口部駆動部により作動される時、前記音声記憶部から所定の音声情報を読み出し、前記音声出力部に音声信号を出力することを特徴とする。
【0012】
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項において、音を検出する音検出部と、作動制御部とを備え、前記作動制御部は、前記音検出部が音を検出した時に、前記口部作動制御部から前記口部駆動部へ駆動信号を出力させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、動物を模して形成された装飾体玩具は、上唇部と作動可能な下唇部から構成される口部を備えており、該装飾体玩具の口部となる下唇部が、弾性体により、閉じる方向に所定の力で加圧されており、使用者が装飾体玩具の口部に指や手を挿し入れると、装飾体玩具が、使用者の指、手を緩く噛むことができ、「甘噛み」を模擬した動作を行わせることができるものである。
【0014】
また、作動スイッチ部や、音を検出する音検出部を備えており、作動スイッチ部が作動したり、音検出部が音を検出すると、該口部を開いたり、閉じたりするように作動するものである。これら、作動スイッチ部及び音検出部は、該装飾体玩具となるライオンの縫いぐるみを撫でることや、遊戯者からの声によって作動するようにできるものである。
【0015】
そして、音声出力部となるスピーカが内設され、該口部が開いたり閉じたりするように作動する時に、該音声出力部から、動物の鳴き声を音声出力することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
動物を模して形成された装飾体本体において、前記装飾体本体には、上唇部と作動可能な下唇部から構成される口部と、前記下唇部を作動させて前記口部を開閉させる口部駆動部と、前記下唇部を閉じる方向に所定の力で加圧する弾性体とを備え、前記弾性体は、前記口部駆動部の作動によって、口部の下唇部を開く方向に作動させる力よりも小さい所定の復元力とされているものである。
【0017】
また、前記口部駆動部は、モータと減速歯車群で構成され、前記モータの回転の制御を行う口部作動制御部を備え、前記口部作動制御部は、前記モータの正回転を間欠的に繰り返す駆動信号を出力することもある。
【0018】
そして、前記装飾体本体には、スイッチ制御部と、圧電素子となるピエゾスイッチ又は音を検出するコンデンサマイクを作動スイッチ部として備え、前記スイッチ制御部は、前記作動スイッチ部からの操作信号が入力されると、前記口部作動制御部から前記口部駆動部へ駆動信号を出力させることもある。
【0019】
さらに、装飾体本体には、予め音声情報を記憶した音声記憶部と、音声を出力する音声出力部と、前記音声記憶部から所定の音声情報を読み出して前記音声出力部に音声信号を出力する音声出力制御部とを備え、前記音声出力制御部は、前記口部が口部駆動部により作動される時に、前記音声記憶部から所定の音声情報を読み出し、前記音声出力部に音声信号を出力することもある。
【0020】
また、装飾体本体には、音を検出する音検出部と、作動制御部とを備え、前記作動制御部は、前記音検出部が音を検出した時に、前記口部作動制御部から前記口部駆動部へ駆動信号を出力させることもある。
【実施例1】
【0021】
以下、図を参照して、本発明を適用した実施の形態について説明する。図1に示すように装飾体玩具10は、ライオンを模した縫いぐるみである。
【0022】
この発明の概要として、ライオンを模した縫いぐるみとなる装飾体玩具10は、上唇部と作動可能な下唇部から構成される口部12を備えており、該装飾体玩具10の口部12となる下唇部が、閉じる方向に所定の力で加圧されており、遊戯者が装飾体玩具10の口部に指や手を挿し入れると、装飾体玩具10が、遊戯者の指や手を緩く噛むことを特徴としているものである。
【0023】
また、この装飾体玩具10には、作動スイッチ部(図示しない)や、音を検出する音検出部(図示しない)を備えており、作動スイッチ部が作動したり、音検出部が音を検出すると、口部12を開いたり閉じたりするように作動するものである。これら作動スイッチ部及び音検出部は、装飾体玩具10となる縫いぐるみのライオンの頭部の前方(鼻付近)にあたる位置の内側に内設されており、装飾体玩具10となるライオンの縫いぐるみを撫でることや、遊戯者からの声によって作動するようにしたものである。
【0024】
そして、この装飾体玩具10には、音声出力部となるスピーカ(図示しない)が内設され、口部12が開いたり閉じたりするように作動する時に、スピーカから、ライオンの鳴き声を音声出力することもある。
【0025】
さらに、この装飾体玩具10には、作動スイッチ部、音検出部及び音出力部以外にも、音声記憶部、作動制御部、スイッチ制御部、口部作動制御部及び音声出力制御部からなる主基板と、モータと減速歯車群で構成される口部駆動部が内設され、また口部駆動部や主基板に対して電力を供給する電源が内設され、該電源をON/OFFする為の電源スイッチも有しているものである。
【0026】
図2を用いて、ライオンを模した縫いぐるみとなる装飾体玩具10の口部12を作動させる機構について説明する。上唇部14と作動可能な下唇部18から構成される口部12を作動させる機構は、口部駆動部と弾性体28で構成されている。口部駆動部は、減速歯車群となる第一平歯車40、第二平歯車42、第三平歯車44、第四平歯車46及び、回転力を発生し減速歯車群へ回転を伝達するモータ36である。また、弾性体28は、口部12の下唇部18を閉じる方向に加圧するねじりバネとなっている。
【0027】
まず、口部12の構造説明を行う。口部12は、上唇部14と下唇部18で構成されている。口部12の上唇部14は、薄肉で略半円板状に形成されており、半円の直線となる辺の中央から、後述する箱体30に形成された係合部34と係合される係合凸部16が膨出しているものである。この上唇部14は、該係合凸部16と後述する箱体30の係合部34に係合することによって、固着されているものである。
【0028】
また、下唇部18も同様に、薄肉で略半円板状に形成されており、半円の直線となる辺の中央近傍から膨出される2つのアーム20が形成され、この2つのアーム20の先端の対向する位置に、後述する口部駆動部の第四平歯車46が軸着した四角柱軸48と係合する四角柱状の凹部となる係合凹部22が形成されているものである。この下唇部18は、口部駆動部の第四平歯車46の回転に伴って、下唇部18は、該四角柱軸48を中心に、口部12を開いたり閉じたりするように揺動動作を行うようになるものである。
【0029】
そして、下唇部18の一方のアーム20には、アーム20の略中央位置に、二つの凸部がアーム20の外方に向けて膨出され、弾性体28の端部と係止する弾性体係止部24が形成されている。この弾性体係止部24にねじりバネとなる弾性体28の端部が係止されることにより、該下唇部18は、常に口部12を閉じる方向に加圧されているものである。
【0030】
また、この口部12の上唇部14と下唇部18の対向する面に、それぞれライオンの歯牙を模した歯牙装飾部26が形成されているものである。
【0031】
次に、口部駆動部となる第一平歯車40、第二平歯車42、第三平歯車44及び第四平歯車46からなる減速歯車群を内部に収容するL字形の箱体30が形成されている。L字形状に形成された箱体30の上部には、モータ36を配置する為の穴(図示しない)が形成され、該穴にモータ36の回転軸を内側とするように突設されているものである。
【0032】
また、L字形の箱体30の前方上部に、上唇部14の係合凸部16と係合する係合部34が形成され、上唇部14を固着しているものである。
【0033】
モータ36は、その回転軸の先端に、減速歯車群に回転を伝達するピニオンギア38が軸着されている。
【0034】
減速歯車群を構成する第一平歯車40、第二平歯車42及び第三平歯車44は、大小2つの平歯車を同軸とした歯車に形成され、減速歯車群を構成する第四平歯車46は、一つの平歯車で形成されているものである。また、第一平歯車40、第二平歯車42、第三平歯車44は、その中央に円柱状の軸を有し、該箱体30に軸支されている。そして、第四平歯車46は、その中央に四角柱状の四角柱軸48を有しており、該四角柱軸48は、該箱体30の両端から突出して軸架されている。この該四角柱軸48の両端は、下唇部18の2つのアーム20の先端に形成された係合凹部22を係合するものである。このように第四平歯車46の軸を四角柱にすることによって、該四角柱軸48と係合凹部22との間での回転による滑りを無くすものである。
【0035】
減速歯車群の第一平歯車40の大歯車は、モータ36に軸着されたピニオンギア38と歯合し、小歯車は、第二平歯車42の大歯車と歯合している。また、第二平歯車42の小歯車は、第三平歯車44の大歯車と歯合し、第三平歯車44の小歯車は、第四平歯車46の平歯車と歯合している。これにより、モータ36から発生した回転速度及び回転力は、減速歯車群により、その回転速度を減速させると共に、回転力を増すようになるものである。
【0036】
また、モータ36から発生した回転力は、減速歯車群を介することによって、後述する弾性体28の復元力よりも大きくなっているものである。実施例の回転力は、400gよりも大きい回転力を発生させるものである。
【0037】
弾性体28となるねじりバネのコイル部は、箱体30の外側で第四平歯車46の四角柱軸48の周囲に位置し、ねじりバネの一方の端部は箱体30に形成された孔32と係止され、他方の端部は、下唇部18のアーム20に形成された弾性体係止部24と係止し、下唇部18を上唇部14の方向に向けて加圧するものである。また、箱体30には、ねじりバネの復元力の強さを調整する為の孔32が複数形成されており、係止する孔32を変更することにより、ねじりバネの復元力の強さを変化させることができるものである。
【0038】
また、実施例のねじりバネの復元力は、口部駆動部の作動によって口部12の下唇部18を開く方向に作動させる回転力よりも小さい約400g以下の復元力とされている。そして、ねじりバネの復元力は400gには限定されず、装飾体玩具10を扱う遊戯者の年齢を考慮したり、装飾体玩具10をライオン以外の動物に模して形成したりする時には、ねじりバネの復元力を調整し変えるようにすることもできる。
【0039】
図3を用いて、口部12が作動した状態の説明を行う。図3(a)は、口部12を閉じた状態を示す図であり、図3(b)は、口部12を開いた状態を示す図である。
【0040】
図3(a)の口部12を閉じた状態では、口部駆動部は作動しておらず、ねじりバネの復元力によって、口部12を閉じた状態が維持されているものである。
【0041】
図3(a)の状態から口部駆動部のモータ36を作動させると、減速歯車群を介して回転が伝達され、第四平歯車46の四角柱軸48が回転する。これに伴って、四角柱軸48には、閉じる方向への回転力となる弾性体28となるねじりバネの復元力よりも強い、開く方向への回転力が発生し、下唇部18は、四角柱軸48を中心に口部12を開くように回転するものである。また、下唇部18が、所定の回転を行うと、図3(b)の状態となる口部12を開いた状態となるものである。
【0042】
また、この図3(b)の状態は、口部駆動部のモータ36が作動している状態であり、口部12を開く方向に回転が継続的に行われているものである。この図3(b)に示す下唇部18の回転位置で、口部駆動部のモータ36の作動を停止させると、口部駆動部からの開く方向への回転力が失われ、弾性体28となるねじりバネの復元力によって、下唇部18は、閉じる方向へと回転を開始するものであり、図3(a)に示す状態に戻るものである。
【0043】
つまり、口部作動制御部から、口部駆動部のモータ36に対して、正回転を間欠的に繰り返す駆動信号を出力することによって、口部12が閉じた状態となる図3(a)及び口部12が開いた状態となる図3(b)を繰り返すようになり、ライオンを模した装飾体玩具は、口部をパクパクと作動させるものである。
【0044】
また、口部12の下唇部18が開いた状態から、閉じた状態に移行する時には、弾性体28となるねじりバネの復元力によって閉じた状態へと移行が行われるものである。従って、遊戯者の指や手を緩く噛む力は、常に一定となる弾性体28の復元力であり、安全な「甘噛み」を行わせることができるものである。
【0045】
次に、装飾体玩具10に内設され各制御部を備えた主基板と、各制御部に関係する各部の説明を、装飾体玩具10の制御を示すブロック概念図となる図4を用いて行う。まず、各制御部に関係する各部の説明を行う。
【0046】
作動スイッチ部54として圧電素子を用いたピエゾスイッチ又は音を検出するコンデンサマイクが、装飾体玩具となる縫いぐるみのライオンの頭部の前方(鼻付近)にあたる位置に内設されており、遊戯者が装飾体玩具10となるライオンの縫いぐるみを撫でたり触れたりすると、該作動スイッチ部54が作動し、操作信号を、後述するスイッチ制御部58に対して出力するものである。
【0047】
また、作動スイッチ部54としてピエゾスイッチを使用する場合には、遊戯者がライオンの縫いぐるみとなる装飾体玩具を撫でたり触れたりすると、圧電素子の電圧値が変化することによって作動するものである。そして、作動スイッチ部54としてコンデンサマイクを使用する場合には、予め周囲の音には反応しないようにコンデンサマイクの感度を低くしておことによって、該コンデンサマイクの近傍でライオンの縫いぐるみとなる装飾体玩具を撫でたり触れたりする音によって作動するものである。また、作動スイッチ部54として、この他に、タクトスイッチや、その他のスイッチを用いるようにしても構わない。
【0048】
音検出部52は、装飾体玩具となる縫いぐるみのライオンの頭部の前方(鼻付近)にあたる位置に、音を検出するマイクが内設されており、遊戯者からの声や周囲の音を検出するものである。音検出部52となるマイクは、音を検出すると、後述する作動制御部56に対して検出信号を出力するものである。尚、この音検出部52は、省略することもある。
【0049】
次に、主基板に備えられた各制御部の説明を行う。主基板に設けられた作動制御部56は、音検出部52からの検出信号に基づき、後述する口部作動制御部60に対して作動信号を出力するものである。尚、この作動制御部56は、音検出部52が省略される時、省略されるものである。
【0050】
また、スイッチ制御部58は、作動スイッチ部54からの操作信号に基づき、後述する口部作動制御部60に対して作動信号を出力するものである。
【0051】
そして、口部作動制御部60は、作動制御部56やスイッチ制御部58からの作動信号に基づき、口部駆動部66に対して駆動信号を出力するものである。したがって、口部作動制御部60から口部駆動部66に対して駆動信号を出力することにより、口部駆動部66のモータ36が回転し、その回転が減速歯車群に伝達され、下唇部18を揺動動作させるものである。また口部駆動部66に対して駆動信号を出力する時に、音声出力制御部62に対して音声出力信号を出力することもある。
【0052】
さらに、口部作動制御部60は、口部駆動部66に対して、所定の間隔で間欠的に、正回転の駆動信号を出力するものである。これは、装飾体玩具10の口部12の下唇部18を開く時には、口部駆動部66の回転力を用いて開き、装飾体玩具10の口部12の下唇部18を閉じる時には、下唇部18に係止されているねじりバネとなる弾性体28の復元力によって、口部12の下唇部18を閉じるようにしているものである。また、所定の間隔で交互に正回転及び逆回転させる駆動信号を出力しても構わないものである。
【0053】
主基板に設けられた音声記憶部64には、ライオンの鳴き声を模した音声情報が予め複数記憶されている。また例えば、装飾体玩具10をライオン以外の動物に模して形成する時には、その動物の鳴き声に関する音声情報を予め複数記憶しておくことが好ましい。また、音声記憶部64を着脱可能な外部メモリとすることも可能である。例えば、ライオンの鳴き声を模した音声情報を記憶させた外部メモリから、他の動物の鳴き声を模した音声情報を記憶させた他の外部メモリに差し替えることもでき、装飾体玩具10の趣向を高めることも可能である。
【0054】
そして、音声出力制御部62は、音声記憶部64に記憶されている音声情報を読み出し、音声出力部68となるスピーカに音声信号の出力するものである。この音声出力制御部62は、口部作動制御部60から音声出力信号に基づき、音声出力部68に対して音声信号を出力するものである。
【0055】
また、音声出力制御部62は、作動スイッチ部54や音検出部52の作動の有無に関係せず、任意のタイミングで音声出力部68に対して、音声信号を出力することもあるものである。
【0056】
また、実施例では、作動制御部56、スイッチ制御部58、口部作動制御部60及び音声出力制御部62を主基板に夫々設けたが、これら各制御部を一つに纏めたワンチップICとすることも可能である。
【0057】
以上説明したように、動物を模した玩具であって口部を所定の力で閉じることにより、「甘噛み」模擬することを特徴とする装飾体玩具を提供することができるものである。また、好ましい実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々に改変できる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施例である装飾体玩具を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例である装飾体玩具の口部、口部駆動部を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施例である装飾体玩具の作動概念図である。
【図4】本発明の一実施例である装飾体玩具のブロック図である。
【符号の説明】
【0059】
10 装飾体玩具
12 口部
14 上唇部
16 係止凸部
18 下唇部
20 アーム
22 係合凹部
24 弾性体係止部
26 歯牙装飾部
28 弾性体
30 箱体
32 孔
34 係合部
36 モータ
38 ピニオンギア
40 第一平歯車
42 第二平歯車
44 第三平歯車
46 第四平歯車
48 四角柱軸
52 音検出部
54 作動スイッチ部
56 作動制御部
58 スイッチ制御部
60 口部作動制御部
62 音声出力制御部
64 音声記憶部
66 口部駆動部
68 音声出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物を模して形成された装飾体本体において、
前記装飾体本体には、
上唇部と作動可能な下唇部から構成される口部と、
前記下唇部を作動させて前記口部を開閉させる口部駆動部と、
前記下唇部を閉じる方向に所定の力で加圧する弾性体とを備えたことを特徴とする装飾体玩具。
【請求項2】
請求項1において、前記弾性体は、前記口部駆動部の作動によって、口部の下唇部を開く方向に作動させる力よりも小さい所定の復元力とされていることを特徴とする装飾体玩具。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記口部駆動部は、モータと減速歯車群で構成され、前記モータの回転の制御を行う口部作動制御部を備え、前記口部作動制御部は、前記モータの正回転を間欠的に繰り返す駆動信号を出力することを特徴とする装飾体玩具。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、前記装飾体本体には、作動スイッチ部と、スイッチ制御部とを備え、
前記スイッチ制御部は、前記作動スイッチ部からの操作信号が入力されると、前記口部作動制御部から前記口部駆動部へ駆動信号を出力させることを特徴とする装飾体玩具。
【請求項5】
請求項4において、前記作動スイッチ部は、圧電素子となるピエゾスイッチ又は音を検出するコンデンサマイクであることを特徴とする装飾体玩具。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項において、前記装飾体本体には、予め音声情報を記憶した音声記憶部と、音声を出力する音声出力部とを備え、
前記音声記憶部から所定の音声情報を読み出し、前記音声出力部に音声信号を出力する音声出力制御部をも備えたことを特徴とする装飾体玩具。
【請求項7】
請求項6において、前記音声出力制御部は、前記口部が口部駆動部により作動される時、前記音声記憶部から所定の音声情報を読み出し、前記音声出力部に音声信号を出力することを特徴とする装飾体玩具。
【請求項8】
請求項1乃至7において、音を検出する音検出部と、作動制御部とを備え、
前記作動制御部は、前記音検出部が音を検出した時に、前記口部作動制御部から前記口部駆動部へ駆動信号を出力させることを特徴とする装飾体玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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