説明

装飾体

【課題】USB接続端子を有する所望の形象物に形成された形象体であって、該形象体に記憶手段を備え、該記憶手段に、動画情報若しくは静止画情報となる画像情報と、この動画情報若しくは静止画情報に関連したインターネット上に存在する情報資源の場所を示す情報となるURL情報を記憶させる事によって、形象体に関する様々な情報を開示し、より趣向の高い形象体とする。
【解決手段】コンピュータに接続可能とするUSB規格の接続端子を有し、前記接続端子をコンピュータに接続することによって電力供給が行われる装飾体であって、前記装飾体の外観は、所望の形象物を模して形成され、前記装飾体には、動画情報若しくは静止画情報となる画像情報と、この動画情報若しくは静止画情報に関連したインターネット上に存在する情報資源の場所を示す情報となるURL情報を記憶した記憶部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータに周辺機器を接続するUSB規格の接続端子を有する装飾体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータの外部記憶装置として、フレキシブルディスクから、読み出し及び書き換え可能なEPROMを使用した記憶媒体となるフラッシュメモリが小型で簡便に利用できることから一般的な記憶媒体になりつつある。また、一般的に、このフラッシュメモリをコンピュータに接続するための規格としてUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)と呼ばれる規格が用いられている。このUSB規格は、バスパワード方式と呼ばれるコンピュータ側より電力の供給が可能とされる方式が採用されると共にホットプラグと称され、コンピュータの起動中でも自由に抜き差し可能な規格となっている。
【0003】
また、このフラッシュメモリは、本願出願人が出願した登録実用新案第3125907号「装飾体可動装置」の如く、その外観を所望の形象物の形状に形成したものが提案されている。この装飾体可動装置は、USB接続端子を有しており、該USB端子をコンピュータに接続することによって、装飾体可動装置に設けられた可動部が可動するものである。このように従来のフラッシュメモリは、コンピュータに接続することによって、所望の形象物の一部となる可動部が可動する趣向の高い装飾体可動装置であった。
【特許文献1】登録実用新案第3125907号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、USB接続端子を有する所望の形象物に形成された形象体であって、該形象体に記憶手段を備え、該記憶手段に、動画情報若しくは静止画情報となる画像情報と、この動画情報若しくは静止画情報に関連したインターネット上に存在する情報資源の場所を示す情報となるURL情報を記憶させる事によって、形象体に関する様々な情報を開示し、より趣向の高い形象体とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、コンピュータに接続可能とするUSB規格の接続端子を有し、前記接続端子をコンピュータに接続することによって電力供給が行われる装飾体であって、前記装飾体の外観は、所望の形象物を模して形成され、前記装飾体には、動画情報若しくは静止画情報となる画像情報と、この動画情報若しくは静止画情報に関連したインターネット上に存在する情報資源の場所を示す情報となるURL情報を記憶した記憶部を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1において、前記装飾体の外観形状は、インターネット上に存在する情報資源とされた情報の内容を示唆又は連想させる形状とされていることを特徴する。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2において、記憶部には、更にコンピュータに接続した際に、該コンピュータ上で自動的に実行される自動起動情報が記憶されていることを特徴する。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項3において、前記自動起動情報は、前記記憶手段に記憶された画像情報と、前記URL情報に記載されたインターネット上に存在する情報資源とを、接続されたコンピュータ上で自動的に表示する為の情報であることを特徴する。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項において、前記装飾体には、可動や発熱をする作動部を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、USB接続端子を有する所望の形象物に形成された形象体であって、該形象体に記憶手段を備え、該記憶手段に、動画情報若しくは静止画情報となる画像情報と、この動画情報若しくは静止画情報に関連したインターネット上に存在する情報資源の場所を示す情報となるURL情報を記憶させる事によって、形象体の外観などに関連した様々な情報を開示し、外観から情報内容を想定させてより趣向の高い形象体とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
コンピュータに接続可能とするUSB規格の接続端子を有し、前記接続端子をコンピュータに接続することによって電力供給が行われる装飾体であって、前記装飾体の外観は、所望の形象物を模して形成され、前記装飾体には、動画情報若しくは静止画情報となる画像情報と、この動画情報若しくは静止画情報に関連したインターネット上に存在する情報資源の場所を示す情報となるURL情報を記憶した記憶部と、可動や発熱をする作動部とを備えた。また、装飾体の外観形状は、インターネット上に存在する情報資源とされた情報の内容を示唆又は連想させる形状とするものである。
【0012】
そして、前記記憶部に、コンピュータ上で自動的に実行される自動起動情報を記憶させることもある。そして、該自動起動情報は、前記記憶手段に記憶された画像情報と、前記URL情報に記載されたインターネット上に存在する情報資源とを、接続されたコンピュータ上で自動的に表示する為の情報とするものである。
【実施例1】
【0013】
以下、図を参照して、本発明を適用した実施の形態について説明する。図1は、装飾体の外観を示す図である。装飾体10の外観は、自動車を模した形に形成され、該自動車の前方に接続端子14となるUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)A端子が設けられている。この接続端子14を、コンピュータの差込口やUSBハブの差込口に接続すると、装飾体10に電力が供給され、図示しないが装飾体10に内設された作動部18となるモータが回転する。このモータの回転により、図示しないが装飾体10に内設された歯車や歯車列を介して、作動部18の可動体20となる自動車の車輪12を回転させるものである。そして、この装飾体10には、図示しないが記憶部16となるフラッシュメモリが内設されている。
【0014】
また、実施例の装飾体10は、その外観を自動車の形状を模した形に形成されたものであるが、これに限定されず、装飾体10は、インターネット上に存在する情報資源とされた情報の内容を示唆又は連想させる様々な形状に形成されることもある。
【0015】
図2は、本発明の装飾体10のブロック図である。この図2を用いて、装飾体10の構成を説明する。上述したように装飾体10は、接続端子14、記憶部16及び作動部18で構成されている。装飾体10は、コンピュータの差込口やUSBハブの差込口に接続端子14を接続することによって、コンピュータから装飾体10の記憶部16への情報の読み出し及び/又は書き込みが可能となると共に、作動部18を動作させることができるようになるものである。
【0016】
接続端子14は、コンピュータに周辺機器を接続するシリアルバスの1つとなるUSB規格の接続端子14となっており、2ピンの信号線と2ピンの電源線からなる接続端子14である。実施例の装飾体10の接続端子14は、ホスト側となるコンピュータの差込口や、USBハブのクライアント側の差込口に差し込むUSB A端子である。また、一般的にパソコンから接続されるプリンタなどの周辺機器の差込口となるUSB B端子や、デジタルカメラなどの小型機器に使用されるミニUSB端子を用いても構わない。この接続端子14を、コンピュータの差込口や、USBハブのクライアント側の差込口に差し込むことによって、装飾体10は、コンピュータやUSBハブから電源が供給されるようになっている。
【0017】
記憶部16は、不揮発性メモリとなるROMや、EPROMなどである。実施例では、情報の読み出し及び書き込みを行うことのできるフラッシュメモリとなっている。この記憶部16には、装飾体10の外観から示唆又は連想させる動画情報若しくは静止画情報となる画像情報と、画像情報と同様に装飾体10の外観から示唆又は連想させるインターネット上に存在する情報資源の場所を示す情報となるURL情報と、コンピュータ上で自動的に実行される自動起動情報と、装飾体10の外観から示唆又は連想させるプログラム若しくはゲームプログラムとが記憶されている。
【0018】
記憶部16に記憶された画像情報となる動画情報は、AVI、MP4、WMVなどの拡張子となるコンピュータ上で動画再生可能な様々な規格で記憶されている。また、動画情報として、Flashアニメであっても構わない。そして、静止画情報は、BMP、JPG、PNGなどの拡張子となるコンピュータ上で静止画を表示可能な様々な規格で記憶されている。この静止画情報は、コンピュータ上で動作するOSの壁紙として使用することもでき、コンピュータの表示画素に合わせて、異なる画素サイズの静止画を複数記憶されているものである。
【0019】
次に、記憶部16に記憶されたURL情報としては、装飾体10の外観から示唆又は連想させるインターネット上に存在する情報資源の場所を示す情報が記憶されている。このURL情報を、接続されたコンピュータ上で動作し、インターネット上に存在する情報資源を閲覧するブラウザに渡すと、該ブラウザに、装飾体10の外観から示唆又は連想させるホームページが表示されるようになるものである。
【0020】
次に、記憶部16に記憶された自動起動情報は、装飾体10をコンピュータに接続した時に、該記憶部16に記憶された動画情報若しくは静止画情報を、接続されたコンピュータ上で、自動的に動画を再生したり、自動的に静止画を表示したりさせる情報である。例えば、接続されるコンピュータ上で動作するOSがWindows(登録商標)である場合には、外部記憶装置を接続すると外部記憶装置内の自動起動に関するファイルが検索されるようになっており、自動起動に関するファイルを発見した場合には、自動起動に関するスクリプトが実行されるようになっている。このことから、例えば、自動起動に関するファイルとして、「autorun.inf」のファイル名で記憶部16に自動起動情報を記憶させるようにする。この自動起動情報となる「autorun.inf」には、記憶部16に記憶されている動画や静止画を表示した後、接続されたコンピュータ上で動作し、インターネット上に存在する情報資源を閲覧するブラウザにURL情報を渡すスクリプトが記憶されているものである。
【0021】
そして、記憶部16に記憶されたプログラムは、接続されたコンピュータ上で実行可能で且つ装飾体10の外観から示唆又は連想させるプログラムが記憶されている。このプログラムは、例えば、時計プログラムであり、接続されたコンピュータに表示される時計の一部を装飾体10の外観に模して表示するプログラムである。また、記憶部16に記憶されたゲームプログラムは、装飾体10の外観から示唆又は連想させるゲームを行うためのゲームプログラムが記憶されているものである。これらのプログラム若しくはゲームプログラムを実行し、プログラムの処理に応じて、作動部18の可動体20及び発熱体22の動作状態を変化させるようにしても構わない。
【0022】
作動部18は、可動体20や発熱体22からなり、接続端子14をコンピュータやUSBハブに接続することによって、電力が供給され作動部18が作動するものである。この作動部18の可動体20は、供給された電力によって、装飾体10の一部となる車輪12を回転させたり、また装飾体10の一部となる魚の尾ひれを左右に揺動させたりするものである。また、発熱体22は、装飾体10自体を発熱させるようにしたものである。この作動部18は、上述したプログラムを接続されたコンピュータ上で実行することによって、該プログラムの処理に応じて、作動部18の動作状態を変化されるものである。
【0023】
この装飾体10の使用例として、例えば、図1に示すような自動車の形状を模した装飾体10の記憶部16に、装飾体10の外観から示唆又は連想させる動画情報として新車のコマーシャル動画が記憶され、また装飾体10の外観から示唆又は連想させるURL情報として渋滞情報を公表するホームページの情報が記憶され、そして自動起動情報として動画情報を再生しURL情報に指定されたホームページを表示するように記憶されている場合には、該装飾体10をコンピュータに接続すると、接続されたコンピュータ上で、新車のコマーシャル動画が再生された後、渋滞情報を公表するホームページが閲覧できるようになる。また同時に、装飾体10は、接続されたコンピュータから電力を供給されることにより、作動部18の可動体20となる自動車の車輪12が回転するものである。
【0024】
そして、例えば、新車のコマーシャル動画を再生した後、新車を販売する企業のホームページを表示することによって、より趣向の高いノベルティとして使用することも可能である。
【0025】
このように、USB接続端子を有する所望の形象物に形成された形象体であって、該形象体に記憶手段を備え、該記憶手段に、動画情報若しくは静止画情報となる画像情報と、この動画情報若しくは静止画情報に関連したインターネット上に存在する情報資源の場所を示す情報となるURL情報を記憶させる事によって、形象体の外観や形状から連想し得る形状に関連した様々な情報を開示し、より趣向の高い形象体とすることができる。また、好ましい実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々に改変でき、下記に示す。
【0026】
例えば、図3の如く装飾体10の外観は、魚を模して形成され、その魚の口に接続された釣り糸を模したUSBケーブルの先端に、接続端子14を備え、図示しないが作動部18となるモータと、記憶部16となるフラッシュメモリとが内設されている。また、作動部18の可動体20として尾ひれが設けられ、作動部18となるモータの回転により、作動部18の可動体20となる尾ひれが左右に揺動するものである。この魚を模した装飾体10の記憶部16には、動画情報として釣り具のコマーシャル動画が記憶され、URL情報として釣り情報のホームページの情報が記憶され、自動起動情報として、記憶部16に記憶された動画情報を再生し、URL情報に指定されたホームページを表示するように記憶されている。
【0027】
これにより、この魚を模した装飾体10をコンピュータに接続すると、釣り具のコマーシャル動画が再生した後、釣り情報を公表するホームページが閲覧できるようになるものである。また、同時に、魚を模して形成された装飾体10の作動部18の可動体20となる尾ひれが、左右に揺動動作を行ことにより、より趣向の高い装飾体10とすることができる。
【0028】
そして、例えば、図4の如く装飾体10の外観は、熊(キャラクター)を模した縫いぐるみとされ、該熊の縫いぐるみの足の先端に接続端子14を備え、図示しないが作動部18となる発熱体22と、記憶部16となるフラッシュメモリとが内設されている。また、この熊の縫いぐるみの記憶部16には、動画情報として、熊(キャラクター)の動画が記憶され、URL情報として、熊(キャラクター)のホームページの情報が記憶され、自動起動情報として、記憶部16に記憶された動画情報を再生し、URL情報に指定されたホームページを表示するように記憶されている。
【0029】
これにより、この熊の縫いぐるみとなる装飾体10をコンピュータに接続すると、熊(キャラクター)の動画が再生した後、熊(キャラクター)のホームページが閲覧できるようになるものである。また、同時に、熊の縫いぐるみとなる装飾体10の作動部18の発熱体22が発熱し、熊の縫いぐるみをとなる装飾体10が暖かくなるようにしており、より趣向の高い装飾体10とすることができる。
【0030】
また、上述した実施例以外にも、装飾体10を「てるてる坊主」を模して形成し、コンピュータに接続することのよって、天気予報のホームページを閲覧できるようにすることもできるものである。また、「てるてる坊主」を模した装飾体10の記憶部16にお天気プログラムが記憶されている場合には、該お天気プログラムが接続されたコンピュータ上で実行され、インターネット上から天気予報情報を参照し、参照された天気予報情報に応じて、例えば、晴天の動画情報を再生したり、雨天の動画情報を再生したりすることができるものである。
【0031】
このように装飾体10の形状と関連する動画や静止画の画像情報とインターネット上の情報資源に関するURL情報や自動起動情報を記憶した記憶部16を装飾体10に組み込むことのより、フラッシュメモリによって自動読み出しが可能となるインターネット上の情報を装飾体10の外観により容易に見分けることができ、またインターネット上の情報を自動表示させるまでの間、動画や静止画を表示させて楽しみながらインターネット上の情報を引き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る装飾体の外観を示す図である。
【図2】本発明に係る装飾体のブロック図である。
【図3】本発明に係る装飾体の他の実施例を示す図である。
【図4】本発明に係る装飾体の他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
10 装飾体
12 車輪
14 接続端子
16 記憶部
18 作動部
20 可動体
22 発熱体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに接続可能とするUSB規格の接続端子を有し、前記接続端子をコンピュータに接続することによって電力供給が行われる装飾体であって、前記装飾体の外観は、所望の形象物を模して形成され、前記装飾体には、動画情報若しくは静止画情報となる画像情報と、この動画情報若しくは静止画情報に関連したインターネット上に存在する情報資源の場所を示す情報となるURL情報を記憶した記憶部を備えたことを特徴とした装飾体。
【請求項2】
請求項1において、前記装飾体の外観形状は、インターネット上に存在する情報資源とされた情報の内容を示唆又は連想させる形状とされていることを特徴とした装飾体。
【請求項3】
請求項1又は2において、記憶部には、更にコンピュータに接続した際に、該コンピュータ上で自動的に実行される自動起動情報が記憶されていることを特徴とした装飾体。
【請求項4】
請求項3において、前記自動起動情報は、前記記憶手段に記憶された画像情報と、前記URL情報に記載されたインターネット上に存在する情報資源とを、接続されたコンピュータ上で自動的に表示する為の情報であることを特徴とした装飾体。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項において、前記装飾体には、可動や発熱をする作動部を備えたことを特徴とした装飾体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−217673(P2008−217673A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−57112(P2007−57112)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(596020680)株式会社キューブ (11)
【Fターム(参考)】