説明

装飾品の連結構造、装飾品および装飾品の連結構造の形成方法

【課題】損傷パーツだけを外し交換及び修理可能である装飾品の連結構造、装飾品および装飾品の連結構造の形成方法の提供。
【解決手段】線材出し部位14を引きテンションをかけた状態での連結ループ11の引き締めによって、連結パーツ3aを物品本体7に引きつけ連結線材2が該連結パーツ3aに曲がり当接して、その曲がり当接状態が連結線材の硬性と線材通し孔8内にある3本以上の該連結線材の該線材通し孔による広がり規制によって固定状態とされ、線材出し部位15を引きテンションをかけた状態での連結ループ13の引き締めによって、連結パーツ5aを物品本体に引きつけ連結線材が該連結パーツ5aに曲がり当接して、その曲がり当接状態が連結線材の硬性と線材通し孔内にある前記3本の該連結線材の該線材通し孔による広がり規制によって固定状態とされ、線材出し部位14および線材出し部位15の余分な部位を除く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真珠、ビーズ、宝玉、飾りパーツ、装飾パーツなどで線材通し孔を有する孔付連結物品と、環パーツ(連結パーツ)を連結した鎖、リングなどの連結パーツを連結するところを特徴とする装飾品の連結構造、装飾品および装飾品の連結構造の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、宝玉1には通孔2が設けられ、この宝玉1を複数個乃至は数十個が前記通孔2内にワイヤー材3(連結線材)を挿通することにより連続的に連結する装身具において、最端の宝玉1’(孔付連結物品)の通し孔2’(線材通し孔)に一方端にフランジ5aを有する案内保護筒5を通し、宝玉1’(孔付連結物品)から外に突出した部位にランス部5bを形成して抜けないように固定し、ワイヤー材3(連結線材)を通し孔2’(線材通し孔)に通し、その出た一方側の線材出し部位に丸環7(連結パーツ)に通して該一方側の線材出し部位を通し孔2’(線材通し孔)に戻し通して連結ループを形成して該連結ループに丸環7(連結パーツ)を取り付け状態とし、ワイヤー材3(連結線材)が通し孔2’(線材通し孔)から抜けないように接着剤8の注入することにより、他方側の側にワイヤー材3(連結線材)を突出させてその部位をかしめてかしめ固定5cを形成することにより、あるいは金属製の案内保護筒5にランス部5dを切り起こし該ランス部5dに再び案内保護筒5内に挿通したワイヤー材3(連結線材)を係止することにより固着するとう宝玉の端部連結方法ないし連結構造が知られている。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−111907号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】特になし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来技術は、次に述べるような欠点があった。
(1)連結ループと丸環7(連結パーツ)の取り付け関係は、連結ループによる丸環7(連結パーツ)締め付けが無いものである。
このため、宝玉1’(孔付連結物品)と丸環7(連結パーツ)の形態は簡単に動いてしまう、振れてしまうものになるものであった。よって、例えば一本の線材からなる連結パーツに宝玉1’孔付連結物品と丸環からなる連結パーツを連結線材によって連結させた形態では、連結ループによる締め付け固定化がされていないために、線材上を自在に動いてしまう、自在に線上を回ってしまうものとなるもので、所定の位置に堅固にその向きも含めて止め置くことができないものであった。
また、丸環7(連結パーツ)と宝玉1’(孔付連結物品)が直接当り状態とした場合、丸環7(連結パーツ)の動きにより宝玉1’(孔付連結物品)が損傷する(特に真珠玉)ことになるので、丸環7(連結パーツ)と宝玉1’(孔付連結物品)の間にフランジ部45aを介在ないし他の部材(例えば、クッション部品4など)を介在させなければならないものであった。
(2)宝玉1’(孔付連結物品)ないし多数個連結された宝玉1の一部が損傷して交換修理をする場合は、ワイヤー材3(連結線材)を切断するのであるが、ワイヤー材3(連結線材)を切断すると該ワイヤー材3(連結線材)が短くなるため、全宝玉を連結した元通りのものにするためには、新たなワイヤー材3(連結線材)を使用しなければならないという欠点を有するものであった。
(3)前記(1)によって、ワイヤー材3(連結線材)を切断した場合には、複数個乃至は数十個の宝玉1が全てバラバラになり(宝玉間にクッション部品4がある場合はそれもバラバラになる)、新たなワイヤー材3(連結線材)にそれらを取り付けなければならないという、煩雑な作業の組立時間がかかるという欠点を有するものであった。
(4)宝玉1’の隣の宝玉1は該宝玉1’に対して回転フリートされているので、使用において宝玉1’と宝玉1の対向面は当り擦れ正面が傷付く(特に真珠玉)という問題が生じ、これを防止するためにシリコンゴム製部材のクッション部品4を介在させなるなどの対策が必要となるものであった。
また、宝玉(孔付連結物品)同士はそれぞれが回転自在での連結であるので、宝玉(孔付連結物品)の一つ一つの向きを固定向きにできないものであった。
(5)連結ループと丸環7(連結パーツ)の取り付け関係は、連結ループによる丸環7(連結パーツ)締め付けが無いものであるため、丸環7(連結パーツ)と宝玉1’(孔付連結物品)が直接当り状態とした場合、丸環7(連結パーツ)の動きにより宝玉1’(孔付連結物品)が損傷する(特に真珠玉)ことになるので、丸環7(連結パーツ)と宝玉1’(孔付連結物品)の間にフランジ部45aを介在ないし他の部材(例えば、クッション部品4など)を介在させなければならないものであった。
(6)接着剤を用いたものにあっては、接着剤は変色してしまい美感を損なう、孔付連結物品が金などの高価な貴金属や宝石からなる場合で、その再利用をするものであっては、背着剤により線材通し孔に固着された連結線材を取り除くのに手間がかかってしまうという問題をもつものであった。
【0006】
本発明は以上のような従来技術の欠点に鑑み、損傷パーツだけを外し交換する修理が可能であるとともに、前記損傷パーツの再利用を容易とする装飾品の連結構造、装飾品および装飾品の連結構造の形成方法を提供することを第1の目的としている。
また、前記第1の目的に加えて、孔付連結物品間に枝分かれの飾り部位を形成させる可能ことができる装飾品の連結構造、装飾品および装飾品の連結構造の形成方法を提供することを第2の目的としている。
また、前記第1、第2の目的に加えて、孔付連結物品と連結パーツとの間や孔付連結物品間に孔付連結物品を損傷させないためのワッシャなどの接触防止部品を介在させることなく、孔付連結物品の損傷が生じない装飾品の連結構造、装飾品および装飾品の連結構造の形成方法を提供することを目的としている。
また、前記第1から第3の目的に加え、例えば線材ないし棒材からなる連結パーツ上に、孔付連結物品をその止め位置および向きを固定状態とすることを実現する装飾品の連結構造、装飾品および装飾品の連結構造の形成方法を提供することを第3の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下に述べるような構成としている。
【0008】
<請求項1記載の発明>
金属製線材ないし鋼線からなる連結線材と、第1の連結パーツと、第2の連結パーツと、物品本体、この物品本体に貫通された前記連結線材が3本以上通りかつ前記第1の連結パーツおよび前記第2の連結パーツが通らない孔径である線材通し孔とからなる孔付連結物品と、とからなるとともに、
(ア)前記連結線材が前記線材通し孔に、前記線材通し孔の一方の孔口側に一方側の連結ループが形成された形態とされ、前記線材通し孔の他方の孔口側に他方側の連結ループが形成された形態とされ、前記連結線材の一方側の線材出し部位が前記他方の孔口側から出された形態とされ、前記連結線材の他方側の線材出し部位が前記一方の孔口側から出された形態とされ、前記一方側の連結ループに前記第1の連結パーツが通されたパーツのループ通し形態とされ、前記他方側の連結ループに前記第2の連結パーツが通されたパーツのループ通し形態とされ、よって、前記線材通し孔への前記連結線材の通しが3本通し形態あるいはそれ以上の通し形態とされ、
(イ)前記一方側の線材出し部位を引きテンションをかけた状態での前記一方側の連結ループの引き締めによって、前記第1の連結パーツを前記物品本体に引きつけ前記連結線材が該第1の連結パーツに曲がり当接して、その曲がり当接状態が前記連結線材の硬性と前記線材通し孔内にある前記3本以上の該連結線材の該線材通し孔による広がり規制によって固定状態された第1の曲がり当接固定部位とされ、
(ウ)前記他方側の線材出し部位を引きテンションをかけた状態での前記他方側の連結ループの引き締めによって、前記第2の連結パーツを前記物品本体に引きつけ前記連結線材が該第2の連結パーツに曲がり当接して、その曲がり当接状態が前記連結線材の硬性と前記線材通し孔内にある前記3本以上の該連結線材の該線材通し孔による広がり規制によって固定状態された第2の曲がり当接固定部位とされ、
(エ)前記一方側の線材出し部位および前記他方側の線材出し部位の余分な部位を除き、
(オ)前記第1の曲がり当接固定部位および前記第2の曲がり当接固定部位によって、前記第1の連結パーツおよび前記第2の連結パーツが前記物品本体に接着剤を用いない非接着形態で連結固定形態とされ、この連結固定形態によって、前記第1の連結パーツおよび前記第2の連結パーツに引っ張り荷重が加わっても前記連結固定形態が解除されることなく保持されるようにしてなることを特徴とする装飾品の連結構造である。
【0009】
「装飾品」には、装身具、服飾品、身飾り品、ファンシーグッズ、デコレーション、飾り物、オートメント、ジュエリー、小間物、宝飾、室内装飾品などを技術的範疇に含むものである。
本発明においては、「第1の連結パーツ」および「第2の連結パーツ」の「一方側の連結ループ」および「他方側の連結ループ」への取り付け手順、取り付け方ないし取り付け方法を特定するものでも限定するものでもない。いかなる取り付け手順、いかなる取り付け方法による取り付けであっても本発明の技術的範疇に含まれるものである。
「孔付連結物品」には、真珠、宝石、トンボ玉、貴金属製部材、貴金属製部材を除く金属製部材、カットボール、合成樹脂製部材など多様な部材からなるものが含まれる。また、その形状・携帯は球体、楕円体、方形体、多角形体、星形体、円筒体など多様な形態が含まれる。
【0010】
<請求項2記載の発明>
第1の曲がり当接固定部位の2箇所が線材通し孔の一方側口縁の2箇所と第1の連結パーツの2箇所によって圧迫挟持されてなる一方側の線材圧迫挟持形態とされ、第2の曲がり当接固定部位の2箇所が線材通し孔の他方側口縁の2箇所と第2の連結パーツの2箇所によって圧迫挟持されてなる他方側の線材圧迫挟持形態とされてなることを特徴とする請求項1に記載の装飾品の連結構造である。
【0011】
<請求項3記載の発明>
一方側の線材圧迫挟持形態の部位とあるいは他方側の線材圧迫挟持形態の部位にあって、一方側口縁あるいは他方側口縁に当る連結線材の縁当り部位が、第1の曲がり当接固定部位あるいは第2の曲がり当接固定部位の外径外面位置よりも内側に位置することにより折れ曲がった線材括れ部位を形成してなることを特徴とする請求項2に記載の装飾品の連結構造である。
【0012】
<請求項4記載の発明>
一方側の線材出し部位および他方側の線材出し部位の余分な部位を除いた状態において、前記一方側の線材出し部位があった側の連結線材部位に他方の孔口の口縁に掛かる一方の掛かり部位が形成され、前記他方側の線材出し部位があった側の前記連結線材部位に一方の孔口の口縁に掛かる他方の掛かり部位が形成されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装飾品の連結構造である。
【0013】
<請求項5記載の発明>
第1の連結パーツへの一方側の連結ループを1回巻として第1の曲がり当接固定部位を1回巻形態とし、第2の連結パーツへの他方側の連結ループを1回巻として第2の曲がり当接固定部位を1回巻形態としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の装飾品の連結構造である。
【0014】
<請求項6記載の発明>
一方側の連結ループを一方側の第1の連結ループとし、他方側の連結ループを他方側の第1の連結ループとし、
一方側の線材出し部位を第1の連結パーツに通して線材通し孔に通して、一方側の第1の連結ループに加えて一方側の第2の連結ループが形成され、
他方側の線材出し部位を第2の連結パーツに通して線材通し孔に通して、他方側の第1の連結ループに加えて他方側の第2の連結ループが形成され、
前記線材通し孔への前記連結線材が5本通った5本通り形態としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の装飾品の連結構造である。
【0015】
<請求項7記載の発明>
第1の連結パーツと第2の連結パーツの間に複数の孔付連結物品が直接当接形態、あるいはワッシャ部材ないしクッション部材を挟んで連結線材によって締め付け連結されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の装飾品の連結構造である。
【0016】
<請求項8記載の発明>
第1の連結パーツおよび第2の連結パーツあるいは一方が環パーツ連結形態の鎖であり、物品本体の一方側および他方側あるいはいずれか一方に線材通し孔に連絡した、前記第1の連結パーツおよび前記第2の連結パーツあるいはいずれか一方の連結パーツの一部ないし全部が入る環部材入孔を設けてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の装飾品の連結構造である。
【0017】
<請求項9記載の発明>
第2の連結パーツが全部収納されるバーツ収納孔が線材通し孔に連絡しても設けられてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の装飾品の連結構造である。
【0018】
<請求項10記載の発明>
第1の曲がり当接固定部位と第1の連結パーツおよび第2の曲がり当接固定部位と第2の連結パーツあるいはいずれか一方が接着剤により固着され、あるいは線材通し孔内の連結線材が接着剤により固着されてなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の装飾品の連結構造である。
【0019】
<請求項11記載の発明>
連結線材が非金属製線材、非鋼線剤の組紐、テグスなどの紐製線材であるとともに、一方側の連結ループと第1の連結パーツおよび他方側の連結ループと第2の連結パーツが接着剤により固着され、あるいは線材通し孔内の連結線材が接着剤により固着されてなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の装飾品の連結構造である。
【0020】
<請求項12記載の発明>
請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の装飾品の連結構造を有することを特徴とする装飾品である。
【0021】
<請求項13記載の発明>
装飾品がアクセサリー、アンクレット、イヤリング、エンゲージリング、チョーカー、ネックレス、バッジ、ピアス、ブレスレット、ブローチ、ペンダント、指輪、レイ、首飾り、記章、根付け、携帯ストラップ、ファッション小物、数珠、帯留め、髪飾り、ジュエリーなどの装身具であることを特徴とする請求項12に記載の装飾品である。
【0022】
<請求項14記載の発明>
金属製線材ないし鋼線からなる連結線材と、第1の連結パーツと、第2の連結パーツと、物品本体、この物品本体に貫通された前記連結線材が3本以上通りかつ前記第1の連結パーツおよび前記第2の連結パーツが通らない孔径である線材通し孔とからなる孔付連結物品とからなる装飾品の連結構造の形成方法であって、
(ア)前記連結線材が前記線材通し孔に、前記線材通し孔の一方の孔口側に一方側の連結ループが形成された形態とされ、前記線材通し孔の他方の孔口側に他方側の連結ループが形成された形態とされ、前記連結線材の一方側の線材出し部位が前記他方の孔口側から出された形態とされ、前記連結線材の他方側の線材出し部位が前記一方の孔口側から出された形態とされ、前記一方側の連結ループに前記第1の連結パーツが通されたパーツのループ通し形態とされ、前記他方側の連結ループに前記第2の連結パーツが通されたパーツのループ通し形態とされ、よって、前記線材通し孔への前記連結線材の通しが3本通し形態あるいはそれ以上の通し形態とする線材通しループ形成工程と、
(イ)前記一方側の線材出し部位を引きテンションをかけた状態での前記一方側の連結ループの引き締めによって、前記第1の連結パーツを前記物品本体に引きつけ前記連結線材が該第1の連結パーツに曲がり当接して、その曲がり当接状態が前記連結線材の硬性と前記線材通し孔内にある前記3本以上の該連結線材の該線材通し孔による広がり規制によって固定状態された第1の曲がり当接固定部位の形成工程と、
(ウ)前記他方側の線材出し部位を引きテンションをかけた状態での前記他方側の連結ループの引き締めによって、前記第2の連結パーツを前記物品本体に引きつけ前記連結線材が該第2の連結パーツに曲がり当接して、その曲がり当接状態が前記連結線材の硬性と前記線材通し孔内にある前記3本以上の該連結線材の該線材通し孔による広がり規制によって固定状態された第2の曲がり当接固定部位の形成工程と、
(エ)前記一方側の線材出し部位および前記他方側の線材出し部位にテンションを掛けて傾斜状態として、前記線材通し孔の前記一方の孔口の口縁に掛かる他方の掛かり部位を形成し、前記他方の孔口の口縁に掛かる一方の掛かり部位を形成して、前記前記一方側の線材出し部位および前記他方側の線材出し部位の余分な部位を除く掛かり部位の形成工程とからなるとともに、
前記他方の掛かり部位が前記一方の孔口の口縁と前記第2の連結パーツによって圧迫挟持形態とされ、前記一方の掛かり部位が前記他方の孔口の口縁と前記第1の連結パーツによって圧迫挟持形態とされるようにしたことを特徴とする装飾品の連結構造の形成方法である。
【発明の効果】
【0023】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0024】
<請求項1記載の発明の効果>
(1)一方側の線材出し部位を引きテンションをかけた状態での一方側の連結ループの引き締めによって、第1の連結パーツを孔付連結物品の物品本体に引きつけ連結線材が該第1の連結パーツに曲がり当接して、その曲がり当接状態が連結線材の硬性と線材通し孔内にある3本以上の該連結線材の該線材通し孔による広がり規制によって固定状態された第1の曲がり当接固定部位とされ、他方側の線材出し部位を引きテンションをかけた状態での他方側の連結ループの引き締めによって、第2の連結パーツを物品本体に引きつけ連結線材が該第2の連結パーツに曲がり当接して、その曲がり当接状態が連結線材の硬性と線材通し孔内にある3本以上の該連結線材の該線材通し孔による広がり規制によって固定状態された第2の曲がり当接固定部位とされ、第1の曲がり当接固定部位および第2の曲がり当接固定部位によって、第1の連結パーツおよび第2の連結パーツが物品本体に接着剤を用いない非接着形態で連結固定形態とされ、この連結固定形態によって、第1の連結パーツおよび第2の連結パーツに引っ張り荷重が加わっても連結固定形態が解除されない装飾品の連結構造および該装飾品の連結構造を有する装飾品を実現するものである。
それは、連結線材は金属製線材ないし鋼線(鋼線の方が好ましい)であるので、その硬質性と折曲がり状態としている線材幅が広がらないように規制することによって、その曲がり(第1の曲がり当接固定部位および第2の曲がり当接固定部位)が容易には解除されない状態とされ、よって、連結線材のテンションが掛かったままの状態での第1の連結パーツおよび第2の連結パーツの孔付連結物品への引き付け状態が維持固定される。
(2)多数の孔付連結物品(例えば真珠玉)を、孔付連結物品のそれぞれの間に鎖からなる連結パーツを介して連結した装飾品(例えばネックレス、ブレスレット)において、一箇所の孔付連結物品が損傷(以下「損傷物品」という)した場合では、その損傷物品と連結バーツを連結している連結線材をニッパーで切断することにより、他の連結箇所に全く関係なく影響を与えることなく取り外すことができ、かつ、新たな孔付連結物品の線材通し孔に新たな連結線材を通し分離した連結パーツを連結することにより、新たな孔付連結物品をつけ直した装飾品の修理を完了とさせることができる。
すなわち、装飾品全体をばらすことも、全体の連結線材を変えることもなく、損傷した孔付連結物品およびその部位に連結線材の交換と連結作業だけの素早く簡単な修理で完了させることができる。
(3)連結パーツと孔付連結物品の連結は、連結線材にテンションが掛かった状態での、連結パーツの孔付連結物品への引き付け圧接形態という堅固な連結固定形態であるので、連結バーツと孔付連結物品の連結部位・連結面が動くことも回ることもなく、よって、使用において孔付連結物品が連結パーツによって傷付く(特に真珠玉)という問題が生じないものである。
(4)複数の孔付連結物品同士を直接当接せての連結形態にあっては、連結線材のテンションが掛かったままの状態での第1の連結パーツおよび第2の連結パーツの複数の孔付連結物品への引き付け状態が維持固定された連結であるので、孔付連結物品同士は圧接連結とされた非回転の連結であるので、宝玉1’(孔付連結物品)同士が回転して擦れて損傷するということが生じないものであり、かつ、孔付連結物品の一つ一つの向きを固定した向きにできるものである。
(5)例えば一本の線材からなる連結パーツに孔付連結物品を、間隔をあけて連結線材によって連結させた形態では(例えば実施例11、図14)、孔付連結物品がそれぞれ連結ループによる締め付けによって連結線材上にその向きと一を固定状態とした装飾品を形成できるものである。
(6)孔付連結物品も連結パーツもそれぞれが独立した存在であり、それぞれが独立した連結線材によって連結されている形態であるので、多数の孔付連結物品および連結パーツを使用した装飾品にあっては、全ての孔付連結物品、全ての連結パーツを異なるものにした装飾品を形成することも可能である。
(7)例えば、連結パーツの線材通し孔を0.7mmとし、連結線材を0.25mmのステンレス鋼線材とするなら、2mm玉とか3mm玉というような小さな余り使用価値のない真珠玉を、連結パーツと使用し、小さな真珠玉が装身具全体の美感を形成する重要な価値ある装飾パーツにできるという効果を奏する。すなわち、その使用によって連結部分が連結線材を殆ど認視できないとともに、美感のある連結部分を形成できる重要な装飾パーツにできる。
また、プラチナ、金、銀、チタンなどの金属を始めとする金属製の孔付連結物品では、1mm以下の小さなものにできるという効果を奏する。
(8)接着剤を用いない非接着形態で連結固定形態とした装飾品の連結構造を実現しているので、接着剤の変色による美感を損なう心配がないという効果を奏する。よって、高価な装飾品の連結構造に最適である。
また、付連結物品が金などの高価な貴金属や宝石からなる場合で、その再利用をするものであっては、連結線材を取り除くことが極めて簡単容易で手間がかからない、そのまま線材通し孔を使えるので汚れを落とすなどしてそのまま再利用することができる。連結線材を取り除きに手間が掛からず、よって、貴金属のみを溶融して再利用することが容易にできる。
接着剤は粘度性の無い正面張力で線材通し孔無いに素早く・速やかに流れ込む(侵入、浸透)する瞬間接着剤がよい。すなわち、孔径0.5mm〜0.2mmの注入ノズルからの瞬間接着剤、0.5mm〜0.05mmの細い棒材の先端に付けた瞬間接着剤、ないし針部材の先端に付けた僅かな(少量の)瞬間接着剤が、線材通し孔の口に接触するだけで該線材通し孔内に自然に素早く該瞬間接着剤が侵入する状態である。
【0025】
<請求項2記載の発明の効果>
請求項1に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
連結線材が線材通し孔の一方側口縁の2箇所と他方側口縁の2箇所によって線材圧迫挟持形態とされているので、連結線材のテンションが弱り難くかつ連結線材の移動および連結パーツへの圧接曲がりの規制がより強化されるので連結固定形態がより堅固にされるという効果を奏する。
また、この連結線材が線材通し孔の一方側口縁の2箇所と他方側口縁の2箇所によって線材圧迫挟持形態にあっては、一方側の線材出し部位および他方側の線材出し部位も、線材通し孔の口縁、連結パーツおよび連結線材の当接曲がり部位によって圧迫挟持形態とされるので、この点でも、連結固定形態がより堅固にされる。
【0026】
<請求項3記載の発明の効果>
請求項2に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
一方側の線材圧迫挟持形態の部位とあるいは他方側の線材圧迫挟持形態の部位にあって、一方側口縁あるいは他方側口縁に当る連結線材の縁当り部位が、第1の曲がり当接固定部位あるいは第2の曲がり当接固定部位の外径外面位置よりも内側に位置することにより折れ曲がった線材括れ部位を形成してなるので、前記一方側口縁あるいは他方側口縁の内側位置および前記線材括れ部位によって、連結線材への規制はより強固となり、よって、連結固定形態がより堅固になるという効果を奏する。
【0027】
<請求項4記載の発明の効果>
請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
一方の掛かり部位が他方の孔口の口縁に掛かり、他方の掛かり部位が一方の孔口の口縁に掛かる朽ち縁掛かり形態を実現しているので、連結固定形態がより堅固で解除されがたいものにできるという効果を奏する。
特に、請求項2および請求項3の線材圧迫挟持形態による一方の掛かり部位と他方の掛かり部位の掛かり状態は、よりより堅固で解消し難いものとなる。すなわち、一方の掛かり部位、他方の掛かり部位が第1の連結パーツ、第2の連結パーツと線材通し孔の孔口の口縁で圧迫挟持された、すなわち動きの取れない挟持固定形態とされているので、掛かり部位19および掛かり部位20が孔口10、孔口12の口縁に、動きが取れない形態である外れ無い形態で確り掛かった状態で確り掛かった状態が形成されるので好ましい。
【0028】
<請求項5記載の発明の効果>
請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
第1の連結パーツへの一方側の連結ループを1回巻として第1の曲がり当接固定部位を1回巻形態とし、第2の連結パーツへの他方側の連結ループを1回巻として第2の曲がり当接固定部位を1回巻形態としたことによって、連結線材の第1の連結パーツおよび第2の連結パーツへの連結形態が摩擦の大きい解け難いものとなるので、連結固定形態がより堅固になるという効果を奏する。
【0029】
<請求項6記載の発明の効果>
請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
第1の連結パーツおよび第2の連結パーツの連結線材の連結が最低でも3本となり、一方側の線材出し部位および他方側の線材出し部位が圧迫挟持形態とされる場合は5本となり、且つ、第1の連結パーツおよび第2の連結パーツの連結線材の通りが2本通しであるので、引っ張り荷重に対する連結線材の強度が強化されるとともに、連結線材の第1の連結パーツおよび第2の連結パーツへの連結形態が解く摩擦の多い形態となるので、連結固定形態がより堅固になるという効果を奏する。
【0030】
<請求項7記載の発明の効果>
請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
第1の連結パーツと第2の連結パーツの間に複数の孔付連結物品が直接当接形態、あるいはワッシャ部材ないしクッション部材を挟んで連結線材によって締め付け連結されてなるものであるので、複数の複数の孔付連結物品同士が堅固に連結固定状態とされた装飾品を実現するという効果を奏する。
【0031】
<請求項8記載の発明の効果>
請求項1〜7のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
環部材入孔に鎖の一部ないし全部が入るので、連結線材による連結部位がかくれるとともに、金製の鎖など軟らかく変形し易い環パーツの鎖の場合、その変形を阻止して連結固定形態が保持されるようにできるという効果を奏する。
【0032】
<請求項9記載の発明の効果>
請求項1〜7のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
第2の連結パーツが全部収納されるバーツ収納孔が線材通し孔に連絡しても設けられてなる構成としたことにより、孔付連結物品を該孔付連結物品から第2の連結パーツが全部収納されて見えないエンドパーツにできるという効果を奏する。
<請求項10記載の発明の効果>
【0033】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
一方側の連結ループと第1の連結パーツおよび他方側の連結ループと第2の連結パーツあるいはいずれか一方が接着剤により接着され、あるいは線材通し孔内の連結線材が接着剤により接着したことによって、連結固定形態が保持力を強化することになるとともに、比較的軟らかな金属製線部材からなる連結線材による連結を可能とするという効果を奏する。
【0034】
<請求項11記載の発明の効果>
連結線材が非金属製線材、非鋼線剤の組紐、テグスなどの紐製線材であるとともに、一方側の連結ループと第1の連結パーツおよび他方側の連結ループと第2の連結パーツが接着剤により固着され、あるいは線材通し孔内の連結線材が接着剤により固着されてなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の装飾品の連結構造であるので、次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
連結線材が非金属製線材、非鋼線剤の組紐、テグスなどの紐製線材であっても、接着剤により固着されていることにより、紐製線材による第1の連結パーツ、孔付連結物品および第2の連結パーツが堅固に連結固定された形態とされるので、このような形態としても、請求項1の発明の効果で述べた(1)〜(6)と略同様な効果を奏する。
【0035】
<請求項12記載の発明の効果>
請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の装飾品の連結構造を有することを特徴とする装飾品であるので、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏する装飾品となるという効果を奏する。
【0036】
<請求項13記載の発明の効果>
装飾品がアクセサリー、アンクレット、イヤリング、エンゲージリング、チョーカー、ネックレス、バッジ、ピアス、ブレスレット、ブローチ、ペンダント、指輪、レイ、首飾り、記章、根付け、携帯ストラップ、ファッション小物、数珠、帯留め、髪飾り、ジュエリーなどの装身具であることを特徴とする請求項11に記載の装飾品であるので、請求項12に記載の発明と同様な効果を奏する。
【0037】
<請求項14記載の発明の効果>
金属製線材ないし鋼線からなる連結線材と、第1の連結パーツと、第2の連結パーツと、物品本体、この物品本体に貫通された前記連結線材が3本以上通りかつ前記第1の連結パーツおよび前記第2の連結パーツが通らない孔径である線材通し孔とからなる孔付連結物品とからなる装飾品の連結構造の形成方法であって、
(ア)前記連結線材が前記線材通し孔に、前記線材通し孔の一方の孔口側に一方側の連結ループが形成された形態とされ、前記線材通し孔の他方の孔口側に他方側の連結ループが形成された形態とされ、前記連結線材の一方側の線材出し部位が前記他方の孔口側から出された形態とされ、前記連結線材の他方側の線材出し部位が前記一方の孔口側から出された形態とされ、前記一方側の連結ループに前記第1の連結パーツが通されたパーツのループ通し形態とされ、前記他方側の連結ループに前記第2の連結パーツが通されたパーツのループ通し形態とされ、よって、前記線材通し孔への前記連結線材の通しが3本通し形態あるいはそれ以上の通し形態とする線材通しループ形成工程と、
(イ)前記一方側の線材出し部位を引きテンションをかけた状態での前記一方側の連結ループの引き締めによって、前記第1の連結パーツを前記物品本体に引きつけ前記連結線材が該第1の連結パーツに曲がり当接して、その曲がり当接状態が前記連結線材の硬性と前記線材通し孔内にある前記3本以上の該連結線材の該線材通し孔による広がり規制によって固定状態された第1の曲がり当接固定部位の形成工程と、
(ウ)前記他方側の線材出し部位を引きテンションをかけた状態での前記他方側の連結ループの引き締めによって、前記第2の連結パーツを前記物品本体に引きつけ前記連結線材が該第2の連結パーツに曲がり当接して、その曲がり当接状態が前記連結線材の硬性と前記線材通し孔内にある前記3本以上の該連結線材の該線材通し孔による広がり規制によって固定状態された第2の曲がり当接固定部位の形成工程と、
(エ)前記一方側の線材出し部位および前記他方側の線材出し部位にテンションを掛けて傾斜状態として、前記線材通し孔の前記一方の孔口の口縁に掛かる他方の掛かり部位を形成し、前記他方の孔口の口縁に掛かる一方の掛かり部位を形成して、前記前記一方側の線材出し部位および前記他方側の線材出し部位の余分な部位を除く掛かり部位の形成工程とからなるとともに、
前記他方の掛かり部位が前記一方の孔口の口縁と前記第2の連結パーツによって圧迫挟持形態とされ、前記一方の掛かり部位が前記他方の孔口の口縁と前記第1の連結パーツによって圧迫挟持形態とされるようにしたことを特徴とする装飾品の連結構造の形成方法であるので、請求項4に記載の発明と同様な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施例1の製作手順図。
【図2】図1の続き。
【図3】本発明の実施例1の拡大断面図および曲がり当接固定部位を切断した状態の拡大断面図。
【図4】本発明の実施例2の正面図切断断面図、部分拡大平面図および側面図切断断面図。
【図5】本発明の実施例3の断面図。
【図6】本発明の実施例3の断面図。
【図7】本発明の実施例4の断面図。
【図8】本発明の実施例5の正面図切断断面図および側面図切断断面図。
【図9】本発明の実施例6の正面図切断断面図および正面図。
【図10】本発明の実施例7の正面図切断断面図および正面図。
【図11】本発明の実施例8の断面図。
【図12】本発明の実施例9の断面図。
【図13】本発明の実施例10の正面図。
【図14】本発明の実施例11の正面図。
【図15】本発明の実施例12の正面図。
【図16】本発明の実施例13を示す従来技術の部分正面図、装飾品の部分正面図および他の装飾品の部分正面図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明を実施するための最良の形態である実施例について説明する。但し、本発明をこれら実施例のみに限定する趣旨のものではない。また、後述する実施例の説明に当って、前述した実施例の同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【実施例1】
【0040】
図1ないし図3に示す本発明の実施例1において1は装飾品であって、この装飾品1は次のような構成となっている。
ステンレス製鋼線材からなる連結線材2と、環パーツからなる連結パーツ3a〜3eを連結した鎖4と、環パーツからなる連結パーツ5a〜5eを連結した鎖6と、真珠玉からなる物品本体7、この物品本体7に貫通された連結線材2が3本以上通りかつ連結パーツ3aおよび連結パーツ5aが通らない孔径である線材通し孔8とからなる孔付連結物品9と、とからなるとともに、
(ア)図1の(c)図に示す形態である、連結線材2が線材通し孔8に、線材通し孔8の孔口10側に連結ループ11が形成された形態とされ、線材通し孔8の孔口12側に連結ループ13が形成された形態とされ、連結線材2の線材出し部位14が孔口12側から出された形態とされ、連結線材2の線材出し部位15が孔口10側から出された形態とされ、連結ループ11に連結パーツ3aが通されたパーツのループ通し形態とされ、連結ループ13に前記連結パーツ5aが通されたパーツのループ通し形態とされ、よって、線材通し孔8への連結線材2の通しが3本通し形態とされ、
(イ)図2の(e)図に示す形態である、線材出し部位14を引きテンションをかけた状態での連結ループ11の引き締めによって、連結パーツ3aを物品本体7に引きつけ連結線材2が該連結パーツ3aに曲がり当接して、その曲がり当接状態が連結線材2の硬性と線材通し孔8内にある3本以上の該連結線材2の該線材通し孔8による広がり規制によって固定状態された曲がり当接固定部位16とされ、
(ウ)図2の(e)図に示す形態である、線材出し部位15を引きテンションをかけた状態での連結ループ13の引き締めによって、連結パーツ5aを物品本体7に引きつけ連結線材2が該連結パーツ5aに曲がり当接して、その曲がり当接状態が連結線材2の硬性と線材通し孔8内にある前記3本の該連結線材2の該線材通し孔8による広がり規制によって固定状態された曲がり当接固定部位17とされ、
(エ)図2の(f)図に示す形態である、線材出し部位14および線材出し部位15の余分な部位を除き、
(オ)曲がり当接固定部位16および曲がり当接固定部位17によって、連結パーツ3aおよび連結パーツ5aが物品本体7に接着剤を用いない非接着形態で連結固定形態とされ、この連結固定形態によって、連結パーツ3aおよび連結パーツ5aに引っ張り荷重が加わっても連結固定形態が解除されることなく保持されるようにしてなる装飾品の連結構造18を有してなる構成となっている。
装飾品1は前記(エ)の線材出し部位14および線材出し部位15の余分な部位を除いた時点で形成される。
【0041】
(イ)および(ロ)のテンションの掛けは、線材出し部位14および線材出し部位15のそれぞれをペンチやニッパーで挟持し、外側に同時に引っ張りテンションをかけることにより行い、かつ、曲がり当接固定部位16および曲がり当接固定部位17も形成する。
この後、線材出し部位14および線材出し部位15の余分な部位をニッパーで切断し除くのであるが、このとき、ニッパーで線材出し部位14を切断しない程度に挟持して該線材出し部位14を引っ張り(テンションを掛け)孔口12の縁部位で外側に曲げて掛かり部位19を形成し孔口12の縁部位に掛かる該掛かり部位19を残して(バリ形態に形成されるものを含む)切断処理し、ニッパーで線材出し部位15を切断しない程度に挟持して該線材出し部位15を引っ張り(テンションを掛けな)孔口10の縁部位で外側に曲げて、該孔口10の縁部位にかかる掛かり部位20を形成し該掛かり部位20を残して(バリ形態に形成されるものを含む)切断処理する。
あるいは、ニッパーによる線材出し部位の切断による外側へのバリ状の突出部位を形成して、この突出部位が掛かり部位19、掛かり部位20とする形態もよい。
掛かり部位19、掛かり部位の縁掛かり抜け防止が強固ないし堅固であるためには、下記実施例2で述べている一方側の線材圧迫挟持形態および他方側の線材圧迫挟持形態とするのがよい。すなわち、掛かり部位19、掛かり部位20が連結パーツ3a、5aと孔口10、孔口12の口縁で圧迫挟持された動きの取れない挟持固定形態とされているので、掛かり部位19および掛かり部位20が孔口10、孔口12の口縁に、動きが取れない形態である外れ無い形態で確り掛かった状態が形成されている。
こうすることにより、装飾品の連結構造18の連結線材2のテンション強度を強め、曲がり当接固定部位16および曲がり当接固定部位17の連結パーツ3aおよび連結パーツ5aへの密着と引っ張りを強化するとともに、掛かり部位19および掛かり部位20の線材通し孔8の口縁への掛かりによって、テンション保持力および連結固定形態が強化されたものにしている。
また、図2の(c)〜(d)図の時点で、連結ループ11と連結パーツ3aを指などで摘み、連結ループ13と連結パーツ5aを指などで摘み、あるいはそれらに棒を通し、それぞれ逆方向に1〜2回ないしそれ以上回してねじり、線材通し孔8内にある連結線材2の三本をねじり重なった状態であるねじり重なり形態とするのがよい。こうすることにより、より連結固定形態を強固なものにできる。
【0042】
図3の(b)図に示すように、ニッパー等で曲がり当接固定部位16および曲がり当接固定部位17を切り離すことにより(線材通し孔8内の3本の連結線材部位は非接着であるのでどちらか一方の切断でもよい)、連結パーツ3aおよび連結パーツ5aから孔付連結物品9を切り離すことが簡単素早く行うことができる。
そして、新たな孔付連結物品9ないし他の孔付連結物品を新たな連結線材2で連結した連結固定形態を素早く容易に取り付けることができる。
線材通し孔8内の3本の連結線材部位は非接着とすることにより、曲がり当接固定部位16および曲がり当接固定部位17を切断することにより、線材通し孔8内の3本の連結線材も取り除くことができるので、孔付連結物品9が金、高価なダイヤなどの宝石の場合に、それらの再利用の上で有効である。
【0043】
ステンレス製鋼線材以外の、ピアノ線、バネ用鋼線、チタンおよびチタン合金線、オイルテンパー線、硬鋼線などの鋼線でもよい。
【0044】
曲がり当接固定部位16と連結パーツ3aおよび曲がり当接固定部位17と連結パーツ5aあるいはいずれか一方が接着剤(図示せず省略)により固着され、あるいは線材通し孔7内の3本の連結線材2が接着剤(流動性のよい瞬間接着剤がよい)により固着されてなる形態とするのも、連結固定形態をより堅固にするのでよい。
また、前記のように接着剤での固着形態を付加する形態においては、連結線材は鋼線より軟らかい金、プラチナなどの貴金属線材などの非鋼線金属線材、非金属線材である組紐、テグスなどの紐製線材(図示せず省略)あるいは組紐製線材(図示せず省略)とするのもよく、この場合、接着剤は組紐製線材に素早く浸透して固化する流動性のある瞬間接着剤とするのがよい。
特に、連結線材が組紐製線材であり、接着剤が前記組紐製線材に素早く浸透して固化する流動性のある瞬間接着剤であるとともに、前記瞬間接着剤の硬化によって組紐が棒状としたものがよい。
曲がり当接固定部位16および曲がり当接固定部位17を切断することにより、接着剤の接着力があっても、接着面積が小さいので孔付連結物品9から連結パーツ3aおよび連結パーツ5aは簡単に取り外すことができるが、接着剤を線材通し孔8に注入ないし流入させて該線材通し孔8内の連結線材を固着させる形態であるので、線材通し孔8内には連結線材が残る。したがって、取り外した孔付連結物品を新たな孔付連結物品としての再利用はできない。再利用するためには、ドリルで線材通し孔7を再生する、溶剤で接着剤を除去して線材通し孔7を再生しなければならない。
この接着剤の固着を使用した装飾品の連結構造は、孔付連結物品は損傷した場合は再利用しないで新品に変えるなど、安価な装飾品に使用するのが適している。
【0045】
装飾品1がアクセサリー、アンクレット、イヤリング、エンゲージリング、チョーカー、ネックレス、バッジ、ピアス、ブレスレット、ブローチ、ペンダント、指輪、レイ、首飾り、記章、根付け、携帯ストラップ、ファッション小物、数珠、帯留め、髪飾り、ジュエリーなどの装身具であるとするのもよい。
【0046】
前記連結ループ11に前記連結パーツ3aが通されたパーツのループ通し形態とされ、前記連結ループ13に前記連結パーツ5aが通されたパーツのループ通し形態とされ、よって、前記線材通し孔8への前記連結線材2の通しが3本通し形態とされ状態である図1の(c)図の状態にする手順は次のような方法がある。
(1)方法
連結線材2を線材通し孔8に一本通し状態とし、線材出し部位15を連結パーツ5aに通とおして該線材出し部位15を孔口12に挿入して孔口10から出し連結ループ13を形成し、線材出し部位14を連結パーツ3aに通とおして該線材出し部位14を孔口10に挿入して孔口12から出し連結ループ11を形成する。連結ループ11を先に形成し連結パーツ3aを先につける手順でもよい。
(2)方法
連結線材2を二つ折に曲げて連結ループ13を形成し、連結線材2の他方側を連結パーツ5aに通した状態にして、合わせ一対状態とした線材出し部位14、15を孔口12に挿入し孔口10から出し、線材出し部位14に連結パーツ3aを通して該線材出し部位14を孔口10に挿入して孔口12からだし連結ループ11を形成する。
先に連結パーツ3aを先に取り付け合わせ一対状態とした線材出し部位14、15を孔口10に挿入する手順とするのもよい。
【実施例2】
【0047】
図4に示す本発明の実施例2において前記実施例1と主に異なる点は、曲がり当接固定部位16の2箇所が孔8の孔口10の口縁の2箇所と連結パーツ3aの2箇所によって圧迫挟持されてなる一方側の線材圧迫挟持形態とされ、曲がり当接固定部位17の2箇所が孔口12の口縁の2箇所と連結パーツ5aの2箇所によって圧迫挟持されてなる他方側の線材圧迫挟持形態とされてなる装飾品の連結構造22を形成した点にある。
装飾品の連結構造22にあっては、真珠玉からなる物品本体7の孔口10、12の軟らかめの口縁に連結線材2の部位が押し付けられるので、連結線材2は孔口10、12の口縁部位を凹ませての凹ませ圧迫挟持形態とされる。この凹ませ圧迫挟持形態によって、連結線材2と孔口10、12の口縁部位との接触面積が大きくなりその摩擦抵抗も増大するので、連結線材2のテンションが弱り難くかつ連結線材2の移動および連結パーツ3a、5aへの圧接曲がりの規制がより強化されるので連結固定形態がより堅固にされる。
また、線材出し部位14、15も口縁、連結パーツおよび連結線材の当接曲がり部位によって圧迫挟持形態とされるので、この点でも、連結固定形態がより堅固にされる。
【0048】
図4の図(c)において、線材通し孔の口径は0.7mmであり、連結パーツ3a、5aの線径は1.1mmと線材通し孔8(0.7mm)より太く、連結線材の線径は0.25mmを使用している。
線材出し部位14、15(図示せず省略)の引っ張りテンションかけによって、連結パーツ3aおよび連結パーツ5aは孔付連結物品9に引き付けられ、連結パーツ3a、5aの線径は1.1mmと線材通し孔8(0.7mm)より太いことから、その引っ張りテンションによって曲がり当接固定部位16、17の根本部位は連結パーツ3a、5aと孔口10、12の口縁に抑え付けられて強制的にその部位が内側に押し込まれて線材括れ部位40、線材括れ部位41(図示せず省略)が形成される。
また、線材出し部位14、15を45度程傾けたままテンションを掛け、その傾きの状態で可能な限り孔付連結物品9に近接した箇所をニッパーで切断し、その傾け近接切断よって、孔口10、12の口縁に掛かる該縁より外側に僅かに突出したバリ的な掛顎形態の掛かり部位19(図示せず省略)、掛かり部位20が形成される。掛かり部位19、掛かり部位20、線材括れ部位40および線材括れ部位41によって、装飾品の連結構造20は解けることなく堅固にその連結を保持することを可能としている。
線材括れ部位の形成は、線材通し孔と連結パーツの間に形成する隙間が無いか、連結線材の線径より狭ければよい。
しかるに、0.7mmの孔には0.25mmの線材は最大で5本通すことが可能である。線材通し孔を0.75mm〜0.8mmとし連結線材を0.25mmのステンレス鋼線材とすることで、5本の連結線材をたやすく通すことが可能である。
【0049】
この実施例2は以下に述べる、
金属製線材ないし鋼線からなる連結線材と、第1の連結パーツと、第2の連結パーツと、物品本体、この物品本体に貫通された前記連結線材が3本以上通りかつ前記第1の連結パーツおよび前記第2の連結パーツが通らない孔径である線材通し孔とからなる孔付連結物品とからなる装飾品の連結構造の形成方法であって、
(ア)前記連結線材が前記線材通し孔に、前記線材通し孔の一方の孔口側に一方側の連結ループが形成された形態とされ、前記線材通し孔の他方の孔口側に他方側の連結ループが形成された形態とされ、前記連結線材の一方側の線材出し部位が前記他方の孔口側から出された形態とされ、前記連結線材の他方側の線材出し部位が前記一方の孔口側から出された形態とされ、前記一方側の連結ループに前記第1の連結パーツが通されたパーツのループ通し形態とされ、前記他方側の連結ループに前記第2の連結パーツが通されたパーツのループ通し形態とされ、よって、前記線材通し孔への前記連結線材の通しが3本通し形態あるいはそれ以上の通し形態とする線材通しループ形成工程と、
(イ)前記一方側の線材出し部位を引きテンションをかけた状態での前記一方側の連結ループの引き締めによって、前記第1の連結パーツを前記物品本体に引きつけ前記連結線材が該第1の連結パーツに曲がり当接して、その曲がり当接状態が前記連結線材の硬性と前記線材通し孔内にある前記3本以上の該連結線材の該線材通し孔による広がり規制によって固定状態された第1の曲がり当接固定部位の形成工程と、
(ウ)前記他方側の線材出し部位を引きテンションをかけた状態での前記他方側の連結ループの引き締めによって、前記第2の連結パーツを前記物品本体に引きつけ前記連結線材が該第2の連結パーツに曲がり当接して、その曲がり当接状態が前記連結線材の硬性と前記線材通し孔内にある前記3本以上の該連結線材の該線材通し孔による広がり規制によって固定状態された第2の曲がり当接固定部位の形成工程と、
(エ)前記一方側の線材出し部位および前記他方側の線材出し部位にテンションを掛けて傾斜状態として、前記線材通し孔の前記一方の孔口の口縁に掛かる他方の掛かり部位を形成し、前記他方の孔口の口縁に掛かる一方の掛かり部位を形成して、前記前記一方側の線材出し部位および前記他方側の線材出し部位の余分な部位を除く掛かり部位の形成工程とからなるとともに、
前記他方の掛かり部位が前記一方の孔口の口縁と前記第2の連結パーツによって圧迫挟持形態とされ、前記一方の掛かり部位が前記他方の孔口の口縁と前記第1の連結パーツによって圧迫挟持形態とされるようにしたことを特徴とする装飾品の連結構造の形成方法、
を実現しているものである。
【実施例3】
【0050】
図5、6に示す本発明の実施例3において前記実施例1と主に異なる点は、連結パーツ3aへの連結ループを1回巻とした連結ループ27によって1回巻形態の曲がり当接固定部位24を形成し、連結パーツ5aへの連結ループを1回巻とした連結ループ28によって1回巻形態の曲がり当接固定部位25を形成してなる装飾品の連結構造26を形成した点にある。
【実施例4】
【0051】
図7に示す本発明の実施例4において前記実施例1と主に異なる点は、物品本体7の線材通し孔8に連絡した、連結パーツ3a、連結パーツ5aの一部ないし全部が(図では一部)入る環部材入孔30、31を設けてなる装飾品の連結構造32を有してなる装飾品33を形成した点にある。
【実施例5】
【0052】
図8に示す本発明の実施例5において前記実施例1と主に異なる点は、連結パーツ5aに替えて単体リングからなる連結パーツ35(U字形状のもの、連結線材が嵌る凹み部位を有するものなどでもよい)に変え、孔付連結物品を、連結パーツ35が全部収納されるバーツ収納孔36が線材通し孔8に連絡してなる付連結物品38とした、装飾品37を形成した点にある。
付連結物品を該孔付連結物品から第2の連結パーツが全部収納されて見えないエンドパーツとした装飾品を形成できる。
【0053】
さらに、一方側の線材圧迫挟持形態の部位と他方側の線材圧迫挟持形態の部位にあって、孔口10、12の口縁に当る連結線材2の縁当り部位が、曲がり当接固定部位16、17の外径外面位置よりも内側に位置することにより折れ曲がった線材括れ部位40、41を形成してなる装飾品の連結構造42を形成している。
【実施例6】
【0054】
図9に示す本発明の実施例6において前記実施例5と主に異なる点は、連結パーツ3aと付連結物品38の間に物品本体47に紐通し孔8と同径の紐通し孔44を有する付連結物品45を設け、その装飾品の連結構造42によって付連結物品38と孔付連結物品45を締め付け連結してなる装飾品46を形成した点にある。
連結パーツ3aは孔付連結物品45の紐通し孔44の孔口10に引き付け当接された形態で連結されている。
連結パーツ3a、孔付連結物品45および孔付連結物品9は装飾品の連結構造42によって一体化され、振れは連結パーツ3aと連結パーツ3bにおいての振れ動作となり、連結パーツ3a、孔付連結物品45および孔付連結物品9の接合連結部位は当接固定形態とされて動くことはない。
【実施例7】
【0055】
図10に示す本発明の実施例7において前記実施例1と主に異なる点は、付連結物品9の両側に付連結物品45、45を1個ずつ配置した付連結物品の3個連結一体化形態とした装飾品49を形成した点にある。
【実施例8】
【0056】
図11に示す本発明の実施例8において前記実施例1と主に異なる点は、連結ループ13、15を形成した状態から、線材出し部位14を第1の連結パーツ5aに通して線材通し孔8に通して、連結ループ13に加えて連結ループを形成し、線材出し部位15を連結パーツ3aに通して線材通し孔8に通して、連結ループ11に加えて連結ループが形成を形成し、それによって、連結線材2を締め付けテンション状態にした形態では、曲がり当接固定部位16、17に加えて曲がり当接固定部位51、52を形成した二重線材形態とし、線材通し孔8への連結線材2が5本通った5本通り形態とした連結構造を装飾品の連結構造53としてなる装飾品54を形成した点にある。
すなわち、連結線材2の連結パーツ3aおよび連結パーツ5aへの曲がり当接固定部位の二重線材形態と、線材通し孔8への連結線材2が5本通った5本通り形態となるので、引っ張り強度が強化され連結固定形態もより強固なものとなる。
【実施例9】
【0057】
図12に示す本発明の実施例9において前記実施例1と主に異なる点は、連結パーツ5aを大きめなリング部材からなる連結パーツ56に変えてなる装飾品57を形成した点にある。
【実施例10】
【0058】
図13に示す本発明の実施例10において前記実施例1と主に異なる点は、装飾品1の部位を多数連結してなる装飾品59を形成した点にある。(上図)
また、連結する2個の孔付連結物品9の間とその両側に線材通し孔(図示せず省略)を有する円盤飾り60、60、60を一区切りとして、それを3つ連結してなる装飾品61を形成した点にある。(下図)
【実施例11】
【0059】
図14に示す本発明の実施例11において前記実施例1と主に異なる点は、連結パーツをブレスレット用開閉リング部材からなる連結パーツ64を一つと、小リング部材からなる連結パーツ65とし、連結パーツ64と連結パーツ65の間に2個の孔付連結物品9を直接当接形態で締め付け連結固定状態としたものを9箇所に、外側に放射状に設けてなる装飾品66を形成した点にある。
連結パーツ64が断面が四角形ないし他の多角形である角材であるもがよい。こうすることにより、孔付連結物品9、9の向きが変わらないようにした装飾品とすることができる。
【実施例12】
【0060】
図15に示す本発明の実施例12において前記実施例1と主に異なる点は、連結パーツをステンレス製鋼線、メッキ鋼線からなる連結パーツ68、69とし、その間に孔付連結物品9を一個位置させて装飾品の連結構造8によって連結固定してなるものを多数並べ設けてなる装飾品70を形成した点にある。(左図)
また、連結パーツ68、69の間に(孔付連結物品9−孔付連結物品71−孔付連結物品9)の連結形態としたものを装飾品の連結構造8によって間隔をあけて多数設け、連結パーツ68、69の外側に孔付連結物品72を連結パーツ65の装飾品の連結構造8によって間隔をあけて多数設けてなる装飾品73を多数形成した点にある。(右図)
【実施例13】
【0061】
図16に示す本発明の実施例13において、図16の図(b)に示すものは装飾品の連結構造18を有するネックレスである装飾品75であり、図16の図(c)に示すものはネックレスである装飾品76の連結構造18を有する装飾品76である。
【0062】
図16の図(b)に示すネックレスである装飾品75は、その着脱連結部77が、プレート形態のプレート本体78に掛け孔79、80を有するプレートパーツ81と、リング本体82に掛け孔80に着脱自在形態で連結される、指掛け83に掛けた指で開閉する開閉掛けピン84を有し、その反対側外面に閉じ環85を有してなる引き環86とからなっている。
掛け孔79には端部が熔接などで完全閉じ形態の環部材である閉じ環からなる連結パーツ87が取り付けられ、連結パーツ87と鎖4の端環である連結パーツ3aとがその間に略2mmから3mm径の真珠玉、金属玉、ガラス玉などの孔付き連結物品88を0.25mmのステンレス鋼線の連結線材2aによる装飾品の連結構造18によって連結されている。
閉じ環85には端部が熔接などで完全閉じ形態の環部材である閉じ環からなる連結パーツ89が取り付けられ、連結パーツ89と鎖6の端環である連結パーツ5aとがその間に略2mmから3mm径の真珠玉、金属玉、ガラス玉などの孔付き連結物品90を0.25mmのステンレス鋼線の連結線材2aによる装飾品の連結構造18によって連結されている。
【0063】
図16の図(c)に示すネックレスである装飾品76は、前記装飾品75構成にあって、閉じ環87、89を設け介さない連結構造としたものである。
すなわち、プレート本体78を連結パーツとして、該連結パーツであるプレート本体78と連結パーツ3aとが孔付き連結物品88よる装飾品の連結構造18によって連結している。
また、閉じ環85を連結パーツとして、該連結パーツである閉じ環85と連結パーツ5aとが孔付き連結物品90よる装飾品の連結構造18によって連結されている。
【0064】
図16の図(a)に示すネックレスである装飾品91は、鎖4、6との連結を両端が接続されない非閉じ環92、93を介してプレートパーツ81、引き環86を連結してなるものである。
すなわち、着脱連結部77の部位が全部貴金属製部材になってしまうので、アクセントのある美感を形成できないものであった。
これに対して、本発明の実施例である装飾品75、76は、美感を起こさせるアクセントとなる真珠玉などを有する装身具を実現することを可能としている。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、装飾品を製造販売する産業、装身具を製造販売する産業で利用される。
【符号の説明】
【0066】
1:装飾品、
2、2a、2b:連結線材、
3a〜3n:連結パーツ、
4:鎖、
5a〜5n:連結パーツ、
6:鎖、
7:物品本体、
8:線材通し孔、
9:孔付連結物品、
10:孔口、
11:連結ループ、
12:孔口、
13:連結ループ、
14:線材出し部位、
15:線材出し部位、
16:曲がり当接固定部位、
17:曲がり当接固定部位、
18:装飾品の連結構造、
19:掛かり部位、
20:掛かり部位、
22:装飾品の連結構造、
24:曲がり当接固定部位、
25:曲がり当接固定部位、
26:装飾品の連結構造、
27:連結ループ、
28:連結ループ28、
30:環部材入孔、
31:環部材入孔、
32:装飾品の連結構造、
33:装飾品、
35:連結パーツ、
36:バーツ収納孔、
37:装飾品、
38:付連結物品、
40:線材括れ部位、
41:線材括れ部位、
42:装飾品の連結構造、
44:紐通し孔、
45:孔5付連結物品、
46:装飾品、
47:物品本体、
49:装飾品、
51:曲がり当接固定部位、
52:曲がり当接固定部位、
53:装飾品の連結構造、
54:装飾品、
56:連結パーツ、
57:装飾品、
59:装飾品、
61:円盤飾り、
62:装飾品、
64:連結パーツ、
65:連結パーツ、
66:装飾品、
68:連結パーツ、
69:連結パーツ、
70:装飾品、
71:孔付連結物品、
72:装飾品、
73:装飾品、
75:装飾品、
76:装飾品、
77:着脱連結部、
78:プレート本体、
79:掛け孔、
80:掛け孔、
81:プレートパーツ、
82:リング本体、
83:指掛け、
84:開閉掛けピン、
85:閉じ環、
86:引き環、
87:連結パーツ、
88:連結物品、
89:連結パーツ、
90:孔付き連結物品。
91:装飾品、
92:非閉じ環、
93:非閉じ環。





























【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製線材ないし鋼線からなる連結線材と、第1の連結パーツと、第2の連結パーツと、物品本体、この物品本体に貫通された前記連結線材が3本以上通りかつ前記第1の連結パーツおよび前記第2の連結パーツが通らない孔径である線材通し孔とからなる孔付連結物品と、とからなるとともに、
(ア)前記連結線材が前記線材通し孔に、前記線材通し孔の一方の孔口側に一方側の連結ループが形成された形態とされ、前記線材通し孔の他方の孔口側に他方側の連結ループが形成された形態とされ、前記連結線材の一方側の線材出し部位が前記他方の孔口側から出された形態とされ、前記連結線材の他方側の線材出し部位が前記一方の孔口側から出された形態とされ、前記一方側の連結ループに前記第1の連結パーツが通されたパーツのループ通し形態とされ、前記他方側の連結ループに前記第2の連結パーツが通されたパーツのループ通し形態とされ、よって、前記線材通し孔への前記連結線材の通しが3本通し形態あるいはそれ以上の通し形態とされ、
(イ)前記一方側の線材出し部位を引きテンションをかけた状態での前記一方側の連結ループの引き締めによって、前記第1の連結パーツを前記物品本体に引きつけ前記連結線材が該第1の連結パーツに曲がり当接して、その曲がり当接状態が前記連結線材の硬性と前記線材通し孔内にある前記3本以上の該連結線材の該線材通し孔による広がり規制によって固定状態された第1の曲がり当接固定部位とされ、
(ウ)前記他方側の線材出し部位を引きテンションをかけた状態での前記他方側の連結ループの引き締めによって、前記第2の連結パーツを前記物品本体に引きつけ前記連結線材が該第2の連結パーツに曲がり当接して、その曲がり当接状態が前記連結線材の硬性と前記線材通し孔内にある前記3本以上の該連結線材の該線材通し孔による広がり規制によって固定状態された第2の曲がり当接固定部位とされ、
(エ)前記一方側の線材出し部位および前記他方側の線材出し部位の余分な部位を除き、
(オ)前記第1の曲がり当接固定部位および前記第2の曲がり当接固定部位によって、前記第1の連結パーツおよび前記第2の連結パーツが前記物品本体に接着剤を用いない非接着形態で連結固定形態とされ、この連結固定形態によって、前記第1の連結パーツおよび前記第2の連結パーツに引っ張り荷重が加わっても前記連結固定形態が解除されることなく保持されるようにしてなることを特徴とする装飾品の連結構造。
【請求項2】
第1の曲がり当接固定部位の2箇所が線材通し孔の一方側口縁の2箇所と第1の連結パーツの2箇所によって圧迫挟持されてなる一方側の線材圧迫挟持形態とされ、第2の曲がり当接固定部位の2箇所が線材通し孔の他方側口縁の2箇所と第2の連結パーツの2箇所によって圧迫挟持されてなる他方側の線材圧迫挟持形態とされてなることを特徴とする請求項1に記載の装飾品の連結構造。
【請求項3】
一方側の線材圧迫挟持形態の部位とあるいは他方側の線材圧迫挟持形態の部位にあって、一方側口縁あるいは他方側口縁に当る連結線材の縁当り部位が、第1の曲がり当接固定部位あるいは第2の曲がり当接固定部位の外径外面位置よりも内側に位置することにより折れ曲がった線材括れ部位を形成してなることを特徴とする請求項2に記載の装飾品の連結構造。
【請求項4】
一方側の線材出し部位および他方側の線材出し部位の余分な部位を除いた状態において、前記一方側の線材出し部位があった側の連結線材部位に他方の孔口の口縁に掛かる一方の掛かり部位が形成され、前記他方側の線材出し部位があった側の前記連結線材部位に一方の孔口の口縁に掛かる他方の掛かり部位が形成されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装飾品の連結構造。
【請求項5】
第1の連結パーツへの一方側の連結ループを1回巻として第1の曲がり当接固定部位を1回巻形態とし、第2の連結パーツへの他方側の連結ループを1回巻として第2の曲がり当接固定部位を1回巻形態としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の装飾品の連結構造。
【請求項6】
一方側の連結ループを一方側の第1の連結ループとし、他方側の連結ループを他方側の第1の連結ループとし、
一方側の線材出し部位を第1の連結パーツに通して線材通し孔に通して、一方側の第1の連結ループに加えて一方側の第2の連結ループが形成され、
他方側の線材出し部位を第2の連結パーツに通して線材通し孔に通して、他方側の第1の連結ループに加えて他方側の第2の連結ループが形成され、
前記線材通し孔への前記連結線材が5本通った5本通り形態としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の装飾品の連結構造。
【請求項7】
第1の連結パーツと第2の連結パーツの間に複数の孔付連結物品が直接当接形態、あるいはワッシャ部材ないしクッション部材を挟んで連結線材によって締め付け連結されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の装飾品の連結構造。
【請求項8】
第1の連結パーツおよび第2の連結パーツあるいは一方が環パーツ連結形態の鎖であり、物品本体の一方側および他方側あるいはいずれか一方に線材通し孔に連絡した、前記第1の連結パーツおよび前記第2の連結パーツあるいはいずれか一方の連結パーツの一部ないし全部が入る環部材入孔を設けてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の装飾品の連結構造。
【請求項9】
第2の連結パーツが全部収納されるバーツ収納孔が線材通し孔に連絡しても設けられてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の装飾品の連結構造。
【請求項10】
第1の曲がり当接固定部位と第1の連結パーツおよび第2の曲がり当接固定部位と第2の連結パーツあるいはいずれか一方が接着剤により固着され、あるいは線材通し孔内の連結線材が接着剤により固着されてなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の装飾品の連結構造。
【請求項11】
連結線材が非金属製線材、非鋼線剤の組紐、テグスなどの紐製線材であるとともに、一方側の連結ループと第1の連結パーツおよび他方側の連結ループと第2の連結パーツが接着剤により固着され、あるいは線材通し孔内の連結線材が接着剤により固着されてなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の装飾品の連結構造。
【請求項12】
請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の装飾品の連結構造を有することを特徴とする装飾品。
【請求項13】
装飾品がアクセサリー、アンクレット、イヤリング、エンゲージリング、チョーカー、ネックレス、バッジ、ピアス、ブレスレット、ブローチ、ペンダント、指輪、レイ、首飾り、記章、根付け、携帯ストラップ、ファッション小物、数珠、帯留め、髪飾り、ジュエリーなどの装身具であることを特徴とする請求項12に記載の装飾品。
【請求項14】
金属製線材ないし鋼線からなる連結線材と、第1の連結パーツと、第2の連結パーツと、物品本体、この物品本体に貫通された前記連結線材が3本以上通りかつ前記第1の連結パーツおよび前記第2の連結パーツが通らない孔径である線材通し孔とからなる孔付連結物品とからなる装飾品の連結構造の形成方法であって、
(ア)前記連結線材が前記線材通し孔に、前記線材通し孔の一方の孔口側に一方側の連結ループが形成された形態とされ、前記線材通し孔の他方の孔口側に他方側の連結ループが形成された形態とされ、前記連結線材の一方側の線材出し部位が前記他方の孔口側から出された形態とされ、前記連結線材の他方側の線材出し部位が前記一方の孔口側から出された形態とされ、前記一方側の連結ループに前記第1の連結パーツが通されたパーツのループ通し形態とされ、前記他方側の連結ループに前記第2の連結パーツが通されたパーツのループ通し形態とされ、よって、前記線材通し孔への前記連結線材の通しが3本通し形態あるいはそれ以上の通し形態とする線材通しループ形成工程と、
(イ)前記一方側の線材出し部位を引きテンションをかけた状態での前記一方側の連結ループの引き締めによって、前記第1の連結パーツを前記物品本体に引きつけ前記連結線材が該第1の連結パーツに曲がり当接して、その曲がり当接状態が前記連結線材の硬性と前記線材通し孔内にある前記3本以上の該連結線材の該線材通し孔による広がり規制によって固定状態された第1の曲がり当接固定部位の形成工程と、
(ウ)前記他方側の線材出し部位を引きテンションをかけた状態での前記他方側の連結ループの引き締めによって、前記第2の連結パーツを前記物品本体に引きつけ前記連結線材が該第2の連結パーツに曲がり当接して、その曲がり当接状態が前記連結線材の硬性と前記線材通し孔内にある前記3本以上の該連結線材の該線材通し孔による広がり規制によって固定状態された第2の曲がり当接固定部位の形成工程と、
(エ)前記一方側の線材出し部位および前記他方側の線材出し部位にテンションを掛けて傾斜状態として、前記線材通し孔の前記一方の孔口の口縁に掛かる他方の掛かり部位を形成し、前記他方の孔口の口縁に掛かる一方の掛かり部位を形成して、前記前記一方側の線材出し部位および前記他方側の線材出し部位の余分な部位を除く掛かり部位の形成工程とからなるとともに、
前記他方の掛かり部位が前記一方の孔口の口縁と前記第2の連結パーツによって圧迫挟持形態とされ、前記一方の掛かり部位が前記他方の孔口の口縁と前記第1の連結パーツによって圧迫挟持形態とされるようにしたことを特徴とする装飾品の連結構造の形成方法。







【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−90849(P2013−90849A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235353(P2011−235353)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000212599)
【出願人】(511259555)
【Fターム(参考)】