説明

装飾品用輪ゴム留め具

【課題】かしめ作業が不要で容易に輪ゴムを装着することができると共に、装飾品の装飾性を損なうことがない装飾品用輪ゴム留め具を提供すること。
【解決手段】装飾品1に輪ゴム2を留める装飾品用輪ゴム留め具3であって、装飾品1に固定されるベース部4と、ベース部4から突出して設けられ、輪ゴム2を係止可能な係止空間部8と輪ゴム2を係止空間部8に挿入可能な挿入隙間部9とを有する3つの係止爪5,6,7と、を備え、3つの係止爪5,6,7は、係止空間部8が略同一直線状に配置されるように互いに離間してベース部4に設けられ、係止爪5,7の挿入隙間部9と係止爪5,7に隣接する他の係止爪6の挿入隙間部9とは、係止空間部8に係止される輪ゴム2の太さ方向における一端2a側と他端2b側とに交互に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装飾品に輪ゴムを留める装飾品用輪ゴム留め具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、髪の毛を束ねて留める装飾品(髪留め)のうち、輪ゴムを装着されるものが知られている。この輪ゴムは、「ヘアーゴム」と称されていることが多い。ヘアーゴムは、髪の毛を束ねて留めるために、所定の弾性を有する環状のゴム紐等で構成されている。近年においては、結び目や繋ぎ目のないヘアーゴムが提供されている。また、装飾品は、例えば、合成樹脂、皮革、金属等によって、動植物、アニメ等のキャラクターや幾何学模様等、種々の装飾形状に構成されている。
【0003】
輪ゴムを留める手段として、例えば、特許文献1に記載の従来技術が提供されている。この特許文献1には、「止め本体と、この止め本体に設けられて輪ゴムをそれぞれ挿通できる2個の孔と、前記止め本体に設けられて前記止め本体の外部から前記各孔にそれぞれ前記輪ゴムを挿入できる2個の割目とを備える輪ゴム用止め具」が開示されている。
【0004】
また、ヘアーゴム(輪ゴム)を装飾品に留める他の手段として、装飾品の背面等に設けられた金属薄板からなる爪部材や、装飾品の背面等に設けられたスリット付きの金属製パイプ部材等が知られている。
【0005】
このような爪部材によってヘアーゴムを留める場合、爪部材にヘアーゴムを挟んだ後に、この爪部材をペンチ等の圧縮工具でかしめて固定していた。また、前記パイプ部材によってヘアーゴムを留める場合、パイプ部材のスリットからパイプ部材の内部にヘアーゴムを通した後、このパイプ部材をペンチ等の圧縮工具でかしめて固定していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭63−67461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ヘアーゴムは、様々な色や模様等を有するものが提供されている。そのため、装飾品に装着されているヘアーゴムを取り外し、別のヘアーゴムに取り替えて使用することで、装飾性の変化を楽しみたいと望むユーザーも多い。また、ヘアーゴムが劣化等により切断等した場合にも、新規なヘアーゴムを装飾品に装着する必要がある。
【0008】
上記特許文献1に記載の技術は、輪ゴムを挿入する孔と割目とを止め本体に備えているので、ユーザーは、止め本体の外部から輪ゴムを容易に装着することができる。
しかし、輪ゴムの一部が止め本体の表面に露出するので、装飾性が損なわれる虞がある。また、止め本体に孔と割目が設けられているので、止め本体を装飾品として用いる場合には、この孔と割目によって装飾性が損なわれる虞がある。そのため、上記特許文献1に記載の技術を、装飾品に対するヘアーゴムの留め具として適用するのは困難である。
【0009】
また、前記爪部材や前記パイプ部材によってヘアーゴムを装飾品に留める場合には、ペンチ等の圧縮工具を用いたかしめ作業が必要となるため、一般のユーザーがこのような作業をするのは容易ではない。
【0010】
また、ヘアーゴムを交換する際には、かしめた爪部材やパイプ部材を、かしめる前の状態に曲げ戻した後に、新規なヘアーゴムを通し、爪部材やパイプ部材を再びかしめ直す必要がある。そのため、このような交換作業(かしめ直し作業)を何度か繰り返すと、爪部材等が金属疲労により破損してしまい、ヘアーゴムを固定できなくなる虞があった。
【0011】
また、前述の問題点は、髪留め等の装飾品以外の装飾品(例えば、ブレスレット等)においても同様に発生する場合がある。
【0012】
そのため、かしめ作業が不要で容易に輪ゴムを装着することができると共に、装飾品の装飾性を損なうことがない装飾品用輪ゴム留め具が望まれていた。
【0013】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、かしめ作業が不要で容易に輪ゴムを装着することができると共に、装飾品の装飾性を損なうことがない装飾品用輪ゴム留め具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、装飾品に輪ゴムを留める装飾品用輪ゴム留め具であって、前記装飾品に固定されるベース部と、前記ベース部から突出して設けられ、前記輪ゴムを係止可能な係止空間部と前記輪ゴムを該係止空間部に挿入可能な挿入隙間部とを有する複数の係止爪と、を備え、前記複数の係止爪は、前記係止空間部が略同一直線状に配置されるように互いに離間して前記ベース部に設けられ、前記係止爪の前記挿入隙間部と該係止爪に隣接する他の前記係止爪の前記挿入隙間部とは、前記係止空間部に係止される前記輪ゴムの太さ方向における一端側と他端側とに交互に配置される装飾品用輪ゴム留め具に関する。
【0015】
また、前記挿入隙間部は、伸長していない状態の前記輪ゴムの太さよりも小さい隙間寸法に形成されていることが好ましい。
【0016】
また、前記複数の係止爪のうち両端に位置する係止爪から更に外側に離間して配置されるように前記ベース部から突出して設けられ、前記輪ゴムを係止可能な係止空間部と前記輪ゴムを該係止空間部に挿入可能な挿入隙間部とを有する補助係止爪を備え、前記補助係止爪の前記挿入隙間部と該補助係止爪に隣接する前記係止爪の前記挿入隙間部とは、前記係止空間部に係止される前記輪ゴムの太さ方向における一端側と他端側とにそれぞれ配置されることが好ましい。
【0017】
また、前記ベース部は、前記装飾品の一部として該装飾品の背面に一体に設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、かしめ作業が不要で容易に輪ゴムを装着することができると共に、装飾品の装飾性を損なうことがない装飾品用輪ゴム留め具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態の装飾品用輪ゴム留め具3を示す斜視図である。
【図2】ベース部側から視た装飾品用輪ゴム留め具3を示す斜視図である。
【図3】装飾品用輪ゴム留め具3を示す正面図である。
【図4】装飾品用輪ゴム留め具3を示す平面図である。
【図5】装飾品用輪ゴム留め具3を示す側面図である。
【図6】装飾品用輪ゴム留め具3をコンチョに適用した例を示す斜視図である。
【図7】(a)から(f)は、装飾品用輪ゴム留め具3に輪ゴム2を装着する過程を示す図である。
【図8】(a)から(d)は、本発明の第2実施形態の装飾品用輪ゴム留め具10を示す図である。
【図9】本発明の第3実施形態の装飾品用輪ゴム留め具20を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
〔第1実施形態〕
以下に、本発明の第1実施形態について図1から図6を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の装飾品用輪ゴム留め具3を示す斜視図である。図2は、ベース部側から視た装飾品用輪ゴム留め具3を示す斜視図である。図3は、装飾品用輪ゴム留め具3を示す正面図である。図4は、装飾品用輪ゴム留め具3を示す平面図である。図5は、装飾品用輪ゴム留め具3を示す側面図である。図6は、装飾品用輪ゴム留め具3をコンチョに適用した例を示す斜視図である。
【0021】
図1から図5に示すように、装飾品用輪ゴム留め具3は、髪留め等の装飾品1(図6参照)に輪ゴム2を留める部材である。装飾品1は、例えば、合成樹脂、皮革、金属等によって、動植物、アニメ等のキャラクターや幾何学模様等、種々の装飾形状に構成されている。本実施形態においては、髪留めに用いる装飾品1として、図6に示すように、コンチョ(concho)を例示している。
【0022】
なお、コンチョとは、コイン等の金属製の円板をドーム型に曲げ加工することによって作製された飾りボタン等の装飾品をいう。このようなコンチョは、財布や鞄、洋服のボタンやアクセサリーの部品として使われていることが多い。
【0023】
本実施形態の輪ゴム2は、いわゆる「ヘアーゴム」であり、髪の毛を束ねて留めるために、所定の弾性を有する環状のゴム紐等で構成されている。輪ゴム2は、結び目や繋ぎ目がない(目立たない)ように構成されている。
【0024】
図1から図5に示すように、本実施形態の装飾品用輪ゴム留め具3は、ベース部4と、係止爪5,6,7と、を備える。装飾品用輪ゴム留め具3は、例えば、金属材料により構成されている。具体的には、装飾品1としての前記コンチョと同一の金属材料(例えば、銀)で構成されている。
【0025】
ベース部4は、装飾品1の背面に固定される部分である。ベース部4は、例えば、平面視「く」字状の薄板部材として構成されている。このベース部4は、図6に示すように、装飾品1の一部として装飾品1の背面に一体に設けられている。
【0026】
係止爪5,6,7は、ベース部4から突出して設けられている。具体的には、係止爪5,6,7は、側面視略「C」字状の薄板部材から構成され、係止空間部8及び挿入隙間部9を有する。
【0027】
係止空間部8は、図5に示すように、輪ゴム2を係止可能な側面視略円形の空間として形成されている。係止空間部8は、伸長していない状態の輪ゴム2の太さ(図6に示す直径D)よりも小さい内径L1に形成されている。つまり、係止空間部8内に位置する輪ゴム2は、圧縮された状態で係止爪5,6,7と当接するようになっている。
【0028】
挿入隙間部9は、係止空間部8に連通して設けられ、輪ゴム2を係止空間部8に挿入可能に構成されている。挿入隙間部9は、図3に示すように、伸長していない状態の輪ゴム2の太さ(図6に示す直径D)よりも小さい隙間寸法L2に形成されている。つまり、係止空間部8に係止された輪ゴム2が、挿入隙間部9を介して係止空間部8の外部に容易に脱落しないように構成されている。
【0029】
このように構成された係止爪5は、ベース部4の一端から突出して設けられている。また、係止爪6は、ベース部4の中央から突出して設けられている。係止爪7は、ベース部4の他端から突出して設けられている。
【0030】
また、係止爪5,6,7は、係止空間部8が略同一直線状に配置されるように互いに離間してベース部4に設けられている。図3に示すように、係止爪5と係止爪6の隙間寸法(配置間隔)L3及び係止爪6と係止爪7の隙間寸法(配置間隔)L3は、同一であり、かつ、伸長していない状態の輪ゴム2の太さ(図6に示す直径D)よりも小さく形成されている。
【0031】
図6に示すように、係止爪5,7の挿入隙間部9と係止爪6の挿入隙間部9とは、係止空間部8に係止される輪ゴム2の太さ方向における一端2a側と他端2b側とに交互に配置される。つまり、係止爪5,7及び係止爪6は、輪ゴム2の太さ方向における一端2a側と他端2b側とから輪ゴム2を挟むことができるように、ベース部4に配置されている。
【0032】
また、係止爪5,6,7の角部及びベース部4の角部であって、輪ゴム2が当接する箇所には、適宜、面取りが施されている。これにより、係止爪5,6,7に対する輪ゴム2の着脱時に輪ゴム2が傷つくことを抑制する。
【0033】
次に、装飾品1に設けられた装飾品用輪ゴム留め具3(図6参照)に輪ゴム2を装着する方法について、図7(a)から(f)を参照しながら説明する。図7(a)から(f)は、装飾品用輪ゴム留め具3に輪ゴム2を装着する過程を示す図である。なお、図7においては、説明の便宜上、装飾品1の図示を省略してある。
【0034】
先ず、図7(a)及び図7(b)に示すように、装飾品用輪ゴム留め具3の係止爪7の係止空間部8に輪ゴム2を装着する。具体的には、所定量伸長させて太さ(図6に示す直径D)を細くした輪ゴム2を、係止爪7の挿入隙間部9から係止空間部8に挿入させながら、係止爪7,6の間に挿入する。この作業及び以下の作業は、手指によって容易に行うことができるが、マイナスドライバー等の工具を用いて行ってもよい。
【0035】
次に、図7(c)及び図7(d)に示すように、装飾品用輪ゴム留め具3の係止爪6の係止空間部8に輪ゴム2を装着する。具体的には、所定量伸長させて太さ(図6に示す直径D)を細くした輪ゴム2を、係止爪6の挿入隙間部9から係止空間部8に挿入させながら、係止爪6,5の間に挿入する。
【0036】
そして、図7(e)及び図7(f)に示すように、装飾品用輪ゴム留め具3の係止爪5の係止空間部8に輪ゴム2を装着する。具体的には、所定量伸長させて太さ(図6に示す直径D)を細くした輪ゴム2を、係止爪5の挿入隙間部9から係止空間部8に挿入することによって、係止爪5,6,7に輪ゴム2を装着する。このように、従来のようなかしめ作業を行う必要がなく、装飾品1の装飾品用輪ゴム留め具3に輪ゴム2を容易に装着することができる。
【0037】
以上のように、第1実施形態の装飾品用輪ゴム留め具3によれば、以下に示す各効果が奏される。第1実施形態の装飾品用輪ゴム留め具3は、ベース部4と、係止空間部8及び挿入隙間部9を有する3つの係止爪5,6,7と、を備え、3つの係止爪5,6,7は、係止空間部8が略同一直線状に配置されるように互いに離間してベース部4に設けられ、係止爪5,7の挿入隙間部9と係止爪6の挿入隙間部9とは、係止空間部8に係止される輪ゴム2の太さ方向における一端2a側と他端2b側とに交互に配置される。
【0038】
そのため、従来のようなかしめ作業が不要であるので、一般のユーザーであっても、装飾品用輪ゴム留め具3(係止爪5,6,7)に手指等で容易に新規な輪ゴム2を装着することができる。
【0039】
また、装飾品用輪ゴム留め具3は、装飾品1の背面に設けられているので、装飾品1の装飾性を損なうことがない。
【0040】
また、従来のようなかしめ直しによる金属疲労が生じないので、係止爪5,6,7の耐久性がきわめてよい。
【0041】
更に、装飾品用輪ゴム留め具3(係止爪5,6,7)に手指等で容易に輪ゴムを装着することができるので、圧縮工具等により装飾品1を傷付けることを抑制することができる。
【0042】
また、挿入隙間部9は、伸長していない状態の輪ゴム2の太さよりも小さい隙間寸法L2に形成されている。そのため、係止空間部8に係止された輪ゴム2が、挿入隙間部9を介して係止空間部8の外部に脱落することを抑制することができる。
【0043】
装飾品用輪ゴム留め具3(係止爪5,6,7)は、きわめて簡易な構造であるので、装飾品1(例えば、コンチョ等)に一体成形により設けることができ、装飾性を統一できると共に、製造コストを低減することができる。
【0044】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について図8を参照しながら説明する。図8(a)から(d)は、本発明の第2実施形態の装飾品用輪ゴム留め具10を示す図である。図8(a)は、装飾品用輪ゴム留め具10を示す正面図である。図8(b)は、装飾品用輪ゴム留め具10を示す背面図である。図8(c)は、装飾品用輪ゴム留め具10を示す平面図である。図8(d)は、装飾品用輪ゴム留め具10を示す側面図である。
【0045】
図8(a)から(d)に示すように、本発明の第2実施形態の装飾品用輪ゴム留め具10は、全体を略直方体状に形成され、ベース部11と、係止爪12,13,14と、を備える。装飾品用輪ゴム留め具10は、例えば、金属材料により構成されている。
【0046】
ベース部11は、装飾品1の背面に固定される部分である。ベース部11は、略直方体の薄板部材として構成されている。
【0047】
係止爪12,13,14は、ベース部11から突出して設けられている。具体的には、係止爪12,13,14は、側面視略「L」字状の薄板部材から構成され、係止空間部15及び挿入隙間部16を有する。
【0048】
係止空間部15は、図8(d)に示すように、輪ゴム2を係止可能な側面視略円形の空間として形成されている。係止空間部15は、伸長していない状態の輪ゴム2の太さよりも小さい内径に形成されている。つまり、係止空間部15内に位置する輪ゴム2は、圧縮された状態で係止爪12,13,14と当接するようになっている。
【0049】
挿入隙間部16は、係止空間部15に連通して設けられ、輪ゴム2を係止空間部15に挿入可能に構成されている。挿入隙間部16は、伸長していない状態の輪ゴム2の太さよりも小さい隙間寸法に形成されている。つまり、係止空間部15に係止された輪ゴム2が、挿入隙間部16を介して係止空間部15の外部に容易に脱落しないように構成されている。
【0050】
また、係止爪12,13,14は、係止空間部15が同一直線状に配置されるように互いに離間してベース部11に設けられている。係止爪12と係止爪13の隙間(配置間隔)及び係止爪13と係止爪14の隙間(配置間隔)は、伸長していない状態の輪ゴム2の太さよりも小さく形成されている。
【0051】
係止爪12,14の挿入隙間部16と係止爪13の挿入隙間部16とは、係止空間部15に係止される輪ゴム2の太さ方向における一端側と他端側とに交互に配置される。つまり、図8(c)に示すように、係止爪12,14及び係止爪13は、輪ゴム2の太さ方向における一端側と他端側とから輪ゴム2を挟むことができるようにベース部11に配置されている。
【0052】
以上のように、装飾品用輪ゴム留め具10は、全体を略直方体状に形成され、係止空間部15を貫通穴として容易に設けることができる。また、挿入隙間部16を係止空間部15に連通するスリット(溝)として容易に設けることができる。更に、係止爪12,13,14同士の隙間をスリット(溝)として容易に設けることができる。
【0053】
また、図示例を省略するが、係止爪12,13,14の角部及びベース部11の角部であって、輪ゴム2が当接する箇所には、適宜、面取りが施されている。
【0054】
装飾品用輪ゴム留め具10に輪ゴム2を装着する方法は、前記第1実施形態の場合と同様であるので、重複説明を省略する。
【0055】
以上のように、第2実施形態の装飾品用輪ゴム留め具10によれば、以下に示す各効果が奏される。第2実施形態の装飾品用輪ゴム留め具10は、ベース部11と、係止空間部15及び挿入隙間部16を有する3つの係止爪12,13,14と、を備え、3つの係止爪12,13,14は、係止空間部15が同一直線状に配置されるように互いに離間してベース部11に設けられ、係止爪12,14の挿入隙間部16と係止爪13の挿入隙間部16とは、係止空間部15に係止される輪ゴム2の太さ方向における一端側と他端側とに交互に配置される。
【0056】
そのため、従来のようなかしめ作業が不要であるので、一般のユーザーであっても、装飾品用輪ゴム留め具10(係止爪12,13,14)に手指等で容易に新規な輪ゴム2を装着することができる。
【0057】
また、装飾品用輪ゴム留め具10に対し、係止空間部15を貫通穴として容易に設けることができると共に、挿入隙間部16及び係止爪12,13,14同士の隙間をスリット(溝)として容易に設けることができるので、装飾品用輪ゴム留め具10の製造コストを低減することができる。
【0058】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について図9を参照しながら説明する。図9は、本発明の第3実施形態の装飾品用輪ゴム留め具20を示す平面図である。
図9に示すように、本発明の第3実施形態の装飾品用輪ゴム留め具20は、第1実施形態の装飾品用輪ゴム留め具3を適用した装飾品1よりも、寸法が大きな装飾品1aに適用される。装飾品1aとしては、例えば、ブレスレット等を挙げることができる。
【0059】
図9に示すように、本発明の第3実施形態の装飾品用輪ゴム留め具20は、第1実施形態で示したベース部4(図9には図示せず)と、係止爪5,6,7と、補助係止爪21,22と、を備える。ベース部4(図9には図示せず)及び係止爪5,6,7は、前記第1実施形態の場合と同様であるので、重複説明を省略する。
【0060】
補助係止爪21,22は、係止爪7,5から更に外側に所定距離離間して配置されるように、ベース部4(図9には図示せず)から突出して設けられている。補助係止爪21,22は、輪ゴム2を係止可能な係止空間部23と、輪ゴム2を係止空間部23に挿入可能な挿入隙間部24と、を有する。前記所定距離は、装飾品1aの長さ(大きさ)に応じて適宜設定される。
【0061】
補助係止爪21の挿入隙間部24と係止爪7の挿入隙間部9とは、係止空間部23,8に係止される輪ゴム2の太さ方向における一端側と他端側とにそれぞれ配置される。また、補助係止爪22の挿入隙間部24と係止爪5の挿入隙間部9とは、係止空間部23,8に係止される輪ゴム2の太さ方向における一端側と他端側とにそれぞれ配置される。
【0062】
装飾品用輪ゴム留め具20に輪ゴム2を装着する方法は、前記第1実施形態の場合と略同様であるので、重複説明を省略する。
【0063】
以上のように、第3実施形態の装飾品用輪ゴム留め具20によれば、以下に示す各効果が奏される。第3実施形態の装飾品用輪ゴム留め具20は、ベース部4(図9には図示せず)と、係止爪5,6,7と、補助係止爪21,22と、を備え、補助係止爪21,22は、係止爪7,5から更に外側に所定距離離間して配置されるように、ベース部4(図9には図示せず)から突出して設けられ、輪ゴム2を係止可能な係止空間部23と、輪ゴム2を係止空間部23に挿入可能な挿入隙間部24と、を有する。
【0064】
そのため、前記第1実施形態の場合と同様の効果を奏する他、係止爪5,6,7よりも外側に位置する補助係止爪21,22によって輪ゴム2を係止することができるので、寸法が大きな装飾品1aであっても、装飾品1aの姿勢を安定に保つことができ、ユーザーは、良好な付け心地を得ることができる。
【0065】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0066】
例えば、前記第1実施形態においては、ベース部4に係止爪5,6,7を設けるものとして説明したが、これに制限されず、係止爪5,6,7を装飾品1に直接設けてもよい。
また、前記第3実施形態においては、ベース部4に係止爪5,6,7及び補助係止爪21,22を設けるものとして説明したが、これに制限されず、係止爪5,6,7及び補助係止爪21,22を装飾品1aに直接設けてもよい。
【0067】
また、前記第1実施形態から前記第3実施形態においては、係止爪を3つ(係止爪5,6,7又は係止爪12,13,14)設けるものとして説明したが、これに制限されず、装飾品1,1aの寸法に応じて係止爪を2つ、又は4つ以上設けてもよい。
【0068】
また、前記第3実施形態においては、補助係止爪を2つ(補助係止爪21,22)設けるものとして説明したが、これに制限されず、装飾品1aの寸法に応じて係止爪を3つ以上設けてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1,1a 装飾品
2 輪ゴム
2a 一端
2b 他端
3 装飾品用輪ゴム留め具
4 ベース部
5,6,7 係止爪
8 係止空間部
9 挿入隙間部
10 装飾品用輪ゴム留め具
11 ベース部
12,13,14 係止爪
15 係止空間部
16 挿入隙間部
20 装飾品用輪ゴム留め具
21,22 補助係止爪
23 係止空間部
24 挿入隙間部
L2 隙間寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装飾品に輪ゴムを留める装飾品用輪ゴム留め具であって、
前記装飾品に固定されるベース部と、
前記ベース部から突出して設けられ、前記輪ゴムを係止可能な係止空間部と前記輪ゴムを該係止空間部に挿入可能な挿入隙間部とを有する複数の係止爪と、
を備え、
前記複数の係止爪は、前記係止空間部が略同一直線状に配置されるように互いに離間して前記ベース部に設けられ、
前記係止爪の前記挿入隙間部と該係止爪に隣接する他の前記係止爪の前記挿入隙間部とは、前記係止空間部に係止される前記輪ゴムの太さ方向における一端側と他端側とに交互に配置される装飾品用輪ゴム留め具。
【請求項2】
前記挿入隙間部は、伸長していない状態の前記輪ゴムの太さよりも小さい隙間寸法に形成されている請求項1に記載の装飾品用輪ゴム留め具。
【請求項3】
前記複数の係止爪のうち両端に位置する係止爪から更に外側に離間して配置されるように前記ベース部から突出して設けられ、前記輪ゴムを係止可能な係止空間部と前記輪ゴムを該係止空間部に挿入可能な挿入隙間部とを有する補助係止爪を備え、
前記補助係止爪の前記挿入隙間部と該補助係止爪に隣接する前記係止爪の前記挿入隙間部とは、前記係止空間部に係止される前記輪ゴムの太さ方向における一端側と他端側とにそれぞれ配置される請求項1又は2に記載の装飾品用輪ゴム留め具。
【請求項4】
前記ベース部は、前記装飾品の一部として該装飾品の背面に一体に設けられる請求項1から3のいずれか一つに記載の装飾品用輪ゴム留め具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−72600(P2011−72600A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−227894(P2009−227894)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(504153299)有限会社プエルタ・デル・ソル (1)
【Fターム(参考)】