説明

装飾品装着用具

【課題】緩んだり接触などしたりして、靴などの身の回り品から外れる可能性のない装飾品装着用具を提供する。
【解決手段】装飾品装着用具は、軸部を備える装飾品の当該軸部が通される穴部14,34が両端に形成されている筒状の外形をしており、各穴部14,34に対応する孔部22が形成された受け部材20が収容されている。筒状の外形部分の外壁にはローレット加工が施されており、受け部材20は、シリコン、ゴム、ウレタンのいずれかから選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装飾品装着用具に関し、特に、ハイヒールなどの靴を含む身の回り品に装飾品を装着するための装飾品装着用具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、靴の所定部に着脱可能又は固定可能で、接合部と、飾り保持部と、あるいはさらには飾り部と、該飾り部、飾り保持部を囲む形状に構成される飾り保護部と、からなる靴装飾用装着用具が開示されている。接合部と飾り保護部とは、一体に構成されてなるか、あるいは分割可能に構成され。また、飾り部は、耳用ピアスを利用することが好ましく、これにより、硬い材質のヒール部・ソール部であっても装着位置を選ぶことなく、着脱性、安全性高く、しかもアート性、デザイン性に優れた靴装飾が、自由に可能になる、とされている。
【0003】
【特許文献1】特開2007−229008号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載されている靴装飾用装着用具は、飾り保持部又は飾り保護部が設けられているものの、これらが靴から緩んで外れたり、これらが歩行中などに何らかのものに接触などして外れたりする可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、緩んだり接触などしたりして、靴などの身の回り品から外れる可能性のない装飾品装着用具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の装飾品装着用具は、軸部を備える装飾品の当該軸部が通される穴部が両端に形成されている筒状の外形をしており、当該各穴部に対応する孔部が形成された受け部材が収容されている。このため、身の回り品などの靴に対して装飾品装着用具に対応する穴を形成しておけば、そこに圧入による取付をすることで身の回り品から外れる可能がなくなる。
【0007】
前記筒状の外形部分の外壁には、主として、圧入による取付時に利点があるので、ローレット加工が施すとよい。
【0008】
前記受け部材は、シリコン、ゴム、ウレタンのいずれかから選択するとよい。とりわけ、シリコンは耐久性が高いため、好適に選択することができる。
【0009】
また、本発明の身の回り品は、上記装飾品装着用具が取付される孔が形成されている。このため、その孔に装飾品装着用具が圧入されれば、そこから装飾品装着用具が外れる可能がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態の装飾品装着用具の使用態様を示す模式的な分解斜視図である。
【図2】図1に示す装飾品装着用具の大きさの一例の説明図である。
【符号の説明】
【0011】
10 筐体
12 外壁部
14 穴部
16 底部
20 受け部材
22 孔部
30 蓋部
32 外壁部
34 穴部
36 底部
38 段部
40 ハイヒール
42 ヒール部分
44 孔
【発明の実施の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態の装飾品装着用具の使用態様を示す模式的な分解斜視図である。図1には、以下説明する、筐体10と、受け部材20と、蓋部30と、ハイヒール40とを示している。
【0013】
筐体10は、ローレット加工が施された外壁部12と、穴部14が形成されている底部16とを有する。外壁部12のローレット加工は、主として、後述するハイヒール40の孔44から、筐体10が抜け落ちることを防止するための滑り止めを目的とした加工である。図1には、網目状に切削加工している態様を示しているが、これに限定されず、例えば、外壁部12の周方向に沿って輪状に切削加工してもよい。
【0014】
また、穴部14は、軸部を備える装飾品の当該軸部が通される部分である。この装飾品としては、限定的ではないが、例えば、いわゆるキャッチ式ピアスとすることができる。筐体10自体は、アルミニウム、真鍮、チタンなどを、素材として選択することができる。
【0015】
筐体10自体の素材は、加工のしやすさ、錆びにくさなどを考慮して選択するとよい。とりわけ、アルミニウムは、電気メッキなどによって着色処理を施せるため好適である。すなわち、筐体10自体の素材として、アルミニウムを選択した場合には、ハイヒール40のヒール部分42の色に対応する着色処理を筐体10に施すことが可能となるという利点がある。
【0016】
受け部材20は、キャッチ式ピアス等の軸部を受けて当該軸部が装飾品装着用具から脱落することを防止する孔部22を有する。すなわち、孔部22は、穴部14に対応する位置に形成されている。受け部材20自体は、シリコン、ゴム、ウレタンなどを素材として選択することができる。なお、受け部材20の素材としてシリコンを選択した場合には、40度〜90度(例えば50度)の硬度のものを選択するとよい。
【0017】
蓋部30は、筐体10と同様に、ローレット加工が施された外壁部32と、穴部34が形成されている底部36とを有する。外壁部32のローレット加工、及び、穴部34の大きさ・位置などの諸条件は、筐体10と同様でよい。また、蓋部30には、筐体10との結合を圧入によって実現するために、筐体10の内壁の径よりもやや大きな径の外壁を有する段部38が形成されている。もっとも、蓋部30と筐体10との結合は、接着剤などを用いて実現してもよい。
【0018】
ハイヒール40は、そのヒール部分42に、ドリルなどを用いて開口された孔44が設けられている。孔44は、筐体10の形状に対応する形状とされている。筐体10は、孔44に対して圧入によって取り付けてもよいし、接着剤などを用いて取り付けてもよい。
【0019】
本実施形態では、筐体10内に受け部材20を収容し、この状態で、筐体10に対して蓋部30を圧入することによって、装飾品装着用具を構成している。したがって、本実施形態の装飾品装着用具は、装飾品の軸部が通される穴部14,34が両端に形成されている筒状の形状となる。
【0020】
また、装飾品装着用具の取付対象は、ハイヒールに限定されるものではなく、その他の靴とすることもできる。また、取付位置もヒール部分に限定されるものではなく、例えば、ソール部分とすることもできる。さらには、靴以外にも、孔44が形成できるものであれば、例えば、バッグ、ベルトなどの身の回り物を装飾品装着用具の取付対象とすることも可能である。
【0021】
図2は、図1に示す装飾品装着用具の大きさの一例の説明図である。図2(a)には、装飾品装着用具の長手方向の分解側面図を示している。図2(b)には、筐体10と受け部材20と蓋部30とを相互に結合した後の長手方向の側面図を示している。図2(c)は、図2(b)の側面図を示している。
【0022】
図2(a)に示す、蓋部30の各部の寸法は、以下のとおりである。
a:約0.50mm
b:約1.50mm
c:約1.00mm
d:約0.44mm
e:約0.90mm
f:約1.12mm
【0023】
ここで、本実施形態で穴部14の大きさeを、約0.90mmとしている理由は、キャッチ式ピアスの軸部の径が約0.70mmであることを考慮して、当該軸部が穴部14に入りやすいようにするためである。
【0024】
図2(a)に示す、部材20の各部の寸法は、以下のとおりである。
g:約3.00mm
h:約0.50mm
i:約1.25mm
【0025】
ここで、本実施形態で孔部22の大きさhを、約0.50mmとしている理由は、キャッチ式ピアスの軸部の径が約0.70mmであることを考慮して、当該軸部が孔部22によって把持されるようにするためである。
【0026】
図2(a)に示す、筐体10の各部の寸法は、以下のとおりである。
j:約5.00mm
k:約0.50mm
l:約0.50mm
m:約0.45mm
n:約1.10mm
o:約0.90mm
【0027】
ここで、本実施形態では、蓋部30を筐体10に対して圧入によって結合するため、蓋部30の段部38の外径[2f+e]を約3.13mmとし、筐体10の内径[2n+o]を約3.10mmとしている。
【0028】
係る条件の場合、ハイヒール40のヒール部42に約3.95mmの大きさの孔44を形成すると、孔44から装飾品装着用具が使用中に抜け落ちることがない。
【0029】
なお、上記a〜oまでの条件は、単なる一例である点に留意されたい。上記条件の場合、筐体10の直径は、約4.00mmとなるが、例えば、これが約3.00mmであっても約5.00mmであってもよい。ただ、筐体10の直径の下限は、約3.00mm以上であることが望ましい。これは、受け部20の直径を約2mm程度は確保したいためである。一方、筐体10の直径の上限は、約5.00mm以下であることが望ましい。これは、ヒール部42の強度維持及び見た目のよさを維持するためである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部を備える装飾品の当該軸部が通される穴部が両端に形成されている筒状の外形をしており、当該各穴部に対応する孔部が形成された受け部材が収容されている装飾品装着用具。
【請求項2】
前記筒状の外形部分の外壁にはローレット加工が施されている、請求項1記載の装飾品装着用具。
【請求項3】
前記受け部材は、シリコン、ゴム、ウレタンのいずれかから選択される、請求項1記載の装飾品装着用具。
【請求項4】
請求項1記載の装飾品装着用具が装着される孔が形成されている身の回り物。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−130782(P2011−130782A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−290043(P2009−290043)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(506185757)有限会社岸本工業 (3)
【Fターム(参考)】