説明

装飾用棒状体、およびその製造方法

【課題】本発明は装飾用棒状体、およびその製造方法に関し、例えばネックレス、ブレスレッド、髪飾り等の装身具、ハンドバッグの把手、ベルト等の身回品、キャミソールや女性用下着のストラップとして使用され、宝石、人造宝石、ビーズ等の粒状装飾体よりなる所望複数列の装飾帯状体を捻回して粒状ホットメルト接着剤により接着、固定し、棒状の捻回状態に保形し、デザイン的に変化をもたせ、装飾性を高めるものである。
【解決手段】宝石、人造宝石2A、ビーズ、貴金属ボール、及び金属ボールから選ばれる多数の粒状装飾体2と、該粒状装飾体を複数列に配列して相互に連結する連結手段3と、前記粒状装飾体に対応する連結手段の裏面に設けた多数の粒状ホットメルト接着剤4とからなる装飾帯状体1で構成される装飾棒状体であり、装飾帯状体1が外周側に粒状装飾体2を露呈するように捲回された状態で粒状ホットメルト接着剤によって接着、固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は装飾用棒状体、およびその製造方法に関し、例えばネックレス、ブレスレッド、髪飾り等の装身具、ハンドバッグの把手、ベルト等の身回品、さらにはキャミソールや女性用下着のストラップに最適に使用され、宝石、人造宝石、ビーズ等の粒状装飾体よりなる所望複数列の装飾帯状体を捻回してホットメルト接着剤を介して接着、固定することにより捻回状態に棒状に保形し、デザイン的に変化をもたせて装飾性を高めるものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば首飾りとして人造真珠、硝子玉よりなる装飾体を連結するのに、通し糸にビニールを浸透させて補強した被覆糸を用いることにより、この被覆糸を装飾体に挿通した数本の連珠を撚合わすことによりビニールの被覆糸を強撚させて復元性による引締力を発揮させるようにして連珠を撚縄状の形態に保持し、装飾性を発揮するようにした連珠首飾があった(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
また、他の従来例として装飾体としての貴金属製のボールチェーンよりなる貴金属製ネットの帯体を紐状または数珠状の内容物の外周に外周長さ方向に捲回する。そして、該帯体の帯体縁の貴金属製ボールチェーン同士を溶接することにより貴金属製ネットの筒体を形成して内容物をくるんでデザイン的に変化をもたせて装飾性を高めた装身具があった(例えば特許文献2参照。)。
【特許文献1】実開昭29−10985号公報
【特許文献2】特開2002−360320号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記特許文献1に記載の考案は、例えば人造真珠、硝子玉よりなる装飾体に、ビニールを通し糸に浸透させた被覆糸を挿通して数本の連珠を撚合わすことにより被覆糸を強撚させてビニールの復元性による引締力により連珠を撚縄状の形態に保持させようとするものである。従って、撚縄状に捻回した数本の連珠相互の固定が不充分であため、ビニールの復元性による引締力に抗して反対方向の何らかの外力が首飾りに加わると、複数の連珠は撚縄状の形態を維持できずにばらばらに分離してしまい、多重連構造としての統一性のある装飾性が低下して損なわれる。しかも、前記被覆糸に前述のようにビニールの復元性とは反対方向に強い外力が一端加わると、再びビニールの復元性は元通りには復元するのが困難になるので、ビニールの被覆糸は再び復元性による引締力を充分に発揮しなくなるため、複数の連珠は元通りには撚縄状の形態を維持しなくなり、連珠はデザイン的に不自然なだらしのない格好になる。
【0005】
また、上記特許文献2に記載の発明は、装飾体として貴金属製のボールチェーンよりなる貴金属製ネットの帯体を紐状または数珠状の内容物の外周に外周長さ方向に捲回し、その帯体縁の貴金属製ボールチェーン同士を溶接することにより内容物をくるむ貴金属製ネットの筒体を形成するものなので、帯体縁の貴金属製ボールチェーン同士を溶接するのに、多くの時間と手間がかかる。しかも、ボールチェン同士を溶接するのには手作業による緻密な作業であることが多く、熟練した技術が必要になるので、製作は容易には行えず、生産効率が低かった。
【0006】
また、上記特許文献2に記載の発明は、紐状または数珠状の内容物の外周に貴金属製ボールチェーンよりなる貴金属製ネットの帯体が外周長さ方向に捲回されるものであり、中心には例えばアメジスト、水晶、トルマリン、オニキス等の宝石の原石を糸で数珠繋ぎにしたり、金合金、プラチナ合金、白金、銀等の貴金属の塊を数珠繋ぎにしたり、紐状に形成される内容物を必要にするものなので、ネックレスやブレスレッドの装身具の出来上がりの太さはかなり、太くなり、重量は増大する。そのうえ、内容物の外周長さ方向に帯体を捲回したり、または帯体を捲回することにより形成される筒体内に内容物を挿入する等の作業工程が必要になるので、製作は容易には行えず、生産効率が低くなり、製作コストは高価であった。
【0007】
しかも、上記特許文献2に記載の発明は、装飾体としての貴金属製のボールチェーンよりなる貴金属製ネットの帯体における帯体縁の貴金属製ボールチェーン同士を溶接することにより内容物をくるむものなので、装飾体が貴金属ボール、金属ボールにより形成されて溶接を行う装身具の製作を行うことは可能であるが、溶接が行えないそれ以外の材料よりなる装飾体、例えば宝石、人造宝石、ビーズ等を用いた装飾体により筒体を形成することを意図するものではなかった。
【0008】
本発明は上記従来の考案および発明の問題点を解決し、捻回して1まとめにされる装飾体よりなる複数列の装飾帯状体に何らの強い外力が働いた場合に、装飾帯状体が分離することなく、捻回状態を維持して構造堅牢に保形性を発揮し、以て粒状装飾体が統一性のある多重連構造の豪華な装飾性を確実に発揮し、また、短時間に手間がかからずに製作および組付が容易であり、生産効率が高く、しかも、粒状装飾体が貴金属や金属以外の宝石、人造宝石、ビーズ等の非金属材料により形成する場合にも製作および組付が行え、適用範囲が広く、また、製品の出来上がり太さは、比較的細いものから太いものまで製作が可能であり、重量は軽量になり、さらには製作コストが安価になる装飾用棒状体、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に記載の発明は、宝石、人造宝石、ビーズ、貴金属ボール、及び金属ボールから選ばれる多数の粒状装飾体と、該粒状装飾体を複数列に配列して相互に連結する連結手段と、前記粒状装飾体に対応するように該連結手段の裏面にそれぞれ設けられた多数の粒状ホットメルト接着剤とからなる装飾帯状体で構成される装飾棒状体であって、前記装飾帯状体が外周側に粒状装飾体を露呈するように捲回された状態で前記粒状ホットメルト接着剤によって接着、固定されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記連結手段が、前記粒状装飾体の取付個所に適合する内面形状をなす取付部の一側に平面略十字状または平面Y字状にループ腕部を設けた取付金具と、前記ループ腕部内に挿通されることにより前記取付金具に取付けられた粒状装飾体を平面的に1まとめに束ねる連結環とにより前記粒状装飾体を平面所望複数列に連結することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記装飾帯状体が、線状の補強部材を中心に前記粒状ホットメルト接着層を介して1まとめに捻回されて接着、固定されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、宝石、人造宝石、ビーズ、貴金属ボール、及び金属ボールから選ばれる粒状装飾体を連結手段により複数列に配列して相互に連結した装飾帯状体を長さ方向に移動する工程と、移動する装飾帯状体の裏面側に粒状ホットメルト接着剤を塗布する工程と、その後所望複数列の前記装飾帯状体を外周側に露呈するように捻回する工程と、加熱手段により前記粒状ホットメルト接着剤を加熱、融解することにより該粒状ホットメルト接着剤を介して前記装飾帯状体を1まとめに接着、固定して捻回状態に棒状に保形することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記加熱手段が、ドライヤー、またはヒーターであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、捻回して1まとめにされる粒状装飾体よりなる複数列の装飾帯状体に何らの強い外力が働いた場合に、装飾帯状体が分離することなく、捻回状態を維持して構造堅牢に保形性を発揮し、以て粒状装飾体が統一性のある多重連構造の豪華な装飾性を確実に発揮し、また、短時間に手間がかからずに製作および組付が容易であり、生産効率が高く、しかも、粒状装飾体が貴金属や金属以外の宝石、人造宝石、ビーズ等の非金属により形成される場合にも製作および組付が行え、適用範囲が広く、また、製品の出来上がり太さは、比較的細いものから太いものまで製作が可能であり、重量は軽量になり、さらには製作コストが安価になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の最良の実施形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図1は本発明の装飾用棒状体の実施形態1を示す斜視図、図2は同じく装飾用棒状体の拡大正面図、図3は同じく粒状装飾体を連結手段により連結した本実施形態1を構成する装飾用帯状体の拡大平面図、図4は同じく本実施形態1を構成する装飾用帯状体を示す拡大裏面図、図5は同じく装飾用帯状体を捻回する状態を示す平面図、図6は同じく本実施形態1の装飾用帯状体を形成する連結手段を示す拡大斜視図、図7は同じく本実施形態1の装飾用帯状体を捻回して粒状ホットメルト接着剤により接着した状態の拡大断面図である。
【0017】
本実施形態1の装飾用棒状体は、宝石、人造宝石2A、ビーズ、貴金属ボール、及び金属ボールから選ばれる多数の粒状装飾体2と、該粒状装飾体2を複数列に配列して相互に連結する連結手段3と、前記粒状装飾体2に対応するように該連結手段3の裏面にそれぞれ設けられた多数の粒状ホットメルト接着剤4とからなる装飾帯状体1で構成され、前記装飾帯状体1が外周側に粒状装飾体2を露呈するように捲回された状態で前記粒状ホットメルト接着剤4によって接着、固定されていることを特徴とする。
【0018】
図示する実施形態1では連結手段3により連結される装飾帯状体1の各列の前記粒状装飾体2は、全てが略同径の大きさであり、そして白、乳白色、赤、緑、青、黄色、橙等の単一色により形成されたものを用いているが、例えば各列毎に大きさを異にするものを使用したり、各列毎、さらには同列において配列順に異なる色のものを使用ことによりデザイン的に変化させてもよい。
【0019】
また、前記宝石としては、例えばダイアモンド、エメラルド、サファイア、ルビー、オパール、翡翠、アメジィスト、水晶、トルマリン、オニキス、サンゴ、真珠等が挙げられる。また前記貴金属ボールとしては、例えば金、金合金、白金、白金合金、銀等により形成されるものがある。また、金属ボールとしては、例えば鉄、ステンレス、銅、アルミニウム、亜鉛等により形成されるものがある。
【0020】
そして、本実施形態1では、所望複数列、例えば2列の前記装飾帯状体1が、長さ方向Nに前記粒状装飾体2が外周側に露呈するように捻回されることにより,該装飾帯状体1は裏面に塗布した粒状ホットメルト接着剤4を介して1まとめに接着、固定して捻回状態に棒状に保形される。
【0021】
この際、本実施形態1おいて、1まとめに接着、固定される装飾帯状体1において、所望本数とは、2列〜8列が最適であるが、これに限定されるものではなく、それ以上に配列数を増大させてもよい。
【0022】
また、前記連結手段3が、本実施形態1では図4,図6、図7に示すように前記粒状装飾体2としての人造宝石2Aを表面側に取付ける断面略半球状の取付部5Aの上側に平面略十字状に4個のループ腕部5B,5C,5D,5Eを設けた取付金具5と、前記ループ腕部5B,5C,5D,5E内に挿通されることにより前記取付金具5に取付けた粒状装飾体2を裏面側において平面的に1まとめに束ねる有端の連結環6とにより形成される。そして、本実施形態1では、この連結手段3により前記粒状装飾体2を平面所望複数列、前述のように実施形態1では幅方向Wに2列、また長さ方向Nには所望長さの装飾帯状体1に連結する。そして、人造宝石2Aを、取付金具5の表面側に取付けるのには、例えば接着剤Sにより接着される(図7参照)。
【0023】
また、前記連結環6は、図示では円環に形成されるが、その外形状は図示するものに限らず、図には示さないが、例えば三角形、四角形、五角形、六角形等、自由に設定され、有端環状であればよい。
【0024】
そして、例えば連結手段3としての取付金具5に粒状装飾体2を取付けた所望複数列、例えば2列の装飾帯状体1を捻回するのには、例えば図4に示すように、装飾帯状体1を長さ方向Nに移動しながら、その装飾帯状体1の裏面に順次前記粒状ホットメルト接着剤4を塗布する。
【0025】
前記粒状ホットメルト接着剤4は、例えばポリアミド樹脂系接着剤があるが、このほか、例えばABS樹脂やSAN樹脂の如き共重合体、ポリアセタール類、ポリカーボネート類、ポリエステル類等、熱の供給により可逆的に軟化する何れの合成樹脂接着材料でもよい。
【0026】
そして、この粒状ホットメルト接着剤4を所望複数列の装飾帯状体1の粒状装飾体2の裏面に対応して塗布するのには、例えばノズルからホットメルト接着剤を吐出して供給されることにより粒状装飾体2の裏面に塗布しても良いし、図には示さないローラを用いて粒状装飾体2の裏面に粒状ホットメルト接着剤4を塗布してもよい。また、この粒状ホットメルト接着剤4の装飾帯状体1に対する塗布個所は、例えば図4、図6、図7に示すように、粒状装飾体2を取付けるべき取付金具5の裏面に塗布されるのが好適である。また、粒状ホットメルト接着剤4の塗布量は、粒状装飾体2が取付けられる取付金具5の大きさ、装飾帯状体1が撚り合わされる粒状装飾体2の設置個数、粒状ホットメルト接着剤4自体の溶融温度、装飾帯状体1の移動速度等を考慮して決定され、最適量が選択される。
【0027】
そして、この粒状ホットメルト接着剤4は、例えば図4に示すように所望複数列の装飾帯状体1の裏面に塗布されてから、この装飾帯状体1を長さ方向Nに捻回し、その後段においてドライヤー、ヒーター等の図には示さない加熱手段により加熱、溶融される。それから、冷却されることにより所望複数列の装飾帯状体1は、捻回されて1まとめに接着、固定されて捻回状態に保形される。なお、装飾帯状体1の粒状ホットメルト接着剤4による接着に対応する捻回方向は右周り、または左周りの何れの方向であってもよい。
【0028】
また、取付金具5の取付部5Aに粒状装飾体2としての人造宝石2Aを接着するための前記接着剤Sは、例えばフェノプラスト、アミノプラスト、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱安定性に優れたものが好適にあげられる。
【0029】
本発明の装飾用棒状体の実施形態1は以上の構成からなり、例えば人造宝石2Aよりなる粒状装飾体2を連結手段3により連結された所望複数列、本実施形態1では、例えば図4、図5に示すような2列の粒状装飾体2,2・・・2; 2,2・・・2よりなる装飾帯状体1を粒状ホットメルト接着剤4を介して装飾帯状体1を粒状装飾体2,2・・・2; 2,2・・・2が外周側に露呈するように1まとめに接着、固定して捻回状態に棒状に保形するので、装飾体としての人造宝石2Aにより多重連構造の統一性のある豪華な装飾性が確実に発揮することができる。
【0030】
この際、本実施形態1では、連結手段3としての取付金具5は断面略半球状の取付部5Aに形成されているので、この取付部5Aの内形状に粒状装飾体2の取付個所の外形状が適合し、例えばフェノプラスト、アミノプラスト、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等のホットメルト時の加熱に影響されない熱安定性に優れた接着剤Sにより粒状装飾体2を取付部5Aに容易かつ確実に、しかも、高取付精度により取付けることができる。また、取付金具5の取付部5Aには、本実施形態1では、粒状装飾体2として人造宝石2Aを用いた場合につき説明しているが、これは代表的な例示であり、粒状装飾体2が例えば貴金属や金属で形成される場合であろうと、または宝石、ビーズ等の非金属材料により形成される場合でもよく、これらの粒状装飾体2を接着剤Sにより容易かつ確実に取付けを行うことができる。
【0031】
そして、粒状装飾体2が宝石である場合には、例えば、ダイアモンド、エメラルド、サファイア、ルビー、オパール、翡翠、アメジィスト、水晶、トルマリン、オニキス、サンゴ、真珠等の宝石が挙げられる。また、貴金属ボールとしては、例えば金、金合金、白金、白金合金、銀等により形成されるものがある。さらには金属ボールとしては、例えば鉄、ステンレス、銅、アルミニウム、亜鉛等により形成されたものがあげられ、粒状装飾体2の適用範囲は広範囲になる。そして、粒状装飾体2に何を使用するかは、使用者の好みと、予算に応じたものを製作し、使用者は容易に購入することができる。
【0032】
そして、本実施形態1では、連結手段3が、図4、図6、図7に示すように、取付金具5の前記取付部5Aの上側に平面略十字状に4個のループ腕部5B,5C,5D,5Eを設けているので、このループ腕部5B,5C,5D,5E内に有端の連結環6を挿通することにより、前述のように取付金具5に取付けられた粒状装飾体2の複数個、本実施形態1では図示するように取付金具5に取付けられた4個の粒状装飾体2を1つの連結環6にて平面的に1まとめに束ねることができる(図4参照)。従って、粒状装飾体2を取付部5Aに取付けた取付金具5の前記取付部5Aの上側に設けた平面略十字状のループ腕部5B,5C,5D,5Eの何れかに連結環6を挿通し、隣接する取付金具5相互を連結環6を介して表面側に縦横に粒状装飾体2を連結して行けば粒状装飾体2を平面所望複数列、本実施形態1では図3、図4、図5に示すように2列の装飾帯状体1を所望長さに容易かつ確実に連結することができる。
【0033】
この時、本実施形態1の連結手段3は、前述のように粒状装飾体2を取付部5Aに取付けた取付金具5は、取付部5Aの上面に平面略十字状に4個のループ腕部5B,5C,5D,5Eを設け、しかもこのループ腕部5B,5C,5D,5E内に挿通される連結環6は有端の環状であるので、所望複数列の装飾帯状体1を長さ方向Nに捻回した場合に、連結環6を中心として簡便な取扱操作により周囲への取付方向、取付角度につき自由度をもって数個の取付金具5,5・・・を取付けることができる。従って、装飾帯状体1を長さ方向Nに捻回することにより粒状ホットメルト接着剤4により裏面側を接着、固定した場合に、捻回された各列の粒状装飾体2,2・・・2;2,2・・・2は軸周りに放射方向へ同一向きに配列され、不揃いは生じない。このため、粒状装飾体2,2・・・2;2,2・・・2は高輝度を発揮し、装飾性は優れたものになる。
【0034】
このようにして、粒状装飾体2を取付部5Aに取付けた複数個の取付金具5を連結環6にて連結することにより形成される状態で所望複数列の前記装飾帯状体1を、例えば図には示さない供給ドラムから連続して供給し、また、この装飾帯状体1の移動方向Xの終段では捲取ドラムにより捲取り可能に捲回されるようにして装飾帯状体1を長さ方向Nにテンションをかけながら移動する。そして、この移動する装飾帯状体1の裏面に粒状ホットメルト接着剤4を塗布し、その後に、前述の所望複数列の装飾帯状体1を長さ方向Nに捻回し、さらに、前記粒状ホットメルト接着剤4を加熱、溶融することにより該粒状ホットメルト接着剤4を介して装飾帯状体1を1まとめに接着、固定するという工程を一貫して自動的に行えば、製造ラインにおいて本実施形態1の装飾用棒状体を自動生産することができる。
【0035】
こうして形成される本実施形態1の装飾用棒状体は、例えばネックレス、ブレスレッド、髪飾り等の装身具、また、ハンドバッグの把手、ベルト等の身回品、さらにはキャミソールや女性用下着のストラップとして最適に使用されて適用範囲は広範になる。
【0036】
そして、本実施形態1の装飾用棒状体は、2列の装飾帯状体1を粒状ホットメルト接着剤4を介して装飾帯状体1を1まとめに接着、固定して捻回状態に保形されるので、複数列の装飾帯状体1に何らの強い外力が働いた場合に、粒状装飾体2に、ビニールを通し糸に浸透させた被覆糸を装飾体に挿通して数本の連珠を撚合わすことにより被覆糸を強撚させてビニールの復元性による引締力により連珠を撚縄状の形態に保持させようとする特許文献1に記載の装飾用数珠飾りとは異なり、1まとめにした装飾帯状体1がばらばらに分離することなく、捻回状態を維持して構造堅牢に保形性が発揮されるため、優れた装飾性が発揮される。
【0037】
しかも、本実施形態1の装飾帯状体は、2列の粒状装飾体2,2・・・2;2,2・・・2を粒状ホットメルト接着剤4を介して装飾帯状体1として1まとめに接着、固定して捻回状態に保形されるので、例えばアメジスト、水晶、トルマリン、オニキス等の宝石の原石を糸で数珠繋ぎをしたり、金合金、プラチナ合金、白金、銀等の貴金属の塊を数珠繋ぎにしたり、紐状に形成される内容物の外周に貴金属製ボールチェーンよりなる貴金属製ネットのネット状の帯体を外周長さ方向に捲回するという特許文献2に記載の装身具とは異なり、ネックレスやブレスレッドの装身具の出来上がりの太さを細くでき、重量は軽量化される。そのうえ、作業工程が簡略化されるため、製作が容易になり、生産効率が低く、製作コストは安価になる。
【0038】
そして、本実施形態1では、前述のように平面所望複数列の装飾帯状体1を用いて粒状ホットメルト接着剤4を介して装飾帯状体1を1まとめに接着、固定して捻回状態に保形された装飾用棒状体を形成するものなので、短時間に多くの手間がかからずに製作および組付が容易であり、生産効率が高く、製作コストが安価になる。
【0039】
図8は本発明の装飾用棒状体の実施形態2を示し、この実施形態2では装飾帯状体1が、線状またはリボン状の補強部材20を中心に粒状ホットメルト接着剤4を介して1まとめに捻回されて接着、固定されることにより、補強部材20が粒状ホットメルト接着剤4内に埋め込まれて接着、固定されるので、連結手段3のみで粒状装飾体2が連結された前記実施形態1とは異なり装飾帯状体1が引っ張り、捻回等の外力に対して切断されるのを防止して構造堅牢にするようにした点が前記実施形態1とは異なる構成、作用であるほかは前記実施形態1と同様の構成、作用である。
【0040】
また、上述の説明では、何れかの連結手段3により幅方向Wに粒状装飾体2が連結された装飾帯状体1は、2列に粒状装飾体2を連結するものを代表的に説明をしたが、これは代表的な例示であり、粒状装飾体2の設置個数の増減変更は自由に行える。
【0041】
また、図示する上記実施形態1では、連結手段3により連結される装飾帯状体1の各列の粒状装飾体2は、全てが略同径の大きさのものを示し、単一色により形成されたものを用いているが、図には示さないが例えば各列毎に粒状装飾体2の大きさを異にするものを使用したり、各列毎に異なる色の粒状装飾体2を使用したり、さらには各列毎に、同列において配列順に異なる色のものを配列するほか、これらの組み合わせ使用をすることによりデザイン的に変化させることができる。
【0042】
また、上記実施形態1で示される連結金具3は、図示では取付金具5の取付部5Aの上側に設けた4個のループ腕部5B,5C,5D,5Eは平面略十字状に形成されたものを使用するようにしているが、これに限ることなく例えば3個のループ腕部を平面Y字状に交叉する等、ループ腕部の設置個数の増減変更は自由に行える。そして、連結環6に対する取付金具5の取付個数を加減して粒状装飾体2の設置個数を調整することは容易である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、捻回して1まとめにされる粒状装飾体よりなる複数列の装飾用帯状体に何らの強い外力が働いた場合に、装飾用帯状体が分離することなく、捻回状態を維持して構造堅牢に保形性を発揮し、以て粒状装飾体は統一性のある多重連構造の豪華な装飾性を確実に発揮し、また、短時間に多くの手間がかからずに製作および組付が容易であり、生産効率が高く、しかも、粒状装飾体が貴金属や金属以外の宝石、人造宝石、ビーズ等の非金属により形成する場合にも製作および組付が行え、適用範囲が広く、また、製品の出来上がり太さは、比較的細いものから太いものまで製作が可能であり、重量は軽量になり、さらには製作コストが安価になるという用途・機能に適する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は本発明の装飾用棒状体の実施形態1を示す斜視図である。
【図2】図2は同じく装飾用棒状体の拡大正面図である。
【図3】図3は同じく粒状装飾体を連結手段により連結した本実施形態1を構成する装飾用帯状体の拡大平面図である。
【図4】図4は同じく本実施形態1を構成する装飾用帯状体を示す拡大裏面図である。
【図5】図5は同じく装飾用帯状体を捻回する状態を示す平面図である。
【図6】図6は同じく本実施形態1の装飾用帯状体を形成する連結手段を示す拡大斜視図である。
【図7】図7は同じく本実施形態1の装飾用帯状体を捻回して粒状ホットメルト接着剤により接着した状態の拡大断面図である。
【図8】図8は本発明の装飾用棒状体の実施形態2を示し、装飾用帯状体を捻回して粒状ホットメルト接着剤により接着した状態の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 装飾用帯状体
2 粒状装飾体
2A 人造宝石
3 連結手段
4 粒状ホットメルト接着剤
5 取付金具
5A 取付部
5B ループ腕部
5C ループ腕部
5D ループ腕部
5E ループ腕部
6 連結環
N 長さ方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
宝石、人造宝石、ビーズ、貴金属ボール、及び金属ボールから選ばれる多数の粒状装飾体と、該粒状装飾体を複数列に配列して相互に連結する連結手段と、前記粒状装飾体に対応するように該連結手段の裏面にそれぞれ設けられた多数の粒状ホットメルト接着剤とからなる装飾帯状体で構成される装飾棒状体であって、前記装飾帯状体が外周側に粒状装飾体を露呈するように捲回された状態で前記粒状ホットメルト接着剤によって接着、固定されていることを特徴とする装飾棒状体。
【請求項2】
前記連結手段が、前記粒状装飾体の取付個所に適合する内面形状をなす取付部の一側に平面略十字状または平面Y字状にループ腕部を設けた取付金具と、前記ループ腕部内に挿通されることにより前記取付金具に取付けられた粒状装飾体を平面的に1まとめに束ねる連結環とにより前記粒状装飾体を平面所望複数列に連結することを特徴とする請求項1に記載の装飾用棒状体。
【請求項3】
前記装飾帯状体が、線状の補強部材を中心に前記粒状ホットメルト接着層を介して1まとめに捻回されて接着、固定されることを特徴とする請求項1に記載の装飾用棒状体。
【請求項4】
宝石、人造宝石、ビーズ、貴金属ボール、及び金属ボールから選ばれる粒状装飾体を連結手段により複数列に配列して相互に連結した装飾帯状体を長さ方向に移動する工程と、移動する装飾帯状体の裏面側に粒状ホットメルト接着剤を塗布する工程と、その後所望複数列の前記装飾帯状体を外周側に露呈するように捻回する工程と、加熱手段により前記粒状ホットメルト接着剤を加熱、融解することにより該粒状ホットメルト接着剤を介して前記装飾帯状体を1まとめに接着、固定して捻回状態に棒状に保形することを特徴とする装飾用棒状体の製造方法。
【請求項5】
前記加熱手段が、ドライヤー、またはヒーターであることを特徴とする請求項4に記載の装飾用棒状体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−181151(P2006−181151A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−378754(P2004−378754)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000195188)清原株式会社 (9)
【Fターム(参考)】