説明

装飾用食品および、装飾用食品の容器

【課題】薄焼き卵、海苔、野菜などを所定の形状に加工したものを用いて装飾を施すため、「デコ弁」や「キャラ弁」を作成するのに手間がかかり、作成者が大きな負担を負うこととなっているため、より容易または効率的に、食品に装飾を施すことが可能な技術を提供する。
【解決手段】特定の色彩を有する食材を粉砕して、粉砕した食材を、色彩毎に包装して装飾可能な形態とする。そのことを最大の特徴とする。より詳しくは、食品の表面に添加することで該食品に装飾を施すことを可能とした装飾用食品であって、特定の色彩を有する食材を粉砕するとともに、色彩毎に包装したことを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品上に添加することで該食品を装飾可能な装飾用食品及び、装飾用食品を収納する容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、幼稚園児等の幼児のための弁当においては、弁当内の食品に様々な色彩、模様を形成することにより装飾を施すことが行なわれている。例えば、弁当箱内の食品の表面にデコレーションを付与するという意味で「デコ弁」、アニメーションのキャラクターを描く「キャラ弁」などが流行している。
【0003】
現実的には、薄焼き卵、海苔、野菜などを所定の形状に加工したものを用いて装飾を施すため、「デコ弁」や「キャラ弁」を作成するのに手間がかかり、作成者が大きな負担を負うこととなっていた。また、装飾を施すために使用できる食材はある程度限定されるために、幼児のアレルギーなどの理由で、装飾の態様が制限される場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−222056号公報
【特許文献2】特開2010−155042号公報
【特許文献3】特開2009−291412号公報
【特許文献4】特開2008−079926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、より容易または効率的に、食品に装飾を施すことが可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明においては、特定の色彩を有する食材を粉砕し、粉砕した食材を、色彩毎に包装して装飾可能な形態としたことを最大の特徴とする。より詳しくは、食品の表面に添加することで該食品に装飾を施すことを可能とした装飾用食品であって、特定の色彩を有する食材を粉砕するとともに、色彩毎に包装したことを特徴とする。
【0007】
これによれば、食品を装飾する際に、装飾に必要な色彩を有する食材を使用者が加工するなどの手間が省け、装飾が要求される食品の上に粉砕された、特定の色彩を有する食材を添加するだけで食品を装飾することが可能となる。なお、上記においては、食材を乾燥させてから粉砕し、または、食材を粉砕してから乾燥させてから包装してもよい。また、水分を含んだまま食材を粉砕し、そのまま包装してもよい。
【0008】
また、本発明においては、前記食材の粉砕された後の平均粒径が0.2mm以下とするとよい。これによれば、食品のよりきめ細やかな装飾が可能となり、装飾の品質を向上させることが可能となる。
【0009】
また、本発明において、前記特定の色彩は青色を含むこととするとよい。現在、食品を青色の色彩で装飾することは特に複雑な行程を必要とすることが判っている。また、食品の本来の風味を損なわずに青色の色彩で装飾を施すことが困難となっている。従って、本発明において特定の色彩が青色を含むようにすることで、より顕著な効果を得ることができる。なお、本発明において青色の食材としては、紫芋、茄子、紫キャベツ等を例示できる。また、青食紅や紫キャベツの煮汁や茄子の漬け汁に浸漬した蒲鉾やハム、はんぺん、薄焼き卵等を挙げることができる。
【0010】
また、本発明においては、前記特定の色彩を有する食材を粉砕するとともに、少なくとも水分を加えることでペースト状にしてもよい。これにより、食品の表面に筆記具の如く描画するなどの利用法が可能となる。
【0011】
また、本発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の装飾用食品を収納するための容器であって、
使用者が保持するための略筒状の保持部と、
前記保持部の先端側に配置され、前記と比較して小さな断面積を有する略筒状のノズル部と、
前記ノズル部の先端に形成され、収納された前記装飾用食品を排出する先端開口部と、
を備えることを特徴とする装飾用食品の容器であってもよい。
また、先端部分には排出量を調節できる部品を備えることも可能である。
【0012】
このような構成の装飾用食品の容器を用いることで、より容易または効率的に食品に装飾を施すことが可能となる。
【0013】
また、その場合、外部から振動または衝撃を与えることで、前記容器全体に前記振動または衝撃を伝達可能な振動衝撃伝達部をさらに備えるようにするとよい。これにより、容器に収納された粉末状の装飾用食品を適量ずつ食品の表面に添加することが可能となる。
【0014】
また、前記振動衝撃伝達部は、前記ノズル部または前記ノズル部と前記保持部との間の部分に設けられ、凸状の形状を有する突起部とするとよい。これによれば、容器の中でも振動衝撃伝達部付近の強度を強化することができるので、当該突起部を指で周期的に刺激した場合に、振動衝撃伝達部自体の変形を抑制でき、より効率的に容器全体に振動や衝撃を伝達することが可能となる。
【0015】
また、本発明においては、前記ノズル部または前記ノズル部と前記保持部との間の部分に設けられ、押圧されることで前記先端開口部が閉鎖されるように形成された開閉制御部をさらに備えるようにしてもよい。そうすると、過剰な量の装飾用食品が食品に添加されそうになった場合に、開閉制御部を押圧することで、装飾用食品の添加を停止することが可能となる。これにより、より確実に装飾の品質を向上させることが可能となる。
【0016】
また、本発明は、異なる前記特定の色彩を有する複数の装飾用食品を、上記の容器に各々収納して一括して包装したことを特徴とする装飾用食品セットとしてもよい。
【0017】
また、本発明は、上記した装飾用食品を製造するための粉砕道具であって、略円柱状の把持部と、前記把持部の先端に設けられ前記特定の色彩を有する食材を粉砕するためのすりこぎ部と、前記把持部の後端に設けられ粉砕された食材を移動または収集する刷毛部と、を備えることを特徴とする粉砕道具であってもよい。
また、これらを装飾用食品を収納するための容器に取りつけること、または、容器の蓋の部分にこれらの機能を取り付けることとしてもよい。
【0018】
また、所定の粗さの凹凸を有し食材を押圧することで該食材を粉砕可能な凹凸部と、前記凹凸部において粉砕された食材を一時的に貯留可能な貯留部と、前記貯留部に貯留した粉砕された食材を上記した容器に流入可能な流入部と、を有する粉砕用凹凸板と、上記した装飾用食品の容器と、上記した粉砕道具と、を備えたことを特徴とする装飾用食品製作キットとしてもよい。
【0019】
なお、上記した本発明の課題を解決する手段については、可能なかぎり組み合わせて用いることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明にあっては、特定の色彩を有する食材を粉砕した上で色彩毎に包装するので、あたかも画用紙に描画するかの如く、より簡単に食品に装飾を施すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例2における装飾用ふりかけの包装用容器を示す図である。
【図2】本発明の実施例3におけるふりかけ容器を示す図である。
【図3】本発明の実施例3における装飾用ふりかけの自作キットを示す図である。
【図4】本発明の実施例4における装飾用ペーストの容器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
近年、幼稚園児を持つ保護者の間で、弁当箱内の食品に、さらに食品を用いて装飾を施すことが一般的に行なわれるようになった。これは、デコレーション弁当(略して「デコ弁」ともいう。)、あるいはキャラクター弁当(略して「キャラ弁」ともいう。)と呼ばれ、幼稚園児がより楽しく、積極的に、残さず昼食をとるための有効な手段となっている。
【0023】
しかしながら、上記のデコ弁やキャラ弁を作製する際には、例えば、様々な色彩を有する食材を切りぬくなどの加工をし、組み合わせて装飾を施す必要があるため、これらを作製するために、作製者(保護者)が多大な負荷を負うこととなっていた。また、基本的に切り絵、貼り絵などと同様の技能を要するため、保護者によっては充分な装飾を施すことが困難となる場合もあった。
【0024】
このことは、園児によって弁当の装飾の品質に差があるという不都合を招き、場合によってはいじめなどの社会問題に通じるおそれもある。また、装飾の種類によっては食品自体の味が変化するなどの不都合もあった。
【0025】
〔実施例1〕
そこで、本発明においては、特定の色彩を有する食材を粉砕した食品を、色彩毎に個別包装することで、誰もが、簡単に品質の高い装飾を弁当内の食品に施すことを可能とした。
【0026】
<黄色の装飾>
従来、黄色の色彩によって弁当箱内の食品を装飾する場合、薄焼き卵を作り、弁当箱内の食品に載せて形を整える作業が行なわれていた。また、作業中に薄焼き卵が損傷しないように、上記薄焼き卵に片栗粉を混入させることで、強度を増強するなどの処置が行なわれていた。しかしながら、片栗粉の分量により薄焼き卵の強度に差が生じるため、充分な強度を与えることが困難となり、作業中に薄焼き卵が破れるなどの不都合があった。また、薄焼き卵自体を均一の厚みに作成することは困難であった。
【0027】
これに対し、本実施例においては、かぼちゃ、とうもろこしなどの黄色の色彩を有する食品を粉砕し、適量包装することで、弁当箱内の食品上に、容易に黄色の色彩を付与できるようにした。また、卵や、かぼちゃ、とうもろこし等を含有した食材を顆粒状に加工したふりかけ(例えば「のりたま」(商標))をさらに粉砕して適量包装するようにしてもよい。
【0028】
<青色の装飾>
従来は弁当箱内食品に青色の装飾を施すために、(1)紫芋の粉を水で溶かし、卵白と混合して薄焼き卵を作成する。(2)青食紅を添加した卵白で薄焼き卵を作成する。(3)青色の色彩を有するカキ氷用シロップに蒲鉾を浸漬する。(3)茄子の漬け汁に蒲鉾を浸漬させる。(4)紫キャベツの煮汁にハムやはんぺん、薄焼き卵等を浸漬させる。などの手法が行なわれていた。
【0029】
しかしながら、上記の手法で弁当箱内食品に装飾した場合に、食材の組み合わせにより変色する、味が著しく変化する、などの不都合が生じる場合があった。それに対し、本実施例においては、例えば、紫キャベツまたは、茄子の紫の部分を茹でるなどして色調を整えた後に粉砕してふりかけ状にし、色彩毎に包装することとした。
【0030】
<緑色の装飾>
従来は弁当箱内食品に緑色の装飾を施すために、(1)緑野菜を茹で、ミキサーに入れて全卵と混合するなどの、手法が行なわれていた。それに対し、本実施例においては、例えば、ほうれん草、小松菜、ピーマンなどの緑野菜を粉砕してふりかけ状にし、また、緑色の色彩を有する食品、また、これらを含有した食材を顆粒状に加工してふりかけ状にしたもの色彩毎に包装することとした。
【0031】
<赤色の装飾>
従来は弁当箱内食品に赤色の装飾を施すために、(1)赤ピーマンを茹で、ミキサーに入れて全卵と混合するなどの、手法が行なわれていた。それに対し、本実施例においては、例えば、赤ピーマンなどの赤野菜を粉砕してふりかけ状にした。
【0032】
<肌色の装飾>
従来は、弁当箱内食品に肌色の装飾を施すことは困難であったが、本実施例においては、(1)鰹節や、鮭等のピンク色の色彩を有する食材を粉砕してふりかけ状にする。(2)鮭等のピンク色の色彩を含有した食材を顆粒状に加工したふりかけを使用する。(3)ゴーダ―チーズ等の赤系のチーズを加工したふりかけを使用する。(4)カレー粉を加工してふりかけ状にして色彩毎に包装することとした。
【0033】
<その他の色彩の装飾>
例えば、ピンクの装飾を施すためには、人参、たらこを粉砕してふりかけ状としてもよい。また、人参、たらこなどの赤やピンク色の色彩を有する食品を含有する食材を顆粒状に加工したふりかけをさらに粉砕してふりかけ状にしてもよい。また、黒色の装飾を施すためには、黒胡麻を粉砕してふりかけ状にしてもよい。また、茶色の装飾を施すためには、鰹節を粉砕してふりかけ状にしてもよい。また、オレンジ色の装飾を施すためには、人参などのオレンジ色の色彩を有する食品を粉砕してふりかけ状にしてもよい。また、これらの食材を顆粒状に加工したふりかけを使用しても良い。
【0034】
なお、本実施例において粉砕されたふりかけ状の食材の粒子の平均粒径は、0.2mm以下とするのがよい。これによれば、よりきめ細かな緻密な装飾を施すことが可能になるとともに、食品への付着性も向上させることが可能である。さらに、水を加えてペースト状にする場合にも、水との親和性を高めることが可能となる。なお、上記において粉砕した食材は、腐敗などの防止の観点から殺菌あるいは熱処理した上で包装してもよいし、加熱乾燥させ、あるいはフリーズドライなどの手法で乾燥させてから包装してもよい。また、上記では野菜をふりかけ状にする例について述べたが、果実を材料にすることで、弁当箱内食品のみならず、お菓子等にも利用することができる。利用が考えられる果実としては、りんご、みかん、苺、バナナ、ぶどう、オレンジ、キウイ、マンゴ―、プルーン、ブルーベリー、いちじく、木苺等、ドライフルーツにも使用される果実が例示できる。これらを粉砕してふりかけ状にすることで、ケーキ、マフィン、カステラ、クッキー、サブレ、食パン、アイスクリーム、ヨーグルト、白玉等の団子、おまんじゅう用のデコレーションをすることができる。また、これらを生地に混ぜ込む等してお菓子づくりに利用することができる。
【0035】
上記によれば、特定の色彩を有する食材を粉砕した上で色彩毎に包装するので、あたかも画用紙に描画するかの如く、より簡単に食品に装飾を施すことが可能となる。また、食材を高い自由度で選択することが可能であるので、幼稚園児のアレルギー体質を考慮し、適宜食材を変更することが可能である。
【0036】
〔実施例2〕
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例では、実施例1で説明した装飾用ふりかけを収納するための容器について説明する。
【0037】
図1には、本実施例に係る装飾用ふりかけの包装用容器1を示す。図1に示すように、包装用容器1には、粉砕された食品が色彩毎に個別に収納されている。そして、複数の包装用容器1が一括してさらに包装袋8に収納されて流通可能となっている。例えば、図1の上側に示すものは青色装飾用ふりかけの容器である。包装用容器1は、概略短冊状の形状を有しているが、その先端側は先端側に行くにつれて容器断面が小さくなるノズル部2が設けられている。そして、ノズル部2の先端を破ることで、ふりかけを排出する先端開口部3が形成される。また、使用者は、弁当箱内の食品に装飾を施す際に、使用者は包装用容器1のノズル部2の後側のホールド部4を保持する。
【0038】
また、使用者は、先端開口部3からふりかけを排出させて食品に添加する際には、ノズル部2とホールド部4の境界部分の凸状部5を指で繰り返し軽く叩く。この凸状部5付近は、包装用容器1の他の部分と比較して構造上硬度が高くなっているので、この凸状部5を叩いた場合には、包装用容器1自体の変形が少ないため、包装用容器1全体に振動または衝撃が伝達され易く、より効率的に、先端開口部3からふりかけを排出させることが可能となる。また、この凸状部5を叩くという手法をとることで、多量のふりかけが先端開口部3から一度に排出されるといった不都合を抑制することができる。
【0039】
〔実施例3〕
次に、本発明の実施例3について説明する。本実施例においては、ふりかけ状に生成された装飾用食品(以下、装飾用ふりかけともいう。)を収納し、弁当箱内の食品に装飾し易く構成されたふりかけ容器について説明する。
【0040】
図2には、本実施例に係るふりかけ容器10を示す。ふりかけ容器10は、PETやポリエチレンなどの樹脂により形成されている。ふりかけ容器10には、略円筒状のホールド部11と、ホールド部11の先端側にあり、先端側に行くに従って細くなるノズル部12とから形成されている。ホールド部10の後端側は、ねじ式の蓋部13が備えられており、蓋部13を回転して除去あるいは装着することで開蓋、閉蓋が可能になっている。この蓋部13を開蓋した状態では、後端開口部14が露出し、この後端開口部14より、装飾用ふりかけをふりかけ容器10内に収納可能になっている。また、ノズル部12の先端には、装飾時に装飾用ふりかけを排出する先端開口部15が形成されている。また、15に排出量を調節できる機能を付けることも可能とする。
【0041】
また、ノズル部12には、ふりかけ容器10と一体的に設けられ、ふりかけ容器10の表面から延設され弾性を有する凸部16が配置されている。使用者は、この凸部15を軽く指で軽く叩くことで、ふりかけ容器10内のふりかけを弁当箱内の食材にふりかけて装飾することが可能である。また、この凸部16からは、さらに先端蓋部17が延設されている。この凸部16を強く指で押さえることで先端蓋部17のアーム17aの角度を変更させ、蓋部材17bがふりかけ容器10の先端開口部15を閉鎖させることができる。このことにより、余分な装飾用ふりかけが弁当箱内の食材にふりかかることを防止することができる。
【0042】
本実施例においては、装飾用食品としての装飾用ふりかけを、装飾時に、包装用容器1からふりかけ容器10に入れ替えることで、より快適に弁当箱内の食材に装飾用ふりかけを添加し、装飾の品質をより高めることが可能になる。
【0043】
なお、本実施例におけるふりかけ容器10には、自作の装飾用ふりかけを収納し、装飾に利用してもよいことはもちろんである。図3には、装飾用ふりかけを自作する場合の自作キットについて示す。この自作キット100は、図3(a)に示すふりかけ用容器20と、図3(b)に示すふりかけ自作用すりばち30、図3(c)に示すふりかけ自作用すりこぎ40とから構成される。
【0044】
図3に示すふりかけ用容器20は、ふりかけ用容器10とは異なり、凸部16及び先端蓋部17は有していない。その代りに、ホールド部21とノズル部22との境界部分に設けられたやはり凸状の突起状部23を有している。使用者は、この突起状部23を指で軽く叩くことで、ふりかけを先端開口部25より適量排出させることができる。
【0045】
また、ふりかけ自作用すりばち30は、概略長方形型をしており、中央部には細かい凹凸が設けられたすり潰し部31を備える。また、すり潰し部31の一端には、すり潰された食材を集めるための凹部である貯留部32と、貯留部32に貯留された装飾用ふりかけを、ふりかけ用容器20に投入するためのロート状の投入部33を有する。
【0046】
また、ふりかけ自作用すりこぎ40は、略円筒状の形状を有しており、中央には使用者が握るグリップ部41を有する。グリップ部41の先端側には実際に食材をすり潰すためのすりこぎ部42を有し、グリップ部41の後端には、刷毛部43を備えている。
【0047】
使用者が、装飾用ふりかけを自作する場合には、粉砕する食材をふりかけ自作用すりばち30に載置し、ふりかけ自作用すりこぎ40のすりこぎ部42ですり潰す。その後、刷毛部43で、すり潰された食材を貯留部32に集め、投入部33より、ふりかけ用容器20の後端開口部24より容器内に投入する。もしくは、これらの粉砕機能を図2の蓋部13に付与することも可能とする。より具体的には、例えばすりこぎ部42を蓋部13に設けてもよい。または、13部分にこれらの特徴を持たせることも可能とする。
【0048】
本実施例によれば、使用者は、より自由に自分で装飾用ふりかけを作成することが可能となり、弁当箱内の食品をより高い自由度で装飾することが可能になる。
【0049】
〔実施例4〕
次に、本発明の実施例4について説明する。本実施例では、粉砕された食材に少なくとも水分を加えることによりペースト状にした装飾用ペーストを用いる例について説明する。
【0050】
本実施例においては、実施例1で説明した装飾用ふりかけあるいは、実施例3で説明した自作の装飾用ふりかけに、少なくとも水を加える。これにより、ペースト状の装飾用ペーストとすることができ、弁当箱内の食品を装飾用ふりかけとは異なる質感で装飾することが可能になる。なお、装飾用ペーストの粘性を調整するために他の食材、例えば片栗粉や米粉などを混合しても構わないことは当然である。
【0051】
上記の装飾用ペーストの利用方法としては、以下のものが考えられる。(1)ご飯に自由に絵を描く。(2)ご飯に混ぜ込む(このことで顆粒状に加工したふりかけよりも均等に色付けすることが出来る。)。(3)ハンバーグのデコレーションに用い、または生地に混ぜ込む。(4)オムライスのデコレーションに用い、または生地に混ぜ込む。(5)たこやきのデコレーションに用い、または生地に混ぜ込む。(6)サンドウィッチのデコレーションに用い、または、マヨネーズ等の代わりとして利用する。(7)サラダのドレッシング等として利用する。(8)とんかつ等の揚げ物のソースの代わりに用い、または、デコレーション等として利用する。(9)ピザのデコレーション等として利用する。(10)スパゲティや焼きそばのデコレーションに用い、または味付け、ソースの代わり等として利用する。(11)フルーツを材料とした装飾用ペーストの場合は、ケーキ、マフィン、カステラ、クッキー、サブレ、食パン、アイスクリーム、ヨーグルト、白玉等の団子、おまんじゅうのデコレーションとして、または生地に混ぜ込む等して利用する。
【0052】
図4には、本実施例における装飾用ペーストの容器を示す。図4(a)に示すのは、自作した装飾用ペーストを収納するペン型ペースト容器50である。ペン型ペースト容器50においては、略円筒状のホールド部51が設けられ、ホールド部51の先端側には特に断面積が絞られたノズル部52が設けられている。ノズル部52の先端には、先端開口部55が設けられている。さらにホールド部51の後端には、装飾用ペーストを投入するための後端開口部54及び、この後端開口部54を閉蓋する蓋部53が設けられている。このペン型ペースト容器50は、可撓性と弾性を有する樹脂で形成されており、使用者は、ホールド部51を強く握ることで装飾用ペーストを先端開口部55から排出させる。
【0053】
図4(b)に示すのは、予め装飾用ペーストを充填するチューブ型ペースト容器60である。チューブ型ペースト容器60も同様に、ホールド部61及び、ホールド部61の先端側に設けられたノズル部62を有している。また、チューブ型ペースト容器60においては、ノズル部62に蓋部63が準備されており、蓋部63がノズル部62に被せされることにより、先端開口部65が閉蓋される。このチューブ型ペースト容器60は、歯磨き用チューブと同様、金属で形成されてもよいし、ラミネート構造を採用してもよい。
【0054】
いずれの容器においても、弁当箱内の食品に対して絵の具で描画するように、容易かつ確実に装飾を施すことが可能となる。
【符号の説明】
【0055】
1・・・包装用容器
2・・・ノズル部
3・・・先端開口部
4・・・ホールド部
5・・・凸状部
8・・・包装袋
9・・・受光素子
10・・・ふりかけ容器
11・・・ホールド部
12・・・ノズル部
13・・・蓋部
14・・・後端開口部
15・・・先端開口部
16・・・凸部
17・・・先端蓋部
20・・・ふりかけ用容器
30・・・ふりかけ自作用すりばち
40・・・ふりかけ自作用すりこぎ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品の表面に添加することで該食品に装飾を施すことを可能とした装飾用食品であって、特定の色彩を有する食材を粉砕するとともに、色彩毎に包装したことを特徴とする装飾用食品。
【請求項2】
前記食材の粉砕された後の平均粒径が0.2mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の装飾用食品。
【請求項3】
前記特定の色彩は青色を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の装飾用食品。
【請求項4】
前記特定の色彩を有する食材を粉砕するとともに、少なくとも水分を加えることでペースト状にしたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の装飾用食品。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の装飾用食品を収納するための容器であって、
使用者が保持するための略筒状の保持部と、
前記保持部の先端側に配置され、前記と比較して小さな断面積を有する略筒状のノズル部と、
前記ノズル部の先端に形成され、収納された前記装飾用食品を排出する先端開口部と、
を備えることを特徴とする装飾用食品の容器。
【請求項6】
外部から振動または衝撃を与えることで、前記容器全体に前記振動または衝撃を伝達可能な振動衝撃伝達部をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の装飾用食品の容器。
【請求項7】
前記振動衝撃伝達部は、前記ノズル部または前記ノズル部と前記保持部との間の部分に設けられ、凸状の形状を有する突起部であることを特徴とする請求項6に記載の装飾用食品の容器。
【請求項8】
前記ノズル部または前記ノズル部と前記保持部との間の部分に設けられ、
押圧されることで前記先端開口部が閉鎖されるように形成された開閉制御部をさらに備えることを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の装飾用食品の容器。
【請求項9】
異なる前記特定の色彩を有する複数の請求項1から4のいずれか一項に記載の装飾用食品を、請求項5から8のいずれか一項に記載の装飾用食品の容器に各々収納して一括して包装したことを特徴とする装飾用食品セット。
【請求項10】
請求項1から4のいずれか一項に記載の装飾用食品を製造するための粉砕道具であって、
略円柱状の把持部と、
前記把持部の先端に設けられ前記特定の色彩を有する食材を粉砕するためのすりこぎ部と、
前記把持部の後端に設けられ粉砕された食材を移動または収集する刷毛部と、
を備えることを特徴とする粉砕道具。
【請求項11】
所定の粗さの凹凸を有し食材を押圧することで該食材を粉砕可能な凹凸部と、前記凹凸部において粉砕された食材を一時的に貯留可能な貯留部と、前記貯留部に貯留した粉砕された食材を装飾用食品の容器に流入可能な流入部と、を有する粉砕用凹凸板と、
請求項5から8のいずれか一項に記載の装飾用食品の容器と、
請求項10に記載の粉砕道具と、
を備えたことを特徴とする装飾用食品製作キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−17456(P2013−17456A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155411(P2011−155411)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(711008021)
【Fターム(参考)】