説明

装飾紐、装飾紐の製造方法及び装飾紐を有するアクセサリー

【課題】
素材の変化に富み、ビーズを組み込んだ装飾紐及びその装飾紐を用いたアクセサリーを提供する。
【解決手段】
結合線と、装飾線で構成する装飾紐であって、前記結合線及び、前記装飾線として、ワイヤー、テグス、リボン又は紐のいずれか一以上を採用し、一以上の前記結合線と一以上の前記装飾線を交差させながら巻きつけ、前記交差の連続により作られた装飾紐、及び前記結合線にビーズを挿入し、前記交差とビーズの挿入の連続により作られた装飾紐を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結合線と装飾線とビーズとで構成する装飾紐及びこれを有するアクセサリーならびに装飾紐の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の日本の組紐は台を使って束ねた絹糸を組むか、太いレース紐のみを手で交差させて帯締めを組むものである。
【0003】
麻や綿の太い紐を用いたアクセサリーは、大きな穴のビーズを通した単調なものが多い。
【0004】
特許文献1記載の装飾紐は、透明軟質樹脂で形成されており素材が一種類で単調である。
【特許文献1】特開2000−217617
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上に述べた従来の日本の組紐は、台を使って束ねた絹糸を組むか、手で太いレース紐のみを交差させて帯締めを組んでいた。麻や綿の紐を用いたアクセサリーでも糸が太いため、大きな穴のビーズしか通らない。素材も一種類のため変化に乏しく単調なものが多い。
【0006】
本発明はこうした問題点を解決しようとしたものであり、素材の変化に富み、ビーズを組み込んだ装飾紐及びその装飾紐を用いたアクセサリーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の装飾紐は、前記結合線と、前記装飾線で構成する装飾紐であって、前記結合線及び前記装飾線として、各々ワイヤー、テグス、リボン又は紐のいずれか一以上を採用し、一以上の前記結合線と一以上の前記装飾線を交差させながら巻きつけ、前記交差の連続により作られることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の装飾紐は、ビーズの穴を通る細さの前記結合線と、前記装飾線と、ビーズとで構成する装飾紐であって、前記結合線及び前記装飾線として、各々ワイヤー、テグス、リボン又は紐のいずれか一以上を採用し、一以上の前記結合線と一以上の前記装飾線を交差させながら巻きつけ、前記結合線にビーズを挿入し、前記交差とビーズの挿入の連続により作られることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の製造方法は、請求項1記載の装飾紐の製造方法である。各々一以上の前記結合線と前記装飾線の片側先端、もしくは二つ折りにした点を固定して始点とし、水平に並べた前記結合線と前記装飾線の右端の一本を持ち、右から二番目の線の上から交差、三番目の線の下から交差、次に四番目の線の上から交差と、交差を繰り返し最後に左端に置く。次に右から二番目の線が前記のように上からと下からの交差を繰り返し、移動して左端になる。このような交差の連続により、装飾紐を製造することを特徴とする。ここでは右側から組んでいく説明をしているが、左側からでも同様である。請求項3記載のようにどちらからも発明の範囲に含まれる。
【0010】
請求項4記載の製造方法は請求項2記載の装飾紐の製造方法であり、前記結合線へのビーズの挿入と請求項3記載の交差との連続により装飾紐を製造することを特徴とする。
【0011】
請求項5記載のアクセサリーは、請求項1及び請求項2記載の装飾紐を用いたものである。例えば、請求項1記載の装飾紐を8の字状に交差し、次に中心を重ねながら8の字の交差を放射線状に繰り返し、花の形を作り、残りの結合線で中心を固定しつつビーズを装飾するとコサージュになる。
【発明の効果】
【0012】
上述したように本発明の請求項1記載の装飾紐は、前記結合線と前記装飾線の本数や素材の組み合わせにより、太さも素材も多様で変化に富んだ装飾紐を提供する。
【0013】
請求項2記載の装飾紐は、前記結合線をビーズの穴を通る細さとすることにより、前記装飾紐とビーズとの融合を可能にし、変化に富んだ、高い装飾効果を発揮することになる。
請求項2記載の装飾紐の、前記結合線として、塑性の高いワイヤーを使用した場合、装飾紐の形を自在に形成することが可能になり、交差による撚りを修正し、挿入したビーズを自在な方向に設置することが可能になる。
【0014】
請求項3及び請求項4記載の製造方法は、前記結合線、前記装飾線の本数の増減により、装飾紐の幅を自由に調節でき、多くの交差により強度の高い装飾紐を提供する。前記結合線、前記装飾線とビーズの配置と素材の組み合わせにより、交差の連続による美しさをもつ装飾紐を提供する。
【0015】
請求項5記載のアクセサリーの一例としてコサージュの場合、前記結合線に塑性の高いワイヤーを使用すると、装飾紐の形を自在に形成、保持できるため、コサージュの花の立体的で美しい形を形成保持することが出来る。また前記結合線として細い素材を用いることにより、アクセサリー製造に用いる道具との結合が容易になり、多種のアクセサリー製造が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の装飾紐の実施例として、携帯電話用ストラップの形態を図1に、その製造方法を図2〜図4に、装飾紐を用いたアクセサリーとしてコサージュの形態を図5に説明する。
【0017】
図2、図3、図4において2本の結合線A、Cは1本の結合線を中心Zで二つ折りしたものであり、素材はワイヤーである。2本の装飾線B、Dは1本の装飾線を中心Zで二つ折りしたもので、素材は化繊の紐である。Eはビーズである。
【0018】
結合線A、Cと装飾線B、D各1本を中心Zで固定して二つ折りし、右から結合線A、装飾線B、結合線C、装飾線Dとして図2(1)で示すように水平に並べる。この例では図2中に示すように結合線A、B、装飾線C、Dは動くたびに各々1、2、3、4と名前をつけている。
【0019】
図2中(2)に示すように結合線A1を装飾線B1の上、結合線C1の下、装飾線D1の上を通って左端の結合線A2の位置に置く。
次に図2中(3)に示すように装飾線B1を結合線C1の上、装飾線D1の下、結合線A2の上を通って左端の装飾線B2の位置に置く。
次に図2中(4)に示すように結合線C1を装飾線D1の上、結合線A2の下、装飾線B2の上を通って左端の結合線C2の位置に置く。
次に図2中(5)に示すように装飾線D1を結合線A2の上、装飾線B2の下、結合線C2の上を通って左端の装飾線D2の位置に置く。
【0020】
次に図2中(6)に示すように結合線A2を装飾線B2の上、結合線C2の下、装飾線D2の上を通って、左端の結合線A3の位置に置く。
次に図2中(7)に示すようにビーズE1を結合線C2に通す。
次に図2中(8)に示すように装飾線B2を結合線C2の上、装飾線D2の下、結合線A3の上を通って左端の装飾線B3の位置に置く。
次に図2中(9)に示すように結合線C2を装飾線D2の上、結合線A3の下、装飾線B3の上を通って左端の結合線C3の位置に置く。
次に図3中(10)に示すように装飾線D2を結合線A3の上、装飾線B3の下、結合線C3の上を通って左端の装飾線D3の位置に置く。
【0021】
次に図3中(11)に示すように結合線A3を装飾線B3の上、結合線C3の下、装飾線D3の上を通って左端の結合線A4の位置に置く。
次に図3中(12)に示すようにビーズE2を結合線C3に通す。
次に図4中(13)に示すように装飾線B3を結合線C3の上、装飾線D3の下、結合線A4の上を通って左端の装飾線B4の位置に置く。
次に図4中(14)に示すように結合線C3を装飾線D3の上、結合線A4の下、装飾線B4の上を通って左端の結合線C4の位置に置く。
次に図4中(15)に示すように装飾線D3を結合線A4の上、装飾線B4の下、結合線C4の上を通って左端の装飾線D4の位置に置く。
次に図2中(6)から図4中(15)を3回繰り返し、図2中(6)から図4中(14)に示す作業を行う。
最後尾を前端部に重ね、図1に示すように全体としてリング状にし、結合線Cの末端部分で始点Zと結合する。
さらに結合線Aの末端部分を利用して、携帯電話に接続するための結合用小リングYを形成する。
【0022】
以上、本発明の請求項1〜4記載の装飾紐の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでも無い。
【0023】
前記実施形態では、請求項2記載の装飾紐として、携帯電話用ストラップを例に説明したが、例えばブレスレット、ネックレス、ベルト、コサージュ、時計のバンド等に実施することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施形態の携帯電話用ストラップの説明図
【図2】実施形態の携帯電話用ストラップの製造方法の第一段階を示す説明図
【図3】実施形態の携帯電話用ストラップの製造方法の第二段階を示す説明図
【図4】実施形態の携帯電話用ストラップの製造方法の第三段階を示す説明図
【図5】実施形態のアクセサリーとしてのコサージュの説明図
【符号の説明】
【0025】
A 結合線
B 装飾線
C 結合線
D 装飾線
E ビーズ
F 装飾紐
Y 結合用小リング
Z 結合線と装飾線の中心点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
結合線と、装飾線で構成する装飾紐であって、前記結合線及び前記装飾線として、各々ワイヤー、テグス、リボン又は紐のいずれか一以上を採用し、一以上の前記結合線と一以上の前記装飾線を交差させながら巻きつけ、前記交差の連続により作られた装飾紐。
【請求項2】
前記結合線としてビーズの穴を通る細さの結合線を採用し、その結合線にビーズを挿入し、前記交差とビーズの挿入の連続により作られた請求項1記載の装飾紐。
【請求項3】
各々一以上の前記結合線と前記装飾線の片側先端、もしくは二つ折りした点を固定して始点とし、水平に並べた前記結合線と前記装飾線の一方から順に上からと下からの交差を繰り返し、前記交差の連続により装飾紐を製造することを特徴とする請求項1の装飾紐の製造方法。
【請求項4】
前記結合線にビーズを挿入し、前記交差とビーズの挿入の連続により装飾紐を製造することを特徴とする請求項3記載の製造方法。
【請求項5】
請求項1又は請求項2記載の装飾紐を有することを特徴とするアクセサリー

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−265766(P2006−265766A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−85149(P2005−85149)
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(305006679)
【Fターム(参考)】