説明

裏カーボン層形成用オフセットインキ

【課題】 本発明は、筆圧によって複写するカーボン紙の裏カーボン層の形成に用いられるカーボンインキであって、該裏カーボン層を通常のオフセット印刷によって形成できるインキを提供することを課題とする。
【解決手段】 次のa)〜c)の条件の一つ以上を満たし、かつd)およびe)の条件を満たす裏カーボン層形成用オフセットインキ。
a)アジピン酸エステル系及び又はフタル酸エステル系の可塑剤を含有する。
b)不乾性油をインキ中に1.0〜10質量%含有する。
c)JIS K2238に定められたマシン油のうち粘度区分ISO VG8〜1000のものを含有する。
d)酸化防止剤として、HQ(ハイドロキノン)等を含有する。
e)PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)系、PE(ポリエチレン)系、パラフィン系、マイクロクリスタリン系から成る群から選ばれるワックスの一つ以上を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複写伝票等の作製に用いられるカーボンインキであって、オフセット印刷によりコート紙やアート紙等の塗工紙の裏側にカーボンインキの層を形成することができるインキに関する。尚、いわゆるノーカーボン紙には関しない。
【背景技術】
【0002】
複写式伝票などで同じ情報を複数の用紙に転写する方法としてカーボン紙、ノーカーボン紙が代表的なものとして存在する。これら2種類の転写紙の転写原理、使用原料および転写紙の構成などについては、例えば“新・紙加工便覧(紙業タイムス社編、昭和55年11年15日発行)”および“特殊機能インキ(株式会社シーエムシー編、昭和58年8月30日発行)”などに詳しく記載されている。
【0003】
まず転写紙の内、カーボン紙の転写原理であるが、これは紙の裏側にカーボンインキを印刷して転写層(裏カーボン層)を形成し、表側からのボールペンなどの筆圧により転写層に接触する紙(被転写紙)に該インキ層をこすりつけて文字などを転写するものである。尚、カーボンインキと言っても必ずカーボンブラックを含有するわけではなく、藍、紅、黄などの顔料を含有して黒色以外の転写色を有するインキもあり、これらもカーボンインキと呼ばれている。またそれらインキを印刷した転写紙もカーボン紙と呼ばれている。
【0004】
また転写紙の内、ノーカーボン紙は転写紙の裏側に顕色剤と反応して発色する染料の入ったマイクロカプセルが塗工された層があり、この層と接触する被転写紙の面に顕色剤の層が塗工されている。ボールペンなどの筆圧により転写紙の裏面のマイクロカプセルが壊れて内部の染料が流出し、顕色剤と接触した染料が被転写紙上で発色するものである。
【0005】
次に被転写紙に文字などを着色させる原料と、転写層の作成方法であるが、まずカーボン紙は、ワックスに顔料を練り込んだ固形の専用インキ(カーボンインキとも呼ばれる)を用い、該インキを70℃ぐらいに加熱して液状にして印刷される。印刷方式としては枚葉凸版平台印刷、枚葉凸版印刷、グラビア印刷等が一般的に採用されている。
【0006】
次にノーカーボン紙は、ロイコ系染料が入ったマイクロカプセル発色剤層とフェノール系化合物の顕色剤層の2種類を形成する必要があり、これらはともにコータにより塗工して作製される。
【0007】
これらの既存の方式の問題点として挙げられることは、従来のカーボン紙用のインキは常温において固形であり、これを紙などの被印刷物に印刷する場合はインキの軟化温度以上に一旦昇温して液状にしなければ印刷できないため、加温装置が付いた凸版方式の印刷機(加温の必要がないものもあるがその不具合さについては後述する)あるいはグラビア方式の印刷機を使用する必要があった。
【0008】
さらに、転写された文字が判読可能な濃度を有することが要求されるため、概ね2〜6ミクロンの膜厚のインキ層を形成しなければならない。故に印刷膜厚の薄い(2ミクロン以下)オフセット印刷機では印刷が困難であり、また品質的にはインキが白紙面に僅かに付着するなどの問題がある。
【0009】
加えてカーボンインキはオフセット印刷方式では印刷ができないことも問題である。オフセット印刷は水なし印刷(これについては後述する)を除けばインキと水を乳化させた状態で版面に供給し、水と油の反発を利用して画線部と非画線部を形成する印刷方式である。オフセット印刷に適した乳化状態をインキと水で形成するには、常温において適度な粘ちゅう性や、水との適度な乳化適性を持つことがインキに必要とされる。
【0010】
一般のカーボンインキは常温では流動性が小さく、これらのオフセットインキに必要な特性を満足しているとは言えない。一方、同じ平版でもシリコーン樹脂の有無により画線部と非画線部を形成する水なし印刷においては、前記の乳化適性を有する必要はないが、地汚れを起こさないために印刷時に10〜60Pa・S程度の粘度が必要とされる。カーボンインキの印刷時の適正粘度は凸版方式では0.1〜2Pa・S程度と低いため水なし印刷では地汚れを起こし鮮明な画線を形成できない。
【0011】
前記の加温を必要としない凸版方式の印刷機に用いられるインキは、常温で液状であるがひまし油などの植物油(40〜50%)の含有量が多く、水と乳化させた場合好適とされるW/O型のエマルジョンから不適とされるO/W型のエマルジョンへと容易に相変化を起こすため、素抜け現象(インキが紙面に均一に付着せず、下地の紙が見えること)などの問題が起こりやすくオフセット印刷には適していない。
【0012】
またノーカーボン紙はマイクロカプセル化の設備が必要なことが問題であり、さらに発色剤層および顕色剤層は厚盛りが必要であるため通常はコータで塗工しなければならず、印刷膜厚の薄いオフセット印刷機では印刷できないという問題があった。
【0013】
特許文献1には陶磁器等に絵柄を形成するための転写紙用インキのバインダー用樹脂組成物が記載されている。可塑剤、ワックスを含有するが、このインキは転写後焼成してビヒクル成分を焼き飛ばして顔料のみを陶磁器面に固定するものであり、オフセット印刷には用いることができない。
【0014】
特許文献2および3には常温で固体、高温で液体となる相変化インクを用いて転写印刷またはグラビア印刷を行う方法が記載されている。このインクは転写時に高温に加熱する必要があり、筆圧で転写するカーボンインキに用いることはできない。
【0015】
【特許文献1】特開平1−171978号公報
【特許文献2】特開2002−52749号公報
【特許文献3】特開2002−52803号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、筆圧によって複写するカーボン紙の裏カーボン層の形成に用いられるカーボンインキであって、該裏カーボン層を通常のオフセット印刷によって形成できるインキを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
発明者らはオフセット印刷によってコート紙やアート紙等の塗工紙に裏カーボン層を形成できるインキの開発を鋭意行った結果、下記のa)〜c)の条件の一つ以上を満たし、かつd)およびe)の条件を満たすオフセットインキが好適に用いられることを見出し、本発明を完成した。
a)アジピン酸エステル系及び又はフタル酸エステル系の可塑剤をインキ中に1.0〜10質量%含有する。
b)不乾性油をインキ中に1.0〜10質量%含有する。
c)JIS K2238に定められたマシン油のうち粘度区分ISO VG8〜1000のものをインキ中に1.0〜10質量%含有する。尚、マシン油としては、これらと同等の粘度を有するベースオイル(基油)をも含むものとする。ベースオイルはパラフィン系あるいはナフテン系のいずれでも良い。マシン油の含有量はより好ましくは3.0〜10質量%である。
d)酸化防止剤として、HQ(ハイドロキノン)、TBHQ(ターシャリイブチルハイドロキノン)、L−アスコルビン酸、オイゲノール、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)から成る群から選ばれる一つ以上をインキ中に0.1〜2.0質量%含有する。
e)PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)系、PE(ポリエチレン)系、パラフィン系、マイクロクリスタリン系から成る群から選ばれるワックスの一つ以上をインキ中に1〜5質量%含有する。
【0018】
尚、塗工紙の内、コート紙とは、10g/m程度(片面)のクレーあるいはカオリンなど含むコート層を上質紙または中質紙に塗工したものである。またアート紙とは、塗工量が片面で20g/m程度の塗工紙をいう。本明細書ではコート紙およびアート紙とをまとめて塗工紙と称することとする。
【0019】
本発明のインキは前記のa)〜e)の条件を前記した通りに満たすものであり、カーボンブラック、銅フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料等の、伝票や帳票の印刷用のインキに通常使用される顔料を含有する。
本発明のインキは常温で液状であり、通常のオフセットインキで塗工紙に印刷して、転写性能の良好な裏カーボン層を形成することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のインキ(カーボン等の顔料を含有するオフセットインキ)を用いて、一般的なオフセット印刷(枚葉及び輪転)により、裏カーボン層を形成したカーボン紙を作製できる。
本発明のインキは常温で液状であるので、印刷の際にインキを加熱する必要は無い。またこのインキは通常の印刷にも使用出来るため転写目的以外に絵柄や文字あるいは罫線の印刷に使用しても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に本発明を詳細に説明する。尚、本明細書において、部及び%は特記しないかぎり質量基準である。
(1)可塑剤について
本発明のインキは、アジピン酸エステル系及び又はフタル酸エステル系の可塑剤をインキ中に1.0〜10質量%含有する。含有量はより好ましくは3.0〜10%である。
【0022】
前記の可塑剤としては、下記一般式(1)示されるアジピン酸エステル系可塑剤または下記一般式(2)で示されるフタル酸エステル系可塑剤であって、R〜Rで示したアルキル基が、アジピン酸エステル系では合計の炭素数が6〜10の直鎖または側鎖を有する構造のもの、フタル酸エステル系では合計の炭素数が1〜11の直鎖または側鎖を有する構造のものが好ましい。
【0023】
【化1】

【0024】
(2)植物油について
本発明のオフセットインキは、ひまし油、オリーブ油、椿油、ピーナッツ油、やし油などの不乾性油を質量比で1.0%〜10%(より好ましくは3.0〜10%)を含有する。
【0025】
(3)マシン油について
JIS K2238に定められたマシン油のうち粘度区分ISO VG8〜1000のもの、もしくはこれらと同等の粘度を有するベースオイル(基油)を質量比で1.0%〜10%(より好ましくは3.0〜10%)を含有する。ベースオイルはパラフィン系あるいはナフテン系のいずれでも良い。
【0026】
(4)酸化防止剤について
オフセット印刷用のインキは主として乾性油と半乾性油とを含有するワニスを使用するため、印刷後の時間の経過とともにインキ皮膜の酸化重合が徐々に進行する。これにより裏カーボン層を形成するインキ皮膜が固化し、複写性能が低下してしまう傾向がある。
インキ皮膜の酸化重合を抑制するために酸化防止剤、例えばHQ(ハイドロキノン)、TBHQ(ターシャリイブチルハイドロキノン)、L−アスコルビン酸、オイゲノール、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)をインキ中に0.1〜2.0%添加することが望ましい。
【0027】
(5)顔料について
本発明のインキで使用する顔料としては、複写式の帳票用紙で一般的に使用される藍色、黒色を得るために、藍色では銅フタロシアニン系、黒色ではカーボンブラック系が望ましい。
さらに赤色、黄色などの平版インキで一般的に使用されるアゾ系顔料、さらには金赤系色のレーキ系顔料やキノフタロン、イソインドリン、ジケトピロロピロール、キナクリドン、ペリノン、アンタンスロン、ジオキサジン、インダンスレンブルーなどの多環式顔料を単独で若しくは併用して使用することが出来る。
インキの中の顔料濃度は、被転写用紙への転写性(鮮映性)を良くするために、印刷適性に支障のない範囲でできるだけ高いほうが良い。また着色することを目的にしないがインキの粘度や流動性を調整するために体質顔料、例えば炭酸カルシウム、クレー、カオリン、有機ベントナイト、合成シリカなどを使用しても良い。
【0028】
本発明のインキがオフセット印刷のような膜厚が薄い印刷方式にもかかわらず転写性が良い理由は、カーボンインキの場合はコート層のない上質紙あるいは複写用紙に印刷されることが多く、インキの一部が紙の繊維層へ浸透してしまうため被転写用紙へ転移する量が少なくなるのに対し、本発明のインキは塗工紙に印刷されるため用紙への浸透がほとんどなく、被転写用紙に効率よく転写されるためである。
従来のカーボンインキは、前記の通り基本的にオフセット印刷が困難であり、凸版印刷やグラビア印刷で印刷されている。これらの印刷方式ではインキの膜厚を容易に厚くできるため、紙にインキが浸透しても転写性が低下する問題は起きず、わざわざ塗工紙に印刷する必要はない。
【0029】
(6)ビヒクルについて
本発明のインキに用いるビヒクルとしては、ロジン変性フェノール系樹脂ワニス、石油樹脂系ワニス、フタル酸樹脂系ワニス、アルキッド樹脂系ワニスなど一般的に平版インキに使用されるものを単独で若しくは併用して使用することが出来る。
樹脂ワニスの種類による転写性能の差はあまり無いが、使用される植物油の含有量、特に酸化重合によりインキ皮膜を形成しやすい乾性油あるいは半乾性油の単体もしくは組み合わせた植物油の含有量は転写性能の良否に影響がある。
乾性油や半乾性油などの酸化重合する植物油の含有量が多過ぎると前記したように転写性能は低下し、逆に少なすぎると印刷適性が不十分であったり印刷紙面上でのインキ皮膜の強度が不十分であったりする。
このため樹脂ワニスを選択する場合、最終的にインキ中に含まれる乾性油と半乾性油の合計が適当な範囲になることを考慮して行う必要がある。適当な範囲とはインキ中の含有量が7〜18質量%、より好ましくは7〜12質量%である。
【0030】
(7)溶剤について
本発明のインキに含まれる溶剤成分としてはナフテン類、パラフィン類を主成分とする特殊軽油、例えば蒸留性状が初留点240℃〜終点320℃の範囲にあるものが使用出来る。具体的にはAFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号(以上新日本石油(株)製)またはこれらの同等品が使用出来る。尚、これらの溶剤は単独もしくは併用して使用可能である。前記以外の溶剤については、ナフテン類単体あるいはパラフィン類単体の溶剤であっても前述蒸留性状の範囲内のものであれば、同様に単独もしくは併用して使用可能である。
【0031】
(8)ワックス類について
本発明のインキには、印刷適性や後加工適性を改善するために、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)系、PE(ポリエチレン)系、パラフィン系、マイクロクリスタリン系などのワックスを使用することができる。その使用量は質量比1〜5%が好ましい。
【実施例】
【0032】
以下に実施例により更に詳細に本発明を説明する、尚、本明細書において、部及び%は特記しない限り質量基準である。
【0033】
【表1】

【0034】
【表2】

【0035】
(表1及び表2の説明)
顔料A・・・FASTOGEN BLUE 5320(大日本インキ化学工業株式会社製銅フタロシアニン顔料)。
顔料B・・・ミクロン#300(米庄石灰工業株式会社製炭酸カルシウム)。
ワニスA・・・12X0895(大日本インキ化学工業株式会社製ロジン変性フェノール樹脂ワニス)。
ワニスB・・・12X0885(大日本インキ化学工業株式会社製ロジン変性フェノール樹脂ワニス)。
ワックス・・・KTL−8L(株式会社喜多村製PTFEワックス)。
酸化防止剤・・・MC−TB−20 COMPOUND(森村ケミカル株式会社製ターシャリィブチルハイドロキノンコンパウンド)
溶剤・・・AF−7号ソルベント(新日本石油株式会社製軽油)。
モノサイザーW−242・・・大日本インキ化学工業株式会社製アジピン酸ジイソノニル。
ひまし油・・・精製ひまし油−R(豊国製油株式会社製)。
ベースオイル・・・SNH540(三共油化工業株式会社製ベースオイル)
【0036】
実施例、比較例それぞれについて表1および表2に示す配合で原料を混合し、三本ロールにてさらに混合、分散して試料インキを得た。この試料インキを用いOK金藤N(王子製紙株式会社製コート紙)にRIテスター(石川島産業機械(株)製)でインキ盛り0.125mlの厚みで展色した。展色後展色物を送風定温乾燥機FC−410((株)東洋製作所製)を用い180℃で15秒間加熱して乾燥させた。
尚、RIテスターとは、JIS K5701−1(平版インキ 第1部:試験方法)の附属書3に記載の展色装置である。
【0037】
この展色物の展色面と無地の用紙(OK金藤N)とを重ね合わせ、展色面の反対側からボールペンで加圧し無地面にインキを転写させた。転写時の文字などの鮮明さを目視にて評価した。評価基準は×(判読不可能)、△(判読可能、実用上は十分なレベル)、○(判読可能、文字品質良好)、◎(鮮明に判読可能)で行った。
【0038】
実施例1〜7のインキによって作製したカーボン複写紙は、印刷後8週間経過後も実用上十分な複写能力を保っている。
【0039】
比較例のインキによるカーボン複写紙は、印刷後2〜3週間経過すると複写能力が実用に耐えなくなる程度に低下する。
【産業上の利用可能性】
【0040】
一般的なオフセット印刷により本発明のインキ(カーボン等の顔料を含有するオフセットインキ)を塗工紙に印刷し、裏カーボン層を形成したカーボン紙を作製できる。尚、オフセット印刷としては、枚葉印刷及び輪転印刷のいずれの方法も適用可能である。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
次のa)〜c)の条件の一つ以上を満たし、かつd)およびe)の条件を満たす裏カーボン層形成用オフセットインキ。
a)アジピン酸エステル系及び又はフタル酸エステル系の可塑剤をインキ中に1.0〜10質量%含有する。
b)不乾性油をインキ中に1.0〜10質量%含有する。
c)JIS K2238に定められたマシン油のうち粘度区分ISO VG8〜1000のものをインキ中に1.0%〜10%含有する。
d)酸化防止剤として、HQ(ハイドロキノン)、TBHQ(ターシャリイブチルハイドロキノン)、L−アスコルビン酸、オイゲノール、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)から成る群から選ばれる一つ以上をインキ中に0.1〜2.0質量%含有する。
e)PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)系、PE(ポリエチレン)系、パラフィン系、マイクロクリスタリン系から成る群から選ばれるワックスの一つ以上をインキ中に1〜5質量%含有する。
【請求項2】
前記のアジピン酸エステル系可塑剤が下記一般式(1)で示され、R及びRで示されるアルキル基の炭素数は6〜10であり、
前記のフタル酸エステル系の可塑剤が下記一般式(2)で示され、R及びRで示されるアルキル基の炭素数は1〜11である請求項1に記載の裏カーボン層形成用オフセットインキ。
【化1】

【請求項3】
乾性油及び半乾性油の合計が、インキ中に7〜18質量%含まれる請求項1に記載の裏カーボン層形成用オフセットインキ。



【公開番号】特開2007−314595(P2007−314595A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−142641(P2006−142641)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【出願人】(000002886)大日本インキ化学工業株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】