説明

補強スラブ構造及びその施工方法

【課題】 既存建物を補強する際に、既存建物の外側に存在する共用外部廊下やバルコニー等の通行を阻害せずに、容易に施工を行うことができ、さらに工期を短縮する。
【解決手段】 既存架構10と外付け補強架構との間を接続するための補強スラブ構造であって、片持ちスラブ20の下側に設置され、片持ちスラブ20の長さ方向に延びる複数の中空部31を有するセメント系押出し成形板からなる型枠部材30と、型枠部材30と片持ちスラブ20との間に配設する先組みされたスラブ鉄筋50とを備え、片持ちスラブ20と型枠部材30との間にコンクリート70を打ち込むことにより、補強スラブ構造を構築する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補強スラブ構造及びその施工方法に関するものであり、詳しくは、RC造又はSRC造建物であって、ラーメン構造又は壁式ラーメン構造の既存建物の外側に、独立した補強フレーム又はブレース付きフレームを構築して既存建物と接続し、地震時等の水平耐力を増設するための補強スラブ構造及びその施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
RC造又はSRC造の既存躯体に対して、RC造の補強架構を建物外側から接合する方法としては、既存躯体の補強する面全体をチッピングなどにより目粗した後に、必要数の孔をドリルで明け、あと施工アンカーを接着剤により固着し、RC造の新設スラブを現場で構築し、既存梁と補強フレームの梁を接続する方法が最も一般的である。
【0003】
従来、既存建物と補強用架構とを構造的に一体化させる水平力伝達部材に関する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【0004】
特許文献1に記載された既存建物の耐震補強方法は、平板状の金属材からなる門型又はV字形の水平力伝達部材を、補強用柱梁架構の梁軸方向に沿って複数配置し、その一端は既存建物の跳ね出しスラブの下面へアンカー部材で定着し、さらに、水平力伝達部材の他端は補強用柱梁架構へ定着したものである。
【0005】
特許文献2に記載された既存建物の耐震補強構造は、先端に立ち上がり部を有する跳ね出しスラブを備えた既存建物の外側に、別途構築した補強用柱梁架構を緊結する既存建物の耐震補強方法に関するものである。この既存建物の耐震補強方法において、補強用柱梁架構は、各柱及び梁を、既存建物の外周部の各柱及び梁に対応する配置で構築すると共に、補強用柱梁架構の梁を、既存建物の跳ね出しスラブと緊結する。そして、跳ね出しスラブの立ち上がり部を撤去して、補強用柱梁架構の架構面内に立ち上がり部を新設するものである。
【0006】
特許文献3に記載された既設ベランダの改修を兼ねた耐震補強構造は、既存建物のベランダの外側に、基礎を築造すると共に、この基礎上に、プレキャスト製柱と、プレキャスト製ベランダ支持部付梁が一体化された外フレームを構築する。さらに、梁と一体のベランダ支持部を既存ベランダの下側に配置すると共に、ベランダ支持部と既設ベランダを一体化して、既設ベランダを改修して再構築する。そして、ベランダ支持部を介して既存建物に作用する地震力を外フレームでも負担できるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−209658号公報
【特許文献2】特開2009−209585号公報
【特許文献3】特開2003−206636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、既存建物の外側に位置する補強面の梁には、共用外部廊下、バルコニーなどの既存片持ちスラブが取り付けられている場合が多い。特に共用廊下は、日常における階段若しくはエレベータから居室に到達するための唯一の経路である。また、バルコニー及び共用廊下は、ともに災害時の非難通路として計画されることが多い。したがって、たとえ短期間の補強工事とはいえ、通路としての機能は維持させなければならない。
【0009】
しかし、補強工事現場において、型枠組立や鉄筋組立を行うと、通路としての機能は著しく低下し、ときには通行止め措置が必要となることさえある。また、接続スラブのスパンが大きくなると、木製型枠やデッキプレートを用いたとしても、コンクリート打設から強度発現までの期間、スパン中央に支保工(サポート)を存置することになる。このような支保工は、そのまま通路中央の障害物となり、通路機能を著しく阻害するという問題があった。
【0010】
このような問題を解決する方策として、一般的な設計者が容易に思いつくのは、RC造のスラブの下半分を工場で製作すること、すなわち、ハーフPC床板を用いて支保工を省略することである。しかし、ハーフPC床板は重量が大きく、人力での取り扱いはほぼ不可能である。すなわち、補強工事を行う階の直上階に既存片持ちスラブを残した状態で、この既存スラブの直下にハーフPC床板を吊り込むことは、重機を使う以外には不可能であり、結局、現実的には実施が困難なケースが大半である。
【0011】
また、補強工事現場において、鉄筋および型枠を組立てると、作業日数が長くなるだけではなく、作業場にも様々な資材、工具が散乱するため、さらに通路としての機能を阻害することになる。
【0012】
なお、上述した各特許文献に記載された従来の技術には、工事期間中に建物の専用部分に立ち入らないで工事を行うことができるものもあるが、基本的には、上述した問題点を解決しているとは言い難かった。
【0013】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、既存建物を補強する際に、既存建物の外側に存在する共用外部廊下やバルコニー等の通行を阻害せずに、容易に施工を行うことができ、さらに工期を短縮することが可能な補強スラブ構造及びその施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の補強スラブ構造及びその施工方法は、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明の補強スラブ構造及びその施工方法は、既存架構と外付け補強架構との間を接続するための補強スラブ構造及びその施工方法に関するものである。
【0015】
本発明の補強スラブ構造は、片持ちスラブの下側に設置され、片持ちスラブの長さ方向に延びる複数の中空部を有するセメント系押出し成形板からなる型枠部材と、型枠部材と片持ちスラブとの間に配設するスラブ鉄筋と、片持ちスラブと型枠部材との間に打ち込むコンクリートとからなることを特徴とするものである。
【0016】
また、上述した構成に加えて、スラブ鉄筋において、その配力筋は、型枠部材の幅程度に、重ね継ぎ手に必要な長さを加えた長さで小分けに組み立てられており、その主筋は、既存架構に設けたあと施工アンカーと重ね継ぎ手とすると共に、隣り合う配力筋同士を重ね継ぎ手とすることが好ましい。
【0017】
また、上述した構成に加えて、型枠部材に設けられた適宜な中空部に鉄筋を挿入し、当該鉄筋の外側端部をコンクリート内に折り曲げてコンクリートへの定着部を形成することが好ましい。さらに、型枠部材に設けられた他の適宜な中空部に、ひび割れ補強鉄筋を一連に挿通することが好ましい。
【0018】
本発明の補強スラブ構造の施工方法は、片持ちスラブの長さ方向に延びる複数の中空部を有するセメント系押出し成形板を型枠部材として用いると共に、適宜位置の中空部に鉄筋を挿入し、当該鉄筋の外側端部を折り曲げてコンクリートへの定着部を形成する。さらに、必要に応じて(例えば、コンクリートにひび割れが生じ、鉄筋だけでは型枠部材の落下を防止できない場合)、他の適宜位置の中空部に、ひび割れ補強鉄筋を一連に挿通する。また、先組みされたスラブ鉄筋を型枠部材の上部に配設し、片持ちスラブの下側に、スラブ鉄筋が配設された型枠部材を設置する。そして、片持ちスラブと型枠部材との間にコンクリートを打ち込んで、補強スラブ構造を構築することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の補強スラブ構造及びその施工方法によれば、型枠部材の単位面積当たりの重量が軽いため、既存片持ちスラブ(共用廊下、バルコニー)を残したまま、クレーンなどの重機を使用することなく施工することが可能となる。例えば、厚さ8cmのハーフPC床板では、その重量が200kg/m2程度になるのに対して、厚さ26mmの押出し成形板では、その重量が30kg/m2と非常に軽量な製品も市販されている。また、型枠部材が軽量であるため、2m程度のスパンであれば、中央に支保工が不要となり、通路の障害とならない。
【0020】
また、型枠部材として使用する押出し成形板は外観が美しいため、仕上げ工事を施さなくてもそのまま使用することが可能である。また、型枠部材として使用する押出し成形板は、材料がセメント系であるため、耐火材料であり、特別な耐火対策が不要となる。
【0021】
また、スラブ鉄筋を予め他の場所で先組みしておき、型枠部材となる押出し成形板型枠の上に先組み鉄筋を置いた状態でセットすることにより、現場での工期を短縮することが可能となる。
【0022】
さらに、型枠部材となる押出し成形板の中空部に挿入した鉄筋及び他の中空部に一連に挿通したひび割れ補強鉄筋が、型枠部材全体の自重を負担する。このため、万が一、コンクリートとの接着力喪失、スパン途中でのひび割れ損傷等が生じたとしても、中空部に挿入した鉄筋により、型枠部材がスラブ補強構造に強固に定着され、さらに、中空部に一連に挿通したひび割れ補強鉄筋により、押出し成形板が補強されるため、型枠部材の落下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る補強スラブ構造の断面模式図。
【図2】型枠部材の一部斜視図及び断面図。
【図3】中空部に鉄筋を挿入した状態の型枠部材の断面図。
【図4】中空部に鉄筋及びひび割れ補強鉄筋を挿入した状態の斜視図及び断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明に係る補強スラブ構造及びその施工方法の実施形態を説明する。図1〜図3は、本発明の実施形態に係る補強スラブ構造を示すもので、図1は補強スラブ構造の断面模式図、図2は型枠部材の一部斜視図(a)及び断面図(b)、図3は中空部に鉄筋を挿入した状態の型枠部材の断面図、図4は中空部に鉄筋及びひび割れ補強鉄筋を挿入した状態の斜視図(a)及び断面図(b)である。
【0025】
<補強スラブ構造の概要>
本発明の実施形態に係る補強スラブ構造及びその施工方法は、施工時の荷重を保持できる型枠部材として、セメント系材料による押出し成形板を用いる。なお、型枠部材には、接合部構造体としての機能は期待しない。また、押出し成形板からなる型枠部材の断面形状は、中立軸付近に空洞を設けることにより、中実断面に比べて重量当りの断面二次モーメントが大きくなるように工夫し、施工時荷重による曲げ応力に対して有効に働くようにしたものを用いる。このような押出し成形板としては、市販品が存在する。
【0026】
また、スラブ鉄筋を予め他の場所で組立てておき、型枠部材として使用する押出し成形板の上に載せて、スラブ鉄筋と型枠とを同時にセットする。この際、スラブ鉄筋の配力筋は、押出し成形板の幅程度に、重ね継ぎ手に必要な長さを加えた長さで小分けに組み立てておく。また、スラブ鉄筋の主筋は、既存架構に設けたあと施工アンカーと重ね継手とし、隣り合うスラブ鉄筋の配力筋同士も重ね継手とする。また、押出し成形板の中空部(空洞部)に鉄筋を挿入し、この鉄筋の外側両端部をスラブコンクリート内に折り曲げて定着させる。さらに、押出し成形板の他の中空部(空洞部)にひび割れ補強鉄筋を一連に挿通することが好ましい。
【0027】
<型枠部材>
型枠部材30は、図1及び図2に示すように、既存梁11及び既存柱12等からなる既存架構10の外壁面に設けられた片持ちスラブ20(例えば、共用廊下、バルコニー)の下側に設置され、片持ちスラブ20の長さ方向に延びる複数の中空部31を有するセメント系押出し成形板からなる。型枠部材30は、例えば、重量29.5kg/m2、厚み26mm、標準幅600mmのセメント系押出し成形板を使用する。このようなセメント系押出し成形板としては、市販品を使用することができる。
【0028】
また、図3に示すように、型枠部材30に設けられた適宜な中空部31の両端からそれぞれ鉄筋80を挿入し、その外側端部を上方へ向かって90度折り曲げ、さらに型枠部材30の内側へ向かって90度折り曲げてコンクリートへの定着部81を形成する。この鉄筋80は、ひび割れ防止鉄筋100と共に型枠部材30の落下防止鉄筋として機能する部材である。具体的には、図4に示すように、例えば、型枠部材30に設けられた2箇所の中空部31において、上述した鉄筋80を挿入する。さらに、当該鉄筋80を挿入した2箇所の中空部31の略中央に位置する中空部31内に、ひび割れ補強鉄筋100を一連に挿通する。
【0029】
なお、鉄筋80及びひび割れ補強鉄筋100は、いわゆる鉄筋に限られず、棒状金属であれば、どのような部材であってもよい。また、図3及び図4に示す例では、施工性を高めると共に、コストを低減するため、鉄筋80を二分割して中空部31の両側開口部からそれぞれ挿入しているが、中空部31内に一連の鉄筋を挿通し、当該鉄筋の両端部に定着部81を形成することもできる。鉄筋80を一連のものとした場合には、ひび割れ補強鉄筋100を省略することができる。また、挿入する鉄筋30及び挿通するひび割れ補強鉄筋100の数は、施工対象に応じて、適宜変更して設定することができる。
【0030】
押出し成形板は外壁パネルにも使用できるほど見た目が良く、打ち込み型枠として存置したいが、万が一にでも落下を許すことはできない。したがって、型枠部材30の落下防止用として、鉄筋80及びひび割れ補強鉄筋100を使用することにより、将来、コンクリート70(型枠部材30と片持ちスラブ20との間に打ち込むコンクリート70)との接着力が喪失したり、スパン途中でのひび割れ損傷が生じても、型枠部材30が落下することがない。
【0031】
<スラブ鉄筋>
先組みしたスラブ鉄筋50は、型枠部材30と片持ちスラブ20との間に配設するもので、予め、小分けに組み立てておき、スラブ鉄筋50の主筋51は、既存架構10に設けたあと施工アンカー40と重ね継ぎ手とすると共に、隣り合うスラブ鉄筋50の配力筋52同士を重ね継ぎ手とする。
【0032】
すなわち、スラブ鉄筋50の主筋51及び配力筋52は、型枠部材30の幅に、重ね継ぎ手に必要な長さを加えた1000mm程度に先組しておき、施工現場において型枠部材30の上に、スペーサ90を介してセットする。なお、スラブ鉄筋50の主筋51及び配力筋52ともに重ね継手のみで施工することができるので、現場での継手作業は不要である。
【0033】
<後打ちコンクリート>
そして、型枠部材30と既存の片持ちスラブ20の間にコンクリート70を打ち込むことにより補強スラブ構造を構築し、既存架構10と外付け補強架構との間を接続する。
【0034】
<補強スラブ構造及の施工方法>
本実施形態の補強スラブ構造を施工するには、まず、型枠部材30を取り付ける既存の片持ちスラブ20の下側において、既存架構10の外壁面にあと施工アンカー40を取り付ける。また、既存架構10の外壁面及び補強架構(図示せず)の内面側(既存架構10側)に仮受けアングル60を取り付ける。
【0035】
そして、予め型枠部材30の幅程度で小分けに組み立てられているスラブ鉄筋50を、スペーサ90を介して型枠部材30の上に配置する。また、型枠部材30に設けられた適宜な中空部31に鉄筋80を挿通して、当該鉄筋80の外側端部を上方へ向かって折り曲げ、さらに先端部を型枠部材30の内側へ向かって折り曲げて180度フック(定着部81)を形成する。なお、本実施形態では、型枠部材30の中空部31には、二本の鉄筋80を当該中空部31の両開口部からそれぞれ差し込むようになっている。さらに、型枠部材30に設けられた他の適宜な中空部31に、ひび割れ補強鉄筋100を一連に挿通させる。この際、型枠部材30の重量を負担できる量の鉄筋80を均等に配置すればよい。
【0036】
そして、型枠部材30と既存の片持ちスラブ20の間にコンクリート70を打ち込んで補強スラブ構造を構築し、既存架構10と外付け補強架構との間を接続する。
【0037】
このように、本発明の補強スラブ構造及びその施工方法では、重量の軽い押出し成形板を型枠部材30として使用することにより、既存架構10及び補強架構に取り付けた仮受けアングル60のみで型枠部材30の重量を負担することができるので、スパン中央には支保工等のサポート類を設ける必要がない。これにより、既存建物の外側に存在する共用外部廊下やバルコニー等の通行を阻害せずに、補強スラブ構造を容易に施工することができ、さらに工期を短縮することが可能となる。
【符号の説明】
【0038】
10 既存架構
11 既存梁
12 既存柱
20 片持ちスラブ
30 型枠部材
31 中空部
40 あと施工アンカー
50 スラブ鉄筋
51 主筋
52 配力筋
60 仮受けアングル
70 コンクリート
80 鉄筋(又は棒状金属)
81 定着部
90 スペーサ
100 ひび割れ補強鉄筋(又は棒状金属)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既存架構と外付け補強架構との間を接続するための補強スラブ構造であって、
前記片持ちスラブの下側に設置され、前記片持ちスラブの長さ方向に延びる複数の中空部を有するセメント系押出し成形板からなる型枠部材と、
前記型枠部材と前記片持ちスラブとの間に配設するスラブ鉄筋と、
前記片持ちスラブと前記型枠部材との間に打ち込むコンクリートと、
からなることを特徴とする補強スラブ構造。
【請求項2】
前記スラブ鉄筋において、その配力筋は、前記型枠部材の幅程度に、重ね継ぎ手に必要な長さを加えた長さで小分けに組み立てられており、その主筋は、前記既存架構に設けたあと施工アンカーと重ね継ぎ手とすると共に、隣り合う配力筋同士を重ね継ぎ手とすることを特徴とする請求項1に記載の補強スラブ構造。
【請求項3】
前記型枠部材に設けられた適宜な中空部に鉄筋を挿入し、当該鉄筋の外側端部を前記コンクリート内に折り曲げてコンクリートへの定着部を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の補強スラブ構造。
【請求項4】
前記型枠部材に設けられた他の適宜な中空部に、ひび割れ補強鉄筋を一連に挿通する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の補強スラブ構造。
【請求項5】
既存架構と外付け補強架構との間を接続して水平耐力を増設するための補強スラブ構造の施工方法であって、
前記片持ちスラブの長さ方向に延びる複数の中空部を有するセメント系押出し成形板を型枠部材として用い、
適宜位置の前記中空部に鉄筋を挿入し、当該鉄筋の外側端部を折り曲げてコンクリートへの定着部を形成すると共に、必要に応じて、他の適宜位置の前記中空部にひび割れ補強鉄筋を一連に挿通し、
先組みされたスラブ鉄筋を前記型枠部材の上部に配設し、
前記片持ちスラブの下側に、前記スラブ鉄筋が配設された前記型枠部材を設置し、
前記片持ちスラブと前記型枠部材との間にコンクリートを打ち込む、
ことを特徴とする補強スラブ構造の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−57167(P2013−57167A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194478(P2011−194478)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000201478)前田建設工業株式会社 (358)
【出願人】(000222668)東洋建設株式会社 (131)
【Fターム(参考)】