説明

補強セメントモルタルのプレハブパネルにおけるアンカ位置合わせ設備

プレストレスされた二軸補強(9)を含む補強セメントモルタル(10)のプレハブパネルを固定するための位置合わせ設備。パネルは、セメントモルタル(10)の塊へその面(11)の何れからも突き出すことなく取り付けられる、前記パネルを扱いかつ/またはこれを建造物へ取り付けるための汎用動作手段(6)を有する。手段(6)は、一方で、硬化されるセメント塊内の保持手段(13)およびパネルのアンカ手段(14)を備える。本設備は、手段(6)を受け入れる安定座弾性装置(5)を支持するための固定式ベース構造体(2)と、一方で、手段(6)のクランプ装置(3)を備える可動フレーム(1)とを有する。可動フレーム(1)は、手段(6)を安定座弾性装置(5)から除去するという目的を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発明の名称が示すように、補強モルタルパネルのプレハブ式製造におけるアンカ位置合わせ機器に関し、具体的には、二次元的に補強されるプレハブ式セメントモルタルパネル内へ、剥離、輸送および現場での実装の各動作におけるその保全を容易にするためと建造物への固定用として組み込まれる汎用アクチュエータ手段の位置合わせを容易にしかつ確実にする機器に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の出願人がその所有者である実用新案登録第200401484号は既知であり、この登録は、マルチグリップを有する幅広かつ拡張的なヘッドピースを開示している。このヘッドピースは、あるワークポスト内に順序正しく位置合わせされている複数のエレメントを同時に同一平面上で把持し、これらを別のワークポストへ順序正しく移動しかつこれらをそのポスト内へ当初の配置と同一の位置合わせで置くことができる。
【0003】
このグリップ式ヘッドピースは、具体的には、プレストレスされた二次元補強セメントモルタルを基礎とする建築用パネルの製造に適用される。これらのパネルへは、その非可視面上に金属エレメントが、モルタル塊内へモルタルが硬化する前に沈みこむΩ形セクションの形式で位置決めされる。金属エレメントは、建造物内へパネルを設置するためのものである。また、これらは、剥離、貯蔵、輸送および位置合わせの間にパネルを扱うための把持手段も形成する。
【0004】
今日まで、パネル成形と同時に行われるこれらの金属エレメントのパネル背面への挿入は手作業で行われ、よってモルタルが硬化し始める前に実行すべく最低限の時間で極めて精確に行われなければならなかった。その結果、パネルの製造は遅れ、製造価格は増大した。
【0005】
これらの欠点を克服するために、実用新案ES1057874に反映されている手段を生成するというソリューションが採用された。これらの手段は、一方で、金属エレメントを、金属エレメントの配置がパネル補強の配置に適合しかつこれを妨害しないように順序正しく配置すること、かつ他方で同時にこれらのエレメントが最近に成形されたパネルの背部へ当該パネルが硬化し始める前に沈降し得ることを可能にする。
【0006】
当該発明による良好な結果にも関わらず、実際には、Ω形セクション形式の前記金属エレメントの使用により、パネルはその非可視面にパネルを扱いかつパネルを建造物へ取り付けるための前記Ω形セクションによる突起を有するという含みのあることが明らかにされている。これにより、パネルの扱いを改善させる代わりに、パネルの貯蔵および輸送時に表面組織の妥当な外観または可視面の妥当な光沢を劣化させる可能性のある如何なる摩擦も回避するように防護手段を設けることが必要となる。
【0007】
上述の欠点を克服するために、Ωセクション形式の前記金属エレメントを、パネル内部へ完全に挿入されるが、一方でパネルの非可視面からアクセス可能であり、しかも前記非可視面から突き出さない、建造物へパネルを固定するための手段で置換することが採用された。
【0008】
上述のソリューションによれば、実用新案第200700993号において企図されているように、汎用アクチュエータ手段としてより広範な機能を伴って定義される、建造物へパネルを固定するための前記手段は、モルタル塊内に隠され、幾つかの単位方眼スペース内に散在され、かつ前記パネルの二次元補強のプレストレスケーブルにまたがっている。
【0009】
これらの汎用アクチュエータ手段は、一方で、硬化されるモルタル塊内に保持されるための手段を有し、かつ他方ではこれと反対に、エレメントを扱いかつ/または建造物へ固定するためのアンカ手段を有する。
【0010】
前記汎用アクチュエータ手段は、モルタル塊内へモルタルが硬化する前に挿入されかつモルタル塊内においてパネルの可視面に到達しないブロックで構成されるのに対して、建造物へのアンカ手段はパネルの非可視面と同一レベルのエリアを有する。
【0011】
何れにしても、パネルを扱いかつこれらを建造物へ固定するための金属エレメントはモルタル塊内へモルタルが硬化し始める前に挿入されなければならない、という欠点が存在する。Ωセクションに関するこの欠点は、実用新案第200401484号におけるデバイスによって解決されている。
【0012】
実用新案第200700993号において予見されている前記汎用アクチュエータ手段の位置合わせの実行に際しては、言及されたデバイスが適切でないことから、前記手段をテンプレート上へ順序正しく位置合わせするというソリューションが採用されている。汎用アクチュエータ手段は、位置合わせされた後、同時に把持されて金型内で最近に形成されたパネルの非可視面から挿入され、モルタルがパネルを剥離するに足る硬化を達成するまで前記位置に留まる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
先に説明したタスクを実行するために、本発明の目的である、一方で、内部に同じ複数の汎用アクチュエータ手段を位置合わせすることに適する複数の安定座弾性装置を水平に支持するための固定式ベース構造体を備え、かつ他方で、汎用アクチュエータ手段を把持するためのグリップ装置を、前記汎用アクチュエータ手段を位置合わせするために固定式ベース構造体上へ位置決めされる安定座弾性装置と一致するように順序正しく包含する可動フレームワークを備えるプレハブ式補強モルタルパネルにおけるアンカ位置合わせ機器が開発されていて、前記グリップ装置は、前記可動フレームワークのうちの1つが固定式ベース構造体に密着して位置合わせされる度に汎用アクチュエータ手段を把持し、かつその可動状態に起因して、固定式ベース構造体上の安定座弾性装置から前記弾性装置上へ位置合わせされている汎用アクチュエータ手段を取り外す。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の1つの特徴は、安定座弾性装置が固定式のベース本体と、固定式ベース本体上で滑動する下側部分および前記固定式本体の外部に存在しかつ硬化されるセメントモルタル塊内に汎用アクチュエータ手段を保持する保持手段を嵌め込むための平坦な窪みを形成する弾性プレート用台座トレイを形成する別の上側部分を有する汎用アクチュエータ手段のための可動座本体とで構成されるという事実から成る。
【0015】
上記に関連する別の特徴は、固定式ベース本体がその内部に、可動本体を滑動させるためのガイドブッシングと、その先端が前記可動本体上の短い溝の内側に沿って移動して前記固定式ベース本体と可動本体のトレイとの間に位置決めされるばねによりかつ/または前記トレイへ印加される応力により負荷がかかると可動本体の移動の限界を決定する片持ち梁配置の半径方向フィンガとを固定的に包含するという事実に存する。
【0016】
また、本発明のある特徴は、可動フレームワークが、固定構造体上に存在する台座デバイスと同数である、実際の可動フレームワークによりカバーされかつ可動フレームワークと一体式である根太受け梁および繋ぎ梁に沿って分散される固定式ガイドを有し、これらの固定式ガイドは、汎用アクチュエータ手段の一方の端を把持するためのグリップ手段を有する一方で円錐切頭形で終わる他端の近くに幅広の半円環状溝を有するグリップロッドを滑動式に、但し時には固定式に収容する、という事実にある。
【0017】
上記に関連づけられる他の特徴は、グリップロッドがその把持端によって、固定式ベース構造体の安定座弾性装置上に位置決めされる汎用アクチュエータ手段の一方の端へ包含され、かつグリップロッドは、汎用アクチュエータ手段に作用する場合、少なくとも前記汎用アクチュエータ手段と相互作用する場合には、対応するガイドおよび保持サポートに対してグリップロッドをブロックする剥離可能な手段によって負荷をかけられるという事実に存する。
【0018】
本発明は、剥離可能なグリップ装置のうちの幾つかが、補強モルタルパネルが剥離段階になれば可動フレームワークを補強モルタルパネルから牽引するための牽引手段として作用する、という特徴を企図している。
【0019】
また本発明は、パネルを剥離するための牽引手段として作用するグリップ装置が、グリップ装置のグリップロッドの広い溝内へ挿入されることが可能なフォーク拘束に関連づけられるという、上述の1つの特徴に関連する特徴も有する。
【0020】
最後に、本発明は、可動フレームワークが、セメントモルタル層の表面に当てられるように配置されて高周波電気吸熱効果発生器の一方の終端へ接続される金属補強を保持し、その間、前記発生器のもう一方の終端は前記モルタルの硬化を促進するように厚いモルタルセメント層を成型する金型へ接続され、これにより、可動フレームワークの重い金属補強が、高周波吸熱システムにおける上側の補強として作用するものの、何れにしてもパネルの非可視面を形成しかつ硬化中のモルタルからの水分蒸発を防止すべく金型を閉止するセメントモルタル層の表面の成型に作用することは排除されない、という事実を企図している。
【図面の簡単な説明】
【0021】
以下、説明する考案の理解を容易にし、同時に幾つかの構成上の詳細を開示するために、本明細書に添付される図面を参照して本発明の実施形態について説明するが、諸図面は、本質的なその例示的目的に鑑みれば、請求される法的保護の範囲を限定しないものとして解釈されるべきである。
【図1】図1は、分解図において対応するブロックを含む安定座弾性装置を有する固定式ベース構造体と、グリップロッドと、前記グリップロッドが収容されるそのグリップ装置を有する可動フレームワークとを備える、安定座弾性装置上へ位置決めされる汎用アクチュエータ手段を構成するブロックを順序正しく把持する前の位置における本発明機器の一部を示す斜視図である。
【図2】図2は、汎用アクチュエータ手段を形成するブロックが座弾性装置内の所定位置に置かれかつグリップロッドが前記ブロック内に置かれ、このユニットが、下降待ちのグリップロッドからまだ分離されている可動フレームワーク上へ位置決めされたグリップ装置に対して垂直に配置されている、先行図における機器の一部を示す部分的な断面図を含む立面図である。
【図3】図3は、先行図に類似する、可動フレームワークが下降してグリップ装置によりグリップロッドを保持し、グリップロッドが汎用アクチュエータ手段を形成するブロック内に嵌め込まれた時点を示す。
【図4】図4は、可動フレームワークが、この時点では弾性座装置から引き出されているブロックを、二次元的にプレストレスされた補強と最近に注入された厚いコンクリートモルタル層とを含む金型の自由面へ向き合わせている、先行図におけるユニットを示す。
【図5】図5は、セメントモルタル層内へブロックが挿入されると、可動フレームワークが、ある程度の硬化が達成されて形成されたパネルを金型から剥離することができるまで不動のままである、先行図におけるユニットを示す。
【図6】図6は、厚い層を形成すべく金型内に置かれたセメントモルタルが硬化して可動フレームワークが達成されたパネルを金型から剥離しているときの、先行図におけるユニットを示す。
【図7】図7は、本機器が高周波電流による硬化加速装置を備える場合を図示したものである。
【図8】図8は、汎用アクチュエータ手段のうちの1つ、具体的には、エレメントを扱いかつ/または建物構造体へ固定するために一方で硬化されるモルタル塊内にエレメントを保持する手段を形成しかつ他方でこれと反対にエレメントを固定する手段を形成するタイプのブロックのうちの1つを安定して支持するための安定座弾性装置を不活性位置において示す立面図である。
【図9】図9は、先行図における線IX−IXに沿った断面を示す。
【図10】図10は、可動フレームワーク上へ組み立てられると、硬化したパネルを金型から剥離するようにパネルに垂直の牽引力を加えると思われる類の1つのグリップ装置を示す立断面図である。
【図11】図11は、大部分が前記垂直の牽引力を加え得る手段に関係づけられない類のグリップ装置を示す断面図である。
【図12】図12は、図10における線XII−XIIに沿った断面を示す。
【図13】図13は、安定座弾性装置内に、グリップロッドにより保持されかつ続いて可動フレームワーク内のグリップ装置により把持されるべく待機する対応するブロックを順序正しく包含するための固定式構造体の一角を示す平面図である。
【図14】図14は、先行図に類似して、グリップロッドがブロックを捕らえる前にグリップ装置内に結合されているときの可動フレームワークの位置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、可動フレームワーク1と、固定式ベース構造体2とを備える、本発明による機器の一実施形態を示す。可動フレームワーク上には、グリップロッド4のグリップ装置3が存在し、かつ固定式ベース構造体上には、この事例ではブロックの形式である汎用アクチュエータ手段6のための安定座弾性装置5が存在する。これらは全て、安定座弾性装置5内にグリップ装置3と垂直に一致して位置決めされたブロック6を順序正しく把持する前の位置にある。ブロック6は、グリップ装置3のうちの1つへ挿入される。
【0023】
図2は、ブロック6が安定座弾性装置5内に置かれ、かつグリップロッド4が前記ブロック6内に置かれた先行図の機器を示す。ユニットは、可動フレームワーク1上へ位置決めされたグリップ装置3の垂線上に、グリップ装置3がグリップロッド4から分離されて前記可動フレームワーク1の下降を待機している状態で配置されている。
【0024】
図3は、可動フレームワーク1が下降してグリップロッド4をグリップ装置3内に嵌め込んだ時点を示している。グリップロッド4自体は、汎用アクチュエータ手段を形成するブロック6内に嵌め込まれる。
【0025】
図4は、可動フレームワーク1が、この時点では安定座弾性装置5から外されてグリップロッド4内に保持されているブロック6を金型8の自由面7へ対面させている時点の先行図のユニットを示している。金型8は、パネル11の非可視面を形成する二次元的にプレストレスされた補強9および最近に注入された厚いセメントモルタル層10を含む。
【0026】
図5は、ブロック6がセメントモルタル層10内へ挿入され、前記セメントモルタル層10が形成されたパネル(11)を金型から剥離できるに足る度合いの硬化に達するまで不動のままである時点の先行図のユニットを示している。
【0027】
図6は、金型8内に入れられた厚いセメントモルタル層10の硬化後に達成されたパネル11を可動フレームワーク1が剥離している時点の先行図のユニットを示している。
【0028】
図7の事例は、図式的に、本機器が高周波電流を用いる硬化加速装置を備える事例に一致している。この装置は、好適には可動フレームワーク1内に組み込まれる上側の金属補強12Aと、下側の金属補強12Bと、高周波電流発生器HFとで構成される。
【0029】
また、可動フレームワーク1内へ組み込まれる重い上側の金属補強12Aは、高周波吸熱システムにおける上側の補強として作用するが、何れの場合も、パネル11の非可視面を形成するセメントモルタル層10の表面を成形しかつ硬化中のモルタルからの水分蒸発を防止すべく金型8を閉止する働きをする。
【0030】
図8および図9は、汎用アクチュエータ手段のうちの1つを安定して支持するための安定座弾性装置5の好適な一実施形態を示している。この事例では、これは具体的に、図10において詳細が分かるような、一方で硬化されるセメントモルタル塊10内に保持するための保持手段13を備えかつ他方でこれと反対側に、グリップロッド4のようなエレメントを扱いかつ/または図示されていない建物構造体へエレメントを固定するためのアンカ手段14を備えるブロック6を指す。
【0031】
前記安定座弾性装置5は、固定式ベース構造体2へ固定するためのアンカねじ15Aを装備したベース15と、中央の自動注油ブッシング17およびシール18を装備したガイド本体16とを備え、前記自動注油ブッシング17およびシール18は、環状の蓋19により閉止されてばね22により荷重されるプラットフォーム21のフット20の滑動装置を形成し、プラットフォーム21の内部には、ブロック6を保持するための保持手段13が安定して嵌るリセス24を有する台座プレート23が座している。フット20は軸方向のリセス25を有し、軸方向のリセス25において、プラットフォーム21の浮上および降下の制限をその機能とするエンドストップ26がガイド本体16へ固定式に装着される。
【0032】
図10および図12は、可動フレームワーク1上へ組み立てられて、この時点で金型から剥離されるに足る程度に硬化されているパネル11上へ垂直の牽引力をかけると思われる類のグリップ装置3を示している。
【0033】
これらの図においては、可動フレームワーク1上へ設置されたグリップ装置3が上部ガイド本体27および底部ガイド本体28を備え、上部ガイド本体27および底部ガイド本体28は互いに関連づけられて可動フレームワーク1の壁1Aをねじ29によって閉じ込め、両図ではブロック6を把持しているグリップロッド4を包含するための2つの垂直な同心ハウジング30および31を形成することが観察される。
【0034】
上部ガイド本体27は、その側面に、2つの盲ダクト33が垂直ハウジング30の軸に対して横断方向に共平面で開く円筒空胴32を有し、前記円筒空胴32は滑動式円筒本体34により占有され、かつ両盲ダクト33は、共同して前記滑動式円筒本体34の片持ち梁配置で出現しかつ垂直ハウジング30の直径より小さい距離で互いから分離される個々のロッド35により占有される。
【0035】
前記滑動式円筒本体34およびロッド35によって構成されるユニットは、ロッド35を垂直ハウジング30の周囲から分離するに足るスペース内でユニットを軸方向へ移動させるモータ機構36に関連づけられる。
【0036】
ロッド35が配置される平面は、グリップロッド4の頂端に設けられる溝37に一致し、これにより、前記ロッド35が盲ダクト33内に収容される位置にあるときに前記グリップロッド4をグリップ装置3内に保持することが可能にされ、反対に、前記グリップロッド4は、ロッド35が移動されて前記盲ダクト33内部から部分的に引き出されると解放される。
【0037】
モータ機構36は、既知のタイプ、即ち液圧式、空気式または電気式の何れであってもよい。
【0038】
図1、図10および図11は、グリップロッド4が溝37のすぐ先で始まり円錐切頭形となって終わる自由端38を有し、かつ一方で他端に、ブロック6と結合するための、ねじ、バヨネット、磁気またはスナップ式であってもよいカップリング手段39を有することを示している。
【0039】
前記図11は、グリップ装置3の底部ガイド本体28と同一である単純な底部ガイド本体40から成るグリップ装置3Aを示しているが、この底部ガイド本体40は、グリップロッド4のグリップ装置3およびグリップ装置3Aの双方における位置合わせを確実にする、可動フレームワーク1へ固定するためのアンカねじを通す複数の穴41と、摩擦、磁気またはばね式であってもよい不図示のグリップロッド4を保持するための位置保持手段42とを装備している。可動フレームワーク1には、金型からパネル11を剥離する際にパネル11を引っ張るに足る限定数のグリップ装置3が設けられるが、一方で、金型剥離を可能にするように作られているグリップ装置3用として意図されていないブロック6を把持するためのグリップ装置3Aは必要な数だけ設けられる。
【0040】
図13は、グリップロッド4により保持されかつ続いて可動フレームワーク1のグリップ装置3により把持されるべく待機している対応するブロック6を安定座弾性装置5内に順序正しく包含するための固定式構造体2の一角を示している。
【0041】
図14は、図2と同様に、かつ図10の詳細を伴って、グリップロッド4がブロック6を捕らえる前にグリップ装置3内に結合されている事例における可動フレームワーク1の位置を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレストレスされた二軸補強(9)を含む補強セメントモルタル(10)のプレハブ式パネルのためのアンカ位置合わせ機器であって、前記セメントモルタル(10)のパネルは、前記パネルを扱いかつ/またはパネルを建物構造体へ固定することに適する汎用アクチュエータ手段(6)を有し、前記汎用アクチュエータ手段(6)はセメントモルタル(10)の塊内へその何れの面(11)からも突き出すことなく埋め込まれ、同時に前記汎用アクチュエータ手段(6)は、一方で前記汎用アクチュエータ手段(6)を硬化されるセメントモルタル(10)の塊内へ埋め込むための保持手段(13)を備えかつ他方でこれと反対側にパネルを扱うエレメントおよび前記パネルを前記建物構造体へ固定するエレメントの双方のためのアンカ手段(14)を備え、前記アンカ位置合わせ機器は、一方で、
[a]同じ複数の汎用アクチュエータ手段(6)を受け入れることに適する複数の安定座弾性装置(5)を水平に支持するための固定式ベース構造体(2)を備え、かつ他方で、
[b]前記安定座弾性装置(5)に一致して、前記汎用アクチュエータ手段(6)を把持するためのグリップ装置(3)を備える可動フレームワーク(1)を備え、かつ前記可動フレームワークの各々が厳密に位置合わせされるとした場合、前記グリップ装置(3)は前記汎用アクチュエータ手段(6)を前記固定式ベース構造体(2)に当てて把持し、かつその可動状態に起因して、前記可動フレームワークは前記汎用アクチュエータ手段(6)を前記安定座弾性装置(5)から引き出すことを特徴とするアンカ位置合わせ機器。
【請求項2】
安定座弾性装置(5)は、固定式ベース本体(15、16)と、前記固定式ベース本体(15、16)内部で滑動する下側部分および前記固定式ベース本体(15、16)より外部に存在しかつ前記保持手段(13)を汎用アクチュエータ手段(6)の硬化されるセメントモルタル(10)の塊内へ嵌め込むための平坦な窪みを有する弾性プレート(23)のための台座トレイを形成する別の上側部分を有する汎用アクチュエータ手段(6)のための可動座本体(20、21、23)とで構成されることを特徴とする、請求項1に記載の補強セメントモルタル(10)のプレハブ式パネルのためのアンカ位置合わせ機器。
【請求項3】
前記固定式ベース本体(15、16)はその内部に固定的に、前記可動本体(20、21、23)が滑動するためのガイドブッシング(17)および片持ち梁配置の半径方向フィンガ(26)を含み、前記半径方向フィンガ(26)の先端は、前記可動本体(20、21、23)内の短い溝(25)の内側を移動して、前記固定式ベース本体(15、16)と可動本体の前記プラットフォーム(21)との間に位置決めされるばね(22)により荷重された際に、かつ/または前記プラットフォーム(21)へ印加される応力によって前記可動本体(20、21、23)の移動限界を決定することを特徴とする、請求項2に記載の補強セメントモルタル(10)のプレ製造式パネルのためのアンカ位置合わせ機器。
【請求項4】
前記可動フレームワーク(1)は固定式ベース構造体(2)が有する安定座弾性装置(5)と同数のグリップ装置(3)を有し、前記グリップ装置内には、一方の端に汎用アクチュエータ手段(6)の一端へ結合するためのカップリング手段(39)を含むと同時にもう一方の端の近くに幅広の半円環状溝(37)を有するグリップロッド(4)が滑動式に但し時には固定式に収容されることを特徴とする、請求項1に記載の補強セメントモルタル(10)のプレ製造式パネルのためのアンカ位置合わせ機器。
【請求項5】
前記グリップロッド(4)の各々は、そのカップリング手段(39)によって、固定式ベース構造体(2)の安定座弾性装置(5)内に位置決めされた汎用アクチュエータ手段(6)の一方の端へ組み込まれることを特徴とする、請求項4に記載の補強セメントモルタル(10)のプレ製造式パネルのためのアンカ位置合わせ機器。
【請求項6】
前記汎用アクチュエータ手段(6)に作用する前記グリップロッド(4)は、前記グリップロッド(4)を少なくともその前記汎用アクチュエータ手段(6)との相互作用の間は前記安定座弾性装置(5)に対してブロックする解放可能手段(34、35、36)によって荷重されることを特徴とする、請求項4に記載の補強セメントモルタル(10)のプレ製造式パネルのためのアンカ位置合わせ機器。
【請求項7】
前記解放可能なグリップ装置(3)の中には、補強セメントモルタル(10)が剥離ステージにあれば、前記補強セメントモルタル(10)のパネルに対する可動フレームワーク(1)による牽引のための牽引手段として作用するものがあることを特徴とする、請求項1に記載の補強セメントモルタル(10)のプレ製造式パネルのためのアンカ位置合わせ機器。
【請求項8】
パネルを金型から剥離するための牽引手段としてのグリップ装置(3)は、グリップ装置(3)のグリップロッド(4)の幅広の溝(37)内に挿入されることが可能なフォーク拘束(34、35)に関連づけられることを特徴とする、請求項7に記載の補強セメントモルタル(10)のプレ製造式パネルのためのアンカ位置合わせ機器。
【請求項9】
可動フレームワーク(1)は、セメントモルタル層(10)の表面に装着されるように配置されて高周波電流発生器(HF)の1つの端子へ接続される金属補強(12A、12B)を保持し、前記発生器(HF)のもう一方の端子は厚いセメントモルタル層(10)の硬化を促進するために前記厚いセメントモルタル層(10)を成形する金型(8)へ接続されることを特徴とする、請求項1に記載の補強セメントモルタル(10)のプレ製造式パネルのためのアンカ位置合わせ機器。
【請求項10】
可動フレームワーク(1)は、高周波吸熱システムの上側の補強(12A)として作用するが、何れの場合も、パネルの非可視面を形成しかつ硬化中のモルタルからの水分蒸発を防止するために金型(8)を閉止するセメントモルタル層(10)の表面を成形する働きをする重い金属補強(12A、12B)を保持することを特徴とする、請求項9に記載の補強セメントモルタル(10)のプレ製造式パネルのためのアンカ位置合わせ機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公表番号】特表2013−520329(P2013−520329A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549385(P2012−549385)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【国際出願番号】PCT/ES2010/000025
【国際公開番号】WO2011/104390
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(310009030)
【Fターム(参考)】