説明

補強繊維性吸収部材を製造する方法及び装置

【課題】 繊維材料で構成されて補強ウェブが組み込まれた吸収部材を製造する方法及び装置を提供する。
【解決手段】 補強繊維性吸収部材を製造する方法及び装置において、繊維材料が形成表面上に収集され、吸収部材を少なくとも部分的に形成する。繊維材料を補強ウェブと交絡させ、これを部分的に形成された吸収部材の少なくとも一部分の上に重ねる。形成表面上に付加的な繊維材料が収集されて吸収部材を更に形成し、それによって、吸収部材を形成する繊維材料の少なくとも一部分は、補強ウェブ及び補強ウェブと交絡した繊維材料のうちの少なくとも一方と交絡して補強ウェブを吸収部材内に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、使い捨ておむつ、小児用トレーニングパンツ、女性用ケア物品、及び失禁用物品などの物品に用いられる吸収性コアのような吸収部材を製造する方法及び装置に関し、より詳細には、繊維材料で構成され、補強ウェブが組み込まれたそのような吸収部材に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維性吸収部材を形成する一般的な1つの方法は、セルロース又は他の適切な吸収性材料の繊維シートを従来のファイバライザや他の破砕又は粉砕装置で繊維化して個々の繊維の流動化した流れを形成する従来の空気式成形技術を用いる。また、個々の繊維には、超吸収性材料の粒子も混合することができる。繊維及び超吸収性粒子の混合物は、形成チャンバ内の空気流に連行され、形成チャンバ内を移動する多孔性形成表面に空気流によって誘導される。空気が形成表面を通過する間に繊維及び超吸収性粒子が形成表面に収集され、繊維性吸収部材を形成する。更に、結合剤又は他の強化成分を組込み、安定化した吸収部材をもたらすことができる。吸収部材は、その後、貯蔵するか又は直ちに更なる加工及び他の構成要素との組立てに誘導されて吸収性物品を生成することができる。
【0003】
また、安定化吸収部材を形成するのに、乾燥成形技術、湿潤堆積技術、発泡成形技術、及び様々な湿潤成形技術のような他の従来の技術も用いられてきた。得られる吸収部材は、吸収性繊維、天然繊維、合成繊維、超吸収性材料、結合剤、及び強化成分を望ましい組合せで含むものであった。
吸収部材はまた、補強フィラメント、組織層、布層、及び網状材料のような補強材料を繊維材料に加えることによって強化することができる。例えば、本明細書においてその全開示内容が引用により組み込まれる、David W.Heyn他による11/27/2002の出願で本出願人に譲渡された「補強吸収構造を有する吸収性物品」という名称の米国特許出願(代理人ドケット番号K−C 16836B)は、繊維材料及び繊維材料内に組み込まれて吸収部材を強化すると共に使用中にそのひび割れの危険性を減少させるスクリム(例えば、網状又はメッシュ材料)から成る補強繊維性吸収部材を開示している。
【0004】
また、欧州特許出願EP0467409A1も補強ウェブを有する吸収性パッドを開示している。補強ウェブは、縦方向及び横方向に交差するストランドを含む。ストランドの一部又は全部は、第1の融点を有する内側の第1のポリマー材料、及び第1の融点よりも低い第2の融点を有する外側の第2のポリマー材料で形成される。補強ウェブは、ドラム上に堆積した流動化繊維材料を収容した形成チャンバ内に導入される。ウェブの交差ストランドにより形成される開口部は、繊維材料がウェブを通って形成表面に移動し、パッドの第1の層を形成することができる十分な大きさに決められる。次に、第1のパッド層上にウェブを置き、ウェブの上に第2の層を形成する。次に、パッド全体を加熱してウェブストランドの第1のポリマー材料ではなく第2のポリマー材料を溶融し、吸収性パッドの第1及び第2の層の間にウェブを融合させる。
しかし、補強ウェブを吸収部材内に結合するか又は他の方法で粘着的に固定する必要のない補強繊維性吸収部材を形成する適切な方法及び装置は、これまで知られていない。特に、繊維性吸収部材内へのスクリムの適正な位置合わせ及び固定を容易にして繊維材料のスクリムからの分離を抑制する方法でスクリムの連続ウェブを空気式成形装置内に供給する方法及び装置に対する必要性が存在する。
【0005】
【特許文献1】米国特許出願(代理人ドケット番号K−C 16836B、11/27/2002出願)
【特許文献2】欧州特許出願EP0467409A1
【特許文献3】米国特許第5,466,409号
【特許文献4】米国特許第4,666,647号
【特許文献5】米国特許第4,761,258号
【特許文献6】米国特許第6,330,735号
【特許文献7】米国特許出願一連番号09/947,128号
【特許文献8】米国特許第4,927,582号
【発明の開示】
【0006】
一般的に、補強吸収部材を製造する方法の一実施形態は、繊維材料を形成表面上に収集し、少なくとも部分的に吸収部材を形成する段階を含む。繊維材料は、部分的に形成された吸収部材の少なくとも一部分の上に重ねられた補強ウェブと交絡する。形成表面上には付加的な繊維材料が収集されて更に吸収部材を形成し、これによって吸収部材を形成する繊維材料の少なくとも一部分は、補強ウェブ及び補強ウェブと交絡した繊維材料のうちの少なくとも一方と交絡した状態になり、補強ウェブを吸収部材内に固定する。
【0007】
別の実施形態では、補強吸収部材を製造する方法は、一般的に、形成チャンバ内で繊維材料を流動化する段階と、ほぼ形成チャンバの入口から出口までの経路に沿って形成チャンバ内の形成表面を移動し、それによって形成表面を実質的にこの経路に沿って流動性繊維材料に露出する段階とを含む。繊維材料は、移動する形成表面上に集まって吸収部材を部分的に形成する。補強ウェブは、形成チャンバの開口部を通して形成チャンバの外部に配置された補強ウェブ供給装置から形成チャンバの内部に運ばれ、それによってウェブの内面及び外面は、形成チャンバ内で流動性繊維材料に露出される。補強ウェブは、形成チャンバ内で部分的に形成された吸収部材の上に重なり、この場合、補強ウェブは、形成チャンバの内部で形成チャンバ開口部から部分的に形成された吸収部材まで約1cmから約10cmの範囲の距離を横断する。付加的な繊維材料が形成表面上に収集され、吸収部材を更に形成して補強ウェブを吸収部材内に全体的に固定する。
【0008】
別の実施形態では、補強繊維性吸収部材を製造する方法は、一般的に、相互に結合したフィラメントが一緒にウェブの複数の開口部を形成した補強ウェブに繊維材料を交絡させる段階を含む。補強ウェブは、吸収部材形成表面の上に置かれたウェブである。繊維材料が形成表面上に収集され、吸収部材を形成し、この吸収部材を形成する繊維材料を補強ウェブ及び補強ウェブと交絡した繊維材料のうちの少なくとも一方に交絡させて補強ウェブを吸収部材に固定する。
【0009】
別の実施形態では、補強繊維性吸収部材を製造する方法は、一般的に、ウェブの供給装置から吸収部材が形成される形成表面に向けて長さ方向に補強ウェブを運ぶ段階を含む。補強ウェブの横断方向位置は、それが供給装置から形成表面に向けて長さ方向に運ばれる時に制御される。ウェブが形成表面に向けて運ばれ、ウェブが形成表面の上に置かれる時、繊維材料は、補強ウェブと交絡する。繊維材料は、形成表面に収集されて吸収部材を形成し、補強ウェブを吸収部材に全体的に固定する。
【0010】
別の実施形態では、繊維材料及び補強ウェブを含む補強吸収部材を製造する方法は、一般的に、形成表面上に繊維材料を収集し、吸収部材を少なくとも部分的に形成する段階を含む。補強ウェブは、部分的に形成された吸収部材の少なくとも一部分の上に重ねられる。付加的な繊維材料を形成表面上に収集して吸収部材を更に形成し、それによって補強ウェブは、吸収部材内に全体的に配置される。吸収部材は、その後、吸収部材から繊維材料を除去するためにスカーフィング作業を受ける。
【0011】
繊維材料及び補強ウェブを含む補強吸収部材を製造する方法の別の実施形態は、一般的に、形成表面上に繊維材料を収集し、吸収部材を少なくとも部分的に形成する段階を含む。補強ウェブは、部分的に形成された吸収部材の少なくとも一部分の上に重ねられる。付加的な繊維材料を形成表面上に収集して吸収部材を更に形成し、それによって補強ウェブは、吸収部材内に全体的に配置される。吸収部材は、吸収部材の長さの少なくとも一部分に沿って全体的に不均一な厚さを有するように形成される。
【0012】
繊維材料及び補強ウェブを含む補強吸収部材を製造する方法の更に別の実施形態では、繊維材料は、形成表面上に収集され、吸収部材を少なくとも部分的に形成する。補強ウェブは、吸収部材の厚さに対する補強ウェブの位置が吸収部材の長さの少なくとも一部分に沿って全体的に不均一になるように、部分的に形成された吸収部材の少なくとも一部分の上に重ねられる。付加的な繊維材料を形成表面上に収集して吸収部材を更に形成し、それによって補強ウェブは、吸収部材内に全体的に配置される。
【0013】
繊維材料及び補強ウェブを含む補強吸収部材を製造するための装置の一実施形態は、一般的に、流動性繊維材料を受け取るようになった形成チャンバと、形成チャンバ内で移動可能であって、繊維材料を上に収集して吸収部材を形成するようになった形成表面とを含む。補強ウェブの供給装置は、一般的に、形成チャンバの外部に配置される。送出チューブは、形成チャンバの外部に開いた導入端部、形成チャンバの内部に開いた排出端部、及び、導入端部と排出端部との間に延びる中央通路を有する。送出チューブのその排出端部に隣接する少なくとも一部分は、形成チャンバの内部に延びる。送出チューブは、補強ウェブを補強ウェブの供給装置から送出チューブの中央通路内に送出チューブの導入端部で受け取り、形成チャンバ内を形成表面に向けて運ぶために送出チューブの排出端部までウェブを案内するように配置される。
【0014】
別の実施形態では、繊維材料と内面及び外面を有する多孔性補強ウェブとを含む補強吸収部材を製造するための装置は、一般的に、流動性繊維材料を収容するようになった形成チャンバと、ほぼ形成チャンバの入口からその出口までアーチ形の経路に沿って形成チャンバ内で移動可能な形成表面とを含む。形成表面は、繊維材料を上に収集して吸収部材を形成するようになっている。補強ウェブの供給装置は、一般的に形成チャンバの外部に配置される。形成チャンバは、開口部を有し、それを通して、補強ウェブは、その後の形成表面に向けた形成チャンバ内の移送のために形成チャンバ内に受け取られる。開口部は、ほぼ上述の経路に沿った形成表面の移動方向に形成チャンバ入口の下流に配置される。
【0015】
更に別の実施形態では、繊維材料及び補強ウェブから成る補強吸収部材を製造するための装置は、一般的に、流動性繊維材料をチャンバの内部容積内に受け取るようになった形成チャンバと、形成チャンバ内で移動可能であって、繊維材料を上に収集して吸収部材を形成するようになった形成表面とを含む。補強ウェブの供給装置は、一般的に形成チャンバの外部に配置され、形成チャンバは、開口部を有し、それを通して、補強ウェブは、その後の吸収部材内への組み込みのために補強ウェブ供給装置から形成チャンバの内部容積内に長さ方向に運ばれる。形成チャンバ開口部は、補強ウェブが形成チャンバ開口部から形成表面に向けて移動する時にウェブの内面及び外面が形成チャンバ内の流動性繊維材料に露出されるように、形成表面から間隔を空けて配置される。補強ウェブの供給装置と形成チャンバとの中間にある検査装置は、補強ウェブがその間を長さ方向に運ばれる時にウェブの横断方向位置を判断するように作動可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図面のいくつかの図を通して、対応する参照記号は、対応する部分を示す。
本発明は、一般的に、繊維材料及び/又は他の粒子材料と、吸収部材を強化する補強ウェブとを含む全体的に3で示す補強繊維性吸収部材を製造する方法及び図1で全体的に1で示す装置に関する。特定の態様では、吸収部材3は、更に、おむつ、小児用トレーニングパンツ、大人用失禁用製品、女性用ケア製品、医療用衣類、及び包帯などのような使い捨てパーソナルケア製品内の吸収性コアとして用いることができる。
【0017】
図1及び図2を特に参照すると、本発明を説明するために、装置1は、吸収部材又はその特定構成要素又は材料が、全体として装置の特定の局所位置に沿ってかつそれを通って長さ方向に移送される方向に延びる指定の機械方向MDを有する。装置1の機械横断方向CD(図3及び図4)は、全体として吸収部材3又はその特定構成要素又は材料の平面内にあり、機械方向MDを横断する。装置1のZ方向ZDは、機械方向MD及び機械横断方向CDの両方に実質的に垂直であり、全体として、本装置によって形成された吸収部材3の深さ方向の厚さ寸法に沿って延びる。
【0018】
装置1は、ドラム7(参照番号は、その対象を全体的に示す)の周囲の周りに延びる移動可能な多孔性形成表面5を含む。ドラム7は、軸受11により支持部13に連結されたシャフト9に装着される。図4に示すように、ドラムは、シャフト9と共同回転するためにシャフトに連結された円形壁15を含む。シャフト9は、適切なモータ又はラインシャフト(図示せず)により、図1に示す実施形態では反時計回り方向に回転可能に駆動される。円形壁15は、形成表面5を片持ちし、ドラム7の反対側は開いている。形成表面5の半径方向内向きに位置する真空ダクト17は、ドラム内部の弧の上を延びる。真空ダクト17は、以下に更に詳細に説明するように、真空ダクト及び形成表面間の流体連通のために、多孔性形成表面5の下にアーチ形の細長い入口開口部19を有する。真空ダクト17は、真空供給装置23(図4に概略的に示す)に連結された真空導管21に装着され、かつ流体連通する。真空供給装置23は、例えば、排気用送風機とすることができる。
【0019】
真空ダクト17は、真空供給導管21に導管の外周面に沿って連結され、導管の円周方向に延びる。真空ダクト17は、真空導管21から形成表面5に向けて半径方向に突出し、横方向に間隔を空けて配置された側壁17Aと、角度的に間隔を空けて配置された端部壁17Bとを含む。シャフト9は、壁15を通って真空供給導管21内に延び、そこで導管内の軸受25に受け取られる。軸受25は、導管に入る部分のシャフト9及びその周りに空気が吸い込まれないように、真空供給導管21を用いて密封される。真空ダクト17及び導管21は、オーバヘッドマウント29により支持される。
【0020】
ドラム縁31は、ドラム7の壁15上に装着され、空気のような流体が縁の厚さを通って実質的に自由に移動することができるように、表面区域に亘って多数の穴を有する。縁31の形状は、ほぼ管形であり、壁15の周囲の近くでシャフト9の回転軸線の周りに延びる。縁31は、ドラム壁15から離れて片持ちされ、真空ダクト17の入口開口部19と緊密に隣接して位置決めされた半径方向内向き表面を有する。縁31と真空ダクト17の入口開口部19との間に空気抵抗密封を設けるために、真空ダクトの壁17Aとの摺動密封係合のための縁シール33を縁31の内向き表面に装着する。また、真空ダクト17の端部壁17Bにも、縁31の内向き表面との摺動密封係合のためのシール(図示せず)が装着される。シールは、摺動密封係合を可能にするフェルトのような適切な材料で形成することができる。
【0021】
装置1は、更に、形成チャンバ41を含み、それを通して、形成表面5は、ドラム7の回転時にドラムと結合して移動可能である。形成チャンバ41は、互いに組立てられた前部壁43、後部壁45、及び対向する側壁47(図1及び図2には、このうちの1つのみを示す)により形成され、形成表面5が形成チャンバ内を移動すると形成表面が露出される内部容積を形成するように従来の方法で構成される。より詳細には、図示の実施形態では、形成表面5は、形成表面が実質的に繊維材料の無い状態で形成チャンバに入る入口51から、形成表面が形成表面上に形成された吸収部材と共に形成チャンバを出る出口53まで、全体として形成チャンバ41内のアーチ形経路Pに沿って反時計回り方向に移動する。代替的に、ドラム7は、形成チャンバ41に対して時計回り方向に回転することができる。形成チャンバ41内の形成表面5が移動する経路Pの長さは、形成チャンバの入口51から出口53まで延びる形成表面の弧により形成される。例えば、図示の実施形態では、形成経路Pの長さは、ドラム7の全外周の約2/3であり、約240度の角度に相当する。
【0022】
繊維供給リザーバ(図示せず)又はファイバライザ55のような従来の繊維材料供給装置により、流動性繊維材料(例えば、個々の繊維の流れ)が形成チャンバ41内に供給される。図1及び図2に示すファイバライザ55は、形成チャンバ41の上方に作動的に位置決めされており、回転ハンマーミル又は回転可能ピッカロールとすることができる。しかし、ファイバライザ55は、代わりに、形成チャンバ41から離して配置され、他の適切な装置により他の方法で流動性繊維材料を形成チャンバの内部に供給することができ、これも本発明の範囲内であることは理解されるものとする。一例として、適切なファイバライザは、米国ウィスコンシン州グリーンベイ所在の会社であるペーパー・コンバーティング・マシン・カンパニーから入手可能である。
【0023】
繊維材料には、天然繊維、合成繊維、及びその組合せを含むことができる。天然繊維の例には、セルロース繊維(例えば、木質パルプ繊維)、綿繊維、羊毛繊維、及び絹繊維など、並びに、その組合せが含まれる。合成繊維には、レーヨン繊維、ポリオレフィン繊維、及びポリエステル繊維など、並びに、その組合せを含むことができる。図1の装置に用いる繊維材料は、ファイバライザ55に供給された木質パルプセルロース繊維の芯Bから得られ、この場合、ファイバライザは、その芯を個々の繊維に変え、流動化繊維材料を形成チャンバ41の内部に供給する。
【0024】
形成チャンバ41の中には、更に、吸収部材3を形成するための他の繊維又は粒子材料も供給することができる。例えば、パイプ、チャンネル、スプレッダ、及びノズルなど、並びに、この組合せのような従来の機構を用いることにより、超吸収性材料の粒子又は繊維を形成チャンバ41内に導入することができる。図示の実施形態では、超吸収性材料は、送出導管及びノズルシステム(図1に概略的に表し、57で示す)により形成チャンバ41内に供給される。超吸収性材料は、当業技術において公知であり、様々な供給業者から容易に入手可能である。例えば、「FAVOR SXM 880」超吸収材は、米国ノースカロライナ州グリーンズボロ所在の会社であるストックハウゼン・インコーポレーテッドから入手可能であり、「DRYTECH 2035」は、米国ミシガン州ミッドランド所在の会社であるダウ・ケミカル・カンパニーから入手可能である。繊維、粒子、及び他の望ましい材料は、形成チャンバ41内の任意の適切な流体媒体に連行させることができる。従って、空気を連行媒体とする本明細書のいずれの言及も、他の任意の作動的連行流体を含む一般的な言及であると理解すべきである。
【0025】
形成チャンバ41は、必要に応じて又は望ましくは、他の適切な構造的構成要素に固定及び/又は接合することができる適切な支持フレーム(図示せず)により支持される。形成表面5は、本明細書では、形成ドラム7の一部として図示しているが、本発明の範囲から逸脱することなく、形成表面5を設けるための他の技術を用いることができることは理解されるものとする。例えば、形成表面5は、無限形成ベルト(図示せず)により設けることができる。この種類の形成ベルトは、1995年11月14日に付与されたM.Partridge他による「三次元形成用途のための形成ベルト」という名称の米国特許第5,466,409号に示されている。
【0026】
多孔性形成表面5は、図示の実施形態では、形成ドラム7の周囲の周りに端部突合せ式に配置されて個々にドラムに取り付けられた一連の形成部材61によって形成される。図3に見られるように、形成部材61は、各々、繊維材料が収集される実質的に同一のモールド又はパターン63を形成する。パターン63は、ドラム7の円周に亘って繰り返される個々の吸収部材3の望ましい形状に対応する。しかし、本発明には、部分繰返し又は非繰返しパターンの形状を用いることができる。また、形成表面が平坦であるか、又は、形成された吸収部材がほぼ矩形で、その後望む形状に加工される(例えば、裁断又は他の方法で形成される)ような場合、形成表面上に連続的な非パターン化吸収部材を形成することができることも理解される。
【0027】
図11に最も良く見られるように、図示の実施形態のパターン63は、その長さに沿って不均一な深さ又は厚さを有する。より詳細には、図11及び図12に示すように、形成表面5上に形成された吸収部材の厚さが変動するように(例えば、Z方向に)、形成表面には中央ポケット65がある。しかし、少なくとも部分的に形成部材61によって形成されたパターン63は、代替的に、本発明の範囲から逸脱することなく均一な深さとしてもよい。また、パターン63の深さは、同じく又は代わりに、パターンの幅全体又は一部に亘って不均一としてもよいことも理解される。
【0028】
作動中は、真空供給装置23(図4)により、形成チャンバ41の内部に対して真空ダクト17に真空が生成される。形成表面5が形成チャンバ41に入り、形成経路Pに沿ってチャンバの出口まで形成チャンバ41を通り抜ける時、形成チャンバ内の流動化繊維材料及び他の粒子は、連行空気流により作動的に搬送又は移送され、真空により多孔性形成表面5に向けて内向きに引き込まれる。空気は、形成表面5を内向きに通過し、その後、真空供給導管21を通ってドラム7から出て行く。空気が形成表面5を通過する時に、繊維材料の集合が形成表面上に吸収部材3を形成するように、繊維及び他の粒子が形成表面5によって収集される。
【0029】
その後、吸収部材3を運ぶドラム7は、形成チャンバ41から出口53を通ってスカーフィングシステム(図1に全体として71で示す)まで進み、そこで、吸収部材の過剰な厚さを所定の程度まで削り取って除去することができる。スカーフィングシステム71には、スカーフィングチャンバ73及びスカーフィングチャンバ内に配置されたスカーフィングロール75が含まれる。スカーフィングロール75は、吸収部材3から過剰な繊維材料を研磨し、除去した繊維は、当業技術で公知のように、スカーフィングチャンバ73から適切な排出導管(図示せず)内に移送される。除去した繊維材料は、望ましい場合は、例えば、形成チャンバ41又はファイバライザ55内に再循環させることができる。更に、スカーフィングロール75は、吸収部材3の機械方向MD、及び/又は、吸収部材の横方向又は機械横断方向CDに沿って、繊維材料を再配置して再分配することができる。
【0030】
回転可能スカーフィングロール75は、適切なシャフト部材(図示せず)に作動的に連結されて接合され、適切な駆動システム(図示せず)により駆動される。駆動システムは、専用モータ、又は、形成ドラム7を回転するのに用いられるモータ又は駆動機構と作動的に結合された連結器、ギア、又は他の伝達機構のような任意の従来の装置を含むことができる。スカーフィングロールシステム71は、形成表面5上に形成された吸収部材3のいかなる過剰な厚さも除去又は再分配するための従来のトリミング機構を提供することができる。スカーフィング作動により、スカーフィングロール75が接触していた主要面表面上に選択した輪郭を有する吸収部材3を生成することができる。スカーフィングロール75の表面は、吸収部材3の剥がれた表面に沿って望ましい輪郭をもたらすように調節することができる。図示の実施形態では、スカーフィングロール75は、例えば、吸収部材3の剥がれた表面に沿って実質的に平坦な表面を設けるように構成することができる。スカーフィングロール75は、任意選択的に、平坦でない表面を設けるように構成することができる。スカーフィングロール75は、形成表面5と間隔を空けて隣接するように配置され、ドラム7が回転すると、形成表面は、スカーフィングロールを超えて平行移動する。
【0031】
図示の実施形態では、スカーフィングロール75は、ドラム7と同方向(例えば、反時計回り)に回転し、吸収部材がドラムと共に移動する方向(例えば、機械方向MD)と反対方向に吸収部材から繊維材料を除去する。代替的に、スカーフィングロール75は、形成ドラム7の回転と反対方向(例えば、時計回り)に回転することができる。いずれの場合でも、スカーフィングロール75の回転速度は、形成した吸収部材3の接触表面に対して有効なスカーフィング作用をもたらすように適切に選択すべきである。同様に、スカーフィングロールシステム71の代わりに他の適切なトリミング機構を用い、吸収部材と選択したトリミング機構との間の相対的な動きにより、繊維性吸収部材3に裁断又は研磨作用をもたらすことができる。
【0032】
スカーフィング作動の後、吸収部材3が形成された形成表面5の部分は、形成チャンバ41の外部に配置された装置1の放出区域に移動させることができる。放出区域では、吸収部材3は、形成表面5からコンベヤ(全体として81で示す)上に引き離される。ドラム7の内部から空気圧を印加することにより、放出を助けることができる。コンベヤ81は、形成ドラム7から形成吸収部材3を受け取り、吸収部材を収集区域又は更に加工する位置(図示せず)に運ぶ。適切なコンベヤは、例えば、コンベヤベルト、真空ドラム、移送ローラ、電磁懸架コンベヤ、及び流体懸架コンベヤなど、並びに、その組合せを含むことができる。
【0033】
図示の実施形態では、コンベヤ81は、ローラ85の周りに配置された無限コンベヤベルト83を含む。真空吸引箱87は、コンベヤベルト83の下に配置され、吸収部材3を形成表面5から離して引き込む。ベルト83は多孔性であり、真空箱87は、真空箱内の真空が形成表面5上の吸収部材3に作用するように、ベルトの形成表面に非常に近い部分の下にプレナムを形成する。代替的に、吸収部材の重量、遠心力、機械的放出、正の空気圧、又はその何らかの組合せ、又は本発明の範囲から逸脱しない別の適切な方法により、吸収部材3を形成表面5から除去することができる。
【0034】
上述の繊維性吸収部材3を空気式成形することに関して説明した装置1及び方法は、一般的に従来式であり、当業技術で公知である。例えば、1987年5月19日にK.Enloe他に付与された「堆積繊維ウェブを形成するための装置及び方法」という名称の米国特許第4,666,647号、及び1998年8月2日にK.Enloeに付与された「軽量及び重量フラフ部分の制御された形成」という名称の米国特許第4,761,258号を参照することができ、これらの特許の全開示内容は、本明細書においてそれと矛盾しない方法で引用により組み込まれる。他のこのような装置は、2001年12月18日にJ.T.Hahn他に付与された「強化された坪量機能を有する堆積繊維ウェブを形成するための装置及び方法」という名称の米国特許第6,330,735号、及び2001年9月4日にD.P.Murphy他により出願された「多段形成ドラムコミュテータ」という名称の米国特許出願一連番号09/947,128号に説明されており、これらの全開示内容は、本明細書においてそれと矛盾しない方法で引用により組み込まれる。
【0035】
選択した量の超吸収性粒子を形成チャンバ41内に導入する技術の例は、1990年5月22日にR.E.Brysonに付与された「繊維マットに顆粒材料の段階的分布を生成する方法及び装置」という名称の米国特許第4,927,582号に説明されており、この全開示内容は、本明細書においてそれと矛盾しない方法で引用により組み込まれる。従って、装置1の構成及び作動は、本発明を説明するのに必要な程度を除き、本明細書では以下において更に説明しない。
【0036】
図1及び図2に戻ると、装置1の形成チャンバ41は、全体として101で示す送出チューブを更に含み、これを通して、補強ウェブ103は、形成チャンバの内部に導入され、吸収部材3に組み込まれる。補強ウェブ103は、望ましくは、連行空気が形成チャンバ41内を形成表面5に向けて流れることを可能にしてそれを通過させるのに十分な多孔性である材料で構成された連続ウェブである。更に望ましくは、補強ウェブ103は、形成チャンバ41内を流れる不連続繊維に対して少なくとも半透過性である。
【0037】
例えば、図示の実施形態の補強ウェブ103は、図9でそれぞれ103a及び103bで示す縦方向(例えば、機械方向MD)及び横方向(例えば、機械横断方向CD)に向いたフィラメントで形成されたスクリム(例えば、網状又はメッシュ材料)であり、このフィラメントは、ほぼ格子パターンに配置され、結合されるなどによって交差点で相互に結合され、形成チャンバ内の流動性繊維材料が透過することができる開放メッシュ(すなわち、複数のほぼ矩形又は正方形の開口部を有する)を形成する。代替的に、スクリムフィラメント103a及び103bは、ダイヤモンド形、三角形、又は他の適切な形状の開口部のような矩形又は正方形以外の開口部を形成するように、縦方向又は横方向の向き以外の向きに決めることができる。
【0038】
一実施形態では、スクリムのフィラメント103a及び103bにより形成された開口部は、スクリムが形成チャンバ内に入ると繊維とスクリムが容易に交絡するように、形成チャンバ41内を流れる個々の繊維に対して十分な大きさにされる。一例として、縦配向フィラメント103aは、約2mmから約30mmの距離だけ横方向に互いに間隔を空けて配置され、横配向フィラメント103bは、約2mmから約30mmの距離だけ縦方向に互いに間隔を空けて配置される。スクリムの幅は、望ましくは、吸収部材3の幅の約25パーセントから約100パーセント、より望ましくは、約25パーセントから約75パーセント、更に望ましくは、約50パーセントから約75パーセントである。更に別の例として、スクリムの幅は、約20mmから約400mmの範囲とすることができる。
【0039】
スクリムフィラメント103a及び103bは、スクリムを組み込んだ吸収部材3が、おむつやトレーニングパンツなどのような物品に組み込まれた時にほぼ不可視であるように、透明又は少なくとも半透明の材料で構成することができる。任意選択的に、スクリムは、ほぼ不可視であるが適切な検出装置により依然として光学的に検出可能であるように白色にすることができ、又は、消費者に対する可視性のために色を付けることもできる。スクリムは、多くの場合、図9に示すように、横配向フィラメント103bが最も外側の縦配向フィラメント103aを超えて横方向に突出する状態で形成される。しかし、スクリムは、本発明の範囲から逸脱することなく、最も外側の縦配向フィラメント103aによって横方向に制限されてもよいことが理解される。補強ウェブ103は、代替的に、本発明の範囲から逸脱することなく、開口又は穿孔フィルム、空気透過性の織又は不織ウェブ、又は別の適切な材料を含むことができることも想定されている。
【0040】
図には示していないが、スクリムはまた、単一の縦配向フィラメント103aを含むことができ、1つ又はそれ以上の横配向フィラメント103b又はバーブは、この縦配向フィラメントから互いに縦方向に間隔を空けるように延びることが想定されている。また、スクリムは、2つ又はそれ以上の個別の又は他の方法で非結合の縦配向フィラメント103aを例えば互いに横方向に間隔を空けるように含むことができ、各縦配向フィラメントは、そこから外向きに互いに縦方向に間隔を空けるように延びるそれぞれの横配向フィラメント103b又はバーブを有することも想定されている。補強ウェブ103としてスクリムを組み込んだ適切な吸収部材3は、David W.Heyn他による11/27/2002出願で本出願人に譲渡された「補強吸収性構造を有する吸収性物品」という名称の米国特許出願(代理人ドケット番号K−C 16836B)に開示されている。
【0041】
送出チューブ101は、形成チャンバ41の前部壁43を通って延び、かつそれによって支持されており、形成チャンバの外部に配置されたチューブの導入端部107から、吸収部材3が形成される形成表面5にほぼ隣接して半径方向に間隔を空けるように形成チャンバ内に配置された排出端部109まで延びる中央通路105を有する。送出チューブ101の導入端部107は、補強ウェブ103を送出チューブの中央通路105内に、更に形成チャンバ内に受け取るために、形成チャンバ41の外部に開いている。排出端部109に隣接する送出チューブ101の部分は、形成チャンバ内に延び、ウェブが送出チューブの排出端部に到達するまでウェブが形成チャンバ内の繊維材料に接触することを防ぐ。排出端部109は、形成チャンバ41の内部に開いて形成チャンバの開口部を大まかに形成し、それを通して、補強ウェブ103は、形成チャンバの内部に導入されて流動性繊維材料に露出される。
【0042】
本発明の範囲から逸脱することなく、送出チューブ101の排出端部109は、形成チャンバ41の内部容積内に延びる代わりに、形成チャンバ41の前部壁43と同一平面上とすることができ、又は、送出チューブの導入端部107は、形成チャンバ壁と同一平面上とすることができ、又は、補強ウェブ103が形成チャンバの前部壁(又は他の壁)に形成された開口部を通して形成チャンバに単に入るように、送出チューブを全て省略することができることが想定されている。従来の巻出し装置111により、形成チャンバ41の外部の補強ウェブ103の供給ロール113(広い意味で、補強ウェブの供給装置)が支持され、巻出し装置と送出チューブ101の導入端部107との中間には、ガイドアセンブリ(全体として115で示す)が位置決めされ、補強ウェブを送出チューブ内に案内する。
【0043】
図1及び図2に示すように、送出チューブ101は、本明細書で後に説明する理由で、形成ドラム7に対して半径方向以外の縦方向に延びるように向きが決められることが望ましい。例えば、図示の実施形態では、送出チューブ101は、形成チャンバ41の前部壁43に対して上向きの角度が付けられ、より詳細には、送出チューブの縦方向軸線は、ドラム7の中心から送出チューブ101の排出端部109まで延びる半径方向線R(図2)に対して約90度から約270度の角度の方向にされる。また、送出チューブ101は、その排出端部109がほぼ形成表面5の移動方向に向くように向きが決められる。しかし、送出チューブ101は、その排出端部109がほぼ形成表面5の移動方向と反対の方向に向くように向きを決めることができることが理解される。また、本発明の範囲から逸脱することなく、送出チューブ101は、これらの方向にする代わりに、形成ドラム7に対して半径方向に延びる(例えば、ドラムの半径と同一線上)ように向きを決めることができることも想定されている。
【0044】
図示の実施形態の送出チューブ101は、オペレータが装置1の作動中に送出チューブの中央通路105内の補強ウェブ103の向きと動きを視覚的にモニタすることができるように、実質的に透明なポリカーボネートで作製される。しかし、送出チューブ101は、代替的に、鋼又は他の金属、及びプラスチックなどのような他の適切な材料で作製することができる。図6に最も良く見られるように、送出チューブ101は、断面をダイヤモンド形にして形成チャンバ41内でほぼ空気力学的プロフィールを形成し、それによって、繊維材料が送出チューブの外面に蓄積しないようにすると共に、形成チャンバ内の空気及び繊維の流れのいかなる妨げも最小限にする。しかし、送出チューブ101の断面は、実質的に、円形、多角形、涙滴形、翼形、又は他の適切の形状を含む任意の形状とすることができることが想定されている。ほぼ平坦なパネル117が、送出チューブ101の中央通路105に横方向にかかり、送出チューブの導入端部107から排出端部109まで縦方向に延びる。しかし、パネル111は、送出チューブの排出端部又はそれにほぼ隣接して終端する限り、送出チューブ101の長さに沿って単に部分的に延びることができることが想定されている。
【0045】
パネル117の幅、従って送出チューブ101の断面幅は、ウェブが送出チューブの側部に対して衝突したり、折れ曲がったり、又は他の方法で束にならないように、補強ウェブ103の幅よりも僅かに大きくされる。しかし、パネル117の幅は、ウェブが送出チューブ101の排出端部109から形成表面5に向けて通過する時、補強ウェブ103が吸収部材3に対して横断方向CDにずれないように十分制限されることが望ましい。例えば、パネル117の幅(及び、送出チューブ101の断面幅)は、補強ウェブ103の幅よりも約0.1パーセントから約35パーセントだけ大きい範囲であることが望ましい。図示の実施形態では、図6に示すような補強ウェブ103の幅は、約52mmであり、パネル117の幅及び送出チューブ101の断面幅は、約68mm(例えば、補強ウェブの幅よりも約31パーセントだけ大きい)である。更なる例として、補強ウェブが組み込まれる吸収部材の幅は、形成チャンバ41で形成される間には約76mmである。補強ウェブ103は、全体として、形成チャンバ41内の真空により、送出チューブ101の中央通路105を通してその排出端部109まで、更に、パネル117の端部を超えて形成表面に向けて吸引され、形成表面上に形成されている吸収部材3内に組み込まれる。
【0046】
補強繊維性吸収部材を製造するために、流動化繊維材料を形成チャンバ41内に導入し、上述のように、形成表面が形成チャンバ内で入口51から出口53まで移動する時に(例えば、繊維材料が真空により形成表面に引かれる結果として)形成表面5上に収集させる。同時に、真空により、補強ウェブ103は、送出チューブ101を通してその導入端部107から排出端部109まで、次にパネル117の端部を超えて形成表面5に向けて引き込まれる。送出チューブ101内で補強ウェブ103が動き始めるようにするためには、1片のテープ(図示せず)を補強ウェブ103の前縁に付着し、前縁に隣接する開口部の一部を閉じる。次に、ウェブ103の先端を供給ロール113から手動で巻き戻し、送出チューブ101の導入端部107内に送り込むことにより、ウェブは、真空により、送出チューブを通して形成チャンバ41内に、更に形成表面5に向けてより容易に引き込まれる。このようにして、形成チャンバ41内に最初にウェブを通すのに付加的な機械装置を必要としないという意味で、ウェブは、本質的に自動装着である。
【0047】
また、真空によって送出チューブ101を通して補強ウェブ103を形成チャンバ41内に引き込む代わりに、又はそれに加えて、補強ウェブは、適切な駆動システム(図示せず)により形成チャンバ内に機械的に引き込むことができ、又は、ウェブは、原動力となる(例えば、正の圧力)空気流(図示せず)又は形成チャンバの外部に配置した適切な機械的駆動システム(図示せず)により形成チャンバ内に供給することができることが想定されている。
【0048】
排出端部109に隣接し、形成チャンバ41の内部に延びる送出チューブ101の部分は、ウェブが送出チューブの排出端部に到達するまで補強ウェブ103を繊維材料から保護する。代替的に、繊維材料は、繊維材料の形成表面までの流れが実質的に均一か又はそれ以外に自由又は非断続的であり、部分的に形成された吸収部材3の下側部分を形成することができるように、送出チューブ101の周りを形成表面5に向けて通過する。
【0049】
補強ウェブ103が送出チューブ101の排出端部109から形成表面5までの距離を移動する時、補強ウェブの反対側(例えば、内側及び外側)の表面は、形成チャンバ内の流動性繊維材料に露出される。繊維材料の一部が補強ウェブ103を通って透過する間、繊維材料の個々の流動化繊維に対するウェブ開口部の大きさによって繊維とウェブとの交絡が促進される。例えば、繊維は、ウェブフィラメント103a及び103bと織り交ぜるか、又はフィラメントの周りを包むことにより、ウェブ103と交絡させることができる。真空の力は、繊維の交絡作用の推進力をもたらすと考えられる。更に、ウェブ103と交絡した繊維はまた、他の繊維と交絡することができ、繊維及びウェブの構造的一体化が更に促進される。繊維材料が交絡した補強ウェブ103は、次に、形成表面5の上に置かれ、より詳細には、部分的に形成された吸収部材3の上に置かれて、形成表面が移動する経路Pに沿って吸収部材と共に移動する。
【0050】
ウェブが部分的に形成された吸収部材の上に重なる前に繊維材料が補強ウェブ103と交絡すると、真空による形成表面5に向う補強ウェブの引き込みを容易にし、それによって、補強ウェブは、形成表面の輪郭に、より詳細には、図11に示すように部分的に形成された吸収部材の輪郭にほぼ適合する。しかし、ウェブ103は、形成チャンバ41内に供給される時に十分に引っ張ってウェブが形成表面5の輪郭に適合しないようにし、それによって、形成表面の深さが変化する時に、ウェブは、代わりに弦のような方式で深さの変化(例えば、図11のポケット65)に亘ってまたがることができることが理解される。
【0051】
形成チャンバ41内で形成表面5が出口53に向けて更に移動すると、付加的な繊維材料が形成表面に向けて引かれ、部分的に形成された吸収部材3及び補強ウェブ103上に集まり、吸収部材の厚さを更に増大させ、図11に示すように補強ウェブをその中に閉じ込めるか又は別の方法で固定する。補強ウェブ103が図示の実施形態のようにスクリムである場合、付加的な繊維材料がその中に集まり、補強ウェブ及び/又はウェブと先に交絡した繊維材料と交絡し、ウェブを吸収部材3内に更に固定する。繊維材料の交絡は、繊維材料がスクリムと共に除去されることなくスクリムを吸収部材から除去することができないように十分であることが望ましい。
【0052】
吸収部材3の厚さ内の補強ウェブ103のZ方向ZDの位置は、一般的に、形成表面の形成経路Pに沿う送出チューブ101の排出端部109の位置と形成表面の深さの変動との関数である。例えば、吸収部材3の厚さの約80%〜90%は、形成経路Pの最初の約50%以内で形成される。しかし、これは、ドラム7の回転速度、及びフローチャンバ41内の流動性繊維材料の流速によって変動する場合があることは理解される。望ましくは、補強ウェブは、吸収部材の約5%から約95%の範囲内に位置決めされる。より望ましくは、不均一な厚さの吸収部材3に対しては、補強ウェブ103は、吸収部材の厚さの約5%から約75%の範囲内、更に望ましくは、吸収部材の厚さの約25%から約75%の範囲内に位置決めされる。
【0053】
送出チューブ101の排出端部109は、補強ウェブ103が、経路の全長の約5%から約66%の範囲の距離だけ形成チャンバ入口の下流で、部分的に形成された吸収部材3の上に重なるように、経路Pに対して形成チャンバ入口51の下流の位置にあることが望ましい。より詳細には、図11及び図12に示すような不均一な厚さの吸収部材に対しては、送出チューブ101の排出端部109は、補強ウェブ103が吸収部材3の厚さ(例えば、Z方向ZD)内のほぼ中心に位置決めされるように、より望ましくは、経路Pの全長の約5%から約25%の範囲の距離だけ、更に望ましくは、約10%から約25%の範囲の距離だけ形成チャンバ入口51の下流で吸収部材3の上に重なるように位置決めされる。形成表面5の深さが変動するので、補強ウェブ103の吸収性部材内へのZ方向ZDの配置も変動する場合がある。
【0054】
ほぼ均一な厚さの吸収部材3に対しては、送出チューブ101の排出端部109は、より望ましくは、補強ウェブ103が経路Pの全長の約20%から約66%の範囲の距離だけ、更に望ましくは、約20%から約40%の範囲の距離だけ形成チャンバ入口51の下流で、部分的に形成された吸収部材の上に重なるように位置決めされる。しかし、送出チューブ101の排出端部109は、スカーフィングロール75が繊維材料を吸収部材から除去する作動を妨げないように補強ウェブが十分に吸収部材内に位置決めされる限り、補強ウェブ103を吸収部材3の厚さ内のほぼ任意のZ方向ZDの位置に位置決めするために、形成経路の全長の66%を超える部分を含む形成チャンバ入口51の下流の形成表面5の形成経路Pに沿うほぼ任意の場所に位置決めすることができることが理解される。
【0055】
従って、送出チューブ101は、形成チャンバ41の前部壁43を通る以外の方法で延びることができ、形成ドラム7の半径に対してほぼ任意の角度で延びて、送出チューブの排出端部109を形成表面5の形成経路Pに沿う望ましい位置及び方向に位置決めすることができ、これも本発明の範囲に含まれることが理解される。
【0056】
ウェブが送出チューブ101の排出端部109から形成表面5に向けて進行する時、補強ウェブ103が形成チャンバ41内のほぼ開いた空間を移動するスパン又は距離は、少なくとも部分的には、送出チューブの排出端部と形成表面5との間の半径方向間隔の関数である。この距離が大きくなると、ウェブが形成表面5上に、より詳細には吸収部材3上に堆積する前に、補強ウェブ103の内面及び外面が形成チャンバ41内の流動性繊維材料に露出される期間が長くなる。補強ウェブ103がスクリムである場合、この距離が大きくなると、スクリムが形成表面5の上に、より詳細には吸収部材3の上に置かれる前の繊維材料とスクリムとの交絡の増大を容易にする。
【0057】
しかし、この距離は、形成チャンバ41内の補強ウェブ103の振動、曲げ、又はそれ以外の機械横断方向CD及び/又はZ方向ZDのずれを防ぐように十分に小さいことが望ましい。そうでなければ、補強ウェブ103は、部分的に形成された吸収部材の上に適正に重ならず、従って、吸収部材の側部から突き出すか、又は吸収部材内の望ましくない深さに位置決めされる場合がある。一例として、送出チューブ101の排出端部109は、ウェブが送出チューブの排出端部から部分的に形成された吸収部材3上に移動する時に形成チャンバ41内の繊維材料に露出される補強ウェブ103のスパンが約1cmから約100cmの範囲、より望ましくは、約1cmから約50cmの範囲、更に望ましくは、約1cmから約20cmの範囲、最も望ましくは、約1cmから約10cmの範囲となるように、ある距離だけ形成表面5から半径方向に間隔を空けて配置されることが望ましい。
【0058】
図示の実施形態では、補強ウェブ103は、中央通路105の下半分内の送出チューブ101を通過し、図5に示すように全体的にパネル117の下面の上に乗っている。送出チューブ101の排出端部109に到達すると、補強ウェブ103は、パネル117の端部の上を形成表面5に向けて引かれて、ウェブが横方向に折れ曲がったり、束になったりする危険性を減少させ、ウェブに僅かに張力をかけてウェブが吸収部材3上に平らに置かれるように促す。ドラム7が代わりに時計方向に回る場合、補強ウェブ103は、中央通路105の上半分内の送出チューブを通過し、パネル117の端部の上を形成表面5に向うことが望ましい。
【0059】
補強吸収部材3を運ぶドラム7が形成チャンバ41から出口53を通りスカーフィングシステム71まで通過する時に、吸収部材の外面から過剰な厚さが除去される。例えば、図示の実施形態では、スカーフィングシステム71は、外面が図12に示すようにほぼ平坦になるように、吸収部材3の外面から十分な厚さを除去する。その結果、補強吸収部材103の厚さ内の補強ウェブ103の位置は、吸収部材の長さの少なくとも一部分に沿って著しく不均一になる。
【0060】
吸収部材3が形成チャンバ41を出ると、様々な更なる装置及び技術を用いて更に吸収部材3を加工することができることは容易に明らかであろう。例えば、吸収部材3は、図13に示すようなデバルクローラ125を含むデバルクステーションで圧縮することができる。繊維と補強ウェブ103との交絡は、補強吸収部材3をデバルクローラ125に通過させることにより更に増強することができる。デバルクローラ125は、補強吸収部材3の厚さよりも相当小さいニップを形成することが望ましい。従って、吸収部材3は、デバルクローラ125の作動によって圧縮され、著しく厚さが減少する。ウェブ108の繊維は、ローラ125のニップを通過する時、特に高速で強く圧縮される時にかなりの変形を受ける。この作用により、少なくともいくらかの更なる繊維が補強ウェブ103のフィラメント103a及び103bと織り交ざり、及び/又はその周りを包み込み、それによって交絡が改善すると考えられる。更に、既にある程度フィラメント103a及び103bと交絡している繊維も、更にフィラメントに固定することができる。
【0061】
更に、様々な従来の装置及び技術を用いて、吸収部材を所定の長さに切断し、個々の空気成形式の補強された繊維性吸収部材を形成することができる。切断システムには、例えば、ダイカッター、ウォーターカッター、回転ナイフ、往復ナイフ、エネルギビームカッター、及び粒子ビームカッターなど、並びに、その組合せが含まれる。切断した後、個々の吸収部材3は、必要に応じて、移送して更なる加工作業に供給することができる。
【0062】
ここで図1及び図7〜図9を参照すると、ウェブが長さ方向(例えば、機械方向MD又はそうでなければ縦方向)に運ばれる時に、補強ウェブ103の横断方向(例えば、機械横断方向CD又はそうでなければ横方向又は幅方向)位置を制御するための制御システムは、全体として201で示されており、ガイドアセンブリ115を含む。図示の実施形態のガイドアセンブリ115は、図8に示す弓形方向矢印により示されるウェブのほぼ平面内のウェブの長さ方向搬送に対してピボット運動することができる従来のガイドアセンブリである。一例として、1つの適切なガイドアセンブリ115は、米国サウスカロライナ州スパルタンバーグ所在のエルハート+ライマー・インコーポレーテッドから型名「DRS 1202 DCS ナローウェブピボットガイダー」で入手可能である。
【0063】
ガイドアセンブリ115は、一般的に、動かないように固定された矩形基部221と、基部及び補強ウェブ103に対してピボット運動するように適切な軸受(図示せず)により基部にピボット式に装着された矩形フレーム223とを含む。2つのアイドラローラ225a及び225bは、ローラがフレームの非ピボット位置で補強ウェブ103の搬送の長さ方向に対してほぼ横断して延びるように、互いに平行で間隔を空けて配置されてフレーム223上で回転するように装着される。補強ウェブ103は、アイドラローラ225a及び225bに接触した状態でこれらの上を通過する。しかし、ウェブ103は、ローラと接触している限り、ローラ225a及び225bの両方の下を通過することができ、又は、蛇行して一方のローラの下を通り、他方のローラの上を通ることができることは理解される。当業者には公知のように、基部221とウェブ103とに対するフレーム223のピボット運動により、ウェブには、フレームがピボット回転する方向にウェブが運ばれる長さ方向に対して横断方向の移動が促される。フレーム223は、基部221上のフレームのピボット運動を駆動するための適切な駆動モータ(図示せず)と作動可能に連結される。デジタル位置制御装置のような適切な制御装置(図7及び図8に概略的に図示して227で示す)は、駆動モータと電気的に通信し、補強ウェブ103の横断方向位置の選択的調節を可能にする。
【0064】
制御システム201は、ウェブが供給ロール113から送出チューブ101の導入端部107まで長さ方向に運ばれる時に、補強ウェブ103を間欠的又は連続的に検査してウェブの横断方向位置を判断するための検査装置(全体として231で示す)を更に含む。図示の実施形態では、検査装置231は、ガイドアセンブリ115の1つのアイドラローラ225aの上方にこれと間隔を置くように、補強ウェブの縦配向フィラメント103aのうちの1つの目標(例えば、望ましい又は所定の)横断方向位置にほぼ対応するウェブ103に対する横断方向位置に位置決めされた光学センサ233である。例えば、図7及び図8に示すセンサ233は、アイドラローラ225aの上方約24±2mmに位置決めされ、ウェブ103の搬送の長さ方向に対して約14±2度のような角度で全体として向きを決められる。センサ233は、代替的に、本発明の範囲から逸脱することなく、他のアイドラローラ225bに隣接した位置、又はアイドラローラの間の位置、又はガイドアセンブリ115の上流又は下流の位置に位置決めすることができることが想定されている。
【0065】
適切な光学センサ233の1つは、米国サウスカロライナ州スパルタンバーグ所在のエルハート+ライマー・インコーポレーテッドから型名「FE 5002 カラーラインセンサ」で入手可能である。光学センサ233は、ウェブがセンサの下を通過する時に補強ウェブ103を照射(例えば、図示の実施形態では照明)し、ウェブ及びアイドラローラ225a(ここでは、広い意味でウェブの背景部材と考える)の外面により反射された照射(例えば、図示の実施形態では光)を検知し、ウェブ及びローラの外面により反射された照射のコントラストに基づき、モニタしている縦配向フィラメントの横断方向位置を測定する。このような光学センサ233の構成及び作動は、当業技術で公知であるために、本発明を説明するのに必要な範囲を除き、ここでは更に説明しない。
【0066】
上述のように、図示の実施形態の補強ウェブ103は、透明又は少なくとも半透明材料で構成されたフィラメント103a及び103bを含むスクリムである。スクリム103の大部分は開放空間(例えば、メッシュ開口部)であり、フィラメント103a及び103bが半透明であるために、アイドラローラ225a(例えば、背景部材)は、十分に暗い色とし、半透明フィラメントに対して高度に対比させる必要がある。より詳細には、アイドラローラ225aは、ブラックカーボン材料で構成し、スクリムフィラメント103a及び103bに黒い背景を設ける。しかし、アイドラローラ225aは、別の材料で構成し、黒又は他の適切な暗い色に塗装するか又は他の方法で着色することができることは理解される。また、モニタしている縦配向フィラメント103aがその上を通過するアイドラローラ225aの横断方向セグメントのみを暗い色にする必要があることも想定されている。更に、アイドラローラ225aの代わりに、スクリムフィラメント103a及び103bに対して対比した背景をもたらすために十分に暗い外面を有する平坦パネル(図示せず)のような任意の適切な背景部材の上を通してスクリム103を運ぶことができる。
【0067】
センサ233は、設定幅、又はここでセンサの走査範囲又は走査幅Ws(図9)と呼ぶものをモニタすることができることが望ましい。図示の実施形態のセンサ233の走査幅Wsは、縦配向フィラメントの1つのみをセンサによりモニタすることができるように、スクリム103の隣接する縦配向フィラメント103a間の横方向間隔Wwよりも小さくすることが望ましい。すなわち、2つの縦配向フィラメント103aは、センサ233の走査幅Ws内に同時に位置することができない。一例として、縦配向フィラメント103a間の横方向間隔が約12.5mmに配置されたスクリムに対しては、センサ233の走査幅Wsは、約10mmであることが望ましく、モニタされる縦配向フィラメントは、走査幅内のほぼ中心に位置決めされることが望ましい。
【0068】
制御システム201の作動時には、スクリム103は、供給ロール113からガイドアセンブリ115を超えて、例えばアイドラローラ225a及び225bに接触し、アイドラローラ225aとセンサ233との間で送出チューブ101の導入端部107まで長さ方向に運ばれる。センサ233は、センサの走査幅Ws内で、スクリムの縦配向フィラメント103aの1つ、例えば横方向に最も外側にある縦配向フィラメントの1つの横断方向位置を間欠的に測定するように作動される。一例として、図示の実施形態のセンサ233は、毎秒約200回でフィラメント103aの横断方向位置を検知するように作動可能である。更なる例として、スクリム103は、約508センチメートル/秒(例えば、16フィート/秒)の速度で供給ロール113から送出チューブ101まで運ぶことができる。従って、このような例では、センサ233は、スクリム103が長さ方向に25.1mm運ばれる毎に約1回、縦配向フィラメント103aの横断方向位置を検知するように作動すると考えられる。
【0069】
センサ233が、センサの走査幅Ws内で縦配向フィラメント103aの横断方向位置を測定する度に、横断方向位置は、ガイドアセンブリ制御装置227に電気的に通信される。制御装置227により、フィラメント103aの横断方向位置は、フィラメントの目標(例えば、望ましい又はそうでなければ所定の)横断方向位置、例えば、センサ走査幅Wsの中心のような位置と比較される(例えば、その差を判断する)。例えば、モニタされる縦配向フィラメント103aの目標横断方向位置は、形成チャンバ41内で形成されている吸収部材3内でのスクリム103の望ましい横断方向の整列位置に対応する。測定された差が所定の許容範囲を超える場合、制御装置は、ガイドアセンブリ115の駆動モータに信号を送り、フレーム223を基部221及びスクリム103に対して作動可能にピボット回転させ、スクリムに強く作用して、ほぼモニタされた縦配向フィラメント103aに向けて横断方向に移動させる。
【0070】
図示の実施形態では、単一の縦配向フィラメント103aをモニタしてスクリム103の横断方向位置を制御するが、本発明の範囲から逸脱することなく、対応するセンサ233により2つ又はそれ以上の縦配向フィラメント、例えば、スクリムの横方向に最も外側にある縦配向フィラメントをモニタすることができることが想定されている。また、横方向に最も外側にあるフィラメント以外の縦配向フィラメント103aをモニタして、スクリム103の横断方向位置を制御することができることも理解される。また、制御装置227は、本発明の範囲から逸脱することなく、ガイドアセンブリ115の一部又は検査装置231の一部を含むことができ、ガイドアセンブリ及び検査装置と独立に構成することができる。
【0071】
図10は、補強吸収部材を形成するための装置301の第2の実施形態を示す。装置301は、第1の実施形態の装置1と実質的に同じであるが、ウェブが形成チャンバ41内の吸収部材の上に重なってその内部に組み込まれる前に、補強ウェブ103を裁断して個々の縦配向フィラメント103aにし、横配向フィラメント103b又はバーブがそこから外向きに延びる裁断装置319(図10に概略的に示す)を加えたものである。裁断装置319は、互いに横方向に間隔を置くように配置された1つ又はそれ以上のドクターブレード(図示せず)のような任意の適切な裁断装置とすることができる。ブレードは、縦配向フィラメント103aがブレードの間を通過し、それによってブレードが縦配向フィラメント間のほぼ中心でウェブの横配向ウェブ103bを裁断するように位置決めされる。図示の実施形態では、裁断装置319は、送出チューブ101のすぐ上流に位置する。しかし、装置319は、本発明の範囲から逸脱することなく、送出チューブ101の更に上流、送出チューブ内、送出チューブの排出端部109、又は送出チューブと形成表面5の間の形成チャンバ41内に位置することができる。
【0072】
例示の目的で示された上述の実施形態の詳細は、本発明の範囲を限定するように解釈されないことが認められるであろう。本発明のいくつかの例示的実施形態のみを詳細に説明したが、本発明の新しい教示内容及び利点から実質的に逸脱することなく、例示的実施形態に多くの修正が可能であることを当業者は容易に認めるであろう。例えば、一実施形態に関して説明した特徴を本発明の任意の他の実施形態に組み込むことができる。従って、このような修正の全ては、特許請求の範囲及びその全ての均等物に規定された本発明の範囲に含まれるものとする。更に、いくつかの実施形態、特に好ましい実施形態の利点の全てを達成しない多くの実施形態を考えることができるが、特定の利点が無いことによってこのような実施形態が本発明の範囲外であることを必ず意味すると解釈されるべきではないことが認識される。
【0073】
本発明又はその好ましい実施形態の要素を導入する時、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「said」は、1つ又はそれ以上の要素があることを意味するものとする。「comprising」、「including」、及び「having」という用語は、包含的なものとし、列記した要素以外に付加的な要素が存在する場合があることを意味する。
本発明の範囲から逸脱することなく上述の構成に様々な変更を為し得るので、上述の説明に含まれるか又は添付図面に示す全ての内容は、限定する意味ではなく例示的なものとして解釈すべきであるように意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】補強繊維性吸収部材を形成するための装置の概略側面図である。
【図2】図1の装置の一部分の拡大側面図である。
【図3】図1の装置の形成ドラムの概略斜視図である。
【図4】図1の装置の部分断面図である。
【図5】図2の装置の円で囲んだ部分の拡大側面図である。
【図6】図5の線6−6の平面で切った断面図である。
【図7】ウェブの長さ方向移送中に補強ウェブの横断方向位置を制御するための制御システムの拡大側面図である。
【図8】図7の制御システムの上面図である。
【図9】図8の制御システムの一部分の拡大上面図である。
【図10】補強繊維性吸収部材を形成するための装置の第2の実施形態の一部分の拡大側面図である。
【図11】補強吸収部材がドラム上に形成されている図3の形成ドラムの一部分の斜視断面図である。
【図12】図1の装置で形成された吸収部材の縦方向断面図である。
【図13】デバルクローラを通過する補強吸収部材の概略断面図である。
【符号の説明】
【0075】
1 装置
3 吸収部材
5 形成表面
7 ドラム
17 真空ダクト
81 コンベヤ
103 補強ウェブ
113 供給ロール
115 ガイドアセンブリ
P 形成経路
MD 機械方向
ZD 装置のZ方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
補強吸収部材を製造する方法であって、
前記吸収部材を少なくとも部分的に形成するために、形成表面上に繊維材料を収集する段階と、
繊維材料を補強ウェブと交絡させる段階と、
前記部分的に形成した吸収部材の少なくとも一部分の上に前記補強ウェブを重ねる段階と、
前記形成表面上に付加的な繊維材料を収集して前記吸収部材を更に形成し、それによって、該吸収部材を形成する該繊維材料の少なくとも一部分が、前記補強ウェブ及び該補強ウェブと交絡した該繊維材料のうちの少なくとも一方と交絡して該補強ウェブを該吸収部材内に固定するようにする段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記繊維材料を補強ウェブと交絡させる段階は、前記部分的に形成された吸収部材の上に該ウェブを重ねる段階よりも前に実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
補強ウェブの供給装置から前記形成表面に向けて前記補強ウェブを運び、前記部分的に形成された吸収部材の上に重ねる段階、
を更に含み、
前記繊維材料を補強ウェブと交絡させる段階は、該補強ウェブが前記部分的に形成された吸収部材の上に置かれる前に繊維材料が該ウェブと交絡するように、該ウェブが前記供給装置から前記形成表面に向けて運ばれる時に、該ウェブの内面及び外面を繊維材料の流れに露出する段階を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記補強ウェブは、約1cmから約100cmの範囲の距離を横断し、それに沿って、該ウェブの内面及び外面が前記繊維材料の流れに露出されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記補強ウェブは、約1cmから約50cmの範囲の距離を移動し、それに沿って、該ウェブの内面及び外面が前記繊維材料の流れに露出されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記補強ウェブは、約1cmから約20cmの範囲の距離を移動し、それに沿って、該ウェブの内面及び外面が前記繊維材料の流れに露出されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記繊維材料を形成表面上に収集する段階は、繊維材料を形成チャンバ内で流動化する段階と、該形成表面を該流動性繊維材料に露出し、それによって該繊維材料を該形成表面上に集めるための経路に沿って、該形成表面を該形成チャンバ内で移動させる段階とを含み、
前記補強ウェブを形成表面に向けて運ぶ段階は、該補強ウェブを前記形成チャンバの外部に配置された補強ウェブの供給装置から該形成チャンバの開口部を通って内向きに該形成表面に向けて運ぶ段階を含み、
前記形成チャンバの開口部は、一般的に、前記形成表面が該形成チャンバに入る形成チャンバ入口の下流に位置している、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項8】
流動性繊維材料が、前記形成チャンバ内の流体圧力により駆動されて前記形成表面上に集まり、
前記補強ウェブを形成表面に向けて運ぶ段階は、該補強ウェブを前記形成チャンバ内の前記流体圧力に露出する段階を含み、それによって、該流体圧力は、該補強ウェブに対して前記吸収部材に組み込むための該形成表面に向かうように強く作用する、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記形成表面は、多孔性であり、
前記形成チャンバ内の前記流体圧力は、該形成チャンバ内の繊維材料を、前記吸収部材を形成するために前記形成表面に向けて該表面上に集まるように引き込むようになった真空であり、
前記真空はまた、前記形成チャンバの外部にある前記補強ウェブの供給装置から前記形成チャンバ開口部を通して前記形成表面に向けて該補強ウェブを引き込む、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記形成チャンバ内の前記補強ウェブの一部分を保護し、前記補強ウェブを繊維材料の流れに露出する段階の前に、該形成チャンバ内の繊維材料と該ウェブの該保護部分との交絡を抑制する段階を更に含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記吸収部材を、該吸収部材の長さの少なくとも一部分に沿ってほぼ不均一な厚さを有するように形成する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記吸収部材にスカーフィング作業を行って該吸収部材から繊維材料を除去する段階、
を更に含み、
前記スカーフィング作業は、前記形成表面上に付加的な繊維材料を収集して前記補強ウェブを前記吸収部材内に固定する段階の後に実行される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記繊維材料と前記補強ウェブとの交絡を更に助長するために前記吸収部材を圧縮する段階、
を更に含み、
前記圧縮する段階は、前記形成表面上に付加的な繊維材料を収集して前記補強ウェブを前記吸収部材内に固定する段階の後に実行される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記形成表面上に超吸収性材料を収集して前記吸収部材を更に形成する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記補強ウェブは、前記繊維材料に対して少なくとも半透過性であり、
形成チャンバ内で繊維材料を流動化する段階と、
前記形成表面を前記形成チャンバのほぼ入口から出口までの経路に沿って該形成チャンバ内で移動させ、該形成表面が、実質的に該経路に沿って前記流動性繊維材料に露出される段階と、
前記補強ウェブを前記形成チャンバの外部に配置された補強ウェブ供給装置から形成チャンバの開口部を通じて該形成チャンバの内部に運び、それによって、該ウェブの内面及び外面が、該形成チャンバ内で前記流動性繊維材料に露出される段階と、
を更に含み、
前記補強ウェブを上に重ねる段階は、前記形成チャンバ開口部から前記部分的に形成された吸収部材までの約1cmから約10cmの範囲の距離を該形成チャンバの内部でウェブに横断させる段階を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
補強ウェブの供給装置から前記吸収部材が形成される形成表面に向けて長さ方向に該補強ウェブを運ぶ段階と、
前記補強ウェブが前記供給装置から前記形成表面に向けて長さ方向に運ばれる時に、該補強ウェブの横断方向位置を制御する段階と、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記補強ウェブの横断方向位置を制御する段階は、
前記ウェブを検査装置を超えて長さ方向に運ぶ段階と、
前記検査装置を作動して前記ウェブの前記横断方向位置を測定する段階と、
前記ウェブの前記測定横断方向位置を該ウェブの目標横断方向位置と比較する段階と、
前記ウェブの前記測定横断方向位置と該ウェブの前記目標横断方向位置との前記比較に応じて該ウェブを横断方向に移動する段階と、
を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記補強ウェブは、縦配向フィラメントを含み、
前記検査システムは、走査幅を有し、
前記ウェブは、前記縦配向フィラメントが前記検査装置の前記走査幅内に横断方向に位置決めされるように、該検査装置を超えて長さ方向に運ばれ、
前記検査装置は、該装置の前記走査幅内の前記縦配向フィラメントの前記横断方向位置を測定するように作動され、
前記移動する段階は、前記フィラメントの前記測定横断方向位置と該フィラメントの前記目標横断方向位置との差に応じて、前記ウェブを横断方向に移動する段階を含む、
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記補強ウェブは、互いに横断方向に間隔を空けて配置された少なくとも2つの縦配向フィラメントを含み、
前記検査装置の前記走査幅は、1つの縦方向に延びるフィラメントのみが該走査幅内で横断方向に位置決めされるように、前記補強ウェブの前記少なくとも2つの縦配向フィラメント間の横断方向間隔よりも実質的に小さい、
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記補強ウェブを上に重ねる段階は、前記吸収部材の厚さに対する該補強ウェブの位置が該吸収部材の長さの少なくとも一部分に沿ってほぼ不均一になるように該補強ウェブを上に重ねる段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項21】
繊維材料と内面及び外面を有する補強ウェブとを含む補強吸収部材を製造するための装置であって、
流動性繊維材料を受け取るようになった形成チャンバと、
前記形成チャンバ内で移動可能であり、繊維材料を上に収集して吸収部材を形成するようになった形成表面と、
一般的に前記形成チャンバの外部に配置される補強ウェブの供給装置と、
前記形成チャンバの外部に開いた導入端部と、該形成チャンバの内部に開いた排出端部と、該導入端部と該排出端部の間に延びる中央通路とを有し、該排出端部に隣接する少なくとも一部分が該形成チャンバの内部に延びた送出チューブと、
を含み、
前記送出チューブは、その導入端部でその中央通路内に前記補強ウェブを前記補強ウェブ供給装置から受け取り、前記形成チャンバ内で前記形成表面に向けて運ぶために該ウェブをその排出端部まで案内するように配置される、
ことを特徴とする装置。
【請求項22】
前記形成チャンバ内に真空を印加し、繊維材料を前記形成表面に引き込んでその上に集めるための真空供給装置、
を更に含み、
前記真空は、前記補強ウェブを前記送出チューブの前記中央通路を通してその排出端部まで、更に前記形成表面に向けて引き込むのに十分である、
ことを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記送出チューブは、該チューブの前記中央通路の少なくとも一部分内で縦方向に延びて該チューブの前記排出端部で終端するパネルを更に含み、
前記パネルは、前記補強ウェブが前記チューブの前記中央通路を通過してその排出端部まで進む時に、該補強ウェブが該パネルの少なくとも一部分の上をそれと接触して移動するように配置される、
ことを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記送出チューブの断面は、実質的にダイヤモンド形であることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項25】
前記送出チューブの断面幅は、前記補強ウェブの幅よりも約0.1%から約35%の範囲だけ大きいことを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項26】
前記形成表面は、ほぼ前記形成チャンバの入口からその出口までのアーチ形経路に沿って移動可能であり、
前記形成チャンバは、開口部を有し、それを通して、前記補強ウェブが、その後に該形成チャンバ内で前記形成表面に向けて運ぶために該形成チャンバ内に受け取られ、
前記開口部は、前記経路に沿う前記形成表面のほぼ移動方向に前記形成チャンバ入口の下流に配置される、
ことを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項27】
前記補強ウェブが通過して前記形成チャンバ内に受け取られる前記形成チャンバ開口部の断面幅は、該補強ウェブの幅よりも約0.1%から約35%の範囲だけ大きいことを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記形成チャンバは、開口部を有し、それを通して、前記補強ウェブは、その後に前記吸収部材に組み込むために、前記補強ウェブ供給装置から該形成チャンバの内部容積の中に長さ方向に運ばれ、
前記補強ウェブ供給装置と前記形成チャンバとの中間にあって、前記補強ウェブがそれらの間を長さ方向に運ばれる時に該補強ウェブの横断方向位置を測定するように作動可能な検査装置、
を更に含むことを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項29】
前記補強ウェブ供給装置と前記形成チャンバとの中間にあって、前記補強ウェブがそれらの間を長さ方向に運ばれる時に該補強ウェブと接触するようになったガイドアセンブリ、
を更に含み、
前記ガイドアセンブリは、更に、前記補強ウェブをその前記長さ方向移送に対して横断方向に移動させるようになっている、
ことを特徴とする請求項28に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2006−501870(P2006−501870A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−559398(P2003−559398)
【出願日】平成15年1月3日(2003.1.3)
【国際出願番号】PCT/US2003/000294
【国際公開番号】WO2003/059233
【国際公開日】平成15年7月24日(2003.7.24)
【出願人】(597085132)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (17)
【Fターム(参考)】