説明

補給装置

【課題】島設備やパチンコ遊技機の設置状況等に応じて自在に屈曲可能とされるとともに長さ寸法を容易に変更可能とされた案内手段を具備した補給装置を提供する。
【解決手段】島設備に設置された補給樋に取り付けられ、当該補給樋を流れる遊技球を順次受け得る本体部13と、該本体部13で受けた遊技球を島設備に設置されたパチンコ遊技機2まで案内しつつ流下させる案内手段14とを具備し、補給樋を流れる遊技球をパチンコ遊技機2に補給するための補給装置12において、案内手段14は、略同一形状の複数の構成部品15を長尺状且つ屈曲可能に連結させて成り、その内部を遊技球が通過可能とされたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補給樋を流れる遊技球をパチンコ遊技機に補給するための補給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機の島設備は、パチンコ店内ホールに設置され、複数のパチンコ遊技機が横並びに配設されるとともに、それらパチンコ遊技機に対して電力の供給や遊技球の供給及び回収等を行い得るよう構成されている。かかるパチンコ遊技機の島設備においては、通常、パチンコ遊技球から排出された遊技球を回収するアウトレールと、該アウトレールで回収された遊技球を貯留する島中タンクと、島上に配設されて遊技球を貯留可能な島上タンクと、島中タンクで貯留した遊技球を島上タンクまで揚送する揚送機とが配設されている。
【0003】
更に、通常の島設備においては、島上タンク内に貯留した遊技球を島端に向かって流出させるとともに各パチンコ遊技機に遊技球を補給可能な補給樋と、当該島上タンク内に貯留した遊技球であって補給樋からオーバーフローした遊技球を島端に向かって流出させるとともに島中タンクに流下させるオーバーフロー樋とが延設されていた。このうち、補給樋は、島上タンクに接続されて島端に向かって延設されるとともに、その途中に補給装置が取り付けられている。
【0004】
かかる補給装置は、各パチンコ遊技機の設置位置に対応した部位に取り付けられ、補給樋を流れる遊技球をパチンコ遊技機に補給するためのもので、補給樋を流れる遊技球を順次受け得る本体部と、該本体部で受けた遊技球をパチンコ遊技機まで案内しつつ流下させるフレキシブルチューブとを具備して構成されている。かかるフレキシブルチューブは、その上端が本体部に固定されるとともに、下端がパチンコ遊技機の背面側上部に配設されたタンクに至るよう任意に屈曲しつつ取り付けられていた。尚、かかる先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の補給装置においては、補給樋に取り付けられた本体部とパチンコ遊技機のタンクとの間で延設されて当該本体部で受けた遊技球をパチンコ遊技機に補給するための手段(遊技球を案内しつつ流下させる案内手段)がフレキシブルチューブから成るので、以下の如き問題があった。
【0006】
即ち、島設備に配設される補給樋の位置や傾斜角度、及び当該島設備に設置されるパチンコ遊技機のタンクの位置或いは形状等は種々様々であることから、フレキシブルチューブ(案内手段)を任意方向に屈曲させ、島設備やパチンコ遊技機の設置状況等に応じて、その向きを設定する必要がある。然るに、フレキシブルチューブにおいては、屈曲が自在である故、その向きの変更も比較的容易とされているが、その長さが足りない或いは長すぎる場合、対応が困難(長さ寸法が短い場合は他のフレキシブルチューブに交換、長い場合はフレキシブルチューブを所定の部位で切断させる必要がある)であった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、島設備やパチンコ遊技機の設置状況等に応じて自在に屈曲可能とされるとともに長さ寸法を容易に変更可能とされた案内手段を具備した補給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、島設備に設置された補給樋に取り付けられ、当該補給樋を流れる遊技球を順次受け得る本体部と、該本体部で受けた遊技球を前記島設備に設置されたパチンコ遊技機まで案内しつつ流下させる案内手段とを具備し、前記補給樋を流れる遊技球をパチンコ遊技機に補給するための補給装置において、前記案内手段は、略同一形状の複数の構成部品を長尺状且つ屈曲可能に連結させて成り、その内部を遊技球が通過可能とされたことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の補給装置において、前記案内手段は、前記一の構成部品と隣接する前記構成部品とが互いに略直交する方向に屈曲可能に連結されたことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の補給装置において、前記構成部品は、一体的に突出形成された突出部と、該突出部の所定部位に形成された係止部と、該係止部を係止可能な被係止部とを具備するとともに、当該係止部と被係止部とを互いに回動可能に係止することにより前記一の構成部品と隣接する前記構成部品とが連結されて成ることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか1つに記載の補給装置において、前記構成部品は、所定の樹脂を成形して成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、案内手段は、略同一形状の複数の構成部品を長尺状且つ屈曲可能に連結させて成り、その内部を遊技球が通過可能とされたので、島設備やパチンコ遊技機の設置状況等に応じて自在に屈曲可能とされるとともに長さ寸法を容易に変更可能とすることができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、案内手段は、一の構成部品と隣接する構成部品とが互いに略直交する方向に屈曲可能に連結されたので、島設備やパチンコ遊技機の設置状況等に応じて当該案内手段を種々様々な方向に屈曲させることができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、構成部品は、一体的に突出形成された突出部と、該突出部の所定部位に形成された係止部と、該係止部を係止可能な被係止部とを具備するとともに、当該係止部と被係止部とを互いに回動可能に係止することにより一の構成部品と隣接する構成部品とが連結されて成るので、より簡単な構成にて案内手段の屈曲方向及び長さ寸法を任意に変更することができる。
【0015】
請求項4の発明によれば、構成部品は、所定の樹脂を成形して成るので、より安価且つ簡易に案内手段を得ることができ、補給装置の製造コストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る補給装置が適用される島設備を示す模式図
【図2】同補給装置を示す正面図
【図3】同補給装置における案内手段を示す拡大模式図
【図4】同案内手段を構成する構成部品を示す縦断面図
【図5】同案内手段を構成する構成部品を示す横断面図
【図6】同案内手段を構成する構成部品(連結状態)を示す断面図
【図7】同補給装置を補給樋とパチンコ遊技機との間に取り付けた状態を示す模式図
【図8】同補給装置を補給樋とパチンコ遊技機との間に取り付けた状態を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る補給装置は、補給樋を流れる遊技球をパチンコ遊技機に補給するためのもので、島設備に配設されるものである。適用される島設備は、図1に示すように、遊技店に設置されるとともにパチンコ遊技機2が複数並列して設置された島状のものから成る。まず、適用される島設備及び当該島設備に設置されるパチンコ遊技機について以下に説明する。
【0018】
本実施形態で適用されるパチンコ遊技機2は、ガラス板が取り付けられた前面枠を有しており、該ガラス板から遊技者が遊技盤を目視し得るように構成されており、この遊技盤の遊技領域には、図柄表示手段、始動口や大入賞口等の種々役物が配設されている。そして、ハンドルを回転操作することにより、遊技球が遊技盤に発射され、所定の入賞口に入賞或いは最下のアウト穴に至るよう構成されている。
【0019】
島設備1は、パチンコ遊技機2に電力を供給し得る電力供給手段(不図示)を具備するとともに、島中タンク7a、7bと、アウトレール8と、研磨機9と、揚送機10とが内部に設置されている。この島設備1の一端(図1中左側島端)には、J/C11(ジェットカウンターと称される計数機)が配設されており、当該J/C11から受け入れた遊技球が島中タンク7a(J/C側島中タンク)に流入し得るよう構成されている。更に、島設備1は、島上に配設された島上タンク3と、該島上タンク3から図1中左右方向にそれぞれ延設された補給樋4と、同方向にそれぞれ延設されたオーバーフロー樋5とを有している。
【0020】
アウトレール8は、パチンコ遊技球から排出された遊技球を回収するための流路から成り、各パチンコ遊技機2から排出された遊技球が当該アウトレール8を介して島中タンク7a、7bに至るようになっている。島中タンク7a、7bは、アウトレール8で回収された遊技球を貯留するためのもので、島設備1の下部に固設されている。研磨機9は、回収された遊技球を研磨するためのもので、当該研磨機9にて研磨された遊技球は、揚送機10を介して島上タンク3に至るようになっている。
【0021】
島上タンク3は、島設備1の上面(島上)に配設されるとともに、各パチンコ遊技機2に対して補給すべき遊技球が貯留されるものである。具体的には、島上タンク3は、揚送機10の先端(上端側)が接続され、当該揚送機10にて揚送された遊技球を貯留しつつその遊技球を、補給樋4及びオーバーフロー樋5から流出させるものである。補給樋4は、島上タンク3の両側面から島端(図1における島設備1の左端端及び右側端)に向かって下方に傾斜しつつ延設され、当該島上タンク3内の遊技球を流出させて各パチンコ遊技機2に補給し得る流路から成るものである。
【0022】
オーバーフロー樋5は、補給樋4からオーバーフローした遊技球を流出させて島端側に配設された島中タンク7a(J/C側島中タンク)及び島中タンク7b(反J/C側島中タンク)に流下させる樋状部材から成る。尚、オーバーフロー樋5のそれぞれの先端にはエンド落し金具6が形成されており、当該エンド落し金具6から延びる流路6aを介してオーバーフローした遊技球がそれぞれ島中タンク7a、7bに流下するものとされている。
【0023】
ここで、補給樋4における各パチンコ遊技機2の設置箇所に応じた部位には、図2〜6に示すように、本実施形態に係る補給装置12が配設されている。かかる補給装置12は、島設備1に設置された補給樋4に取り付けられ(図7、8参照)、当該補給樋4を流れる遊技球を順次受け得る本体部13と、該本体部13で受けた遊技球を島設備1に設置されたパチンコ遊技機2の背面側に配設された球受け装置16まで案内しつつ流下させる案内手段14とを有している。
【0024】
尚、球受け装置16は、パチンコ遊技機2の背面側に配設されたタンクTの上方の位置における島設備1側に固定されたもので、補給装置12から補給された遊技球をタンクTに供給させるよう構成されている。タンクTは、補給された遊技球を保持しつつ順次、パチンコ遊技機2内部に供給するためのもので、当該パチンコ遊技機2の背面側上部に固定されて構成されている。
【0025】
本体部13は、樹脂を一体成形させて成る一体成形部品から成るもので、補給樋4から遊技球を順次受けて内部に保持させ得る受け部13aと、内部に保持した遊技球を順次、パチンコ遊技機2側(球受け装置16側)まで排出させる排出口部13bとを具備している。尚、図中符号13cは、受け部13aにて受けた遊技球を排出口部13bまで導くための傾斜面を示している。
【0026】
案内手段14は、略同一形状の複数の構成部品15を長尺状且つ屈曲可能に連結させて成り、その内部を遊技球が通過可能とされたもので、上端部が本体部13の排出口部13bに接続されるとともに、下端部が球受け装置16の受け口部16aに接続されている。即ち、案内手段14は、構成部品15を上下方向に連結させ、本体部13で受けた遊技球をパチンコ遊技機2側に流下させるべく配設されて成るものである。
【0027】
案内手段14を構成するそれぞれの構成部品15は、所定の樹脂を成形して成るもので、図4〜6に示すように、上下に開口して遊技球を通過させ得る内部空間Sを有した筒形状とされるとともに、一体的に突出形成された一対の突出部15aと、該突出部15aの所定部位に形成された係止孔15aa(係止部)と、該係止孔15aa(係止部)に嵌入して係止可能な一対の凸部15b(被係止部)とを具備している。そして、一の構成部品15における係止孔15aaに下方に隣接する他の構成部品15における凸部15bがそれぞれ嵌入させることによって、当該一の構成部品15と隣接する構成部品15とが連結されている。
【0028】
即ち、係止孔15aa(係止部)と凸部15b(被係止部)とを互いに回動可能に係止することにより一の構成部品15と隣接する構成部品15とが連結されており、これにより、当該一の構成部品15と隣接する構成部品15とが互いに略直交する方向に屈曲可能に連結されているのである。尚、本実施形態においては、係止部が係止孔15aaとされるとともに被係止部が凸部15bとされているが、これとは逆に、係止部を凸部としつつ被係止部が当該凸部を回動可能に係止する係止孔としてもよい。
【0029】
上記実施形態によれば、案内手段14は、略同一形状の複数の構成部品15を長尺状且つ屈曲可能に連結させて成り、その内部を遊技球が通過可能とされたので、島設備1やパチンコ遊技機2の設置状況等に応じて自在に屈曲可能とされるとともに長さ寸法を容易に変更可能とすることができる。即ち、係止孔15aa(係止部)と凸部15b(被係止部)とを互いに回動可能に係止することにより、その係止部位において屈曲自在とされているとともに、連結させる構成部品15の個数を任意設定することにより、長さ寸法を容易に変更可能とすることができるのである。
【0030】
また、案内手段14は、一の構成部品15と隣接する構成部品15とが互いに略直交する方向に屈曲可能に連結されたので、島設備1やパチンコ遊技機2の設置状況等に応じて当該案内手段を種々様々な方向に屈曲させることができる。即ち、一の構成部品15の下方に隣接する構成部品15が所定方向に屈曲可能とされ、その更に下方に隣接する構成部品15が当該所定方向と略直交する方向に屈曲可能とされ、順次互い違いに略直交する方向に屈曲可能とされているので、3次元的に屈曲させることができ、案内手段14を任意方向に屈曲させてパチンコ遊技機2側(具体的には球受け装置16)と接続させることができるのである。尚、一の構成部品15と下方に隣接する構成部品15とがユニバーサルジョイント構造で連結されるようにしてもよい。
【0031】
また、構成部品15は、一体的に突出形成された突出部15aと、該突出部15aの所定部位に形成された係止孔15aa(係止部)と、該係止孔15aa(係止部)を係止可能な凸部15b(被係止部)とを具備するとともに、当該係止孔15aa(係止部)と凸部15b(被係止部)とを互いに回動可能に係止することにより一の構成部品15と隣接する構成部品15とが連結されて成るので、より簡単な構成にて案内手段14の屈曲方向及び長さ寸法を任意に変更することができる。尚、構成部品15は、所定の樹脂を成形して成るので、より安価且つ簡易に案内手段14を得ることができ、補給装置12の製造コストを低減させることができる。
【0032】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば構成部品の外観形状及び構成部品同士の連結を他の構成のもの(但し、略同一形状の複数の構成部品から成り、少なくとも長尺状且つ屈曲可能に連結させ、その内部を遊技球が通過可能とされた構成のものとする)であってもよい。また、構成部品は、樹脂製部品の他、他の材料(例えば所定形状に形成されたアルミ等の金属)から成るものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
略同一形状の複数の構成部品を長尺状且つ屈曲可能に連結させて成り、その内部を遊技球が通過可能とされた案内手段を具備した補給装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 島設備
2 パチンコ遊技機
3 島上タンク
4 補給樋
5 オーバーフロー樋
6 エンド落し金具
7a、7b 島中タンク
8 アウトレール
9 研磨機
10 揚送機
11 J/C
12 補給装置
13 本体部
14 案内手段
15 構成部品
15a 突出部
15aa 係止孔(係止部)
15b 凸部(被係止部)
16 球受け装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
島設備に設置された補給樋に取り付けられ、当該補給樋を流れる遊技球を順次受け得る本体部と、
該本体部で受けた遊技球を前記島設備に設置されたパチンコ遊技機まで案内しつつ流下させる案内手段と、
を具備し、前記補給樋を流れる遊技球をパチンコ遊技機に補給するための補給装置において、
前記案内手段は、略同一形状の複数の構成部品を長尺状且つ屈曲可能に連結させて成り、その内部を遊技球が通過可能とされたことを特徴とする補給装置。
【請求項2】
前記案内手段は、前記一の構成部品と隣接する前記構成部品とが互いに略直交する方向に屈曲可能に連結されたことを特徴とする請求項1記載の補給装置。
【請求項3】
前記構成部品は、一体的に突出形成された突出部と、該突出部の所定部位に形成された係止部と、該係止部を係止可能な被係止部とを具備するとともに、当該係止部と被係止部とを互いに回動可能に係止することにより前記一の構成部品と隣接する前記構成部品とが連結されて成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の補給装置。
【請求項4】
前記構成部品は、所定の樹脂を成形して成ることを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の補給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−10814(P2012−10814A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−148430(P2010−148430)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】