補酵素Q10の製造方法

【課題】還元型補酵素Q10生産性微生物を培養し、還元型補酵素Q10を高い比率で含有する微生物細胞を得、該微生物細胞から還元型補酵素Q10を好適に回収することにより、還元型補酵素Q10を安全且つ効率的に工業的規模で生産する方法を提供する。
【解決手段】本発明は、還元型補酵素Q10を全補酵素Q10のうち70モル%以上の比率で含有する微生物細胞を得、必要に応じて前記細胞を破砕し、生産された還元型補酵素Q10を回収する還元型補酵素Q10の製造方法である。また、前記微生物細胞又は該細胞破砕液を酸化した後、生成した酸化型補酵素Q10を回収するか、或いは、前記微生物細胞又は該細胞破砕液から還元型補酵素Q10を回収した後に酸化処理に付す、酸化型補酵素Q10の製造方法である。本発明の方法により、還元型補酵素Q10、及び、酸化型補酵素Q10を工業的規模で簡便に製造できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下記式(I);
【化1】

で表される還元型補酵素Q10、及び、下記式(II);
【化2】

で表される酸化型補酵素Q10の製造方法に関する。
さらに詳しくは、還元型補酵素Q10生産性微生物を培養することによって、還元型補酵素Q10を全補酵素Q10のうち70モル%以上の比率で含有する微生物細胞を得、必要に応じて該微生物細胞を破砕し、生産された還元型補酵素Q10を回収する、還元型補酵素Q10の製造方法に関する。
また、前記微生物細胞又は該細胞破砕物を酸化処理に付した後に酸化型補酵素Q10を回収するか、或いは、前記微生物細胞又は該細胞破砕物から還元型補酵素Q10を回収した後に酸化処理に付す、酸化型補酵素Q10の製造方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
還元型補酵素Q10(I)及び酸化型補酵素Q10(II)は、人の生体内の細胞中におけるミトコンドリアの電子伝達系構成因子であり、酸化的リン酸化反応における電子の運搬子として働くことによりATPの生成に関与している。
【0003】
従来から、酸化型補酵素Q10は、各種疾病に対して優れた薬理及び生理効果を示す物質として医薬品以外にも栄養補助食品や化粧品に使用される等、幅広い用途で用いられている。一方、還元型補酵素Q10は、これまであまり注目されていなかったが、近年、種々の用途において酸化型補酵素Q10よりも有効であるとの報告がなされるようになってきた。
【0004】
例えば、特許文献1には、還元型補酵素Q10を有効成分とする、優れたコレステロール低下作用を有する抗高コレステロール血症剤、抗高脂血症剤ひいては動脈硬化症治療及び予防剤が開示されている。また、特許文献2には、還元型補酵素Q10を含有する補酵素Q10を有効成分とする、経口吸収性に優れた医薬品組成物が開示されている。
さらに、還元型補酵素Q10は抗酸化剤、ラジカルスカベンジャーとしても有効であり、アール・ストッカー(R.Stocker)らは、還元型補酵素Q10がヒトLDLの過酸化をα−トコフェロール、リコペンやβ−カロチンより効率的に防止したことを報告している(非特許文献1)。
【0005】
生体内で、酸化型補酵素Q10と還元型補酵素Q10はある種の平衡関係にあり生体内に吸収された酸化型補酵素Q10/還元型補酵素Q10は相互に還元/酸化されることが知られている。
【0006】
還元型補酵素Q10の製法としては、酸化型補酵素Q10の製法と同様、化学合成法が考えられるが、その合成プロセスは煩雑・危険で、コスト高と予想される。また、化学合成法の場合は、安全性が懸念される(Z)−異性体の副生・混入(非特許文献2)を最小化する必要もあるであろう。酸化型補酵素Q10は、ヨーロッパ局方においては、(Z)−異性体の含有量が0.1%以下でなければならないと規定されている。
【0007】
還元型補酵素Q10の別の製法として、微生物細胞を利用する方法、すなわち、還元型補酵素Q10生産性微生物から還元型補酵素Q10を分離・回収する方法も考えられるが、上記微生物細胞により生産される還元型補酵素Q10は多くの酸化型補酵素Q10を含んでおり、既知の方法を用いる還元型補酵素Q10の分離・回収はコスト高である。
【0008】
微生物細胞中に還元型補酵素Q10が存在することを記載したものとしては、例えば、以下の細菌の例が知られている。
【0009】
1)光合成細菌の培養菌体において、還元型補酵素Q10が全補酵素Q10のうち、少ない場合で5〜10重量%、多い場合で30〜60重量%存在すると記載した例(特許文献3)。
2)シュードモナス属菌体を、水酸化ナトリウム及びピロガロールの存在下に、有機溶剤で加熱抽出した後、5%ハイドロサルファイトソーダ水で処理し、さらに脱水濃縮してアセトン可溶部を採取することにより、還元型補酵素Q10を含む油状物を取得した例(特許文献4)。
【0010】
上記1)及び2)はいずれも、得られた還元型補酵素Q10と酸化型補酵素Q10の混合物、或いは、還元型補酵素Q10を、さらに酸化して酸化型補酵素Q10に変換することを目的としたものであり、還元型補酵素Q10は酸化型補酵素Q10製造における中間物質として記載されているにすぎない。
【0011】
上記1)は、光合成細菌を用いており、培養が煩雑であるうえ、上記微生物細胞においては、還元型補酵素Q10の製造を目的とした場合、全補酵素Q10中の還元型補酵素Q10の比率は十分とは言えない。
上記2)は、ヘキサン相中に含まれる酸化型補酵素Q10を還元剤であるハイドロサルファイトソーダで還元型補酵素Q10に変換する操作(特許文献5の実施例3を参照)を含んでおり、微生物細胞中の、全補酵素Q10中の還元型補酵素Q10の比率は明らかでない。
また、上記1)及び2)においては、培養における補酵素Qの生産量は記載されていない。
【0012】
以上のように、還元型補酵素Q10を高い比率で含有する微生物細胞はこれまで報告されておらず、ましてや還元型補酵素Q10を工業的規模で発酵生産、即ち、微生物を培養して還元型補酵素Q10を全補酵素Q10中高い比率で含有する微生物細胞を得、還元型補酵素Q10を回収することにより、高純度の還元型補酵素Q10を得た例も知られていない。
【0013】
このような状況において、微生物を培養して、還元型補酵素Q10比率の高い補酵素Q10を多量に得る方法を見いだせれば、還元型補酵素Q10の極めて有利な製造法となりうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平10−330251号公報
【特許文献2】特開平10−109933号公報
【特許文献3】特開昭57−70834号公報
【特許文献4】特開昭60−75294号公報
【特許文献5】特開昭60−75294号公報
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】プロシーディングス オブ ザ ナショナル アカデミー オブ サイエンス オブ ザ ユナイテッド ステーツ オブ アメリカ(Proceedings of the National Academy of Science of the United States of America)、88巻、1646−1650頁、1991年
【非特許文献2】バイオメディカル アンド クリニカル アスペクト オブ コエンザイムQ(Biomedical and clinical aspects of coenzyme Q)、3巻、19項−30項、1981
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、還元型補酵素Q10生産性微生物を培養し、還元型補酵素Q10を高い比率で含有する微生物細胞を得、該微生物細胞から還元型補酵素Q10を好適に回収することにより、還元型補酵素Q10を安全且つ効率的に工業的規模で生産する方法を提供することにある。
【0017】
また、本発明の目的は、還元型補酵素Q10生産性微生物を培養し、還元型補酵素Q10を高い比率で含有する微生物細胞を得、該微生物細胞から得られた還元型補酵素Q10を、酸化型補酵素Q10製造における中間物質として、これを酸化することにより、簡便な操作で酸化型補酵素Q10を製造する方法を提供することにもある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
即ち、本発明は、下記式(I);
【化3】

で表される還元型補酵素Q10の製造方法であって、炭素源、窒素源、リン源及び微量栄養素を含んでなる培地中で、還元型補酵素Q10生産性微生物を培養することによって、還元型補酵素Q10を全補酵素Q10のうち70モル%以上の比率で含有する微生物細胞を得、必要に応じて該微生物細胞を破砕し、生産された還元型補酵素Q10を有機溶剤で抽出することを特徴とする還元型補酵素Q10の製造方法である。
【0019】
また、本発明は、下記式(II);
【化4】

で表される酸化型補酵素Q10の製造方法であって、炭素源、窒素源、リン源及び微量栄養素を含んでなる培地中で、還元型補酵素Q10生産性微生物を培養することによって、還元型補酵素Q10を全補酵素Q10のうち70モル%以上の比率で含有する微生物細胞を得、必要に応じて該微生物細胞を破砕し、生産された還元型補酵素Q10を酸化して酸化型補酵素Q10に変換した後にこれを有機溶剤で抽出するか、或いは、生産された還元型補酵素Q10を有機溶剤で抽出し、必要により精製処理を施した後に、還元型補酵素Q10を酸化して酸化型補酵素Q10に変換することを特徴とする酸化型補酵素Q10の製造方法でもある。
【発明の効果】
【0020】
本発明の方法によれば、微生物の培養、還元型補酵素Q10の回収という非常に簡便な操作によって、還元型補酵素Q10を工業的規模で安価に製造することができる。また、酸化型補酵素Q10についても、簡便な操作によって製造することができる。さらに、微生物によって生産されるこれらの補酵素Q10は、基本的に(Z)−異性体を含まず、肉、魚等に含まれるものと同じ(all−E)−異性体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、実施例8で用いた向流3段連続抽出装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明では、まず、還元型補酵素Q10生産性微生物を培養し、還元型補酵素Q10を全補酵素Q10のうち70モル%以上、好ましくは75モル%以上の比率で含有する微生物細胞を得る(発酵)。
【0023】
全補酵素Q10中、上記のような高い比率で還元型補酵素Q10を含有する微生物細胞は、基本的に、還元型補酵素Q10を全補酵素Q10のうち70モル%以上、好ましくは75モル%以上の比率で生成しうる微生物を培養することにより得られる。
【0024】
微生物が、全補酵素Q10のうち、いかなる比率で還元型補酵素Q10を生成しうるかは、例えば、試験管(内径21mm、全長200mm)を用いて、微生物を10mLの培地[(グルコース20g、ペプトン5g、酵母エキス3g、マルトエキス3g)/L、pH6.0]中で25℃、72時間振とう培養(振幅2cm、310往復/分)する方法により評価することができる。
【0025】
工業的規模での発酵生産における好ましい培養条件については後述するが、上記の培養条件は、微生物がその能力として有する還元型補酵素Q10比率を大きく誤りのない範囲で反映するように標準化するための一つの方法である。
【0026】
上記の培養条件下、還元型補酵素Q10が全補酵素Q10のうち70モル%以上、好ましくは75モル%以上の含量を示す微生物細胞を本発明に用いるのが良い。尚、さらに好ましくは、上記の培養条件下、培地当たりの還元型補酵素Q10の生産能力として、通常1μg/mL以上、好ましくは2μg/mL以上の生産能力を有する微生物を用いるのが良い。
【0027】
ここで、上記の還元型補酵素Q10含有量、及び、全補酵素Q10中の還元型補酵素Q10比率は、微生物細胞を物理的に破砕した後、有機溶媒で抽出してHPLC分析を行うことにより確認できる。具体的には、以下の手順により測定される。
1)微生物増殖液を必要に応じて濃縮し、当該増殖液10容量部をネジ口試験管(内径16.5mm、全長130mm)に移し、ガラスビーズ(425〜600ミクロン;SIGMA社製)10容量部を加える。
2)窒素雰囲気下、該増殖液10容量部に対してイソプロパノール3容量部及びn−ヘキサン18.5容量部を加える。
3)窒素雰囲気下、3分間激しく振とうすることにより、微生物細胞の破砕及び抽出を行う。
4)得られた疎水性有機溶剤相(n−ヘキサン相)を減圧下にエバポレート(バス温:40℃)し、HPLCにより分析する。
カラム:YMC−Pack4.6×250mm(YMC.Co.,Ltd.製)
移動相:メタノール/n−ヘキサン=85/15
流速:1mL/min
検出:UV275nm
保持時間:還元型補酵素Q10 13.5min
酸化型補酵素Q10 22.0min
上記測定方法は、得られた結果が還元型補酵素Q10含有量及び全補酵素Q10中の還元型補酵素Q10比率を極力正しく反映するように、且つ、最低限保証しうる還元型補酵素Q10含有量及び比率を標準化するために与えられる。この方法は、本発明者らの幾つかの実験により、実施するのが容易且つ適切な方法であることが見出されたものである。
【0028】
本発明で用いる上記還元型補酵素Q10生産性微生物としては、細菌、酵母、カビのいずれも制限無く使用することができる。上記微生物としては、具体的には、例えば、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、アセトバクター(Acetobacter)属、アミノバクター(Aminobacter)属、アグロモナス(Agromonas)属、アシドフィラス(Acidiphilium)属、ブレロミセス(Bulleromyces)属、ブレラ(Bullera)属、ブレブンジモナス(Brevundimonas)属、クリプトコッカス(Cryptococcus)属、キオノスファエラ(Chionosphaera)属、カンジタ(Candida)属、セリノステルス(Cerinosterus)属、エキソフィアラ(Exisophiala)属、エキソバシジウム(Exobasidium)属、フィロミセス(Fellomyces)属、フィロバシジエラ(Filobasidiella)属、フィロバシジウム(Filobasidium)属、ゲオトリカム(Geotrichum)属、グラフィオラ(Graphiola)属、グルコノバクター(Gluconobacter)属、コッコバエラ(Kockovaella)属、クルツマノミセス(Kurtzmanomyces)属、ララリア(Lalaria)属、ロイコスポリジウム(Leucosporidium)属、レギオネラ(Legionella)属、メチロバクテリウム(Methylobacterium)属、ミコプラナ(Mycoplana)属、オースポリジウム(Oosporidium)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、シュドジマ(Psedozyma)属、パラコッカス(Paracoccus)属、ペトロミセス(Petromyc)属、ロドトルラ(Rhodotorula)属、ロドスポリジウム(Rhodosporidium)属、リゾモナス(Rhizomonas)属、ロドビウム(Rhodobium)属、ロドプラネス(Rhodoplanes)属、ロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属、ロドバクター(Rhodobacter)属、スポロボロミセス(Sporobolomyces)属、スポリジオボラス(Sporidiobolus)属、サイトエラ(Saitoella)属、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)属、スフィンゴモナス(Sphingomonas)属、スポトリクム(Sporotrichum)属、シンポジオミコプシス(Sympodiomycopsis)属、ステリグマトスポリジウム(Sterigmatosporidium)属、タファリナ(Tapharina)属、トレメラ(Tremella)属、トリコスポロン(Trichosporon)属、チレチアリア(Tilletiaria)属、チレチア(Tilletia)属、トリポスポリウム(Tolyposporium)属、チレチオプシス(Tilletiopsis)属、ウスチラゴ(Ustilago)属、ウデニオミセス(Udeniomyce)属、キサントフィロミセス(Xanthophllomyces)属、キサントバクテリウム(Xanthobacter)属、ペキロマイセス(Paecilomyces)属、アクレモニウム(Acremonium)属、ハイホモナス(Hyhomonus)属、リゾビウム(Rhizobium)属等の微生物を挙げることができる。
培養の容易さや生産性の観点からは、細菌(好ましくは非光合成細菌)及び酵母が好ましく、例えば、細菌ではアグロバクテリウム(Agrobacterium)属、グルコノバクター(Gluconobacter)属等が、酵母ではシゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)属、サイトエラ(Saitoella)属等が挙げられる。
【0029】
好ましい種としては、例えば、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefacience IFO13263)、アグロバクテリウム・ラジオバクター(Agrobacterium radiobacter ATCC4718)、アスペルギルス・クラバータス(Aspergillus clavatus JCM1718)、アセトバクター・キシリヌム(Acetobacter xylinum IFO15237)、アミノバクター・アガノウエンシス(Aminobacter aganouensis JCM7854)、アグロモナス・オリゴトロフィカ(Agromonas oligotrophica JCM1494)、アシドフィラス・ムルチボルム(Acidiphilium multivorum JCM8867)、ブレロミセス・アルバス(Bulleromyces albus IFO1192)、ブレラ・アルメニカ(Bullera armeniaca IFO10112)、ブレブンジモナス・ジミヌタ(Brevundimonas diminuta JCM2788)、クリプトコッカス・ラウレンティー(Cryptococcus laurentii IFO0609)、キオノスファエラ・アポバシジアリス(Chionosphaera apobasidialis CBS7430)、カンジタ・クルバータ(Candida curvata ATCC10567)、セリノステルス・ルテオアルバス(Cerinosterus luteoalbus JCM2923)、エキソフィアラ・アルカロフィラ(Exisophiala alcalophila JCM12519)、エキソバシジウム・グラシル(Exobasidium gracile IFO7788)、フィロミセス・フゾエンシス(Fellomyces fuzhouensis IFO10374)、フィロバシジエラ・ネオフォルマス(Filobasidiella neoformans CBS132)、フィロバシジウム・カプスロイゲヌム(Filobasidium capsuloigenum CBS1906)、ゲオトリカム・カピタウム(Geotrichum capitatum JCM6258)、グラフィオラ・シリンドリカム(Graphiola cylindrica IFO6426)、グルコノバクター・スボキシダンス(Gluconobacter suboxydans IFO3257)、コッコバエラ・イムペラタエ(Kockovaella imperatae JCM7826)、クルツマノミセス・ネクタイレイ(Kurtzmanomyces nectairei IFO10118)、ララリア・セラシ(Lalaria cerasi CBS275.28)、ロイコスポリジウム・スコティー(Leucosporidium scottii IFO1212)、レギオネラ・アニーサ(Legionella anisa JCM7573)、メチロバクテリウム・エキトルグエンス(Methylobacterium extorguens JCM2802)、ミコプラナ・ラモーサ(Mycoplana ramosa JCM7822)、オースポリジウム・マルガリチフェルム(Oosporidium margaritiferum CBS2531)、シュードモナス・デニトリフィカンス(Pseudomonas denitrificans IAM 12023)、シュードモナス・シルキリエンシス(Pseudomonas shuylkilliensis IAM 1092)、シュドジマ・アフィジス(Psedozyma aphidis CBS517.23)、パラコッカス・デニトリフィカンス(Paracoccus denitrificans JCM6892)、ペトロミセス・アリアセウス(Petromyces alliaceus IFO7538)、ロドトルラ・グルティニス(Rhodotorula glutinis IFO1125)、ロドトルラ・ミヌタ(Rhodotorula minuta IFO0387)、ロドスポリジウム・ジオボバツム(Rhodosporidium diobovatum ATCC1830)、リゾモナス・スベリファシエンス(Rhizomonas suberifaciens IFO15212)、ロドビウム・オリエンツ(Rhodobium orients JCM9337)、ロドプラネス・エレガンス(Rhodoplanes elegans JCM9224)、ロドシュードモナス・パルトリス(Rhodopseudomonas palustris JCM2524)、ロドバクター・カプスレータス(Rhodobacter capsulatus SB1003)、スポロボロミセス・ホルサティカス(Sporobolomyces holsaticus IFO1034)、スポロボロミセス・パラロセウス(Sporobolomyces pararoseus IFO0471)、スポリジオボラス・ジョンソニー(Sporidiobolus johnsonii IFO1840)、サイトエラ・コンプリカタ(Saitoella complicata IFO10748)、シゾサッカロミセス・ポンペ(Schizosaccharomyces pombe IFO0347)、スフィンゴモナス・パラパウシモビリス(Sphingomonas parapaucimobilis IFO15100)、スポトリクム・セルロフィリウム(Sporotrichum cellulophilium ATCC20493)、シンポジオミコプシス・パフィオペジリ(Sympodiomycopsis paphiopedili JCM8318)、ステリグマトスポリジウム・ポリモルファ(Sterigmatosporidium polymorphum IFO10121)、スフィンゴモナス・アドヘシバ(Sphingomonas adhesiva JCM7370)、タファリナ・カエルレスセンス(Tapharina caerulescens CBS351.35)、トレメラ・メセンテリカ(Tremella mesenterica ATCC24438)、トリコスポロン・クタネウム(Trichosporon cutaneum IFO1198)、チレチアリア・アノマラ(Tilletiaria anomala CBS436.72)、チレチア・カリエス(Tilletia caries JCM1761)、トリポスポリウム・ブラタム(Tolyposporium bullatum JCM2006)、チレチオプシス・ワシントネシス(Tilletiopsis washintonesis CBS544)、ウスチラゴ・エスクレンタ(Ustilago esculenta IFO9887)、ウデニオミセス・メガロスポラス(Udeniomyces megalosporus JCM5269)、キサントフィロミセス・デンドロロウス(Xanthophllomyces dendrorhous IFO10129)、キサントバクテリウム・フラブス(Xanthobacter flavus JCM1204)、ペキロマイセス・リアシヌス(Paecilomyces lilacinus ATCC10114)、アクレモニウム・クリソゲナム(Acremonium chrysogenum ATCC11550)、ハイホモナス・ヒシアナ(Hyphomonas hirschiana ATCC33886)、リゾビウム・メロッティ(Rhizobium meliloti ATCC9930)等が挙げられる。
【0030】
還元型補酵素Q10生産性微生物としては、上記微生物の野生株のみならず、例えば、上記の微生物の還元型補酵素Q10生合成に関与する遺伝子の転写及び翻訳活性、或いは発現蛋白質の酵素活性を、改変或いは改良した微生物も好ましく使用することができる。
【0031】
遺伝子の転写及び翻訳活性、或いは発現蛋白質の酵素活性を、改変或いは改良する手段としては、遺伝子組換え(自己遺伝子の改良、増幅、破壊や、外来遺伝子の導入及び該遺伝子の改良、増幅を含む)や、変異原による変異誘発が挙げられるが、変異原による変異誘発が好ましい。
【0032】
本発明に使用しうる、より好ましい微生物は、上記改変或いは改良した微生物、好ましくは変異原により変異処理した微生物を、前記増殖方法並びに測定方法により評価した場合に、還元型補酵素Q10が全補酵素Q10のうち70モル%以上、好ましくは75モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは85モル%以上、特に好ましくは90モル%以上の含量を示す微生物である。工業規模での発酵生産においては、さらに、培地当たりの還元型補酵素Q10の生産能力として、1μg/mL以上、好ましくは2μg/mL以上、より好ましくは3μg/mL以上、さらに好ましくは5μg/mL以上、特に好ましくは10μg/mL以上、特により好ましくは15μg/mL、最も好ましくは20μg/mL以上の生産能力を有する微生物を用いるのが良い。
【0033】
変異誘発は単一の変異誘発として行うことができるが、2回以上の変異誘発を行うのが好ましい。各変異誘発段階により還元型補酵素Q10を生産する能力が改良されうることが見出されたからである。変異誘発処理にかけられる微生物細胞の候補としては、通常は、前記増殖方法並びに測定方法により評価した場合にできるだけ高い還元型補酵素Q10生産能力を有するものが好ましいことは言うまでもない。
【0034】
変異誘発処理は、任意の適当な変異原を用いて行うことができる。「変異原」なる語は、広義の意味において、例えば変異誘発効果を有する薬剤のみならず、UV照射のような変異誘発効果を有する処理も含む。適当な変異原の例として、エチルメタンスルホネート、UV照射、N−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジン、ブロモウラシルのようなヌクレオチド塩基類似体及びアクリジン類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
常用の変異誘発技法に従えば、変異誘発に続き、高い還元型補酵素Q10生産能力を有する微生物細胞の適切な選択を行う。このためには、単一コロニーから作られた培養物の評価を、例えば、前記増殖方法並びに測定方法を用いて行うことである。還元型補酵素Q10の結晶は白色の固層又は無色の液相を形成するため、コロニーの選別時には、前記測定法により還元型補酵素Q10生産能力の評価を好適に行うことができる。
【0036】
本発明の方法において、工業的規模での発酵生産における還元型補酵素Q10の高い生産性は、部分的には、前記の還元型補酵素Q10を全補酵素Q10のうち70モル%以上の比率で含有する微生物細胞の使用により得られ、また、部分的には、以下に記載される培地当たりの還元型補酵素Q10の生産能力を高めるための好適な培養(発酵)条件の使用により得られる。そして特に、上記の好適な微生物細胞の使用と以下の好適な培養(発酵)条件の使用とを組み合わせるのが好ましい。
【0037】
培養は、通常、微生物の増殖に適した多量栄養素や微量栄養素を含んでなる培地中で行われる。上記栄養素は、例えば、炭素源(例えば、グルコース、シュークロース、マルトース、デンプン、コーンシロップ、糖蜜等の炭水化物;メタノール、エタノール等のアルコール等)、窒素源(例えば、コーンスチープリカー、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、尿素、ペプトン等)、リン源(例えば、リン酸アンモニウム、リン酸等)、並びに、微量栄養素(例えば、マグネシウム、カリウム、亜鉛、銅、鉄、マンガン、モリブデン、硫酸、塩酸等のミネラル;ビオチン、デスチオビオチン、ビタミンB1等のビタミン類;アラニン、ヒスチジン等のアミノ酸;酵母エキスやマルトエキス等のビタミン類を含有する天然原料等)からなるが、これらに制限されるものではなく、一般的に使用されるものを用いることができる。なお、酵母エキス等の天然培地成分中には、リン酸塩等のリン源も含まれる。また、上記の栄養素は、適宜、組み合わせて用いられる。
【0038】
培養の温度は、通常、15〜45℃、好ましくは20〜37℃で行われる。15℃未満では、工業生産のために許容されるには微生物の増殖速度が低くなる傾向があり、45℃を越える高温では、微生物の生存が傷害され易い傾向にある。
【0039】
培養のpHは、通常4〜9、好ましくは5〜8である。pH3以下及び、pH10以上では微生物の増殖が阻害され易い傾向がある。
【0040】
工業規模での発酵生産においては、微生物の種類にもよるが、培養中、炭素源(生成したアルコールも含む)の濃度を、還元型補酵素Q10生産能力に実質的に悪影響を及ぼさない濃度に制御するのが好ましい。よって、培養液中の炭素源の濃度が、還元型補酵素Q10生産能力に実質的に悪影響を及ぼさない濃度、つまり、通常20g/L以下、好ましくは5g/L以下、より好ましくは2g/L以下となるように、培養を制御するのが好ましい。
【0041】
炭素源の濃度制御のためには、流加培養法を採用するのが好ましい。pH、溶存酸素濃度(DO)或いは残糖濃度等の培養管理指標に基づき、栄養源(特に炭素源)の供給を調節することにより、培養液中の炭素源濃度を制御することができる。栄養源の供給は、微生物の種類にもよるが、培養の当初から開始しても良いし、培養途中から開始してもよい。栄養源の供給は、連続的であっても良いし、断続的であってもよい。なお、栄養源の供給にあたっては、上記炭素源を他の成分から分離して(別に)培地に供給するのが好ましい。
【0042】
培養は、所望の還元型補酵素Q10の生産量に達した時点で終了することができる。培養時間は特に制限されないが、通常、20〜200時間である。
【0043】
上記の培養は、通常、好気的に行われる。ここで、「好気的」なる語は、培養中に酸素の制限(酸素の欠乏)が生じないように酸素の供給が行われることを意味し、好ましくは、培養中に酸素の制限が実質的に生じないように酸素の供給が充分に行われることを意味する。培養は、通常は通気下、好ましくは通気攪拌下に行われる。
【0044】
上記のような微生物、並びに培養条件を用いることにより、還元型補酵素Q10を全補酵素Q10のうち70モル%以上、好ましくは75モル%以上の比率で含有する微生物細胞を得ることができる。また、還元型補酵素Q10の生産量も、1μg/mL以上、好ましくは2μg/mL以上、さらに好ましくは3μg/mL以上という高い値が得られる。
【0045】
次に、上記培養により生産された還元型補酵素Q10の回収について説明する。
【0046】
本発明において、工業的規模での還元型補酵素Q10の効率的な製造は、部分的には、上記の好適な培養によって可能となり、また、部分的には、以下の還元型補酵素Q10の好適な回収操作によって可能となる。
【0047】
還元型補酵素Q10の回収は、上記培養で得られた微生物細胞からの有機溶剤を用いる抽出により行われる。
【0048】
抽出に際しては、所望により前記細胞を破砕することができる。細胞の破砕は、細胞中に生産・蓄積された還元型補酵素Q10の効率的な抽出に寄与する。言うまでもなく、細胞の破砕と抽出とを同時に行っても良い。
【0049】
なお、本発明の「破砕」においては、還元型補酵素Q10の抽出が可能となる程度に細胞壁等の表面構造が損傷を受ければよく、必ずしも微生物細胞が破れる或いは断片化される必要はない。
【0050】
また、上記の細胞破砕処理は、細菌では必ずしも必要ではない場合もある。しかし、酵母やカビでは、通常、細胞破砕処理は必要であり、細胞が破砕されていない場合、細胞中に生産・蓄積された還元型補酵素Q10は効率的に回収されにくくなる。
【0051】
上記微生物細胞の破砕は、以下の1つ又は幾つかの破砕方法を任意の順序で行うことにより行われる。破砕方法としては、例えば、物理的処理、化学的処理、酵素的処理の他、加熱処理、自己消化、浸透圧溶解、原形質溶解等を挙げることができる。
【0052】
上記物理的処理としては、例えば、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、フレンチプレス、ボールミル等の使用、或いは、これらの組み合わせを挙げることができる。
【0053】
上記化学的処理としては、例えば、塩酸、硫酸等の酸(好ましくは強酸)を用いる処理、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の塩基(好ましくは強塩基)を用いる処理等や、これらの組み合わせを挙げることができる。
【0054】
上記酵素的処理としては、例えば、リゾチーム、ザイモリアーゼ、グルカナーゼ、ノボザイム、プロテアーゼ、セルラーゼ等を用いる方法を挙げることができ、適宜これらを組み合わせて用いても良い。
【0055】
上記加熱処理としては、例えば、60〜100℃で30分〜3時間程度の処理を挙げることができる。
【0056】
上記自己消化としては、例えば、酢酸エチル等の溶媒による処理を挙げることができる。
【0057】
また、細胞内の塩濃度と異なる溶液により細胞を処理することにより細胞が破壊される浸透圧溶解や原形質溶解は、本方法単独では破砕効果が不十分な場合が多く、上記物理的処理、化学的処理、酵素的処理、加熱処理、自己消化等と合わせて用いられることが多い。
【0058】
還元型補酵素Q10の抽出・回収の前処理としての細胞破砕方法としては、上記破砕方法の中でも、物理的処理、化学的処理(特に酸処理、好ましくは強酸(例えば、水溶液中におけるpKaが2.5以下の酸)により後述するような還元型補酵素Q10が酸化反応から防護された条件下での酸処理)や加熱処理が好ましく、破砕効率の点から物理的処理がより好ましい。
【0059】
従来の細胞破砕並びに補酵素Q10の抽出方法、具体的には、水酸化ナトリウム及びピロガロールの存在下に有機溶剤で抽出する方法は、コスト、廃棄物処理、廃微生物(廃菌体)有効利用(タンパク質の回収等)時の安全性等の面で問題があった。しかし、本発明における細胞破砕方法、とりわけ物理的処理法は、中和により多量の塩を副生することがなく、廃棄物処理のみならず廃微生物(廃菌体)の有効利用の面からも好適な方法である。
【0060】
上記の細胞破砕に用いる微生物細胞の形態は、培養液、培養液を濃縮したもの、培養液から微生物細胞を湿菌体として採取したもの、これらを洗浄したもの、湿菌体を溶剤(例えば、水、生理食塩水、緩衝液等も含む)に懸濁したもの、前記の湿菌体を乾燥させた乾燥菌体、乾燥菌体を溶剤(例えば、水、生理食塩水、緩衝液等も含む)に懸濁したもの等であってよいが、好ましくは微生物細胞の水性懸濁液であり、操作性等の面から、より好ましくは、培養液、培養液を濃縮したものや、これらを洗浄したものである。
【0061】
還元型補酵素Q10の抽出・回収に用いる前記微生物細胞又は該細胞破砕物の形態も、上記と同様、特に制限されず、微生物細胞又は該細胞破砕物の湿菌体や乾燥菌体であってもよいが、好ましくは、微生物細胞又は該細胞破砕物の水性懸濁液であり、より好ましくは、培養液、培養液を濃縮及び/又は洗浄したものや、これらの破砕液(いずれも水性懸濁液)である。
【0062】
上記の微生物細胞又は該細胞破砕物の懸濁液における菌体濃度は、特に制限されず、乾燥重量で通常1〜25重量%にて行いうるが、経済的には10〜20重量%であるのが好ましい。
【0063】
このようにして得られる前記微生物細胞及び該細胞破砕物を、有機溶剤を用いる抽出に付すことによって、還元型補酵素Q10を回収することができる。
【0064】
抽出に用いる有機溶剤としては、炭化水素類、脂肪酸エステル類、エーテル類、アルコール類、脂肪酸類、ケトン類、窒素化合物類(ニトリル類、アミド類を含む)、硫黄化合物類等を挙げることができる。
【0065】
特に、還元型補酵素Q10の抽出に際しては、分子酸素による酸化から防護する観点から、炭化水素類、脂肪酸エステル類、エーテル類、及び、ニトリル類のうちの少なくとも一種を抽出溶媒として用いるのが好ましく、なかでも、炭化水素類、脂肪酸エステル類が好ましく、炭化水素類が最も好ましい。
【0066】
工業的規模での製造においては、酸素の完全な除去は極めて難しく、さらに個々の操作に要する時間はラボスケールでの製造とは異なりかなり長時間になるために、残存する酸素が大きな悪影響を及ぼす。上記酸化は還元型補酵素Q10からの酸化型補酵素Q10の副生に直結する。従って、還元型補酵素Q10の抽出における上記酸化防護効果の高い有機溶剤(炭化水素類、脂肪酸エステル類、エーテル類、ニトリル類等)の使用は、効率的な抽出を助成する。
【0067】
炭化水素類としては、特に制限されないが、例えば、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等を挙げることができる。脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素が好ましく、脂肪族炭化水素がより好ましい。
【0068】
脂肪族炭化水素としては、環状、非環状を問わず、又、飽和、不飽和を問わず、特に制限されないが、一般に、飽和のものが好ましく用いられる。通常、炭素数3〜20、好ましくは炭素数5〜12、より好ましくは炭素数5〜8のものが用いられる。具体例としては、例えば、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、2−メチルブタン、ヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、ヘプタン異性体(例えば、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン)、オクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、イソオクタン、ノナン、2,2,5−トリメチルヘキサン、デカン、ドデカン、2−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、p−メンタン、シクロヘキセン等を挙げることができる。好ましくは、ペンタン、2−メチルブタン、ヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、ヘプタン異性体(例えば、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン)、オクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、イソオクタン、ノナン、2,2,5−トリメチルヘキサン、デカン、ドデカン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、p−メンタン等である。より好ましくは、ペンタン、2−メチルブタン、ヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、ヘプタン異性体(例えば、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン)、オクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、イソオクタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等である。
【0069】
一般に、ヘプタン類、ヘプタンはもちろん、炭素数7を有するメチルシクロヘキサン等の異種ヘプタンやそれらの複数混合物が好ましく用いられる。さらに好ましくは、炭素数5のペンタン類(例えば、ペンタン等)、炭素数6のヘキサン類(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン等)、炭素数7のヘプタン類(例えば、ヘプタン、メチルシクロヘキサン等)等である。特に好ましくは、上記酸化からの防護効果が特に高いという点から、ヘプタン類(例えば、ヘプタン、メチルシクロヘキサン等)等であり、最も好ましくはヘプタンである。
【0070】
芳香族炭化水素としては、特に制限されないが、通常、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、より好ましくは炭素数7〜10のものが用いられる。具体例としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、テトラリン、ブチルベンゼン、p−シメン、シクロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ジペンチルベンゼン、ドデシルベンゼン、スチレン等を挙げることができる。好ましくは、トルエン、キシレン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、テトラリン、ブチルベンゼン、p−シメン、シクロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン等である。より好ましくは、トルエン、キシレン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、クメン、テトラリン等である。最も好ましくは、クメンである。
【0071】
ハロゲン化炭化水素としては、環状、非環状を問わず、又、飽和、不飽和を問わず、特に制限されないが、一般に、非環状のものが好ましく用いられる。より好ましくは塩素化炭化水素、フッ素化炭化水素であり、さらに好ましくは塩素化炭化水素である。また、炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4、より好ましくは炭素数1〜2のものが好適に用いられる。具体例としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,2−ジクロロプロパン、1,2,3−トリクロロプロパン、クロロベンゼン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン等を挙げることができる。好ましくは、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン等である。より好ましくは、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン等である。
【0072】
脂肪酸エステル類としては、特に制限されないが、例えば、プロピオン酸エステル、酢酸エステル、ギ酸エステル等を挙げることができる。好ましくは、酢酸エステル、ギ酸エステルであり、より好ましくは酢酸エステルである。エステル基としては、特に制限されないが、通常、炭素数1〜8のアルキルエステル、炭素数7〜12のアラルキルエステルが、好ましくは炭素数1〜6のアルキルエステルが、より好ましくは炭素数1〜4のアルキルエステルが用いられる。
【0073】
プロピオン酸エステルの具体例としては、例えば、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソペンチル等を挙げることができる。好ましくはプロピオン酸エチル等である。
【0074】
酢酸エステルの具体例としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸sec−ヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル等を挙げることができる。好ましくは、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸sec−ヘキシル、酢酸シクロヘキシル等である。より好ましくは、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等であり、最も好ましくは、酢酸エチルである。
【0075】
ギ酸エステルの具体例としては、例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸sec−ブチル、ギ酸ペンチル等を挙げることができる。好ましくは、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル等である。最も好ましくは、ギ酸エチルである。
【0076】
エーテル類としては、環状、非環状を問わず、又、飽和、不飽和を問わず、特に制限されないが、一般に、飽和のものが好ましく用いられる。通常、炭素数3〜20、好ましくは炭素数4〜12、より好ましくは炭素数4〜8のものが用いられる。具体例としては、例えば、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アニソール、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ジオキサン、フラン、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等を挙げることができる。好ましくは、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ジオキサン、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等である。より好ましくは、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等である。さらに好ましくは、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、アニソール等であり、最も好ましくは、メチルtert−ブチルエーテルである。
【0077】
アルコール類としては、環状、非環状を問わず、又、飽和、不飽和を問わず、特に制限されないが、一般に、飽和のものが好ましく用いられる。通常、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜6である。なかでも、炭素数1〜5の1価アルコール、炭素数2〜5の2価アルコール、炭素数3の3価アルコールが好ましい。
【0078】
これらアルコール類の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ウンデカノール、1−ドデカノール、アリルアルコール、プロパルギルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール等の1価アルコール;1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等の2価アルコール;グリセリン等の3価アルコールを挙げることができる。
【0079】
1価アルコールとしては、好ましくは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ウンデカノール、1−ドデカノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール等である。より好ましくは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール等である。さらに好ましくは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール等である。特に好ましくは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール等であり、最も好ましくは、2−プロパノールである。
【0080】
2価アルコールとしては、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール等が好ましく、1,2−エタンジオールが最も好ましい。3価アルコールとしては、グリセリンが好ましい。
【0081】
脂肪酸類としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等を挙げることができる。好ましくは、ギ酸、酢酸であり、最も好ましくは酢酸である。
【0082】
ケトン類としては、特に制限されず、炭素数3〜6のものが好適に用いられる。具体例としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン等を挙げることができる。好ましくは、アセトン、メチルエチルケトンであり、最も好ましくはアセトンである。
【0083】
ニトリル類としては、環状、非環状を問わず、又、飽和、不飽和を問わず、特に制限されないが、一般に飽和のものが好ましく用いられる。通常、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2〜8のものが用いられる。
【0084】
具体例としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、マロノニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、スクシノニトリル、バレロニトリル、グルタロニトリル、ヘキサンニトリル、ヘプチルシアニド、オクチルシアニド、ウンデカンニトリル、ドデカンニトリル、トリデカンニトリル、ペンタデカンニトリル、ステアロニトリル、クロロアセトニトリル、ブロモアセトニトリル、クロロプロピオニトリル、ブロモプロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、シアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチル、トルニトリル、ベンゾニトリル、クロロベンゾニトリル、ブロモベンゾニトリル、シアノ安息香酸、ニトロベンゾニトリル、アニソニトリル、フタロニトリル、ブロモトルニトリル、メチルシアノベンゾエート、メトキシベンゾニトリル、アセチルベンゾニトリル、ナフトニトリル、ビフェニルカルボニトリル、フェニルプロピオニトリル、フェニルブチロニトリル、メチルフェニルアセトニトリル、ジフェニルアセトニトリル、ナフチルアセトニトリル、ニトロフェニルアセトニトリル、クロロベンジルシアニド、シクロプロパンカルボニトリル、シクロヘキサンカルボニトリル、シクロヘプタンカルボニトリル、フェニルシクロヘキサンカルボニトリル、トリルシクロヘキサンカルボニトリル等を挙げることができる。
好ましくは、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、シアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチル、ベンゾニトリル、トルニトリル、クロロプロピオニトリルであり、より好ましくは、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリルであり、最も好ましくは、アセトニトリルである。
【0085】
ニトリル類を除く窒素化合物類としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類やニトロメタン、トリエチルアミン、ピリジン等を挙げることができる。
【0086】
硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン等を挙げることができる。
【0087】
上記有機溶剤の中でも、沸点、粘性等の性質(例えば、溶解度を高めるための適度な加温ができ、且つ、湿体からの溶剤の乾燥除去や晶析濾液等からの溶剤回収の行いやすい沸点(1気圧下、約30〜150℃)、室温での取り扱い時及び室温以下に冷却した時も固化しにくい融点(約0℃以上、好ましくは約10℃以上、より好ましくは約20℃以上)を持ち、粘性が低い(20℃において約10cp以下等))を考慮して選定するのが好ましい。
【0088】
溶剤中での還元型補酵素Q10の酸化防護効果は、還元型補酵素Q10の高濃度溶液において高まる傾向がある。還元型補酵素Q10は、酸化防護効果の高い上記有機溶剤(例えば、炭化水素類、脂肪酸エステル類等)に対して高い溶解性を示し、この高い溶解性は、高濃度溶液での取り扱いを可能とし、酸化防護を助成する。還元型補酵素Q10の酸化防護効果のための好ましい抽出時の濃度は、特に制限されないが、上記有機溶剤に対する還元型補酵素Q10の濃度として、通常0.001重量%以上、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上である。上限は特に制限されないが、通常10重量%以下である。
【0089】
上記有機溶剤のうち、微生物細胞又は該細胞破砕物の湿菌体や乾燥菌体から、還元型補酵素Q10を抽出・回収するには、親水性有機溶剤を用いるのが好ましい。具体的には、アセトン、アセトニトリル、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等を挙げることができる。
【0090】
また、上記有機溶剤のうち、微生物細胞又は該細胞破砕物の水性懸濁液から、還元型補酵素Q10を抽出・回収するには、疎水性有機溶剤を用いるのが好ましく、これは微生物由来の水溶性物質の除去を助成する。疎水性有機溶剤の多くは、先述の酸化防護効果の高い有機溶剤であり、極めて好都合である。
【0091】
また、疎水性有機溶剤としては、炭化水素類、脂肪酸エステル類、エーテル類が好ましい。
【0092】
ところで、上記抽出操作において、微生物細胞又は該細胞破砕物の水性懸濁液、特に該細胞破砕物の水性懸濁液、とりわけ物理的処理による該細胞破砕物の水性懸濁液から有機溶剤を用いて抽出する場合、一部タンパク質等の細胞成分の存在によりエマルジョンが形成されやすく、相分離が困難になり易い傾向があるので、上記エマルジョンの形成を抑制して、効率よく抽出することが重要となる。
【0093】
そのためには、抽出溶剤として、上記疎水性有機溶剤に加えて、補助的溶剤として親水性有機溶剤を併用するのが好ましい。
【0094】
この場合、疎水性有機溶剤としては、特に制限されず、上述のものを使用できるが、好ましくは炭化水素類、より好ましくは脂肪族炭化水素である。脂肪族炭化水素のなかでも、炭素数5〜8のものが好適に用いられる。
【0095】
上記炭素数5〜8の脂肪族炭化水素の具体例としては、例えば、ペンタン、2−メチルブタン、ヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、ヘプタン異性体(例えば、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン)、オクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、イソオクタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等を挙げることができる。特に好ましくは、ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサンであり、最も好ましくは、ヘキサン、ヘプタンである。
【0096】
上記の疎水性有機溶剤と組み合わせて用いられる親水性有機溶剤としては、特に制限されず、上述のものを使用しうるが、好ましくは、アルコール類である。アルコール類のなかでも、炭素数1〜5の1価アルコールが好適に用いられる。これらの具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール等を挙げることができる。特に好ましくは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールであり、最も好ましくは、2−プロパノールである。
【0097】
上記の親水性有機溶剤と疎水性有機溶剤の使用量としては、特に制限はされないが、抽出時の濃度として、全溶液の容量に対して、好ましくは親水性有機溶剤が5〜50容量%、疎水性有機溶剤が25〜65容量%の範囲である。
【0098】
還元型補酵素Q10の回収において、抽出時の温度は、特に制限されないが、通常0〜60℃、好ましくは20〜50℃の範囲である。
【0099】
抽出方法としては、回分抽出、連続抽出(好ましくは、向流多段抽出)のどちらの方法でも行うことができるが、連続抽出(好ましくは、向流多段抽出)が、生産性の面で特に好ましい。回分抽出における撹拌時間は、特に制限されないが、通常5分以上であり、連続抽出における平均滞留時間は、特に制限されないが、通常10分以上である。
【0100】
還元型補酵素Q10の回収に際しては、還元型補酵素Q10が分解しないように(例えば、酸化型補酵素Q10に酸化されないように)留意するのが好ましい。そのためには、上記の抽出(細胞破砕も含む)は、酸性〜弱塩基性条件下、好ましくは酸性〜中性条件下に行うのが好適である。pHを指標とする場合は、接触時間にもよるが、pH10以下、好ましくはpH9以下、より好ましくはpH8以下、さらに好ましくはpH7以下である。
【0101】
以上により、実質的に酸化反応を防護しうるが、所望によって、より厳密には、還元型補酵素Q10が酸化反応から防護された条件下に、上記の細胞の破砕及び/又は抽出を行うのが好ましい。当該条件下に少なくとも上記抽出を行うのがより好ましく、上記破砕及び抽出を行うのがさらに好ましい。
【0102】
「酸化反応から防護された条件下」としては、例えば、脱酸素雰囲気下(窒素ガス、炭酸ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、水素ガス等の不活性ガス雰囲気下、減圧下、沸騰下等);高塩濃度下、例えば、好ましくは水相の塩類(例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩)の濃度が約5%以上である条件下;強酸(例えば、水溶液中におけるpKaが2.5以下の酸)存在下、例えば、還元型補酵素Q10の1モルに対して強酸0.1モル%以上が存在する条件下;酸化防止剤存在下、例えば、アスコルビン酸、クエン酸、それらの塩やエステル類の共存下(例えば、還元型補酵素Q10に対して0.1重量%以上)等を挙げることができる。また、還元条件下(酸化型補酵素Q10が還元型補酵素Q10に変換されうる条件)、例えば、次亜硫酸類等の還元剤との接触も挙げられる。
【0103】
以上の培養(発酵)及び抽出によって、還元型補酵素Q10は、好適に生産及び回収される。好ましくは、還元型補酵素Q10を全補酵素Q10のうち70モル%以上、好ましくは75モル%以上の比率で含有する抽出液を得る。
【0104】
このようにして得られた還元型補酵素Q10を含有する抽出液を、所望によりカラムクロマトグラフィー、還元処理等により精製した後、晶析操作を用いて、高純度の還元型補酵素Q10結晶を取得することができる。なお、この場合も、一連の操作は、上述した「酸化反応から防護された条件下」に行うのが好ましい。
【0105】
本発明では、また、上記微生物細胞又は該細胞破砕物を酸化処理に付した後に酸化型補酵素Q10を有機溶剤で抽出するか、或いは、前記微生物細胞又は該細胞破砕物から還元型補酵素Q10を有機溶剤で抽出し、必要により精製処理を施した後、これを酸化処理に付すことにより、酸化型補酵素Q10を製造することができる。
【0106】
上記酸化は、例えば、還元型補酵素Q10(好ましくは、上述した還元型補酵素Q10を含有する微生物細胞又は該細胞破砕物の水性懸濁液や還元型補酵素Q10の抽出液等)と酸化剤(例えば、二酸化マンガン等)を混合し、例えば、室温(例えば、30℃)で30分以上処理することにより行うことができる。微生物細胞又は該細胞破砕物を酸化処理に付した場合は、酸化型補酵素Q10の抽出操作を、上述の還元型補酵素Q10の抽出操作と同様に行うことができ、それにより酸化型補酵素Q10を効率よく回収することができる。尚、酸化型補酵素Q10の回収は、還元型補酵素Q10の回収において推奨される「酸化反応から防護された条件下」に行う必要性はなく、通常の安全操作等を配慮して実施すればよい。このようにして得られる酸化型補酵素Q10は、所望によりカラムクロマトグラフィー等による精製を施しても良く、最終的に晶析操作を用いて、高純度の酸化型補酵素Q10結晶として取得することができる。
【実施例】
【0107】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
【0108】
(実施例1)
下記表1〜3の各種補酵素Q10生産性微生物を、試験管(内径21mm、全長200mm)を用いて、10mLの培地[(グルコース20g、ペプトン5g、酵母エキス3g、マルトエキス3g)/L、pH6.0]中で25℃、72時間振とう培養(振幅2cm、310往復/分)し、得られた増殖液を必要に応じ濃縮し、窒素雰囲気下、該増殖液10容量部に対してイソプロパノール3容量部及びn−ヘキサン18.5容量部の共存下に、ガラスビーズ(425〜600ミクロン)10容量部を用いて、3分間激しく振とうして細胞の破砕及び抽出を行った。得られたヘキサン相を減圧下にエバポレートし(40℃)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析して、還元型補酵素Q10比率、並びに、還元型補酵素Q10生産量を調べた。
【0109】
HPLC条件
カラム:YMC−Pack4.6×250mm(YMC.Co.,Ltd.製)
移動相:メタノール/n−ヘキサン=85/15
流速:1mL/分
検出:UV275nm
【0110】
結果を表1〜3に示す。なお、還元型補酵素Q10比率とは、還元型補酵素Q10及び酸化型補酵素Q10のピークの面積及び両者のモル吸光係数の比(1:7.5)をもとに、酸化型補酵素Q10と還元型補酵素Q10の総和に対する還元型補酵素Q10の割合をモル百分率で表した値を意味する。
【表1】

【表2】

【表3】

【0111】
(実施例2)
ロドトルラ・グルティニス(Rhodotorula glutinis)IFO1125を培地(ペプトン5g、酵母エキス3g、マルトエキス3g、グルコース20g/L、pH6.0)で好気的に25℃で48時間培養した。培養後の菌体を遠心分離により集菌し、N−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジンを200μg/mLの濃度になるように添加したpH7のリン酸緩衝液に懸濁した。25℃で1時間後、菌体を0.9%NaCl溶液で5回洗浄し、さらに0.9%NaCl溶液に再懸濁した。この細胞懸濁液を適度に希釈し、上記培地の寒天プレートにコロニーを形成させた。単離した変異株の還元型補酵素Q10の生産量及び還元型補酵素Q10の比率を実施例1と同様にして調べた。野生株と比較して生産量、還元型補酵素Q10の比率が高い株についてはさらに変異操作を繰り返した。その結果、10回の変異を繰り返すことにより、15μg/mL以上の生産能を示す変異株を得た。なお、この時の還元型補酵素Q10の比率は80モル%以上であった。
【0112】
(実施例3)
サイトエラ・コンプリカタ(Saitoella complicata)IFO10748を培地(ペプトン5g、酵母エキス3g、マルトエキス3g、グルコース20g/L、pH6.0)で好気的に25℃で72時間10L培養した。得られた菌体を、窒素ガスで密閉したラニー社製圧力式ホモジナイザーにより破砕圧力80MPaで2回破砕し、菌体破砕液を調製した。この菌体破砕液からイソプロパノール30容量部、ヘキサン40容量部の割合で抽出を3回繰り返すことにより、抽出液を得た。抽出率は99%であり、還元型補酵素Q10の比率は97モル%であった。
【0113】
(実施例4)
ロドトルラ・グルティニス(Rhodotorula glutinis)IFO1125の変異株を培地10L(ペプトン10g、酵母エキス5g、マルトエキス3g、グルコース20g/L、pH6.0)で25℃で好気的に培養する際に、48時間後よりグルコースを4g/時間の割合で96時間目までに流加した(流加グルコース量190g)。培地あたりの還元型補酵素Q10の生産量は20μg/mL以上であり、還元型補酵素Q10の比率は80モル%以上であった。
【0114】
(実施例5)
実施例3で得られた抽出液をヘキサン溶液に置換し、シリカゲルを充填したカラムに吸着させ、n−ヘキサン/ジエチルエーテル(9/1)溶液で展開、溶出して、還元型補酵素Q10を含む画分を得た。さらに、本画分を攪拌しながら2℃まで冷却し、白色のスラリーを得た。以上すべての操作は窒素雰囲気下で行った。得られたスラリーを減圧ろ過し、湿結晶を上記展開液で洗浄し(洗浄に用いた溶媒の温度は2℃)、湿結晶を減圧乾燥(20〜40℃、1〜30mmHg)することにより、白色の乾燥結晶81mgを得た。得られた結晶の純度は99.9%、還元型補酵素Q10の比率は90モル%であった。
【0115】
(実施例6)
実施例3で得られた抽出液をn−ヘキサンに置換し、二酸化マンガンを50mg加え、30℃で30分間攪拌した。この反応液を分取し、実施例5と同様にして精製すると高純度の酸化型補酵素Q10が74mg得られた。
【0116】
(実施例7)
サイトエラ・コンプリカタ(Saitoella complicata)IFO10748を培地(ペプトン5g、酵母エキス3g、マルトエキス3g、グルコース20g/L、pH6.0)で25℃、72時間好気的に500mL培養した。得られた菌体を、窒素ガスで密閉したラニー社製圧力式ホモジナイザーにより破砕圧力80MPaで2回破砕し、菌体破砕液を調製した。破砕液中の還元型補酵素Q10の割合は、酸化型も含めた全補酵素Q10に対し、97%であった。この菌体破砕液200mLに対し、イソプロパノール及びn−ヘキサンを、下記表4中の1回目抽出の欄で示す比率で、溶剤量の合計が500mLとなるよう混合し、温度40℃で30分間攪拌し、第1回目の抽出操作を行った。抽出終了後、10分間静置し、分離した上層を分離した。このときのトータル液量に対する下層(残渣)の容量比を、分離性の指標とし、界面位置として表4中に示した。
【0117】
さらに、第2回目の抽出を行うため、残渣層の溶剤濃度を測定して、全体の溶剤比が表4中の2回目の欄で示す比率になるよう、イソプロパノールとヘキサンを追加し、温度40℃で30分間攪拌した。次いで、10分間静置し、上記と同様に上層を分離し、残渣層の溶剤濃度を測定して、全体の溶剤比が表4中の3回目の欄で示す比率になるよう、イソプロパノールとヘキサンを追加し、温度25℃で30分間攪拌し、第3回目の抽出操作とした。
【0118】
第1回、第2回、第3回のそれぞれの段階で分離された上層中に含まれる還元型補酵素Q10の量の、抽出操作を行う前の菌体破砕液又は抽出残渣中に含まれる還元型補酵素Q10の量に対する比を、それぞれの段階での還元型補酵素Q10の抽出率とし、その計算結果を表4中に示した。また、第2回、第3回通算での補酵素Q10の抽出率も示した。いずれの段階においても、静置分離性は良好であり、3回の抽出を行った場合の通算抽出率は90%以上と、高い回収率を示した。特に、イソプロパノール濃度を30%以上とした場合は、99%以上の高い回収率となった。
【表4】

【0119】
(実施例8)
サイトエラ・コンプリカタ(Saitoella complicata)IFO10748を培地(ペプトン5g、酵母エキス3g、マルトエキス3g、グルコース20g/L、pH6.0)で25℃、72時間好気的に750L培養した。得られた菌体を、窒素ガスで密閉したラニー社製圧力式ホモジナイザーにより破砕圧力140MPaで2回破砕し、菌体破砕液を調製した。この菌体破砕液を、図1に示す向流3段連続抽出装置にて連続抽出を行った。攪拌槽の容量は630L、静置分離槽の容量は200Lとした。微生物菌体破砕液を第1段攪拌槽へ、イソプロパノールとn−ヘキサンを各段へ供給した。菌体破砕液の供給液量は2L/分、イソプロパノール及びn−ヘキサンの供給量は、各段への供給量を合計した総量として、イソプロパノール1.3L/分、n−ヘキサン3.7L/分とした。ただし、この際、各段の溶剤濃度は、イソプロパノール濃度5〜50v/v%、n−ヘキサン濃度25〜65v/v%の範囲となるように適宜調整した。抽出は温度40℃で、処理時間は6時間とした。6時間目の時点での、3段目の静置分離槽の抽出残渣中に残る還元型補酵素Q10の量より、菌体破砕液から抽出された還元型補酵素Q10の回収率を計算したところ、98.9%となった。また、全運転期間を通じ、静置分離は良好に行われ、安定した抽出の連続操作が可能であった。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明の方法によれば、微生物の培養、還元型補酵素Q10の回収という非常に簡便な操作によって、還元型補酵素Q10を工業的規模で安価に製造することができ、また、酸化型補酵素Q10についても、簡便な操作により製造することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(II);
【化1】

で表される酸化型補酵素Q10の製造方法であって、
(a)炭素源、窒素源、リン源及び微量栄養素を含んでなる培地中で、還元型補酵素Q10生産性微生物を培養することによって、還元型補酵素Q10を全補酵素Q10のうち70モル%以上の比率で含有する微生物細胞を得、
(b)必要に応じて該微生物細胞を破砕し、酸化剤を用いて生産された還元型補酵素Q10を酸化して酸化型補酵素Q10に変換した後にこれを有機溶剤で抽出するか、或いは、
(c)生産された還元型補酵素Q10を有機溶剤で抽出し、必要により精製処理を施した後に、酸化剤を用いて還元型補酵素Q10を酸化して酸化型補酵素Q10に変換することを特徴とする酸化型補酵素Q10の製造方法。
【請求項2】
抽出に際して、微生物細胞を破砕する請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
細胞の破砕は、物理的処理、化学的処理、酵素的処理、加熱処理、自己消化、浸透圧溶解、又は、原形質溶解により行われる請求項2記載の製造方法。
【請求項4】
細胞の破砕は、物理的処理により行われる請求項2記載の製造方法。
【請求項5】
物理的処理は、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、フレンチプレス又はボールミルにより行われる請求項4記載の製造方法。
【請求項6】
補酵素Q10の抽出は、微生物細胞又は該細胞破砕物の湿菌体又は乾燥菌体から、親水性有機溶剤を用いて行われる請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
【請求項7】
補酵素Q10の抽出は、微生物細胞又は該細胞破砕物の水性懸濁液から、疎水性有機溶剤を用いて行われる請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
【請求項8】
還元型補酵素Q10生産性微生物は、試験管(内径21mm、全長200mm)を用いて、10mLの培地[(グルコース20g、ペプトン5g、酵母エキス3g、マルトエキス3g)/L、pH6.0]中で25℃、72時間振とう培養(振幅2cm、310往復/分)し、得られた増殖液を必要に応じ濃縮し、窒素雰囲気下、該増殖液10容量部に対してイソプロパノール3容量部及びn−ヘキサン18.5容量部の共存下に、ガラスビーズ(425〜600ミクロン)10容量部を用いて、3分間激しく振とうして破砕することにより調製した疎水性有機溶剤相(n−ヘキサン相)についてHPLCにより測定した場合に、還元型補酵素Q10を全補酵素Q10のうち70モル%以上の比率で含有するものである請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
【請求項9】
微生物が、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、アセトバクター(Acetobacter)属、アミノバクター(Aminobacter)属、アグロモナス(Agromonas)属、アシドフィラス(Acidiphilium)属、ブレロミセス(Bulleromyces)属、ブレラ(Bullera)属、ブレブンジモナス(Brevundimonas)属、クリプトコッカス(Cryptococcus)属、キオノスファエラ(Chionosphaera)属、カンジタ(Candida)属、セリノステルス(Cerinosterus)属、エキソフィアラ(Exisophiala)属、エキソバシジウム(Exobasidium)属、フィロミセス(Fellomyces)属、フィロバシジエラ(Filobasidiella)属、フィロバシジウム(Filobasidium)属、ゲオトリカム(Geotrichum)属、グラフィオラ(Graphiola)属、グルコノバクター(Gluconobacter)属、コッコバエラ(Kockovaella)属、クルツマノミセス(Kurtzmanomyces)属、ララリア(Lalaria)属、ロイコスポリジウム(Leucosporidium)属、レギオネラ(Legionella)属、メチロバクテリウム(Methylobacterium)属、ミコプラナ(Mycoplana)属、オースポリジウム(Oosporidium)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、シュドジマ(Psedozyma)属、パラコッカス(Paracoccus)属、ペトロミセス(Petromyc)属、ロドトルラ(Rhodotorula)属、ロドスポリジウム(Rhodosporidium)属、リゾモナス(Rhizomonas)属、ロドビウム(Rhodobium)属、ロドプラネス(Rhodoplanes)属、ロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属、ロドバクター(Rhodobacter)属、スポロボロミセス(Sporobolomyces)属、スポリジオボラス(Sporidiobolus)属、サイトエラ(Saitoella)属、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)属、スフィンゴモナス(Sphingomonas)属、スポトリクム(Sporotrichum)属、シンポジオミコプシス(Sympodiomycopsis)属、ステリグマトスポリジウム(Sterigmatosporidium)属、タファリナ(Tapharina)属、トレメラ(Tremella)属、トリコスポロン(Trichosporon)属、チレチアリア(Tilletiaria)属、チレチア(Tilletia)属、トリポスポリウム(Tolyposporium)属、チレチオプシス(Tilletiopsis)属、ウスチラゴ(Ustilago)属、ウデニオミセス(Udeniomyce)属、キサントフィロミセス(Xanthophllomyces)属、キサントバクテリウム(Xanthobacter)属、ペキロマイセス(Paecilomyces)属、アクレモニウム(Acremonium)属、ハイホモナス(Hyhomonus)属、又は、リゾビウム(Rhizobium)属の微生物である請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
【請求項10】
得られた酸化型補酵素Q10を、所望により精製した後、晶析を行って、酸化型補酵素Q10結晶を得る請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2012−157360(P2012−157360A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−94126(P2012−94126)
【出願日】平成24年4月17日(2012.4.17)
【分割の表示】特願2008−121453(P2008−121453)の分割
【原出願日】平成14年12月27日(2002.12.27)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】