説明

製剤

本発明は、式(I)(式中、Rは、フルオロ、メトキシ、もしくはC1−4アルキルであり、RおよびRは、各々独立して、任意に置換されたC1−6アルキルもしくは任意に置換されたC2−6アルケニルであるか、またはRは、水素であり、Rは、任意に置換されたC5−8アルキルもしくは任意に置換されたC4−6アルケニルもしくは任意に置換されたベンジルであるか、またはRおよびRならびにそれらが共に結合される窒素原子は、一緒になって、任意に置換された5、6、7員環を形成し、該環は、O、N、およびSから選択される少なくとも1個のさらなるヘテロ原子を任意に含有する)のベンズアミド化合物を含む農薬組成物、溶媒としてのそれらのベンズアミド化合物の使用、式(I)のある種の新規化合物、およびそれらの新規化合物を調製するためのプロセスに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ある種のベンズアミド化合物を含む農薬組成物、とりわけ製剤における、特に農薬製剤における、および環境に優しい製剤における、溶媒としてのそれらのベンズアミド化合物の使用、ある種の新規ベンズアミド化合物、ならびにそれらの新規化合物を調製するプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、製剤化学者は、新たな製剤を開発する際に、幾つかの基準に対処することを要求されている。理想的には、好適な溶媒は、殺虫剤または他の有機分子に対して優れた溶解力を示すであろう。本発明の化合物は、優れた溶解力を示し、したがって、化合物は、溶媒として効果的に使用され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
したがって、本発明は、農薬および式(I)
【0004】
【化1】

の化合物を含む組成物を提供し、式中、Rは、フルオロ、メトキシ、もしくはC1−4アルキルであり、RおよびRは、各々独立して、任意に置換されたC1−6アルキルもしくは任意に置換されたC2−6アルケニルであるか、またはRは、水素であり、Rは、任意に置換されたC5−8アルキルもしくは任意に置換されたC4−6アルケニルもしくは任意に置換されたベンジルであるか、またはRおよびRならびにそれらが共に結合される窒素原子は、一緒になって、任意に置換された5、6、7員環を形成し、該環は、O、N、およびSから選択される少なくとも1個のさらなるヘテロ原子を任意に含有する。
【0005】
別の態様では、本発明は、溶媒としての、上記に定義される式(I)の化合物の使用を提供する。
【0006】
アルキル基および部分は、直鎖または分岐鎖である。例としては、メチル、エチル、イソ−プロピル、n−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−アミル、およびイソ−アミル[3−メチルブチル]がある。
【0007】
アルケニル基およびアルケニル部分は、直鎖または分岐鎖の形態であり得、適切な場合は、()または()構成のいずれかの形態であり得る。例としては、ビニルおよびアリルがある。
【0008】
あらゆる任意の置換基が独立して選択される。
【0009】
任意に置換された各アルキル基は、1個または2個のフェニル基、好ましくは1個のフェニル基によって任意に置換されたアルキル基である。
【0010】
好適には、各アルキル基は、置換されていない。
【0011】
任意に置換された各アルケニル基は、1個または2個のフェニル基、好ましくは1個のフェニル基によって任意に置換されたアルケニル基である。
【0012】
好適には、各アルケニル基は、置換されていない。
【0013】
各5、6、7員環上の任意の置換基は、C1−4アルキルから選択され、好適にはC1−2アルキルから選択され、より好適にはメチルである。
【0014】
が任意に置換されたベンジルである場合、ベンジル上の好適な任意の置換基は、オルト、メタ、パラ、またはメチレン位において独立して選択される1個以上のC1−3アルキル基であり、より好適には、任意の置換基は、各々メチルである。
【0015】
好適には、Rは、オルトまたはメタ位にあり、より好適には、それはオルト位にある。
【0016】
好適には、Rは、フルオロ、メトキシ、またはC1−2アルキルであり、より好適には、Rは、C1−2アルキルであり、さらにより好適には、Rは、メチルである。
【0017】
好適には、RおよびRは、一緒になって、1から4個の炭素原子を含む。
【0018】
およびRが各々独立して、任意に置換されたC1−6アルキルまたは任意に置換されたC2−6アルケニルである状況において、好適には、RおよびRは、各々独立して、C1−6アルキルまたはC2−6アルケニルであり、より好適には、RおよびRは、各々独立して、C1−5アルキルまたはC3−4アルケニルである。
【0019】
が水素であり、Rが任意に置換されたC5−8アルキルまたは任意に置換されたC4−6アルケニルまたは任意に置換されたベンジルである状況において、好適には、Rは、C5−8アルキルまたはC4−6アルケニルまたはベンジルであり、より好適には、Rは、n−ペンチル、2−エチルヘキシル、またはベンジルである。
【0020】
およびRならびにそれらが共に結合される窒素原子が、一緒になって、任意に置換された5、6、7員環を形成し、該環が、O、N、またはSから選択される少なくとも1個のさらなるヘテロ原子を任意に含有する状況において、好適には、少なくとも1個のさらなるヘテロ原子は、OおよびSから選択され、より好適には、少なくとも1個のさらなるヘテロ原子は、Oであり、さらにより好適には、環は、モルホリニルである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
好適には、本発明は、農薬製剤における式(I)の化合物の使用を提供する。本発明の各化合物は、低い水溶解度を有するが、それにもかかわらず農薬用に良好な溶媒である。
【0022】
好適には、組成物は、適用前に、最終利用者[典型的には農業従事者]によって、噴霧タンク中で希釈または分散[典型的には水中]され得る製剤濃縮物である。
【0023】
好適には、本発明の組成物における農薬は、除草剤、殺菌剤、殺虫剤、または植物成長調節剤である。
【0024】
国際公開第2009/130281A1号は、本発明と併用され得る農薬および従来の製剤構成成分の両方を提供し、国際公開第2009/130281A1号の教示は、参照によりこれによって組み込まれる。
【0025】
特に、国際公開第2009/130281A1号は、28ページ、37行目から45ページ、32行目で、本発明との使用に好適な農薬活性成分を開示する。当然のことながら、The Pesticide Manualの種々の版[とりわけ第14および第15版]もまた、農薬の詳細を開示し、それらのいずれの版も本発明と共に好適に使用され得る。
【0026】
特に、国際公開第2009/130281A1号は、46ページ、5行目から51ページ、40行目で、[国際公開第2009/130281A1号がアジュバントに関する一方で、本発明が溶媒に関するという事実にもかかわらず]本発明との使用に好適な標準製剤構成成分を開示する。当然のことながら、他の標準製剤刊行物もまた、本発明との使用に好適な製剤構成成分を開示する[例えば、1998にKluwer Academic Publishers,The Netherlandsによって公開されたChemistry and Technology of Agrochemical Formulations,Ed.Alan Knowles、および2006年12月にInforma UK Ltdによって公開されたAdjuvants and Additives: 2006 Edition by Alan Knowles,Agrow Report DS256]。
【0027】
好適な除草剤には、ビシクロピロン、メソトリオン、ホメサフェン、トラルコキシジム、ナプロパミド、アミトラズ、プロパニル、ピリメタニル、ジクロラン、テクナゼン、トルクロホスメチル、フラムプロップM、2,4−D、MCPA、メコプロップ、クロジナホップ−プロパルギル、シハロホップ−ブチル、ジクロホップメチル、ハロキシホップ、キザロホップ−P、インドール−3−イル酢酸、1−ナフチル酢酸、イソキサベン、テブタム、クロルタールジメチル、ベノミル、ベンフレセート、ジカンバ、ジクロベニル、ベナゾリン、トリアゾキシド、フルアズロン、テフルベンズロン、フェンメディファム、アセトクロール、アラクロール、メトラクロール、プレチラクロール、テニルクロール、アロキシジム、ブトロキジジム、クレトジム、シクロジム、セトキシジム、テプラロキシジム、ペンジメタリン、ジノテルブ、ビフェノックス、オキシフルオルフェン、アシフルオルフェン、フルオログリコフェン−エチル、ブロモキシニル、アイオキシニル、イマザメタベンズ−メチル、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、イマザピック、イマザモックス、フルミオキサジン、フルミクロラック−ペンチル、ピクロラム、アミドスルフロン、クロルスルフロン、ニコスルフロン、リムスルフロン、トリアスルフロン、トリアレート、ベブレート、プロスルホカルブ、モリネート、アトラジン、シマジン、シアナジン、アメトリン、プロメトリン、テルブチラジン、テルブトリン、スルコトリオン、イソプロツロン、リヌロン、フェヌロン、クロロトルロン、およびメトキシウロンが含まれる。
【0028】
好適な殺菌剤には、イソピラザム、マンジプロパミド、アゾキシストロビン、トリフロキシストロビン、クレソキシムメチル、ファモキサドン、メトミノストロビンおよびピコキシストロビン、シプロダニル(cyprodanil)、カルベンダジム、チアベンダゾール、ジメトモルフ、ビンクロゾリン、イプロジオン、ジチオカルバメート、イマザリル、プロクロラズ、フルキンコナゾール、エポキシコナゾール、フルトリアホール、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ヘキサコナゾール、パクロブトラゾール、プロピコナゾール、テブコナゾール、トリアジメホン、トリチコナゾール、フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン、マンコゼブ、メチラム、クロロタロニル、チラム、ジラム、カプタホル、カプタン、ホルペット、フルアジナム、フルトラニル、カルボキシン、メタラキシル、ブピリメート、エチリモール、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、オリサストロビン、メトミノストロビン、およびプロチオコナゾールが含まれる。
【0029】
好適な殺虫剤には、チアメトキサム、イミダクロプリド、アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、ニテンピラム、フィプロニル、アバメクチン、エマメクチン、ベンジオカルブ、カルバリル、フェノキシカルブ、イソプロカルブ、ピリミカルブ、プロポキスル、キシルイルカルブ、アシュラム、クロルプロファム、エンドスルファン、ヘプタクロール、テブフェノジド、ベンスルタップ、ジエトフェンカルブ、ピリミホスメチル、アルジカルブ、メソミル、シプルメトリン、ビオアレトリン、デルタメトリン、ラムダシハロトリン、シハロトリン、シフルトリン、フェンバレレート、イミプロトリン、ペルメトリン、およびハルフェンプロックスが含まれる。
【0030】
好適な植物成長調節剤には、パクロブトラゾールおよび1−メチルシクロプロペンが含まれる。
【0031】
また、本発明の組成物は、水性媒体(分散剤系)中の分散または希釈時の農薬の乳化を補助するための、1つ以上の界面活性剤または分散剤を含んでもよい。乳化系は、主に、水中の乳化農薬の維持を補助するために存在する。農薬用のエマルション系を形成するために好適な、多くの個々の乳化剤、界面活性剤、およびそれらの混合物は、当業者に既知であり、非常に広範な選択肢が利用可能である。乳化剤系を形成するために使用され得る典型的な界面活性剤には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、またはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを含有するもの;アリールまたはアルキルアリールスルホン酸塩ならびにそれらのエチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドまたは両方との組み合わせ;カルボン酸塩およびそれらのエチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドまたは両方との組み合わせが含まれる。また、ポリマーおよびコポリマーも一般的に使用される。
【0032】
また、本発明の組成物は、他の溶媒を含んでもよく、それらは様々な水溶解度を有してもよい。非常に低い水溶解度を有する油が、香りの供給、生物学的強化、安全性強化、コスト削減、乳化特性の改善、および可溶化力の変化等の様々な理由で、本発明の溶媒に添加され得る。また、より高い水溶解度を有する溶媒も、種々の理由で、例えば、製剤が水中で乳化する容易性を変化させるため、殺虫剤のまたは製剤中の他の任意の添加物の溶解度を改善するため、製剤の粘度を変更するため、または商業的な有益性を追加するために、添加され得る。
【0033】
製剤に添加され得る他の任意の成分には、着色料、香り、毒性緩和剤、および典型的な農薬製剤を益する他の物質が含まれる。
【0034】
農薬エマルション濃縮製剤(EC)は、水が充満した農業用スプレータンクに添加されたときに乳化する殺虫剤の溶液である。好適な溶媒の選択は、良好な溶解力を有する一方で、スプレータンク内での溶解を防止するのに十分な、低い水溶解度も有する必要があることから複雑である。水不溶性油は、水溶性溶媒よりも不良な農薬用溶媒である傾向がある。したがって、良好な溶媒でもある油は、これらの製剤のために非常に貴重である。本発明は、水中で低い、典型的には水中0.1w/w%未満の溶解度を有し、かつ高濃度の殺虫剤を溶解させることもできる、一連の化合物を提供する。
【0035】
ECに加えて、他の好適な製剤タイプには、EW[水中油エマルション]、SE[サスポエマルション]、CS[カプセル懸濁液]、およびSL[可溶性濃縮物]が含まれる。
【0036】
好適には、式(I)の化合物は、25℃で、5w/w%未満、より好適には、2.5w/w%未満、さらにより好適には、0.5w/w%未満、および最も好適には、0.1w/w%未満である水溶解度を有する。
【0037】
好適には、式(I)の化合物中の農薬の溶解度は、25℃で、5w/w%超、より好適には、10w/w%超、およびさらにより好適には、20w/w%超である。
【0038】
本発明によって開示される化合物の多くは、新規である。
【0039】
したがって、さらなる態様では、本発明は、(i)Rがメタ位におけるメチルである場合、Rは、Rがエチルである場合にエチルでないこと、および(ii)Rがオルト位におけるメチルである場合、Rは、Rが水素である場合にn−ペンチルでもベンジルでもなく、Rは、Rがn−プロピルである場合にn−プロピルでなく、Rは、Rがtert−ブチルである場合にメチルでなく、Rは、Rがtert−ブチルである場合にメチルでなく、かつRおよびRならびにそれらが共に結合される窒素原子は、一緒になって、ピロリジニル、モルホリニル、または2,6−ジメチルモルホリニルを形成しないことと、を条件とする、上記に定義される式(I)の化合物を提供する。
【0040】
本発明の化合物は、好適なアミンを、好適な酸塩化物、酸無水物またはエステルと反応させることによって調製することができる。
【0041】
したがって、別の態様では、本発明は、式(II)の化合物を式(III)の化合物と反応させるステップを含む、上記に定義される式(I)の化合物を調製するためのプロセスを提供し、
【0042】
【化2】

式中、Xは、Cl、OYであり、または
【0043】
【化3】

Yは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(直鎖または分岐鎖)、ブトキシ(直鎖または分岐鎖)、またはパラトルエンスルホニル等の脱離基であり、R、R、およびRは、上記に定義される通りである。
【0044】
表1は、好適な溶媒の構造を提供し、選択されたH NMR(400MHz)データを示し、全ては溶媒としてCDClにより得られた。本記載全体を通じて、次の略号が使用される:
「NMR」=核磁気共鳴。
【0045】
【化4】

【0046】
【表1−1】

【0047】
【表1−2】

【0048】
【表1−3】

【0049】
【表1−4】

本発明の化合物は、特に溶媒として、多様な最終利用用途(農薬製剤を含む)に使用することができる。これらの溶媒は、除草剤、殺菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、および殺虫剤[および植物成長調節剤も]を含む多種多様の物質と共に使用することができる。
【0050】
本発明の化合物を使用して、農薬を含む多様な物質の溶液を製剤化することができ、それらは、エマルションもしくは分散濃縮物、水もしくは油中のエマルション、マイクロカプセル封入製剤、エアゾールスプレー、または噴霧製剤として製剤化することができ、またこれらは、例えば、乾燥用途でまたは水分散性製剤として、顆粒状物質または粉末へとさらに製剤化することができる。また、そのようにして形成された溶液は、土壌もしくは植物上に直接に、または他の非農薬用途において使用することもできる。
【0051】
かかる用途の例としては、製紙、水処理、林業用途、公衆衛生処理、市営プールおよび他の水路に、河川、湖、貯水池、または海周囲の用途に、ならびに大気への放出が最小化または制御される必要がある場合、および大気へのダメージが望ましくない場合の用途における使用が挙げられる。例としては、外装および内装塗装、コーティング、ワニス、ワックス、または他の保護層もしくは乳白剤、着色料またはスクリーンに、染色、色素沈着、またはインクの使用に、家、庭、または工業用途に望ましい洗浄製品に、ならびに工業、家、または環境使用のための石鹸または洗剤用途における使用が挙げられる。また、本発明の化合物は、シャンプー、家庭用洗剤に、および家庭用洗浄剤[例えば、オーブン洗浄剤および表面洗浄剤]に使用することもできる。
【0052】
本発明の化合物は、多種多様の農薬、医薬品、および他の商業的に有用な化合物に対して非常に優れた溶解力を有し、加えて、溶解力は、泥、油脂、またはワックスの溶解にまでも及ぶ。
【0053】
本発明は、次の実施例によって例証される:
【0054】
【化5】

特に指示しない限り、各濃度は、重量百分率として表される。
【実施例】
【0055】
実施例1
この実施例は、化合物番号1[DEET(商標)]中の、幾つかの農薬活性成分の各々の高い溶解度を例証する。
【0056】
ガラスバイアルの約8分の1を活性成分[AI]で満たし、次いで溶媒[この実施例では、表1の化合物番号1]を、バイアルの約3分の1が満たされるまで添加した。得られた試料をWhirlimixer(商標)と混合し、次いで25℃で保管した。試料を数日毎に確認し、固体活性成分が存在しない場合には、追加的な活性成分を添加し、液体が残っていない場合には、追加的な溶媒を添加した。活性成分または溶媒のいずれかを最後に添加した後に4週間、試料が平衡化するまで、この手順を反復した。次いで活性成分濃度について、上澄液層をガスクロマトグラフィーによって分析したが[液体クロマトグラフィーによって分析した4−ヒドロキシ−3−[2−(2−メトキシエトキシメチル)−6−トリフルオロメチルピリジン−3−カルボニル]−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−エン−2−オンを除く]、この結果を表2に提供する:
【0057】
【表2】

実施例2
この実施例は、それが低い水溶解度を有することを考慮すると、化合物番号1が、殺虫剤を溶解するのに通常有効であることを例証する。表3は、複数の溶媒についての水溶解度および殺虫剤溶解度を示す。明らかな通り、水溶性溶媒、水中0.1w/w%超の水溶解度を有する溶媒は、油よりも殺虫剤を溶解する能力が高い。
【0058】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
農薬および式(I)
【化6】

の化合物を含む組成物であって、式中、Rは、フルオロ、メトキシ、もしくはC1−4アルキルであり、RおよびRは、各々独立して、任意に置換されたC1−6アルキルもしくは任意に置換されたC2−6アルケニルであるか、またはRは、水素であり、Rは、任意に置換されたC5−8アルキルもしくは任意に置換されたC4−6アルケニルもしくは任意に置換されたベンジルであるか、またはRおよびRならびにそれらが共に結合される窒素原子は、一緒になって、任意に置換された5、6、7員環を形成し、前記環は、O、N、およびSから選択される少なくとも1個のさらなるヘテロ原子を任意に含有する、組成物。
【請求項2】
式(I)の前記化合物は、25℃で5w/w%未満である水溶解度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
式(I)の前記化合物における前記農薬の25℃での前記溶解度は、5w/w%超である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
は、オルトまたはメタ位にある、請求項1、2、または3に記載の組成物。
【請求項5】
は、フルオロ、メトキシ、またはC1−2アルキルである、請求項1、2、3、または4に記載の組成物。
【請求項6】
およびRは、一緒になって、1から4個の炭素原子を含む、請求項1、2、3、4、または5に記載の組成物。
【請求項7】
(i)Rが前記メタ位におけるメチルである場合、Rは、Rがエチルである場合にエチルでないことと、(ii)Rが前記オルト位におけるメチルである場合、Rは、Rが水素である場合にn−ペンチルでもベンジルでもなく、Rは、Rがn−プロピルである場合にn−プロピルでなく、Rは、Rがtert−ブチルである場合にメチルでなく、Rは、Rがtert−ブチルである場合にメチルでなく、かつRおよびRならびにそれらが共に結合される窒素原子は、一緒になって、ピロリジニル、モルホリニル、または2,6−ジメチルモルホリニルを形成しないことと、を条件とする、請求項1〜6のいずれか1項に定義される式(I)の化合物。
【請求項8】
式(II)の化合物を、式(III)の化合物と反応させるステップを含み、
【化7】

式中、Xは、Cl、OYであり、または
【化8】

Yは、脱離基であり、R、R、およびRは、請求項7に定義される通りである、請求項7に定義される式(I)の化合物を調製するためのプロセス。
【請求項9】
溶媒としての、請求項1〜6のいずれか1項に定義される式(I)の化合物の使用。
【請求項10】
前記使用は、乳剤またはエマルションにおいてである、溶媒としての、請求項9に定義される式(I)の化合物の使用。
【請求項11】
乳剤またはエマルションは、農薬製剤である、請求項10に定義される使用。

【公表番号】特表2013−500249(P2013−500249A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521089(P2012−521089)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際出願番号】PCT/GB2010/001353
【国際公開番号】WO2011/010082
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(500371307)シンジェンタ リミテッド (141)
【Fターム(参考)】