製品分配システム
流量制御デバイスが開示される。流量制御デバイスは、アーマチュアを含むソレノイドを含む。同様に、アーマチュアにはピストンが接続される。ピストンは一次オリフィスを含む。ピストンは開放位置および閉鎖位置を有する。ピストンに接続されるピストンばねが同様におよび少なくとも1つの二次オリフィスを含む。ピストンの、開放位置への運動は少なくとも1つの二次オリフィスを少なくとも部分的に開放し、ピストンの、閉鎖位置への運動は少なくとも1つの二次オリフィスを少なくとも部分的に閉鎖する。アーマチュアの運動はピストンの運動を作動させ、一次オリフィスから少なくとも1つの二次オリフィスを通じた流体の流れを制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本出願は、2008年9月5日に提出され、以下の特許出願に対して優先権を主張する米国特許出願第12/205,762号(G45)の一部継続出願である:「RFIDシステムおよび方法(RFID System and Method)」と題され、2008年8月27日に提出された米国特許出願第61/092,396号(G35);「処理システムおよび方法(Processing System and Method)」と題され、2008年8月27日に提出された米国特許出願第61/092,394号(G36);「飲料分配システム(Beverage Dispensing System)」と題され、2008年8月27日に提出された米国特許出願第61/092,388(G37)号;「内容物分配システム(Content Dispensing System)」と題され、2007年9月6日に提出された米国特許出願第60/970,501号、(F40);「仮想マニホールドシステムおよび方法(Virtual Manifold System and Method)」と題され、2007年9月6日に提出された米国特許出願第60/970,494号、(F41);「FSMシステムおよび方法(FSM System and Method)」と題され、2007年9月6日に提出された米国特許出願第60/970,493号、(F42);「仮想機械システムおよび方法(Virtual Machine System and Method)」と題され、2007年9月6日に提出された米国特許出願第60/970,495号、(F43);「RFIDシステムおよび方法(RFID System and Method)」と題され、2007年9月6日に提出された米国特許出願第60/970,497号、(F44);「駆動信号生成システムおよび方法(System and Method for Generating a Drive Signal)」と題され、2007年9月6日に提出された米国特許出願第11/851,344号、(F45);「RFIDシステムおよび方法(RFID System and Method)」と題され、2008年5月20日に提出された米国特許出願第61/054,757号、(F84);「流量制御モジュール(Flow Control Module)」と題され、2008年5月20日に提出された米国特許出願第61/054,629号、(F85);「静電容量式流量センサ(Capacitance−Based Flow Sensor)」と題され、2008年5月20日に提出された米国特許出願第61/054,745号、(F86);「飲料分配システム(Beverage Dispensing System)」と題され、2008年5月20日に提出された米国特許出願第61/054,776号、(F87)。これらはすべてその全体が本願明細書において参照により同様に援用されている。
【0002】
[発明の分野]
本発明は概して処理システムに関し、より具体的には、複数の独立した成分から製品を生成するために用いられる処理システムに関する。
【背景技術】
【0003】
処理システムは1つ以上の成分を組み合わせて製品を形成する。残念ながら、このようなシステムはしばしば構成が固定されており、比較的限られた数の製品を生成する能力しかない。このようなシステムは他の製品を生成するように再構成されることができる場合もあるが、このような再構成は機械/電気/ソフトウェアシステムへの大幅な改変を必要とする場合がある。
【0004】
例えば、異なる製品を作るために、例えば、新しい弁、管路、マニホールド、およびソフトウェアサブルーチン等の新しい構成要素が追加されなければならない場合がある。このような大幅な変更は、処理システム内の既存のデバイス/プロセスが再構成不可能であり、単一の専用用途を有するがために必要となる場合があり、それ故、新しいタスクを遂行するために追加の構成要素が追加されることを必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様によれば、流量制御デバイスが開示される。流量制御デバイスは、アーマチュアを含むソレノイドを含む。同様に、アーマチュアにはピストンが接続される。ピストンは一次オリフィスを含む。ピストンは開放位置および閉鎖位置を有する。ピストンに接続されるピストンばねも含まれ、少なくとも1つの二次オリフィスも含まれる。ピストンの、開放位置への運動は少なくとも1つの二次オリフィスを少なくとも部分的に開放し、ピストンの、閉鎖位置への運動は少なくとも1つの二次オリフィスを少なくとも部分的に閉鎖する。アーマチュアの運動はピストンの運動を作動させ、一次オリフィスから少なくとも1つの二次オリフィスを通じた流体の流れを制御する。
【0006】
本発明の本態様のいくつかの実施形態は以下の特徴のうちの1つ以上を含めばよい。すなわち:ピストンは少なくとも1つの放射状溝をさらに含む;ピストンは2つの放射状溝をさらに含む;ソレノイドは一定力ソレノイドである;且つ/またはデバイスは、流体の流れを検知するための少なくとも1つのセンサをさらに含む;デバイスは、流体の流れを検知するための少なくとも1つのセンサをさらに含む;デバイスは、ピストンの位置を求めるための磁気抵抗センサをさらに含む;デバイスは、流体の流れと熱的に通じた流速計をさらに含む;且つ/またはデバイスは、流体の流れを検知するための羽根車をさらに含む。羽根車センサのいくつかの実施形態は、羽根車と、赤外線ビームを放射する赤外線エミッタと、放射された赤外線ビームを受信する赤外線受信器と、をさらに含めばよい。赤外線エミッタおよび赤外線受信器は羽根車の対向する側に設置され、流体の流れは羽根車を回転させ、羽根車は赤外線ビームを遮断する。
【0007】
追加的に、本発明の本態様のいくつかの実施形態は以下の機構のうちの1つ以上を含んでよく、二方弁を含んでよい。二方弁のいくつかの実施形態は、プランジャと、プランジャを開放位置内に付勢するばねと、プランジャによって作動する隔壁と、をさらに含めばよい。ピストンはプランジャを作動させてプランジャを閉鎖位置に動かす。
【0008】
本発明のこれらおよび他の特徴および利点は、図面と併せて、以下の詳細な記載を読むことによってより良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】処理システムの1つの実施形態の概略図である。
【図2】図1の処理システム内に含まれる制御論理サブシステムの1つの実施形態の概略図である。
【図3】図1の処理システム内に含まれる多量成分サブシステムの1つの実施形態の概略図である。
【図4】図1の処理システム内に含まれるミクロ成分サブシステムの1つの実施形態の概略図である。
【図5A】図1の処理システム内に含まれる静電容量式流量センサの1つの実施形態の側面概略図である(非汲み出し状況の間)。
【図5B】図5Aの静電容量式流量センサの上面概略図である。
【図5C】図5Aの静電容量式流量センサ内に含まれる2つの容量板の概略図である。
【図5D】図5Aの静電容量式流量センサの静電容量値の時間依存グラフを示す図である(非汲み出し状況、汲み出し状況、および空の状況の間)。
【図5E】図5Aの静電容量式流量センサの側面概略図である(汲み出し状況の間)。
【図5F】図5Aの静電容量式流量センサの側面概略図である(空の状況の間)。
【図6A】図1の処理システム内に含まれる配管/制御サブシステムの概略図である。
【図6B】歯車式の容積式流量計測デバイスの1つの実施形態の概略図である。
【図7A】図3の流量制御モジュールの実施形態を概略的に示す図である。
【図7B】図3の流量制御モジュールの実施形態を概略的に示す図である。
【図8】図3の流量制御モジュールの種々の代替実施形態を概略的に示す図である。
【図9】図3の流量制御モジュールの種々の代替実施形態を概略的に示す図である。
【図10】図3の流量制御モジュールの種々の代替実施形態を概略的に示す図である。
【図11】図3の流量制御モジュールの種々の代替実施形態を概略的に示す図である。
【図12】図3の流量制御モジュールの種々の代替実施形態を概略的に示す図である。
【図13】図3の流量制御モジュールの種々の代替実施形態を概略的に示す図である。
【図14A】図3の流量制御モジュールの種々の代替実施形態を概略的に示す図である。
【図14B】図3の流量制御モジュールの種々の代替実施形態を概略的に示す図である。
【図14C】図3の流量制御モジュールの種々の代替実施形態を概略的に示す図である。
【図15A】可変管路インピーダンスの一部を概略的に示す図である。
【図15B】可変管路インピーダンスの一部を概略的に示す図である。
【図15C】可変管路インピーダンスの1つの実施形態を概略的に示す図である。
【図16A】1つの実施形態による歯車式の容積式流量計測デバイスの歯車を概略的に示す図である。
【図16B】1つの実施形態による歯車式の容積式流量計測デバイスの歯車を概略的に示す図である。
【図17】図1の処理システム内に含まれるユーザインターフェースサブシステムの概略図である。
【図18】図1の制御論理サブシステムによって実行されるFSMプロセスのフローチャートを示す図である。
【図19】第1の状態図の概略図である。
【図20】第2の状態図の概略図である。
【図21】図1の制御論理サブシステムによって実行される仮想機械プロセスのフローチャートを示す図である。
【図22】図1の制御論理サブシステムによって実行される仮想マニホールドプロセスのフローチャートを示す図である。
【図23】図1の処理システム内に含まれるRFIDシステムの等角図である。
【図24】図23のRFIDシステムの概略図である。
【図25】図23のRFIDシステム内に含まれるRFIDアンテナアセンブリの概略図である。
【図26】図25のRFIDアンテナアセンブリのアンテナループアセンブリの等角図である。
【図27】図1の処理システムを収納するためのハウジングアセンブリの等角図である。
【図28】図1の処理システム内に含まれるRFIDアクセスアンテナアセンブリの概略図である。
【図29】図1の処理システム内に含まれる代替のRFIDアクセスアンテナアセンブリの概略図である。
【図30】図1の処理システムの実施形態の概略図である。
【図31】図30の処理システムの内部アセンブリの概略図である。
【図32】図30の処理システムの上部キャビネットの概略図である。
【図33】図30の処理システムの流量制御サブシステムの概略図である。
【図34】図33の流量制御サブシステムの流量制御モジュールの概略図である。
【図35】図30の処理システムの上部キャビネットの概略図である。
【図36A】図35の処理システムの電源モジュールの概略図である。
【図36B】図35の処理システムの電源モジュールの概略図である。
【図37A】図35の流量制御サブシステムの流量制御モジュールを概略的に示す図である。
【図37B】図35の流量制御サブシステムの流量制御モジュールを概略的に示す図である。
【図37C】図35の流量制御サブシステムの流量制御モジュールを概略的に示す図である。
【図38】図30の処理システムの下部キャビネットの概略図である。
【図39】図38の下部キャビネットのミクロ成分タワーの概略図である。
【図40】図38の下部キャビネットのミクロ成分タワーの概略図である。
【図41】図39のミクロ成分タワーの4製品モジュールの概略図である。
【図42】図39のミクロ成分タワーの4製品モジュールの概略図である。
【図43A】ミクロ成分容器の1つの実施形態の概略図である。
【図43B】ミクロ成分容器の1つの実施形態の概略図である。
【図43C】ミクロ成分容器の1つの実施形態の概略図である。
【図44】ミクロ成分容器の別の実施形態の概略図である。
【図45A】図30の処理システムの下部キャビネットの代替実施形態を概略的に示す図である。
【図45B】図30の処理システムの下部キャビネットの代替実施形態を概略的に示す図である。
【図46A】図45Aおよび45Bの下部キャビネットのミクロ成分棚の1つの実施形態を概略的に示す図である。
【図46B】図45Aおよび45Bの下部キャビネットのミクロ成分棚の1つの実施形態を概略的に示す図である。
【図46C】図45Aおよび45Bの下部キャビネットのミクロ成分棚の1つの実施形態を概略的に示す図である。
【図46D】図45Aおよび45Bの下部キャビネットのミクロ成分棚の1つの実施形態を概略的に示す図である。
【図47A】図46A、46B、46Cおよび46Dのミクロ成分棚の4製品モジュールを概略的に示す図である。
【図47B】図46A、46B、46Cおよび46Dのミクロ成分棚の4製品モジュールを概略的に示す図である。
【図47C】図46A、46B、46Cおよび46Dのミクロ成分棚の4製品モジュールを概略的に示す図である。
【図47D】図46A、46B、46Cおよび46Dのミクロ成分棚の4製品モジュールを概略的に示す図である。
【図47E】図46A、46B、46Cおよび46Dのミクロ成分棚の4製品モジュールを概略的に示す図である。
【図47F】図46A、46B、46Cおよび46Dのミクロ成分棚の4製品モジュールを概略的に示す図である。
【図48】図47A、47B、47C、47D、47Eおよび47Fの4製品モジュールの配管アセンブリを概略的に示す図である。
【図49A】図45Aおよび45Bの下部キャビネットの大量ミクロ成分アセンブリを概略的に示す図である。
【図49B】図45Aおよび45Bの下部キャビネットの大量ミクロ成分アセンブリを概略的に示す図である。
【図49C】図45Aおよび45Bの下部キャビネットの大量ミクロ成分アセンブリを概略的に示す図である。
【図50】図49A、49B、49Cの大量ミクロ成分アセンブリの配管アセンブリを概略的に示す図である。
【図51】ユーザインターフェースブラケット内のユーザインターフェース画面の1つの実施形態を概略的に示す図である。
【図52】画面を外した、ユーザインターフェースブラケットの1つの実施形態を概略的に示す図である。
【図53】図52のブラケットの詳細側面図である。
【図54】膜ポンプを概略的に示す図である。
【図55】膜ポンプを概略的に示す図である。
【図56】非通電位置にある流量制御モジュールの1つの実施形態の断面図である。
【図57】開放位置にある二方弁を備える流量制御モジュールの1つの実施形態の断面図である。
【図58】部分的通電位置にある流量制御モジュールの1つの実施形態の断面図である。
【図59】完全通電位置にある流量制御モジュールの1つの実施形態の断面図である。
【図60】流速計センサを備える流量制御モジュールの1つの実施形態の断面図である。
【図61】羽根車センサを備える流量制御モジュールの1つの実施形態の断面図である。
【図62】羽根車センサの1つの実施形態の上面切断断面図である。
【図63】流量制御モジュールの1つの実施形態の等角図である。
【図64】ディザスケジューリング方式の1つの実施形態を示す図である。
【図65】流体流路が示された、完全通電位置にある流量制御モジュールの1つの実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
種々の図面における同様の参照記号は同様の要素を示す。
【0011】
本願明細書において記載されるのは製品分配システムである。本システムは、「サブシステム」とも呼ばれる1つ以上のモジュール式構成要素を含む。本願明細書においては例示的なシステムが記載されるものの、種々の実施形態では、製品分配システムは、記載されているサブシステムを1つ以上含めばよいが、製品分配システムは、本願明細書において記載されているサブシステムのうちの1つ以上のみに限定されるものではない。それ故、実施形態によっては、製品分配システム内に追加のサブシステムが用いられてもよい。
【0012】
以下の開示は、製品を形成するために種々の成分の混合および処理を可能にする種々の電気構成要素、機械構成要素、電気機械構成要素、およびソフトウェアプロセス(すなわち、「サブシステム」)の相互作用および連携を説明する。このような製品の例としては:乳製品ベースの製品類(例えば、ミルクセーキ、フロート、麦芽乳、フラッペ);コーヒーベースの製品類(例えば、コーヒー、カプチーノ、エスプレッソ);ソーダベースの製品類(例えば、フロート、果汁入りソーダ);茶ベースの製品類(例えば、アイスティー、スイートティー、ホットティー);水ベースの製品類(例えば、天然水、フレーバー天然水、ビタミン類入り天然水、高電解質飲料、高炭水化物飲料);固形物ベースの製品類(例えば、トレイルミックス、グラノーラベースの製品、ミックスナッツ、シリアル製品、ミックスグレイン製品);医薬品類(例えば、注入可能な薬剤、注射可能な薬剤、摂取可能な薬剤、透析液);アルコールベースの製品類(例えば、混合酒、ワインスプリッツァー、ソーダベースのアルコールドリンク、水ベースのアルコールドリンク、フレーバー入りビール「ショット」);工業製品類(例えば、溶剤、塗料、潤滑油、染料);および健康/美容補助製品類(例えば、シャンプー、化粧品、石けん、ヘアコンディショナ、スキントリートメント、局所軟膏)、が挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。
【0013】
製品は、1つ以上の「成分」を用いて製造される。成分は1つ以上の流体、粉末、固形物または気体を含めばよい。流体、粉末、固形物および/または気体は処理および分配の状況の中で還元または希釈されてよい。製品は流体であってもよいし、固形物であってもよいし、粉末であってもよいし、または気体であってもよい。
【0014】
種々の成分は「マクロ成分」、「ミクロ成分」または「大量ミクロ成分」と呼ばれてもよい。用いられる成分のうちの1つ以上はハウジング、すなわち製品分配機の一部、の内部に包含されてよい。しかし、成分のうちの1つ以上は機械の外部で貯蔵または製造されてもよい。例えば、実施形態によっては、多量に用いられる水(種々の質のもの)または他の成分は機械の外部で貯蔵されてもよく(例えば、実施形態によっては、異性化糖は機械の外部で貯蔵されてもよい)、一方、他の成分、例えば、粉末状の成分、濃縮成分、栄養補助食品、薬剤および/またはガスボンベは機械自身の内部に貯蔵されてもよい。
【0015】
上記の電気構成要素、機械構成要素、電気機械構成要素、およびソフトウェアプロセスの種々の組み合わせが以下において説明される。以下においては、種々のサブシステムを用いた、例えば飲料および医薬品(例えば透析液)の製造を開示する組み合わせが記載されるが、これは本開示の限定として意図されるものではなく、むしろ、製品を作製/分配するためにサブシステムが協働することができる方法の例示的な実施形態として意図されている。具体的には、電気構成要素、機械構成要素、電気機械構成要素、およびソフトウェアプロセス(これらは各々、以下においてより詳細に説明される)は上記のいずれの製品を製造するために用いられてもよいし、またはそれらに類似した他のいかなる製品を製造するために用いられてもよい。
【0016】
図1を参照すると、処理システム10の一般化された図が示されており、処理システム10は、複数のサブシステム、すなわち:記憶サブシステム12、制御論理サブシステム14、多量成分サブシステム16、ミクロ成分サブシステム18、配管/制御サブシステム20、ユーザインターフェースサブシステム22、およびノズル24を含むように示されている。上述のサブシステム12、14、16、18、20、22は各々、以下においてより詳細に記載される。
【0017】
処理システム10の使用中、ユーザ26は、ユーザインターフェースサブシステム22を用いて、(容器30内に)分配する特定の製品28を選択してもよい。ユーザインターフェースサブシステム22を介して、ユーザ26は、1つ以上の選択項目をこうした製品内に含めるべく選択する。例えば、選択項目は1つ以上の成分の追加を含めばよい。ただし、それに限定されるものではない。1つの例示的な実施形態では、システムは、飲料を分配するシステムである。本実施形態では、ユーザは、飲料内に追加されるべき種々の香料(例えばレモン香料、ライム香料、チョコレート香料、およびバニラ香料を含む、ただしそれらに限定されるものではない);飲料内への1つ以上の栄養補助食品の追加(例えばビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB6、ビタミンB12、および亜鉛を含む、ただしそれらに限定されるものではない);飲料内への1つ以上の他の飲料の追加(例えばコーヒー、ミルク、レモネード、およびアイスティーを含む、ただしそれらに限定されるものではない);ならびに飲料内への1つ以上の食品の追加(例えばアイスクリーム、ヨーグルト)を選択してもよい。
【0018】
ユーザインターフェースサブシステム22を介してユーザ26が適当な選択を行うと、ユーザインターフェースサブシステム22は適当なデータ信号を(データバス32を介して)制御論理サブシステム14に送信する。制御論理サブシステム14はこれらのデータ信号を処理し、記憶サブシステム12上に維持されている複数のレシピ36から選ばれる1つ以上のレシピを(データバス34を介して)取得する。「レシピ」という用語は、要求された製品を処理する/作製するための命令に言及している。記憶サブシステム12からレシピ(単数または複数)を取得すると、制御論理サブシステム14は、レシピ(単数または複数)を処理し、適当な制御信号を(データバス38を介して)例えば多量成分サブシステム16、ミクロ成分サブシステム18、および、いくつかの実施形態において、ミクロ成分に関する、処理に関する記載に含まれる不図示の大量ミクロ成分に提供する。これらの大量ミクロ成分を分配するためのサブシステムに関して、実施形態によっては、これらの大量ミクロ成分を分配するためにミクロ成分アセンブリの代わりのアセンブリが用いられてもよく、さらに、配管/制御サブシステム20が用いられ、その結果、製品28が製造されることとなる(製品28は容器30内に分配される)。
【0019】
同様に図2を参照すると、制御論理サブシステム14の概略図が示されている。制御論理サブシステム14は、マイクロプロセッサ100(例えば、カリフォルニア州サンタクララのインテル社(Intel Corporation of Santa Clara,California)によって製造されているARM(商標)マイクロプロセッサ)、不揮発性メモリ(例えばリードオンリーメモリ(read only memory)102)、および揮発性メモリ(例えばランダムアクセスメモリ(random access memory)104)を含んでもよく;それらの各々は1つ以上のデータ/システムバス106、108を介して相互接続されてもよい。上述されたように、ユーザインターフェースサブシステム22はデータバス32を介して制御論理サブシステム14に結合されてもよい。
【0020】
制御論理サブシステム14は、スピーカ112に例えばアナログ音声信号を提供するための音声サブシステム110を含んでもよい。スピーカ112は処理システム10内に組み込まれてもよい。音声サブシステム110はデータ/システムバス114を介してマイクロプロセッサ100に結合されてもよい。
【0021】
制御論理サブシステム14はオペレーティングシステムを実行してもよい。オペレーティングシステムの例としては、マイクロソフト・ウィンドウズCE(Microsoft Windows CE)(商標)、レッドハット・リナックス(Redhat Linux)(商標)、パームOS(Palm OS)(商標)、またはデバイス専用の(すなわち、特別注文の)オペレーティングシステムが挙げらる。ただし、それらに限定されるものではない。
【0022】
上述のオペレーティングシステムの命令セットおよびサブルーチンは、記憶サブシステム12上に記憶されてもよく、制御論理サブシステム14内に組み込まれる1つ以上のプロセッサ(例えばマイクロプロセッサ100)ならびに1つ以上のメモリアーキテクチャ(例えばリードオンリーメモリ102および/またはランダムアクセスメモリ104)によって実行されてもよい。
【0023】
記憶サブシステム12は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、光学式ドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、CF(すなわち、コンパクトフラッシュ(compact flash))カード、SD(すなわち、セキュアデジタル(secure digital))カード、スマートメディアカード、メモリスティック、およびマルチメディアカードなどを含んでもよい。
【0024】
上述されたように、記憶サブシステム12はデータバス34を介して制御論理サブシステム14に結合されてもよい。制御論理サブシステム14は、マイクロプロセッサ100によって提供される信号を、記憶システム12によって利用可能なフォーマットに変換するための記憶コントローラ116(仮想線で図示)を含んでもよい。さらに、記憶コントローラ116は、記憶サブシステム12によって提供される信号を、マイクロプロセッサ100によって利用可能なフォーマットに変換してもよい。
【0025】
実施形態によっては、イーサネット接続も含まれる。
【0026】
上述されたように、多量成分サブシステム(本願明細書では「マクロ成分」とも呼ばれる)16、ミクロ成分サブシステム18、および/または配管/制御サブシステム20はデータバス38を介して制御論理サブシステム14に結合される。制御論理サブシステム14は、マイクロプロセッサ100によって提供される信号を、多量成分サブシステム16、ミクロ成分サブシステム18、および/または配管/制御サブシステム20によって利用可能なフォーマットに変換するためのバスインターフェース118(仮想線で図示)を含んでよい。さらに、バスインターフェース118は、多量成分サブシステム16、ミクロ成分サブシステム18および/または配管/制御サブシステム20によって提供される信号を、マイクロプロセッサ100によって利用可能なフォーマットに変換してもよい。
【0027】
以下においてさらに詳細に説明されるように、制御論理サブシステム14は、処理システム10の動作を制御できる1つ以上の制御プロセス120(例えば、有限状態機械プロセス(FSM(finite state machine)プロセス122)、仮想機械プロセス124、および仮想マニホールドプロセス126など)を実行する。制御プロセス120の命令セットおよびサブルーチンは、記憶サブシステム12上に記憶されてもよく、制御論理サブシステム14内に組み込まれる1つ以上のプロセッサ(例えばマイクロプロセッサ100)ならびに1つ以上のメモリアーキテクチャ(例えばリードオンリーメモリ102および/またはランダムアクセスメモリ104)によって実行されてもよい。
【0028】
同様に図3を参照すると、多量成分サブシステム16および配管/制御サブシステム20の概略図が示されている。多量成分サブシステム16は、飲料28を作る際に急速度で用いられる消耗品を収納するための容器を含んでもよい。例えば、多量成分サブシステム16は二酸化炭素供給部150、水供給部152、および異性化糖(high fructose corn syrup)供給部154を含んでもよい。多量成分は、実施形態によっては、他のサブシステムにごく接近して設置される。二酸化炭素供給部150の例としては圧縮気体二酸化炭素のタンク(不図示)が挙げられる。ただし、それに限定されるものではない。水供給部152の例としては、都市水道水供給部(不図示)、蒸留水供給部、濾水供給部、逆浸透(「RO(reverse−osmosis)」)水供給部または他の所望の水供給部が挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。異性化糖供給部154の例としては、高濃縮異性化糖の1つ以上のタンク(単数または複数)(不図示)、または異性化糖の1つ以上のバッグインボックスパッケージが挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。
【0029】
多量成分サブシステム16は、二酸化炭素ガス(二酸化炭素供給部150によって供給される)および水(水供給部152によって供給される)から炭酸水を生成するためのカーボネータ156を含んでもよい。炭酸水158、水160および異性化糖162は冷却板アセンブリ163に供給される(例えば、製品が分配されている間、それが冷却されることが望まれる場合がある実施形態において。実施形態によっては、冷却板アセンブリは分配システムの一部として含まれない、または迂回されてもよい)。冷却板アセンブリ163は、炭酸水158、水160および異性化糖162を所望の提供温度(例えば40°F(4.44°C))まで冷やすように設計される。
【0030】
単一の冷却板163が炭酸水158、水160および異性化糖162を冷やすように示されているが、これは単に例示目的のためであり、開示の限定として意図されるものではない。なぜなら、他の構成が可能であるからである。例えば、炭酸水158、水160および異性化糖162の各々を冷やすために個別の冷却板が用いられてもよい。冷やされると、冷やされた炭酸水164、冷やされた水166、および冷やされた異性化糖168は配管/制御サブシステム20に供給される。さらに他の実施形態では、冷却板が含まれなくてもよい。実施形態によっては、少なくとも1つの加熱板が含まれてもよい。
【0031】
配管は、示されている順番を有するように描かれているが、実施形態によっては、この順番は用いられない。例えば、本願明細書に記載されている流量制御モジュールは、異なる順番、すなわち、流量計測デバイス、二方弁、その次に可変管路インピーダンス、で構成されてもよい。
【0032】
便宜的に、システムは、以下において、ソフトドリンク類を製品として分配するシステムを用いることに関連して記載される。すなわち、記載されるマクロ成分/多量成分は異性化糖、炭酸水および水を含むことになる。しかし、分配システムの他の実施形態では、マクロ成分そのもの、およびマクロ成分の数が変わってもよい。
【0033】
例示目的のために、配管/制御サブシステム20は3つの流量制御モジュール170、172、174を含むように示されている。流量制御モジュール170、172、174は全体的に、多量成分の体積および/または流量を制御する。流量制御モジュール170、172、174は各々、冷やされた炭酸水164、冷やされた水166および冷やされた異性化糖168の体積を(それぞれ)計測する流量計測デバイス(例えば、流量計測デバイス176、178、180)を含んでもよい。流量計測デバイス176、178、180はフィードバック信号182、184、186を(それぞれ)フィードバックコントローラシステム188、190、192に(それぞれ)提供する。
【0034】
フィードバックコントローラシステム188、190、192(以下においてより詳細に説明される)は流量フィードバック信号182、184、186を、(冷やされた炭酸水164、冷やされた水166、および冷やされた異性化糖168の各々のためにそれぞれ規定されているとおりの)所望の流量体積と比較してもよい。流量フィードバック信号182、184、186を処理すると、フィードバックコントローラシステム188、190、192は(それぞれ)、可変管路インピーダンス200、202、204に(それぞれ)提供される流量制御信号194、196、198を(それぞれ)生成する。可変管路インピーダンス200、202、204の例が米国特許第5,755,683号および米国特許出願公開第2007/0085049号に開示され、クレームされており、それらはどちらもその全体が本願明細書において参照により引用されている。可変管路インピーダンス200、202、204は、管路218、220、222を(それぞれ)通過する冷やされた炭酸水164、冷やされた水166および冷やされた異性化糖168の流量を調節し、それらはノズル24および(その後)容器30に供給される。しかし、本願明細書においては、可変管路インピーダンスの追加の実施形態が記載される。
【0035】
管路218、220、222は、流体の流れが望まれない/必要ない時の間(例えば輸送、保守作業、および休止時間の間)、管路218、220、222を通じた流体の流れを防ぐために、二方弁212、214、216を(それぞれ)追加的に含んでもよい。
【0036】
1つの実施形態では、二方弁212、214、216は、ソレノイドで操作される二方弁を含んでもよい。しかし、他の実施形態では、二方弁は、任意の手段によって作動する二方弁を含む、ただしそれに限定されるものではない、当技術分野において周知の任意の二方弁であってもよい。加えて、二方弁212、214、216は、処理システム10が製品を分配していない時は常に、管路218、220、222を通じた流体の流れを妨げるように構成されてもよい。さらに、二方弁212、214、216の機能性は、可変管路インピーダンス200、202、204を完全に閉鎖し、かくして管路218、220、222を通じた流体の流れを妨げることによって、可変管路インピーダンス200、202、204を用いて達成されてもよい。
【0037】
上述されたように、図3はあくまで配管/制御サブシステム20の例示的な図を提供しているにすぎない。従って、配管/制御サブシステム20が図示されている様式は本開示の限定として意図されるものではない。なぜなら、他の構成が可能であるからである。例えば、フィードバックコントローラシステム188、190、192の機能性の一部またはすべては制御論理サブシステム14内に組み込まれてもよい。同様に、流量制御モジュール170、172、174に関しても、図3において、構成要素の順序構成はあくまで例示目的のために示されている。それ故、図示の順序構成はあくまで例示的な実施形態の役割を果たしているにすぎない。しかし、他の実施形態では、構成要素は異なる順序で配列されてもよい。
【0038】
同様に図4を参照すると、ミクロ成分サブシステム18および配管/制御サブシステム20の上面概略図が示されている。ミクロ成分サブシステム18は製品モジュールアセンブリ250を含んでもよい。製品モジュールアセンブリ250は、製品28を作る際に用いるミクロ成分を保管するように構成される1つ以上の製品容器252、254、256、258を解放可能に係合させるように構成されてもよい。ミクロ成分は、製品を作る際に用いられる基材である。このようなミクロ成分/基材の例としては、これらに限定されるものではないが、ソフトドリンク香料の第1の部分、ソフトドリンク香料の第2の部分、コーヒー香料、栄養補助食品、薬剤が挙げられ、流体であってもよいし、粉末であってもよいし、または固形物であってもよい。しかし、例示目的のために、以下の記載は、流体であるミクロ成分に言及する。ミクロ成分は粉末または固形物である実施形態では、ミクロ成分が粉末である場合には、システムは粉末の計量および/または粉末の還元のための追加のサブシステムを含めばよい(ただし、以下の例において記載されるように、ミクロ成分が粉末である場合には、粉末は、製品を混合する方法の一部、すなわちソフトウェアマニホールド、として還元されてもよい)。
【0039】
製品モジュールアセンブリ250は、複数の製品容器252、254、256、258を解放可能に係合させるように構成される複数のスロットアセンブリ260、262、264、266を含んでもよい。この特定の例では、製品モジュールアセンブリ250は4つのスロットアセンブリ(すなわちスロット260、262、264、266)を含むように示されており、従って、4製品モジュールアセンブリと呼ばれてもよい。製品容器252、254、256、258のうちの1つ以上を製品モジュールアセンブリ250内に配置するとき、製品容器(例えば製品容器254)はスロットアセンブリ(例えばスロットアセンブリ262)に矢印268の方向に嵌め込まれる。本願明細書において示されるように、例示的な実施形態では、「4製品モジュール」アセンブリが記載されているが、他の実施形態では、モジュールアセンブリ内に包含される製品はより多くてもよいしまたはより少なくてもよい。分配システムによって分配される製品に依存して、製品容器の数は変わってよい。かくして、任意のモジュールアセンブリに内蔵される製品の数は用途固有のものでよく、システムの効率、必要性および/または機能を含む、ただしそれに限定されるものではない、システムの任意の所望の特性を満足するように選択される。
【0040】
例示目的のために、製品モジュールアセンブリ250の各スロットアセンブリはポンプアセンブリを含むように示されている。例えば、スロットアセンブリ252はポンプアセンブリ270を含むように示され;スロットアセンブリ262はポンプアセンブリ272を含むように示され;スロットアセンブリ264はポンプアセンブリ274を含むように示され;スロットアセンブリ266はポンプアセンブリ276を含むように示されている。
【0041】
ポンプアセンブリ270、272、274、276の各々に結合される入口ポートが、製品容器内に含まれる製品オリフィスを解放可能に係合される。例えば、ポンプアセンブリ272は、製品容器254内に含まれる容器オリフィス280を解放可能に係合するように構成される入口ポート278を含むように示されている。入口ポート278および/または製品オリフィス280は、漏れ止めシールを容易にするために1つ以上の密閉アセンブリ(不図示)、例えば、1つ以上のOリングまたはルアー継手、を含んでもよい。各ポンプアセンブリに結合される入口ポート(例えば、入口ポート278)は、硬質の「パイプ様」材料で構築されてもよいし、またはフレキシブルな「チューブ管様」材料から構築されてもよい。
【0042】
ポンプアセンブリ270、272、274、276のうちの1つ以上の例としては、ポンプアセンブリ270、272、274、276のうちの1つ以上が通電される度に、較正により期待される体積の流体を提供するソレノイドピストンポンプアセンブリが挙げられる。ただし、それに限定されるものではない。1つの実施形態では、このようなポンプはイタリア国、パビアのULKA電気機械製作所社(ULKA Costruzioni Elettromeccaniche S.p.A. of Pavia, Italy)より入手可能である。例えば、ポンプアセンブリ(例えばポンプアセンブリ274)が制御論理サブシステム14によってデータバス38を介して通電される度に、ポンプアセンブリは、製品容器256内に含まれる流体ミクロ成分を約30μL供給してもよい(ただし、供給される香料の体積は較正により変動してもよい)。この場合も先と同様に、あくまで例示目的のために、本記載の本セクションにおいてミクロ成分は流体とされている。「較正により」という用語は、ポンプアセンブリおよび/またはその個々のポンプの較正を用いて確認される、体積の、または他の情報および/または特性に言及する。
【0043】
ポンプアセンブリ270、272、274、276および種々のポンピング技法の他の例が米国特許第4,808,161号;米国特許第4,826,482号;米国特許第4,976,162号;米国特許第5,088,515号;および米国特許第5,350,357号に記載されており、それらはすべて、その全体が本願明細書において参照により引用されている。実施形態によっては、図54〜55に示されるように、ポンプアセンブリは膜ポンプであってもよい。実施形態によっては、ポンプアセンブリは、米国特許第5,421,823号に記載されているいかなるポンプアセンブリであってもよく、いかなるポンプ技法を用いてもよい。米国特許第5,421,823号はその全体が本願明細書において参照により引用されている。
【0044】
上記の参照文献は、流体を汲み出すために用いられる空気圧作動式の膜ベースのポンプの非限定的な例を記載している。空気圧作動式の膜ベースのポンプアセンブリは、以下の理由を含む、ただしそれらに限定されるものではない、1つ以上の理由で有利である。すなわち、多数の負荷サイクルにわたり、種々の配合の流体を或る量、例えば、マイクロリットル量、確実且つ正確に送り出す能力がある;且つ/または、空気圧作動ポンプは空気動力、例えば二酸化炭素源からの空気動力、を用いてもよいので、必要な電力はより少なくて済む。加えて、表面がシールに対して動く膜ベースのポンプは運動用シールを必要としなくてもよい。ULKAによって製作されているもの等の振動ポンプは一般的に運動用エラストマーシールの使用を必要とするが、それは、例えば、或る種の流体への曝露および/または損耗の後、時間とともに機能しなくなってしまう場合がある。実施形態によっては、空気圧作動式の膜ベースのポンプの方が他のポンプよりも信頼性が高く、費用効率が高く、較正しやすい場合がある。それらの方が他のポンプよりも生ずる騒音が少なく、発生する熱が少なく、消費する電力が少ない場合もある。図54に、膜ベースのポンプの非限定的な例が示されている。
【0045】
図54〜55に示される、膜ベースのポンプアセンブリ2900の種々の実施形態は空洞を含み、それは、図54では、ポンピングチャンバと呼ばれる2942であり、図55では、制御流体チャンバと呼ばれる2944である。空洞は、空洞を2つのチャンバ、ポンピングチャンバ2942および容積チャンバ2944、に隔てる隔壁2940を含む。
【0046】
ここで図54を参照すると、例示的な膜ベースのポンプアセンブリ2900の概略図が示されている。本実施形態では、膜ベースのポンプアセンブリ2900は、膜または隔壁2940、ポンピングチャンバ2942、制御流体チャンバ2944(図55で最もよく分かる)、3ポート切替弁2910ならびに逆止弁2920および2930を含む。実施形態によっては、ポンピングチャンバ2942の容積は約20マイクロリットルないし約500マイクロリットルのレンジ内にある。例示的な実施形態では、ポンピングチャンバ2942の容積は約30マイクロリットルないし約250マイクロリットルのレンジ内にある。他の例示的な実施形態では、ポンピングチャンバ2942の容積は約40マイクロリットルないし約100マイクロリットルのレンジ内にある。
【0047】
切替弁2910は、ポンプ制御チャネル2958を切替弁流体チャネル2954または切替弁流体チャネル2956のどちらかと流体接続させるように操作される。非限定的な実施形態では、切替弁2910は、制御線2912を介した電気信号の入力時に動作する電磁操作式のソレノイド弁であってもよい。他の非限定的な実施形態では、切替弁2910は、空気圧または油圧信号入力時に動作する空気圧式または油圧式の膜ベースの弁であってもよい。さらに他の実施形態では、切替弁2910は、流体的に、空気圧によって、機械的にまたは電磁的に作動する、シリンダ内のピストンであってもよい。より一般的には、弁はポンプ制御チャネル2958との流体接続を切替弁流体チャネル2954と切替弁流体チャネル2956との間で切り替える能力があることを優先条件として、任意の他の種類の弁がポンプアセンブリ2900における使用のために考えられてよい。
【0048】
実施形態によっては、切替弁流体チャネル2954は正圧の流体圧力源(空気圧式であっても油圧式であってもかまわない)に導かれる。必要とされる流体圧力の大きさは、隔壁2940の引っ張り強度および弾力性、汲み出される流体の密度および/または粘性、流体内の溶解固形物の溶解度、ならびに/あるいはポンプアセンブリ2900内の流体チャネルおよびポートの長さおよびサイズを含む、ただしそれに限定されるものではない、1つ以上の因子に依存してもよい。種々の実施形態では、流体圧力源は約15psi(103.4kPa)ないし約250psi(1724kPa)のレンジ内にある。例示的な実施形態では、流体圧力源は約60psi(413.7kPa)ないし約100psi(689.5kPa)のレンジ内にある。別の例示的な実施形態では、流体圧力源は約70psi(482.7kPa)ないし約80psi(551.6kPa)のレンジ内にある。上述されたように、分配システムのいくつかの実施形態は炭酸飲料を製造し、それ故、成分として炭酸水を用いる。これらの実施形態では、炭酸飲料を生成するために用いられるCO2のガス圧力は多くの場合、約75psi(517.2kPa)である。実施形態によっては、飲料ディスペンサ内の少量の流体を汲み出すための膜ベースのポンプを駆動するために、同じガス圧力源がより低く調圧されて用いられてもよい。
【0049】
制御線2912を介して提供される適当な信号に応答して、弁2910は切替弁流体チャネル2954をポンプ制御チャネル2958と流体接続させてもよい。かくして、隔壁2940に正圧の流体圧力が伝えられることができ、その結果、該隔壁は、ポンプ出口チャネル2950を通じてポンピングチャンバ2942内の流体を押し出すことができる。逆止弁2930は、汲み出された流体が入口チャネル2952を通じてポンピングチャンバ2942から流出するのを防止されることを確実にする。
【0050】
切替弁2910は、制御線2912により、ポンプ制御チャネル2958を切替弁流体チャネル2956と流体接続させてもよく、それによって、(図54に示されるように)隔壁2940をポンピングチャンバ2942の壁に達するようにする。一実施形態では、切替弁流体チャネル2956は真空源に導かれてもよく、それは、ポンプ制御チャネル2958と流体接続すると、隔壁2940を収縮させ、ポンプ制御チャンバ2944の容積を減少させ、ポンピングチャンバ2942の容積を増大させる。隔壁2940の収縮によって、流体はポンプ入口チャネル2952を通じてポンピングチャンバ2942に引き入れられる。逆止弁2920は、汲み出された流体が出口チャネル2950を通じてポンピングチャンバ2942内へ戻る逆流を防ぐ。
【0051】
一実施形態では、隔壁2940は、隔壁に曲線状または球状の形状を維持しようとする特質を与え、カップ状隔壁の形式のばねの機能を果たす、半剛体のばね様材料で構築される。例えば、隔壁2940は少なくとも一部分は金属の薄板から構築されるかまたは打ち抜き加工されてもよく、用いられる金属としては、高炭素ばね鋼、洋銀、高ニッケル合金類、ステンレス鋼、チタン合金類、ベリリウム銅、および同様のものが挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。ポンプアセンブリ2900は、隔壁2940の凸状表面がポンプ制御チャンバ2944および/またはポンプ制御チャネル2958に面するように構築されてもよい。それ故、隔壁2940は、ポンピングチャンバ2942の表面に押しつけられた後に収縮する自然な特質を有する。この場合には、切替弁流体チャネル2956は環境気圧(大気圧)に導かれることができ、隔壁2940が自動的に収縮し、ポンプ入口チャネル2952を通じて流体をポンピングチャンバ2942内に引き込むことを可能にする。実施形態によっては、ポンプ行程毎に送り出されるべき流体の体積に等しい、または実質的に/おおよそ等しい容積をばね様隔壁の凹状部分が規定する。これは、精密な寸法は許容可能公差の範囲内で製作するのが困難である且つ/または高価である場合がある、規定の容積を有するポンピングチャンバを構築する必要を無くすという利点がある。本実施形態では、ポンプ制御チャンバは、静止状態にある隔壁の凸状側を収容するように成形され、対向表面の形状寸法は任意の形状寸法であってもよい、すなわち、性能に関係しなくてよい。
【0052】
一実施形態では、膜ポンプによって送り出される体積は、ポンプの行程毎の期待される体積の流体の送出を検知し検証する装置を設けない、‘開ループ’の様式で遂行されてもよい。別の実施形態では、膜の行程の間にポンプチャンバを通じて汲み出される流体の体積は、流体管理システム(「FMS(Fluid Management System)」)技法を用いて計測されることができ、それは米国特許第4,808,161号;第4,826,482号;第4,976,162号;第5,088,515号;および第5,350,357号により詳細に記載されており、これらはすべてその全体が本願明細書において参照により引用されている。簡単に説明すると、FMS計測は、膜ベースのポンプの行程毎に送り出される流体の体積を検出するために用いられる。ポンプアセンブリの外部に、例えば、空気圧式マニホールド(不図示)内に、小さい固定参照空気チャンバが設置される。弁が参照チャンバと第2の圧力センサとを隔離する。ポンプの行程容積は、参照チャンバを空気で満たし、圧力を計測し、その後、弁をポンピングチャンバに開放することによって正確に計算されてもよい。チャンバ側の空気の体積は、参照チャンバの固定容積、および参照チャンバがポンプチャンバに接続された際の圧力の変化に基づいて計算されてもよい。
【0053】
製品モジュールアセンブリ250はブラケットアセンブリ282を解放可能に係合させるように構成されてもよい。ブラケットアセンブリ282は処理システム10の一部であってもよい(且つその内部に強固に固定されてもよい)。本願明細書においては「ブラケットアセンブリ」と呼ばれるが、他の実施形態ではアセンブリは異なってもよい。ブラケットアセンブリは、製品モジュールアセンブリ282を所望の場所内にしっかり固定する役目を果たす。ブラケットアセンブリ282の例としては、製品モジュール250を解放可能に係合させるように構成される、処理システム10内の棚が挙げられる。ただし、それに限定されるものではない。例えば、製品モジュール250は、ブラケットアセンブリ282内に組み込まれる相補的デバイスを解放可能に係合させるように構成される係合デバイス(例えば、クリップアセンブリ、スロットアセンブリ、ラッチアセンブリ、ピンアセンブリ;不図示)を含んでもよい。
【0054】
配管/制御サブシステム20は、ブラケットアセンブリ282に強固に取り付けられるマニホールドアセンブリ284を含んでもよい。マニホールドアセンブリ284は、ポンプアセンブリ270、272、274、276の各々の内部に組み込まれるポンプオリフィス(例えばポンプオリフィス294、296、298、300)を解放可能に係合させるように構成される複数の入口ポート286、288、290、292を含むように構成されてもよい。製品モジュール250をブラケットアセンブリ282上に配置する際、製品モジュール250は矢印302の方向に動かされ、かくして、入口ポート286、288、290、292がポンプオリフィス294、296、298、300を(それぞれ)解放可能に係合させることを可能にする。入口ポート286、288、290、292および/またはポンプオリフィス294、296、298、300は、漏れ止めシールを容易にするために、上述されたとおりの1つ以上のOリングまたは他の密閉アセンブリ(不図示)を含んでもよい。マニホールドアセンブリ284内に含まれる入口ポート(例えば、入口ポート286、288、290、292)は、硬質の「パイプ様」材料で構築されてもよいし、またはフレキシブルな「チューブ管様」材料から構築されてもよい。
【0055】
マニホールドアセンブリ284はチューブ管束304を係合させるように構成され、該チューブ管束はノズル24に(直接または間接的に)配管されてもよい。上述されたように、少なくとも1つの実施形態では、多量成分サブシステム16も、冷やされた炭酸水164、冷やされた水166および/または冷やされた異性化糖168の形態の流体をノズル24に(直接または間接的に)供給する。従って、制御論理サブシステム14は、(この特定の例では)種々の多量成分、例えば冷やされた炭酸水164、冷やされた水166、冷やされた異性化糖168の特定の量、ならびに種々のミクロ成分(例えば第1の基材(すなわち、香料)、第2の基材(すなわち、栄養補助食品)、および第3の基材(すなわち、薬剤))の量を調節するので、制御論理サブシステム14は製品28の組成を正しく制御する。
【0056】
上述されたように、ポンプアセンブリ270、272、274、276のうちの1つ以上は、ポンプアセンブリ270、272、274、276のうちの1つ以上が(データバス38を介して)制御論理サブシステム14によって通電される度に規定の一貫した量の流体を供給するソレノイドピストンポンプアセンブリである。さらに、上述されたように、制御論理サブシステム14は、処理システム10の動作を制御する1つ以上の制御プロセス120を実行してもよい。このような制御プロセスの例としては、制御論理サブシステム14からデータバス38を介してポンプアセンブリ270、272、274、276に提供される駆動信号を生成するための駆動信号生成プロセス(不図示)が挙げられる。上述の駆動信号を生成するための1つの例示的な手法が、駆動信号を生成するシステムおよび方法(SYSTEM AND METHOD FOR GENERATING A DRIVE SIGNAL)と題され、2007年9月6日に出願された米国特許出願第11/851,344号に開示されており、その開示全体が本願明細書において参照により引用される。
【0057】
図4は1つのノズル24を示しているが、種々の他の実施形態では、1つを超えるノズル24が含まれてもよい。実施形態によっては、システムから分配される製品を、例えば、1組を超えるチューブ管束を介して、1つを超える容器30が受け取ってもよい。故に、実施形態によっては、分配システムは、1人以上のユーザが、1つ以上の製品を同時に分配するように要求してもよいように構成される。
【0058】
ポンプアセンブリ270、272、274、276の各々を通る上述のミクロ成分の流量を検知するために、静電容量式流量センサ306、308、310、312が利用されてもよい。
【0059】
図5A(側面図)および図5B(上面図)をも参照すると、例示的な静電容量式流量センサ308の詳細図が示されている。静電容量式流量センサ308は第1の容量板310および第2の容量板312を含む。第2の容量板312は第1の容量板310に対して可動であるように構成される。例えば、第1の容量板310は処理システム10内の構造物に強固に取り付けられてもよい。さらに、静電容量式流量センサ308も処理システム10内の構造物に強固に取り付けられてもよい。しかし、第2の容量板312は、隔壁アセンブリ314を利用して第1の容量板310(および静電容量式流量センサ308)に対して可動であるように構成される。隔壁アセンブリ314は第2の容量板312の、矢印316の方向の変位を許すように構成される。隔壁アセンブリ314は、矢印316の方向の変位を許す種々の材料で構築される。例えば、隔壁アセンブリ314は、ステンレス鋼箔であって、該ステンレス鋼箔の腐食を防ぐPET(すなわち、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate))コーティングを有する、ステンレス鋼箔で構築されてもよい。代替的に、隔壁アセンブリ314はチタン箔で構築されてもよい。さらになお、隔壁アセンブリ314は射出成形プラスチックで構築されてもよく、その場合、射出成形プラスチック製隔壁アセンブリの一方の表面は、第2の容量板312を形成するべく金属化される。
【0060】
上述されたように、ポンプアセンブリ(例えばポンプアセンブリ272)が制御論理サブシステム14によってデータバス38を介して通電される度に、ポンプアセンブリは、例えば製品容器254内に含まれる、対応するミクロ成分の流体を、較正された体積だけ、例えば30〜33μL、供給する。従って、制御論理サブシステム14はミクロ成分の流量を、対応するポンプアセンブリが通電される速度を制御することによって制御してもよい。ポンプアセンブリに通電する例示的な速度は3Hz(すなわち毎秒3回)ないし30Hz(すなわち毎秒30回)である。
【0061】
従って、ポンプアセンブリ272が通電されると、(静電容量式流量センサ308のチャンバ318内に)吸引力が作り出され、それが、例えば製品容器254からの対応するミクロ成分(例えば基材)の引き出しを実現する。従って、ポンプアセンブリ272が通電され、チャンバ318内に吸引力を作り出すと、第2の容量板312は下向きに変位され(図5Aに関して)、かくして、距離「d」(すなわち第1の容量板310と第2の容量板312との間の距離)を増大させる。
【0062】
図5Cをも参照すると、当技術分野において周知のように、キャパシタの静電容量(C)は以下の式によって求められる:
C=εA/d。
ここで、「ε」は、第1の容量板310と第2の容量板312との間に配置される誘電体材料の誘電率であり;「A」は容量板の面積であり;「d」は第1の容量板310と第2の容量板312との間の距離である。上述の式の分母内に「d」が配置されているので、「d」のいかなる増加も、対応する、「C」(すなわちキャパシタの静電容量)の減少を生じさせる。
【0063】
上述の例を続け、図5Dをも参照し、ポンプアセンブリ272が通電されていないときには、第1の容量板310および第2の容量板312によって形成されるキャパシタは5.00pFの値を有すると仮定する。さらに、時刻T=1においてポンプアセンブリ272が通電されると、第1の容量板310および第2の容量板312によって形成されるキャパシタの静電容量の20%の低下を生じさせるのに十分な距離だけ第2の容量板312を下向きに変位させるのに十分な吸引力がチャンバ316内に作り出されると仮定する。従って、第1の容量板310および第2の容量板312によって形成されるキャパシタの新しい値は4.00pFとなる。図5Eに、上述の汲み出しシーケンスの間、第2の容量板312が下向きに変位される図解例が示されている。
【0064】
製品容器254から対応するミクロ成分が引き出されるにつれて、チャンバ318内の吸引力を減少し、第2の容量板312はその元の位置(図5Aに示されるとおりの位置)まで上向きに変位する。第2の容量板312が上向きに変位するにつれて、第2の容量板312と第1の容量板310との間の距離は減少し、その初期値に戻る。従って、第1の容量板310および第2の容量板312によって形成されるキャパシタの静電容量は再び5.00pFとなる。第2の容量板312が上向きに動き、その初期位置に戻っていく際、第2の容量板312の慣性力のために第2の容量板312がその初期位置を通り越し、一瞬の間、第2の容量板312の初期位置(図5Aに示されるとおりの位置)のときより第1の容量板310に近接して配置される。従って、第1の誘導板310および第2の誘導板312によって形成されるキャパシタの静電容量は一瞬の間、5.00pFのその初期値を超えて増大し、その後すぐに5.00pFに安定する。
【0065】
ポンプアセンブリ272がオン・オフのサイクルを繰り返される間の(本例では)5.00pFと4.00pFとの間の静電容量値の上述の変動は、例えば製品容器254が空になるまで続く。例示目的のために、製品容器254は時刻T=5で空になると仮定する。この時点において、第2の容量板312はその元の位置(図5Aに示されるとおりの位置)に戻らなくてもよい。さらに、ポンプアセンブリ272がサイクルを続けるのに従い、第2の容量板312は、(図5Fに示されるように)第2の容量板312がもう変位されることができなくなるまで下向きに引かれ続けてもよい。この時点において、図5Aおよび図5Eに示されるものを超過する、距離「d」の増大の故に、第1の容量板310および第2の容量板312によって形成されるキャパシタの静電容量値は最小静電容量値320まで最小化されてもよい。最小静電容量値320の実際の値は、隔壁アセンブリ314の可撓性に依存して変動する。
【0066】
従って、第1の容量板310および第2の容量板312によって形成されるキャパシタの静電容量値の変動(例えば、絶対変動またはピーク・トゥ・ピーク変動)を監視することによって、例えばポンプアセンブリ272の適切な動作が検証されてもよい。例えば、上述の静電容量値が5.00pFと4.00pFとの間で周期的に変動すれば、静電容量のこの変動は、ポンプアセンブリ272の適切な動作、および製品容器254が空でないことを示す。しかし、上述の静電容量値が変動しない(例えば5.00pFに留まる)場合には、これは、故障したポンプアセンブリ272(例えば、故障した機械構成要素および/または故障した電気構成要素を含むポンプアセンブリ)あるいは詰まったノズル24を示す。
【0067】
さらに、上述の静電容量値が4.00pF未満の点まで(例えば最小静電容量値320まで)低下する場合には、これは、製品容器254が空になっていることを示す。さらに加えて、ピーク・トゥ・ピーク変動が、期待されるよりも小さい(例えば、上述の1.00pFの変動よりも小さい)場合には、これは、製品容器254と静電容量式流量センサ308との間の漏れを示す。
【0068】
第1の容量板310および第2の容量板312によって形成されるキャパシタの静電容量値を求めるために、静電容量計測システム326に(導体322、324を介して)信号が提供されてもよい。静電容量計測システム326の出力は制御論理サブシステム14に提供されてもよい。静電容量計測システム326の例としては、カリフォルニア州サンノゼのサイプレス半導体(Cypress Semiconductor of San Jose, California)によって提供されているCY8C21434−24LFXI PSOCが挙げられ、その設計および動作は、サイプレス半導体によって刊行されている「CSDユーザモジュール(CSD User Module)」の中に記載されており、それは本願明細書において参照によって引用される。静電容量計測回路326は、環境因子(例えば、温度、湿度、および電源電圧の変化)に対する補償を提供するように構成されてもよい。
【0069】
静電容量計測システム326は、静電容量の上述の変動が起きているかどうかを判定するべく、規定の期間にわたって、(第1の容量板310および第2の容量板312で形成されるキャパシタに関する)静電容量の計測を行うように構成される。例えば、静電容量計測システム326は、0.50秒の時間枠にわたって起きる上述の静電容量値の変化を監視するように構成される。従って、この特定の例では、ポンプアセンブリ272が2.00Hzの最小速度で(すなわち、0.50秒毎に少なくとも1回)通電されている限り、上述の静電容量変動のうちの少なくとも1つは各0.50秒計測サイクルの間に静電容量計測システム326によって検知されるはずである。
【0070】
図6Aをも参照すると、配管/制御サブシステム20の概略図が示されている。以下において記載される配管/制御サブシステムは、製品28に加えられる冷やされた炭酸水164の量を、流量制御モジュール170を介して制御するために用いられる配管/制御システムに関連しているが、これはあくまで例示目的のためであり、本開示の限定として意図されるものではない。なぜなら、他の構成も可能であるからである。例えば、以下において記載される配管/制御サブシステムは、例えば、製品28に加えられる冷やされた水166の量を(例えば、流量制御モジュール172を介して)制御するために用いられてもよいし、且つ/または、冷やされた異性化糖168の量を(例えば、流量制御モジュール174を介して)制御するために用いられてもよい。
【0071】
上述されたように、配管/制御サブシステム20は、流量計測デバイス176から流量フィードバック信号182を受信するフィードバックコントローラシステム188を含んでもよい。フィードバックコントローラシステム188は、流量フィードバック信号182を所望の流量体積(制御論理サブシステム14によってデータバス38を介して規定されるとおりのもの)と比較する。流量フィードバック信号182を処理すると、フィードバックコントローラシステム188は、可変管路インピーダンス200に提供される流量制御信号194を生成する。
【0072】
フィードバックコントローラシステム188は、軌跡成形コントローラ350、流量調節器352、フィードフォワードコントローラ354、単位遅延器356、飽和コントローラ358、およびステッパコントローラ360を含み、それらは各々、以下においてより詳細に説明される。
【0073】
軌跡成形コントローラ350は、制御論理サブシステム14からデータバス38を介して制御信号を受信するように構成される。この制御信号は、配管/制御サブシステム20が、製品28内に用いるために流体を送り出すべき様式(本例では、流量制御モジュール170を介して冷やされた炭酸水164を送り出す)のための軌跡を規定する。しかし、制御論理サブシステム14によって提供される軌跡は、例えば流量コントローラ352によって処理されるのに先立って変更される必要がある場合がある。例えば、制御システムは、複数の線区間で構成される制御曲線(すなわち、ステップの変化を含む制御曲線)を処理するのに困難となる傾向がある。例えば、流量調節器352は、制御曲線370を処理するのにてこずる場合がある。なぜなら、それは3つの別個の直線区間、すなわち区間372、374、376、から成るからである。それ故、遷移点(例えば、遷移点378、380)において、詳細には流量コントローラ352(および全体的には配管/制御サブシステム20)は第1の流量から第2の流量に瞬時に変化するように求められることになろう。従って、軌跡成形コントローラ350は制御曲線370にフィルタをかけ、滑らかにされた制御曲線382を形成する。それは、詳細には流量コントローラ352(および全体的には配管/制御サブシステム20)によってより容易に処理される。なぜなら、第1の流量から瞬時の第2の流量への遷移はもはや求められないからである。
【0074】
加えて、軌跡成形コントローラ350はノズル24の充填前濡らしおよび充填後すすぎを可能にしてもよい。実施形態によっては、且つ/または、いくつかのレシピについては、1つ以上の成分が、もし該成分(本願明細書において「汚れ成分(dirty ingreient)」と呼ばれる)がノズル24に直接接触すると、すなわち、それが蓄積される形態で接触すると、ノズル24に対して問題を起こす場合がある。実施形態によっては、これらの「汚れ成分」の、ノズル24との直接接触を防ぐために、ノズル24は、「充填前」成分、例えば水、で充填前濡らしを受けてもよい。ノズル24は、「後洗い液成分」、例えば水、で充填後すすぎを受けてもよい。
【0075】
具体的には、ノズル24が、例えば10mLの水で充填前濡らしを受け、且つ/または汚れ成分の追加が止まると例えば10mLの水もしくは任意の「後洗い液」成分で充填後すすぎを受ける場合には、軌跡成形コントローラ350は、充填前濡らしおよび/または充填後すすぎの間に加えられる前洗い液成分を、充填プロセスの間に追加の量の汚れ成分を供給することによって相殺する。具体的には、容器30に製品28が充填されていく際、充填前すすぎ水または「前洗い液」の故に、製品28は最初、汚れ成分が濃度不足となっている。そこで、軌跡成形コントローラ350は、必要とされるよりも高い流量で汚れ成分を加え、その結果、製品28は、「濃度不足」から「適度な濃度」に遷移し、「濃度超過」、すなわち特定のレシピによって求められるものよりも高い濃度で存在する状態、に遷移する。しかし、適当量の汚れ成分が加えられると、充填後すすぎプロセスで追加の水、または別の適当な「後洗い液成分」を加えることにより、その結果、製品28は再び、汚れ成分で「適度な濃度」になる。
【0076】
流量コントローラ352は比例積分(proportional−integral、PI)ループコントローラとして構成されてもよい。流量コントローラ352は、フィードバックコントローラシステム188によって遂行されるものとして先に大まかに記載された比較および処理を遂行する。例えば、流量コントローラ352は、流量計測デバイス176からフィードバック信号182を受信するように構成される。流量コントローラ352は流量フィードバック信号182を所望の流量体積(制御論理サブシステム14によって規定され、軌跡成形コントローラ350によって変更されるとおりのもの)と比較する。流量フィードバック信号182を処理すると、流量コントローラ352は、可変管路インピーダンス200に提供される流量制御信号194を生成する。
【0077】
フィードフォワードコントローラ354は、可変管路インピーダンス200の初期位置がどうあるべきかに関する、「最も妥当とされる」推定を提供してもよい。具体的には、規定の一定圧力において、可変管路インピーダンスは0.00mL/秒ないし120.00mL/秒の流量(冷やされた炭酸水164のためのもの)を有すると仮定する。さらに、容器30に飲料製品28を充填する際には40mL/秒の流量が望まれると仮定する。それに応じて、フィードフォワードコントローラ354は、可変管路インピーダンス200を最初、その最大開度の33.33%まで開放するフィードフォワード信号を(フィードフォワード線384上に)提供する(可変管路インピーダンス200は線形的に動作すると仮定している)。
【0078】
フィードフォワード信号の値を求める際、フィードフォワードコントローラ354はルックアップテーブル(不図示)を利用してもよい。ルックアップテーブルは実験的に開発してもよく、種々の初期流量のために提供される信号を規定する。このようなルックアップテーブルの例としては以下のテーブルが挙げられる。ただし、これに限定されるものではない:
【0079】
【表1】
【0080】
この場合も先と同様に、容器30に飲料製品28を充填する際には40mL/秒の流量が望まれると仮定すると、例えば、フィードフォワードコントローラ354は上述のルックアップテーブルを利用し、(フィードフォワード線384を用いて)ステッピングモータを60.0度にパルス駆動する。例示的な実施形態ではステッピングモータが用いられるが、種々の他の実施形態では、サーボモータを含む、ただしそれに限定されるものではない、任意の他の種類のモータが用いられてよい。
【0081】
単位遅延器356はフィードバック経路を形成し、それを通じて、前の世代の(可変管路インピーダンス200に提供される)制御信号が流量コントローラ352に提供される。
【0082】
飽和コントローラ358は、可変管路インピーダンス200が(ステッパコントローラ360によって)最大流量に設定されたときは常に、フィードバックコントローラシステム188(該システムは、上述されたように、PIループコントローラとして構成されてもよい)の積分制御を無効にするように構成され、かくして、流量のオーバーシュートおよびシステムの振動を低減することによってシステムの安定性を高める。
【0083】
ステッパコントローラ360は、飽和コントローラ358によって(線386上に)提供される信号を、可変管路インピーダンス200によって利用可能な信号に変換するように構成される。可変管路インピーダンス200は、可変管路インピーダンス200のオリフィスサイズ(および、従って、流量)を調整するためのステッピングモータを含む。従って、制御信号194は、可変管路インピーダンス内に含まれるステッピングモータを制御するように構成される。
【0084】
図6Bをも参照すると、流量制御モジュール170、172、174それぞれの流量計測デバイス176、178、180の例としては、羽根車式流量計測デバイス、タービン式流量計測デバイス、または容積式流量計測デバイス(例えば、歯車式の容積式流量計測デバイス388)が挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。このように、種々の実施形態において、流量計測デバイスは、直接または間接的に流量を計測することができる任意のデバイスである。例示的な実施形態では、歯車式の容積式流量計測デバイス388が用いられる。本実施形態では、流量計測デバイス388は複数の噛み合い歯車(例えば、歯車390、392)を含む。該歯車は、例えば、歯車式の容積式流量計測デバイス388を通過する内容物はいずれも1つ以上の規定の経路(例えば、経路394、396)を進むことを要求し、その結果、例えば、歯車390の反時計回りの回転および歯車392の時計回りの回転を生じさせる。歯車390、392の回転を監視することによって、フィードバック信号(例えば、フィードバック信号182)が生成され、対応する流量コントローラ(例えば、流量コントローラ352)に提供される。
【0085】
図7〜14をも参照すると、流量制御モジュール(例えば、流量制御モジュール170)の種々の例示的な実施形態が示されている。しかし、上述されたように、種々のアセンブリの順番は種々の実施形態において異なってよい。すなわち、アセンブリはいかなる所望の順番で配列されてもよい。例えば、実施形態によっては、アセンブリは以下の順番で配列される:流量計測デバイス、二方弁、可変インピーダンス;一方、他の実施形態では、アセンブリは以下の順番で配列される:流量計測デバイス、可変インピーダンス、二方弁。実施形態によっては、可変インピーダンス上の圧力および流体を維持するかあるいは可変インピーダンス上の圧力を変化させるべく、アセンブリの順番を変えることが望まれる場合がある。実施形態によっては、可変インピーダンス弁はリップシールを含んでもよい。これらの実施形態では、リップシール上の圧力および流体を維持することが望ましい場合がある。これは、アセンブリを以下のように順序付けることによって達成される:流量計測デバイス、可変インピーダンス、および二方弁。可変管路インピーダンスより下流にある二方弁は、リップシールが望ましい密閉を維持するように、可変インピーダンス上の圧力および液体を維持する。
【0086】
まず図7Aおよび7Bを参照すると、流量制御モジュール170aの1つの実施形態が示されている。実施形態によっては、流量制御モジュール170aは全体的には流量計176a、可変管路インピーダンス200aおよび二方弁212aを含み、そこを貫くおおむね直線状の流体流路を有する。流量計176aは、多量成分サブシステム16から多量成分を受け取るための流体入口400を含む。流体入口400は、多量成分を、ハウジング402内に配される複数の相互噛み合い歯車(例えば、歯車390を含む)を含む、歯車式の容積式流量計測デバイス(例えば、先に大まかに記載された歯車式の容積式デバイス388)に伝える。多量成分は流量計176aから流体路404を経由して二方弁212aに進む。
【0087】
二方弁212aは、ソレノイド408によって作動するバンジョー弁406を含んでもよい。バンジョー弁406は、バンジョー弁406を閉鎖位置の方へ位置付けるように(例えば、不図示のばねによって)付勢され、それにより、流量制御モジュール170aを貫く多量成分の流れを妨げる。ソレノイドコイル408は通電され(例えば、制御論理サブシステム14からの制御信号に応答して)、プランジャ410を直線的に駆動し、連結部品412を介してバンジョー弁406を動かし、弁座414との密閉係合から解放し、それにより、二方弁212aを開放して、可変管路インピーダンス200aへの多量成分の流れを許す。
【0088】
上述されたように、可変管路インピーダンス200aは多量成分の流量を調節してもよい。可変管路インピーダンス200aは駆動モータ416を含む。駆動モータとしてはステッピングモータまたはサーボモータが挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。駆動モータ416は全体的に可変インピーダンス弁418に結合される。上述されたように、可変インピーダンス弁418は、例えば、二方弁212aから流体路420を経由して進み、流体吐出口422から出て行く多量成分の流量を制御する。可変インピーダンス弁418の例が米国特許第5,755,683号および米国特許出願公開第2007/0085049号に開示されクレームされており、それらはどちらもその全体が参照により引用されている。図示されてはいないが、駆動モータ416と可変インピーダンス弁418との間にはギアボックスが結合されてもよい。
【0089】
図8および9をも参照すると、全体的には流量計176b、二方弁212bおよび可変管路インピーダンス200bを含む、流量制御モジュール(例えば、流量制御モジュール170b)の別の実施形態が示されている。流量制御モジュール170aと同様に、流量制御モジュール170bは、多量成分を流量計176bに伝える流体入口400を含む。流量計176bは、例えばハウジング部材402内に形成される空洞424内に配される噛み合い歯車390、392を含む。噛み合い歯車390、392および空洞424は空洞424の外辺部のあたりに流れ経路を画定する。多量成分は流量計176bから流体路404を経由して二方弁212bに進む。図示のように、流体入口400および流体路404は、流量計176bに出入りする(すなわち、空洞424に出入りする)90度流路を提供する。
【0090】
二方弁212bは、(例えば、連結部品412を介してばね426によって加えられる付勢力に応答して)弁座414と係合させるバンジョー弁406を含む。ソレノイドコイル408が通電されると、プランジャ410はソレノイドコイル408の方へ引き込まれ、それにより、バンジョー弁406を動かし、弁座414との密閉係合から解放し、それにより、多量成分が可変管路インピーダンス200bに流れることを許す。他の実施形態では、バンジョー弁406は可変管路インピーダンス200bより下流にあってもよい。
【0091】
可変管路インピーダンス200bは全体的には、第1の表面を有する第1の剛性部材(例えば、シャフト428)を含む。シャフト428は、第1の表面に第1の境界を有する第1の流体経路部を画定する。第1の境界は、(例えばシャフト428の)第1の表面上に画定される溝(例えば溝430)を含む。溝430は、第1の表面の曲面の接平面に垂直に、大きい断面積から小さい断面積へとテーパが付いている。ただし、他の実施形態では、シャフト428は、溝430ではなく、穿孔(すなわち、まっすぐなボール形の穴、図15C参照)を含んでもよい。第2の剛性部材(例えば、ハウジング432)が第2の表面(例えば、内部穿孔434)を有する。第2の剛性部材(例えば、ハウジング432)は、第2の表面に第2の境界を有する第2の流体経路部を画定する。第1および第2の剛性部材は、完全開放位置から部分開放位置を連続的に経て閉鎖位置へと互いに対して回転させることができる。例えば、シャフト428は、駆動モータ416(例えば、ステッピングモータまたはサーボモータを含んでもよい)によってハウジング432に対して回転駆動される。第1および第2の表面はそれらの間の空間を画定する。第1および第2の剛性部材が完全開放位置にあるかまたは互いに対する部分開放位置のうちの1つにあるときは、第2の剛性部材(すなわち、ハウジング432)内のアパーチャ(例えば、開口部436)が第1の流体経路部と第2の流体経路部との間の流体接続を提供する。第1の流体経路部と第2の流体経路部との間を流れる流体は溝(すなわち、溝430)およびアパーチャ(すなわち、開口部436)を通って流れる。実施形態によっては、第1の表面と第2の表面との間に少なくとも1つの密閉手段(例えば、不図示のガスケット、Oリングまたは同様のもの)が配されてもよく、第1の剛性部材と第2の剛性部材との間に、流体が空間の外へ漏れることを防ぐためのシールを提供する。該シールは流体が所望の流路から漏れることも防ぐ。しかし、示されているとおりの例示的な実施形態では、この種の密閉手段は用いられない。代わりに、例示的な実施形態では、空間を密閉するためにリップシール429または他の密閉手段が用いられる。
【0092】
流量制御モジュール170、172、174を多量成分サブシステム16および/または下流構成要素、例えばノズル24、に流体結合するために、種々の接続設備が含まれる。例えば、流量制御モジュール170bに関して図8および9に示されるように、ロック板438が案内機構440に対してスライド可能に配されてもよい。流体吐出口422には流体管路(不図示)が少なくとも部分的に挿入され、ロック板438はスライド移動され、流体管路を流体吐出口と係合させてロックする。流体管路と流体吐出口422との間の液密接続を提供するために、種々のガスケット、Oリング、または同様のものが用いられる。
【0093】
図10ないし13は、流量制御モジュール(例えば、それぞれ、流量制御モジュール170c、170d、170eおよび170f)の種々のさらなる実施形態を示す。流量制御モジュール170c、170d、170e、170fは、流体接続部ならびに関連する可変管路インピーダンス200および二方弁212の配向の点で、先に記載された流量制御モジュール170a、170bとは全体的に異なる。例えば、図11および13にそれぞれ示される流量制御モジュール170dおよび170fは、流体を流量計176dおよび176fとやり取りするための、かかりのついた流体接続部442を含む。同様に、流量制御モジュール170cは、流体を可変管路インピーダンス200cとやり取りするための、かかりのついた流体接続部444を含む。種々の追加の/代替の流体接続設備が同等に利用されてもよい。同様に、種々の実装設備および設計基準に適合するために、ソレノイド408の種々の相対配向、およびバンジョー弁406のためのばね付勢の種々の構成が用いられてよい。
【0094】
図14A〜14Cをも参照すると、流量制御モジュールのさらに別の実施形態が示されている(すなわち、流量制御モジュール170g)。流量制御モジュール170gは全体的には、流量計176g、可変管路インピーダンス200g、および二方弁212g(例えば、本願明細書において先に大まかに記載されたとおりの、ソレノイドによって作動するバンジョー弁であってもよい)を含む。図14Cを参照すると、リップシール202gが見える。同様に、図14Cは、流量制御モジュールが、種々の流量制御モジュールアセンブリを保護するカバーを含む1つの例示的な実施形態を示す。示されるすべての実施形態において図示されてはいないが、流量制御モジュールの実施形態は各々同様にカバーを含んでもよい
【0095】
流量制御モジュール(例えば、流量制御モジュール170、172、174)は、多量成分が多量成分サブシステム16から流量計(例えば、流量計176、178、180)に流れ、次に可変管路インピーダンス(例えば、可変管路インピーダンス200、202、204)に流れ、最後に二方弁(例えば、二方弁212、214、216)を通って流れるように構成されるものとして記載されているが、これは本開示に対する限定として解釈されてはならないことに留意されたい。例えば、図7ないし14Cに関して示され、説明されているように、流量制御モジュールは、多量成分サブシステム16から流量計(例えば、流量計176、178、180)に至り、次に二方弁(例えば、二方弁212、214、216)に至り、そして最後に可変管路インピーダンス(例えば、可変管路インピーダンス200、202、204)を通る流路を有するように構成されてもよい。種々の追加の/代替の構成が同等に利用されてよい。加えて、1つ以上の追加の構成要素が流量計、二方弁および可変管路インピーダンスのうちの1つ以上の間に相互接続されてもよい。
【0096】
図15Aおよび15Bを参照すると、可変管路インピーダンス(例えば、可変管路インピーダンス200)の、駆動モータ416(例えば、ステッピングモータ、サーボモータ、または同様のものでもよい)を含む部分が示されている。駆動モータ416は、溝430を内部に有するシャフト428に結合される。次に図15Cを参照すると、実施形態によっては、シャフト428は穿孔を含み、例示的な実施形態では、図15Cに示されるように、穿孔はボール状の穿孔である。例えば、図8および9を参照して説明されたように、駆動モータ416はシャフト428をハウジング(例えばハウジング432)に対して回転させ、可変管路インピーダンスを通る流量を調節してもよい。シャフト428には磁石446が結合されてもよい(例えば、シャフト428内の軸方向開口部内に少なくとも部分的に配されるかもしれない)。磁石446は全体的に直径方向に帯磁し、S極450およびN極452を提供してもよい。シャフト428の回転位置は、例えば、1つ以上の磁束検知デバイス、例えば、図9に示されるセンサ454、456、上の磁石446によって与えられる磁束に基づいて求められてもよい。磁束検知デバイスは、例えば、ホール効果センサ、または同様のものを含んでもよい。ただし、それに限定されるものではない。磁束検知デバイスは、例えば制御論理サブシステム14に、位置フィードバック信号を提供する。
【0097】
再び図15Cを参照すると、実施形態によっては、磁石446は、図8および9に関して先に示され記載されている実施形態とは反対側に設置される。加えて、本実施形態では、磁石446は磁石保持具480によって保持される。
【0098】
磁気位置センサを利用すること(例えば、シャフトの回転位置を求めるために)に加え/その代替として、可変管路インピーダンスは、少なくとも部分的に、モータ位置に基づいて求められてもよいし、またはシャフト位置を検出する光学センサに基づいて求められてもよい。
【0099】
次に図16Aおよび16Bを参照すると、歯車式の容積式流量計測デバイス(例えば、歯車式の容積式流量計測デバイス388)の歯車(例えば、歯車390)は、そこに結合される1つ以上の磁石(例えば、磁石458、460)を含んでもよい。上述されたように、流体(例えば、多量成分)が歯車式の容積式流量計測デバイス388を通って流れるのに従い、歯車390(および歯車392)は回転する。歯車390の回転速度は、歯車式の容積式流量計測デバイス388を通る流体の流量におおむね比例する。歯車390の回転(および/または回転速度)は、磁束センサ(例えば、ホール効果センサ、または同様のもの)を用いて計測され、該磁束センサは、歯車390に結合された軸方向磁石458、460の回転運動を計測してもよい。磁束センサは、例えば、図8に示されるプリント回路板462上に配されてもよく、流量フィードバック信号(例えば、流量フィードバック信号182)を流量フィードバックコントローラシステム(例えば、フィードバックコントローラシステム188)に提供する。
【0100】
図17をも参照すると、ユーザインターフェースサブシステム22の概略図が示されている。ユーザインターフェースサブシステム22は、飲料28に関する種々の選択項目をユーザ26が選択することを可能にするタッチ画面インターフェース500を含んでいる(例示的な実施形態が図51〜53に関して以下に記載される)。例えば、ユーザ26は(「ドリンクサイズ」の列502を用いて)飲料28のサイズを選択することができる。選択可能なサイズの例としては:「12オンス」;「16オンス」;「20オンス」;「24オンス」;「32オンス」;および「48オンス」が挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。
【0101】
ユーザ26は(「ドリンクの種類」の列504を用いて)飲料28の種類を選択することができる。選択可能な種類の例としては:「コーラ」;「レモン−ライム」;「ルートビア」;「アイスティー」;「レモネード」;および「フルーツポンチ」が挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。
【0102】
ユーザ26は、(「添加物」の列506を用いて)飲料28内に含める1つ以上の香料/製品を選択することもできる。選択可能な添加物の例としては:「サクランボフレーバー」;「レモンフレーバー」;「ライムフレーバー」;「チョコレートフレーバー」;「コーヒーフレーバー」;および「アイスクリーム」が挙げられる。ただしそれらに限定されるものではない。
【0103】
さらに、ユーザ26は、(「栄養補助食品」の列508を用いて)飲料28内に含める1つ以上の栄養補助食品を選択することができる。このような栄養補助食品の例としては:「ビタミンA」;「ビタミンB6」;「ビタミンB12」;「ビタミンC」;「ビタミンD」;および「亜鉛」が挙げられる。ただしそれらに限定されるものではない。
【0104】
実施形態によっては、タッチ画面よりも低い高さにある追加の画面が、その画面のための「遠隔制御装置」(不図示)を含んでよい。遠隔制御装置は、例えば、上、下、左および右ならびに選択を示すボタンを含む。ただし、他の実施形態では、追加のボタンが含まれてもよい。
【0105】
ユーザ26が適当な選択を行たなら、ユーザ26は「決定!」ボタン510を選択し、ユーザインターフェースサブシステム22は適当なデータ信号を(データバス32を介して)制御論理サブシステム14に提供する。受信されると、制御論理サブシステム14は記憶サブシステム12から適当なデータを取得し、適当な制御信号を例えば多量成分サブシステム16、ミクロ成分サブシステム18、および配管/制御サブシステム20に提供する。制御信号は、飲料28を用意するべく(先に説明されている方法で)処理される。代替的に、ユーザ26は「取り消し」ボタン512を選択してもよく、タッチ画面インターフェース500はデフォルト状態(例えば、ボタンが何も選択されていない)にリセットされてもよい。
【0106】
ユーザインターフェースサブシステム22はユーザ26との双方向通信を可能にするように構成されてもよい。例えば、ユーザインターフェースサブシステム22は、処理システム10がユーザ26に情報を提供することを可能にする情報画面514を含んでもよい。ユーザ26に提供される情報の種類の例としては、広告、システム異常/警告に関する情報、および種々の製品の値段に関する情報が挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。
【0107】
上述されたように、制御論理サブシステム14は、処理システム10の動作を制御する1つ以上の制御プロセス120を実行する。従って、制御論理サブシステム14は有限状態機械プロセス(例えば、FSMプロセス122)を実行する。
【0108】
先にも説明されたように、処理システム10の使用中、ユーザ26は、ユーザインターフェースサブシステム22を用いて、(容器30内に)分配するための特定の飲料28を選択する。ユーザインターフェースサブシステム22を介して、ユーザ26は、こうした飲料内に含める1つ以上の選択項目を選択する。ユーザインターフェースサブシステム22を介してユーザ26が適当な選択を行うと、ユーザインターフェースサブシステム22は、(飲料28に関する)ユーザ26の選択および好みを示す適当な指示を制御論理サブシステム14に送信する。
【0109】
選択を行う際、ユーザ26は、本質的に、2つの独立した別個のレシピの組み合わせであり、複数構成要素製品を製造する複数部分レシピを選択してよい。例えば、ユーザ26はルートビアフロートを選択してよい。それは本質的に、2つの独立した別個の構成要素(すなわちバニラアイスクリームおよびルートビアソーダ)の組み合わせである複数部分レシピである。さらなる例として、ユーザ26は、コーラおよびコーヒーの組み合わせである飲み物を選択してよい。このコーラ/コーヒーの組み合わせは本質的に、2つの独立した別個の構成要素(すなわちコーラソーダおよびコーヒー)の組み合わせである。
【0110】
図18をも参照すると、上述の指示を受信すると(550)、FSMプロセス122は指示を処理し(552)、製造される製品(例えば、飲料28)は複数構成要素製品かどうかを判定する。
【0111】
製造される製品が複数構成要素製品であれば(554)、FSMプロセス122は、複数構成要素製品の構成要素の各々を製造するために必要なレシピ(単数または複数)を特定する(556)。特定されるレシピ(単数または複数)は、図1に示される記憶サブシステム12上に維持されている複数のレシピ36から選ばれる。
【0112】
製造される製品が複数構成要素製品でなければ(554)、FSMプロセス122は、製品を製造するための単一のレシピを特定する(558)。単一のレシピは、記憶サブシステム12上に維持されている複数のレシピ36から選ばれてもよい。従って、受信され(550)、処理された(552)指示が、レモン−ライムソーダを定義する指示であったなら、これは複数構成要素製品ではないので、FSMプロセス122は、レモン−ライムソーダを製造するために必要な単一のレシピを特定する(558)。
【0113】
指示が複数構成要素製品に関連していれば(554)、記憶サブシステム12上に維持されている複数のレシピ36から選ばれる対応するレシピ群を特定すると(556)、FSMプロセス122はレシピ群の各々を解析して(560)、複数の離散的状態に分解し、1つ以上の状態遷移を定義する。次に、FSMプロセス122は、複数の離散的状態の少なくとも一部を用いて、(各レシピのための)少なくとも1つの有限状態機械を定義する(562)。
【0114】
指示が複数構成要素製品に関連していなければ(554)、記憶サブシステム12上に維持されている複数のレシピ36から選ばれる対応するレシピを特定すると(558)、FSMプロセス122はレシピを解析して(564)、複数の離散的状態に分解し、1つ以上の状態遷移を定義する。次に、FSMプロセス122は、複数の離散的状態の少なくとも一部を用いて、レシピのための少なくとも1つの有限状態機械を定義する(566)。
【0115】
当技術分野において周知のように、有限状態機械(FSM)とは、有限数の状態、それらの状態間の遷移、および/または動作で構成される、振る舞いのモデルである。例えば、図19をも参照すると、完全に開放されているかまたは完全に閉鎖されているかのどちらかであり得る物理的な戸口のための有限状態機械を定義する場合には、有限状態機械は2つの状態、すなわち“開放”状態570および“閉鎖”状態572、を含む。加えて、一方の状態から他方の状態への遷移を可能にする2つの遷移が定義されてもよい。例えば、遷移状態574は扉を「開放し」(かくして“閉鎖”状態572から「開放」状態570に遷移する)、遷移状態576は扉を「閉鎖する」(かくして“開放”状態570から“閉鎖”状態572に遷移する)。
【0116】
図20をも参照すると、コーヒーが抽出される方法に関する状態図600が示されている。状態図600は5つの状態、すなわち:アイドル状態602;抽出準備完了状態604;抽出状態605;温度維持状態608;およびオフ状態610を含むように示されている。加えて、5つの遷移状態が示されている。例えば、遷移状態612(例えば、コーヒーフィルタを装着する、コーヒーの粉を入れる、コーヒーメーカに水を充填する)はアイドル状態602から抽出準備完了状態604に遷移する。遷移状態614(例えば、抽出ボタンを押す)は抽出準備完了状態604から抽出状態606に遷移する。遷移状態616(例えば、水の供給を使い果たす)は抽出状態606から温度維持状態608に遷移する。遷移状態618(例えば、電源スイッチを切るかまたは最大「温度維持」時間を超える)は温度維持状態608からオフ状態610に遷移する。遷移状態620(例えば、電源スイッチを入れる)はオフ状態610からアイドル状態602に遷移する。
【0117】
従って、FSMプロセス122は、製品を製造するために利用されるレシピ(またはその一部)に対応する1つ以上の有限状態機械を作り出す。適当な有限状態機械が作り出されると、制御論理サブシステム14は有限状態機械(単数または複数)を実行し、例えばユーザ26によって要求された製品(例えば、複数構成要素または単一構成要素)を生成する。
【0118】
従って、処理システム10は、ユーザ26がルートビアフロートを選択したとの指示を(ユーザインターフェースサブシステム22を介して)受信する(550)と仮定する。FSMプロセス122は指示を処理し(552)、ルートビアフロートは複数構成要素製品であるかどうかを判定する(554)。ルートビアフロートは複数構成要素製品であるから、FSMプロセス122はルートビアフロートを製造するために必要なレシピ(すなわちルートビアソーダのためのレシピおよびバニラアイスクリームのためのレシピ)を特定し(556)、ルートビアソーダのためのレシピおよびバニラアイスクリームのためのレシピを解析して(560)、複数の離散的状態に分解し、1つ以上の状態遷移を定義する。次に、FSMプロセス122は複数の離散的状態の少なくとも一部を用いて、(各レシピのための)少なくとも1つの有限状態機械を定義する(562)。その後、これらの有限状態機械は制御論理サブシステム14によって実行され、ユーザ26によって選択されたルートビアフロートを製造する。
【0119】
レシピに対応する状態機械を実行する際、処理システム10は、処理システム10内に含まれる1つ以上のマニホールド(不図示)を利用してもよい。本開示において用いられるように、マニホールドとは、1つ以上のプロセスの実行を可能にするように設計された一時貯蔵エリアである。マニホールドに出入りする成分の動きを容易にするために、処理システム10は、マニホールド間の成分の移動を容易にするための複数の弁(例えば、制御論理サブシステム14によって制御可能な弁)を含んでもよい。各種のマニホールドの例としては:混合マニホールド、ブレンディングマニホールド、粉砕マニホールド、加熱マニホールド、冷却マニホールド、冷凍マニホールド、浸漬マニホールド、ノズル、圧力マニホールド、真空マニホールド、および揺動マニホールドが挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。
【0120】
例えば、コーヒーを作る際には、粉砕マニホールドがコーヒー豆を挽く。豆が挽かれると、加熱マニホールドに水が供給され、その中で水160は所定の温度(例えば212°F(100°C))まで加熱される。水が加熱されると、加熱された水(加熱マニホールドによって製造されたもの)は、挽かれたコーヒー豆(粉砕マニホールドによって製造されたもの)を通して濾される。加えて、処理システム10がどのように構成されているかに依存して、処理システム10は、別のマニホールド内でまたはノズル24において、製造されたコーヒーにクリームおよび/または砂糖を加えてもよい。
【0121】
それ故、複数部分レシピの各部分は、処理システム10内に含まれる異なるマニホールド内で実行されてよい。従って、複数構成要素レシピの各構成要素は、処理システム10内に含まれる異なるマニホールド内で製造されてよい。上述の例を続け、複数構成要素製品の第1の構成要素(すなわち、ルートビアソーダ)は、処理システム10内に含まれる混合マニホールド内で製造されてもよい。さらに、複数構成要素製品の第2の構成要素(すなわち、バニラアイスクリーム)は、処理システム10内に含まれる冷凍マニホールド内で製造されてもよい。
【0122】
上述されたように、制御論理サブシステム14は、処理システム10の動作を制御する1つ以上の制御プロセス120を実行してもよい。従って、制御論理サブシステム14は仮想機械プロセス124を実行してもよい。
【0123】
同様に上述されたように、処理システム10の使用中、ユーザ26は、ユーザインターフェースサブシステム22を用いて、(容器30内に)分配する特定の飲料28を選択してもよい。ユーザインターフェースサブシステム22を介して、ユーザ26は、こうした飲料内に含める1つ以上の選択項目を選択してもよい。ユーザインターフェースサブシステム22を介してユーザ26が適当な選択を行うと、ユーザインターフェースサブシステム22は適当な命令を制御論理サブシステム14に送信する。
【0124】
選択を行う際、ユーザ26は、本質的に、複数構成要素製品を製造する2つの独立した別個のレシピの組み合わせである複数部分レシピを選択してよい。例えば、ユーザ26はルートビアフロートを選択してよい。それは本質的に、2つの独立した別個の構成要素(すなわちバニラアイスクリームおよびルートビアソーダ)の組み合わせである複数部分レシピである。さらなる例として、ユーザ26は、コーラおよびコーヒーの組み合わせである飲み物を選択してよい。このコーラ/コーヒーの組み合わせは本質的に、2つの独立した別個の構成要素(すなわちコーラソーダおよびコーヒー)の組み合わせである。
【0125】
図21をも参照すると、上述の命令を受信すると(650)、仮想機械プロセス124はこれらの命令を処理し(652)、製造される製品(例えば、飲料28)は複数構成要素製品かどうかを判定する。
【0126】
製造される製品が複数構成要素製品であれば(654)、仮想機械プロセス124は、複数構成要素製品の第1の構成要素を製造するための第1のレシピおよび複数構成要素製品の少なくとも第2の構成要素を製造するための少なくとも第2のレシピを特定する(656)。第1および第2のレシピは、記憶サブシステム12上に維持されている複数のレシピ36から選ばれる。
【0127】
製造される製品が複数構成要素製品でなければ(654)、仮想機械プロセス124は、製品を製造するための単一のレシピを特定する(658)。単一のレシピは、記憶サブシステム12上に維持されている複数のレシピ36から選ばれる。従って、受信された(650)命令が、レモン−ライムソーダに関する命令であったなら、これは複数構成要素製品ではないので、仮想機械プロセス124は、レモン−ライムソーダを製造するために必要な単一のレシピを特定する(658)。
【0128】
記憶サブシステム12上に維持されている複数のレシピ36からレシピ(単数または複数)を特定すると(656、658)、制御論理サブシステム14はレシピ(単数または複数)を実行し(660、662)、適当な制御信号を(データバス38を介して)例えば多量成分サブシステム16、ミクロ成分サブシステム18および配管/制御サブシステム20に提供し、その結果、飲料28が製造されることとなる(飲料28は容器30内に分配される)。
【0129】
従って、処理システム10は、ルートビアフロートを作る命令を(ユーザインターフェースサブシステム22を介して)受信すると仮定する。仮想機械プロセス124はこれらの命令を処理し(652)、ルートビアフロートは複数構成要素製品であるかどうかを判定する(654)。ルートビアフロートは複数構成要素製品であるので、仮想機械プロセス124はルートビアフロートを製造するために必要なレシピ(すなわちルートビアソーダのためのレシピおよびバニラアイスクリームのためのレシピ)を特定し(656)、ルートビアソーダおよびバニラアイスクリームを(それぞれ)製造するレシピを両方とも実行する(660)。これらの製品が製造されると、処理システム10は個々の製品(すなわちルートビアソーダおよびバニラアイスクリーム)を組み合わせ、ユーザ26によって要求されたルートビアフロートを製造する。
【0130】
レシピを実行する際、処理システム10は、処理システム10内に含まれる1つ以上のマニホールド(不図示)を利用してもよい。本開示において用いられるように、マニホールドとは、1つ以上のプロセスの実行を可能にするように設計された一時貯蔵エリアである。マニホールドに出入りする成分の動きを容易にするために、処理システム10は、マニホールド間の成分の移動を容易にするための複数の弁(例えば、制御論理サブシステム14によって制御可能な弁)を含んでもよい。各種のマニホールドの例としては:混合マニホールド、ブレンディングマニホールド、粉砕マニホールド、加熱マニホールド、冷却マニホールド、冷凍マニホールド、浸漬マニホールド、ノズル、圧力マニホールド、真空マニホールド、および揺動マニホールドが挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。
【0131】
例えば、コーヒーを作る際には、粉砕マニホールドがコーヒー豆を挽く。豆が挽かれると、加熱マニホールドに水が供給され、その中で水160は所定の温度(例えば212°F(100°C))まで加熱される。水が加熱されると、加熱された水(加熱マニホールドによって製造されたもの)は、挽かれたコーヒー豆(粉砕マニホールドによって製造されたもの)を通して濾される。加えて、処理システム10がどのように構成されているかに依存して、処理システム10は、別のマニホールド内でまたはノズル24において、製造されたコーヒーにクリームおよび/または砂糖を加えてもよい。
【0132】
それ故、複数部分レシピの各部分は、処理システム10内に含まれる異なるマニホールド内で実行されてよい。従って、複数構成要素レシピの各構成要素は、処理システム10内に含まれる異なるマニホールド内で製造されてよい。上述の例を続け、複数部分レシピの第1の部分(すなわち、ルートビアソーダを作るために処理システム10によって利用される1つ以上のプロセス)は、処理システム10内に含まれる混合マニホールド内で実行されてもよい。さらに、複数部分レシピの第2の部分(すなわち、バニラアイスクリームを作るために処理システム10によって利用される1つ以上のプロセス)は、処理システム10内に含まれる冷凍マニホールド内で実行されてもよい。
【0133】
上述されたように、処理システム10の使用中、ユーザ26は、ユーザインターフェースサブシステム22を用いて、(容器30内に)分配する特定の飲料28を選択してもよい。ユーザインターフェースサブシステム22を介して、ユーザ26は、こうした飲料内に含める1つ以上の選択項目を選択してもよい。ユーザインターフェースサブシステム22を介してユーザ26が適当な選択を行うと、ユーザインターフェースサブシステム22は適当なデータ信号を(データバス32を介して)制御論理サブシステム14に送信する。制御論理サブシステム14はこれらのデータ信号を処理し、記憶サブシステム12上に維持されている複数のレシピ36から選ばれる1つ以上のレシピを(データバス34を介して)取得する。記憶サブシステム12からレシピ(単数または複数)を取得すると、制御論理サブシステム14はレシピ(単数または複数)を処理し、適当な制御信号を(データバス38を介して)例えば多量成分サブシステム16、ミクロ成分サブシステム18および配管/制御サブシステム20に提供し、その結果、飲料28が製造されることとなる(飲料28は容器30内に分配される)。
【0134】
ユーザ26が選択を行う際、ユーザ26は、本質的に、2つの独立した別個のレシピの組み合わせである複数部分レシピを選択してよい。例えば、ユーザ26はルートビアフロートを選択してよく、それは本質的に、2つの独立した別個のレシピ(すなわちバニラアイスクリームおよびルートビアソーダ)の組み合わせである複数部分レシピである。さらなる例として、ユーザ26は、コーラおよびコーヒーの組み合わせである飲み物を選択してよい。このコーラ/コーヒーの組み合わせは本質的に、2つの独立した別個のレシピ(すなわちコーラソーダおよびコーヒー)の組み合わせである。
【0135】
従って、処理システム10は、ルートビアフロートを作製せよとの命令を(ユーザインターフェースサブシステム22を介して)受信し、ルートビアフロートのためのレシピは複数部分レシピであることを知っていると仮定すると、処理システム10は単に、ルートビアソーダのための単独のレシピを入手し、バニラアイスクリームのための単独のレシピを入手し、ルートビアソーダおよびバニラアイスクリームを(それぞれ)製造するためのレシピを両方とも実行する。これらの製品が製造されると、処理システム10は個々の製品(すなわちルートビアソーダおよびバニラアイスクリーム)を組み合わせ、ユーザ26によって要求されたルートビアフロートを製造する。
【0136】
レシピを実行する際、処理システム10は、処理システム10内に含まれる1つ以上のマニホールド(不図示)を利用してもよい。本開示において用いられるように、マニホールドとは、1つ以上のプロセスの実行を可能にするように設計された一時貯蔵エリアである。マニホールドに出入りする成分の動きを容易にするために、処理システム10は、マニホールド間の成分の移動を容易にするための複数の弁(例えば、制御論理サブシステム14によって制御可能な弁)を含んでもよい。各種のマニホールドの例としては:混合マニホールド、ブレンディングマニホールド、粉砕マニホールド、加熱マニホールド、冷却マニホールド、冷凍マニホールド、浸漬マニホールド、ノズル、圧力マニホールド、真空マニホールド、および揺動マニホールドが挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。
【0137】
例えば、コーヒーを作る際には、粉砕マニホールドがコーヒー豆を挽けばよい。豆が挽かれると、加熱マニホールドに水が供給され、その中で水160は所定の温度(例えば212°F(100°C))まで加熱される。水が加熱されると、加熱された水(加熱マニホールドによって製造されたもの)は、挽かれたコーヒー豆(粉砕マニホールドによって製造されたもの)を通して濾される。加えて、処理システム10がどのように構成されているかに依存して、処理システム10は、別のマニホールド内でまたはノズル24において、製造されたコーヒーにクリームおよび/または砂糖を加えてもよい。
【0138】
上述されたように、制御論理サブシステム14は、処理システム10の動作を制御する1つ以上の制御プロセス120を実行してもよい。従って、制御論理サブシステム14は仮想マニホールドプロセス126を実行してもよい。
【0139】
図22をも参照すると、仮想マニホールドプロセス126は例えば、処理システム10上で実行されている複数部分レシピの第1の部分の間に行われる1つ以上のプロセスを監視し(680)、少なくとも該1つ以上のプロセスの部分に関するデータを得る。例えば、複数部分レシピは、(上述されたように)本質的に、記憶サブシステム12上に維持されている複数のレシピ36から選ばれる2つの独立した別個のレシピ(すなわちルートビアソーダおよびバニラアイスクリーム)の組み合わせであるルートビアフロートの作製に関連すると仮定する。従って、複数部分レシピの第1の部分は、ルートビアソーダを作るために処理システム10によって利用される1つ以上のプロセスと考えられる。さらに、複数部分レシピの第2の部分は、バニラアイスクリームを作るために処理システム10によって利用される1つ以上のプロセスと考えられる。
【0140】
これらの複数部分レシピの各部分は、処理システム10内に含まれる異なるマニホールド内で実行されてもよい。例えば、複数部分レシピの第1の部分(すなわち、ルートビアソーダを作るために処理システム10によって利用される1つ以上のプロセス)は、処理システム10内に含まれる混合マニホールド内で実行されてもよい。さらに、複数部分レシピの第2の部分(すなわち、バニラアイスクリームを作るために処理システム10によって利用される1つ以上のプロセス)は、処理システム10内に含まれる冷凍マニホールド内で実行されてもよい。上述されたように、処理システム10は複数のマニホールドを含んでもよく、その例としては:混合マニホールド、ブレンディングマニホールド、粉砕マニホールド、加熱マニホールド、冷却マニホールド、冷凍マニホールド、浸漬マニホールド、ノズル、圧力マニホールド、真空マニホールド、および揺動マニホールドが挙げられる。ただしそれらに限定されるものではない。
【0141】
従って、仮想マニホールドプロセス126は、ルートビアソーダを作るために処理システム10によって利用されるプロセスを監視し(680)(またはバニラアイスクリームを作るために処理システム10によって利用されるプロセスを監視し)、それにより、これらのプロセスに関するデータを得る。
【0142】
得られるデータの種類の例としては成分データおよび処理データが挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。
【0143】
成分データは、複数部分レシピの第1の部分の間に用いられる成分のリストを含む。ただし、それに限定されるものではない。例えば、複数部分レシピの第1の部分が、ルートビアソーダを作ることに関連していると、成分のリストは:規定量のルートビア香料、規定量の炭酸水、規定量の非炭酸水、および規定量の異性化糖を含む。
【0144】
処理データは、成分に対して遂行されるプロセスの順序のリストを含む。ただし、それに限定されるものではない。例えば、処理システム10内のマニホールド内に規定量の炭酸水が投入され始める。マニホールドに炭酸水を充填する間に、規定量のルートビア香料、規定量の異性化糖、および規定量の非炭酸水もマニホールド内に投入される。
【0145】
得られたデータの少なくとも一部は(例えば、一時的または恒久的に)記憶される(682)。さらに、仮想マニホールドプロセス126は、例えば、複数部分レシピの第2の部分の間に行われる1つ以上のプロセスによる、後の利用のために、この記憶されたデータの利用可能性を有効にする(684)。得られたデータを記憶する際(682)、仮想マニホールドプロセス126は、得られたデータを後の診断目的のために不揮発性メモリシステム(例えば、記憶サブシステム12)内にアーカイブしてもよい(686)。このような診断目的の例としては、処理システム10用の消耗品を購入する購入計画を立てるために、保守技術員が成分の消費特性を調べることを可能にすることが挙げられる。代替的に/加えて、得られたデータを記憶する際(682)、仮想マニホールドプロセス126は、得られたデータを揮発性メモリシステム(例えば、ランダムアクセスメモリ104)に一時的に書き込んでもよい(688)。
【0146】
得られたデータの利用可能性を有効にする際(684)、仮想マニホールドプロセス126は、得られたデータ(またはその一部)を、複数部分レシピの第2の部分の間に行われている(または行われることになる)1つ以上のプロセスに転送してもよい(690)。上述の例を続ける。本例では、複数部分レシピの第2の部分は、バニラアイスクリームを作るために処理システム10によって利用される1つ以上のプロセスに関連しているが、仮想マニホールドプロセス126は、得られたデータ(またはその一部)が、バニラアイスクリームを作るために利用される1つ以上のプロセスに対して利用可能になることを有効にする(684)。
【0147】
上述のルートビアフロートを作るために利用されるルートビア香料は相当な量のバニラ香料で風味付けされると仮定する。さらに、バニラアイスクリームを作る際にも、相当な量のバニラ香料が用いられると仮定する。仮想マニホールドプロセス126は、得られたデータ(例えば、成分および/またはプロセスデータ)の、制御論理サブシステム(すなわち、バニラアイスクリームを作るために利用される1つ以上のプロセスをうまく組み合わせるサブシステム)に対する利用可能性を有効にするので(684)、このデータを調べたならば、制御論理サブシステム14は、バニラアイスクリームを作るために利用される成分を改変する。具体的には、制御論理サブシステム14は、ルートビアフロート内のバニラ香料の過多を回避するべく、バニラアイスクリームを作るために利用されるバニラ香料の量を減らしてもよい。
【0148】
加えて、得られたデータの、後に実行されるプロセスに対する利用可能性を有効にすることによって(684)、もし後に実行されるプロセスに対してデータが利用可能とされていなければ不可能であることが分かるであろう手順が遂行されてもよい。上述の例を続け、消費者は、10.0mLを超えるバニラ香料を一杯分に含む製品はどれも好まない傾向があると経験的に判断されていると仮定する。さらに、ルートビアフロート用のルートビアソーダを作るために利用されるルートビア香料内には8.0mLのバニラ香料が含まれ、ルートビアフロートを作るために利用されるバニラアイスクリームを作るためにもまた8.0mLのバニラ香料が利用されると仮定する。従って、これらの2つの製品(ルートビアソーダおよびバニラアイスクリーム)が組み合わせられれば、最終製品は16.0mLのバニラ香料(経験的に規定された上限10.0mLの規則を超える)で風味付けされてしまうことになろう。
【0149】
それ故、ルートビアソーダのための成分データが記憶されておらず(682)、このような記憶されたデータの利用可能性が仮想マニホールドプロセス126によって有効にされていなければ(684)、ルートビアソーダは8.0mLのバニラ香料を包含するという事実は失われてしまうことになり、16.0mLのバニラ香料を包含する最終製品が製造されてしまうことになろう。それ故、この得られて記憶された(682)データは、望ましくない効果(例えば、不所望の風味特性、不所望の外観特性、不所望の匂い特性、不所望のテクスチャ特性、および栄養補助食品の最大推奨用量を超えてしまうこと)の発生を回避する(または低減する)ために利用される。
【0150】
この得られたデータを利用できるおかげで、後のプロセスも調整されることが可能になる。例えば、バニラアイスクリームを作るために利用される塩の量は、ルートビアソーダを作るために利用される炭酸水の量に依存して変動すると仮定する。この場合も先と同様に、ルートビアソーダのための成分データが記憶されておらず(682)、このような記憶されたデータの利用可能性が仮想マニホールドプロセス126によって有効にされていなければ(684)、ルートビアソーダを作るために用いられる炭酸水の量は失われることになり、アイスクリームを作るために利用される塩の量を調整する能力は損なわれてしまう場合がある。
【0151】
上述されたように、仮想マニホールドプロセス126は、例えば処理システム10上で実行されている複数部分レシピの第1の部分の間に行われる1つ以上のプロセスを監視し(680)、少なくとも該1つ以上のプロセスの部分に関するデータを得る。監視される(680)1つ以上のプロセスは、処理システム10の単一のマニホールド内で実行されるものであってもよいし、または処理システム10の単一のマニホールド内で実行される複数部分手順の単一の部分を代表するものであってもよい。
【0152】
例えば、ルートビアソーダを作る際には、4つの入口(例えば、1つはルートビア香料用、1つは炭酸水用、1つは非炭酸水用、および1つは異性化糖用)、ならびに1つの出口(ルートビアソーダはすべて、単一の二次マニホールドに供給されるため)を有する単一のマニホールドが用いられる。
【0153】
しかし、もし、1つの出口を有する代わりに、マニホールドが2つの出口を有するならば(一方は他方の4倍の流量を有する)、仮想マニホールドプロセス126は、このプロセスは、同じマニホールド内で同時に実行される2つの独立した別個の部分を含むと見なしてもよい。例えば、全成分の80%は、ルートビアソーダの総量の80%を製造するべく混ぜ合わせられ;一方、全成分の残りの20%は、ルートビアソーダの20%を製造するべく(同じマニホールド内で)同時に混ぜ合わせられる。従って、仮想マニホールドプロセス126は、第1の部分(すなわち、80%の部分)に関して得られたデータを、ルートビアソーダの80%を利用する下流プロセスが利用できることを可能にし(684)、第2の部分(すなわち、20%の部分)に関して得られたデータを、ルートビアソーダの20%を利用する下流プロセスが利用できることを可能にする(684)。
【0154】
加えて/代替的に、処理システム10の単一のマニホールド内で実行される複数部分手順の単一の部分は、複数の個別のプロセスを実行する単一のマニホールド内で行われる1つのプロセスを示すものであってもよい。例えば、冷凍マニホールド内でバニラアイスクリームを作る際には、個々の成分が投入され、混合され、さらに凍るまで温度が下げられる。従って、バニラアイスクリームを作るプロセスは成分投入プロセス、成分混合プロセス、および成分冷凍プロセスを含み、それらは各々、仮想マニホールドプロセス126によって個々に監視される(680)。
【0155】
上述されたように、(ミクロ成分サブシステム18および配管/制御サブシステム20の)製品モジュールアセンブリ250は、複数の製品容器252、254、256、258を解放可能に係合させるように構成される複数のスロットアセンブリ260、262、264、266を含む。残念ながら、処理システム10の整備をして製品容器252、254、256、258を再充填する際に、製品容器を製品モジュールアセンブリ250の間違ったスロットアセンブリ内に装着してしまう恐れがある場合がある。このようなミスが、1つ以上のポンプアセンブリ(例えば、ポンプアセンブリ270、272、274、276)および/または1つ以上のチューブ管アセンブリ(例えば、チューブ管束304)が1つ以上のミクロ成分で汚染される結果を招いてしまう場合がある。例えば、ルートビア香料(すなわち、製品容器256内に包含されるミクロ成分)は非常に強い味を有するので、例えば、ルートビア香料を配分するために一度、特定のポンプアセンブリ/チューブ管アセンブリが用いられれば、それはもはや、より弱い味を有するミクロ成分(例えば、レモン−ライム香料、アイスティー香料、およびレモネード香料)を配分するために用いられることはできない。
【0156】
加えて、上述されたように、製品モジュールアセンブリ250は、ブラケットアセンブリ282を解放可能に係合させるように構成される。それ故、処理システム10が複数の製品モジュールアセンブリおよび複数のブラケットアセンブリを含む場合には、処理システム10の整備をする際に、製品モジュールアセンブリを間違ったブラケットアセンブリ上に装着してしまう恐れがある場合がある。残念ながら、こうしたミスも、1つ以上のポンプアセンブリ(例えば、ポンプアセンブリ270、272、274、276)および/または1つ以上のチューブ管アセンブリ(例えば、チューブ管束304)が1つ以上のミクロ成分で汚染される結果を招いてしまう場合がある。
【0157】
従って、処理システム10は、処理システム10内における製品容器および製品モジュールの適切な搭載を確実にするために、RFIDベースのシステムを含んでもよい。図23および24をも参照すると、処理システム10は、処理システム10の製品モジュールアセンブリ250上に配置されるRFIDアンテナアセンブリ702を含むRFIDシステム700を含む。
【0158】
上述されたように、製品モジュールアセンブリ250は、少なくとも1つの製品容器(例えば、製品容器258)を解放可能に係合させるように構成される。RFIDシステム700は、製品容器258上に配置される(例えばそこに取り付けられる)RFIDタグアセンブリ704を含む。製品モジュールアセンブリ250が製品容器(例えば、製品容器258)を解放可能に係合させると常に、RFIDタグアセンブリ704は、例えば、RFIDアンテナアセンブリ702の上方検出域706内に配置される。従って、本例では、製品容器258が製品モジュールアセンブリ250内に配置されると(すなわちそれを解放可能に係合させると)常に、RFIDタグアセンブリ704はRFIDアンテナアセンブリ702によって検出されるはずである。
【0159】
上述されたように、製品モジュールアセンブリ250は、ブラケットアセンブリ282を解放可能に係合させるように構成される。RFIDシステム700は、ブラケットアセンブリ282上に配置される(例えばそこに取り付けられる)RFIDタグアセンブリ708をさらに含む。ブラケットアセンブリ282が製品モジュールアセンブリ250を解放可能に係合させると常に、RFIDタグアセンブリ708は、例えば、RFIDアンテナアセンブリ702の下方検出域710内に配置される。
【0160】
従って、RFIDアンテナアセンブリ702およびRFIDタグアセンブリ704、708を用いて、RFIDシステム700は、種々の製品容器(例えば、製品容器252、254、256、258)は製品モジュールアセンブリ250内に適切に配置されているか否かを判定することができる。さらに、RFIDシステム700は、製品モジュールアセンブリ250は処理システム10内に適切に配置されているか否かを判定することができる。
【0161】
RFIDシステム700は1つのRFIDアンテナアセンブリおよび2つのRFIDタグアセンブリを含むように示されているが、これはあくまで例示目的のためであり、本開示の限定として意図されるものではない。なぜなら、他の構成が可能であるからである。具体的には、RFIDシステム700の典型的な構成は、製品モジュールアセンブリ250の各スロットアセンブリ内に配置されるRFIDアンテナアセンブリを1つ含む。例えば、RFIDシステム700は、製品モジュールアセンブリ250内に配置されるRFIDアンテナアセンブリ712、714、716を追加的に含んでもよい。従って、RFIDアンテナアセンブリ702は、(製品モジュールアセンブリ250の)スロットアセンブリ266に製品容器が挿入されているかどうかを判定し;RFIDアンテナアセンブリ712は、(製品モジュールアセンブリ250の)スロットアセンブリ264に製品容器が挿入されているかどうかを判定し;RFIDアンテナアセンブリ714は、(製品モジュールアセンブリ250の)スロットアセンブリ262に製品容器が挿入されているかどうかを判定し;さらに、RFIDアンテナアセンブリ716は、(製品モジュールアセンブリ250の)スロットアセンブリ260に製品容器が挿入されているかどうかを判定してもよい。さらに、処理システム10は複数の製品モジュールアセンブリを含むので、これらの製品モジュールアセンブリの各々は、特定の製品モジュールアセンブリにどの製品容器が挿入されているかを判定するために1つ以上のRFIDアンテナアセンブリを含む。
【0162】
上述されたように、RFIDアンテナアセンブリ702の下方検出域710内におけるRFIDタグアセンブリの存在を監視することによって、RFIDシステム700は、製品モジュールアセンブリ250が処理システム10内に適切に配置されているかどうかを判定することができる。従って、RFIDアンテナアセンブリ702、712、714、716はいずれも、ブラケットアセンブリ282に取り付けられた1つ以上のRFIDタグアセンブリを読み取るために利用される。例示目的のために、製品モジュールアセンブリ282は単一のRFIDタグアセンブリ708のみを含むように示されている。しかし、これはあくまで例示目的のためであり、本開示の限定として意図されるものではない。なぜなら、他の構成が可能であるからである。例えば、ブラケットアセンブリ282は、複数のRFIDタグアセンブリ、すなわち、RFIDアンテナアセンブリ712によって読み取られるためのRFIDタグアセンブリ718(仮想線で図示);RFIDアンテナアセンブリ714によって読み取られるためのRFIDタグアセンブリ720(仮想線で図示);およびRFIDアンテナアセンブリ716によって読み取られるためのRFIDタグアセンブリ722(仮想線で図示)、を含んでもよい。
【0163】
RFIDタグアセンブリ(例えば、RFIDタグアセンブリ704、708、718、720、722)のうちの1つ以上は、受動的なRFIDタグアセンブリ(例えば、電源を必要としないRFIDタグアセンブリ)であってよい。加えて、RFIDタグアセンブリ(例えば、RFIDタグアセンブリ704、708、718、720、722)のうちの1つ以上は、RFIDシステム700がRFIDタグアセンブリにデータを書き込んでよいという点で、書き込み可能なRFIDタグアセンブリであってもよい。RFIDタグアセンブリ内に記憶可能なデータの種類の例としては:製品容器のための数量識別子、製品容器のための製造日識別子、製品容器のための廃棄日識別子、製品容器のための成分識別子、製品モジュール識別子、およびブラケット識別子、が挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。
【0164】
数量識別子に関して、実施形態によっては、RFIDタグを含む容器から汲み出される、成分の体積毎に、タグは、容器内の最新の体積および/または汲み出された量を含むように書き込まれる。容器が後にアセンブリから取り外され、別のアセンブリ内に置き換えられる場合、システムはRFIDタグを読み取ることになり、容器内の体積および/または容器から汲み出された量を知ることになる。加えて、RFIDタグ上に汲み出しの日付が書き込まれてもよい。
【0165】
従って、ブラケットアセンブリの各々(例えばブラケットアセンブリ282)が処理システム10内に装着される際には、RFIDタグアセンブリ(例えばRFIDタグアセンブリ708)が付けられ、付けられたRFIDタグアセンブリは、(ブラケットアセンブリを一意に特定するための)ブラケット識別子を明示する。従って、処理システム10がブラケットアセンブリを10個含むならば、10個のRFIDタグアセンブリ(すなわち、各ブラケットアセンブリに1つ付けられる)が10個の一意のブラケット識別子(すなわちブラケットアセンブリ毎に1つ)を明示する。
【0166】
さらに、製品容器(例えば製品容器252、254、256、258)が製作され、ミクロ成分を充填される際には、RFIDタグアセンブリは:成分識別子(製品容器内のミクロ成分を特定するためのもの);数量識別子(製品容器内のミクロ成分の量を特定するためのもの);製造日識別子(ミクロ成分の製作の日付を特定するためのもの);および廃棄日識別子(製品容器が廃棄される/リサイクルされるべき日付を特定するためのもの);を含んでもよい。
【0167】
従って、製品モジュールアセンブリ250が処理システム10内に装着されると、RFIDアンテナアセンブリ702、712、714、716はRFIDサブシステム724によって通電される。RFIDサブシステム724はデータバス726を介して制御論理サブシステム14に結合される。通電されると、RFIDアンテナアセンブリ702、712、714、716は、RFIDタグアセンブリの存在を探してそれらのそれぞれの上方および下方検出域(例えば上方検出域706および下方検出域710)をスキャンすることを開始する。
【0168】
上述されたように、製品モジュールアセンブリ250が解放可能に係合するブラケットアセンブリに1つ以上のRFIDタグアセンブリが付けられてもよい。従って、製品モジュールアセンブリ250がブラケットアセンブリ282上に嵌め込まれると(すなわちそれを解放可能に係合させると)、RFIDタグアセンブリ708、718、720、722のうちの1つ以上はRFIDアンテナアセンブリ702、712、714、716の下方検出域内に(それぞれ)配置される。例示目的のために、ブラケットアセンブリ282はただ1つのRFIDタグアセンブリ、すなわちRFIDタグアセンブリ708、を含むと仮定する。さらに、例示目的のために、製品容器252、254、256、258はスロットアセンブリ260、262、264、266内に(それぞれ)装着されようとしていると仮定する。従って、RFIDサブシステム724は(RFIDタグアセンブリ708を検出することによって)ブラケットアセンブリ282を検出するはずであり、各製品容器上に装着されているRFIDタグアセンブリ(例えば、RFIDタグアセンブリ704)を検出することによって製品容器252、254、256、258を検出するはずである。
【0169】
種々の製品モジュール、ブラケットアセンブリ、および製品容器に関する場所情報は、例えば、制御論理サブシステム14に結合される記憶サブシステム12内に記憶されてもよい。具体的には、もし何も変化していなければ、RFIDサブシステム724は、RFIDアンテナアセンブリ702がRFIDタグアセンブリ704(すなわち製品容器258に付けられるもの)を検出するように期待するはずであり、RFIDアンテナアセンブリ702がRFIDタグアセンブリ708(すなわちブラケットアセンブリ282に付けられるもの)を検出するように期待するはずである。加えて、もし何も変化していなければ:RFIDアンテナアセンブリ712は製品容器256に付けられているRFIDタグアセンブリ(不図示)を検出するはずであり;RFIDアンテナアセンブリ714は製品容器254に付けられているRFIDタグアセンブリ(不図示)を検出するはずであり;RFIDアンテナアセンブリ716は製品容器252に付けられているRFIDタグアセンブリ(不図示)を検出するはずである。
【0170】
例示目的のために、定期的な業務訪問の最中に、製品容器258がスロットアセンブリ264内に間違って配置され、製品容器256がスロットアセンブリ266内に間違って配置されてしまうと仮定する。RFIDタグアセンブリ内に含まれる情報を得ると(RFIDアンテナアセンブリを用いて)、RFIDサブシステム724は、RFIDアンテナアセンブリ712を用いて、製品容器258に関連付けられるRFIDタグアセンブリを検出し;RFIDアンテナアセンブリ702を用いて、製品容器256に関連付けられるRFIDタグアセンブリを検出する。製品容器256、258の新しい場所を製品容器256、258の以前に記憶された場所(記憶サブシステム12上に記憶されているとおりの場所)と比較すると、RFIDサブシステム724は、これらの製品容器の各々の場所は正しくないと判定する。
【0171】
それに応じて、RFIDサブシステム724は、制御論理サブシステム14を介して、例えば、ユーザインターフェースサブシステム22の情報画面514上に、製品容器が間違って再装着されたことを例えば保守技術員に説明する警告メッセージを表示してもよい。製品容器内のミクロ成分の種類に依存して、保守技術員は、例えば、続行する選択肢を与えられるか、または続行することができないと告げられる。上述されたように、或るミクロ成分(例えばルートビア香料)はとても強い味を有するので、一度、特定のポンプアセンブリおよび/またはチューブ管アセンブリを通じてそれらが配分されると、そのポンプアセンブリ/チューブ管アセンブリはもはやいかなる他のミクロ成分のためにも用いられることができなくなる。加えて、上述されたように、製品容器に付けられる種々のRFIDタグアセンブリは製品容器内のミクロ成分を明示する。
【0172】
従って、レモン−ライム香料のために用いられたポンプアセンブリ/チューブ管アセンブリが今度はルートビア香料のために用いられようとしていれば、保守技術員は、これは彼らがしたいことであることを確認するように彼らに尋ねる警告を与えられてもよい。しかし、ルートビア香料のために用いられたポンプアセンブリ/チューブ管アセンブリが今度はレモン−ライム香料のために用いられようとしていれば、保守技術員は、彼らは続行することができないこと、ならびに製品容器をそれらの元の構成に戻さなければならないこと、または、例えば、損なわれたポンプアセンブリ/チューブ管アセンブリを外し、未使用のポンプアセンブリ/チューブ管アセンブリと交換しなければならないことを説明する警告を提供される。ブラケットアセンブリが処理システム10内で移動されたことをRFIDサブシステム724が検出した場合、同様の警告が提供される。
【0173】
RFIDサブシステム724は種々のミクロ成分の消費を監視するように構成されてもよい。例えば、上述されたように、RFIDタグアセンブリは最初、特定の製品容器内のミクロ成分の量を明示するようにエンコードされる。制御論理サブシステム14が、所定の間隔で(例えば1時間毎に)、種々の製品容器の各々から汲み出されたミクロ成分の量を知ると、種々の製品容器内に含まれる種々のRFIDタグアセンブリは、RFIDサブシステム724によって(RFIDアンテナアセンブリを介して)、製品容器内に含まれるミクロ成分についての最新の量を明示するように再書き込みされる。
【0174】
製品容器が所定の最小量に達したことを検出すると、RFIDサブシステム724は、制御論理サブシステム14を介して、ユーザインターフェースサブシステム22の情報画面514上に警告メッセージを表示してもよい。加えて、1つ以上の製品容器が使用期限(製品容器に付けられているRFIDタグアセンブリ内に明示されているとおりのもの)に達したかまたはそれを超えた場合、RFIDサブシステム724は(ユーザインターフェースサブシステム22の情報画面414を介して)警告を提供してもよい。
【0175】
以上では、RFIDシステム700は、製品モジュールに取り付けられるRFIDアンテナアセンブリ、ならびにブラケットアセンブリおよび製品容器に取り付けられるRFIDタグアセンブリを有するように記載されているが、これはあくまで例示目的のためであり、本開示の限定として意図されるものではない。具体的には、RFIDアンテナアセンブリは、任意の製品容器上に配置されてもよいし、ブラケットアセンブリ上に配置されてもよいし、または製品モジュール上に配置されてもよい。加えて、RFIDタグアセンブリは、任意の製品容器上に配置されてもよいし、ブラケットアセンブリ上に配置されてもよいし、または製品モジュール上に配置されてもよい。従って、RFIDタグアセンブリが製品モジュールアセンブリに取り付けられる場合には、RFIDタグアセンブリは、例えば製品モジュールのための一連番号を明示するプロジェクトモジュール識別子を明示してもよい。
【0176】
製品モジュールアセンブリ250内に含まれるスロットアセンブリ同士(例えば、スロットアセンブリ260、262、264、266)がきわめて接近しているために、RFIDアンテナアセンブリ702を、それが、例えば、隣接したスロットアセンブリ内に配置されている製品容器を読み取ってしまうことを回避することを可能にする様式で構成することが望ましい場合がある。例えば、RFIDアンテナアセンブリ702は、RFIDアンテナアセンブリ702がRFIDタグアセンブリ704、708のみを読み取ることができるように構成されるべきであり;RFIDアンテナアセンブリ712は、RFIDアンテナアセンブリ712がRFIDタグアセンブリ718、および製品容器256に取り付けられているRFIDタグアセンブリ(不図示)のみを読み取ることができるように構成されるべきであり;RFIDアンテナアセンブリ714は、RFIDアンテナアセンブリ714がRFIDタグアセンブリ720、および製品容器254に取り付けられているRFIDタグアセンブリ(不図示)のみを読み取ることができるように構成されるべきであり;RFIDアンテナアセンブリ716は、RFIDアンテナアセンブリ716がRFIDタグアセンブリ722、および製品容器252に取り付けられているRFIDタグアセンブリ(不図示)のみを読み取ることができるように構成されるべきである。
【0177】
それ故、図25をも参照すると、RFIDアンテナアセンブリ702、712、714、716のうちの1つ以上はループアンテナとして構成されてもよい。以下の説明はRFIDアンテナアセンブリ702に向けられているが、これはあくまで例示目的のためであり、本開示の限定として意図されるものではない。なぜなら、以下の説明はRFIDアンテナアセンブリ712、714、716に同等に適用されてもよいからである。
【0178】
RFIDアンテナアセンブリ702は、グラウンド752と、RFIDアンテナアセンブリ702に通電するポート754との間に結合される第1のキャパシタアセンブリ750(例えば、2.90pFキャパシタ)を含む。ポート754と誘導ループアセンブリ758との間には第2のキャパシタアセンブリ756(例えば、2.55pFキャパシタ)が配置される。抵抗器アセンブリ760(例えば、2.00オーム抵抗器)が誘導ループアセンブリ758をグラウンド752と結合し、同時に、Q値の減少をもたらし、帯域幅を増加させ、より広い動作範囲を提供する。
【0179】
当技術分野において周知であるように、RFIDアンテナアセンブリ702の特性は、誘導ループアセンブリ758の物理的特性を変えることによって調整される。例えば、誘導ループアセンブリ758の直径「d」が増加するに従い、RFIDアンテナアセンブリ702の遠方界性能は増せばよい。さらに、誘導ループアセンブリ758の直径「d」が減少するに従い;RFIDアンテナアセンブリ702の遠方界性能は低下する。
【0180】
具体的には、RFIDアンテナアセンブリ702の遠方界性能は、RFIDアンテナアセンブリ702の、エネルギーを放射する能力に依存して変動する。当技術分野において周知であるように、RFIDアンテナアセンブリ702の、エネルギーを放射する能力は、ポート754を介してRFIDアンテナアセンブリ702に通電するために用いられる搬送波信号762の波長に対する、誘導ループアセンブリ708の周長に依存する。
【0181】
図26をも参照すると、好ましい実施形態では、搬送波信号762は、12.89インチ(32.74cm)の波長を有する915MHz搬送波信号である。ループアンテナの設計に関して、誘導ループアセンブリ758の周長が搬送波信号762の波長の50%に近づくかまたはそれを超えると、誘導ループアセンブリ758は誘導ループアセンブリ758の軸812から径方向に外側へエネルギーを放射し(例えば、矢印800、802、804、806、808、810によって表されるように)、その結果、強い遠方界性能を生じさせる。逆に、誘導ループアセンブリ758の周長を搬送波信号762の波長の25%未満に維持することによって、誘導ループアセンブリ758によって外側へ放射されるエネルギーの量は低減されることになり、遠方界性能は下がることになる。さらに、誘導ループアセンブリ758の平面に垂直な方向に磁気結合が生じ(矢印814、816によって表されるように)、その結果、強い近傍界性能を生じさせる。
【0182】
上述されたように、製品モジュールアセンブリ250内に含まれるスロットアセンブリ同士(例えば、スロットアセンブリ260、262、264、266)がきわめて接近しているが故に、RFIDアンテナアセンブリ702を、それが、例えば、隣接したスロットアセンブリ内に配置されている製品容器を読み取ってしまうことを回避することを可能にする様式で構成することが望ましい場合がある。それ故、誘導ループアセンブリ758の周長が搬送波信号762の波長の25%(例えば、915MHz搬送波信号については3.22インチ(8.18cm))未満となるように誘導ループアセンブリ758を構成することによって、遠方界性能は低められ、近傍界性能は高められる。さらに、読み取られるRFIDタグアセンブリがRFIDアンテナアセンブリ702の上方または下方のどちらかにあるように誘導ループアセンブリ758を配置することによって、RFIDタグアセンブリはRFIDアンテナアセンブリ702に誘導結合される。例えば、誘導ループアセンブリ758の周長が搬送波信号762の波長の10%(例えば、915MHz搬送波信号については1.29インチ(3.277cm))であるように構成されるときには、誘導ループアセンブリ758の直径は0.40インチ(1.016cm)になろう。その結果、比較的高いレベルの近傍界性能および比較的低いレベルの遠方界性能を生じさせることになろう。
【0183】
図27および28をも参照すると、処理システム10はハウジングアセンブリ850内に組み込まれてもよい。ハウジングアセンブリ850は、例えば、処理システム10の整備を可能にし、空の製品容器(例えば、製品容器258)の交換を可能にする1つ以上の点検扉/パネル852、854を含む。種々の理由で(例えば、セキュリティ、安全性、等)、飲料分配機10の内部構成要素には許可された要員しか近づくことができないように点検扉/パネル852、854を守ることが望ましい場合がある。それ故、先に記載されているRFIDサブシステム(すなわち、RFIDサブシステム700)は、適当なRFIDタグアセンブリがRFIDアクセスアンテナアセンブリ900に近接して配置された場合のみ点検扉/パネル852、854が開放されるように構成される。このような適当なRFIDタグアセンブリの例としては、製品容器に取り付けられるRFIDタグアセンブリ(例えば、製品容器258に取り付けられるRFIDタグアセンブリ704)が挙げられる。
【0184】
RFIDアクセスアンテナアセンブリ900はマルチセグメント誘導ループアセンブリ902を含んでもよい。グラウンド906と、RFIDアクセスアンテナアセンブリ900に通電するポート908との間には第1の整合構成要素904(例えば、5.00pFキャパシタ)が結合される。ポート908とマルチセグメント誘導ループアセンブリ902との間には第2の整合構成要素910(例えば、16.56ナノヘンリーインダクタ)が配置される。整合構成要素904、910はマルチセグメント誘導ループアセンブリ902のインピーダンスを所望のインピーダンス(例えば、50.00オーム)に調整する。通常、整合構成要素904、910はRFIDアクセスアンテナアセンブリ900の効率を向上させる。
【0185】
RFIDアクセスアンテナアセンブリ900は、RFIDアクセスアンテナアセンブリ900がより広いレンジの周波数にわたって利用されることを可能にするように構成されるQ値の低減の要素912(例えば、50オーム抵抗器)を含む。これは、RFIDアクセスアンテナアセンブリ900が全帯域にわたって用いられることも可能にし、整合ネットワーク内に許容度も持たせる。例えば、RFIDアクセスアンテナアセンブリ900の、関心の或る帯域が50MHzであり、Q値の低減の要素(本願明細書において「Q低減要素」とも呼ばれる)912がアンテナを100MHz幅にするように構成される場合には、RFIDアクセスアンテナアセンブリ900の中心周波数は、RFIDアクセスアンテナアセンブリ900の性能に影響を及ぼすことなく25MHz移動してもよい。Q低減要素912はマルチセグメント誘導ループアセンブリ902内に配置されてもよいし、またはRFIDアクセスアンテナアセンブリ900内のどこか別の場所に配置されてもよい。
【0186】
上述されたように、比較的小さい誘導ループアセンブリ(例えば、図25および26の誘導ループアセンブリ758)を利用することによって、アンテナアセンブリの遠方界性能は低められ、近傍界性能は高められる。残念ながら、このような小さい誘導ループアセンブリを利用するときには、RFIDアンテナアセンブリの検出レンジの深さも比較的小さくなる(例えば、通例、ループの直径に比例する)。従って、より大きい検出レンジの深さを得るためには、より大きいループ直径が利用される。残念ながら、上述されたように、より大きいループ直径の使用は遠方界性能を増大させる結果となってしまう場合がある。
【0187】
それ故、マルチセグメント誘導ループアセンブリ902は、位相シフト要素(例えば、キャパシタアセンブリ928、930、932、934、936、938、940)を備える複数の個別のアンテナセグメント(例えば、アンテナセグメント914、916、918、920、922、924、926)を含む。キャパシタアセンブリ928、930、932、934、936、938、940の例としては、1.0pFキャパシタ、またはバラクタ(例えば、電圧可変キャパシタ)、例えば、0.1〜250pFバラクタ、が挙げられる。上述の位相シフト要素は、マルチセグメント誘導ループアセンブリ902の位相シフトの適応制御が変動条件を補償することを可能にするように構成され;あるいはマルチセグメント誘導ループアセンブリ902の特性を調整する目的のために種々の誘導結合特性および/または磁気特性を提供するように構成される。上述の位相シフト要素の代替例は結合線である(不図示)。
【0188】
上述されたように、アンテナセグメントの長さを、RFIDアクセスアンテナアセンブリ900に通電する搬送波信号の波長の25%未満に維持することによって、アンテナセグメントによって外側へ放射されるエネルギーの量は低減されることになり、遠方界性能は下がることになり、近傍界性能は高められることになる。それ故、アンテナセグメント914、916、918、920、922、924、926は各々、RFIDアクセスアンテナアセンブリ900に通電する搬送波信号の波長の25%よりも長くならないようにサイズが決められる。さらに、キャパシタアセンブリ928、930、932、934、936、938、940の各々のサイズを適切に決めれば、搬送波信号がマルチセグメント誘導ループアセンブリ902の周りに伝播するのに従って生じるいかなる位相シフトも、マルチセグメント誘導ループアセンブリ902内に組み込まれる種々のキャパシタアセンブリによって相殺される。従って、例示目的のために、アンテナセグメント914、916、918、920、922、924、926の各々について、90°位相シフトが生じると仮定する。従って、適切にサイズが決められたキャパシタアセンブリ928、930、932、934、936、938、940を利用することによって、各セグメントの間に生じる90°位相シフトは低減され/除去される。例えば、915MHzの搬送波信号周波数、および搬送波信号の波長の25%よりも小さい(典型的には10%)アンテナセグメント長のためには、1.2pFキャパシタアセンブリが、所望の位相シフト打ち消しを達成し、さらにはセグメントの共振を調整するべく利用される。
【0189】
マルチセグメント誘導ループアセンブリ902は、留め継ぎを介して結合される複数の直線状アンテナセグメントで構築されるものとして示されているが、これはあくまで例示目的のためであり、本開示の限定として意図されるものではない。例えば、マルチセグメント誘導ループアセンブリ902を構築するために複数の曲線状アンテナセグメントが利用されてもよい。加えて、マルチセグメント誘導ループアセンブリ902は、任意のループ型形状となるように構成されてよい。例えば、マルチセグメント誘導ループアセンブリ902は、楕円(図28に示されるとおり)、円、正方形、長方形、または八角形として構成されてよい。
【0190】
以上では、システムは処理システム内で利用されるものとして記載されているが、これはあくまで例示目的のためであり、本開示の限定として意図されるものではない。なぜなら、他の構成が可能であるからである。例えば、上述のシステムは、他の消耗品(例えば、アイスクリームおよびアルコールドリンク)を処理する/分配するために利用されてもよい。加えて、上述のシステムは食品産業以外の分野で利用されてもよい。例えば、上述のシステムは:ビタミン類;薬剤;医薬品、洗浄剤製品;潤滑油;彩色/染色製品;ならびに他の非消耗性の液体/半液体/顆粒状固形物および/または流体を処理する/分配するために利用されてもよい。
【0191】
以上では、システムは、RFIDアンテナアセンブリ(例えば、RFIDアンテナアセンブリ702)の上方に配置される製品容器(例えば、製品容器258)に取り付けられるRFIDタグアセンブリ(例えば、RFIDタグアセンブリ704)を有し、該RFIDアンテナアセンブリは、ブラケットアセンブリ282に取り付けられるRFIDタグ(例えば、RFIDタグアセンブリ708)の上方に配置されるものとして記載されているが、これはあくまで例示目的のためであり、本開示の限定として意図されるものではない。なぜなら、他の構成が可能であるからである。例えば、製品容器(例えば、製品容器258)に取り付けられるRFIDタグアセンブリ(例えば、RFIDタグアセンブリ704)はRFIDアンテナアセンブリ(例えば、RFIDアンテナアセンブリ702)の下方に配置されてもよく、該RFIDアンテナアセンブリは、ブラケットアセンブリ282に取り付けられるRFIDタグ(例えば、RFIDタグアセンブリ708)の下方に配置されてもよい。
【0192】
上述されたように、RFIDアンテナアセンブリ900に通電する搬送波信号の波長の25%よりも長くない比較的短いアンテナセグメント(例えば、アンテナセグメント914、916、918、920、922、924、926)を利用することによって、アンテナアセンブリ900の遠方界性能は低められ、近傍界性能は高められる。
【0193】
図29をも参照すると、RFIDアンテナアセンブリからより高いレベルの遠方界性能が望まれる場合には、RFIDアンテナアセンブリ900aは、マルチセグメント誘導ループアセンブリ902aの一部に電気的に結合される遠方界アンテナアセンブリ942(例えば、ダイポールアンテナアセンブリ)を含むように構成されてもよい。遠方界アンテナアセンブリ942は第1のアンテナ部944(すなわち、ダイポールの第1の部分を形成する)および第2のアンテナ部946(すなわち、ダイポールの第2の部分を形成する)を含む。上述されたように、アンテナセグメント914、916、918、920、922、924、926の長さを搬送波信号の波長の25%未満に維持することによって、アンテナアセンブリ900aの遠方界性能は低められ、近傍界性能は高められる。従って、第1のアンテナ部944および第2のアンテナ部946の合計長さは搬送波信号の波長の25%よりも大きくてもよく、かくして、遠方界性能のレベルを高めることを可能にする。
【0194】
同様に図30を参照すると、上述されたように(例えば、図27を参照して)、処理システム10はハウジングアセンブリ850内に組み込まれてもよい。ハウジングアセンブリ850は、例えば、処理システム10の整備を可能にし、空の製品容器(例えば、製品容器258)の交換を可能にする1つ以上の点検扉/パネル(例えば、上部扉852および下部扉854)を含む。タッチ画面インターフェース500は上部扉852上に配され、容易なユーザアクセスを可能にする。上部扉852は、飲料容器(例えば、容器30)が飲料(例えば、ノズル24を介して;不図示)、氷、または同様のものを充填されることを可能にするディスペンサアセンブリ1000へのアクセスも提供する。加えて、下部扉854は、例えば、点検扉/パネル852、854のうちの1つ以上が開放されることを許可するために、例えばRFIDアクセスアンテナアセンブリ900に関連付けられるRFID問い合わせ領域1002を含む。問い合わせ領域1002はあくまで例示目的のために示されている。なぜなら、RFIDアクセスアンテナアセンブリ900は、点検扉/パネル852、854以外の場所を含む種々の代替の場所に同等に設置されてよいからである。
【0195】
同様に図51〜53をも参照すると、図30に示されるハウジングアセンブリ850内に組み込まれるユーザインターフェースアセンブリ5100の例示的な実施形態が示されている。ユーザインターフェースアセンブリはタッチ画面インターフェース500を含んでよい。ユーザインターフェースアセンブリ5100はタッチ画面5102、フレーム5104、枠5106、シール5108、およびシステムコントローラ筐体5110を含む。枠5106はタッチ画面5102を、隙間を空けて配置し、明瞭な視覚的枠の役割も果たす。例示的な実施形態では、タッチ画面5102は容量性タッチ画面である。しかし、他の実施形態上では、他の種類のタッチ画面が用いられてもよい。しかし、例示的な実施形態では、タッチ画面5102の容量性の性質の故に、枠5106を介してタッチ画面5102と扉852との間に所定の距離を維持することが望ましい。
【0196】
シール5108は、図52において5200として示されるディスプレイを保護し、湿気および/または微粒子がディスプレイ5200に達するのを防ぐ役目を果たす。例示的な実施形態では、密閉をより良く維持するためにシール5108はハウジングアセンブリの扉852に接触する。例示的な実施形態では、ディスプレイ5200はLCDディスプレイであり、ディスプレイ5200を係合させてディスプレイ5200を留める少なくとも1組のばねフィンガー5202によってフレームによって保持される。例示的な実施形態では、ディスプレイ5200は日本、東京のソニー社からのモデルLQ150X1LGB1等の15インチLCDディスプレイである。ただし、他の実施形態では、ディスプレイは任意の種類のディスプレイであってよい。ばねフィンガー5202はばねの役割を追加的に果たし、ユーザインターフェースアセンブリ5100内に許容度を持たせ、かくして、例示的な実施形態では、タッチ画面5102はディスプレイ5200に対して浮くことができる。例示的な実施形態では、タッチ画面5102は、英国、タイン、ブレイドンのザイトロニクス(Zytronics of Blaydon on Tyne, UK)によるモデルZYP15−10001D等の、突出した容量性タッチ画面であるが、他の実施形態では、タッチ画面は別の種類のタッチ画面および/または別の容量性タッチ画面でもよい。例示的な実施形態では、シールは現場発泡ガスケットであり、例示的な実施形態では、それは、型抜きされたポリウレタンフォームで作られるが、他の実施形態では、シリコンフォームまたは他の同様の材料で作られてもよい。実施形態によっては、シールは、オーバーモールドされたシールであってもよいしまたは任意の他の種類の密閉体であってもよい。
【0197】
例示的な実施形態では、ユーザインターフェースアセンブリ5100は4組のばねフィンガー5202を含む。しかし、他の実施形態では、含まれるばねフィンガー5202の数はより多くてもよいしより少なくてもよい。例示的な実施形態では、ばねフィンガー5202およびフレーム5104はABSで作られるが、他の実施形態では、任意の材料で作られてよい。
【0198】
図53をも参照すると、例示的な実施形態では、ユーザインターフェースアセンブリ5100は、少なくとも1つのPCBおよび少なくとも1つのコネクタ5114も含み、該コネクタ5114は、実施形態によっては、コネクタキャップ5116によって覆われてもよい。
【0199】
図31をも参照すると、例示的な実施形態と一致して、処理システム10は上部キャビネット部1004aおよび下部キャビネット部1006aを含む。しかし、これは本開示に対する限定として解釈されてはならない。なぜなら、他の構成が同等に利用されてよいからである。図32および33をも追加的に参照すると、上部キャビネット部1004a(これは、例えば、上部扉852によって少なくとも一部覆われてもよい)は、上述された、配管サブシステム20の機構を1つ以上含んでもよい。例えば、上部キャビネット部1004aは、1つ以上の流量制御モジュール(例えば、流量制御モジュール170)、流体冷却システム(例えば、不図示の冷却板163)、分配ノズル(例えば、不図示のノズル24)、多量成分供給部(例えば、不図示の二酸化炭素供給部150、水供給部152、およびHFCS供給部154)への接続のための配管、ならびに同様のものを含んでもよい。加えて、上部キャビネット部1004aは、氷を貯蔵するためのアイスホッパー1008、およびアイスホッパー1008から(例えば、飲料容器内に)氷を分配するための氷分配シュート1010を含んでもよい。
【0200】
二酸化炭素供給部150は、例えば、遠隔に設置され処理システム10に配管される1つ以上の二酸化炭素ボンベによって提供されてもよい。同様に、水供給部152は、例えば、処理システム10に同様に配管される都市水道水として提供されてもよい。異性化糖供給部154は、例えば、1つ以上の貯蔵器(例えば、5ガロン(18.93リットル)バッグインボックス容器の形態のもの)を含んでもよく、該貯蔵器は遠隔に格納されてもよい(例えば、奥の部屋の中、等)。異性化糖供給部154も処理システム10に配管されてもよい。種々の多量成分のための配管は従来の硬質または柔軟性の管路配管設備を用いて達成される。
【0201】
上述されたように、炭酸水供給部158、水供給部152および異性化糖供給部154は遠隔に設置され、処理システム10に(例えば、流量制御モジュール170、172、174に)配管される。図34を参照すると、流量制御モジュール(例えば、流量制御モジュール172)が迅速配管接続部1012を介して多量成分供給部(例えば、水152)に結合される。例えば、水供給部152は配管接続部1012に結合され、配管接続部1012は流量制御モジュール172に解放可能に結合され、それにより、水供給部152の、流量制御モジュール170への配管を完成する。
【0202】
図35、36A、36B、37A、37Bおよび37Cを参照すると、上部キャビネット部の別の実施形態(例えば、上部キャビネット部1004b)が示されている。上述の例示的な実施形態と同様に、上部キャビネット部1004bは、上述された、配管サブシステム20の機構を1つ以上含む。例えば、上部キャビネット部1004bは、1つ以上の流量制御モジュール(例えば、流量制御モジュール170)、流体冷却システム(例えば、不図示の冷却板163)、分配ノズル(例えば、不図示のノズル24)、多量成分供給部(例えば、不図示の二酸化炭素供給部150、水供給部152、およびHFCS供給部154)への接続のための配管、ならびに同様のものを含む。加えて、上部キャビネット部1004bは、氷を貯蔵するためのアイスホッパー1008、およびアイスホッパー1008から(例えば、飲料容器内に)氷を分配するための氷分配シュート1010を含む。
【0203】
図36A〜36Bをも参照すると、上部キャビネット部1004bは電源モジュール1014を含む。電源モジュール1014は、例えば、電源、1つ以上の配電バス、コントローラ(例えば、制御論理サブシステム14)、ユーザインターフェースコントローラ、記憶デバイス12、等を収納する。電源モジュール1014は1つ以上のステータスインジケータ(全体的に、インジケータライト1016)、および電源/データ接続部(例えば、全体的に、接続部1018)を含む。
【0204】
図37A、37B、および37Cをも参照すると、流量制御モジュール170は全体的には、接続部アセンブリ1020を介して上部キャビネット部1004bに機械的に流体結合されてもよい。接続部アセンブリ1020は、例えば、入口1022を介して多量成分供給部(例えば、炭酸水158、水160、異性化糖162、等)に結合される供給部流体路を含む。流量制御モジュール170の入口1024は少なくとも部分的に接続部アセンブリ1020の出口路1026内で受け取られるように構成される。従って、流量制御モジュール170は接続部アセンブリ1020を介して多量成分を受け取る。接続部アセンブリ1020は、開放位置と閉鎖位置との間で可動の弁(例えば、ボール弁1028)をさらに含んでもよい。ボール弁1028が開放位置にあるときには、流量制御モジュール170は多量成分供給部に流体結合される。同様に、ボール弁1028が閉鎖位置にあるときには、流量制御モジュール170は多量成分供給部から流体的に隔離されている。
【0205】
ボール弁1028は、係止タブ1030を回転作動させることによって開放位置と閉鎖位置との間で動かされる。ボール弁1028を開放することおよび閉鎖することに加えて、係止タブ1030は流量制御モジュール170を係合してもよく、例えば、それにより、流量制御モジュールを接続部アセンブリ1020に対して留める。例えば、肩部1032が流量制御モジュール170のタブ1034を係合してもよい。肩部1032とタブ1034との間の係合が流量制御モジュール170の入口1024を接続部アセンブリ1020の出口路1026内に留める。加えて、流量制御モジュール170の入口1024を接続部アセンブリ1020の出口路1026内に留めることは、流量制御モジュール170と接続部アセンブリ1020との間の液密接続を維持することを容易にする(例えば、入口1024と出口1026との間の十分な係合を維持することによって)。
【0206】
係止タブ1030の係止タブ面1036が出口コネクタ1038を係合してもよい(例えば、出口コネクタ1038は流量制御モジュール170の出口に流体結合されてもよい)。例えば、図示のように、係止タブ面1036は出口コネクタ1038の面1040を係合させ、出口コネクタ1038を流量制御モジュール170との液密係合状態に留める。
【0207】
接続部アセンブリ1020は、処理システム10に対する流量制御モジュール170の装着/取り外しを容易にする(例えば、損傷した/調子の悪い流量制御モジュールの交換を可能にするため)。図示の配向と一致して、係止タブ1030は反時計回りに(例えば、示されている実施形態では約4分の1回転)回転されてもよい。係止タブ1030の反時計回りの回転は出口コネクタ1038および、流量制御モジュール170のタブ1034を係合解除してもよい。出口コネクタ1038は流量制御モジュール170から係合解除される。同様に、流量制御モジュール170の入口1024は接続部アセンブリ1020の出口路1026から係合解除される。加えて、係止タブ1030の反時計回りの回転はボール弁1028を閉鎖位置に回転させ、それにより、多量成分に接続されている流体供給路を閉鎖する。それ故、係止タブ1030が回転され、流量制御モジュール170が接続部アセンブリ1020から取り外されることを可能にすると、多量成分への流体接続は閉鎖され、これが、例えば、多量成分による処理システムの汚染を低減する/防ぐ。ボール弁1028が完全閉鎖位置に来るまでは、係止タブ1030のタブ拡張部1042が、(例えば、ボール弁1028が完全閉鎖位置に90度回転されるまで流体連結の解除および流量制御モジュール170の取り外しを防ぐことによって、)接続部アセンブリ1020からの流量制御モジュール170の取り外しを妨げる。
【0208】
それに関連する様式で、流量制御モジュール170は接続部アセンブリ1020に結合される。例えば、係止タブ1030が反時計回りに回転されるのに伴い、流量制御モジュール170の入口1024は接続部アセンブリ1020の出口路1026に挿入される。出口コネクタ1038は流量制御モジュール170の出口(不図示)と係合する。係止タブ1030は時計回りに回転され、それにより、流量制御モジュール170および出口コネクタ1038を係合させる。時計回りに回転された位置において、接続部アセンブリ1020は流量制御モジュール170の入口1024を接続部アセンブリの出口路1026との液密接続状態に留める。同様に、出口コネクタ1038は流量制御モジュール170の出口との液密接続状態に留められる。さらに、係止タブ1030の時計回りの回転はボール弁1028を開放位置に動かし、それにより、流量制御モジュール170を多量成分に流体結合する。
【0209】
図38をも追加的に参照すると、下部キャビネット部1006aはミクロ成分サブシステム18の機構を1つ以上含み、組み込みの消費成分供給部を1つ以上収納する。例えば、下部キャビネット部1006aは1つ以上のミクロ成分タワー(例えば、ミクロ成分タワー1050、1052、1054)ならびに非栄養甘味料(例えば、人工甘味料または複数の人工甘味料の組み合わせ)の供給部1056を含んでもよい。図示のように、ミクロ成分タワー1050、1052、1054は1つ以上の製品モジュールアセンブリ(例えば、製品モジュールアセンブリ250)を含み、製品モジュールアセンブリは各々1つ以上の製品容器(例えば、不図示の製品容器252、254、256、258)を解放可能に係合させるように構成される。例えば、ミクロ成分タワー1050および1052は各々、3つの製品モジュールアセンブリを含み、ミクロ成分タワー1054は4つの製品モジュールアセンブリを含む。
【0210】
同様に図39および40をも参照すると、ミクロ成分タワーのうちの1つ以上(例えば、ミクロ成分タワー1052)は揺動装置に結合され、該揺動装置はミクロ成分タワー1052および/またはその一部を、例えば、ゆさぶる、直線的に摺動させる、または他の方法で揺動してもよい。揺動装置は、ミクロ成分タワー1052上に貯蔵されている分離可能成分の混合物を維持することを助ける。揺動装置は例えば揺動モータ1100を含み、該揺動モータ1100は連結部品1104を介して揺動アーム1102を駆動する。揺動アーム1102は、略垂直振動する運動で駆動され、1つ以上の製品モジュールアセンブリ(例えば、製品モジュールアセンブリ250a、250b、250c、250d)に結合され、それにより、製品モジュールアセンブリ250a、250b、250c、250dにゆさぶる揺動を与える。安全閉鎖−停止が下部扉854に関連付けられてよく、それは、例えば、ルーザーキャビネット扉1154が開いているときには揺動装置を無効にする。
【0211】
上述されたように、RFIDシステム700は種々の製品容器の存在、場所(例えば、製品モジュールアセンブリおよびスロットアセンブリ)ならびに内容物を検出する。それに応じて、もし、揺動を必要とする内容物を含む製品容器が、揺動容器に結合されていないミクロ成分タワー(例えば、ミクロ成分タワー1052)内に装着されると、RFIDシステム700は(例えば、RFIDサブシステム724および/または制御論理サブシステム14を介して)警告を表示してもよい。さらに、制御論理サブシステム14は、揺動されない製品容器が利用されるのを防いでもよい。
【0212】
上述されたように、製品モジュールアセンブリ(例えば、製品モジュールアセンブリ250)は4つのスロットアセンブリで構成され、従って、4製品モジュールおよび/または4製品モジュールアセンブリとも呼ばれる。図41をも追加的に参照すると、製品モジュールアセンブリ250は複数のポンプアセンブリ(例えば、ポンプアセンブリ270、272、274、276)を含んでもよい。例えば、1つのポンプアセンブリ(例えば、ポンプアセンブリ270、272、274、276)は製品モジュール250の4つのスロットアセンブリの各々に関連付けられる(例えば、4製品モジュールの場合)。ポンプアセンブリ270、272、274、276は、製品モジュールアセンブリ250の対応するスロットアセンブリ内に解放可能に係合した製品容器(不図示)から製品を汲み出す。
【0213】
図示のように、ミクロ成分タワー(例えば、ミクロ成分タワー1052)の各製品モジュールアセンブリ(例えば、製品モジュールアセンブリ250a、250b、250c、250d)は、例えばコネクタ1106を介して、共用配線用ハーネスに結合されてもよい。それ故、ミクロ成分タワー1052は、単一の接続点を介して、例えば、制御論理サブシステム14、電源等に電気的に結合される。
【0214】
図42をも参照すると、上述されたように、製品モジュール250は複数のスロットアセンブリ(例えば、スロットアセンブリ260、262、264、266)を含む。スロットアセンブリ260、262、264、266は製品容器(例えば、製品容器256)を解放可能に係合させるように構成される。スロットアセンブリ260、262、264、266はそれぞれの扉1108、1110、1112を含む。図示のように、スロットアセンブリのうちの2つ以上(例えば、スロットアセンブリ260、262)は、2倍幅の製品容器(例えば、2つのスロットアセンブリ内に解放可能に係合するように構成される製品容器)、および/または無料サービス製品(例えば、2成分飲料レシピのための独立した成分)を含む2つの独立した製品容器を解放可能に係合させるように構成される。それ故、スロットアセンブリ260、262は、スロットアセンブリ260、262を両方とも覆う2倍幅の扉(例えば、扉1108)を含む。
【0215】
扉1108、1110、1112は、扉1108、1110、1112の、回転軸周りの開閉を可能にするヒンジレールを解放可能に係合させてもよい。例えば、扉1108、1110、1112は、扉1108、1108、1112がヒンジレール上に嵌められることおよびそこから外されることを可能にするスナップフィット機構を含む。従って、扉1108、1110、1112は、ヒンジレール上に嵌められたりまたはそこから外されたりして、壊れた扉の交換、扉の再構成を可能にする(例えば、2倍幅の扉を2つの単一幅の扉と交換するため、またはその逆)。
【0216】
各扉(例えば、扉1110)は、製品容器の協働機構(例えば、製品容器256の切り欠き1116)を係合させる舌片機構(例えば、舌片1114)を含んでもよい。舌片1114は(例えば、切り欠き1116を介して)製品容器256に力を伝え、スロットアセンブリ264に対する製品容器256の挿入および取り外しを補助する。例えば、挿入の間、製品容器256は少なくとも部分的にスロットアセンブリ264に挿入される。扉1110が閉鎖される際、舌片1114は切り欠き1116を係合させて製品容器256に閉扉力を伝え、スロットアセンブリ264内にぴったり嵌った製品容器256をしっかり固定する(例えば、扉1110によって提供されるてこの作用の結果として)。同様に、舌片1114は切り欠き1116を少なくとも部分的に係合し(例えば、切り欠き1116の縁部によって少なくとも部分的に捕捉される)、取り外し力を製品容器256に加える(例えば、この場合も先と同様に、扉1110によって提供されるてこの作用の結果として)。
【0217】
製品モジュール250は、例えば、1つ以上のスロットアセンブリ(例えば、スロットアセンブリ260、262、264、266)のステータスに関する情報を伝達する1つ以上のインジケータライトを含んでもよい。例えば、扉の各々(例えば、扉1112)は、光源(例えば、光源1120)に光学的に結合されるライトパイプ(例えば、ライトパイプ1118)を含む。ライトパイプ1118は、例えば、光源1120から扉1112の前方に光を透過させる透明または透過性材料(例えば、アクリル樹脂等の透明プラスチック、ガラス、等)のセグメントを含む。光源1120は、例えば、1つ以上のLED(例えば、赤色LEDおよび緑色LED)を含む。2倍幅の扉(例えば、扉1108)の場合には、スロットアセンブリのうちの一方に対応する、単一のライトパイプおよび該単一のライトパイプに関連付けられる単一の光源のみが利用される。2倍幅の扉の他方のスロットアセンブリに対応する使わない光源は扉の少なくとも一部によって塞がれてもよい。
【0218】
上述のように、ライトパイプ1118および光源1120は、スロットアセンブリ、製品容器等に関する種々の情報を伝達する。例えば、光源1120は、スロットアセンブリ266の動作ステータス、およびスロットアセンブリ266内に解放可能に係合した製品容器の空でないステータスを示すために緑色光を提供してもよい(緑色光はライトパイプ1118を介して扉1112の前方に伝達される)。光源1120は、スロットアセンブリ266内に解放可能に係合した製品容器は空であることを示すために赤色光を提供してもよい(赤色光はライトパイプ1118を介して扉1112の前方に伝達される)。同様に、光源1120は、スロットアセンブリ266に関連付けられる動作不良または障害を示すために点滅赤色光を提供してもよい(点滅赤色光はライトパイプ1118を介して扉1112の前方に伝達される)。光源1120およびライトパイプ1118を用いて、種々の追加の/代替の情報が示されてよい。さらに、追加の関連点灯方式が利用されてもよい(例えば、点滅緑色光、緑色光および赤色光の両方を提供する光源によって生じるオレンジ色光、および同様のもの)。
【0219】
図43A、43B、および43Cをも参照すると、製品容器256は、例えば、2つの部分から成るハウジング(例えば、前部ハウジング部1150および後部ハウジング部1152を含む)を含んでもよい。前部ハウジング部1150は突出部1154を含んでもよく、該突出部1154は、例えば、縁部1156を提供する。縁部1156は、(例えば、スロットアセンブリ264に対する製品容器の挿入および/または取り外しの間の)製品容器256の取り扱いを容易にする。
【0220】
後部ハウジング部1152は取り付け部機構1158aを含んでもよく、該取り付け部機構1158aは、例えば、製品容器(例えば、製品容器256)をポンプアセンブリ(例えば、製品モジュール250のポンプアセンブリ272)の相手方取り付け部に流体結合する。取り付け部機構1158aはブラインドメイト流体コネクタを含めばよく、該コネクタは、取り付け部機構がポンプアセンブリ272の協働機構(例えば、ステム)上に押し付けられると、製品容器256をポンプアセンブリ272に流体結合する。製品容器256と種々のポンプアセンブリとの間の流体結合を提供するために、種々の代替の取り付け部機構(例えば、図44に示される取り付け部機構1158b)が提供されてよい。
【0221】
前部ハウジング部1150および後部ハウジング部1152は、接合されて製品容器256を形成する独立したプラスチック製構成要素を含んでよい。例えば、前部ハウジング部1150および後部ハウジング部1152は、互いに熱かしめされてもよいし、接着接合されてもよいし、超音波溶接されてもよいし、または他の適当な方法で接合されてもよい。製品容器256は、前部ハウジング部1150および後部ハウジング部1152内に少なくとも部分的に配される製品パウチ1160をさらに含んでよい。例えば、製品パウチ1160は消耗品(例えば、飲料香料)を充填され、前部ハウジング部1150および後部ハウジング部1152内に配置され、両ハウジング部はその後、接合され、製品パウチ1160を収納する。製品パウチ1160は、例えば、消耗品が(例えば、ポンプアセンブリ272によって)製品パウチ1160から汲み出されとつぶれるフレキシブルなブラダを含んでもよい。
【0222】
製品パウチ1160はまち1162を含んでもよく、該まち1162は、例えば、前部ハウジング部1150および後部ハウジング部1152によって規定される内部容積の比較的より大きい部分を製品パウチ1160が占めることを可能にすることによって、製品容器256の容積効率を向上させる。加えて、まち1162は、消耗品が製品パウチ1160から汲み出される際の製品パウチ1160のつぶれを容易にする。加えて、取り付け部機構1158aは、例えば、超音波溶接によって、製品パウチ1160に物理的に接合されてもよい。
【0223】
上述されたように、ミクロ成分タワーに加えて、下部キャビネット部1006aは大量ミクロ成分の供給部1056を含んでもよい。例えば、実施形態によっては、大量ミクロ成分は非栄養甘味料(例えば、人工甘味料、または複数の人工甘味料の組み合わせ)である。いくつかの実施形態は、より多くの量が必要とされるミクロ成分を含んでよい。これらの実施形態では、1つ以上の大量ミクロ成分供給部が含まれる。示されているとおりの実施形態では、供給部1056は、例えばバッグインボックス容器を含む非栄養甘味料であり、該バッグインボックス容器は、例えば、略剛体の箱の中に配される非栄養甘味料製品を包含するフレキシブルなブラダを含むとして知られており、該略剛体の箱は、例えば、フレキシブルなブラダを破裂等から保護する。あくまで説明の目的のために、非栄養甘味料の例が用いられる。しかし、他の実施形態では、任意のミクロ成分が大量ミクロ成分供給部内に貯蔵されてよい。いくつかの代替実施形態では、本願明細書において記載されているとおりの供給部1056と同様の供給部内に他の種類の成分が貯蔵されてもよい。「大量ミクロ成分」という用語は、分配される製品のために、1つを超えるミクロ成分ポンプアセンブリが用いられるほど十分頻繁に用いられる頻繁使用ミクロ成分として特定されるミクロ成分を指す。
【0224】
非栄養甘味料の供給部1056は製品モジュールアセンブリに結合されてもよく、該製品モジュールアセンブリは、例えば、1つ以上のポンプアセンブリ(例えば、先に記載されているとおりのもの)を含む。例えば、非栄養甘味料の供給部1056は、上述されたとおりの4つのポンプアセンブリを含む製品モジュールに結合される。4つのポンプアセンブリは各々、非栄養甘味料を(例えば、1つ以上の追加の成分と組み合わせて)分配するために、非栄養甘味料をそれぞれのポンプアセンブリからノズル24に向かわせるチューブまたは管路を含む。
【0225】
図45Aおよび45Bを参照すると、下部キャビネット部1006bはミクロ成分サブシステム18の機構を1つ以上含んでもよい。例えば、下部キャビネット部1006bは1つ以上のミクロ成分供給部を収納する。1つ以上のミクロ成分供給部は1つ以上のミクロ成分棚(例えば、ミクロ成分棚1200、1202、1204)、および非栄養甘味料の供給部1206として構成される。図示のように、各ミクロ成分棚(例えば、ミクロ成分棚1200)は、略水平配列で構成される1つ以上の製品モジュールアセンブリ(例えば、製品モジュールアセンブリ250d、250e、250f)を含む。ミクロ成分棚のうちの1つ以上は、(例えば、上述のミクロ成分タワー1052とおおむね同様の様式で)揺動するように構成されてもよい。
【0226】
上述の実施形態を続け、本実施形態では、1つ以上のミクロ成分供給部は1つ以上のミクロ成分棚として構成されてもよく、上述されたように、棚1200は複数の製品モジュールアセンブリ(すなわち、製品モジュールアセンブリ250d、250e、250f)を含んでもよい。各製品モジュールアセンブリ(例えば、製品モジュールアセンブリ250f)は1つ以上の製品容器(例えば、製品容器256)をそれぞれのスロットアセンブリ(例えば、スロットアセンブリ260、262、264、266)内に解放可能に係合させるように構成される。
【0227】
加えて、製品モジュールアセンブリ250d、250e、250fは各々、それぞれの複数のポンプアセンブリを含んでよい。例えば、図47A、47B、47D、47Eおよび47Fをも参照すると、製品モジュールアセンブリ250dは全体的にポンプアセンブリ270a、270b、270dおよび270eを含む。ポンプアセンブリ270a、270b、270c、270dのそれぞれ1つは、例えば、それぞれの製品容器(例えば、製品容器256)内に包含されている成分を汲み出すために、スロットアセンブリ260、262、264、266のうちの1つに関連付けられる。例えば、ポンプアセンブリ270a、270b、270c、270dは各々、それぞれの流体結合用ステム(例えば、流体結合用ステム1250、1252、1254、1256)を含めばよく、該流体結合用ステムは、例えば、協働取り付け部(例えば、図43Bおよび44に示される取り付け部機構1158a、1158b)を介して製品容器(例えば、製品容器256)に流体結合する。
【0228】
図47Eを参照すると、ポンプモジュールアセンブリ250dの断面図が示されている。アセンブリ250dは、取り付け部の断面図に示される流体入口1360を含む。取り付け部は、製品容器(不図示、他図の中でも特に図43Bに256として示される)のメス側(図43Bに1158aとして示される)と結合する。製品容器からの流体は流体入口1360においてポンプアセンブリ250dに入る。流体は容量性流量センサ1362に流入し、その後、ポンプ1364を通り、背圧調節器1366を通過し、流体出口1368に流れる。本願明細書において示されるように、ポンプモジュールアセンブリ250dを貫く流体流路は、空気がアセンブリ内に閉じ込められることなくアセンブリ250dを通り抜けて流れることを可能にする。流体入口1360は、流体出口1368よりも低い面上にある。加えて、流体は流量センサに向かって垂直に進み、次に、ポンプ内で進む際には、再び入口1360よりも高い面にあるようになる。かくして、当配列は、流体が絶えず上向きに流れることを可能にし、空気が閉じ込められることなくシステムを通り抜けて流れることを可能にする。それ故、ポンプモジュールアセンブリ250dの設計は自己吸入・排出式の容積式流体送出システムとなっている。
【0229】
図47Eおよび47Fを参照すると、背圧調節器1366は任意の背圧調節器であってよいが、少量を汲み出すための背圧調節器1366の例示的な実施形態が示されている。背圧調節器1366は、外径の周りに「ボルケーノ」機構および成形Oリングを含む隔壁1367を含む。Oリングは密閉を作り出す。隔壁1367にはピストンが接続される。ピストンの周りのばねがピストンおよび隔壁を閉鎖位置内に付勢する。本実施形態では、ばねは外側スリーブ上に取り付けられる。流体圧力がピストン/ばねアセンブリのクラッキング圧力に一致するかまたはそれを超えると、流体は背圧調節器1366を越えて流体出口1368に向かって流れる。例示的な実施形態では、クラッキング圧力は約7〜9psi(48.27〜62.06kPa)である。クラッキング圧力はポンプ1364に合わせられる。それ故、種々の実施形態では、ポンプは記載されているものとは異なってよく、それらの実施形態のうちの一部では、背圧調節器の別の実施形態が用いられてよい。
【0230】
図48を追加的に参照すると、例えば、それぞれの製品モジュールアセンブリ(例えば、製品モジュールアセンブリ250d)から配管/制御サブシステム20に成分を供給するために、出口配管アセンブリ1300が、ポンプアセンブリ270a、270b、270c、270dを解放可能に係合させるように構成されてもよい。出口配管アセンブリ1300は、例えば、ポンピングアセンブリ270a、270b、270c、270dを、流体管路1310、1312、1314、1316を介して配管/制御サブシステム20に流体結合するために、それぞれのポンプアセンブリ270a、270b、270c、270dに流体結合するように構成される複数の配管取り付け部(例えば、取り付け部1302、1304、1306、1308)を含む。
【0231】
出口配管アセンブリ1300と製品モジュールアセンブリ250dとの間の解放可能な係合は、例えば、出口配管アセンブリ1300および製品モジュールアセンブリ250dの容易な係合および取り外しを提供するカムアセンブリを介して実現してもよい。例えば、カムアセンブリは、取り付け部支持体1320に回転可能に結合されるハンドル1318、およびカム機構1322、1324を含む。カム機構1322、1324は製品モジュールアセンブリ250dの協働機構(不図示)と係合可能である。図47Cを参照して、ハンドル1318の、矢印の方向の回転運動は出口配管アセンブリ1300を製品モジュールアセンブリ250dから解放し、例えば、出口配管アセンブリ1300が製品モジュールアセンブリ250dから持ち上げられて取り外されることを可能にする。
【0232】
特に図47Dおよび47Eを参照すると、製品モジュールアセンブリ250dはミクロ成分棚1200に同様に解放可能に係合可能で、例えば、ミクロ成分棚1200に対する製品モジュールアセンブリ250の容易な取り外し/装着を可能にする。例えば、図示のように、製品モジュールアセンブリ250dは解放ハンドル1350を含めばよく、該解放ハンドル1350は、例えば、製品モジュールアセンブリ250dに枢動可能に接続される。解放ハンドル1350は、例えば、係止耳片1352、1354(例えば、図47Aおよび47Dに最も明瞭に示される)を含む。係止耳片1352、1354はミクロ成分棚1200の協働機構を係合させ、例えば、それにより、製品モジュールアセンブリ250dをミクロ成分棚1200との係合状態に留める。図47Eに示されるように、解放ハンドル1350は矢印の方向に枢動させて持ち上げられ、係止耳片1352、1354をミクロ成分棚1200の協働機構から係合解除する。係合解除されると、製品モジュールアセンブリ250dはミクロ成分棚1200から持ち上げられる。
【0233】
ハンドル1318および/または解放ハンドル1350のうちの1つ以上に1つ以上のセンサが関連付けられてもよい。1つ以上のセンサは、ハンドル1318および/または解放ハンドル1350の係止位置を示す出力を提供する。例えば、1つ以上のセンサの出力は、ハンドル1318および/または解放ハンドル1350が係合位置にあるのか、それとも係合解除された位置にあるのかを示してもよい。1つ以上のセンサの出力に少なくとも一部基づき、製品モジュールアセンブリ250dは配管/制御サブシステム20から電気的におよび/または流体的に隔離されてもよい。例示的なセンサは、例えば、協働するRFIDタグおよび読み取り機、接触スイッチ、磁気位置センサ、あるいは同様のものを含む。
【0234】
図49A、49B、49Cをも参照すると、非栄養甘味料の供給部1206の例示的な構成が示される。非栄養甘味料の供給部1206は全体的に、非栄養甘味料容器1402を受けるように構成されるハウジング1400を含む。非栄養甘味料容器1402は、例えば、バッグインボックス構成(例えば、略剛体の保護ハウジング内に配される、非栄養甘味料を包含するフレキシブルなバッグ)を含む。供給部1206は、(例えば、枢動壁1406に関連付けられる)カップリング1404を含んでもよく、該カップリング1404は、非栄養容器1402に関連付けられる取り付け部に流体結合する。カップリング1404の構成および性質は、非栄養容器1402に関連付けられる協働取り付け部に応じて変化する。
【0235】
図49Cをも参照すると、供給部1206は1つ以上のポンプアセンブリ(例えば、ポンプアセンブリ270e、270f、270g、270h)を含んでもよい。1つ以上のポンプアセンブリ270e、270f、270g、270hは、上述の製品モジュールアセンブリ(例えば、製品モジュールアセンブリ250)と同様に構成される。カップリング1404は配管アセンブリ1408を介してカップリング1404に流体結合される。配管アセンブリ1408は全体的に、カップリング1404に流体接続されるように構成される入口1410を含んでもよい。マニホールド1412は、入口1410において受け取られた非栄養甘味料を1本以上の分配チューブ(例えば、分配チューブ1414、1416、1418、1420)に分配する。分配チューブ1414、1416、1418、1420は、それぞれのポンプアセンブリ270e、270f、270g、270gに流体結合されるように構成されるそれぞれのコネクタ1422、1424、1426、1428を含む。
【0236】
次に図50を参照すると、例示的な実施形態では、配管アセンブリ1408は空気センサ1450を含む。かくして、配管アセンブリ1408は、空気が存在するかどうかを検知するための装置を含む。実施形態によっては、もし、流体入口1410を通じて入ってくる流体が空気を含んでいれば、空気センサ1450は空気を検出することになり、実施形態によっては、大量ミクロ成分からの汲み出しを止める信号を送信してもよい。この機能は多くの分配システムにおいて望まれ、特に、もし大量ミクロ成分の体積が不正確であれば、分配される製品は損なわれてしまう且つ/または危険になってしまう場合がある分配システムにおいて望まれる。かくして、空気センサを含む配管アセンブリ1408は、空気がポンプで送り込まれていないことを確実にし、例えば医薬品が分配される実施形態では、安全機構となる。他の製品では、配管アセンブリ1408の本実施形態は品質保証機構の一部となる。
【0237】
以上では、種々の電気構成要素、機械構成要素、電気機械構成要素、およびソフトウェアプロセスは、飲料を分配する処理システム内で利用されるものとして記載されているが、これはあくまで例示目的のためであり、本開示の限定として意図されるものではない。なぜなら、他の構成が可能であるからである。例えば、上述の処理システムは他の消耗品(例えば、アイスクリームおよびアルコールドリンク)を処理する/分配するために利用されてもよい。加えて、上述のシステムは食品産業以外の分野で利用されてもよい。例えば、上述のシステムは:ビタミン類;薬剤;医薬品、洗浄剤製品;潤滑油;彩色/染色製品;ならびに他の非消耗性の液体/半液体/顆粒状固形物または任意の流体を処理する/分配するために利用されてよい。
【0238】
上述されたように、全体的には、処理システム10の種々の電気構成要素、機械構成要素、電気機械構成要素、およびソフトウェアプロセス(ならびに詳細には、FSMプロセス122、仮想機械プロセス124、および仮想マニホールドプロセス126)は、1つ以上の基材(「成分」とも呼ばれる)からの製品のオンデマンド作製が望まれる任意の機械において用いられてもよい。
【0239】
種々の実施形態では、製品は、プロセッサ内にプログラムされているレシピに従って作製される。上述されたように、レシピは、許可を得て、更新されるか、取り込まれるかまたは改変されてもよい。レシピはユーザによって要求されてもよいし、またはスケジュールに則り用意されるように前もってプログラムされてもよい。レシピは任意の数の基材または成分を含んでよく、生成される製品は任意の数の基材または成分を任意の所望の濃度で含んでよい。
【0240】
用いられる基材は任意の濃度の任意の流体であってもよいし、あるいは、機械が製品を作製している最中または機械が製品を作製する前に還元される任意の粉末または他の固形物であってもよい(すなわち、還元された粉末または固形物の「バッチ」が特定の時刻において用意され、追加の製品を作製するための計量供給、または「バッチ」の溶液を製品として分配することに備える)。種々の実施形態では、2つ以上の基材そのものが1つのマニホールド内で混合され、その後、追加の基材と混合するために別のマニホールドに計量供給されてもよい。
【0241】
従って、種々の実施形態では、要求により、または実際の要求に先立つ所望の時刻において、レシピに従ってマニホールド内に第1の基材および少なくとも1つの追加の基材を計量供給することによって溶液の第1のマニホールドが作製される。実施形態によっては、基材のうちの1つは還元されてもよい、すなわち、該基材は粉末/固形物であってもよく、その特定の量が混合マニホールドに加えられる。同じ混合マニホールドに液体基材が加えられてもよく、粉末基材は液体内で所望の濃度に還元されてもよい。このマニホールドの内容物はその後、例えば別のマニホールドに提供されてもよいし、または分配されてもよい。
【0242】
実施形態によっては、本願明細書において記載されている方法は、腹膜透析または血液透析で使用するために、レシピ/処方箋に従ってオンデマンドの透析液を混合することと関連して用いられてもよい。当技術分野において周知のように、透析液の組成は、以下のもの:重炭酸塩、ナトリウム、カルシウム、カリウム、塩化物、デキストロース、乳酸塩、酢酸、酢酸塩、マグネシウム、グルコースおよび塩酸、のうちの1つ以上を含む。ただし、それらに限定されるものではない。
【0243】
透析液は、浸透により血液から老廃物分子(例えば、尿素、クレアチニン、カリウム、リン酸塩など等のイオン)および水を透析液内に引き出すために用いられるもので、透析液溶液は当業者に周知である。
【0244】
例えば、透析液は通例、健康な血液内の自然な濃度と同様であるカリウムおよびカルシウム等の種々のイオンを包含する。場合によっては、透析液は重炭酸ナトリウムを包含してよく、それは通常、正常な血液に存在するよりもいくらか高い濃度になっている。通例、透析液は、水源からの水(例えば、逆浸透水すなわち「RO(reverse osmosis)」水)を1つ以上の成分:例えば、「酸」(酢酸、デキストロース、NaCl、CaCl、KCl、MgClなど等の様々な種類を包含してもよい)、重炭酸ナトリウム(NaHCO3)、および/またはナトリウム塩化物(NaCl)、と混合することによって調合される。適当な塩類濃度、オスモル濃度、pH、および同様のものを用いることを含む透析液の調合も同様に当業者に周知である。以下において詳細に説明されるように、透析液はオンデマンドでリアルタイムに調合される必要はない。例えば、透析液は透析と同時にまたは先立って作られ、透析液貯蔵容器または同様のものの中に貯蔵されることができる。
【0245】
実施形態によっては、1つ以上の基材、例えば重炭酸塩、は粉末の形態で貯蔵されてよい。あくまで説明および例示の目的のために、本例では、粉末基材が「重炭酸塩」として言及されるが、他の実施形態では、重炭酸塩に加えてまたはその代わりに、任意の基材/成分が機械内に粉末の形態でまたは別の固形物として貯蔵されてよく、本願明細書において記載されている基材の還元のためのプロセスが用いられる。重炭酸塩は、例えばマニホールドに注ぐ「使い捨て」容器内に貯蔵される。実施形態によっては、或る体積の重炭酸塩が容器内に貯蔵され、容器からの特定の体積の重炭酸塩がマニホールド内に計量供給される。実施形態によっては、重炭酸塩の全体積が、すなわち、大量の透析液を混合するべく、マニホールド内に完全に注がれる。
【0246】
第1のマニホールド内の溶液は第2のマニホールド内で1つ以上の追加の基材/成分と混合される。加えて、実施形態によっては、第1のマニホールド内で混合された溶液が、所望の濃度が確実に達せられたことをテストすることもできるように、1つ以上のセンサ(例えば、1つ以上の伝導度センサ)が設置される。実施形態によっては、1つ以上のセンサからのデータは、溶液における誤差を補正するためにフィードバック制御ループ内で用いられる。例えば、重炭酸塩溶液が所望の濃度よりも高いまたは低い濃度を有することをセンサのデータが示せば、追加の重炭酸塩またはROがマニホールドに加えられる。
【0247】
いくつかの実施形態におけるレシピによっては、1つ以上の成分が、別のマニホールド内で1つ以上の成分と混合されるのに先立って、マニホールド内で還元されてもよく、それらの成分も、還元された粉末/固形物または液体である。
【0248】
かくして、本願明細書において記載されているシステムおよび方法は、透析液、または医療に用いられる他の溶液を含む、他の溶液の正確なオンデマンド製造または配合のための手段を提供する。実施形態によっては、本システムは、2008年2月27日に提出され、2007年2月27日の優先日を有し、その全体が本願明細書において参照により引用されている米国特許出願第12/072,908号に記載されているもの等の透析装置内に組み込まれる。他の実施形態では、本システムは、オンデマンドで製品を混合することが望まれる場合がある任意の機械内に組み込まれる。
【0249】
水は透析液において最も大きな体積を占め、それ故、透析液のバッグを輸送するには高いコスト、広いスペースおよび長い時間が必要になる。上述の処理システム10は透析液を透析装置内で調合してもよいし、または、単独で動作する分配機内で(例えば、患者の自宅において現地で)調合してもよく、かくして、透析液のバッグを多数運送し貯蔵する必要を無くす。この上述の処理システム10は、本願明細書において記載されているシステムおよび方法を用いて、ユーザまたは供給者に所望の処方箋を入力し、所望の処方箋をオンデマンドで現場で(例えば、医療センター、薬局または患者の自宅を含む、ただしそれらに限定されるものではない)製造する能力を提供する。それ故、基材/成分が、運送/配達を必要とする唯一の成分となるので、本願明細書において記載されているシステムおよび方法は輸送コストを低減する。
【0250】
先に説明され記載されている流量制御モジュールの種々の実施形態に加えて、図56〜64を参照すると、流量制御モジュールのための可変管路インピーダンス、流量計測デバイス(または「流量計」と呼ばれることもある)ならびに二方弁の種々のさらなる実施形態が示されている。
【0251】
図56〜59をまとめて参照すると、流量制御モジュール3000の本実施形態の例示的な実施形態は、流体入口3001、ピストンハウジング3012、一次オリフィス3002、ピストン3004ピストンばね3006、ピストンの周りのシリンダ3005、および二次オリフィス(単数または複数)3022を含めばよい。ピストンばね3006は、図56に見られるように、ピストン3004を閉鎖位置内に付勢する。流量制御モジュール3000は、ソレノイドハウジング3010およびアーマチュア3014を含むソレノイド3008も含む。プランジャばね3020によって開放位置内に付勢されるプランジャ3018によって下流二方弁3016が作動する。
【0252】
ピストン3004、シリンダ3005、ピストンばね3006およびピストンハウジング3012は任意の材料で作られてもよく、該材料は、実施形態によっては、流量制御モジュールを流れるように意図される流体に基づき選択される。例示的な実施形態では、ピストン3004およびシリンダ3005はアルミナセラミックで作られるが、他の実施形態では、これらの構成要素は別のセラミックまたはステンレス鋼で作られてもよい。種々の実施形態では、これらの構成要素は任意の所望の材料で作られ、流体に依存して選択される。例示的な実施形態では、ピストンばね3006はステンレス鋼で作られるが、種々の実施形態では;ピストンばね3006はセラミックまたは別の材料で作られてもよい。例示的な実施形態では、ピストンハウジング3012はプラスチックで作られる。しかし、他の実施形態では、種々のパーツはステンレス鋼または任意の他の寸法安定性のある耐食材料で作られてもよい。図56〜59に示されるように、例示的な実施形態は二方弁を含むが、実施形態によっては、流量制御モジュール3000は二方弁を含まなくてもよい。これらの実施形態では、シリンダ3005およびピストン3004は、例示的な実施形態では上述されたようにアルミナセラミックで作られるが、それらは、遊嵌するようぴったり適合するように作られてもよいし、またはほぼ遊嵌するように2つの構成要素の間に非常に狭いクリアランスを持たせるように製作されてもよい。
【0253】
例示的な実施形態におけるソレノイド3008は一定力ソレノイド3008である。例示的な実施形態では、図56〜59に示される一定力ソレノイド3008が用いられてもよい。ソレノイド3008は、例示的な実施形態では416ステンレス鋼で作られるソレノイドハウジング3010を含む。例示的な実施形態では、一定力ソレノイド3008はスパイクを含む。本実施形態では、アーマチュア3014がスパイクに接近すると、力は位置に関して略一定となりごくわずかしか変化しなくなる。一定力ソレノイド3008は、例示的な実施形態では416ステンレス鋼で作られるアーマチュア3014に磁力を及ぼす。実施形態によっては、アーマチュア3014および/またはソレノイドハウジング3012は、フェライト系ステンレス鋼または任意の他の磁性ステンレス鋼あるいは望ましい磁気特性を有する他の材料で作られる。アーマチュア3014はピストン3004に接続される。かくして、一定力ソレノイド3008は、ピストン3004を、二次オリフィス(単数または複数)3022に関する閉鎖位置(図56および57に示される)から開放位置(図58および59に示される)に直線的に動かす力を与える。かくして、ソレノイド3008はピストン3004を作動させ、一定力ソレノイド3008を制御するために印加される電流は、アーマチュア3014に及ぼされる力に比例する。
【0254】
一次オリフィス3002のサイズは、システムのための最大圧力降下が超えられないように且つ、一次オリフィス3002間の圧力がピストン3004を動かすのに十分大きくなるように選択される。例示的な実施形態では、一次オリフィス3002は約0.180インチ(4.572mm)である。しかし、種々の実施形態では、直径は、所望の流量および圧力降下に依存して、より大きくてもよいしまたはより小さくてもよい。加えて、特定の流量における最大圧力降下を得ることは、所望の流量を維持するための、ピストン3004による総移動量を最小化する。
【0255】
一定力ソレノイド3008およびピストンばね3006はピストン3004の移動にわたってほぼ一定の力を及ぼす。ピストンばね3006はピストン3004に対して流体の流れと同じ方向に作用する。一次オリフィス3002を通じた流体の進入の際に圧力降下が生じる。一定力ソレノイド3008(「ソレノイド」とも呼ばれる)は、アーマチュア3014に力を及ぼすことによって流体圧力に対抗する。
【0256】
次に図56を参照すると、流量制御モジュール3000は、流体の流れがない閉鎖位置で示されている。閉鎖位置では、ソレノイド3008は非通電状態になっている。ピストンばね3006はピストン3004を閉鎖位置に付勢している、すなわち、二次オリフィス(単数または複数)(図58〜59に3022として示される)は完全に閉鎖されている。これは、流量制御モジュール3000が電力喪失に遭遇した場合に備えたフェールセーフフロー開閉器を含む、ただしそれに限定されるものではない、多くの理由で有益である。かくして、ソレノイド3008に通電するための電力が利用できなくなれば、ピストン3004は「正常閉鎖」状態に動くことになる。
【0257】
同様に図57〜59を参照すると、ソレノイド3008に印加されるエネルギーまたは電流はアーマチュア3014およびピストン3004の運動を制御する。ピストン3004が流体入口3001の方へさらに動くと、これは二次オリフィス(単数または複数)3022を開放する。それ故、ソレノイド3008に印加される電流は、アーマチュア3014に及ぼされる力に比例し、所望の流量を得るには、ソレノイド3008に印加される電流を変化させる。流量制御モジュールの本実施形態の例示的な実施形態では、流量は、ソレノイド3008に印加される電流に対応する;電流が印加されるにつれて、ピストン3004への力は増加する。
【0258】
ソレノイド3008上の一定の力のプロファイルを維持するために、アーマチュア3014の移動をおおよそ所定のエリア内に維持することが望ましい場合がある。上述されたように、ソレノイド3008内のスパイクは、アーマチュア3014が移動する際におけるほぼ一定の力の維持に寄与する。二次オリフィス(単数または複数)3022が開いているときは、ほぼ一定の力を維持することはほぼ一定の流量を維持することになるので、実施形態によっては、これは望ましい。
【0259】
ソレノイド3008からの力が増すと、例示的な実施形態では、ソレノイド3008からの力はピストン3004を流体入口3001の方へ直線的に動かし、二次オリフィス(単数または複数)3022を通じた流れを開始する。これは流量制御モジュール内の流体圧力を低下させる。それ故、一次オリフィス3002(ピストン3004と結びついている)は、二次オリフィス(単数または複数)3022とともに、流量計および可変管路インピーダンスの機能を果たし;二次オリフィス(単数または複数)3022の断面積を変化させることによって、一次オリフィス3002間の圧力降下(流量のインジケータである)は一定を保つ。流量、すなわち、一次オリフィス3002での圧力差、はピストン3004の運動の量、すなわち、流体経路の可変管路インピーダンス、を決定する。
【0260】
次に図58〜59を参照すると、例示的な実施形態では、可変管路インピーダンスは少なくとも1つの二次オリフィス3022を含む。いくつかの実施形態、例えば、図58〜59に示される実施形態では、二次オリフィス3022はアパーチャを複数含む。アパーチャを複数含む実施形態が望ましい場合がある。なぜなら、それらは最大圧力降下における所望の流量のために十分な合計二次オリフィスサイズを提供しつつ、構造的完全性の維持を可能にし、ピストンの移動を最小限に抑えるからである。
【0261】
図56〜59を参照すると、動作中にブローバイによって生じる場合がある圧力を均一にするために、例示的な実施形態では、ピストン3004は少なくとも1つの放射状溝3024を含む。例示的な実施形態では、ピストン3004は2つの放射状溝3024を含む。他の実施形態では、ピストン3004は放射状溝を3つ以上含んでもよい。少なくとも1つの放射状溝3024は、ブローバイからの圧力を均一にし、かくして、ピストン3004をシリンダ3005内でセンタリングする手段をどちらも提供し、それがブローバイを低減する。ピストン3004のセンタリングはシリンダ3005とピストン3004との間に流体力学的な軸受効果も提供してもよく、かくして、摩擦を低減する。実施形態によっては、摩擦を低減するべくピストン3004をコーティングすることを含む、ただしそれに限定されるものではない、摩擦を低減する任意の他の手段が用いられてよい。用いられるコーティングとしては、ダイヤモンドライクコーティング(「DLC(diamond−like−coating)」)および窒化チタンが挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。摩擦を低減することはシステムにおけるヒステリシスの低減のために有益であり、ひいては、システムにおける流量制御誤差を低減する。
【0262】
例示的な実施形態では、所与の可変管路インピーダンスデバイスのために、所与の流量を生じさせるための電流、および電流を印加する方法が決められる。電流を印加する種々の様式としては、電流をディザリングすること、正弦波ディザ、電流をディザスケジューリングすることまたは種々のパルス幅変調(「PWM(Pulse Width Modulation)」)技法を用いることが挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。電流制御は、種々の流量および種々の流れの形式、例えば、ただしこれらに限定されるものではないが、断続的または脈動的な流量あるいは平滑な流量、を作り出すために用いられる。例えば、正弦波ディザリングは、ヒステリシス、およびシリンダ3005とピストン3004との間の摩擦を低減するために用いられる。かくして、所定のスケジュールは所与の所望の流量のために決められ、用いられる。
【0263】
次に図64を参照すると、図56〜63に示される可変管路インピーダンスデバイスに適用されるソレノイド制御方法の例が示されている。この制御方法では、少ない流量においてはより低い振幅のディザを適用し、流量が増すに従ってより高い振幅のディザを適用するディザ関数が示されている。ディザは、指定閾値においてディザが増加するステップ関数として指定されてもよいし、または指定閾値を超えれば一定になるランプ関数として指定されてもよい。図64はディザランプ関数の例を示す。ディザ周波数およびディザ振幅はどちらも電流指令によって変化させる。実施形態によっては、ディザ関数は、任意の所望の流量のための最適ディザ特性または他のディザスケジューリングを指定したルックアップテーブルに代替されてもよい。
【0264】
上流の流体圧力は上昇または低下する場合がある。しかし、可変管路インピーダンスは、一定力ソレノイドをばねおよびプランジャとともに用いて、圧力変化を補償し、一定の所望の流量を維持する。このように、可変管路インピーダンスは、可変圧力の下でも一定の流量を維持する。例えば、入口圧力が上昇すると、システムは固定サイズの一次オリフィス3002を含むので、一次オリフィス3002での圧力降下によって、ピストン3004は流体出口3036の方へ動き、二次オリフィス(2)3022の開口部を「小さくする」ことになる。これは、ピストン3004の、流体出口3036に向かう直線運動によって達成される。
【0265】
逆に、入口圧力が低下すると、システムは固定サイズの一次オリフィス3002を有するので、一次オリフィス3002での圧力降下によって、ピストン3004は二次オリフィス(単数または複数)3022の開口部を「大きくする」ことになり、かくして流量を一定に保つ。これは、ピストン3004の、流体入口3001に向かう直線運動によって達成される。
【0266】
例示的な実施形態は二方弁も含む。例示的な実施形態では示されているが、実施形態によっては、例えば、ピストンと二次オリフィスとの間の余裕が、ピストンが二次オリフィスに対する二方弁の機能を果たせばよいようになっている場合には、二方弁が用いられなくてもよい。次に図56〜59を参照すると、例示的な実施形態における二方弁は二次オリフィス3022より下流にある。例示的な実施形態では、二方弁は、プランジャ3018によって作動し、操縦される隔壁3016である。例示的な実施形態では、隔壁3016は、オーバーモールドされた金属ディスクであるが、他の実施形態では、隔壁3016は、弁を流れる流体に適した任意の材料で作られてもよい。該材料としては、金属類、エラストマー類および/またはウレタン類、あるいは所望の機能に適した任意の種類のプラスチックまたは他の材料が挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。図は、開放位置に位置する膜を示しているが、実際には、膜はそこに位置しないかも知れないことに留意されたい。プランジャ3018はピストン3004によってじかに作動させられ、その静止位置において;プランジャばね3020はプランジャ3018を開放位置内に付勢する。ピストン3004が閉鎖位置に戻ると、ピストンばね3006によって発生する力はプランジャばね3020の付勢に打ち勝つのに十分大きく、プランジャ3018を二方弁の閉鎖位置まで作動させる。このように、例示的な実施形態では、ソレノイドはピストン3004およびプランジャ3018の両方にエネルギーを与え、かくして、二次オリフィス3022を通じた流体の流れおよび二方弁を通じた流体の流れの両方を制御する。
【0267】
図56〜59を参照すると、ピストン3004の前進運動は、ソレノイド3008からの力の増加に関して見られてもよい。図56を参照すると、二方弁および二次オリフィス(不図示)はどちらも閉鎖されている。図57を参照すると、ソレノイドに電流が印加され、ピストン3004は少し動いており、一方、二方弁はプランジャばね3020の付勢の故に開いている。図58では、ソレノイド3008は追加の電流を印加され、ピストン3004は一次オリフィス3002へさらに動いており、二次オリフィス3022を少し開放している。次に図59を参照すると、ソレノイド3008からの電流の増加により、ピストン3004は流体入口3001に向かってさらに動いており(または本実施形態では、ソレノイド3008の内部へさらに動いている)、二次オリフィス3022は完全に開いている。
【0268】
図56〜59に関して上述された実施形態は、ピストン位置センサおよび/または流量センサを含む、ただしそれらに限定されるものではない、1つ以上のセンサを追加的に含んでもよい。ソレノイド3008が通電されたときに流体の流れが確立されたことを検証するために1つ以上のセンサが用いられてもよい。ピストン位置センサが、例えば、ピストンが動いているか否かを検出する。流量センサが、ピストンが動いているか動いていないかを検出してもよい。
【0269】
次に図60〜61を参照すると、種々の実施形態では、流量制御モジュール3000は1つ以上のセンサを含んでもよい。図60を参照すると、流量制御モジュール3000は流速計3026を備えるように示されている。1つの実施形態では、1つ以上のサーミスタ(単数または複数)が、流体経路に接触する薄壁にごく接近して設置される。サーミスタ(単数または複数)は既知の電力の量、例えば1ワット、を放散し、かくして、静止流体または流動流体のいずれかについての予測可能な温度上昇が期待される。流体が流れている場合には温度はよりゆっくりと上昇するので、流速計は流体流量センサとして用いられる。実施形態によっては、流速計は、センサが流体の流れの存在を追加的に検出しているか否かにかかわらず、流体の温度を求めるために用いられてもよい。
【0270】
次に図61を参照すると、流量制御モジュール3000は羽根車3028を備えるように示されている。図62に、羽根車センサ3030の切断断面図が示されている。羽根車センサ3030は、流体経路内の羽根車3028、赤外線(「IR(Infrared)」)エミッタ3032およびIR受信器3034を含む。羽根車センサ3030は計量デバイスであり、流量の算出および/または確認のために用いられる。実施形態によっては、羽根車センサ3030は、単に、流体が流れているか否かを検知するために用いられてもよい。図62に示される実施形態では、IRダイオード3032が光り、さらに、流体が流れると、羽根車3028は回転し、IRダイオード3032からのビームを遮断する。それがIR受信器3034によって検出される。IRビームの遮断の速度が用いられて流量を算出する。
【0271】
図56〜59に示されるように、実施形態によっては、1つを超えるセンサが流量制御モジュール3000内で用いられてもよい。これらの実施形態では、流速計センサおよび羽根車センサが両方とも示されている。一方、他の実施形態では、羽根車センサ(図61)または流速計センサ(図60)のどちらかが用いられる。しかし、種々の他の実施形態では、1つ以上の異なるセンサが、流量制御モジュール3000の種々の状況を検出、算出または検知するために用いられてもよい。例えば、実施形態によっては、磁束を検知するためにソレノイド3008の磁気回路にホール効果センサが追加されてもよい。ただし、それに限定されるものではない。
【0272】
実施形態によっては、ピストン3004の位置を求めるために、ソレノイド3008のコイルにおけるインダクタンスが計算されてもよい。例示的な実施形態におけるソレノイド3008では、アーマチュア3014の移動とともに磁気抵抗が変動する。インダクタンスは磁気抵抗から求められるかまたは計算されてもよく、かくして、ピストン3004の位置は、計算されたインダクタンスに基づいて計算される。実施形態によっては、インダクタンスは、アーマチュア3014を介してピストン3004の運動を制御するために用いられてもよい。
【0273】
次に図63を参照すると、流量制御モジュール3000の、1つの実施形態が示されている。流量制御モジュール3000の本実施形態は、本願明細書において記載されている分配システムの種々の実施形態のいずれにおいて用いられてもよい。さらに、可変流量インピーダンス装置は上述の種々の可変流量インピーダンスの実施形態の代わりに用いられてよい。さらに、種々の実施形態では、流量制御モジュール3000は下流または上流の流量計と併せて用いられてもよい。
【0274】
図65を参照すると、流量制御モジュール3000の1つの実施形態を貫く流体経路が示されている。本実施形態では、流量制御モジュール3000は羽根車3028センサおよび流速計3026を両方含む。しかし、上述されたように、流量制御モジュール3000のいくつかの実施形態は追加のセンサを含んでもよいし、または図65に示されているよりも含まれるセンサが少なくてもよい。
【0275】
上述されたように、処理システム10によって製造可能なこうした製品の他の例としては:乳製品ベースの製品類(例えば、ミルクセーキ、フロート、麦芽乳、フラッペ);コーヒーベースの製品類(例えば、コーヒー、カプチーノ、エスプレッソ);ソーダベースの製品類(例えば、フロート、果汁入りソーダ);茶ベースの製品類(例えば、アイスティー、スイートティー、ホットティー);水ベースの製品類(例えば、天然水、フレーバー天然水、ビタミン類入り天然水、高電解質飲料、高炭水化物飲料);固形物ベースの製品類(例えば、トレイルミックス、グラノーラベースの製品、ミックスナッツ、シリアル製品、ミックスグレイン製品);医薬品類(例えば、注入可能な薬剤、注射可能な薬剤、摂取可能な薬剤);アルコールベースの製品類(例えば、混合酒、ワインスプリッツァー、ソーダベースのアルコールドリンク、水ベースのアルコールドリンク);工業製品類(例えば、溶剤、塗料、潤滑油、染料);および健康/美容補助製品類(例えば、シャンプー、化粧品、石けん、ヘアコンディショナ、スキントリートメント、局所軟膏)、が挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。
【0276】
数多くの実装が記載されている。それにもかかわらず、種々の変更がなされることは理解されよう。従って、他の実施も、添付の特許請求の範囲内である。
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本出願は、2008年9月5日に提出され、以下の特許出願に対して優先権を主張する米国特許出願第12/205,762号(G45)の一部継続出願である:「RFIDシステムおよび方法(RFID System and Method)」と題され、2008年8月27日に提出された米国特許出願第61/092,396号(G35);「処理システムおよび方法(Processing System and Method)」と題され、2008年8月27日に提出された米国特許出願第61/092,394号(G36);「飲料分配システム(Beverage Dispensing System)」と題され、2008年8月27日に提出された米国特許出願第61/092,388(G37)号;「内容物分配システム(Content Dispensing System)」と題され、2007年9月6日に提出された米国特許出願第60/970,501号、(F40);「仮想マニホールドシステムおよび方法(Virtual Manifold System and Method)」と題され、2007年9月6日に提出された米国特許出願第60/970,494号、(F41);「FSMシステムおよび方法(FSM System and Method)」と題され、2007年9月6日に提出された米国特許出願第60/970,493号、(F42);「仮想機械システムおよび方法(Virtual Machine System and Method)」と題され、2007年9月6日に提出された米国特許出願第60/970,495号、(F43);「RFIDシステムおよび方法(RFID System and Method)」と題され、2007年9月6日に提出された米国特許出願第60/970,497号、(F44);「駆動信号生成システムおよび方法(System and Method for Generating a Drive Signal)」と題され、2007年9月6日に提出された米国特許出願第11/851,344号、(F45);「RFIDシステムおよび方法(RFID System and Method)」と題され、2008年5月20日に提出された米国特許出願第61/054,757号、(F84);「流量制御モジュール(Flow Control Module)」と題され、2008年5月20日に提出された米国特許出願第61/054,629号、(F85);「静電容量式流量センサ(Capacitance−Based Flow Sensor)」と題され、2008年5月20日に提出された米国特許出願第61/054,745号、(F86);「飲料分配システム(Beverage Dispensing System)」と題され、2008年5月20日に提出された米国特許出願第61/054,776号、(F87)。これらはすべてその全体が本願明細書において参照により同様に援用されている。
【0002】
[発明の分野]
本発明は概して処理システムに関し、より具体的には、複数の独立した成分から製品を生成するために用いられる処理システムに関する。
【背景技術】
【0003】
処理システムは1つ以上の成分を組み合わせて製品を形成する。残念ながら、このようなシステムはしばしば構成が固定されており、比較的限られた数の製品を生成する能力しかない。このようなシステムは他の製品を生成するように再構成されることができる場合もあるが、このような再構成は機械/電気/ソフトウェアシステムへの大幅な改変を必要とする場合がある。
【0004】
例えば、異なる製品を作るために、例えば、新しい弁、管路、マニホールド、およびソフトウェアサブルーチン等の新しい構成要素が追加されなければならない場合がある。このような大幅な変更は、処理システム内の既存のデバイス/プロセスが再構成不可能であり、単一の専用用途を有するがために必要となる場合があり、それ故、新しいタスクを遂行するために追加の構成要素が追加されることを必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様によれば、流量制御デバイスが開示される。流量制御デバイスは、アーマチュアを含むソレノイドを含む。同様に、アーマチュアにはピストンが接続される。ピストンは一次オリフィスを含む。ピストンは開放位置および閉鎖位置を有する。ピストンに接続されるピストンばねも含まれ、少なくとも1つの二次オリフィスも含まれる。ピストンの、開放位置への運動は少なくとも1つの二次オリフィスを少なくとも部分的に開放し、ピストンの、閉鎖位置への運動は少なくとも1つの二次オリフィスを少なくとも部分的に閉鎖する。アーマチュアの運動はピストンの運動を作動させ、一次オリフィスから少なくとも1つの二次オリフィスを通じた流体の流れを制御する。
【0006】
本発明の本態様のいくつかの実施形態は以下の特徴のうちの1つ以上を含めばよい。すなわち:ピストンは少なくとも1つの放射状溝をさらに含む;ピストンは2つの放射状溝をさらに含む;ソレノイドは一定力ソレノイドである;且つ/またはデバイスは、流体の流れを検知するための少なくとも1つのセンサをさらに含む;デバイスは、流体の流れを検知するための少なくとも1つのセンサをさらに含む;デバイスは、ピストンの位置を求めるための磁気抵抗センサをさらに含む;デバイスは、流体の流れと熱的に通じた流速計をさらに含む;且つ/またはデバイスは、流体の流れを検知するための羽根車をさらに含む。羽根車センサのいくつかの実施形態は、羽根車と、赤外線ビームを放射する赤外線エミッタと、放射された赤外線ビームを受信する赤外線受信器と、をさらに含めばよい。赤外線エミッタおよび赤外線受信器は羽根車の対向する側に設置され、流体の流れは羽根車を回転させ、羽根車は赤外線ビームを遮断する。
【0007】
追加的に、本発明の本態様のいくつかの実施形態は以下の機構のうちの1つ以上を含んでよく、二方弁を含んでよい。二方弁のいくつかの実施形態は、プランジャと、プランジャを開放位置内に付勢するばねと、プランジャによって作動する隔壁と、をさらに含めばよい。ピストンはプランジャを作動させてプランジャを閉鎖位置に動かす。
【0008】
本発明のこれらおよび他の特徴および利点は、図面と併せて、以下の詳細な記載を読むことによってより良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】処理システムの1つの実施形態の概略図である。
【図2】図1の処理システム内に含まれる制御論理サブシステムの1つの実施形態の概略図である。
【図3】図1の処理システム内に含まれる多量成分サブシステムの1つの実施形態の概略図である。
【図4】図1の処理システム内に含まれるミクロ成分サブシステムの1つの実施形態の概略図である。
【図5A】図1の処理システム内に含まれる静電容量式流量センサの1つの実施形態の側面概略図である(非汲み出し状況の間)。
【図5B】図5Aの静電容量式流量センサの上面概略図である。
【図5C】図5Aの静電容量式流量センサ内に含まれる2つの容量板の概略図である。
【図5D】図5Aの静電容量式流量センサの静電容量値の時間依存グラフを示す図である(非汲み出し状況、汲み出し状況、および空の状況の間)。
【図5E】図5Aの静電容量式流量センサの側面概略図である(汲み出し状況の間)。
【図5F】図5Aの静電容量式流量センサの側面概略図である(空の状況の間)。
【図6A】図1の処理システム内に含まれる配管/制御サブシステムの概略図である。
【図6B】歯車式の容積式流量計測デバイスの1つの実施形態の概略図である。
【図7A】図3の流量制御モジュールの実施形態を概略的に示す図である。
【図7B】図3の流量制御モジュールの実施形態を概略的に示す図である。
【図8】図3の流量制御モジュールの種々の代替実施形態を概略的に示す図である。
【図9】図3の流量制御モジュールの種々の代替実施形態を概略的に示す図である。
【図10】図3の流量制御モジュールの種々の代替実施形態を概略的に示す図である。
【図11】図3の流量制御モジュールの種々の代替実施形態を概略的に示す図である。
【図12】図3の流量制御モジュールの種々の代替実施形態を概略的に示す図である。
【図13】図3の流量制御モジュールの種々の代替実施形態を概略的に示す図である。
【図14A】図3の流量制御モジュールの種々の代替実施形態を概略的に示す図である。
【図14B】図3の流量制御モジュールの種々の代替実施形態を概略的に示す図である。
【図14C】図3の流量制御モジュールの種々の代替実施形態を概略的に示す図である。
【図15A】可変管路インピーダンスの一部を概略的に示す図である。
【図15B】可変管路インピーダンスの一部を概略的に示す図である。
【図15C】可変管路インピーダンスの1つの実施形態を概略的に示す図である。
【図16A】1つの実施形態による歯車式の容積式流量計測デバイスの歯車を概略的に示す図である。
【図16B】1つの実施形態による歯車式の容積式流量計測デバイスの歯車を概略的に示す図である。
【図17】図1の処理システム内に含まれるユーザインターフェースサブシステムの概略図である。
【図18】図1の制御論理サブシステムによって実行されるFSMプロセスのフローチャートを示す図である。
【図19】第1の状態図の概略図である。
【図20】第2の状態図の概略図である。
【図21】図1の制御論理サブシステムによって実行される仮想機械プロセスのフローチャートを示す図である。
【図22】図1の制御論理サブシステムによって実行される仮想マニホールドプロセスのフローチャートを示す図である。
【図23】図1の処理システム内に含まれるRFIDシステムの等角図である。
【図24】図23のRFIDシステムの概略図である。
【図25】図23のRFIDシステム内に含まれるRFIDアンテナアセンブリの概略図である。
【図26】図25のRFIDアンテナアセンブリのアンテナループアセンブリの等角図である。
【図27】図1の処理システムを収納するためのハウジングアセンブリの等角図である。
【図28】図1の処理システム内に含まれるRFIDアクセスアンテナアセンブリの概略図である。
【図29】図1の処理システム内に含まれる代替のRFIDアクセスアンテナアセンブリの概略図である。
【図30】図1の処理システムの実施形態の概略図である。
【図31】図30の処理システムの内部アセンブリの概略図である。
【図32】図30の処理システムの上部キャビネットの概略図である。
【図33】図30の処理システムの流量制御サブシステムの概略図である。
【図34】図33の流量制御サブシステムの流量制御モジュールの概略図である。
【図35】図30の処理システムの上部キャビネットの概略図である。
【図36A】図35の処理システムの電源モジュールの概略図である。
【図36B】図35の処理システムの電源モジュールの概略図である。
【図37A】図35の流量制御サブシステムの流量制御モジュールを概略的に示す図である。
【図37B】図35の流量制御サブシステムの流量制御モジュールを概略的に示す図である。
【図37C】図35の流量制御サブシステムの流量制御モジュールを概略的に示す図である。
【図38】図30の処理システムの下部キャビネットの概略図である。
【図39】図38の下部キャビネットのミクロ成分タワーの概略図である。
【図40】図38の下部キャビネットのミクロ成分タワーの概略図である。
【図41】図39のミクロ成分タワーの4製品モジュールの概略図である。
【図42】図39のミクロ成分タワーの4製品モジュールの概略図である。
【図43A】ミクロ成分容器の1つの実施形態の概略図である。
【図43B】ミクロ成分容器の1つの実施形態の概略図である。
【図43C】ミクロ成分容器の1つの実施形態の概略図である。
【図44】ミクロ成分容器の別の実施形態の概略図である。
【図45A】図30の処理システムの下部キャビネットの代替実施形態を概略的に示す図である。
【図45B】図30の処理システムの下部キャビネットの代替実施形態を概略的に示す図である。
【図46A】図45Aおよび45Bの下部キャビネットのミクロ成分棚の1つの実施形態を概略的に示す図である。
【図46B】図45Aおよび45Bの下部キャビネットのミクロ成分棚の1つの実施形態を概略的に示す図である。
【図46C】図45Aおよび45Bの下部キャビネットのミクロ成分棚の1つの実施形態を概略的に示す図である。
【図46D】図45Aおよび45Bの下部キャビネットのミクロ成分棚の1つの実施形態を概略的に示す図である。
【図47A】図46A、46B、46Cおよび46Dのミクロ成分棚の4製品モジュールを概略的に示す図である。
【図47B】図46A、46B、46Cおよび46Dのミクロ成分棚の4製品モジュールを概略的に示す図である。
【図47C】図46A、46B、46Cおよび46Dのミクロ成分棚の4製品モジュールを概略的に示す図である。
【図47D】図46A、46B、46Cおよび46Dのミクロ成分棚の4製品モジュールを概略的に示す図である。
【図47E】図46A、46B、46Cおよび46Dのミクロ成分棚の4製品モジュールを概略的に示す図である。
【図47F】図46A、46B、46Cおよび46Dのミクロ成分棚の4製品モジュールを概略的に示す図である。
【図48】図47A、47B、47C、47D、47Eおよび47Fの4製品モジュールの配管アセンブリを概略的に示す図である。
【図49A】図45Aおよび45Bの下部キャビネットの大量ミクロ成分アセンブリを概略的に示す図である。
【図49B】図45Aおよび45Bの下部キャビネットの大量ミクロ成分アセンブリを概略的に示す図である。
【図49C】図45Aおよび45Bの下部キャビネットの大量ミクロ成分アセンブリを概略的に示す図である。
【図50】図49A、49B、49Cの大量ミクロ成分アセンブリの配管アセンブリを概略的に示す図である。
【図51】ユーザインターフェースブラケット内のユーザインターフェース画面の1つの実施形態を概略的に示す図である。
【図52】画面を外した、ユーザインターフェースブラケットの1つの実施形態を概略的に示す図である。
【図53】図52のブラケットの詳細側面図である。
【図54】膜ポンプを概略的に示す図である。
【図55】膜ポンプを概略的に示す図である。
【図56】非通電位置にある流量制御モジュールの1つの実施形態の断面図である。
【図57】開放位置にある二方弁を備える流量制御モジュールの1つの実施形態の断面図である。
【図58】部分的通電位置にある流量制御モジュールの1つの実施形態の断面図である。
【図59】完全通電位置にある流量制御モジュールの1つの実施形態の断面図である。
【図60】流速計センサを備える流量制御モジュールの1つの実施形態の断面図である。
【図61】羽根車センサを備える流量制御モジュールの1つの実施形態の断面図である。
【図62】羽根車センサの1つの実施形態の上面切断断面図である。
【図63】流量制御モジュールの1つの実施形態の等角図である。
【図64】ディザスケジューリング方式の1つの実施形態を示す図である。
【図65】流体流路が示された、完全通電位置にある流量制御モジュールの1つの実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
種々の図面における同様の参照記号は同様の要素を示す。
【0011】
本願明細書において記載されるのは製品分配システムである。本システムは、「サブシステム」とも呼ばれる1つ以上のモジュール式構成要素を含む。本願明細書においては例示的なシステムが記載されるものの、種々の実施形態では、製品分配システムは、記載されているサブシステムを1つ以上含めばよいが、製品分配システムは、本願明細書において記載されているサブシステムのうちの1つ以上のみに限定されるものではない。それ故、実施形態によっては、製品分配システム内に追加のサブシステムが用いられてもよい。
【0012】
以下の開示は、製品を形成するために種々の成分の混合および処理を可能にする種々の電気構成要素、機械構成要素、電気機械構成要素、およびソフトウェアプロセス(すなわち、「サブシステム」)の相互作用および連携を説明する。このような製品の例としては:乳製品ベースの製品類(例えば、ミルクセーキ、フロート、麦芽乳、フラッペ);コーヒーベースの製品類(例えば、コーヒー、カプチーノ、エスプレッソ);ソーダベースの製品類(例えば、フロート、果汁入りソーダ);茶ベースの製品類(例えば、アイスティー、スイートティー、ホットティー);水ベースの製品類(例えば、天然水、フレーバー天然水、ビタミン類入り天然水、高電解質飲料、高炭水化物飲料);固形物ベースの製品類(例えば、トレイルミックス、グラノーラベースの製品、ミックスナッツ、シリアル製品、ミックスグレイン製品);医薬品類(例えば、注入可能な薬剤、注射可能な薬剤、摂取可能な薬剤、透析液);アルコールベースの製品類(例えば、混合酒、ワインスプリッツァー、ソーダベースのアルコールドリンク、水ベースのアルコールドリンク、フレーバー入りビール「ショット」);工業製品類(例えば、溶剤、塗料、潤滑油、染料);および健康/美容補助製品類(例えば、シャンプー、化粧品、石けん、ヘアコンディショナ、スキントリートメント、局所軟膏)、が挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。
【0013】
製品は、1つ以上の「成分」を用いて製造される。成分は1つ以上の流体、粉末、固形物または気体を含めばよい。流体、粉末、固形物および/または気体は処理および分配の状況の中で還元または希釈されてよい。製品は流体であってもよいし、固形物であってもよいし、粉末であってもよいし、または気体であってもよい。
【0014】
種々の成分は「マクロ成分」、「ミクロ成分」または「大量ミクロ成分」と呼ばれてもよい。用いられる成分のうちの1つ以上はハウジング、すなわち製品分配機の一部、の内部に包含されてよい。しかし、成分のうちの1つ以上は機械の外部で貯蔵または製造されてもよい。例えば、実施形態によっては、多量に用いられる水(種々の質のもの)または他の成分は機械の外部で貯蔵されてもよく(例えば、実施形態によっては、異性化糖は機械の外部で貯蔵されてもよい)、一方、他の成分、例えば、粉末状の成分、濃縮成分、栄養補助食品、薬剤および/またはガスボンベは機械自身の内部に貯蔵されてもよい。
【0015】
上記の電気構成要素、機械構成要素、電気機械構成要素、およびソフトウェアプロセスの種々の組み合わせが以下において説明される。以下においては、種々のサブシステムを用いた、例えば飲料および医薬品(例えば透析液)の製造を開示する組み合わせが記載されるが、これは本開示の限定として意図されるものではなく、むしろ、製品を作製/分配するためにサブシステムが協働することができる方法の例示的な実施形態として意図されている。具体的には、電気構成要素、機械構成要素、電気機械構成要素、およびソフトウェアプロセス(これらは各々、以下においてより詳細に説明される)は上記のいずれの製品を製造するために用いられてもよいし、またはそれらに類似した他のいかなる製品を製造するために用いられてもよい。
【0016】
図1を参照すると、処理システム10の一般化された図が示されており、処理システム10は、複数のサブシステム、すなわち:記憶サブシステム12、制御論理サブシステム14、多量成分サブシステム16、ミクロ成分サブシステム18、配管/制御サブシステム20、ユーザインターフェースサブシステム22、およびノズル24を含むように示されている。上述のサブシステム12、14、16、18、20、22は各々、以下においてより詳細に記載される。
【0017】
処理システム10の使用中、ユーザ26は、ユーザインターフェースサブシステム22を用いて、(容器30内に)分配する特定の製品28を選択してもよい。ユーザインターフェースサブシステム22を介して、ユーザ26は、1つ以上の選択項目をこうした製品内に含めるべく選択する。例えば、選択項目は1つ以上の成分の追加を含めばよい。ただし、それに限定されるものではない。1つの例示的な実施形態では、システムは、飲料を分配するシステムである。本実施形態では、ユーザは、飲料内に追加されるべき種々の香料(例えばレモン香料、ライム香料、チョコレート香料、およびバニラ香料を含む、ただしそれらに限定されるものではない);飲料内への1つ以上の栄養補助食品の追加(例えばビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB6、ビタミンB12、および亜鉛を含む、ただしそれらに限定されるものではない);飲料内への1つ以上の他の飲料の追加(例えばコーヒー、ミルク、レモネード、およびアイスティーを含む、ただしそれらに限定されるものではない);ならびに飲料内への1つ以上の食品の追加(例えばアイスクリーム、ヨーグルト)を選択してもよい。
【0018】
ユーザインターフェースサブシステム22を介してユーザ26が適当な選択を行うと、ユーザインターフェースサブシステム22は適当なデータ信号を(データバス32を介して)制御論理サブシステム14に送信する。制御論理サブシステム14はこれらのデータ信号を処理し、記憶サブシステム12上に維持されている複数のレシピ36から選ばれる1つ以上のレシピを(データバス34を介して)取得する。「レシピ」という用語は、要求された製品を処理する/作製するための命令に言及している。記憶サブシステム12からレシピ(単数または複数)を取得すると、制御論理サブシステム14は、レシピ(単数または複数)を処理し、適当な制御信号を(データバス38を介して)例えば多量成分サブシステム16、ミクロ成分サブシステム18、および、いくつかの実施形態において、ミクロ成分に関する、処理に関する記載に含まれる不図示の大量ミクロ成分に提供する。これらの大量ミクロ成分を分配するためのサブシステムに関して、実施形態によっては、これらの大量ミクロ成分を分配するためにミクロ成分アセンブリの代わりのアセンブリが用いられてもよく、さらに、配管/制御サブシステム20が用いられ、その結果、製品28が製造されることとなる(製品28は容器30内に分配される)。
【0019】
同様に図2を参照すると、制御論理サブシステム14の概略図が示されている。制御論理サブシステム14は、マイクロプロセッサ100(例えば、カリフォルニア州サンタクララのインテル社(Intel Corporation of Santa Clara,California)によって製造されているARM(商標)マイクロプロセッサ)、不揮発性メモリ(例えばリードオンリーメモリ(read only memory)102)、および揮発性メモリ(例えばランダムアクセスメモリ(random access memory)104)を含んでもよく;それらの各々は1つ以上のデータ/システムバス106、108を介して相互接続されてもよい。上述されたように、ユーザインターフェースサブシステム22はデータバス32を介して制御論理サブシステム14に結合されてもよい。
【0020】
制御論理サブシステム14は、スピーカ112に例えばアナログ音声信号を提供するための音声サブシステム110を含んでもよい。スピーカ112は処理システム10内に組み込まれてもよい。音声サブシステム110はデータ/システムバス114を介してマイクロプロセッサ100に結合されてもよい。
【0021】
制御論理サブシステム14はオペレーティングシステムを実行してもよい。オペレーティングシステムの例としては、マイクロソフト・ウィンドウズCE(Microsoft Windows CE)(商標)、レッドハット・リナックス(Redhat Linux)(商標)、パームOS(Palm OS)(商標)、またはデバイス専用の(すなわち、特別注文の)オペレーティングシステムが挙げらる。ただし、それらに限定されるものではない。
【0022】
上述のオペレーティングシステムの命令セットおよびサブルーチンは、記憶サブシステム12上に記憶されてもよく、制御論理サブシステム14内に組み込まれる1つ以上のプロセッサ(例えばマイクロプロセッサ100)ならびに1つ以上のメモリアーキテクチャ(例えばリードオンリーメモリ102および/またはランダムアクセスメモリ104)によって実行されてもよい。
【0023】
記憶サブシステム12は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、光学式ドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、CF(すなわち、コンパクトフラッシュ(compact flash))カード、SD(すなわち、セキュアデジタル(secure digital))カード、スマートメディアカード、メモリスティック、およびマルチメディアカードなどを含んでもよい。
【0024】
上述されたように、記憶サブシステム12はデータバス34を介して制御論理サブシステム14に結合されてもよい。制御論理サブシステム14は、マイクロプロセッサ100によって提供される信号を、記憶システム12によって利用可能なフォーマットに変換するための記憶コントローラ116(仮想線で図示)を含んでもよい。さらに、記憶コントローラ116は、記憶サブシステム12によって提供される信号を、マイクロプロセッサ100によって利用可能なフォーマットに変換してもよい。
【0025】
実施形態によっては、イーサネット接続も含まれる。
【0026】
上述されたように、多量成分サブシステム(本願明細書では「マクロ成分」とも呼ばれる)16、ミクロ成分サブシステム18、および/または配管/制御サブシステム20はデータバス38を介して制御論理サブシステム14に結合される。制御論理サブシステム14は、マイクロプロセッサ100によって提供される信号を、多量成分サブシステム16、ミクロ成分サブシステム18、および/または配管/制御サブシステム20によって利用可能なフォーマットに変換するためのバスインターフェース118(仮想線で図示)を含んでよい。さらに、バスインターフェース118は、多量成分サブシステム16、ミクロ成分サブシステム18および/または配管/制御サブシステム20によって提供される信号を、マイクロプロセッサ100によって利用可能なフォーマットに変換してもよい。
【0027】
以下においてさらに詳細に説明されるように、制御論理サブシステム14は、処理システム10の動作を制御できる1つ以上の制御プロセス120(例えば、有限状態機械プロセス(FSM(finite state machine)プロセス122)、仮想機械プロセス124、および仮想マニホールドプロセス126など)を実行する。制御プロセス120の命令セットおよびサブルーチンは、記憶サブシステム12上に記憶されてもよく、制御論理サブシステム14内に組み込まれる1つ以上のプロセッサ(例えばマイクロプロセッサ100)ならびに1つ以上のメモリアーキテクチャ(例えばリードオンリーメモリ102および/またはランダムアクセスメモリ104)によって実行されてもよい。
【0028】
同様に図3を参照すると、多量成分サブシステム16および配管/制御サブシステム20の概略図が示されている。多量成分サブシステム16は、飲料28を作る際に急速度で用いられる消耗品を収納するための容器を含んでもよい。例えば、多量成分サブシステム16は二酸化炭素供給部150、水供給部152、および異性化糖(high fructose corn syrup)供給部154を含んでもよい。多量成分は、実施形態によっては、他のサブシステムにごく接近して設置される。二酸化炭素供給部150の例としては圧縮気体二酸化炭素のタンク(不図示)が挙げられる。ただし、それに限定されるものではない。水供給部152の例としては、都市水道水供給部(不図示)、蒸留水供給部、濾水供給部、逆浸透(「RO(reverse−osmosis)」)水供給部または他の所望の水供給部が挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。異性化糖供給部154の例としては、高濃縮異性化糖の1つ以上のタンク(単数または複数)(不図示)、または異性化糖の1つ以上のバッグインボックスパッケージが挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。
【0029】
多量成分サブシステム16は、二酸化炭素ガス(二酸化炭素供給部150によって供給される)および水(水供給部152によって供給される)から炭酸水を生成するためのカーボネータ156を含んでもよい。炭酸水158、水160および異性化糖162は冷却板アセンブリ163に供給される(例えば、製品が分配されている間、それが冷却されることが望まれる場合がある実施形態において。実施形態によっては、冷却板アセンブリは分配システムの一部として含まれない、または迂回されてもよい)。冷却板アセンブリ163は、炭酸水158、水160および異性化糖162を所望の提供温度(例えば40°F(4.44°C))まで冷やすように設計される。
【0030】
単一の冷却板163が炭酸水158、水160および異性化糖162を冷やすように示されているが、これは単に例示目的のためであり、開示の限定として意図されるものではない。なぜなら、他の構成が可能であるからである。例えば、炭酸水158、水160および異性化糖162の各々を冷やすために個別の冷却板が用いられてもよい。冷やされると、冷やされた炭酸水164、冷やされた水166、および冷やされた異性化糖168は配管/制御サブシステム20に供給される。さらに他の実施形態では、冷却板が含まれなくてもよい。実施形態によっては、少なくとも1つの加熱板が含まれてもよい。
【0031】
配管は、示されている順番を有するように描かれているが、実施形態によっては、この順番は用いられない。例えば、本願明細書に記載されている流量制御モジュールは、異なる順番、すなわち、流量計測デバイス、二方弁、その次に可変管路インピーダンス、で構成されてもよい。
【0032】
便宜的に、システムは、以下において、ソフトドリンク類を製品として分配するシステムを用いることに関連して記載される。すなわち、記載されるマクロ成分/多量成分は異性化糖、炭酸水および水を含むことになる。しかし、分配システムの他の実施形態では、マクロ成分そのもの、およびマクロ成分の数が変わってもよい。
【0033】
例示目的のために、配管/制御サブシステム20は3つの流量制御モジュール170、172、174を含むように示されている。流量制御モジュール170、172、174は全体的に、多量成分の体積および/または流量を制御する。流量制御モジュール170、172、174は各々、冷やされた炭酸水164、冷やされた水166および冷やされた異性化糖168の体積を(それぞれ)計測する流量計測デバイス(例えば、流量計測デバイス176、178、180)を含んでもよい。流量計測デバイス176、178、180はフィードバック信号182、184、186を(それぞれ)フィードバックコントローラシステム188、190、192に(それぞれ)提供する。
【0034】
フィードバックコントローラシステム188、190、192(以下においてより詳細に説明される)は流量フィードバック信号182、184、186を、(冷やされた炭酸水164、冷やされた水166、および冷やされた異性化糖168の各々のためにそれぞれ規定されているとおりの)所望の流量体積と比較してもよい。流量フィードバック信号182、184、186を処理すると、フィードバックコントローラシステム188、190、192は(それぞれ)、可変管路インピーダンス200、202、204に(それぞれ)提供される流量制御信号194、196、198を(それぞれ)生成する。可変管路インピーダンス200、202、204の例が米国特許第5,755,683号および米国特許出願公開第2007/0085049号に開示され、クレームされており、それらはどちらもその全体が本願明細書において参照により引用されている。可変管路インピーダンス200、202、204は、管路218、220、222を(それぞれ)通過する冷やされた炭酸水164、冷やされた水166および冷やされた異性化糖168の流量を調節し、それらはノズル24および(その後)容器30に供給される。しかし、本願明細書においては、可変管路インピーダンスの追加の実施形態が記載される。
【0035】
管路218、220、222は、流体の流れが望まれない/必要ない時の間(例えば輸送、保守作業、および休止時間の間)、管路218、220、222を通じた流体の流れを防ぐために、二方弁212、214、216を(それぞれ)追加的に含んでもよい。
【0036】
1つの実施形態では、二方弁212、214、216は、ソレノイドで操作される二方弁を含んでもよい。しかし、他の実施形態では、二方弁は、任意の手段によって作動する二方弁を含む、ただしそれに限定されるものではない、当技術分野において周知の任意の二方弁であってもよい。加えて、二方弁212、214、216は、処理システム10が製品を分配していない時は常に、管路218、220、222を通じた流体の流れを妨げるように構成されてもよい。さらに、二方弁212、214、216の機能性は、可変管路インピーダンス200、202、204を完全に閉鎖し、かくして管路218、220、222を通じた流体の流れを妨げることによって、可変管路インピーダンス200、202、204を用いて達成されてもよい。
【0037】
上述されたように、図3はあくまで配管/制御サブシステム20の例示的な図を提供しているにすぎない。従って、配管/制御サブシステム20が図示されている様式は本開示の限定として意図されるものではない。なぜなら、他の構成が可能であるからである。例えば、フィードバックコントローラシステム188、190、192の機能性の一部またはすべては制御論理サブシステム14内に組み込まれてもよい。同様に、流量制御モジュール170、172、174に関しても、図3において、構成要素の順序構成はあくまで例示目的のために示されている。それ故、図示の順序構成はあくまで例示的な実施形態の役割を果たしているにすぎない。しかし、他の実施形態では、構成要素は異なる順序で配列されてもよい。
【0038】
同様に図4を参照すると、ミクロ成分サブシステム18および配管/制御サブシステム20の上面概略図が示されている。ミクロ成分サブシステム18は製品モジュールアセンブリ250を含んでもよい。製品モジュールアセンブリ250は、製品28を作る際に用いるミクロ成分を保管するように構成される1つ以上の製品容器252、254、256、258を解放可能に係合させるように構成されてもよい。ミクロ成分は、製品を作る際に用いられる基材である。このようなミクロ成分/基材の例としては、これらに限定されるものではないが、ソフトドリンク香料の第1の部分、ソフトドリンク香料の第2の部分、コーヒー香料、栄養補助食品、薬剤が挙げられ、流体であってもよいし、粉末であってもよいし、または固形物であってもよい。しかし、例示目的のために、以下の記載は、流体であるミクロ成分に言及する。ミクロ成分は粉末または固形物である実施形態では、ミクロ成分が粉末である場合には、システムは粉末の計量および/または粉末の還元のための追加のサブシステムを含めばよい(ただし、以下の例において記載されるように、ミクロ成分が粉末である場合には、粉末は、製品を混合する方法の一部、すなわちソフトウェアマニホールド、として還元されてもよい)。
【0039】
製品モジュールアセンブリ250は、複数の製品容器252、254、256、258を解放可能に係合させるように構成される複数のスロットアセンブリ260、262、264、266を含んでもよい。この特定の例では、製品モジュールアセンブリ250は4つのスロットアセンブリ(すなわちスロット260、262、264、266)を含むように示されており、従って、4製品モジュールアセンブリと呼ばれてもよい。製品容器252、254、256、258のうちの1つ以上を製品モジュールアセンブリ250内に配置するとき、製品容器(例えば製品容器254)はスロットアセンブリ(例えばスロットアセンブリ262)に矢印268の方向に嵌め込まれる。本願明細書において示されるように、例示的な実施形態では、「4製品モジュール」アセンブリが記載されているが、他の実施形態では、モジュールアセンブリ内に包含される製品はより多くてもよいしまたはより少なくてもよい。分配システムによって分配される製品に依存して、製品容器の数は変わってよい。かくして、任意のモジュールアセンブリに内蔵される製品の数は用途固有のものでよく、システムの効率、必要性および/または機能を含む、ただしそれに限定されるものではない、システムの任意の所望の特性を満足するように選択される。
【0040】
例示目的のために、製品モジュールアセンブリ250の各スロットアセンブリはポンプアセンブリを含むように示されている。例えば、スロットアセンブリ252はポンプアセンブリ270を含むように示され;スロットアセンブリ262はポンプアセンブリ272を含むように示され;スロットアセンブリ264はポンプアセンブリ274を含むように示され;スロットアセンブリ266はポンプアセンブリ276を含むように示されている。
【0041】
ポンプアセンブリ270、272、274、276の各々に結合される入口ポートが、製品容器内に含まれる製品オリフィスを解放可能に係合される。例えば、ポンプアセンブリ272は、製品容器254内に含まれる容器オリフィス280を解放可能に係合するように構成される入口ポート278を含むように示されている。入口ポート278および/または製品オリフィス280は、漏れ止めシールを容易にするために1つ以上の密閉アセンブリ(不図示)、例えば、1つ以上のOリングまたはルアー継手、を含んでもよい。各ポンプアセンブリに結合される入口ポート(例えば、入口ポート278)は、硬質の「パイプ様」材料で構築されてもよいし、またはフレキシブルな「チューブ管様」材料から構築されてもよい。
【0042】
ポンプアセンブリ270、272、274、276のうちの1つ以上の例としては、ポンプアセンブリ270、272、274、276のうちの1つ以上が通電される度に、較正により期待される体積の流体を提供するソレノイドピストンポンプアセンブリが挙げられる。ただし、それに限定されるものではない。1つの実施形態では、このようなポンプはイタリア国、パビアのULKA電気機械製作所社(ULKA Costruzioni Elettromeccaniche S.p.A. of Pavia, Italy)より入手可能である。例えば、ポンプアセンブリ(例えばポンプアセンブリ274)が制御論理サブシステム14によってデータバス38を介して通電される度に、ポンプアセンブリは、製品容器256内に含まれる流体ミクロ成分を約30μL供給してもよい(ただし、供給される香料の体積は較正により変動してもよい)。この場合も先と同様に、あくまで例示目的のために、本記載の本セクションにおいてミクロ成分は流体とされている。「較正により」という用語は、ポンプアセンブリおよび/またはその個々のポンプの較正を用いて確認される、体積の、または他の情報および/または特性に言及する。
【0043】
ポンプアセンブリ270、272、274、276および種々のポンピング技法の他の例が米国特許第4,808,161号;米国特許第4,826,482号;米国特許第4,976,162号;米国特許第5,088,515号;および米国特許第5,350,357号に記載されており、それらはすべて、その全体が本願明細書において参照により引用されている。実施形態によっては、図54〜55に示されるように、ポンプアセンブリは膜ポンプであってもよい。実施形態によっては、ポンプアセンブリは、米国特許第5,421,823号に記載されているいかなるポンプアセンブリであってもよく、いかなるポンプ技法を用いてもよい。米国特許第5,421,823号はその全体が本願明細書において参照により引用されている。
【0044】
上記の参照文献は、流体を汲み出すために用いられる空気圧作動式の膜ベースのポンプの非限定的な例を記載している。空気圧作動式の膜ベースのポンプアセンブリは、以下の理由を含む、ただしそれらに限定されるものではない、1つ以上の理由で有利である。すなわち、多数の負荷サイクルにわたり、種々の配合の流体を或る量、例えば、マイクロリットル量、確実且つ正確に送り出す能力がある;且つ/または、空気圧作動ポンプは空気動力、例えば二酸化炭素源からの空気動力、を用いてもよいので、必要な電力はより少なくて済む。加えて、表面がシールに対して動く膜ベースのポンプは運動用シールを必要としなくてもよい。ULKAによって製作されているもの等の振動ポンプは一般的に運動用エラストマーシールの使用を必要とするが、それは、例えば、或る種の流体への曝露および/または損耗の後、時間とともに機能しなくなってしまう場合がある。実施形態によっては、空気圧作動式の膜ベースのポンプの方が他のポンプよりも信頼性が高く、費用効率が高く、較正しやすい場合がある。それらの方が他のポンプよりも生ずる騒音が少なく、発生する熱が少なく、消費する電力が少ない場合もある。図54に、膜ベースのポンプの非限定的な例が示されている。
【0045】
図54〜55に示される、膜ベースのポンプアセンブリ2900の種々の実施形態は空洞を含み、それは、図54では、ポンピングチャンバと呼ばれる2942であり、図55では、制御流体チャンバと呼ばれる2944である。空洞は、空洞を2つのチャンバ、ポンピングチャンバ2942および容積チャンバ2944、に隔てる隔壁2940を含む。
【0046】
ここで図54を参照すると、例示的な膜ベースのポンプアセンブリ2900の概略図が示されている。本実施形態では、膜ベースのポンプアセンブリ2900は、膜または隔壁2940、ポンピングチャンバ2942、制御流体チャンバ2944(図55で最もよく分かる)、3ポート切替弁2910ならびに逆止弁2920および2930を含む。実施形態によっては、ポンピングチャンバ2942の容積は約20マイクロリットルないし約500マイクロリットルのレンジ内にある。例示的な実施形態では、ポンピングチャンバ2942の容積は約30マイクロリットルないし約250マイクロリットルのレンジ内にある。他の例示的な実施形態では、ポンピングチャンバ2942の容積は約40マイクロリットルないし約100マイクロリットルのレンジ内にある。
【0047】
切替弁2910は、ポンプ制御チャネル2958を切替弁流体チャネル2954または切替弁流体チャネル2956のどちらかと流体接続させるように操作される。非限定的な実施形態では、切替弁2910は、制御線2912を介した電気信号の入力時に動作する電磁操作式のソレノイド弁であってもよい。他の非限定的な実施形態では、切替弁2910は、空気圧または油圧信号入力時に動作する空気圧式または油圧式の膜ベースの弁であってもよい。さらに他の実施形態では、切替弁2910は、流体的に、空気圧によって、機械的にまたは電磁的に作動する、シリンダ内のピストンであってもよい。より一般的には、弁はポンプ制御チャネル2958との流体接続を切替弁流体チャネル2954と切替弁流体チャネル2956との間で切り替える能力があることを優先条件として、任意の他の種類の弁がポンプアセンブリ2900における使用のために考えられてよい。
【0048】
実施形態によっては、切替弁流体チャネル2954は正圧の流体圧力源(空気圧式であっても油圧式であってもかまわない)に導かれる。必要とされる流体圧力の大きさは、隔壁2940の引っ張り強度および弾力性、汲み出される流体の密度および/または粘性、流体内の溶解固形物の溶解度、ならびに/あるいはポンプアセンブリ2900内の流体チャネルおよびポートの長さおよびサイズを含む、ただしそれに限定されるものではない、1つ以上の因子に依存してもよい。種々の実施形態では、流体圧力源は約15psi(103.4kPa)ないし約250psi(1724kPa)のレンジ内にある。例示的な実施形態では、流体圧力源は約60psi(413.7kPa)ないし約100psi(689.5kPa)のレンジ内にある。別の例示的な実施形態では、流体圧力源は約70psi(482.7kPa)ないし約80psi(551.6kPa)のレンジ内にある。上述されたように、分配システムのいくつかの実施形態は炭酸飲料を製造し、それ故、成分として炭酸水を用いる。これらの実施形態では、炭酸飲料を生成するために用いられるCO2のガス圧力は多くの場合、約75psi(517.2kPa)である。実施形態によっては、飲料ディスペンサ内の少量の流体を汲み出すための膜ベースのポンプを駆動するために、同じガス圧力源がより低く調圧されて用いられてもよい。
【0049】
制御線2912を介して提供される適当な信号に応答して、弁2910は切替弁流体チャネル2954をポンプ制御チャネル2958と流体接続させてもよい。かくして、隔壁2940に正圧の流体圧力が伝えられることができ、その結果、該隔壁は、ポンプ出口チャネル2950を通じてポンピングチャンバ2942内の流体を押し出すことができる。逆止弁2930は、汲み出された流体が入口チャネル2952を通じてポンピングチャンバ2942から流出するのを防止されることを確実にする。
【0050】
切替弁2910は、制御線2912により、ポンプ制御チャネル2958を切替弁流体チャネル2956と流体接続させてもよく、それによって、(図54に示されるように)隔壁2940をポンピングチャンバ2942の壁に達するようにする。一実施形態では、切替弁流体チャネル2956は真空源に導かれてもよく、それは、ポンプ制御チャネル2958と流体接続すると、隔壁2940を収縮させ、ポンプ制御チャンバ2944の容積を減少させ、ポンピングチャンバ2942の容積を増大させる。隔壁2940の収縮によって、流体はポンプ入口チャネル2952を通じてポンピングチャンバ2942に引き入れられる。逆止弁2920は、汲み出された流体が出口チャネル2950を通じてポンピングチャンバ2942内へ戻る逆流を防ぐ。
【0051】
一実施形態では、隔壁2940は、隔壁に曲線状または球状の形状を維持しようとする特質を与え、カップ状隔壁の形式のばねの機能を果たす、半剛体のばね様材料で構築される。例えば、隔壁2940は少なくとも一部分は金属の薄板から構築されるかまたは打ち抜き加工されてもよく、用いられる金属としては、高炭素ばね鋼、洋銀、高ニッケル合金類、ステンレス鋼、チタン合金類、ベリリウム銅、および同様のものが挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。ポンプアセンブリ2900は、隔壁2940の凸状表面がポンプ制御チャンバ2944および/またはポンプ制御チャネル2958に面するように構築されてもよい。それ故、隔壁2940は、ポンピングチャンバ2942の表面に押しつけられた後に収縮する自然な特質を有する。この場合には、切替弁流体チャネル2956は環境気圧(大気圧)に導かれることができ、隔壁2940が自動的に収縮し、ポンプ入口チャネル2952を通じて流体をポンピングチャンバ2942内に引き込むことを可能にする。実施形態によっては、ポンプ行程毎に送り出されるべき流体の体積に等しい、または実質的に/おおよそ等しい容積をばね様隔壁の凹状部分が規定する。これは、精密な寸法は許容可能公差の範囲内で製作するのが困難である且つ/または高価である場合がある、規定の容積を有するポンピングチャンバを構築する必要を無くすという利点がある。本実施形態では、ポンプ制御チャンバは、静止状態にある隔壁の凸状側を収容するように成形され、対向表面の形状寸法は任意の形状寸法であってもよい、すなわち、性能に関係しなくてよい。
【0052】
一実施形態では、膜ポンプによって送り出される体積は、ポンプの行程毎の期待される体積の流体の送出を検知し検証する装置を設けない、‘開ループ’の様式で遂行されてもよい。別の実施形態では、膜の行程の間にポンプチャンバを通じて汲み出される流体の体積は、流体管理システム(「FMS(Fluid Management System)」)技法を用いて計測されることができ、それは米国特許第4,808,161号;第4,826,482号;第4,976,162号;第5,088,515号;および第5,350,357号により詳細に記載されており、これらはすべてその全体が本願明細書において参照により引用されている。簡単に説明すると、FMS計測は、膜ベースのポンプの行程毎に送り出される流体の体積を検出するために用いられる。ポンプアセンブリの外部に、例えば、空気圧式マニホールド(不図示)内に、小さい固定参照空気チャンバが設置される。弁が参照チャンバと第2の圧力センサとを隔離する。ポンプの行程容積は、参照チャンバを空気で満たし、圧力を計測し、その後、弁をポンピングチャンバに開放することによって正確に計算されてもよい。チャンバ側の空気の体積は、参照チャンバの固定容積、および参照チャンバがポンプチャンバに接続された際の圧力の変化に基づいて計算されてもよい。
【0053】
製品モジュールアセンブリ250はブラケットアセンブリ282を解放可能に係合させるように構成されてもよい。ブラケットアセンブリ282は処理システム10の一部であってもよい(且つその内部に強固に固定されてもよい)。本願明細書においては「ブラケットアセンブリ」と呼ばれるが、他の実施形態ではアセンブリは異なってもよい。ブラケットアセンブリは、製品モジュールアセンブリ282を所望の場所内にしっかり固定する役目を果たす。ブラケットアセンブリ282の例としては、製品モジュール250を解放可能に係合させるように構成される、処理システム10内の棚が挙げられる。ただし、それに限定されるものではない。例えば、製品モジュール250は、ブラケットアセンブリ282内に組み込まれる相補的デバイスを解放可能に係合させるように構成される係合デバイス(例えば、クリップアセンブリ、スロットアセンブリ、ラッチアセンブリ、ピンアセンブリ;不図示)を含んでもよい。
【0054】
配管/制御サブシステム20は、ブラケットアセンブリ282に強固に取り付けられるマニホールドアセンブリ284を含んでもよい。マニホールドアセンブリ284は、ポンプアセンブリ270、272、274、276の各々の内部に組み込まれるポンプオリフィス(例えばポンプオリフィス294、296、298、300)を解放可能に係合させるように構成される複数の入口ポート286、288、290、292を含むように構成されてもよい。製品モジュール250をブラケットアセンブリ282上に配置する際、製品モジュール250は矢印302の方向に動かされ、かくして、入口ポート286、288、290、292がポンプオリフィス294、296、298、300を(それぞれ)解放可能に係合させることを可能にする。入口ポート286、288、290、292および/またはポンプオリフィス294、296、298、300は、漏れ止めシールを容易にするために、上述されたとおりの1つ以上のOリングまたは他の密閉アセンブリ(不図示)を含んでもよい。マニホールドアセンブリ284内に含まれる入口ポート(例えば、入口ポート286、288、290、292)は、硬質の「パイプ様」材料で構築されてもよいし、またはフレキシブルな「チューブ管様」材料から構築されてもよい。
【0055】
マニホールドアセンブリ284はチューブ管束304を係合させるように構成され、該チューブ管束はノズル24に(直接または間接的に)配管されてもよい。上述されたように、少なくとも1つの実施形態では、多量成分サブシステム16も、冷やされた炭酸水164、冷やされた水166および/または冷やされた異性化糖168の形態の流体をノズル24に(直接または間接的に)供給する。従って、制御論理サブシステム14は、(この特定の例では)種々の多量成分、例えば冷やされた炭酸水164、冷やされた水166、冷やされた異性化糖168の特定の量、ならびに種々のミクロ成分(例えば第1の基材(すなわち、香料)、第2の基材(すなわち、栄養補助食品)、および第3の基材(すなわち、薬剤))の量を調節するので、制御論理サブシステム14は製品28の組成を正しく制御する。
【0056】
上述されたように、ポンプアセンブリ270、272、274、276のうちの1つ以上は、ポンプアセンブリ270、272、274、276のうちの1つ以上が(データバス38を介して)制御論理サブシステム14によって通電される度に規定の一貫した量の流体を供給するソレノイドピストンポンプアセンブリである。さらに、上述されたように、制御論理サブシステム14は、処理システム10の動作を制御する1つ以上の制御プロセス120を実行してもよい。このような制御プロセスの例としては、制御論理サブシステム14からデータバス38を介してポンプアセンブリ270、272、274、276に提供される駆動信号を生成するための駆動信号生成プロセス(不図示)が挙げられる。上述の駆動信号を生成するための1つの例示的な手法が、駆動信号を生成するシステムおよび方法(SYSTEM AND METHOD FOR GENERATING A DRIVE SIGNAL)と題され、2007年9月6日に出願された米国特許出願第11/851,344号に開示されており、その開示全体が本願明細書において参照により引用される。
【0057】
図4は1つのノズル24を示しているが、種々の他の実施形態では、1つを超えるノズル24が含まれてもよい。実施形態によっては、システムから分配される製品を、例えば、1組を超えるチューブ管束を介して、1つを超える容器30が受け取ってもよい。故に、実施形態によっては、分配システムは、1人以上のユーザが、1つ以上の製品を同時に分配するように要求してもよいように構成される。
【0058】
ポンプアセンブリ270、272、274、276の各々を通る上述のミクロ成分の流量を検知するために、静電容量式流量センサ306、308、310、312が利用されてもよい。
【0059】
図5A(側面図)および図5B(上面図)をも参照すると、例示的な静電容量式流量センサ308の詳細図が示されている。静電容量式流量センサ308は第1の容量板310および第2の容量板312を含む。第2の容量板312は第1の容量板310に対して可動であるように構成される。例えば、第1の容量板310は処理システム10内の構造物に強固に取り付けられてもよい。さらに、静電容量式流量センサ308も処理システム10内の構造物に強固に取り付けられてもよい。しかし、第2の容量板312は、隔壁アセンブリ314を利用して第1の容量板310(および静電容量式流量センサ308)に対して可動であるように構成される。隔壁アセンブリ314は第2の容量板312の、矢印316の方向の変位を許すように構成される。隔壁アセンブリ314は、矢印316の方向の変位を許す種々の材料で構築される。例えば、隔壁アセンブリ314は、ステンレス鋼箔であって、該ステンレス鋼箔の腐食を防ぐPET(すなわち、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate))コーティングを有する、ステンレス鋼箔で構築されてもよい。代替的に、隔壁アセンブリ314はチタン箔で構築されてもよい。さらになお、隔壁アセンブリ314は射出成形プラスチックで構築されてもよく、その場合、射出成形プラスチック製隔壁アセンブリの一方の表面は、第2の容量板312を形成するべく金属化される。
【0060】
上述されたように、ポンプアセンブリ(例えばポンプアセンブリ272)が制御論理サブシステム14によってデータバス38を介して通電される度に、ポンプアセンブリは、例えば製品容器254内に含まれる、対応するミクロ成分の流体を、較正された体積だけ、例えば30〜33μL、供給する。従って、制御論理サブシステム14はミクロ成分の流量を、対応するポンプアセンブリが通電される速度を制御することによって制御してもよい。ポンプアセンブリに通電する例示的な速度は3Hz(すなわち毎秒3回)ないし30Hz(すなわち毎秒30回)である。
【0061】
従って、ポンプアセンブリ272が通電されると、(静電容量式流量センサ308のチャンバ318内に)吸引力が作り出され、それが、例えば製品容器254からの対応するミクロ成分(例えば基材)の引き出しを実現する。従って、ポンプアセンブリ272が通電され、チャンバ318内に吸引力を作り出すと、第2の容量板312は下向きに変位され(図5Aに関して)、かくして、距離「d」(すなわち第1の容量板310と第2の容量板312との間の距離)を増大させる。
【0062】
図5Cをも参照すると、当技術分野において周知のように、キャパシタの静電容量(C)は以下の式によって求められる:
C=εA/d。
ここで、「ε」は、第1の容量板310と第2の容量板312との間に配置される誘電体材料の誘電率であり;「A」は容量板の面積であり;「d」は第1の容量板310と第2の容量板312との間の距離である。上述の式の分母内に「d」が配置されているので、「d」のいかなる増加も、対応する、「C」(すなわちキャパシタの静電容量)の減少を生じさせる。
【0063】
上述の例を続け、図5Dをも参照し、ポンプアセンブリ272が通電されていないときには、第1の容量板310および第2の容量板312によって形成されるキャパシタは5.00pFの値を有すると仮定する。さらに、時刻T=1においてポンプアセンブリ272が通電されると、第1の容量板310および第2の容量板312によって形成されるキャパシタの静電容量の20%の低下を生じさせるのに十分な距離だけ第2の容量板312を下向きに変位させるのに十分な吸引力がチャンバ316内に作り出されると仮定する。従って、第1の容量板310および第2の容量板312によって形成されるキャパシタの新しい値は4.00pFとなる。図5Eに、上述の汲み出しシーケンスの間、第2の容量板312が下向きに変位される図解例が示されている。
【0064】
製品容器254から対応するミクロ成分が引き出されるにつれて、チャンバ318内の吸引力を減少し、第2の容量板312はその元の位置(図5Aに示されるとおりの位置)まで上向きに変位する。第2の容量板312が上向きに変位するにつれて、第2の容量板312と第1の容量板310との間の距離は減少し、その初期値に戻る。従って、第1の容量板310および第2の容量板312によって形成されるキャパシタの静電容量は再び5.00pFとなる。第2の容量板312が上向きに動き、その初期位置に戻っていく際、第2の容量板312の慣性力のために第2の容量板312がその初期位置を通り越し、一瞬の間、第2の容量板312の初期位置(図5Aに示されるとおりの位置)のときより第1の容量板310に近接して配置される。従って、第1の誘導板310および第2の誘導板312によって形成されるキャパシタの静電容量は一瞬の間、5.00pFのその初期値を超えて増大し、その後すぐに5.00pFに安定する。
【0065】
ポンプアセンブリ272がオン・オフのサイクルを繰り返される間の(本例では)5.00pFと4.00pFとの間の静電容量値の上述の変動は、例えば製品容器254が空になるまで続く。例示目的のために、製品容器254は時刻T=5で空になると仮定する。この時点において、第2の容量板312はその元の位置(図5Aに示されるとおりの位置)に戻らなくてもよい。さらに、ポンプアセンブリ272がサイクルを続けるのに従い、第2の容量板312は、(図5Fに示されるように)第2の容量板312がもう変位されることができなくなるまで下向きに引かれ続けてもよい。この時点において、図5Aおよび図5Eに示されるものを超過する、距離「d」の増大の故に、第1の容量板310および第2の容量板312によって形成されるキャパシタの静電容量値は最小静電容量値320まで最小化されてもよい。最小静電容量値320の実際の値は、隔壁アセンブリ314の可撓性に依存して変動する。
【0066】
従って、第1の容量板310および第2の容量板312によって形成されるキャパシタの静電容量値の変動(例えば、絶対変動またはピーク・トゥ・ピーク変動)を監視することによって、例えばポンプアセンブリ272の適切な動作が検証されてもよい。例えば、上述の静電容量値が5.00pFと4.00pFとの間で周期的に変動すれば、静電容量のこの変動は、ポンプアセンブリ272の適切な動作、および製品容器254が空でないことを示す。しかし、上述の静電容量値が変動しない(例えば5.00pFに留まる)場合には、これは、故障したポンプアセンブリ272(例えば、故障した機械構成要素および/または故障した電気構成要素を含むポンプアセンブリ)あるいは詰まったノズル24を示す。
【0067】
さらに、上述の静電容量値が4.00pF未満の点まで(例えば最小静電容量値320まで)低下する場合には、これは、製品容器254が空になっていることを示す。さらに加えて、ピーク・トゥ・ピーク変動が、期待されるよりも小さい(例えば、上述の1.00pFの変動よりも小さい)場合には、これは、製品容器254と静電容量式流量センサ308との間の漏れを示す。
【0068】
第1の容量板310および第2の容量板312によって形成されるキャパシタの静電容量値を求めるために、静電容量計測システム326に(導体322、324を介して)信号が提供されてもよい。静電容量計測システム326の出力は制御論理サブシステム14に提供されてもよい。静電容量計測システム326の例としては、カリフォルニア州サンノゼのサイプレス半導体(Cypress Semiconductor of San Jose, California)によって提供されているCY8C21434−24LFXI PSOCが挙げられ、その設計および動作は、サイプレス半導体によって刊行されている「CSDユーザモジュール(CSD User Module)」の中に記載されており、それは本願明細書において参照によって引用される。静電容量計測回路326は、環境因子(例えば、温度、湿度、および電源電圧の変化)に対する補償を提供するように構成されてもよい。
【0069】
静電容量計測システム326は、静電容量の上述の変動が起きているかどうかを判定するべく、規定の期間にわたって、(第1の容量板310および第2の容量板312で形成されるキャパシタに関する)静電容量の計測を行うように構成される。例えば、静電容量計測システム326は、0.50秒の時間枠にわたって起きる上述の静電容量値の変化を監視するように構成される。従って、この特定の例では、ポンプアセンブリ272が2.00Hzの最小速度で(すなわち、0.50秒毎に少なくとも1回)通電されている限り、上述の静電容量変動のうちの少なくとも1つは各0.50秒計測サイクルの間に静電容量計測システム326によって検知されるはずである。
【0070】
図6Aをも参照すると、配管/制御サブシステム20の概略図が示されている。以下において記載される配管/制御サブシステムは、製品28に加えられる冷やされた炭酸水164の量を、流量制御モジュール170を介して制御するために用いられる配管/制御システムに関連しているが、これはあくまで例示目的のためであり、本開示の限定として意図されるものではない。なぜなら、他の構成も可能であるからである。例えば、以下において記載される配管/制御サブシステムは、例えば、製品28に加えられる冷やされた水166の量を(例えば、流量制御モジュール172を介して)制御するために用いられてもよいし、且つ/または、冷やされた異性化糖168の量を(例えば、流量制御モジュール174を介して)制御するために用いられてもよい。
【0071】
上述されたように、配管/制御サブシステム20は、流量計測デバイス176から流量フィードバック信号182を受信するフィードバックコントローラシステム188を含んでもよい。フィードバックコントローラシステム188は、流量フィードバック信号182を所望の流量体積(制御論理サブシステム14によってデータバス38を介して規定されるとおりのもの)と比較する。流量フィードバック信号182を処理すると、フィードバックコントローラシステム188は、可変管路インピーダンス200に提供される流量制御信号194を生成する。
【0072】
フィードバックコントローラシステム188は、軌跡成形コントローラ350、流量調節器352、フィードフォワードコントローラ354、単位遅延器356、飽和コントローラ358、およびステッパコントローラ360を含み、それらは各々、以下においてより詳細に説明される。
【0073】
軌跡成形コントローラ350は、制御論理サブシステム14からデータバス38を介して制御信号を受信するように構成される。この制御信号は、配管/制御サブシステム20が、製品28内に用いるために流体を送り出すべき様式(本例では、流量制御モジュール170を介して冷やされた炭酸水164を送り出す)のための軌跡を規定する。しかし、制御論理サブシステム14によって提供される軌跡は、例えば流量コントローラ352によって処理されるのに先立って変更される必要がある場合がある。例えば、制御システムは、複数の線区間で構成される制御曲線(すなわち、ステップの変化を含む制御曲線)を処理するのに困難となる傾向がある。例えば、流量調節器352は、制御曲線370を処理するのにてこずる場合がある。なぜなら、それは3つの別個の直線区間、すなわち区間372、374、376、から成るからである。それ故、遷移点(例えば、遷移点378、380)において、詳細には流量コントローラ352(および全体的には配管/制御サブシステム20)は第1の流量から第2の流量に瞬時に変化するように求められることになろう。従って、軌跡成形コントローラ350は制御曲線370にフィルタをかけ、滑らかにされた制御曲線382を形成する。それは、詳細には流量コントローラ352(および全体的には配管/制御サブシステム20)によってより容易に処理される。なぜなら、第1の流量から瞬時の第2の流量への遷移はもはや求められないからである。
【0074】
加えて、軌跡成形コントローラ350はノズル24の充填前濡らしおよび充填後すすぎを可能にしてもよい。実施形態によっては、且つ/または、いくつかのレシピについては、1つ以上の成分が、もし該成分(本願明細書において「汚れ成分(dirty ingreient)」と呼ばれる)がノズル24に直接接触すると、すなわち、それが蓄積される形態で接触すると、ノズル24に対して問題を起こす場合がある。実施形態によっては、これらの「汚れ成分」の、ノズル24との直接接触を防ぐために、ノズル24は、「充填前」成分、例えば水、で充填前濡らしを受けてもよい。ノズル24は、「後洗い液成分」、例えば水、で充填後すすぎを受けてもよい。
【0075】
具体的には、ノズル24が、例えば10mLの水で充填前濡らしを受け、且つ/または汚れ成分の追加が止まると例えば10mLの水もしくは任意の「後洗い液」成分で充填後すすぎを受ける場合には、軌跡成形コントローラ350は、充填前濡らしおよび/または充填後すすぎの間に加えられる前洗い液成分を、充填プロセスの間に追加の量の汚れ成分を供給することによって相殺する。具体的には、容器30に製品28が充填されていく際、充填前すすぎ水または「前洗い液」の故に、製品28は最初、汚れ成分が濃度不足となっている。そこで、軌跡成形コントローラ350は、必要とされるよりも高い流量で汚れ成分を加え、その結果、製品28は、「濃度不足」から「適度な濃度」に遷移し、「濃度超過」、すなわち特定のレシピによって求められるものよりも高い濃度で存在する状態、に遷移する。しかし、適当量の汚れ成分が加えられると、充填後すすぎプロセスで追加の水、または別の適当な「後洗い液成分」を加えることにより、その結果、製品28は再び、汚れ成分で「適度な濃度」になる。
【0076】
流量コントローラ352は比例積分(proportional−integral、PI)ループコントローラとして構成されてもよい。流量コントローラ352は、フィードバックコントローラシステム188によって遂行されるものとして先に大まかに記載された比較および処理を遂行する。例えば、流量コントローラ352は、流量計測デバイス176からフィードバック信号182を受信するように構成される。流量コントローラ352は流量フィードバック信号182を所望の流量体積(制御論理サブシステム14によって規定され、軌跡成形コントローラ350によって変更されるとおりのもの)と比較する。流量フィードバック信号182を処理すると、流量コントローラ352は、可変管路インピーダンス200に提供される流量制御信号194を生成する。
【0077】
フィードフォワードコントローラ354は、可変管路インピーダンス200の初期位置がどうあるべきかに関する、「最も妥当とされる」推定を提供してもよい。具体的には、規定の一定圧力において、可変管路インピーダンスは0.00mL/秒ないし120.00mL/秒の流量(冷やされた炭酸水164のためのもの)を有すると仮定する。さらに、容器30に飲料製品28を充填する際には40mL/秒の流量が望まれると仮定する。それに応じて、フィードフォワードコントローラ354は、可変管路インピーダンス200を最初、その最大開度の33.33%まで開放するフィードフォワード信号を(フィードフォワード線384上に)提供する(可変管路インピーダンス200は線形的に動作すると仮定している)。
【0078】
フィードフォワード信号の値を求める際、フィードフォワードコントローラ354はルックアップテーブル(不図示)を利用してもよい。ルックアップテーブルは実験的に開発してもよく、種々の初期流量のために提供される信号を規定する。このようなルックアップテーブルの例としては以下のテーブルが挙げられる。ただし、これに限定されるものではない:
【0079】
【表1】
【0080】
この場合も先と同様に、容器30に飲料製品28を充填する際には40mL/秒の流量が望まれると仮定すると、例えば、フィードフォワードコントローラ354は上述のルックアップテーブルを利用し、(フィードフォワード線384を用いて)ステッピングモータを60.0度にパルス駆動する。例示的な実施形態ではステッピングモータが用いられるが、種々の他の実施形態では、サーボモータを含む、ただしそれに限定されるものではない、任意の他の種類のモータが用いられてよい。
【0081】
単位遅延器356はフィードバック経路を形成し、それを通じて、前の世代の(可変管路インピーダンス200に提供される)制御信号が流量コントローラ352に提供される。
【0082】
飽和コントローラ358は、可変管路インピーダンス200が(ステッパコントローラ360によって)最大流量に設定されたときは常に、フィードバックコントローラシステム188(該システムは、上述されたように、PIループコントローラとして構成されてもよい)の積分制御を無効にするように構成され、かくして、流量のオーバーシュートおよびシステムの振動を低減することによってシステムの安定性を高める。
【0083】
ステッパコントローラ360は、飽和コントローラ358によって(線386上に)提供される信号を、可変管路インピーダンス200によって利用可能な信号に変換するように構成される。可変管路インピーダンス200は、可変管路インピーダンス200のオリフィスサイズ(および、従って、流量)を調整するためのステッピングモータを含む。従って、制御信号194は、可変管路インピーダンス内に含まれるステッピングモータを制御するように構成される。
【0084】
図6Bをも参照すると、流量制御モジュール170、172、174それぞれの流量計測デバイス176、178、180の例としては、羽根車式流量計測デバイス、タービン式流量計測デバイス、または容積式流量計測デバイス(例えば、歯車式の容積式流量計測デバイス388)が挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。このように、種々の実施形態において、流量計測デバイスは、直接または間接的に流量を計測することができる任意のデバイスである。例示的な実施形態では、歯車式の容積式流量計測デバイス388が用いられる。本実施形態では、流量計測デバイス388は複数の噛み合い歯車(例えば、歯車390、392)を含む。該歯車は、例えば、歯車式の容積式流量計測デバイス388を通過する内容物はいずれも1つ以上の規定の経路(例えば、経路394、396)を進むことを要求し、その結果、例えば、歯車390の反時計回りの回転および歯車392の時計回りの回転を生じさせる。歯車390、392の回転を監視することによって、フィードバック信号(例えば、フィードバック信号182)が生成され、対応する流量コントローラ(例えば、流量コントローラ352)に提供される。
【0085】
図7〜14をも参照すると、流量制御モジュール(例えば、流量制御モジュール170)の種々の例示的な実施形態が示されている。しかし、上述されたように、種々のアセンブリの順番は種々の実施形態において異なってよい。すなわち、アセンブリはいかなる所望の順番で配列されてもよい。例えば、実施形態によっては、アセンブリは以下の順番で配列される:流量計測デバイス、二方弁、可変インピーダンス;一方、他の実施形態では、アセンブリは以下の順番で配列される:流量計測デバイス、可変インピーダンス、二方弁。実施形態によっては、可変インピーダンス上の圧力および流体を維持するかあるいは可変インピーダンス上の圧力を変化させるべく、アセンブリの順番を変えることが望まれる場合がある。実施形態によっては、可変インピーダンス弁はリップシールを含んでもよい。これらの実施形態では、リップシール上の圧力および流体を維持することが望ましい場合がある。これは、アセンブリを以下のように順序付けることによって達成される:流量計測デバイス、可変インピーダンス、および二方弁。可変管路インピーダンスより下流にある二方弁は、リップシールが望ましい密閉を維持するように、可変インピーダンス上の圧力および液体を維持する。
【0086】
まず図7Aおよび7Bを参照すると、流量制御モジュール170aの1つの実施形態が示されている。実施形態によっては、流量制御モジュール170aは全体的には流量計176a、可変管路インピーダンス200aおよび二方弁212aを含み、そこを貫くおおむね直線状の流体流路を有する。流量計176aは、多量成分サブシステム16から多量成分を受け取るための流体入口400を含む。流体入口400は、多量成分を、ハウジング402内に配される複数の相互噛み合い歯車(例えば、歯車390を含む)を含む、歯車式の容積式流量計測デバイス(例えば、先に大まかに記載された歯車式の容積式デバイス388)に伝える。多量成分は流量計176aから流体路404を経由して二方弁212aに進む。
【0087】
二方弁212aは、ソレノイド408によって作動するバンジョー弁406を含んでもよい。バンジョー弁406は、バンジョー弁406を閉鎖位置の方へ位置付けるように(例えば、不図示のばねによって)付勢され、それにより、流量制御モジュール170aを貫く多量成分の流れを妨げる。ソレノイドコイル408は通電され(例えば、制御論理サブシステム14からの制御信号に応答して)、プランジャ410を直線的に駆動し、連結部品412を介してバンジョー弁406を動かし、弁座414との密閉係合から解放し、それにより、二方弁212aを開放して、可変管路インピーダンス200aへの多量成分の流れを許す。
【0088】
上述されたように、可変管路インピーダンス200aは多量成分の流量を調節してもよい。可変管路インピーダンス200aは駆動モータ416を含む。駆動モータとしてはステッピングモータまたはサーボモータが挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。駆動モータ416は全体的に可変インピーダンス弁418に結合される。上述されたように、可変インピーダンス弁418は、例えば、二方弁212aから流体路420を経由して進み、流体吐出口422から出て行く多量成分の流量を制御する。可変インピーダンス弁418の例が米国特許第5,755,683号および米国特許出願公開第2007/0085049号に開示されクレームされており、それらはどちらもその全体が参照により引用されている。図示されてはいないが、駆動モータ416と可変インピーダンス弁418との間にはギアボックスが結合されてもよい。
【0089】
図8および9をも参照すると、全体的には流量計176b、二方弁212bおよび可変管路インピーダンス200bを含む、流量制御モジュール(例えば、流量制御モジュール170b)の別の実施形態が示されている。流量制御モジュール170aと同様に、流量制御モジュール170bは、多量成分を流量計176bに伝える流体入口400を含む。流量計176bは、例えばハウジング部材402内に形成される空洞424内に配される噛み合い歯車390、392を含む。噛み合い歯車390、392および空洞424は空洞424の外辺部のあたりに流れ経路を画定する。多量成分は流量計176bから流体路404を経由して二方弁212bに進む。図示のように、流体入口400および流体路404は、流量計176bに出入りする(すなわち、空洞424に出入りする)90度流路を提供する。
【0090】
二方弁212bは、(例えば、連結部品412を介してばね426によって加えられる付勢力に応答して)弁座414と係合させるバンジョー弁406を含む。ソレノイドコイル408が通電されると、プランジャ410はソレノイドコイル408の方へ引き込まれ、それにより、バンジョー弁406を動かし、弁座414との密閉係合から解放し、それにより、多量成分が可変管路インピーダンス200bに流れることを許す。他の実施形態では、バンジョー弁406は可変管路インピーダンス200bより下流にあってもよい。
【0091】
可変管路インピーダンス200bは全体的には、第1の表面を有する第1の剛性部材(例えば、シャフト428)を含む。シャフト428は、第1の表面に第1の境界を有する第1の流体経路部を画定する。第1の境界は、(例えばシャフト428の)第1の表面上に画定される溝(例えば溝430)を含む。溝430は、第1の表面の曲面の接平面に垂直に、大きい断面積から小さい断面積へとテーパが付いている。ただし、他の実施形態では、シャフト428は、溝430ではなく、穿孔(すなわち、まっすぐなボール形の穴、図15C参照)を含んでもよい。第2の剛性部材(例えば、ハウジング432)が第2の表面(例えば、内部穿孔434)を有する。第2の剛性部材(例えば、ハウジング432)は、第2の表面に第2の境界を有する第2の流体経路部を画定する。第1および第2の剛性部材は、完全開放位置から部分開放位置を連続的に経て閉鎖位置へと互いに対して回転させることができる。例えば、シャフト428は、駆動モータ416(例えば、ステッピングモータまたはサーボモータを含んでもよい)によってハウジング432に対して回転駆動される。第1および第2の表面はそれらの間の空間を画定する。第1および第2の剛性部材が完全開放位置にあるかまたは互いに対する部分開放位置のうちの1つにあるときは、第2の剛性部材(すなわち、ハウジング432)内のアパーチャ(例えば、開口部436)が第1の流体経路部と第2の流体経路部との間の流体接続を提供する。第1の流体経路部と第2の流体経路部との間を流れる流体は溝(すなわち、溝430)およびアパーチャ(すなわち、開口部436)を通って流れる。実施形態によっては、第1の表面と第2の表面との間に少なくとも1つの密閉手段(例えば、不図示のガスケット、Oリングまたは同様のもの)が配されてもよく、第1の剛性部材と第2の剛性部材との間に、流体が空間の外へ漏れることを防ぐためのシールを提供する。該シールは流体が所望の流路から漏れることも防ぐ。しかし、示されているとおりの例示的な実施形態では、この種の密閉手段は用いられない。代わりに、例示的な実施形態では、空間を密閉するためにリップシール429または他の密閉手段が用いられる。
【0092】
流量制御モジュール170、172、174を多量成分サブシステム16および/または下流構成要素、例えばノズル24、に流体結合するために、種々の接続設備が含まれる。例えば、流量制御モジュール170bに関して図8および9に示されるように、ロック板438が案内機構440に対してスライド可能に配されてもよい。流体吐出口422には流体管路(不図示)が少なくとも部分的に挿入され、ロック板438はスライド移動され、流体管路を流体吐出口と係合させてロックする。流体管路と流体吐出口422との間の液密接続を提供するために、種々のガスケット、Oリング、または同様のものが用いられる。
【0093】
図10ないし13は、流量制御モジュール(例えば、それぞれ、流量制御モジュール170c、170d、170eおよび170f)の種々のさらなる実施形態を示す。流量制御モジュール170c、170d、170e、170fは、流体接続部ならびに関連する可変管路インピーダンス200および二方弁212の配向の点で、先に記載された流量制御モジュール170a、170bとは全体的に異なる。例えば、図11および13にそれぞれ示される流量制御モジュール170dおよび170fは、流体を流量計176dおよび176fとやり取りするための、かかりのついた流体接続部442を含む。同様に、流量制御モジュール170cは、流体を可変管路インピーダンス200cとやり取りするための、かかりのついた流体接続部444を含む。種々の追加の/代替の流体接続設備が同等に利用されてもよい。同様に、種々の実装設備および設計基準に適合するために、ソレノイド408の種々の相対配向、およびバンジョー弁406のためのばね付勢の種々の構成が用いられてよい。
【0094】
図14A〜14Cをも参照すると、流量制御モジュールのさらに別の実施形態が示されている(すなわち、流量制御モジュール170g)。流量制御モジュール170gは全体的には、流量計176g、可変管路インピーダンス200g、および二方弁212g(例えば、本願明細書において先に大まかに記載されたとおりの、ソレノイドによって作動するバンジョー弁であってもよい)を含む。図14Cを参照すると、リップシール202gが見える。同様に、図14Cは、流量制御モジュールが、種々の流量制御モジュールアセンブリを保護するカバーを含む1つの例示的な実施形態を示す。示されるすべての実施形態において図示されてはいないが、流量制御モジュールの実施形態は各々同様にカバーを含んでもよい
【0095】
流量制御モジュール(例えば、流量制御モジュール170、172、174)は、多量成分が多量成分サブシステム16から流量計(例えば、流量計176、178、180)に流れ、次に可変管路インピーダンス(例えば、可変管路インピーダンス200、202、204)に流れ、最後に二方弁(例えば、二方弁212、214、216)を通って流れるように構成されるものとして記載されているが、これは本開示に対する限定として解釈されてはならないことに留意されたい。例えば、図7ないし14Cに関して示され、説明されているように、流量制御モジュールは、多量成分サブシステム16から流量計(例えば、流量計176、178、180)に至り、次に二方弁(例えば、二方弁212、214、216)に至り、そして最後に可変管路インピーダンス(例えば、可変管路インピーダンス200、202、204)を通る流路を有するように構成されてもよい。種々の追加の/代替の構成が同等に利用されてよい。加えて、1つ以上の追加の構成要素が流量計、二方弁および可変管路インピーダンスのうちの1つ以上の間に相互接続されてもよい。
【0096】
図15Aおよび15Bを参照すると、可変管路インピーダンス(例えば、可変管路インピーダンス200)の、駆動モータ416(例えば、ステッピングモータ、サーボモータ、または同様のものでもよい)を含む部分が示されている。駆動モータ416は、溝430を内部に有するシャフト428に結合される。次に図15Cを参照すると、実施形態によっては、シャフト428は穿孔を含み、例示的な実施形態では、図15Cに示されるように、穿孔はボール状の穿孔である。例えば、図8および9を参照して説明されたように、駆動モータ416はシャフト428をハウジング(例えばハウジング432)に対して回転させ、可変管路インピーダンスを通る流量を調節してもよい。シャフト428には磁石446が結合されてもよい(例えば、シャフト428内の軸方向開口部内に少なくとも部分的に配されるかもしれない)。磁石446は全体的に直径方向に帯磁し、S極450およびN極452を提供してもよい。シャフト428の回転位置は、例えば、1つ以上の磁束検知デバイス、例えば、図9に示されるセンサ454、456、上の磁石446によって与えられる磁束に基づいて求められてもよい。磁束検知デバイスは、例えば、ホール効果センサ、または同様のものを含んでもよい。ただし、それに限定されるものではない。磁束検知デバイスは、例えば制御論理サブシステム14に、位置フィードバック信号を提供する。
【0097】
再び図15Cを参照すると、実施形態によっては、磁石446は、図8および9に関して先に示され記載されている実施形態とは反対側に設置される。加えて、本実施形態では、磁石446は磁石保持具480によって保持される。
【0098】
磁気位置センサを利用すること(例えば、シャフトの回転位置を求めるために)に加え/その代替として、可変管路インピーダンスは、少なくとも部分的に、モータ位置に基づいて求められてもよいし、またはシャフト位置を検出する光学センサに基づいて求められてもよい。
【0099】
次に図16Aおよび16Bを参照すると、歯車式の容積式流量計測デバイス(例えば、歯車式の容積式流量計測デバイス388)の歯車(例えば、歯車390)は、そこに結合される1つ以上の磁石(例えば、磁石458、460)を含んでもよい。上述されたように、流体(例えば、多量成分)が歯車式の容積式流量計測デバイス388を通って流れるのに従い、歯車390(および歯車392)は回転する。歯車390の回転速度は、歯車式の容積式流量計測デバイス388を通る流体の流量におおむね比例する。歯車390の回転(および/または回転速度)は、磁束センサ(例えば、ホール効果センサ、または同様のもの)を用いて計測され、該磁束センサは、歯車390に結合された軸方向磁石458、460の回転運動を計測してもよい。磁束センサは、例えば、図8に示されるプリント回路板462上に配されてもよく、流量フィードバック信号(例えば、流量フィードバック信号182)を流量フィードバックコントローラシステム(例えば、フィードバックコントローラシステム188)に提供する。
【0100】
図17をも参照すると、ユーザインターフェースサブシステム22の概略図が示されている。ユーザインターフェースサブシステム22は、飲料28に関する種々の選択項目をユーザ26が選択することを可能にするタッチ画面インターフェース500を含んでいる(例示的な実施形態が図51〜53に関して以下に記載される)。例えば、ユーザ26は(「ドリンクサイズ」の列502を用いて)飲料28のサイズを選択することができる。選択可能なサイズの例としては:「12オンス」;「16オンス」;「20オンス」;「24オンス」;「32オンス」;および「48オンス」が挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。
【0101】
ユーザ26は(「ドリンクの種類」の列504を用いて)飲料28の種類を選択することができる。選択可能な種類の例としては:「コーラ」;「レモン−ライム」;「ルートビア」;「アイスティー」;「レモネード」;および「フルーツポンチ」が挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。
【0102】
ユーザ26は、(「添加物」の列506を用いて)飲料28内に含める1つ以上の香料/製品を選択することもできる。選択可能な添加物の例としては:「サクランボフレーバー」;「レモンフレーバー」;「ライムフレーバー」;「チョコレートフレーバー」;「コーヒーフレーバー」;および「アイスクリーム」が挙げられる。ただしそれらに限定されるものではない。
【0103】
さらに、ユーザ26は、(「栄養補助食品」の列508を用いて)飲料28内に含める1つ以上の栄養補助食品を選択することができる。このような栄養補助食品の例としては:「ビタミンA」;「ビタミンB6」;「ビタミンB12」;「ビタミンC」;「ビタミンD」;および「亜鉛」が挙げられる。ただしそれらに限定されるものではない。
【0104】
実施形態によっては、タッチ画面よりも低い高さにある追加の画面が、その画面のための「遠隔制御装置」(不図示)を含んでよい。遠隔制御装置は、例えば、上、下、左および右ならびに選択を示すボタンを含む。ただし、他の実施形態では、追加のボタンが含まれてもよい。
【0105】
ユーザ26が適当な選択を行たなら、ユーザ26は「決定!」ボタン510を選択し、ユーザインターフェースサブシステム22は適当なデータ信号を(データバス32を介して)制御論理サブシステム14に提供する。受信されると、制御論理サブシステム14は記憶サブシステム12から適当なデータを取得し、適当な制御信号を例えば多量成分サブシステム16、ミクロ成分サブシステム18、および配管/制御サブシステム20に提供する。制御信号は、飲料28を用意するべく(先に説明されている方法で)処理される。代替的に、ユーザ26は「取り消し」ボタン512を選択してもよく、タッチ画面インターフェース500はデフォルト状態(例えば、ボタンが何も選択されていない)にリセットされてもよい。
【0106】
ユーザインターフェースサブシステム22はユーザ26との双方向通信を可能にするように構成されてもよい。例えば、ユーザインターフェースサブシステム22は、処理システム10がユーザ26に情報を提供することを可能にする情報画面514を含んでもよい。ユーザ26に提供される情報の種類の例としては、広告、システム異常/警告に関する情報、および種々の製品の値段に関する情報が挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。
【0107】
上述されたように、制御論理サブシステム14は、処理システム10の動作を制御する1つ以上の制御プロセス120を実行する。従って、制御論理サブシステム14は有限状態機械プロセス(例えば、FSMプロセス122)を実行する。
【0108】
先にも説明されたように、処理システム10の使用中、ユーザ26は、ユーザインターフェースサブシステム22を用いて、(容器30内に)分配するための特定の飲料28を選択する。ユーザインターフェースサブシステム22を介して、ユーザ26は、こうした飲料内に含める1つ以上の選択項目を選択する。ユーザインターフェースサブシステム22を介してユーザ26が適当な選択を行うと、ユーザインターフェースサブシステム22は、(飲料28に関する)ユーザ26の選択および好みを示す適当な指示を制御論理サブシステム14に送信する。
【0109】
選択を行う際、ユーザ26は、本質的に、2つの独立した別個のレシピの組み合わせであり、複数構成要素製品を製造する複数部分レシピを選択してよい。例えば、ユーザ26はルートビアフロートを選択してよい。それは本質的に、2つの独立した別個の構成要素(すなわちバニラアイスクリームおよびルートビアソーダ)の組み合わせである複数部分レシピである。さらなる例として、ユーザ26は、コーラおよびコーヒーの組み合わせである飲み物を選択してよい。このコーラ/コーヒーの組み合わせは本質的に、2つの独立した別個の構成要素(すなわちコーラソーダおよびコーヒー)の組み合わせである。
【0110】
図18をも参照すると、上述の指示を受信すると(550)、FSMプロセス122は指示を処理し(552)、製造される製品(例えば、飲料28)は複数構成要素製品かどうかを判定する。
【0111】
製造される製品が複数構成要素製品であれば(554)、FSMプロセス122は、複数構成要素製品の構成要素の各々を製造するために必要なレシピ(単数または複数)を特定する(556)。特定されるレシピ(単数または複数)は、図1に示される記憶サブシステム12上に維持されている複数のレシピ36から選ばれる。
【0112】
製造される製品が複数構成要素製品でなければ(554)、FSMプロセス122は、製品を製造するための単一のレシピを特定する(558)。単一のレシピは、記憶サブシステム12上に維持されている複数のレシピ36から選ばれてもよい。従って、受信され(550)、処理された(552)指示が、レモン−ライムソーダを定義する指示であったなら、これは複数構成要素製品ではないので、FSMプロセス122は、レモン−ライムソーダを製造するために必要な単一のレシピを特定する(558)。
【0113】
指示が複数構成要素製品に関連していれば(554)、記憶サブシステム12上に維持されている複数のレシピ36から選ばれる対応するレシピ群を特定すると(556)、FSMプロセス122はレシピ群の各々を解析して(560)、複数の離散的状態に分解し、1つ以上の状態遷移を定義する。次に、FSMプロセス122は、複数の離散的状態の少なくとも一部を用いて、(各レシピのための)少なくとも1つの有限状態機械を定義する(562)。
【0114】
指示が複数構成要素製品に関連していなければ(554)、記憶サブシステム12上に維持されている複数のレシピ36から選ばれる対応するレシピを特定すると(558)、FSMプロセス122はレシピを解析して(564)、複数の離散的状態に分解し、1つ以上の状態遷移を定義する。次に、FSMプロセス122は、複数の離散的状態の少なくとも一部を用いて、レシピのための少なくとも1つの有限状態機械を定義する(566)。
【0115】
当技術分野において周知のように、有限状態機械(FSM)とは、有限数の状態、それらの状態間の遷移、および/または動作で構成される、振る舞いのモデルである。例えば、図19をも参照すると、完全に開放されているかまたは完全に閉鎖されているかのどちらかであり得る物理的な戸口のための有限状態機械を定義する場合には、有限状態機械は2つの状態、すなわち“開放”状態570および“閉鎖”状態572、を含む。加えて、一方の状態から他方の状態への遷移を可能にする2つの遷移が定義されてもよい。例えば、遷移状態574は扉を「開放し」(かくして“閉鎖”状態572から「開放」状態570に遷移する)、遷移状態576は扉を「閉鎖する」(かくして“開放”状態570から“閉鎖”状態572に遷移する)。
【0116】
図20をも参照すると、コーヒーが抽出される方法に関する状態図600が示されている。状態図600は5つの状態、すなわち:アイドル状態602;抽出準備完了状態604;抽出状態605;温度維持状態608;およびオフ状態610を含むように示されている。加えて、5つの遷移状態が示されている。例えば、遷移状態612(例えば、コーヒーフィルタを装着する、コーヒーの粉を入れる、コーヒーメーカに水を充填する)はアイドル状態602から抽出準備完了状態604に遷移する。遷移状態614(例えば、抽出ボタンを押す)は抽出準備完了状態604から抽出状態606に遷移する。遷移状態616(例えば、水の供給を使い果たす)は抽出状態606から温度維持状態608に遷移する。遷移状態618(例えば、電源スイッチを切るかまたは最大「温度維持」時間を超える)は温度維持状態608からオフ状態610に遷移する。遷移状態620(例えば、電源スイッチを入れる)はオフ状態610からアイドル状態602に遷移する。
【0117】
従って、FSMプロセス122は、製品を製造するために利用されるレシピ(またはその一部)に対応する1つ以上の有限状態機械を作り出す。適当な有限状態機械が作り出されると、制御論理サブシステム14は有限状態機械(単数または複数)を実行し、例えばユーザ26によって要求された製品(例えば、複数構成要素または単一構成要素)を生成する。
【0118】
従って、処理システム10は、ユーザ26がルートビアフロートを選択したとの指示を(ユーザインターフェースサブシステム22を介して)受信する(550)と仮定する。FSMプロセス122は指示を処理し(552)、ルートビアフロートは複数構成要素製品であるかどうかを判定する(554)。ルートビアフロートは複数構成要素製品であるから、FSMプロセス122はルートビアフロートを製造するために必要なレシピ(すなわちルートビアソーダのためのレシピおよびバニラアイスクリームのためのレシピ)を特定し(556)、ルートビアソーダのためのレシピおよびバニラアイスクリームのためのレシピを解析して(560)、複数の離散的状態に分解し、1つ以上の状態遷移を定義する。次に、FSMプロセス122は複数の離散的状態の少なくとも一部を用いて、(各レシピのための)少なくとも1つの有限状態機械を定義する(562)。その後、これらの有限状態機械は制御論理サブシステム14によって実行され、ユーザ26によって選択されたルートビアフロートを製造する。
【0119】
レシピに対応する状態機械を実行する際、処理システム10は、処理システム10内に含まれる1つ以上のマニホールド(不図示)を利用してもよい。本開示において用いられるように、マニホールドとは、1つ以上のプロセスの実行を可能にするように設計された一時貯蔵エリアである。マニホールドに出入りする成分の動きを容易にするために、処理システム10は、マニホールド間の成分の移動を容易にするための複数の弁(例えば、制御論理サブシステム14によって制御可能な弁)を含んでもよい。各種のマニホールドの例としては:混合マニホールド、ブレンディングマニホールド、粉砕マニホールド、加熱マニホールド、冷却マニホールド、冷凍マニホールド、浸漬マニホールド、ノズル、圧力マニホールド、真空マニホールド、および揺動マニホールドが挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。
【0120】
例えば、コーヒーを作る際には、粉砕マニホールドがコーヒー豆を挽く。豆が挽かれると、加熱マニホールドに水が供給され、その中で水160は所定の温度(例えば212°F(100°C))まで加熱される。水が加熱されると、加熱された水(加熱マニホールドによって製造されたもの)は、挽かれたコーヒー豆(粉砕マニホールドによって製造されたもの)を通して濾される。加えて、処理システム10がどのように構成されているかに依存して、処理システム10は、別のマニホールド内でまたはノズル24において、製造されたコーヒーにクリームおよび/または砂糖を加えてもよい。
【0121】
それ故、複数部分レシピの各部分は、処理システム10内に含まれる異なるマニホールド内で実行されてよい。従って、複数構成要素レシピの各構成要素は、処理システム10内に含まれる異なるマニホールド内で製造されてよい。上述の例を続け、複数構成要素製品の第1の構成要素(すなわち、ルートビアソーダ)は、処理システム10内に含まれる混合マニホールド内で製造されてもよい。さらに、複数構成要素製品の第2の構成要素(すなわち、バニラアイスクリーム)は、処理システム10内に含まれる冷凍マニホールド内で製造されてもよい。
【0122】
上述されたように、制御論理サブシステム14は、処理システム10の動作を制御する1つ以上の制御プロセス120を実行してもよい。従って、制御論理サブシステム14は仮想機械プロセス124を実行してもよい。
【0123】
同様に上述されたように、処理システム10の使用中、ユーザ26は、ユーザインターフェースサブシステム22を用いて、(容器30内に)分配する特定の飲料28を選択してもよい。ユーザインターフェースサブシステム22を介して、ユーザ26は、こうした飲料内に含める1つ以上の選択項目を選択してもよい。ユーザインターフェースサブシステム22を介してユーザ26が適当な選択を行うと、ユーザインターフェースサブシステム22は適当な命令を制御論理サブシステム14に送信する。
【0124】
選択を行う際、ユーザ26は、本質的に、複数構成要素製品を製造する2つの独立した別個のレシピの組み合わせである複数部分レシピを選択してよい。例えば、ユーザ26はルートビアフロートを選択してよい。それは本質的に、2つの独立した別個の構成要素(すなわちバニラアイスクリームおよびルートビアソーダ)の組み合わせである複数部分レシピである。さらなる例として、ユーザ26は、コーラおよびコーヒーの組み合わせである飲み物を選択してよい。このコーラ/コーヒーの組み合わせは本質的に、2つの独立した別個の構成要素(すなわちコーラソーダおよびコーヒー)の組み合わせである。
【0125】
図21をも参照すると、上述の命令を受信すると(650)、仮想機械プロセス124はこれらの命令を処理し(652)、製造される製品(例えば、飲料28)は複数構成要素製品かどうかを判定する。
【0126】
製造される製品が複数構成要素製品であれば(654)、仮想機械プロセス124は、複数構成要素製品の第1の構成要素を製造するための第1のレシピおよび複数構成要素製品の少なくとも第2の構成要素を製造するための少なくとも第2のレシピを特定する(656)。第1および第2のレシピは、記憶サブシステム12上に維持されている複数のレシピ36から選ばれる。
【0127】
製造される製品が複数構成要素製品でなければ(654)、仮想機械プロセス124は、製品を製造するための単一のレシピを特定する(658)。単一のレシピは、記憶サブシステム12上に維持されている複数のレシピ36から選ばれる。従って、受信された(650)命令が、レモン−ライムソーダに関する命令であったなら、これは複数構成要素製品ではないので、仮想機械プロセス124は、レモン−ライムソーダを製造するために必要な単一のレシピを特定する(658)。
【0128】
記憶サブシステム12上に維持されている複数のレシピ36からレシピ(単数または複数)を特定すると(656、658)、制御論理サブシステム14はレシピ(単数または複数)を実行し(660、662)、適当な制御信号を(データバス38を介して)例えば多量成分サブシステム16、ミクロ成分サブシステム18および配管/制御サブシステム20に提供し、その結果、飲料28が製造されることとなる(飲料28は容器30内に分配される)。
【0129】
従って、処理システム10は、ルートビアフロートを作る命令を(ユーザインターフェースサブシステム22を介して)受信すると仮定する。仮想機械プロセス124はこれらの命令を処理し(652)、ルートビアフロートは複数構成要素製品であるかどうかを判定する(654)。ルートビアフロートは複数構成要素製品であるので、仮想機械プロセス124はルートビアフロートを製造するために必要なレシピ(すなわちルートビアソーダのためのレシピおよびバニラアイスクリームのためのレシピ)を特定し(656)、ルートビアソーダおよびバニラアイスクリームを(それぞれ)製造するレシピを両方とも実行する(660)。これらの製品が製造されると、処理システム10は個々の製品(すなわちルートビアソーダおよびバニラアイスクリーム)を組み合わせ、ユーザ26によって要求されたルートビアフロートを製造する。
【0130】
レシピを実行する際、処理システム10は、処理システム10内に含まれる1つ以上のマニホールド(不図示)を利用してもよい。本開示において用いられるように、マニホールドとは、1つ以上のプロセスの実行を可能にするように設計された一時貯蔵エリアである。マニホールドに出入りする成分の動きを容易にするために、処理システム10は、マニホールド間の成分の移動を容易にするための複数の弁(例えば、制御論理サブシステム14によって制御可能な弁)を含んでもよい。各種のマニホールドの例としては:混合マニホールド、ブレンディングマニホールド、粉砕マニホールド、加熱マニホールド、冷却マニホールド、冷凍マニホールド、浸漬マニホールド、ノズル、圧力マニホールド、真空マニホールド、および揺動マニホールドが挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。
【0131】
例えば、コーヒーを作る際には、粉砕マニホールドがコーヒー豆を挽く。豆が挽かれると、加熱マニホールドに水が供給され、その中で水160は所定の温度(例えば212°F(100°C))まで加熱される。水が加熱されると、加熱された水(加熱マニホールドによって製造されたもの)は、挽かれたコーヒー豆(粉砕マニホールドによって製造されたもの)を通して濾される。加えて、処理システム10がどのように構成されているかに依存して、処理システム10は、別のマニホールド内でまたはノズル24において、製造されたコーヒーにクリームおよび/または砂糖を加えてもよい。
【0132】
それ故、複数部分レシピの各部分は、処理システム10内に含まれる異なるマニホールド内で実行されてよい。従って、複数構成要素レシピの各構成要素は、処理システム10内に含まれる異なるマニホールド内で製造されてよい。上述の例を続け、複数部分レシピの第1の部分(すなわち、ルートビアソーダを作るために処理システム10によって利用される1つ以上のプロセス)は、処理システム10内に含まれる混合マニホールド内で実行されてもよい。さらに、複数部分レシピの第2の部分(すなわち、バニラアイスクリームを作るために処理システム10によって利用される1つ以上のプロセス)は、処理システム10内に含まれる冷凍マニホールド内で実行されてもよい。
【0133】
上述されたように、処理システム10の使用中、ユーザ26は、ユーザインターフェースサブシステム22を用いて、(容器30内に)分配する特定の飲料28を選択してもよい。ユーザインターフェースサブシステム22を介して、ユーザ26は、こうした飲料内に含める1つ以上の選択項目を選択してもよい。ユーザインターフェースサブシステム22を介してユーザ26が適当な選択を行うと、ユーザインターフェースサブシステム22は適当なデータ信号を(データバス32を介して)制御論理サブシステム14に送信する。制御論理サブシステム14はこれらのデータ信号を処理し、記憶サブシステム12上に維持されている複数のレシピ36から選ばれる1つ以上のレシピを(データバス34を介して)取得する。記憶サブシステム12からレシピ(単数または複数)を取得すると、制御論理サブシステム14はレシピ(単数または複数)を処理し、適当な制御信号を(データバス38を介して)例えば多量成分サブシステム16、ミクロ成分サブシステム18および配管/制御サブシステム20に提供し、その結果、飲料28が製造されることとなる(飲料28は容器30内に分配される)。
【0134】
ユーザ26が選択を行う際、ユーザ26は、本質的に、2つの独立した別個のレシピの組み合わせである複数部分レシピを選択してよい。例えば、ユーザ26はルートビアフロートを選択してよく、それは本質的に、2つの独立した別個のレシピ(すなわちバニラアイスクリームおよびルートビアソーダ)の組み合わせである複数部分レシピである。さらなる例として、ユーザ26は、コーラおよびコーヒーの組み合わせである飲み物を選択してよい。このコーラ/コーヒーの組み合わせは本質的に、2つの独立した別個のレシピ(すなわちコーラソーダおよびコーヒー)の組み合わせである。
【0135】
従って、処理システム10は、ルートビアフロートを作製せよとの命令を(ユーザインターフェースサブシステム22を介して)受信し、ルートビアフロートのためのレシピは複数部分レシピであることを知っていると仮定すると、処理システム10は単に、ルートビアソーダのための単独のレシピを入手し、バニラアイスクリームのための単独のレシピを入手し、ルートビアソーダおよびバニラアイスクリームを(それぞれ)製造するためのレシピを両方とも実行する。これらの製品が製造されると、処理システム10は個々の製品(すなわちルートビアソーダおよびバニラアイスクリーム)を組み合わせ、ユーザ26によって要求されたルートビアフロートを製造する。
【0136】
レシピを実行する際、処理システム10は、処理システム10内に含まれる1つ以上のマニホールド(不図示)を利用してもよい。本開示において用いられるように、マニホールドとは、1つ以上のプロセスの実行を可能にするように設計された一時貯蔵エリアである。マニホールドに出入りする成分の動きを容易にするために、処理システム10は、マニホールド間の成分の移動を容易にするための複数の弁(例えば、制御論理サブシステム14によって制御可能な弁)を含んでもよい。各種のマニホールドの例としては:混合マニホールド、ブレンディングマニホールド、粉砕マニホールド、加熱マニホールド、冷却マニホールド、冷凍マニホールド、浸漬マニホールド、ノズル、圧力マニホールド、真空マニホールド、および揺動マニホールドが挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。
【0137】
例えば、コーヒーを作る際には、粉砕マニホールドがコーヒー豆を挽けばよい。豆が挽かれると、加熱マニホールドに水が供給され、その中で水160は所定の温度(例えば212°F(100°C))まで加熱される。水が加熱されると、加熱された水(加熱マニホールドによって製造されたもの)は、挽かれたコーヒー豆(粉砕マニホールドによって製造されたもの)を通して濾される。加えて、処理システム10がどのように構成されているかに依存して、処理システム10は、別のマニホールド内でまたはノズル24において、製造されたコーヒーにクリームおよび/または砂糖を加えてもよい。
【0138】
上述されたように、制御論理サブシステム14は、処理システム10の動作を制御する1つ以上の制御プロセス120を実行してもよい。従って、制御論理サブシステム14は仮想マニホールドプロセス126を実行してもよい。
【0139】
図22をも参照すると、仮想マニホールドプロセス126は例えば、処理システム10上で実行されている複数部分レシピの第1の部分の間に行われる1つ以上のプロセスを監視し(680)、少なくとも該1つ以上のプロセスの部分に関するデータを得る。例えば、複数部分レシピは、(上述されたように)本質的に、記憶サブシステム12上に維持されている複数のレシピ36から選ばれる2つの独立した別個のレシピ(すなわちルートビアソーダおよびバニラアイスクリーム)の組み合わせであるルートビアフロートの作製に関連すると仮定する。従って、複数部分レシピの第1の部分は、ルートビアソーダを作るために処理システム10によって利用される1つ以上のプロセスと考えられる。さらに、複数部分レシピの第2の部分は、バニラアイスクリームを作るために処理システム10によって利用される1つ以上のプロセスと考えられる。
【0140】
これらの複数部分レシピの各部分は、処理システム10内に含まれる異なるマニホールド内で実行されてもよい。例えば、複数部分レシピの第1の部分(すなわち、ルートビアソーダを作るために処理システム10によって利用される1つ以上のプロセス)は、処理システム10内に含まれる混合マニホールド内で実行されてもよい。さらに、複数部分レシピの第2の部分(すなわち、バニラアイスクリームを作るために処理システム10によって利用される1つ以上のプロセス)は、処理システム10内に含まれる冷凍マニホールド内で実行されてもよい。上述されたように、処理システム10は複数のマニホールドを含んでもよく、その例としては:混合マニホールド、ブレンディングマニホールド、粉砕マニホールド、加熱マニホールド、冷却マニホールド、冷凍マニホールド、浸漬マニホールド、ノズル、圧力マニホールド、真空マニホールド、および揺動マニホールドが挙げられる。ただしそれらに限定されるものではない。
【0141】
従って、仮想マニホールドプロセス126は、ルートビアソーダを作るために処理システム10によって利用されるプロセスを監視し(680)(またはバニラアイスクリームを作るために処理システム10によって利用されるプロセスを監視し)、それにより、これらのプロセスに関するデータを得る。
【0142】
得られるデータの種類の例としては成分データおよび処理データが挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。
【0143】
成分データは、複数部分レシピの第1の部分の間に用いられる成分のリストを含む。ただし、それに限定されるものではない。例えば、複数部分レシピの第1の部分が、ルートビアソーダを作ることに関連していると、成分のリストは:規定量のルートビア香料、規定量の炭酸水、規定量の非炭酸水、および規定量の異性化糖を含む。
【0144】
処理データは、成分に対して遂行されるプロセスの順序のリストを含む。ただし、それに限定されるものではない。例えば、処理システム10内のマニホールド内に規定量の炭酸水が投入され始める。マニホールドに炭酸水を充填する間に、規定量のルートビア香料、規定量の異性化糖、および規定量の非炭酸水もマニホールド内に投入される。
【0145】
得られたデータの少なくとも一部は(例えば、一時的または恒久的に)記憶される(682)。さらに、仮想マニホールドプロセス126は、例えば、複数部分レシピの第2の部分の間に行われる1つ以上のプロセスによる、後の利用のために、この記憶されたデータの利用可能性を有効にする(684)。得られたデータを記憶する際(682)、仮想マニホールドプロセス126は、得られたデータを後の診断目的のために不揮発性メモリシステム(例えば、記憶サブシステム12)内にアーカイブしてもよい(686)。このような診断目的の例としては、処理システム10用の消耗品を購入する購入計画を立てるために、保守技術員が成分の消費特性を調べることを可能にすることが挙げられる。代替的に/加えて、得られたデータを記憶する際(682)、仮想マニホールドプロセス126は、得られたデータを揮発性メモリシステム(例えば、ランダムアクセスメモリ104)に一時的に書き込んでもよい(688)。
【0146】
得られたデータの利用可能性を有効にする際(684)、仮想マニホールドプロセス126は、得られたデータ(またはその一部)を、複数部分レシピの第2の部分の間に行われている(または行われることになる)1つ以上のプロセスに転送してもよい(690)。上述の例を続ける。本例では、複数部分レシピの第2の部分は、バニラアイスクリームを作るために処理システム10によって利用される1つ以上のプロセスに関連しているが、仮想マニホールドプロセス126は、得られたデータ(またはその一部)が、バニラアイスクリームを作るために利用される1つ以上のプロセスに対して利用可能になることを有効にする(684)。
【0147】
上述のルートビアフロートを作るために利用されるルートビア香料は相当な量のバニラ香料で風味付けされると仮定する。さらに、バニラアイスクリームを作る際にも、相当な量のバニラ香料が用いられると仮定する。仮想マニホールドプロセス126は、得られたデータ(例えば、成分および/またはプロセスデータ)の、制御論理サブシステム(すなわち、バニラアイスクリームを作るために利用される1つ以上のプロセスをうまく組み合わせるサブシステム)に対する利用可能性を有効にするので(684)、このデータを調べたならば、制御論理サブシステム14は、バニラアイスクリームを作るために利用される成分を改変する。具体的には、制御論理サブシステム14は、ルートビアフロート内のバニラ香料の過多を回避するべく、バニラアイスクリームを作るために利用されるバニラ香料の量を減らしてもよい。
【0148】
加えて、得られたデータの、後に実行されるプロセスに対する利用可能性を有効にすることによって(684)、もし後に実行されるプロセスに対してデータが利用可能とされていなければ不可能であることが分かるであろう手順が遂行されてもよい。上述の例を続け、消費者は、10.0mLを超えるバニラ香料を一杯分に含む製品はどれも好まない傾向があると経験的に判断されていると仮定する。さらに、ルートビアフロート用のルートビアソーダを作るために利用されるルートビア香料内には8.0mLのバニラ香料が含まれ、ルートビアフロートを作るために利用されるバニラアイスクリームを作るためにもまた8.0mLのバニラ香料が利用されると仮定する。従って、これらの2つの製品(ルートビアソーダおよびバニラアイスクリーム)が組み合わせられれば、最終製品は16.0mLのバニラ香料(経験的に規定された上限10.0mLの規則を超える)で風味付けされてしまうことになろう。
【0149】
それ故、ルートビアソーダのための成分データが記憶されておらず(682)、このような記憶されたデータの利用可能性が仮想マニホールドプロセス126によって有効にされていなければ(684)、ルートビアソーダは8.0mLのバニラ香料を包含するという事実は失われてしまうことになり、16.0mLのバニラ香料を包含する最終製品が製造されてしまうことになろう。それ故、この得られて記憶された(682)データは、望ましくない効果(例えば、不所望の風味特性、不所望の外観特性、不所望の匂い特性、不所望のテクスチャ特性、および栄養補助食品の最大推奨用量を超えてしまうこと)の発生を回避する(または低減する)ために利用される。
【0150】
この得られたデータを利用できるおかげで、後のプロセスも調整されることが可能になる。例えば、バニラアイスクリームを作るために利用される塩の量は、ルートビアソーダを作るために利用される炭酸水の量に依存して変動すると仮定する。この場合も先と同様に、ルートビアソーダのための成分データが記憶されておらず(682)、このような記憶されたデータの利用可能性が仮想マニホールドプロセス126によって有効にされていなければ(684)、ルートビアソーダを作るために用いられる炭酸水の量は失われることになり、アイスクリームを作るために利用される塩の量を調整する能力は損なわれてしまう場合がある。
【0151】
上述されたように、仮想マニホールドプロセス126は、例えば処理システム10上で実行されている複数部分レシピの第1の部分の間に行われる1つ以上のプロセスを監視し(680)、少なくとも該1つ以上のプロセスの部分に関するデータを得る。監視される(680)1つ以上のプロセスは、処理システム10の単一のマニホールド内で実行されるものであってもよいし、または処理システム10の単一のマニホールド内で実行される複数部分手順の単一の部分を代表するものであってもよい。
【0152】
例えば、ルートビアソーダを作る際には、4つの入口(例えば、1つはルートビア香料用、1つは炭酸水用、1つは非炭酸水用、および1つは異性化糖用)、ならびに1つの出口(ルートビアソーダはすべて、単一の二次マニホールドに供給されるため)を有する単一のマニホールドが用いられる。
【0153】
しかし、もし、1つの出口を有する代わりに、マニホールドが2つの出口を有するならば(一方は他方の4倍の流量を有する)、仮想マニホールドプロセス126は、このプロセスは、同じマニホールド内で同時に実行される2つの独立した別個の部分を含むと見なしてもよい。例えば、全成分の80%は、ルートビアソーダの総量の80%を製造するべく混ぜ合わせられ;一方、全成分の残りの20%は、ルートビアソーダの20%を製造するべく(同じマニホールド内で)同時に混ぜ合わせられる。従って、仮想マニホールドプロセス126は、第1の部分(すなわち、80%の部分)に関して得られたデータを、ルートビアソーダの80%を利用する下流プロセスが利用できることを可能にし(684)、第2の部分(すなわち、20%の部分)に関して得られたデータを、ルートビアソーダの20%を利用する下流プロセスが利用できることを可能にする(684)。
【0154】
加えて/代替的に、処理システム10の単一のマニホールド内で実行される複数部分手順の単一の部分は、複数の個別のプロセスを実行する単一のマニホールド内で行われる1つのプロセスを示すものであってもよい。例えば、冷凍マニホールド内でバニラアイスクリームを作る際には、個々の成分が投入され、混合され、さらに凍るまで温度が下げられる。従って、バニラアイスクリームを作るプロセスは成分投入プロセス、成分混合プロセス、および成分冷凍プロセスを含み、それらは各々、仮想マニホールドプロセス126によって個々に監視される(680)。
【0155】
上述されたように、(ミクロ成分サブシステム18および配管/制御サブシステム20の)製品モジュールアセンブリ250は、複数の製品容器252、254、256、258を解放可能に係合させるように構成される複数のスロットアセンブリ260、262、264、266を含む。残念ながら、処理システム10の整備をして製品容器252、254、256、258を再充填する際に、製品容器を製品モジュールアセンブリ250の間違ったスロットアセンブリ内に装着してしまう恐れがある場合がある。このようなミスが、1つ以上のポンプアセンブリ(例えば、ポンプアセンブリ270、272、274、276)および/または1つ以上のチューブ管アセンブリ(例えば、チューブ管束304)が1つ以上のミクロ成分で汚染される結果を招いてしまう場合がある。例えば、ルートビア香料(すなわち、製品容器256内に包含されるミクロ成分)は非常に強い味を有するので、例えば、ルートビア香料を配分するために一度、特定のポンプアセンブリ/チューブ管アセンブリが用いられれば、それはもはや、より弱い味を有するミクロ成分(例えば、レモン−ライム香料、アイスティー香料、およびレモネード香料)を配分するために用いられることはできない。
【0156】
加えて、上述されたように、製品モジュールアセンブリ250は、ブラケットアセンブリ282を解放可能に係合させるように構成される。それ故、処理システム10が複数の製品モジュールアセンブリおよび複数のブラケットアセンブリを含む場合には、処理システム10の整備をする際に、製品モジュールアセンブリを間違ったブラケットアセンブリ上に装着してしまう恐れがある場合がある。残念ながら、こうしたミスも、1つ以上のポンプアセンブリ(例えば、ポンプアセンブリ270、272、274、276)および/または1つ以上のチューブ管アセンブリ(例えば、チューブ管束304)が1つ以上のミクロ成分で汚染される結果を招いてしまう場合がある。
【0157】
従って、処理システム10は、処理システム10内における製品容器および製品モジュールの適切な搭載を確実にするために、RFIDベースのシステムを含んでもよい。図23および24をも参照すると、処理システム10は、処理システム10の製品モジュールアセンブリ250上に配置されるRFIDアンテナアセンブリ702を含むRFIDシステム700を含む。
【0158】
上述されたように、製品モジュールアセンブリ250は、少なくとも1つの製品容器(例えば、製品容器258)を解放可能に係合させるように構成される。RFIDシステム700は、製品容器258上に配置される(例えばそこに取り付けられる)RFIDタグアセンブリ704を含む。製品モジュールアセンブリ250が製品容器(例えば、製品容器258)を解放可能に係合させると常に、RFIDタグアセンブリ704は、例えば、RFIDアンテナアセンブリ702の上方検出域706内に配置される。従って、本例では、製品容器258が製品モジュールアセンブリ250内に配置されると(すなわちそれを解放可能に係合させると)常に、RFIDタグアセンブリ704はRFIDアンテナアセンブリ702によって検出されるはずである。
【0159】
上述されたように、製品モジュールアセンブリ250は、ブラケットアセンブリ282を解放可能に係合させるように構成される。RFIDシステム700は、ブラケットアセンブリ282上に配置される(例えばそこに取り付けられる)RFIDタグアセンブリ708をさらに含む。ブラケットアセンブリ282が製品モジュールアセンブリ250を解放可能に係合させると常に、RFIDタグアセンブリ708は、例えば、RFIDアンテナアセンブリ702の下方検出域710内に配置される。
【0160】
従って、RFIDアンテナアセンブリ702およびRFIDタグアセンブリ704、708を用いて、RFIDシステム700は、種々の製品容器(例えば、製品容器252、254、256、258)は製品モジュールアセンブリ250内に適切に配置されているか否かを判定することができる。さらに、RFIDシステム700は、製品モジュールアセンブリ250は処理システム10内に適切に配置されているか否かを判定することができる。
【0161】
RFIDシステム700は1つのRFIDアンテナアセンブリおよび2つのRFIDタグアセンブリを含むように示されているが、これはあくまで例示目的のためであり、本開示の限定として意図されるものではない。なぜなら、他の構成が可能であるからである。具体的には、RFIDシステム700の典型的な構成は、製品モジュールアセンブリ250の各スロットアセンブリ内に配置されるRFIDアンテナアセンブリを1つ含む。例えば、RFIDシステム700は、製品モジュールアセンブリ250内に配置されるRFIDアンテナアセンブリ712、714、716を追加的に含んでもよい。従って、RFIDアンテナアセンブリ702は、(製品モジュールアセンブリ250の)スロットアセンブリ266に製品容器が挿入されているかどうかを判定し;RFIDアンテナアセンブリ712は、(製品モジュールアセンブリ250の)スロットアセンブリ264に製品容器が挿入されているかどうかを判定し;RFIDアンテナアセンブリ714は、(製品モジュールアセンブリ250の)スロットアセンブリ262に製品容器が挿入されているかどうかを判定し;さらに、RFIDアンテナアセンブリ716は、(製品モジュールアセンブリ250の)スロットアセンブリ260に製品容器が挿入されているかどうかを判定してもよい。さらに、処理システム10は複数の製品モジュールアセンブリを含むので、これらの製品モジュールアセンブリの各々は、特定の製品モジュールアセンブリにどの製品容器が挿入されているかを判定するために1つ以上のRFIDアンテナアセンブリを含む。
【0162】
上述されたように、RFIDアンテナアセンブリ702の下方検出域710内におけるRFIDタグアセンブリの存在を監視することによって、RFIDシステム700は、製品モジュールアセンブリ250が処理システム10内に適切に配置されているかどうかを判定することができる。従って、RFIDアンテナアセンブリ702、712、714、716はいずれも、ブラケットアセンブリ282に取り付けられた1つ以上のRFIDタグアセンブリを読み取るために利用される。例示目的のために、製品モジュールアセンブリ282は単一のRFIDタグアセンブリ708のみを含むように示されている。しかし、これはあくまで例示目的のためであり、本開示の限定として意図されるものではない。なぜなら、他の構成が可能であるからである。例えば、ブラケットアセンブリ282は、複数のRFIDタグアセンブリ、すなわち、RFIDアンテナアセンブリ712によって読み取られるためのRFIDタグアセンブリ718(仮想線で図示);RFIDアンテナアセンブリ714によって読み取られるためのRFIDタグアセンブリ720(仮想線で図示);およびRFIDアンテナアセンブリ716によって読み取られるためのRFIDタグアセンブリ722(仮想線で図示)、を含んでもよい。
【0163】
RFIDタグアセンブリ(例えば、RFIDタグアセンブリ704、708、718、720、722)のうちの1つ以上は、受動的なRFIDタグアセンブリ(例えば、電源を必要としないRFIDタグアセンブリ)であってよい。加えて、RFIDタグアセンブリ(例えば、RFIDタグアセンブリ704、708、718、720、722)のうちの1つ以上は、RFIDシステム700がRFIDタグアセンブリにデータを書き込んでよいという点で、書き込み可能なRFIDタグアセンブリであってもよい。RFIDタグアセンブリ内に記憶可能なデータの種類の例としては:製品容器のための数量識別子、製品容器のための製造日識別子、製品容器のための廃棄日識別子、製品容器のための成分識別子、製品モジュール識別子、およびブラケット識別子、が挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。
【0164】
数量識別子に関して、実施形態によっては、RFIDタグを含む容器から汲み出される、成分の体積毎に、タグは、容器内の最新の体積および/または汲み出された量を含むように書き込まれる。容器が後にアセンブリから取り外され、別のアセンブリ内に置き換えられる場合、システムはRFIDタグを読み取ることになり、容器内の体積および/または容器から汲み出された量を知ることになる。加えて、RFIDタグ上に汲み出しの日付が書き込まれてもよい。
【0165】
従って、ブラケットアセンブリの各々(例えばブラケットアセンブリ282)が処理システム10内に装着される際には、RFIDタグアセンブリ(例えばRFIDタグアセンブリ708)が付けられ、付けられたRFIDタグアセンブリは、(ブラケットアセンブリを一意に特定するための)ブラケット識別子を明示する。従って、処理システム10がブラケットアセンブリを10個含むならば、10個のRFIDタグアセンブリ(すなわち、各ブラケットアセンブリに1つ付けられる)が10個の一意のブラケット識別子(すなわちブラケットアセンブリ毎に1つ)を明示する。
【0166】
さらに、製品容器(例えば製品容器252、254、256、258)が製作され、ミクロ成分を充填される際には、RFIDタグアセンブリは:成分識別子(製品容器内のミクロ成分を特定するためのもの);数量識別子(製品容器内のミクロ成分の量を特定するためのもの);製造日識別子(ミクロ成分の製作の日付を特定するためのもの);および廃棄日識別子(製品容器が廃棄される/リサイクルされるべき日付を特定するためのもの);を含んでもよい。
【0167】
従って、製品モジュールアセンブリ250が処理システム10内に装着されると、RFIDアンテナアセンブリ702、712、714、716はRFIDサブシステム724によって通電される。RFIDサブシステム724はデータバス726を介して制御論理サブシステム14に結合される。通電されると、RFIDアンテナアセンブリ702、712、714、716は、RFIDタグアセンブリの存在を探してそれらのそれぞれの上方および下方検出域(例えば上方検出域706および下方検出域710)をスキャンすることを開始する。
【0168】
上述されたように、製品モジュールアセンブリ250が解放可能に係合するブラケットアセンブリに1つ以上のRFIDタグアセンブリが付けられてもよい。従って、製品モジュールアセンブリ250がブラケットアセンブリ282上に嵌め込まれると(すなわちそれを解放可能に係合させると)、RFIDタグアセンブリ708、718、720、722のうちの1つ以上はRFIDアンテナアセンブリ702、712、714、716の下方検出域内に(それぞれ)配置される。例示目的のために、ブラケットアセンブリ282はただ1つのRFIDタグアセンブリ、すなわちRFIDタグアセンブリ708、を含むと仮定する。さらに、例示目的のために、製品容器252、254、256、258はスロットアセンブリ260、262、264、266内に(それぞれ)装着されようとしていると仮定する。従って、RFIDサブシステム724は(RFIDタグアセンブリ708を検出することによって)ブラケットアセンブリ282を検出するはずであり、各製品容器上に装着されているRFIDタグアセンブリ(例えば、RFIDタグアセンブリ704)を検出することによって製品容器252、254、256、258を検出するはずである。
【0169】
種々の製品モジュール、ブラケットアセンブリ、および製品容器に関する場所情報は、例えば、制御論理サブシステム14に結合される記憶サブシステム12内に記憶されてもよい。具体的には、もし何も変化していなければ、RFIDサブシステム724は、RFIDアンテナアセンブリ702がRFIDタグアセンブリ704(すなわち製品容器258に付けられるもの)を検出するように期待するはずであり、RFIDアンテナアセンブリ702がRFIDタグアセンブリ708(すなわちブラケットアセンブリ282に付けられるもの)を検出するように期待するはずである。加えて、もし何も変化していなければ:RFIDアンテナアセンブリ712は製品容器256に付けられているRFIDタグアセンブリ(不図示)を検出するはずであり;RFIDアンテナアセンブリ714は製品容器254に付けられているRFIDタグアセンブリ(不図示)を検出するはずであり;RFIDアンテナアセンブリ716は製品容器252に付けられているRFIDタグアセンブリ(不図示)を検出するはずである。
【0170】
例示目的のために、定期的な業務訪問の最中に、製品容器258がスロットアセンブリ264内に間違って配置され、製品容器256がスロットアセンブリ266内に間違って配置されてしまうと仮定する。RFIDタグアセンブリ内に含まれる情報を得ると(RFIDアンテナアセンブリを用いて)、RFIDサブシステム724は、RFIDアンテナアセンブリ712を用いて、製品容器258に関連付けられるRFIDタグアセンブリを検出し;RFIDアンテナアセンブリ702を用いて、製品容器256に関連付けられるRFIDタグアセンブリを検出する。製品容器256、258の新しい場所を製品容器256、258の以前に記憶された場所(記憶サブシステム12上に記憶されているとおりの場所)と比較すると、RFIDサブシステム724は、これらの製品容器の各々の場所は正しくないと判定する。
【0171】
それに応じて、RFIDサブシステム724は、制御論理サブシステム14を介して、例えば、ユーザインターフェースサブシステム22の情報画面514上に、製品容器が間違って再装着されたことを例えば保守技術員に説明する警告メッセージを表示してもよい。製品容器内のミクロ成分の種類に依存して、保守技術員は、例えば、続行する選択肢を与えられるか、または続行することができないと告げられる。上述されたように、或るミクロ成分(例えばルートビア香料)はとても強い味を有するので、一度、特定のポンプアセンブリおよび/またはチューブ管アセンブリを通じてそれらが配分されると、そのポンプアセンブリ/チューブ管アセンブリはもはやいかなる他のミクロ成分のためにも用いられることができなくなる。加えて、上述されたように、製品容器に付けられる種々のRFIDタグアセンブリは製品容器内のミクロ成分を明示する。
【0172】
従って、レモン−ライム香料のために用いられたポンプアセンブリ/チューブ管アセンブリが今度はルートビア香料のために用いられようとしていれば、保守技術員は、これは彼らがしたいことであることを確認するように彼らに尋ねる警告を与えられてもよい。しかし、ルートビア香料のために用いられたポンプアセンブリ/チューブ管アセンブリが今度はレモン−ライム香料のために用いられようとしていれば、保守技術員は、彼らは続行することができないこと、ならびに製品容器をそれらの元の構成に戻さなければならないこと、または、例えば、損なわれたポンプアセンブリ/チューブ管アセンブリを外し、未使用のポンプアセンブリ/チューブ管アセンブリと交換しなければならないことを説明する警告を提供される。ブラケットアセンブリが処理システム10内で移動されたことをRFIDサブシステム724が検出した場合、同様の警告が提供される。
【0173】
RFIDサブシステム724は種々のミクロ成分の消費を監視するように構成されてもよい。例えば、上述されたように、RFIDタグアセンブリは最初、特定の製品容器内のミクロ成分の量を明示するようにエンコードされる。制御論理サブシステム14が、所定の間隔で(例えば1時間毎に)、種々の製品容器の各々から汲み出されたミクロ成分の量を知ると、種々の製品容器内に含まれる種々のRFIDタグアセンブリは、RFIDサブシステム724によって(RFIDアンテナアセンブリを介して)、製品容器内に含まれるミクロ成分についての最新の量を明示するように再書き込みされる。
【0174】
製品容器が所定の最小量に達したことを検出すると、RFIDサブシステム724は、制御論理サブシステム14を介して、ユーザインターフェースサブシステム22の情報画面514上に警告メッセージを表示してもよい。加えて、1つ以上の製品容器が使用期限(製品容器に付けられているRFIDタグアセンブリ内に明示されているとおりのもの)に達したかまたはそれを超えた場合、RFIDサブシステム724は(ユーザインターフェースサブシステム22の情報画面414を介して)警告を提供してもよい。
【0175】
以上では、RFIDシステム700は、製品モジュールに取り付けられるRFIDアンテナアセンブリ、ならびにブラケットアセンブリおよび製品容器に取り付けられるRFIDタグアセンブリを有するように記載されているが、これはあくまで例示目的のためであり、本開示の限定として意図されるものではない。具体的には、RFIDアンテナアセンブリは、任意の製品容器上に配置されてもよいし、ブラケットアセンブリ上に配置されてもよいし、または製品モジュール上に配置されてもよい。加えて、RFIDタグアセンブリは、任意の製品容器上に配置されてもよいし、ブラケットアセンブリ上に配置されてもよいし、または製品モジュール上に配置されてもよい。従って、RFIDタグアセンブリが製品モジュールアセンブリに取り付けられる場合には、RFIDタグアセンブリは、例えば製品モジュールのための一連番号を明示するプロジェクトモジュール識別子を明示してもよい。
【0176】
製品モジュールアセンブリ250内に含まれるスロットアセンブリ同士(例えば、スロットアセンブリ260、262、264、266)がきわめて接近しているために、RFIDアンテナアセンブリ702を、それが、例えば、隣接したスロットアセンブリ内に配置されている製品容器を読み取ってしまうことを回避することを可能にする様式で構成することが望ましい場合がある。例えば、RFIDアンテナアセンブリ702は、RFIDアンテナアセンブリ702がRFIDタグアセンブリ704、708のみを読み取ることができるように構成されるべきであり;RFIDアンテナアセンブリ712は、RFIDアンテナアセンブリ712がRFIDタグアセンブリ718、および製品容器256に取り付けられているRFIDタグアセンブリ(不図示)のみを読み取ることができるように構成されるべきであり;RFIDアンテナアセンブリ714は、RFIDアンテナアセンブリ714がRFIDタグアセンブリ720、および製品容器254に取り付けられているRFIDタグアセンブリ(不図示)のみを読み取ることができるように構成されるべきであり;RFIDアンテナアセンブリ716は、RFIDアンテナアセンブリ716がRFIDタグアセンブリ722、および製品容器252に取り付けられているRFIDタグアセンブリ(不図示)のみを読み取ることができるように構成されるべきである。
【0177】
それ故、図25をも参照すると、RFIDアンテナアセンブリ702、712、714、716のうちの1つ以上はループアンテナとして構成されてもよい。以下の説明はRFIDアンテナアセンブリ702に向けられているが、これはあくまで例示目的のためであり、本開示の限定として意図されるものではない。なぜなら、以下の説明はRFIDアンテナアセンブリ712、714、716に同等に適用されてもよいからである。
【0178】
RFIDアンテナアセンブリ702は、グラウンド752と、RFIDアンテナアセンブリ702に通電するポート754との間に結合される第1のキャパシタアセンブリ750(例えば、2.90pFキャパシタ)を含む。ポート754と誘導ループアセンブリ758との間には第2のキャパシタアセンブリ756(例えば、2.55pFキャパシタ)が配置される。抵抗器アセンブリ760(例えば、2.00オーム抵抗器)が誘導ループアセンブリ758をグラウンド752と結合し、同時に、Q値の減少をもたらし、帯域幅を増加させ、より広い動作範囲を提供する。
【0179】
当技術分野において周知であるように、RFIDアンテナアセンブリ702の特性は、誘導ループアセンブリ758の物理的特性を変えることによって調整される。例えば、誘導ループアセンブリ758の直径「d」が増加するに従い、RFIDアンテナアセンブリ702の遠方界性能は増せばよい。さらに、誘導ループアセンブリ758の直径「d」が減少するに従い;RFIDアンテナアセンブリ702の遠方界性能は低下する。
【0180】
具体的には、RFIDアンテナアセンブリ702の遠方界性能は、RFIDアンテナアセンブリ702の、エネルギーを放射する能力に依存して変動する。当技術分野において周知であるように、RFIDアンテナアセンブリ702の、エネルギーを放射する能力は、ポート754を介してRFIDアンテナアセンブリ702に通電するために用いられる搬送波信号762の波長に対する、誘導ループアセンブリ708の周長に依存する。
【0181】
図26をも参照すると、好ましい実施形態では、搬送波信号762は、12.89インチ(32.74cm)の波長を有する915MHz搬送波信号である。ループアンテナの設計に関して、誘導ループアセンブリ758の周長が搬送波信号762の波長の50%に近づくかまたはそれを超えると、誘導ループアセンブリ758は誘導ループアセンブリ758の軸812から径方向に外側へエネルギーを放射し(例えば、矢印800、802、804、806、808、810によって表されるように)、その結果、強い遠方界性能を生じさせる。逆に、誘導ループアセンブリ758の周長を搬送波信号762の波長の25%未満に維持することによって、誘導ループアセンブリ758によって外側へ放射されるエネルギーの量は低減されることになり、遠方界性能は下がることになる。さらに、誘導ループアセンブリ758の平面に垂直な方向に磁気結合が生じ(矢印814、816によって表されるように)、その結果、強い近傍界性能を生じさせる。
【0182】
上述されたように、製品モジュールアセンブリ250内に含まれるスロットアセンブリ同士(例えば、スロットアセンブリ260、262、264、266)がきわめて接近しているが故に、RFIDアンテナアセンブリ702を、それが、例えば、隣接したスロットアセンブリ内に配置されている製品容器を読み取ってしまうことを回避することを可能にする様式で構成することが望ましい場合がある。それ故、誘導ループアセンブリ758の周長が搬送波信号762の波長の25%(例えば、915MHz搬送波信号については3.22インチ(8.18cm))未満となるように誘導ループアセンブリ758を構成することによって、遠方界性能は低められ、近傍界性能は高められる。さらに、読み取られるRFIDタグアセンブリがRFIDアンテナアセンブリ702の上方または下方のどちらかにあるように誘導ループアセンブリ758を配置することによって、RFIDタグアセンブリはRFIDアンテナアセンブリ702に誘導結合される。例えば、誘導ループアセンブリ758の周長が搬送波信号762の波長の10%(例えば、915MHz搬送波信号については1.29インチ(3.277cm))であるように構成されるときには、誘導ループアセンブリ758の直径は0.40インチ(1.016cm)になろう。その結果、比較的高いレベルの近傍界性能および比較的低いレベルの遠方界性能を生じさせることになろう。
【0183】
図27および28をも参照すると、処理システム10はハウジングアセンブリ850内に組み込まれてもよい。ハウジングアセンブリ850は、例えば、処理システム10の整備を可能にし、空の製品容器(例えば、製品容器258)の交換を可能にする1つ以上の点検扉/パネル852、854を含む。種々の理由で(例えば、セキュリティ、安全性、等)、飲料分配機10の内部構成要素には許可された要員しか近づくことができないように点検扉/パネル852、854を守ることが望ましい場合がある。それ故、先に記載されているRFIDサブシステム(すなわち、RFIDサブシステム700)は、適当なRFIDタグアセンブリがRFIDアクセスアンテナアセンブリ900に近接して配置された場合のみ点検扉/パネル852、854が開放されるように構成される。このような適当なRFIDタグアセンブリの例としては、製品容器に取り付けられるRFIDタグアセンブリ(例えば、製品容器258に取り付けられるRFIDタグアセンブリ704)が挙げられる。
【0184】
RFIDアクセスアンテナアセンブリ900はマルチセグメント誘導ループアセンブリ902を含んでもよい。グラウンド906と、RFIDアクセスアンテナアセンブリ900に通電するポート908との間には第1の整合構成要素904(例えば、5.00pFキャパシタ)が結合される。ポート908とマルチセグメント誘導ループアセンブリ902との間には第2の整合構成要素910(例えば、16.56ナノヘンリーインダクタ)が配置される。整合構成要素904、910はマルチセグメント誘導ループアセンブリ902のインピーダンスを所望のインピーダンス(例えば、50.00オーム)に調整する。通常、整合構成要素904、910はRFIDアクセスアンテナアセンブリ900の効率を向上させる。
【0185】
RFIDアクセスアンテナアセンブリ900は、RFIDアクセスアンテナアセンブリ900がより広いレンジの周波数にわたって利用されることを可能にするように構成されるQ値の低減の要素912(例えば、50オーム抵抗器)を含む。これは、RFIDアクセスアンテナアセンブリ900が全帯域にわたって用いられることも可能にし、整合ネットワーク内に許容度も持たせる。例えば、RFIDアクセスアンテナアセンブリ900の、関心の或る帯域が50MHzであり、Q値の低減の要素(本願明細書において「Q低減要素」とも呼ばれる)912がアンテナを100MHz幅にするように構成される場合には、RFIDアクセスアンテナアセンブリ900の中心周波数は、RFIDアクセスアンテナアセンブリ900の性能に影響を及ぼすことなく25MHz移動してもよい。Q低減要素912はマルチセグメント誘導ループアセンブリ902内に配置されてもよいし、またはRFIDアクセスアンテナアセンブリ900内のどこか別の場所に配置されてもよい。
【0186】
上述されたように、比較的小さい誘導ループアセンブリ(例えば、図25および26の誘導ループアセンブリ758)を利用することによって、アンテナアセンブリの遠方界性能は低められ、近傍界性能は高められる。残念ながら、このような小さい誘導ループアセンブリを利用するときには、RFIDアンテナアセンブリの検出レンジの深さも比較的小さくなる(例えば、通例、ループの直径に比例する)。従って、より大きい検出レンジの深さを得るためには、より大きいループ直径が利用される。残念ながら、上述されたように、より大きいループ直径の使用は遠方界性能を増大させる結果となってしまう場合がある。
【0187】
それ故、マルチセグメント誘導ループアセンブリ902は、位相シフト要素(例えば、キャパシタアセンブリ928、930、932、934、936、938、940)を備える複数の個別のアンテナセグメント(例えば、アンテナセグメント914、916、918、920、922、924、926)を含む。キャパシタアセンブリ928、930、932、934、936、938、940の例としては、1.0pFキャパシタ、またはバラクタ(例えば、電圧可変キャパシタ)、例えば、0.1〜250pFバラクタ、が挙げられる。上述の位相シフト要素は、マルチセグメント誘導ループアセンブリ902の位相シフトの適応制御が変動条件を補償することを可能にするように構成され;あるいはマルチセグメント誘導ループアセンブリ902の特性を調整する目的のために種々の誘導結合特性および/または磁気特性を提供するように構成される。上述の位相シフト要素の代替例は結合線である(不図示)。
【0188】
上述されたように、アンテナセグメントの長さを、RFIDアクセスアンテナアセンブリ900に通電する搬送波信号の波長の25%未満に維持することによって、アンテナセグメントによって外側へ放射されるエネルギーの量は低減されることになり、遠方界性能は下がることになり、近傍界性能は高められることになる。それ故、アンテナセグメント914、916、918、920、922、924、926は各々、RFIDアクセスアンテナアセンブリ900に通電する搬送波信号の波長の25%よりも長くならないようにサイズが決められる。さらに、キャパシタアセンブリ928、930、932、934、936、938、940の各々のサイズを適切に決めれば、搬送波信号がマルチセグメント誘導ループアセンブリ902の周りに伝播するのに従って生じるいかなる位相シフトも、マルチセグメント誘導ループアセンブリ902内に組み込まれる種々のキャパシタアセンブリによって相殺される。従って、例示目的のために、アンテナセグメント914、916、918、920、922、924、926の各々について、90°位相シフトが生じると仮定する。従って、適切にサイズが決められたキャパシタアセンブリ928、930、932、934、936、938、940を利用することによって、各セグメントの間に生じる90°位相シフトは低減され/除去される。例えば、915MHzの搬送波信号周波数、および搬送波信号の波長の25%よりも小さい(典型的には10%)アンテナセグメント長のためには、1.2pFキャパシタアセンブリが、所望の位相シフト打ち消しを達成し、さらにはセグメントの共振を調整するべく利用される。
【0189】
マルチセグメント誘導ループアセンブリ902は、留め継ぎを介して結合される複数の直線状アンテナセグメントで構築されるものとして示されているが、これはあくまで例示目的のためであり、本開示の限定として意図されるものではない。例えば、マルチセグメント誘導ループアセンブリ902を構築するために複数の曲線状アンテナセグメントが利用されてもよい。加えて、マルチセグメント誘導ループアセンブリ902は、任意のループ型形状となるように構成されてよい。例えば、マルチセグメント誘導ループアセンブリ902は、楕円(図28に示されるとおり)、円、正方形、長方形、または八角形として構成されてよい。
【0190】
以上では、システムは処理システム内で利用されるものとして記載されているが、これはあくまで例示目的のためであり、本開示の限定として意図されるものではない。なぜなら、他の構成が可能であるからである。例えば、上述のシステムは、他の消耗品(例えば、アイスクリームおよびアルコールドリンク)を処理する/分配するために利用されてもよい。加えて、上述のシステムは食品産業以外の分野で利用されてもよい。例えば、上述のシステムは:ビタミン類;薬剤;医薬品、洗浄剤製品;潤滑油;彩色/染色製品;ならびに他の非消耗性の液体/半液体/顆粒状固形物および/または流体を処理する/分配するために利用されてもよい。
【0191】
以上では、システムは、RFIDアンテナアセンブリ(例えば、RFIDアンテナアセンブリ702)の上方に配置される製品容器(例えば、製品容器258)に取り付けられるRFIDタグアセンブリ(例えば、RFIDタグアセンブリ704)を有し、該RFIDアンテナアセンブリは、ブラケットアセンブリ282に取り付けられるRFIDタグ(例えば、RFIDタグアセンブリ708)の上方に配置されるものとして記載されているが、これはあくまで例示目的のためであり、本開示の限定として意図されるものではない。なぜなら、他の構成が可能であるからである。例えば、製品容器(例えば、製品容器258)に取り付けられるRFIDタグアセンブリ(例えば、RFIDタグアセンブリ704)はRFIDアンテナアセンブリ(例えば、RFIDアンテナアセンブリ702)の下方に配置されてもよく、該RFIDアンテナアセンブリは、ブラケットアセンブリ282に取り付けられるRFIDタグ(例えば、RFIDタグアセンブリ708)の下方に配置されてもよい。
【0192】
上述されたように、RFIDアンテナアセンブリ900に通電する搬送波信号の波長の25%よりも長くない比較的短いアンテナセグメント(例えば、アンテナセグメント914、916、918、920、922、924、926)を利用することによって、アンテナアセンブリ900の遠方界性能は低められ、近傍界性能は高められる。
【0193】
図29をも参照すると、RFIDアンテナアセンブリからより高いレベルの遠方界性能が望まれる場合には、RFIDアンテナアセンブリ900aは、マルチセグメント誘導ループアセンブリ902aの一部に電気的に結合される遠方界アンテナアセンブリ942(例えば、ダイポールアンテナアセンブリ)を含むように構成されてもよい。遠方界アンテナアセンブリ942は第1のアンテナ部944(すなわち、ダイポールの第1の部分を形成する)および第2のアンテナ部946(すなわち、ダイポールの第2の部分を形成する)を含む。上述されたように、アンテナセグメント914、916、918、920、922、924、926の長さを搬送波信号の波長の25%未満に維持することによって、アンテナアセンブリ900aの遠方界性能は低められ、近傍界性能は高められる。従って、第1のアンテナ部944および第2のアンテナ部946の合計長さは搬送波信号の波長の25%よりも大きくてもよく、かくして、遠方界性能のレベルを高めることを可能にする。
【0194】
同様に図30を参照すると、上述されたように(例えば、図27を参照して)、処理システム10はハウジングアセンブリ850内に組み込まれてもよい。ハウジングアセンブリ850は、例えば、処理システム10の整備を可能にし、空の製品容器(例えば、製品容器258)の交換を可能にする1つ以上の点検扉/パネル(例えば、上部扉852および下部扉854)を含む。タッチ画面インターフェース500は上部扉852上に配され、容易なユーザアクセスを可能にする。上部扉852は、飲料容器(例えば、容器30)が飲料(例えば、ノズル24を介して;不図示)、氷、または同様のものを充填されることを可能にするディスペンサアセンブリ1000へのアクセスも提供する。加えて、下部扉854は、例えば、点検扉/パネル852、854のうちの1つ以上が開放されることを許可するために、例えばRFIDアクセスアンテナアセンブリ900に関連付けられるRFID問い合わせ領域1002を含む。問い合わせ領域1002はあくまで例示目的のために示されている。なぜなら、RFIDアクセスアンテナアセンブリ900は、点検扉/パネル852、854以外の場所を含む種々の代替の場所に同等に設置されてよいからである。
【0195】
同様に図51〜53をも参照すると、図30に示されるハウジングアセンブリ850内に組み込まれるユーザインターフェースアセンブリ5100の例示的な実施形態が示されている。ユーザインターフェースアセンブリはタッチ画面インターフェース500を含んでよい。ユーザインターフェースアセンブリ5100はタッチ画面5102、フレーム5104、枠5106、シール5108、およびシステムコントローラ筐体5110を含む。枠5106はタッチ画面5102を、隙間を空けて配置し、明瞭な視覚的枠の役割も果たす。例示的な実施形態では、タッチ画面5102は容量性タッチ画面である。しかし、他の実施形態上では、他の種類のタッチ画面が用いられてもよい。しかし、例示的な実施形態では、タッチ画面5102の容量性の性質の故に、枠5106を介してタッチ画面5102と扉852との間に所定の距離を維持することが望ましい。
【0196】
シール5108は、図52において5200として示されるディスプレイを保護し、湿気および/または微粒子がディスプレイ5200に達するのを防ぐ役目を果たす。例示的な実施形態では、密閉をより良く維持するためにシール5108はハウジングアセンブリの扉852に接触する。例示的な実施形態では、ディスプレイ5200はLCDディスプレイであり、ディスプレイ5200を係合させてディスプレイ5200を留める少なくとも1組のばねフィンガー5202によってフレームによって保持される。例示的な実施形態では、ディスプレイ5200は日本、東京のソニー社からのモデルLQ150X1LGB1等の15インチLCDディスプレイである。ただし、他の実施形態では、ディスプレイは任意の種類のディスプレイであってよい。ばねフィンガー5202はばねの役割を追加的に果たし、ユーザインターフェースアセンブリ5100内に許容度を持たせ、かくして、例示的な実施形態では、タッチ画面5102はディスプレイ5200に対して浮くことができる。例示的な実施形態では、タッチ画面5102は、英国、タイン、ブレイドンのザイトロニクス(Zytronics of Blaydon on Tyne, UK)によるモデルZYP15−10001D等の、突出した容量性タッチ画面であるが、他の実施形態では、タッチ画面は別の種類のタッチ画面および/または別の容量性タッチ画面でもよい。例示的な実施形態では、シールは現場発泡ガスケットであり、例示的な実施形態では、それは、型抜きされたポリウレタンフォームで作られるが、他の実施形態では、シリコンフォームまたは他の同様の材料で作られてもよい。実施形態によっては、シールは、オーバーモールドされたシールであってもよいしまたは任意の他の種類の密閉体であってもよい。
【0197】
例示的な実施形態では、ユーザインターフェースアセンブリ5100は4組のばねフィンガー5202を含む。しかし、他の実施形態では、含まれるばねフィンガー5202の数はより多くてもよいしより少なくてもよい。例示的な実施形態では、ばねフィンガー5202およびフレーム5104はABSで作られるが、他の実施形態では、任意の材料で作られてよい。
【0198】
図53をも参照すると、例示的な実施形態では、ユーザインターフェースアセンブリ5100は、少なくとも1つのPCBおよび少なくとも1つのコネクタ5114も含み、該コネクタ5114は、実施形態によっては、コネクタキャップ5116によって覆われてもよい。
【0199】
図31をも参照すると、例示的な実施形態と一致して、処理システム10は上部キャビネット部1004aおよび下部キャビネット部1006aを含む。しかし、これは本開示に対する限定として解釈されてはならない。なぜなら、他の構成が同等に利用されてよいからである。図32および33をも追加的に参照すると、上部キャビネット部1004a(これは、例えば、上部扉852によって少なくとも一部覆われてもよい)は、上述された、配管サブシステム20の機構を1つ以上含んでもよい。例えば、上部キャビネット部1004aは、1つ以上の流量制御モジュール(例えば、流量制御モジュール170)、流体冷却システム(例えば、不図示の冷却板163)、分配ノズル(例えば、不図示のノズル24)、多量成分供給部(例えば、不図示の二酸化炭素供給部150、水供給部152、およびHFCS供給部154)への接続のための配管、ならびに同様のものを含んでもよい。加えて、上部キャビネット部1004aは、氷を貯蔵するためのアイスホッパー1008、およびアイスホッパー1008から(例えば、飲料容器内に)氷を分配するための氷分配シュート1010を含んでもよい。
【0200】
二酸化炭素供給部150は、例えば、遠隔に設置され処理システム10に配管される1つ以上の二酸化炭素ボンベによって提供されてもよい。同様に、水供給部152は、例えば、処理システム10に同様に配管される都市水道水として提供されてもよい。異性化糖供給部154は、例えば、1つ以上の貯蔵器(例えば、5ガロン(18.93リットル)バッグインボックス容器の形態のもの)を含んでもよく、該貯蔵器は遠隔に格納されてもよい(例えば、奥の部屋の中、等)。異性化糖供給部154も処理システム10に配管されてもよい。種々の多量成分のための配管は従来の硬質または柔軟性の管路配管設備を用いて達成される。
【0201】
上述されたように、炭酸水供給部158、水供給部152および異性化糖供給部154は遠隔に設置され、処理システム10に(例えば、流量制御モジュール170、172、174に)配管される。図34を参照すると、流量制御モジュール(例えば、流量制御モジュール172)が迅速配管接続部1012を介して多量成分供給部(例えば、水152)に結合される。例えば、水供給部152は配管接続部1012に結合され、配管接続部1012は流量制御モジュール172に解放可能に結合され、それにより、水供給部152の、流量制御モジュール170への配管を完成する。
【0202】
図35、36A、36B、37A、37Bおよび37Cを参照すると、上部キャビネット部の別の実施形態(例えば、上部キャビネット部1004b)が示されている。上述の例示的な実施形態と同様に、上部キャビネット部1004bは、上述された、配管サブシステム20の機構を1つ以上含む。例えば、上部キャビネット部1004bは、1つ以上の流量制御モジュール(例えば、流量制御モジュール170)、流体冷却システム(例えば、不図示の冷却板163)、分配ノズル(例えば、不図示のノズル24)、多量成分供給部(例えば、不図示の二酸化炭素供給部150、水供給部152、およびHFCS供給部154)への接続のための配管、ならびに同様のものを含む。加えて、上部キャビネット部1004bは、氷を貯蔵するためのアイスホッパー1008、およびアイスホッパー1008から(例えば、飲料容器内に)氷を分配するための氷分配シュート1010を含む。
【0203】
図36A〜36Bをも参照すると、上部キャビネット部1004bは電源モジュール1014を含む。電源モジュール1014は、例えば、電源、1つ以上の配電バス、コントローラ(例えば、制御論理サブシステム14)、ユーザインターフェースコントローラ、記憶デバイス12、等を収納する。電源モジュール1014は1つ以上のステータスインジケータ(全体的に、インジケータライト1016)、および電源/データ接続部(例えば、全体的に、接続部1018)を含む。
【0204】
図37A、37B、および37Cをも参照すると、流量制御モジュール170は全体的には、接続部アセンブリ1020を介して上部キャビネット部1004bに機械的に流体結合されてもよい。接続部アセンブリ1020は、例えば、入口1022を介して多量成分供給部(例えば、炭酸水158、水160、異性化糖162、等)に結合される供給部流体路を含む。流量制御モジュール170の入口1024は少なくとも部分的に接続部アセンブリ1020の出口路1026内で受け取られるように構成される。従って、流量制御モジュール170は接続部アセンブリ1020を介して多量成分を受け取る。接続部アセンブリ1020は、開放位置と閉鎖位置との間で可動の弁(例えば、ボール弁1028)をさらに含んでもよい。ボール弁1028が開放位置にあるときには、流量制御モジュール170は多量成分供給部に流体結合される。同様に、ボール弁1028が閉鎖位置にあるときには、流量制御モジュール170は多量成分供給部から流体的に隔離されている。
【0205】
ボール弁1028は、係止タブ1030を回転作動させることによって開放位置と閉鎖位置との間で動かされる。ボール弁1028を開放することおよび閉鎖することに加えて、係止タブ1030は流量制御モジュール170を係合してもよく、例えば、それにより、流量制御モジュールを接続部アセンブリ1020に対して留める。例えば、肩部1032が流量制御モジュール170のタブ1034を係合してもよい。肩部1032とタブ1034との間の係合が流量制御モジュール170の入口1024を接続部アセンブリ1020の出口路1026内に留める。加えて、流量制御モジュール170の入口1024を接続部アセンブリ1020の出口路1026内に留めることは、流量制御モジュール170と接続部アセンブリ1020との間の液密接続を維持することを容易にする(例えば、入口1024と出口1026との間の十分な係合を維持することによって)。
【0206】
係止タブ1030の係止タブ面1036が出口コネクタ1038を係合してもよい(例えば、出口コネクタ1038は流量制御モジュール170の出口に流体結合されてもよい)。例えば、図示のように、係止タブ面1036は出口コネクタ1038の面1040を係合させ、出口コネクタ1038を流量制御モジュール170との液密係合状態に留める。
【0207】
接続部アセンブリ1020は、処理システム10に対する流量制御モジュール170の装着/取り外しを容易にする(例えば、損傷した/調子の悪い流量制御モジュールの交換を可能にするため)。図示の配向と一致して、係止タブ1030は反時計回りに(例えば、示されている実施形態では約4分の1回転)回転されてもよい。係止タブ1030の反時計回りの回転は出口コネクタ1038および、流量制御モジュール170のタブ1034を係合解除してもよい。出口コネクタ1038は流量制御モジュール170から係合解除される。同様に、流量制御モジュール170の入口1024は接続部アセンブリ1020の出口路1026から係合解除される。加えて、係止タブ1030の反時計回りの回転はボール弁1028を閉鎖位置に回転させ、それにより、多量成分に接続されている流体供給路を閉鎖する。それ故、係止タブ1030が回転され、流量制御モジュール170が接続部アセンブリ1020から取り外されることを可能にすると、多量成分への流体接続は閉鎖され、これが、例えば、多量成分による処理システムの汚染を低減する/防ぐ。ボール弁1028が完全閉鎖位置に来るまでは、係止タブ1030のタブ拡張部1042が、(例えば、ボール弁1028が完全閉鎖位置に90度回転されるまで流体連結の解除および流量制御モジュール170の取り外しを防ぐことによって、)接続部アセンブリ1020からの流量制御モジュール170の取り外しを妨げる。
【0208】
それに関連する様式で、流量制御モジュール170は接続部アセンブリ1020に結合される。例えば、係止タブ1030が反時計回りに回転されるのに伴い、流量制御モジュール170の入口1024は接続部アセンブリ1020の出口路1026に挿入される。出口コネクタ1038は流量制御モジュール170の出口(不図示)と係合する。係止タブ1030は時計回りに回転され、それにより、流量制御モジュール170および出口コネクタ1038を係合させる。時計回りに回転された位置において、接続部アセンブリ1020は流量制御モジュール170の入口1024を接続部アセンブリの出口路1026との液密接続状態に留める。同様に、出口コネクタ1038は流量制御モジュール170の出口との液密接続状態に留められる。さらに、係止タブ1030の時計回りの回転はボール弁1028を開放位置に動かし、それにより、流量制御モジュール170を多量成分に流体結合する。
【0209】
図38をも追加的に参照すると、下部キャビネット部1006aはミクロ成分サブシステム18の機構を1つ以上含み、組み込みの消費成分供給部を1つ以上収納する。例えば、下部キャビネット部1006aは1つ以上のミクロ成分タワー(例えば、ミクロ成分タワー1050、1052、1054)ならびに非栄養甘味料(例えば、人工甘味料または複数の人工甘味料の組み合わせ)の供給部1056を含んでもよい。図示のように、ミクロ成分タワー1050、1052、1054は1つ以上の製品モジュールアセンブリ(例えば、製品モジュールアセンブリ250)を含み、製品モジュールアセンブリは各々1つ以上の製品容器(例えば、不図示の製品容器252、254、256、258)を解放可能に係合させるように構成される。例えば、ミクロ成分タワー1050および1052は各々、3つの製品モジュールアセンブリを含み、ミクロ成分タワー1054は4つの製品モジュールアセンブリを含む。
【0210】
同様に図39および40をも参照すると、ミクロ成分タワーのうちの1つ以上(例えば、ミクロ成分タワー1052)は揺動装置に結合され、該揺動装置はミクロ成分タワー1052および/またはその一部を、例えば、ゆさぶる、直線的に摺動させる、または他の方法で揺動してもよい。揺動装置は、ミクロ成分タワー1052上に貯蔵されている分離可能成分の混合物を維持することを助ける。揺動装置は例えば揺動モータ1100を含み、該揺動モータ1100は連結部品1104を介して揺動アーム1102を駆動する。揺動アーム1102は、略垂直振動する運動で駆動され、1つ以上の製品モジュールアセンブリ(例えば、製品モジュールアセンブリ250a、250b、250c、250d)に結合され、それにより、製品モジュールアセンブリ250a、250b、250c、250dにゆさぶる揺動を与える。安全閉鎖−停止が下部扉854に関連付けられてよく、それは、例えば、ルーザーキャビネット扉1154が開いているときには揺動装置を無効にする。
【0211】
上述されたように、RFIDシステム700は種々の製品容器の存在、場所(例えば、製品モジュールアセンブリおよびスロットアセンブリ)ならびに内容物を検出する。それに応じて、もし、揺動を必要とする内容物を含む製品容器が、揺動容器に結合されていないミクロ成分タワー(例えば、ミクロ成分タワー1052)内に装着されると、RFIDシステム700は(例えば、RFIDサブシステム724および/または制御論理サブシステム14を介して)警告を表示してもよい。さらに、制御論理サブシステム14は、揺動されない製品容器が利用されるのを防いでもよい。
【0212】
上述されたように、製品モジュールアセンブリ(例えば、製品モジュールアセンブリ250)は4つのスロットアセンブリで構成され、従って、4製品モジュールおよび/または4製品モジュールアセンブリとも呼ばれる。図41をも追加的に参照すると、製品モジュールアセンブリ250は複数のポンプアセンブリ(例えば、ポンプアセンブリ270、272、274、276)を含んでもよい。例えば、1つのポンプアセンブリ(例えば、ポンプアセンブリ270、272、274、276)は製品モジュール250の4つのスロットアセンブリの各々に関連付けられる(例えば、4製品モジュールの場合)。ポンプアセンブリ270、272、274、276は、製品モジュールアセンブリ250の対応するスロットアセンブリ内に解放可能に係合した製品容器(不図示)から製品を汲み出す。
【0213】
図示のように、ミクロ成分タワー(例えば、ミクロ成分タワー1052)の各製品モジュールアセンブリ(例えば、製品モジュールアセンブリ250a、250b、250c、250d)は、例えばコネクタ1106を介して、共用配線用ハーネスに結合されてもよい。それ故、ミクロ成分タワー1052は、単一の接続点を介して、例えば、制御論理サブシステム14、電源等に電気的に結合される。
【0214】
図42をも参照すると、上述されたように、製品モジュール250は複数のスロットアセンブリ(例えば、スロットアセンブリ260、262、264、266)を含む。スロットアセンブリ260、262、264、266は製品容器(例えば、製品容器256)を解放可能に係合させるように構成される。スロットアセンブリ260、262、264、266はそれぞれの扉1108、1110、1112を含む。図示のように、スロットアセンブリのうちの2つ以上(例えば、スロットアセンブリ260、262)は、2倍幅の製品容器(例えば、2つのスロットアセンブリ内に解放可能に係合するように構成される製品容器)、および/または無料サービス製品(例えば、2成分飲料レシピのための独立した成分)を含む2つの独立した製品容器を解放可能に係合させるように構成される。それ故、スロットアセンブリ260、262は、スロットアセンブリ260、262を両方とも覆う2倍幅の扉(例えば、扉1108)を含む。
【0215】
扉1108、1110、1112は、扉1108、1110、1112の、回転軸周りの開閉を可能にするヒンジレールを解放可能に係合させてもよい。例えば、扉1108、1110、1112は、扉1108、1108、1112がヒンジレール上に嵌められることおよびそこから外されることを可能にするスナップフィット機構を含む。従って、扉1108、1110、1112は、ヒンジレール上に嵌められたりまたはそこから外されたりして、壊れた扉の交換、扉の再構成を可能にする(例えば、2倍幅の扉を2つの単一幅の扉と交換するため、またはその逆)。
【0216】
各扉(例えば、扉1110)は、製品容器の協働機構(例えば、製品容器256の切り欠き1116)を係合させる舌片機構(例えば、舌片1114)を含んでもよい。舌片1114は(例えば、切り欠き1116を介して)製品容器256に力を伝え、スロットアセンブリ264に対する製品容器256の挿入および取り外しを補助する。例えば、挿入の間、製品容器256は少なくとも部分的にスロットアセンブリ264に挿入される。扉1110が閉鎖される際、舌片1114は切り欠き1116を係合させて製品容器256に閉扉力を伝え、スロットアセンブリ264内にぴったり嵌った製品容器256をしっかり固定する(例えば、扉1110によって提供されるてこの作用の結果として)。同様に、舌片1114は切り欠き1116を少なくとも部分的に係合し(例えば、切り欠き1116の縁部によって少なくとも部分的に捕捉される)、取り外し力を製品容器256に加える(例えば、この場合も先と同様に、扉1110によって提供されるてこの作用の結果として)。
【0217】
製品モジュール250は、例えば、1つ以上のスロットアセンブリ(例えば、スロットアセンブリ260、262、264、266)のステータスに関する情報を伝達する1つ以上のインジケータライトを含んでもよい。例えば、扉の各々(例えば、扉1112)は、光源(例えば、光源1120)に光学的に結合されるライトパイプ(例えば、ライトパイプ1118)を含む。ライトパイプ1118は、例えば、光源1120から扉1112の前方に光を透過させる透明または透過性材料(例えば、アクリル樹脂等の透明プラスチック、ガラス、等)のセグメントを含む。光源1120は、例えば、1つ以上のLED(例えば、赤色LEDおよび緑色LED)を含む。2倍幅の扉(例えば、扉1108)の場合には、スロットアセンブリのうちの一方に対応する、単一のライトパイプおよび該単一のライトパイプに関連付けられる単一の光源のみが利用される。2倍幅の扉の他方のスロットアセンブリに対応する使わない光源は扉の少なくとも一部によって塞がれてもよい。
【0218】
上述のように、ライトパイプ1118および光源1120は、スロットアセンブリ、製品容器等に関する種々の情報を伝達する。例えば、光源1120は、スロットアセンブリ266の動作ステータス、およびスロットアセンブリ266内に解放可能に係合した製品容器の空でないステータスを示すために緑色光を提供してもよい(緑色光はライトパイプ1118を介して扉1112の前方に伝達される)。光源1120は、スロットアセンブリ266内に解放可能に係合した製品容器は空であることを示すために赤色光を提供してもよい(赤色光はライトパイプ1118を介して扉1112の前方に伝達される)。同様に、光源1120は、スロットアセンブリ266に関連付けられる動作不良または障害を示すために点滅赤色光を提供してもよい(点滅赤色光はライトパイプ1118を介して扉1112の前方に伝達される)。光源1120およびライトパイプ1118を用いて、種々の追加の/代替の情報が示されてよい。さらに、追加の関連点灯方式が利用されてもよい(例えば、点滅緑色光、緑色光および赤色光の両方を提供する光源によって生じるオレンジ色光、および同様のもの)。
【0219】
図43A、43B、および43Cをも参照すると、製品容器256は、例えば、2つの部分から成るハウジング(例えば、前部ハウジング部1150および後部ハウジング部1152を含む)を含んでもよい。前部ハウジング部1150は突出部1154を含んでもよく、該突出部1154は、例えば、縁部1156を提供する。縁部1156は、(例えば、スロットアセンブリ264に対する製品容器の挿入および/または取り外しの間の)製品容器256の取り扱いを容易にする。
【0220】
後部ハウジング部1152は取り付け部機構1158aを含んでもよく、該取り付け部機構1158aは、例えば、製品容器(例えば、製品容器256)をポンプアセンブリ(例えば、製品モジュール250のポンプアセンブリ272)の相手方取り付け部に流体結合する。取り付け部機構1158aはブラインドメイト流体コネクタを含めばよく、該コネクタは、取り付け部機構がポンプアセンブリ272の協働機構(例えば、ステム)上に押し付けられると、製品容器256をポンプアセンブリ272に流体結合する。製品容器256と種々のポンプアセンブリとの間の流体結合を提供するために、種々の代替の取り付け部機構(例えば、図44に示される取り付け部機構1158b)が提供されてよい。
【0221】
前部ハウジング部1150および後部ハウジング部1152は、接合されて製品容器256を形成する独立したプラスチック製構成要素を含んでよい。例えば、前部ハウジング部1150および後部ハウジング部1152は、互いに熱かしめされてもよいし、接着接合されてもよいし、超音波溶接されてもよいし、または他の適当な方法で接合されてもよい。製品容器256は、前部ハウジング部1150および後部ハウジング部1152内に少なくとも部分的に配される製品パウチ1160をさらに含んでよい。例えば、製品パウチ1160は消耗品(例えば、飲料香料)を充填され、前部ハウジング部1150および後部ハウジング部1152内に配置され、両ハウジング部はその後、接合され、製品パウチ1160を収納する。製品パウチ1160は、例えば、消耗品が(例えば、ポンプアセンブリ272によって)製品パウチ1160から汲み出されとつぶれるフレキシブルなブラダを含んでもよい。
【0222】
製品パウチ1160はまち1162を含んでもよく、該まち1162は、例えば、前部ハウジング部1150および後部ハウジング部1152によって規定される内部容積の比較的より大きい部分を製品パウチ1160が占めることを可能にすることによって、製品容器256の容積効率を向上させる。加えて、まち1162は、消耗品が製品パウチ1160から汲み出される際の製品パウチ1160のつぶれを容易にする。加えて、取り付け部機構1158aは、例えば、超音波溶接によって、製品パウチ1160に物理的に接合されてもよい。
【0223】
上述されたように、ミクロ成分タワーに加えて、下部キャビネット部1006aは大量ミクロ成分の供給部1056を含んでもよい。例えば、実施形態によっては、大量ミクロ成分は非栄養甘味料(例えば、人工甘味料、または複数の人工甘味料の組み合わせ)である。いくつかの実施形態は、より多くの量が必要とされるミクロ成分を含んでよい。これらの実施形態では、1つ以上の大量ミクロ成分供給部が含まれる。示されているとおりの実施形態では、供給部1056は、例えばバッグインボックス容器を含む非栄養甘味料であり、該バッグインボックス容器は、例えば、略剛体の箱の中に配される非栄養甘味料製品を包含するフレキシブルなブラダを含むとして知られており、該略剛体の箱は、例えば、フレキシブルなブラダを破裂等から保護する。あくまで説明の目的のために、非栄養甘味料の例が用いられる。しかし、他の実施形態では、任意のミクロ成分が大量ミクロ成分供給部内に貯蔵されてよい。いくつかの代替実施形態では、本願明細書において記載されているとおりの供給部1056と同様の供給部内に他の種類の成分が貯蔵されてもよい。「大量ミクロ成分」という用語は、分配される製品のために、1つを超えるミクロ成分ポンプアセンブリが用いられるほど十分頻繁に用いられる頻繁使用ミクロ成分として特定されるミクロ成分を指す。
【0224】
非栄養甘味料の供給部1056は製品モジュールアセンブリに結合されてもよく、該製品モジュールアセンブリは、例えば、1つ以上のポンプアセンブリ(例えば、先に記載されているとおりのもの)を含む。例えば、非栄養甘味料の供給部1056は、上述されたとおりの4つのポンプアセンブリを含む製品モジュールに結合される。4つのポンプアセンブリは各々、非栄養甘味料を(例えば、1つ以上の追加の成分と組み合わせて)分配するために、非栄養甘味料をそれぞれのポンプアセンブリからノズル24に向かわせるチューブまたは管路を含む。
【0225】
図45Aおよび45Bを参照すると、下部キャビネット部1006bはミクロ成分サブシステム18の機構を1つ以上含んでもよい。例えば、下部キャビネット部1006bは1つ以上のミクロ成分供給部を収納する。1つ以上のミクロ成分供給部は1つ以上のミクロ成分棚(例えば、ミクロ成分棚1200、1202、1204)、および非栄養甘味料の供給部1206として構成される。図示のように、各ミクロ成分棚(例えば、ミクロ成分棚1200)は、略水平配列で構成される1つ以上の製品モジュールアセンブリ(例えば、製品モジュールアセンブリ250d、250e、250f)を含む。ミクロ成分棚のうちの1つ以上は、(例えば、上述のミクロ成分タワー1052とおおむね同様の様式で)揺動するように構成されてもよい。
【0226】
上述の実施形態を続け、本実施形態では、1つ以上のミクロ成分供給部は1つ以上のミクロ成分棚として構成されてもよく、上述されたように、棚1200は複数の製品モジュールアセンブリ(すなわち、製品モジュールアセンブリ250d、250e、250f)を含んでもよい。各製品モジュールアセンブリ(例えば、製品モジュールアセンブリ250f)は1つ以上の製品容器(例えば、製品容器256)をそれぞれのスロットアセンブリ(例えば、スロットアセンブリ260、262、264、266)内に解放可能に係合させるように構成される。
【0227】
加えて、製品モジュールアセンブリ250d、250e、250fは各々、それぞれの複数のポンプアセンブリを含んでよい。例えば、図47A、47B、47D、47Eおよび47Fをも参照すると、製品モジュールアセンブリ250dは全体的にポンプアセンブリ270a、270b、270dおよび270eを含む。ポンプアセンブリ270a、270b、270c、270dのそれぞれ1つは、例えば、それぞれの製品容器(例えば、製品容器256)内に包含されている成分を汲み出すために、スロットアセンブリ260、262、264、266のうちの1つに関連付けられる。例えば、ポンプアセンブリ270a、270b、270c、270dは各々、それぞれの流体結合用ステム(例えば、流体結合用ステム1250、1252、1254、1256)を含めばよく、該流体結合用ステムは、例えば、協働取り付け部(例えば、図43Bおよび44に示される取り付け部機構1158a、1158b)を介して製品容器(例えば、製品容器256)に流体結合する。
【0228】
図47Eを参照すると、ポンプモジュールアセンブリ250dの断面図が示されている。アセンブリ250dは、取り付け部の断面図に示される流体入口1360を含む。取り付け部は、製品容器(不図示、他図の中でも特に図43Bに256として示される)のメス側(図43Bに1158aとして示される)と結合する。製品容器からの流体は流体入口1360においてポンプアセンブリ250dに入る。流体は容量性流量センサ1362に流入し、その後、ポンプ1364を通り、背圧調節器1366を通過し、流体出口1368に流れる。本願明細書において示されるように、ポンプモジュールアセンブリ250dを貫く流体流路は、空気がアセンブリ内に閉じ込められることなくアセンブリ250dを通り抜けて流れることを可能にする。流体入口1360は、流体出口1368よりも低い面上にある。加えて、流体は流量センサに向かって垂直に進み、次に、ポンプ内で進む際には、再び入口1360よりも高い面にあるようになる。かくして、当配列は、流体が絶えず上向きに流れることを可能にし、空気が閉じ込められることなくシステムを通り抜けて流れることを可能にする。それ故、ポンプモジュールアセンブリ250dの設計は自己吸入・排出式の容積式流体送出システムとなっている。
【0229】
図47Eおよび47Fを参照すると、背圧調節器1366は任意の背圧調節器であってよいが、少量を汲み出すための背圧調節器1366の例示的な実施形態が示されている。背圧調節器1366は、外径の周りに「ボルケーノ」機構および成形Oリングを含む隔壁1367を含む。Oリングは密閉を作り出す。隔壁1367にはピストンが接続される。ピストンの周りのばねがピストンおよび隔壁を閉鎖位置内に付勢する。本実施形態では、ばねは外側スリーブ上に取り付けられる。流体圧力がピストン/ばねアセンブリのクラッキング圧力に一致するかまたはそれを超えると、流体は背圧調節器1366を越えて流体出口1368に向かって流れる。例示的な実施形態では、クラッキング圧力は約7〜9psi(48.27〜62.06kPa)である。クラッキング圧力はポンプ1364に合わせられる。それ故、種々の実施形態では、ポンプは記載されているものとは異なってよく、それらの実施形態のうちの一部では、背圧調節器の別の実施形態が用いられてよい。
【0230】
図48を追加的に参照すると、例えば、それぞれの製品モジュールアセンブリ(例えば、製品モジュールアセンブリ250d)から配管/制御サブシステム20に成分を供給するために、出口配管アセンブリ1300が、ポンプアセンブリ270a、270b、270c、270dを解放可能に係合させるように構成されてもよい。出口配管アセンブリ1300は、例えば、ポンピングアセンブリ270a、270b、270c、270dを、流体管路1310、1312、1314、1316を介して配管/制御サブシステム20に流体結合するために、それぞれのポンプアセンブリ270a、270b、270c、270dに流体結合するように構成される複数の配管取り付け部(例えば、取り付け部1302、1304、1306、1308)を含む。
【0231】
出口配管アセンブリ1300と製品モジュールアセンブリ250dとの間の解放可能な係合は、例えば、出口配管アセンブリ1300および製品モジュールアセンブリ250dの容易な係合および取り外しを提供するカムアセンブリを介して実現してもよい。例えば、カムアセンブリは、取り付け部支持体1320に回転可能に結合されるハンドル1318、およびカム機構1322、1324を含む。カム機構1322、1324は製品モジュールアセンブリ250dの協働機構(不図示)と係合可能である。図47Cを参照して、ハンドル1318の、矢印の方向の回転運動は出口配管アセンブリ1300を製品モジュールアセンブリ250dから解放し、例えば、出口配管アセンブリ1300が製品モジュールアセンブリ250dから持ち上げられて取り外されることを可能にする。
【0232】
特に図47Dおよび47Eを参照すると、製品モジュールアセンブリ250dはミクロ成分棚1200に同様に解放可能に係合可能で、例えば、ミクロ成分棚1200に対する製品モジュールアセンブリ250の容易な取り外し/装着を可能にする。例えば、図示のように、製品モジュールアセンブリ250dは解放ハンドル1350を含めばよく、該解放ハンドル1350は、例えば、製品モジュールアセンブリ250dに枢動可能に接続される。解放ハンドル1350は、例えば、係止耳片1352、1354(例えば、図47Aおよび47Dに最も明瞭に示される)を含む。係止耳片1352、1354はミクロ成分棚1200の協働機構を係合させ、例えば、それにより、製品モジュールアセンブリ250dをミクロ成分棚1200との係合状態に留める。図47Eに示されるように、解放ハンドル1350は矢印の方向に枢動させて持ち上げられ、係止耳片1352、1354をミクロ成分棚1200の協働機構から係合解除する。係合解除されると、製品モジュールアセンブリ250dはミクロ成分棚1200から持ち上げられる。
【0233】
ハンドル1318および/または解放ハンドル1350のうちの1つ以上に1つ以上のセンサが関連付けられてもよい。1つ以上のセンサは、ハンドル1318および/または解放ハンドル1350の係止位置を示す出力を提供する。例えば、1つ以上のセンサの出力は、ハンドル1318および/または解放ハンドル1350が係合位置にあるのか、それとも係合解除された位置にあるのかを示してもよい。1つ以上のセンサの出力に少なくとも一部基づき、製品モジュールアセンブリ250dは配管/制御サブシステム20から電気的におよび/または流体的に隔離されてもよい。例示的なセンサは、例えば、協働するRFIDタグおよび読み取り機、接触スイッチ、磁気位置センサ、あるいは同様のものを含む。
【0234】
図49A、49B、49Cをも参照すると、非栄養甘味料の供給部1206の例示的な構成が示される。非栄養甘味料の供給部1206は全体的に、非栄養甘味料容器1402を受けるように構成されるハウジング1400を含む。非栄養甘味料容器1402は、例えば、バッグインボックス構成(例えば、略剛体の保護ハウジング内に配される、非栄養甘味料を包含するフレキシブルなバッグ)を含む。供給部1206は、(例えば、枢動壁1406に関連付けられる)カップリング1404を含んでもよく、該カップリング1404は、非栄養容器1402に関連付けられる取り付け部に流体結合する。カップリング1404の構成および性質は、非栄養容器1402に関連付けられる協働取り付け部に応じて変化する。
【0235】
図49Cをも参照すると、供給部1206は1つ以上のポンプアセンブリ(例えば、ポンプアセンブリ270e、270f、270g、270h)を含んでもよい。1つ以上のポンプアセンブリ270e、270f、270g、270hは、上述の製品モジュールアセンブリ(例えば、製品モジュールアセンブリ250)と同様に構成される。カップリング1404は配管アセンブリ1408を介してカップリング1404に流体結合される。配管アセンブリ1408は全体的に、カップリング1404に流体接続されるように構成される入口1410を含んでもよい。マニホールド1412は、入口1410において受け取られた非栄養甘味料を1本以上の分配チューブ(例えば、分配チューブ1414、1416、1418、1420)に分配する。分配チューブ1414、1416、1418、1420は、それぞれのポンプアセンブリ270e、270f、270g、270gに流体結合されるように構成されるそれぞれのコネクタ1422、1424、1426、1428を含む。
【0236】
次に図50を参照すると、例示的な実施形態では、配管アセンブリ1408は空気センサ1450を含む。かくして、配管アセンブリ1408は、空気が存在するかどうかを検知するための装置を含む。実施形態によっては、もし、流体入口1410を通じて入ってくる流体が空気を含んでいれば、空気センサ1450は空気を検出することになり、実施形態によっては、大量ミクロ成分からの汲み出しを止める信号を送信してもよい。この機能は多くの分配システムにおいて望まれ、特に、もし大量ミクロ成分の体積が不正確であれば、分配される製品は損なわれてしまう且つ/または危険になってしまう場合がある分配システムにおいて望まれる。かくして、空気センサを含む配管アセンブリ1408は、空気がポンプで送り込まれていないことを確実にし、例えば医薬品が分配される実施形態では、安全機構となる。他の製品では、配管アセンブリ1408の本実施形態は品質保証機構の一部となる。
【0237】
以上では、種々の電気構成要素、機械構成要素、電気機械構成要素、およびソフトウェアプロセスは、飲料を分配する処理システム内で利用されるものとして記載されているが、これはあくまで例示目的のためであり、本開示の限定として意図されるものではない。なぜなら、他の構成が可能であるからである。例えば、上述の処理システムは他の消耗品(例えば、アイスクリームおよびアルコールドリンク)を処理する/分配するために利用されてもよい。加えて、上述のシステムは食品産業以外の分野で利用されてもよい。例えば、上述のシステムは:ビタミン類;薬剤;医薬品、洗浄剤製品;潤滑油;彩色/染色製品;ならびに他の非消耗性の液体/半液体/顆粒状固形物または任意の流体を処理する/分配するために利用されてよい。
【0238】
上述されたように、全体的には、処理システム10の種々の電気構成要素、機械構成要素、電気機械構成要素、およびソフトウェアプロセス(ならびに詳細には、FSMプロセス122、仮想機械プロセス124、および仮想マニホールドプロセス126)は、1つ以上の基材(「成分」とも呼ばれる)からの製品のオンデマンド作製が望まれる任意の機械において用いられてもよい。
【0239】
種々の実施形態では、製品は、プロセッサ内にプログラムされているレシピに従って作製される。上述されたように、レシピは、許可を得て、更新されるか、取り込まれるかまたは改変されてもよい。レシピはユーザによって要求されてもよいし、またはスケジュールに則り用意されるように前もってプログラムされてもよい。レシピは任意の数の基材または成分を含んでよく、生成される製品は任意の数の基材または成分を任意の所望の濃度で含んでよい。
【0240】
用いられる基材は任意の濃度の任意の流体であってもよいし、あるいは、機械が製品を作製している最中または機械が製品を作製する前に還元される任意の粉末または他の固形物であってもよい(すなわち、還元された粉末または固形物の「バッチ」が特定の時刻において用意され、追加の製品を作製するための計量供給、または「バッチ」の溶液を製品として分配することに備える)。種々の実施形態では、2つ以上の基材そのものが1つのマニホールド内で混合され、その後、追加の基材と混合するために別のマニホールドに計量供給されてもよい。
【0241】
従って、種々の実施形態では、要求により、または実際の要求に先立つ所望の時刻において、レシピに従ってマニホールド内に第1の基材および少なくとも1つの追加の基材を計量供給することによって溶液の第1のマニホールドが作製される。実施形態によっては、基材のうちの1つは還元されてもよい、すなわち、該基材は粉末/固形物であってもよく、その特定の量が混合マニホールドに加えられる。同じ混合マニホールドに液体基材が加えられてもよく、粉末基材は液体内で所望の濃度に還元されてもよい。このマニホールドの内容物はその後、例えば別のマニホールドに提供されてもよいし、または分配されてもよい。
【0242】
実施形態によっては、本願明細書において記載されている方法は、腹膜透析または血液透析で使用するために、レシピ/処方箋に従ってオンデマンドの透析液を混合することと関連して用いられてもよい。当技術分野において周知のように、透析液の組成は、以下のもの:重炭酸塩、ナトリウム、カルシウム、カリウム、塩化物、デキストロース、乳酸塩、酢酸、酢酸塩、マグネシウム、グルコースおよび塩酸、のうちの1つ以上を含む。ただし、それらに限定されるものではない。
【0243】
透析液は、浸透により血液から老廃物分子(例えば、尿素、クレアチニン、カリウム、リン酸塩など等のイオン)および水を透析液内に引き出すために用いられるもので、透析液溶液は当業者に周知である。
【0244】
例えば、透析液は通例、健康な血液内の自然な濃度と同様であるカリウムおよびカルシウム等の種々のイオンを包含する。場合によっては、透析液は重炭酸ナトリウムを包含してよく、それは通常、正常な血液に存在するよりもいくらか高い濃度になっている。通例、透析液は、水源からの水(例えば、逆浸透水すなわち「RO(reverse osmosis)」水)を1つ以上の成分:例えば、「酸」(酢酸、デキストロース、NaCl、CaCl、KCl、MgClなど等の様々な種類を包含してもよい)、重炭酸ナトリウム(NaHCO3)、および/またはナトリウム塩化物(NaCl)、と混合することによって調合される。適当な塩類濃度、オスモル濃度、pH、および同様のものを用いることを含む透析液の調合も同様に当業者に周知である。以下において詳細に説明されるように、透析液はオンデマンドでリアルタイムに調合される必要はない。例えば、透析液は透析と同時にまたは先立って作られ、透析液貯蔵容器または同様のものの中に貯蔵されることができる。
【0245】
実施形態によっては、1つ以上の基材、例えば重炭酸塩、は粉末の形態で貯蔵されてよい。あくまで説明および例示の目的のために、本例では、粉末基材が「重炭酸塩」として言及されるが、他の実施形態では、重炭酸塩に加えてまたはその代わりに、任意の基材/成分が機械内に粉末の形態でまたは別の固形物として貯蔵されてよく、本願明細書において記載されている基材の還元のためのプロセスが用いられる。重炭酸塩は、例えばマニホールドに注ぐ「使い捨て」容器内に貯蔵される。実施形態によっては、或る体積の重炭酸塩が容器内に貯蔵され、容器からの特定の体積の重炭酸塩がマニホールド内に計量供給される。実施形態によっては、重炭酸塩の全体積が、すなわち、大量の透析液を混合するべく、マニホールド内に完全に注がれる。
【0246】
第1のマニホールド内の溶液は第2のマニホールド内で1つ以上の追加の基材/成分と混合される。加えて、実施形態によっては、第1のマニホールド内で混合された溶液が、所望の濃度が確実に達せられたことをテストすることもできるように、1つ以上のセンサ(例えば、1つ以上の伝導度センサ)が設置される。実施形態によっては、1つ以上のセンサからのデータは、溶液における誤差を補正するためにフィードバック制御ループ内で用いられる。例えば、重炭酸塩溶液が所望の濃度よりも高いまたは低い濃度を有することをセンサのデータが示せば、追加の重炭酸塩またはROがマニホールドに加えられる。
【0247】
いくつかの実施形態におけるレシピによっては、1つ以上の成分が、別のマニホールド内で1つ以上の成分と混合されるのに先立って、マニホールド内で還元されてもよく、それらの成分も、還元された粉末/固形物または液体である。
【0248】
かくして、本願明細書において記載されているシステムおよび方法は、透析液、または医療に用いられる他の溶液を含む、他の溶液の正確なオンデマンド製造または配合のための手段を提供する。実施形態によっては、本システムは、2008年2月27日に提出され、2007年2月27日の優先日を有し、その全体が本願明細書において参照により引用されている米国特許出願第12/072,908号に記載されているもの等の透析装置内に組み込まれる。他の実施形態では、本システムは、オンデマンドで製品を混合することが望まれる場合がある任意の機械内に組み込まれる。
【0249】
水は透析液において最も大きな体積を占め、それ故、透析液のバッグを輸送するには高いコスト、広いスペースおよび長い時間が必要になる。上述の処理システム10は透析液を透析装置内で調合してもよいし、または、単独で動作する分配機内で(例えば、患者の自宅において現地で)調合してもよく、かくして、透析液のバッグを多数運送し貯蔵する必要を無くす。この上述の処理システム10は、本願明細書において記載されているシステムおよび方法を用いて、ユーザまたは供給者に所望の処方箋を入力し、所望の処方箋をオンデマンドで現場で(例えば、医療センター、薬局または患者の自宅を含む、ただしそれらに限定されるものではない)製造する能力を提供する。それ故、基材/成分が、運送/配達を必要とする唯一の成分となるので、本願明細書において記載されているシステムおよび方法は輸送コストを低減する。
【0250】
先に説明され記載されている流量制御モジュールの種々の実施形態に加えて、図56〜64を参照すると、流量制御モジュールのための可変管路インピーダンス、流量計測デバイス(または「流量計」と呼ばれることもある)ならびに二方弁の種々のさらなる実施形態が示されている。
【0251】
図56〜59をまとめて参照すると、流量制御モジュール3000の本実施形態の例示的な実施形態は、流体入口3001、ピストンハウジング3012、一次オリフィス3002、ピストン3004ピストンばね3006、ピストンの周りのシリンダ3005、および二次オリフィス(単数または複数)3022を含めばよい。ピストンばね3006は、図56に見られるように、ピストン3004を閉鎖位置内に付勢する。流量制御モジュール3000は、ソレノイドハウジング3010およびアーマチュア3014を含むソレノイド3008も含む。プランジャばね3020によって開放位置内に付勢されるプランジャ3018によって下流二方弁3016が作動する。
【0252】
ピストン3004、シリンダ3005、ピストンばね3006およびピストンハウジング3012は任意の材料で作られてもよく、該材料は、実施形態によっては、流量制御モジュールを流れるように意図される流体に基づき選択される。例示的な実施形態では、ピストン3004およびシリンダ3005はアルミナセラミックで作られるが、他の実施形態では、これらの構成要素は別のセラミックまたはステンレス鋼で作られてもよい。種々の実施形態では、これらの構成要素は任意の所望の材料で作られ、流体に依存して選択される。例示的な実施形態では、ピストンばね3006はステンレス鋼で作られるが、種々の実施形態では;ピストンばね3006はセラミックまたは別の材料で作られてもよい。例示的な実施形態では、ピストンハウジング3012はプラスチックで作られる。しかし、他の実施形態では、種々のパーツはステンレス鋼または任意の他の寸法安定性のある耐食材料で作られてもよい。図56〜59に示されるように、例示的な実施形態は二方弁を含むが、実施形態によっては、流量制御モジュール3000は二方弁を含まなくてもよい。これらの実施形態では、シリンダ3005およびピストン3004は、例示的な実施形態では上述されたようにアルミナセラミックで作られるが、それらは、遊嵌するようぴったり適合するように作られてもよいし、またはほぼ遊嵌するように2つの構成要素の間に非常に狭いクリアランスを持たせるように製作されてもよい。
【0253】
例示的な実施形態におけるソレノイド3008は一定力ソレノイド3008である。例示的な実施形態では、図56〜59に示される一定力ソレノイド3008が用いられてもよい。ソレノイド3008は、例示的な実施形態では416ステンレス鋼で作られるソレノイドハウジング3010を含む。例示的な実施形態では、一定力ソレノイド3008はスパイクを含む。本実施形態では、アーマチュア3014がスパイクに接近すると、力は位置に関して略一定となりごくわずかしか変化しなくなる。一定力ソレノイド3008は、例示的な実施形態では416ステンレス鋼で作られるアーマチュア3014に磁力を及ぼす。実施形態によっては、アーマチュア3014および/またはソレノイドハウジング3012は、フェライト系ステンレス鋼または任意の他の磁性ステンレス鋼あるいは望ましい磁気特性を有する他の材料で作られる。アーマチュア3014はピストン3004に接続される。かくして、一定力ソレノイド3008は、ピストン3004を、二次オリフィス(単数または複数)3022に関する閉鎖位置(図56および57に示される)から開放位置(図58および59に示される)に直線的に動かす力を与える。かくして、ソレノイド3008はピストン3004を作動させ、一定力ソレノイド3008を制御するために印加される電流は、アーマチュア3014に及ぼされる力に比例する。
【0254】
一次オリフィス3002のサイズは、システムのための最大圧力降下が超えられないように且つ、一次オリフィス3002間の圧力がピストン3004を動かすのに十分大きくなるように選択される。例示的な実施形態では、一次オリフィス3002は約0.180インチ(4.572mm)である。しかし、種々の実施形態では、直径は、所望の流量および圧力降下に依存して、より大きくてもよいしまたはより小さくてもよい。加えて、特定の流量における最大圧力降下を得ることは、所望の流量を維持するための、ピストン3004による総移動量を最小化する。
【0255】
一定力ソレノイド3008およびピストンばね3006はピストン3004の移動にわたってほぼ一定の力を及ぼす。ピストンばね3006はピストン3004に対して流体の流れと同じ方向に作用する。一次オリフィス3002を通じた流体の進入の際に圧力降下が生じる。一定力ソレノイド3008(「ソレノイド」とも呼ばれる)は、アーマチュア3014に力を及ぼすことによって流体圧力に対抗する。
【0256】
次に図56を参照すると、流量制御モジュール3000は、流体の流れがない閉鎖位置で示されている。閉鎖位置では、ソレノイド3008は非通電状態になっている。ピストンばね3006はピストン3004を閉鎖位置に付勢している、すなわち、二次オリフィス(単数または複数)(図58〜59に3022として示される)は完全に閉鎖されている。これは、流量制御モジュール3000が電力喪失に遭遇した場合に備えたフェールセーフフロー開閉器を含む、ただしそれに限定されるものではない、多くの理由で有益である。かくして、ソレノイド3008に通電するための電力が利用できなくなれば、ピストン3004は「正常閉鎖」状態に動くことになる。
【0257】
同様に図57〜59を参照すると、ソレノイド3008に印加されるエネルギーまたは電流はアーマチュア3014およびピストン3004の運動を制御する。ピストン3004が流体入口3001の方へさらに動くと、これは二次オリフィス(単数または複数)3022を開放する。それ故、ソレノイド3008に印加される電流は、アーマチュア3014に及ぼされる力に比例し、所望の流量を得るには、ソレノイド3008に印加される電流を変化させる。流量制御モジュールの本実施形態の例示的な実施形態では、流量は、ソレノイド3008に印加される電流に対応する;電流が印加されるにつれて、ピストン3004への力は増加する。
【0258】
ソレノイド3008上の一定の力のプロファイルを維持するために、アーマチュア3014の移動をおおよそ所定のエリア内に維持することが望ましい場合がある。上述されたように、ソレノイド3008内のスパイクは、アーマチュア3014が移動する際におけるほぼ一定の力の維持に寄与する。二次オリフィス(単数または複数)3022が開いているときは、ほぼ一定の力を維持することはほぼ一定の流量を維持することになるので、実施形態によっては、これは望ましい。
【0259】
ソレノイド3008からの力が増すと、例示的な実施形態では、ソレノイド3008からの力はピストン3004を流体入口3001の方へ直線的に動かし、二次オリフィス(単数または複数)3022を通じた流れを開始する。これは流量制御モジュール内の流体圧力を低下させる。それ故、一次オリフィス3002(ピストン3004と結びついている)は、二次オリフィス(単数または複数)3022とともに、流量計および可変管路インピーダンスの機能を果たし;二次オリフィス(単数または複数)3022の断面積を変化させることによって、一次オリフィス3002間の圧力降下(流量のインジケータである)は一定を保つ。流量、すなわち、一次オリフィス3002での圧力差、はピストン3004の運動の量、すなわち、流体経路の可変管路インピーダンス、を決定する。
【0260】
次に図58〜59を参照すると、例示的な実施形態では、可変管路インピーダンスは少なくとも1つの二次オリフィス3022を含む。いくつかの実施形態、例えば、図58〜59に示される実施形態では、二次オリフィス3022はアパーチャを複数含む。アパーチャを複数含む実施形態が望ましい場合がある。なぜなら、それらは最大圧力降下における所望の流量のために十分な合計二次オリフィスサイズを提供しつつ、構造的完全性の維持を可能にし、ピストンの移動を最小限に抑えるからである。
【0261】
図56〜59を参照すると、動作中にブローバイによって生じる場合がある圧力を均一にするために、例示的な実施形態では、ピストン3004は少なくとも1つの放射状溝3024を含む。例示的な実施形態では、ピストン3004は2つの放射状溝3024を含む。他の実施形態では、ピストン3004は放射状溝を3つ以上含んでもよい。少なくとも1つの放射状溝3024は、ブローバイからの圧力を均一にし、かくして、ピストン3004をシリンダ3005内でセンタリングする手段をどちらも提供し、それがブローバイを低減する。ピストン3004のセンタリングはシリンダ3005とピストン3004との間に流体力学的な軸受効果も提供してもよく、かくして、摩擦を低減する。実施形態によっては、摩擦を低減するべくピストン3004をコーティングすることを含む、ただしそれに限定されるものではない、摩擦を低減する任意の他の手段が用いられてよい。用いられるコーティングとしては、ダイヤモンドライクコーティング(「DLC(diamond−like−coating)」)および窒化チタンが挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。摩擦を低減することはシステムにおけるヒステリシスの低減のために有益であり、ひいては、システムにおける流量制御誤差を低減する。
【0262】
例示的な実施形態では、所与の可変管路インピーダンスデバイスのために、所与の流量を生じさせるための電流、および電流を印加する方法が決められる。電流を印加する種々の様式としては、電流をディザリングすること、正弦波ディザ、電流をディザスケジューリングすることまたは種々のパルス幅変調(「PWM(Pulse Width Modulation)」)技法を用いることが挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。電流制御は、種々の流量および種々の流れの形式、例えば、ただしこれらに限定されるものではないが、断続的または脈動的な流量あるいは平滑な流量、を作り出すために用いられる。例えば、正弦波ディザリングは、ヒステリシス、およびシリンダ3005とピストン3004との間の摩擦を低減するために用いられる。かくして、所定のスケジュールは所与の所望の流量のために決められ、用いられる。
【0263】
次に図64を参照すると、図56〜63に示される可変管路インピーダンスデバイスに適用されるソレノイド制御方法の例が示されている。この制御方法では、少ない流量においてはより低い振幅のディザを適用し、流量が増すに従ってより高い振幅のディザを適用するディザ関数が示されている。ディザは、指定閾値においてディザが増加するステップ関数として指定されてもよいし、または指定閾値を超えれば一定になるランプ関数として指定されてもよい。図64はディザランプ関数の例を示す。ディザ周波数およびディザ振幅はどちらも電流指令によって変化させる。実施形態によっては、ディザ関数は、任意の所望の流量のための最適ディザ特性または他のディザスケジューリングを指定したルックアップテーブルに代替されてもよい。
【0264】
上流の流体圧力は上昇または低下する場合がある。しかし、可変管路インピーダンスは、一定力ソレノイドをばねおよびプランジャとともに用いて、圧力変化を補償し、一定の所望の流量を維持する。このように、可変管路インピーダンスは、可変圧力の下でも一定の流量を維持する。例えば、入口圧力が上昇すると、システムは固定サイズの一次オリフィス3002を含むので、一次オリフィス3002での圧力降下によって、ピストン3004は流体出口3036の方へ動き、二次オリフィス(2)3022の開口部を「小さくする」ことになる。これは、ピストン3004の、流体出口3036に向かう直線運動によって達成される。
【0265】
逆に、入口圧力が低下すると、システムは固定サイズの一次オリフィス3002を有するので、一次オリフィス3002での圧力降下によって、ピストン3004は二次オリフィス(単数または複数)3022の開口部を「大きくする」ことになり、かくして流量を一定に保つ。これは、ピストン3004の、流体入口3001に向かう直線運動によって達成される。
【0266】
例示的な実施形態は二方弁も含む。例示的な実施形態では示されているが、実施形態によっては、例えば、ピストンと二次オリフィスとの間の余裕が、ピストンが二次オリフィスに対する二方弁の機能を果たせばよいようになっている場合には、二方弁が用いられなくてもよい。次に図56〜59を参照すると、例示的な実施形態における二方弁は二次オリフィス3022より下流にある。例示的な実施形態では、二方弁は、プランジャ3018によって作動し、操縦される隔壁3016である。例示的な実施形態では、隔壁3016は、オーバーモールドされた金属ディスクであるが、他の実施形態では、隔壁3016は、弁を流れる流体に適した任意の材料で作られてもよい。該材料としては、金属類、エラストマー類および/またはウレタン類、あるいは所望の機能に適した任意の種類のプラスチックまたは他の材料が挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。図は、開放位置に位置する膜を示しているが、実際には、膜はそこに位置しないかも知れないことに留意されたい。プランジャ3018はピストン3004によってじかに作動させられ、その静止位置において;プランジャばね3020はプランジャ3018を開放位置内に付勢する。ピストン3004が閉鎖位置に戻ると、ピストンばね3006によって発生する力はプランジャばね3020の付勢に打ち勝つのに十分大きく、プランジャ3018を二方弁の閉鎖位置まで作動させる。このように、例示的な実施形態では、ソレノイドはピストン3004およびプランジャ3018の両方にエネルギーを与え、かくして、二次オリフィス3022を通じた流体の流れおよび二方弁を通じた流体の流れの両方を制御する。
【0267】
図56〜59を参照すると、ピストン3004の前進運動は、ソレノイド3008からの力の増加に関して見られてもよい。図56を参照すると、二方弁および二次オリフィス(不図示)はどちらも閉鎖されている。図57を参照すると、ソレノイドに電流が印加され、ピストン3004は少し動いており、一方、二方弁はプランジャばね3020の付勢の故に開いている。図58では、ソレノイド3008は追加の電流を印加され、ピストン3004は一次オリフィス3002へさらに動いており、二次オリフィス3022を少し開放している。次に図59を参照すると、ソレノイド3008からの電流の増加により、ピストン3004は流体入口3001に向かってさらに動いており(または本実施形態では、ソレノイド3008の内部へさらに動いている)、二次オリフィス3022は完全に開いている。
【0268】
図56〜59に関して上述された実施形態は、ピストン位置センサおよび/または流量センサを含む、ただしそれらに限定されるものではない、1つ以上のセンサを追加的に含んでもよい。ソレノイド3008が通電されたときに流体の流れが確立されたことを検証するために1つ以上のセンサが用いられてもよい。ピストン位置センサが、例えば、ピストンが動いているか否かを検出する。流量センサが、ピストンが動いているか動いていないかを検出してもよい。
【0269】
次に図60〜61を参照すると、種々の実施形態では、流量制御モジュール3000は1つ以上のセンサを含んでもよい。図60を参照すると、流量制御モジュール3000は流速計3026を備えるように示されている。1つの実施形態では、1つ以上のサーミスタ(単数または複数)が、流体経路に接触する薄壁にごく接近して設置される。サーミスタ(単数または複数)は既知の電力の量、例えば1ワット、を放散し、かくして、静止流体または流動流体のいずれかについての予測可能な温度上昇が期待される。流体が流れている場合には温度はよりゆっくりと上昇するので、流速計は流体流量センサとして用いられる。実施形態によっては、流速計は、センサが流体の流れの存在を追加的に検出しているか否かにかかわらず、流体の温度を求めるために用いられてもよい。
【0270】
次に図61を参照すると、流量制御モジュール3000は羽根車3028を備えるように示されている。図62に、羽根車センサ3030の切断断面図が示されている。羽根車センサ3030は、流体経路内の羽根車3028、赤外線(「IR(Infrared)」)エミッタ3032およびIR受信器3034を含む。羽根車センサ3030は計量デバイスであり、流量の算出および/または確認のために用いられる。実施形態によっては、羽根車センサ3030は、単に、流体が流れているか否かを検知するために用いられてもよい。図62に示される実施形態では、IRダイオード3032が光り、さらに、流体が流れると、羽根車3028は回転し、IRダイオード3032からのビームを遮断する。それがIR受信器3034によって検出される。IRビームの遮断の速度が用いられて流量を算出する。
【0271】
図56〜59に示されるように、実施形態によっては、1つを超えるセンサが流量制御モジュール3000内で用いられてもよい。これらの実施形態では、流速計センサおよび羽根車センサが両方とも示されている。一方、他の実施形態では、羽根車センサ(図61)または流速計センサ(図60)のどちらかが用いられる。しかし、種々の他の実施形態では、1つ以上の異なるセンサが、流量制御モジュール3000の種々の状況を検出、算出または検知するために用いられてもよい。例えば、実施形態によっては、磁束を検知するためにソレノイド3008の磁気回路にホール効果センサが追加されてもよい。ただし、それに限定されるものではない。
【0272】
実施形態によっては、ピストン3004の位置を求めるために、ソレノイド3008のコイルにおけるインダクタンスが計算されてもよい。例示的な実施形態におけるソレノイド3008では、アーマチュア3014の移動とともに磁気抵抗が変動する。インダクタンスは磁気抵抗から求められるかまたは計算されてもよく、かくして、ピストン3004の位置は、計算されたインダクタンスに基づいて計算される。実施形態によっては、インダクタンスは、アーマチュア3014を介してピストン3004の運動を制御するために用いられてもよい。
【0273】
次に図63を参照すると、流量制御モジュール3000の、1つの実施形態が示されている。流量制御モジュール3000の本実施形態は、本願明細書において記載されている分配システムの種々の実施形態のいずれにおいて用いられてもよい。さらに、可変流量インピーダンス装置は上述の種々の可変流量インピーダンスの実施形態の代わりに用いられてよい。さらに、種々の実施形態では、流量制御モジュール3000は下流または上流の流量計と併せて用いられてもよい。
【0274】
図65を参照すると、流量制御モジュール3000の1つの実施形態を貫く流体経路が示されている。本実施形態では、流量制御モジュール3000は羽根車3028センサおよび流速計3026を両方含む。しかし、上述されたように、流量制御モジュール3000のいくつかの実施形態は追加のセンサを含んでもよいし、または図65に示されているよりも含まれるセンサが少なくてもよい。
【0275】
上述されたように、処理システム10によって製造可能なこうした製品の他の例としては:乳製品ベースの製品類(例えば、ミルクセーキ、フロート、麦芽乳、フラッペ);コーヒーベースの製品類(例えば、コーヒー、カプチーノ、エスプレッソ);ソーダベースの製品類(例えば、フロート、果汁入りソーダ);茶ベースの製品類(例えば、アイスティー、スイートティー、ホットティー);水ベースの製品類(例えば、天然水、フレーバー天然水、ビタミン類入り天然水、高電解質飲料、高炭水化物飲料);固形物ベースの製品類(例えば、トレイルミックス、グラノーラベースの製品、ミックスナッツ、シリアル製品、ミックスグレイン製品);医薬品類(例えば、注入可能な薬剤、注射可能な薬剤、摂取可能な薬剤);アルコールベースの製品類(例えば、混合酒、ワインスプリッツァー、ソーダベースのアルコールドリンク、水ベースのアルコールドリンク);工業製品類(例えば、溶剤、塗料、潤滑油、染料);および健康/美容補助製品類(例えば、シャンプー、化粧品、石けん、ヘアコンディショナ、スキントリートメント、局所軟膏)、が挙げられる。ただし、それらに限定されるものではない。
【0276】
数多くの実装が記載されている。それにもかかわらず、種々の変更がなされることは理解されよう。従って、他の実施も、添付の特許請求の範囲内である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アーマチュアを含むソレノイドと;
前記アーマチュアに接続されるピストンであって、前記ピストンは一次オリフィスを含み、これによって前記ピストンは開放位置および閉鎖位置を有する、前記ピストンと;
前記ピストンに接続されるピストンばねと;
少なくとも1つの二次オリフィスであって、前記ピストンの、前記開放位置への運動は前記少なくとも1つの二次オリフィスを少なくとも部分的に開放し、前記ピストンの、前記閉鎖位置への運動は前記少なくとも1つの二次オリフィスを少なくとも部分的に閉鎖する、前記少なくとも1つの二次オリフィスとを含み;
前記アーマチュアの運動は前記ピストンの運動を作動させ、前記一次オリフィスから前記少なくとも1つの二次オリフィスを通じた流体の流れを制御する;
流量制御デバイス。
【請求項2】
前記ピストンは少なくとも1つの放射状溝をさらに含む;
請求項1に記載の流量制御デバイス。
【請求項3】
前記ピストンは2つの放射状溝をさらに含む;
請求項1に記載の流量制御デバイス。
【請求項4】
前記ソレノイドは一定力ソレノイドである;
請求項1に記載の流量制御デバイス。
【請求項5】
流体の流れを検知するための少なくとも1つのセンサをさらに含む;
請求項1に記載の流量制御デバイス。
【請求項6】
前記ピストンの位置を求めるための磁気抵抗センサをさらに含む;
請求項5に記載の流量制御デバイス。
【請求項7】
前記流体の流れと熱的に通じた流速計をさらに含む;
請求項5に記載の流量制御デバイス。
【請求項8】
流体の流れを検知するための羽根車センサをさらに含む;
請求項5に記載の流量制御デバイス。
【請求項9】
前記羽根車センサは:
羽根車と;
赤外線ビームを放射する赤外線エミッタと;
前記放射された赤外線ビームを受信する赤外線受信器とを含み;
前記赤外線エミッタおよび前記赤外線受信器は前記羽根車の反対側に設置され、前記流体の流れは前記羽根車を回転させ、前記羽根車は前記赤外線ビームを遮断する;
請求項8に記載の流量制御デバイス。
【請求項10】
二方弁をさらに含む;
請求項1に記載の流量制御デバイス。
【請求項11】
前記二方弁は:
プランジャと;
前記プランジャを開放位置内に付勢するばねと;
前記プランジャによって作動する隔壁とをさらに含み;
前記ピストンは前記プランジャを作動させて前記プランジャを閉鎖位置に動かす;
請求項10に記載の流量制御デバイス。
【請求項1】
アーマチュアを含むソレノイドと;
前記アーマチュアに接続されるピストンであって、前記ピストンは一次オリフィスを含み、これによって前記ピストンは開放位置および閉鎖位置を有する、前記ピストンと;
前記ピストンに接続されるピストンばねと;
少なくとも1つの二次オリフィスであって、前記ピストンの、前記開放位置への運動は前記少なくとも1つの二次オリフィスを少なくとも部分的に開放し、前記ピストンの、前記閉鎖位置への運動は前記少なくとも1つの二次オリフィスを少なくとも部分的に閉鎖する、前記少なくとも1つの二次オリフィスとを含み;
前記アーマチュアの運動は前記ピストンの運動を作動させ、前記一次オリフィスから前記少なくとも1つの二次オリフィスを通じた流体の流れを制御する;
流量制御デバイス。
【請求項2】
前記ピストンは少なくとも1つの放射状溝をさらに含む;
請求項1に記載の流量制御デバイス。
【請求項3】
前記ピストンは2つの放射状溝をさらに含む;
請求項1に記載の流量制御デバイス。
【請求項4】
前記ソレノイドは一定力ソレノイドである;
請求項1に記載の流量制御デバイス。
【請求項5】
流体の流れを検知するための少なくとも1つのセンサをさらに含む;
請求項1に記載の流量制御デバイス。
【請求項6】
前記ピストンの位置を求めるための磁気抵抗センサをさらに含む;
請求項5に記載の流量制御デバイス。
【請求項7】
前記流体の流れと熱的に通じた流速計をさらに含む;
請求項5に記載の流量制御デバイス。
【請求項8】
流体の流れを検知するための羽根車センサをさらに含む;
請求項5に記載の流量制御デバイス。
【請求項9】
前記羽根車センサは:
羽根車と;
赤外線ビームを放射する赤外線エミッタと;
前記放射された赤外線ビームを受信する赤外線受信器とを含み;
前記赤外線エミッタおよび前記赤外線受信器は前記羽根車の反対側に設置され、前記流体の流れは前記羽根車を回転させ、前記羽根車は前記赤外線ビームを遮断する;
請求項8に記載の流量制御デバイス。
【請求項10】
二方弁をさらに含む;
請求項1に記載の流量制御デバイス。
【請求項11】
前記二方弁は:
プランジャと;
前記プランジャを開放位置内に付勢するばねと;
前記プランジャによって作動する隔壁とをさらに含み;
前記ピストンは前記プランジャを作動させて前記プランジャを閉鎖位置に動かす;
請求項10に記載の流量制御デバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5AB】
【図5CD】
【図5EF】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36A】
【図36B】
【図37A】
【図37B】
【図37C】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43A】
【図43B】
【図43C】
【図44】
【図45A】
【図45B】
【図46A】
【図46B】
【図46C】
【図46D】
【図47A】
【図47B】
【図47C】
【図47D】
【図47E】
【図47F】
【図48】
【図49A】
【図49B】
【図49C】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5AB】
【図5CD】
【図5EF】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36A】
【図36B】
【図37A】
【図37B】
【図37C】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43A】
【図43B】
【図43C】
【図44】
【図45A】
【図45B】
【図46A】
【図46B】
【図46C】
【図46D】
【図47A】
【図47B】
【図47C】
【図47D】
【図47E】
【図47F】
【図48】
【図49A】
【図49B】
【図49C】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【公表番号】特表2012−526253(P2012−526253A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−509994(P2012−509994)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/033977
【国際公開番号】WO2010/129835
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(594010009)デカ・プロダクツ・リミテッド・パートナーシップ (62)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/033977
【国際公開番号】WO2010/129835
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(594010009)デカ・プロダクツ・リミテッド・パートナーシップ (62)
【Fターム(参考)】
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