説明

製品取扱い基準作成システム及び方法

【課題】個別部品の組み合わせによる製品のレベルで取扱い基準などを生成し管理することにより、利用者の判断の手間・コストなどを軽減できる技術を提供する。
【解決手段】本システム10(情報処理装置1)は、部品情報管理機能21、製品取扱い基準作成機能11、記憶部2、ユーザI/F部3等を有する。部品情報管理機能21は、利用者の操作に基づき、個別の部品の単位での情報を記憶部2に管理する。製品取扱い基準作成機能11は、利用者の操作に基づき、製品の単位での取扱い基準の情報を作成する処理を行う。製品取扱い基準作成機能11は、対象製品について、構成要素である個別の部品ごとの情報を記憶部2から取得・参照し、当該個別の部品ごとの取扱い基準情報を比較して共通情報を自動的に生成し、当該共通情報により対象製品の取扱い基準情報を設定する処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理技術に関し、特に、調剤や成形品などの製品の情報、その材料・原料(部品)などの情報、及びその含有化学物質などの情報を管理するシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
世界的な環境保護の観点から、欧州REACH規則に代表されるように、化学物質(特に有害物質)管理に対する規制が年々厳しさを増している。調剤や成形品などの製品を製造(生成)する際に使用する、構成要素(部品)となる物質・材料・原料などにおいては、含有している化学物質に応じて、その取扱い基準(取扱い方法)や危険性などの指標がある。これらの情報は、通常、MSDS(Material Safety Data Sheet)と呼ばれる調査シート(化学物質安全性データシート)で管理されている。
【0003】
ただし、これらの情報は、化学物質ごとの情報であるため、複数の要素(部品)を組み合わて成る製品を製造等する際における取扱い基準(取扱い方法)や危険性などについては不明瞭となっている場合が多い。
【0004】
上記の取扱い基準などの情報の管理をサポートするシステムに係わり、先行技術例としては、特開2001−300500号公報(特許文献1)等がある。特許文献1では、MSDS、材料組成、管理物質、物性値、排出係数、化合物などの情報(データベース)を管理している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−300500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術(例えば前記特許文献1)のシステムでは、製品(調剤・成形品など)を製造する上で利用される(構成要素となる)それぞれの物質などに関しては、それぞれ個別(単体)の取扱い基準や危険性などの情報が管理・提供されている。しかし、それらの組み合わせにより構成される製品に関する基準(取扱い基準や危険性など)などについて情報を生成し管理する技術は開示・実現されていない。したがって、そのような製品の基準については、利用者が独自に判断する必要がある等、手間・コストなどを要するという問題がある。
【0007】
以上を鑑み、本発明の主な目的は、既存の個別(単体)の物質などのレベルでの取扱い基準情報などの管理だけでなく、それら個別(単体)の物質などを組み合わせて構成される製品(調剤など)の場合における考慮すべき新しい取扱い基準などの情報を生成し管理するシステム等を提供することにより、システム利用者の判断の手間・コストなどを軽減でき、製品の製造や管理を行う上での安全性を向上することができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のうち代表的な形態は、情報処理装置を用いて、製品・部品・含有化学物質・取扱い基準などの情報を管理する処理を行うシステム(製品取扱い基準作成システム)及び方法などであって、以下に示す構成を有することを特徴とする。
【0009】
本形態のシステムにおいて、情報処理装置は、部品情報管理機能と、製品取扱い基準作成機能と、記憶部と、ユーザインタフェース部とを有する。ユーザインタフェース部は、利用者による情報入力操作を受け付けて利用者に情報出力する処理を行う。記憶部は、製品及び部品に関する管理情報をデータベース(DB)に管理する。部品情報管理機能は、利用者の操作に基づき、個別の部品の単位での情報を記憶部に管理する処理を行う。製品取扱い基準作成機能は、利用者の操作に基づき、製品の単位での情報を記憶部に管理し、製品の単位での取扱い基準の情報を作成し記憶部に管理する処理を行う。
【0010】
前記製品取扱い基準作成機能は、利用者の操作に基づき、対象製品について、構成要素である個別の部品ごとの情報を記憶部から取得・参照し、当該個別の部品ごとの取扱い基準情報を比較して共通情報を自動的に生成し、当該共通情報により対象製品の取扱い基準情報を設定して当該情報を利用者に対して出力する処理を行う。
【発明の効果】
【0011】
本発明のうち代表的な形態によれば、既存の個別の物質などのレベルでの取扱い基準情報などの管理だけでなく、それら個別の物質などを組み合わせて構成される製品の場合における考慮すべき新しい取扱い基準などの情報を生成し管理するシステム等を提供することにより、システム利用者の判断の手間・コストなどを軽減でき、製品の製造や管理を行う上での安全性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態のシステム(製品取扱い基準作成システム)の構成を示す図である。
【図2】本実施の形態の製品取扱い基準作成機能の処理フローを示す図である。
【図3】本実施の形態の部品情報DB(12)の構造例を示す図である。
【図4】本実施の形態の取扱い基準DB(13)の構造例を示す図である。
【図5】本実施の形態のリンク情報DB(14)の構造例を示す図である。
【図6】本実施の形態の含有化学物質情報DB(15)の構造例を示す図である。
【図7】本実施の形態における製品構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面(図1〜図)に基づいて、本発明の実施の形態(製品取扱い基準作成システム等)について詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0014】
[概要等]
本実施の形態のシステム(図1)は、製品(調剤、成形品など)の情報と、製品を構成する要素となる個別(単体)の物質・材料など(部品)の情報と、部品に含有する化学物質の情報、及びその化学物質に応じた取扱い基準などの情報を管理し、システム利用者(U)により設定・参照などの操作を可能とする。
【0015】
本システムでは、上記個別の部品の含有化学物質などの情報の管理機能(部品情報管理機能21)をベース(システム構成要素)として、個別部品(「子部品」)単位で設定等される取扱い基準などの情報をもとに、それら部品の組み合わせにより構成される製品(「親部品」)単位における(新しく発生する)取扱い基準などの情報を作成して効率良く管理し、当該情報を利用者(U)に提供する仕組み(製品取扱い基準作成機能11)を有する。
【0016】
本システムでは、上記個別部品(子部品)の情報と、上記製品(親部品)の情報とを同時に管理する。そのため、本システムでは、当該情報管理(記憶部2のDB)に、部品表(BOM:Bills Of Material)の構造を取り入れ、製品・部品構成における階層関係(親−子の関係)を持つ部品(親部品、子部品)毎の情報を詳細に管理すると共に、共通部品の汎用性を確保する。製品取扱い基準作成機能11は、下位(子)の部品(製品)ごとの取扱い基準などの情報と、上記BOMによる構成管理の情報とに基づいて、上位(親)の部品(製品)に関する新しい取扱い基準情報を生成する。
【0017】
なお本説明上の「部品」(「製品」等)とは、機械などの分野に限らず、化学などを含む各種の分野の物質・材料などを含む。また、「部品」(「製品」等)とは、階層関係における上位(親)、下位(子)の場合がある(親部品、子部品などと称する)。
【0018】
[システム構成]
図1において、本実施の形態のシステムの構成例を示している。本システム(製品取扱い基準作成システム)10は、情報処理装置1を含んで構成される。システム利用者(U)は、情報処理装置1を利用(操作)し、製品取扱い基準情報を含む製品情報の参照や管理に係わる作業が可能である。情報処理装置1(本システム10)は、例えばPCやサーバ等で実現できる。サーバで実現する場合、利用者(U)の端末からネットワークを介してサーバにアクセスし、サーバによるサービス処理を受ける形になる。
【0019】
情報処理装置1は、プロセッサ、メモリ、ディスク、バス、通信I/F装置、入力装置、出力装置、等の公知の要素を用いて、ソフトウェアプログラム(本実施の形態のプログラム)の処理の実行により各種機能(11等)を実現する。
【0020】
情報処理装置1は、製品取扱い基準作成機能11、部品情報管理機能21、記憶部2、ユーザI/F部3などを有する構成である。記憶部2は、部品情報DB12、取扱い基準DB13、リンク情報DB14、及び含有化学物質情報BD15、等のDB(データベース)を有する。記憶部2(及び11等)は、BOM構造による製品・部品構成管理に基づき、各DBのデータ情報を記憶・管理する。なおDBのデータ情報については、情報処理装置1の外部に管理されるデータ情報を読み書きする形としてもよい。
【0021】
ユーザI/F部3は、本システム10のユーザインタフェースを提供する。利用者(U)は、本システム10の情報処理装置1(取扱い基準作成機能11、部品情報管理機能21等)に対し、ユーザI/F部3を介して、情報の入力(例えば製品取扱い基準作成要求など)の操作を行い、本システム10が出力する情報を参照する。ユーザI/F部3は、情報処理装置1の備える入力装置(キーボードやマウス等)、出力装置(ディスプレイ等)、通信I/F装置などの装置及びその制御処理により実現できる。ユーザI/F部3は、例えばWeb画面によるインタフェースとしてもよく、当該画面で、記憶部2のデータ情報に基づき、製品・部品の各種の情報を表示する。ユーザI/F部3は、例えば、図4のような取扱い基準DB13のテーブルの情報などを、利用者(U)が見る画面に表示して確認可能としてもよい。
【0022】
製品取扱い基準作成機能11等は、ユーザI/F部3を介した利用者(U)の要求(入力)を受けて、記憶部2のDBのデータ情報を用いて処理を行い、当該処理結果などの情報を、記憶部2のDBに格納すると共に、ユーザI/F部3を介して例えば出力装置の画面に表示する。これにより、利用者(U)は、製品取扱い基準情報などを参照することができる。
【0023】
部品(子部品)情報管理機能21は、含有化学物質情報管理機能を含む、個別(単体)の部品(子部品)の情報を管理する処理機能である。なおこの機能(21)は、既存の機能・システム等(公知技術)を適用して実現することもでき、本システム10のベース(システム構成要素)とする。勿論11と21を統合して1つの新規の機能として構成しても構わない。例えばこの機能(21)は、外部の公開情報(例えばMSDS)を収集・取得して記憶部2のDBを整備するような機能としてもよい。
【0024】
部品(子部品)情報管理機能21は、親部品(製品)のレベルではなく、個別(単体)の部品(子部品)のレベルでの情報を管理する。親部品(製品)のレベルの情報管理は、製品取扱い基準作成機能11の方で行う(21の方でまとめて行う形にしてもよい)。部品(子部品)情報管理機能21は、記憶部2における個別の部品ごとの情報を読み書き(設定)する機能を利用者(U)に提供する。本機能(21)を用いて、例えば含有化学物質情報DB15に対し子部品単位の含有化学物質情報を設定可能である。また、部品情報DB12の子部品単位の属性情報を設定可能である。また、取扱い基準DB13に対して子部品単位の取扱い基準情報を設定可能である。
【0025】
製品(親部品)取扱い基準作成機能11は、詳しくは、対象製品(親部品)情報入力部11A、構成要素(子部品)情報取得・参照部11B、共通情報判定・生成部11C、対象製品(親部品)基準情報設定・出力部11D、等を有する構成である。各部の処理内容は後述のフロー(図2)で説明する。製品(親部品)取扱い基準作成機能11では、主な処理としては、記憶部2の各DBのデータ情報を用いながら、利用者(U)により指定された対象製品(親部品)の取扱い基準の情報を作成(生成)する。
【0026】
[データ情報]
本システム10で扱うデータ情報(全般的な製品情報(部品情報))として、記憶部2の各DB(12,13,14,15)で示す情報を有する。部品情報DB12(例:図3)では、製品・部品ごとの属性情報を管理する(親部品属性情報、子部品属性情報を有する)。取扱い基準DB13(例:図4)では、製品・部品ごとの取扱い基準情報を管理する(親部品基準情報、子部品基準情報を有する)。リンク情報DB14(例:図5)では、BOM構造に基づき、製品と当該製品(親部品)を構成する要素となる部品(子部品)との親子関係(階層構造)を含む情報(部品構成情報)を管理する。含有化学物質情報DB15(例:図6)では、各部品(子部品)が含有している化学物質の情報を管理する(子部品含有化学物質情報を含む)。
【0027】
[処理]
図2を用いて、本システム10の製品取扱い基準作成機能11による主な処理内容について説明する。S1等は処理ステップを表す。以下、情報処理装置1で、ユーザI/F部3を介して、利用者(U)が画面を見ながら操作を行い、これに基づき製品取扱い基準作成機能11による処理が行われる。なお前提として部品情報管理機能21を用いて個別の部品ごとの情報(取扱い基準情報を含む)が設定済みとする。
【0028】
(S1) 本システム10(製品取扱い基準作成機能11)に対し、利用者が、取扱い基準を新たに生成したい対象となる製品(親部品)の指定やその指示などの情報を入力する。対象製品情報入力部11Aは、この入力(受け付け)の処理を行う(例えば画面で表示される項目やボタンにて利用者が情報を入力する、または自動的に表示される項目の情報から利用者が情報を選択する形など)。この入力(受け付け)に従い、製品取扱い基準作成機能11の処理を以下のように実行する。
【0029】
(S2) 構成要素(子部品)情報取得・参照部11Bは、上記S1で指定された対象製品(親部品)に関する構成要素(子部品)の情報を、記憶部2の各DB{12,13,14,15}から取得・参照する。11Bは、例えば、部品情報DB12(例えば図3)から、対象製品(親部品)の識別情報(部品番号)を参照し、それをキーとして、リンク情報DB14(例えば図5)から、親部品−子部品の関係(構成情報)を参照して、対象製品の構成要素となる子部品(各々)の識別情報(部品番号)などを取得する。そして、それらをキーとして、部品情報DB12から、子部品(各々)の属性情報を取得する。また、11Bは、取扱い基準DB13(図4)を参照し、当該DBに登録(設定)されている子部品(各々)の単位の取扱い基準情報を参照する。
【0030】
(S3) 共通情報判定・生成部11Cは、上記S3の取扱い基準DB13(図4)の子部品(各々)の取扱い基準情報(含有化学物質に応じた取扱い基準情報)における各項目(例えば毒性など)について比較し、論理的な所定の条件を満たす情報(共通情報)を判定し、当該情報を生成する。本実施の形態では、所定の条件として、AND(論理積)条件を判定し、共通情報として抽出する。
【0031】
例えば、図7の製品構成例(図5の例に対応)では、対象製品である親部品1(A001-1)に関して、子部品1(A002-1)と子部品2(A005-1)を有し、更に各子部品1,2に対する子部品(A003-1,A004-1,A006-1等)を有するといった構成であり、これらの子部品(各々)の取扱い基準情報の項目間において、AND条件の判定により、共通情報となる取扱い基準情報などを抽出する。
【0032】
また、別の実施の形態では、上記所定の条件として、対象製品(親部品)の子部品の情報におけるOR(論理和)条件を判定し、情報を抽出してもよい。
【0033】
(S4) 対象製品(親部品)基準情報設定・出力部11Dは、上記S4の処理結果における、上記取扱い基準情報の各項目について生成された取扱い基準情報(共通情報)を、対象製品(親部品)の取扱い基準(新しい基準)とするように、取扱い基準DB13(親部品基準情報)に設定する。そして、11Dは、当該親部品基準情報を含む情報を、ユーザI/F部3を介して利用者(U)に出力(画面表示)する。
【0034】
以上のように、利用者(U)は、製品取扱い基準作成機能11により対象製品の取扱い基準情報を新たに作成して参照することができる。なお出力(画面表示等)では、対象製品の取扱い基準情報だけでなく、記憶部2のDBをもとに、属性情報や親子関係、含有化学物質情報など、各種の関連する情報を併せて画面に表示してもよい。
【0035】
[部品情報DB]
図3は、部品情報DB12のデータ構造例を示す。本テーブルで管理する項目(列)として、部品番号、部品名、部品種別、代表部品番号、部品質量、部品体積などを有する。部品番号は、部品の一意の識別情報である。部品名は、当該部品の名称である。部品種別は、当該部品の種別情報である。代表部品番号は、当該部品の代表部品の部品番号である。部品質量は、当該部品の質量情報である。部品体積は、当該部品の体積情報である。
【0036】
[取扱い基準DB]
図4は、取扱い基準DB13のデータ構造例を示す。管理する項目として、部品番号(同前)と、皮膚刺激、急性毒性、取扱い温度、等の情報(含有化学物質に応じた取扱い基準や危険性に係わる指標の情報)とを有する。これらの基準(項目)の詳しい内容は、含有化学物質に応じて異なる。
【0037】
[リンク情報DB]
図5は、リンク情報DB14のデータ構造例を示す。管理する項目として、部品番号、親部品番号、員数、等を有する。部品番号は、子部品の部品番号である。親部品番号は、当該子部品に対する親部品の部品番号である。員数は、当該子部品の員数である。
【0038】
図7は、図5の例に対応した製品構成(親子関係)などの例を示す。A-001-1(親部品1)は、構成要素として、A-002-1(子部品1)、A-005-1(親部品2)を有する。更に、A-002-1は、親部品としては、構成要素(子部品)として、A-003-1(子部品3)(員数:3)、A-004-1(子部品4)(員数:2)を有する。A-005-1は、構成要素(子部品)として、A-006-1(子部品5)を有する。各々の子部品(例えば子部品3,4,5)は、含有化学物質に応じた取扱い基準、例えば基準a,b,c等を有する。親部品1の構成要素の各子部品の基準a,b,c等からAND条件の判定により親部品1の基準Xを得ることができる。
【0039】
[含有化学物質情報DB]
図6は、含有化学物質情報DB15のデータ構造例を示す。管理する項目として、部品番号(同前)、化学物質名称、含有量、含有量単位、等を有する。化学物質名称は、当該部品に含有する化学物質の名称の情報である。含有量及び単位は、当該化学物質の含有量及びその単位の情報である。
【0040】
[効果等]
以上説明したように、本実施の形態によれば、利用者(U)に対し、部品情報管理機能11による既存の個別(単体)の部品のレベルでの取扱い基準情報などの管理だけでなく、それらの部品を組み合わせて構成される製品のレベルにおける考慮すべき有用な新しい取扱い基準などの情報を生成し管理する機能(製品取扱い基準作成機能11)を提供する。これにより、利用者(U)の判断の手間・コストなどを軽減でき、製品の取扱い・製造や管理を行う上で、より厳密な管理や、危険性の把握によるリスク低減を実現し、安全性を向上することができる。
【0041】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、製品管理及び生産管理システム等に利用可能である。
【符号の説明】
【0043】
1…情報処理装置、2…記憶部、3…ユーザI/F部、10…本システム(製品取扱い基準作成システム)、11…取扱い基準作成機能、11A…対象製品(親部品)情報入力部、11B…構成要素(子部品)情報取得・参照部、11C…共通情報判定・生成部、11D…対象製品(親部品)基準情報設定・出力部、12…部品情報DB、13…取扱い基準DB、14…リンク情報DB、15…含有化学物質情報DB、21…部品(子部品)情報管理機能。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置を用いて、製品、当該製品を構成する要素となる個別の部品、及び当該部品に含有している化学物質の情報を管理する情報処理を行うシステムであって、
前記情報処理装置は、部品情報管理機能と、製品取扱い基準作成機能と、記憶部と、ユーザインタフェース部と、を有し、
前記ユーザインタフェース部は、利用者による情報入力操作を受け付けて利用者に情報出力する処理を行い、
前記記憶部は、前記製品及び部品に関する管理情報をデータベースに管理し、
前記部品情報管理機能は、前記利用者の操作に基づき、前記個別の部品の単位での情報を前記記憶部に管理する処理を行い、
前記製品取扱い基準作成機能は、前記利用者の操作に基づき、前記製品の単位での情報を前記記憶部に管理し、前記製品の単位での取扱い基準の情報を作成し前記記憶部に管理する処理を行い、
前記製品取扱い基準作成機能は、前記利用者の操作に基づき、対象製品について、構成要素である個別の部品ごとの情報を前記記憶部から取得・参照し、当該個別の部品ごとの取扱い基準情報を比較して共通情報を自動的に生成し、当該共通情報により対象製品の取扱い基準情報を設定して当該情報を利用者に対して出力する処理を行うこと、を特徴とする製品取扱い基準作成システム。
【請求項2】
請求項1記載の製品取扱い基準作成システムにおいて、
前記記憶部は、前記製品ごとの属性情報、及び前記個別の部品ごとの属性情報と、前記製品ごとの取扱い基準情報、及び前記個別の部品ごとの取扱い基準情報と、前記製品と当該製品を構成する要素となる部品との階層関係を含む親−子の関係をBOM構造に基づき管理するリンク情報と、前記個別の部品ごとに含有している化学物質の情報と、を含む情報を記憶すること、を特徴とする製品取扱い基準作成システム。
【請求項3】
請求項1記載の製品取扱い基準作成システムにおいて、
前記製品取扱い基準作成機能は、
前記利用者が指定する前記対象製品の情報を入力する第1の処理部と、
前記対象製品の構成要素である個別の部品ごとの取扱い基準情報を含む情報を前記記憶部から取得・参照する第2の処理部と、
前記個別の部品ごとの取扱い基準情報の項目を比較して論理的な所定の条件を満たすかどうか判定することで前記共通情報を生成する第3の処理部と、
前記共通情報を対象製品の取扱い基準情報として前記記憶部に設定し、当該情報を前記利用者に出力する処理を行う第4の処理部と、を有すること、を特徴とする製品取扱い基準作成システム。
【請求項4】
請求項1記載の製品取扱い基準作成システムにおいて、
前記製品取扱い基準作成機能は、前記共通情報を生成するための所定の条件としてAND条件を判定すること、を特徴とする製品取扱い基準作成システム。
【請求項5】
情報処理装置を用いて、製品、当該製品を構成する要素となる個別の部品、及び当該部品に含有している化学物質の情報を管理する情報処理を行う方法であって、
前記情報処理装置の処理において、
利用者の操作に基づき、個別の部品の単位での取扱い基準情報を含む情報を記憶部に設定する処理ステップと、
利用者による情報入力操作を受け付け、取扱い基準情報を作成する対象となる対象製品の情報を入力する処理ステップと、
前記対象製品について、構成要素である個別の部品ごとの情報を前記記憶部から取得・参照する処理ステップと、
前記対象製品の構成要素である個別の部品ごとの取扱い基準情報を含む情報を前記記憶部から取得・参照する処理ステップと、
前記個別の部品ごとの取扱い基準情報の項目を比較して論理的な所定の条件を満たすかどうか判定することで前記共通情報を生成する処理ステップと、
前記共通情報を対象製品の取扱い基準情報として前記記憶部に設定し、当該情報を前記利用者に出力する処理ステップと、を有すること、を特徴とする製品取扱い基準作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−8168(P2013−8168A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139977(P2011−139977)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000233491)株式会社日立システムズ (394)