説明

製品情報提供システム、方法及びプログラム

【課題】Web訪問客13が、3軸アクチュエータについての全体の仕様は決まっているが、その部品の使用が決まらない設計段階で、部品の適切な組合せを絞り込んで、Web訪問客に提示する。
【解決手段】該Web訪問客13が3軸アクチュエータの複数の仕様項目について設計仕様を入力するWeb入力画面をWeb訪問客13に提示する(S80)。設計仕様を満たす製品の3軸の関連部品の組合せを、製品の販売者の営業又は技術上の経験を加味した絞り込み方式により絞り込む(S81)。Web訪問客13が、絞り込まれた複数の組合せの中から所望の組合せを選択する際の安全係数及び走行寿命を、販売者の営業又は技術上の経験を加味した指標演算式を用いて各組合せの各部品のデータ及び設計仕様に基づき演算する(S82)。絞り込んだ複数の組合せと各組合せについての指標とを含むWeb画面をWeb訪問客13に提示する(S83)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Web訪問客に対し製品についての部品の組合せ情報を提示する製品情報提供システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット上で、商品を販売するのは周知である(例:パソコン販売についてのDELL(登録商標)のオンラインストアや書籍等の販売についてのアマゾン(登録商標)のネット通販)。
【0003】
特許文献1は電動パワーステアリング装置の統合設計システムを開示する。該統合設計システムによれば、電動パワーステアリング装置の制御系、モータ電磁界及び機構についての個々の解析用に開発された制御系解析ツール、モータ電磁界解析ツール及び機構解析ツールに対し、それらツール間のデータの定義の共通化及びフォーマットの共通化のためのインターフェースを設け、インターフェースを介してツール間でデータを授受することにより電動パワーステアリング装置全体のシミュレーションを実現する。
【0004】
特許文献2は、ハードディスクドライブのような製品の製造のためのシステムを開示する。該システムによれば、複数の種類の部品から構成されている製品における各部品のばらつきに鑑み、部品の種別ごとに各部品を検査結果に基づき等級化しておき、製品を組み立てる際には、部品の種別間における個々の部品の等級から相性を検討し、部品の種類間で相性の良い部品同士を組合せるようにしている。部品の等級化や部品間の相性判断は、製造会社が過去の製品製造から得た知見に基づいたものになっている。
【0005】
特許文献3は3軸アクチュエータを開示する。該3軸アクチュエータでは、直列的な順番で、ベース、x方向支持部、x方向ガイド部材、x軸スライダ、y方向ガイド部材、y軸スライダ、及び送りねじ軸が組み付けられ、該送りねじ軸は3軸方向へ位置を制御される。
【0006】
特許文献4はWebを利用したオーダメイドシステムを開示する。該オーダメイドシステムでは、組立メーカは、各部品メーカから部品情報を取得して、自社のホーム頁に掲載し、購入者は、該ホーム頁において該組立メーカの組立品を購入する際に、該組立品の部品については希望の部品メーカのものを選択できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−175249号公報
【特許文献2】特開2010−217982号公報
【特許文献3】特開2008−062334号公報
【特許文献4】特開2002−207903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
購入者が、複数の部品から構成される製品を購入する場合、該製品について設計を終了していて、各部品について必要な仕様が具体的に把握できている場合には、そのような仕様に合った部品を選択することができる。しかし、製品について設計を終了する前の段階では、製品についての必要な仕様は分かっているものの、該仕様を満たすためには、具体的にどのような部品が必要であり、また、各部品の仕様は具体的にどのようにすべきかは不明であるとともに、自ら計算して求めることは手間と時間がかかる。
【0009】
前述の複数の特許文献は、個々には技術を開示するものの、各技術を具体的にどのように結合すれば、上記問題を解決することができるかについては、示唆するものではない。
【0010】
また、希望の仕様を満たす製品を実現する部品の組合せは膨大となり、製品購入者は、組合せを自ら絞り込むよりも、部品の組合せについての知識経験豊富な製品販売者に絞り込んで貰った方が適切な組合せを得られるとともに、手間の節約にもなる。
【0011】
本発明の目的は、Web訪問客が、製品についてのおおよその仕様は決まっているものの、具体的な部品の組合せについて不明である設計段階において、Web訪問客に対して、部品の組合せを適切に絞り込んで、提示する製品情報提供システム、方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1発明の製品情報提供システムは、Web訪問客に対し、該Web訪問客が製品の複数の仕様項目について設計仕様を入力するWeb入力画面を提示する入力画面提示手段と、前記設計仕様を満たす前記製品を構成する複数の部品の組合せを、前記製品の販売者の営業又は技術上の経験を加味した絞り込み方式により絞り込む絞り込み手段と、前記Web訪問客が、絞り込まれた複数の組合せの中から所望の組合せを選択する際の指標を、前記販売者の営業又は技術上の経験を加味した指標演算式を用いて各組合せの各部品のデータ及び前記設計仕様に基づき演算する演算手段と、前記絞り込み方式により絞り込まれた複数の組合せと各組合せについての前記指標とを含むWeb画面を前記Web訪問客に提示する提示する組合せ提示手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
第1発明によれば、Web訪問客は、製品全体の仕様を満たすために具体的にどのような複数の部品を組合せたらよいかが分からない設計段階においても、製品のおおまかな仕様を所定のWeb入力画面に入力すれば、製品販売者の知識経験に基づいて適切に絞り込まれた具体的な部品の組合せと該組合せの購入決定に役立つ指標とを入手することができ、自ら設計する手間を節約することができる。
【0014】
第1発明によれば、絞り込み方式や指標演算に、販売者の営業又は技術上の経験を加味するので、他の類似の製品情報提供システムとの差別性や、優位性のある部品組合せ情報をWeb訪問客に提示することができるとともに、Web訪問客に有益な部品組合せ情報を提示することができる。
【0015】
第2発明の製品情報提供システムは、第1発明の製品情報提供システムにおいて、前記組合せは1以上の機械系部品と該機械系部品の制御に使用する1以上の電気系部品とを含む組合せであり、前記Web入力画面が前記Web訪問客に対して入力を求める設計仕様は、製品の機械仕様に限定されていることを特徴とする。
【0016】
第2発明によれば、Web訪問客は、電気系技術者と相談することなく、単独で、すなわち専門的な電気知識がなくても、具体的にどのような電機系部品が必要であるかを知ることができる。
【0017】
第3発明の製品情報提供システムは、第2発明の製品情報提供システムにおいて、前記製品は3軸アクチュエータであり、該3軸アクチュエータは、ベースに固定されている第1軸と、軸方向が前記第1軸の軸方向に対して直角方向とされ前記第1軸の軸方向へ変位自在に前記第1軸に支持される第2軸と、軸方向が前記第1軸の軸方向と前記第2軸の軸方向の両方に対して直角方向とされ前記第2軸の軸方向へ変位自在に前記第1軸に支持される第3軸と、該第3軸の軸方向へ変位自在に前記第3軸に取付けられワークに対して作用する作用部材とを備えることを特徴とする。
【0018】
第3発明によれば、3軸アクチュエータは、機械系部品と該機械系部品の制御に使用する電気系部品との組合せから成り、Web訪問客は、開発予定の3軸アクチュエータにおける具体的な部品の組合せを的確に知ることができる。
【0019】
第4発明の製品情報提供システムは、第3発明の製品情報提供システムにおいて、前記絞り込み手段は、3軸組合せにおける前記第3軸のみが所定の絞り込み条件を満たすか否かを判定し、次に、3軸組合せにおける前記第2軸と前記絞り込み条件を満たした第3軸との2軸組合せのみが前記絞り込み条件を満たすか否かを判定し、次に、3軸組合せにおける前記第1軸と前記絞り込み条件を満たす2軸組合せとの3軸組合せが前記絞り込み条件を満たすか否かを判定することにより、3軸の組合せを絞り込んでいくことを特徴とする。
【0020】
第4発明によれば、3軸アクチュエータにおける機械系部品としての複数の軸の組合せについて、能率的に絞り込むことができる。
【0021】
第5発明の製品情報提供システムは、第4発明の製品情報提供システムにおいて、前記販売者の営業又は技術上の経験は、前記指標演算式の係数値として又は前記指標演算式における所定項の追加として加味されることを特徴とする。
【0022】
第5発明によれば、指標演算式に販売者が自分の営業又は技術上の経験を盛り込んで、Web訪問客に有意義な購入指標を提示することができる。
【0023】
第6発明の製品情報提供システムは、第5発明の製品情報提供システムにおいて、前記3軸アクチュエータは、複数の機械系部品から構成されるアクチュエータ本体と、複数の電気系部品から構成され操作者からの指示に基づきアクチュエータ本体を制御する制御システムとを含み、前記制御システムは、前記操作者が指示を出す指示装置と、該指示装置の出力に対応する制御信号を出力するコントローラと、前記アクチュエータ本体の駆動方式で駆動させる駆動信号を前記制御信号から生成して前記アクチュエータ本体へ出力する駆動部とを備え、前記入力画面提示手段は、前記Web訪問客が製品の複数の仕様項目について設計仕様を入力するWeb入力画面を第1段階のWeb入力画面として前記Web訪問客に提示し、前記絞り込み手段は、前記Web訪問客が前記第1段階のWeb入力画面に入力した設計仕様に対応した前記制御システムの種類を第1段階の絞り込みにより絞り込み、前記入力画面提示手段は、前記第1段階の絞り込みで絞り込んだ前記制御システムの種類を前記Web訪問客に選定させる第2段階のWeb入力画面を提示し、前記絞り込み手段は、前記Web訪問客が第2段階のWeb入力画面において選定した前記制御システムの種類に基づき部品の組合せを第2段階の絞り込みにより絞り込み、前記演算手段は、前記第1段階及び前記第2段階の絞り込みにより絞り込んだ組合せの指標を第1段階及び前記第2段階の指標として演算することを特徴とする。
【0024】
第6発明によれば、Web訪問客は、自分にあった制御システムを装備する部品組合せ情報を入手することができる。
【0025】
第7発明の製品情報提供システムは、第6発明の製品情報提供システムにおいて、前記制御システムの種類には、前記アクチュエータ本体の駆動源の種類が含まれ、前記入力画面提示手段は、前記第2段階のWeb入力画面に、前記アクチュエータ本体の駆動源の種類に応じて前記制御システムの対応可能な制御についての選定又はコントローラとサーボアンプとの接続についての選定の入力を含ませることを特徴とする。
【0026】
第7発明によれば、Web訪問客に対し、適切な制御システム関連部品について適切な情報を提示することができる。
【0027】
第8発明の製品情報提供システムは、第4〜第7発明のいずれか1つの発明の製品情報提供システムにおいて、前記絞り込み手段は、優先順番を第3軸、第2軸及び第1軸の順番とし、3軸組合せについて、優先順番の高い方の軸を優先しつつ、軸サイズの昇順によりソーティングし、ソーティング後の順番に従って、第1段階として、3軸組合せにおける前記第3軸のみが所定の絞り込み条件を満たすか否かを判定し、次の第2段階として、3軸組合せにおける前記第2軸と前記絞り込み条件を満たした第3軸との2軸組合せのみが前記絞り込み条件を満たすか否かを判定し、次の第3段階として、3軸組合せにおける前記第1軸と前記絞り込み条件を満たす2軸組合せとの3軸組合せが前記絞り込み条件を満たすか否かを判定することにより、3軸の組合せを絞り込んでいき、第1及び第2段階の判定では、各段階の判定が正となる第3軸又は第2軸が見つかりしだい、判定を終了し、見つかった軸と該軸の次にサイズの大きい軸とを含む組合せのみを次の段階の絞り込み対象として残して、3軸の組合せを絞り込んでいくことを特徴とする。
【0028】
第8発明によれば、判定処理数を合理化して、絞り込み処理の負荷を軽減することができる。
【0029】
第9発明の製品情報提供システムの製品情報提供方法は、Web訪問客に対し、該Web訪問客が製品の複数の仕様項目について設計仕様を入力するWeb入力画面を提示する入力画面提示ステップと、前記設計仕様を満たす前記製品を構成する複数の部品の組合せを、前記製品の販売者の営業又は技術上の経験を加味した絞り込み方式により絞り込む絞り込みステップと、前記Web訪問客が、絞り込まれた複数の組合せの中から所望の組合せを選択する際の指標を、前記販売者の営業又は技術上の経験を加味した指標演算式を用いて各組合せの各部品のデータ及び前記設計仕様に基づき演算する演算ステップと、前記絞り込み方式により絞り込まれた複数の組合せと各組合せについての前記指標とを含むWeb画面を前記Web訪問客に提示する提示する組合せ提示ステップと、を備えることを特徴とする。
【0030】
第9発明によれば、Web訪問客は、製品全体の仕様を満たすために具体的にどのような複数の部品を組合せたらよいかが分からない設計段階においても、製品のおおまかな仕様を所定のWeb入力画面に入力すれば、製品販売者の知識経験に基づいて適切に絞り込まれた具体的な部品の組合せと該組合せの購入決定に役立つ指標とを入手することができ、自ら設計する手間を節約することができる。
【0031】
第10発明のプログラムは、第1発明〜第6発明の製品情報提供システムのいずれかにおいて、該製品情報提供システムの各手段としてコンピュータを機能させる。
【0032】
第10発明によれば、Web訪問客は、製品全体の仕様を満たすために具体的にどのような複数の部品を組合せたらよいかが分からない設計段階においても、製品のおおまかな仕様を所定のWeb入力画面に入力すれば、製品販売者の知識経験に基づいて適切に絞り込まれた具体的な部品の組合せと該組合せの購入決定に役立つ指標とを入手することができ、自ら設計する手間を節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】Web訪問客とWeb販売システムを実装した製品販売サーバとを含む全体の構成図。
【図2】Web販売システムにおける製品販売のフローチャート。
【図3】図2のS40においてWeb訪問客のPCに表示される画面図。
【図4】図2のS41においてWeb訪問客のPCに表示される画面図。
【図5】図2のS42においてWeb訪問客のPCに表示される画面図。
【図6】図2のS43においてWeb訪問客のPCに表示される先頭部分の画面図。
【図7】図2のS43において図6の画面部分の下に続く画面部分図。
【図8】図2のS44においてWeb訪問客のPCに表示される画面図。
【図9】図2のS45においてWeb訪問客のPCに表示される先頭部分の画面図。
【図10】図2のS45において図9の画面部分の下に続く画面部分図。
【図11】図2のS46においてWeb訪問客のPCに表示される画面図。
【図12】図2のS47においてWeb訪問客のPCに表示される画面図。
【図13】図2のS60においてWeb訪問客のPCに表示される先頭部分の画面図。
【図14】図2のS61においてWeb訪問客のPCに表示される画面図。
【図15】制御システムがACサーボモータを使用する場合に図13又は図14の制御システムの選定ブロツクに表示される画像図。
【図16】制御システムがステッピングモータを使用する場合に図13又は図14の制御システムの選定ブロツクに表示される画像図。
【図17】図2のS62においてWeb訪問客のPCに表示される画面図。
【図18】図2のS63においてWeb訪問客のPCに表示される先頭部分の画面図。
【図19】図2のS63において図17の画面部分の下に続く画面部分図。
【図20】図2のS64においてWeb訪問客のPCに表示される画面図。
【図21】図2のS65においてWeb訪問客のPCに表示される画面図。
【図22】図2のS66においてWeb訪問客のPCに表示される先頭部分の画面図。
【図23】図2のS66において図21の画面部分の下に続く画面部分図。
【図24】3軸アクチュエータの3軸の組合せ及びその数について説明図。
【図25】Web販売方法のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1において、インターネット11は、多数のPC12と共に製品販売サーバ18が接続されており、それらPC12及び製品販売サーバ18はインターネット11を介してデータを授受自在となっている。各Web訪問客13は、自分のPC12から製品販売サーバ18へアクセスして、製品販売サーバ18から購入希望の製品についての情報を入手したり、製品を購入することができるようになっている。
【0035】
製品販売サーバ18は、販売製品及びその部品に関する情報(例:サイズ、データ、タイプ及び重量等)を網羅したデータベース19を装備する。Web販売システムは、製品販売サーバ18にプログラムとして実装され、入力画面提示手段20、絞り込み手段21、演算手段22、組合せ提示手段23及び販売手続手段24を備える。
【0036】
図2において、Web販売システムにおける製品販売は次の手順で順番に行われる。
S40:選択方法選定
S41:アプリケーション選定
S42:軸構成選定
S43:メカステップ1選定
S44:アクチュエータ選定
S45:メカステップ2選定
S46:メカステップ2.5選定
S47:メカステップ3選定
【0037】
S47の後、S60又はS61へ進んでもよいし、Web訪問客13の指示によっては、直ちにS70へ進むこともできる。
S60:システム構成選定。該システム構成選定はRS,LX(KU)の単体選定になる。RS,LX,KUは販売者がアクチュエータに対してタイプ別に付けた名前であり、KUはLXの別名である。なお、1軸が1つのアクチュエータから構成されるので、3軸アクチュエータは3つのアクチュエータから構成されることになる。その場合、1軸相当の各アクチュエータは製品としての3軸アクチュエータの部品になる。
S61:システム構成選定。該システム構成選定は、RS,LX(KU)の複合選定になる。
S62:モータ選定
S63:SKU(型番)レベルでの表示。この例では、販売者の製品の型番はSKU+数字となっている。
【0038】
S63の後は、Web訪問客13の希望によってS70へ進むこともできるし、S64へ進むこともできる。
S64:コントローラ選定
S65:コントローラ一覧表示
S66:システム構成図表示、メカ・制御、SKU表示
【0039】
S70:eCatalog(電子カタログ)カート
【0040】
図3〜図22は、Web訪問客13が製品販売サーバ18のWeb販売システムにアクセスして製品を購入するときに、自分のPC12のディスプレイに順番に表示される画面である。
【0041】
図3のS40の対応画面では、Web訪問客13は購入製品を“アプリケーションから選択する”か“軸構成から選択する”かのどちらかを選択する。
【0042】
図4のS41の対応画面は、Web訪問客13がS40において“購入製品をアプリケーションから選択する”を選択したときに表示される画面である。ここでアプリケーションとは、製品の普通名称(例:ディスペンサ、溶接ヘッド、ナットランナー、・・・)として使用している。該画面では、Web訪問客13の選択の便宜に供するため、複数の製品はグループ分けされて、各製品は、それが属するグループごとにまとめられて、表示されている。
【0043】
図5のS42の対応画面は、Web訪問客13がS40において“軸構成から選択する”を選択すると、又は図4のS41の画面において所定の製品を選択すると、その次に表示される画面である。該画面において左端の縦一列は、アクチュエータの仕様項目になっており、Web訪問客13は、各仕様項目に対して横一列に並んでいる選択肢から1つを選択する。
【0044】
なお、図5以降、図10までは、絞り込み手段21がWeb入力画面としてWeb訪問客13のPC12に提示するものとなっている。Web訪問客13による設計仕様の入力には、各数値の入力、数値の選択、種別の選択が含まれる。図5の画面では、Web訪問客13は、軸構成に関して“1軸”、“2軸”又は“3軸”を選定することができるようになっている。“1軸”、“2軸”及び“3軸”はそれぞれ1軸アクチュエータ、2軸アクチュエータ及び3軸アクチュエータを意味する。以降、Web訪問客13が3軸アクチュエータを選定したことを想定して、実施例について説明する。
【0045】
製品としてのアクチュエータは、例えば実用新案登録第3138342号に開示されているボールねじ一体型直動案内軸受が該当する。モータによりボールねじのねじ軸を回転させると、スライダが軸方向に移動するものとなっている。
【0046】
なお、図5等において、3軸アクチュエータの1軸目、2軸目、3軸目とは相互に直角なx−y−z座標系のx軸、y軸及びz軸をそれぞれ意味するものとし、該3軸アクチュエータでは、x軸はx軸の延び方向へy軸を変位自在に支持し、y軸はy軸の延び方向へz軸を変位自在に支持しているものとする。
【0047】
図6及び図7はS43の対応画面であり、Web訪問客13は、該画面において3軸アクチュエータの使用条件について設計仕様を入力することになっている。図7の速度線図のイメージは、Web訪問客13が図6のパターン1,2,3,4における“速度”、“ストローク”、“加速時間”、“減速時間”及び“停止時間”の各仕様項目に設計仕様を入力する時に、それらの定義を視覚的に分からせるために表示するものである。ワークとは、3軸アクチュエータを使って加工する対象品である。
【0048】
図8のS44の対応画面では、Web訪問客13は仕様項目としてアクチュエータにおけるモータの有無やアクチュエータのタイプを選択する。モータの有無に応じて、いずれかの破線枠内(モータ無しタイプの場合は上の破線枠内、モータ有りタイプの場合は下の破線枠内)が表示される。なお、モータの有無やモータの選定は、特に電気の専門知識を必要とせず、機械設計者の一般常識の範囲内である。
【0049】
図9及び図10のS45の対応画面では、Web訪問客13は仕様項目として軸の選定条件を入力する。
【0050】
図11のS46の対応画面は組合せ提示手段23がWeb訪問客13に対して提示する画面である。該画面には、3個の機械部品としての3軸についての組合せが表示されているとともに、各軸のサブ機械部品であるレール、ボールねじ及びベアリングについて安全係数及び走行寿命が表示されている。該画面における3軸についての組合せは、絞り込み手段21が、Web訪問客13が図10までのWeb入力画面に入力した設計仕様に基づいて所定の絞り込み方式で絞り込んだものである。安全係数及び走行寿命は、演算手段22が、Web訪問客13が図10までのWeb入力画面に入力した設計仕様に基づいて所定の演算式により演算したものであり、Web訪問客13がどの組合せの3軸アクチュエータを購入すべきかを決めるときの購入指標となる。該画面において、各組合せにおける軸は名称としての型番(部品名)により識別されている。購入指標の他に、各組合せの値段もWeb訪問客13適宜、提示することができる。
【0051】
演算手段22は、Web訪問客13の購入指標としての安全係数及び走行寿命を、全部の組合せについて演算するのではなく、絞り込み手段21が絞り込んだ組合せのみについて購入指標を所定の演算式により演算することができる。さらに、絞り込み手段21は、その中間絞り込み段階で適当に絞り込んだ組合せの情報を絞り込み手段21へ付与するとともに、それら組合せについて演算手段22が演算した購入指標を演算手段22から返して貰い、返された購入指標の情報に基づいて組合せについてさらなる絞り込みを行い、組合せを最終的に絞り込むようになっていてもよい。なお、中間絞り込み段階は、1つに限定されず、複数とし、すなわち、絞り込み手段21と演算手段22とが複数の中間絞り込み段階で情報を適宜やり取り合って、絞り込み手段21が最終的に絞り込んだ組合せを出力するようにした絞り込み方式を採用することもできる。また、演算手段22が中間絞り込み段階において絞り込み手段21に出力する演算値は、中間演算値としたり、組合せ提示手段23へ最終的に出力する購入指標とは別の指標とすることもできる。
【0052】
安全係数とは、耐荷重/許容荷重と定義する。耐荷重とは、3軸アクチュエータが設計上、損傷することなく、耐えることができる最大荷重であり、許容荷重は、Web訪問客13が入力した設計仕様から3軸アクチュエータに実際にかかる荷重として計算した荷重に所定量を加算したものである。安全係数は、3軸アクチュエータの販売者の営業又は技術上の経験を加味した演算式を用いて各組合せの各部品のデータ及びWeb訪問客13から入力設計仕様に基づき演算される。
【0053】
販売者の営業又は技術上の経験とは、販売者が営業又は技術上の経験を通して習得した知識や知見のことであり、販売者が、他社に公開したものだけでなく、秘匿しているもの(例:営業上又は技術上のノーハウ)を含むものとする。販売者の秘匿状態の営業又は技術上の経験を織り込んだ絞り込み方式や指標演算を採用すれば、競業者の類似のWebサイトに対して差別化したり、独創性を高めたりすることができ、Web訪問客13に対して有益な組合せ情報を提供することができるようになる。
【0054】
安全係数や該走行寿命についての演算式への3軸アクチュエータの販売者の営業又は技術上の経験は、具体的には該演算式へ所定の項の追加、又は所定の係数の値の選択により加味する。
【0055】
Web訪問客13は、図6の画面等において3軸アクチュエータの使用条件(例:ワークの重量や寸法)を入力するが、絞り込み手段21が絞り込む組合せは、該使用条件を満足する必要がある。該使用条件を満足する3軸の組合せであるか否かは、各軸のデータに基づき3軸アクチュエータの動作量(変位量)等を計算し、それが使用条件を満足しているか否かを調べることにより判定される。
【0056】
3軸の動作量は、最初にワークに対する3軸目(z軸)の動作量を計算し、次に、その計算結果を組み込んで2軸目(y軸)の動作量を計算し、次に、その計算結果を組み込んで1軸目(x軸)の動作量を計算する。最終的な1軸目(x軸)の動作量には、x軸、y軸,z軸の全部の動作量が計算されており、これらが該使用条件を満足するかを調べることになる。
【0057】
Web訪問客13は、図11の画面において所望の組合せを選択するようになっている。その際、Web訪問客13は、各組合せの指標(例:安全係数及び走行寿命)を参照して、自分が所望する組合せはどれであるかを判断する。図11の画面は組合せ提示手段23によりWeb訪問客13に提示される。
【0058】
図12のS47の対応画面では、Web訪問客13は、図11の画面から選択した組合せに対し、各軸の追加工をテキスト入力する。図12の画面において、Web訪問客13が“次へ”のボタンをクリックすると、S60(図13)又はS61(図14)へ進み、“カート追加”のボタンをクリックすると、S70へ進む。
【0059】
S70に対応する具体的な画面は図示していないが、該画面は販売手続手段24により生成されてWeb訪問客13に提示されるものである。Web訪問客13は、該画面において購入の意思表示、購入代金の支払い方式、購入製品の搬送先及び搬送日等を入力する。
【0060】
図13のS60の対応画面はアクチュエータの軸が単体構成である場合に画面であり、図14のS61の対応画面はアクチュエータの軸が複合構成である場合に画面である。なお、図13(S60)、図14(S61)、図17(S62)の画面は絞り込み手段21がWeb訪問客13に対して提示するWeb入力画面である。このように、絞り込み手段21は、複数の段階において対応のWeb入力画面をWeb訪問客13に適宜、提示する。また、絞り込み手段21の各段階に対応して、絞り込み手段21も複数段階で適宜、絞り込みを実施し、演算手段22も複数段階で適宜、指標を演算し、組合せ提示手段23も、複数段階で適宜組合せを提示する。
【0061】
単体構成(図13)とは、アクチュエータの3軸がすべて同一種であることを意味し、複合構成(図14)とは、アクチュエータの3軸が複数種から成ることを意味する。前述の図11の画面において軸の型番のLX,KUは種類を表している。図13及び図14の制御システムの選定の欄における矩形ブロックが空白となっているが、実際には、図15及び図16に例示する各画像が表示される。
【0062】
Web訪問客13は、図13又は図14の画面において、希望の制御システム、メーカ、対応可能な制御、コントローラとサーボアンプと間の接続方式を選定する。Web訪問客13は、コントローラとモータとで同一のメーカを選択したり、別々のメーカを選定したりすることができる。“コントローラ⇔サーボアンプの接続”の欄は、ACサーボを使用するときのみ表示され、そのときのみ選定が可能になる。該選定におけるSTEP1(図13及び図14)では、Web訪問客13は、モーションネットワークと汎用インターフェースとの2つから1つを選定し、STEP2(図13及び図14)では、(a)MECHATROLINK−II、MECHATROLINK−III、SSCNETIII、EtherCAT、MVLINK、CANopenか、(b)パルス列、アナログかを選定する。
【0063】
図13及び図14の選定画面は、Web訪問客13の情報提供希望製品又は購入希望製品が3軸アクチュエータである場合には、制御システムの選定に加えて、さらに、対応可能な制御やコントローラ⇔サーボアンプの接続が選定されなければ、製品として成立し得ないものが生じるという知見に基づきWeb訪問客13に対して選定(選定するものの入力)を要求するものである。該選定の要求は、具体的には、入力画面提示手段20がWeb訪問客13に提示するWeb入力画面により行われ、Web訪問客13は該Web入力画面に選定を入力する。
【0064】
制御システムには、アクチュエータの駆動源としてACサーボモータ、ステッピングモータ及びRSがある。ACサーボモータの場合には、対応可能な制御と、制御やコントローラ⇔サーボアンプの接続とについての選定が加わる。ステッピンクモータの場合には、対応可能な制御について選定が加わる。RSの場合には、対応可能な制御と、制御やコントローラ⇔サーボアンプの接続との両方共に選定が不要である。
【0065】
制御システムがACサーボモータを使用する場合にWeb訪問客13のPC12に表示される選択肢についての図15では、制御システムについての選択肢が3つ例示されている。該制御システムの場合、3軸アクチュエータはACサーボモータにより駆動される。サーボアンプは、3軸アクチュエータの駆動方式で駆動させる駆動信号をコントローラからの制御信号から生成して3軸アクチュエータへ出力する駆動部として機能し、駆動部としてのサーボアンプは、単に、コントローラからのアナログ制御信号を増幅しているだけである。図15の一番下に記載されている選択肢では、PC(パソコン)がコントローラの役目を果たしている。3つの選択肢は、Web訪問客13が制御システムにおけるコントローラ種別を選定するものとなっている。
【0066】
制御システムがステッピングモータを使用する場合にWeb訪問客13のPC12に表示される選択肢についての図16では、制御システムについての選択肢が3つ例示されている。該制御システムの場合、3軸アクチュエータはステッピングモータにより駆動される。ドライバ、位置決め機能内蔵ドライバ、及びCC−Link対応ドライバは、3軸アクチュエータの駆動方式で駆動させる駆動信号を制御信号から生成して3軸アクチュエータへ出力する駆動部として機能し、ドライバは、コントローラからパルス列の制御信号を入力され、位置決め機能内蔵ドライバはコントローラのI/Oポートへ接続され、CC−Link対応ドライバはコントローラへCC−Linkにより接続されている。3つの選択肢は、Web訪問客13が制御システムにおけるコントローラと駆動部との間の接続方式の種別を選定するものとなっている。
【0067】
図17のS62の対応画面は、Web訪問客13が図13又は図14の“モータ”をクリックすると、PC12に表示されるものであり、Web訪問客13は、該画面において制御システムで使用するモータのメーカを選定する。図17の画面では、選定されたメーカで、Web訪問客13がすでに入力している仕様をクリアする1以上のモータについて、その型番と共にフランジサイズ等の諸元が表示される。
【0068】
図18及び図19のS63の対応画面は、Web訪問客13の入力(入力には選定を含む)により絞り込まれた部品組合せから構成される3軸アクチュエータについての各種情報が表示される。画像貼り込み位置には、軸構成及びシステム構成図の画像が表示される。Web訪問客13は、該画面の3軸アクチュエータを表示するときには、“カート追加”(図19)のボタンをクリックする。クリックした場合には、S70へ移行する。
【0069】
図20のS64の対応画面は、Web訪問客13が図19の“次へ”をクリックしたときに、PC12に表示されるものであり、コントローラの一覧が表示される。図20及び次の図21の画面は絞り込み手段21がWeb訪問客13に提示するWeb入力画面である。コントローラに関する選定項目として、メーカの他に、位置決めモーションユニット、CPUユニット、電源ユニット、及び通信ユニットの選定がある。
【0070】
図21のS65の対応画面は、Web訪問客13が図20の“次へ”をクリックしたときに、PC12に表示されるものである。該画面の例示は、Web訪問客13は、図20の画面の通信ユニットの選定において“情報系インターフェースを選定”を選定したことを想定している。Web訪問客13は図21の画面において希望の通信方式を選定する。
【0071】
図22及び図23のS66の対応画面は、図18及び図19のS63の対応画面とは、末尾(図19)の“戻る”、“次へ”及び“印刷画面表示”のボタンが除去されている以外は同一である。該画面は、販売手続手段24が、購入手続きの一過程においてWeb訪問客13に購入商品を確認させる画面でもある。Web訪問客13が、図23の“カート追加”のボタンをクリックすると、S70へ移行する。
【0072】
図24を参照して、3軸アクチュエータの3軸の組合せ数について説明しつつ、絞り込み手段21により実施される絞り込み方式について説明する。一例として、3つの軸がすべてLX型である組合せについて説明する。図24において小亀、中亀及び親亀とはそれぞれz軸、y軸及びx軸を意味する。該3軸アクチュエータでは、前述したように、x軸(親亀。前述の1軸目。)がベースに固定され、y軸(中亀。前述の2軸目。)はx軸に対して相対移動自在にx軸に組付けられ、z軸(小亀。前述の3軸目。)はy軸に対して相対移動自在にy軸に組付けられている。
【0073】
軸は、サイズの小さい方からLX15,LX20,LX26,LX30,LX45となっている。絞り込み手段21の絞り込み方式で抽出する組合せは、(a1)支持側の軸サイズが被支持側の軸サイズ以上である組合せに限定する。限定(a1)は3軸アクチュエータの販売者の営業又は技術上の経験に基づいている。この販売者が販売する3軸アクチュエータでは、限定(a1)による可能な組合せは番号1から28までの28通り存在する。なお、後述するように、さらに、カバーの有無、リードの相異、又はブロックの相異に基づきさらに細かく区分けすると、可能な組合せ数は増大する。
【0074】
図24の横に記載されている項目“カバー”、“リード”、“ブロック”は、各組合せにおける小亀、中亀及び親亀に対し、“カバー”、“リード”、“ブロック”についての種類数が示されている。カバーとは、ごみが軸の内部へ進入しないように、軸を覆う部材のことである。リードとは、ボールが1回転するのに伴い変化する軸方向位置量である。図24では、すべての軸はカバー有りにしており、カバー有りとカバー無しの軸の混在はこの例では排除されている。
【0075】
例えば、5番(No.5)では、小亀(LX15)、中亀(LX20)及び親亀(LX26)は、カバー有りとしてそれぞれ1種類しかない。リードについては、小亀(LX15)については1種類しかないが、中亀(LX20)及び親亀(LX26)についてはそれぞれ2種類存在する。ブロックについても、小亀(LX15)については1種類しかないが、中亀(LX20)及び親亀(LX26)についてはそれぞれ2種類存在する。
【0076】
したがって、5番の組合せ数は、1×1×1×1×2×2×1×2×2=16となる。該16は5番の行の右端の合計の欄に記入されている。こうして、カバー有りの組合せの合計数は、図24の右端の数字1,4,4,16,16,32,・・・,512,512の合計として右端の列の一番下に記載されている4441となる。したがって、カバー無しの組合せを含めると、該販売者の3軸アクチュエータの軸の組合せは4441×2の8882とおりとなる。
【0077】
すなわち、絞り込み手段21は、限定(a1)により組合せを絞り込むと説明したが、限定(a1)だけではまだ絞り込みが不十分となる。絞り込み手段21による絞り込み方式を具体的に説明する。この絞り込み方式のアルゴリズムは、3軸アクチュエータの販売者の営業又は技術上の経験に基づき本発明者が案出したものである。
【0078】
説明の便宜上、小亀、中亀、親亀のそれぞれについて小さい方から順番にランク(等級)1,2,3,・・・を付ける。例えば、図24において、LX15,LX20,LX26,LX30,LX45のランクはそれぞれ1,2,3,4,5とする。また、U,V,Wをそれぞれ小亀、中亀、親亀のランクとする。
【0079】
図24の番号は、優先順をU,V,W(被支持側の軸優先)にして、ランクの昇順(サイズの小さい順)に組合せを並べたものになっている。したがって、番号が大きい組合せほど、強度が増大しており、安全係数も増大する。番号が大きくなるほど、上記条件を満たす可能性が高まる。なお、一般に、番号が大きい組合せほど、値段が上昇する。
【0080】
最初に、絞り込み手段21は、小亀のみについて、Uの昇順(小さい順)に、小亀単独の安全係数を計算し、それが所定値(例えば10)以上である条件を満たすかどうかを判定する。そして、該条件を満たす小亀が見つかりしだい、そこで、小亀単独について上記条件判定を中止する。見つかった小亀のUをU1とする。図24の組合せから、U=U1とU=U1+1の小亀のみを以降の判定対象として残し、他のランク(U<U1及びU>U1+1)の組合せは以降の判定対象から除外する。例えば、U1=2(LX20のランク)であれば、番号10〜24までの組合せが残される。
【0081】
U=U1だけでなく、U=U1+1の組合せも判定対象として残した理由は、後述するように、小亀単独の条件判定に続いて、U=U1に固定して、小亀+中亀の組合せについての条件判定、さらに、その後、小亀+中亀+親亀の組合せについての条件判定をして、組合せを絞り込んでいくが、途中で、条件を満たす組合せが0になってしまう事態が起き得るからである。U=U1+1の組合せも判定対象として残しておくことにより、それに対処することができる。
【0082】
次に、U,V(小亀+中亀)の組合せについて、U=U1に固定して、V(ただし、V≧U1。∵支持側のサイズは被支持側のサイズ以上。)の昇順に上記条件の判定を行って、最初に見つかった組合せのVをV1とする。そして、U=U1のU,Vの組合せの中から、V=V1又はV1+1の組合せのみを以降の判定対象として残す。
【0083】
U=U1+1についても、同様の処理を行う。その場合、最初に見つかった組合せのVはV2とする。そして、U=U1のU,Vの組合せの中から、V=V2又はV2+1の組合せのみを以降の判定対象として残す。
【0084】
こうして、U,V,W(小亀+中亀+親亀)の組合せまで、処理を進行させ、最終的の残ったU,V,Wの組合せが絞り込み手段21の出力となる。残数が多い場合には、番号の若い方から所定数のものに絞り込むことが好ましい。理由は、番号の若い方が値段が安く、Web訪問客13の要望にかなっているからである。
【0085】
図25のWebによる製品販売方法において、S80では、Web訪問客13に対し、該Web訪問客13が製品(例:3軸アクチュエータ)の複数の仕様項目について設計仕様を入力するWeb入力画面(例:図5〜図10)を提示する。
【0086】
S81では、設計仕様を満たす製品を構成する複数の部品(例:x軸関連部品、y軸関連部品及びz軸関連部品)の組合せを、製品の販売者の営業又は技術上の経験を加味した絞り込み方式により絞り込む。
【0087】
S82では、Web訪問客13が、絞り込まれた複数の組合せの中から所望の組合せを選択する際の指標(例:安全係数及び走行寿命)を、販売者の営業又は技術上の経験を加味した指標演算式を用いて各組合せの各部品のデータ及び設計仕様に基づき演算する。
【0088】
S83では、絞り込み方式により絞り込まれた複数の組合せと各組合せについての指標とを含むWeb画面をWeb訪問客13に提示する。
【0089】
S80,S81,S82,S83はそれぞれ図1の入力画面提示手段20、絞り込み手段21、演算手段22及び組合せ提示手段23の機能に対応した処理を実施するものである。したがって、図1の入力画面提示手段20、絞り込み手段21、演算手段22及び組合せ提示手段23について前述した具体的な機能は、そのままS80,S81,S82,S83の具体的処理として適用することができる。
【0090】
本発明を実施例について説明したが、本発明は実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々に変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0091】
11:インターネット、12:PC、13:Web訪問客、18:製品販売サーバ、19:データベース、20:入力画面提示手段、21:絞り込み手段、22:演算手段、23:組合せ提示手段、24:販売手続手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Web訪問客に対し、該Web訪問客が製品の複数の仕様項目について設計仕様を入力するWeb入力画面を提示する入力画面提示手段と、
前記設計仕様を満たす前記製品を構成する複数の部品の組合せを、前記製品の販売者の営業又は技術上の経験を加味した絞り込み方式により絞り込む絞り込み手段と、
前記Web訪問客が、絞り込まれた複数の組合せの中から所望の組合せを選択する際の指標を、前記販売者の営業又は技術上の経験を加味した指標演算式を用いて各組合せの各部品のデータ及び前記設計仕様に基づき演算する演算手段と、
前記絞り込み方式により絞り込まれた複数の組合せと各組合せについての前記指標とを含むWeb画面を前記Web訪問客に提示する提示する組合せ提示手段と、
を備えることを特徴とする製品情報提供システム。
【請求項2】
請求項1記載の製品情報提供システムにおいて、
前記組合せは1以上の機械系部品と該機械系部品の制御に使用する1以上の電気系部品とを含む組合せであり、
前記Web入力画面が前記Web訪問客に対して入力を求める設計仕様は、製品の機械仕様に限定されていることを特徴とする製品情報提供システム。
【請求項3】
請求項2の製品情報提供システムにおいて、
前記製品は3軸アクチュエータであり、
該3軸アクチュエータは、ベースに固定されている第1軸と、軸方向が前記第1軸の軸方向に対して直角方向とされ前記第1軸の軸方向へ変位自在に前記第1軸に支持される第2軸と、軸方向が前記第1軸の軸方向と前記第2軸の軸方向の両方に対して直角方向とされ前記第2軸の軸方向へ変位自在に前記第1軸に支持される第3軸と、該第3軸の軸方向へ変位自在に前記第3軸に取付けられワークに対して作用する作用部材とを備えることを特徴とする製品情報提供システム。
【請求項4】
請求項3の製品情報提供システムにおいて、
前記絞り込み手段は、3軸組合せにおける前記第3軸のみが所定の絞り込み条件を満たすか否かを判定し、次に、3軸組合せにおける前記第2軸と前記絞り込み条件を満たした第3軸との2軸組合せのみが前記絞り込み条件を満たすか否かを判定し、次に、3軸組合せにおける前記第1軸と前記絞り込み条件を満たす2軸組合せとの3軸組合せが前記絞り込み条件を満たすか否かを判定することにより、3軸の組合せを絞り込んでいくことを特徴とする製品情報提供システム。
【請求項5】
請求項4の製品情報提供システムにおいて、
前記販売者の営業又は技術上の経験は、前記指標演算式の係数値として又は前記指標演算式における所定項の追加として加味されることを特徴とする製品情報提供システム。
【請求項6】
請求項5の製品情報提供システムにおいて、
前記3軸アクチュエータは、複数の機械系部品から構成されるアクチュエータ本体と、複数の電気系部品から構成され操作者からの指示に基づきアクチュエータ本体を制御する制御システムとを含み、
前記制御システムは、前記操作者が指示を出す指示装置と、該指示装置の出力に対応する制御信号を出力するコントローラと、前記アクチュエータ本体の駆動方式で駆動させる駆動信号を前記制御信号から生成して前記アクチュエータ本体へ出力する駆動部とを備え、
前記入力画面提示手段は、前記Web訪問客が製品の複数の仕様項目について設計仕様を入力するWeb入力画面を第1段階のWeb入力画面として前記Web訪問客に提示し、
前記絞り込み手段は、前記Web訪問客が前記第1段階のWeb入力画面に入力した設計仕様に対応した前記制御システムの種類を第1段階の絞り込みにより絞り込み、
前記入力画面提示手段は、前記第1段階の絞り込みで絞り込んだ前記制御システムの種類を前記Web訪問客に選定させる第2段階のWeb入力画面を提示し、
前記絞り込み手段は、前記Web訪問客が第2段階のWeb入力画面において選定した前記制御システムの種類に基づき部品の組合せを第2段階の絞り込みにより絞り込み、
前記演算手段は、前記第1段階及び前記第2段階の絞り込みにより絞り込んだ組合せの指標を第1段階及び前記第2段階の指標として演算することを特徴とする製品情報提供システム。
【請求項7】
請求項6の製品情報提供システムにおいて、
前記制御システムの種類には、前記アクチュエータ本体の駆動源の種類が含まれ、
前記入力画面提示手段は、前記第2段階のWeb入力画面に、前記アクチュエータ本体の駆動源の種類に応じて前記制御システムの対応可能な制御についての選定又はコントローラとサーボアンプとの接続についての選定の入力を含ませることを特徴とする製品情報提供システム。
【請求項8】
請求項4〜7のいずれか1項に記載の製品情報提供システムにおいて、
前記絞り込み手段は、優先順番を第3軸、第2軸及び第1軸の順番とし、3軸組合せについて、優先順番の高い方の軸を優先しつつ、軸サイズの昇順によりソーティングし、ソーティング後の順番に従って、第1段階として、3軸組合せにおける前記第3軸のみが所定の絞り込み条件を満たすか否かを判定し、次の第2段階として、3軸組合せにおける前記第2軸と前記絞り込み条件を満たした第3軸との2軸組合せのみが前記絞り込み条件を満たすか否かを判定し、次の第3段階として、3軸組合せにおける前記第1軸と前記絞り込み条件を満たす2軸組合せとの3軸組合せが前記絞り込み条件を満たすか否かを判定することにより、3軸の組合せを絞り込んでいき、第1及び第2段階の判定では、各段階の判定が正となる第3軸又は第2軸が見つかりしだい、判定を終了し、見つかった軸と該軸の次にサイズの大きい軸とを含む組合せのみを次の段階の絞り込み対象として残して、3軸の組合せを絞り込んでいくことを特徴とする製品情報提供システム。
【請求項9】
Web訪問客に対し、該Web訪問客が製品の複数の仕様項目について設計仕様を入力するWeb入力画面を提示する入力画面提示ステップと、
前記設計仕様を満たす前記製品を構成する複数の部品の組合せを、前記製品の販売者の営業又は技術上の経験を加味した絞り込み方式により絞り込む絞り込みステップと、
前記Web訪問客が、絞り込まれた複数の組合せの中から所望の組合せを選択する際の指標を、前記販売者の営業又は技術上の経験を加味した指標演算式を用いて各組合せの各部品のデータ及び前記設計仕様に基づき演算する演算ステップと、
前記絞り込み方式により絞り込まれた複数の組合せと各組合せについての前記指標とを含むWeb画面を前記Web訪問客に提示する提示する組合せ提示ステップと、
を備えることを特徴とする製品情報提供方法。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の製品情報提供システムの各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−113628(P2012−113628A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−263851(P2010−263851)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【特許番号】特許第4800436号(P4800436)
【特許公報発行日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(505191168)株式会社ミスミ (16)