説明

製品欠陥情報追跡装置

【課題】プラント内の各工程で欠陥が発生した場合に、プラント操業やプロセス制御、設備保全に関するノウハウを必要とすることなく、その欠陥に関連し得る有用な情報を容易に把握することができる製品欠陥情報追跡装置を提供する。
【解決手段】産業プラントの複数の工程に、追跡装置6を設ける。追跡装置6は、データ蓄積装置10、製品欠陥検出装置11、欠陥位置情報変換装置12、欠陥関連情報抽出装置13等を備える。データ蓄積装置10には、データ収集装置9によって収集されたプラントデータが蓄積される。製品欠陥検出装置11は、当該工程で発生した所定の欠陥を検出する。欠陥位置情報変換装置12は、他の工程で発生した欠陥の位置を、当該工程の製品における位置に変換する。欠陥関連情報抽出装置13は、データ蓄積装置10に蓄積されたプラントデータの中から、欠陥関連情報候補を抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鉄鋼・非鉄金属等の産業プラントにおいて用いられる製品欠陥情報追跡装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄鋼・非鉄金属等の産業プラントでは、種々のプラントデータを収集・蓄積しており、製品に欠陥が発生すると、蓄積されているプラントデータを、その欠陥の要因を分析するために活用している。
【0003】
プラントデータには、収集可能な極めて多くの項目が存在する。従来は、プラントデータの中から、欠陥要因を分析するために必要な項目を予め選別しておき、その選別した項目のプラントデータのみを収集・蓄積していた。そして、例えば、製品に欠陥が発生した場合は、蓄積されているプラントデータの中から、その欠陥の要因分析に必要な項目を更に選定し、選定した項目のプラントデータのみを出力していた。
【0004】
例えば、下記特許文献1には、鉄鋼プラントにおいて、製品が当該工程を通過した時の情報と、その製品が他の工程を通過した時の情報とを、同じ表示装置に同時に表示させるものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−107992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のものを含め、従来の装置では、上流工程や下流工程において収集するプラントデータの項目を予め選別して定義しなければならなかった。また、製品に欠陥が発生した場合等には、蓄積されているプラントデータの中から、その欠陥の要因として見込まれるものを更に選定しなければならなかった。
【0007】
このため、蓄積するデータ項目の選別や出力対象とするデータ項目の選定に、プラント操業やプロセス制御、設備保全に関するノウハウが必要になり、利用者の技量によっては、欠陥要因の分析を正しく行うことができない場合があった。また、収集・蓄積するデータ項目の不足が後から分かったり、複雑な現象に起因して欠陥が発生している場合は、収集・蓄積するデータ項目に不足が発生していること自体に気付かなかったりすることがあった。
【0008】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、プラント内の各工程で欠陥が発生した場合に、プラント操業やプロセス制御、設備保全に関するノウハウを必要とすることなく、その欠陥に関連し得る有用な情報を容易に把握することができる製品欠陥情報追跡装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る製品欠陥情報追跡装置は、産業プラントの複数の工程にそれぞれ設けられ、その工程を構成する機器とともに所定の通信網に接続された追跡装置と、を備え、追跡装置は、当該工程のプラントデータを時系列に収集するデータ収集装置と、データ収集装置によって収集されたプラントデータを蓄積するデータ蓄積装置と、データ蓄積装置に蓄積されたプラントデータに基づいて当該工程で発生した所定の欠陥を検出し、その欠陥の当該工程の製品における位置を含む製品欠陥情報を、他の追跡装置に出力する製品欠陥検出装置と、他の追跡装置から入力された製品欠陥情報に基づいて、他の工程で発生した欠陥の位置を、当該工程の製品における位置に変換する欠陥位置情報変換装置と、データ蓄積装置に蓄積されたプラントデータの中から、欠陥位置情報変換装置によって変換された欠陥の位置において所定の変化を起こしているものを、欠陥関連情報候補として抽出する欠陥関連情報抽出装置と、欠陥関連情報抽出装置によって抽出された欠陥関連情報候補に基づいて表示リストを作成し、所定の表示端末に表示させる欠陥関連情報編集装置と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係る製品欠陥情報追跡装置であれば、プラント内の各工程で欠陥が発生した場合に、プラント操業やプロセス制御、設備保全に関するノウハウを必要とすることなく、その欠陥に関連し得る有用な情報を容易に把握することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態1における製品欠陥情報追跡装置を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図面を参照して、本発明を詳細に説明する。各図において、同一又は相当する部分には、同一の符号を付している。重複する説明については、適宜簡略化或いは省略する。
【0013】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における製品欠陥情報追跡装置を示す構成図である。
本製品欠陥情報追跡装置は、所定の製品を製造するために複数の工程が備えられた産業プラント、例えば、鉄鋼・非鉄金属等の産業プラントに適用される。
【0014】
産業プラントの一工程には、プロセス計算機1、プロセスコントローラ2、駆動手段(電動機・駆動装置等)3、プロセスセンサ4、オペレータ操作端末5が備えられている。本願発明の要部を構成する追跡装置6は、所定の情報LAN7を介して、プロセス計算機1及びオペレータ操作端末5に接続されている。また、追跡装置6は、所定の制御LAN8を介して、プロセス計算機1、プロセスコントローラ2、駆動手段3、プロセスセンサ4に接続されている。
【0015】
産業プラントの他工程も、同様の構成を有している。即ち、産業プラントの各工程では、所定の通信網に接続された複数の機器を使用して、製品或いはその製品を製造するための半製品(以下においては、各工程において製造されるものをその工程の「製品」という)を製造する。そして、産業プラントを構成する工程のうち、少なくとも2つの工程に、追跡装置6が備えられている。本実施の形態では、産業プラントを構成する各工程の制御システムに、それぞれ追跡装置6が組み込まれている場合を一例として示している。
【0016】
以下においては、産業プラントの一工程について具体的な説明を行い、その工程のことを当該工程という。また、当該工程よりも上流側にある工程を上流工程、当該工程よりも下流側にある工程を下流工程という。例えば、鉄鋼プラントには、上流側から、鋳造ライン、熱間圧延ライン、酸洗冷間圧延ライン、連続焼鈍ライン、亜鉛メッキライン等の複数の工程が備えられている。酸洗冷間圧延ラインを当該工程とすれば、鋳造ラインや熱間圧延ラインが上流工程に、連続焼鈍ラインや亜鉛メッキラインが下流工程に該当する。
【0017】
追跡装置6は、産業プラントの当該工程(例えば、上記例では酸洗冷間圧延ライン)を構成する各機器から、多数の項目に及ぶプラントデータを収集し、蓄積・処理するためのものである。追跡装置6には、データ収集装置9、データ蓄積装置10、製品欠陥検出装置11、欠陥位置情報変換装置12、欠陥関連情報抽出装置13、欠陥関連情報編集装置14、表示端末15が備えられている。
【0018】
データ収集装置9は、当該工程で使用される各機器から、プラントデータを収集する機能を有している。上述したように、当該工程の各機器は、所定の通信網(本実施の形態では、情報LAN7、制御LAN8)に接続されている。データ収集装置9は、上記通信網を介して収集可能な全てのプラントデータを、時系列に収集する。
【0019】
情報LAN7は、操業及び製品製造に関する情報ネットワークである。データ収集装置9は、情報LAN7を経由して、プロセス計算機1から操業や製品に関する情報を収集する。例えば、データ収集装置9は、情報LAN7を経由して、プロセス計算機1から、製品製造指示や各機器の制御量設定、製品品質実績等を、プラントデータとしてイベント(操業イベント)毎に収集する。また、データ収集装置9は、情報LAN7を経由して、オペレータ操作端末5から操作履歴をプラントデータとして収集する。
【0020】
データ収集装置9は、制御LAN8を経由して、プロセスコントローラ2、駆動手段3、プロセスセンサ4から、プラントデータとしてリアルタイムのデータを収集する。
制御LAN8は、ノード間で共有されるデータエリアを提供するプロセス制御用ネットワークである。制御LAN8の高速データ領域は、例えば、2[ms]周期でのデータ伝送を可能とする。プロセスコントローラ2の制御出力や駆動手段3の制御データ、プロセスセンサ4の測定出力値は、制御LAN8の共有データエリアに出力される。データ収集装置9は、制御LAN8の共有データエリアのデータを、その伝送周期に合わせて全て収集する。
【0021】
データ収集装置9は、1台若しくは複数台で構成される。当該工程の規模により、収集するプラントデータの項目数や速度は異なるため、データ収集装置9は、設置環境に合わせた構成となる。
【0022】
データ蓄積装置10は、データ収集装置9によって収集されたプラントデータを蓄積する大容量データベースから構成される。データ蓄積装置10には、データ収集装置9によって収集された全てのプラントデータ、例えば、各設備の制御情報、イベント情報、操作履歴情報、アラーム情報、製品の製造指示や製品実績等の操業情報が、時系列で所定の一定期間蓄積される。データ蓄積装置10に必要な容量は、例えば、蓄積するプラントデータの項目数や収集周期、蓄積期間によって決まる。データ蓄積装置10がプラントデータを蓄積する期間は、例えば、当該工程が鉄鋼プラントの酸洗冷間圧延ラインであれば、3ヶ月から半年程度は必要になる。
その他、データ蓄積装置10には、他の装置からの要求に応じて、蓄積データを検索・提供する機能も備えられている。
【0023】
製品欠陥検出装置11は、当該工程において発生した所定の欠陥を検出する機能を有している。製品欠陥検出装置11は、データ蓄積装置10に蓄積されたプラントデータに基づいて、欠陥の検出を行う。当該工程における欠陥の定義は、追跡装置6内に予め登録されている。製品欠陥検出装置11は、データ蓄積装置10に蓄積されているプラントデータが、登録されている定義に該当する場合に、そのプラントデータを欠陥として検出する。
【0024】
例えば、当該工程が鉄鋼プラントの酸洗冷間圧延ラインであれば、製品の品質項目(板厚・板幅・温度・形状等)が目標値や公称値から逸脱したり、製品に瑕や変形が発生したりした場合に、製品欠陥検出装置11によって欠陥が検出される。例えば、製品欠陥検出装置11は、特定のイベント(コイルの巻取完了や、オペレータ操作端末5からの瑕や変形等を示す所定の情報入力)が発生すると、製造された製品の実績データを抽出し、欠陥の有無を調査する。製品欠陥検出装置11は、その調査において欠陥を検出すると、所定の製品欠陥情報を、当該工程の(追跡装置6の)欠陥位置情報変換装置12と他の工程の(追跡装置6の)欠陥位置情報変換装置12とに出力する。
【0025】
製品欠陥検出装置11が出力する製品欠陥情報には、例えば、当該工程を特定するための情報と、欠陥が発生した製品を特定するためのキー情報(例えば、コイル番号)と、欠陥の情報とが含まれる。また、上記欠陥の情報には、例えば、欠陥が発生したデータ項目と、その欠陥の当該工程の製品における位置(欠陥が発生した位置)とが含まれる。当該工程が鉄鋼プラントの酸洗冷間圧延ラインである場合、例えば、酸洗冷間圧延ラインにおいて、コイル番号0077のクラウン値が、先端からの距離が50m乃至60mの範囲で許容値から外れた旨の製品欠陥情報が、製品欠陥検出装置11から各欠陥位置情報変換装置12に対して出力される。
【0026】
欠陥位置情報変換装置12は、各製品欠陥検出装置11によって検出された欠陥の位置を、当該工程の製品における位置に変換する機能を有している。
【0027】
欠陥位置情報変換装置12には、当該工程の製品欠陥検出装置11から製品欠陥情報が入力される。その製品欠陥情報には、検出された欠陥の当該工程の製品における位置が含まれている。このため、当該工程の製品欠陥検出装置11から製品欠陥情報が入力された場合は、欠陥位置情報変換装置12による位置変換機能を使用する必要はない。かかる場合、欠陥位置情報変換装置12は、欠陥が発生した製品を特定するためのキー情報と、(当該工程の)製品欠陥検出装置11から入力された欠陥の位置の情報とを、欠陥関連情報抽出装置13に出力する。
【0028】
当該工程以外の工程に備えられた追跡装置6も、当該工程の追跡装置6と同様の構成を有している。このため、欠陥位置情報変換装置12には、他の工程に備えられた追跡装置6の製品欠陥検出装置11からも製品欠陥情報が入力される。他の工程の製品欠陥検出装置11から入力される製品欠陥情報には、検出された欠陥について、その(他の)工程の製品における位置が含まれている。このため、欠陥位置情報変換装置12は、他の工程の製品欠陥検出装置11から製品欠陥情報が入力されると、その(他の)工程で発生した欠陥の位置を、当該工程の製品における位置に変換する。
【0029】
例えば、当該工程が鉄鋼プラントの熱間圧延ラインであり、下流工程の酸洗冷間圧延ラインの追跡装置6から製品欠陥情報が入力された場合を考える。熱間圧延ラインの製品(ホットコイル)の長さが100m、その製品が下流工程である酸洗冷間圧延ラインにおいて長さ1000mの製品(コールドコイル)になり、入力された製品欠陥情報に含まれる欠陥の位置が、先端から100m〜200mであったとする。また、熱間圧延ラインでの先端は製品(ホットコイル)になるとコイルの中心部に配置され、酸洗冷間圧延ラインにおいて最後に巻き戻される。即ち、熱間圧延ラインでの先端は、酸洗冷間圧延ラインにおいて尾端になる。このため、欠陥位置情報変換装置12は、上記入力された欠陥の位置を、当該工程の製品では、尾端から10m〜20m、即ち、先端から80m〜90mと算出する。
【0030】
欠陥位置情報変換装置12は、他の工程で発生した欠陥の位置を、当該工程の製品における位置に変換すると、欠陥が発生した製品を特定するためのキー情報と、変換した欠陥の位置の情報とを、欠陥関連情報抽出装置13に出力する。
【0031】
欠陥関連情報抽出装置13は、各製品欠陥検出装置11によって検出された欠陥部分が当該工程を通過している時に、プラントデータの値に所定の変化が発生している場合に、そのプラントデータ(の値)を、欠陥関連情報候補として抽出する機能を有している。例えば、欠陥関連情報抽出装置13は、欠陥位置情報変換装置12によって変換された欠陥の位置のプラントデータと、その欠陥の位置よりも前の所定の範囲のプラントデータとを比較する。また、欠陥関連情報抽出装置13は、欠陥位置情報変換装置12によって変換された欠陥の位置のプラントデータと、その欠陥の位置よりも後の所定の範囲のプラントデータとを比較する。上記比較は、何れか一方のみを行っても良いし、双方を行っても良い。
【0032】
上記比較においては、例えば、欠陥関連情報抽出装置13は、欠陥の位置のプラントデータの最大値と最小値、及び、前後の範囲のプラントデータの最大値と最小値とを算出する。そして、欠陥関連情報抽出装置13は、欠陥の位置の最大値が前後の最大値よりも大きい場合、或いは、欠陥の位置の最小値が前後の最小値よりも小さい場合に、そのプラントデータを欠陥関連情報候補として抽出する。なお、欠陥関連情報候補の抽出は、プラントデータの平均値や分散値等の比較に基づいて行っても良い。また、これらの組み合わせに基づいて行っても良い。
【0033】
データ蓄積装置10には、データ収集装置9によって収集された全てのプラントデータが蓄積されている。欠陥関連情報抽出装置13は、データ蓄積装置10に蓄積されているプラントデータのうち、上記比較が可能な全てのデータ項目(即ち、当該工程の製品における位置と紐付けられている全てのデータ項目)について、値の変化が生じているか否かの判定を行う。例えば、データ蓄積装置10には、材料や製品の識別番号、スラブ抽出完了時刻等の時刻情報、当該工程全体の電気・水・ガスの消費量積算値等も蓄積されている。このようなデータ項目は、当該工程の製品における位置と紐付けることができない。このため、欠陥関連情報抽出装置13は、これらのデータ項目については、欠陥関連情報候補を抽出するための判定は実施しない。
【0034】
欠陥関連情報抽出装置13は、データ蓄積装置10に蓄積されているプラントデータの中から、欠陥位置情報変換装置12によって変換された欠陥の位置(本実施の形態においては、当該工程の製品欠陥検出装置11によって検出された欠陥の位置も含む)において所定の変化を起こしているものを、欠陥関連情報候補として抽出する。欠陥関連情報抽出装置13は、欠陥関連情報候補を抽出すると、その抽出した内容を欠陥関連情報編集装置14に出力する。
【0035】
欠陥関連情報編集装置14は、欠陥関連情報抽出装置13によって抽出された欠陥関連情報候補に基づいて、表示リストを作成する。そして、欠陥関連情報編集装置14は、作成した表示リストを表示端末15に表示させる。
【0036】
上記構成を有する製品欠陥情報追跡装置であれば、プラント内の各工程で欠陥が発生した場合に、プラント操業やプロセス制御、設備保全に関するノウハウを必要とすることなく、その欠陥に関連し得る有用な情報を表示端末15に表示させて、容易に把握することができるようになる。
【0037】
即ち、上記構成の追跡装置6では、情報LAN7及び制御LAN8を介して収集可能な全てのプラントデータがデータ蓄積装置10に蓄積されている。このため、蓄積するデータ項目の選別を予め行う必要がなく、従来のように、蓄積しているデータ項目に不足が発生することがない。また、追跡装置6では、欠陥関連情報抽出装置13において、データの比較が可能な全てのデータ項目について、欠陥関連情報候補を抽出するための判定が行われる。このため、各種ノウハウがなくても適切なデータの抽出を行うことができる。また、利用者の先入観や思い込み等のために、欠陥の要因となり得る重要なデータ項目が除外されてしまう恐れもない。
【0038】
本製品欠陥情報追跡装置を利用することにより、欠陥の要因を分析したり、製品を改善したりするための時間を短縮できる。また、今まででは気付かなかった要因の把握も可能となり、製品品質の向上や操業効率の向上等も期待できる。
【符号の説明】
【0039】
1 プロセス計算機
2 プロセスコントローラ
3 駆動手段
4 プロセスセンサ
5 オペレータ操作端末
6 追跡装置
7 情報LAN
8 制御LAN
9 データ収集装置
10 データ蓄積装置
11 製品欠陥検出装置
12 欠陥位置情報変換装置
13 欠陥関連情報抽出装置
14 欠陥関連情報編集装置
15 表示端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業プラントの複数の工程にそれぞれ設けられ、その工程を構成する機器とともに所定の通信網に接続された追跡装置と、
を備え、
前記追跡装置は、
当該工程のプラントデータを時系列に収集するデータ収集装置と、
前記データ収集装置によって収集されたプラントデータを蓄積するデータ蓄積装置と、
前記データ蓄積装置に蓄積されたプラントデータに基づいて当該工程で発生した所定の欠陥を検出し、その欠陥の当該工程の製品における位置を含む製品欠陥情報を、他の追跡装置に出力する製品欠陥検出装置と、
他の追跡装置から入力された製品欠陥情報に基づいて、他の工程で発生した欠陥の位置を、当該工程の製品における位置に変換する欠陥位置情報変換装置と、
前記データ蓄積装置に蓄積されたプラントデータの中から、前記欠陥位置情報変換装置によって変換された欠陥の位置において所定の変化を起こしているものを、欠陥関連情報候補として抽出する欠陥関連情報抽出装置と、
前記欠陥関連情報抽出装置によって抽出された欠陥関連情報候補に基づいて表示リストを作成し、所定の表示端末に表示させる欠陥関連情報編集装置と、
を備えた製品欠陥情報追跡装置。
【請求項2】
前記欠陥関連情報抽出装置は、当該工程の製品における位置と紐付けられて前記データ蓄積装置に蓄積されている全てのプラントデータについて、前記欠陥位置情報変換装置によって変換された欠陥の位置において所定の変化を起こしているか否かを判定する請求項1に記載の製品欠陥情報追跡装置。
【請求項3】
前記欠陥関連情報抽出装置は、前記欠陥位置情報変換装置によって変換された欠陥の位置のプラントデータと、その欠陥の位置よりも前の所定の範囲のプラントデータ及び後の所定の範囲のプラントデータの少なくとも一方とを比較して、欠陥関連情報候補を抽出する請求項1又は請求項2に記載の製品欠陥情報追跡装置。
【請求項4】
前記欠陥関連情報抽出装置は、前記データ蓄積装置に蓄積されたプラントデータの中から、前記製品欠陥検出装置によって検出された欠陥の位置において所定の変化を起こしているものも、欠陥関連情報候補として抽出する請求項1に記載の製品欠陥情報追跡装置。
【請求項5】
前記データ収集装置は、当該工程の機器から前記通信網を介して収集可能な全てのプラントデータを、時系列に収集する請求項1から請求項4の何れかに記載の製品欠陥情報追跡装置。

【図1】
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【公開番号】特開2013−114453(P2013−114453A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260108(P2011−260108)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】