製品環境影響評価システム及び製品環境影響評価方法
【課題】 環境に与える度合いを製品の性能として考え、その環境影響度を数値管理することによって、設計者であっても簡単に作成することができる製品環境影響評価システム及び製品環境影響評価方法を提供する。
【解決手段】 製品をカテゴリー毎に分類してグループ化すると共に登録する製品カテゴリー分類の登録手段と、この登録した製品カテゴリーのうち基準機種の実績を把握するための基準機種の選定/評価手段と、この選定された基準機種の製品の具体的方策を策定するための製品環境側面の登録手段と、この基準機種の環境側面に基づいて目的・目標の設定と具体的な行動計画を設定するための製品環境管理推進計画書作成手段と、設計構想/試作/量産における進捗管理報告の製品環境進捗管理報告書作成手段とからなる製品環境影響評価システム。
【解決手段】 製品をカテゴリー毎に分類してグループ化すると共に登録する製品カテゴリー分類の登録手段と、この登録した製品カテゴリーのうち基準機種の実績を把握するための基準機種の選定/評価手段と、この選定された基準機種の製品の具体的方策を策定するための製品環境側面の登録手段と、この基準機種の環境側面に基づいて目的・目標の設定と具体的な行動計画を設定するための製品環境管理推進計画書作成手段と、設計構想/試作/量産における進捗管理報告の製品環境進捗管理報告書作成手段とからなる製品環境影響評価システム。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製品環境影響評価システム及び製品環境影響評価方法に関し、詳しくは環境に与える度合いを製品の性能として考え、その環境影響度を数値管理して開発を進めていく製品環境影響評価システム及び製品環境影響評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、LCA(Life Cycle Assessment)による環境係数(地球温暖化、酸性雨、資源枯渇)の計算は個々の部品について原材料採掘、輸送、製造、使用、廃棄に至る、全てのライフステージにおける使用エネルギー、様々な排出物、使用原料などの総和を計算して算出している。例えば、板金のプレス品を評価した場合は、鉄鉱石の採掘、輸送、プレス材料製造、輸送、製品製造、輸送、製品使用、廃棄となり、これら全ての工程で使用するエネルギーやそこから発生する廃棄物を計算する。
【0003】このようにLCAは、製品に対する原料の採取から破棄までの全てのサイクルにわたって使用されるエネルギーと環境との排出物を明確化、定量化することによって、客観的に環境への影響を評価する手法である。評価の対象は原材料の採取と加工、製造、輸送、使用/再使用/保守、リサイクル、及び最終処理を含んだ製品、工程、或いは活動の全ライフサイクルを含んだものである。LCAの構成要素は、インベントリー、影響分析、改善分析からなり、それぞれが相互に関連している。
【0004】インベントリーは、製品、工程、又はこれらに関連した活動を通じて使用されるエネルギーと原材料と大気放出物、水系への排出物、固形廃棄物等の環境への排出物を定量化したデータベースから成り立っている。
【0005】影響分析は、インベントリーによって明確になった環境負荷の影響を特定して評価する技術的、定量的で且つ定性的な手順により分析するものである。この評価は、人の健康は勿論のこと生態学的に生息地の変化や騒音公害のような影響も扱わなければならない。
【0006】改善分析は、製品、工程又はこれらに関連した活動の全ライフサイクルを通じたエネルギーと原材料の使用及び環境への排出等環境負荷を体系的に評価する手順により分析するものである。この分析には製品設計の変更、原材料の使用、製造工程、消費者による使用、及び廃棄物管理について、定量的且つ定性的な改善評価を含むものである。
【0007】このような構成要素からなるLCAにおいて、評価手法が一番進んでいるライフサイクルインベントリーについて説明する。ライフサイクルインベントリーは、図21に示すように、製品又は工程の全ライフサイクルを通じて資源とエネルギーの使用及び環境への排出物を定量化して評価するものであり、エネルギー及び原材料が投入されると、ライフサイクルインベントリーにおいて原材料採取から廃棄物管理まで行い、大気放出物、水系への排出物、固形排出物、その他の環境排出物、使用可能製品が算出される。以下、時系列的に表した具体例を示す。
【0008】先ず、原材料とエネルギーが投入されると原材料の採取が行われる(ステップST10)。この原材料の採取は、採取に必要な全ての活動に始まり、原材料を精製、製造する段階のことである。
【0009】次に、製造、加工、組立、調整が行われ、供給される材料や原料を最終製品に転換する(ステップST11)。
【0010】次に、流通と輸送が行われる(ステップST12)。輸送は異なった場所で作業されている工程間の材料やエネルギーの移動のことであり、ライフサイクルのあらゆる段階で起こりうるものである。流通は製造された製品が最終製造業者から最終のエンドユーザー間で移動することである。
【0011】次に、使用/再使用/保守がなされる(ステップST13)。この使用/再使用/保守は、製品の流通の後で始まり、これらの製品や材料が廃棄されて廃棄物管理システムに入った時点で終了する。
【0012】リサイクルは、廃棄物管理システムから有効な材料を取り出して製造/工程の段階に引き渡すまでに必要な全ての活動を含んでいる。
【0013】廃棄物管理において、廃棄物の流れはライフサイクルの各局面で作り出される。ここで、廃棄物は環境構成要素である大気、水、土地に排出される物質であり、廃棄物管理システムは環境に排出される前に取り扱う処理体系である。
【0014】このように、LCAは製品設計アセスメントも包含したより包括的な評価手法であり、更に今後インベントリーの構成要素として、生態学的影響、場所の選択、生息地の変化、地域社会との関係、社会の理解、良好な管理の実践、従業員の安全衛生、社会の健全性と事故リスク等が含まれてくると良り包括的な評価手法となる。ところで、このLCAにおける問題点は、原材料の採取から廃棄物の管理までの全ての工程を一企業でまかなうにはあまりにも膨大な人、金、時間がかかることである。データの収集信頼性、公平性、機密性を保つために、業界を越えた協力が必要で国家主導によるデータの入手、管理が必要である。いずれにしても、LCAは製品、工程、又はこれらに関連した活動により引き起こされる環境負荷の削減を促進する協力なツールとなる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来技術で説明したように、LCAに基づく環境係数の計算において、全ての部品について合計した数字を算出するとなると、設計者がその計算をしようと思っても、各々の工程で計算されたデータベースが必要で、加工方法や使い方など多種多様で作業が膨大になるという問題が存在する。
【0016】又、計算値を得ようとした場合、それらを計算できる専門部署に依頼するか、又は、自分で時間をかけて計算手法を習得する必要があり、それでも時間と手間暇が多く必要であり、設計途中で製品にフィードバックをかけようと思っても現実的にできない状況であるという問題もある。
【0017】更に、従来の手法では設計開発プロセスの中に評価システムを取り込んでその数値を進捗管理しながら製品開発をすることは膨大な工数と時間をかける事になり、現実的な評価システムとして成立できないという問題がある。
【0018】従って、LCAによる環境係数の計算において、簡単な計算手法により環境に与える評価ができるシステム及び手法に解決しなければならない課題を有する。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明に係る製品環境影響評価システム及び製品環境影響評価方法は、次に示す構成にすることである。
【0020】(1)製品をカテゴリー毎に分類してグループ化すると共に所定の様式に基づいて登録する製品カテゴリー分類登録手段と、該登録した製品カテゴリーのうち基準機種の実績を把握するために該基準機種を選定評価する選定評価手段と、該選定評価された基準機種の製品を製品環境側面の項目と環境影響の項目とに基づいて具体的方策を策定する製品環境側面一覧表を作成する手段と、該製品環境側面一覧表に基づいて目的・目標の設定と具体的な行動計画を設定するための製品環境管理推進計画書を作成する手段と、設計構想/試作/量産の進捗管理を報告する製品環境進捗管理報告書を作成する手段とからなる製品環境影響評価システム。
(2)前記製品環境側面一覧表、前記製品環境管理推進計画書、前記製品環境進捗管理報告書の順に繰り返し作成することによって、次期代表機種を選定すること及び又は次期製品開発を計画する手段とを備えたことを特徴とする(1)に記載の製品環境影響評価システム。
(3)前記環境影響の項目は、地球温暖化、酸性雨、大気汚染、土壌汚染、水質汚濁、オゾン層破壊、人の健康、アメニティ、産業廃棄物能力逼迫からなることを特徴とする(1)に記載の製品環境影響評価システム。
【0021】(4)少なくとも、機種名、本体重量、梱包体積、消費電力、待機電力、SST、使用時間、待機時間、寿命年数からなる製品基礎情報を入力し、製品をブロック別に分類して材料や部品の重量、面積、個数からなる製品材料情報を入力し、所定のリストから該当ユニットを選択した重量からなるユニット情報を入力し、前記製品材料情報とユニット情報に基づいて、集計結果を生成して出力し、該集計結果の合計値を低減させることが可能なブロック、ユニット、仕様を検討して環境配慮項目を具体的に決定するようにしたことを特徴とする製品環境影響評価方法。
(5)前記集計結果は、ライフステージ別の温暖化係数及びその順位、酸性雨係数及びその順位、製品の温暖化係数及びその順位、酸性雨係数及びその順位、資源枯渇係数を集計して表示すると共に、元素別資源枯渇係数を表示するようにしたことを特徴とする(4)に記載の製品環境影響評価方法。
(6)前記温暖化係数、酸性雨係数、資源枯渇は、LCA手法により算出することを特徴とする(4)に記載の製品環境影響評価方法。
(7)前記部品の重量、面積、個数の入力は、材料分類を指定して行うことを特徴とする(4)に記載の製品環境影響評価方法。
(8)前記部品の入力は、ブロック、ユニットに分類して部品事情に合わせた状態にしてから行うことを特徴とする(4)に記載の製品環境影響評価方法。
(9)前記温暖化係数、酸性雨係数の計算結果、及び合計値、ブロック別数値、順位を対比できるようにして表示することを特徴とする(4)に記載の製品環境影響評価方法。
(1)前記資源枯渇係数の計算結果は、合計値、ブロック別数値、元素別数値別に表示することを特徴とする(4)に記載の製品環境影響評価方法。
【0022】このように、設計者が自分で部品情報を入力することによって、誰でも簡単に各環境係数を求めることができるので、自分が欲しい時に各環境係数を即時に求めることが可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る製品環境影響評価システム及び製品環境影響評価方法の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0024】本願発明に係る製品環境影響評価システムは、製品を開発、設計する上で様々な設定項目(部品、材料、手段、構造、性能等)が製品全体としてどの程度環境に影響を与える事になるかを適時・定量的に把握する事によって、最初に決めた目標値に対して大きくずれなく製品を完成することを可能にしたことが大きな特徴となっている。
【0025】そのためには、先ず、製品に係わる環境側面を明確にし、製品環境負荷改善の道筋を明確にする必要があり、カンパニー(企業)が企画ないし設計を行う製品について、その環境負荷低減活動の内容が共通に括られる製品群を製品環境側面から分類する環境製品カテゴリーを生成して製品環境影響評価を作成する必要がある。製品環境側面は、製品のライフサイクル(製造・流通・使用・廃棄)にわたり環境に影響を及ぼす全ての側面をいう。製品環境影響評価とは、製品のライフサイクル(製造・流通・使用・廃棄)にわたる全ての環境側面と環境影響の内容を明らかにすることである。
【0026】この製品環境影響評価は、製品環境評価規定(EAー10)として規定されており、それは、図1に示すように、先ず、製品環境側面からの分析を行う。この製品環境側面からの分析は、製品を取り巻く環境側面を分析し確認する環境側面と環境負荷及び業務の関わりを明確にするための確認事項と製品環境負荷改善活動との切り分けを行って分析する。この点については後に順次詳細に述べる。
【0027】確認事項は、違法の確認、有害物質不使用の確認、資源の有効利用の確認を行う。又、この確認事項には製品環境法規制標準(EBー0301)から製品アセスメントの判定結果報告書を確認し、量産開始後の製品環境進捗管理報告書にその写しを添付するようになっている。
【0028】製品環境負荷改善活動は、製品環境負荷改善標準(EBー1001)として規定されており、その内容は、■基準機種の登録と製品環境負荷の分析、■カテゴリーの目的・目標の設定と代表機種の選定、■製品環境管理推進計画の策定、■代表機種の製品環境負荷分析、■設計に製品環境負荷改善を盛り込む、■進捗管理と検証・是正・計画の見直しと次期モデルへの反映からなる。この製品環境負荷改善標準については、後に詳細に述べる。
【0029】製品環境側面からの分析の手順は、図2に示すように、先ず、環境製品カテゴリーの登録を行う(ステップST30)。この登録は、図4に示す環境製品カテゴリー登録表に記録される。この登録表の項目はカテゴリー、基準機種名、登録する理由(しない理由)、登録の可否から構成されている。改善対象とするカテゴリー及び基準機種を登録することにより、カンパニー環境責任者の指示により、設計責任者又はその指示を受けた担当者が環境側面の構成が同等として扱える製品群にまとめて環境製品カテゴリーとして登録することができる。この環境製品カテゴリーに分類するための条件は、分類適用条件と分類除外条件とがある。
【0030】分類適用条件は、一般消費者向け製品、業務用製品、社内振替・外販の製品/半製品、アクセサリー類の全てを対象として次の■から■の条件を判断して分類する。
【0031】■製品の機構・回路において構成が類似の製品群を同一環境カテゴリーとして分類する。
■ライフサイクルにおける主要な環境側面の構成が類似の製品群を同一環境カテゴリーとして分類する。
■製品環境負荷改善活動の内容が同一に展開できる類似の製品群を同一環境カテゴリーとして分類する。
■経営層の判断で新環境カテゴリーと判断された製品群を同一環境カテゴリーとして分類する。
■経営層の見直しにより評価対象となった製品群を同一環境カテゴリーとして分類する。
■商品企画業務で適用している商品カテゴリーをそのまま同一環境製品カテゴリーとして分類する。
【0032】分類除外条件は、当該製品群の属するカンパニーにおいて、次の■から■条件に合致するものは製品環境影響評価の対象から除外する。
【0033】■生産台数が少ない。
■後継機種の生産予定がない又は予定生産台数が少ない。
■属するカンパニーにおいて売上構成が下位の製品群である。
■部品点数が少ない製品群である。
■製品の動作において電源を必要としない製品である。
■経営層により戦略機種群として評価を行わないと指示された製品群又は、経営層により戦略機種群として評価内容の公表を行わないと指示された製品群である。
■主要機能について当該カンパニーが設計を担当していない製品群である。
【0034】図2に戻って、次に登録されたカテゴリーの環境側面を明確にするために、図5に示す製品環境側面一覧表を作成する(ステップST31)。製品環境側面一覧表の作成は、登録された環境製品カテゴリーについて作成するものであり、後述する環境側面からの分析結果を基本情報として各環境製品カテゴリーの特質を加味して作成する。
【0035】製品の環境側面からの分析は製品を時系列的に捉えて分析するものであり、図3に示すように、資源及びエネルギーとからなる入力(INPUT)側で発生する要素と、製品のライフステージと、製品の生成から消費及び廃棄物までの出力(OUTPUT)側で発生する要素との相互関係において分析するものである。
【0036】先ず、ライフステージにおいて「原材料採掘/製造」から「部品製造」に至り「製造」が開始すると、入力(INPUT)側においては、部品、副資材、包装材、部品輸送資材、電力、燃料(石油、ガス、他)、水、環境関連物質等が分析するための要素となる。出力(OUTPUT)側においては、仕損、端材、部品包装材、廃有機溶剤、熱、排ガス、排水、煤煙、騒音、振動等が分析するための要素である。
【0037】次に、ライフステージにおける製品が「流通」の段階になると、入力(INPUT)側においては運搬用燃料、輸送用資材等が分析するための要素となる。出力(OUTPUT)側においては、排ガス、廃輸送用資材等が分析するための要素である。
【0038】ライフステージにおける製品が「使用」の段階になると、入力(INPUT)側は電気エネルギー、電池、消耗品等が分析するための要素である。出力(OUTPUT)側は、使用済み電池、使用済み消耗品、熱等が分析するための要素である。
【0039】ライフステージが「廃棄」になると、入力側は運搬用燃料等が分析するための要素である。出力側は使用済み製品、排ガス、廃包装材等が分析するための要素である。
【0040】このような中で、再利用(リユース)、リサイクルできるマテリアルは、部品、ブロック、ユニット、紙類、金属、プラスチック、廃有機用材、半田等が該当する。又、リサイクルできるもののうち熱変形(サーマル)するものは、廃プラスチック、木材、紙類等である。
【0041】このようにしてライフステージの時系列的な工程における製品から発生する要素を環境側面として分析すると共に、各環境製品カテゴリーの特質を加味して製品環境側面を特定すればよい。図5は、このようにして作成された製品環境側面一覧表であり、その製品環境側面の項目は適宜追加又は削除することができるようになっている。この一覧表の具体的な作成は、製品環境側面の該当する項目である「ライフステージ」、「環境影響」、「対応」の主なものに”○”を記入し、必要な項目に漏れがないようにする。「環境影響」は地球温暖化、酸性雨、資源枯渇、大気汚染、土壌汚染、水質汚濁、オゾン層破壊、人の健康、アメニテイ(振動、騒音、悪臭等)、廃棄物処理能力逼迫とからなる。「対応」は製品環境負荷改善活動、製品アセスメント、グリーンプラスとからなる。
【0042】図2に戻って、図5に示す「対応」の欄の製品環境負荷改善活動の欄に”○”が入った項目に対しては製品環境負荷分析シートにより製品の環境負荷を数値分析し、改善項目を特定して設計の段階で製品環境負荷改善を実施する(ステップST32)。図5に示す該当する環境側面は、部品(一般材料)、副資材(一般材料)、製造エネルギー(電気/石油/ガス)、製品重量/梱包体積、使用時エネルギー/待機時エネルギー、消耗品(一般材料)等である。この点については後述する製品環境負荷改善標準の項で説明する。
【0043】又、図5に示す「対応」の欄の製品アセスメントの欄に”○”が入った項目については製品アセスメントの判定結果を確認する。例えば、違法の確認、有害物質不使用の確認、資源の有効利用等を確認する。
【0044】次に、製品環境負荷改善標準について、図6R>6〜図20を参照して説明する。製品環境負荷改善標準は、製品環境影響評価規定にて登録された環境製品カテゴリーについて、環境負荷量を定量的に把握するために製品環境負荷分析を行い、環境製品カテゴリーが持つ著しい製品環境側面を目的・目標に反映して、製品環境管理推進計画書を策定し、環境製品カテゴリー毎に共通した環境負荷改善活動を行う手続きを定めたものである。従って、この標準が適用される範囲は、製品のライフサイクルにわたる製品環境側面の内、使用資源の利用量、リサイクル、及び部品の製造に係る工程から製品の製造・流通・使用・廃棄にわたり、その環境負荷量を定量的に集計し、環境製品カテゴリー毎の推進計画に基づいて継続的に環境負荷量の削減を推進することができるところまでである。
【0045】ここで、製品環境負荷分析とは、製品のライフサイクル(製造・流通・使用・廃棄)にわたる環境負荷のうち、その大きさを数値化し評価できるものを、製品環境側面(製品の製造エネルギー・部品の構成材料・製品の使用に関わるエネルギー・製品廃棄でのエネルギー等)の環境影響の要素毎に数量で把握すると共に、この製品環境側面の要素に対応する数値に変換・集計し、環境負荷項目別の合計及びライフサイクルの各段階での環境影響量の構成を把握する為に行う分析をいう。
【0046】環境負荷項目とは、製品の環境負荷量を表す項目として使用するものであり、温暖化係数にて、その大きさを定量的に把握する。環境負荷分析においては、この温暖化係数と共に、参考値として酸性雨係数、資源枯渇係数を同時に算出して多面的に環境負荷量を分析する。
【0047】基準評価機種又は基準機種とは、環境製品カテゴリーとして基準となる環境負荷項目の大きさ(環境影響量)を把握するために、新たな製品評価を行う機種をいう。当該カテゴリーにおいて、基準機種又は前世代の代表評価機種の後継機種が存在しない場合は、新たな基準機種を選定して評価を行う。
【0048】代表評価機種又は代表機種とは、環境製品カテゴリーにおいて、環境負荷改善活動の進捗を把握する機種をいい、当該カテゴリーの環境負荷内容を代表して前世代代表評価機種との比較が可能なものを選定する。
【0049】図6は、製品環境影響評価規定において登録された環境製品カテゴリーの運用手順を示したものである。先ず、環境製品カテゴリーにおける目的・目標を設定するために、基準評価機種の選定を行う(ステップST100)。基準評価機種選定条件に従い環境製品カテゴリーの性格を代表する機種を選定し、合致する選定基準の項目を明記し、基準機種として、図8に示す製品環境側面登録表に登録する。図8に示す登録表の意味するところは、例えば、環境側面が待機電力である場合に、その温暖化係数が86.77、酸性雨係数が0.2610、具体的な対応策は3.5W〜3.0Wに減らすことである。製品環境負荷分析除外の項目に合致する環境カテゴリーは製品環境側面登録表にその理由を明記し、製品環境負荷分析を行わない。例えば、図8において、環境側面がメカデッキである場合に、実績値が温暖化係数2.677、酸性雨係数0.0661、登録しない理由として「製品のキーパーツであり、その開発はセットにリンクしていないため」と明記する。
【0050】次に、図6に戻って、基準評価機種の環境影響量を把握する(ステップST101)。選定された基準評価機種の製品環境側面の大きさを後述する「製品環境負荷分析の実施」に従い、製品環境負荷分析シート(例えば、図14〜図19参照)に記入する。製品環境側面に対応する環境影響項目の環境負荷係数を乗じ、製品のライフステージ毎、及び製品のライフサイクル全体における環境負荷項目分類別に集計すると共に、ライフステージ毎の環境影響項目を降ろすべきに順位付けする。
【0051】次に、環境製品カテゴリーの目的・目標を設定する(ステップST102)。降ろすべきに順位付けされたライフステージ毎の環境影響項目の上位より製品の環境負荷内容において最も代表する項目を一つ又は複数選定する。選定された順位に対応するライフステージを著しい製品環境側面として製品環境側面登録表(図8R>8参照)に登録する。登録された製品環境側面より上位にあるために登録を除外するものはその理由を添えて、登録除外環境側面の欄に記入する。特定された著しい製品環境側面と、目的・目標を勘案し当該環境製品カテゴリーの目的・目標を設定する。
【0052】環境製品カテゴリーの目的・目標が設定されると、次に、環境製品カテゴリーの製品環境改善計画の策定を行う。環境製品カテゴリー全体の製品にて展開する環境負荷改善計画を策定して環境製品カテゴリーの目的・目標を記載し、製品環境管理推進計画書を作成する。進捗状況は環境製品カテゴリーの代表評価機種で管理する。図9は、製品環境管理推進計画書を示したもので、目的、目標、基準値、代表機種計画における行動計画及び具体的な行動計画、中期計画とから構成されている。この中で例えば、目的は「温暖化係数を2003年迄に3%削減する」、目標は「温暖化係数を1%削減する」、環境パフォーマンス管理項目は「待機電力・消費電力」であり、具体的な行動計画は「環境側面で有意な上位項目となっているスタンバイ電力、消費電力削減を主要な設計項目として捉え、1%下げて行く事によって目標を達成する。」と記載し、中期計画には具体的に達成すべく内容が記載されている。
【0053】次に、図6に戻って、代表評価機種における環境負荷改善を推進するための代表評価機種を選定する(ステップST103)。世代毎に環境製品カテゴリー登録表(図4参照)に記入する。代表評価機種は、原則的に基準機種又は前代表機種の後継機種から選定する。
【0054】次に、代表評価機種の選定が行われたならば、その代表評価機種の環境影響量を把握する(ステップST104)。当該代表評価機種の環境影響量を把握するため製品環境側面の大きさを「製品環境負荷分析の実施」に従い、製品環境負荷分析シート(図14から図1919)に記入する。これにより、ライフステージ毎、及び製品の環境影響項目別の集計が行われ、環境影響分類別に環境影響項目のライフステージの数値が降ろすべく順に順位付けされる
【0055】次に、代表評価機種の目標を設定する(ステップST105)。代表評価機種の温暖化係数に注目して環境影響項目の全体集計値が環境製品カテゴリーの目的・目標と同等以上の数値目標を設定し、製品環境側面登録表(図8参照)に記入する。
【0056】代表評価機種の目標が設定されたならば、この代表評価機種の環境改善推進を計画する。代表評価の目標に合致するように環境影響項目の数値が上位のライフステージに対応する製品環境側面に注目し、製品の環境負荷改善の推進計画を製品環境管理推進計画書(図9R>9参照)に記載する。
【0057】次に、図6に戻って、設計構想を行う(ステップST106)。設計構想は、基準機種の環境側面の基準値と代表機種の目標値を記載した製品環境推進管理計画書に基づいて生成された製品環境進捗管理報告書を添付することにより行われる。図10〜図12は、製品環境進捗管理報告書を示したものであり、図10は製品環境進捗管理報告書の環境側面から捉えたものであり、環境側面(この場合、待機電力、消費電力)、基準機種、本年度カテゴリー、設計構想、試作、量産の項目からなる。図11は温暖化係数の進捗状況を示したもので、目標と実績とをグラフで表し視認しやすくしてある。図12は温暖化係数の実績グラフを年度別に示したものであり、実績値と年度目標値をグラフで示したものである。このような製品環境進捗管理報告書に基づいて、設計試作を行う(ステップST107)。環境製品カテゴリー全体への計画を展開する。代表評価機種で取組む環境負荷改善計画は環境製品カテゴリー全体の機種に展開し、当該カテゴリーとしての環境負荷改善に努める。
【0058】次に、図6に戻って、代表評価機種の評価をする(ステップST108)。代表評価機種の試作時点で一回以上「製品環境負荷分析の実施」に従い、製品環境負荷分析シート(図9〜図19参照)に記入する。これにより、代表評価機種における進捗管理を行うことができる。評価結果は製品環境進捗管理報告書(図10参照)に記入する。評価を行う代表機種において、その機能や付属品の付加/削除など、比較される前世代の基準機種又は前世代の代表機種との差異について前後の世代の代表機種で同内容となるように同等機能や付属品を加えるか、削除して比較しても良い。
【0059】次に、代表機種の評価による判定を行う(ステップST109)。判定は、当該代表機種の属するビジネス責任者が行い、判定結果は製品環境進捗管理報告書の判定欄の合格・不合格・条件付き合格のいずれかを選択する(図10参照)。目標に未判定の場合は■是正、又は■条件付き合格として次のイベントで達成確認の何れかを選択する。
【0060】ステップST109において、合格の場合は量産行程に入り、代表機種の実績を把握する(ステップST110、ST111)。量産オンライン後一ヶ月以内に、代表機種における環境負荷改善計画の実施を把握するため、「製品環境負荷分析の実施」に従い、製品環境負荷分析シート(図14から図19参照)に記入することで、当該代表機種の評価を行う。この結果は、評価を行った翌々月10日までにカンパニー事務局経由で事務局へ提出する。
【0061】次に、カテゴリー製品環境改善計画をレビューする(ステップST112)。環境製品カテゴリーの代表機種のうち、量産オンラインが12月末日までに一番近い代表機種の実施を環境製品カテゴリーの年度製品環境改善結果とし、当初の環境製品カテゴリーの目的・目標との比較を翌年1月末日までに行い、進捗を2月10日までに当初の環境製品カテゴリーの責任者経由でカンパニー環境責任者へ報告する。環境製品カテゴリーの年度製品環境改善結果をまとめた製品環境進捗管理報告書(図10〜図12)と翌年度の製品環境管理進捗計画書(図示せず)を翌年3月10日までにカンパニー事務局経由で事務局へ提出する。
【0062】次に、この製品環境進捗管理報告書に基づいて目的・目標の見直しを行う(ステップST113)。具体的な見直しは、次の■から■の内容に基づいて行われる。■代表機種の実績が目標に合致しない場合は、原因を分析し、次世代の代表機種で当初の環境製品カテゴリーの目的・目標を達成するよう製品環境管理推進計画書(図9参照)を策定する。■経営層の指示により環境製品カテゴリーの目的・目標が変更された場合は、これに従い製品環境推進計画の見直しを行う。■■において、当初の環境製品カテゴリーの目的・目標が妥当でないことを検証し、承認を得た場合は、目的・目標の見直しを行う。
【0063】次に、次世代の代表評価機種における環境改善を推進させる(ステップST114)。代表機種の目標及び実績結果と環境製品カテゴリーの目的・目標を比較し、必要に応じて目的・目標の見直しを行い、次世代の代表機種の目標を設定すると共に、「代表機種の評価」の手順に準拠して、次世代の製品環境改善計画を推進する。後継機種において、その機能や付属品の付加/削除など、比較される前機種との差異が生じた場合は当該機種全体の環境影響評価を行った上で、その際について前機種と同内容となるように同等機能や付属品を加えるか、削除して比較してもよい。
【0064】選定条件は、基準評価機種の選定条件と、代表機種の選定条件とがある。基準機種の選定条件は、分類された環境製品カテゴリー毎に基準機種を選定する。この選定は、販売仕向け先の違いや小さな仕様の違いは別機種と扱わず、同一シリーズとして数量等をカウントする。基準機種の選定基準は、以下の条件のいずれか、又は複数の組み合わせ条件により選定する。
■該当環境製品カテゴリーにおいて、企画台数が大きい機種。シリーズ機種においては、台数・機能でシリーズを代表するものから選定する。
■製品重量が大きい機種である。
■部品点数が多い機種である。
■製品寿命の間に使用するエネルギーが大きい機種である。例えば、同一条件の下で、消費電力が大きい機種が該当する。
■工場出荷価格が高い機種である。
■経営層の指示による。
【0065】代表機種の選定条件は、基準機種以降の評価機種選定は環境製品カテゴリー毎に代表機種を選定する。選定は、販売仕向け先の違いや小さな仕様の違いは別機種と扱わず、同一シリーズとして数量等をカウントする。代表機種の選定基準は以下の条件の何れか、又は複数の組み合わせ条件により選定する。■の選定基準に合致する機種が複数存在する場合には■以下の条件を勘案して選定する。
■基準機種、又は前代表機種の機能等を継承する後継機種である。
■当該環境製品カテゴリーにおいて、企画台数が大きい機種であり、シリーズ機種においては台数・機能でシリーズを代表するものから選定する。
■製品重量が大きい機種である。
■部品点数が多い機種である。
■製品寿命の間に使用するエネルギーが大きい機種である。例えば、同一条件の下で消費電力が大きい機種が該当する。
■工場出荷価格が高い機種である。
■経営層の指示による。
【0066】図7は製品環境負荷分析の実施のフローを示したものである。基準機種、設計構想、試作、量産における各製品環境負荷分析を実施する方法を示す。製品環境側面の数量等を製品環境負荷分析シート(1)〜(5)(図14〜図19参照)に記入することで計算が行われる。以下、図7に示す運用フローに基づいて説明する。
【0067】先ず、製品スペックを記入する(ステップST200)。製品スペックは、製品の基本的な仕様を記入する。本体の使用時間/待機時間、及び製品寿命については業界で標準値が設定されている場合はその数値を適用し、標準値が設定されていない場合はカテゴリー毎に設定するものであり、図14に示す製品環境負荷分析シート(1)に記入する。その項目は、1.カテゴリー、2.機種名、3.総重量(包装状態の重量)、4.総体積(包装状態の体積)、5.本体重量、6.消費電力(使用時)、7.待機電力(待機時)、8.本体使用時間/日及び本体使用時間/年、9.本体待機時間/日及び本体待機時間/年、10.本体寿命、11.事業所組立てSSTである。
【0068】図7に戻って、次に、部品ブロック/ユニットの区分を行う(ステップST201)。部品ブロック/ユニットは、図20に示す材料分類詳細リストを参照して、図15及び図16に示す製品環境負荷分析シート(2)に記載して行う。図15の製品環境負荷分析シート(2)は、例えば、メカ部のものであり、ライフステージが製品で、大分類は部品/Assy/ブロックであり、分類内容、材料構成分類(メカ部)、メカブロック小計とからなる。図16の製品環境負荷分析シート(2)は、例えば、電気部のものであり、ライフステージは製品、大分類は部品/Assy/ブロック、分類内容は部品名称、材料構成分類の項目、電気ブロック集計、ブロック集計(メカ/電気合計)とからなる。この分析は、製品を設計、機能単位で区分し、環境負荷に寄与する割合を結果として評価する部品区分の名称を記入する。後に環境負荷改善推進計画に記入する区分単位として使用する。部品ブロックは材料別に区分可能なASSY、単品部品を記入する。材料が1種類の場合や記入シートの材料区分に直接該当する部品はそのまま部品ブロック欄に記入する。ケーブル類などの付属品もここに記入する。ユニットは設計内部で解析不能なもの、例えば、ドラム部組、レンズ駆動ユニット等に対して、原単位(単位重量、面積、個数)で、各環境負荷を管理している。
【0069】次に、図7に戻ってブロック構成部品材料を記入する(ステップST202)。図18は例えばブロックが「フロントパネルASSY」のメカ部分の製品環境負荷分析シート(4)を示したものであり、図19は例えばブロックが「フロントパネルASSY」の電気部分の製品環境負荷分析シート(5)を示したものである。部品ブロックを構成する部品単位で材料の重量、面積、個数を入力し、部品ブロック単位で材料別の小計を出す。
【0070】次に、ユニット部品の数値を記入する(ステップST203)。図17はユニット部品の数値を記入するための製品環境負荷分析シート(3)を示したものであり、ライフステージが製品、大分類、分類内容、材料構成分類、ユニット集計とからなる。ユニットに分類された部品は、ユニット登録リストから原単位当たりの各環境負荷係数が求められている。登録されていないユニットは調査を依頼することになる。
【0071】次に、包装材料/印刷物材料の重量を記入する(ステップST204)。図17はユニット部品の数値を記入すると共に包装材料/印刷物の重量を記入する製品環境負荷分析シート(3)を示したものである。材料、輸送に使用するダンボール箱やクッション、取扱説明書などの印刷物、ポリ袋等の重量を記入する。
【0072】次に、部品ブロックの合計、材料重量、面積、個数を記入する(ステップST205)。図15及び図16はこの部品ブロックの合計を示した製品環境負荷分析シート(2)、(3)を示したものであり、部品ブロック別に小計した材料の重量、面積、個数を記入する。
【0073】次に、製品環境負荷分析集計表の結果の確認を行う(ステップST206)。図13は、製品環境負荷分析表を示したものであり、ライフステージが製造、流通、使用、廃棄毎の大分類、小分類、数量、単位、温暖化係数、順位が表示され、これら項目毎の酸性雨係数の順位付け、資源枯渇係数の順位付けが表示される。このように、環境側面別に各環境負荷係数が数値で表すことができるのである。
【0074】このようにして、評価の計算にあたり、計算ソフトウェアを利用して、温暖化係数、酸性雨係数、資源枯渇係数をLCA手法によって算出することができるため、設計者が容易に入力し、計算結果が得られる。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、設計者が自分で部品情報を入力することにより、誰でも簡単に各環境係数を求めることができるため、自分が欲しい時に各環境係数を即時に求めることが可能になる。従って、製品が完成していなくとも企画段階で想定した値を入力することによって係数を計算できるメリットがある。このことは、設計者自身が各環境係数に対して初期の目標設定、中間レビュー、最終確認を容易に行う事が可能になり、環境のトータルマネジメントを効率的に行うことができる。
【0076】又、企画/設計/試作/量産の各イベント毎に、製品の環境影響度を容易に計算し、進捗管理しながらの製品開発が可能になる。
【0077】また、LCAの専門家でなくとも、設計者が自分で容易に製品の環境影響度を計算できる。
【0078】更に、様々な環境対応項目に対して、総合的な影響度の数値管理ができるため、環境配慮ガタの商品開発が効率的に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製品環境影響評価システムの概要を示したブロック図である。
【図2】同製品環境側面の分析の手順を示したブロック図である。
【図3】同製品の環境側面を分析するための全体構成図を示した説明図である。
【図4】同環境製品カテゴリー登録表を示したものである。
【図5】同製品環境側面一覧表を示したものである。
【図6】同製品環境負荷改善標準の運用フローである。
【図7】同製品環境負荷分析の運用フローである。
【図8】同製品環境側面登録表を示したものである。
【図9】同製品環境管理推進計画書を示したものである。
【図10】同製品環境進捗管理報告書を示したものである。
【図11】同製品環境進捗管理報告書(温暖化係数グラフ)を示したものである。
【図12】同製品環境進捗管理報告書(温暖化係数年度実績)を示したものである。
【図13】同製品環境負荷分析集計表を示したものである。
【図14】同製品環境負荷分析シート(1)を示したものである。
【図15】同製品環境負荷分析シート(2)を示したものである。
【図16】同製品環境負荷分析シート(2)を示したものである。
【図17】同製品環境負荷分析シート(3)を示したものである。
【図18】同製品環境負荷分析シート(4)を示したものである。
【図19】同製品環境負荷分析シート(4)を示したものである。
【図20】同材料分類詳細リストを示したものである。
【図21】従来技術におけるライフサイクルインベントリーのブロック図である。
【符号の説明】
ST20;製品の環境側面分析、ST21;有害物質不使用の確認、ST22;製品アセスメントの判定結果報告書の確認、ST23;製品アセスメントの運用、ST24;製品環境負荷改善標準
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製品環境影響評価システム及び製品環境影響評価方法に関し、詳しくは環境に与える度合いを製品の性能として考え、その環境影響度を数値管理して開発を進めていく製品環境影響評価システム及び製品環境影響評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、LCA(Life Cycle Assessment)による環境係数(地球温暖化、酸性雨、資源枯渇)の計算は個々の部品について原材料採掘、輸送、製造、使用、廃棄に至る、全てのライフステージにおける使用エネルギー、様々な排出物、使用原料などの総和を計算して算出している。例えば、板金のプレス品を評価した場合は、鉄鉱石の採掘、輸送、プレス材料製造、輸送、製品製造、輸送、製品使用、廃棄となり、これら全ての工程で使用するエネルギーやそこから発生する廃棄物を計算する。
【0003】このようにLCAは、製品に対する原料の採取から破棄までの全てのサイクルにわたって使用されるエネルギーと環境との排出物を明確化、定量化することによって、客観的に環境への影響を評価する手法である。評価の対象は原材料の採取と加工、製造、輸送、使用/再使用/保守、リサイクル、及び最終処理を含んだ製品、工程、或いは活動の全ライフサイクルを含んだものである。LCAの構成要素は、インベントリー、影響分析、改善分析からなり、それぞれが相互に関連している。
【0004】インベントリーは、製品、工程、又はこれらに関連した活動を通じて使用されるエネルギーと原材料と大気放出物、水系への排出物、固形廃棄物等の環境への排出物を定量化したデータベースから成り立っている。
【0005】影響分析は、インベントリーによって明確になった環境負荷の影響を特定して評価する技術的、定量的で且つ定性的な手順により分析するものである。この評価は、人の健康は勿論のこと生態学的に生息地の変化や騒音公害のような影響も扱わなければならない。
【0006】改善分析は、製品、工程又はこれらに関連した活動の全ライフサイクルを通じたエネルギーと原材料の使用及び環境への排出等環境負荷を体系的に評価する手順により分析するものである。この分析には製品設計の変更、原材料の使用、製造工程、消費者による使用、及び廃棄物管理について、定量的且つ定性的な改善評価を含むものである。
【0007】このような構成要素からなるLCAにおいて、評価手法が一番進んでいるライフサイクルインベントリーについて説明する。ライフサイクルインベントリーは、図21に示すように、製品又は工程の全ライフサイクルを通じて資源とエネルギーの使用及び環境への排出物を定量化して評価するものであり、エネルギー及び原材料が投入されると、ライフサイクルインベントリーにおいて原材料採取から廃棄物管理まで行い、大気放出物、水系への排出物、固形排出物、その他の環境排出物、使用可能製品が算出される。以下、時系列的に表した具体例を示す。
【0008】先ず、原材料とエネルギーが投入されると原材料の採取が行われる(ステップST10)。この原材料の採取は、採取に必要な全ての活動に始まり、原材料を精製、製造する段階のことである。
【0009】次に、製造、加工、組立、調整が行われ、供給される材料や原料を最終製品に転換する(ステップST11)。
【0010】次に、流通と輸送が行われる(ステップST12)。輸送は異なった場所で作業されている工程間の材料やエネルギーの移動のことであり、ライフサイクルのあらゆる段階で起こりうるものである。流通は製造された製品が最終製造業者から最終のエンドユーザー間で移動することである。
【0011】次に、使用/再使用/保守がなされる(ステップST13)。この使用/再使用/保守は、製品の流通の後で始まり、これらの製品や材料が廃棄されて廃棄物管理システムに入った時点で終了する。
【0012】リサイクルは、廃棄物管理システムから有効な材料を取り出して製造/工程の段階に引き渡すまでに必要な全ての活動を含んでいる。
【0013】廃棄物管理において、廃棄物の流れはライフサイクルの各局面で作り出される。ここで、廃棄物は環境構成要素である大気、水、土地に排出される物質であり、廃棄物管理システムは環境に排出される前に取り扱う処理体系である。
【0014】このように、LCAは製品設計アセスメントも包含したより包括的な評価手法であり、更に今後インベントリーの構成要素として、生態学的影響、場所の選択、生息地の変化、地域社会との関係、社会の理解、良好な管理の実践、従業員の安全衛生、社会の健全性と事故リスク等が含まれてくると良り包括的な評価手法となる。ところで、このLCAにおける問題点は、原材料の採取から廃棄物の管理までの全ての工程を一企業でまかなうにはあまりにも膨大な人、金、時間がかかることである。データの収集信頼性、公平性、機密性を保つために、業界を越えた協力が必要で国家主導によるデータの入手、管理が必要である。いずれにしても、LCAは製品、工程、又はこれらに関連した活動により引き起こされる環境負荷の削減を促進する協力なツールとなる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来技術で説明したように、LCAに基づく環境係数の計算において、全ての部品について合計した数字を算出するとなると、設計者がその計算をしようと思っても、各々の工程で計算されたデータベースが必要で、加工方法や使い方など多種多様で作業が膨大になるという問題が存在する。
【0016】又、計算値を得ようとした場合、それらを計算できる専門部署に依頼するか、又は、自分で時間をかけて計算手法を習得する必要があり、それでも時間と手間暇が多く必要であり、設計途中で製品にフィードバックをかけようと思っても現実的にできない状況であるという問題もある。
【0017】更に、従来の手法では設計開発プロセスの中に評価システムを取り込んでその数値を進捗管理しながら製品開発をすることは膨大な工数と時間をかける事になり、現実的な評価システムとして成立できないという問題がある。
【0018】従って、LCAによる環境係数の計算において、簡単な計算手法により環境に与える評価ができるシステム及び手法に解決しなければならない課題を有する。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明に係る製品環境影響評価システム及び製品環境影響評価方法は、次に示す構成にすることである。
【0020】(1)製品をカテゴリー毎に分類してグループ化すると共に所定の様式に基づいて登録する製品カテゴリー分類登録手段と、該登録した製品カテゴリーのうち基準機種の実績を把握するために該基準機種を選定評価する選定評価手段と、該選定評価された基準機種の製品を製品環境側面の項目と環境影響の項目とに基づいて具体的方策を策定する製品環境側面一覧表を作成する手段と、該製品環境側面一覧表に基づいて目的・目標の設定と具体的な行動計画を設定するための製品環境管理推進計画書を作成する手段と、設計構想/試作/量産の進捗管理を報告する製品環境進捗管理報告書を作成する手段とからなる製品環境影響評価システム。
(2)前記製品環境側面一覧表、前記製品環境管理推進計画書、前記製品環境進捗管理報告書の順に繰り返し作成することによって、次期代表機種を選定すること及び又は次期製品開発を計画する手段とを備えたことを特徴とする(1)に記載の製品環境影響評価システム。
(3)前記環境影響の項目は、地球温暖化、酸性雨、大気汚染、土壌汚染、水質汚濁、オゾン層破壊、人の健康、アメニティ、産業廃棄物能力逼迫からなることを特徴とする(1)に記載の製品環境影響評価システム。
【0021】(4)少なくとも、機種名、本体重量、梱包体積、消費電力、待機電力、SST、使用時間、待機時間、寿命年数からなる製品基礎情報を入力し、製品をブロック別に分類して材料や部品の重量、面積、個数からなる製品材料情報を入力し、所定のリストから該当ユニットを選択した重量からなるユニット情報を入力し、前記製品材料情報とユニット情報に基づいて、集計結果を生成して出力し、該集計結果の合計値を低減させることが可能なブロック、ユニット、仕様を検討して環境配慮項目を具体的に決定するようにしたことを特徴とする製品環境影響評価方法。
(5)前記集計結果は、ライフステージ別の温暖化係数及びその順位、酸性雨係数及びその順位、製品の温暖化係数及びその順位、酸性雨係数及びその順位、資源枯渇係数を集計して表示すると共に、元素別資源枯渇係数を表示するようにしたことを特徴とする(4)に記載の製品環境影響評価方法。
(6)前記温暖化係数、酸性雨係数、資源枯渇は、LCA手法により算出することを特徴とする(4)に記載の製品環境影響評価方法。
(7)前記部品の重量、面積、個数の入力は、材料分類を指定して行うことを特徴とする(4)に記載の製品環境影響評価方法。
(8)前記部品の入力は、ブロック、ユニットに分類して部品事情に合わせた状態にしてから行うことを特徴とする(4)に記載の製品環境影響評価方法。
(9)前記温暖化係数、酸性雨係数の計算結果、及び合計値、ブロック別数値、順位を対比できるようにして表示することを特徴とする(4)に記載の製品環境影響評価方法。
(1)前記資源枯渇係数の計算結果は、合計値、ブロック別数値、元素別数値別に表示することを特徴とする(4)に記載の製品環境影響評価方法。
【0022】このように、設計者が自分で部品情報を入力することによって、誰でも簡単に各環境係数を求めることができるので、自分が欲しい時に各環境係数を即時に求めることが可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る製品環境影響評価システム及び製品環境影響評価方法の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0024】本願発明に係る製品環境影響評価システムは、製品を開発、設計する上で様々な設定項目(部品、材料、手段、構造、性能等)が製品全体としてどの程度環境に影響を与える事になるかを適時・定量的に把握する事によって、最初に決めた目標値に対して大きくずれなく製品を完成することを可能にしたことが大きな特徴となっている。
【0025】そのためには、先ず、製品に係わる環境側面を明確にし、製品環境負荷改善の道筋を明確にする必要があり、カンパニー(企業)が企画ないし設計を行う製品について、その環境負荷低減活動の内容が共通に括られる製品群を製品環境側面から分類する環境製品カテゴリーを生成して製品環境影響評価を作成する必要がある。製品環境側面は、製品のライフサイクル(製造・流通・使用・廃棄)にわたり環境に影響を及ぼす全ての側面をいう。製品環境影響評価とは、製品のライフサイクル(製造・流通・使用・廃棄)にわたる全ての環境側面と環境影響の内容を明らかにすることである。
【0026】この製品環境影響評価は、製品環境評価規定(EAー10)として規定されており、それは、図1に示すように、先ず、製品環境側面からの分析を行う。この製品環境側面からの分析は、製品を取り巻く環境側面を分析し確認する環境側面と環境負荷及び業務の関わりを明確にするための確認事項と製品環境負荷改善活動との切り分けを行って分析する。この点については後に順次詳細に述べる。
【0027】確認事項は、違法の確認、有害物質不使用の確認、資源の有効利用の確認を行う。又、この確認事項には製品環境法規制標準(EBー0301)から製品アセスメントの判定結果報告書を確認し、量産開始後の製品環境進捗管理報告書にその写しを添付するようになっている。
【0028】製品環境負荷改善活動は、製品環境負荷改善標準(EBー1001)として規定されており、その内容は、
【0029】製品環境側面からの分析の手順は、図2に示すように、先ず、環境製品カテゴリーの登録を行う(ステップST30)。この登録は、図4に示す環境製品カテゴリー登録表に記録される。この登録表の項目はカテゴリー、基準機種名、登録する理由(しない理由)、登録の可否から構成されている。改善対象とするカテゴリー及び基準機種を登録することにより、カンパニー環境責任者の指示により、設計責任者又はその指示を受けた担当者が環境側面の構成が同等として扱える製品群にまとめて環境製品カテゴリーとして登録することができる。この環境製品カテゴリーに分類するための条件は、分類適用条件と分類除外条件とがある。
【0030】分類適用条件は、一般消費者向け製品、業務用製品、社内振替・外販の製品/半製品、アクセサリー類の全てを対象として次の
【0031】
【0032】分類除外条件は、当該製品群の属するカンパニーにおいて、次の
【0033】
【0034】図2に戻って、次に登録されたカテゴリーの環境側面を明確にするために、図5に示す製品環境側面一覧表を作成する(ステップST31)。製品環境側面一覧表の作成は、登録された環境製品カテゴリーについて作成するものであり、後述する環境側面からの分析結果を基本情報として各環境製品カテゴリーの特質を加味して作成する。
【0035】製品の環境側面からの分析は製品を時系列的に捉えて分析するものであり、図3に示すように、資源及びエネルギーとからなる入力(INPUT)側で発生する要素と、製品のライフステージと、製品の生成から消費及び廃棄物までの出力(OUTPUT)側で発生する要素との相互関係において分析するものである。
【0036】先ず、ライフステージにおいて「原材料採掘/製造」から「部品製造」に至り「製造」が開始すると、入力(INPUT)側においては、部品、副資材、包装材、部品輸送資材、電力、燃料(石油、ガス、他)、水、環境関連物質等が分析するための要素となる。出力(OUTPUT)側においては、仕損、端材、部品包装材、廃有機溶剤、熱、排ガス、排水、煤煙、騒音、振動等が分析するための要素である。
【0037】次に、ライフステージにおける製品が「流通」の段階になると、入力(INPUT)側においては運搬用燃料、輸送用資材等が分析するための要素となる。出力(OUTPUT)側においては、排ガス、廃輸送用資材等が分析するための要素である。
【0038】ライフステージにおける製品が「使用」の段階になると、入力(INPUT)側は電気エネルギー、電池、消耗品等が分析するための要素である。出力(OUTPUT)側は、使用済み電池、使用済み消耗品、熱等が分析するための要素である。
【0039】ライフステージが「廃棄」になると、入力側は運搬用燃料等が分析するための要素である。出力側は使用済み製品、排ガス、廃包装材等が分析するための要素である。
【0040】このような中で、再利用(リユース)、リサイクルできるマテリアルは、部品、ブロック、ユニット、紙類、金属、プラスチック、廃有機用材、半田等が該当する。又、リサイクルできるもののうち熱変形(サーマル)するものは、廃プラスチック、木材、紙類等である。
【0041】このようにしてライフステージの時系列的な工程における製品から発生する要素を環境側面として分析すると共に、各環境製品カテゴリーの特質を加味して製品環境側面を特定すればよい。図5は、このようにして作成された製品環境側面一覧表であり、その製品環境側面の項目は適宜追加又は削除することができるようになっている。この一覧表の具体的な作成は、製品環境側面の該当する項目である「ライフステージ」、「環境影響」、「対応」の主なものに”○”を記入し、必要な項目に漏れがないようにする。「環境影響」は地球温暖化、酸性雨、資源枯渇、大気汚染、土壌汚染、水質汚濁、オゾン層破壊、人の健康、アメニテイ(振動、騒音、悪臭等)、廃棄物処理能力逼迫とからなる。「対応」は製品環境負荷改善活動、製品アセスメント、グリーンプラスとからなる。
【0042】図2に戻って、図5に示す「対応」の欄の製品環境負荷改善活動の欄に”○”が入った項目に対しては製品環境負荷分析シートにより製品の環境負荷を数値分析し、改善項目を特定して設計の段階で製品環境負荷改善を実施する(ステップST32)。図5に示す該当する環境側面は、部品(一般材料)、副資材(一般材料)、製造エネルギー(電気/石油/ガス)、製品重量/梱包体積、使用時エネルギー/待機時エネルギー、消耗品(一般材料)等である。この点については後述する製品環境負荷改善標準の項で説明する。
【0043】又、図5に示す「対応」の欄の製品アセスメントの欄に”○”が入った項目については製品アセスメントの判定結果を確認する。例えば、違法の確認、有害物質不使用の確認、資源の有効利用等を確認する。
【0044】次に、製品環境負荷改善標準について、図6R>6〜図20を参照して説明する。製品環境負荷改善標準は、製品環境影響評価規定にて登録された環境製品カテゴリーについて、環境負荷量を定量的に把握するために製品環境負荷分析を行い、環境製品カテゴリーが持つ著しい製品環境側面を目的・目標に反映して、製品環境管理推進計画書を策定し、環境製品カテゴリー毎に共通した環境負荷改善活動を行う手続きを定めたものである。従って、この標準が適用される範囲は、製品のライフサイクルにわたる製品環境側面の内、使用資源の利用量、リサイクル、及び部品の製造に係る工程から製品の製造・流通・使用・廃棄にわたり、その環境負荷量を定量的に集計し、環境製品カテゴリー毎の推進計画に基づいて継続的に環境負荷量の削減を推進することができるところまでである。
【0045】ここで、製品環境負荷分析とは、製品のライフサイクル(製造・流通・使用・廃棄)にわたる環境負荷のうち、その大きさを数値化し評価できるものを、製品環境側面(製品の製造エネルギー・部品の構成材料・製品の使用に関わるエネルギー・製品廃棄でのエネルギー等)の環境影響の要素毎に数量で把握すると共に、この製品環境側面の要素に対応する数値に変換・集計し、環境負荷項目別の合計及びライフサイクルの各段階での環境影響量の構成を把握する為に行う分析をいう。
【0046】環境負荷項目とは、製品の環境負荷量を表す項目として使用するものであり、温暖化係数にて、その大きさを定量的に把握する。環境負荷分析においては、この温暖化係数と共に、参考値として酸性雨係数、資源枯渇係数を同時に算出して多面的に環境負荷量を分析する。
【0047】基準評価機種又は基準機種とは、環境製品カテゴリーとして基準となる環境負荷項目の大きさ(環境影響量)を把握するために、新たな製品評価を行う機種をいう。当該カテゴリーにおいて、基準機種又は前世代の代表評価機種の後継機種が存在しない場合は、新たな基準機種を選定して評価を行う。
【0048】代表評価機種又は代表機種とは、環境製品カテゴリーにおいて、環境負荷改善活動の進捗を把握する機種をいい、当該カテゴリーの環境負荷内容を代表して前世代代表評価機種との比較が可能なものを選定する。
【0049】図6は、製品環境影響評価規定において登録された環境製品カテゴリーの運用手順を示したものである。先ず、環境製品カテゴリーにおける目的・目標を設定するために、基準評価機種の選定を行う(ステップST100)。基準評価機種選定条件に従い環境製品カテゴリーの性格を代表する機種を選定し、合致する選定基準の項目を明記し、基準機種として、図8に示す製品環境側面登録表に登録する。図8に示す登録表の意味するところは、例えば、環境側面が待機電力である場合に、その温暖化係数が86.77、酸性雨係数が0.2610、具体的な対応策は3.5W〜3.0Wに減らすことである。製品環境負荷分析除外の項目に合致する環境カテゴリーは製品環境側面登録表にその理由を明記し、製品環境負荷分析を行わない。例えば、図8において、環境側面がメカデッキである場合に、実績値が温暖化係数2.677、酸性雨係数0.0661、登録しない理由として「製品のキーパーツであり、その開発はセットにリンクしていないため」と明記する。
【0050】次に、図6に戻って、基準評価機種の環境影響量を把握する(ステップST101)。選定された基準評価機種の製品環境側面の大きさを後述する「製品環境負荷分析の実施」に従い、製品環境負荷分析シート(例えば、図14〜図19参照)に記入する。製品環境側面に対応する環境影響項目の環境負荷係数を乗じ、製品のライフステージ毎、及び製品のライフサイクル全体における環境負荷項目分類別に集計すると共に、ライフステージ毎の環境影響項目を降ろすべきに順位付けする。
【0051】次に、環境製品カテゴリーの目的・目標を設定する(ステップST102)。降ろすべきに順位付けされたライフステージ毎の環境影響項目の上位より製品の環境負荷内容において最も代表する項目を一つ又は複数選定する。選定された順位に対応するライフステージを著しい製品環境側面として製品環境側面登録表(図8R>8参照)に登録する。登録された製品環境側面より上位にあるために登録を除外するものはその理由を添えて、登録除外環境側面の欄に記入する。特定された著しい製品環境側面と、目的・目標を勘案し当該環境製品カテゴリーの目的・目標を設定する。
【0052】環境製品カテゴリーの目的・目標が設定されると、次に、環境製品カテゴリーの製品環境改善計画の策定を行う。環境製品カテゴリー全体の製品にて展開する環境負荷改善計画を策定して環境製品カテゴリーの目的・目標を記載し、製品環境管理推進計画書を作成する。進捗状況は環境製品カテゴリーの代表評価機種で管理する。図9は、製品環境管理推進計画書を示したもので、目的、目標、基準値、代表機種計画における行動計画及び具体的な行動計画、中期計画とから構成されている。この中で例えば、目的は「温暖化係数を2003年迄に3%削減する」、目標は「温暖化係数を1%削減する」、環境パフォーマンス管理項目は「待機電力・消費電力」であり、具体的な行動計画は「環境側面で有意な上位項目となっているスタンバイ電力、消費電力削減を主要な設計項目として捉え、1%下げて行く事によって目標を達成する。」と記載し、中期計画には具体的に達成すべく内容が記載されている。
【0053】次に、図6に戻って、代表評価機種における環境負荷改善を推進するための代表評価機種を選定する(ステップST103)。世代毎に環境製品カテゴリー登録表(図4参照)に記入する。代表評価機種は、原則的に基準機種又は前代表機種の後継機種から選定する。
【0054】次に、代表評価機種の選定が行われたならば、その代表評価機種の環境影響量を把握する(ステップST104)。当該代表評価機種の環境影響量を把握するため製品環境側面の大きさを「製品環境負荷分析の実施」に従い、製品環境負荷分析シート(図14から図1919)に記入する。これにより、ライフステージ毎、及び製品の環境影響項目別の集計が行われ、環境影響分類別に環境影響項目のライフステージの数値が降ろすべく順に順位付けされる
【0055】次に、代表評価機種の目標を設定する(ステップST105)。代表評価機種の温暖化係数に注目して環境影響項目の全体集計値が環境製品カテゴリーの目的・目標と同等以上の数値目標を設定し、製品環境側面登録表(図8参照)に記入する。
【0056】代表評価機種の目標が設定されたならば、この代表評価機種の環境改善推進を計画する。代表評価の目標に合致するように環境影響項目の数値が上位のライフステージに対応する製品環境側面に注目し、製品の環境負荷改善の推進計画を製品環境管理推進計画書(図9R>9参照)に記載する。
【0057】次に、図6に戻って、設計構想を行う(ステップST106)。設計構想は、基準機種の環境側面の基準値と代表機種の目標値を記載した製品環境推進管理計画書に基づいて生成された製品環境進捗管理報告書を添付することにより行われる。図10〜図12は、製品環境進捗管理報告書を示したものであり、図10は製品環境進捗管理報告書の環境側面から捉えたものであり、環境側面(この場合、待機電力、消費電力)、基準機種、本年度カテゴリー、設計構想、試作、量産の項目からなる。図11は温暖化係数の進捗状況を示したもので、目標と実績とをグラフで表し視認しやすくしてある。図12は温暖化係数の実績グラフを年度別に示したものであり、実績値と年度目標値をグラフで示したものである。このような製品環境進捗管理報告書に基づいて、設計試作を行う(ステップST107)。環境製品カテゴリー全体への計画を展開する。代表評価機種で取組む環境負荷改善計画は環境製品カテゴリー全体の機種に展開し、当該カテゴリーとしての環境負荷改善に努める。
【0058】次に、図6に戻って、代表評価機種の評価をする(ステップST108)。代表評価機種の試作時点で一回以上「製品環境負荷分析の実施」に従い、製品環境負荷分析シート(図9〜図19参照)に記入する。これにより、代表評価機種における進捗管理を行うことができる。評価結果は製品環境進捗管理報告書(図10参照)に記入する。評価を行う代表機種において、その機能や付属品の付加/削除など、比較される前世代の基準機種又は前世代の代表機種との差異について前後の世代の代表機種で同内容となるように同等機能や付属品を加えるか、削除して比較しても良い。
【0059】次に、代表機種の評価による判定を行う(ステップST109)。判定は、当該代表機種の属するビジネス責任者が行い、判定結果は製品環境進捗管理報告書の判定欄の合格・不合格・条件付き合格のいずれかを選択する(図10参照)。目標に未判定の場合は
【0060】ステップST109において、合格の場合は量産行程に入り、代表機種の実績を把握する(ステップST110、ST111)。量産オンライン後一ヶ月以内に、代表機種における環境負荷改善計画の実施を把握するため、「製品環境負荷分析の実施」に従い、製品環境負荷分析シート(図14から図19参照)に記入することで、当該代表機種の評価を行う。この結果は、評価を行った翌々月10日までにカンパニー事務局経由で事務局へ提出する。
【0061】次に、カテゴリー製品環境改善計画をレビューする(ステップST112)。環境製品カテゴリーの代表機種のうち、量産オンラインが12月末日までに一番近い代表機種の実施を環境製品カテゴリーの年度製品環境改善結果とし、当初の環境製品カテゴリーの目的・目標との比較を翌年1月末日までに行い、進捗を2月10日までに当初の環境製品カテゴリーの責任者経由でカンパニー環境責任者へ報告する。環境製品カテゴリーの年度製品環境改善結果をまとめた製品環境進捗管理報告書(図10〜図12)と翌年度の製品環境管理進捗計画書(図示せず)を翌年3月10日までにカンパニー事務局経由で事務局へ提出する。
【0062】次に、この製品環境進捗管理報告書に基づいて目的・目標の見直しを行う(ステップST113)。具体的な見直しは、次の
【0063】次に、次世代の代表評価機種における環境改善を推進させる(ステップST114)。代表機種の目標及び実績結果と環境製品カテゴリーの目的・目標を比較し、必要に応じて目的・目標の見直しを行い、次世代の代表機種の目標を設定すると共に、「代表機種の評価」の手順に準拠して、次世代の製品環境改善計画を推進する。後継機種において、その機能や付属品の付加/削除など、比較される前機種との差異が生じた場合は当該機種全体の環境影響評価を行った上で、その際について前機種と同内容となるように同等機能や付属品を加えるか、削除して比較してもよい。
【0064】選定条件は、基準評価機種の選定条件と、代表機種の選定条件とがある。基準機種の選定条件は、分類された環境製品カテゴリー毎に基準機種を選定する。この選定は、販売仕向け先の違いや小さな仕様の違いは別機種と扱わず、同一シリーズとして数量等をカウントする。基準機種の選定基準は、以下の条件のいずれか、又は複数の組み合わせ条件により選定する。
【0065】代表機種の選定条件は、基準機種以降の評価機種選定は環境製品カテゴリー毎に代表機種を選定する。選定は、販売仕向け先の違いや小さな仕様の違いは別機種と扱わず、同一シリーズとして数量等をカウントする。代表機種の選定基準は以下の条件の何れか、又は複数の組み合わせ条件により選定する。
【0066】図7は製品環境負荷分析の実施のフローを示したものである。基準機種、設計構想、試作、量産における各製品環境負荷分析を実施する方法を示す。製品環境側面の数量等を製品環境負荷分析シート(1)〜(5)(図14〜図19参照)に記入することで計算が行われる。以下、図7に示す運用フローに基づいて説明する。
【0067】先ず、製品スペックを記入する(ステップST200)。製品スペックは、製品の基本的な仕様を記入する。本体の使用時間/待機時間、及び製品寿命については業界で標準値が設定されている場合はその数値を適用し、標準値が設定されていない場合はカテゴリー毎に設定するものであり、図14に示す製品環境負荷分析シート(1)に記入する。その項目は、1.カテゴリー、2.機種名、3.総重量(包装状態の重量)、4.総体積(包装状態の体積)、5.本体重量、6.消費電力(使用時)、7.待機電力(待機時)、8.本体使用時間/日及び本体使用時間/年、9.本体待機時間/日及び本体待機時間/年、10.本体寿命、11.事業所組立てSSTである。
【0068】図7に戻って、次に、部品ブロック/ユニットの区分を行う(ステップST201)。部品ブロック/ユニットは、図20に示す材料分類詳細リストを参照して、図15及び図16に示す製品環境負荷分析シート(2)に記載して行う。図15の製品環境負荷分析シート(2)は、例えば、メカ部のものであり、ライフステージが製品で、大分類は部品/Assy/ブロックであり、分類内容、材料構成分類(メカ部)、メカブロック小計とからなる。図16の製品環境負荷分析シート(2)は、例えば、電気部のものであり、ライフステージは製品、大分類は部品/Assy/ブロック、分類内容は部品名称、材料構成分類の項目、電気ブロック集計、ブロック集計(メカ/電気合計)とからなる。この分析は、製品を設計、機能単位で区分し、環境負荷に寄与する割合を結果として評価する部品区分の名称を記入する。後に環境負荷改善推進計画に記入する区分単位として使用する。部品ブロックは材料別に区分可能なASSY、単品部品を記入する。材料が1種類の場合や記入シートの材料区分に直接該当する部品はそのまま部品ブロック欄に記入する。ケーブル類などの付属品もここに記入する。ユニットは設計内部で解析不能なもの、例えば、ドラム部組、レンズ駆動ユニット等に対して、原単位(単位重量、面積、個数)で、各環境負荷を管理している。
【0069】次に、図7に戻ってブロック構成部品材料を記入する(ステップST202)。図18は例えばブロックが「フロントパネルASSY」のメカ部分の製品環境負荷分析シート(4)を示したものであり、図19は例えばブロックが「フロントパネルASSY」の電気部分の製品環境負荷分析シート(5)を示したものである。部品ブロックを構成する部品単位で材料の重量、面積、個数を入力し、部品ブロック単位で材料別の小計を出す。
【0070】次に、ユニット部品の数値を記入する(ステップST203)。図17はユニット部品の数値を記入するための製品環境負荷分析シート(3)を示したものであり、ライフステージが製品、大分類、分類内容、材料構成分類、ユニット集計とからなる。ユニットに分類された部品は、ユニット登録リストから原単位当たりの各環境負荷係数が求められている。登録されていないユニットは調査を依頼することになる。
【0071】次に、包装材料/印刷物材料の重量を記入する(ステップST204)。図17はユニット部品の数値を記入すると共に包装材料/印刷物の重量を記入する製品環境負荷分析シート(3)を示したものである。材料、輸送に使用するダンボール箱やクッション、取扱説明書などの印刷物、ポリ袋等の重量を記入する。
【0072】次に、部品ブロックの合計、材料重量、面積、個数を記入する(ステップST205)。図15及び図16はこの部品ブロックの合計を示した製品環境負荷分析シート(2)、(3)を示したものであり、部品ブロック別に小計した材料の重量、面積、個数を記入する。
【0073】次に、製品環境負荷分析集計表の結果の確認を行う(ステップST206)。図13は、製品環境負荷分析表を示したものであり、ライフステージが製造、流通、使用、廃棄毎の大分類、小分類、数量、単位、温暖化係数、順位が表示され、これら項目毎の酸性雨係数の順位付け、資源枯渇係数の順位付けが表示される。このように、環境側面別に各環境負荷係数が数値で表すことができるのである。
【0074】このようにして、評価の計算にあたり、計算ソフトウェアを利用して、温暖化係数、酸性雨係数、資源枯渇係数をLCA手法によって算出することができるため、設計者が容易に入力し、計算結果が得られる。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、設計者が自分で部品情報を入力することにより、誰でも簡単に各環境係数を求めることができるため、自分が欲しい時に各環境係数を即時に求めることが可能になる。従って、製品が完成していなくとも企画段階で想定した値を入力することによって係数を計算できるメリットがある。このことは、設計者自身が各環境係数に対して初期の目標設定、中間レビュー、最終確認を容易に行う事が可能になり、環境のトータルマネジメントを効率的に行うことができる。
【0076】又、企画/設計/試作/量産の各イベント毎に、製品の環境影響度を容易に計算し、進捗管理しながらの製品開発が可能になる。
【0077】また、LCAの専門家でなくとも、設計者が自分で容易に製品の環境影響度を計算できる。
【0078】更に、様々な環境対応項目に対して、総合的な影響度の数値管理ができるため、環境配慮ガタの商品開発が効率的に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製品環境影響評価システムの概要を示したブロック図である。
【図2】同製品環境側面の分析の手順を示したブロック図である。
【図3】同製品の環境側面を分析するための全体構成図を示した説明図である。
【図4】同環境製品カテゴリー登録表を示したものである。
【図5】同製品環境側面一覧表を示したものである。
【図6】同製品環境負荷改善標準の運用フローである。
【図7】同製品環境負荷分析の運用フローである。
【図8】同製品環境側面登録表を示したものである。
【図9】同製品環境管理推進計画書を示したものである。
【図10】同製品環境進捗管理報告書を示したものである。
【図11】同製品環境進捗管理報告書(温暖化係数グラフ)を示したものである。
【図12】同製品環境進捗管理報告書(温暖化係数年度実績)を示したものである。
【図13】同製品環境負荷分析集計表を示したものである。
【図14】同製品環境負荷分析シート(1)を示したものである。
【図15】同製品環境負荷分析シート(2)を示したものである。
【図16】同製品環境負荷分析シート(2)を示したものである。
【図17】同製品環境負荷分析シート(3)を示したものである。
【図18】同製品環境負荷分析シート(4)を示したものである。
【図19】同製品環境負荷分析シート(4)を示したものである。
【図20】同材料分類詳細リストを示したものである。
【図21】従来技術におけるライフサイクルインベントリーのブロック図である。
【符号の説明】
ST20;製品の環境側面分析、ST21;有害物質不使用の確認、ST22;製品アセスメントの判定結果報告書の確認、ST23;製品アセスメントの運用、ST24;製品環境負荷改善標準
【特許請求の範囲】
【請求項1】製品をカテゴリー毎に分類してグループ化すると共に所定の様式に基づいて登録する製品カテゴリー分類登録手段と、該登録した製品カテゴリーのうち基準機種の実績を把握するために該基準機種を選定評価する選定評価手段と、該選定評価された基準機種の製品を製品環境側面の項目と環境影響の項目とに基づいて具体的方策を策定する製品環境側面一覧表を作成する手段と、該製品環境側面一覧表に基づいて目的・目標の設定と具体的な行動計画を設定するための製品環境管理推進計画書を作成する手段と、設計構想/試作/量産の進捗管理を報告する製品環境進捗管理報告書を作成する手段とからなる製品環境影響評価システム。
【請求項2】前記製品環境側面一覧表、前記製品環境管理推進計画書、前記製品環境進捗管理報告書の順に繰り返し作成することによって、次期代表機種を選定すること及び又は次期製品開発を計画する手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の製品環境影響評価システム。
【請求項3】前記環境影響の項目は、地球温暖化、酸性雨、大気汚染、土壌汚染、水質汚濁、オゾン層破壊、人の健康、アメニティ、産業廃棄物能力逼迫からなることを特徴とする請求項1に記載の製品環境影響評価システム。
【請求項4】少なくとも、機種名、本体重量、梱包体積、消費電力、待機電力、SST、使用時間、待機時間、寿命年数からなる製品基礎情報を入力し、製品をブロック別に分類して材料や部品の重量、面積、個数からなる製品材料情報を入力し、所定のリストから該当ユニットを選択した重量からなるユニット情報を入力し、前記製品材料情報とユニット情報に基づいて、集計結果を生成して出力し、該集計結果の合計値を低減させることが可能なブロック、ユニット、仕様を検討して環境配慮項目を具体的に決定するようにしたことを特徴とする製品環境影響評価方法。
【請求項5】前記集計結果は、ライフステージ別の温暖化係数及びその順位、酸性雨係数及びその順位、製品の温暖化係数及びその順位、酸性雨係数及びその順位、資源枯渇係数を集計して表示すると共に、元素別資源枯渇係数を表示するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の製品環境影響評価方法。
【請求項6】前記温暖化係数、酸性雨係数、資源枯渇は、LCA手法により算出することを特徴とする請求項4に記載の製品環境影響評価方法。
【請求項7】前記部品の重量、面積、個数の入力は、材料分類を指定して行うことを特徴とする請求項4に記載の製品環境影響評価方法。
【請求項8】前記部品の入力は、ブロック、ユニットに分類して部品事情に合わせた状態にしてから行うことを特徴とする請求項4に記載の製品環境影響評価方法。
【請求項9】前記温暖化係数、酸性雨係数の計算結果、及び合計値、ブロック別数値、順位を対比できるようにして表示することを特徴とする請求項4に記載の製品環境影響評価方法。
【請求項10】前記資源枯渇係数の計算結果は、合計値、ブロック別数値、元素別数値別に表示することを特徴とする請求項4に記載の製品環境影響評価方法。
【請求項1】製品をカテゴリー毎に分類してグループ化すると共に所定の様式に基づいて登録する製品カテゴリー分類登録手段と、該登録した製品カテゴリーのうち基準機種の実績を把握するために該基準機種を選定評価する選定評価手段と、該選定評価された基準機種の製品を製品環境側面の項目と環境影響の項目とに基づいて具体的方策を策定する製品環境側面一覧表を作成する手段と、該製品環境側面一覧表に基づいて目的・目標の設定と具体的な行動計画を設定するための製品環境管理推進計画書を作成する手段と、設計構想/試作/量産の進捗管理を報告する製品環境進捗管理報告書を作成する手段とからなる製品環境影響評価システム。
【請求項2】前記製品環境側面一覧表、前記製品環境管理推進計画書、前記製品環境進捗管理報告書の順に繰り返し作成することによって、次期代表機種を選定すること及び又は次期製品開発を計画する手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の製品環境影響評価システム。
【請求項3】前記環境影響の項目は、地球温暖化、酸性雨、大気汚染、土壌汚染、水質汚濁、オゾン層破壊、人の健康、アメニティ、産業廃棄物能力逼迫からなることを特徴とする請求項1に記載の製品環境影響評価システム。
【請求項4】少なくとも、機種名、本体重量、梱包体積、消費電力、待機電力、SST、使用時間、待機時間、寿命年数からなる製品基礎情報を入力し、製品をブロック別に分類して材料や部品の重量、面積、個数からなる製品材料情報を入力し、所定のリストから該当ユニットを選択した重量からなるユニット情報を入力し、前記製品材料情報とユニット情報に基づいて、集計結果を生成して出力し、該集計結果の合計値を低減させることが可能なブロック、ユニット、仕様を検討して環境配慮項目を具体的に決定するようにしたことを特徴とする製品環境影響評価方法。
【請求項5】前記集計結果は、ライフステージ別の温暖化係数及びその順位、酸性雨係数及びその順位、製品の温暖化係数及びその順位、酸性雨係数及びその順位、資源枯渇係数を集計して表示すると共に、元素別資源枯渇係数を表示するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の製品環境影響評価方法。
【請求項6】前記温暖化係数、酸性雨係数、資源枯渇は、LCA手法により算出することを特徴とする請求項4に記載の製品環境影響評価方法。
【請求項7】前記部品の重量、面積、個数の入力は、材料分類を指定して行うことを特徴とする請求項4に記載の製品環境影響評価方法。
【請求項8】前記部品の入力は、ブロック、ユニットに分類して部品事情に合わせた状態にしてから行うことを特徴とする請求項4に記載の製品環境影響評価方法。
【請求項9】前記温暖化係数、酸性雨係数の計算結果、及び合計値、ブロック別数値、順位を対比できるようにして表示することを特徴とする請求項4に記載の製品環境影響評価方法。
【請求項10】前記資源枯渇係数の計算結果は、合計値、ブロック別数値、元素別数値別に表示することを特徴とする請求項4に記載の製品環境影響評価方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図5】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2001−338024(P2001−338024A)
【公開日】平成13年12月7日(2001.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−158595(P2000−158595)
【出願日】平成12年5月29日(2000.5.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成13年12月7日(2001.12.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成12年5月29日(2000.5.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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