説明

製品管理システム

【課題】管理対象製品が正当に廃棄済みか未廃棄であるかを管理可能にして、管理対象製品の不法投棄抑止,リコール回収効率化,盗難抑止を確実に実現する。
【解決手段】管理対象製品1に取り付けられこの管理対象製品1を特定する製品識別情報を記録された無線タグ1aと、管理対象製品1の廃棄処理確定時に管理対象製品1の無線タグ1aから製品識別情報を非接触で読み取る読取機50と、この読取機50と通信可能に接続され読取機50からの製品識別情報に基づき管理対象製品1が廃棄済みか否かを廃棄管理テーブル220aに製品識別情報に対応付けて登録し管理する廃棄管理部220とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、冷蔵庫・冷凍庫,テレビ,電子レンジ,エアコン,洗濯機・衣類乾燥機などの家電品や、パーソナルコンピュータ,プリンタ,スキャナなどの情報処理機器や、瞬間湯沸かし器,給湯器,ファンヒータなどのガス/石油燃焼機器などの各種製品の利用者や利用箇所を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1には、新聞広告等でリコール対象機器の回収を呼びかけなくとも、ICタグに記憶された情報を利用して、リコール対象機器の所在を自動的に特定できるようにし、リコール対象機器を効率的に回収可能にした技術が開示されている。
【0003】
また、下記特許文献2には、ホームネットワークの伝送メディアとして電灯線を用いた環境下で、ユーザが面倒な設定を行なうことなく、各家電機器が自動的に自身の設置場所を認識可能にした技術が開示されている。
【0004】
さらに、下記特許文献3には、電源ネットワークの接続端子が電化製品の電源供給端子と同じく電源コンセントを利用することに着目し、これを電化製品の不法投棄の抑止に応用したものであって、電源ネットワークを利用して電化製品の利用場所を把握可能にした技術が開示されている。
【0005】
一方、下記特許文献4には、情報処理装置自体の盗難を防止する方法において、GPS等で位置情報を取得するステップと、取得された現在の位置情報と記憶されている位置情報とを比較するステップと、比較の結果、位置情報が異なる時には、パスワード等により認証を求めるステップと、認証の確認が行なわれなかった場合に該情報処理装置の稼働を禁止するステップとを有することが記載されている。
【0006】
下記特許文献5には、対象装置の盗難を防止するために、当該装置の周期的に取得した位置が許容範囲内であるかを判定する技術(段落0029等参照)や、複数の異常判定手段のうちいずれかによって異常が判定されれば自己破壊処理を行なう技術(請求項4等参照)が記載されている。
【0007】
下記特許文献6には、正当な利用者に成りすました不正利用が行なわれている可能性が高いときに、この正当な利用者に対して不正利用が行なわれていることを通知する技術が開示されている。
下記特許文献7には、GPS(Global Positioning System)を利用して盗難車の現在
位置をセンターに通知する盗難車追跡装置が開示されている。
【0008】
下記特許文献8には、カーナビゲーションシステムから得られた自動車の現在位置と、位置登録部に予め登録しておいた正規保管場所とが不一致の状態が一定時間を超えて継続した場合に限定して、パスワードの照合を行なうことが開示されている。
下記特許文献9には、クレジット情報や電子マネー情報などを格納したICカードを用いた決済を行なうICカード決済装置であって、本人認証に要するコストと本人認証の確度との関係を、本人認証によって守るべき価値に応じて動的に最適化可能にしたICカード決済装置が開示されている。
【0009】
下記特許文献10には、パスワード等の認証情報の管理に用いて好適な技術であって、特に、高いセキュリティで認証情報を迅速に再発行することができる認証情報管理プログ
ラム,認証情報管理方法および認証情報管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−129038号公報
【特許文献2】特開2003−339086号公報
【特許文献3】特許第3843894号公報
【特許文献4】特開2001−290553号公報
【特許文献5】特開2002−236619号公報
【特許文献6】特開2005−084822号公報
【特許文献7】特開2003−226228号公報
【特許文献8】特開2002−127873号公報
【特許文献9】特開2000−215279号公報
【特許文献10】特開2005−031884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、2001年4月に施行された家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)では、対象家電製品(エアコン,テレビ,冷蔵庫・冷凍庫,洗濯機・衣類乾燥機)の4品目について廃棄処分する場合、小売業者による引取りおよび製造業者等(製造業者,輸入業者)による再商品化等(リサイクル)が義務付けられ、消費者(排出者)には、収集運搬料金とリサイクル料金の支払いが役割分担として定められている。そのほか、消費者から特定家庭用機器廃棄物が小売業者から製造業者等に適切に引き渡されることを確保するために管理票(マニフェスト)制度が設けられており、これにより、リサイクルが確実に行なわれているかどうかを消費者からも確認することができるシステムとなっている。ここで、リサイクルとは、対象家電製品等の廃棄に伴って、この対象家電製品を再資源化し新たな製品の原料として利用することである。
【0012】
このように管理対象製品(対象家電製品)の廃棄処分時にリサイクル処理が義務付けられたことに伴い、管理対象製品の廃棄処理つまりリサイクル処理が正当に実施されたことを管理することが望まれている。
また、管理対象製品の不法投棄抑止,リコール回収効率化,盗難抑止のために、管理対象製品が消費者(利用者)によって購入されてから正当に廃棄処理されるまでの間、その管理対象製品の所在位置や利用者に係る情報を確実に追跡管理可能にすることも望まれている。
【0013】
本発明は、このような状況に鑑み創案されたもので、管理対象製品が正当に廃棄済みか未廃棄であるかを管理可能にするとともに、未廃棄の管理対象製品の正当な利用位置や当該管理対象製品の正当な利用者の追随把握管理を可能にして、管理対象製品の不法投棄抑止,リコール回収効率化,盗難抑止を確実に実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の製品管理システム(請求項1)は、管理対象製品に取り付けられ、該管理対象製品を特定する製品識別情報を記録された無線タグと、該管理対象製品の廃棄処理確定時に、該管理対象製品の該無線タグから該製品識別情報を非接触で読み取る読取機と、該読取機と通信可能に接続され、該読取機からの該製品識別情報に基づき、該管理対象製品が廃棄済みか否かを、廃棄管理テーブルに該製品識別情報に対応付けて登録し管理する廃棄管理部とを有することを特徴としている。
【0015】
このような製品管理システムにおいて以下の項目(1)〜(9)に記載の構成や機能をそなえ
てもよい。
(1)該廃棄管理部は、該読取機から該製品識別情報を受信した場合、受信した該製品識
別情報によって特定される該管理対象製品が廃棄済みとして、該廃棄管理テーブルに登録する(請求項2)。
【0016】
(2)該管理対象製品の廃棄処理確定時は該管理対象製品のリサイクル処理の受付時であ
り、該読取機は、該管理対象製品のリサイクル処理の受付を行なう、該管理対象製品の販売店または該管理対象製品の自治体窓口に設置される(請求項3)。
(3)該管理対象製品の廃棄処理確定時は該管理対象製品のリサイクル処理実行直前であ
り、該読取機は、該管理対象製品のリサイクル処理を行なう、該管理対象製品の製造業者設備またはリサイクル業者設備に設置される(請求項4)。
【0017】
(4)該管理対象製品にそなえられ、該無線タグを該管理対象製品から取り外す動作に連
動して該管理対象製品の作動を禁止する連動禁止部を有する(請求項5)。
(5)該廃棄管理部の該廃棄管理テーブルにおいて未廃棄登録の該管理対象製品の追跡管
理を行なう追跡管理システムを有する(請求項6)。
【0018】
(6)該追跡管理システムは、管理対象製品の登録利用者の本人確認を行なう登録確認情
報を予め記憶する確認情報記憶部と、該管理対象製品の登録利用箇所を予め記憶する利用箇所記憶部と、該管理対象製品の利用者が照合用確認情報を入力する確認情報入力部と、該管理対象製品の所在位置を検知する所在位置検知部と、該確認情報入力部から入力された該照合用確認情報と該確認情報記憶部に記憶された該登録確認情報とが一致するか否かを判定する確認情報判定部と、該所在位置検知部によって検知された該管理対象製品の所在位置が該利用箇所記憶部に記憶された該登録利用箇所の範囲内に属するか否かを判定する利用箇所判定部と、該管理対象製品の作動を禁止する禁止部と、該確認情報判定部によって該照合用確認情報と該登録確認情報とが一致しないと判定された場合、または、該利用箇所判定部によって該管理対象製品の所在位置が該登録利用箇所の範囲内に属しないと判定された場合、または、該確認情報判定部によって該照合用確認情報と該登録確認情報とが一致しないと判定され且つ該利用箇所判定部によって該管理対象製品の所在位置が該登録利用箇所の範囲内に属しないと判定された場合、該禁止部による禁止動作を実行させる禁止制御部と、該確認情報判定部によって該照合用確認情報と該登録確認情報とが一致しないと判定された場合、または、該利用箇所判定部によって該管理対象製品の所在位置が該登録利用箇所の範囲内に属しないと判定された場合、該管理対象製品の登録利用者についての登録確認情報または該管理対象製品の登録利用箇所の変更を行なうべき旨を変更指示として利用者に対し通知する第1通知部と、該確認情報判定部によって該照合用確認情報と該登録確認情報とが一致しないと判定された場合、該管理対象製品の登録利用者に対し、該管理対象製品の登録利用者についての登録確認情報の変更を行なうべき旨を変更指示として通知する第2通知部と、該第1通知部および該第2通知部による前記変更指示に応じて、該管理対象製品の登録利用者についての登録確認情報または該管理対象製品の登録利用箇所の変更要求を行なう変更要求部と、該変更要求部からの変更要求を受けると、当該変更要求を行なった利用者についての正当性を確認する確認部と、該確認部によって該利用者についての正当性が確認された場合に該確認情報記憶部における登録確認情報または該利用箇所記憶部における登録利用箇所の変更を行なう変更部とを有する(請求項7)。
【0019】
(7)該禁止部,該確認情報入力部,該所在位置検知部,該第1通知部および該変更要求
部を、該管理対象製品、もしくは、該管理対象製品を管理すべく該管理対象製品に付設される製品管理装置にそなえ、該廃棄管理部,該確認情報記憶部,該利用箇所記憶部,該第2通知部,該確認部および該変更部を、該管理対象製品の追跡/廃棄管理を行なう追跡/廃棄管理装置にそなえる(請求項8)。
【0020】
(8)該管理対象製品の利用者に対し、該確認情報入力部からの該照合用確認情報の入力
を定期的または不定期に要求する入力要求部を、該管理対象製品または該製品管理装置にさらにそなえ、該確認情報判定部は、該入力要求部による要求タイミングに応じて判定を行なうとともに、該入力要求部による要求に応じて該利用者が該照合用確認情報の入力を行なわなかった場合、該照合用確認情報と該登録確認情報とが一致しなかったものとみなす(請求項9)。
【0021】
(9)該管理対象製品の購入時に、当該管理対象製品を特定する該製品識別情報に対応付
けて当該管理対象製品の登録利用者についての登録確認情報および当該管理対象製品の登録利用箇所をそれぞれ該確認情報記憶部および該利用箇所記憶部に新規登録するとともに、該廃棄管理部の該廃棄管理テーブルにおいて、該製品識別情報に対応付けて当該管理対象製品が未廃棄であることを新規登録する登録装置をさらにそなえる(請求項10)。
【発明の効果】
【0022】
上述した本発明の製品管理システムによれば、例えば管理対象製品のリサイクル処理の受付を行なう販売店/自治体窓口あるいは管理対象製品のリサイクル処理を行なう製造業者設備/リサイクル業者設備には、無線タグから製品識別情報を読み取る読取機が設置されている。そして、管理対象製品の廃棄処理確定時、具体的には管理対象製品のリサイクル処理の受付時あるいは管理対象製品のリサイクル処理実行直前に、読取機によって、管理対象製品の無線タグから製品識別情報が非接触で読み取られ廃棄管理部へ送信される。この廃棄管理部では、読取機から製品識別情報を受信した場合、受信した製品識別情報によって特定される管理対象製品が正当に廃棄済みであるとして、廃棄管理テーブルに登録される。これにより、管理対象製品が廃棄済みか未廃棄であるかを管理可能になり、管理対象製品の廃棄処理つまりリサイクル処理が正当に実施されたか否かを確実に管理することができる。
【0023】
また、無線タグを管理対象製品から取り外す動作に連動して管理対象製品の作動を禁止する連動禁止部をそなえることにより、管理対象製品から無線タグを取り外すと管理対象製品は使用不能になる。このため、管理対象製品から無線タグが取り外されることが確実に抑止され、無線タグを用いた管理対象製品の廃棄管理を、その廃棄処理が確定するまで確実に行なうことができる。
【0024】
さらに、管理対象製品が消費者(利用者)によって購入されてから正当に廃棄処理されるまでの間、追跡管理システムにより、廃棄管理部の廃棄管理テーブルにおいて未廃棄登録の管理対象製品が追跡管理されるので、管理対象製品の不法投棄が確実に抑止され、リコール時の管理対象製品の回収が極めて効率化されるとともに、管理対象製品の盗難が確実に抑止される。
【0025】
ここで、本発明の製品管理システムにおける追跡管理システムによれば、未廃棄登録の管理対象製品の登録利用者の本人確認および管理対象製品の利用箇所確認が定期もしくは不定期に実行され、登録利用者本人が製品を利用していない場合、または、製品が登録利用箇所で利用されていない場合、または、登録利用者本人が製品を利用しておらず且つ製品が登録利用箇所で利用されていない場合、管理対象製品の作動が禁止される。これにより、管理対象製品が盗難に遭った可能性の高い場合に、直ちに管理対象製品の作動を禁止することができるので、盗難しても、盗難後はその製品を使えなくなる。このような機能をそなえることで、管理対象製品の盗難を確実に抑止でき、有効な盗難抑止効果を得ることができる。
【0026】
また、登録利用者本人が製品を利用していない場合、または、製品が登録利用箇所で利
用されていない場合、管理対象製品の登録利用者についての登録確認情報または管理対象製品の登録利用箇所の変更を行なうべき旨が変更指示として利用者に対し通知され、変更指示に応じて、管理対象製品の登録利用者についての登録確認情報または管理対象製品の登録利用箇所の変更を行なうことが可能になる。その際、変更要求を行なった利用者についての正当性が確認されるため、登録確認情報や登録利用箇所の不正な書換等を確実に防止しながら登録確認情報や登録利用箇所の変更が行なわれる。これにより、管理対象製品の追跡管理装置等においては、管理対象製品が登録利用者以外の利用者に譲渡されて利用者が変わったり、引越し等によって管理対象製品の利用箇所が変わったりしても、変更指示に応じた変更が実行されることで、常に、管理対象製品の正当な利用位置や当該管理対象製品の正当な利用者の追随把握管理が可能になる。従って、管理対象製品の正当な譲渡後に盗難の誤認識を行なうことなく盗難に遭った可能性の高い管理対象製品の作動が確実に禁止されるので、管理対象製品の盗難の抑止とともに、管理対象製品のリコール回収の効率化や不法投棄の抑止なども実現することができる。
【0027】
このとき、入力要求部による要求に応じて利用者が照合用確認情報の入力を行なわなかった場合、照合用確認情報と登録確認情報とが一致しなかったものとみなして、盗難された状況を安全側で認識し、管理対象製品の作動を禁止させることができ、より有効な盗難抑止効果を得ることができる。
【0028】
また、管理対象製品の所在位置を追跡/廃棄管理装置に対して送信することで、管理対象製品の所在位置を追跡/廃棄管理装置で常に管理することが可能になり、管理対象製品が、万一、盗難されたり不法投棄されたとしても、その所在位置を直ちに把握されるので、盗難や不法投棄の抑止効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1実施形態としての製品管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】(a)〜(c)は図1に示す製品管理システムにおける製品管理(廃棄管理/追跡)動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】図1に示す製品管理システム(追跡管理システム)における製品管理(追跡管理)動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】図1に示す製品管理システム(追跡管理システム)における登録/変更動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】第1実施形態の第1変形例としての製品管理システム(追跡管理システム)の構成を示すブロック図である。
【図6】第1実施形態の第2変形例としての製品管理システム(追跡管理システム)の構成を示すブロック図である。
【図7】第1実施形態の第3変形例としての製品管理システム(追跡管理システム)の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2実施形態としての製品管理システム(追跡管理システム)の構成を示すブロック図である。
【図9】図8に示す製品管理システム(追跡管理システム)における製品管理(追跡管理)動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】第2実施形態の変形例としての製品管理システム(追跡管理システム)の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第3実施形態としての製品管理システム(追跡管理システム)の構成を示すブロック図である。
【図12】図11に示す製品管理システム(追跡管理システム)における製品管理(追跡管理)動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
〔1〕第1実施形態
図1は本発明の第1実施形態としての製品管理システム(追跡管理システム)の構成を示すブロック図で、この図1に示すように、第1実施形態の製品管理システム(追跡管理システム)は、製品管理装置10,センタ管理装置20,登録装置40および読取機50から構成されている。
【0031】
これらの装置10,20,40および読取機50のうち、装置10,20相互間と、装置20,40相互間と、装置20,読取機50の相互間とはネットワーク等(図省略)を介して通信可能に接続されるほか、後述するごとく、装置40,10相互間は、必要に応じて(具体的には製品1の購入時等に)、直接的に通信接続されるように構成されていてもよい。
なお、第1実施形態の追跡管理システムは、管理対象製品1の追跡を行なうもので、製品管理装置10および登録装置40のほか、センタ管理装置20の一部(具体的には、後述する構成要素201,210〜213)を含んで構成されている。
【0032】
製品管理装置10は、管理対象製品1の管理、より具体的には管理対象製品1の利用者や利用箇所の管理を行なうもので、その管理対象製品1に組み込まれている。なお、管理対象製品1は、例えば、冷蔵庫・冷凍庫,テレビ,電子レンジ,エアコン,洗濯機・衣類乾燥機などの家電品や、パーソナルコンピュータ,プリンタ,スキャナなどの情報処理機器や、瞬間湯沸かし器,給湯器,ファンヒータなどのガス/石油燃焼機器などの各種製品である。
【0033】
ここで、本実施形態(第1〜第3実施形態)の製品管理システムにおいて、管理対象製品1には、当該管理対象製品1を特定する製品識別情報(製品ID)を記録された無線タグ1aが取り付けられている。この無線タグ1aとしては、例えば、RFID(Radio Frequency IDentification)タグとして一般的に知られる無線ICタグが用いられる。この無線タグ1aは、後述する読取機50から電磁波(電波)を受けることによって起電し、内蔵メモリに記録された製品IDを読取機50へ発信するものである。
【0034】
この無線タグ1aに保持されている製品IDは、後述するように、購入店舗等における登録装置40から、登録確認情報および登録利用箇所に対応付けられてデータベース(記憶部201の確認情報記憶部201aおよび利用箇所記憶部201b)に書き込まれるとともに、後述する廃棄管理テーブル220aに未廃棄状態として登録される(図4のステップS62参照)。
【0035】
また、無線タグ1aは、製品1の製造時に予め組み込まれていてもよいし、購入者(登録利用者)が当該管理対象製品1を購入した際に店頭等で当該管理対象製品1に貼付されてもよいが、本実施形態(第1〜第3実施形態)では、無線タグ1aが、後述する禁止部111(図1,図5〜図8,図10参照)または禁止部1b(図11参照)と兼用される連動禁止部111,1bと連携する構成を採用しているため、製品1の製造時に予め組み込まれている。このとき、無線タグ1aは、その取付箇所が外部から利用者等によって容易に認識できないように取り付けられていることが好ましい。
【0036】
この連動禁止部111,1bは、管理対象製品1にそなえられ、無線タグ1aを管理対象製品1から取り外す動作に連動して管理対象製品1の作動を禁止する機能を果たす。この連動禁止部111,1bは、例えば、無線タグ1aの取外し動作に連動して管理対象製品1を作動させるためのスイッチがオン状態にならないように規制することで物理的(機械的)に管理対象製品1の作動を禁止する禁止機構であってもよいし、無線タグ1aの取
外し動作に連動して管理対象製品1を作動させるための電力供給線あるいは石油/ガス供給ラインを切断状態に切り替えることで物理的に管理対象製品1の作動を禁止する禁止機構であってもよいし、無線タグ1aの取外し動作に連動して管理対象製品1を作動させるための信号の作成・発行をソフトウエアによって強制的に禁止することでソフトウエア的に管理対象製品1の作動を禁止する禁止手段であってもよい。
【0037】
さらに、本実施形態(第1〜第3実施形態)の製品管理システムにおいては、図1,図5〜図8,図10および図11に示すように、管理対象製品1の廃棄処理確定時に、その管理対象製品1の無線タグ1aから製品IDを非接触で読み取る読取機50が、所定の窓口,設備等に予め設置されている。この読取機50は、上述のように管理対象製品1の無線タグ1aと無線通信を行ない、無線タグ1aに記録されている製品IDを読み出し、ネットワーク等(図示略)を介してセンタ管理装置20(廃棄管理部220)に送信するものである。
【0038】
この読取機50による製品ID読取タイミングや、読取機50の設置場所は、例えば、以下の通りです。
(a1) 管理対象製品1の廃棄処理確定時を、管理対象製品1のリサイクル処理の受付時
とする場合、読取機50は、管理対象製品1のリサイクル処理の受付を行なう、管理対象製品1の販売店または管理対象製品1の自治体窓口に設置され、その受付時に管理対象製品1の無線タグ1aから製品IDを読み取る。
【0039】
(a2) 管理対象製品1の廃棄処理確定時を、管理対象製品1のリサイクル処理実行直前
とする場合、読取機50は、管理対象製品1のリサイクル処理を行なう、管理対象製品1の製造業者設備またはリサイクル業者設備に設置され、リサイクル処理実行直前に管理対象製品1の無線タグ1aから製品IDを読み取る。
【0040】
さて、製品管理装置10は、記憶部101,入力要求部102,第1通知部103,確認情報入力部104,所在位置検知部105,送信部106,受信部107,確認情報判定部108,利用箇所判定部109,禁止制御部110,禁止部111および変更要求部112をそなえて構成されている。記憶部101は例えばRAM(Randaom Access Memory),ハードディスク等によって構成され、入力要求部102,送信部106,受信部1
07,確認情報判定部108,利用箇所判定部109および禁止制御部110としての機能は、例えばCPU(Central Processing Unit;図示略)が記憶部101等に記憶され
た所定のアプリケーションプログラム(製品管理プログラム)を実行することによって実現される。
【0041】
記憶部101には、確認情報記憶部101aおよび利用箇所記憶部101bがそなえられている。
確認情報記憶部101aは、管理対象製品1の登録利用者の本人確認を行なう登録確認情報を予め記憶するものである。登録確認情報としては、例えば、登録利用者から予め抽出された生体特徴情報(例えば、指紋,掌紋,声紋,虹彩,静脈パターンなどの特徴点情報)が用いられる。
【0042】
利用箇所記憶部101bは、管理対象製品1の登録利用箇所を予め記憶するものである。第1実施形態では、後述するごとくGPS機能を用いるため、登録利用箇所としては、例えば、当該管理対象製品1を利用する住宅等を代表する緯度・経度情報が用いられる。
なお、製品管理装置10の全部、もしくは、少なくとも記憶部101については、記憶部101内の登録確認情報および該登録利用箇所が不正に書き換えられるのを確実に防止すべく、耐タンパ性に優れた筐体(図示略)内に収容されている。
【0043】
ここで、センタ管理装置20は、管理対象製品1の所在位置,登録利用箇所,登録利用者を追跡管理するとともに、管理対象製品1の廃棄管理を行なう追跡/廃棄管理装置としての機能を果たす。この機能を実現すべく、センタ管理装置20は、管理対象製品1の所在位置(緯度・経度情報)を管理対象製品1から受信する機能や、管理対象製品1の登録利用者の本人確認を行なう登録確認情報および管理対象製品1の登録利用箇所をそれぞれ予め記憶する確認情報記憶部201aおよび利用箇所記憶部201bとしての機能(記憶部201)や、製品IDに対応させて当該製品IDで特定される製品1の廃棄済み/未廃棄を記憶する廃棄管理テーブル220aとしての機能(記憶部201)や、後述する変更要求受付部210,確認部211,登録変更部212,第2通知部213および廃棄管理部220としての機能を有している。
【0044】
また、センタ管理装置20は、必要に応じて(例えば盗難されている可能性の高い場合に)、管理対象製品1の作動を遠隔で禁止させるべく禁止指示信号を送信する機能や、盗難に遭ったなどの理由で、登録利用者から管理対象製品1の作動禁止要請を受けた場合にも、管理対象製品1の作動を遠隔で禁止させるべく禁止指示信号を送信する機能も併せもっている。
【0045】
なお、記憶部201(確認情報記憶部201a,利用箇所記憶部201bおよび廃棄管理テーブル220a)は、例えばRAM,ハードディスク等によって構成され、後述する変更要求受付部210,確認部211,登録変更部212,第2通知部213および廃棄管理部220としての機能は、例えばCPU(図示略)が記憶部201等に記憶された所定のアプリケーションプログラム(製品管理プログラム)を実行することによって実現される。
【0046】
登録装置40は、管理対象製品1を販売する店舗にそなえられ、管理対象製品1の購入時に、その販売店舗において、センタ管理装置20の記憶部201(確認情報記憶部201aおよび利用箇所記憶部201b)や、製品管理装置10に確認情報記憶部101aおよび利用箇所記憶部101bがそなえられる場合にはこれらの記憶部101a,101bに、それぞれ、上述した登録確認情報および該登録利用箇所を当該管理対象製品1の製品識別情報(製品ID)に対応付けて書き込み新規登録するものである。
【0047】
また、登録装置40は、管理対象製品1の購入時に、その販売店舗において、センタ管理装置20の記憶部201(廃棄管理テーブル220a)に、製品IDに対応付けて、当該製品IDで特定される製品1が未廃棄状態であることを書き込み新規登録する(図4のステップS62参照)。
【0048】
このとき、登録装置40に、上述した読取機50と同様の機能、つまり無線タグ1aから製品IDを読み取る機能をそなえておき、この機能によって管理対象製品1の無線タグ1aから読み取った製品IDに対応付けて、センタ管理装置20の記憶部201(確認情報記憶部201a,利用箇所記憶部201bおよび廃棄管理テーブル220a)への新規登録を行なってもよい。
【0049】
さらに、登録装置40には、登録利用者として登録されるべき利用者(購入者本人、もしくは購入者と同行する利用者本人)から登録確認情報としての生体特徴情報を検出して抽出するセンサ機能/抽出機能がそなえられるほか、当該管理対象製品1を使用する住宅等の住所(購入者もしくは利用者によって入力された住所)に対応し当該住所を代表する緯度・経度情報を、登録利用箇所として決定する機能がそなえられ、これらの機能によって得られた生体特徴情報および緯度・経度情報を、製品IDに対応付けてそれぞれ確認情報記憶部201a/101aおよび利用箇所記憶部201b/101bに書き込む機能がそなえられている。また、登録利用者としては、一名だけなく、複数名(例えば家族全員
)が登録されてもよい。
【0050】
登録装置40は、ネットワーク等を介して、もしくは、直接的に、センタ管理装置20の確認情報記憶部201a,利用箇所記憶部201bおよび廃棄管理テーブル220aに対する書込登録を行なう一方で、製品管理装置10に確認情報記憶部101aおよび利用箇所記憶部101bがそなえられる場合には、これらの確認情報記憶部101aおよび利用箇所記憶部101bに対して、例えば、USB(Universal Serial Bus)コネクタ等を介して直接的に、もしくは、センタ管理装置20を経由して間接的に書込登録を行なう。
【0051】
なお、登録装置40による書込登録に際しては、上述のように、購入者(利用者)がその場で登録確認情報や登録利用箇所を入力してもよいが、ポイントカード等の登録カードを購入者(利用者)に対して発行している量販店等においては、以下のような手法で、記憶部201a/101aおよび201b/101bに対する登録確認情報や登録利用箇所の書込登録を行なってもよい。
【0052】
つまり、登録カードの発行時に、その登録カードの識別情報に対応付けて、利用者の登録確認情報および登録利用箇所をデータベースに予め登録しておき、その後、利用者が当該量販店等において管理対象製品1を購入した際には、利用者は、その登録カードを登録装置40に挿入するとともに、登録対象の管理対象製品1を指定する。登録対象の管理対象製品1の指定は、例えば、上述した無線タグ1aの読取機能を用いて製品IDを無線タグ1aを読み取って行なってもよいし、購入した管理対象製品1に貼付されたバーコードを登録装置40のバーコードリーダで読み取ることにより管理対象製品1の製品IDを読み取って行なってもよい。
【0053】
このような操作を行なうだけで、挿入された登録カードの識別情報に基づいて上記データベースから当該利用者の登録確認情報および登録利用箇所が読み出され、読み出された情報が、製品IDに対応付けられてセンタ管理装置20の確認情報記憶部201aおよび利用箇所記憶部201bに書込登録される。また、読み出された情報は、製品管理装置10の確認情報記憶部101aおよび利用箇所記憶部101bに、登録装置40から直接的に書込登録されるか、もしくは、登録装置40において、製品IDに基づいて製品1に組み込まれた製品管理装置10を特定し、センタ管理装置20およびネットワーク等を経由して特定された製品管理装置10に対し書込登録される。
【0054】
また、本実施形態の登録装置40は、確認情報記憶部201a/101aおよび利用箇所記憶部201b/101bにおける管理対象製品の登録利用者についての登録確認情報や該管理対象製品の登録利用箇所の変更要求を、センタ管理装置20に対して行なう変更要求機能も併せもっている。この変更要求は、登録利用者の変更・追加や登録利用箇所の変更に際し、その変更・追加に応じた記憶部201a/101a/201b/101bの書換を要求するもので、基本的には、追加/変更の指示情報と、現在の登録利用者について登録確認情報と、変更内容(追加すべき確認情報や変更後の確認情報や利用箇所)と、当該管理対象製品1の製品IDとを含んでいる。従って、上記変更要求機能には、上述のような情報を入力するための機能(テンキー,キーボード,タッチパネル等)がそなえられるとともに、変更要求時には上記センサ機能/抽出機能が用いられる。なお、本実施形態では、この変更要求機能と同様の機能が、後述する変更要求部112として、製品管理装置10にもそなえられている。
【0055】
一方、製品管理装置10において、入力要求部102は、管理対象製品1の利用者に対し、後述する確認情報入力部104からの照合用確認情報の入力を定期的または不定期に要求するものである。この入力要求部102は、例えば、週に一度、あるいは、月に一度、あるいは、ランダムな間隔で入力要求を発行する。
【0056】
第1通知部103は、例えば液晶パネル,ビープ音,LED(Light Emitting Diode)などによって利用者に対し各種通知を行なうもので、具体的には、上述した入力要求部102による照合用確認情報の入力要求や、後述する警告(図3のステップS18での警告)や、後述する判定部108,109による判定結果(後述する制御(B)〜(D))に応じた通知(図3のステップS26,S27,S29での変更指示)などを、利用者に対して行なうものである。
【0057】
確認情報入力部104は、管理対象製品1の利用者が照合用確認情報を入力するもので、上述した登録装置40にそなえられる上記センサ機能/抽出機能と同様の機能を有している。より具体的には、生体情報が指紋である場合には、指紋センサと、そ指紋センサによって得られた指紋画像から指紋特徴点を抽出する抽出処理部とが上記センサ機能/抽出機能としてそなえられる。抽出処理部としての機能は、上記CPUが所定のアプリケーションプログラムを実行することによって実現される。つまり、確認情報入力部104は、当該管理対象製品1の利用者(照合対象者)から照合用確認情報としての照合用生体特徴情報を検出して抽出し、確認情報判定部108に入力するようになっている。
【0058】
また、確認情報入力部104は、入力要求部102による入力要求発行後に所定時間(例えば数時間)だけ経過しても確認情報が入力されない場合に、第1通知部103を通じて利用者に確認情報の入力を行なう旨の警告通知(図3のステップS18参照)を実行させる機能を有するとともに、警告通知を行なった後にさらに所定時間(例えば数時間)だけ経過しても確認情報が入力されない場合に利用者が照合用確認情報の入力を行なわなかった旨を確認情報判定部108に通知する機能を有している。
【0059】
所在位置検知部105は、管理対象製品1の所在位置を検知するもので、前述した通り、例えばGPS機能を用いて管理対象製品1の所在位置(緯度・経度情報)を検知するものである。この所在位置検知部105は、管理対象製品1の所在位置を定期的または不定期に検知するものであるが、本実施形態では、例えば、入力要求部102の入力要求発行タイミングで所在位置の検知を行なうものとする。
【0060】
送信部106および受信部107は、公衆回線網等のネットワークを介して、それぞれ、管理対象製品1の管理を行ないうるセンタ管理装置20へのデータ送信、および、当該センタ管理装置20からのデータ受信を行なうものである。
ここで、送信部106は、所在位置検知部105によって検知された管理対象製品1の所在位置(緯度・経度情報)や、判定部108,109による判定結果や、後述する変更要求部112による変更要求をセンタ管理装置20に対して送信する機能を果たす。
【0061】
受信部107は、センタ管理装置20からの各種データ、例えば、上記禁止指示信号や、変更要求部112または登録装置40による変更要求に応じセンタ管理装置40から記憶部101a,101bにおける情報の変更指示/変更内容を受信するもので、上記禁止指示信号を受信した場合には後述する禁止制御部110に通知する機能や、変更指示/変更内容を受信した場合にはその指示/内容に応じた変更処理を記憶部101a,101bに行なわせる機能も有している。
【0062】
確認情報判定部108は、確認情報入力部104から入力された照合用確認情報(照合用生体特徴情報;例えば指紋特徴点情報)と確認情報記憶部101aに記憶された登録確認情報(登録生体特徴情報)とが所定の一致率以上で一致するか否かを判定するものである。この確認情報判定部108は、入力要求部102による要求タイミングつまりは確認情報入力部104からの照合用確認情報の入力タイミングに応じ判定を行なうとともに、入力要求部102による要求に応じて利用者が照合用確認情報の入力を行なわなかった場
合、照合用確認情報と登録確認情報とが一致しなかったものとみなすようになっている。
【0063】
利用箇所判定部109は、所在位置検知部105によって検知された管理対象製品1の所在位置(緯度・経度情報)が利用箇所記憶部101bに記憶された登録利用箇所の範囲内に属するか否かを判定するものである。この利用箇所判定部109は、入力要求部102による要求タイミングつまりは所在位置検知部105による検知タイミングに応じて判定を行なうようになっている。ここで、利用箇所判定部109は、例えば、登録利用箇所が製品使用住所を代表する緯度・経度情報である場合、その緯度・経度情報を中心とする所定半径(例えば数メートル)の円内に存在するか否かに応じて、管理対象製品1の所在位置が登録利用箇所の範囲内に属するか否かを判定する。
【0064】
禁止部111は、管理対象製品1の作動を禁止するもので、上述したように無線タグ1aの取り外し動作に連動する連動禁止部としても機能する。この禁止部111は、上述したように、例えば、管理対象製品1を作動させるためのスイッチがオン状態にならないように規制することで物理的(機械的)に管理対象製品1の作動を禁止する禁止機構であってもよいし、管理対象製品1を作動させるための電力供給線あるいは石油/ガス供給ラインを切断状態に切り替えることで物理的に管理対象製品1の作動を禁止する禁止機構であってもよいし、管理対象製品1を作動させるための信号の作成・発行をソフトウエアによって強制的に禁止することでソフトウエア的に管理対象製品1の作動を禁止する禁止手段であってもよい。
【0065】
禁止制御部110は、確認情報判定部108によって照合用確認情報と登録確認情報とが一致しないと判定された場合(一致率が上記所定の一致率未満である場合)、または、利用箇所判定部109によって管理対象製品1の所在位置が登録利用箇所の範囲内に属しないと判定された場合、または、確認情報判定部108によって照合用確認情報と登録確認情報とが一致しないと判定され且つ利用箇所判定部109によって管理対象製品1の所在位置が登録利用箇所の範囲内に属しないと判定された場合、禁止部111による禁止動作を実行させるとともに、第1通知部103に、後述するような変更指示を実行させるものである。
【0066】
本実施形態において、禁止制御部110は、センタ管理装置20からの禁止指示信号を受信部107によって通知された場合に直ちに禁止部111による禁止動作を実行させるほか、具体的には図3を参照しながら後述するように、判定部108,019による判定結果に応じて以下のような制御(A)〜(D)を行なう(図3のステップS25〜S29参照)。
【0067】
(A)確認情報判定部108によって照合用確認情報と登録確認情報とが所定の一致率以上で一致すると判定され、且つ、利用箇所判定部109によって管理対象製品1の所在位置が登録利用箇所の範囲内に属していると判定された場合、禁止制御部110は、何ら制御を行なうことなく入力要求部102による次の入力要求発行を待つ。
【0068】
(B)確認情報判定部108によって照合用確認情報と登録確認情報とが所定の一致率以上で一致すると判定され、且つ、利用箇所判定部109によって管理対象製品1の所在位置が登録利用箇所の範囲内に属しないと判定された場合、禁止制御部110は、その判定結果を送信部106によってセンタ管理装置20へ送信させるとともに、登録利用者が転居した状況が考えられるため、当該管理対象製品1の登録利用箇所についての変更をセンタ管理装置20等に対して行なうべき旨を、変更指示として第1通知部103によって利用者に通知する。
【0069】
(C)確認情報判定部108によって照合用確認情報と登録確認情報とが一致しないと
判定され(一致率が所定の一致率未満、もしくは、利用者が照合用確認情報の入力を行なわなかった場合)、且つ、利用箇所判定部109によって管理対象製品1の所在位置が登録利用箇所の範囲内に属していると判定された場合、禁止制御部110は、その判定結果を送信部106によってセンタ管理装置20へ送信させるとともに、登録利用者が変わった状況が考えられるため、当該管理対象製品1の登録利用者についての変更をセンタ管理装置20等に対して行なうべき旨を、変更指示として第1通知部103によって利用者に通知する。
【0070】
(D)確認情報判定部108によって照合用確認情報と登録確認情報とが一致しないと判定され(一致率が所定の一致率未満、もしくは、利用者が照合用確認情報の入力を行なわなかった場合)、且つ、利用箇所判定部109によって管理対象製品1の所在位置が登録利用箇所の範囲内に属しないと判定された場合、禁止制御部110は、禁止部111による禁止動作を実行させてから、禁止動作を行なった旨を送信部106によってセンタ管理装置20へ送信させる。このとき、登録利用者が当該管理対象製品1を他人に譲渡した状況も考えられるので、禁止制御部110は、上述のごとく、管理対象製品1の作動を禁止させた後に、登録利用者および登録利用箇所の変更をセンタ管理装置20等に対して行なうべき旨を、変更指示として第1通知部103によって現在の利用者に通知してもよい。この場合、その変更指示に応じて、登録利用者(登録確認情報)や登録利用箇所について正当な変更処理が実行された場合に、例えばセンタ管理装置20からの指示によって、禁止部111による管理対象製品1の作動禁止状態を解除する。
【0071】
なお、利用者が変わっている場合には登録利用者(現在の登録確認情報を登録した本人)が管理対象製品1の近くに居ない可能性が高く、近くに居ない場合、現在の利用者は登録利用者に連絡をとって変更処理を行なうように知らせる必要がある。このような手間を省くべく、現在の利用者に対する通知部103による変更指示通知を行なうと同時に、判定部108,109による判定結果を受けたセンタ管理装置20が、登録利用者について予め登録されたメールアドレス宛に電子メールを送信することによって、当該登録利用者に対しても変更指示を通知する。このような通知を実現すべく、センタ管理装置20は、後述する第2通知部213としての機能がそなえられている。
【0072】
また、製品管理装置10における変更要求部112は、第1通知部103による上記変更指示に応じて、管理対象製品1の登録利用者についての登録確認情報または管理対象製品1の登録利用箇所の変更要求をセンタ管理装置20に対して行なうもので、上述したように、登録装置40における変更要求機能と同様の機能を果たすもので、変更指示通知を受けた利用者等の操作に応じ、追加/変更の指示情報と、現在の登録利用者について登録確認情報と、変更内容(追加すべき確認情報や変更後の確認情報や利用箇所)と、当該管理対象製品1の製品IDとを含む変更要求を、送信部106を介してセンタ管理装置20に発行するようになっている。従って、変更要求部112にも、上述のような情報を入力するための機能(テンキー,キーボード,タッチパネル等)がそなえられるとともに、上述した確認情報入力部104における上記センサ機能/抽出機能が用いられる。
【0073】
そして、センタ管理装置20において、変更要求受付部210は、製品管理装置10の変更要求部112もしくは登録装置40の変更要求機能からの変更要求を受信する(受け付ける)ものであり、確認部211は、変更受付部210によって変更要求を受けると、当該変更要求を行なった利用者についての正当性を確認するものである。この確認部211では、登録利用者による変更要求のみが正当とみなす、つまり、当該変更要求を行なった利用者が管理対象製品1の登録利用者である場合にのみ利用者の正当性を認めるようになっている。従って、確認部211は、変更要求に含まれる登録確認情報と、管理対象製品1の製品IDに対応付けられて記憶部201aに登録されている確認情報とを比較し、これらの確認情報が所定の一致率以上で一致する場合に、当該利用者が正当な利用者であ
ると認める。変更部212は、確認部211によって変更要求を行なった利用者についての正当性が確認された場合に、当該変更要求の内容に応じて、確認情報記憶部201aにおける登録確認情報または利用箇所記憶部201bにおける登録利用箇所の変更を行なうものである。
【0074】
また、第2通知部213は、製品管理装置10の確認情報判定部108によって照合用確認情報と登録確認情報とが一致しないと判定された場合、管理対象製品1の登録利用者に対し、当該登録利用者についての登録確認情報の変更を行なうべき旨を変更指示として通知するものである。この第2通知部213による通知は、上述したように、当該登録利用者について予め登録されたメールアドレス宛に電子メールを送信することによって行なわれる。
【0075】
廃棄管理部220は、センタ管理装置20の送受信機能を用いて読取機50と通信可能に接続され、この読取機50からの製品IDに基づき、管理対象製品1が廃棄済みか否かを、廃棄管理テーブル220aに製品IDに対応付けて登録し管理するものである。つまり、廃棄管理テーブル220aには、上述したように、管理対象製品1の購入時に、登録装置40から、製品IDに対応付けられて当該製品IDで特定される製品1が未廃棄状態であることが書き込まれ新規登録される一方、廃棄管理部220は、読取機50から製品IDを受信した場合、受信した製品IDによって特定される管理対象製品1が廃棄済みであることを、当該製品IDに対応付けて廃棄管理テーブル220aに登録する。
【0076】
そして、第1実施形態)の製品管理システムでは、上述したように製品管理装置10,登録装置40およびセンタ管理装置20の一部(構成要素201,210〜213)を含んで構成される追跡管理システムが、廃棄管理部220の廃棄管理テーブル220aにおいて未廃棄登録の管理対象製品1の追跡管理を行なう(図2(c)並びに図3,図9および図12参照)。
【0077】
次に、図2〜図4を参照しながら、図1に示す第1実施形態の製品管理システムの動作について説明する。
まず、図2(a)〜(c)は図1に示す製品管理システムにおける製品管理(廃棄管理/追跡)動作を説明するためのフローチャートで、図2(a)は、読取機50の設置場所での動作を説明するものであり、図2(b)は、廃棄管理部220の廃棄管理動作を説明するものであり、図2(c)は、センタ管理装置20による未廃棄製品に対する追跡管理動作を説明するものである。
【0078】
本実施形態では、家電リサイクル法の対象家電製品の4品目に限らず、その他の製品、例えば、電子レンジ・オーブンレンジや、パーソナルコンピュータ,プリンタ,スキャナなどの情報処理機器や、瞬間湯沸かし器,給湯器,ファンヒータなどのガス/石油燃焼機器などの各種製品が管理対象製品1である場合についても、その製品1を廃棄処分する際には、その製品1の利用者は、その製品1を販売店や自治体における所定の窓口へ持ち込み、その製品1を、リサイクルを行なう製造業者等に受け渡すことになる。
【0079】
管理対象製品1のリサイクル処理の受付を行なう、管理対象製品1の販売店または管理対象製品1の自治体窓口に、読取機50が設置されている場合、管理対象製品1を廃棄する利用者は、その管理対象製品1を管理対象製品1の販売店または管理対象製品1の自治体窓口に持ち込む。そして、その販売店/自治体窓口で担当者が管理対象製品1のリサイクル処理を受け付けた時点で管理対象製品1の廃棄処理が確定したものとして[図2(a)のステップS81のYESルート]、読取機50によって、その管理対象製品1の無線タグ1aから製品IDが読み取られ[図2(a)のステップS82]、その製品IDがセンタ管理装置20(廃棄管理部220)に送信される[図2(a)のステップS83]。
このとき、ステップS82での製品IDの読取は、リサイクル受付済み製品1の受け渡し経路上または同経路近傍に読取機50を設置しておくことで、担当者等が意識することなく実行される。その後、製品1は、販売店または自治体窓口から所定の製造業者設備またはリサイクル業者設備に引き渡され、その製品1に対するリサイクル処理が実行される。
【0080】
一方、管理対象製品1のリサイクル処理を行なう、管理対象製品1の製造業者設備またはリサイクル業者設備に、読取機50が設置されている場合、管理対象製品1を廃棄する利用者は、その管理対象製品1を管理対象製品1の販売店または管理対象製品1の自治体窓口に持ち込み、リサイクル受付後に製品1は販売店または自治体窓口から所定の製造業者設備またはリサイクル業者設備に引き渡される。そして、その製造業者設備/リサイクル業者設備で管理対象製品1のリサイクル処理実行直前になった時点で管理対象製品1の廃棄処理が確定したものとして[図2(a)のステップS81のYESルート]、読取機50によって、その管理対象製品1の無線タグ1aから製品IDが読み取られ[図2(a)のステップS82]、その製品IDがセンタ管理装置20(廃棄管理部220)に送信される[図2(a)のステップS83]。このとき、ステップS82での製品ID読取は、製造業者設備/リサイクル業者設備におけるリサイクル対象製品1の搬送経路上または同搬送経路近傍に読取機50を設置しておくことで、作業者等が意識することなく実行される。
【0081】
廃棄管理部220において読取機50から製品IDが受信されると[図2(b)のステップS84のYESルート]、廃棄管理部220は、受信した製品IDをキーにして、廃棄管理テーブル220aを検索する[図2(b)のステップS85]。
その製品IDがヒットした場合[図2(b)のステップS86のYESルート]、その製品IDによって特定される製品1は、廃棄管理テーブル220aでは未廃棄状態で登録されているはずであり、廃棄管理部220は、その製品IDによって特定される管理対象製品1が廃棄済みであることを、当該製品IDに対応付けて廃棄管理テーブル220aに登録する[図2(b)のステップS87]。ただし、このように廃棄済み登録を行なう際に、その製品IDによって特定される管理対象製品1が既に廃棄済みになっている場合には、何らかの手違いあるいは不正が行なわれている可能性があるため、廃棄管理部220は、その旨を管理者等に通知する。
【0082】
一方、製品IDがヒットしなかった場合[図2(b)のステップS86のNOルート]、何らかの手違いにより製品1の購入時に廃棄管理テーブル220aに対する未廃棄登録が行なわれなかった可能性があるため、廃棄管理部220は、その旨を管理者等に通知する[図2(b)のステップS88]。
【0083】
なお、廃棄管理部220は、読取機50から製品IDを受信した時点で[図2(b)のステップS84のYESルート]、管理対象製品1側の製品管理装置10における所在位置検知部105から送信部106経由で、その時点での管理対象製品1の所在位置を取得し、取得された管理対象製品1の所在位置が、読取機50が設置されている所定の設置箇所(所定の販売店/自治体窓口/製造業者設備/リサイクル業者設備)であるか否かの判定を行なってもよい。このとき、製品IDの読取時の管理対象製品1の所在位置が、所定の設置箇所でない場合、廃棄管理部220は、不正な読取機によって読み取られて送信された製品IDであると認識し、その旨を管理者等に通知する。これにより、製品IDの読取が正当な読取機50によって行なわれたことを確認することが可能になる。
【0084】
そして、第1実施形態の製品管理システムにおける追跡管理システムでは、廃棄管理テーブル220aが参照され、廃棄管理テーブル220aに未廃棄の製品IDが登録されている場合(ステップS91のYESルート)、各製品IDで特定される管理対象製品1についての追跡管理処理が実行される(ステップS92)。ここで、ステップS92での追
跡管理処理は、第1実施形態では図3に示すフローチャートに従って実行され、第2実施形態では図9に示すフローチャートに従って実行され、第3実施形態では図12に示すフローチャートに従って実行される。
【0085】
次に、図3に示すフローチャート(ステップS11〜S29,S19a)に従って、図1に示す製品管理システム(追跡管理システム)における製品管理(追跡管理)動作について説明する。
【0086】
入力要求部102において、照合用確認情報(照合用生体特徴情報)の入力要求タイミング(例えば、週に一度、あるいは、月に一度、あるいは、ランダムな間隔)になったことがタイマ等により検知されると(ステップS11のYESルート)、確認情報入力部104からの照合用確認情報の入力要求が発行される(ステップS12)。この入力要求は第1通知部103,確認情報入力部104,所在位置検知部105および確認情報判定部108へ発行され、この入力要求を受けた第1通知部103では、例えば液晶パネル,ビープ音,LEDなどによって、利用者に対し照合用確認情報の入力要求が通知される(ステップS12)。
【0087】
この後、ステップS13〜S20およびS19aの処理(利用者判定に係る処理)とステップS21〜S24の処理(利用箇所判定に係る処理)とが並行して実行される。
入力要求を受けた確認情報入力部104では、利用者が生体情報の入力を行なったか否かを判断し(ステップS13)、所定時間内に利用者によって生体情報の入力が行なわれると(ステップS13のYESルート)、その生体情報から照合用確認情報(照合用生体特徴情報)が抽出され確認情報判定部108に入力される(ステップS14)。
【0088】
照合用確認情報(照合用生体特徴情報)を入力された確認情報判定部108では、確認情報記憶部101aから登録確認情報が読み出され(ステップS15)、確認情報入力部104から入力された照合用確認情報と記憶部101aから読み出された登録確認情報とが所定の一致率以上で一致するか否かが判定され、その判定結果が禁止制御部110に通知されてから(ステップS16)、ステップS25の処理へ移行する。
【0089】
所定時間だけ経過しても利用者が生体情報の入力を行なわない場合(ステップS13のNOルートおよびステップS17のYESルート)、確認情報入力部104は、第1通知部103を通じて利用者に確認情報(生体情報)の入力を行なう旨の警告通知を行なう(ステップS18)。そして、警告通知を行なった後に所定時間内に利用者によって生体情報の入力が行なわれると(ステップS19のNOルートおよびステップS19aのYESルート)、上述したステップS14〜S16の処理が行なわれ、ステップS25の処理へ移行する。
【0090】
また、確認情報入力部104は、警告通知を行なった後にさらに所定時間だけ経過しても確認情報が入力されない場合(ステップS19のYESルート)、利用者が照合用確認情報(照合用生体特徴情報)の入力を行なわなかった旨を、確認情報判定部108経由で禁止制御部110に通知する(ステップS20)。このような通知を受けた確認情報判定部108は、前述した通り、照合用確認情報と登録確認情報とが一致しなかったものと判断することになる。
【0091】
一方、入力要求を受けた所在位置検知部105では、例えばGPS機能を用いて管理対象製品1の所在位置(緯度・経度情報)が検知され(ステップS21)、検知された所在位置は、センタ管理装置(追跡管理装置)20で管理すべく、送信部106を通じ、当該管理対象製品1を特定しうる製品識別情報(製品ID)とともにセンタ管理装置20へ送信される(ステップS22)。センタ管理装置20側では、製品管理装置10(管理対象
製品1)から送信されてきた所在位置(緯度・経度情報)が、データベース(図示略)において製品IDに対応付けられて保存管理され、必要に応じて、そのデータベースを参照することにより当該管理対象製品1の所在位置を追跡(トレース)できるようになっている。
【0092】
また、所在位置検知部105が管理対象製品1の所在位置(緯度・経度情報)を検知すると、利用箇所判定部109では、利用箇所記憶部101bから登録利用箇所が読み出され(ステップS23)、所在位置検知部105によって検知された管理対象製品1の所在位置(緯度・経度情報)が、利用箇所記憶部101bから読み出された登録利用箇所の範囲内に属するか否かが判定され、その判定結果が禁止制御部110に通知されてから(ステップS24)、ステップS25の処理へ移行する。
【0093】
そして、ステップS25において、禁止制御部110は、ステップS16での判定結果もしくはステップS20からの通知内容と、ステップS24での判定結果とに基づいて、以下のような制御(ステップS26〜S29)を実行する。
【0094】
ステップS16において照合用確認情報と登録確認情報とが所定の一致率以上で一致すると判定(OK判定)され、且つ、ステップS24において管理対象製品1の所在位置が登録利用箇所の範囲内に属していると判定(OK判定)された場合(ステップS25のAルート)、何ら制御を行なうことなく、ステップS11の処理へ戻る。
【0095】
ステップS16において照合用確認情報と登録確認情報とが所定の一致率以上で一致すると判定(OK判定)され、且つ、ステップS24において管理対象製品1の所在位置が登録利用箇所の範囲内に属しないと判定(NG判定)された場合(ステップS25のBルート)、その判定結果が送信部106によってセンタ管理装置20へ送信されるとともに、登録利用者が転居した状況が考えられるため、当該管理対象製品1の登録利用箇所についての変更をセンタ管理装置20等に対して行なうべき旨が、変更指示として第1通知部103によって利用者に通知されてから(ステップS26)、ステップS11の処理へ戻る。
【0096】
ステップS16において照合用確認情報と登録確認情報とが一致しないと判定(NG判定)され(一致率が所定の一致率未満、もしくは、利用者が照合用確認情報の入力を行なわずステップS20の通知を受けた場合)、且つ、ステップS24において管理対象製品1の所在位置が登録利用箇所の範囲内に属していると判定(OK判定)された場合(ステップS25のCルート)、その判定結果が送信部106によってセンタ管理装置20へ送信されるとともに、登録利用者が変わった状況が考えられるため、当該管理対象製品1の登録利用者についての変更をセンタ管理装置20等に対して行なうべき旨が、変更指示として第1通知部103によって利用者に通知されてから(ステップS27)、ステップS11の処理へ戻る。
【0097】
ステップS16において照合用確認情報と登録確認情報とが一致しないと判定(NG判定)され(一致率が所定の一致率未満、もしくは、利用者が照合用確認情報の入力を行なわずステップS20の通知を受けた場合)、且つ、ステップS24において管理対象製品1の所在位置が登録利用箇所の範囲内に属しないと判定(NG判定)された場合(ステップS25のDルート)、禁止部111による禁止動作が実行されてから(ステップS28)、禁止動作を行なった旨が送信部106によってセンタ管理装置20へ送信される(ステップS29)。このとき、第1通知部103を通じて管理対象製品1の作動を禁止した旨を通知してもよい。また、上述したように、登録利用者が当該管理対象製品1を他人に譲渡した状況も考えられるので、禁止制御部110は、管理対象製品1の作動禁止後、第1通知部103を通じて現在の利用者に対し、登録利用者および登録利用箇所の変更をセ
ンタ管理装置20等に対して行なうべき旨を、変更指示として通知する。そして、その変更指示に応じて、登録利用者(登録確認情報)や登録利用箇所について正当な変更処理が実行された場合に、例えばセンタ管理装置20からの指示によって、禁止部111による管理対象製品1の作動禁止状態が解除される。
【0098】
なお、第1実施形態では、ステップS25のBルートもしくはCルートでは、管理対象製品1の作動禁止を行なわず、変更を行なうべき旨の変更指示通知を行なっているが、これらのBルートやCルートの場合も、禁止制御部110は、Dルートの場合と同様、直ちに禁止部111によって管理対象製品1の作動禁止を行なってもよい。この場合も、禁止制御部110は、管理対象製品1の作動禁止後、第1通知部103を通じて現在の利用者に対し登録利用者または登録利用箇所の変更をセンタ管理装置20等に対して行なうべき旨を通知する。そして、対応する変更処理が正当に実行された場合、例えばセンタ管理装置20からの指示によって、禁止部111による管理対象製品1の作動禁止状態を解除する。
【0099】
また、ステップS25のCルートまたはDルートの場合、登録利用者(現在の登録確認情報を登録した本人)が管理対象製品1の近くに居ない可能性が高い。登録利用者が近くに居ない場合のことを考慮し、現在の利用者が登録利用者に連絡をとって変更処理を行なうように知らせる手間を省くべく、センタ管理装置20は、判定部108,109による判定結果に応じ(ステップS25のCルートまたはDルートの場合)、第2通知部213により、当該登録利用者について予め登録されたメールアドレス宛に電子メールを送信することで、当該登録利用者に対しても変更指示(当該登録利用者についての登録確認情報の変更を行なうべき旨)が通知される。
【0100】
ついで、図4に示すフローチャート(ステップS60〜S71)に従って、図1に示す製品管理システム(センタ管理装置20)における登録/変更動作について説明する。
ここで、ステップS61〜S64は、管理対象製品1の購入時における新規登録に係る処理であり、ステップS65〜S71は、第1通知部103/第2通知部213からの変更指示通知に応じた利用者(登録利用者)によって、製品管理装置10の変更要求部112もしくは登録装置40の変更要求機能を用いて、管理対象製品1の登録利用者についての登録確認情報または管理対象製品1の登録利用箇所の変更要求がセンタ管理装置20に対して発行された場合の変更に係る処理である。
【0101】
まず、センタ管理装置20において、登録装置40から、管理対象製品1の購入時における新規登録の要求を受け付けると(ステップS60のYESルート)、当該要求に含まれる情報に従って、当該管理対象製品1についての登録確認情報および登録利用箇所が、当該管理対象製品1の製品IDに対応付けられて、それぞれ、センタ管理装置20の確認情報記憶部201aおよび利用箇所記憶部201bに新規に書込登録される(ステップS61)。
【0102】
また、このとき、当該管理対象製品1の製品IDに対応付けて、当該製品IDで特定される製品1が未廃棄状態であることが、廃棄管理テーブル220aに新規に書込登録される(ステップS62)。
なお、ステップS61,S62における新規登録用の製品IDとしては、前述したように、無線タグ1aから読み取ったものを用いることができる。
【0103】
そして、当該管理対象製品1に組み込まれた製品管理装置10側に確認情報記憶部101aおよび利用箇所記憶部101bがそなえられている場合(図1に示す例ではそなえられている;ステップS63のYESルート)、記憶部201aおよび201bに登録されたものと同一の登録確認情報および登録利用箇所が、センタ管理装置20を経由して当該
製品管理装置10に送信され、それぞれ、製品IDとともに確認情報記憶部101aおよび利用箇所記憶部101bに新規に書込登録される(ステップS64)。製品管理装置10側に記憶部101a,101bがそなえられていない場合(ステップS63のNOルート)、ステップS64の処理は省略される。
【0104】
一方、センタ管理装置20において、変更要求受付部210が、製品管理装置10の変更要求部112もしくは登録装置40の変更要求機能から、変更要求を受け付けると(ステップS60のNOルートおよびステップS65のYESルート)、確認部211によって、変更要求に含まれる登録確認情報と、管理対象製品1の製品IDに対応付けられて記憶部201aに登録されている確認情報とが比較され、これらの確認情報が所定の一致率以上で一致するか否か、つまり変更要求を行なった利用者が登録利用者本人であるか否か(正当な利用者であるか否か)が判定される(ステップS66,S67)。
【0105】
登録利用者本人でないと判定された場合(ステップS67のNOルート)、センタ管理装置20から製品管理装置10に対しエラー通知が行なわれ、製品管理装置10では第1通知部103/第2通知部213を通じて現在の利用者/登録利用者に対するエラー通知が行なわれる(ステップS71)。
また、登録利用者本人であると判定された場合(ステップS67のYESルート)、変更要求受付部210によって受け付けられた変更要求の内容に応じて、変更部212が、確認情報記憶部201aにおける登録確認情報または利用箇所記憶部201bにおける登録利用箇所の変更を行なう(ステップS68)。
【0106】
そして、当該管理対象製品1に組み込まれた製品管理装置10側に確認情報記憶部101aおよび利用箇所記憶部101bがそなえられている場合(図1に示す例ではそなえられている;ステップS69のYESルート)、記憶部201aおよび201bで変更登録されたものと同一の登録確認情報および登録利用箇所が、センタ管理装置20を経由して当該製品管理装置10に送信され、それぞれ、確認情報記憶部101aおよび利用箇所記憶部101bでの書換変更登録が行なわれる(ステップS70)。製品管理装置10側に記憶部101a,101bがそなえられていない場合(ステップS69のNOルート)、ステップS70の処理は省略される。
【0107】
このように、本発明の第1実施形態によれば、例えば管理対象製品1のリサイクル処理の受付を行なう販売店/自治体窓口あるいは管理対象製品1のリサイクル処理を行なう製造業者設備/リサイクル業者設備には、無線タグ1aから製品IDを読み取る読取機50が設置されている。そして、管理対象製品1の廃棄処理確定時、具体的には管理対象製品1のリサイクル処理の受付時あるいは管理対象製品1のリサイクル処理実行直前に、読取機50によって、管理対象製品1の無線タグ1aから製品IDが非接触で読み取られ廃棄管理部220へ送信される。
【0108】
この廃棄管理部220では、読取機50から製品IDを受信した場合、受信した製品IDによって特定される管理対象製品1が正当に廃棄済みであるとして、廃棄管理テーブル220aに登録される。これにより、管理対象製品1が廃棄済みか未廃棄であるかを管理可能になり、管理対象製品1の廃棄処理つまりリサイクル処理が正当に実施されたか否かを確実に管理することができる。
【0109】
また、無線タグ1aを管理対象製品1から取り外す動作に連動して管理対象製品1の作動を禁止する連動禁止部111をそなえることにより、管理対象製品1から無線タグ1aを取り外すと管理対象製品1は使用不能になる。このため、管理対象製品1から無線タグ1aが取り外されることが確実に抑止され、無線タグ1aを用いた管理対象製品1の廃棄管理を、その廃棄処理が確定するまで確実に行なうことができる。
【0110】
さらに、管理対象製品1が消費者(利用者)によって購入されてから正当に廃棄処理されるまでの間、第1実施形態の追跡管理システムにより、廃棄管理部220の廃棄管理テーブル220aにおいて未廃棄登録の管理対象製品1が追跡管理されるので、管理対象製品1の不法投棄が確実に抑止され、リコール時の管理対象製品1の回収が極めて効率化されるとともに、管理対象製品1の盗難が確実に抑止される。
【0111】
また、第1実施形態の製品管理システムにおける追跡管理システムによれば、廃棄管理テーブル220aに未廃棄登録されている管理対象製品1の登録利用者の本人確認および管理対象製品1の利用箇所確認が定期もしくは不定期に実行され、登録利用者本人が製品を利用しておらず且つ製品が登録利用箇所で利用されていない場合〔上記ステップS25のDルート;もしくは、登録利用者本人が製品を利用していない場合(上記ステップS25のCルート)または製品が登録利用箇所で利用されていない場合(上記ステップS25のBルート)〕に、管理対象製品1の作動が禁止される。これにより、管理対象製品1が盗難に遭った可能性の高い場合に、直ちに管理対象製品1の作動を禁止することができるので、盗難しても、盗難後はその製品1を使えなくなる。このような機能をそなえることで、管理対象製品1の盗難をより確実に抑止でき、より有効な盗難抑止効果を得ることができる。
【0112】
また、登録利用者本人が製品1を利用していない場合、または、製品1が登録利用箇所で利用されていない場合、管理対象製品1の登録利用者についての登録確認情報または管理対象製品1の登録利用箇所の変更を行なうべき旨が変更指示として利用者に対し通知され、変更指示に応じて、管理対象製品1の登録利用者についての登録確認情報または管理対象製品1の登録利用箇所の変更を行なうことが可能になる。その際、変更要求を行なった利用者についての正当性が確認されるため、登録確認情報や登録利用箇所の不正な書換等を確実に防止しながら登録確認情報や登録利用箇所の変更が行なわれる。
【0113】
これにより、管理対象製品1の追跡/廃棄管理装置20等においては、管理対象製品1が登録利用者以外の利用者に譲渡されて利用者が変わったり、引越し等によって管理対象製品1の利用箇所が変わったりしても、変更指示に応じた変更が実行されることで、常に、管理対象製品1の正当な利用位置や当該管理対象製品1の正当な利用者の追随把握管理が可能になる。従って、管理対象製品1の正当な譲渡後に盗難の誤認識を行なうことなく盗難に遭った可能性の高い管理対象製品1の作動が確実に禁止されるので、管理対象製品1の盗難の抑止とともに、管理対象製品1のリコール回収の効率化や不法投棄の抑止なども実現することができる。
【0114】
このとき、入力要求部102による要求に応じて利用者が照合用確認情報の入力を行なわなかった場合、確認情報判定部108は照合用確認情報と登録確認情報とが一致しなかったものとみなして、盗難された状況を安全側で認識し、管理対象製品1の作動を禁止させることができ、より有効な盗難抑止効果を得ることができる。
【0115】
また、管理対象製品1の所在位置をセンタ管理装置(追跡/廃棄管理装置)20に対して送信することで、管理対象製品1の所在位置をセンタ管理装置20で常に管理することが可能になり、管理対象製品1が、万一、盗難されたり不法投棄されたとしても、その所在位置を直ちに把握されるほか、必要に応じてセンタ管理装置20から発行される禁止指示信号によって管理対象製品1の作動を禁止させることも可能になるので、盗難や不法投棄の抑止効果を得ることができる。
【0116】
なお、図5は、第1実施形態の第1変形例としての製品管理システムの構成を示すブロック図である。上述した第1実施形態では、製品管理装置10を管理対象製品1内に組み
込んでいるが、図5に示す第1変形例では、禁止部111のみを管理対象製品1内に組み込み、禁止部111以外の部分を管理対象製品1の外部から付設するようにして、製品管理装置10を管理対象製品1に装備している。このような構成により、管理対象製品1に対しては、禁止部111を組み込むとともに禁止部111とそれ以外の部分とを接続するためのコネクタ等を設ける変更を加えるだけで、上述した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0117】
また、図6は、第1実施形態の第2変形例としての製品管理システムの構成を示すブロック図である。この第2変形例のシステムにおける製品管理装置10′は、第1実施形態と同様、管理対象製品1内に組み込まれている。上述した第1実施形態では、製品管理装置10における記憶部101に、確認情報記憶部101aおよび利用箇所記憶部101bをそなえているが、図6に示す第2変形例のシステムでは、この製品管理装置10′側の記憶部を省略している。
【0118】
この場合、製品管理装置10′の確認情報判定部108および利用箇所判定部109は、それぞれ、必要な時すなわち図3のステップS15およびS23の処理実行時に、送信部106/受信部107を介し、センタ管理装置20の確認情報記憶部201aおよび利用箇所記憶部201bから登録確認情報および登録利用箇所を読み出すことになる。
【0119】
このとき、製品管理装置10′の確認情報判定部108および利用箇所判定部109は、製品IDとともに登録確認情報および登録利用箇所の読出要求を、送信部106によってセンタ管理装置20へ送信し、その読出要求に応じてセンタ管理装置20から送信されてきた当該製品1についての登録確認情報および登録利用箇所を、受信部107を通じ受け取る。
【0120】
このような構成により、第1実施形態と同様の作用効果が得られるほか、登録確認情報および登録利用箇所は、製品管理装置10′側ではなく、センタ管理装置20側のみで保存管理されているので、これらの登録確認情報および登録利用箇所が不正に書き替えられたり不正に読み出されたりするのを確実に防止でき、登録確認情報および登録利用箇所といった個人情報のセキュリティを確保することができる。
【0121】
さらに、図7は、第1実施形態の第3変形例としての製品管理装置10′の構成を示すブロック図である。この図7に示す製品管理装置10′は、図5に示す第1変形例と図6に示す第2変形例とを組み合わせたもので、図6に示す製品管理装置10′では、禁止部111のみを管理対象製品1内に組み込み、禁止部111以外の部分を管理対象製品1の外部から付設するとともに、製品管理装置10′側の記憶部を省略している。このような構成により、第1実施形態と同様の作用効果が得られるほか、上述した第1変形例や第2変形例と同様の作用効果も得ることができる。
【0122】
〔2〕第2実施形態
図8は本発明の第2実施形態としての製品管理システム(追跡管理システム)の構成を示すブロック図である。図6を参照しながら前述した第1実施形態の第2変形例では、製品管理装置10′側の記憶部を省略し、センタ管理装置20に確認情報記憶部201a,利用箇所記憶部201b,変更要求受付部210,確認部211,登録変更部212,第2通知部213および廃棄管理部220(廃棄管理テーブル220a)をそなえた。これに対し、図8に示す第2実施形態の製品管理装置10″では、記憶部以外にも上述した確認情報判定部108,利用箇所判定部109および禁止制御部110も省略され、センタ管理装置20側に、さらに、上述した確認情報判定部108,利用箇所判定部109および禁止制御部110にそれぞれ対応する確認情報判定部204,利用箇所判定部205および禁止制御部206もそなえられている。
【0123】
また、図1,図6,図7では図示しなかったが、センタ管理装置20には、受信部202および送信部203がそなえられている。これらの受信部202および送信部203は、公衆回線網等のネットワークを介して、それぞれ、製品管理装置10″からのデータ受信や、製品管理装置10″へのデータ送信や、読取機50からの製品IDの受信を行なうものである。
【0124】
なお、管理対象製品1に組み込まれる製品管理装置10″には、前述と同様の入力要求部102,第1通知部103,確認情報入力部104,所在位置検知部105,送信部106,受信部107および禁止部111がそなえられている。
このように構成された第2実施形態の製品管理システムにおいても、第1実施形態と同様、図2(a)〜(c)に示す手順で製品管理(廃棄管理/追跡)動作が行なわれる。その動作は第1実施形態と同様であるので、ここでは、その説明は省略する。
【0125】
次に、図9に示すフローチャート(ステップS11〜S20,S15a,S16a,S19a,S23a〜S28a,S30〜S35)に従って、図8に示す第2実施形態の製品管理システムにおける製品管理動作について説明する。
【0126】
管理対象製品1(製品管理装置10″)側で行なわれるステップS11〜S20およびS19aの処理は、図3を参照しながら前述した処理と同様であるので、その説明は省略する。ステップS14で抽出された照合用生体特徴情報もしくはステップS20からの通知内容と、ステップS20で検知された所在位置とは、管理対象製品1を特定しうる製品IDとともに、送信部106および受信部202を経由してセンタ管理装置20へ送信される(ステップS30)。
【0127】
そして、センタ管理装置20側では、図3を参照しながら前述したステップS15,S16,S23〜S28の処理と同様の、ステップS15a,S16a,S23a〜S28aの処理が実行される。
【0128】
つまり、センタ管理装置20側の受信部202によって、管理端末30からの照合用生体特徴情報(もしくはステップS20からの通知内容),製品IDおよび所在位置が受信されると(ステップS31)、確認情報判定部204では、確認情報記憶部201aから、製品IDに対応付けられた登録確認情報が読み出され(ステップS15a)、製品1側から送信された照合用確認情報と記憶部201aから読み出された登録確認情報とが所定の一致率以上で一致するか否かが判定され、その判定結果が禁止制御部206に通知されてから(ステップS16a)、ステップS25aの処理へ移行する。
【0129】
また、センタ管理装置20側の利用箇所判定部205では、利用箇所記憶部201bから、製品IDに対応付けられた登録利用箇所が読み出され(ステップS23a)、製品1側から送信された当該製品1の所在位置(緯度・経度情報)が、利用箇所記憶部201bから読み出された登録利用箇所の範囲内に属するか否かが判定され、その判定結果が禁止制御部206に通知されてから(ステップS24a)、ステップS25aの処理へ移行する。
【0130】
そして、禁止制御部206は、ステップS16aでの判定結果もしくはステップS20からの通知内容と、ステップS24aでの判定結果とに基づいて、以下のような判定を行なってから(ステップS25a)、その判定結果に基づく制御(ステップS26a〜S28a)を実行する。
【0131】
ステップS16aにおいて照合用確認情報と登録確認情報とが所定の一致率以上で一致
すると判定(OK判定)され、且つ、ステップS24aにおいて管理対象製品1の所在位置が登録利用箇所の範囲内に属していると判定(OK判定)された場合(ステップS25aのAルート)、禁止制御部206は、送信部203を介して判定結果がOKであった旨を製品1側(製品管理装置10″)に通知し、製品管理装置10″はステップS11の処理へ戻る。
【0132】
ステップS16aにおいて照合用確認情報と登録確認情報とが所定の一致率以上で一致すると判定(OK判定)され、且つ、ステップS24aにおいて管理対象製品1の所在位置が登録利用箇所の範囲内に属しないと判定(NG判定)された場合(ステップS25aのBルート)、登録利用者が転居した状況が考えられるため、当該管理対象製品1の登録利用箇所についての変更をセンタ管理装置20等に対して行なうべき旨が、送信部203を介して製品1側(製品管理装置10″)に通知される(ステップS26a)。そして、製品1側(製品管理装置10″)では、その旨が、受信部107で受信されると(ステップS32)、第1通知部103によって利用者に変更指示として通知されてから(ステップS33)、ステップS11の処理へ戻る。
【0133】
ステップS16aにおいて照合用確認情報と登録確認情報とが一致しないと判定(NG判定)され(一致率が所定の一致率未満、もしくは、利用者が照合用確認情報の入力を行なわずステップS20の通知を受けた場合)、且つ、ステップS24aにおいて管理対象製品1の所在位置が登録利用箇所の範囲内に属していると判定(OK判定)された場合(ステップS25aのCルート)、登録利用者が変わった状況が考えられるため、当該管理対象製品1の登録利用者についての変更をセンタ管理装置20等に対して行なうべき旨が、送信部203を介して製品1側(製品管理装置10″)に通知される(ステップS27a)。そして、製品1側(製品管理装置10″)では、その旨が、受信部107で受信されると(ステップS32)、通知部103によって利用者に変更指示として通知されてから(ステップS33)、ステップS11の処理へ戻る。
【0134】
ステップS16aにおいて照合用確認情報と登録確認情報とが一致しないと判定(NG判定)され(一致率が所定の一致率未満、もしくは、利用者が照合用確認情報の入力を行なわずステップS20の通知を受けた場合)、且つ、ステップS24aにおいて管理対象製品1の所在位置が登録利用箇所の範囲内に属しないと判定(NG判定)された場合(ステップS25aのDルート)、禁止部111による禁止動作を実行させるべく、禁止指示信号が、送信部203を介して製品1側(製品管理装置10″)に通知される(ステップS28a)。そして、製品1側(製品管理装置10″)では、その禁止指示信号が、受信部107で受信されると(ステップS34)、禁止部111による禁止動作が実行される(ステップS35)。
【0135】
このとき、ステップS35では、第1通知部103を通じて管理対象製品1の作動を禁止した旨を通知してもよい。また、上述したように、登録利用者が当該管理対象製品1を他人に譲渡した状況も考えられるので、製品1側(製品管理装置10″)で禁止指示信号を受信した場合には、第1通知部103を通じて現在の利用者に対し、登録利用者および登録利用箇所の変更届けをセンタ管理装置20等に対して行なうべき旨を、変更指示として通知してもよい。そして、その変更指示に応じて、登録利用者(登録確認情報)や登録利用箇所について正当な変更処理が実行された場合に、例えばセンタ管理装置20からの指示によって、禁止部111による管理対象製品1の作動禁止状態が解除される。
【0136】
なお、この第2実施形態でも、第1実施形態と同様、ステップS25aのBルートもしくはCルートでは、管理対象製品1の作動禁止を行なわず、変更を行なうべき旨の変更指示通知を行なっているが、これらのBルートやCルートの場合も、禁止制御部206は、Dルートの場合と同様、直ちに禁止部111によって管理対象製品1の作動禁止を行なっ
てもよい。この場合も、管理対象製品1の作動禁止後、第1通知部103を通じて現在の利用者に対し登録利用者または登録利用箇所の変更をセンタ管理装置20等に対して行なう旨を通知する。そして、対応する変更処理が正当に実行された場合、例えばセンタ管理装置20からの指示によって、禁止部111による管理対象製品1の作動禁止状態を解除する。
【0137】
また、ステップS25aのCルートまたはDルートの場合、登録利用者(現在の登録確認情報を登録した本人)が管理対象製品1の近くに居ない可能性が高い。登録利用者が近くに居ない場合のことを考慮し、現在の利用者が登録利用者に連絡をとって変更処理を行なうように知らせる手間を省くべく、センタ管理装置20は、判定部108,109による判定結果に応じ(ステップS25aのCルートまたはDルートの場合)、第2通知部213により、当該登録利用者について予め登録されたメールアドレス宛に電子メールを送信することで、当該登録利用者に対しても変更指示(当該登録利用者についての登録確認情報の変更を行なうべき旨)が通知される。
【0138】
このように、本発明の第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果が得られるほか、第1実施形態の第2変形例や第3変形例と同様の作用効果も得ることができる。
なお、図10は、第2実施形態の変形例としての製品管理システムの構成を示すブロック図である。上述した第2実施形態では、製品管理装置10″を管理対象製品1内に組み込んでいるが、図10に示す変形例では、禁止部111のみを管理対象製品1内に組み込み、禁止部111以外の部分を管理対象製品1の外部から付設するようにして、製品管理装置10″を管理対象製品1に装備している。このような構成により、管理対象製品1に対しては、禁止部111を組み込むとともに禁止部111とそれ以外の部分とを接続するためのコネクタ等を設ける変更を加えるだけで、上述した第2実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0139】
〔3〕第3実施形態
図11は本発明の第3実施形態としての製品管理システム(追跡管理システム)の構成を示すブロック図である。この図11に示す製品管理システムは、管理対象製品1を管理するものであって、読取機50,登録装置40,管理端末30およびセンタ管理装置20をそなえて構成されている。
【0140】
管理対象製品1には、第1実施形態で説明したように、当該管理対象製品1を特定する製品IDを記録された廃棄管理用の無線タグ(ICタグ)1aが取り付けられるほか、前述した禁止部(連動禁止部)111と同機能の禁止部(連動禁止部)1bと、管理端末30からの禁止指示信号を受信しこの禁止指示信号を受信した場合に禁止部1bに禁止動作を実行させる受信部1cとが組み込まれている。なお、無線タグ1aに記録されている製品IDは、第1実施形態で上述したように、購入店舗等における登録装置40から、登録確認情報および登録利用箇所に対応付けられてデータベース(記憶部201の確認情報記憶部201aおよび利用箇所記憶部201b)に書き込まれるとともに、廃棄管理テーブル220aに未廃棄状態として登録される(図4のステップS62参照)。
【0141】
センタ管理装置20は、図8や図10に示したものと同様の記憶部201,受信部202,送信部203,確認情報判定部204,利用箇所判定部205,禁止制御部206,変更要求受付部210,確認部211,登録変更部212,第2通知部213および廃棄管理部220(廃棄管理テーブル220a)をそなえて構成されているので、その説明は省略する。
【0142】
管理端末30は、管理対象製品1を使用する住宅等に設置されたもので、例えば、その住宅等にそなえられたパーソナルコンピュータを用いて構成されてもよいし、専用のもの
として構成されていてもよい。この管理端末30には、第1実施形態と同様の変更要求部112のほかに、ICタグ読取部301,入力要求部302,通知部303,確認情報入力部304,所在位置検知部305,送信部306および受信部307をそなえて構成されている。
【0143】
ICタグ読取部301は、第1実施形態で説明した読取機50とほぼ同様の機能を有するもので、製品1側のICタグ1aと無線通信を行ない、このICタグ1aに保持されている製品IDを読み出すものである。このICタグ読取部301は、後述する所在位置検知部305と同様、例えば、入力要求部302の入力要求発行タイミングでICタグ1aの読取を行なうものとする。
【0144】
入力要求部302は、前述した入力要求部102と同じ機能のもので、管理対象製品1の利用者に対し、後述する確認情報入力部304からの照合用確認情報の入力を定期的または不定期に要求するものである。この入力要求部302は、例えば、週に一度、あるいは、月に一度、あるいは、ランダムな間隔で入力要求を発行する。
【0145】
第1通知部303は、前述した第1通知部103と同じ機能のもので、例えば液晶パネル,ビープ音,LEDなどによって利用者に対し各種通知を行なうもので、具体的には、上述した入力要求部302による照合用確認情報の入力要求や、後述する警告(図12のステップS46での警告)や、判定部204,205による判定結果に応じた通知(図12のステップS25a〜28a,S52)などを、利用者に対して行なうものである。
【0146】
確認情報入力部304は、前述した確認情報入力部104と同じ機能のもので、管理対象製品1の利用者(照合対象者)から照合用確認情報としての照合用生体特徴情報を検出して抽出する。また、確認情報入力部304は、入力要求部302による入力要求発行後に所定時間(例えば数時間)だけ経過しても確認情報が入力されない場合に、第1通知部303を通じて利用者に確認情報の入力を行なう旨の警告通知(図11のステップS45参照)を実行させる機能を有するとともに、警告通知を行なった後にさらに所定時間(例えば数時間)だけ経過しても確認情報が入力されない場合に、利用者が照合用確認情報の入力を行なわなかった旨を、送信部306を介してセンタ管理装置20に通知する機能を有している。
【0147】
所在位置検知部305は、前述した所在位置検知部105と同じ機能のもので、管理対象製品1の所在位置を検知するもので、例えばGPS機能を用いて管理端末30の所在位置を管理対象製品1の所在位置(緯度・経度情報)として検知するものである。この所在位置検知部105は、管理対象製品1の所在位置を定期的または不定期に検知するものであるが、本実施形態では、例えば、入力要求部302の入力要求発行タイミングで所在位置の検知を行なうものとする。
【0148】
なお、GPS機能に代え、管理端末30を特定しうる端末識別情報(端末ID)を記憶する端末ID記憶部(図示略)をそなえてもよい。この場合、所在位置検知部305は、管理対象製品1の所在位置として当該端末ID記憶部の端末IDを読み出してセンタ管理装置20へ送信・通知する。この場合、センタ管理装置20側の利用箇所記憶部201bには、製品IDに対応付けられた登録利用箇所として、当該管理対象製品1が使用される住宅等にそなえられた管理端末30の端末IDが登録されている。
【0149】
送信部306および受信部307は、公衆回線網等のネットワークを介して、それぞれ、センタ管理装置20へのデータ送信、および、当該センタ管理装置20からのデータ受信を行なうものである。ここで、送信部306は、ICタグ読取部301によって読み出された製品IDと、確認情報入力部304から入力された照合用生体特徴情報(もしくは
、図12のステップS48による通知)と、所在位置検知部305によって検知された管理対象製品1の所在位置(緯度・経度情報もしくは端末ID)とをセンタ管理装置(追跡管理装置)20に対して送信する機能を果たす。受信部307は、センタ管理装置20からの各種データ、例えば、管理対象製品1の作動を禁止させるための禁止指示信号や、図12のステップS25aによる判定結果を受信するもので(図12のステップS51)、上記禁止指示信号を受信した場合には、その禁止指示信号を送信部306によって管理対象製品1へ送信させる機能も有している。送信部306から製品1における受信部1cへの送信は、無線であっても有線であってもよい。
【0150】
上述したように、第3実施形態の製品管理システムにおいては、確認情報記憶部201a,確認情報判定部204および確認情報入力部304によって、管理対象製品1の登録利用者の本人確認を行なう本人確認手段が構成されている。また、利用箇所記憶部201b,利用箇所判定部205および所在位置検知部305によって、管理対象製品1が当該管理対象製品1の登録利用箇所で利用されているか否かを確認する利用箇所確認手段が構成されている。さらに、禁止部1bおよび禁止制御部206によって、上記本人確認手段によって本人確認を行なえなかった場合、または、上記利用箇所確認手段によって管理対象製品1がその登録利用箇所で利用されていないことが確認された場合、または、上記本人確認手段によって本人確認を行なえず且つ上記利用箇所確認手段によって管理対象製品1がその登録利用箇所で利用されていないことが確認された場合、管理対象製品1の作動を禁止する禁止手段が構成されている。
【0151】
次に、図12に示すフローチャート(ステップS41〜S56,S47a,S49a,S31b,S15b,S16b,S23b〜S28b)に従って、図11に示す製品管理システムにおける製品管理動作について説明する。
まず、管理端末30で行なわれるステップS41〜S50,S47aおよびS49aの処理について説明する。
【0152】
入力要求部302において、照合用確認情報(照合用生体特徴情報)の入力要求タイミング(例えば、週に一度、あるいは、月に一度、あるいは、ランダムな間隔)になったことがタイマ等により検知されると(ステップS41のYESルート)、確認情報入力部304からの照合用確認情報の入力要求が発行される(ステップS12)。この入力要求はICタグ読取部301,第1通知部303,確認情報入力部304および所在位置検知部305へ発行され、この入力要求を受けた第1通知部303では、例えば液晶パネル,ビープ音,LEDなどによって、利用者に対し照合用確認情報の入力要求が通知される(ステップS42)。
【0153】
この後、ステップS43〜S48およびS47aの処理とステップS49およびS49aの処理とが並行して実行される。
入力要求を受けた確認情報入力部304では、利用者が生体情報の入力を行なったか否かを判断し(ステップS43)、所定時間内に利用者によって生体情報の入力が行なわれると(ステップS43のYESルート)、その生体情報から照合用確認情報(照合用生体特徴情報)が抽出され(ステップS44)、ステップS50の処理へ移行する。
【0154】
所定時間だけ経過しても利用者が生体情報の入力を行なわない場合(ステップS43のNOルートおよびステップS45のYESルート)、確認情報入力部304は、第1通知部303を通じて利用者に確認情報(生体情報)の入力を行なう旨の警告通知を行なう(ステップS46)。そして、警告通知を行なった後に所定時間内に利用者によって生体情報の入力が行なわれると(ステップS47のNOルートおよびステップS47aのYESルート)、上述したステップS44の処理が行なわれ、ステップS50の処理へ移行する。
【0155】
また、確認情報入力部304は、警告通知を行なった後にさらに所定時間だけ経過しても確認情報が入力されない場合(ステップS47のYESルート)、利用者が照合用確認情報(照合用生体特徴情報)の入力を行なわなかった旨を、送信部306に通知してから(ステップS48)、ステップS50の処理へ移行する。
【0156】
一方、入力要求を受けたICタグ読取部301は、管理対象製品1のICタグ1aから製品IDを読み出すとともに(ステップS49)、入力要求を受けた所在位置検知部105では、例えばGPS機能を用いて管理対象製品1の所在位置(緯度・経度情報)が検知されるか、製品ID記憶部から製品IDが所在位置として読み出される(ステップS49a)。
【0157】
ステップS44で抽出された照合用生体特徴情報もしくはステップS48からの通知内容と、ステップS49で読み出された製品IDと、ステップS49aで検知された所在位置とは、送信部306および受信部202を経由してセンタ管理装置20へ送信される(ステップS50)。
【0158】
そして、センタ管理装置20側では、図9を参照しながら前述したステップS31,S15a,S16a,S23a〜S28aの処理と同様の、ステップS31b,S15b,S16b,S23b〜S28bの処理が実行される。
【0159】
つまり、センタ管理装置20側の受信部202によって、管理端末30からの照合用生体特徴情報(もしくはステップS48からの通知内容),製品IDおよび所在位置が受信されると(ステップS31b)、確認情報判定部204では、確認情報記憶部201aから、製品IDに対応付けられた登録確認情報が読み出され(ステップS15b)、製品1側から送信された照合用確認情報と記憶部201aから読み出された登録確認情報とが所定の一致率以上で一致するか否かが判定され、その判定結果が禁止制御部206に通知されてから(ステップS16b)、ステップS25aの処理へ移行する。
【0160】
また、センタ管理装置20側の利用箇所判定部205では、利用箇所記憶部201bから、製品IDに対応付けられた登録利用箇所(緯度・経度情報もしくは端末ID)が読み出され(ステップS23b)、製品1側から送信された当該製品1の所在位置(緯度・経度情報もしくは端末ID)が、利用箇所記憶部201bから読み出された登録利用箇所の範囲内に属するか否か(もしくは登録端末IDと一致するか否か)が判定され、その判定結果が禁止制御部206に通知されてから(ステップS24b)、ステップS25bの処理へ移行する。
【0161】
そして、禁止制御部206は、ステップS16bでの判定結果もしくはステップS20からの通知内容と、ステップS24bでの判定結果とに基づいて、以下のような判定を行なってから(ステップS25b)、その判定結果に基づく制御(ステップS26b〜S28b)を実行する。
【0162】
ステップS16bにおいて照合用確認情報と登録確認情報とが所定の一致率以上で一致すると判定(OK判定)され、且つ、ステップS24bにおいて管理対象製品1の所在位置が登録利用箇所の範囲内に属していると判定(もしくは端末ID一致判定;OK判定)された場合(ステップS25bのAルート)、禁止制御部206は、送信部203を介して判定結果がOKであった旨を管理端末30に通知し、管理端末30はステップS41の処理へ戻る。
【0163】
ステップS16bにおいて照合用確認情報と登録確認情報とが所定の一致率以上で一致
すると判定(OK判定)され、且つ、ステップS24bにおいて管理対象製品1の所在位置が登録利用箇所の範囲内に属しないと判定(もしくは端末ID不一致判定;NG判定)された場合(ステップS25bのBルート)、登録利用者が転居した状況が考えられるため、当該管理対象製品1の登録利用箇所についての変更をセンタ管理装置20等に対して行なうべき旨が、送信部203を介して管理端末30に通知される(ステップS26b)。そして、管理端末30では、その旨が、受信部307で受信されると(ステップS51)、第1通知部303によって利用者に変更指示として通知されてから(ステップS52)、ステップS41の処理へ戻る。
【0164】
ステップS16bにおいて照合用確認情報と登録確認情報とが一致しないと判定(NG判定)され(一致率が所定の一致率未満、もしくは、利用者が照合用確認情報の入力を行なわずステップS20の通知を受けた場合)、且つ、ステップS24bにおいて管理対象製品1の所在位置が登録利用箇所の範囲内に属していると判定(もしくは端末ID一致判定;OK判定)された場合(ステップS25bのCルート)、登録利用者が変わった状況が考えられるため、当該管理対象製品1の登録利用者についての変更をセンタ管理装置20等に対して行なうべき旨が、送信部203を介して管理端末30に通知される(ステップS27b)。そして、管理端末30では、その旨が、受信部307で受信されると(ステップS51)、第1通知部303によって利用者に変更指示として通知されてから(ステップS52)、ステップS41の処理へ戻る。
【0165】
ステップS16bにおいて照合用確認情報と登録確認情報とが一致しないと判定(NG判定)され(一致率が所定の一致率未満、もしくは、利用者が照合用確認情報の入力を行なわずステップS20の通知を受けた場合)、且つ、ステップS24bにおいて管理対象製品1の所在位置が登録利用箇所の範囲内に属しないと判定(もしくは端末ID不一致判定;NG判定)された場合(ステップS25bのDルート)、禁止部1bによる禁止動作を実行させるべく、禁止指示信号が、送信部203を介して管理端末30に通知される(ステップS28b)。そして、管理端末30では、その禁止指示信号が、受信部307で受信されると(ステップS53)、送信部306によって管理対象製品1へ送信される(ステップS54)。管理対象製品1では、受信部1cによって禁止指示信号が受信されると(ステップS55)、禁止部1bによる禁止動作が実行される(ステップS56)。
【0166】
このとき、ステップS56において、管理端末30では、通知部303を通じて管理対象製品1の作動を禁止した旨を通知してもよい。また、上述したように、登録利用者が当該管理対象製品1を他人に譲渡した状況も考えられるので、管理端末30で禁止指示信号を受信した場合には、第1通知部303/第2通知部213を通じて現在の利用者/登録利用者に対し、登録利用者および登録利用箇所の変更届けをセンタ管理装置20等に対して行なうべき旨を、変更指示として通知してもよい。そして、その変更指示に応じて、登録利用者(登録確認情報)や登録利用箇所について正当な変更処理が実行された場合に、例えばセンタ管理装置20からの指示によって、禁止部1bによる管理対象製品1の作動禁止状態を解除する。さらに、禁止指示信号は、管理端末30を経由せず、送信部203から製品1の受信部1cへ直接的に禁止指示信号を送信するようにしてもよい。
【0167】
なお、この第3実施形態でも、第1実施形態と同様、ステップS25bのBルートもしくはCルートでは、管理対象製品1の作動禁止を行なわず、変更を行なうべき旨の変更指示通知を行なっているが、これらのBルートやCルートの場合も、禁止制御部206は、Dルートの場合と同様、直ちに禁止部1bによって管理対象製品1の作動禁止を行なってもよい。この場合も、管理対象製品1の作動禁止後、第1通知部303/第2通知部213を通じて現在の利用者や登録利用者に対し登録利用者または登録利用箇所の変更をセンタ管理装置20等に対して行なう旨を通知する。そして、対応する変更処理が正当に実行された場合、例えばセンタ管理装置20からの指示によって、禁止部1bによる管理対象
製品1の作動禁止状態を解除する。
【0168】
このように、本発明の第3実施形態によれば、管理対象製品1に対しては、ICタグ1a,禁止部1bおよび受信部1cを組み込むとともに管理端末30と通信可能に接続するためのコネクタ等を設ける変更を加えるだけで、第1実施形態や第2実施形態と同様の作用効果が得られるほか、第1実施形態の第2,第3変形例と同様の作用効果も得ることができる。
【0169】
〔4〕その他
なお、利用者が、本実施形態(第1〜第3実施形態)の製品管理システムによって管理される管理対象製品1を、リユース品(再利用品)としてリサイクルショップ等に提供する場合、利用者は、変更要求部112を利用して記憶部101a,101b,201a,201bにおける登録情報をクリアする。そして、そのリサイクルショップ等で他の利用者に買い取られた場合には、変更要求部112を利用して新たな利用者の登録情報を記憶部101a,101b,201a,201bに登録し直す。これにより、管理対象製品1が、リサイクルショップを経由して新たな利用者へ正式に譲渡されることになる。
【0170】
また、上述した入力要求部102,第1通知部103,確認情報入力部104,所在位置検知部105,送信部106,受信部107,確認情報判定部108,利用箇所判定部109,禁止制御部110,変更要求部112,受信部202,送信部203,確認情報判定部204,利用箇所判定部205,禁止制御部206,変更要求受付部210,確認部211,登録変更部212,第2通知部213,廃棄管理部220,入力要求部302,第1通知部303,確認情報入力部304,所在位置検知部305,送信部306および受信部307としての機能(各部の全部もしくは一部の機能)は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が所定のアプリケーションプログラム(製品管理プログラム)を実行することによって実現される。
【0171】
そのプログラムは、例えばフレキシブルディスク,CD(CD−ROM,CD−R,CD−RWなど),DVD(DVD−ROM,DVD−RAM,DVD−R,DVD−RW,DVD+R,DVD+RW,ブルーレイディスクなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体から製品管理プログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し格納して用いる。また、そのプログラムを、例えば磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0172】
ここで、コンピュータとは、ハードウエアとOS(オペレーティングシステム)とを含む概念であり、OSの制御の下で動作するハードウエアを意味している。また、OSが不要でアプリケーションプログラム単独でハードウェアを動作させるような場合には、そのハードウェア自体がコンピュータに相当する。ハードウエアは、少なくとも、CPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたプログラムを読み取るための手段とをそなえている。上記製品管理プログラムとしてのアプリケーションプログラムは、上述のようなコンピュータに、上記各部としての機能を実現させるプログラムコードを含んでいる。また、その機能の一部は、アプリケーションプログラムではなくOSによって実現されてもよい。
【0173】
さらに、本実施形態における記録媒体としては、上述したフレキシブルディスク,CD,DVD,磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスクのほか、ICカード,ROMカートリッジ,磁気テープ,パンチカード,コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ),外部記憶装置等や、バーコードなどの符号が印刷された印刷物等の、コン
ピュータ読取可能な種々の媒体を利用することもできる。
【符号の説明】
【0174】
1 管理対象製品
1a 無線タグ(RFID,ICタグ)
1b 禁止部(連動禁止部)
1c 受信部
10,10′,10″ 製品管理装置
101 記憶部
101a 確認情報記憶部
101b 利用箇所記憶部
102 入力要求部
103 第1通知部
104 確認情報入力部
105 所在位置検知部
106 送信部
107 受信部
108 確認情報判定部
109 利用箇所判定部
110 禁止制御部
111 禁止部(連動禁止部)
112 変更要求部
20 センタ管理装置(追跡/廃棄管理装置)
201 記憶部
201a 確認情報記憶部
201b 利用箇所記憶部
202 受信部
203 送信部
204 確認情報判定部
205 利用箇所判定部
206 禁止制御部
210 変更要求受付部
211 確認部
212 登録変更部
213 第2通知部
220 廃棄管理部
220a 廃棄管理テーブル
30 管理端末
301 ICタグ読取部
302 入力要求部
303 第1通知部
304 確認情報入力部(本人確認手段)
305 所在位置検知部(利用箇所確認手段)
306 送信部
307 受信部
40 登録装置(変更要求部)
50 読取機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象製品に取り付けられ、該管理対象製品を特定する製品識別情報を記録された無線タグと、
該管理対象製品の廃棄処理確定時に、該管理対象製品の該無線タグから該製品識別情報を非接触で読み取る読取機と、
該読取機と通信可能に接続され、該読取機からの該製品識別情報に基づき、該管理対象製品が廃棄済みか否かを、廃棄管理テーブルに該製品識別情報に対応付けて登録し管理する廃棄管理部とを有することを特徴とする、製品管理システム。
【請求項2】
該廃棄管理部は、該読取機から該製品識別情報を受信した場合、受信した該製品識別情報によって特定される該管理対象製品が廃棄済みとして、該廃棄管理テーブルに登録することを特徴とする、請求項1記載の製品管理システム。
【請求項3】
該管理対象製品の廃棄処理確定時は該管理対象製品のリサイクル処理の受付時であり、
該読取機は、該管理対象製品のリサイクル処理の受付を行なう、該管理対象製品の販売店または該管理対象製品の自治体窓口に設置されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の製品管理システム。
【請求項4】
該管理対象製品の廃棄処理確定時は該管理対象製品のリサイクル処理実行直前であり、
該読取機は、該管理対象製品のリサイクル処理を行なう、該管理対象製品の製造業者設備またはリサイクル業者設備に設置されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の製品管理システム。
【請求項5】
該管理対象製品にそなえられ、該無線タグを該管理対象製品から取り外す動作に連動して該管理対象製品の作動を禁止する連動禁止部を有することを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の製品管理システム。
【請求項6】
該廃棄管理部の該廃棄管理テーブルにおいて未廃棄登録の該管理対象製品の追跡管理を行なう追跡管理システムを有することを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の製品管理システム。
【請求項7】
該追跡管理システムは、
該管理対象製品の登録利用者の本人確認を行なう登録確認情報を予め記憶する確認情報記憶部と、
該管理対象製品の登録利用箇所を予め記憶する利用箇所記憶部と、
該管理対象製品の利用者が照合用確認情報を入力する確認情報入力部と、
該管理対象製品の所在位置を検知する所在位置検知部と、
該確認情報入力部から入力された該照合用確認情報と該確認情報記憶部に記憶された該登録確認情報とが一致するか否かを判定する確認情報判定部と、
該所在位置検知部によって検知された該管理対象製品の所在位置が該利用箇所記憶部に記憶された該登録利用箇所の範囲内に属するか否かを判定する利用箇所判定部と、
該管理対象製品の作動を禁止する禁止部と、
該確認情報判定部によって該照合用確認情報と該登録確認情報とが一致しないと判定された場合、または、該利用箇所判定部によって該管理対象製品の所在位置が該登録利用箇所の範囲内に属しないと判定された場合、または、該確認情報判定部によって該照合用確認情報と該登録確認情報とが一致しないと判定され且つ該利用箇所判定部によって該管理対象製品の所在位置が該登録利用箇所の範囲内に属しないと判定された場合、該禁止部による禁止動作を実行させる禁止制御部と、
該確認情報判定部によって該照合用確認情報と該登録確認情報とが一致しないと判定さ
れた場合、または、該利用箇所判定部によって該管理対象製品の所在位置が該登録利用箇所の範囲内に属しないと判定された場合、該管理対象製品の登録利用者についての登録確認情報または該管理対象製品の登録利用箇所の変更を行なうべき旨を変更指示として、該管理対象製品の現在の利用者に対し通知する第1通知部と、
該確認情報判定部によって該照合用確認情報と該登録確認情報とが一致しないと判定された場合、該管理対象製品の登録利用者に対し、該管理対象製品の登録利用者についての登録確認情報の変更を行なうべき旨を変更指示として通知する第2通知部と、
該第1通知部および該第2通知部による前記変更指示に応じて、該管理対象製品の登録利用者についての登録確認情報または該管理対象製品の登録利用箇所の変更要求を行なう変更要求部と、
該変更要求部からの変更要求を受けると、当該変更要求を行なった利用者についての正当性を確認する確認部と、
該確認部によって該利用者についての正当性が確認された場合に該確認情報記憶部における登録確認情報または該利用箇所記憶部における登録利用箇所の変更を行なう変更部とを有することを特徴とする、請求項6記載の製品管理システム。
【請求項8】
該禁止部,該確認情報入力部,該所在位置検知部,該第1通知部および該変更要求部は、該管理対象製品、もしくは、該管理対象製品を管理すべく該管理対象製品に付設される製品管理装置にそなえられ、
該廃棄管理部,該確認情報記憶部,該利用箇所記憶部,該第2通知部,該確認部および該変更部は、該管理対象製品の追跡/廃棄管理を行なう追跡/廃棄管理装置にそなえられていることを特徴とする、請求項7記載の製品管理システム。
【請求項9】
該管理対象製品の利用者に対し、該確認情報入力部からの該照合用確認情報の入力を定期的または不定期に要求する入力要求部を、該管理対象製品または該製品管理装置にさらにそなえ、
該確認情報判定部は、該入力要求部による要求タイミングに応じて判定を行なうとともに、該入力要求部による要求に応じて該利用者が該照合用確認情報の入力を行なわなかった場合、該照合用確認情報と該登録確認情報とが一致しなかったものとみなすことを特徴とする、請求項8記載の製品管理システム。
【請求項10】
該管理対象製品の購入時に、当該管理対象製品を特定する該製品識別情報に対応付けて当該管理対象製品の登録利用者についての登録確認情報および当該管理対象製品の登録利用箇所をそれぞれ該確認情報記憶部および該利用箇所記憶部に新規登録するとともに、該廃棄管理部の該廃棄管理テーブルにおいて、該製品識別情報に対応付けて当該管理対象製品が未廃棄であることを新規登録する登録装置をさらにそなえたことを特徴とする、請求項7〜請求項9のいずれか一項に記載の製品管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−134898(P2010−134898A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−125032(P2009−125032)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(592112938)クオリティ株式会社 (121)