説明

製管用部材

【課題】 本発明は、製管時において捻り応力が負荷されても補強金具が外れ難い新規な製管用部材を提供することを目的とする。
【解決手段】 長尺帯状の基板2と、前記基板2の表面20長さ方向に沿って設けられた複数条のリブ3と、前記複数条のリブ3から選択された二条の被補強リブ30の対向する内側壁301間に嵌め込み固定された補強金具4とを具備する製管用部材1において、前記被補強リブ30をそれぞれの外側壁302側に設けられたステー6によって各々支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、螺旋状に巻き回されて、隣接する側縁部同士が順次接合されることにより管状に製管される製管用部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、老朽化した下水管路、上水管路、農業用水路、ガス管路などの既設管を更生する方法として、既設管内において長尺帯状の製管用部材を螺旋状に巻き回し、先行する帯状部材の一側縁部と周回遅れで後続する製管用部材の他側縁部とを順次接合することにより既設管の管路内に更生管を製管する方法が提案されている。
【0003】
図9に示すように、既設管200内に更生管130を形成するにあたっては、製管用部材1が巻き付けられた巻取ドラム91を地上に配すると共に既設管200内に製管装置100を配置する。巻取ドラム91から繰り出された製管用部材1は、発進側立坑210を介して、製管装置100に供給される。製管装置100は、連続的に供給される製管用部材1を螺旋状に巻回すことによって、先行する製管用部材1の一側縁と周回遅れで後続する製管用部材1の他側縁とを隣接させながら、前記一側縁と前記他側縁とを順次接合することによって、製管用部材1が螺旋状に付加形成された更生管130を順次残置しながら到達側立坑220に向かって移動する。製管装置100は、製管装置100の移動方向前方に配置された油圧ユニット93から供給される圧油によって駆動する。又、油圧ユニット93は、地上に配された発電機92から供給される電力によって駆動する。
【0004】
この方法に用いられる製管用部材1としては、図10(a)に示すような、長尺帯状の基板2と、前記基板2の表面20の長さ方向に沿って設けられた複数条のリブ3と、前記複数条のリブ3から選択された二条の被補強リブ30の対向する内側壁301間に嵌め込み固定された補強金具4とを具備するものが開発されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11‐235757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この種の製管用部材1において、前記リブ3は、製管用部材1が更生管に製管された際に、更生管130の強度を増すために設けられたものである。そして、前記補強金具4は、前記リブ3(特に、被補強リブ30)を補強し、更生管130の強度を更に向上させる役割を担うものである。
【0007】
しかしながら、更生管130の製管時において、既設管200内に螺旋状に巻き回されながら供給される製管用部材1には捻り応力が常に負荷されており、この捻り応力を受けた際に、二条の被補強リブ30が互いに開く方向に傾き、補強金具4が外れる場合があった(図10(b)参照)。
【0008】
本発明は、前記技術的課題を解決するために開発されたものであって、製管時において捻り応力が負荷されても補強金具が外れ難い新規な製管用部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の製管用部材は、螺旋状に巻き回されて、隣接する側縁部同士が順次接合されることにより管状に製管される製管用部材であって、長尺帯状の基板と、前記基板の表面の長さ方向に沿って設けられた複数条のリブと、前記複数条のリブから選択された二条の被補強リブの対向する内側壁間に嵌め込み固定された補強金具と、を具備し、前記被補強リブが、それぞれの外側壁側に設けられたステーによって各々支持されてなり、前記被補強リブにおける前記ステーによって支持される位置が、前記被補強リブの高さの半分の位置より遊端側に設定されてなることを特徴とする。
【0010】
本発明の製管用部材においては、前記被補強リブと、前記被補強リブの外側壁側において隣接する他のリブとが、架橋部材を介して連結されてなり、前記被補強リブにおける前記架橋部材によって支持される位置が、前記被補強リブの高さの半分の位置より遊端側に設定されてなるものが好ましい態様となる。
【0011】
本発明の製管用部材においては、前記基板における前記二条の被補強リブ間に存する部分の厚みが、前記基板におけるその他の部分の厚みより大きくなされたものが好ましい態様となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の製管用部材は、製管時において捻り応力が負荷されても補強金具が外れ難いといった効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1(a)は、実施形態1に係る本発明の製管用部材を示す断面図であり、(b)は、製管用部材の接合状態を示す断面図であり、(c)は、製管用部材に捻り応力が負荷された状態を示す断面図である。
【図2】図2(a)は、実施形態2に係る本発明の製管用部材を示す断面図であり、(b)は、製管用部材に捻り応力が負荷された状態を示す断面図である。
【図3】図3(a)は、実施形態3に係る本発明の製管用部材を示す断面図であり、(b)は、製管用部材に捻り応力が負荷された状態を示す断面図である。
【図4】図4(a)は、実施形態4に係る本発明の製管用部材を示す断面図であり、(b)は、製管用部材に捻り応力が負荷された状態を示す断面図である。
【図5】図5(a)は、参考形態1に係る製管用部材を示す断面図であり、(b)は、製管用部材に捻り応力が負荷された状態を示す断面図である。
【図6】図6(a)は、参考形態2に係る製管用部材を示す断面図であり、(b)は、製管用部材に捻り応力が負荷された状態を示す断面図である。
【図7】図7(a)〜(d)は、本発明の製管用部材のその他の例を例示列挙する断面図である。
【図8】図8(a)は、別体のコネクタを嵌め込むことによって接合された本発明の製管用部材を示す断面図であり、(b)は、製管用部材を接合する状態を示す斜視図である。
【図9】図9は、既設管を更生している状態を模式的に示す説明図である。
【図10】図10(a)は、従来の製管用部材を示す断面図であり、(b)は、製管用部材に捻り応力が負荷された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0015】
[実施形態1]
図1(a)に、実施形態1に係る本発明の製管用部材1を示す。この製管用部材1は、長尺帯状の基板2と、前記基板2の表面20の長さ方向に沿って設けられた複数条のリブ3と、前記複数条のリブ3から選択された二条の被補強リブ30の対向する内側壁301間に嵌め込み固定された補強金具4とを具備する。
【0016】
前記基板2は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリカーボネート及びポリエステル等の合成樹脂を単独又は適宜混合したものを素材として、押し出し成形によって長尺帯状に形成されたものである。なお、前記基板2は、必要に応じてその表面或いは内部がガラス繊維等で補強されていてもよい。
【0017】
前記リブ3は、前記基板2の表面20の長さ方向に沿って複数条(本実施形態においては四条)設けられてなり、それぞれの遊端において両側に向かって拡張する笠部31を有する。即ち、このリブ3は、断面視T字状の形状を有する。このリブ3は、製管用部材1が更生管130に製管された際に、更生管130の強度を増す役割を担う。本実施形態において、このリブ3は、前記基板2を成形する際に、一体的に成形される。
【0018】
二条の被補強リブ30は、前記複数条のリブ3から選択される。本実施形態においては、四条のリブ3の内、基板2の中心線を挟んで隣接する二条のリブ3を被補強リブ30とした。
【0019】
前記二条の被補強リブ30は、それぞれの外側壁302側に設けられたステー6によって各々支持されている。前記被補強リブ30における前記ステー6によって支持される位置は、前記被補強リブ6の高さの半分の位置より遊端側(傘部31側)に設定されている。本実施形態において、このステー6は、前記基板2を成形する際に、一体的に成形される。
【0020】
更に、基板2の一側縁部と他側縁部には雄型嵌合部21と雌型嵌合部22が設けられている。本実施形態において、前記雄型嵌合部21及び雌型嵌合部22は、前記基板2を押し出し成形する際に、一体的に成形されたものである。なお、雄型嵌合部21の近辺には、ポリ塩化ビニル系エラストマーからなるシール部材5が貼り付けられており、雌型嵌合部21に雄型嵌合22を嵌め込めば、係るシール部材5が接合部分に水密性を付与する仕組みとなっている。
【0021】
前記補強金具4は、ロールフォーミング加工によって金属板を屈曲することによって形成されたものであり、底板部41と、対向する一対の側壁部42とを具備する。又、補強金具4における各側壁部42の一端には、互いに対向する方向へ伸びる軒部43が設けられている。
【0022】
前記補強金具4における底板部41と軒部43との間隔は、被補強リブ30における傘部31と基板2の表面20との間隔と同じか少し短くなるように設定されている。従って、前記補強金具4を底板部41側から、前記基板2に設けられた前記二条の被補強リブ30間に向かって押し込み、底板部41を基板2の表面に当接させれば、被補強リブ30に設けられた傘部31の下面に、補強金具4における軒部43が差し入れられる。これによって、二条の被補強リブ30の対向する内側壁301間に、補強金具4が嵌め込み固定された本発明の製管用部材1が構築される。嵌め込み固定された前記補強金具4は、前記被補強リブ30を補強する役割を担う。
【0023】
この製管用部材1を螺旋状に巻き回し、先行する製管用部材1と周回遅れで後続する製管用部材1とを隣接させた状態で、雌型嵌合部21に雄型嵌合22を順次嵌め込めば、更生管130が製管される(図1(b)参照)。更生管130の製管時において、螺旋状に巻き回されながら供給される製管用部材1には捻り応力が常に負荷される。
【0024】
本実施形態においては、製管用部材1における二条の被補強リブ30が、それぞれの外側壁302側に設けられたステー6によって各々支持されており、且つ、前記被補強リブ30における前記ステー6によって支持される位置が、前記被補強リブ6の高さの半分の位置より遊端側に設定されているから、製管用部材1に対して捻り応力が加えられた際にあっても、二条の被補強リブ30が互いに開く方向に傾くことが抑制される(図1(c)参照)。これより、製管時において、二条の被補強リブ30間にはめ込み固定されている補強金具4が外れることが防止される。
【0025】
[実施形態2]
図2(a)に、実施形態2に係る本発明の製管用部材1を示す。この製管用部材1は、長尺帯状の基板2と、前記基板2の表面20の長さ方向に沿って設けられた複数条のリブ3と、前記複数条のリブ3から選択された二条の被補強リブ30の対向する内側壁301間に嵌め込み固定された補強金具4とを具備する。
【0026】
本実施形態に係る製管用部材1は、各被補強リブ30それぞれにおいて、被補強リブ30の遊端と、前記被補強リブ30の外側壁302側において隣接する他のリブ3の遊端とが、架橋部材7を介して連結されている以外は、前記実施形態1と同様の構成を有する。
【0027】
この架橋部材7は、製管用部材1における二条の被補強リブ30のそれぞれの外側壁302側に設けられた所定位置を支持するステー6と同様、被補強リブ30を支持し、製管用部材1に対して捻り応力が加えられた際に、二条の被補強リブ30が互いに開く方向に傾くことを抑制する作用を有する(図2(b)参照)。これより、製管時において、二条の被補強リブ30間にはめ込み固定されている補強金具4が外れることがより一層防止される。
【0028】
なお、本実施形態においては、前記被補強リブ30における前記架橋部材7によって支持される位置を被補強リブ30の遊端としているが、前記被補強リブ30における前記架橋部材7によって支持される位置は、前記被補強リブ30の高さの半分の位置より遊端側とすれば良い。
【0029】
[実施形態3]
図3(a)に、実施形態3に係る本発明の製管用部材1を示す。この製管用部材1は、長尺帯状の基板2と、前記基板2の表面20の長さ方向に沿って設けられた複数条のリブ3と、前記複数条のリブ3から選択された二条の被補強リブ30の対向する内側壁301間に嵌め込み固定された補強金具4とを具備する。
【0030】
本実施形態に係る製管用部材1は、前記基板2における前記二条の被補強リブ30間に存する部分2Aの厚みが、前記基板2におけるその他の部分2Bの厚みより大きくなされた以外は、前記実施形態1と同様の構成を有する。なお、本実施形態においては、前記二条の被補強リブ30間に存する部分2Aの厚みが増した分、前記補強金具4における底板部41と軒部43との間隔を実施形態1より短くしている。
【0031】
本実施形態に係る製管用部材1は、前記基板2における前記二条の被補強リブ30間に存する部分2Aの厚みを大きくしていることから、製管用部材1に対して捻り応力が加えられた際にあっても、係る厚みの大きい前記二条の被補強リブ30間に存する部分2Aについては、他の部分2Bより湾曲し難くなっている。(図3(b)参照)。これより、製管時において、二条の被補強リブ30間にはめ込み固定されている補強金具4が外れることがより一層防止される。
【0032】
なお、前記基板2における前記二条の被補強リブ30間に存する部分2Aの厚みは、前記基板2におけるその他の部分2Bの厚みの2倍以上(2〜4倍程度)とすることが好ましい。
【0033】
[実施形態4]
図4(a)に、実施形態4に係る本発明の製管用部材1を示す。この製管用部材1は、長尺帯状の基板2と、前記基板2の表面20の長さ方向に沿って設けられた複数条のリブ3と、前記複数条のリブ3から選択された二条の被補強リブ30の対向する内側壁301間に嵌め込み固定された補強金具4とを具備する。
【0034】
本実施形態に係る製管用部材1は、各被補強リブ30それぞれにおいて、被補強リブ30の遊端と、前記被補強リブ30の外側壁302側において隣接する他のリブ3の遊端とが、架橋部材7を介して連結されていること、及び、前記基板2における前記二条の被補強リブ30間に存する部分2Aの厚みが、前記基板2におけるその他の部分2Bの厚みより大きくなされたこと以外は、前記実施形態1と同様の構成を有する。
【0035】
本実施形態に係る製管用部材1は、製管用部材1における二条の被補強リブ30が、それぞれの外側壁302側に設けられた所定位置を支持するステー6によって各々支持されている上、各被補強リブ30それぞれにおいて、被補強リブ30の遊端と、前記被補強リブ30の外側壁302側において隣接する他のリブ3の遊端とが、架橋部材7を介して連結されており、しかも、前記基板2における前記二条の被補強リブ30間に存する部分2Aの厚みが、前記基板2におけるその他の部分2Bの厚みより大きくなされているから、製管用部材1に対して捻り応力が加えられた際にあっても、二条の被補強リブ30が互いに開く方向に傾くことをより一層効果的に抑制することができる(図4(b)参照)。これより、製管時において、二条の被補強リブ30間に嵌め込み固定されている補強金具4が外れることが防止される。
【0036】
[参考形態1]
図5(a)に、参考形態1に係る製管用部材1を示す。この製管用部材1は、長尺帯状の基板2と、前記基板2の表面20の長さ方向に沿って設けられた複数条のリブ3と、前記複数条のリブ3から選択された二条の被補強リブ30の対向する内側壁301間に嵌め込み固定された補強金具4とを具備する。
【0037】
参考形態1に係る製管用部材1は、各被補強リブ30それぞれにおいて、被補強リブ30の遊端と、前記被補強リブ30の外側壁302側において隣接する他のリブ3の遊端とが、架橋部材7を介して連結されている。
【0038】
参考形態1に係る製管用部材1には、二条の被補強リブ30を支持するステー6が設けられていないが、各被補強リブ30それぞれにおいて、被補強リブ30の遊端と、前記被補強リブ30の外側壁302側において隣接する他のリブ3の遊端とが、架橋部材7を介して連結されているから、製管用部材1に対して捻り応力が加えられた際にあっても、二条の被補強リブ30が互いに開く方向に傾くことを抑制することができる(図5(b)参照)。これより、製管時において、二条の被補強リブ30間に嵌め込み固定されている補強金具4が外れることが防止される。
【0039】
[参考形態2]
図6(a)に、参考形態2に係る本発明の製管用部材1を示す。この製管用部材1は、長尺帯状の基板2と、前記基板2の表面20の長さ方向に沿って設けられた複数条のリブ3と、前記複数条のリブ3から選択された二条の被補強リブ30の対向する内側壁301間に嵌め込み固定された補強金具4とを具備する。
【0040】
参考形態1に係る製管用部材1は、前記基板2における前記二条の被補強リブ30間に存する部分2Aの厚みが、前記基板2におけるその他の部分2Bの厚みより大きくなされている。
【0041】
参考形態2に係る製管用部材1には、二条の被補強リブ30を支持するステー6が設けられていないが、前記基板2における前記二条の被補強リブ30間に存する部分2Aの厚みが、前記基板2におけるその他の部分2Bの厚みより大きくなされているから、製管用部材1に対して捻り応力が加えられた際にあっても、二条の被補強リブ30が互いに開く方向に傾くことを抑制することができる(図6(b)参照)。これより、製管時において、二条の被補強リブ30間に嵌め込み固定されている補強金具4が外れることが防止される。
【0042】
なお、前記実施形態1〜4(及び参考形態1、2)においては、いずれも基板2の中心線を挟んで隣接する二条のリブ3を被補強リブ30として選択しているが、二条の被補強リブ30は必ずしも隣接しているものを選択しなくても良い。例えば、図7(a)〜(d)に示す製管用部材1のように、リブ3から選択された二条の被補強リブ30が隣接しておらず、二条の被補強リブ30間にリブ3が一条(或いは複数条)存在していても良い。
【0043】
この場合、補強金具4は、二条の被補強リブ30間に存在するリブ3を跨いだ状態で、二条の被補強リブ30間に嵌め込み固定され得る形状を有する必要があるため、底板部41が屈曲された断面視W字状の形状となる。
【0044】
この補強金具4は、底板部41が屈曲していることから、製管用部材1の変形に対して、弾性的に変形しながら追随する作用を有する。これより、製管用部材1に対して捻り応力が加えられた際にあっても、補強金具4が外れることが一層防止される。
【0045】
又、前記実施形態1〜4(及び参考形態1、2)においては、断面視T字状のリブ3を備えた製管用部材1を用いているが、リブ3としては、製管用部材1としては、このような形状のリブを有するものに限られず、例えば、断面視十字状のリブ3を有するものを用いても良い。
【0046】
又、前記実施形態1〜4(及び参考形態1、2)においては、いずれも製管用部材1の接合手段として、基板2の一側縁部と他側縁部とに、それぞれ設けられた雄型嵌合部21と雌型嵌合部22との嵌め込みによる接合手段が用いられているが、製管用部材1の接合手段としては、このような嵌め込みによる接合手段に限られるものではない。製管用部材1は、例えば、接着や熱融着による接合手段によって接合されるものであっても良いし、図8(a)及び図8(b)に示すような接合機序によって接合されるものであっても良い。
【0047】
図8に示す製管用部材1は、合成樹脂を長尺状に成形したものであって、複数のリブ3が長手方向に沿って形成されており、長尺帯状のコネクタ140を用いて側縁部同士が接続されるようになっている。
【0048】
即ち、この製管用部材1の両側縁部にはそれぞれ接合凹部112が長手方向に沿って形成されている。また、コネクタ140には、製管用部材1の接合凹部112に接合することが可能な2つの接合凸部141が長手方向に沿って互いに平行に形成されている。
【0049】
そして、このような形態の製管用部材1は、その両側縁部の接合凹部112の片方にコネクタ140の接合凸部141の一方を嵌め込んだ状態で、螺旋状に巻回されて更生管130を形成する。その巻回過程において、図8(a)及び図8(b)に示すように、互いに隣接する2つの製管用部材1のうち、一方の製管用部材1の接合凹部112に、他方の製管用部材1の接合凹部112に嵌め込んだコネクタ140の接合凸部141を嵌め込むことにより、これら互いに隣接する帯状部材1を相互に接合することができる。
【0050】
なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の製管用部材は、螺旋状に巻き回されて、隣接する側縁部同士が順次接合されることにより管状に製管されるものであり、老朽化した下水管路、上水管路、農業用水路、ガス管路などの既設管を更生する際に、好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 製管用部材
2 基板
20 表面
21 雄型嵌合部
22 雌型嵌合部
3 リブ
30 被補強リブ
301 内側壁
302 外側壁
31 傘部
4 補強金具
41 底板部
42 側板部
43 軒部
5 シール部材
6 ステー
7 架橋部材
130 更生管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
螺旋状に巻き回されて、隣接する側縁部同士が順次接合されることにより管状に製管される製管用部材であって、
長尺帯状の基板と、
前記基板の表面の長さ方向に沿って設けられた複数条のリブと、
前記複数条のリブから選択された二条の被補強リブの対向する内側壁間に嵌め込み固定された補強金具と、
を具備し、
前記被補強リブが、それぞれの外側壁側に設けられたステーによって各々支持されてなり、
前記被補強リブにおける前記ステーによって支持される位置が、前記被補強リブの高さの半分の位置より遊端側に設定されてなることを特徴とする製管用部材。
【請求項2】
請求項1に記載の製管用部材において、
前記被補強リブと、前記被補強リブの外側壁側において隣接する他のリブとが、架橋部材を介して連結されてなり、
前記被補強リブにおける前記架橋部材によって支持される位置が、前記被補強リブの高さの半分の位置より遊端側に設定されてなる製管用部材。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の製管用部材において、
前記基板における前記二条の被補強リブ間に存する部分の厚みが、前記基板におけるその他の部分の厚みより大きくなされた製管用部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−250415(P2012−250415A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124187(P2011−124187)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】