説明

製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去剤およびデポジット除去方法

【課題】 本発明は、紙パルプ製造業の製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去剤およびデポジット除去方法に関するものであり、詳しくは酸洗浄を用いることがなく、炭酸カルシウム等の無機填料・無機顔料及びSBR系ラテックス、NBR系ラテックス等の共重合体ラテックスを含む塗工液に由来するデポジットの除去剤およびデポジット除去方法を提供することにある。
【解決手段】 (A)アミノカルボン酸及びその塩、(B)有機ホスホン酸及びその塩、(C)水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム、及び(D)過酸化水素を含有することを特徴とする製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去剤およびそれを含む洗浄液を該工程に流通させることを特徴とする該工程のデポジット除去方法、または、(A)〜(D)を用いることを特徴とする該工程のデポジット除去方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去剤およびデポジット除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、需要激増によって塗工紙の生産能力の向上が社会的に熱望されている。これに鑑み、塗工工程の高速化が進んでおり、そのためには、紙塗工用組成物に優れた高速流動性が要求されるようになった。また、近年塗工紙業界では、生産性を上げるため主力の塗工機としてブレードコーターを導入し、その塗工スピードを高速化するための方策を種々採っている。この高速塗工の場合、良好な塗料の流動性、保水性が求められるが、塗料中のバインダーとして用いられるラテックスにも良好な流動性、保水性が求められている。一方、印刷速度の高速化も進められており、塗工紙にはこのような高速印刷に耐え得る優れたウエットピック強度、耐ブリスター性が必要となる。このような印刷速度の高速化や塗工紙の高品質化、高機能化により、これに対応しうるように塗工液の高性能化が図られている。
【0003】
塗工紙を製造するための製紙用塗工液(紙塗工用組成物)は、主として顔料、結合剤、水、及び各種の添加剤からなる水系分散体混合物であり、顔料としては、焼成クレー、炭酸カルシウム、カオリン等が、また、結合剤(または接着剤)としては、SBR系ラテックス、NBR系ラテックス等の共重合体ラテックスが用いられている。該塗工液を塗工用紙へ塗布する方法は、ブレードコーター、ロールコーター、バーコーターなどの塗布機によって行なわれる。また、塗布後、表面を乾燥し、カレンダーリングなどにより仕上げる。
【0004】
塗工液は、通常、塗工液貯蔵タンクと移送配管、移送ポンプ及びコーター間を循環使用され、使用と共に塗工液貯蔵タンクと移送配管、コーター内に塗工液が付着、固化してデポジット性の固着物が生じる。生じたデポジット固着物が大きくなると配管等での塗工液の流量の低下や変動により塗工状況に影響を及ぼすだけでなく、固着物が剥離して微小な塊として塗工液中に含まれると、コーターで塗工紙面に傷を作り、塗工紙の品質を著しく低下させることばかりでなく、コーターの歯面をも傷つけ、装置に大きな損害をもたらすこととなり、避けなければならない。そこで、塗工液貯蔵タンクと移送配管、移送ポンプ及びコーター間の循環ライン中にフィルターを設置して微小な塊状物の除去する方法や定期的に塗工液循環ラインの付着物を鉱酸・有機酸やアルカリ剤を用いて洗浄、除去する方法等の種々の方法が提案されている。例えば、アクリル酸系重合体を用いて分散、洗浄除去する方法(例えば特許文献1参照)、有機ホスホン酸やその塩を用いる方法(例えば特許文献2参照)、無機酸と有機酸とを含有するデポジット除去剤を用いる方法(例えば特許文献3参照)、汚れの付いた塗工ロールを有機溶剤、アルカリ洗浄剤及び界面活性剤を含む洗浄液に浸し超音波を与えて洗浄する方法(例えば特許文献4参照)、塗工液の給液ヘッダーの吐出部に弾性体を付ける方法(例えば特許文献5参照)、塗工装置内に洗浄装置を組み込んだ塗工機(例えば特許文献6参照)、ダイコーター内部に可動性の中子を設けてその移動でダイコーター内部を洗浄する方法(例えば特許文献7参照)等がある。しかし、アクリル酸系重合体やキレート剤を用いた洗浄方法では、デポジット中のSBR系ラテックス等に由来する樹脂の硬化物等を効果的に除去できず、また、鉱酸・有機酸、有機ホスホン酸やその塩を用いる方法においても、デポジットに含まれる炭酸カルシウムを溶解することはできるが、樹脂の硬化物等を効果的に除去できない。アルカリ洗浄剤及び界面活性剤を含む洗浄液では、デポジット中の填料・顔料やSBR系ラテックス等を充分には洗浄除去できず、所望する十分なデポジット洗浄効果を得るには至っていない。そのため、これらの洗浄方法のほかに、人力による物理的な削除作業を行っている。そこで、依然として効果的な洗浄方法が強く求められている。
【特許文献1】特開昭62−21893号公報
【特許文献2】特開平8−246374号公報
【特許文献3】特開2000−64069号公報
【特許文献4】特開平5−177177号公報
【特許文献5】実開平5−52000号公報
【特許文献6】特開2003−145020号公報
【特許文献7】特開2006−00075号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、紙パルプ製造業の製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去剤およびデポジット除去方法に関するものであり、詳しくは酸洗浄を用いることがなく、炭酸カルシウム等の無機填料・無機顔料及びSBR系ラテックス、NBR系ラテックス等の共重合体ラテックスを含む塗工液に由来するデポジットの除去剤およびデポジット除去方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明者らは、製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去剤およびデポジット除去方法に関し、詳しくは酸洗浄を用いることなく、炭酸カルシウム等の無機填料・無機顔料及びSBR系ラテックス、NBR系ラテックス等の共重合体ラテックスを含む塗工液に由来するデポジットを除去する薬剤および除去方法について、鋭意研究を行った結果、特定のアミノカルボン酸、有機ホスホン酸、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム、及び過酸化水素の併用が有効であることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
即ち、請求項1に係る発明は、(A)アミノカルボン酸及びその塩、(B)有機ホスホン酸及びその塩、(C)水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム、及び(D)過酸化水素を含有することを特徴とする製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去剤である。
【0008】
請求項2に係る発明は、(A)と(B)を1:4〜4:1の重量比で含有することを特徴とする請求項1記載の製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去剤である。
【0009】
請求項3に係る発明は、(A)アミノカルボン酸が、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチレンイミノ二酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジカルボキシメチルグルタミン酸、ジヒドロキシグリシン、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸から選ばれた1種以上である請求項1又は2記載の製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去剤である。
【0010】
請求項4に係る発明は、(B)ホスホン酸が、ホスホノブタントリカルボン酸、ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロトリスメチレンホスホン酸、N,N,N’,N’−テトラキス(ホスホノメチル)エチレンジアミンから選ばれた1種以上である請求項1乃至3のいずれかに記載の製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去剤である。
【0011】
請求項5に係る発明は、製紙用カラーコート塗工工程において、請求項1乃至4のいずれかに記載の製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去剤を含む洗浄液を製紙用カラーコート塗工工程に流通させることを特徴とする製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去方法である。
【0012】
請求項6に係る発明は、洗浄液のpHが8〜14である請求項5記載の製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去方法である。
【0013】
請求項7に係る発明は、製紙用カラーコート塗工工程において、(A)アミノカルボン酸及びその塩、(B)有機ホスホン酸及びその塩、(C)水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム、及び(D)過酸化水素を用いることを特徴とする製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去方法である。
【0014】
請求項8に係る発明は、デポジット除去洗浄時のpHが8〜14である請求項7記載の製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去方法である。
【0015】
請求項9に係る発明は、(A)と(B)を重量比で1:4〜4:1で用いる請求項7又は8記載の製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去方法である。
【0016】
請求項10に係る発明は、(A)アミノカルボン酸が、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチレンイミノ二酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジカルボキシメチルグルタミン酸、ジヒドロキシグリシン、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸から選ばれた1種以上である請求項7乃至9のいずれかに記載の製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去方法である。
【0017】
請求項11に係る発明は、(B)ホスホン酸が、ホスホノブタントリカルボン酸、ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロトリスメチレンホスホン酸、N,N,N’,N’−テトラキス(ホスホノメチル)エチレンジアミンから選ばれた1種以上である請求項7乃至10のいずれかに記載の製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去剤およびデポジット除去方法により、製紙用塗工液の循環使用によって塗工液貯蔵タンクと移送配管、コーター、ポンプおよびこれらの付帯装置等に塗工液が付着・固化して生成したデポジット(固着物)を、容易に除去することができる。また、デポジットの除去に伴う操業上の停止等が短縮される。さらに、デポジットを完全に除去することが可能となることで、残存するデポジットが剥離してコーターに運ばれることによって生じる塗工紙面の引っ掻き傷がなくなり、成紙品質の向上に寄与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去剤は、製紙用塗工液の塗工液貯蔵タンクと移送配管、コーター内等に塗工液が徐々に付着・固化して生成したデポジット(固着物)を洗浄除去する、特定の(A)アミノカルボン酸及びその塩、(B)有機ホスホン酸及びその塩、(C)水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム、及び(D)過酸化水素を含有することを特徴とする製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去剤である。
【0020】
本発明の製紙用カラーコート塗工工程のデポジット(以下、「デポジット」とする。)は、塗工液の循環使用により、塗工液貯蔵タンクと移送配管、コーター、ポンプおよびこれらの付帯装置等に塗工液が徐々に付着・固化したデポジット(固着物)である。塗工液の塗布方法としては、特に限定されるものではないが、ブレードコーター、ロールコーター、ゲートロールコーター等がある。
【0021】
上記塗工液は特に限定されるものでは無く、一般的に使用されている製紙用塗工液である。該塗工液は、一般にカオリン、炭酸カルシウム、クレー、サチンホワイト、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、酸化亜鉛、活性白土、酸性白土、珪素土、プラスチックピグメント等の顔料;スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、(メタ)アクリル酸−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体、メチルメタクリル酸−ブタジエン共重合体、ブチルアクリル酸−酢ビ共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、イソブテン−無水マレイン酸共重合体等の合成バインダー;酸化デンプン、エーテル化デンプン、エステル化デンプン、カチオン化デンプン、酵素変性デンプンやそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性デンプン、カゼイン、大豆蛋白などの天然系バインダー;水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのpH調整剤;防腐剤、水、その他、必要に応じて滑剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤などの各種助剤を含み、粘性のあるスラリーである。
【0022】
デポジットには、上記塗工液の配合物に由来するものだけでなく、パルプや紙の成分や配合物・添加物に由来するものが含まれる。例えば、パルプや紙の成分や配合物・添加物に由来するものとしては、脂肪酸、グリセライド、リグニン類、テルペン類、ステロール化合物などのパルプ由来の繊維や樹脂;ロジンサイズ、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸等のサイズ剤、アクリル酸系高分子、尿素−ホルムアルデヒド共重合体、メラミン−ホルムアルデヒド共重合体、デンプン、カチオン化デンプン等の紙力増強剤や歩留向上剤;微細繊維などが含まれる。さらに、バクテリア、カビ等による微生物を含むスライムが含まれる場合もある。
【0023】
本発明で用いる(A)アミノカルボン酸及びその塩(以下「(A)アミノカルボン酸類」とする)は、中性水あるいはアルカリ性水に溶解するアミノカルボン酸及びその塩である。具体的には、エチレンジアミン四酢酸及びその1〜4ナトリウム塩又はカリウム塩(EDTA・1〜4Na塩、EDTA・1〜4K塩)、ニトリロ三酢酸及びその1〜3ナトリウム塩又はカリウム塩(NTA・1〜3Na、NTA・1〜3K)、ヒドロキシエチレンイミノ二酢酸及びその1〜2ナトリウム塩又はカリウム塩(HIDA・1〜2Na、HIDA・1〜2K)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸及びその1〜3ナトリウム塩又はカリウム塩(HEDTA・1〜3Na、HEDTA・1〜3K)、ジエチレントリアミン五酢酸及びその1〜5ナトリウム塩又はカリウム塩(DTPA・1〜5Na塩、DTPA・1〜5K塩)、トリエチレンテトラアミン六酢酸及びその1〜6ナトリウム塩又はカリウム塩(TTHA・1〜6Na塩、TTHA・1〜6K塩)、ジカルボキシメチルグルタミン酸及びその1〜4ナトリウム塩又はカリウム塩(GLDA・1〜4Na塩、GLDA・1〜4K塩)、ジヒドロキシグリシン及びそのナトリウム塩又はカリウム塩、プロパンジアミン四酢酸及びその1〜4ナトリウム塩(PDTA・1〜4Na塩、PDTA・1〜4K塩)、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸及びその1〜4ナトリウム塩又はカリウム塩(DPTA−OH・1〜4Na塩、DPTA−OH・1〜4K塩)等が挙げられる。好ましくは、エチレンジアミン四酢酸及びその1〜4ナトリウム塩(EDTA・1〜4Na塩)である。これらの1種あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
本発明で用いる(B)有機ホスホン酸及びその塩(以下「(B)有機ホスホン酸類」とする。)は、中性水あるいはアルカリ性水に溶解する有機ホスホン酸及びその塩である。具体的には、ホスホノブタントリカルボン酸及びその1〜5ナトリウム塩(PBTC・1〜5Na)、ホスホノブタントリカルボン酸及びその1〜5カリウム塩(PBTC・1〜5K)、ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及びその1〜4ナトリウム塩(HEDP・1〜4Na)、ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及びその1〜4カリウム塩(HEDP・1〜4K)、ニトリロトリスメチレンホスホン酸及びその1〜6ナトリウム塩(NTP・1〜6Na)、ニトリロトリスメチレンホスホン酸及びその1〜6カリウム塩(NTP・1〜6K)、N,N,N’,N’−テトラキス(ホスホノメチル)エチレンジアミン及びその1〜4ナトリウム塩(EDTMP・1〜4Na)、N,N,N’,N’−テトラキス(ホスホノメチル)エチレンジアミン及びその1〜4カリウム塩(EDTMP・1〜4K)等が挙げられる。好ましくは、ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及びその1〜4ナトリウム塩(HEDP・1〜4Na)、ホスホノブタントリカルボン酸及びその1〜5ナトリウム塩(PBTC・1〜5Na)である。これらの1種あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】
本発明で用いる(C)水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム(以下「(C)水酸化ナトリウム等」とする。)は、特に限定されるものではなく、市販されている水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムの併用のいずれかを用いることができる。
【0026】
本発明で用いる(D)過酸化水素(以下「(D)過酸化水素」とする。)は、特に限定されるものではなく、市販されている過酸化水素が使用できる。例えば、35重量%液品、50重量%液品や60重量%液品等があり、何れを用いても構わない。
【0027】
本発明のデポジット除去剤における(A)アミノカルボン酸類と、(B)有機ホスホン酸類との配合比率は、重量比で20:80〜80:20である。また、(A)アミノカルボン酸類、(B)有機ホスホン酸類の配合量は、それぞれが0.1重量%〜30重量%、(A)アミノカルボン酸類と(B)有機ホスホン酸類の合計量として0.2重量%〜50重量%である。本発明のデポジット除去剤における(D)過酸化水素の配合量は、過酸化水素の有効成分として0.1重量%〜10重量%である。本発明のデポジット除去剤における(C)水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムは、(A)〜(D)を配合した本発明のデポジット除去剤の最終の製品pHを8〜14に調整するように配合する。また、本発明のデポジット除去剤に使用する水は清水及び/又は純水を使用する。
【0028】
本発明におけるデポジット除去剤は、水を撹拌しながら(A)アミノカルボン酸類、(B)有機ホスホン酸類、(D)過酸化水素を添加混合し、次いで(C)水酸化ナトリウム等を添加し、pHを8〜14に調整する方法、あるいは、水を撹拌しながら(A)アミノカルボン酸類、(B)有機ホスホン酸類を添加混合し(C)水酸化ナトリウム等でpHを8〜14に調整した後、(D)過酸化水素を添加混合する方法によって調製することができる。ただし、(C)水酸化ナトリウム等の添加後に(D)過酸化水素を添加混合する調製方法では最終pHが8〜14であることを確認し、最終pHがその範囲を外れている場合は(C)水酸化ナトリウム等を追加添加してpHが該範囲内に収まるように調整する。
【0029】
このように調製した該デポジット除去剤を、直ちに薬注ポンプにて、デポジットが生じている製紙用カラーコート塗工工程に流通させ、循環ポンプを用いて洗浄液を循環させることにより、該デポジットを除去する。該デポジット除去剤は、流通させる製紙用カラーコート塗工工程にて適宜、水を加えて希釈して使用することもできる。希釈する場合のデポジット除去剤の濃度は、通常、1重量%から50重量%である。
【0030】
本発明の製紙用カラーコート塗工工程におけるデポジット除去方法は、(A)アミノカルボン酸及びその塩、(B)有機ホスホン酸及びその塩、(C)水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム、及び(D)過酸化水素を用いることを特徴とする製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去方法である。
【0031】
本発明のデポジット除去方法における(A)アミノカルボン酸類と、(B)有機ホスホン酸類との添加比は、目的とするデポジットの洗浄効果を考慮して適宜決定されるものであり、一律に決めることはできないが、通常、(A)アミノカルボン酸類と(B)有機ホスホン酸類の比率は、重量比で20:80〜80:20、好ましくは30:70〜70:30である。また、本発明のデポジット除去方法を用いた洗浄液における(A)アミノカルボン酸類、(B)有機ホスホン酸類の濃度は特に限定されないが、通常、それぞれが0.1重量%〜30重量%、(A)アミノカルボン酸類と(B)有機ホスホン酸類の合計量として通常、0.2重量%〜50重量%である。
【0032】
本発明のデポジット除去方法を用いた洗浄液における(D)過酸化水素の濃度は、目的とするデポジットの洗浄効果を考慮して適宜決定されるものであり、一律に決めることはできないが、通常、過酸化水素の有効成分として0.1重量%〜10重量%である。デポジット洗浄時の(D)過酸化水素が0.1重量%未満では、経験上十分な効果を得ることができない場合があり、過酸化水素を10重量%以上含むと急激な発泡が生じる場合があり、好ましくない。
【0033】
本発明のデポジット除去方法に用いる水は、清水、工水、及び工程水が使用でき、特に限定されるものではない。また、水以外にもデポジット洗浄液に使用する溶媒としては、水溶性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、ジオキサン、エチレングリコール等を用いることができる。
【0034】
本発明のデポジット除去方法を用いた洗浄液におけるpHは(D)過酸化水素の分解を促進するためにアルカリ性であることが必要であり、(C)水酸化ナトリウム等によってpH8〜14に調整する。より好ましくはpHが9〜13の範囲になるようにする。pHが8未満では(D)過酸化水素が十分に分解せず、本発明の効果が得られない場合がある。
【0035】
本発明のデポジット除去方法において、(C)水酸化ナトリウム等によってpHをアルカリ性に維持した状態下での(D)過酸化水素は、デポジット等の有機物と接触することで分解が促進され、デポジット中に含有するSBR系ラテックス等の結合剤に由来する樹脂の硬化物等を効果的に酸化分解し、更に、微細なデポジットの空隙に入り込んだ過酸化水素が分解して微細な酸素ガスを発生させることで、デポジットを浮き上がらせて剥離を促進させ、また、(A)アミノカルボン酸類と(B)有機ホスホン酸類は、(D)過酸化水素の急激な分解を抑制するとともに、顔料である炭酸カルシウム等をキレート溶解除去する効果があり、その結果、硬いデポジットは比較的短い時間で解きほぐされて、非常に弱い力(例えば指で挟み、つぶす)で潰れる状態となり、容易に除去することができるようになる。また、付着面からの剥離も容易になる。しかも、その効力は、短時間で終えることなく、洗浄時間の長時間に亘って維持される。以下、本発明のデポジット除去方法について詳細に説明する。
【0036】
本発明のデポジット除去方法は、デポジットが生じている製紙用カラーコート塗工工程に水を張り込み、(A)アミノカルボン酸類、(B)有機ホスホン酸類、(C)水酸化ナトリウム等、(D)過酸化水素水を添加する。(A)〜(D)の添加方法は、製紙用カラーコート塗工工程に張り込んだ水を、循環ポンプを用いて循環させ、(A)アミノカルボン酸類、(B)有機ホスホン酸類、(D)過酸化水素を添加混合した後に、(C)水酸化ナトリウム等を添加してpHを8〜14に調整する方法、あるいは、製紙用カラーコート塗工工程に張り込んだ水を、循環ポンプを用いて循環させ、(A)アミノカルボン酸類、(B)有機ホスホン酸類、(C)水酸化ナトリウム等を添加してpHを8〜14に調整した後、(D)過酸化水素を添加混合する方法のいずれも用いることができる。ただし、(C)水酸化ナトリウム等の添加後に(D)過酸化水素を添加混合する方法では最終pHが8〜14であることを確認し、最終pHがその範囲を外れている場合は(C)水酸化ナトリウム等を追加添加してpHが該範囲内に収まるように調整する。
【0037】
該製紙用カラーコート塗工工程において、循環ポンプで上記洗浄液を約0.1〜10m/Sの線速度で循環させることにより、ほぐれて柔らかくなったデポジットからデポジットの小片や粒子が剥がれて洗浄液とともに循環し、柔らかくなっている他のデポジットの剥離除去をも促進して洗浄効率が高まる。また、状況に応じて循環する前に6時間〜12時間、洗浄液に浸漬させても良い。
【0038】
洗浄の進行に伴って、洗浄液のpHが低下するので、適宜、洗浄液のpHを測定し8〜14に維持するようにデポジット除去剤、あるいは(C)水酸化ナトリウム等を追加添加する。洗浄液のpHが8未満では、デポジットを解きほぐし剥離、溶解する効果が低くなり、本発明の十分なデポジット除去効果を得ることができない。
【0039】
本発明のデポジット除去方法において、洗浄液をヒータ等により30℃〜80℃程度に加温することにより、洗浄効率が上がり洗浄時間が短縮される。洗浄液の温度は対象とするデポジットの内容、洗浄する工程の状況、目的とするデポジットの洗浄効果を考慮して適宜決定されるものであり、一律に決めることはできないが、通常、30℃〜80℃である。好ましくは40℃〜65℃である。洗浄液温が低いと洗浄効果が十分に発揮されないことがある。また、洗浄液温が80℃を超えると洗浄効果は高まるが、高アルカリ性洗浄液を使用することで生じる作業上の危険性が高くなること、洗浄される装置類の腐食性の問題から好ましくない場合がある。
【0040】
洗浄時間は、デポジットの生成状況、デポジットの組成内容、洗浄液の循環量やpH、更には洗浄液温度により一律に決定することはできないが、通常、2〜5時間の循環洗浄時間と目安とすればよい。デポジット洗浄の状況の評価は、洗浄液中の懸濁物質量SS(JIS K0102 懸濁物質及び蒸発残留物)によって容易に判断することができる。洗浄が十分に行われれば、経時的に洗浄液のSS分は徐々に増加し、増加の度合いが小さくなり、ほぼ一定の値になった時点で洗浄を終了すればよい。本発明のデポジット除去方法を用いた洗浄液により、デポジットは解きほぐし易くなり容易に除去されるようになる。その後、清水を通水して剥離したデポジットあるいは除去されて浮遊あるいは沈降したデポジットを除去する。
【実施例】
【0041】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔(A)アミノカルボン酸類〕
A−1:エチレンジアミン四酢酸(EDTA)
A−2:エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム塩(EDTA・2Na)
A−3:エチレンジアミン四酢酸・4ナトリウム塩(EDTA・4Na)
A−4:エチレンジアミン四酢酸・4カリウム塩(EDTA・4K)
A−5:ニトリロ三酢酸(NTA)
A−6:ニトリロ三酢酸・3ナトリウム塩(NTA・3Na)
A−7:ヒドロキシエチレンイミノ二酢酸(HIDA)
A−8:ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)
A−9:ジエチレントリアミン五酢酸・5ナトリウム塩(DTPA・5Na)
A−10:トリエチレンテトラアミン六酢酸・6ナトリウム塩(TTHA・6Na)
A−11:ジカルボキシメチルグルタミン酸・4ナトリウム塩(GLDA・4Na)
A−12:ジヒドロキシグリシンナトリウム塩
A−13:プロパンジアミン四酢酸・4ナトリウム塩(PDTA・4Na)
A−14:1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸・4ナトリウム塩(DPTA−OH・4Na)
【0042】
〔(B)ホスホノカルボン酸類〕
B−1:ホスホノブタントリカルボン酸(PBTC)
B−2:ホスホノブタントリカルボン酸・3Na(PBTC・3Na)
B−3:ホスホノブタントリカルボン酸・3K(PBTC・3K)
B−4:ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)
B−5:ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸・4Na(HEDP・4Na)
B−6:ニトリロトリスメチレンホスホン酸・6ナトリウム塩(NTP・6Na)
B−7:N,N,N’,N’−テトラキス(ホスホノメチル)エチレンジアミン・4ナトリウム塩(EDTMP・4Na)
【0043】
〔デポジット除去試験−1〕
塗工液(顔料としてのカオリン、炭酸カルシウム;バインダーとしてスチレン−ブタジエン共重合体、ポリビニルアルコール;pH調整剤として水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム;防腐剤、水、キサンタンガム(増粘剤)、保水剤、消泡剤などを含む)の貯蔵タンクからの移送配管の内壁に付着、固化した塗工液由来のデポジットをハンマーで剥がして、約10g角形に切り、洗浄試験用の試料とした。温水(50℃)300mLに所定量の(A)アミノカルボン酸類、(B)有機ホスホン酸類、(D)過酸化水素を加えて撹拌し、次いで(C)水酸化ナトリウム等でpH13.0に調整して、デポジット除去剤を調製し、500mLビーカーに入れた。これを50℃の恒温水槽に入れて保温した。試料を60メッシュのステンレス金網で作ったかごに載せ、マグネチックスターラーで2時間、連続撹拌した。撹拌下、角形の試料から剥がれてかごの目から落ちたデポジットは洗浄除去されたものと見なした。2時間後に金網上に残ったデポジットを取り出し、105℃で乾燥させて重量を量り、元の試料に対する重量損失分の百分率を洗浄率(%)とした。洗浄率が高いほど好ましい。また、試験後の残存するデポジットを指で潰したときの状態を○、△、×の三段階で評価した。ここで、○は柔らかくて容易に押し潰せる状態を示し、△は少し柔らかいが容易には押しつぶせない状態を示し、×は硬い状態を示す。この場合、柔らかくて容易に押し潰せる状態を示す方が好ましい。種々の(A)アミノカルボン酸類、(B)有機ホスホン酸類について行った結果を表1に示した。
【0044】
【表1】

【0045】
本発明の(A)アミノカルボン酸類、(B)有機ホスホン酸類、(C)水酸化ナトリウム等、(D)過酸化水素を配合したデポジット除去剤およびデポジット除去方法により、洗浄率は57.1%〜85.6%と高い洗浄率を示しているが、それぞれ単独での使用(例えば比較例3〜5)では洗浄率は13.6%〜18.1%と低く、(A)アミノカルボン酸類と(B)有機ホスホン酸類の併用では洗浄率は31.2%、(A)アミノカルボン酸類と(B)有機ホスホン酸類のいずれかと(D)過酸化水素の併用でも洗浄率は34.1%、〜35.2%に止まり、本発明のデポジット除去剤およびデポジット除去方法は非常に優れた洗浄・除去効果を発揮することが分かる。
【0046】
〔デポジット除去試験−2〕
塗工液(顔料としてのカオリン、炭酸カルシウム;バインダーとしてスチレン−ブタジエン共重合体、ポリビニルアルコール;pH調整剤として水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム;防腐剤、水、キサンタンガム(増粘剤)、保水剤、消泡剤などを含む)由来の固化したデポジットが内壁に付着した塗工液貯蔵タンクからの移送配管を実装置より取り外し、五等分に切断して移送配管サンプルを調製した。タンクと循環ポンプを備えた循環系に該移送配管サンプルを1個ずつ組み込んだ循環系を5系統、独立に設置した。循環系に水を張り、循環ポンプを用いて循環させ、循環系の保有水量に対して、所定量の(A)アミノカルボン酸類、(B)有機ホスホン酸類、(D)過酸化水素を添加混合した後、(C)水酸化ナトリウム等で系内の溶液をpH13.0に調整し、50℃にて3時間、循環を継続した例を実施例31とした。一方、実施例32は、循環系に水を張り、循環ポンプを用いて循環させ、循環系の保有水量に対して、所定量の(A)アミノカルボン酸類、(B)有機ホスホン酸類を添加し、更に(C)水酸化ナトリウム等で系内の溶液を約pH13とした後、(D)過酸化水素を添加混合し、更に系内の溶液のpHを(C)水酸化ナトリウム水溶液でpH13.0に最終調整した後、50℃にて3時間、循環を継続した例である。また、実施例31と同じ添加順序と試験方法を用いて、(C)と(D)、(A)と(B)と(D)、及び(B)と(C)と(D)を組み合わせた例を比較例とした。各例とも、循環終了後、洗浄液を排水し、清水を通水した後、移送配管サンプルを循環系より取り外して内部を点検した。移送配管サンプルの内部のデポジットの状態を○、×で評価した。ここで、○はデポジットが大部分除去された状態を示し、×はデポジットが大部分残留している状態を示す。試験結果を表2に示した。
【0047】
【表2】

【0048】
本発明の(A)アミノカルボン酸類、(B)有機ホスホン酸類、(C)水酸化ナトリウム等、(D)過酸化水素を用いたデポジット除去方法により、移送配管サンプル内壁に付着していたデポジットは大部分除去されており、本発明のデポジット除去方法は非常に優れた洗浄・除去効果を発揮することが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、紙・パルプ製造工場の塗工工程において障害となるデポジットの除去に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アミノカルボン酸及びその塩、(B)有機ホスホン酸及びその塩、(C)水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム、及び(D)過酸化水素を含有することを特徴とする製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去剤。
【請求項2】
(A)と(B)を1:4〜4:1の重量比で含有することを特徴とする請求項1記載の製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去剤。
【請求項3】
(A)アミノカルボン酸が、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチレンイミノ二酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジカルボキシメチルグルタミン酸、ジヒドロキシグリシン、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸から選ばれた1種以上である請求項1又は2記載の製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去剤。
【請求項4】
(B)ホスホン酸が、ホスホノブタントリカルボン酸、ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロトリスメチレンホスホン酸、N,N,N’,N’−テトラキス(ホスホノメチル)エチレンジアミンから選ばれた1種以上である請求項1乃至3のいずれかに記載の製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去剤。
【請求項5】
製紙用カラーコート塗工工程において、請求項1乃至4のいずれかに記載の製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去剤を含む洗浄液を製紙用カラーコート塗工工程に流通させることを特徴とする製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去方法。
【請求項6】
洗浄液のpHが8〜14である請求項5記載の製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去方法。
【請求項7】
製紙用カラーコート塗工工程において、(A)アミノカルボン酸及びその塩、(B)有機ホスホン酸及びその塩、(C)水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム、及び(D)過酸化水素を用いることを特徴とする製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去方法。
【請求項8】
デポジット除去洗浄時のpHが8〜14である請求項7記載の製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去方法。
【請求項9】
(A)と(B)を重量比で1:4〜4:1で用いる請求項7又は8記載の製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去方法。
【請求項10】
(A)アミノカルボン酸が、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチレンイミノ二酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジカルボキシメチルグルタミン酸、ジヒドロキシグリシン、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸から選ばれた1種以上である請求項7乃至9のいずれかに記載の製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去方法。
【請求項11】
(B)ホスホン酸が、ホスホノブタントリカルボン酸、ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロトリスメチレンホスホン酸、N,N,N’,N’−テトラキス(ホスホノメチル)エチレンジアミンから選ばれた1種以上である請求項7乃至10のいずれかに記載の製紙用カラーコート塗工工程のデポジット除去方法。


【公開番号】特開2009−133054(P2009−133054A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−281397(P2008−281397)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(000234166)伯東株式会社 (135)
【Fターム(参考)】