説明

製薬用処方

【課題】新規な医薬上許容されるポリマーブレンドを用いる、射出成形された単一または複数の構成部材(single or multi-component)の剤形を提供する。
【解決手段】本発明は、複数の薬物含有のカプセル区画であるサブユニット、および/または薬物を含有するポリマーの中実マトリックスを含む中実サブユニットを含む、単一または複数の構成部材の医薬剤形を射出成形するのに適する新規な医薬上許容されるポリマー組成物であって、組立型剤形の部材を溶融させることでそのサブユニットは組立型剤形にて一緒に結合されているところの、組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な医薬上許容されるポリマーブレンドを用いる、射出成形された単一または複数の構成部材(single or multi-component)の剤形の調製に関する。
【背景技術】
【0002】
経口投与について種々のタイプの医薬剤形が知られている。一般に経口投与を意図とする医薬カプセルがよく知られている。かかるカプセルは、一般に、医薬上許容される高分子物質、例えば、ゼラチンのような経口摂取可能な高分子物質の包被壁を含むが、カプセルの仕切りの他の物質、例えば、澱粉およびセルロースを基剤とするポリマーもまた知られている。かかるカプセルは、一般に、カプセル形成体上にフィルムを作製し、ついでそれを乾燥させることにより製造される柔らかな仕切り(wall)を有する。射出成形により製造される硬い仕切りのカプセルもまた知られている。例えば、米国特許第4576284号、米国特許第4591475号、米国特許第4655840号、米国特許第4738724号、米国特許第4738817号および米国特許第4790881号(全て、ワーナー・ランバート(Warner Lambert)に付与された特許)を参照のこと。これらの特許は、ゼラチン、澱粉および他のポリマーでできているカプセルの具体的な構成を開示し、親水性ポリマー−水の混合物を射出成形することによるその製造方法を開示する。米国特許第4576284号は、カプセルを閉じ、カプセルを充填する際に成形によってその場で成形される、キャップを備えた、かかるカプセルを具体的に開示する。米国特許第4738724号は、広範囲に及ぶ硬質カプセルの形状および部材を開示する。
【0003】
各区画が異なる薬物放出特性を有するか、または、例えば、異なる薬物または処方を含有する型のカプセルを含む多区画カプセルもまた、例えば、とりわけ、米国特許第4738724号(Warner-Lambert)、米国特許第5672359号(University of Kentucky)、米国特許第5443461号(Alza Corp.)、WO95/16438(Cortecs Ltd.)、WO90/12567(Helminthology Inst.)、DE−A−3727894およびBE900950(Warner Lambert)、FR2524311およびNL7610038(Tapanhony NV)、FR28646(Pluripharm)、米国特許第3228789号(Glassman)、および米国特許第3186910号(Glassman)において知られている。米国特許第4738817号は、米国特許第3228789号および米国特許第3186910号のものと類似の構成を有する水で可塑化されたゼラチン製の多区画カプセルを開示する。米国特許第4738817号(’817)(Wittwerら)、米国特許第4790881号(’881)(Wittwerら)およびEP0092908(Wittwer, F.)はすべて、ゼラチンと他の賦形剤とで調製される射出成形カプセルを開示する。Wittwerらの’817および’881はまた、他の親水性ポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、メチルセルロース、微結晶セルロース、ポリエチレングリコール、酢酸フタル酸セルロース(CAP)を、およびポリビニルピロリドンを用いてカプセルを調製する。米国特許第4790881号およびEP0091908は共に、一般にアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル(オイドラギット(Eudragit))を含む、その使用に適する腸溶性を有する他のポリマーを提案するも、いずれも明示しておらず、具体的な詳細は何ら示されていない。
【0004】
薬物を分散させるか、埋め込むか、または固溶体として溶解させた、固体ポリマーのマトリックスを含む医薬剤形も知られている。かかるマトリックスは射出成形方法により形成されうる。この技法はCuff G.およびRaouf F.、Pharmaceutical Technology、6月(1998)、96−106頁にて論じられている。かかる剤形用のいくつかの具体的な処方が、とりわけ、米国特許第4678516号、米国特許第4806337号、米国特許第4764378号、米国特許第5004601号、米国特許第5135752号、米国特許第5244668号、米国特許第5139790号、米国特許第5082655号、米国特許第5552159号、米国特許第5939099号、米国特許第5741519号、米国特許第4801460号、米国特許第6063821号、WO99/27909、CA2227272、CA2188185、CA2211671、CA2311308、CA2298659、CA2264287、CA2253695、CA2253700およびCA2257547に開示されている。
【0005】
米国特許第5705189号は、薬物コーティングを行うにおいて熱可塑剤として用いるための一群のメタクリル酸、メタクリル酸メチルおよびアクリル酸メチルのコポリマー、およびカプセルに関するものである。射出成形工程で生じる歪みまたは捻れに関するカプセル形態の質についての情報は何もない。また、その中で示されるエマルジョンの粘度/温度図についての剪断速度のデータも示されていない。
【0006】
医薬上許容されるポリマーブレンドが、熱溶解により押し出されるか、またはカプセルなどの多区画とすることのできる適当な剤形に射出成形される、医薬剤形を調製することも望ましい。この剤形としての製薬用ポリマー組成物は活性剤を含有する各セグメントで異なる物理化学特性を提供することができ、その結果、各セクションにて成形されるべき適当なポリマーを選択するだけで生成されうる、迅速な溶解、即時、遅延、パルスまたは修飾放出を含む、都合のよい剤形を選択することができる。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、新規な製薬用組成物、ならびに射出成形されたカプセルのシェル、連結部材、スペーサー、複数の構成部材の射出成形されたカプセルのシェル、連結部材またはスペーサー、複数の構成部材の医薬剤形、および本願明細書に記載の他の態様を製造する際のその製薬用組成物の使用を提供する。
本発明のもう一つ別の実施形態は、とりわけ、該剤形にて医薬上許容されるポリマーと適当な賦形剤の、新規な処方または組成物を用い、患者の個々の投与要件に適合する剤形にてより大きな柔軟性を提供する別のかつ改良された医薬剤形を提供することである。
本発明のもう一つ別の実施形態は、射出成形により、新規な医薬上許容されるポリマーブレンドを含む複数の構成部材の剤形を生成する方法を提供することである。これらの複数の構成部材の剤形は、そこから放出される、医薬上許容される活性剤を含有するのに適している。
【0008】
本発明によれば、射出成形されたカプセルのシェル、および/または連結部材は、オイドラギット4135Fを含む組成物で提供される。
カプセルのシェルまたは連結部材は、約20ないし70%w/wの量にて配合されたオイドラギット4135Fと、約20ないし約70%w/wにて配合されたヒドロキシプロピルセルロース誘導体あるいはヒドロキシプロピルセルロース誘導体の混合物からなる中実マトリックスを含む。該組成物は、所望により、さらに約0%w/wないし約30%w/wの量にて配合された溶解修飾賦形剤;約30%w/wまでの量にて配合された滑剤;約10%w/wまでの量にて配合された可塑剤;および約10%w/wまでの量にて配合された処理剤(processing agent)を含んでいてもよい。
【0009】
もう一つ別の実施形態において、医薬剤形は複数のサブユニットを含んでおり、その各々が薬物含有のカプセル区画である。この場合、各区画は、好ましくは医薬上許容されるポリマー材料でできた仕切りにより少なくとも一つの隣接する区画から物理的に分離されている。少なくとも一つのサブユニットが薬物含有のカプセル区画である場合において、その仕切り厚は好ましくは約0.3−0.8mmの範囲にあることが好ましい。
本発明の複数の構成部材の剤形は放出性の違う異なる剤形を種々組み合わせることができるという点で高度の汎用性を提供する。例えば、サブユニットは実質的に即時放出性サブユニット、遅延放出性サブユニットまたはパルス放出性サブユニットとしうる。
本発明の他の目的および利点は以下の記載から明らかであろう。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は医薬上許容されるポリマーと賦形剤の新規な組成物に関するものであり、そのポリマー組成物は、積層剤形または複数の構成部材の剤形のように、一緒に利用することのできる1またはそれ以上の構成部材に射出成形されてもよい。このポリマーブレンドは経口投与用の活性剤をも含有しうる単一の構成部材に射出成形されうることが理解される。
本発明はまた、本明細書に記載の新規な医薬上許容されるポリマーブレンドを含む成分上に医薬上許容されるフィルムコーティングを塗布することに関する。フィルムコーティングは、当該分野にて周知なように、遅延放出処方またはpH調節処方である。一つの適当なコーティングがオイドラギットL30D−55である。腸溶性コーティングは、GMP Aerocoaterカラムコーターなどの標準装置を用いて塗布することができる。成分の重量増は、名目上、約3%ないし約5%w/wである。
【0011】
本明細書に記載の医薬上許容されるポリマーブレンドを一貫した迅速な溶解特性を付与するように設計する。
好ましい複数の構成部材の剤形はWO01/08666(2001年2月8日)に開示されているものであり、その内容を出典明示により本明細書の一部とする。
本発明の剤形の部材、例えばカプセル区画の仕切り、中実サブユニット、またはクロージャーまたは連結部材は、一般に安全とされている、例えば経口摂取用で、上記したカプセル区画の仕切り、中実サブユニット、またはクロージャーもしくは連結部材のその形状との形成能を有する医薬上許容されるポリマーブレンド(および接着結合部が形成される場合、接着剤)を含む。ポリマー材料を所望の形状とする好ましい形成方法は、熱または冷ランナー射出成形方法とすることのできる、射出成形である。かかる方法に適する射出成形装置は知られている。
【0012】
医薬剤形は、その各々が結合し、本願明細書で記載されるような医薬上許容されるポリマー材料でできた仕切りによって少なくとも一つの区画から物理的に分離されている複数のカプセル区画を含んでいてもよく、その隣接する区画が組立て剤形にて一緒に結合されており、少なくとも患者に投与される前はその結合により一体を保持しており、1またはそれ以上の区画が薬物を含有するものである。適当には、この第一の実施形態の組立て剤形においては、少なくとも二つ、例えば、かかるカプセル区画が三個ある。三つまたはそれ以上のかかる区画が、組立て剤形にて、例えば、そのラインの両端に二個の末端区画を、そして一またはそれ以上の中間区画を含む配列にて一列に配置されていてもよい。適当には、かかるカプセル区画が二つのものであってもよい。適当には、かかるカプセル区画の一つは徐放性成分、すなわち、時間遅延後、例えば該区画が腸に達した時にカプセル区画の仕切りが溶けるか、破裂するか、あるいは破られてその中身を放出するような材料でできていてもよい。適当には、かかる二つのカプセル区画の他方は即時放出性成分、すなわち、即時または効率的に即時に、例えば該区画が口中または胃にある時にカプセル区画の仕切りが溶けるか、破裂するか、あるいは破られてその中身を放出するような材料でできていてもよい。
【0013】
1またはそれ以上、例えば、すべてのカプセル区画は、実質的に円筒状であってもよく、この実質的に円筒状とは、縦軸を横切る断面が円形、楕円形または偏円形の形状、および側面が平行またはテーパーを有し、例えば、その広がりの一部で円錐状のテーパーが付されている形状を包含する。かかる実質的に円筒状のカプセル区画は、その組立て剤形がまた全体を通して実質的に円筒形であるように縦方向に配置されている末端の一方または両方で結合可能な部分を備えていてもよい。
適当には、メタクリル酸コポリマー(オイドラギットE(登録商標)、オイドラギットE100(登録商標)オイドラギット(登録商標)Lおよび/またはオイドラギット(登録商標)S)、ポリ(メタ)アクリレートコポリマー、例えばオイドラギット(登録商標)4135Fおよびメタクリル酸アンモニウムコポリマー(オイドラギット(登録商標)RLおよび/またはオイドラギット(登録商標)RSなど)が射出成形に使用される。オイドラギット(登録商標)4135Fなどのポリ(メタ)アクリレートコポリマーの群が本発明の好ましい態様である。
【0014】
腸液で溶解し、カプセルに形成することのできる、アクリル酸および/またはメタクリル酸をベースとするポリマーが、例えば、その内容を出典明示により本明細書の一部とする、米国特許第5705189号(Roehm GmbH)に開示されている。これらのポリ(メタ)アクリレートコポリマーは押出し可能であり、カプセルハーフに射出成形され、ここでアクリル酸および/またはメタクリル酸の割合は一般にコポリマーの20%w/wまたはそれ以上であった(実施例1−8)。これらの実施例においては、グリセロールモノステアラートが離型剤としてポリマーの3−5%重量で添加された。
【0015】
米国特許第5705189号に開示されている特定のポリマー、メタクリル酸、メタクリル酸メチルおよびアクリル酸メチルのコポリマー(好適には、10:25:65の割合)であるエマルジョンE2(6欄、10行)が、本発明で使用するのに好ましいポリマーであることが判明した。この成分比はまた、オイドラギット(登録商標)4135Fとしても知られており、オイドラギットFS30Dより得られる固形物であり、上記したようにRohm Pharma/Degussa、Darmstadt、Germanyより入手可能である。しかしながら、ブレンドしていないポリマー単独では射出成形に適さないことが判明したため、本明細書の教示に従ってブレンドし、単一カプセルまたは多区画の剤形を組み立てるための適当な構成部材、すなわち、射出成形され、歪みがなく、捻れのないカプセル/サブユニットの構成部材を生成しなければならない。本発明の目的のためには、オイドラギット4135Fおよび同様の割合の成分の種々の誘導体のブレンド、すなわち、10−40%w/wのメタクリル酸;30−80%のアクリル酸メチル;および0−40%メタクリル酸メチルなどのメタクリル酸と、メタクリル酸メチルと、アクリル酸メチルのコポリマーブレンドが挙げられるが、E1およびE3エマルジョンコポリマーとして米国特許第5705189号に記載されるものに限定されるものではない。オイドラギット4135Fは平均分子量が約220000である。
【0016】
ポリマーE4135Fの場合、少なくとも一種の滑剤および一種の溶解修飾剤の使用が品質、すなわち歪みなく形成され、射出用金型より容易に剥がれる構成部材を得るのに不可欠である。米国特許第5705189号に示されるように、そこに記載のポリマーはすべて、その教示によれば、ブレンドされた組成物との比較において粘度が大きい。
オイドラギット4135F(登録商標)ポリマーはpH7より上でのみ、例えば結腸において溶解し、そのため、徐放性構成部としての形成に適している。反対に、オイドラギットE100(登録商標)ポリマーは酸中で溶解し、そのため、即時放出性構成部として使用するのに適している。
これらの、および他の医薬上許容されるポリマーは、American Pharmaceutical AssociationとPharmaceutical Society of Britainが共同で出版している、Handbook of Pharmaceutical Excipientsに詳しく記載されている。
【0017】
上記したように、オイドラギット4135FはpH7.2より上で水和して徐々に破壊される。腸管腔のpHにて大きな被験者間変動があり、多数の患者にて必要とされるpHのカプセルの仕切りへの有意な暴露を得ることが困難であることが判明した。さらには、0.5mmのシェルの仕切り厚では非修飾ポリマーの場合に溶解時間が長い(30時間より長い)という結果が得られる。結果的に、このポリマーを用いて射出成形したシェルにてパルス放出を達成するには、その処方にて種々の賦形剤が必要とされる。そのような賦形剤として、HPMCおよび超崩壊剤などの膨潤剤;SDSまたはプルロニック(Pluronic)種などの界面活性剤;ラクトースまたはPEGなどの微細孔形成剤/チャネル化剤;HPMC、POLYOX(Union Carbide)のようなポリエチレンオキシド、またはヒドロキシプロピルセルロース(HPC)などの同時ブレンド(co-blend)するための付加的なポリマー;微気候pH条件を調節するための付加的な緩衝化剤が挙げられるが、これに限定されない。
【0018】
オイドラギット4135Fと同時ブレンドする好ましいものがポリマーHPCである。一の適当なブランドがHercules Incorportedの一事業部であるAqualonによりクルセル(Klucel)(登録商標)として市販されているものである。クルセルHPCは種々の等級にて製造されており、その等級は用途により決定される。選択されるクルセルポリマーはクルセルEF、クルセルJH、クルセルLF、およびクルセルGF、あるいはその組み合わせである。他のクルセルポリマーを低分子量ポリマーと組み合わせて用い、本発明で使用するためのブレンド成分を生成してもよいことが理解される。クルセルEは150−700(EFファームでは25℃の10%濃度の水溶液で200−600mPas;EXFファームでは300−600mPas)の範囲の粘度、および約80000の分子量を有し;JFは25℃、5%濃度の水溶液で150−400mPasの粘度および約140000の分子量を有し;LFは25℃、5%濃度の水溶液で75−150mPasの範囲の粘度および約95000の分子量を有し;GFは25℃、2%濃度の水溶液で150−400mPasの範囲の粘度、および約370000の分子量を有し;クルセルMは約850000の分子量および25℃で2%濃度の水溶液で4000−6500mPasの範囲の粘度を有し;およびクルセルHは約1150000の分子量および25℃で1%濃度の水溶液で1500−3000mPasの範囲の粘度を有する。
【0019】
日本曹達株式会社もまた、ニッソウ(Nisso)HPC−L(20℃、2%濃度の水溶液で6.0−10.0mPasの粘度)およびHPC−M(20℃、2%濃度の水溶液で150−400mPasの粘度)として、商品名ニッソウ(Nisso)HPCの下、ヒドロキシプロピルセルロースの商用銘柄を生産する。
種々の等級のHPCのmPasなどの粘度測定結果の詳細については、出典明示によりその内容を本明細書の一部とする、Handbook of Pharmaceutical Excipient、第三版、(2000)、243−248頁を参照のこと。本発明の目的のためには、HPCの等級をおよその分子量の範囲で、また別法としておよその粘度範囲で表すこともできる。
【0020】
さらには、個々のポリマーまたはヒドロキシプロピルセルロースポリマーのブレンドに対する言及は、一般に、30000以上で370000以下の分子量を有する低分子量のヒドロキシプロピルセルロース;370000以上で850000以下の分子量を有する中分子量のHPC;および850000以上で1300000以下の分子量を有する高分子量のHPCなどの、その分子量で分類してもよい。適当には、HPCポリマーまたはHPCポリマーのブレンドは約30000以上で370000までの低分子量である。もう一つ別の実施形態において、HPCポリマーまたはHPCポリマーのブレンドの分子量の範囲は約50000から約170000であり、適当には約80000から約140000である。ブレンドは、多くの変動のうち、異なる分子量のヒドロキシプロピルセルロースポリマーを一緒に組み合わせることで達成されうる。本発明において用いるために、選択されるHPCポリマーにおける制限は射出成形に適するものであるということである。したがって、ポリマーは熱可塑性でなければならない。一般に、低分子量のHPC等級は本質的に熱可塑性ではない。HPCポリマーのブレンドが用いられる場合、それは二つのポリマーを含んでもよく、あるいは二つ以上のHPCポリマーを含んでもよく、所望の特性を得るためにある数のHPCポリマーをw/w%の量とすることができ、それも本発明の範囲内にある。本発明で示される実験はコポリマーの等しいまたは略等しい量を教示しており、それは単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。二つのポリマーのブレンドは0.1:100ないし100:0.1の割合を有する、0.1%などの0%よりわずかに大きいものであってもよく、三つのポリマーのブレンドは0.1:100:0.1または100:0.1:0.1または0.1:0.1:100などであってもよい。
【0021】
上記したように熱可塑性ポリマーである、これらのポリマーの添加は、結合状態に対する感度を減少させ、水和の前および後の両方で伸長特性を改良し、1ないし6のpHでより強固なポリマーの膨張性を提供する。
これらのポリマーの同時ブレンドにより、多くの条件下でブレンドしていないポリマー組成物より水和作用が増大し、大きく膨張するシェルが得られることが判明した。これにより、溶解再現性が有意に改善され;カプセルのシェルの放出が溶融セッティングによりそれほど影響を受けず;水和作用を強化し、溶解後の構造的完全性があまり損なわれない;そして得られたシェルの外観および伸長特性が優れている処方が得られる。
E4135と同時ブレンドされた構成部材は、長期にわたる貯蔵条件後で安定であることが判明した。
ポリマーポリメタクリレート、オイドラギット4135Fは、約20ないし約90%w/wの量で、好ましくは約20ないし約40%w/wの量で処方に配合される。
【0022】
ヒドロキシプロピルセルロースの量は、処方の約20ないし約70%w/w、好ましくは約30ないし約60%w/wである。一つ以上のHPCが配合されている場合、各HPCの個々の量は合計で全体の20ないし70%w/wの量を達成するように変化しうる。本発明の一の実施形態において、オイドラギット4135Fの組成物は少なくとも二つの分子量の異なるヒドロキシプロピルセルロースポリマーのブレンドを含む。
所望の分子量のブレンドを得るために等量または略等量を用いることもできるが、少量の高分子量HPCを少量の低分子量HPC等とブレンドしてもよい。したがって、より少ない量、例えば10%w/w量のHPCポリマーまたはそのブレンドであっても本発明の使用には適している。
【0023】
E4135FとHPCとを同時ブレンドすることで侵食性で、かつpH非依存性の処方が得られることが判明した。
ポリマー組成物をまず溶融押出し工程にて溶融させ、それがメルトフロー、強度、脆弱性および他の所望の成形特性を補助するように付加的な添加剤または賦形剤を含有してもよいことが理解される。これらの付加的な賦形剤は、滑剤または滑沢剤、可塑剤、吸収促進剤、付加的な界面活性剤、フレーバー剤、および顔料等を包含するが、限定されるものではない。
該組成物は種々の仕切り厚で成形されうるが、カプセルまたは構成部材は約0.3ないし約0.8mmの、適当には約0.5mmの仕切り厚を有することが好ましい。しかし、溶解能は所望の放出特性に応じて仕切り厚を適宜調整することで調整されるであろう。仕切り厚の増加は構成部の歪みを減少させるのに不可欠であり、あるいは仕切り厚の変更に加えて付加的な賦形剤を修飾することも不可欠である。
【0024】
押出し操作に用いるための賦形剤または添加剤に加えて、ポリマー組成物はその特性を修飾し、種々の用途に適合させるために他の物質を含んでいてもよい。これらは上記したものを包含してもよく、付加的に、界面活性剤、吸収促進剤、滑剤、可塑剤、溶解修飾剤、処理助剤、着色剤、フレーバー剤および甘味剤を包含してもよいが、限定されるものではない。
【0025】
界面活性剤の処方への配合は粘度および処方ブレンドの表面張力を低下させるのに不可欠であるか、または望ましいが、高配合量では得られる剤形の特性に悪影響を及ぼす可能性がある。界面活性剤の選択はHLB値を指針としてもよいが、必ずしも有用な基準ではない。ツゥーイン(登録商標)80(HLB=10)、プルロニックF68(HLB=28)およびSDS(HLB>40)などと、HLB値が本発明にて利用されているが、低HLB値の界面活性剤、例えばプルロニックF92およびF127も用いることもできる。BASF、USAで製造されるプルロニックはPOLOXAMERの異名である。プルロニックF68は約8400の分子量を有する。プルロニックF1127は約12600の分子量を有する。プルロニックはエチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマーであり、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンのブロックコポリマーにも言及する。
【0026】
界面活性剤はオリゴマー界面修飾剤とも称され、プルロニックス(登録商標)(Pluronics);レシチン、アエロゾルOT(登録商標)(ナトリウムジオクチルスルホスクシナート)、ラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ともいう)、ポリオキシル40(登録商標)水素化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、すなわちツウィーン(登録商標)、例えばツウィーン20、60および80などのポリソルベート、ソルビタン脂肪酸エステル、すなわち、ソルビタンモノラウレート、モノオレエート、モノパルミテート、モノステアレートなど、例えば、スパン(登録商標)またはアルラセル(登録商標)、エンソーブ(登録商標)、カムプル(登録商標)またはソルベスター(登録商標)、トリトンX−200、ポリエチレングリコール、グリセリルモノステアラート、ビタミンE−TPGS(登録商標)(d−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート)、シュークロース脂肪酸エステル、例えばシュークロースステアラート、シュークロースオレアート、シュークロースパルミタート、シュークロースラウラート、およびシュークロースアセタートブチラート、およびその組み合わせおよび混合物を含むが、これに限定されない。本発明の一の実施形態において、ビタミンE−TPGS(登録商標)、ラウリル硫酸ナトリウム、シュークロース脂肪酸エステル、レシチンおよびプルロニック種などの界面活性剤が使用される。本発明のもう一つ別の実施形態において、ラウリル硫酸ナトリウムまたはエチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマー、あるいはその組み合わせまたは混合物のような界面活性剤が使用される。
【0027】
処方は、適当には、所望により、約0ないし約10%w/wの界面活性剤を含有してもよい。SDS(テキサポンK−12(登録商標))またはエチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマーが処方に使用される場合、それらは2重量%未満、より好ましくは<1%w/wの量にて配合されていることが適当である。
ポリマー担体またはオリゴマー界面修飾剤が、適宜選択されるとすれば、それ自体が吸収促進剤として作用してもよい。本発明で使用するのに適当な吸収促進剤として、チトサン、レシチン、レクチン、シュークロース脂肪酸エステル、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸から誘導されるもの、およびビタミンE−TPGS、ならびにそれらの組み合わせあるいは混合物が挙げられるが、それに限定されない。適当には、これらの吸収促進剤は約0ないし約20%w/wの範囲で配合される。
【0028】
可塑剤はまた、組成物の溶融特性を補助するために使用される。本発明で使用される可塑剤の具体例は、トリエチルシトラート(TEC)、トリアセチン、トリブチルシトラート、アセチルトリエチルシトラート(ATEC)、アセチルトリブチルシトラート(ATBC)、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル(DBS)、フタル酸ジエチル、ビニルピロリドングリコールトリアセタート、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、プロピレングリコールあるいはヒマシ油およびそれらの組み合わせあるいは混合物である。ポリマー同時ブレンド物質がいずれの可塑剤が使用に適するかを決定するであろう。例えば、トリアセチンは、一般に、約5%のレベルのオイドラギット4135Fと一緒に用いるのは好ましくない。適当には、該可塑剤は約0ないし約20%w/wの量で配合される。好ましくは、該可塑剤は約0ないし約5%w/wで配合されてもよい。本発明の一の実施形態において、オイドラギット4135F処方の射出成形されたシェルを形成する能力は、上記した可塑剤を添加することなく、達成されうる。
【0029】
溶解修飾剤または物質は、シェルの崩壊および/または膨潤特性を変化させる、放出修飾を補助するものである。多種の薬剤が使用されてもよく、さらに以下に詳細に記載されおり、「エクスプロタブ」(澱粉グリコール酸ナトリウム)、「コリドン−CL」(架橋PVP)、BASFから市販されているコリドンVA64(コポビドン)、スターチ1500、膨潤固体または薬剤、例えば主としてK値の低い等級(K−15、K−25であるが、K−30ないしK−90でも可)の、ISP−プラスドンまたはBASF−コリドンで製造されているポリビニルピロリドン(PVP、米国薬局方にてポビドンとしても知られている)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロース誘導体、低分子量溶質、例えばキシリトール、マンニトール、ラクトースおよび澱粉などのウィッキング剤、塩化ナトリウムのような無機塩(典型的には約5ないし約10%のレベル)と表わされる既知の崩壊剤などの種類のものを包含する。
コリダンVA64またはコポビドンは、コポリビドン、コポビドナムまたはコポビドンとしても知られており、二つのモノマー、ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルを一定の割合で含む。
【0030】
さらに具体的には、溶解修飾剤として用いることのできる膨潤固体として知られている種類の薬剤として、ポリ(エチレン)オキシド、セルロース誘導体、例えばエチルセルロースおよびフタル酸酢酸セルロース、特に低分子量のヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、例えばクルセルEFおよびLF等級、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および他のヒドロキシアルキルセルロース誘導体が挙げられるが、これに限定されない。適当には、溶解修飾賦形剤として使用される膨潤性固体は約5%ないし約70%w/wの範囲にて配合される。他の適当な溶解修飾賦形剤は、約2.5ないし約15%w/wの範囲にて配合されるキシリトールまたはマンニトールなどの種類の非還元糖を包含するが、これに限定されない。適当には約5ないし約20%の範囲にて存在するラクトースおよび澱粉などの種類の水可溶性充填剤もまた含まれる。
【0031】
崩壊剤とも言われるもう一つ別の種類の溶解修飾賦形剤、例えば、澱粉グリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウムNF(FMC製のAc−Di−sol)、コポビドンおよびクロスポビドン(架橋ポリビニルピロリドン)およびその組み合わせまたは混合物を用いてもよい。適当には、この種類の崩壊剤は約10ないし40%、さらに好ましくは約20ないし約30%w/wの範囲で存在する。一またはそれ以上の種の溶解修飾賦形剤を単独で、あるいはその相互の混合物として組み合わせて用いてもよく、その結果として、処方中に合計約2.5ないし約70%w/wの範囲にて存在することが解る。一のかかる組み合わせはクロスカルメロースナトリウムと澱粉グリコール酸ナトリウムである。もう一つ別のものとしてはヒドロキシプロピルセルロースとラクトースの組み合わせである。
【0032】
一般に処理助剤または補強剤として分類される付加的な薬剤はタルクのような賦形剤を含みうる。適当には、その処理助剤は約0ないし約10%w/wで存在しうる。
該処方はまた、滑剤または滑沢剤などの成形処理剤を必要とする。これらは、ステアリルアルコール、ステアリン酸、グリセロールモノステアラート(GMS)、タルク、ステアリン酸マグネシウム、二酸化ケイ素、非晶質ケイ酸、ヒュームドシリカおよびレシチンならびにそれらの組み合わせあるいは混合物を含むが、それに限定されない。これらは主に組成物の流れ促進剤として作用する。適当な等級のステアリルアルコールはクロダコールS95(Croda Oleochemicals)などの市販品である。滑剤として選択される材料はまた粉砕に適するものでなければならない。本発明の一の実施形態において、滑剤はステアリルアルコールまたはGMSである。本発明のもう一つ別の実施形態において、滑剤はステアリルアルコールである。
【0033】
適当には、処方に配合される滑剤の量は約0ないし約30%w/w、より適当には約10ないし約25%w/w、最も適当には約10ないし約15%w/wである。ステアリルアルコールについての好ましい実施形態において、それは約10ないし約20%w/w、より好ましくは約12ないし約15%w/wにて存在する。
ステアリルアルコールは、成形処理用滑剤として作用するが、ブレンドの流れをよくする滑剤に起因しうる成形品のゆがみ、すなわち熱く柔らかいシェルを型から取り外す時の多投与区画の仕切りにてしわくちゃにならないという利点をもつ。適当には、本発明で使用される滑剤は、特にレシチンなどの天然物が使用されると、金属イオン汚染を導入しない。
ステアリルアルコールなどの滑剤の配合は流れを促進することが判明した。ステアリルアルコールの割合を高くすればするほど流動性が増し、より薄いシェルを成形することが可能であることが判明した。
【0034】
本発明の一の実施形態は、ステアリルアルコール、膨潤性固体、澱粉グリコール酸ナトリウムおよび/またはクロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロースポリマーまたはHPCのブレンド、界面活性剤およびポリマーオイラギット4135Fまたは同様のコポリマーブレンドの組み合わせである。適当には、界面活性剤がSDSである場合、それは2%w/wあるいはそれ以下、より好ましくは1%w/wあるいはそれ以下で存在し、20%w/w未満の膨潤性固体が存在する。適当には、澱粉グリコール酸ナトリウムおよび/またはクロスカルメロースナトリウムが10%w/wの量にて存在する。
【0035】
本発明の最終生成物、すなわちカプセルおよび/または構成部材またはサブユニットはまた、付加的に、ポリマー組成物中に、それらが一緒に溶融されることの容易性を高めるのに製造される物質、例えば、ポリマーがレーザーエネルギーを吸収するのを補助する炭素(例えば0.2−0.5%)、酸化鉄あるいは二酸化チタン(例えば0.5−1.0%)などの不透明材料を含んでもよい。そのような不透明材料は一般に安全であると認識される。
例えば、複数のサブユニット、例えばカプセル区画、中実サブユニットあるいはそれらの組み合わせのそれぞれが、同じあるいは異なるポリマーを含んでもよい。例えば複数のサブユニット、例えばカプセル区画、中実サブユニットあるいはそれらの組み合わせのそれぞれが、同じあるいは異なる薬物を含んでもよい。例えば、サブユニットは、各々、同じ薬物を含むが、種々の速度で、患者への投与後に種々の時間で、あるいは患者の胃腸系の種々の位置で、内容物を患者の胃腸管中に放出してもよい。別法として、サブユニットは、各々、異なる薬物を含有してもよく、その各々が同じあるいは異なる速度、あるいは投与後の時間、あるいは患者の胃腸系の位置で放出されてもよい。
【0036】
例えば、二つあるいはそれ以上のサブユニット、例えば二つのカプセル区画が、各々、二つあるいは三つ以上の薬物あるいは処方の組み合わせが患者に投与されうるように、種々の薬物、および/または種々の薬物処方、および/または種々の処方の同じ薬剤を含んでよい。
本発明の剤形は、特異的投与要求に応える剤形を提供するために、その薬剤の内容物および/または薬剤内容物の放出特性において異なるサブユニットをともに組み立てるのを可能にする。
各サブユニットおよびその組立て剤形全体の大きさおよび形状は、そこに含まれる物質の性質および量、および意図された投与態様および受容者により決定されてよい。例えば、経口投与を意図した剤形は、経口投与を意図した既知のカプセルと同様の形状や大きさであってよい。
【0037】
該剤形は経口投与に適する1またはそれ以上の薬物を含有する経口用剤形としての服用に特に適しており、そのような薬物のすべての種類に適するようである。
カプセル区画に含まれる薬物は、適当な形態、例えば散剤、顆粒、コンパクト、マイクロカプセル、ゲル、シロップあるいは液体として存在してもよい;ただし、カプセル区画の仕切りの材料が後半の三つの形態の液体内容物に対しては十分に不活性であることを条件とする。区画の内容物、例えば薬物は、調剤ピン(dosating pin)あるいは型充填(die filling)のような、カプセルを満たすのに慣習的に使用されるような標準的方法により区画中に導入されてよい。
サブユニットはその薬剤内容物放出特性において互いに異なってもよく、これは種々の方法で達成されうる。例えば、一またはそれ以上の中実サブユニットおよび/またはカプセル区画は実質的に即時放出性、すなわち薬剤内容物を実質的に摂取後すぐにあるいは胃に到達後すぐに放出するものであってもよい。このことは、例えば、薬剤内容物を実質的にすぐに放出するために溶解するか、崩壊するか、あるいはそうでなければ破れるマトリックスポリマーあるいはカプセル区画の仕切りにより達成され得る。一般に、即時放出性サブユニットはカプセル区画であることにより提供されるのが好ましい。
【0038】
例えば、1またはそれ以上の中実サブユニットおよび/またはカプセル区画は徐放性サブユニットであってもよい。ポリマーのバルクマトリックスは仕切りの薄いカプセルよりもゆっくりと溶解し、あるいは分散して薬剤内容物を放出するようなので、これらは中実サブユニットであるのが好ましい。
例えば、1またはそれ以上の中実サブユニットおよび/またはカプセル区画は、例えば患者の胃腸系の所定の地点で薬剤内容物を放出する、パルス放出性サブユニットであってよい。これは上記のオイラギット(登録商標)ポリマーのような、規定のpH環境でしか溶解あるいは分散しないポリマー物質の使用により達成される。例えばE100は酸に不安定である。
【0039】
例えば、上記のカプセル区画−連結部材−カプセル区画の剤形において、一つのカプセル区画が効果的に即時放出性であり、他方が徐放性、遅延性あるいはパルス放出性であってもよい。これを達成するために、例えば一つのカプセル区画は、そのカプセル区画が胃あるいは消化管の上部でその薬剤内容物を放出させるポリマー物質からできていてよく、(第二区画の密閉部材として作用する)連結部材および第二区画そのものが、腸環境でのみその薬剤内容物を放出する材料、例えば上記の腸溶性ポリマーからなってもよい。
【0040】
サブユニットが胃腸管でその薬剤物質内容物を放出する時間あるいは位置の決定は、例えばサブユニット物質、例えば中実サブユニットマトリックスポリマーあるいはカプセル区画の仕切りの材料の性質により、あるいは密閉部材により閉じられる端の区画の場合は密閉部材物質の性質により、達成される。例えば、異なる、例えば隣接する区画の仕切りは、異なる区画に異なる薬剤放出特性を与えるために、異なるポリマー、あるいはそうでなければ溶解あるいは崩壊特性において異なるポリマーから作られてもよい。同様に、例えば、異なる、例えば隣接する中実サブユニットのポリマーマトリックス物質は、異なる中実サブユニットに異なる薬剤放出特性を与えるために、異なるポリマー、あるいはそうでなければ溶解あるいは崩壊特性において異なるポリマーから作られてもよい。
【0041】
例えば、マトリックス、仕切り、あるいは密閉部材の材料は胃で薬物を放出するために胃のpHで溶解あるいは分散するポリマーであってもよい。別法として、異なる区画が異なる放出特性を持つように、異なる区画の仕切りの材料は異なっていてもよい。
例えば、中実サブユニットあるいはカプセル区画が、腸で薬物を放出するために小腸あるいは大腸のpHで溶解あるいは分散する腸溶性ポリマーを含むマトリックスあるいは仕切りあるいは密閉部材をそれぞれ備えていてもよい。そのような適当なポリマーが上記した、例えば米国特許第5705189号に言及されている。
【0042】
付加的あるいは別法として、仕切りの厚い区画が仕切りの薄い区画よりゆっくりと崩壊するように、仕切りの材料は区画の間で厚さにおいて異なってもよい。
付加的あるいは別法として、区画の仕切りあるいは密閉部材は、優先的に溶解する弱い領域あるいは点を有していてもよく、薬物内容物の放出の開始時間および/または放出速度をそれにより決定してもよい。例えば、そのような弱い点は穴、例えば区画の仕切りあるいは密閉部材におけるレーザーにより開いた穴といった小さい穴を含んでもよく、これらの穴は消化管の所定の位置で溶解するポリマー物質、例えば腸溶性ポリマー物質のフィルムで閉じられている、および/または覆われていてもよい。例えば、そのような弱い点はカプセル区画が形成される成形作業中に形成されるカプセル区画の仕切りの薄い部分を含んでもよい。
【0043】
サブユニットは、付加的にあるいは別法として、薬剤放出特性を修飾する面あるいは他の構造的特徴を有していてもよい。例えば、中実サブユニットに内部腔またはチャネルを設け、表面積を大きくすることができる。例えば、中実サブユニットは、中空の円筒形、ドーナツ形、あるいはトロイドの形態とすることができ、その形状は液体媒質中で一次的に溶解あるいは崩壊する傾向にあり、相応してそこに分散される薬剤内容物が一次的に放出される傾向にあることが知られている。
本明細書で使用される医薬上許容される試薬、活性剤あるいは薬剤は、哺乳類、好ましくはヒトでの使用に薬理学的活性をもつ活性薬剤を含むということを意味している。薬理学的活性は病態の予防であっても、治療のためであってよい。
【0044】
本明細書で使用される「活性剤」、「薬剤部分」あるいは「薬剤」なる語は互換的に使用される。
活性剤の水溶解性は米国の薬局方により定義される。それゆえ、そこで定義される「かなり溶ける」、「よく溶ける」、「溶ける」および「少し溶ける」という基準に合う活性剤は本発明に含まれる。
【0045】
好適な薬物は、鎮痛剤、抗炎症性剤、駆虫剤、抗不整脈剤、抗生物質(ペニシリン系を含む)、抗凝血剤、抗鬱剤、抗糖尿病剤、抗てんかん剤、抗ヒスタミン剤、降圧剤、抗ムスカリン剤、抗結核剤、抗腫瘍剤、免疫抑制剤、抗甲状腺剤、抗ウイルス剤、不安鎮静剤(催眠剤および神経遮断剤)、収斂剤、βアドレナリン受容体遮断剤、血液製剤およびその代用剤、強心剤、コルチコステロイド、咳止め(去痰剤および粘液溶解剤)、診断剤、利尿剤、ドーパミン作用剤(抗パーキンソン病剤)、止血剤、免疫剤、脂質調節剤、筋弛緩剤、副交感神経作用剤、副甲状腺カルシトニンおよびビホスホナート、プロスタグランジン、放射性医薬品、性ホルモン(ステロイドを含む)、抗アレルギー剤、刺激剤および食欲抑制剤、交感神経興奮剤、甲状腺剤、PDE IV阻害剤、NK3阻害剤、CSBP/RK/p38阻害剤、抗精神病剤、血管拡張剤およびキサンチンを含むが、これに限定されない、種々の既知の種類から選択されうる。
【0046】
好ましい薬物は経口投与および静脈投与用のものを含む。これらの種類の薬剤の記載および各種類の一覧表は、出典明示によりその内容を本明細書の一部とする、Martindale、The Extra Pharmacopoeia、第29版、The Pharmaceutical Press、ロンドン、1989年に見ることができる。薬物は市販されているか、および/またはその分野で既知の技術により調製されうる。
ポリマーブレンドは好ましくは既知の医薬上許容されるポリマーから選択されうる。これらのポリマーの物理化学特性、ならびに最終の射出成形構成部材の厚さは、速溶解、即時放出、遅延放出、徐放性などの修飾放出、調節放出、あるいはパルス放出等の剤形の設計を指示するだろう。
【0047】
ポリマーブレンドは選択された成分が押し出し成形機の供給ホッパーに送られるホットメルト押し出し成形品を生産するよく知られた方法により作られる。好適な周知の装置は本明細書のブレンドのホットメルト押し出し成形品を生産するのに容易に利用できる。
多投与カプセルにおける(2時間の間隔のような)速放出性カプセルあるいは構成部材の生産において、ポリマーオイラギット4135F(ローム)は本明細書に記載されている数種の賦形剤をブレンドすることにより、(本明細書で示されているような)薄い仕切りの構成部材シェルへと押し出され得る。実験のセクションによりわかるように、今回、滑剤およびヒドロキシプロピルセルロースの同時ブレンドを含む処方は、確実に再現することができ、歪みが減ったかあるいは歪みがなく、シェルの型から射出されうる、安定した射出成形構成部材を生産することが明らかにされた。
【0048】
加えて、ヒドロキシプロピルセルロースのブレンドを用いることで、処方の必須の構成部材において予期せぬ減少が生じ、それにより費用および混合時間が減少することが見出された。
30ないし70%の範囲にある種々の割合のクルセルHPCを用いる試験品を処方し、溶解時間の変化について試験した。30ないし60%のクルセルを含有する処方が、擬似胃液および擬似腸液の両方と同様の溶解時間(2時間未満)を有することが判明した。30%未満のクルセルを含有する処方の溶解時間は長く、可変的であり、40%より大きなレベルのクルセルが再現できる放出プロフィールを提供するのに必要であることを示している。
【0049】
より遅い放出を確保するために、製薬用処方は種々の親水性賦形剤を含む。好ましくは、親水性賦形剤は、押し出し温度で溶融しないもの、例えばラクトース、無機塩、HPC、ファーマコート603(ガラス転移温度175℃のHPMC)である。もう一つ別の実施形態において、コポビドンはまた、HPMC、ならびに他のセルロース誘導体または膨潤剤を含む、オイラギットF4135との有用な成分であることが見出された。上記したように、これらの膨潤性固体は分子量による多くの等級、例えばHPCの95Kあるいは80K等級で市販されている。例えば、HPCの分子量が変化してもシェルを水和する能力は保たれるが、水和速度は遅くなるかもしれない、すなわち膨張速度は減少するだろう。それゆえ、シェルの溶解時間が長く、その間に構成部材の放出という結果になる可能性がある。種々のパーセントおよび異なる分子量を有するクルセル(登録商標)HPCを用いる試験体を処方し、溶解時間の変動について試験した。40ないし70%のクルセル(登録商標)を含有する処方は、同様の溶解時間を有することが判明した。10ないし30%のクルセル(登録商標)を含有する処方の溶解時間も同様であると予想される。
【0050】
本発明を以下の実施例を用いて説明する。該実施例は単なる例示であり、何ら本発明の範囲を限定するものではない。温度はすべて摂氏度であり;溶媒は特記しない限りすべて利用可能な最高純度のものである。不完全な型充填またはカプセルのシェルのクラッキングは最終製品にとって申し分のないものではないと理解される一方で、それは本発明の文脈の中で成形かつ射出可能である処方を示唆するものである。
【実施例】
【0051】
実施例1
医薬上許容されるポリマー組成物を有する複数の構成部材の医薬剤形の製造をここに記載する。USSN10/060849または2002年8月8日公開のWO02/060384に記載の一般的方法の条件を用い、種々の複数の構成部材のカプセルおよび適当なサブユニットを成形してもよい。USSN10/060849は16または19mmのAPV押出機およびMCP機を用いるなどの構成部材についての押出および射出成形の条件を記載する。
【0052】
オイドラギット4135Fおよびヒドロキシプロピルセルロース(種々の分子量のクルセルの組み合わせ)含有の処方を押出し、ペレット化し、射出成形した。
【0053】
【表1】

【0054】
0.5mmの仕切りのセクションの型を用いて製造したシェルは、ブレンド中にクルセルが配合されていることに起因して極めて柔軟な特性であることが判明した。
実施例1および実施例2の処方をUSP熔解装置を用いて試験した。シェルを最大溶融強度を用いて超音波的にオイドラギット4135F/10%ファーマコート/12%ステアリルアルコールの連結部材に溶融させた。一つを除いてすべてのサンプルは約1.5時間で放出された。2つの処方の間の放出時間で有意な違いは明らかではなかった。
【0055】
実施例4
【表2】

【0056】
該処方を押出し、ペレット化したが、175℃での射出成形の際に、不完全な型充填が生じた。
【0057】
実施例5
【表3】

【0058】
該処方を押出し、ペレット化したが、175℃での射出成形の際に、不完全な型充填が生じた。
【0059】
実施例6
【表4】

【0060】
該処方を押出し、ペレット化したが、175℃の0.5mm仕切りセクションでの射出成形の際に、不完全な型充填が生じた。
【0061】
実施例7
【表5】

【0062】
該処方を押出し、ペレット化し、178℃の0.3mmおよび0.5mm仕切りセクションの射出成形に付し、シェルは満足したものが製造された。
この実施例において製造された0.5mmのシェルを5ジップ/分(dpm)のジップ速度でUSP3溶解装置を用いて試験した。サンプルはすべてUSP3にて45−60分の間に放出され、2時間後にはシェルは連結部材(オイドラギット4135F/10%ファーマコート/12%ステアリルアルコール)から完全に分離され始めた。放出のメカニズムは一定期間にわたってマトリックスが膨潤することのようであり、剥離はユニットをシールするのに使用した溶融条件とはあまり関係ないようである。
【0063】
実施例8
【表6】

【0064】
該処方を押出し、ペレット化し、185℃の0.3mmおよび0.5mm仕切りセクションの射出成形に付した。0.5mmのシェルは満足のいくものであったが、0.3mmシェルのいくつかは小さなクラックが現れた。
【0065】
実施例9
【表7】

【0066】
該処方を押出し、ペレット化し、185℃の0.3mmおよび0.5mm仕切りセクションの射出成形に付した。0.3mmシェルの製造の間に、偶発的なゲート遮断が生じた。
【0067】
実施例10
【表8】

【0068】
該処方を押出し、ペレット化し、185℃の0.5mm仕切りセクションの射出成形に付した。0.3mm仕切りセクションのシェルを製造しようとしたが、連続的なゲート遮断が生じたため、その製造を断念した。
【0069】
実施例11
【表9】

【0070】
該処方をダイの温度を110℃およびスクリュー速度を200rpmで1kg/時間にて押出した。これらの条件で38%のトルクおよび4バールのダイ圧が得られた。射出成形した0.5mm仕切りセクションのシェルはサンプルの約50%で小さなクラックを含んだ。もう一つ別の例として、0.3mmのシェルもまた、165℃で成形し、この場合には100%のシェルがクラックを含むことが分かった。加えて、170℃の温度では、おそらくラクトースの分解のために黄色に変色することも分かった。
【0071】
実施例12
【表10】

【0072】
該処方をダイの温度を110℃およびスクリュー速度を200rpmで1kg/時間にて押出し、38%のトルクおよび3バールのダイ圧を得た。射出成形した0.5mm仕切りセクションのシェルはサンプルの約50%で小さなクラックを示した(170℃で成形)。もう一つ別のこの処方を用いる実験にて、0.3mmのシェルもまた射出成形し、100%のシェルがクラックを含むことが分かった(180℃で成形)。
【0073】
実施例13
【表11】

【0074】
該処方をダイの温度を110℃およびスクリュー速度を200rpmで1kg/時間にて押出し、43%のトルクおよび3バールのダイ圧を得た。165℃で射出成形した0.5mm仕切りセクションのシェルは満足のいくものであったが、175℃で射出成形した0.3mmのシェルはサンプルの約50%で小さなクラックを有した。
【0075】
実施例14
実施例7に従って製造したシェルを用い、0.3mmのシェルを腸溶性コーティング剤として5%、10%および15%オイドラギットL30D−55を用い、エアロマティック・エアロコーター(Aeromatic Aerocoater)にてフィルムコートした。溶解度の結果は15%腸溶性コーティングが再現性のある放出時間で放出にて必要な遅延を提供することを示す。その放出は試験した12個のサンプルのうち11個で約2時間±20分であることが測定された。
【0076】
本願明細書にて引用される、限定されるものではないが特許および特許出願を含め、すべての刊行物を出典明示によりその内容を本明細書の一部とする。
上記した記載は、本発明の好ましい実施形態を含め、本発明を十分に開示するものである。本明細書中に具体的に開示されている実施形態の修飾および改良は添付した特許請求の範囲の範囲内にある。さらに工夫することなく、上記した記載に従って、当業者は本発明を最大限利用することができると考える。したがって、本願明細書の実施例は単なる例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。独占的権利または特権を請求する本発明の実施形態は添付した特許請求の範囲の記載のとおりである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約15%ないし約50%w/wの量にて存在するオイドラギット4135F;その各々が異なる分子量を有する、合計約20%ないし約70%w/wの量にて存在する少なくとも2種のヒドロキシプロピルセルロースポリマー;約10%ないし約25%w/wの量にて存在する滑剤;約0%ないし約70%w/wの量にて存在してもよい溶解修飾賦形剤;0ないし10%の量にて存在する界面活性剤;0ないし10%w/wの量にて存在する可塑剤;および/または0ないし約10%w/wの量にて存在する処理剤を含む構成部材を成形するための製薬用組成物。
【請求項2】
オイドラギット4135Fが約15%ないし約30%w/wの量にて存在するところの、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
5%w/w未満の量にて存在する界面活性剤を含むところの、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウムまたはエチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマーであるところの、請求項3記載の組成物。
【請求項5】
ドデシル硫酸ナトリウムが2%w/w未満の量にて存在するところの、請求項4記載の組成物。
【請求項6】
界面活性剤がエチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマーであるところの、請求項4記載の組成物。
【請求項7】
滑剤が約10%ないし約30%w/wの量にて存在するところの、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
滑剤がステアリルアルコール、グリセロールモノステアラート(GMS)、タルク、ステアリン酸マグネシウム、二酸化ケイ素、非晶質ケイ酸、またはヒュームドシリカ;あるいはその組合せまたは混合物であるところの、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
滑剤がステアリルアルコールであるところの、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
ステアリルアルコールが約10ないし約15%w/wの量にて存在するところの、請求項9記載の組成物。
【請求項11】
溶解修飾賦形剤が澱粉グリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン(架橋ポリビニルピロリドン)、コポビドン、ポリビニルピロリドンコポビドン、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、第三ヒドロキシプロピルセルロースポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キシリトール、マンニトール、ラクトース、澱粉または塩化ナトリウム、あるいはその組合せまたは混合物であるところの、請求項1記載の組成物。
【請求項12】
溶解修飾賦形剤が澱粉グリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン(架橋ポリビニルピロリドン)、コポビドン、ポリビニルピロリドンコポビドン、あるいはその組合せまたは混合物であるところの、請求項1記載の組成物。
【請求項13】
溶解修飾賦形剤がエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キシリトール、マンニトール、ラクトース、澱粉または塩化ナトリウム、あるいはその組合せまたは混合物であるところの、請求項1記載の組成物。
【請求項14】
溶解修飾賦形剤が約5%ないし約15%w/wの量にて存在するところの、請求項1記載の組成物。
【請求項15】
可塑剤がクエン酸トリエチル(TEC)、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリエチル(ATEC)、クエン酸アセチルトリブチル(ATBC)、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル(DBS)、フタル酸ジエチル、三酢酸ビニルピロリドングリコール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、プロピレングリコール、ヒマシ油;あるいはその組合せまたは混合物であるところの、請求項1記載の組成物。
【請求項16】
処理剤がタルクであるところの、請求項1記載の組成物。
【請求項17】
処理剤が約1ないし約5%w/wの量にて存在するところの、請求項16記載の組成物。
【請求項18】
さらに吸収促進剤を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項19】
吸収促進剤がキトサン、レシチン、レクチン、シュークロース脂肪酸エステル、ビタミンE−TPGS、あるいはその組合せまたは混合物であるところの、請求項18記載の組成物。
【請求項20】
オイドラギット4135Fが約15ないし25%w/wの量にて存在し、滑剤がステアリルアルコールであり、溶解修飾賦形剤が澱粉グリコール酸ナトリウムであって、界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウムまたはエチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマーであるところの、請求項1記載の組成物。
【請求項21】
少なくとも2種のHPCポリマーが結果として約30000ないし約370000の分子量を有するところの、請求項1記載の組成物。
【請求項22】
少なくとも2種のHPCポリマーが結果として約50000ないし約170000の分子量を有するところの、請求項1記載の組成物。
【請求項23】
少なくとも2種のHPCポリマーが結果として約80000ないし約140000の分子量を有するところの、請求項1記載の組成物。
【請求項24】
少なくとも2種のヒドロキシプロピルセルロースポリマーがクルセルEF、クルセルE、クルセルEXF、クルセルJF、クルセルLF、クルセルGF、ニッソウHPC−LおよびニッソウHPC−Mから独立して選択されるところの、請求項1記載の組成物。
【請求項25】
少なくとも2種のヒドロキシプロピルセルロースポリマーがクルセルEFとクルセルJFであるところの、請求項1記載の組成物。
【請求項26】
少なくとも2種のヒドロキシプロピルセルロースポリマーがクルセルJFとクルセルGFであるところの、請求項1記載の組成物。
【請求項27】
少なくとも2種のヒドロキシプロピルセルロースポリマーがクルセルEFとクルセルGFであるところの、請求項1記載の組成物。
【請求項28】
少なくとも2種のヒドロキシプロピルセルロースポリマーが各構成部材にて等しいw/w%量にて存在するところの、請求項1または24記載の組成物。
【請求項29】
少なくとも2種のヒドロキシプロピルセルロースポリマーが、各ポリマーにて、約32%w/wの量にて存在するところの、請求項1または24記載の組成物。
【請求項30】
溶解修飾賦形剤はまたウィッキング剤を包含する、請求項1または24記載の組成物。
【請求項31】
ウィッキング剤がラクトースであるところの、請求項30記載の組成物。
【請求項32】

【請求項33】

【請求項34】
請求項1ないし33のいずれか一項に記載の組成物を有する射出成形されたカプセルのシェル、連結部材またはスペーサー。
【請求項35】
請求項1ないし33のいずれか一項に記載の組成物を有する複数の構成部材の射出成形されたカプセルのシェル、連結部材またはスペーサー。
【請求項36】
請求項1ないし33のいずれか一項に記載の組成物を有する溶融した複数の構成部材の射出成形されたカプセルのシェル、連結部材またはスペーサー。
【請求項37】
複数のサブユニットを含む複数の構成部材の医薬剤形であって、各サブユニットが;
a)カプセル区画に含まれる薬物を放出するために患者の胃腸環境にて溶解または崩壊可能な薬物含有のカプセル区画、および
b)約15%ないし25%w/wの量にて存在するオイドラギット4135F、その各々が異なる分子量を有する、合計約30%ないし約64%w/wの量にて存在する少なくとも2種のヒドロキシプロピルセルロースポリマーを含み、薬物を含有する、中実マトリックスから選択され、該ポリマーはその中実マトリックス中に含有される薬物を放出するために患者の胃腸環境下で可溶性、分散性または崩壊性であり、少なくとも患者に投与される前に、そのサブユニットが組立型剤形にて一緒に溶融されている、医薬剤形。
【請求項38】
サブユニットの少なくとも一つが、ヒドロキシプロピルセルロースポリマーとして、その各々が約30−32%w/wの量にて存在する、クルセルEFおよびクルセルJFを含む中実マトリックスであるところの、請求項37記載の複数の構成部材の医薬剤形。
【請求項39】
サブユニットの少なくとも一つが、ヒドロキシプロピルセルロースポリマーとして、その各々が約30−32%w/wの量にて存在する、クルセルJFおよびクルセルGFを含む中実マトリックスであるところの、請求項37記載の複数の構成部材の医薬剤形。
【請求項40】
サブユニットの少なくとも一つが、ヒドロキシプロピルセルロースポリマーとして、その各々が約30−32%w/wの量にて存在する、クルセルEFおよびクルセルGFを含む中実マトリックスであるところの、請求項37記載の複数の構成部材の医薬剤形。
【請求項41】
中実マトリックスが約10ないし約25%w/wの量にて存在する滑剤を含むところの、請求項37記載の複数の構成部材の医薬剤形。
【請求項42】
サブユニットの少なくとも一つが約0.3−0.8mmの範囲の厚みの仕切りを有する薬物含有のカプセル区画であるところの、請求項37記載の剤形。
【請求項43】
サブユニットの少なくとも一つが実質的に即時放出性サブユニットであるところの、請求項42記載の剤形。

【公開番号】特開2012−140433(P2012−140433A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−15580(P2012−15580)
【出願日】平成24年1月27日(2012.1.27)
【分割の表示】特願2006−521230(P2006−521230)の分割
【原出願日】平成16年7月21日(2004.7.21)
【出願人】(511291027)カプスゲル・ベルギウム・ナムローゼ・フェンノートシャップ (4)
【氏名又は名称原語表記】Capsugel Belgium NV
【Fターム(参考)】