説明

製袋包装機

【課題】フフラットボトム型の袋の底部の形状を角がはっきりした綺麗な四角形に安定して成形することが可能な製袋包装機を提供する。
【解決手段】
筒状フィルムを横シールして製袋しつつ被包装物の充填を行う製袋包装機であって、横シール機構と、複数の四角成形用スプレッダ41とを備える。横シール機構は、筒状フィルムを横シールし、フィルムを袋状に成形する。四角成形用スプレッダ41は、筒状フィルムの内部においてX方向に開き、筒状フィルムの下端を四角状に成形する。四角成形用スプレッダ41は、その脚先部41aに弾性体43を有する。弾性体43は、X方向に交差するY方向に弾性変形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットボトム型の袋を製造する製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、袋を製造しながら袋の内部に菓子類などの被包装物を充填して包装する装置として、製袋包装機が用いられている。近年では、商品の陳列の容易性やディスプレイ効果が優れていることから、自立型の袋を製造する製袋包装機が用いられることも多い。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2006−96359号公報)に記載の製袋包装機では、自立型の袋を製造している。当該製袋包装機は、フィルム包材を下端の形状が短形である充填チューブに沿って下方に搬送することにより角筒状に成形する。そして、角筒状になったフィルム包材の下シールと三角耳の部分とを折り込んで、底部が四角形の袋を成形している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の製袋包装機では、包材は、単に下端の形状が短形である充填チューブに沿って下方に搬送されることにより角筒状に成形されるだけであるので、角がはっきりした綺麗な四角形の底部を持ったフラットボトム型の袋を製造することができない。
【0005】
そこで、本発明の課題は、フラットボトム型の袋の底部の形状を角がはっきりした綺麗な四角形に安定して成形することが可能な製袋包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る製袋包装機は、筒状に成形された包材をシールして製袋しつつ被包装物の充填を行う製袋包装機であって、シール機構と、複数の四角成形用スプレッダとを備える。シール機構は、筒状に成形された包材をその搬送方向と直交する向きにシールし、包材を袋状に成形する。四角成形用スプレッダは、袋の内部においてX方向に開き、袋の下部を四角状に成形する。四角成形用スプレッダは、その先端部に弾性体を有する。弾性体は、X方向に交差するY方向に弾性変形する。
【0007】
この製袋包装機では、四角成形用スプレッダは、袋の内部においてX方向に開き、四角成形用スプレッダの先端部の弾性体は、X方向に交差するY方向に弾性変形する。これにより、袋の下部を内側からX方向のみならず、当該X方向に交差するY方向にも押し広げることができる。その結果、フラットボトム型の袋の底部の形状を角がはっきりした綺麗な四角形に安定して成形することができる。
【0008】
また、弾性体は、包材に接すると包材から受ける押圧方向に弾性変形することが好ましい。
【0009】
ここでは、弾性体は、包材に接すると包材から受ける押圧方向に弾性変形するので、包材を筒状に成形する際、当該筒状包材の周長の調節を妨害しない。その結果、間欠運転や包材の交換などで、筒状の包材の周長の変動があっても、四角成形用スプレッダの位置調整をする必要がなく、安定して袋の底部の形状を四角形に成形することができる。
【0010】
また、本発明に係る製袋包装機は、成形機構のチューブと、連結機構と、付勢部材とを更に備えることが好ましい。成形機構は、包材を筒状に成形する。連結機構は、チューブと四角成形用スプレッダとを、四角成形用スプレッダがX方向に開閉自在に連結する。付勢部材は、チューブと四角成形用スプレッダとに固定され、四角成形用スプレッダが閉じる方向に付勢する。
【0011】
ここでは、チューブと四角成形用スプレッダとに固定された付勢部材により、四角成形用スプレッダが、その開閉方向であるX方向以外の方向に動くのを抑制される。その結果、開閉する時の四角成形用スプレッダの先端部の軌道を安定させることが可能となり、簡易な構成により安定して袋の底部を四角形に成形することができる。
【0012】
また、本発明に係る製袋包装機は、シール用スプレッダと、第1プッシャーと、第1駆動部とを更に備えることが好ましい。シール用スプレッダは、筒状に成形された包材を内側からY方向に押圧する向きに付勢する。第1プッシャーは、シール用スプレッダをその付勢力に反する向きに押圧するように構成されている。第1駆動部は、第1プッシャーを駆動する。
【0013】
ここでは、横シール時には、シール用スプレッダにより筒状に成形された包材を内側からY方向に押し広げ、袋の底部を四角形に成形する時には、当該成形に干渉しないようにシール用スプレッダを閉じることができる。その結果、袋の底部を角のはっきりした綺麗な四角形に成形することができ、袋の美観を向上させることができる。
【0014】
また、本発明に係る製袋包装機は、第2プッシャーと、第2駆動部とを更に備えることが好ましい。第2プッシャーは、四角成形用スプレッダが閉状態になるように押圧するように構成されている。第2駆動部は、第2プッシャーを駆動する。
【0015】
ここでは、第2プッシャーは、四角成形用スプレッダが閉状態になるように四角成形用スプレッダを押圧するように構成されている。これにより、包材の横シール時に複数の四角成形用スプレッダの間に被包装物が挟まっても四角成形用スプレッダを強制的に閉じさせ、四角成形用スプレッダが横シールに干渉しないようにすることができる。その結果、タックの発生を抑制し、綺麗に筒状の包材を横シールすることができる。
【0016】
また、本発明に係る製袋包装機は、複数の底成形用部材と、詰まり防止部材とを更に備えることが好ましい。底成形用部材は、袋の内部に配置され、チューブから鉛直方向に延び、下端に水平な面を有する。詰まり防止部材は、底成形用部材と四角成形用スプレッダとの間に配置され、複数の四角成形用スプレッダ間に被包装物が詰まるのを抑制する。
【0017】
ここでは、詰まり防止部材により、複数の四角成形用スプレッダ間に被包装物が詰まるのを抑制する。その結果、横シールの不良や、袋の底部の成形不良を抑制することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る製袋包装機では、フラットボトム型の袋の底部の形状を角がはっきりした綺麗な四角形に安定して成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る製袋包装機の外観斜視図。
【図2】ガイド機構、折り曲げ機構および横シール機構を示す図。
【図3】クラムプレートの平面図。
【図4】ガイド機構の斜視図。
【図5】ガイド機構の正面図。
【図6】詰まり防止機構を示すガイド機構の側面図。
【図7】詰まり防止機構を示すガイド機構の正面図。
【図8】四角成形用スプレッダ閉機構及びシール用スプレッダ閉機構を示す図。
【図9】図8のIX−IX断面図。
【図10】四角成形用スプレッダが筒状フィルムの下端を広げる様子を示す模式図。
【図11】本発明の一実施形態に係る製袋包装機が製造する袋を示す図。
【図12】本発明の一実施形態に係る製袋包装機が製造する袋の底の完成前の図。
【図13】ガイド機構の変形例の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例の一つであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0021】
以下、製袋包装機1の説明における「上」「下」「左」「右」「前」「後」は、図2のとおり定義する。
【0022】
(1)全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係る製袋包装機1の斜視図である。また、図2は、製袋包装機1の製袋包装ユニット5の概略構成を示す斜視図である。図1及び図2において、包装機1は、組合せ計量機2、製袋包装ユニット5及びフィルム供給ユニット6を備えている。
【0023】
組合せ計量機2は、商品Cを計量し所定の合計重量になるよう排出する。製袋包装ユニット5は、被包装物の袋詰めを行う本体部分である。フィルム供給ユニット6は、製袋包装ユニット5に袋となるフィルムFを供給する。
【0024】
また、製袋包装ユニット5の前面には操作スイッチ類7が配置されている。操作スイッチ類7を操作する操作者が視認できる位置には、操作状態を示すタッチパネル式ディスプレイ8が配置されている。
【0025】
組合せ計量機2、フィルム供給ユニット6及び製袋包装ユニット5は、操作スイッチ類7やタッチパネル式ディスプレイ8から入力された操作および設定に従って制御される。する。なお、操作スイッチ類7やタッチパネル式ディスプレイ8は、CPU、ROM、RAMなどから構成される制御部(図示せず)に接続されており、その制御部が組合せ計量機2および製袋包装ユニット5に設置されている各種センサから必要な情報を取り込み、その情報を各種制御において利用する。
【0026】
(2)詳細構成
(2−1)組合せ計量機2
組合せ計量機2は、製袋包装ユニット5の上部に配置されており、商品Cを計量ホッパで計量した後、これらの計量値を所定の合計重量になるように組み合わせて順次排出する。
【0027】
(2−2)フィルム供給ユニット6
フィルム供給ユニット6は、製袋包装ユニット5の成形機構13に対してシート状のフィルムFを供給するユニットであって、製袋包装ユニット5に隣接して設けられている。また、フィルム供給ユニット6にはフィルムFが巻かれたロールがセットされ、このロールからフィルムFが繰り出される。
【0028】
(2−3)製袋包装ユニット5
製袋包装ユニット5は、図11に示す袋B2を製造する。図11(a)は、袋B2を立てた状態の正面斜視図である。図11(b)は、袋B2を下から観た平面図である。袋B2は、本体部FL2を有し、その上端に上シール部SL1、その下端に底部FBを有する。また、袋B2の幅方向の中央には、縦シール部LSPが上シール部SL1から底部FBまで延びている。底部FBは、四角形の形状であり、その幅方向に延びる下シール部SL2を有する。下シール部SL2の長手方向の両端には、側面S3が折り重なっている。
【0029】
図1および図2に示すように、製袋包装ユニット5は、成形機構13と、プルダウンベルト機構14と、縦シール機構15と、横シール機構20と、ガイド機構40と、押し曲げ機構70と、支持フレーム12とから構成されている。成形機構13は、シート状で送られてくるフィルムFを筒状に成形する。プルダウンベルト機構14は、筒状となったフィルムF(以下、筒状フィルムFmとよぶ)を下方に搬送する。縦シール機構15は、筒状フィルムFmの重ね合わせ部分を縦方向にシールし、縦シール部LSPを作成する。横シール機構20は、筒状フィルムFmを横方向にシールすることで袋の上下端を封止し、上シール部SL1と下シール部SL2とを作成する。ガイド機構40は、筒状フィルムFmの下端を内側から外側に広げ、図12に示すような袋下部FAを成形する。押し曲げ機構70は、袋下部FAを図11(b)に示すような底部FBに成形する。支持フレーム12は、それらの機構を支える。また、支持フレーム12の周囲には、ケーシング9が取り付けられている。
【0030】
(2−3−1)成形機構13
成形機構13は、チューブ13bと、フォーマ13aとを有している。チューブ13bは、筒形状の部材であり、上下端が開口している。このチューブ13bの上端の開口部には、組合せ計量機2で計量された商品Cが投入される。フォーマ13aは、チューブ13bを取り囲むように配置されている。フィルムロールから繰り出されてきたシート状のフィルムFは、フォーマ13aとチューブ13bとの間を通るときに筒状に成形される。成形機構13のチューブ13bやフォーマ13aは、製造する袋の大きさに応じて取り替えることができる。
【0031】
(2−3−2)プルダウンベルト機構14
図2に示すように、プルダウンベルト機構14は、チューブ13bに巻き付いた筒状フィルムFmを吸着して下方に連続搬送する機構であって、チューブ13bを挟んで左右両側にそれぞれベルト14cが設けられている。プルダウンベルト機構14では、吸着機能を有するベルト14cを駆動ローラ14aおよび従動ローラ14bによって回して筒状フィルムFmを下方に運ぶ。なお、図2においては、駆動ローラ14a等を回転させるローラ駆動モータの図示を省略している。
【0032】
(2−3−3)縦シール機構15
縦シール機構15は、チューブ13bに巻き付いた筒状フィルムFmの重なり部分を、一定の圧力でチューブ13bに押しつけながら加熱して縦にシールする機構である。縦シール機構15は、チューブ13bの正面側に位置しており、図示しないが、ヒータや、そのヒータにより加熱され筒状フィルムFmの重なり部分に接触するヒータベルトを有している。また、縦シール機構15は、図示しないが、ヒータベルトをチューブ13bに近づけたり遠ざけたりするための駆動装置も備えている。
【0033】
(2−3−4)横シール機構20
横シール機構20は、図2に示されているとおり、シールジョー21とクラムプレート22とを含む。
【0034】
(シールジョー21)
横シール機構20は、2つのシールジョー21を有し、これらのシールジョー21を互いに向けて移動させ筒状フィルムFmを挟み込む。
【0035】
シールジョー21は、図示しないが、内部にヒータを有している。このヒータによってシールジョー21のシール面が加熱され、シールジョー21によって挟み込まれた筒状フィルムFmの一部がシールされる。
【0036】
シールジョー21の片方には、図示しないが、カッターとカッター駆動機構とが設けられている。カッターは、もう片方のシールジョー21へ向かって前進し、シールされた部分を切断する。その結果、シールされた部分は、上シール部SL1と下シール部SL2とに分割される。
【0037】
(クラムプレート22)
図3は、クラムプレート22を上から観た平面図である。クラムプレート22は、前後2つのクラムプレートからなり、図2に示されているように、横シール機構の上方に設置されている。クラムプレート22は、アクチュエータ(図示せず)により駆動されて前後に往復移動し、シールジョー21が筒状フィルムFmを横シールする直前で、シール予定域の上方を挟み込む。これにより、上方から落下する被包装物(商品C)などがシール予定域に噛みこまれることが抑制される。クラムプレート22は、左右方向に筒状フィルムFmの幅より十分に長い形状をしている。クラムプレート22は、図3に示されているように、その中央部22cが凹んでいる。即ち、筒状フィルムFmをクラムプレート22で挟んだ時に、筒状フィルムFmの両端及びその近傍のみクラムプレート22により密接に挟まれ、筒状フィルムFmの中央は、全く挟まれないか、或いは、軽く挟まれる。これにより、筒状フィルムFmがクラムプレート22により挟まれた際に、筒状フィルムFmの中の空気が、中央から逃げられるようになっている。また、クラムプレート22の間に挟まれた被包装物は、中央部22cの隙間から下に落下することができる。
【0038】
(2−3−5)ガイド機構40
図4及び図5は、それぞれガイド機構40の斜視図及び正面図である。図4において、ガイド機構40は、四角成形用スプレッダ41、ヒンジ機構42、弾性体43、付勢部材44、詰まり防止部材45、L字型部材46、及びシール用スプレッダ47を含んでいる。図4及び図5では省略されているが、ガイド機構40は、このほか、シール用スプレッダ閉機構50、及び四角成形用スプレッダ閉機構60を含む。
【0039】
(四角成形用スプレッダ41)
四角成形用スプレッダ41は、チューブ13bの下端の前側と後ろ側に1つずつ取り付けられている。四角成形用スプレッダ41は、それぞれU字を逆さにしたような形状になっている。換言すると、四角成形用スプレッダ41は、下方に延びる2本の脚を付け根で接合したような形状をしている(図4および図5参照)。当該脚それぞれを脚先部41aと呼ぶ。
【0040】
なお、脚先部41aの先端のコーナーは、R状に丸めてある。これにより、脚先部41aの先端が筒状フィルムFmに接しても筒状フィルムFmに傷がつかないようになっている。
【0041】
(ヒンジ機構42)
前後の四角成形用スプレッダ41それぞれは、チューブ13bの下端にヒンジ機構42によって前後(図4のX方向)に回動可能に取り付けられている。前側の四角成形用スプレッダ41が、前方向に回動することを開くと呼ぶ。同じく、後側の四角成形用スプレッダ41が、後方向に回動することを開くと呼ぶ。逆に、前側の四角成形用スプレッダ41が、後方向に回動すること、後側の四角成形用スプレッダ41が、前方向に回動することを、それぞれ閉じると呼ぶ。
【0042】
四角成形用スプレッダ41は、内部の伝達機構(図示せず)にエアシリンダ等のアクチュエータ(図示せず)による押圧が伝達されると、伝達機構が、前後の四角成形用スプレッダ41それぞれを前側または後側に回動させるように構成されている。即ち、四角成形用スプレッダ41が開く。これによって、筒状フィルムFmの下端は、四角成形用スプレッダ41の脚先部41aにより内側から外側に向かって、特に前後方向に押し広げられる。その結果、筒状フィルムFmの下端近傍の当該筒の横断面は、四角形に成形される。
【0043】
なお、伝達機構に押圧が伝達されていない時は、四角成形用スプレッダ41は、自重及び後述の付勢部材44の付勢力により閉じた状態となるようになっている。
【0044】
(弾性体43)
脚先部41aそれぞれには、樹脂製の弾性体43が取り付けられている(図4参照)。弾性体43は、脚先部41aの外側(右側の脚先部41aでは右側、左側の脚先部41aでは左側)の側面に取り付けられている。具体的には、前側の四角成形用スプレッダ41の左側の脚先部41aには、その左側に弾性体43の上端が取り付けられている。弾性体43の下端は、脚先部41aには、固定されておらず、上端から下端にかけて左斜め下方に向かって延びている。即ち、左に開いている。同様に、前側の四角成形用スプレッダ41の右側の脚先部41aには、その右側に弾性体43の上端が取り付けられている。弾性体43の下端は、脚先部41aには、固定されておらず、弾性体43は、上端から下端にかけて右斜め下方に向かって延びている。即ち右に開いている。後側の四角成形用スプレッダ41の左右の脚先部41aについても、同様に弾性体43が取り付けられている。
【0045】
弾性体43は、脚先部41aに向けて押圧力を受けると、脚先部41aに向かって曲がるように弾性変形するように構成されている。ここで、弾性体43の弾性変形の方向をY方向とすると、本実施形態では、弾性体43は脚先部41aの左右の側面に取り付けられているので、当該Y方向は、左右方向である。四角成形用スプレッダ41が開閉する方向である前後方向をX方向とすると、図4に示すとおり、Y方向は、X方向と交差する方向である。当該押圧力が無くなると弾性体43は元に戻る。即ち、弾性体43は、脚先部41から離反する向きに弾力を有する。
【0046】
このように構成された弾性体43は、後述するように、筒状フィルムFmの下端を、内側から外側に向かって、四角成形用スプレッダ41の開方向であるX方向と交差するY方向に押し広げる役割を果たす。このような弾性体43の効果を模式的に示すと図10のようになる。図10は、筒状フィルムFmの下端を上から平面的に観た模式図である。四角成形用スプレッダ41それぞれが、下端が横シールされた筒状フィルムFmの内側で前後に開くと、筒状フィルムFmの下端を、内側から外側に向けて前後方向(X方向)に押し広げる。この時、四角成形用スプレッダ41の脚先部41aに取り付けられている弾性体43は、筒状フィルムFmに接触して押圧力を受け、脚先部41aの方に、即ち左右方向(Y方向)に、弾性変形する。このように構成された弾性体43により、筒状フィルムFmは、内側から外側に向けて、X方向だけでなく、X方向に交差するY方向にも広げられる。その結果、筒状フィルムFmの下端は、上から平面的に見ると図10の2点鎖線で示されているように長方形の長手方向両側に三角形を接合したような形状となり、袋B2の底部FBの形状を角がはっきりした綺麗な四角形に安定して成形することが可能となる。
【0047】
ところで、弾性体43は、前後の四角成形用スプレッダ41それぞれが閉じた状態でも、左右方向に開いた状態である。したがって、筒状フィルムFmに接する可能性がある。しかし、弾性体43は、筒状フィルムFmから押圧力を受けると押圧方向、即ち脚先部41aの方(Y方向)へ曲がるように弾性変形するので、筒状フィルムFmの当該筒状の周長の変動を許容する。その結果、弾性体43が、内側からフィルムFmに接している状態であっても、筒状フィルムFmの当該筒の周長を変動させ、縦シールするためにフィルムFmの両端部を重なりあわせることができる。したがって、間欠運転やフィルム交換などで、筒状フィルムFmの周長の変動があっても、四角成形用スプレッダ41の位置調整をする必要がなく、安定して袋B2の底部FBの形状を四角形に成形することができる。
【0048】
(付勢部材44)
付勢部材44は、四角成形用スプレッダ41とチューブ13bの下端とに固定されている(図4及び図5参照)。付勢部材44は、樹脂製の弾性体であり、四角成形用スプレッダ41が閉じる方向に付勢力を有している。付勢部材44は、四角成形用スプレッダ41が左右方向等、前後方向以外の方向に動くのを抑制する役割を果たす。その結果、このような簡易な構成により、開閉時の四角成形用スプレッダ41の脚先部41aの軌道を安定させることが可能となり、安定して袋B2の底部FBを四角形に成形することができる。また、付勢部材44は、四角成形用スプレッダ41が閉じる方向に付勢するので、これによって、四角成形用スプレッダ41の脚先部41aは、開く際、開き過ぎることなく均等に広がる。
【0049】
なお、図4及び図5では、付勢部材44は、ヒンジ機構42を覆うように四角成形用スプレッダ41とチューブ13bの下端とに取り付けられているが、ヒンジ機構42を覆う必要はない。付勢部材44は、四角成形用スプレッダ41のヒンジ機構42による回動方向である前後方向以外の動きを抑制できる位置に取り付けられればよく、ヒンジ機構42の両側に1つずつ取り付けられてもよい。
【0050】
(詰まり防止部材45)
図6及び図7は、詰まり防止部材45を示している。詰まり防止部材45は、樹脂製であり、台形を逆さにしたような形状の板状の部材である。詰まり防止部材45は、後述するL字型部材46の左右外側の側面に固定されており、L字型部材46と四角成形用スプレッダ41との隙間に配置されている。詰まり防止部材45の台形を逆さにした形状をした面は、開状態の四角成形用スプレッダ41の左右側面視(図6参照)において、前後の四角成形用スプレッダ41の間に位置する。したがって、前後の四角成形用スプレッダ41の間に向けて落下してくる被包装物(例えば、商品C)は、詰まり防止部材45にあたり、そらされる。その結果、詰まり防止部材45は、前後の四角成形用スプレッダ41の間に商品Cが詰まるのを抑制する。
【0051】
(L字型部材46)
底成形用部材の一例であるL字型部材46は、チューブ13bの下端から筒状フィルムFmの搬送方向に伸び、その先端部は四角成形用スプレッダ41の左右両端に向かって伸びている。L字型部材46の先端部それぞれには、受け台46aが設けられており、受台46aの下端には、水平な下端面46bが設けられている(図5参照)。第2押し曲げ機構72(図2参照)が上方向に稼動したとき、L字型部材46の先端部の下端面46bと、第2押し曲げ機構72とで、袋下部FAの側部EPを挟みこむ。
【0052】
(シール用スプレッダ47)
シール用スプレッダ47は、チューブ13bの下端の左右両側に1つずつ取り付けられている。シール用スプレッダ47は、弾性ステンレス製の板状部材である。図4及び図5に示すように、シール用スプレッダ47の基本的な形状(外力が作用していない状態での形状)は、概ね上下方向に延び、下方に向かって左右に開いた形状である。シール用スプレッダ47の下端は、上下方向に脚先部41aおよびL字型部材46の受け台46a付近に達している。シール用スプレッダ47は、シール用スプレッダ47を包み込む態様で搬送される筒状フィルムFm(特に、シール用スプレッダ47の下端部付近に接触する部分)を内側から外側に向かって押す。その結果、筒状フィルムFmが、扁平な形状に成形される。即ち、シール用スプレッダ47は、横シール処理の際に筒状フィルムFmに皺ができないように、左右方向に筒状フィルムFmを広げる。
【0053】
(シール用スプレッダ閉機構50)
図8は、シール用スプレッダ閉機構50の概略構成を示している。シール用スプレッダ閉機構50は、主に、第1プッシャー51及び当該第1プッシャー51を駆動する第1駆動部52を含む。第1プッシャー51は、金属製のロッド51aの先端に樹脂製の直方体形状の先端部51bが取り付けられた部材である。第1プッシャー51は、シール用スプレッダ47の左右、即ち筒状フィルムFmの左右に1つずつ配置されている。第1プッシャー51の高さ位置は、シール用スプレッダ47の上端より下方であり、かつ、上端と下端との中間よりは上方の位置であるが、後述する四角成形用スプレッダ閉機構60の第2プッシャー61の高さ位置よりも下方の位置である。第1駆動部52は、エアシリンダであり、左右の第1プッシャー51をシール用スプレッダ47に向けて水平に押し出す。押し出された第1プッシャー51それぞれは、その先端部51bにより筒状フィルムFmの外側からシール用スプレッダ47をL字型部材46に向けて押し、シール用スプレッダ47を閉じさせる。このようなシール用スプレッダ閉機構50の構成により、四角成形用スプレッダ41が筒状フィルムFmの下端を押し広げるのを、シール用スプレッダ47が干渉することを抑制することができる。また、筒状フィルムFmが、第1プッシャー51により固定されることで、ずれたり、ねじれたりすることが抑制される。
【0054】
なお、第1プッシャー51は、成形機構の下方かつ筒状フィルムFmの左右に配置されているので、成形機構13のフォーマ13aやチューブ13bのサイズが変更になった場合に調節の必要がなく、また、成形機構13のフォーマ13aやチューブ13bの着脱を妨げない。
【0055】
(四角成形用スプレッダ閉機構60)
図8及び図9は、四角成形用スプレッダ閉機構60の概略構成を示している。四角成形用スプレッダ閉機構60は、主に、第2プッシャー61及び当該第2プッシャー61を駆動する第2駆動部62を含む。図9は、図8におけるIX-IX断面図である。第2プッシャー61は、金属製のロッド61aの先端に二股になったフォーク状のフォーク部61bが取り付けられた部材である。当該フォーク部61bは、金属製であり、表面に樹脂が施されている。第2プッシャー61は、ヒンジ機構42より下方であり、かつ、四角成形用スプレッダ41の上端近傍の高さ位置に、四角成形用スプレッダ41の左右、即ち筒状フィルムFmの左右に1つずつ配置されている。第2駆動部62は、エアシリンダであり、左右の第2プッシャー61それぞれを四角成形用スプレッダ41に向けて押し出す。押し出された第2プッシャー61それぞれは、その先端のフォーク部61bにより、筒状フィルムFmの外側から前後2つの四角成形用スプレッダ41を前後から挟んで押圧し、四角成形用スプレッダ41それぞれを強制的に閉じさせる。その際、四角成形用スプレッダ41の間に詰まっている商品Cを落とすことが出来る。このような四角成形用スプレッダ閉機構60の構成により、前後の四角成形用スプレッダ41の間に商品Cが詰まっても、四角成形用スプレッダ41それぞれは、強制的に閉じられる。これにより、四角成形用スプレッダ41が横シールに干渉しないようにすることができ、その結果、タックの発生を抑制し、綺麗に筒状フィルムFmを横シールすることができる。
【0056】
なお、第2プッシャー61は、成形機構13の下方かつ筒状フィルムFmの左右に配置されているので、成形機構13のフォーマ13aやチューブ13bのサイズが変更になった場合に調節の必要がなく、また、成形機構13のフォーマ13aやチューブ13bの着脱を妨げない。
【0057】
(2−3−6)押し曲げ機構70
押し曲げ機構70は、袋B2の四角形の底部FBを成形するために、下シール部SL2及び袋下部FAの側部EPを押し曲げるための機構である。押し曲げ機構70は、横シール機構20の上方に配置されており、第1押し曲げ機構71と、第2押し曲げ機構72とを含む(図2参照)。
【0058】
(第1押し曲げ機構71)
第1押し曲げ機構71は、主に、底プレート71a及び当該底プレート71aを前後に移動させるアクチュエータ(図示せず)を有する。底プレート71aは、表面に樹脂が施された金属製の板状部材である。四角成形用スプレッダ41により、筒状フィルムFmの下端が、内側から前後方向(図2のD2方向、即ちX方向)に押し広げられた後、底プレート71aが矢印D3方向に移動し、下シール部SL2を前側に倒して押し曲げる。押し倒された下シール部SL2は、熱により第1面S1に接着した状態となる(図12参照)。なお、袋下部FAは、図12に示されているとおり、下シール部SL2を挟んで第1面S1と第2面S2とがあり、下シール部SL2の両端近傍は、側面S3を有する側部EPとなっている。
【0059】
(第2押し曲げ機構72)
第2押し曲げ機構72は、主に、筒状フィルムFmの左右に配置された2つのサイドプレート72aと、支持部材72bと、アクチュエータ(図示せず)とを有する。サイドプレート72aは、表面に樹脂が施された金属製の板状部材であり、上下に回動可能に支持部材72bに取り付けられている。アクチュエータは、サイドプレート72aそれぞれを斜め上下方向へ移動及び上下方向へ回動させる。下シール部SL2が第1押し曲げ機構71の底プレート71aにより押し曲げられた後、左右2つのサイドプレート72aそれぞれが、袋下部FAの左右の側部EPを下方に押し曲げる。さらにサイドプレート72aそれぞれは、上向きに回動し、当該側部EPを袋B2の底部FBとなる部分に押し当てる。当該側部EPは、L字型部材46の下端面46bとサイドプレート72aとで上下から挟まれ、底部FBとなる部分に熱により接着する。
【0060】
(2−3−7)製袋動作
以下、上述したことのまとめもかねて、製袋包装機1の製袋動作について説明する。
【0061】
フィルム供給ユニット6(図1参照)から送られてくるシート状のフィルムFは、フォーマ13aからチューブ13bに巻き付けられて筒状に成形され、そのままプルダウンベルト機構14によって下方に搬送される。フィルムFはチューブ13bに巻き付けられた状態において左右両端部が周面上で重ね合わせられた状態となり、その重ね合わせ部分が縦シール機構15によって縦にシールされる。この際、弾性体43は、フィルムFに接触し、フィルムFから押圧を受けると、当該押圧に負けて弾性変形し、脚先部41aの方へ曲がる。これにより、綺麗な縦シールをするのに十分なフィルムFの左右両端部の重ね合わせを許容する。縦にシールされた筒状フィルムFmは、チューブ13bを抜けて横シール機構20へと降りていく。このとき、筒状フィルムFmの内部には、組合せ計量機2からチューブ13bを通って被包装物である商品Cが落下してくる。
【0062】
横シール機構20は、筒状フィルムFm内に商品Cが存在する状態で、筒状フィルムFmを横シールする。一対のシールジョー21が筒状フィルムFmを挟む前に、2つのクランププレート22が筒状フィルムFmを前後から挟む。また、第2プッシャー61が左右から四角成形用スプレッダ41に向けて押し出され、第2プッシャー61のフォーク部61bが筒状フィルムFmの外側の前後から四角成形用スプレッダ41を挟み込み、押圧する。当該フォーク部61bにより挟み込まれると、前後の四角成形用スプレッダ41それぞれは、閉じる。横シール時は、筒状フィルムFmは、皺ができないように、シール用スプレッダ47により内側から左右に向けて外側に広げられる。一対のシールジョー21が、筒状フィルムFmを挟み、横シールする。横シール動作と同時に、シールジョー21に内蔵されているカッター31aによって、先行する袋B2と後続の袋(但し、袋B2に成形される前の筒状フィルムFm)とが切り離される。即ち、先行する袋B2の上シール部SL1と後続の袋B2となる筒状フィルムFmの下シール部SL2とが成形される。
【0063】
一対のシールジョー21が、筒状フィルムFmを挟んだ後、第1プッシャー51が左右からシール用スプレッダ47に向けて押し出される。シール用スプレッダ47は、筒状フィルムFmの外側から第1プッシャー51の先端部51bに押され、閉じる。また、第2プッシャー61は、横シール動作の開始後、左右の元の位置に戻される。
【0064】
横シール処理後、チューブ13bの下端の前後に取り付けられた四角成形用スプレッダ41それぞれが、前後に開かれる。四角成形用スプレッダ41それぞれが、前後に開くと、筒状フィルムFmの下端が、内側から前後方向(X方向)に押し広げられる。また、筒状フィルムFmの下端は、脚先部41aに取り付けられている弾性体43により、X方向に交差する左右方向(Y方向)にも押し広げる押圧力を受ける。その結果、筒状フィルムFmの下端は、長方形の長手方向両端に三角形を接合したような形状となる。
【0065】
その後、第1押し曲げ機構71(図2参照)は、矢印D3方向に移動して、下シール部SL2を押し曲げる。その結果、筒状フィルムFmの下端に袋下部FAが成形される。さらに、第2押し曲げ機構72が袋下部FAの側部EPを押し曲げる。下シール部SL2及び側部EPは、熱により袋B2の底部FBに接着した状態となる。第1プッシャー51は、左右の元の位置に戻される。
【0066】
以上のように、四角形の底部FBを有する袋B2が製造されるとともに、商品Cが当該袋B2に充填されて包装される。
【0067】
(3)本実施形態に係る製袋包装機の特徴
(3−1)
上記実施形態では、前後に開く複数の四角成形用スプレッダ41それぞれの脚先部41aには、弾性体43が取り付けられている。弾性体43は、上端が脚先部41aに取り付けられており、下端は、脚先部41aから離れるように左右方向に開いている。そして、弾性体43は、左右方向(Y方向)に弾性変形する。当該Y方向は、四角成形用スプレッダ41の開閉方向である前後方向(X方向)に交差する方向である。これにより、四角成形用スプレッダ41それぞれが筒状フィルムFmの内側で前後方向に開いた際、筒状フィルムFmを前後方向だけでなく、左右方向にも押し広げることができる。その結果、袋B2の底部FBの形状を角がはっきりした綺麗な四角形に安定して成形することができる。
【0068】
(3−2)
上記実施形態では、四角成形用スプレッダ41の脚先部41aに取り付けられた弾性体43は、筒状フィルムFmに接し、筒状フィルムFmから押圧を受けると弾性変形し、脚先部41aに向かって曲がる。これにより、弾性体43が、内側からフィルムFmに接している状態であっても、筒状フィルムFmの当該筒の周長を変動させ、縦シールするためにフィルムFmの両端部を重なりあわせることができる。つまり、間欠運転やフィルムFの交換などで、筒状フィルムFmの周長の変動があっても、四角成形用スプレッダ41の位置調整をする必要がなく、安定して袋B2の底部FBの形状を四角形に成形することができる。
【0069】
(3−3)
上記実施形態では、ヒンジ機構42により連結されているチューブ13bと四角成形用スプレッダ41とに付勢部材44が固定されている。これにより、四角成形用スプレッダ41がヒンジ機構42による回動方向である前後方向以外の方向に動くのを抑制することができる。また、付勢部材44は、四角成形用スプレッダ41が閉じる方向に付勢するので、これによって、四角成形用スプレッダ41の脚先部41aは開き過ぎることなく均等に広がる。その結果、このような簡易な構成により回動時の四角成形用スプレッダ41の脚先部41aの軌道を安定させることが可能となり、安定して袋B2の底部FBを四角形に成形することができる。
【0070】
(3−4)
上記実施形態では、筒状フィルムFmの下端を四角成形用スプレッダ41が内側から押し広げる前に第1プッシャー51がシール用スプレッダ47をその付勢力に反して閉じるように押圧するように構成されている。これにより、横シール時には、シール用スプレッダ47により筒状フィルムFmを内側から左右方向に押し広げるとともに、四角成形用スプレッダ41により筒状フィルムFmの下端を内側から前後方向に押し広げる際には、シール用スプレッダ47が干渉しないように閉じることができる。また、筒状フィルムFmが、第1プッシャー51により固定されることで、ずれたり、ねじれたりすることが抑制される。その結果、袋B2の底部FBを角のはっきりした綺麗な四角形に成形することができ、袋B2の美観を向上させることができる。
【0071】
なお、第1プッシャー51は、成形機構13の下方かつ筒状フィルムFmの左右に配置されているので、成形機構13のフォーマ13aやチューブ13bのサイズが変更になった場合に調節の必要がなく、また、成形機構13のフォーマ13aやチューブ13bの着脱を妨げない。
【0072】
(3−5)
上記実施形態では、第2プッシャー61が、先端に二股のフォーク状になったフォーク部61bを有し、四角成形用スプレッダ41は、筒状フィルムFmの横シール前にフォーク部61bによりヒンジ機構42よりも下方の部分が前後から挟まれて押圧され、強制的に閉状態になるように構成されている。これにより、筒状フィルムFmの横シール時に複数の四角成形用スプレッダ41の間に被包装物である商品Cが詰まっても四角成形用スプレッダ41を強制的に閉じさせ、四角成形用スプレッダ41が横シールに干渉しないようにすることができる。その結果、タックの発生を抑制し、綺麗に筒状フィルムFmを横シールすることができる。また、四角成形用スプレッダ41の間に被包装物が詰まっても、四角成形用スプレッダ41を強制的に閉じることにより被包装物を落とすことができるので、四角成形用スプレッダ41間に被包装物が詰まるのを抑制することができる。
【0073】
なお、第2プッシャー61は、成形機構13の下方かつ筒状フィルムFmの左右に配置されているので、成形機構13のフォーマ13aやチューブ13bのサイズが変更になった場合に調節の必要がなく、また、成形機構13のフォーマ13aやチューブ13bの着脱を妨げない。
【0074】
(3−6)
上記実施形態では、四角成形用スプレッダ41間に向けて落下してくる被包装物である商品Cは、詰まり防止部材45にあたり、四角成形用スプレッダ41間からそれる。これにより、当該四角成形用スプレッダ41の間に被包装物が詰まるのを抑制することができる。その結果、横シールの不良や、袋B2の底部FBの成形不良を抑制することができる。
【0075】
(4)変形例
(4−1)変形例1
上記実施形態では、弾性体43は、四角成形用スプレッダ41が開閉する方向である前後方向(X方向)と交差するY方向に弾性変形し、当該Y方向は、左右方向であった。しかし、Y方向は、左右方向に限られず、他の実施形態では、X方向と交差する他の方向でもよい。例えば、前後方向と左右方向との中間の方向、即ち前後方向から左右方向に向かって45度回転した方向でもよい。
【0076】
(4−2)変形例2
上記実施形態では、四角成形用スプレッダ41の脚先部41aの先端のコーナーは、R上に丸められ、筒状フィルムFmを傷つけないようにされていた。他の実施形態に置いては、コーナーをR状に丸める代わりに、或いは、それに加えて、図13に示されているガイド機構40aのように、四角成形用スプレッダ41の脚先部41aの先端の前後のコーナー(前側の四角成形用スプレッダ41の脚先部41aの先端の前側のコーナー、後側の四角成形用スプレッダ41の脚先部41aの先端の後側のコーナー)に車輪106を取り付けても良い。これにより、四角成形用スプレッダ41を筒状フィルムFmの内側で開いても筒状フィルムFmが脚先部41aの先端により傷つかないようにできる。
【符号の説明】
【0077】
1 製袋包装機
13 成形機構
13b チューブ
20 横シール機構(シール機構)
41 四角成形用スプレッダ
42 ヒンジ機構(連結機構)
43 弾性体
44 付勢部材
45 詰まり防止部材
46 L字型部材(底成形用部材)
46b 下端面
47 シール用スプレッダ
51 第1プッシャー
52 第1駆動部
61 第2プッシャー
62 第2駆動部
C 商品(被包装物)
F フィルム(包材)
Fm 筒状フィルム
B2 フラットボトム型の袋
SL2 下シール部
FA 袋下部
FB 底部
EP 側部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0078】
【特許文献1】特開2006−96359号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状に成形された包材をシールして製袋しつつ被包装物の充填を行う製袋包装機であって、
前記筒状に成形された包材をその搬送方向と直交する向きにシールし、前記包材を袋状に成形するシール機構と、
前記袋の内部においてX方向に開き、前記袋の下部を四角状に成形する複数の四角成形用スプレッダと、
を備え、
前記四角成形用スプレッダは、その先端部に前記X方向に交差するY方向に弾性変形する弾性体を有する、
製袋包装機。
【請求項2】
前記弾性体は、前記包材に接すると前記包材から受ける押圧方向に弾性変形する、
製袋包装機。
【請求項3】
前記包材を筒状に成形する成形機構のチューブと、
前記チューブと前記四角成形用スプレッダとを、前記四角成形用スプレッダが前記X方向に開閉自在に連結する連結機構と、
前記チューブと前記四角成形用スプレッダとに固定され、前記四角成形用スプレッダが閉じる方向に付勢する付勢部材と
を更に備える、
製袋包装機。
【請求項4】
筒状に成形された前記包材を内側から前記Y方向に押圧する向きに付勢するシール用スプレッダと、
前記シール用スプレッダをその付勢力に反する向きに押圧するように構成された第1プッシャーと、
前記第1プッシャーを駆動する第1駆動部と、
を更に備える、
製袋包装機。
【請求項5】
前記四角成形用スプレッダが閉状態になるように押圧するように構成された第2プッシャーと、
前記第2プッシャーを駆動する第2駆動部と、
を更に備える、
製袋包装機。
【請求項6】
前記袋の内部に配置され、前記チューブから鉛直方向に延び、下端に水平な面を有する複数の底成形用部材と、
前記底成形用部材と前記四角成形用スプレッダとの間に配置され、前記複数の四角成形用スプレッダ間に前記被包装物が詰まるのを抑制する詰まり防止部材と、
を更に備える、
製袋包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−35601(P2013−35601A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−147932(P2012−147932)
【出願日】平成24年6月29日(2012.6.29)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】