製造プロセスにおける知識情報抽出装置、方法及びプログラム
【課題】操業日誌に記述された実績データを検索して可視化できるとともに、実績データとキーワードとの関係性を把握しやすくする。
【解決手段】実績データの値が記述される実績データ欄205と、操業者が個別具体的な事項を記述することのできる特記欄207とを有する操業日誌のデータが蓄積されたデータベース101を用いて知識情報を抽出する製造プロセスにおける知識情報抽出装置であって、入力された実績データ名に基づいて、データベース101に蓄積された操業日誌の実績データ欄205を対象に検索を実行し、前記入力された実績データ名に該当する実績データのグラフを生成して表示装置103に表示する。また、絞り込み条件で絞り込んだ実績データを実績データ欄205に含む操業日誌に対して関連があるとされる関連キーワードを特記欄から抽出して、表示装置103に表示する。
【解決手段】実績データの値が記述される実績データ欄205と、操業者が個別具体的な事項を記述することのできる特記欄207とを有する操業日誌のデータが蓄積されたデータベース101を用いて知識情報を抽出する製造プロセスにおける知識情報抽出装置であって、入力された実績データ名に基づいて、データベース101に蓄積された操業日誌の実績データ欄205を対象に検索を実行し、前記入力された実績データ名に該当する実績データのグラフを生成して表示装置103に表示する。また、絞り込み条件で絞り込んだ実績データを実績データ欄205に含む操業日誌に対して関連があるとされる関連キーワードを特記欄から抽出して、表示装置103に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日常的に作成される操業日誌を利用して知識情報を抽出する製造プロセスにおける知識情報抽出装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
製鉄所等の製造現場では、操業中に発生した出来事に基づいて操業日誌を作成する。この操業日誌を利用して、特に熟練者ではない操業者が過去の類似状況を検索して、操業プロセスの改善等に向けた業務効率を図ることが期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−272400号公報
【特許文献2】特開2010−102649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、現状では過去の操業日誌を単に蓄積しているだけであり、操業日誌を検索して、操業プロセスの改善等の検討に有用な過去の操業日誌にアクセスすることは容易ではない。操業日誌を一括管理し、有用な操業日誌にアクセスしやすいインターフェースを提供できるようにすれば、操業者が過去の類似状況を検索でき、操業プロセスの改善等に向けた業務効率を図ることができる。
【0005】
例えば、操業日誌には各種実績データの値が記述される実績データ欄が設けられている。これらの値をグラフ化することにより、実績データの値域分布や時間推移等を把握したり、統計解析により実績データ間の関係を解析したりすることは可能である。しかしながら、操業プロセスの改善等に必要な知識情報を抽出するためには、実績データだけでなく、操業者が個別具体的な事項を記述した文書情報(以下、特記情報)を合わせて解析することが重要である。例えばある実績データにおいて外れ値があるような場合にも、実績データ欄を参照するだけでは、なにが原因で外れ値となったかを推定することは難しく、そのときの操業プロセスの状態や操作内容について操業者が具体的に記述した特記情報に、原因推定に有用な情報が含まれていることが多い。
【0006】
過去の知見に基づいて操業支援を行うものとして、特許文献1では、操業成績が低下したときに、低下要因と思われる項目を現象データベースから検索し、過去の実績に基づいて低下要因を絞り込む構成が開示されている。しかしながら、特許文献1では、操業成績低下要因定義についての情報が記憶されている現象データベースを予め作成しておく必要があり、また、日常的に作成される操業日誌を利用して知識情報を抽出するものではない。
【0007】
また、特許文献2では、文書データを含む操業報告情報を活用することが開示されている。すなわち、文書データを含む操業状況報告情報から、操業異常項目を検出し、その操業異常項目に関連する操業実績データ項目を選択し、関連データ項目と操業異常項目との関連を示す操業異常情報を作成する。しかしながら、特許文献2では、あらかじめ関連データ項目と操業異常項目との関連を関連定義情報として関連定義情報データベースに記録しておく必要がある。
【0008】
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、操業日誌を一括管理し、役に立つ操業日誌にアクセスしやすくすることを目的とし、より具体的には、操業日誌に記述された実績データを検索して可視化できるとともに、実績データとキーワードとの関係性を把握しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の製造プロセスにおける知識情報抽出装置は、実績データの値が記述される実績データ欄と、操業者が個別具体的な事項を記述することのできる特記欄とを有する操業日誌のデータが蓄積されたデータベースを用いて知識情報を抽出する製造プロセスにおける知識情報抽出装置であって、実績データ名が入力されると、前記入力された実績データ名に基づいて、前記データベースに蓄積された操業日誌の実績データ欄を対象に検索を実行し、前記入力された実績データ名に該当する実績データのグラフを生成して表示装置に表示する検索手段とを備え、前記入力された実績データ名に該当する実績データに対して絞り込み条件が入力可能であり、前記検索手段は、前記絞り込み条件で絞り込んだ実績データを実績データ欄に含む操業日誌に対して関連があるとされる関連キーワードを特記欄から抽出して、前記表示装置に表示する関連キーワード抽出手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明の製造プロセスにおける知識情報抽出装置の他の特徴とするところは、キーワードが入力可能であり、前記関連キーワード抽出手段は、キーワードが入力された場合、前記キーワードを特記欄に含み、かつ、前記入力された実績データ名に該当する実績データを実績データ欄に含む操業日誌に対して関連があるとされる関連キーワードを抽出して前記表示装置に表示する点にある。
また、本発明の製造プロセスにおける知識情報抽出装置の他の特徴とするところは、前記入力された実績データ名に該当する実績データに対して、値域及び期間のうち少なくともいずれかによる絞り込みが可能である点にある。
また、本発明の製造プロセスにおける知識情報抽出装置の他の特徴とするところは、前記グラフは、実績データの値域分布を表わすヒストグラム、又は、実績データの時間推移を表わす折れ線グラフである点にある。
本発明の製造プロセスにおける知識情報抽出方法は、実績データの値が記述される実績データ欄と、操業者が個別具体的な事項を記述することのできる特記欄とを有する操業日誌のデータが蓄積されたデータベースを用いて知識情報抽出装置により知識情報を抽出する製造プロセスにおける知識情報抽出方法であって、前記知識情報抽出装置は、実績データ名が入力されると、前記入力された実績データ名に基づいて、前記データベースに蓄積された操業日誌の実績データ欄を対象に検索を実行し、前記入力された実績データ名に該当する実績データのグラフを生成して表示装置に表示するステップを行い、前記入力された実績データ名に該当する実績データに対して絞り込み条件が入力可能であり、前記絞り込み条件で絞り込んだ実績データを実績データ欄に含む操業日誌に対して関連があるとされる関連キーワードを特記欄から抽出して、前記表示装置に表示することを特徴とする。
本発明のプログラムは、実績データの値が記述される実績データ欄と、操業者が個別具体的な事項を記述することのできる特記欄とを有する操業日誌のデータが蓄積されたデータベースを用いて知識情報を抽出するためのプログラムであって、実績データ名が入力されると、前記入力された実績データ名に基づいて、前記データベースに蓄積された操業日誌の実績データ欄を対象に検索を実行し、前記入力された実績データ名に該当する実績データのグラフを生成して表示装置に表示する検索手段としてコンピュータを機能させ、前記入力された実績データ名に該当する実績データに対して絞り込み条件が入力可能であり、前記絞り込み条件で絞り込んだ実績データを実績データ欄に含む操業日誌に対して関連があるとされる関連キーワードを特記欄から抽出して、前記表示装置に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、操業日誌に記述された実績データを検索して可視化できるので、実績データを把握しやすい。また、絞り込み条件で絞り込んだ実績データを実績データ欄に含む操業日誌に対して関連があるとされる関連キーワードが特記欄から抽出され、表示装置に表示されるので、実績データとキーワードとの関係性を把握しやすい。このように、操業日誌を一括管理し、役に立つ操業日誌にアクセスしやすいインターフェースを提供できるので、操業者が過去の類似状況を検索でき、操業プロセスの改善等に向けた業務効率を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係る製造プロセスにおける知識情報抽出装置の機能構成を示す図である。
【図2】操業日誌の例を示す図である。
【図3】キーワード検索画面を示す図である。
【図4】Dice係数を説明するための図である。
【図5】オントロジー構築画面を示す図である。
【図6】オントロジー検索画面を示す図である。
【図7】データ検索画面を示す図である。
【図8】データ検索画面を示す図である。
【図9】データ検索画面を示す図である。
【図10】データ検索画面を示す図である。
【図11】データ検索画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係る製造プロセスにおける知識情報抽出装置100の機能構成を示す。本実施形態では、製鋼プロセスを対象とする。101はデータベースであり、操業日誌(操業・設備・品質日誌)の電子データが蓄積される。図2に、操業日誌の例を示す。操業日誌は、文書作成ソフトウェア等によりコンピュータ上で作成され、データベース101に蓄積される。製鉄所等の24時間操業を行う製造現場では、8時間ごとに甲番、乙番、丙番に分けられ、同図には甲番での操業を担うD組の操業者が記述した操業日誌を示す。
【0013】
操業日誌には、日誌年月日201、最終データ更新日202、最終印刷日時203が記述される。また、生産No.(204)ごとに製造番号、工程、生産記号、符号、製造幅、サイズ等が記述されるとともに、実績データである開始時刻、生産時刻、操業速度等の各値が記述される実績データ欄205が設けられている。実績データ欄205の値は、設備から自動的に入力されるようにしてもよいし、操業者により入力されるようにしてもよい。また、生産量の計画と実績206が記述される。また、操業特記、設備特記、品質特記の特記欄207が設けられており、これら特記欄207には操業者が個別具体的な所見等の事項(特記事項)を記述することができる。
【0014】
図1に説明を戻して、102はキーボードやマウス等の入力装置である。また、103は各種画面を表示する表示装置である。
【0015】
104はキーワード検索部であり、任意のキーワードが入力装置102を介して入力されると、当該入力されたキーワードに基づいて、操業日誌の特記欄207を対象に検索を実行し、検索結果を表示装置103に表示する。
【0016】
図3には、表示装置103に表示されるキーワード検索画面を示す。キーワード検索画面では、キーワード入力欄301と、期間入力欄302とが設けられている。キーワード入力欄301にキーワードを入力し、検索ボタン303を押下すると、キーワード検索が実行される。すなわち、キーワード検索部104は、キーワード入力欄301に入力されたキーワード(入力キーワードと称する)をデータベース101に蓄積された操業日誌の特記欄207から検索し、入力キーワードを特記欄207に含む操業日誌の一覧304を表示する。期間入力欄302に期間が入力された場合は、その期間に含まれる日付(日誌年月日201)の操業日誌を検索対象とする。
【0017】
操業日誌の一覧304では、ヒット件数とともに、各操業日誌の概要がわかるように、例えば日付、組、記入者、特記欄207に記述された特記事項を抽出して表示する。この場合に、特記事項中の入力キーワードは色を変える等の強調表示するようにしてもよい。操業日誌の一覧304は操業日誌のデータにリンクしており、日付が選択されると、当該選択された操業日誌の詳細を表示する。
【0018】
また、共起語抽出部104aは、データベース101に蓄積された操業日誌の特記欄207から、入力キーワードと共起する共起語305を抽出して表示する。具体的には、操業日誌の特記欄207の記述の形態素子解析を行い、品詞を抽出する。そして、特記欄207の一記述を単位として、その中で入力キーワードと同時に現れる用語を共起として扱う。共起度の判断には、例えば図4に示すようなDice係数を利用する。共起語305を表示する際には、共起度の高い順に列挙する。なお、Dice係数については、段落0036にて詳述する。
【0019】
いずれかの共起語305が指定操作されると、キーワード検索部104は、当該指定された共起語をキーワード入力欄301に表示して、入力キーワードとして再度検索を実行する。また、各共起語305の隣に表示される(+)が指定操作されると、キーワード検索部104は、入力キーワードと、指定された共起語とのAND検索を実行する。なお、ここでは図示しないが、OR検索、或いは、AND検索やOR検索、NOT検索の組合せによる論理検索を実行できるようにしてもよい。
【0020】
以上のようにしたキーワード検索を利用すれば、例えばキーワード入力欄301にキーワード「詰まり」を入力すると、「詰まり」に共起する共起語が表示される。これにより、「詰まり」が特記欄207に現れたときに頻繁に現れる用語を知ることができ、当該プロセスの熟練者でなくても、どこで何が詰まりやすいのかを推定するようなことが可能になる。
【0021】
図1に説明を戻して、105はオントロジー検索部であり、予め構築されたオントロジーに定義された概念が入力装置102を介して入力されると、当該入力された概念に基づいて、操業日誌の特記欄207を対象に検索を実行し、検索結果を表示装置103に表示する。
【0022】
ここで、オントロジーとは、共通語彙(概念)を提供する体系化された辞書のことであり、対象世界(本実施形態では製鋼プロセス)を構成する概念を取り出し、対象世界をうまく表現できるように概念間の関係を書き表わしたものである。オントロジーにおける関係表記方法の例として、is−a関係、part−of関係、attribute−of関係、関係、インスタンス、ロール(役割)がある。is−a関係は、上位概念−下位概念を表わす。例えば「装置」の下位概念に「加熱装置」があり、更にその下位概念に「プラズマ加熱装置」があるという関係である。part−of関係は、全体概念と部分概念を表わし、事物が複数の部分(part)から構成されていることを表わす。例えば「バーナー」は「加熱装置」を構成する部分(part)であるという関係である。attribute−of関係は、ある概念の属性を表わす。例えば「ある状態(例えば温度)」は「装置」の属性であるという関係である。関係は、2つの概念間の関係、例えば「自転車」は「人間」の所有物であるという関係を表わす。インスタンスは、概念の具体物を表わす。ロール(役割)は、ある概念に付随する役割を表わす。例えば「ホース」は「通過物」があるという関係である。
【0023】
オントロジーは知識情報抽出装置100上において予め構築されている。図5には、オントロジーを構築するためのオントロジー構築画面の例を示す。ここでは、「ノズル」の下位概念として「浸漬ノズル」、「スライディングノズル」、「ロングノズル」、「電極ノズル」、「スプレーノズル」等を定義している(is−a関係)。また、「ノズル」を構成する部分として「吐出口」を定義している(part−of関係)。また、「ノズル」の属性として「流量属性値」を定義している(attribute−of関係)。また、「ノズル」の役割として「吐出機能」を定義している(ロール)。なお、各概念には、別名(表記揺れ)が記述できるようになっている。例えば「ノズル」については英語表記「nozzle」も同じものとして取り扱われると定義している。
【0024】
図6には、表示装置103に表示されるオントロジー検索画面を示す。オントロジー検索画面では、概念入力欄601と、期間入力欄602とが設けられている。また、概念入力欄601に入力する概念に対する兄弟概念(同じ上位概念をもつ概念)を含めて拡張検索するか否か、下位概念を含めて拡張検索するか否かを選択するチェックボックス603が設けられている。概念入力欄601に概念を入力し、検索ボタン604を押下すると、オントロジー検索が実行される。すなわち、オントロジー検索部105は、概念入力欄601に入力された概念(入力概念と称する)に対して関係があるとオントロジーに定義された概念605を表示する。また、オントロジー検索部105は、入力概念をデータベース101に蓄積された操業日誌の特記欄207から検索し、入力概念を特記欄207に含む操業日誌の一覧606を表示する。チェックボックス603がチェックされている場合は、兄弟概念や下位概念もデータベース101に蓄積された操業日誌の特記欄207から検索し、兄弟概念や下位概念を特記欄207に含む操業日誌も含めて操業日誌の一覧606を表示する。なお、ここでは下位概念と兄弟概念を含めて拡張検索できる例を述べたが、他の関係にある概念のチェックボックスを設けるようにしてもよい。期間入力欄602に期間が入力された場合は、その期間に含まれる日付(日誌年月日201)の操業日誌を検索対象とする。
【0025】
図示例では、入力概念に関係する概念605として、概念パス、上位概念、兄弟概念、下位概念を表示している。概念パスには、入力概念に至るまでの上位概念を表示し、ここでは機械設備>設備・装置>搬送・運搬装置>クレーンのように入力概念である「クレーン」に至るまでの上位概念を表示している。また、上位概念では、入力概念の一層上位の上位概念を表示し、ここでは入力概念である「クレーン」の上位概念である「搬送・運搬装置」を表示している。また、兄弟概念では、入力概念の兄弟概念を表示し、ここでは入力概念である「クレーン」の兄弟概念である「台車」、「コンベア」等を表示している。また、下位概念では、入力概念の一層下位の下位概念を表示し、ここでは入力概念である「クレーン」の下位概念である「搬送クレーン」、「メンテナンスクレーン」等を表示している。なお、上位概念や下位概念として一層の上位概念や下位概念を表示するとしたが、複数層の上位概念や下位概念を表示するようにしてもよい。
【0026】
ここでは、入力概念に関係する概念605として、上位概念−下位概念を表わすis−a関係にある概念だけを表示しているが、オントロジーに他の関係、すなわちpart−of関係、attribute−of関係、関係、インスタンス、ロール(役割)の関係が定義されていれば、それら概念も表示するようにする。
【0027】
いずれかの入力概念に関係する概念605が指定操作されると、オントロジー検索部105は、当該指定された概念を概念入力欄601に表示して、入力概念として再度検索を実行する。また、入力概念に関係する概念605のうち兄弟概念、下位概念として表示された概念の隣に表示される(+)が指定操作されると、オントロジー検索部105は、入力概念と、指定された兄弟概念や下位概念とのOR検索を実行する。なお、ここでは図示しないが、AND検索、或いは、AND検索やOR検索、NOT検索の組合せによる論理検索を実行できるようにしてもよい。
【0028】
操業日誌の一覧606では、ヒット件数とともに、各操業日誌の概要がわかるように、例えば日付、組、記入者、特記欄207に記述された特記事項を抽出して表示する。この場合に、特記事項中の入力概念(チェックボックス603がチェックされていれば兄弟概念、下位概念も)は色を変える等の強調表示するようにしてもよい。操業日誌の一覧606は操業日誌のデータにリンクしており、日付が選択されると、当該選択された操業日誌の詳細を表示する。
【0029】
以上のようにしたオントロジー検索を利用すれば、ある概念について検索する際に、過去の大量の操業日誌の中から関係する概念も抽出されるので、操業日誌を検索対象とする場合の概念体系を適切に取り扱うことができる。例えば「クレーン」は「搬送・運搬装置」の一種であり、「搬送・運搬装置」の他の種類として「台車」、「コンベア」等があるというように、ある概念がどの概念とどのような関係にあるのかを容易に特定することができる。
【0030】
図1に説明を戻して、106はデータ検索部であり、所望の実績データ名が入力装置102を介して入力されると、当該入力された実績データ名に基づいて、操業日誌の実績データ欄205を対象に検索を実行し、前記入力された実績データ名に該当する実績データのグラフを生成して表示装置103に表示する。
【0031】
図7〜図10には、表示装置103に表示されるデータ検索画面を示す。図7〜図9は、実績データの値域分布を表わすヒストグラムを表示するデータ検索画面である。データ検索画面では、実績データ名入力欄701と、値域入力欄702と、キーワード入力欄703と、期間入力欄704とが設けられている。実績データ名入力欄701にプルダウンメニューから実績データ名を選択して入力し、検索ボタン705を押下すると、データ検索が実行される。すなわち、データ検索部106は、実績データ名入力欄701に入力された実績データ名(入力実績データ名と称する)に該当する実績データを、データベース101に蓄積された操業日誌の実績データ欄205から検索し、その値域分布を表わすヒストグラム706を生成、表示する。図示例では、実績データ名入力欄701に「操業速度」が入力されており、ヒストグラム706において横軸は実績データの値(ここでは操業速度)、縦軸は件数である。また、データ検索部106は、入力実績データ名に該当する実績データを実績データ欄205に含む操業日誌の一覧707を表示する。期間入力欄704に期間が入力された場合は、その期間に含まれる日付(日誌年月日201)の操業日誌を検索対象とする。
【0032】
図8に示すように、値域入力欄702に値域が入力された場合は、当該入力された値域(入力値域と称する)の実績データに絞り込んで、ヒストグラム706を生成、表示する。図8に示すヒストグラム706の横軸の値域は、図7に示したヒストグラム706に比べて絞り込まれたものとなっている。また、操業日誌の一覧707には、入力実績データ名に該当し、かつ、入力値域にある実績データを実績データ欄205に含む操業日誌を表示する。
【0033】
また、値域入力欄702を使用しなくても、現在表示されているヒストグラム706上でマウスのドラッグ操作等により所望の値域を範囲指定することができる。ヒストグラム706において所望の値域が範囲指定されて(入力値域と称する)、検索ボタン705が押下されると、データ検索部106は、当該入力値域の実績データに絞り込んで、ヒストグラム706を再生成、表示する。また、操業日誌の一覧707には、入力実績データ名に該当し、かつ、入力値域にある実績データを実績データ欄205に含む操業日誌を表示する。
【0034】
また、図9に示すように、キーワード入力欄703にキーワードが入力された場合は、当該入力されたキーワードを特記欄207に含む操業日誌だけを対象として、入力実績データ名に該当する実績データのヒストグラム706を生成、表示するとともに、操業日誌の一覧707を表示する。
【0035】
ここで、図8に示すように値域により絞り込みが行われた場合、関連キーワード抽出部106aは、絞り込んだ実績データを実績データ欄205に含む操業日誌に対して関連があるとされる関連キーワード708を抽出して表示する。同様に、図9に示すようにキーワードが入力された場合、当該キーワードを特記欄207に含み、かつ、入力実績データ名に該当する実績データを実績データ欄205に含む操業日誌に対して関連があるとされる関連キーワード708を抽出して表示する。
【0036】
関連キーワード708の抽出には、図4に示したDice係数の考え方を利用する。すなわち、値域やキーワードによる絞り込み条件を満たす操業日誌の数を「A」、満たさない操業日誌の数を「¬A」とする。また、関連キーワード候補群の各関連キーワード候補について、関連キーワード候補を含む操業日誌の数を「B」、含まない操業日誌の数を「¬B」とする。そして、関連度=2I/{(I+II)+(I+III)}として関連度を求め、関連度の大きい関連キーワード候補から順に関連キーワード708として列挙する。関連キーワード候補群としては、操業日誌の特記欄207の記述の形態素子解析を行うことにより抽出される品詞や、オントロジーで定義された概念等とすればよい。
【0037】
いずれかの関連キーワード708が指定操作されると、データ検索部106は、当該指定された関連キーワードをキーワード入力欄703に表示して、再度検索を実行する。すなわち、当該キーワードを特記欄207に含む操業日誌だけを対象として、入力実績データ名に該当する実績データのヒストグラム706を生成、表示するとともに、操業日誌の一覧707を表示する。
【0038】
操業日誌の一覧707では、ヒット件数とともに、各操業日誌の概要がわかるように、例えば日付、組、記入者、特記欄207に記述された特記事項を抽出して表示する。この場合に、特記事項中のキーワードや関連キーワードは色を変える等の強調表示するようにしてもよい。操業日誌の一覧707は操業日誌のデータにリンクしており、日付が選択されると、選択された操業日誌の詳細を表示する。
【0039】
図10は、実績データの時間推移を表わす折れ線グラフを表示するデータ検索画面である。基本的には図7〜図9で説明したのと同様であるが、実績データ名入力欄701に入力された実績データ名に該当する実績データを、データベース101に蓄積された操業日誌の実績データ欄205から検索し、その時間推移を表わす折れ線グラフ709を生成、表示する。図示例では、実績データ名入力欄701に「操業速度」が入力されており、折れ線グラフ709において横軸は時間、縦軸は実績データの値(ここでは操業速度)である。初期表示では月毎の平均値の時間推移を表示するが、期間を絞り込むことにより、月→週→日・・・のように平均値の集計範囲が細かくなり、詳細を確認することができる。
【0040】
折れ線グラフ709を表示する場合も、例えば現在表示されている折れ線グラフ709上でマウスのドラッグ操作等により所望の期間を範囲指定することができる。これにより、当該入力された期間(入力期間と称する)の実績データに絞り込んで、折れ線グラフ709を生成、表示する。また、操業日誌の一覧707には、入力実績データ名に該当し、かつ、入力期間にある実績データを実績データ欄205に含む操業日誌を表示する。
【0041】
以上のようにしたデータ検索を利用すれば、実績データ名入力欄701に入力された実績データ名に該当する実績データが可視化される、すなわち実績データの値域分布を表わすヒストグラム706や時間推移を表わす折れ線グラフ709が表示されるので、操業者は実績データを把握しやすい。
【0042】
しかも、キーワードを含めて複合検索することができるので、実績データとキーワードとの関係性を把握しやすい。また、キーワードを入力したり、値域や期間を絞り込んだりすることにより関連キーワード708が表示されるので、実績データとキーワードとの関係性を把握しやすい。これにより、例えば外れ値のある値域や期間で現れるキーワードを把握して、なにが原因で外れ値となったかを推定するようなことが可能になる。或いは、例えばヒストグラム706や折れ線グラフ709に複数のピークが現れている場合、それぞれのピークで現れるキーワードを把握して、ピークとなる要因を推定するようなことが可能になる。
【0043】
一連の操作の中で絞り込みを順次行っていく場合、画面内にヒストグラム706(又は折れ線グラフ709)の履歴が残るようにすれば、キーワード、値域や時間によってグラフがどのように変化するか(すなわち、実績データの値がどのように変化するか)を把握しやすくすることができる。
【0044】
本実施形態では、データ検索の際にキーワードを含めて複合検索できる例を説明したが、オントロジーを含めて複合検索できるようにしてもよい。図11には、表示装置103に表示されるデータ検索画面を示す。図7〜図9にあるキーワード入力欄703に替えて、概念入力欄710と、概念入力欄710に入力する概念に対する兄弟概念を含めて拡張検索するか否か、下位概念を含めて拡張検索するか否かを選択するチェックボックス711が設けられている。
【0045】
なお、キーワードや概念を入力した場合に、上述したキーワード検索やオントロジー検索の場合と同様に、共起語や関係する概念が表示されるようにしてもよい。
【0046】
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。例えば図1では一台の装置から構成されるように示したが、複数台の装置から構成されるようにしてもよい。例えばサーバに複数台の端末が接続し、端末からの要求に応じてサーバが各種検索を実行し、端末が検索結果を受け取る構成としてもかまわない。
【0047】
また、本発明を適用する知識情報抽出装置は、具体的にはCPU、RAM、ROM等を含むコンピュータ装置或いはコンピュータシステムにより構成される。したがって、本発明の各機能処理を実現するためにコンピュータ装置或いはコンピュータシステムにインストールされるプログラム自体も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
100:知識情報抽出装置、101:データベース、102:入力装置、103:表示装置、104:キーワード検索部、104a:共起語抽出部、105:オントロジー検索部、106:データ検索部、106a:関連キーワード抽出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、日常的に作成される操業日誌を利用して知識情報を抽出する製造プロセスにおける知識情報抽出装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
製鉄所等の製造現場では、操業中に発生した出来事に基づいて操業日誌を作成する。この操業日誌を利用して、特に熟練者ではない操業者が過去の類似状況を検索して、操業プロセスの改善等に向けた業務効率を図ることが期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−272400号公報
【特許文献2】特開2010−102649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、現状では過去の操業日誌を単に蓄積しているだけであり、操業日誌を検索して、操業プロセスの改善等の検討に有用な過去の操業日誌にアクセスすることは容易ではない。操業日誌を一括管理し、有用な操業日誌にアクセスしやすいインターフェースを提供できるようにすれば、操業者が過去の類似状況を検索でき、操業プロセスの改善等に向けた業務効率を図ることができる。
【0005】
例えば、操業日誌には各種実績データの値が記述される実績データ欄が設けられている。これらの値をグラフ化することにより、実績データの値域分布や時間推移等を把握したり、統計解析により実績データ間の関係を解析したりすることは可能である。しかしながら、操業プロセスの改善等に必要な知識情報を抽出するためには、実績データだけでなく、操業者が個別具体的な事項を記述した文書情報(以下、特記情報)を合わせて解析することが重要である。例えばある実績データにおいて外れ値があるような場合にも、実績データ欄を参照するだけでは、なにが原因で外れ値となったかを推定することは難しく、そのときの操業プロセスの状態や操作内容について操業者が具体的に記述した特記情報に、原因推定に有用な情報が含まれていることが多い。
【0006】
過去の知見に基づいて操業支援を行うものとして、特許文献1では、操業成績が低下したときに、低下要因と思われる項目を現象データベースから検索し、過去の実績に基づいて低下要因を絞り込む構成が開示されている。しかしながら、特許文献1では、操業成績低下要因定義についての情報が記憶されている現象データベースを予め作成しておく必要があり、また、日常的に作成される操業日誌を利用して知識情報を抽出するものではない。
【0007】
また、特許文献2では、文書データを含む操業報告情報を活用することが開示されている。すなわち、文書データを含む操業状況報告情報から、操業異常項目を検出し、その操業異常項目に関連する操業実績データ項目を選択し、関連データ項目と操業異常項目との関連を示す操業異常情報を作成する。しかしながら、特許文献2では、あらかじめ関連データ項目と操業異常項目との関連を関連定義情報として関連定義情報データベースに記録しておく必要がある。
【0008】
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、操業日誌を一括管理し、役に立つ操業日誌にアクセスしやすくすることを目的とし、より具体的には、操業日誌に記述された実績データを検索して可視化できるとともに、実績データとキーワードとの関係性を把握しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の製造プロセスにおける知識情報抽出装置は、実績データの値が記述される実績データ欄と、操業者が個別具体的な事項を記述することのできる特記欄とを有する操業日誌のデータが蓄積されたデータベースを用いて知識情報を抽出する製造プロセスにおける知識情報抽出装置であって、実績データ名が入力されると、前記入力された実績データ名に基づいて、前記データベースに蓄積された操業日誌の実績データ欄を対象に検索を実行し、前記入力された実績データ名に該当する実績データのグラフを生成して表示装置に表示する検索手段とを備え、前記入力された実績データ名に該当する実績データに対して絞り込み条件が入力可能であり、前記検索手段は、前記絞り込み条件で絞り込んだ実績データを実績データ欄に含む操業日誌に対して関連があるとされる関連キーワードを特記欄から抽出して、前記表示装置に表示する関連キーワード抽出手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明の製造プロセスにおける知識情報抽出装置の他の特徴とするところは、キーワードが入力可能であり、前記関連キーワード抽出手段は、キーワードが入力された場合、前記キーワードを特記欄に含み、かつ、前記入力された実績データ名に該当する実績データを実績データ欄に含む操業日誌に対して関連があるとされる関連キーワードを抽出して前記表示装置に表示する点にある。
また、本発明の製造プロセスにおける知識情報抽出装置の他の特徴とするところは、前記入力された実績データ名に該当する実績データに対して、値域及び期間のうち少なくともいずれかによる絞り込みが可能である点にある。
また、本発明の製造プロセスにおける知識情報抽出装置の他の特徴とするところは、前記グラフは、実績データの値域分布を表わすヒストグラム、又は、実績データの時間推移を表わす折れ線グラフである点にある。
本発明の製造プロセスにおける知識情報抽出方法は、実績データの値が記述される実績データ欄と、操業者が個別具体的な事項を記述することのできる特記欄とを有する操業日誌のデータが蓄積されたデータベースを用いて知識情報抽出装置により知識情報を抽出する製造プロセスにおける知識情報抽出方法であって、前記知識情報抽出装置は、実績データ名が入力されると、前記入力された実績データ名に基づいて、前記データベースに蓄積された操業日誌の実績データ欄を対象に検索を実行し、前記入力された実績データ名に該当する実績データのグラフを生成して表示装置に表示するステップを行い、前記入力された実績データ名に該当する実績データに対して絞り込み条件が入力可能であり、前記絞り込み条件で絞り込んだ実績データを実績データ欄に含む操業日誌に対して関連があるとされる関連キーワードを特記欄から抽出して、前記表示装置に表示することを特徴とする。
本発明のプログラムは、実績データの値が記述される実績データ欄と、操業者が個別具体的な事項を記述することのできる特記欄とを有する操業日誌のデータが蓄積されたデータベースを用いて知識情報を抽出するためのプログラムであって、実績データ名が入力されると、前記入力された実績データ名に基づいて、前記データベースに蓄積された操業日誌の実績データ欄を対象に検索を実行し、前記入力された実績データ名に該当する実績データのグラフを生成して表示装置に表示する検索手段としてコンピュータを機能させ、前記入力された実績データ名に該当する実績データに対して絞り込み条件が入力可能であり、前記絞り込み条件で絞り込んだ実績データを実績データ欄に含む操業日誌に対して関連があるとされる関連キーワードを特記欄から抽出して、前記表示装置に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、操業日誌に記述された実績データを検索して可視化できるので、実績データを把握しやすい。また、絞り込み条件で絞り込んだ実績データを実績データ欄に含む操業日誌に対して関連があるとされる関連キーワードが特記欄から抽出され、表示装置に表示されるので、実績データとキーワードとの関係性を把握しやすい。このように、操業日誌を一括管理し、役に立つ操業日誌にアクセスしやすいインターフェースを提供できるので、操業者が過去の類似状況を検索でき、操業プロセスの改善等に向けた業務効率を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係る製造プロセスにおける知識情報抽出装置の機能構成を示す図である。
【図2】操業日誌の例を示す図である。
【図3】キーワード検索画面を示す図である。
【図4】Dice係数を説明するための図である。
【図5】オントロジー構築画面を示す図である。
【図6】オントロジー検索画面を示す図である。
【図7】データ検索画面を示す図である。
【図8】データ検索画面を示す図である。
【図9】データ検索画面を示す図である。
【図10】データ検索画面を示す図である。
【図11】データ検索画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係る製造プロセスにおける知識情報抽出装置100の機能構成を示す。本実施形態では、製鋼プロセスを対象とする。101はデータベースであり、操業日誌(操業・設備・品質日誌)の電子データが蓄積される。図2に、操業日誌の例を示す。操業日誌は、文書作成ソフトウェア等によりコンピュータ上で作成され、データベース101に蓄積される。製鉄所等の24時間操業を行う製造現場では、8時間ごとに甲番、乙番、丙番に分けられ、同図には甲番での操業を担うD組の操業者が記述した操業日誌を示す。
【0013】
操業日誌には、日誌年月日201、最終データ更新日202、最終印刷日時203が記述される。また、生産No.(204)ごとに製造番号、工程、生産記号、符号、製造幅、サイズ等が記述されるとともに、実績データである開始時刻、生産時刻、操業速度等の各値が記述される実績データ欄205が設けられている。実績データ欄205の値は、設備から自動的に入力されるようにしてもよいし、操業者により入力されるようにしてもよい。また、生産量の計画と実績206が記述される。また、操業特記、設備特記、品質特記の特記欄207が設けられており、これら特記欄207には操業者が個別具体的な所見等の事項(特記事項)を記述することができる。
【0014】
図1に説明を戻して、102はキーボードやマウス等の入力装置である。また、103は各種画面を表示する表示装置である。
【0015】
104はキーワード検索部であり、任意のキーワードが入力装置102を介して入力されると、当該入力されたキーワードに基づいて、操業日誌の特記欄207を対象に検索を実行し、検索結果を表示装置103に表示する。
【0016】
図3には、表示装置103に表示されるキーワード検索画面を示す。キーワード検索画面では、キーワード入力欄301と、期間入力欄302とが設けられている。キーワード入力欄301にキーワードを入力し、検索ボタン303を押下すると、キーワード検索が実行される。すなわち、キーワード検索部104は、キーワード入力欄301に入力されたキーワード(入力キーワードと称する)をデータベース101に蓄積された操業日誌の特記欄207から検索し、入力キーワードを特記欄207に含む操業日誌の一覧304を表示する。期間入力欄302に期間が入力された場合は、その期間に含まれる日付(日誌年月日201)の操業日誌を検索対象とする。
【0017】
操業日誌の一覧304では、ヒット件数とともに、各操業日誌の概要がわかるように、例えば日付、組、記入者、特記欄207に記述された特記事項を抽出して表示する。この場合に、特記事項中の入力キーワードは色を変える等の強調表示するようにしてもよい。操業日誌の一覧304は操業日誌のデータにリンクしており、日付が選択されると、当該選択された操業日誌の詳細を表示する。
【0018】
また、共起語抽出部104aは、データベース101に蓄積された操業日誌の特記欄207から、入力キーワードと共起する共起語305を抽出して表示する。具体的には、操業日誌の特記欄207の記述の形態素子解析を行い、品詞を抽出する。そして、特記欄207の一記述を単位として、その中で入力キーワードと同時に現れる用語を共起として扱う。共起度の判断には、例えば図4に示すようなDice係数を利用する。共起語305を表示する際には、共起度の高い順に列挙する。なお、Dice係数については、段落0036にて詳述する。
【0019】
いずれかの共起語305が指定操作されると、キーワード検索部104は、当該指定された共起語をキーワード入力欄301に表示して、入力キーワードとして再度検索を実行する。また、各共起語305の隣に表示される(+)が指定操作されると、キーワード検索部104は、入力キーワードと、指定された共起語とのAND検索を実行する。なお、ここでは図示しないが、OR検索、或いは、AND検索やOR検索、NOT検索の組合せによる論理検索を実行できるようにしてもよい。
【0020】
以上のようにしたキーワード検索を利用すれば、例えばキーワード入力欄301にキーワード「詰まり」を入力すると、「詰まり」に共起する共起語が表示される。これにより、「詰まり」が特記欄207に現れたときに頻繁に現れる用語を知ることができ、当該プロセスの熟練者でなくても、どこで何が詰まりやすいのかを推定するようなことが可能になる。
【0021】
図1に説明を戻して、105はオントロジー検索部であり、予め構築されたオントロジーに定義された概念が入力装置102を介して入力されると、当該入力された概念に基づいて、操業日誌の特記欄207を対象に検索を実行し、検索結果を表示装置103に表示する。
【0022】
ここで、オントロジーとは、共通語彙(概念)を提供する体系化された辞書のことであり、対象世界(本実施形態では製鋼プロセス)を構成する概念を取り出し、対象世界をうまく表現できるように概念間の関係を書き表わしたものである。オントロジーにおける関係表記方法の例として、is−a関係、part−of関係、attribute−of関係、関係、インスタンス、ロール(役割)がある。is−a関係は、上位概念−下位概念を表わす。例えば「装置」の下位概念に「加熱装置」があり、更にその下位概念に「プラズマ加熱装置」があるという関係である。part−of関係は、全体概念と部分概念を表わし、事物が複数の部分(part)から構成されていることを表わす。例えば「バーナー」は「加熱装置」を構成する部分(part)であるという関係である。attribute−of関係は、ある概念の属性を表わす。例えば「ある状態(例えば温度)」は「装置」の属性であるという関係である。関係は、2つの概念間の関係、例えば「自転車」は「人間」の所有物であるという関係を表わす。インスタンスは、概念の具体物を表わす。ロール(役割)は、ある概念に付随する役割を表わす。例えば「ホース」は「通過物」があるという関係である。
【0023】
オントロジーは知識情報抽出装置100上において予め構築されている。図5には、オントロジーを構築するためのオントロジー構築画面の例を示す。ここでは、「ノズル」の下位概念として「浸漬ノズル」、「スライディングノズル」、「ロングノズル」、「電極ノズル」、「スプレーノズル」等を定義している(is−a関係)。また、「ノズル」を構成する部分として「吐出口」を定義している(part−of関係)。また、「ノズル」の属性として「流量属性値」を定義している(attribute−of関係)。また、「ノズル」の役割として「吐出機能」を定義している(ロール)。なお、各概念には、別名(表記揺れ)が記述できるようになっている。例えば「ノズル」については英語表記「nozzle」も同じものとして取り扱われると定義している。
【0024】
図6には、表示装置103に表示されるオントロジー検索画面を示す。オントロジー検索画面では、概念入力欄601と、期間入力欄602とが設けられている。また、概念入力欄601に入力する概念に対する兄弟概念(同じ上位概念をもつ概念)を含めて拡張検索するか否か、下位概念を含めて拡張検索するか否かを選択するチェックボックス603が設けられている。概念入力欄601に概念を入力し、検索ボタン604を押下すると、オントロジー検索が実行される。すなわち、オントロジー検索部105は、概念入力欄601に入力された概念(入力概念と称する)に対して関係があるとオントロジーに定義された概念605を表示する。また、オントロジー検索部105は、入力概念をデータベース101に蓄積された操業日誌の特記欄207から検索し、入力概念を特記欄207に含む操業日誌の一覧606を表示する。チェックボックス603がチェックされている場合は、兄弟概念や下位概念もデータベース101に蓄積された操業日誌の特記欄207から検索し、兄弟概念や下位概念を特記欄207に含む操業日誌も含めて操業日誌の一覧606を表示する。なお、ここでは下位概念と兄弟概念を含めて拡張検索できる例を述べたが、他の関係にある概念のチェックボックスを設けるようにしてもよい。期間入力欄602に期間が入力された場合は、その期間に含まれる日付(日誌年月日201)の操業日誌を検索対象とする。
【0025】
図示例では、入力概念に関係する概念605として、概念パス、上位概念、兄弟概念、下位概念を表示している。概念パスには、入力概念に至るまでの上位概念を表示し、ここでは機械設備>設備・装置>搬送・運搬装置>クレーンのように入力概念である「クレーン」に至るまでの上位概念を表示している。また、上位概念では、入力概念の一層上位の上位概念を表示し、ここでは入力概念である「クレーン」の上位概念である「搬送・運搬装置」を表示している。また、兄弟概念では、入力概念の兄弟概念を表示し、ここでは入力概念である「クレーン」の兄弟概念である「台車」、「コンベア」等を表示している。また、下位概念では、入力概念の一層下位の下位概念を表示し、ここでは入力概念である「クレーン」の下位概念である「搬送クレーン」、「メンテナンスクレーン」等を表示している。なお、上位概念や下位概念として一層の上位概念や下位概念を表示するとしたが、複数層の上位概念や下位概念を表示するようにしてもよい。
【0026】
ここでは、入力概念に関係する概念605として、上位概念−下位概念を表わすis−a関係にある概念だけを表示しているが、オントロジーに他の関係、すなわちpart−of関係、attribute−of関係、関係、インスタンス、ロール(役割)の関係が定義されていれば、それら概念も表示するようにする。
【0027】
いずれかの入力概念に関係する概念605が指定操作されると、オントロジー検索部105は、当該指定された概念を概念入力欄601に表示して、入力概念として再度検索を実行する。また、入力概念に関係する概念605のうち兄弟概念、下位概念として表示された概念の隣に表示される(+)が指定操作されると、オントロジー検索部105は、入力概念と、指定された兄弟概念や下位概念とのOR検索を実行する。なお、ここでは図示しないが、AND検索、或いは、AND検索やOR検索、NOT検索の組合せによる論理検索を実行できるようにしてもよい。
【0028】
操業日誌の一覧606では、ヒット件数とともに、各操業日誌の概要がわかるように、例えば日付、組、記入者、特記欄207に記述された特記事項を抽出して表示する。この場合に、特記事項中の入力概念(チェックボックス603がチェックされていれば兄弟概念、下位概念も)は色を変える等の強調表示するようにしてもよい。操業日誌の一覧606は操業日誌のデータにリンクしており、日付が選択されると、当該選択された操業日誌の詳細を表示する。
【0029】
以上のようにしたオントロジー検索を利用すれば、ある概念について検索する際に、過去の大量の操業日誌の中から関係する概念も抽出されるので、操業日誌を検索対象とする場合の概念体系を適切に取り扱うことができる。例えば「クレーン」は「搬送・運搬装置」の一種であり、「搬送・運搬装置」の他の種類として「台車」、「コンベア」等があるというように、ある概念がどの概念とどのような関係にあるのかを容易に特定することができる。
【0030】
図1に説明を戻して、106はデータ検索部であり、所望の実績データ名が入力装置102を介して入力されると、当該入力された実績データ名に基づいて、操業日誌の実績データ欄205を対象に検索を実行し、前記入力された実績データ名に該当する実績データのグラフを生成して表示装置103に表示する。
【0031】
図7〜図10には、表示装置103に表示されるデータ検索画面を示す。図7〜図9は、実績データの値域分布を表わすヒストグラムを表示するデータ検索画面である。データ検索画面では、実績データ名入力欄701と、値域入力欄702と、キーワード入力欄703と、期間入力欄704とが設けられている。実績データ名入力欄701にプルダウンメニューから実績データ名を選択して入力し、検索ボタン705を押下すると、データ検索が実行される。すなわち、データ検索部106は、実績データ名入力欄701に入力された実績データ名(入力実績データ名と称する)に該当する実績データを、データベース101に蓄積された操業日誌の実績データ欄205から検索し、その値域分布を表わすヒストグラム706を生成、表示する。図示例では、実績データ名入力欄701に「操業速度」が入力されており、ヒストグラム706において横軸は実績データの値(ここでは操業速度)、縦軸は件数である。また、データ検索部106は、入力実績データ名に該当する実績データを実績データ欄205に含む操業日誌の一覧707を表示する。期間入力欄704に期間が入力された場合は、その期間に含まれる日付(日誌年月日201)の操業日誌を検索対象とする。
【0032】
図8に示すように、値域入力欄702に値域が入力された場合は、当該入力された値域(入力値域と称する)の実績データに絞り込んで、ヒストグラム706を生成、表示する。図8に示すヒストグラム706の横軸の値域は、図7に示したヒストグラム706に比べて絞り込まれたものとなっている。また、操業日誌の一覧707には、入力実績データ名に該当し、かつ、入力値域にある実績データを実績データ欄205に含む操業日誌を表示する。
【0033】
また、値域入力欄702を使用しなくても、現在表示されているヒストグラム706上でマウスのドラッグ操作等により所望の値域を範囲指定することができる。ヒストグラム706において所望の値域が範囲指定されて(入力値域と称する)、検索ボタン705が押下されると、データ検索部106は、当該入力値域の実績データに絞り込んで、ヒストグラム706を再生成、表示する。また、操業日誌の一覧707には、入力実績データ名に該当し、かつ、入力値域にある実績データを実績データ欄205に含む操業日誌を表示する。
【0034】
また、図9に示すように、キーワード入力欄703にキーワードが入力された場合は、当該入力されたキーワードを特記欄207に含む操業日誌だけを対象として、入力実績データ名に該当する実績データのヒストグラム706を生成、表示するとともに、操業日誌の一覧707を表示する。
【0035】
ここで、図8に示すように値域により絞り込みが行われた場合、関連キーワード抽出部106aは、絞り込んだ実績データを実績データ欄205に含む操業日誌に対して関連があるとされる関連キーワード708を抽出して表示する。同様に、図9に示すようにキーワードが入力された場合、当該キーワードを特記欄207に含み、かつ、入力実績データ名に該当する実績データを実績データ欄205に含む操業日誌に対して関連があるとされる関連キーワード708を抽出して表示する。
【0036】
関連キーワード708の抽出には、図4に示したDice係数の考え方を利用する。すなわち、値域やキーワードによる絞り込み条件を満たす操業日誌の数を「A」、満たさない操業日誌の数を「¬A」とする。また、関連キーワード候補群の各関連キーワード候補について、関連キーワード候補を含む操業日誌の数を「B」、含まない操業日誌の数を「¬B」とする。そして、関連度=2I/{(I+II)+(I+III)}として関連度を求め、関連度の大きい関連キーワード候補から順に関連キーワード708として列挙する。関連キーワード候補群としては、操業日誌の特記欄207の記述の形態素子解析を行うことにより抽出される品詞や、オントロジーで定義された概念等とすればよい。
【0037】
いずれかの関連キーワード708が指定操作されると、データ検索部106は、当該指定された関連キーワードをキーワード入力欄703に表示して、再度検索を実行する。すなわち、当該キーワードを特記欄207に含む操業日誌だけを対象として、入力実績データ名に該当する実績データのヒストグラム706を生成、表示するとともに、操業日誌の一覧707を表示する。
【0038】
操業日誌の一覧707では、ヒット件数とともに、各操業日誌の概要がわかるように、例えば日付、組、記入者、特記欄207に記述された特記事項を抽出して表示する。この場合に、特記事項中のキーワードや関連キーワードは色を変える等の強調表示するようにしてもよい。操業日誌の一覧707は操業日誌のデータにリンクしており、日付が選択されると、選択された操業日誌の詳細を表示する。
【0039】
図10は、実績データの時間推移を表わす折れ線グラフを表示するデータ検索画面である。基本的には図7〜図9で説明したのと同様であるが、実績データ名入力欄701に入力された実績データ名に該当する実績データを、データベース101に蓄積された操業日誌の実績データ欄205から検索し、その時間推移を表わす折れ線グラフ709を生成、表示する。図示例では、実績データ名入力欄701に「操業速度」が入力されており、折れ線グラフ709において横軸は時間、縦軸は実績データの値(ここでは操業速度)である。初期表示では月毎の平均値の時間推移を表示するが、期間を絞り込むことにより、月→週→日・・・のように平均値の集計範囲が細かくなり、詳細を確認することができる。
【0040】
折れ線グラフ709を表示する場合も、例えば現在表示されている折れ線グラフ709上でマウスのドラッグ操作等により所望の期間を範囲指定することができる。これにより、当該入力された期間(入力期間と称する)の実績データに絞り込んで、折れ線グラフ709を生成、表示する。また、操業日誌の一覧707には、入力実績データ名に該当し、かつ、入力期間にある実績データを実績データ欄205に含む操業日誌を表示する。
【0041】
以上のようにしたデータ検索を利用すれば、実績データ名入力欄701に入力された実績データ名に該当する実績データが可視化される、すなわち実績データの値域分布を表わすヒストグラム706や時間推移を表わす折れ線グラフ709が表示されるので、操業者は実績データを把握しやすい。
【0042】
しかも、キーワードを含めて複合検索することができるので、実績データとキーワードとの関係性を把握しやすい。また、キーワードを入力したり、値域や期間を絞り込んだりすることにより関連キーワード708が表示されるので、実績データとキーワードとの関係性を把握しやすい。これにより、例えば外れ値のある値域や期間で現れるキーワードを把握して、なにが原因で外れ値となったかを推定するようなことが可能になる。或いは、例えばヒストグラム706や折れ線グラフ709に複数のピークが現れている場合、それぞれのピークで現れるキーワードを把握して、ピークとなる要因を推定するようなことが可能になる。
【0043】
一連の操作の中で絞り込みを順次行っていく場合、画面内にヒストグラム706(又は折れ線グラフ709)の履歴が残るようにすれば、キーワード、値域や時間によってグラフがどのように変化するか(すなわち、実績データの値がどのように変化するか)を把握しやすくすることができる。
【0044】
本実施形態では、データ検索の際にキーワードを含めて複合検索できる例を説明したが、オントロジーを含めて複合検索できるようにしてもよい。図11には、表示装置103に表示されるデータ検索画面を示す。図7〜図9にあるキーワード入力欄703に替えて、概念入力欄710と、概念入力欄710に入力する概念に対する兄弟概念を含めて拡張検索するか否か、下位概念を含めて拡張検索するか否かを選択するチェックボックス711が設けられている。
【0045】
なお、キーワードや概念を入力した場合に、上述したキーワード検索やオントロジー検索の場合と同様に、共起語や関係する概念が表示されるようにしてもよい。
【0046】
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。例えば図1では一台の装置から構成されるように示したが、複数台の装置から構成されるようにしてもよい。例えばサーバに複数台の端末が接続し、端末からの要求に応じてサーバが各種検索を実行し、端末が検索結果を受け取る構成としてもかまわない。
【0047】
また、本発明を適用する知識情報抽出装置は、具体的にはCPU、RAM、ROM等を含むコンピュータ装置或いはコンピュータシステムにより構成される。したがって、本発明の各機能処理を実現するためにコンピュータ装置或いはコンピュータシステムにインストールされるプログラム自体も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
100:知識情報抽出装置、101:データベース、102:入力装置、103:表示装置、104:キーワード検索部、104a:共起語抽出部、105:オントロジー検索部、106:データ検索部、106a:関連キーワード抽出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実績データの値が記述される実績データ欄と、操業者が個別具体的な事項を記述することのできる特記欄とを有する操業日誌のデータが蓄積されたデータベースを用いて知識情報を抽出する製造プロセスにおける知識情報抽出装置であって、
実績データ名が入力されると、前記入力された実績データ名に基づいて、前記データベースに蓄積された操業日誌の実績データ欄を対象に検索を実行し、前記入力された実績データ名に該当する実績データのグラフを生成して表示装置に表示する検索手段を備え、
前記入力された実績データ名に該当する実績データに対して絞り込み条件が入力可能であり、前記検索手段は、前記絞り込み条件で絞り込んだ実績データを実績データ欄に含む操業日誌に対して関連があるとされる関連キーワードを特記欄から抽出して、前記表示装置に表示する関連キーワード抽出手段を備えたことを特徴とする製造プロセスにおける知識情報抽出装置。
【請求項2】
キーワードが入力可能であり、前記関連キーワード抽出手段は、キーワードが入力された場合、前記キーワードを特記欄に含み、かつ、前記入力された実績データ名に該当する実績データを実績データ欄に含む操業日誌に対して関連があるとされる関連キーワードを抽出して前記表示装置に表示することを特徴とする請求項1に記載の製造プロセスにおける知識情報抽出装置。
【請求項3】
前記入力された実績データ名に該当する実績データに対して、値域及び期間のうち少なくともいずれかによる絞り込みが可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造プロセスにおける知識情報抽出装置。
【請求項4】
前記グラフは、実績データの値域分布を表わすヒストグラム、又は、実績データの時間推移を表わす折れ線グラフであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の製造プロセスにおける知識情報抽出装置。
【請求項5】
実績データの値が記述される実績データ欄と、操業者が個別具体的な事項を記述することのできる特記欄とを有する操業日誌のデータが蓄積されたデータベースを用いて知識情報抽出装置により知識情報を抽出する製造プロセスにおける知識情報抽出方法であって、
前記知識情報抽出装置は、実績データ名が入力されると、前記入力された実績データ名に基づいて、前記データベースに蓄積された操業日誌の実績データ欄を対象に検索を実行し、前記入力された実績データ名に該当する実績データのグラフを生成して表示装置に表示するステップを行い、
前記入力された実績データ名に該当する実績データに対して絞り込み条件が入力可能であり、前記絞り込み条件で絞り込んだ実績データを実績データ欄に含む操業日誌に対して関連があるとされる関連キーワードを特記欄から抽出して、前記表示装置に表示することを特徴とする製造プロセスにおける知識情報抽出方法。
【請求項6】
実績データの値が記述される実績データ欄と、操業者が個別具体的な事項を記述することのできる特記欄とを有する操業日誌のデータが蓄積されたデータベースを用いて知識情報を抽出するためのプログラムであって、
実績データ名が入力されると、前記入力された実績データ名に基づいて、前記データベースに蓄積された操業日誌の実績データ欄を対象に検索を実行し、前記入力された実績データ名に該当する実績データのグラフを生成して表示装置に表示する検索手段としてコンピュータを機能させ、
前記入力された実績データ名に該当する実績データに対して絞り込み条件が入力可能であり、前記絞り込み条件で絞り込んだ実績データを実績データ欄に含む操業日誌に対して関連があるとされる関連キーワードを特記欄から抽出して、前記表示装置に表示することを特徴とするプログラム。
【請求項1】
実績データの値が記述される実績データ欄と、操業者が個別具体的な事項を記述することのできる特記欄とを有する操業日誌のデータが蓄積されたデータベースを用いて知識情報を抽出する製造プロセスにおける知識情報抽出装置であって、
実績データ名が入力されると、前記入力された実績データ名に基づいて、前記データベースに蓄積された操業日誌の実績データ欄を対象に検索を実行し、前記入力された実績データ名に該当する実績データのグラフを生成して表示装置に表示する検索手段を備え、
前記入力された実績データ名に該当する実績データに対して絞り込み条件が入力可能であり、前記検索手段は、前記絞り込み条件で絞り込んだ実績データを実績データ欄に含む操業日誌に対して関連があるとされる関連キーワードを特記欄から抽出して、前記表示装置に表示する関連キーワード抽出手段を備えたことを特徴とする製造プロセスにおける知識情報抽出装置。
【請求項2】
キーワードが入力可能であり、前記関連キーワード抽出手段は、キーワードが入力された場合、前記キーワードを特記欄に含み、かつ、前記入力された実績データ名に該当する実績データを実績データ欄に含む操業日誌に対して関連があるとされる関連キーワードを抽出して前記表示装置に表示することを特徴とする請求項1に記載の製造プロセスにおける知識情報抽出装置。
【請求項3】
前記入力された実績データ名に該当する実績データに対して、値域及び期間のうち少なくともいずれかによる絞り込みが可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造プロセスにおける知識情報抽出装置。
【請求項4】
前記グラフは、実績データの値域分布を表わすヒストグラム、又は、実績データの時間推移を表わす折れ線グラフであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の製造プロセスにおける知識情報抽出装置。
【請求項5】
実績データの値が記述される実績データ欄と、操業者が個別具体的な事項を記述することのできる特記欄とを有する操業日誌のデータが蓄積されたデータベースを用いて知識情報抽出装置により知識情報を抽出する製造プロセスにおける知識情報抽出方法であって、
前記知識情報抽出装置は、実績データ名が入力されると、前記入力された実績データ名に基づいて、前記データベースに蓄積された操業日誌の実績データ欄を対象に検索を実行し、前記入力された実績データ名に該当する実績データのグラフを生成して表示装置に表示するステップを行い、
前記入力された実績データ名に該当する実績データに対して絞り込み条件が入力可能であり、前記絞り込み条件で絞り込んだ実績データを実績データ欄に含む操業日誌に対して関連があるとされる関連キーワードを特記欄から抽出して、前記表示装置に表示することを特徴とする製造プロセスにおける知識情報抽出方法。
【請求項6】
実績データの値が記述される実績データ欄と、操業者が個別具体的な事項を記述することのできる特記欄とを有する操業日誌のデータが蓄積されたデータベースを用いて知識情報を抽出するためのプログラムであって、
実績データ名が入力されると、前記入力された実績データ名に基づいて、前記データベースに蓄積された操業日誌の実績データ欄を対象に検索を実行し、前記入力された実績データ名に該当する実績データのグラフを生成して表示装置に表示する検索手段としてコンピュータを機能させ、
前記入力された実績データ名に該当する実績データに対して絞り込み条件が入力可能であり、前記絞り込み条件で絞り込んだ実績データを実績データ欄に含む操業日誌に対して関連があるとされる関連キーワードを特記欄から抽出して、前記表示装置に表示することを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−150676(P2012−150676A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9312(P2011−9312)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】
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