説明

製造ライン管理支援装置、方法及びプログラム

【課題】製造ラインに含まれる複数の機器の配置構成を示す画像上において各機器の履歴データを確認できるようにし、より使い勝手の優れた製造ライン管理支援装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】指定の行われた特定の種別データに該当する各機器についての履歴データを記憶部から抽出し、製造ラインに含まれる複数の機器の配置構成を示す画像上において各機器の履歴データを重ねて表示する。また、機器の種別毎に、日付順に履歴データを表示したカレンダー画像の表示も可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工場における製造ラインの管理を支援する製造ライン管理支援装置に関し、更に、製造ライン管理支援方法及び製造ライン管理支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
工場における製造ラインは、複数の機器が配管で接続され、複数の複雑な系統を有している。従来このような製造ラインの各機器は、表計算ソフトなどによってテーブルデータとして管理されていたが、そのようなテーブルデータによる管理では、各機器が実際の製造ラインにおけるどの機器に該当するのか分かりにくかった。
【0003】
下記の特許文献1においては、プラントの系統図に各機器の識別番号を属性付けておき、系統図において機器が選択されると当該機器の検査・保守履歴データを表示する、プラントデータ管理システムが開示されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1においては、選択された機器の検査・保守履歴データを表示するときには系統図が消えてしまい、各機器の情報を系統図上で確認することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−355380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、製造ラインに含まれる複数の機器の配置構成を示す画像上において各機器の履歴データを確認できるようにし、より使い勝手の優れた製造ライン管理支援装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の1つの観点に係る製造ライン管理支援装置は、製造ラインに含まれる複数の機器の配置構成を示す画像を生成するための図形データと、各機器の種別データと、各機器についての処置の履歴データとを記憶した記憶部と、種別データの指定を受付ける指定受付け手段と、上記指定の行われた種別データに該当する各機器について、記憶部から履歴データを抽出する指定種別履歴データ抽出手段と、記憶部から図形データを読出すとともに、当該図形データに基づいて生成される画像における、上記指定の行われた種別データに該当する各機器の表示位置に対応させて、指定種別履歴データ抽出手段によって抽出した履歴データを重ねて表示した画像データを生成するマップ生成手段と、を具備する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、指定の行われた特定の種別データに該当する各機器についての履歴データを記憶部から抽出し、製造ラインに含まれる複数の機器の配置構成を示す画像上において各機器の履歴データを重ねて表示することによって、より使い勝手の優れた製造ライン管理支援装置、方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の1つの実施形態に係る製造ライン管理支援装置とこれに接続される諸機器の概略構成図である。
【図2】記憶部のうち図形データ等を格納した領域のデータ構成を示す図である。
【図3】記憶部のうち処置の履歴データを格納した領域のデータ構成を示す図である。
【図4】記憶部のうち洗浄の履歴データを格納した領域のデータ構成を示す図である。
【図5】記憶部のうちトラブルの履歴データを格納した領域のデータ構成を示す図である。
【図6】記憶部の図形データ等に基づいて生成される画像の例を示す図である。
【図7】マップ生成部によって生成される種別毎のマップ画像の例を示す図である。
【図8】マップ生成部によって生成される洗浄履歴の画像の例を示す図である。
【図9】マップ生成部によって生成されるトラブル履歴の画像の例を示す図である。
【図10】カレンダー生成部によって生成されるカレンダー画像の例を示す図である。
【図11】上記実施形態に係る製造ライン管理支援装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態に係る製造ライン管理支援装置、方法及びプログラムについて、図面を参照しながら詳しく説明する。
【0011】
<1.装置の構成>
図1は、本発明の1つの実施形態に係る製造ライン管理支援装置とこれに接続される諸機器の概略構成図である。製造ライン管理支援装置1は、キーボードやマウス等の入力部2と、液晶ディスプレイ等の表示部3とに接続されたコンピュータ装置である。製造ライン管理支援装置1は、図示しないネットワークを介して他のコンピュータ装置に接続されていても良く、当該他のコンピュータ装置に接続された入力部及び表示部との間で入出力情報のやり取りをしても良い。
【0012】
製造ライン管理支援装置1は、記憶部10、指定受付け部11、指定種別履歴データ抽出部12、マップ生成部13、所定期間履歴データ抽出部14、カレンダー生成部15を有している。
【0013】
<1−1.記憶部10>
記憶部10は、製造ライン管理支援装置1において管理される製造ラインの各機器に関して、必要な情報を記憶している。
図2〜図5に、記憶部の具体的なデータ構成を示している。記憶部10は、機器の配置構成を示す画像を生成するための図形データ等を格納した領域10A(図2)と、各機器についての処置の履歴データを格納した領域10B(図3)と、洗浄の履歴データを格納した領域10C(図4)と、トラブルの履歴データを格納した領域10D(図5)とを含んでいる。
【0014】
図2に示す領域10Aに記憶された図形データ100は、製造ラインに含まれる機器毎に、例えば、3次元座標系において1つの多面体を形成するポリゴンデータ群として、また例えば、2次元座標系において1つの閉じた曲線を形成する曲線データ群として、記述されている。このような3次元座標系におけるポリゴンデータ群をモデリングして表示するモードと、2次元座標系における曲線データ群を表示するモードとを、ユーザが選択できるようにする場合には、そのようなポリゴンデータ群と曲線データ群の両方を領域10Aに記憶する。
機器ID101は、製造ラインに含まれる各機器に付与されたIDであり、図形データ100の属性データとして記憶されている。
種別データ102は、製造ラインに含まれる複数の機器を幾つかの種別に分けた場合に各種別を識別するIDであり、図形データ100の属性データとして記憶されている。
【0015】
図3に示す領域10Bに記憶された機器ID101は、領域10Aに記憶された機器ID101に対応する情報であり、領域10Aと領域10Bとの橋渡し役となる。
履歴データ103は、各機器について施された処置の履歴を記録したデータである。この履歴データ103には、各処置の日付104、設置、交換等の処置の内容105、その他(品番、単価、仕入先、担当者、認証者等)のデータが含まれている。
【0016】
図4に示す領域10Cに記憶された機器ID101は、領域10A及び10Bに記憶された機器ID101に対応する情報であり、洗浄された機器(配管等)を特定するデータである。
日付104は、機器の洗浄を行った日付のデータである。領域10Cには、その他、洗浄業者、担当者等のデータが記録される。
【0017】
図5に示す領域10Dに記憶された機器ID101は、領域10A、10B及び10Cに記憶された機器ID101に対応する情報であり、トラブルが発生した機器を特定するデータである。
日付106は、トラブルが発生した日付のデータであり、現象107は、トラブルの具体的現象を簡潔に記述したデータである。領域10Dには、その他、トラブルの原因、対策、担当者等のデータが記録される。
【0018】
なお、ここでは、種別データ102は図形データ100の属性データとして領域10Aに記憶する例について説明したが、領域10Bに機器ID101と対応させて記憶することとしても良い。また、ここでは、履歴データ103は領域10Bに記憶する例について説明したが、図形データ100の属性データとして領域10Aに記憶することとしても良い。
【0019】
図6に、記憶部の図形データ等に基づいて生成される画像の例を示す。この画像には、表示メニュー301の表示領域と、3Dイメージ302の表示領域とが含まれている。
表示メニュー301は、「パッキン」、「フィルター」、「配管」、「バルブ」、「ポンプ」、「モーター」として示される種別データ102に対応した項目と、「カレンダー」、「洗浄」、「トラブル」、「3Dカルテ」として示されるその他の項目とを含んでいる。
3Dイメージ302は、図形データ100がポリゴンデータ群として記述されている場合に、3次元座標系におけるポリゴンデータ群をモデリングして生成される画像である。この3Dイメージ302は、入力部2を介した操作により、ズーム、回転等を行うことができる。
なお、この画像に示される製造ラインは、主に配管で材料を運搬し、液状又は半固形状の製品を製造する設備である。図6は説明のために製造ラインの図示を大幅に簡略化しているが、製造ラインの全体を表示することで、製造ラインの概要を容易に把握できることが望ましい。また、後述の図7〜図10の画像における表示メニュー301において「3Dカルテ」が選択された場合には、改めて図6に示す画像が生成される。
【0020】
<1−2.指定受付け部11>
図1に戻って製造ライン管理支援装置1の説明を続ける。
指定受付け部11は、入力部2によって入力された種別データの指定を受付ける。例えば、図6等の表示メニュー301において、種別データ102に対応する「パッキン」、「フィルター」等の項目が選択されたことを、入力部2からの信号に基づいて判定する。より具体的には、入力部2がマウスである場合には、マウスをクリックした時点の画面上におけるマウスポインタの位置に基づいて、表示メニュー301におけるどの項目が選択されたかを判定する。
【0021】
また、指定受付け部11は、マップ生成部13によって生成される種別毎のマップ画像(図7:後述)における表示位置に対応した機器の指定を受付ける。例えば、入力部2がマウスである場合には、マウスをクリックした時点の画面上におけるマウスポインタの位置に基づいて、画像に表示されたどの機器が選択されたかを判定する。
【0022】
また、指定受付け部11は、カレンダー生成部15によって生成されるカレンダー画像(図10:後述)における表示位置の指定を受付ける。例えば、入力部2がマウスである場合には、マウスをクリックした時点の画面上におけるマウスポインタの位置に基づいて、画像に表示されたどの履歴データが選択されたかを判定する。
【0023】
<1−3.指定種別履歴データ抽出部12>
指定種別履歴データ抽出部12は、指定受付け部11によって指定を受付けた種別データ102に該当する各機器について、記憶部10から履歴データ103を抽出する。履歴データ103は、記憶部10に記憶された当該機器に関する過去の処置の履歴をすべて抽出しても良いが、ここでは例えば各機器について最新の履歴のみを抽出する。
【0024】
<1−4.マップ生成部13>
マップ生成部13は、記憶部10から図形データ100を読出す。そして、図形データ100に基づいて生成される画像における各機器の表示位置に対応させて、指定種別履歴データ抽出部12によって抽出した履歴データ103を重ねて表示した画像データを生成する。
【0025】
図7に、マップ生成部によって生成される種別毎のマップ画像の例を示す。この画像には、表示メニュー301の表示領域と、マップ303の表示領域とが含まれている。
マップ303は、図形データ100が曲線データ群として記述されている場合に、この曲線データ群を用いて生成される画像である。マップ生成部13は、指定種別履歴データ抽出部12によって抽出した履歴データ103に対応する機器ID101に基づいて、当該機器ID101に対応する図形データ100を特定する。そして、この特定された図形データ100の表示位置の近傍に履歴データ103が表示されるよう、マップ303の画像データを生成する。
また、マップ生成部13は、画像データを生成するにあたって、特定された図形データ100(図7においては「パッキン1」〜「パッキン4」の図形データ)を強調表示するようにしても良い。
【0026】
なお、マップ生成部13は、記憶部10の領域10Cに記憶された洗浄の履歴データに基づいて、図8に示す洗浄履歴の画像データを生成することもできる。すなわち、図6等の表示メニュー301において「洗浄」が選択された場合、領域10Cに記憶された洗浄の履歴データから直近の一定期間内のレコードを日付104に基づいて抽出し、当該レコードの機器ID101のデータに基づいて各レコードに対応する図形データ100を特定する。そして、この特定された図形データ100の表示位置の近傍に、日付104等のデータが表示されるよう、洗浄履歴の画像304を生成する。
【0027】
また、マップ生成部13は、記憶部10の領域10Dに記憶されたトラブルの履歴データに基づいて、図9に示すトラブル履歴の画像データを生成することもできる。すなわち、図6等の表示メニュー301において「トラブル」が選択された場合、領域10Dに記憶されたトラブルの履歴データから直近の一定期間内のレコードを日付106に基づいて抽出し、当該レコードの機器ID101のデータに基づいて各レコードに対応する図形データ100を特定する。そして、この特定された図形データ100の表示位置の近傍に、現象107等のデータが表示されるよう、トラブル履歴の画像305を生成する。
【0028】
<1−5.所定期間履歴データ抽出部14>
所定期間履歴データ抽出部14は、マップ生成部13によって生成された図7のマップ画像に表示された機器のうち、指定受付け部11によって指定を受付けた機器について、記憶部10の履歴データ103から最新の処置の日付104を抽出する。そして、抽出された当該日付を含む所定期間内の日付を有する他の機器についての履歴データ103を記憶部10から抽出する。例えば、図7のマップ画像に表示された機器のうち「パッキン1」が指定された場合には、パッキン1についての最新の処置の日付「20090903」を抽出し、この日付を含む所定期間内(例えば、1か月、1年等)の日付を有する他の機器についての履歴データ103を抽出する。なお、履歴データ103が処置の日付だけでなく日時までのデータを含んでいる場合に、所定期間分として1日分の履歴データを抽出することとしても良い。
【0029】
<1−6.カレンダー生成部15>
カレンダー生成部15は、所定期間履歴データ抽出部14によって抽出した履歴データ103を、機器の種別毎に、日付順に表示した画像データを生成する。
図10に、カレンダー生成部によって生成されるカレンダー画像の例を示す。この画像には、表示メニュー301の表示領域と、カレンダー306の表示領域とが含まれている。
【0030】
カレンダー306は、所定期間履歴データ抽出部14によって抽出された所定期間内の日付を有する履歴データ103を、機器の種別毎に、日付順に表示した画像である。カレンダー生成部15は、例えば、表の各列に「パッキン」、「フィルター」等の機器の種別を割り当てるとともに、各行に日、週、月等の時間単位を割り当て、履歴データ103に含まれる内容105のデータを該当するセルに記録したデータテーブルを生成する。そして、生成されたデータテーブルに該当項目名を表示した画像データを生成する。例えば、「パッキン1」についての最新の履歴の内容「交換」は、図10に示す画像における種別「パッキン」の列の日付「3」(2009年9月3日)の行に該当するセルに表示する。
また、カレンダー306は、記憶部10の領域10Dに記憶されたトラブルの履歴データに基づいて、トラブルの履歴を表示しても良い。すなわち、領域10Dに記憶されたトラブルの履歴データから上記所定期間内(例えば、1か月、1年等)のレコードを日付106に基づいて抽出し、当該レコードの現象107等のデータを、該当するセルに表示する。
【0031】
なお、カレンダー生成部15は、図6等の表示メニュー301において「カレンダー」が選択された場合にも、カレンダー306の画像データを生成することができる。この場合は、指定受付け部11を介した機器の指定はないので、例えば現在日を含む所定期間内の履歴データ103を用いて、カレンダー306の画像データを生成する。
【0032】
<2.動作>
<2−1.第1の動作例(マップ画像の生成)>
図11(A)は、上記実施形態に係る製造ライン管理支援装置の第1の動作例を示すフローチャートである。製造ライン管理支援装置1は、上述の指定受付け部11、指定種別履歴データ抽出部12、マップ生成部13の各機能を実現するプログラムの各モジュールをコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から読み出して実行することにより、以下の各ステップの処理を行い、図7に示すようなマップ画像を生成する。
【0033】
まず、指定受付け部11は、図6の表示メニュー301等において、入力部2から製造ライン管理支援装置1に対して入力される種別データの指定を受付ける(S111)。
【0034】
次に、指定種別履歴データ抽出部12は、指定の行われた種別データに該当する各機器について、記憶部10から履歴データ103を抽出する(S112)。
【0035】
次に、マップ生成部13は、記憶部10から図形データを読出すとともに、図形データに基づいて生成される画像における、前記指定の行われた種別データに該当する各機器の表示位置に対応させて、指定種別履歴データ抽出部12によって抽出した履歴データ103を重ねて表示した画像データを生成する(S113)。
【0036】
第1の動作例によれば、指定した種別データに該当する各機器の履歴情報が、製造ラインに含まれる複数の機器の配置構成を示す画像と重ねて表示されるので、各機器の履歴情報と、各機器の製造ラインでの所在を容易に把握することができる。
【0037】
<2−2.第2の動作例(カレンダー画像の生成)>
図11(B)は、上記実施形態に係る製造ライン管理支援装置の第2の動作例を示すフローチャートである。製造ライン管理支援装置1は、上述のマップ生成部13によって図7に示すマップ画像が生成された後に、上述の指定受付け部11、所定期間履歴データ抽出部14、カレンダー生成部15の各機能を実現するプログラムの各モジュールをコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から読み出して実行することにより、以下の各ステップの処理を行い、図10に示すようなカレンダー画像を生成する。
【0038】
まず、指定受付け部11は、マップ生成部13によって図7に示すマップ画像が生成された後に、当該画像における表示位置に対応した機器の指定を受付ける(S211)。
【0039】
次に、所定期間履歴データ抽出部14は、指定の行われた機器についての履歴データから最新の処置の日付を抽出し、当該日付を含む所定期間内の日付を有する他の機器についての履歴データ103を記憶部10から抽出する(S214)。
【0040】
次に、カレンダー生成部15は、所定期間履歴データ抽出部14によって抽出した履歴データを、機器の種別毎に、日付順に表示した画像データを生成する(S215)。
また、カレンダー生成部15は、画像データを生成するにあたって、図7のマップ画像に表示された機器のうち、指定受付け部11によって指定を受付けた機器についての履歴データ103を強調表示するようにしても良い(図10参照)。
【0041】
第2の動作例によれば、製造ラインに含まれる複数の機器の配置構成を示す画像において指定した機器に関する最新の履歴と日付の近い他の機器の履歴を一覧して表示することができるので、指定した機器に関する履歴と他の機器に関する履歴との関係を容易に把握することができる。また、図10に示すカレンダー306の画像にトラブル履歴を含ませることによって、機器に関する履歴とトラブル履歴との関係を容易に把握することができる。
【0042】
<2−3.第3の動作例(マップ画像の生成)>
図11(C)は、上記実施形態に係る製造ライン管理支援装置の第3の動作例を示すフローチャートである。製造ライン管理支援装置1は、上述のカレンダー生成部15によって図10に示すカレンダー画像が生成された後に、上述の指定受付け部11、指定種別履歴データ抽出部12、マップ生成部13の各機能を実現するプログラムの各モジュールをコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から読み出して実行することにより、以下の各ステップの処理を行い、図7に示すようなマップ画像を生成する。
【0043】
まず、指定受付け部11は、カレンダー生成部15によって図10に示すカレンダー画像が生成された後に、当該画像における表示位置の指定を受付ける(S311)。
【0044】
次に、指定種別履歴データ抽出部12は、指定の行われた表示位置に該当する機器と同一の種別に属する各機器について、記憶部10から履歴データ103を抽出する(S312)。
【0045】
次に、マップ生成部13は、記憶部10から図形データを読出すとともに、図形データに基づいて生成される画像における、前記指定の行われた表示位置に該当する機器と同一の種別に属する各機器の表示位置に対応させて、指定種別履歴データ抽出部12によって抽出した履歴データ103を重ねて表示した画像データを生成する(S313)。
また、マップ生成部13は、画像データを生成するにあたって、図10のカレンダー画像のうち、指定受付け部11によって指定を受付けた表示位置に該当する履歴を有する機器の図形データを強調表示するようにしても良い(図7のパッキン1参照)。
【0046】
第3の動作例によれば、カレンダー画像において指定した種別データに該当する各機器の履歴情報が、製造ラインに含まれる複数の機器の配置構成を示す画像と重ねて表示されるので、各機器の履歴情報と、各機器の製造ラインでの所在を容易に把握することができる。
【0047】
以上述べたように、本発明の実施形態によれば、製造ラインの全体を一見して把握することができ、この製造ラインに含まれる各機器の履歴を容易に参照できるので、工場設備の信頼性管理を確実に行うことができる。また、各機器の履歴を残してカレンダー306のような形式で一覧表示することにより、特に食品製造業において、特定の日付に製造された商品がどのような設備で製造されたのか、トラブルの対処前か対処後か、洗浄前か洗浄後か、等の確認を確実に行うことができるので、食品製造過程のトレーサビリティを向上させることができる。
【符号の説明】
【0048】
1…製造ライン管理支援装置、2…入力部、3…表示部、10…記憶部、11…指定受付け部、12…指定種別履歴データ抽出部、13…マップ生成部、14…所定期間履歴データ抽出部、15…カレンダー生成部、101…機器ID、102…種別データ、103…履歴データ、104…日付、105…内容、106…日付、107…現象、301…表示メニュー、302…3Dイメージ、303…マップ、304…洗浄履歴の画像、305…トラブル履歴の画像、306…カレンダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造ラインに含まれる複数の機器の配置構成を示す画像を生成するための図形データと、各機器の種別データと、各機器についての処置の履歴データとを記憶した記憶部と、
種別データの指定を受付ける指定受付け手段と、
前記指定の行われた種別データに該当する各機器について、前記記憶部から履歴データを抽出する指定種別履歴データ抽出手段と、
前記記憶部から前記図形データを読出すとともに、前記図形データに基づいて生成される画像における、前記指定の行われた種別データに該当する各機器の表示位置に対応させて、前記指定種別履歴データ抽出手段によって抽出した履歴データを重ねて表示した画像データを生成するマップ生成手段と、
を具備する製造ライン管理支援装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記履歴データとして、各機器についての処置の日付及び内容を記憶しており、
前記指定受付け手段は、前記マップ生成手段によって生成された画像における表示位置に対応した機器の指定を更に受付け、
前記製造ライン管理支援装置は、
前記指定の行われた機器についての履歴データから最新の処置の日付を抽出し、当該日付を含む所定期間内の日付を有する他の機器についての履歴データを前記記憶部から抽出する所定期間履歴データ抽出手段と、
前記所定期間履歴データ抽出手段によって抽出した履歴データを、機器の種別毎に、日付順に表示した画像データを生成するカレンダー生成手段と、
を更に具備する請求項1記載の製造ライン管理支援装置。
【請求項3】
前記指定受付け手段は、前記各機器についての処置の履歴データを機器の種別毎に日付順に表示した画像における表示位置の指定を受付け、
前記指定種別履歴データ抽出手段は、前記指定の行われた表示位置に該当する機器と同一の種別に属する各機器について、前記記憶部から履歴データを抽出し、
前記マップ生成手段は、前記記憶部から前記図形データを読出すとともに、前記図形データに基づいて生成される画像における、前記指定の行われた表示位置に該当する機器と同一の種別に属する各機器の表示位置に対応させて、前記指定種別履歴データ抽出手段によって抽出した履歴データを重ねて表示した画像データを生成する、
請求項1又は2記載の製造ライン管理支援装置。
【請求項4】
製造ラインに含まれる複数の機器の配置構成を示す画像を生成するための図形データと、各機器の種別データと、各機器についての処置の履歴データとを記憶した記憶部を参照可能なコンピュータに、以下の各ステップを実行させることによる製造ライン管理支援方法であって、
種別データの指定を受付ける指定受付けステップと、
前記指定の行われた種別データに該当する各機器について、前記記憶部から履歴データを抽出する指定種別履歴データ抽出ステップと、
前記記憶部から前記図形データを読出すとともに、前記図形データに基づいて生成される画像における、前記指定の行われた種別データに該当する各機器の表示位置に対応させて、前記指定種別履歴データ抽出ステップによって抽出した履歴データを重ねて表示した画像データを生成するマップ生成ステップと、
を具備する製造ライン管理支援方法。
【請求項5】
製造ラインに含まれる複数の機器の配置構成を示す画像を生成するための図形データと、各機器の種別データと、各機器についての処置の履歴データとを記憶した記憶部を参照可能なコンピュータに、以下の各ステップを実行させる製造ライン管理支援プログラムであって、
種別データの指定を受付ける指定受付けステップと、
前記指定の行われた種別データに該当する各機器について、前記記憶部から履歴データを抽出する指定種別履歴データ抽出ステップと、
前記記憶部から前記図形データを読出すとともに、前記図形データに基づいて生成される画像における、前記指定の行われた種別データに該当する各機器の表示位置に対応させて、前記指定種別履歴データ抽出ステップによって抽出した履歴データを重ねて表示した画像データを生成するマップ生成ステップと、
を実行させる製造ライン管理支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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