説明

複写撮影装置、IDカード作成システム及びIDカード作成方法

【課題】申請書に貼付されている写真のエッジを精度良く検出し、位置ずれのない写真画像の形成されたIDカードを作成する。
【解決手段】ライン型イメージセンサを有し、ライン型イメージセンサに対して写真の貼付された用紙を移動させることにより前記写真の貼付された用紙の撮像を行い画像データを出力するライン撮像部と、ライン撮像部を通過する前記写真に対して複数の異なる方向から照明可能な照明部と、前記写真がライン撮像部を通過している間に、照明部により照明方向を異ならせ、得られた画像データの影画像から前記写真のエッジを検出する制御部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写撮影装置、IDカード作成システム及びIDカード作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複写撮影装置で申請書に貼付された顔写真を撮影し、IDカードプリンタで当該顔写真を含む個人情報をIDカード上に形成することにより、顔写真入りのIDカードを作成するIDカード作成システムが知られている。この場合、IDカード上に形成される顔写真上の被写体の位置ずれを防止するため、複写撮影装置において申請書に貼付された顔写真の貼付位置を確実に検出することが必要となる。
【0003】
特許文献1には、顔写真を撮影するCCDカメラの申請書搬送方向上流に、位置ずれを検出するための画像認識センサが設けることが記載されている。
【特許文献1】特開平8−286239号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の顔写真を撮影するCCDカメラは、エリアCCDカメラであるので申請書搬送方向にある程度の長さを有する。また、画像認識センサについては詳細な説明がなく不明であるが、顔写真を撮影するCCDカメラと同様にエリアCCDカメラであれば、同様に申請書搬送方向にある程度の長さを有する。
【0005】
このような場合、申請書搬送方向において、画像認識センサの中心から顔写真を撮影するCCDカメラの中心までの距離がある程度離れることになるため、申請書が、画像認識センサを通過してから顔写真を撮影するCCDカメラに到達するまでの間に、搬送方向及び幅方向にばらつく可能性が高くなる。
【0006】
このため、予めばらつきを見込んで、画像の切り出し領域を小さくする必要が生じる。その結果、IDカードに画像を形成する際に拡大する倍率が大きくなり、画質が劣化することになる。
【0007】
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたものであり、申請書に貼付されている写真のエッジを精度良く検出し、位置ずれのない写真画像の形成されたIDカードを作成することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1.ライン型イメージセンサを有し、ライン型イメージセンサに対して写真の貼付された用紙を移動させることにより前記写真の貼付された用紙の撮像を行い画像データを出力するライン撮像部と、ライン撮像部を通過する前記写真に対して複数の異なる方向から照明可能な照明部と、前記写真がライン撮像部を通過している間に、照明部による照明方向を異ならせ、得られた画像データの影画像から前記写真のエッジを検出する制御部と、を有することを特徴とする複写撮影装置。
【0009】
2.前記照明部は、前記ライン撮像部の用紙搬送方向上流側及び下流側に照明ランプを有し、前記制御部は、前記写真の用紙搬送方向前側が前記ライン撮像部に到達する前に上流側の照明ランプを点灯させ、前記写真の用紙搬送方向後側が前記ライン撮像部に到達する前に上流側の照明ランプを消灯または照明を暗くさせるとともに下流側の照明ランプを点灯させることを特徴とする1に記載の複写撮影装置。
【0010】
3.前記写真は、方形状であり、前記上流側の照明ランプは、前記写真の用紙搬送方向前側の用紙上、及び前記写真の左側又は右側のうち一方の側の用紙上に影を生じさせる位置に配置され、前記下流側の照明ランプは、前記写真の用紙搬送方向後側の用紙上、及び前記写真の左側又は右側のうち一方の側と異なる側の用紙上に影を生じさせる位置に配置されていることを特徴とする1又は2に記載の複写撮影装置。
【0011】
4.前記制御部は、前記写真の用紙搬送方向前側が前記ライン撮像部に到達してから前記写真の用紙搬送方向後側が前記ライン撮像部に到達するまでの間、前記上流側の照明ランプと前記下流側の照明ランプとを交互に点灯させることを特徴とする3に記載の複写撮影装置。
【0012】
5.前記写真は、方形状であり、前記上流側の照明ランプ及び前記下流側の照明ランプは、前記用紙の移動方向と直交する方向における前記写真のほぼ中央に配置されていることを特徴とする1又は2に記載の複写撮影装置。
【0013】
6.前記ライン型イメージセンサは、赤外光イメージセンサであり、前記照明部は、赤外光を照射することを特徴とする1〜5の何れか1つに記載の複写撮影装置。
【0014】
7.ライン型赤外光イメージセンサを有し、ライン型赤外光イメージセンサに対して写真の貼付された用紙を移動させることにより前記写真の貼付された用紙の撮像を行い写真エッジ検出用の画像データを出力する第1のライン撮像部と、第1のライン撮像部を通過する前記写真に対して複数の異なる方向から照明可能な照明部と、第1のライン撮像部の用紙移動方向下流に配置され、ライン型可視光イメージセンサを有し、ライン型可視光イメージセンサに対して写真の貼付された用紙を移動させることにより前記写真の貼付された用紙の撮像を行いIDカード用の画像データを出力する第2のライン撮像部と、前記写真が第1のライン撮像部を通過している間に、照明部による照明方向を異ならせ、第1のライン撮像部により得られた写真エッジ検出用の画像データの影画像から前記写真のエッジを検出し、検出された前記写真のエッジに基づいて第2のライン撮像部により得られたIDカード用の画像データから画像を切り出す制御部と、を有することを特徴とする複写撮影装置。
【0015】
8.1〜7の何れか1つに記載の複写撮影装置と、複写撮影装置から入力されるIDカード用の画像データに基づいてIDカード上に前記写真に対応する画像を形成するIDカードプリンタと、を有することを特徴とするIDカード作成システム。
【0016】
9.第1のライン撮像部に対して写真の貼付された用紙を移動させることにより前記写真の貼付された用紙の撮像を行い写真エッジ検出用の画像データを出力する第1の撮像工程と、第1の撮像工程において出力された写真エッジ検出用の画像データに基づいて前記写真のエッジを検出するエッジ検出工程と、第2のライン撮像部に対して写真の貼付された用紙を移動させることにより前記写真の貼付された用紙の撮像を行いIDカード用の画像データを出力する第2の撮像工程と、エッジ検出工程において検出された前記写真のエッジに基づいて、第2の撮像工程の撮像工程において出力されたIDカード用の画像データからIDカード用の写真画像を切り出す写真画像切出工程と、写真画像切出工程において切り出された前記写真画像をIDカードプリンタによりIDカード上に形成する写真画像形成工程と、を有し、前記第1の撮像工程は、前記写真が前記第1のライン撮像部を通過している間に照明部による照明方向を異ならせる工程を含み、前記エッジ検出工程は、前記第1の撮像工程において出力された写真エッジ検出用の画像データに基づいて影画像を抽出する工程と、抽出した影画像に基づいて前記写真のエッジを検出する工程と、を含むことを特徴とするIDカード作成方法。
【発明の効果】
【0017】
上記1、7〜9に記載の手段によれば、ライン型イメージセンサを用いて写真エッジを検出することができる。ライン型イメージセンサは、エリア型イメージセンサと比べて申請書搬送方向の長さが短くなる。このため、写真エッジ検出用の撮像部とIDカード用の写真画像を撮像する撮像部との間隔を短くすることができ、申請書の搬送方向及び幅方向にばらつく可能性が低くなる。その結果、IDカード用の写真画像を撮像する撮像部で取得した画像に対して精度良く切り出し領域が設定されることになり、位置ずれのない写真画像の形成されたIDカードを作成することができる。
【0018】
上記2に記載の手段によれば、用紙上の写真の影の位置を簡単に異ならせることができる。
【0019】
上記3に記載の手段によれば、写真の貼付された用紙の1回の移動で、写真の4辺全ての申請書1上に影を検出することができ、精度良く写真のエッジを検出することができる。
【0020】
上記4に記載の手段によれば、さらに精度良く写真の4辺を検出することができる。
【0021】
上記5に記載の手段によれば、写真の貼付された用紙の1回の移動で、写真の4辺全ての申請書1上に影を検出することができ、精度良く写真のエッジを検出することができる。
【0022】
上記6に記載の手段によれば、エッジ検出用の撮影に用いる照明光は赤外光であるため、仮に当該赤外光が、可視光に感度を有するIDカード用の撮影部に回り込んだとしても、撮像された画像にはほとんど影響を及ぼさない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明を以下の実施形態に基づいて説明するが、当該実施形態に限定するものではない。
【0024】
(申請書)
図1は、IDカードを申請するための申請書の模式図である。
【0025】
申請書にはIDカードの目的に応じて必要なデータが記載されており、図1に示す申請書1においては、申請者の氏名、住所、生年月日等の個人情報1aと被申請者側で付与したID番号1bが記載されている。また、申請者の顔写真2が所定の写真貼付位置に貼付されている。
【0026】
なお、IDカードとしては、個人の身分証、役所の登録証、診察券、交通機関の乗降カード、図書館の貸出証、運転免許証、商品購入に際して加算されるポイントカード、クレジットカード等、どのようなものであってもよい。
【0027】
[第1の実施形態]
(装置構成)
図2は、第1の実施形態に係る複写撮影装置の概略構成図である。
【0028】
複写撮影装置10は、申請書トレイ11、搬送ローラ12、OCR(光学式文字読取装置)13、先端検出センサ14、ライン撮像部15、照明部16、ライン撮像部17、読取ガラス18、搬送ベルト19、排紙部20、等から構成されている。
【0029】
申請書トレイ11は、申請書1を複数枚積載することが可能となっている。
【0030】
搬送ローラ12は、申請書トレイ11に載置されている申請書1を1枚ずつ搬送する。
【0031】
OCR13は、申請書1に記載されたID番号1b等を読み取り、申請書1に記載されているID番号を認識する。これにより、当該認識されたID番号とライン撮像部17で撮像された顔写真2の顔画像データとの対応付けが可能となる。
【0032】
先端検出センサ14は、搬送されてくる申請書の先端を検出する。
【0033】
ライン撮像部15は、申請書1に貼付された顔写真2を撮像し顔写真2のエッジを検出するためのもので、赤外光CCDリニアイメージセンサ等を含んで構成される。申請書1を搬送することで走査を行い顔写真2を撮像する。撮像された顔写真は、ライン撮像部15内にてA/D変換等の処理がなされ、画像データとして出力される。
【0034】
照明部16は、赤外LED等から構成され、ライン撮像部15で顔写真2を撮像する際に顔写真2を照明する。照明部16は、ライン撮像部15の申請書搬送方向上流に位置する赤外LED161及び申請書搬送方向下流に位置する赤外LED162から構成されている。
【0035】
ライン撮像部17は、申請書1に貼付された顔写真2を撮像しIDカードに形成される画像を取得するためのもので、可視光CCDリニアイメージセンサ等を含んで構成される。申請書1を搬送することで走査を行い顔写真2を撮像する。撮像された顔写真は、ライン撮像部17内にてA/D変換等の処理がなされ、画像データとしてIDカードプリンタ40やファイリング装置50に出力される。
【0036】
読取ガラス18は、板状の透明ガラスで構成され、申請書1とライン撮像部15、17との間に設けられ、搬送されてくる申請書1をライン撮像部15、17から一定の距離を保って安定して搬送させるためのものである。申請書1は、読取ガラス18に密着しながら搬送される。申請書1に貼付された顔写真2は、当該読取ガラス18を介して読み取られる。
【0037】
搬送ベルト19は、読取ガラス18に押圧しながら移動するように構成され、申請書1を読取ガラス18に密着させながら搬送する。
【0038】
排紙部20は、排紙される申請書1を収容する。
【0039】
次に、申請書1の動きについて説明する。申請書トレイ11に載置された申請書1は、搬送ローラ12によりOCR13に対向する位置に搬送され停止し、OCR13により申請書1に記載されたID番号1bが読み取られ認識される。
【0040】
OCR13による読み取りの後、申請書1は、ライン撮像部15に対向する位置に搬送される。照明部16による照明を後述のように制御しながらライン撮像部15により申請書1に貼付された顔写真2を撮像することで、顔写真2のエッジが検出される。
【0041】
ライン撮像部15による読み取りの後、申請書1は、ライン撮像部17に対向する位置に搬送される。ライン撮像部17により申請書1に貼付された顔写真2を撮像することで、IDカードに形成される写真画像が取得される。
【0042】
撮像部14による読み取りの後、申請書1は、排紙部20に排紙される。
【0043】
図3は、第1の実施形態に係る複写撮影装置の制御構成図である。本実施形態を説明する上で必要な箇所のみを説明する。
【0044】
複写撮影装置10は、プログラムに従って複写撮影装置10の各種制御を実行する本発明の制御部としてのCPU30を中心に、バス31により、ROM32、RAM33、搬送ローラ駆動部35、OCR13、先端検出センサ14、ライン撮像部15、照明部16、ライン撮像部17、搬送ベルト駆動部36、通信部34、等が相互に接続されている。
【0045】
ROM32は、各種プログラムやデータを記憶しており、CPU30がこれらプログラムやデータを利用して複写撮影装置10の制御を実行する。
【0046】
RAM33は、CPU30によってワークエリアとして利用され、CPU30が制御を実行する際に必要なプログラムやデータを一時的に記憶する。
【0047】
通信部34は、ネットワークNに接続され、IDカードプリンタ40やファイリング装置50等に、ライン撮像部17で取得した画像データをID番号と対応付けて送信する。
【0048】
搬送ローラ駆動部35は、搬送ローラ12を駆動する。
【0049】
搬送ベルト駆動部36は、搬送ベルト19を駆動する。
【0050】
OCR13、先端検出センサ14、ライン撮像部15、照明部16及びライン撮像部17については、上述したので説明は省略する。
【0051】
(照明部16の構成)
図4は、第1の実施形態に係る照明部16近傍の構成図である。図4(a)は、図1の照明部16近傍を示す図である。図4(b)は、図4(a)を図中右側から臨んだ図である。図4(c)は、図4(b)を図中下側から臨んだ図である。
【0052】
図4(a)に示すように、申請書搬送方向上流に位置する赤外LED161及び申請書搬送方向下流に位置する赤外LED162は、ライン撮像部15の読取位置に向けて照明するようにセットされている。
【0053】
また、申請書搬送方向上流に位置する赤外LED161及び申請書搬送方向下流に位置する赤外LED162は、図4(b)に示すように申請書1の幅方向に傾斜して配置されている。具体的には、申請書搬送方向上流に位置する赤外LED161は、ライン撮像部15に到達した申請書1の顔写真2に対して右斜め後方から照明する角度にセットされ、申請書搬送方向下流に位置する赤外LED162は、ライン撮像部15に到達した申請書1の顔写真2に対して左斜め前方から照明する角度にセットされている。
【0054】
(エッジ検出処理の概要)
図5は、第1の実施形態に係るエッジ検出処理の概要を示した模式図である。
【0055】
図5(a)は、ライン撮像部15の申請書搬送方向の中心である撮像ラインLに搬送されてくる申請書1に貼付された顔写真2の位置と、申請書1上の顔写真2の影S(以下、単に影Sということもある)の状態との関係を時間経過とともに示した図である。図では、時間経過順に状態1〜8を示している。
【0056】
まず、赤外LED161及び赤外LED162が両方とも消灯した状態で顔写真2が搬送されてくる。照明されていないため、顔写真2のエッジに影Sは生じていない(状態1)。
【0057】
顔写真2が所定位置(撮像ラインLよりも手前)に到達すると、赤外LED161が点灯し、顔写真2に対して搬送方向右斜め後方から照明が行われる。これにより、顔写真2の搬送方向前側及び左側のエッジに影Sが生じる(状態2)。
【0058】
この状態で顔写真2の先端が撮像ラインLを通過する(状態3)。これにより、顔写真2の搬送方向前側のエッジの影S、及び左側のエッジの影Sの先端付近の画像が取得される。
【0059】
次に、照明を切り換え、赤外LED161を消灯させ、赤外LED162を点灯させる。これにより、顔写真2に対して搬送方向左斜め前方から照明が行われ、顔写真2の搬送方向後側及び右側のエッジに影Sが生じる(状態4)。
【0060】
次に、この状態で顔写真2を少し搬送させた後、再び照明を切り換え、赤外LED162を消灯させ、赤外LED161を点灯させる。これにより、顔写真2に対して搬送方向右斜め後方から照明が行われ、顔写真2の搬送方向前側及び左側のエッジに再び影Sが生じる(状態5)。
【0061】
その後、当該照明の切り換えを、顔写真2の後端が撮像ラインLに近づくまで繰り返す。状態4及び状態5が交互に繰り返される。これにより、顔写真2の搬送方向の左側及び右側のエッジの影Sの画像が交互に取得される。
【0062】
顔写真2の後端が撮像ラインLに近づき所定位置に到達すると、照明の切り換えを終了し、赤外LED161を消灯させ、赤外LED162を点灯させた状態にする。これにより、顔写真2に対して搬送方向左斜め前方から照明が行われ、顔写真2の搬送方向後側及び右側のエッジに影Sが生じる(状態6)。
【0063】
この状態で顔写真2の後端が撮像ラインLを通過する(状態7)。これにより、顔写真2の搬送方向後側のエッジの影S、及び右側のエッジの影Sの後端付近の画像が取得される。
【0064】
その後、赤外LED162が消灯され、赤外LED161及び赤外LED162ともに消灯した状態となる。照明されていないため、顔写真2のエッジに影Sは生じていない(状態8)。
【0065】
このように、赤外LED161及び赤外LED162を交互に点灯させることにより、簡単に照明方向を異ならせ、申請書1上の異なる位置に顔写真2の影を映すことができる。また、写真の貼付された用紙の1回の移動で、写真の4辺全ての申請書1上に影Sを形成することができ、精度良く写真のエッジを検出することができる。
【0066】
図5(b)は、図5(a)の状態1〜8までの経過により得られる画像及び当該画像よりエッジ検出を行う過程を示している。
【0067】
図5(a)の状態1〜8までの経過により得られる画像は、図5(b)の(1)に示すように、顔写真2の搬送方向前側及び後側のエッジの影Sに対応する影画像Siは実線形状となり、顔写真2の搬送方向左側及び右側のエッジの影Sに対応する影画像Siは破線形状となる。顔写真2の搬送方向左側及び右側のエッジの影Sに対応する影画像Siは、照明の切り換えを行いながら顔写真2を搬送しているので、影が生じない時間があり、破線形状となる。
【0068】
次に、図5(b)の(1)に示す画像から内側エッジを抽出する。抽出された内側エッジ画像の模式図を図5(b)の(2)に示す。実線及び破線からなる線画像が得られる。
【0069】
最後に、この線画像から4辺の直線を求めることによりエッジ検出が完了する。得られた画像の模式図を図5(b)の(3)に示す。
【0070】
エッジ検出が行われた後は、エッジ検出により検出された各辺に基づいて、切り出し領域が決定され、ライン撮像部17で取得した画像から画像データが切り出されることになる。
【0071】
切り出された画像データは、IDカードプリンタ40に送信されIDカード上に印刷されたり、ファイリング装置50に送信され保管されることになる。
【0072】
このように、本実施形態では、まず、顔写真2の前側近傍の申請書1上に影Sを作るように照明した上で顔写真2の前側が撮像ラインLを通過するようにして、顔写真2の搬送方向前側のエッジを検出する。次に、照明を交互に切り換えることで顔写真2の左側及び右側近傍の申請書1上に交互に影Sを作り、顔写真2の左側及び右側のエッジを検出する。最後に、顔写真2の後側近傍の申請書1上に影Sを作るように照明した上で顔写真2の後側が撮像ラインLを通過するようにして、顔写真2の後側のエッジを検出する。
【0073】
以上のように、本実施形態によれば、ライン型イメージセンサであるライン撮像部15を用いて顔写真2のエッジを検出することができる。
【0074】
ライン撮像部15及びライン撮像部17は、ライン型であるのでエリア型イメージセンサと比べて申請書搬送方向の長さが短くなる。このため、ライン撮像部15とライン撮像部17との間隔を短くすることができ、申請書が、ライン撮像部15を通過してからライン撮像部17に到達するまでの間に、搬送方向及び幅方向にばらつく可能性が低くなる。その結果、ライン撮像部17で取得した写真画像に対して精度良く切り出し領域が設定されることになり、被写体の位置ずれのない写真画像の形成されたIDカードを作成することができる。
【0075】
尚、ライン撮像部15の照明である赤外LED161及び赤外LED162は赤外光であるため、仮に当該赤外光がライン撮像部17に回り込んだとしても、可視光リニアイメージセンサからなるライン撮像部17で撮像された画像にほとんど影響を及ぼさない。
【0076】
(制御フロー)
図6は、第1の実施形態に係るエッジ検出処理のフロー図である。一例であり、これに限定するものではない。本エッジ検出処理は、ROM32に記憶されている制御プログラムに基づいて、CPU30が処理を実行することにより実現される。尚、既に、搬送ローラ12及び搬送ベルト19がそれぞれ搬送ローラ駆動部35及び搬送ベルト駆動部36により駆動され、申請書1が先端検出センサ14の手前まで搬送されて来ているものとする。また、赤外LED161及び赤外LED162は、ともに消灯しているものとする。
【0077】
まず、CPU30は、申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されたか否かを判断する(ステップS11)。
【0078】
申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されたと判断すると(ステップS11;Yes)、CPU30は、赤外LED161を点灯させるとともに(ステップS12)、ライン撮像部15による撮像を開始する(ステップS13)。赤外LED161が点灯してからライン撮像部15による撮像を行わせるため、ライン撮像部15による撮像の開始タイミングを、赤外LED161の点灯タイミングよりも若干遅らせることが好ましい。
【0079】
申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されていないと判断すると(ステップS11;No)、CPU30は、申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されるまで待機する。
【0080】
次に、申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されてから所定時間T1を経過したか否かを判断する(ステップS14)。所定時間T1は、顔写真2の搬送方向前側のエッジの影S、及び左側のエッジの影Sの先端付近が撮像ラインLを通過する(図5(a)の状態3)までの時間である。
【0081】
申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されてから所定時間T1を経過したと判断すると(ステップS14;Yes)、CPU30は、「赤外LED161消灯、赤外LED162点灯」と、「赤外LED161点灯、赤外LED162消灯」とを所定時間間隔Taで交互に切り換える(ステップS15)。
【0082】
申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されてから所定時間T1を経過していないと判断すると(ステップS14;No)、CPU30は、申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されてから所定時間T1を経過するまで待機する。
【0083】
次に、CPU30は、申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されてから所定時間T2(>T1)を経過したか否かを判断する(ステップS16)。所定時間T2は、顔写真2の後端が撮像ラインLを通過する少し前(図5(a)の状態6)までの時間である。
【0084】
申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されてから所定時間T2を経過したと判断すると(ステップS16;Yes)、CPU30は、赤外LED161を消灯させるとともに赤外LED162を点灯させる(ステップS17)。
【0085】
申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されてから所定時間T2を経過していないと判断すると(ステップS16;No)、CPU30は、申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されてから所定時間T2を経過するまで待機する。
【0086】
次に、CPU30は、申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されてから所定時間T3(>T2)を経過したか否かを判断する(ステップS18)。所定時間T3は、顔写真2の搬送方向後側のエッジの影Sが撮像ラインLを通過した以降(図5(a)の状態8)までの時間である。
【0087】
申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されてから所定時間T3を経過したと判断すると(ステップS18;Yes)、CPU30は、ライン撮像部15による撮像を終了した後(ステップS19)、赤外LED162を消灯させる(ステップS20)。
【0088】
申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されてから所定時間T3を経過していないと判断すると(ステップS18;No)、CPU30は、申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されてから所定時間T3を経過するまで待機する。
【0089】
次に、CPU30は、ライン撮像部15により撮像され取得された画像(図5(b)の(1)参照)から内側エッジを抽出する(図5(b)の(2)参照)(ステップS21)。
【0090】
次に、CPU30は、抽出された内側エッジの画像から4辺の直線を検出し(図5(b)の(3)参照)(ステップS22)、エッジ検出処理のフローを終了する。
【0091】
[第2の実施形態]
第1の実施形態と重複する部分の図面及び説明については、省略する。
【0092】
(装置構成)
図2に示す第1の実施形態と基本的に同様であり、説明は省略する。
【0093】
(照明部16の構成)
図7は、第2の実施形態に係る照明部16近傍の構成図である。図7(a)は、図1の照明部16近傍を示す図である。図7(b)は、図7(a)を図中右側から臨んだ図である。図7(c)は、図7(b)を図中下側から臨んだ図である。
【0094】
図7(a)に示すように、申請書搬送方向上流に位置する赤外LED161及び申請書搬送方向下流に位置する赤外LED162は、ライン撮像部15の読取位置に向けて照明するようにセットされている。
【0095】
また、申請書搬送方向上流に位置する赤外LED161及び申請書搬送方向下流に位置する赤外LED162は、図7(b)に示すように、申請書1の幅方向において、顔写真2のほぼ中央位置に配置されている。具体的には、申請書搬送方向上流に位置する赤外LED161は、ライン撮像部15に到達した申請書1の顔写真2に対してほぼ真後ろから照明するようにセットされ、申請書搬送方向下流に位置する赤外LED162は、ライン撮像部15に到達した申請書1の顔写真2に対してほぼ真ん前から照明するようにセットされている。
【0096】
(エッジ検出処理の概要)
図8は、第2の実施形態に係るエッジ検出処理の概要を示した模式図である。
【0097】
図8(a)は、ライン撮像部15の申請書搬送方向の中心である撮像ラインLに搬送されてくる申請書1に貼付された顔写真2の位置と、申請書1上の顔写真2の影S(以下、単に影Sということもある)の状態との関係を時間経過とともに示した図である。図では、時間経過順に状態1〜7を示している。
【0098】
まず、赤外LED161及び赤外LED162が両方とも消灯した状態で顔写真2が搬送されてくる。照明されていないため、顔写真2のエッジに影Sは生じていない(状態1)。
【0099】
顔写真2が所定位置(撮像ラインLよりも手前)に到達すると、赤外LED161が点灯し、顔写真2に対して搬送方向ほぼ真後ろから照明が行われる。これにより、顔写真2の搬送方向前側、左側及び右側のエッジに影Sが生じる(状態2)。
【0100】
この状態で顔写真2の先端が撮像ラインLを通過する(状態3、4)。これにより、顔写真2の搬送方向前側のエッジの影S、並びに左側及び右側のエッジの影Sの先端部分の画像が取得される。
【0101】
次に、照明を切り換え、赤外LED161を消灯させ、赤外LED162を点灯させる。これにより、顔写真2に対して搬送方向ほぼ真ん前から照明が行われ、顔写真2の搬送方向後側、左側及び右側のエッジに影Sが生じる(状態5)。
【0102】
この状態で顔写真2の後端が撮像ラインLを通過する(状態6)。これにより、顔写真2の搬送方向後側のエッジの影S、並びに左側及び右側のエッジの影Sの後端部分の画像が取得される。
【0103】
その後、赤外LED162が消灯され、赤外LED161及び赤外LED162ともに消灯した状態となる。照明されていないため、顔写真2のエッジに影Sは生じていない(状態7)。
【0104】
このように、赤外LED161及び赤外LED162を交互に点灯させることにより、簡単に照明方向を異ならせ、申請書1上の異なる位置に顔写真2の影Sを映すことができる。また、写真の貼付された用紙の1回の移動で、写真の4辺全ての申請書1上に影を形成することができ、精度良く写真のエッジを検出することができる。
【0105】
図8(b)は、図8(a)の状態1〜7までの経過により得られる画像及び当該画像よりエッジ検出を行う過程を示している。
【0106】
図8(a)の状態1〜7までの経過により得られる画像は、図8(b)の(1)に示すように、顔写真2の4辺のエッジの影Sに対応する影画像Siが得られる。
【0107】
次に、図8(b)の(1)に示す画像から内側エッジを抽出する。抽出された内側エッジ画像の模式図を図8(b)の(2)に示す。実線からなる線画像が得られる。
【0108】
最後に、この線画像から4辺の直線を求めることによりエッジ検出が完了する。得られた画像の模式図を図8(b)の(3)に示す。
【0109】
エッジ検出が行われた後は、エッジ検出により検出された各辺に基づいて、切り出し領域が決定され、ライン撮像部17で取得した画像から画像データが切り出されることになる。
【0110】
切り出された画像データは、IDカードプリンタ40に送信されIDカード上に印刷されたり、ファイリング装置50に送信され保管されることになる。
【0111】
このように、本実施形態では、まず、顔写真2の前側、左側及び右側の申請書1上に影Sを作るように照明した上で顔写真2の前側が撮像ラインLを通過するようにして、顔写真2の搬送方向前側、左側及び右側のエッジを検出する。次に、照明を切り換えることで顔写真2の後側、左側及び右側の申請書1上に影Sを作るように照明した上で顔写真2の後側が撮像ラインLを通過するようにして、顔写真2の後側、左側及び右側のエッジを検出する。
【0112】
以上のように、本実施形態によれば、ライン型イメージセンサであるライン撮像部15を用いて顔写真2のエッジを検出することができる。
【0113】
ライン撮像部15及びライン撮像部17は、ライン型であるのでエリア型イメージセンサと比べて申請書搬送方向の長さが短くなる。このため、ライン撮像部15とライン撮像部17との間隔を短くすることができ、申請書が、ライン撮像部15を通過してからライン撮像部17に到達するまでの間に、搬送方向及び幅方向にばらつく可能性が低くなる。その結果、ライン撮像部17で取得した写真画像に対して精度良く切り出し領域が設定されることになり、位置ずれのない写真画像の形成されたIDカードを作成することができる。
【0114】
(制御フロー)
図9は、第1の実施形態に係るエッジ検出処理のフロー図である。一例であり、これに限定するものではない。本エッジ検出処理は、ROM32に記憶されている制御プログラムに基づいて、CPU30が処理を実行することにより実現される。尚、既に、搬送ローラ12及び搬送ベルト19がそれぞれ搬送ローラ駆動部35及び搬送ベルト駆動部36により駆動され、申請書1が先端検出センサ14の手前まで搬送されて来ているものとする。また、赤外LED161及び赤外LED162は、ともに消灯しているものとする。
【0115】
まず、CPU30は、申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されたか否かを判断する(ステップS31)。
【0116】
申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されたと判断すると(ステップS31;Yes)、CPU30は、赤外LED161を点灯させるとともに(ステップS32)、ライン撮像部15による撮像を開始する(ステップS33)。赤外LED161が点灯してからライン撮像部15による撮像を行わせるため、ライン撮像部15による撮像の開始タイミングを、赤外LED161の点灯タイミングよりも若干遅らせることが好ましい。
【0117】
申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されていないと判断すると(ステップS31;No)、CPU30は、申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されるまで待機する。
【0118】
次に、CPU30は、申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されてから所定時間T4を経過したか否かを判断する(ステップS34)。所定時間T4は、顔写真2の後端が撮像ラインLを通過する前(図8(a)の状態5)までの時間である。
【0119】
申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されてから所定時間T4を経過したと判断すると(ステップS34;Yes)、CPU30は、赤外LED161を消灯させるとともに赤外LED162を点灯させる(ステップS35)。
【0120】
申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されてから所定時間T4を経過していないと判断すると(ステップS34;No)、CPU30は、申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されてから所定時間T4を経過するまで待機する。
【0121】
次に、CPU30は、申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されてから所定時間T5(>T4)を経過したか否かを判断する(ステップS36)。所定時間T5は、顔写真2の搬送方向後側のエッジの影Sが撮像ラインLを通過した以降(図8(a)の状態6)までの時間である。
【0122】
申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されてから所定時間T5を経過したと判断すると(ステップS36;Yes)、CPU30は、ライン撮像部15による撮像を終了した後(ステップS37)、赤外LED162を消灯させる(ステップS38)。
【0123】
申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されてから所定時間T5を経過していないと判断すると(ステップS36;No)、CPU30は、申請書1の先端が先端検出センサ14により検出されてから所定時間T3を経過するまで待機する。
【0124】
次に、CPU30は、ライン撮像部15により撮像され取得された画像(図8(b)の(1)参照)から内側エッジを抽出する(図8(b)の(2)参照)(ステップS39)。
【0125】
次に、CPU30は、抽出された内側エッジの画像から4辺の直線を検出し(図8(b)の(3)参照)(ステップS40)、エッジ検出処理のフローを終了する。
【0126】
以上のように、第1及び第2の実施形態によれば、ライン型イメージセンサであるライン撮像部15を用いて顔写真2のエッジを検出することができる。
【0127】
ライン撮像部15及びライン撮像部17は、ライン型であるのでエリア型イメージセンサと比べて申請書搬送方向の長さが短くなる。このため、ライン撮像部15とライン撮像部17との間隔を短くすることができ、申請書が、ライン撮像部15を通過してからライン撮像部17に到達するまでの間に、搬送方向及び幅方向にばらつく可能性が低くなる。その結果、ライン撮像部17で取得した写真画像に対して精度良く切り出し領域が設定されることになり、位置ずれのない写真画像の形成されたIDカードを作成することができる。
【0128】
第1の実施形態では、照明ランプ161及び照明ランプ162を顔写真2のほぼ対角線方向に対向するように設けているが、これに限定するものではない。基本的には、申請書上1の顔写真2の影Sの状態を異ならせることができるように配置されていればどこでもよい。好ましくは、照明ランプ161により顔写真2の2辺に影Sが申請書1上に形成され、照明ランプ162により顔写真2の他の2辺に影が申請書1上に形成されるよう配置する。
【0129】
第1及び第2の実施形態では、2つの照明ランプ(照明ランプ161、162)を用いたが、これに限定するものではない。1つのリングライトを用い、リングライトの一部分を消灯するようにすることも可能である。また、3つ以上の照明ランプを用いることも可能である。
【0130】
第1及び第2の実施形態では、申請書1に貼付された顔写真2を撮像しIDカード用の顔画像を取得する撮像部としてライン型の撮像部を用いたが、必ずしもライン型の撮像部である必要はなくエリア型の撮像部を用いることも可能である。但し、精度良い切り出し領域を設定するためには、写真エッジ検出用のライン撮像部15とIDカード用の顔画像を取得する撮像部との間隔を短くできるライン型の撮像部を用いることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】IDカードを申請するための申請書の模式図である。
【図2】第1の実施形態に係る複写撮影装置の概略構成図である。
【図3】第1の実施形態に係る複写撮影装置の制御構成図である。
【図4】第1の実施形態に係る照明部16近傍の構成図である。
【図5】第1の実施形態に係るエッジ検出処理の概要を示した模式図である。
【図6】第1の実施形態に係るエッジ検出処理のフロー図である。
【図7】第2の実施形態に係る照明部16近傍の構成図である。
【図8】第2の実施形態に係るエッジ検出処理の概要を示した模式図である。
【図9】第2の実施形態に係るエッジ検出処理のフロー図である。
【符号の説明】
【0132】
1 申請書
2 顔写真
10 複写撮影装置
15 ライン撮像部(写真エッジ検出用)
16 照明部
161、162 照明ランプ
17 ライン撮像部(IDカード用)
30 CPU
40 IDカードプリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライン型イメージセンサを有し、ライン型イメージセンサに対して写真の貼付された用紙を移動させることにより前記写真の貼付された用紙の撮像を行い画像データを出力するライン撮像部と、
ライン撮像部を通過する前記写真に対して複数の異なる方向から照明可能な照明部と、
前記写真がライン撮像部を通過している間に、照明部による照明方向を異ならせ、得られた画像データの影画像から前記写真のエッジを検出する制御部と、
を有することを特徴とする複写撮影装置。
【請求項2】
前記照明部は、前記ライン撮像部の用紙搬送方向上流側及び下流側に照明ランプを有し、
前記制御部は、前記写真の用紙搬送方向前側が前記ライン撮像部に到達する前に上流側の照明ランプを点灯させ、前記写真の用紙搬送方向後側が前記ライン撮像部に到達する前に上流側の照明ランプを消灯または照明を暗くさせるとともに下流側の照明ランプを点灯させることを特徴とする請求項1に記載の複写撮影装置。
【請求項3】
前記写真は、方形状であり、
前記上流側の照明ランプは、前記写真の用紙搬送方向前側の用紙上、及び前記写真の左側又は右側のうち一方の側の用紙上に影を生じさせる位置に配置され、
前記下流側の照明ランプは、前記写真の用紙搬送方向後側の用紙上、及び前記写真の左側又は右側のうち一方の側と異なる側の用紙上に影を生じさせる位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の複写撮影装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記写真の用紙搬送方向前側が前記ライン撮像部に到達してから前記写真の用紙搬送方向後側が前記ライン撮像部に到達するまでの間、前記上流側の照明ランプと前記下流側の照明ランプとを交互に点灯させることを特徴とする請求項3に記載の複写撮影装置。
【請求項5】
前記写真は、方形状であり、
前記上流側の照明ランプ及び前記下流側の照明ランプは、前記用紙の移動方向と直交する方向における前記写真のほぼ中央に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の複写撮影装置。
【請求項6】
前記ライン型イメージセンサは、赤外光イメージセンサであり、
前記照明部は、赤外光を照射することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の複写撮影装置。
【請求項7】
ライン型赤外光イメージセンサを有し、ライン型赤外光イメージセンサに対して写真の貼付された用紙を移動させることにより前記写真の貼付された用紙の撮像を行い写真エッジ検出用の画像データを出力する第1のライン撮像部と、
第1のライン撮像部を通過する前記写真に対して複数の異なる方向から照明可能な照明部と、
第1のライン撮像部の用紙移動方向下流に配置され、ライン型可視光イメージセンサを有し、ライン型可視光イメージセンサに対して写真の貼付された用紙を移動させることにより前記写真の貼付された用紙の撮像を行いIDカード用の画像データを出力する第2のライン撮像部と、
前記写真が第1のライン撮像部を通過している間に、照明部による照明方向を異ならせ、第1のライン撮像部により得られた写真エッジ検出用の画像データの影画像から前記写真のエッジを検出し、検出された前記写真のエッジに基づいて第2のライン撮像部により得られたIDカード用の画像データから画像を切り出す制御部と、
を有することを特徴とする複写撮影装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項に記載の複写撮影装置と、
複写撮影装置から入力されるIDカード用の画像データに基づいてIDカード上に前記写真に対応する画像を形成するIDカードプリンタと、
を有することを特徴とするIDカード作成システム。
【請求項9】
第1のライン撮像部に対して写真の貼付された用紙を移動させることにより前記写真の貼付された用紙の撮像を行い写真エッジ検出用の画像データを出力する第1の撮像工程と、
第1の撮像工程において出力された写真エッジ検出用の画像データに基づいて前記写真のエッジを検出するエッジ検出工程と、
第2のライン撮像部に対して写真の貼付された用紙を移動させることにより前記写真の貼付された用紙の撮像を行いIDカード用の画像データを出力する第2の撮像工程と、
エッジ検出工程において検出された前記写真のエッジに基づいて、第2の撮像工程の撮像工程において出力されたIDカード用の画像データからIDカード用の写真画像を切り出す写真画像切出工程と、
写真画像切出工程において切り出された前記写真画像をIDカードプリンタによりIDカード上に形成する写真画像形成工程と、を有し、
前記第1の撮像工程は、
前記写真が前記第1のライン撮像部を通過している間に照明部による照明方向を異ならせる工程を含み、
前記エッジ検出工程は、
前記第1の撮像工程において出力された写真エッジ検出用の画像データに基づいて影画像を抽出する工程と、
抽出した影画像に基づいて前記写真のエッジを検出する工程と、を含むことを特徴とするIDカード作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−78948(P2008−78948A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−255136(P2006−255136)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】