説明

複合デザート及び該デザートを調製するための方法

本発明は、(i)ゼリー状組成物でできた外殻と、(ii)発酵若しくは非発酵乳ベースの製品、及び/又はチョコレート、コーヒー、茶、穀類、果実、野菜、肉、魚、穀類、若しくはそれらの組合せを含むピューレ、スプレッド、パスタ、充填組成物、クリーム、発泡組成物若しくはムースでできた少なくとも1種の食用包含物とを組み合わせて含むことを特徴とする複合食品に関する。前記発明は、さらに、そのような複合食品を調製する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、複合デザートに関わる。より具体的には、本発明は、半透明又は透明であることが好ましいゼリー中に配置される少なくとも1種の乳ベースの包含物を含む複合デザートに関わる。
【0002】
[発明の背景]
少なくとも2つの異なる層がポット中に重ねられている複合食品、例えば、複合デザートなどが知られている。1つの層は、例えばデザートクリーム又はヨーグルトなどの乳ベースの内容物を含むことができる一方、別の層は、例えば果実ジュースをベースにしたゼリー状組成物であろう。第3の層は、例えば、ムース又は「クリームシャンティ」のような泡立てクリームを包含し得る。そのようなデザートの存在は、とりわけいわゆる「分子料理法(molecular cooking)」の流行に後押しされ、飲食店においてますます一般的になっている。
【0003】
消費者にとって魅力的であるため、そのような種類のデザートは非常によく知られており、したがって、この領域において新規性及び独創性が必要とされている。
【0004】
食料品店において、ゼリーをベースにした現在の製品提供は、ゼリー組成物の価格の低さに後押しされ、依然として比較的地味及び単調なままである。新規の色及びパッケージを探すためになされた努力とは別に、この大量生産品の種類は、製品組成、フレーバー、及びテクスチャーに関する新規性及び独創性も欠いている。
【0005】
ゼリーカップ製品にわずかな差別化をもたらすために、製造業者によりいくつかの試みがなされてきた。果実片包含物又は特別な形状を有するカットゲル包含物を含有する加工ゼリーは、主にアジアの市場で市販されている。しかし、そのような製品は、包含物の形状を決定するゼリーのプレカットを必要とする。このプロセスは、製品に注入することができる包含物の寸法も限定する。
【0006】
したがって、包含物の寸法及び形状を容易に決定し、工業規模の製造プロセスに対応させることができるデザートを提供することが本発明の目的である。
【0007】
さらに、食料品店において大量消費者に提案されているゼリーの大部分が、水、粘性化剤及びフレーバー、甘味料、着色剤等のような添加剤でできていることも知られている。これにより、そのような製品は人工的であると認識されている。さらに、それらの栄養価は非常に乏しい。
【0008】
したがって、依然としてゼリー製品をベースにしながらもより健康的なデザートを消費者に提供することが本発明のさらなる目的である。
【0009】
[発明の概要]
上述の必要性及び目的は、以下の連続的ステップ、すなわち、
(i)少なくとも1種の果実及び/又は野菜ジュース、或いは魚、肉、コーヒー、茶又は他の植物、又は穀類の抽出物を含有する水ベースの組成物と、カラギーナン又は別の相当するゼリー化剤、例えば、ゼラチン、グアーガム、寒天など、若しくはそれらの混合物などの少なくとも1種のゲル化材料とのミックスを調製し、前記ミックスを少なくとも70℃まで少なくとも3分間加熱し、次いで、前記ミックスを12と50℃の間に包含される、好ましくは30と45℃の間に包含される温度まで冷却して前記ミックスを増粘するステップと、
(ii)発酵若しくは非発酵乳ベースの製品、及び/又はチョコレート、コーヒー、茶、穀類、果実、野菜、肉、魚、穀類、若しくはそれらの組合せを含むピューレ、スプレッド、パスタ、充填組成物、クリーム、発泡組成物若しくはムースを調製するステップであって、前記乳組成物が60℃を上回る温度及び少なくとも220バールの圧力で少なくとも15秒間均質化され、次いで、前記乳組成物及び/又は前記ピューレ、スプレッド、パスタ、充填組成物、クリーム、発泡組成物若しくはムースが少なくとも80℃で少なくとも5分間加熱され、次いで、前記乳組成物及び/又は前記ピューレが5℃以下の温度、好ましくは4℃と等しい温度まで冷却される、ステップと、
(iii)該ジュース又は水ベースの組成物ミックスをその固化温度を下回る温度で容器に投入するが、投入ステップ全体の間に動かし続けてその液体状態を維持するステップであって、前記投入が、前記ミックスが最終的製品体積の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60、より好ましくは少なくとも70%を占めるようなものである、ステップと、
(iv)該乳組成物及び/又はピューレ、スプレッド、パスタ、充填組成物、クリーム、発泡組成物若しくはムースを増粘ジュースミックスに少なくとも1回注入して、乳組成物及び/又はピューレ、スプレッド、パスタ、充填組成物、クリーム、発泡組成物若しくはムースの少なくとも1種の包含物をゼリー状ジュース中に形成するステップと、
(v)前記包含物(複数可)が発酵乳を含む場合、場合により、得られた複合食品を少なくとも30℃の温度、好ましくは約40℃の温度で少なくとも3分間インキュベートして、該包含物の凝固を活性化するステップと、
(vi)前記食品を貯蔵温度で冷却するステップであって、前記温度が好ましくは1と9℃の間、より好ましくは5と7℃の間に包含される、ステップと
を含むことを特徴とする、複合食品を製造する方法により満たされる。
【0010】
「水ベースの組成物」とは、主要な材料が水であるが、液体組成物に添加特性(味、色、テクスチャー等)をもたらすことができる上述の材料のいずれかを含有する液体組成物を生成するために、主要な材料として水を用いること、及び肉、魚、コーヒー、茶、又は植物抽出物のようなさらなる非水材料を添加することにより調製される組成物を意味する。
【0011】
「充填組成物」とは、1種又は複数の材料を刻んで混合することにより調製される任意の組成物を意味する。そのような充填組成物は、通常、食品の中空片を充填することで知られている。そのような充填組成物は、別に、調理分野において「詰め物」として知られている。
【0012】
有利なことに、該包含物は、4と50℃の間に包含される温度、好ましくは約42℃の温度で増粘ジュースミックスに注入される。
【0013】
本発明の第1の可能な実施形態において、該投入ステップは、最初に該ジュース又は水ベースのミックスを注入し、次に前記ジュース又は水ベースのミックスに対して移動可能な針を使用して乳組成物及び/又はピューレ、スプレッド、パスタ、充填組成物、クリーム、発泡組成物若しくはムースの包含物を該ジュース又は水ベースのミックスに2次針注入することにより、該容器中で連続的及び直接的に達成される。
【0014】
本発明の第2の可能な実施形態において、該投入ステップは、最初に該ジュース又は水ベースのミックスを注入し、次に該ジュース又は水ベースのミックスの表面の上にノズルが配置された状態で乳組成物及び/又はピューレ、スプレッド、パスタ、充填組成物、クリーム、発泡組成物若しくはムースの包含物を2次注入することにより、該容器中で連続的及び直接的に達成される。
【0015】
本発明の別の態様は、
(i)ゼリー状組成物でできた外殻、
(ii)発酵若しくは非発酵乳ベースの製品、及び/又は
チョコレート、コーヒー、茶、穀類、果実、野菜、肉、魚、穀類、若しくはそれらの組合せを含むピューレ、スプレッド、パスタ、充填組成物、クリーム、発泡組成物若しくはムース
でできた少なくとも1種の食用包含物
を組み合わせて含むことを特徴とする、上記の説明による方法に従って得られる複合食品を対象とする。
【0016】
本発明の非常に好ましい実施形態において、ゼリー状組成物の水分活性AwはAw≧0.95である。
【0017】
有利なことに、ゼリー状組成物は、少なくとも1種の果実及び/又は野菜ジュース、或いは魚、肉、コーヒー、茶又は他の植物、又は穀類の抽出物を含有する水ベースの組成物を含み、カラギーナン又は別の相当するゼリー化剤、例えば、アルギネート、イナゴマメ(carob)、キサンタン、ジェラン、カルボキシメチルセルロース、ペクチン、デンプン若しくはその誘導体、ゼラチン、グアーガム、寒天、若しくはそれらの混合物などの少なくとも1種のゲル化材料をさらに含む。
【0018】
好ましくは、ゼリー状組成物中の増粘材料の濃度は0.1と5.0%の間、好ましくは0.5と1.5%の間に包含される。
【0019】
本発明の1つの可能な態様において、ゼリー状組成物は通気される及び/又は泡立てられる。
【0020】
ゼリー状組成物のテクスチャーは、
(i)8℃でTAXT2試験法により測定される破断力が75と180グラムの間に包含され、
(ii)ブルックフィールド粘度法(モジュール92、回転速度5rpm)により42℃で測定される静的粘度が1000と1200cPの間に包含される
ようなものであることが最も好ましい。
【0021】
さらに、ゼリー状組成物のpHは、好ましくは3.0と6.0の間、好ましくは3.5と5.0の間に包含され、該包含物のpHも好ましくは3.0と6.0の間、好ましくは3.5と5.0の間に包含される。
【0022】
有利なことに、ゼリー状組成物は半透明又は透明である。しかし、ゼリー状組成物は、場合によっては不透明でもよい。
【0023】
本発明のさらなる特徴及び利点は、以下に図面を参照しながら説明するいくつかの実施形態の説明に記載しており、それから明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明による複合食品の1つの第1の実施形態を示している概略的斜視図である。
【図2】図2は、本発明による複合食品の1つの第2の実施形態を示している概略的斜視図である。
【図3】図3は、様々な粘度測定値を示しているダイアグラムである。
【0025】
[発明の詳細な説明]
図1において、本発明による複合食品1の可能な第1の実施形態を示している。以下の説明から理解されるように、複合製品1はデザート(すなわち甘味食品)でもよいが、複合塩味食品でもよい。より正確には、該食品は、半透明のゼリー状組成物でできた外殻2を含み、それは異なる製品を含む包含物3を包囲する。
【0026】
「外殻」とは、ゼリー状組成物が、以下に説明する包含物を周囲空気から分離することを意味する。このことは、図1又は2に示している例で詳しく説明している。しかし、実際は、製造プロセスにより課される物理的制約があるため、該包含物の非常に小さな領域が周囲空気と接触する可能性はある。そのような領域は、該包含物を注入するのに使用するノズルの分配開口部の断面より大きくてはならない。そのような領域は1mm以下であることが好ましい。
【0027】
ゼリー状組成物は、果実ジュース及びカラギーナンである1種の増粘材料を含む。
【0028】
或いは、ゼリー状組成物は、野菜ジュースから生成することができるか、又は例えば、魚、肉、コーヒー、茶若しくは他の植物、若しくは穀類の抽出物を含有する水ベースの組成物であってもよい。穀類とは、全ての種類の穀類抽出物を包含することを意図しているが、大豆、米又はアーモンド乳抽出物も包含する。
【0029】
図1から分かるように、該食品は、発酵乳ベースの製品、より正確には発酵ヨーグルトでできた1種の包含物3をさらに含む。場合により、乳組成物は発泡組成物である。前記乳は、大豆、米又はアーモンド由来でもよい。
【0030】
「包含物」とは、製品の体積の少なくとも50%がゼリーに包囲されるようにゼリー2内に包含される体積の製品であって、前記製品が周囲空気(又は該デザートがポット5に詰められる場合はヘッドスペース4)と接触していないことを意味する。該包含物の最小体積(又は各包含物の最小合計体積)は、本発明によるデザート1の合計体積の0.5%を占める。
【0031】
複合製品、例えばデザート1の調製は、以下のステップを含む。
【0032】
濾過により清澄化することができる果実ジュースのミックスを調製し、約70℃まで約5分間加熱する。該ジュースが70℃になると、最終的ゼリー状ミックスにおけるカラギーナンの濃度が約0.1〜1.5%となり、グアーガムの濃度が0.1と1%の間となるように、カラギーナン及びグアーガム粉末を該ジュースに添加する。次いで、前記ミックスを約30〜40℃の温度まで冷却すると、増粘剤の固有の特性が原因で該ミックスが増粘し始める。
【0033】
次いで、乳組成物を70℃の温度及び約250バールの圧力で少なくとも15秒間均質化して、調製する。次いで、前記乳組成物を低温殺菌処理のために92℃で6分間加熱する。最終的に、前記乳組成物を40℃の温度まで冷却し、ラクト−酵素(lacto-ferments)を該乳組成物に添加して発酵ヨーグルトを生成する。
【0034】
次いで、該ジュースミックスが最終製品体積の約80%を占めるように、前記ミックスをポットに供給する。
【0035】
次いで、該乳組成物を約30〜45℃の温度で増粘ジュースミックスに注入して、図1に表す1つの乳組成物の包含物をゼリー状ジュース中に形成する。この包含物は最終製品体積の残りの部分を充填し、すなわち、乳製品の包含物は最終製品体積の約10〜30%を占める。
【0036】
該包含物を投入すると、ゼリーミックスの温度を前記ミックスの固化温度以下に維持する。
【0037】
これは、機械速度を可能な限り高く維持するためには、生産ライン上で該包含物の注入の力に耐えることができるように、及びこの包含物の所定の固有の形状を得ることができるように、ゼリーがポットに詰められた後に非常に速く固化する必要があるためである。ゼリーの温度をその融点以下に維持するが、機械撹拌の形態でエネルギーをもたらすことで流体状態に維持することにより、液体状態のゼリーをポットに詰めることが可能である。より正確には、ゼリーミックスバッチを半密閉回路中で流動させ続ける。ゼリーミックスは、ゼリーミックスストックとして機能するこの回路からパッケージに直接投入する。
【0038】
ポットに詰められるとすぐにゼリーは固化し始めて、10〜15秒以内に約1000〜1200cPの粘度に達する。その短い固化期間の間に該包含物を注入する。次いで、デザート全体をより低い温度、例えば、冷蔵庫に置いて、ゼリーの固化を完成させる。
【0039】
図1に表す例において、乳ベースのヨーグルトは発酵ヨーグルトであり、pH4.6で凝塊を得るために、約40℃の温度で少なくとも4時間の複合食品のインキュベートを必要とする。
【0040】
最終的に、該食品を25〜30℃で沈静させて発酵を停止し、1と9℃の間、より好ましくは5と7℃の間に包含される貯蔵温度で冷却する。
【0041】
ゼリーミックス特性及び包含物の投入条件により、包含物(複数可)の数、寸法及び形状は変動することができ、ランダムに配置及び付形することができるか、又はゼリーミックス及び包含物の粘度及びテクスチャー特性、さらには投入プロセスパラメーターを制御することにより再現可能な様式で制御することができる。
【0042】
固化した後、すなわち最終製品において、ゼリー状組成物のテクスチャーは、実質的に貯蔵温度に相当する約8℃の温度で、モジュール直径2.5cm、貫入10mm、及び貫入速度1mm/秒でTAXT2試験法を使用することにより測定される破断力が75と180グラムの間に包含されるようなものである。
【0043】
42℃で測定される静的粘度は、1000と1200cPの間に包含される。各測定の結果は図3に示す。
【0044】
43℃と41℃の間に包含される温度範囲は、一般に、ゼリー状組成物が詰められ、各包含物が注入される温度範囲である。
【0045】
ゼリー状組成物のpHは3.0と6.0の間、好ましくは3.5と5.0の間に包含され、その水分活性Awは0.95以上であり、Awは1.0以上であることが好ましい。
【0046】
発酵ヨーグルトの包含物のpHは3.0と6.0の間、好ましくは3.5と5.0の間に包含される。
【0047】
図2に表す本発明の第2の実施形態において、ポット5に詰められた複合食品1は、約30〜45℃の温度で増粘ジュースミックスに注入されて複数の乳組成物の包含物3をゼリー状ジュース2中に形成する乳組成物を含む。ゼリー2に注入された乳組成物3の合計体積は、最終的製品体積に達するのに十分であり、すなわち最終的製品体積の約10〜20%であり、ポット5の体積の残りの部分はヘッドスペース4である。
【0048】
本発明による複合食品の他のレシピは、制限することを意図するものではない以下の実施例を含むことができる。
【0049】
実施例1 アールグレイ紅茶ゼリーへのココナッツヨーグルトの包含
ココナッツヨーグルト:
撹拌ヨーグルトカード:74.20%
ココナッツシロップ:25.80%
アールグレイ紅茶ゼリー:
アールグレイ紅茶:91.09%
カラギーナン(例えば、BW56):0.60%
糖:8.00%
グアーガム(例えば、メイプロドール(Mayprodor)400):0.30%
クエン酸:0.01%
【0050】
実施例2 気泡入りのリンゴジュースゼリーへのフレッシュチーズの包含
フレッシュチーズ:
カードフレッシュチーズ:62.00%
脱脂乳:15.00%
クリーム(35%脂肪):15.00%
糖:8.00%
気泡入りのリンゴジュースゼリー:
リンゴジュース:98.8%
ゼラチン(例えば、275PS30):1.00%
寒天(例えば、フラノゲン(Flanogen)P):0.2%
次いで、ゼリーを48%のオーバーランで通気する
【0051】
実施例3 バナナクリームゼリーへのハチミツヨーグルトの包含
ハチミツヨーグルト:
カード撹拌ヨーグルト:91.70%
液体ハチミツ:9.30%
バナナクリームゼリー:
バナナクリーム:99.35%
カラギーナン(例えば、BW56):0.50%
グアーガム(例えば、メイプロドール400):0.15%
【0052】
実施例4 トマトゼリーへの「サーモンヨーグルト」の包含
サーモンヨーグルト:
無脂肪カードヨーグルト:78.10%
クリーム(35%脂肪):19.80%
オリーブ油:1.70%
塩を有するサーモン粉末:0.40%
トマトゼリー:
トマトジュース:98.80%
カラギーナン(例えば、BW56):1.00%
グアーガム(例えば、メイプロドール400):0.2%
【0053】
上記の全ての実施形態において、包含物は、2つの異なる種類の製造プロセスにより形成することができる。第1のプロセスは、ゼリーミックスに突き刺さり、次いで、製品を投入して包含物を形成しながら前記ミックスに対して上方に移動する針により包含物を注入することを含む。第2の代替のプロセスは、投入ノズルとゼリーミックスを接触させることなく包含物を投入することを含む。この場合、該ノズルは、ゼリーミックスの液面より上に配置される。該ミックスは十分に軟らかく維持され、該包含物を形成している製品は該ノズルから所定の速度で放出され、その結果、該包含物は該ミックスに貫入する。
【0054】
さらに、本発明による製品の包含物がヨーグルトを含有するならば、そのようなヨーグルトは発酵により得ることができるが、他のプロセスにより得ることもできる。ヨーグルトの凝固は、例えば、化学的酸化による(例えば、グルコノ−デルタ−ラクトンを乳に添加することによる)、又は酵素的処理による(例えば、レンネットを乳に添加することによる)ことができる。
【0055】
本明細書に記載の現在好ましい実施形態に対する様々な変更及び修正が当業者に明らかとなろうことは理解されたい。そのような変更及び修正は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、及びその付随する利点を損なうことなくなされ得る。したがって、そのような変更及び修正が添付の特許請求の範囲により包含されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の連続的ステップ、
(i)少なくとも1種の果実及び/又は野菜ジュース、或いは、魚、肉、コーヒー、茶もしくは他の植物、又は穀類の抽出物を含有する水ベースの組成物と、カラギーナン又は別の相当するゼリー化剤、例えば、ゼラチン、グアーガム、寒天など、若しくはそれらの混合物などの少なくとも1種のゲル化材料とのミックスを調製し、前記ミックスを少なくとも70℃まで少なくとも3分間加熱し、次いで、前記ミックスを12と50℃の間に包含される、好ましくは30と45℃の間に包含される温度まで冷却して前記ミックスを増粘するステップと、次に
(ii)発酵若しくは非発酵乳ベースの製品、及び/又はチョコレート、コーヒー、茶、穀類、果実、野菜、肉、魚、穀類、若しくはそれらの組合せを含むピューレ、スプレッド、パスタ、充填組成物、クリーム、発泡組成物若しくはムースを調製するステップであって、前記乳組成物が60℃を上回る温度及び少なくとも220バールの圧力で少なくとも15秒間均質化され、次いで、前記乳組成物及び/又は前記ピューレ、スプレッド、パスタ、充填組成物、クリーム、発泡組成物若しくはムースが少なくとも80℃まで少なくとも5分間加熱され、次いで、前記乳組成物及び/又は前記ピューレが5℃以下の温度、好ましくは4℃と等しい温度まで冷却される、ステップと、次に
(iii)前記ジュース又は水ベースの組成物ミックスをその固化温度を下回る温度で容器に投入するが、投入ステップ全体の間に動かし続けてその液体状態を維持するステップであって、前記投入が、前記ミックスが最終製品体積の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60、より好ましくは少なくとも70%を占めるようなものである、ステップと、次に
(iv)前記乳組成物及び/又はピューレ、スプレッド、パスタ、充填組成物、クリーム、発泡組成物若しくはムースを前記増粘ジュースミックスに少なくとも1回注入して、乳組成物及び/又はピューレ、スプレッド、パスタ、充填組成物、クリーム、発泡組成物若しくはムースの少なくとも1種の包含物を前記ゼリー状ジュース中に形成するステップと、
(v)前記包含物が発酵乳を含む場合、場合により、得られた複合食品を少なくとも30℃の温度、好ましくは約40℃の温度で少なくとも3分間インキュベートして、前記包含物の凝固を活性化するステップと、次に
(vi)前記食品を貯蔵温度で冷却するステップであって、前記温度が好ましくは1と9℃の間、より好ましくは5と7℃の間に包含される、ステップと
を含むことを特徴とする、複合食品を製造する方法。
【請求項2】
前記包含物が4と50℃の間に包含される温度、好ましくは約42℃の温度で前記増粘ジュースミックスに注入される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記投入ステップが、最初に前記ジュース又は水ベースのミックスを注入し、次に前記ジュース又は水ベースのミックスに対して移動可能な針を使用して、乳組成物及び/又はピューレ、スプレッド、パスタ、充填組成物、クリーム、発泡組成物若しくはムースの包含物を前記ジュース又は水ベースのミックスに2次針注入することにより、前記容器中で連続的及び直接的に達成される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記投入ステップが、最初に前記ジュース又は水ベースのミックスを注入し、次に前記ジュース又は水ベースのミックスの表面の上にノズルが配置された状態で乳組成物及び/又はピューレ、スプレッド、パスタ、充填組成物、クリーム、発泡組成物若しくはムースの包含物を2次注入することにより、前記容器中で連続的及び直接的に達成される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法により得られる複合食品(1)であって、
(i)ゼリー状組成物でできた外殻(2)、
(ii)発酵若しくは非発酵乳ベースの製品、及び/又は
チョコレート、コーヒー、茶、穀類、果実、野菜、肉、魚、穀類、若しくはそれらの組合せを含むピューレ、スプレッド、パスタ、充填組成物、クリーム、発泡組成物若しくはムース
でできた少なくとも1種の食用包含物(3)
を組み合わせて含むことを特徴とする複合食品。
【請求項6】
ゼリー状組成物(2)の水分活性AwがAw≧0.95である、請求項5に記載の複合食品(1)。
【請求項7】
ゼリー状組成物(2)が、少なくとも1種の果実及び/又は野菜ジュース、或いは魚、肉、コーヒー、茶又は他の植物、又は穀類の抽出物を含有する水ベースの組成物を含み、カラギーナン又は別の相当するゼリー化剤、例えば、ゼラチン、グアーガム、寒天など、若しくはそれらの混合物などの少なくとも1種のゲル化材料をさらに含む、請求項5又は6に記載の複合食品(1)。
【請求項8】
ゼリー状組成物中の増粘材料の濃度が0.1と5.0%、好ましくは0.5と1.5%の間の間に包含される、請求項7に記載の複合食品(1)。
【請求項9】
ゼリー状組成物(2)が通気される及び/又は泡立てられる、請求項5〜8のいずれか一項に記載の複合食品(1)。
【請求項10】
ゼリー状組成物(2)のテクスチャーが、
(i)TAXT2試験法により測定される破断力が75と180グラムの間に包含され、
(ii)ブルックフィールド粘度法(モジュール92、回転速度5rpm)により42℃で測定される静的粘度が1000と1200cPの間に包含される
ようなものである、請求項5〜9のいずれか一項に記載の複合食品(1)。
【請求項11】
ゼリー状組成物(2)のpHが3.0と6.0の間、好ましくは3.5と5.0の間に包含され、前記包含物を形成している製品(3)のpHが3.0と6.0の間、好ましくは3.5と5.0の間に包含される、請求項5〜10のいずれか一項に記載の複合食品(1)。
【請求項12】
ゼリー状組成物(2)が半透明又は透明である、請求項5〜11のいずれか一項に記載の複合食品(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−500012(P2012−500012A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523392(P2011−523392)
【出願日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際出願番号】PCT/EP2009/060481
【国際公開番号】WO2010/020576
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】