説明

複合乳化ドレッシング類、それを用いたサラダ及びサンドイッチ

【課題】離水を抑制することができるドレッシング類を提供する。
【解決手段】複合乳化ドレッシング類は、エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有する。サラダ及びサンドイッチは、上記の複合乳化ドレッシング類を用いて製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合乳化ドレッシング類、それを用いたサラダ及びサンドイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
野菜、果物等と、マヨネーズなどのドレッシングを混合したサラダは、食の洋風化及び健康志向を背景に人気のある料理である。サラダは、スーパー等ではパックサラダ形式で販売され、デパート等では対面販売されている。また、サラダは、手軽に食べられる料理として、現代人の食生活に溶け込んでいるサンドイッチにも広く使われている。
【0003】
しかし、野菜、果物等は、水分を多く含むため、それらの素材を使用したサラダは、調理してから数時間が経過すると、離水を起こし、液だれが生じ、その結果、サラダの見栄えが悪くなるだけでなく、その食感や風味が悪化するという問題がある。それ故、離水の起きたサラダに対する消費者の購買意欲は、低下してしまう。サラダにおける離水とは、生野菜等の水分の多い原料を用いてサラダを作った場合に、浸透圧の作用により時間の経過とともに原料から水分が滲みだし、サラダがべちゃべちゃになってしまう現象である。
【0004】
また、サラダにおいては、野菜や果物等に混合したマヨネーズなどからも水相や油相が分離して、液だれを助長することがある。
【0005】
さらに、調理パンやサンドイッチの場合も、サラダやフィリング等の離水や液だれが生じると、パンが湿り、パンの食感や風味が悪化し、その結果、調理パンやサンドイッチそのものの商品価値が損なわれることになる。
【0006】
そのため、従来、食品の保水性を向上させ、液だれを抑制するために、増粘多糖類、澱粉類等の増粘剤を食品へ添加することが行われていた(例えば特許文献1参照)。
【0007】
しかし、離水の抑制は、増粘多糖類、澱粉類等の増粘剤を食品へ添加する方法だけでは十分な効果は得られていない。また食品の製造工程において、増粘剤が「だま」になったり、食品に増粘剤を入れ過ぎると粘着性が増すため、食感が著しく悪くなるという欠点があった。
【0008】
また、マヨネーズなどのドレッシングの場合、増粘多糖類、澱粉類等の増粘剤を多量に添加すると、保水性は改善されるものの、高粘度になってしまい、乳化の際に転相しやすくなる傾向にあり、離水の抑制についても十分ではなかった。
【0009】
さらに、増粘多糖類、澱粉類等の増粘剤を食品へ添加する方法で製造されたサラダは、見た目にもねっとり感があり、必ずしも消費者の購買意欲を起こさせるものではなかった。
【0010】
一方、貯蔵安定性の良いW/O/W型に複合乳化されてなるドレッシング類も提案されていた(例えば、特許文献2、3参照)。
【0011】
これらの提案に係るW/O/W型の複合乳化されたドレッシング類においては、ドレッシング類そのものの貯蔵安定性は検討されているが、サラダを製造したときの十分な離水抑制については検討されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平11−318384号公報
【特許文献2】特許第4208939号公報
【特許文献3】特開昭60−184366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記の問題を解決する為になされたものである。すなわち本発明は、食品の離水を抑制する複合乳化ドレッシング類を提供すること、及びそのドレッシング類を用いたサラダ、サンドイッチ等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様によれば、エステル化度が30%を超え、40%以下で、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(以下、PGPRという)を含有する、製造後24時間経過時の粘度が27万mPa・s以上、40万mPa・s以下である、複合乳化ドレッシング類を提供することができる。
【0015】
本発明の一態様によれば、エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有し、吸水力を有する複合乳化ドレッシング類を提供することができる。
【0016】
本発明の一態様によれば、エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有し、吸水力を有する複合乳化ドレッシング類を使用したサラダを提供することができる。
【0017】
本発明の一態様によれば、エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有し、吸水力を有する複合乳化ドレッシング類を使用した食品を提供することができる。
【0018】
本発明の一態様によれば、エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有し、吸水力を有する複合乳化ドレッシング類を使用したサンドイッチを提供することができる。
【0019】
本発明の一態様によれば、エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有し、吸水力を有する複合乳化ドレッシング類を使用した食品からの離水抑制方法を提供することができる。
【0020】
本発明の一態様によれば、エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有し、吸水力を有する複合乳化ドレッシング類を使用した食品の製造方法を提供することができる。
【0021】
本発明の一態様によれば、エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有し、吸水力を有する複合乳化ドレッシング類を製造する為の、エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有するW/O型乳化物を提供することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、食品の離水を抑制する複合乳化ドレッシング類が提供され、及びそのドレッシング類を用いたサラダ、サンドイッチ等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第2の実施の形態の複合乳化ドレッシング類の吸水効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
本発明のドレッシング類は、エステル化度が30%を超え、40%以下で、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるPGPRを含有する、製造後24時間経過時の粘度が27万mPa・s以上、40万mPa・s以下である、複合乳化ドレッシング類である。
【0025】
本発明の複合乳化ドレッシング類とは、サラダやサンドイッチ等の食品に使用することのできる、水性成分と油性成分を有する乳化組成物であり、二つ以上の水相と一つ以上の油相を有するドレッシング類である。
【0026】
本明細書において、ドレッシング類とは、例えば、日本農林規格(JAS規格;Japanese Agricultural Standard)のひとつ「ドレッシングの日本農林規格」に記載のマヨネーズ、半固体状ドレッシング、サラダクリーミードレッシング等の食品をいうが、これらに限定されない。また、本明細書におけるドレッシング類には、野菜や果物等、他の固体成分や液体成分を含んだ食品も含まれる。
【0027】
本発明の複合乳化ドレッシング類は、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(polyglycerol condensed ricinolate 又はpolyglycerol−polyricinolate;以下、PGPRという)を含有する。
本発明のPGPRのエステル化度は、30%を超え、40%以下であり、好ましくは、33%以上、38%以下の範囲である。
PGPRは、ドレッシング類全部を100としたときの重量%で、0.6%〜1.2%であることが好ましい。
【0028】
本発明のリシノール酸縮合度は、5以上、8以下の範囲である。
本発明の製造後24時間経過時の粘度は、27万mPa・s以上、40万mPa・s以下の範囲である。
【0029】
PGPRのエステル化度とは、ポリグリセリン部分への縮合リシノール酸の結合している割合をいう。ポリグリセリンは、平均重合度をnとすると、分子内に平均(n+2)個の水酸基を有し、ポリグリセリン1分子に対し、1〜(n+2)分子までの縮合リシノール酸をエステル結合することが可能である。縮合リシノール酸がエステル結合されていない場合をエステル化度0%といい、全ての水酸基がエステル結合されている場合をエステル化度100%という。PGPRには種々のエステル化度のものが含まれており、その平均エステル化度をもってPGPRのエステル化度とする。
【0030】
リシノール酸縮合度とは、リシノール酸が脱水縮合している割合をいう。リシノール酸のカルボキシル基と他のリシノール酸の水酸基がエステル化し、2分子のリシノール酸が縮合している場合を縮合度2、6分子のリシノール酸が縮合している場合を縮合度6という。PGPRには種々の縮合度のリシノール酸が含まれており、その平均縮合度をもってリシノール酸縮合度とする。
【0031】
本明細書において、ドレッシング類とは、マヨネーズ、半固体状ドレッシング、サラダクリーミードレッシング等の食品をいう。
【0032】
内水相及び外水相は、水のみでもよいが、醸造酢、水、食塩、砂糖類(例えば、ショ糖等)、調味料(例えば、グルタミン酸ナトリウム等)、増粘多糖類(例えば、キサンタンガム等)、澱粉類等を混合し溶解したものが好ましい。
さらに、外水相は、卵を含んでいる。下記の実施例では、外水相は卵黄を含んでいるが、全卵でもよい。
本発明のサラダ及びサンドイッチは、それぞれ上記の本発明の複合乳化ドレッシング類を用いたサラダ及びサンドイッチである。
【実施例】
【0033】
次に本発明のドレッシング類の実施例を説明する。表1は、本実施例で用いたPGPRの種類と、その種類毎のエステル化度とリシノール酸縮合度とを示す。表2は、製造したドレッシング類の配合をパターン毎に重量%で示す。
【0034】
表1に示す4種類のPGPRと、表2に示す5種類の配合パターンの20の組合せのドレッシング類を製造した。
4種類のPGPR(P-A,P-B,P-C,P-D)は、それぞれ表1に示すような、エステル化度及びリシノール酸縮合度を有する。
【表1】

【0035】
5種類の配合パターン(PT1,PT2,PT3,PT4,PT5)は、それぞれ表2に示すような、乳化部及び外水相部の配合割合を有する。表2中の各数値は、全体を100としたときの重量%を示す。
【表2】

【0036】
4種類のPGPRと5種類の配合パターンの組合せに対応する20種類のドレッシング類を製造し、ドレッシング類製造時の粘度及び製造翌日(製造後24時間経過時)の粘度を比較した。粘度は、BH型粘度計を使用して、6号ローターで2rpmの回転速度で測定した。
【0037】
その粘度比較の結果を、表3Aと表3Bに示す。表3Aと表3Bにおいて、ドレッシング類の配合番号は、PGPRの種類と配合パターンの組み合わせを示す。例えば、「P-C-PT1」は、PGPRの種類は、表1に示す「P-C」で、配合パターンは、表2に示す「PT1」であるドレッシング類であることを示している。
【表3A】

【表3B】

【0038】
表3Aに示すように、粘度維持率(=製造翌日粘度/製造時粘度)は、PGPRのエステル化度が20(PGPR(P-A))の場合、5種類の配合パターン(PT1,PT2,PT3,PT4,PT5)について、それぞれ41.2%,34.4%,59.4%,60.6%,51.5%であり、PGPRのエステル化度が33.5(PGPR(P-B))の場合、5種類の配合パターン(PT1,PT2,PT3,PT4,PT5)については、それぞれ33.6%,101.3%,88.6%,85.3%,75.0%であった。
【0039】
さらに、表3Bに示すように、粘度維持率は、PGPRのエステル化度が37.5(PGPR(P-C))の場合、5種類の配合パターン(PT1,PT2,PT3,PT4,PT5)については、それぞれ56.3%,97.3%,98.8%,92.2%,74.1%であり、PGPRのエステル化度が42(PGPR(P-D))の場合、5種類の配合パターン(PT1,PT2,PT3,PT4,PT5)については、それぞれ26.9%,37.5%,84.4%,101.3%,109.6%であった。
【0040】
さらに、サラダの一つとしてキャベツサラダに、上記の20種類の製造したドレッシング類を用いたものについて、離水状況と食感を評価した。
評価は、キャベツ粗千切り(4〜5mm幅に切ること)と20種類のドレッシング類のそれぞれを、キャベツ80に対してドレッシング類20の割合(重量比)で混合したサラダを製造し、そのサラダを透明トレイパックに100g分充填して、10℃で保管して、設定した経過時間後に官能評価を行うことにより実施した。設定した経過時間は、製造から、24時間、48時間、及び72時間である。
離水状況は、各評価者に目視により判定してもらい、サラダの食感は、各評価者に実際に食して評価してもらった。
【0041】
評価基準は、次のような基準による。
目視により、離水していないと判定された場合
食感がよい場合(○)、よくも悪くもない場合(△)は、1点とし、
食感が悪い場合(×)は、0点とした。
【0042】
目視により、離水していると判定された場合
食感がよい場合(○)、よくも悪くもない場合(△)、悪い場合(×)のいずれの場合も、−1点とした。
【0043】
実際に評価者8名に20種類のドレッシング類を用いて製造した20種類のサラダを目視して、かつ実際に食して上記評価基準で評価してもらい、スコア合計値を、評価者の人数で除した数値を総合スコアとした。
【0044】
そして、各ドレッシング類を次の評価基準(総合スコアの評価基準)により、評価した。
【0045】
すなわち、総合スコアに対する評価は、
1〜0.50の場合 :良(○)、
0.49〜0.01の場合:可(△)、
0〜−1の場合 :不可(×)、
とした。
【0046】
表4A及び4Bは、評価者8名による総合スコアを示す表である。
【表4A】

【表4B】

【0047】
表4A及び4Bから判るように、全てのサラダの各経過時間における評価は、全ての評価者において一致した。すなわち、離水が起こっているか否かの判定と、食感の評価が、全ての評価者において同じだったため、表4Aと4Bでは、「1」と「−1」の総合スコアのみとなっている。
【0048】
表5から8は、表4Aと4Bの総合スコアを、上記評価基準で評価した結果を示す。
【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【0049】
表5から8を見て判るように、ドレッシング類の配合番号「P-B-PT3」、「P-B-PT4」、「P-B-PT5」、「P-C-PT3」、「P-C-PT4」、「P-C-PT5」のドレッシング類は72時間後の評価が良となった。
【0050】
従来のサラダ及びサンドイッチは、製造後時間経過とともに商品から離水が発生する。製造後早い時間からの離水は、大量の商品の廃棄ロスにつながり、ひいては、販売機会を失することに繋がる。サラダあるいはサンドイッチを製造後、流通、販売を経て、消費者が購入する。しかし、例えば、製造から24時間乃至48時間経過後、喫食する際に離水が発生していると食感や風味の低下により商品価値が損なわれるという問題があった。
【0051】
これに対して、ドレッシング類の配合番号「P-B-PT3」、「P-B-PT4」、「P-B-PT5」、「P-C-PT3」、「P-C-PT4」、「P-C-PT5」のドレッシング類は72時間離水を抑制することが可能であり、商品の廃棄ロスの削減、販売機会の増大、商品価値の低下防止を図ることができる。
【0052】
次に、加水による粘度変化を測定した。従来のドレッシング類は、水分を加えることで粘度が低下するため、キャベツサラダに含まれるキャベツから水分が滲出すると、ドレッシング類の粘度が低下し、離水が起こる。そこで、上記の各ドレッシング類に水を加えて、各ドレッシング類の粘度変化を測定した。
【0053】
表9は、一定量の水道水を混同した一定量の各ドレッシング類の粘度を測定した結果を示す表である。
【0054】
表10は、表9における粘度維持率を示す表である。粘度維持率とは、表9における加水率0%のときの粘度、すなわち水道水混合前の粘度維持率を100としたときに、加水後の粘度の割合を示す表である。
【表9】

【表10】

【0055】
粘度の測定は、BH型粘度計を使用し、6号ローターを用いて、2rpmで測定した。加水率は、例えばドレッシング類100gに50gの水道水を加えた場合、50%である。なお、2rpmのときに、粘度をmPa・sに換算する方法は、6号ローター使用時は、測定数値に5000を乗じる。
【0056】
ドレッシング類を製造後、可撓性容器にドレッシング類を充填して保管し、製造から6日後に、ドレッシング類に加水して、粘度の測定を行った。粘度の測定は、ドレッシング類200gを料理用ボウルに採取し、ヘラで攪拌後に、粘度測定用カップに充填して粘度を測定した。その測定は、加水率0%から始め、その後の加水は、所定量の水道水を加えて攪拌し、その攪拌後に、粘度測定用カップに充填して粘度を測定するというようにして、各加水率の粘度測定を行った。
【0057】
表9から判るように、加水率0%のとき、配合番号「P-B-PT2」、「P-B-PT3」、「P-B-PT4」、「P-B-PT5」、「P-C-PT2」、「P-C-PT3」、「P-C-PT4」、「P-C-PT5」のドレッシング類の粘度が20万mPa・s以上であり高い。これらのドレッシング類のうち配合番号「P-B-PT3」、「P-B-PT4」、「P-B-PT5」、「P-C-PT3」、「P-C-PT4」、「P-C-PT5」のドレッシング類の粘度は、加水率が40%に変化しても、10万mPa・s以上であった。
【0058】
また、表10から判るように、加水率10%のとき、配合番号「P-A-PT3」、「P-A-PT4」、「P-A-PT5」、「P-B-PT2」、「P-B-PT3」、「P-B-PT4」、「P-B-PT5」、「P-C-PT2」、「P-C-PT3」、「P-C-PT4」、「P-C-PT5」のドレッシング類の粘度維持率が70%以上であり高い。これらのドレッシング類のうち配合番号「P-A-PT3」、「P-A-PT4」、「P-A-PT5」、「P-B-PT3」、「P-B-PT4」、「P-B-PT5」、「P-C-PT3」、「P-C-PT4」、「P-C-PT5」のドレッシング類の粘度維持率は加水率が40%に変化しても、30%以上であった。
【0059】
表9及び表10から判るように、水分を加水しても高い粘度維持率を保有し、かつ粘度が高いドレッシング類は、配合番号「P-B-PT3」、「P-B-PT4」、「P-B-PT5」、「P-C-PT3」、「P-C-PT4」、「P-C-PT5」であった。
【0060】
以上のように、エステル化度が33.5%でリシノール酸縮合度が5〜8のもの(P-B)と、エステル化度が37.5%でリシノール酸縮合度が5のもの(P-C)を、乳化剤量がドレッシング類全体の重量%で0.6〜1.2%を用いた配合番号「P-B-PT3」、「P-B-PT4」、「P-B-PT5」、「P-C-PT3」、「P-C-PT4」、「P-C-PT5」のドレッシング類は、保水性が高く、これらの配合番号のドレッシング類をサラダに使用した場合、例えばサラダの食材から水分が滲出しても、液だれが生じ難い。
【0061】
すなわち、配合番号「P-B-PT3」、「P-B-PT4」、「P-B-PT5」、「P-C-PT3」、「P-C-PT4」、「P-C-PT5」のドレッシング類は、表5乃至表8のサラダにおける離水状況及び食感の評価と表9乃至表10の粘度及び粘度維持率との関係が一致していることがわかる。
【0062】
次に、上記6つのドレッシング類の配合番号「P-B-PT3」、「P-B-PT4」、「P-B-PT5」、「P-C-PT3」、「P-C-PT4」、「P-C-PT5」の中から配合番号「P-B-PT3」のドレッシング類をパンに適用した場合、例えば、水分の滲みだしやすい食材の一つとしてトマトを用いたサンドイッチに適用した場合を想定して、水分のパンへの浸透の度合いを、評価した。
【0063】
パンへの水分の浸透度合いの評価は、次の3つのケースについて行った。
すなわち、輪切りにしたトマトを食パンの上に直接載せたもの(ケース1)、食パンにJAS(日本農林規格)に準拠のマヨネーズを塗布し、そのマヨネーズの上に輪切りにしたトマトを載せたもの(ケース2)、食パンに配合番号「P-B-PT3」のドレッシング類を塗布し、そのドレッシング類の上に輪切りにしたトマトを載せたもの(ケース3)、の3つケースについて、製造後、それぞれ冷蔵状態で24時間保管して、その後にトマトを取り除き、ケース2と3については、マヨネーズ又はドレッシング類をさらに取り除いた食パンの食感を、湿り具合と水っぽさの点で官能評価することによって、評価した。
【0064】
ここでは、食パンは、8枚切りの食パンで、トマトは、栃木県産「桃太郎」を用いた。8枚切りの食パン1枚の平均重量は48.2gで、輪切りにしたトマト1枚の平均重量は37.4gで、塗布したマヨネーズ(JAS準拠)の平均重量は8.2gで、塗布した配合番号「P-B-PT3」のドレッシング類の平均重量は、8.2gであった。
【0065】
評価基準は、3つのケースについての相対評価であり、最も食感が湿っていて水っぽいものを3点、最も食感が湿っておらず水っぽくないものを1点、その両者の中間のものを2点とする、という基準として、12名の評価者のスコアを合計し、評価者の人数で除した数値を総合スコアとした。
【0066】
表11は、その評価結果を示す。
【表11】

【0067】
表11に示すように、評価者12名が同一の評価結果を示し、配合番号「P-B-PT3」のドレッシング類を塗布したケース3の食パンが、最も食感が湿っておらず水っぽくないと評価された。
【0068】
従って、上記の配合番号「P-B-PT3」のドレッシング類は、食材から滲出した水分をパンへの滲み込み、強いては食材の離水を抑制し、水っぽくない、食感の良いサンドイッチを実現することができる。他の配合番号「P-B-PT4」、「P-B-PT5」、「P-C-PT3」、「P-C-PT4」、「P-C-PT5」についてもサンドイッチに用いると、同様の効果を生じると推察される。
以上のように、本実施例のドレッシング類は、食品の離水を抑制することができる。
(第2の実施の形態)
本発明者らは、上記目的を達成する為、鋭意検討した結果、エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを使用することで、吸水力を有し、食品からの離水を抑制することのできる複合乳化ドレッシング類が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0069】
また、上記複合乳化ドレッシング類を使用してサラダを製造した場合、吸水性を有するサラダおよびサンドイッチ等を完成した。
【0070】
(1)エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有し、吸水力を有する複合乳化ドレッシング類。
【0071】
(2)製造後1日(Day1)の粘度が10万mPa・s以上である前記(1)に記載複合乳化ドレッシング類。
【0072】
(3)ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルの重量%が、複合乳化ドレッシング類全体に対し0.01%〜5%である前記(1)又は(2)に記載の複合乳化ドレッシング類。
【0073】
(4)ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルのエステル化度が30%を超え、40%以下である前記(1)から(3)に記載の複合乳化ドレッシング類。
【0074】
(5)吸水力が10%以上である前記(1)から(4)に記載の複合乳化ドレッシング類。
【0075】
(6)エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有し、吸水力を有する複合乳化ドレッシング類を使用したサラダ。
【0076】
(7)複合乳化ドレッシング類が、サラダ全体に対し少なくとも2〜40%含む前記(6)に記載のサラダ。
【0077】
(8)90%以上の吸水性を有する前記(6)又は(7)に記載のサラダ。
【0078】
(9)エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有し、吸水力を有する複合乳化ドレッシング類を使用した食品。
【0079】
(10)エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有し、吸水力を有する複合乳化ドレッシング類を使用したサンドイッチ。
【0080】
(11)エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有し、吸水力を有する複合乳化ドレッシング類を使用した食品からの離水抑制方法。
【0081】
(12)エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有し、吸水力を有する複合乳化ドレッシング類を使用した食品の製造方法。
【0082】
(13)エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有し、吸水力を有する複合乳化ドレッシング類を製造する為の、エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有するW/O型乳化物。
【0083】
本発明によれば、吸水力を有し、食品からの離水を抑制することのできる複合乳化ドレッシング類が提供される。また、そのドレッシング類を用いたサラダやサンドイッチなど、吸水性を有する食品が提供される。
【0084】
図1は、本発明の複合乳化ドレッシング類の吸水効果を示す写真である。左が出願人の従来品(マヨネーズタイプ)、右が本発明の複合乳化ドレッシング類であり、図1は、着色した水を滴下し3分後シャーレを傾けた状態を示す。図1に示すように、本発明の複合乳化ドレッシング類は、着色した水が流れ落ちていない。
【0085】
本発明のドレッシング類は、エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有し、吸水力を有する複合乳化ドレッシング類である。
【0086】
本発明の複合乳化ドレッシング類とは、サラダやサンドイッチ等の食品に使用することのできる、水性成分と油性成分を有する乳化組成物であり、二つ以上の水相と一つ以上の油相を有するドレッシング類である。
【0087】
本明細書において、ドレッシング類とは、例えば、日本農林規格(JAS規格;Japanese Agricultural Standard)のひとつ「ドレッシングの日本農林規格」に記載のマヨネーズ、半固体状ドレッシング、サラダクリーミードレッシング等の食品をいうが、これらに限定されない。また、本明細書におけるドレッシング類には、野菜や果物等、他の固体成分や液体成分を含んだ食品も含まれる。
【0088】
本発明の複合乳化ドレッシング類は、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(polyglycerol condensed ricinolate 又はpolyglycerol−polyricinolate;以下、PGPRという)を含有する。
本発明で使用するPGPRのエステル化度は、30%を超えるものを使用する。20%以下では製造後1日(Day1)の複合乳化ドレッシング類の粘度が本発明に適した粘度にならず、十分な吸水力を有しない。複合乳化ドレッシング類の吸水力が40%以上を有するためには、エステル化度は30%を超え、40%以下であり、好ましくは、33%以上、38%以下の範囲である。
【0089】
本発明における吸水力とは、本発明の複合乳化ドレッシング類に水性成分を取り込む力である。水性成分を取り込む力とは、複合乳化ドレッシング類に含まれる水性成分だけでなく、他の水性成分(例えば複合乳化ドレッシング類と混合した野菜等の水分や他のドレッシング類の水性成分など)を取り込む力であり、取り込んだ後も、取り込む前の粘度を維持(好ましくは30%以上)している力である。水性成分とは、水だけでなく、他の液体成分や固体成分、気体成分が溶解した水なども含まれる。具体的には後述の実施例3試験例3(表17)で示すように、ドレッシング類への加水率が10%の場合、粘度維持率が30%以上のとき、吸水力10%以上とする。したがって、加水率40%のときの粘度維持率が30%以上のとき、吸水力は40%以上とする。
【0090】
また、本発明における吸水力は、食品からの離水を抑えることのできる吸水力があればよい。好ましくは10%以上あればよく、さらに好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上、特に好ましくは40%以上あればよい。
【0091】
PGPRのエステル化度とは、ポリグリセリン部分への縮合リシノール酸の結合している割合をいう。ポリグリセリンは、平均重合度をnとすると、分子内に平均(n+2)個の水酸基を有し、ポリグリセリン1分子に対し、1〜(n+2)分子までの縮合リシノール酸をエステル結合することが可能である。縮合リシノール酸がエステル結合されていない場合をエステル化度0%といい、全ての水酸基がエステル結合されている場合をエステル化度100%という。PGPRには種々のエステル化度のものが含まれており、その平均エステル化度をもってPGPRのエステル化度とする。
なお、本発明のPGPRのポリグリセリンは、グリセリン分子の平均重合度がn=2〜10のものを用いればよいが、本発明の効果をそこなわない限り、これらに限定されない。
【0092】
本発明の実施例で使用したPGPRのリシノール酸縮合度は、5以上、8以下の範囲であるが、本発明の効果をそこなわない限り、これらに限定されない。
リシノール酸縮合度とは、リシノール酸が脱水縮合している割合をいう。リシノール酸のカルボキシル基と他のリシノール酸の水酸基がエステル化し、2分子のリシノール酸が縮合している場合を縮合度2、6分子のリシノール酸が縮合している場合を縮合度6という。PGPRには種々の縮合度のリシノール酸が含まれており、その平均縮合度をもってリシノール酸縮合度とする。
【0093】
本発明の複合乳化ドレッシング類の製造後1日(Day1)の粘度は、10万mPa・s以上あればよく、好ましくは22万mPa・s以上、さらに好ましくは27万mPa・s以上、特に好ましくは30万mPa・s以上である。また、50万mPa・sより大きいと取り扱い難い。本発明においては40万mPa・s以下が好ましい。
【0094】
本発明における複合乳化ドレッシング類の製造後1日(Day1)における粘度維持率(Day1/Day0)は、30%以上あればよく、好ましくは61%以上、さらに好ましくは70%以上あればよい。
【0095】
複合乳化ドレッシング類に含まれるPGPRの量は、ドレッシング類全部を100としたときの重量%で、0.01〜5%あればよい。製造後1日(Day1)の複合乳化ドレッシング類の粘度を本発明に適した粘度にする為には0.2〜3%含有させるのがよく、好ましくは、0.4〜2%、さらに好ましくは0.6〜1.2%、特に好ましくは0.9〜1.2%含有させるのがよい。
【0096】
本発明の複合乳化ドレッシング類は、水性成分と油性成分を有する乳化組成物であり、二つ以上の水相と一つ以上の油相を有するドレッシング類である。
【0097】
本発明の実施例では、二つの水相を有し、内水相と外水相がある。
内水相及び外水相は、水のみでもよいが、本願の効果を損なわない限り、他の成分を含んでも良い。
【0098】
例えば、酢(醸造酢、果実酢、米酢、穀物酢、発酵酢、合成酢など)、果汁、各種栄養素が溶解した水溶液、食塩、砂糖類(例えば、ショ糖等)、香辛料(香辛料抽出物を含む)、調味料(例えば、グルタミン酸ナトリウム等)、はちみつ、着色料、酸味料、増粘剤(増粘多糖類や澱粉類等)、加工でんぷんなどがあげられる。
栄養素としては、ビタミンやミネラル、脂質、糖質、蛋白質である。
【0099】
増粘剤としては、例えば、キサンタンガム、ジェランガム、トラガントガム、ローカストビーンガム、グアガム、タマリンドガム、カラギーナン、プルラン、ペクチン、デキストラン、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、澱粉類(生成したものでのでも、加工したものでもよい)、ジャガイモ澱粉、コーンスターチなど)等があげられる。
これらの成分の配合量は、適宜検討すればよい。
【0100】
さらに、外水相は、卵を含んでいる。後述の実施例では、外水相は卵黄を含んでいるが、全卵でもよい。また、酵素処理をした卵黄や、乳蛋白質、大豆蛋白質等の乳化性物質、発酵生成物を含んでも良い。さらに親水性の乳化剤を含んでも良い。
【0101】
本発明で用いられる油性成分としては、食用植物油脂や食用動物油脂、食用加工油脂、親油性の香辛料、親油性の栄養成分などを用いることができる。
本発明の油相で用いられる食用植物油脂としては、サフラワー油、ぶどう油、ひまわり油、綿実油、ナタネ油、大豆油、トウモロコシ油、落花生油、こめ油、パーム油、ゴマ油、アボカド油、アマニ油、エゴマ油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、ミンク油、オリーブ油、卵黄油、小麦胚画芽油、サザンカ油、ヒマシ油などがあげられ、これらを単独で、又は2種類以上を混合して使用することができる。
【0102】
これらの油性成分に他の成分を溶解して用いてもよい。例えば、香辛料、香料、調味料や親油性の各種栄養素があげられ、栄養素としてはビタミンやミネラル、脂質、蛋白質である。
【0103】
本発明のドレッシング類の製法は、従来の方法を使用すればよく、例えば2段階乳化法を用いればよい。すなわち後述の実施例に記載したように、乳化部(W/O型乳化物)を別途作製し、これを水相と混合し、攪拌、乳化して本発明の複合乳化ドレッシング類を製造する。しかし、本発明は、本発明の効果を損なわない限り、この方法に限定されない。
【0104】
具体的には、上述記載のPGPRを食用油脂、例えばサラダオイルに溶解させ、この油相と、調味料等を溶解させた水相とを混合し、攪拌し、乳化させ、(W/O型乳化物)を作製する。さらに、この乳化部(W/O型乳化物)を、卵黄等を含んだ外水相部に混合して、攪拌、乳化して、W/O/W型複合乳化ドレッシング類を作製する。
【0105】
本発明のサラダについて説明する。サラダとは、野菜や果物、食肉等を含んでなるもので、特に水分を多く含む具材を素材としたサラダが本発明には好ましく、例えば、野菜サラダやフルーツサラダ(ミカン、パイナップル、ブルーベリー、グレープフルーツなど)、タマゴサラダなど、水分含量が60%以上のサラダがあげられる。また、水分含量が70%以上の野菜の例としては、キャベツ(約93%)、トマト(約94%)、ダイコン(約95%)、レタス(約96%)、キュウリ(約95%)、セロリー(約95%)、ハクサイ(約95%)、タマネギ(約90%)、ニンジン(約90%)、ブロッコリー(約89%)、ゴボウ(約82%)、レンコン(約82%)、スイートコーン(約77%)、ヤングコーン(約91%)、パセリ(約85%)、ピーマン(約93%)、ホウレン草(約92%)、こまつな(約94%)、アスパラガス(約93%)、なす(約93%)などがあげられるが、本発明はこれらに限定されない、
本発明のサラダには、水分を多く含む具材として、水分含量が60%以上(例えばさつまいも(約66%))、好ましくは70%以上(例えば西洋かぼちゃ(約76%))、より好ましくは80%以上(例えば日本かぼちゃ(約87%)、じゃがいも(約80%)、さといも(約84%))、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上の具材を用いたサラダが好ましい。
【0106】
本発明のサラダには、本発明の複合乳化ドレッシング類を含んでおり、離水のない、あるいは離水の少ないサラダが得られる。
【0107】
本発明の複合乳化ドレッシング類を使用したサラダを製造するときのドレッシング類の粘度は、3万mPa・s以上あればよく、好ましくは7万mPa・s以上、より好ましくは、10万mPa・s以上、さらに好ましくは17万mPa・s以上、特に好ましくは20万mPa・s以上である。
【0108】
また、本発明のサラダを製造するときのドレッシング類の加水後の粘度維持率は、30%以上あればよく、好ましくは45%以上、さらに好ましくは50%以上あればよい。
【0109】
一方、本発明における吸水性とは、例えば、本発明の複合乳化ドレッシング類でサラダを製造した場合、下記の式で求められる。
【0110】
吸水性(%)=[1−(液だれ或いは離水重量/サラダ全体重量)]×100
吸水性を有するサラダとは、サラダ製造後、離水がないか、あるいは離水の少ないサラダをいい、好ましくはサラダ製造後Day2まで吸水性を有するものが好ましく、さらに好ましくはDay3まで吸水性を有するものが好ましい。
【0111】
また、吸水性はその数字が高いものが良く、例えば90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上、特に好ましくは99%以上あるのがよい。
【0112】
後述の実施例では、ドレッシング類の割合をサラダ全体に対して20%としたが、本発明の複合乳化ドレッシング類を他のドレッシング類等と混合して使用しても良く、その場合、サラダ全体に対して、本発明の複合乳化ドレッシング類を少なくとも2〜40%含んでいれば良い。
【0113】
本発明の複合乳化ドレッシング類を使用した食品としては、前記の本発明のサラダのほか、離水や液だれを起こす食品やそれらによって風味や食感が悪化する食品があげられる。例えば、タマゴサラダのような卵製品やサンドイッチ、パスタなどに使用されるソース類、ゼリーやプリン、それらに使用されるクリームなどトッピング製品などが挙げられる。
【0114】
本発明の複合乳化ドレッシング類を使用して食品からの離水を抑制する方法としては、離水を起こす食品と本発明の複合乳化ドレッシング類を混合して使用する方法のほか、離水や液だれによって風味や食感が悪化する食品に本発明の複合乳化ドレッシング類を混合したり、塗布したりして、使用する方法などが挙げられる。
【0115】
本発明には、本発明の複合乳化ドレッシング類を用いて食品を製造する方法も含まれる。すなわち、前記の食品からの離水を抑制する方法を用いて、その効果を有する食品を製造する方法も本発明に包含される。
【0116】
また、本発明の複合乳化ドレッシング類を製造する為の、エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有するW/O型乳化物も、これを用いて吸水力を有する本願のW/O/W型複合乳化ドレッシング類を製造することができ、有用である。
【0117】
(実施例1)
(複合乳化ドレッシング類の製造)
次に本発明の複合乳化ドレッシング類の実施例を説明するが、本発明は、本発明の効果を損なわない限り、これらに限定されない。表12は、実施例と比較例で用いたPGPRの種類と、その種類毎のエステル化度とリシノール酸縮合度とを示す。表13は、製造したドレッシング類の配合をパターン毎に重量%で示す。
【0118】
表12に示す4種類のPGPRと、表13に示す4種類の配合パターンの16の組合せのドレッシング類を製造した。
4種類のPGPR(P-A,P-B,P-C,P-D)は、それぞれ表12に示すような、エステル化度及びリシノール酸縮合度を有する。
【表12】

【0119】
4種類の配合パターン(PTα,PTβ,PTγ,PTδ)は、それぞれ表13に示すような、乳化部及び外水相部の配合割合を有する。表13中の各数値は、全体を100としたときの重量%を示す。
【表13】

【0120】
[製造方法]
乳化部(W/O型乳化物)の作製:
サラダオイルに4種類のPGPR(P-A,P-B,P-C,P-D)を溶解させ、油相を作製した。この油相と、調味料等を溶解させた水相とを混合し、攪拌し、ホモミキサーまたはコロイドミルで乳化させ、乳化部(W/O型乳化物)を作製した。
【0121】
複合乳化ドレッシング類の作製:
上記乳化部(W/O型乳化物)を、卵黄等を含んだ外水相部に混合して、攪拌、コロイドミルで乳化して、W/O/W型複合乳化ドレッシング類を作製した。
【0122】
[試験例1]複合乳化ドレッシング類の粘度維持率
前述のように4種類のPGPRと4種類の配合パターンの組合せに対応する16種類のドレッシング類を製造し、ドレッシング類製造時(Day0)の粘度及び製造翌日(Day1)(本試験例では製造後24時間経過時)の粘度を比較した。粘度は、BH型粘度計を使用して、6号ローターで2rpmの回転速度で測定した。
【0123】
その粘度比較の結果を、表14に示す。表14において、ドレッシング類の配合番号は、PGPRの種類と配合パターンの組み合わせを示す。例えば、「P-C-PTα」は、PGPRの種類は、表12に示す「P-C」で、配合パターンは、表13に示す「PTα」であるドレッシング類であることを示している。
【表14】

【0124】
表14に示すように、粘度維持率(=製造翌日粘度/製造時粘度)は、PGPRのエステル化度が20(PGPR(P-A))の場合、4種類の配合パターン(PTα,PTβ,PTγ,PTδ)について、それぞれ34.4%,59.4%,60.6%,51.5%であり、PGPRのエステル化度が33.5(PGPR(P-B))の場合、4種類の配合パターン(PTα,PTβ,PTγ,PTδ)については、それぞれ101.3%,88.6%,85.3%,75.0%であった。
【0125】
さらに、PGPRのエステル化度が37.5(PGPR(P-C))の場合、4種類の配合パターン(PTα,PTβ,PTγ,PTδ)については、それぞれ97.3%,98.8%,92.2%,74.1%であり、PGPRのエステル化度が42(PGPR(P-D))の場合、4種類の配合パターン(PTα,PTβ,PTγ,PTδ)については、それぞれ37.5%,84.4%,101.3%,109.6%であった。
【0126】
(実施例2)
(複合乳化ドレッシング類を用いたサラダ)
本発明のサラダの実施例を説明するが、本発明は、本発明の効果を損なわない限り、これに限定されない。
【0127】
サラダの一つとしてキャベツサラダに、[試験例1]の16種類の製造したドレッシング類を用いたものについて、離水状況と食感を評価した。
評価は、キャベツ粗千切り(4〜5mm幅に切ること)と16種類のドレッシング類のそれぞれを、キャベツ80に対してドレッシング類20の割合(重量比)で混合したサラダを製造した。
【0128】
なお、本発明のサラダには、キャベツのほかにタマネギやニンジンなど他の野菜や、食肉等、他の具材を含んでも良い。
【0129】
[試験例2]サラダからの離水抑制効果
実施例2で製造したサラダを透明トレイパックに100g分充填して、10℃で保管して、設定した経過時間後に官能評価を行うことにより実施した。設定した経過時間は、製造から、24時間(Day1)、48時間(Day2)、及び72時間(Day3)である。
【0130】
離水状況は、各評価者に目視により判定してもらい、サラダの食感は、各評価者に実際に食して評価してもらった。
【0131】
評価基準は、次のような基準による。
A:目視により、離水していないと判定された場合
食感がよい場合、よくも悪くもない場合は、スコア1点とし、
食感が悪い場合は、スコア0点とした。
【0132】
B:目視により、離水していると判定された場合
食感がよい場合、よくも悪くもない場合、悪い場合のいずれの場合も、スコア−1点とした。
【0133】
実際に評価者8名に16種類のドレッシング類を用いて製造した16種類のサラダを目視して、かつ実際に食して上記評価基準で評価してもらい、スコア合計値を、評価者の人数で除した数値を平均スコアとした。
【0134】
そして、各ドレッシング類を次の評価基準(平均スコアの評価基準)により、総合評価した。
【0135】
すなわち、平均スコアに対する総合評価は、
1〜0.50の場合 :良(○)、
0.49〜0.01の場合:可(△)、
0〜−1の場合 :不可(×)、とした。
【0136】
その結果、離水が起こっているか否かの判定と、食感の評価が、全ての評価者において同じだったため、総合評価の結果のみを表15に示した。
【表15】

【0137】
表15を見て判るように、ドレッシング類の配合番号「P-B-PTβ」、「P-B-PTγ」、「P-B-PTδ」、「P-C-PTβ」、「P-C-PTγ」、「P-C-PTδ」のドレッシング類は72時間後の評価が良となった。
【0138】
従来のサラダ及びサンドイッチは、製造後時間経過とともに商品から離水が発生する。製造後早い時間からの離水は、大量の商品の廃棄ロスにつながり、ひいては、販売機会を失することに繋がる。サラダあるいはサンドイッチを製造後、流通、販売を経て、消費者が購入する。しかし、例えば、製造から24時間乃至48時間経過後、喫食する際に離水が発生していると食感や風味の低下により商品価値が損なわれるという問題があった。
【0139】
これに対して、ドレッシング類の配合番号「P-B-PTβ」、「P-B-PTγ」、「P-B-PTδ」、「P-C-PTβ」、「P-C-PTγ」、「P-C-PTδ」のドレッシング類は72時間離水を抑制することが可能であり、商品の廃棄ロスの削減、販売機会の増大、商品価値の低下防止を図ることができる。
【0140】
(実施例3)
ドレッシング類に加水して、粘度測定を行なうために、実施例1と同様にドレッシング類を製造後、可撓性容器にドレッシング類を充填して保管し、製造から6日後に、粘度測定を行った。配合番号P-A-PTαは比較例。
【0141】
その結果を表16に示した。
【表16】

【0142】
[試験例3]複合乳化ドレッシング類の吸水力
次に、加水による粘度変化を測定した。従来のドレッシング類は、水分を加えることで粘度が低下するため、キャベツサラダに含まれるキャベツから水分が滲出すると、ドレッシング類の粘度が低下し、離水が起こる。そこで、実施例3の各ドレッシング類に水を加えて、各ドレッシング類の粘度変化を測定した。
【0143】
その結果を粘度維持率として表17に示す。粘度維持率とは、表16における水道水混合前の粘度を100としたときに、加水後の粘度の割合である。
【0144】
粘度の測定は、BH型粘度計を使用し、6号ローターを用いて、2rpmで測定した。加水率は、例えばドレッシング類100gに50gの水道水を加えた場合、50%である。なお、2rpmのときに、粘度をmPa・sに換算する方法は、6号ローター使用時は、測定数値に5000を乗じる。
【0145】
本試験例3における粘度の測定は、各ドレッシング類200gを料理用ボウルに採取し、ヘラで攪拌後に、粘度測定用カップに充填して粘度を測定した。その測定は、加水率0%から始め、その後の加水は、所定量の水道水を加えて攪拌し、その攪拌後に、粘度測定用カップに充填して粘度を測定するというようにして、各加水率の粘度測定を行った。
【表17】

【0146】
表16から判るように、加水率0%のとき、配合番号「P-B-PTα」、「P-B-PTβ」、「P-B-PTγ」、「P-B-PTδ」、「P-C-PTα」、「P-C-PTβ」、「P-C-PTγ」、「P-C-PTδ」のドレッシング類の粘度が20万mPa・s以上であり高い。これらのドレッシング類のうち配合番号「P-B-PTβ」、「P-B-PTγ」、「P-B-PTδ」、「P-C-PTβ」、「P-C-PTγ」、「P-C-PTδ」のドレッシング類の粘度は、表17のように加水率が40%に変化しても、粘度維持率は30%以上で、10万mPa・s以上あった。
【0147】
また、表17から判るように、加水率10%のとき、配合番号「P-B-PTα」、「P-B-PTβ」、「P-B-PTγ」、「P-B-PTδ」、「P-C-PTα」、「P-C-PTβ」、「P-C-PTγ」、「P-C-PTδ」のドレッシング類の粘度維持率が70%以上であり高い。さらに加水率20%のときでも、粘度維持率が45%以上であり高い。これらのドレッシング類のうち配合番号「P-B-PTβ」、「P-B-PTγ」、「P-B-PTδ」、「P-C-PTβ」、「P-C-PTγ」、「P-C-PTδ」のドレッシング類の粘度維持率は加水率が40%に変化しても、粘度維持率は30%以上であった。
【0148】
表16及び表17から判るように、水分を加水しても高い粘度維持率を保有し、かつ粘度が高いドレッシング類は、配合番号「P-B-PTβ」、「P-B-PTγ」、「P-B-PTδ」、「P-C-PTβ」、「P-C-PTγ」、「P-C-PTδ」であった。
【0149】
以上のように、エステル化度が33.5%でリシノール酸縮合度が5〜8のもの(P-B)と、エステル化度が37.5%でリシノール酸縮合度が5のもの(P-C)を、乳化剤量がドレッシング類全体の重量%で0.6〜1.2%を用いた配合番号「P-B-PTβ」、「P-B-PTγ」、「P-B-PTδ」、「P-C-PTβ」、「P-C-PTγ」、「P-C-PTδ」のドレッシング類は、吸水力が高く、これらの配合番号のドレッシング類をサラダに使用した場合、例えばサラダの食材から水分が滲出しても、液だれが生じ難い。
【0150】
すなわち、配合番号「P-B-PTβ」、「P-B-PTγ」、「P-B-PTδ」、「P-C-PTβ」、「P-C-PTγ」、「P-C-PTδ」のドレッシング類は、表15のサラダにおける離水状況及び食感の評価と表17の粘度維持率との関係が一致していることがわかる。
【0151】
(実施例4)
(複合乳化ドレッシング類を用いたサンドイッチ)
本発明の吸水力を有する複合乳化ドレッシング類を使用した食品の例としてサンドイッチの実施例(後述のケース3)を説明するが、本発明は、本発明の効果を損なわない限り、これに限定されない。
【0152】
[試験例4]
次に、本発明の複合乳化ドレッシング類をパンに適用した場合、例えば、水分の滲みだしやすい食材の一つとしてトマトを用いたサンドイッチに適用した場合を想定して、水分のパンへの浸透の度合いを、評価した。
【0153】
パンへの水分の浸透度合いの評価は、次の3つのケースについて行った。
すなわち、輪切りにしたトマトを食パンの上に直接載せたもの(ケース1(対照))、食パンに従来のドレッシング類の例として出願人のJAS(日本農林規格)に準拠のマヨネーズを塗布し、そのマヨネーズの上に輪切りにしたトマトを載せたもの(ケース2(比較例))、食パンに配合番号「P-B-PTβ」のドレッシング類を塗布し、そのドレッシング類の上に輪切りにしたトマトを載せたもの(ケース3(実施例))、の3つケースについて、製造後、それぞれ冷蔵状態で24時間保管して、その後にトマトを取り除き、ケース2と3については、マヨネーズ又はドレッシング類をさらに取り除いた食パンの食感を、湿り具合と水っぽさの点で官能評価することによって、評価した。
【0154】
ここでは、食パンは、8枚切りの食パンで、トマトは、栃木県産「桃太郎」を用いた。8枚切りの食パン1枚の平均重量は48.2gで、輪切りにしたトマト1枚の平均重量は37.4gで、塗布したマヨネーズ(JAS準拠)の平均重量は8.2gで、塗布した配合番号「P-B-PTβ」のドレッシング類の平均重量は、8.2gであった。
【0155】
評価基準は、3つのケースについての相対評価であり、最も食感が湿っていて水っぽいものを3点、最も食感が湿っておらず水っぽくないものを1点、その両者の中間のものを2点とする、という基準として、12名の評価者のスコアを合計し、評価者の人数で除した数値を平均スコアとした。
【0156】
表18は、その評価結果を示す。
【表18】

【0157】
表18に示すように、評価者12名が同一の評価結果を示し、配合番号「P-B-PTβ」のドレッシング類を塗布したケース3の食パンが、最も食感が湿っておらず水っぽくないと評価された。
【0158】
従って、上記の配合番号「P-B-PTβ」のドレッシング類は、食材から滲出した水分をパンへの滲み込み、強いては食材の離水を抑制し、水っぽくない、食感の良いサンドイッチを実現することができる。
【0159】
本実施例4では、本発明の複合乳化ドレッシング類を食パンに塗布して、食品からの離水を抑制したが、離水を起こす食品と本発明の複合乳化ドレッシング類を混合して、食品からの離水を抑制してもよい。また、本発明の複合乳化ドレッシング類を他のドレッシング類に含有させて、同様に食品からの離水を抑制してもよい。
以上のように、本発明のドレッシング類は、食品の離水を抑制することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エステル化度が30%を超え、40%以下で、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有する、製造後24時間経過時の粘度が27万mPa・s以上、40万mPa・s以下である、複合乳化ドレッシング類。
【請求項2】
前記ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルは、重量%で、0.6%〜1.2%であることを特徴とする請求項1に記載の複合乳化ドレッシング類。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の複合乳化ドレッシング類を用いたサラダ。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の複合乳化ドレッシング類を用いたサンドイッチ。
【請求項5】
エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有し、吸水力を有する複合乳化ドレッシング類。
【請求項6】
製造後1日(Day1)の粘度が10万mPa・s以上である請求項5に記載の複合乳化ドレッシング類。
【請求項7】
前記ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルの重量%が、前記複合乳化ドレッシング類全体に対し0.01%〜5%である請求項5又は請求項6に記載の複合乳化ドレッシング類。
【請求項8】
前記ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルのエステル化度が30%を超え、40%以下である請求項5から請求項7のいずれか1つに記載の複合乳化ドレッシング類。
【請求項9】
前記吸水力が10%以上である請求項5から請求項8のいずれか1つに記載の複合乳化ドレッシング類。
【請求項10】
エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有し、吸水力を有する複合乳化ドレッシング類を使用したサラダ。
【請求項11】
前記複合乳化ドレッシング類が、サラダ全体に対し少なくとも2〜40%含む請求項10に記載のサラダ。
【請求項12】
90%以上の吸水性を有する請求項10又は請求項11に記載のサラダ。
【請求項13】
エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有し、吸水力を有する複合乳化ドレッシング類を使用した食品。
【請求項14】
エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有し、吸水力を有する複合乳化ドレッシング類を使用したサンドイッチ。
【請求項15】
エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有し、吸水力を有する複合乳化ドレッシング類を使用した食品からの離水抑制方法。
【請求項16】
エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有し、吸水力を有する複合乳化ドレッシング類を使用した食品の製造方法。
【請求項17】
エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有し、吸水力を有する複合乳化ドレッシング類を製造する為の、エステル化度が30%を超え、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有するW/O型乳化物。

【図1】
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【公開番号】特開2012−44987(P2012−44987A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165592(P2011−165592)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(598045863)ケンコーマヨネーズ株式会社 (2)
【Fターム(参考)】